説明

BLDCモータのウォームホイールギア

【課題】 BLDCモータのアマチュア部のシフトギアの駆動を伝達するためのBLDCモータのウォームホイールギアを提供する。
【解決手段】 外周面に形成され、ねじ溝の一側は彫られた形態に開放され、ねじ溝の他側は閉鎖して形成されるウォームホイールねじ部、中心部に形成されるウォームホイール中心軸、および前記ウォームホイール中心軸から突出して前記ウォームホイールねじ部の内周面に連結し、前記ウォームホイールねじ部を支持する内部支持体を含むことを特徴とする。これにより、本発明は、ウォームホイールねじ部とシフトギアとの接触面積を大きくし駆動伝達効率を高めると同時に、駆動騒音を減らす特徴を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はBLDC(サンルーフ)モータのウォームホイールギアに関し、より詳しくは、BLDC(Brush−Less Direct Current)モータのアマチュア部シフトギアの駆動を効率的に伝達するためのウォームホイールギアの形状に関する。
【背景技術】
【0002】
BLDCモータは、駆動時の騒音を最小化して電波ノイズを低めるためにブラシを取り除いたモータであって、車両のサンルーフ駆動装置のように低騒音が求められる装置の駆動源として用いられている。
【0003】
図1は、従来のBLDCモータのウォームホイールギアの斜視図であって、一般的に用いられるウォームホイールギアの形状を示す。従来のBLDCモータのウォームホイールギアは、図1の「A」のようにねじ山が両方向に開放している形状であり、「B」のようにギアのねじ山部と駆動軸を支持する内部の構造が一体でなされる構造を有している。
【0004】
しかし、従来のBLDCモータのウォームホイールギアは、「A」のような形状によってシフトギアとの過度な噛力による摩耗や破損を防ぐために、ねじ山の終端部によってマッチングがなされるため、シフトギアとの最大接触面積の増大による伝達効率を高めることが困難であるという問題を有する。
【0005】
また、従来のBLDCモータのウォームホイールギアは、「B」のような一体構造により、シフトギアとのマッチング時に過度な噛力によって発生する応力が駆動軸を含むウォームホイールギア全体に容易に伝達されるようになり、騒音が増大するという問題を有する。
【0006】
特に、ユーザの耳の近くに設置される車両のサンルーフ駆動装置に適用されるBLDCモータのウォームホイールギアの場合、微細な作動騒音でもユーザの不満要因として容易に作用する。
(例えば特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】KR10−2003−0082892A(2003.10.23、図4参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は前記のような点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、シフトギアとの接触面積を増大でき、過度に噛み合うときに発生する応力を分散できる構造によって動力の伝達効率を高め、駆動時に発生し得る騒音を減らすことができるBLDCモータのウォームホイールギアを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的を達成するための本発明のBLDCモータのウォームホイールギアは、外周面に形成され、ねじ溝の一側は彫られた形態に開放し、ねじ溝の他側は閉鎖して形成されるウォームホイールねじ部、中心部に形成されるウォームホイール中心軸、および前記ウォームホイール中心軸から突出して前記ウォームホイールねじ部の内周面に連結し、前記ウォームホイールねじ部を支持する内部支持体を含むことを特徴とする。
【0010】
前記ウォームホイールねじ部のねじ溝の形態は、前記シフトギアのねじ山に対応して半円形態に彫られて形成されることを特徴とする。
【0011】
前記ウォームホイールねじ部の内周面から前記ウォームホイール中心軸方向に突出して形成され、前記シフトギアとのマッチング時に外部から加えられた圧力に対応して前記内部支持体と接触する複数の突起部をさらに含むことを特徴とする。
【0012】
ここで、前記内部支持体は、前記ウォームホイール中心軸から放射線のスポーク形状に拡散して前記ウォームホイールねじ部の内周面に連結することにより、ウォームホイールねじ部を支持することを特徴とする。
【0013】
前記突起部は、前記内部支持体と等間隔に離隔形成され、突出した端部が前記内部支持体の間に配置され、前記シフトギアとのマッチング時に外部から加えられた圧力に対応して隣接した前記内部支持体と接触し、前記外部から加えられた圧力を分散することができる。特に、前記突起部は、端部に膨らむように拡張した拡張領域を備えることを特徴とする。
【0014】
BLDCモータのウォームホイールギアは、前記BLDCモータのシフトギアとマッチングするウォームホイールねじ部、中心部に形成されるウォームホイール中心軸、前記ウォームホイール中心軸から突出して前記ウォームホイールねじ部の内周面に連結し、前記ウォームホイールねじ部を支持する内部支持体、および前記ウォームホイールねじ部の内周面から前記ウォームホイール中心軸方向に突出して形成され、前記シフトギアとのマッチング時に外部から加えられた圧力に対応して前記内部支持体と接触する複数の突起部を含むことを特徴とする。
【0015】
前記内部支持体は、前記ウォームホイール中心軸から放射線のスポーク形状に拡散し、前記ウォームホイールねじ部の内周面に連結することを特徴とする。
【0016】
前記突起部は、前記内部支持体と等間隔に離隔形成され、突出した端部が前記内部支持体の間に配置され、前記シフトギアとのマッチング時に外部から加えられた圧力に対応して隣接した前記内部支持体と接触し、前記外部から加えられた圧力を分散することができる。特に、前記突起部は、端部に膨らむように拡張した拡張領域を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
このように、本発明に係るBLDCモータのウォームホイールギアは、シフトギアとの接触面積を大きくするために、ねじ溝の一側が開放され、他側は閉鎖して形成されることにより、シフトギアとの接触面積を大きくすることによって駆動伝達効率を高めると同時に、駆動騒音を減らすことができる。
【0018】
本発明に係るBLDCモータのウォームホイールギアは、シフトギアとのマッチング時に外部から加えられた圧力に対応して突起部の拡張領域が左右に隣接した内部支持体と接触することにより、シフトギアとのマッチング時に外部から加えられた圧力を分散することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】従来のBLDCモータのウォームホイールギアの斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るBLDCモータのウォームホイールギアの平面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るBLDCモータのウォームホイールギヤとシフトギアとのマッチング状態を横断面で示す概念図である。
【図4】図3と比べるために、従来のBLDCモータのウォームホイールギアのマッチング状態を横断面で示す概念図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るBLDCモータのウォームホイールギアとシフトギアとのマッチング状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係るBLDCモータのウォームホイールギアについて説明する。図2は、本発明の一実施形態に係るBLDCモータのウォームホイールギアの平面図である。
【0021】
本実施形態に係るBLDCモータのウォームホイールギア1は、BLDCモータのアマチュア部のシフトギアの駆動を伝達するためのものであって、ウォームホイールねじ部10、ウォームホイール中心軸20、および内部支持体40、突起部30などで構成される。
【0022】
ウォームホイールねじ部10は、図2に示すように、外周面に形成され、ねじ溝の一側は彫られた形態に開放され、ねじ溝の他側は閉鎖した形態である。ウォームホイール中心軸20は、本実施形態に係るBLDCモータのウォームホイールギア1の中心部に配置され、駆動軸の役割を行う。
【0023】
ここで、ねじ溝の形態は、図3で確認できるように、シフトギアのねじ山との接触面を最大にするために半円形態に彫られている。図4は、従来のBLDCモータのウォームホイールギアのマッチング時の横断面の概念図であって、本実施形態に比べてシフトギヤとウォームホイールギアの接触面が小さいことを知ることができる。
【0024】
このように、本発明の一実施形態に係るBLDCモータのウォームホイールギア1は、シフトギアとの接触面積を大きくするために、ねじ溝の一側が開放され、他側は閉鎖して形成されることにより、シフトギアとの接触面積を大きくすると同時に、駆動騒音を減らすことができる。
【0025】
内部支持体40は、図2に示すように、ウォームホイール中心軸20から突出して前記ウォームホイールねじ部10の内周面に連結して支持される。内部支持体40は、図2に示すように、ウォームホイール中心軸から放射線のスポーク形状で形成されることができる。
【0026】
突起部30それぞれは、図2に示すように、ウォームホイールねじ部10の内周面からウォームホイール中心軸20方向に突出し、内部支持体40と等間隔に離隔形成される。
【0027】
突起部30は、図2に示すように、突出した端部に膨らむように拡張した拡張領域35を備え、内部支持体40の間に一定間隔が離隔して配置される。
【0028】
突起部30は、図5に示すように、本実施形態に係るBLDCモータのウォームホイールギア1は、シフトギアとのマッチング時に外部から加えられた圧力に対応して拡張領域35が左右に隣接した内部支持体40と接触することにより、シフトギアとのマッチング時に外部から加えられた圧力を分散することができる。
【0029】
本発明の一実施形態に係るBLDCモータのウォームホイールギア1は、シフトギアとの接触面積を大きくするために、ねじ溝の一側が開放され、他側は閉鎖して形成されることにより、シフトギアとの接触面積を大きくすることができる。
【0030】
また、本発明の一実施形態に係るBLDCモータのウォームホイールギア1は、突起部30がウォームホイールねじ部10の内周面からウォームホイール中心軸20方向に突出して内部支持体40の間に配置されることにより、シフトギアとのマッチング動作時に外部から加えられる圧力を分散することができる。
【0031】
本実施形態に係るBLDCモータのウォームホイールギア1は、ウォームホイールねじ部10と突起部30を2つすべて含んだ実施形態であるが、変形された実施形態として、2つの構成のうちの1つのみを選択的に採択したBLDCモータのウォームホイールギアも可能である。
【0032】
また、本実施形態に係るBLDCモータは、車両のサンルーフ駆動源として適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、BLDCモータ用ウォームホイールギアの形状に関する分野に適用できる。
【符号の説明】
【0034】
1 ・・・BLDCモータのウォームホイールギア
10 ・・・ウォームホイールねじ部
20 ・・・ウォームホイール中心軸
30 ・・・突起部
35 ・・・拡張領域
40 ・・・内部支持体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
BLDCモータのアマチュア部のシフトギアの駆動を伝達するためのBLDCモータのウォームホイールギアであって、
外周面に形成され、ねじ溝の一側は彫られた形態に開放され、ねじ溝の他側は閉鎖して形成されるウォームホイールねじ部、
中心部に形成されるウォームホイール中心軸、および
前記ウォームホイール中心軸から突出して前記ウォームホイールねじ部の内周面に連結し、前記ウォームホイールねじ部を支持する内部支持体、
を含むことを特徴とする、BLDCモータのウォームホイールギア。
【請求項2】
前記ウォームホイールねじ部のねじ溝の形態は、前記シフトギアのねじ山に対応して半円形態に彫られたことを特徴とする、請求項1に記載のBLDCモータのウォームホイールギア。
【請求項3】
前記ウォームホイールねじ部の内周面から前記ウォームホイール中心軸方向に突出して形成され、前記シフトギアとのマッチング時に外部から加えられた圧力に対応して前記内部支持体と接触する複数の突起部をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のBLDCモータのウォームホイールギア。
【請求項4】
前記内部支持体は、前記ウォームホイール中心軸から放射線のスポーク形状に拡散して前記ウォームホイールねじ部の内周面に連結することを特徴とする、請求項3に記載のBLDCモータのウォームホイールギア。
【請求項5】
前記突起部は、前記内部支持体と等間隔に離隔形成され、突出した端部が前記内部支持体の間に配置され、前記シフトギアとのマッチング時に外部から加えられた圧力に対応して隣接した前記内部支持体と接触し、前記外部から加えられた圧力を分散することを特徴とする、請求項4に記載のBLDCモータのウォームホイールギア。
【請求項6】
前記突起部は、端部に膨らむように拡張した拡張領域を備えることを特徴とする、請求項5に記載のBLDCモータのウォームホイールギア。
【請求項7】
前記BLDCモータは、車両のサンルーフ駆動源として適用されることを特徴とする、請求項1に記載のBLDCモータのウォームホイールギア。
【請求項8】
BLDCモータのアマチュア部のシフトギアの駆動を伝達するためのBLDCモータのウォームホイールギアであって、
前記BLDCモータのシフトギアとマッチングするウォームホイールねじ部、
中心部に形成されるウォームホイール中心軸、
前記ウォームホイール中心軸から突出して前記ウォームホイールねじ部の内周面に連結し、前記ウォームホイールねじ部を支持する内部支持体、および
前記ウォームホイールねじ部の内周面から前記ウォームホイール中心軸方向に突出して形成され、前記シフトギアとのマッチング時に外部から加えられた圧力に対応して前記内部支持体と接触する複数の突起部、
を含むことを特徴とする、BLDCモータのウォームホイールギア。
【請求項9】
前記内部支持体は、前記ウォームホイール中心軸から放射線のスポーク形状に拡散して前記ウォームホイールねじ部の内周面に連結することを特徴とする、請求項8に記載のBLDCモータのウォームホイールギア。
【請求項10】
前記突起部は、前記内部支持体と等間隔に離隔形成され、突出した端部が前記内部支持体の間に配置され、前記シフトギアとのマッチング時に外部から加えられた圧力に対応して隣接した前記内部支持体と接触し、前記外部から加えられた圧力を分散することを特徴とする、請求項9に記載のBLDCモータのウォームホイールギア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−68321(P2013−68321A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255329(P2011−255329)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(591251636)現代自動車株式会社 (1,064)
【Fターム(参考)】