説明

BTKおよびSYK蛋白キナーゼを阻害する方法

それを必要とする患者に、請求項1に記載の式(I)の化合物の治療有効量を投与することを含む、チロシンキナーゼ[ここで、チロシンキナーゼはBTKまたはSYKである]を阻害する方法が開示される。この化合物は自己免疫性および炎症性疾患の治療に有用である。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】


{式中、
、RおよびRは、独立してR−X−、C3−7シクロアルキル−T−、ヘテロシクリル−T−、水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、−OH、−NH、−NH−C(O)H、−C(O)OH、−C(O)NH、−S(O)NH、−NHC(O)NH、−C(O)NH−O−C1−6アルキル、−C(O)N(C1−6アルキル)−O−C1−6アルキル、−NHC(O)NH−O−C1−6アルキル、−NHC(O)N(C1−6アルキル)−O−C1−6アルキル、−S(O)NH−O−C1−6アルキル、−S(O)N(C1−6アルキル)−O−C1−6アルキル、または、場合によりハロゲン、ヒドロキシもしくはアルコキシで1または3回置換されていてもよいC1−6アルキルであり;
は、R−X−、R−X−、R−X(CH−、R−X(CH−、C3−7シクロアルキル−T−、ヘテロシクリル−T−、水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、−OH、−NH、−NH−C(O)H、−C(O)OH、−C(O)NH、−S(O)NH、−NHC(O)NH、−C(O)NH−O−C1−6アルキル、−C(O)N(C1−6アルキル)−O−C1−6アルキル、−NHC(O)NH−O−C1−6アルキル、−NHC(O)N(C1−6アルキル)−O−C1−6アルキル、−S(O)NH−O−C1−6アルキル、−S(O)N(C1−6アルキル)−O−C1−6アルキル、または、場合によりハロゲン、ヒドロキシもしくはアルコキシで1または3回置換されていてもよいC1−6アルキルであり;
は、C3−7シクロアルキル−T−、ヘテロシクリル−T−、アリール−T−、ヘテロアリール−T−、または場合によりハロゲンで1〜5回置換されていてもよいC1−6アルキルであり;
は、C1−6アルキル(式中、アルキルは、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、C1−6アルキルアミノ、C1−6ジアルキルアミノ、C1−6アルキルスルファニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、C1−6アルキルスルファモイル、C1−6ジアルキルスルファモイル、C1−6アルキルスルホニルアミノまたはヘテロシクリルスルホニルで1〜3回置換されている)であり;
Xは、−C(O)NH−、−C(O)N(C1−6アルキル)−、−N(C1−6アルキル)C(O)−、−NHC(O)−、−NHC(O)NH−、−NHC(O)N(C1−6アルキル)−、−OC(O)N(C1−6アルキル)−、−NHS(O)−、−S(O)NH−、−S(O)N(C1−6アルキル)−、−S(O)−、−S(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)−、−NH−、−N(C1−6アルキル)−、−O−または−S−であり;
は、−S(O)−、−S(O)−、−OC(O)−、−C(O)−、NH−、−N(C1−6アルキル)−、−O−または−S−であり;
、T、TおよびTは、独立して、単結合、または場合によりヒドロキシで1または2回置換されていてもよいアルキレンであり;
は、水素、C1−6アルキル(これは場合によりハロゲンまたはアルコキシで1回または数回置換されていてもよい)、ヘテロアリール、またはフェニル[これは場合により、ハロゲン、−NO、−OH、−C(O)OH、−C(O)NH−アリール、−C(O)NH、−C(O)NH−C1−6アルキル、−C(O)N(C1−6アルキル)、−C(O)−ヘテロシクリル、−NH、−NHC(O)−アリール、−NHC(O)−C3−7シクロアルキル、−NHC(O)−C1−6アルキル、−N(C1−6アルキル)C(O)−C1−6アルキル、−NHC(O)O−C1−6アルキル、−N(C1−6アルキル)C(O)O−C1−6アルキル、−NHC(O)−C1−6アルコキシアルキル、−NH−S(O)−アリール、−NH−S(O)−C1−6アルキル、−C(O)NH−S(O)−アリール、−C(O)NH−S(O)−C1−6アルキル、−S(O)−アルキル、−NH−アリール、−O−アリール、−S(O)−アリール、アリール、ヘテロシクリル、C3−7シクロアルキル、C1−6アルキル、C1−6アルコキシまたはC1−6アルキルスルファニル(前記アルキル、アルコキシおよびアルキルスルファニル基は、場合によりハロゲンで1または3回置換されていてもよい)で1または2回置換されていてもよい];場合により独立して1〜3個のハロゲンで置換されていてもよいナフチル、独立して3個のハロゲンで置換されているフェニル;1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル、C3−7シクロアルキルまたはC1−6アルケニルであり;
Yは、アルキレン、アルキレン−C(O)−またはアルキレン−CH(OH)−であり;
mは、1〜5であり;
nは、0または1であり;
は、水素、C1−6アルキル、シアノまたはハロゲンであり;そして、
は、水素、C1−6アルキルまたはC3−7シクロアルキルである}
で示される化合物または薬学的に許容されるその塩の治療有効量をそれを必要とする患者に投与することを含む、チロシンキナーゼ(ここで、このチロシンキナーゼはBTKまたはSYKである)により仲介される疾患の治療方法。
【請求項2】
、R、RおよびRが水素であり;
が、ヘテロシクリル−T、R−X−、R−X−、H(O)CNH−または場合によりヒドロキシで置換されてもよいC1−6アルキルであり;
が、ヘテロシクリル−Tであり;ヘテロシクリルが、ピペリジン、ピペラジン、N−メチルピペラジンまたはモルホリンであり;
が単結合であり;
Xが、−O−、−N(C1−6アルキル)−、−C(O)NH−または−C(O)N(C1−6アルキル)−であり;
Nが0でありかつRがC1−6アルキルであるか、またはNが1であり、YがC1−6アルキレンでありかつRが場合により置換されてもよいフェニルであるかのいずれかであり;そして
がC1−3アルキルである、
請求項1記載の方法。
【請求項2】
チロシンキナーゼがBTKである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
チロシンキナーゼがSYKである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
疾患が、アレルギーにより誘発される炎症性疾患、例えば喘息または多発性硬化症である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
疾患が関節リウマチである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
チロシンキナーゼ(ここで、このチロシンキナーゼはBTKまたはSYKである)により仲介される疾患の治療のための医薬を製造するための、式I:
【化2】


{式中、
、RおよびRは、独立してR−X−、C3−7シクロアルキル−T−、ヘテロシクリル−T−、水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、−OH、−NH、−NH−C(O)H、−C(O)OH、−C(O)NH、−S(O)NH、−NHC(O)NH、−C(O)NH−O−C1−6アルキル、−C(O)N(C1−6アルキル)−O−C1−6アルキル、−NHC(O)NH−O−C1−6アルキル、−NHC(O)N(C1−6アルキル)−O−C1−6アルキル、−S(O)NH−O−C1−6アルキル、−S(O)N(C1−6アルキル)−O−C1−6アルキル、または、場合によりハロゲン、ヒドロキシもしくはアルコキシで1または3回置換されていてもよいC1−6アルキルであり;
は、R−X−、R−X−、R−X(CH−、R−X(CH−、C3−7シクロアルキル−T−、ヘテロシクリル−T−、水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、−OH、−NH、−NH−C(O)H、−C(O)OH、−C(O)NH、−S(O)NH、−NHC(O)NH、−C(O)NH−O−C1−6アルキル、−C(O)N(C1−6アルキル)−O−C1−6アルキル、−NHC(O)NH−O−C1−6アルキル、−NHC(O)N(C1−6アルキル)−O−C1−6アルキル、−S(O)NH−O−C1−6アルキル、−S(O)N(C1−6アルキル)−O−C1−6アルキル、または、場合によりハロゲン、ヒドロキシもしくはアルコキシで1または3回置換されていてもよいC1−6アルキルであり;
は、C3−7シクロアルキル−T−、ヘテロシクリル−T−、アリール−T−、ヘテロアリール−T−、または場合によりハロゲンで1〜5回置換されていてもよいC1−6アルキルであり;
は、C1−6アルキル(式中、アルキルは、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、C1−6アルキルアミノ、C1−6ジアルキルアミノ、C1−6アルキルスルファニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、C1−6アルキルスルファモイル、C1−6ジアルキルスルファモイル、C1−6アルキルスルホニルアミノまたはヘテロシクリルスルホニルで1〜3回置換されている)であり;
Xは、−C(O)NH−、−C(O)N(C1−6アルキル)−、−N(C1−6アルキル)C(O)−、−NHC(O)−、−NHC(O)NH−、−NHC(O)N(C1−6アルキル)−、−OC(O)N(C1−6アルキル)−、−NHS(O)−、−S(O)NH−、−S(O)N(C1−6アルキル)−、−S(O)−、−S(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)−、−NH−、−N(C1−6アルキル)−、−O−または−S−であり;
は、−S(O)−、−S(O)−、−OC(O)−、−C(O)−、NH−、−N(C1−6アルキル)−、−O−または−S−であり;
、T、TおよびTは、独立して、単結合、または場合によりヒドロキシで1または2回置換されていてもよいアルキレンであり;
は、水素、C1−6アルキル(これは場合によりハロゲンまたはアルコキシで1回または数回置換されていてもよい)、ヘテロアリール、またはフェニル[これは場合により、ハロゲン、−NO、−OH、−C(O)OH、−C(O)NH−アリール、−C(O)NH、−C(O)NH−C1−6アルキル、−C(O)N(C1−6アルキル)、−C(O)−ヘテロシクリル、−NH、−NHC(O)−アリール、−NHC(O)−C3−7シクロアルキル、−NHC(O)−C1−6アルキル、−N(C1−6アルキル)C(O)−C1−6アルキル、−NHC(O)O−C1−6アルキル、−N(C1−6アルキル)C(O)O−C1−6アルキル、−NHC(O)−C1−6アルコキシアルキル、−NH−S(O)−アリール、−NH−S(O)−C1−6アルキル、−C(O)NH−S(O)−アリール、−C(O)NH−S(O)−C1−6アルキル、−S(O)−アルキル、−NH−アリール、−O−アリール、−S(O)−アリール、アリール、ヘテロシクリル、C3−7シクロアルキル、C1−6アルキル、C1−6アルコキシまたはC1−6アルキルスルファニル(前記アルキル、アルコキシおよびアルキルスルファニル基は、場合によりハロゲンで1または3回置換されていてもよい)で1または2回置換されていてもよい];場合により独立して1〜3個のハロゲンで置換されていてもよいナフチル、独立して3個のハロゲンで置換されているフェニル;1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル、C3−7シクロアルキルまたはC1−6アルケニルであり;
Yは、アルキレン、アルキレン−C(O)−またはアルキレン−CH(OH)−であり;
mは、1〜5であり;
nは、0または1であり;
は、水素、C1−6アルキル、シアノまたはハロゲンであり;そして、
は、水素、C1−6アルキルまたはC3−7シクロアルキルである}
で示される化合物または薬学的に許容されるその塩の使用。
【請求項7】
本明細書前記の発明。

【公表番号】特表2009−530342(P2009−530342A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−500817(P2009−500817)
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【国際出願番号】PCT/EP2007/052267
【国際公開番号】WO2007/107469
【国際公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】