説明

C型肝炎ウイルス阻害剤

【課題】C型肝炎の予防若しくは治療に有効なHCV阻害剤を提供する。
【解決手段】一般式(I)


(式中、Xは、O、S、N、又はCであり、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、直鎖状若しくは分岐状の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールカルボニル基、ヘテロアリールカルボニル基、アルールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アラルキル基等及び脂肪族ヘテロ環からなる群から選択される任意の基である。)で示される化合物を含有するC型肝炎ウイルス阻害剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、C型肝炎ウイルス阻害剤に関する。より詳しくは、C型肝炎ウイルスの感染、複製又はC型肝炎ウイルスタンパク質の翻訳に影響を及ぼす各種物質を探索して検出された新規なC型肝炎ウイルス阻害剤に関する。
【背景技術】
【0002】
C型肝炎ウイルス(以下「HCV」と記載する。)は非A非B型肝炎の原因ウイルスとして1989年に発見同定された。HCVは、エンベロープを有するRNAウイルスである。ゲノムは一本鎖プラス鎖RNAで、フラビウイルス科のHepacivirus属に分類される(International Union of Microbiological Societies のThe International Committee on Taxonomy of Virusesより)。
【0003】
同じ肝炎ウイルスであっても、DNAウイルスであるB型肝炎ウイルス(HBV)は、免疫能の未熟な新生児、乳幼児期以外では、たとえ感染しても免疫機構により排除され急性感染で終わる。それと比較して、HCVは、未だ明らかではない原因により宿主の免疫機構を回避する。そのため免疫機構の発達した大人に感染した場合でも、持続性感染に移行することが多い。
【0004】
HCV感染により引き起こされる肝炎(C型肝炎)は、その後二十数年の経過のなかで肝硬変、そして最終的に肝癌に至る可能性がある。肝癌は、手術で癌を摘出しても、非癌部で引き続き起こる炎症のため肝癌が再発する患者も多いことが知られている。
また、HCV感染が慢性蕁麻疹、偏平苔癬、クリオグロブリン血症性紫斑等の皮膚疾患に関与するとの報告も見られる(日皮会誌, 111(7), 1075-81, 2001)。
【0005】
HCV感染者は日本国内で約200万人、世界で約2億人いると推定されている。また、HCVに感染していることを自覚していないいわゆる無症候性キャリアーも多数存在している。現在、日本国内では、肝細胞癌による犠牲者は年間約3.5万人となっており、その8割はHCV感染によるものである。
【0006】
現在、HCV感染症に対しては、インターフェロンとリバビリン(Ribavirin:1−β−D−リボフラノシル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド)の併用療法が一般的である。しかしながら、この併用療法は、患者全体の50%にしか有効ではなく、また、血球減少症・溶血性貧血など重篤な副作用をおこすことが知られている。
【0007】
係る事情の下、薬効の優れているHCV阻害剤を検出することが求められている。そのため、HCVがどのようにして複製増殖するのか、そして宿主細胞にどのような影響を与えるのかといったHCVの生活環の詳細を明らかにすることが求められる。
【0008】
1999年に、HCVを人工的に増殖させる実験システムとしてHCVレプリコンシステムが登場した。このシステムでは、HCVゲノムの複製に必須のNS3〜NS5B領域とゲノムの両末端からなるHCVサブゲノムが細胞内で複製するようになっており、1細胞あたりのHCVサブゲノムのコピー数は数千というレベルに達する。
【0009】
また、T7RNAポリメラーゼを用いて感染性クローンのRNAを合成するHCVレプリコンシステムについても報告されている(非特許文献1、2、特許文献1)。
しかし、このレプリコンシステムから検出されるHCV阻害剤は、HCV感染後の後期過程に作用する阻害剤にすぎず、薬効としては不十分である。
【0010】
【特許文献1】国際公開WO05/028652
【非特許文献1】Nature Medicine 11, Number 7, July p.791-796(2005)
【非特許文献2】ウイルス第55巻第2号 pp.287-296 (2005)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、増殖環の全過程の何れかの過程を標的とする、HCV増殖に対する高い阻害活性を有するHCV阻害剤を提供することを目的とするものである。また、本発明は、C型肝炎の予防若しくは治療に有効な薬剤を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明に係るHCV阻害剤は、
以下の一般式(I)乃至(VIII)で示される化合物のうち少なくともいずれか一つを含有する、宿主細胞においてC型肝炎ウイルスの感染または産生を抑制しうるC型肝炎ウイルス阻害剤である。
【0013】
一般式(I)
【化1】

【0014】
一般式(II)
【化2】

【0015】
一般式(III)
【化3】

【0016】
一般式(IV)
【化4】

【0017】
一般式(V)
【化5】

【0018】
一般式(VI)
【化6】

【0019】
一般式(VII)
【化7】

【0020】
一般式(VIII)
【化8】

【0021】
一般式(I)〜(VIII)において、Xは、O、S、N、又はCであり、R1、R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、直鎖状若しくは分岐状の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールカルボニル基、ヘテロアリールカルボニル基、アルールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アラルキル基、アルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アラルキルオキシカルボニル基、アリルエーテル基、シクロエーテル基、及び脂肪族ヘテロ環からなる群から選択される任意の基である。
【0022】
また、前記一般式(I)で示される化合物が、以下の構造式(IX)で示される化合物である、ことも可能である。
【0023】
構造式(IX)
【化9】

【0024】
また、前記一般式(III)で示される化合物が、以下の構造式(XII)で示される化合物である、ことも可能である。
【0025】
構造式(XII)
【化10】

【0026】
また、前記一般式(IV)で示される化合物が、以下の構造式(XIII)で示される化合物である、ことも可能である。
【0027】
構造式(XIII)
【化11】

【0028】
また、前記一般式(V)で示される化合物が、以下の構造式(XIV)で示される化合物である、ことも可能である。
【0029】
構造式(XIV)
【化12】

【0030】
また、前記一般式(VI)で示される化合物が、以下の構造式(XIX)で示される化合物である、ことも可能である。
【0031】
構造式(XIX)
【化13】

【0032】
また、前記一般式(VII)で示される化合物が、以下の構造式(XX)で示される化合物である、ことも可能である。
【0033】
構造式(XX)
【化14】

【0034】
前記一般式(VIII)で示される化合物が、以下の構造式(XXII)で示される化合物である、ことも可能である。
【0035】
構造式(XXII)
【化15】

【発明の効果】
【0036】
本発明に係るHCV阻害剤は、C型肝炎の予防若しくは治療に有効な薬剤である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
〔HCV阻害剤〕
本発明者らは、鋭意研究を日夜重ねた結果、植物及び微生物由来の純天然物を含む化合物ライブラリーから上述の一般式(I)〜(VIII)に示される化合物、その薬学上許容される塩及び溶媒和物のうち少なくとも何れか一つを含有するHCV阻害剤が、増殖環の全過程の何れかの過程を標的とするHCV阻害剤であることを見いだして本件発明に至った。
【0038】
上述の一般式(I)〜(VIII)において、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールカルボニル基、ヘテロアリールカルボニル基、アルールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アラルキル基、アルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アラルキルオキシカルボニル基、アリルエーテル基、シクロエーテル基及び脂肪族ヘテロ環、における置換基には、低級アルキル基、低級アルキルカルボニル基、低級アルキルスルホニル基、低級アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシ基、カルバモイル基、硫酸基、亜硫酸基等が含まれる。
【0039】
アリールは、フェニル、ナフチル又は多環芳香族炭化水素基(フェナンスリル等)等である。
【0040】
ヘテロアリールは、N、O、Sからなる群から選択されるヘテロ原子を1〜4個含む5〜6員の芳香環基(例えば、フラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン)である。
【0041】
アリールカルボニルは、カルボニル基に上記のアリールが置換して形成される基である。
【0042】
ヘテロアリールカルボニルは、カルボニル基に上記のヘテロアリールが置換して形成される基である。
【0043】
アリールスルホニルは、スルホニル基に上記のアリールが置換して形成される基である。
【0044】
ヘテロアリールスルホニルは、スルホニル基に上記ヘテロアリールが置換して形成される基である。
【0045】
アラルキルは、後述する低級アルキル基に上記アリールが置換して形成される基であり、ベンジル、メチルベンジル、ナフチルメチル等である。
【0046】
アラルキルオキシカルボニルは、カルボニル基に上述のアラルキルがO原子を介して結合して形成される基であり、例えばベンジルオキシカルボニル等である。
【0047】
脂肪族ヘテロ環は、N、O、及びSからなる群から選択されるヘテロ原子を1〜4個含む5〜6員の脂肪族環であり、ピロリジニル、チアゾリジニル、オキサゾリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロリル、チアゾリル等が例示される。
【0048】
低級アルキルは、炭素数1〜8個の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ぺンチル、イソぺンチル、ネオぺンチル、tert−ぺンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル等が含まれる。
【0049】
低級アルコキシは、炭素数1〜6個の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基である。具体的にはメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、イソヘキシルオキシ等が含まれる。
【0050】
ハロゲンは、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素である。
【0051】
低級アルキルカルボニルは、カルボニル基に上記の低級アルキルが置換して形成される基である。
【0052】
低級アルキルスルホニルは、スルホニル基に上記の低級アルキルが置換して形成される基である。
【0053】
薬学上許容される塩とは、以下に示すものがあげられる。塩基性付加塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩がある。また、例えばカルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩がある。また、例えばアンモニウム塩がある。また、例えばトリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ブロカイン塩等の脂肪族アミン塩がある。また例えばN,N−ジベンジルエチレンジアミン等のアラルキルアミン塩がある。また例えばピリジン塩、ピコリン塩、キノリン塩、イソキノリン塩等の複素環芳香族アミン塩がある。また例えばテトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアモニウム塩、ベンジルトリメチルアンモニウム塩、ベンジルトリエチルアンモニウム塩、ベンジルトリブチルアンモニウム塩、メチルトリオクチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩がある。また、アルギニン塩、リジン塩等の塩基性アミノ酸塩等がある。
【0054】
酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、過塩素酸塩等の無機酸塩がある。また例えば、酢酸塩、プロピオン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、フマール酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩等の有機酸塩がある。また例えばメタンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等のスルホン酸塩がある。また例えば、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等の酸性アミノ酸等がある。
【0055】
本実施形態において、宿主細胞とは、HCVが感染しうる細胞をいい、例えば、肝細胞が挙げられる。
【0056】
本実施形態に係るHCV阻害剤は、上記に示す一般式(I)〜(VIII)のうち少なくともいずれかの化合物を薬学上有効量含み、さらに薬学的に許容し得る担体を含んでなる医薬組成物も含まれる。
【0057】
一般式(I)〜(VIII)の化合物、その薬学上許容される塩及び溶媒和物は、常法に従って、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤、懸濁剤、コーティング剤等の医薬の製剤技術分野において通常使用し得る既知の補助剤を用いて、経口投与、組織内投与、局所投与、経直腸的投与などに適した剤型に製剤化することができる。また、上記の補助剤のほか、必要に応じて着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤などの補助剤、および他の医薬品を含有させることもできる。
【0058】
経口投与に適した剤型としては、例えば、錠剤、糖衣剤、丸剤、カプセル剤、ドロップ剤、舌下剤、末剤、散剤、飲用液剤、その他の剤型を挙げることができる。更に錠剤は、必要に応じ、通常の剤皮を施した錠剤、例えば、糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶錠、フィルムコーティング錠、二重錠、または多層錠とすることができる。錠剤の形態に調製するに際しては、担体としてこの分野で従来公知のものを広く使用できる。このような担体としては、例えば、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、グルコース、尿素、澱粉、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸などの賦形剤;水、エタノール、プロパノール、単シロップ、グルコース液、澱粉液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドンなどの結合剤;乾燥澱粉、アルギン酸ナトリウム、寒天末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、澱粉、乳糖などの崩壊剤;白糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油などの崩壊抑制剤;第4級アンモニウム塩類、ラウリル硫酸ナトリウムなどの吸収促進剤;グリセリン、澱粉などの保湿剤;澱粉、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸などの吸着剤;精製タルク、ステアリン酸塩、硼酸末、ポリエチレングリコールなどの潤沢剤などが例示できる。
【0059】
丸剤の形態に調製するに際しては、担体としてこの分野で従来公知のものを広く使用できる。このような担体としては、例えば、グルコース、乳糖、カカオバター、澱粉、硬化植物油、カオリン、タルクなどの賦形剤;アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノールなどの結合剤;ラミナラン寒天などの崩壊剤などが例示できる。これら経口投与用製剤は、固形、粉末または液剤の用量単位で投与することができる。
【0060】
組織内投与に適した剤型としては、注射剤を挙げることができる。注射剤として調製する場合には、溶液、乳剤および懸濁剤などの形態とすることができる。これらは、殺菌され、かつ血液と等張であるのが好ましい。これら液剤、乳剤および懸濁剤の形態に調製するに際しては、希釈剤としてこの分野で慣用されているものを使用することができる。このような希釈剤としては、例えば、水、エタノール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類などを用いることができる。また、等張性の溶液を調製するのに充分な量の食塩、グルコース、またはグリセリン、および通常の溶解補助剤、緩衝剤、pH調整剤、無痛化剤なども配合することができる。これら溶液、乳剤および懸濁剤は、一般式(I)〜(VIII)の化合物その薬学上許容される塩及び溶媒和物の一定量を、上述のような水性や油性の非毒性の希釈剤に溶解または懸濁し、更に必要に応じて等張化剤などを加え、滅菌することにより調製することができる。これら注射剤は、皮下、筋肉内または静脈内に投与することができる。
【0061】
局所投与に適した剤型としては、例えば、局所用液剤、クリーム剤、粉剤、ペースト剤、ゲル剤、軟膏剤などの外用製剤を挙げることができる。これらは、一般式(I)〜(VIII)の化合物その薬学上許容される塩及び溶媒和物の一定量を、外用製剤の目的に適合する香料、着色料、充填剤、界面活性剤、保湿剤、皮膚軟化剤、ゲル化剤、担体、保存剤、安定剤などのうちの一種以上と組み合わせることにより調製することができる。
【0062】
経直腸的投与に適した剤型としては、坐剤を挙げることができる。坐剤の形態に調製するに際しては、基材としてこの分野で従来公知のものを広く使用できる。このような基材としては、例えばパルミチン酸ミリスチルエステルなどの高級エステル類、高級アルコール類、ポリエチレングリコール、カカオ脂、ゼラチン、半合成グリセリド、これらの混合物などの低融点基材を挙げることができる。座剤は、一般式(I)〜(VIII)の化合物その薬学上許容される塩及び溶媒和物の一定量を上記のような基材に混入し、成型することにより調製することができる。
【0063】
上記医薬組成物は、投与単位形態で投与することが好ましく、経口投与、組織内投与(皮下投与、筋肉内投与、静脈内投与など)、局所投与(経皮投与など)又は経直腸的に投与することができる。上記医薬組成物は、これらの投与方法に適した剤型で投与されることは当然である。
【0064】
一般式(I)〜(VIII)の化合物その薬学上許容される塩及び溶媒和物を医薬として投与する場合、抗ウイルス剤としての用量は、年齢、体重などの患者の状態、投与経路、病気の性質と程度などを考慮した上で決定することができ、通常は、ヒト成人に対しては、有効成分量として、一日当たり、1〜2000mgの範囲である。患者の状態などに応じて、上記範囲未満または上記範囲を超える用量を投与することもできる。多量に投与するときは、一日数回に分割して投与することが望ましい。
【0065】
〔HCV阻害剤の検出方法〕
本実施形態に係るHCV阻害剤は、まず、図1に示すように、ヒト肝癌由来Huh7細胞、試験検体及び感染性HCVを接触させたのちにHCV濃度(即ち、HCVcoreの数)を測定することで、HCVの複製又はHCVタンパク質の翻訳などに影響を及ぼす物質を候補として選出する。
【0066】
候補は、ヒト肝癌由来Huh7細胞の生存率(survival rate(%))が一定値以上で、かつ、HCVcoreの数(fmol/ml)が一定値以下となる物質を選出する。
【0067】
次に、選出された候補である化合物のうち、選択性(selective index)が一定値以上の化合物を、新規であるHCV阻害剤として検出する。
ここで、選択性(selective index)とは、CC50/EC50である。CC50は、細胞が50%傷害を受ける薬剤の濃度である。EC50値は、ウイルスの増殖を50%抑制する薬剤の濃度である。
【0068】
以下、HCV阻害剤の検出方法を詳述する。
まず、ヒト肝癌由来Huh7細胞としてHuh7.5.1細胞を用いる。そして、Huh7.5.1細胞を、該細胞培養用培地に懸濁し、スクリーニング用容器に播種する。なお、使用する細胞は、継代数が第43回目までのものが好ましい。
【0069】
次に、試験検体としてのスクリーニング候補化合物を、細胞を含むスクリーニング用容器に加える。
【0070】
次に、感染性HCVを播種し、スクリーニング候補化合物と感染性HCVを含む複製細胞を培養し、得られる培養物中の感染性HCVを検出する。
感染性HCVは、JFH1株のcDNAを用いて、図2に示すような感染性HCVレプリコンを含むプラスミドベクターを導入した宿主細胞から作製することができる。
【0071】
感染性HCVレプリコンを含むプラスミドベクターは、少なくともコアタンパク質と2つのエンベロープタンパク質(E1、E2)とp7タンパク質、ならびに複製に必要な非構造タンパク質(NS2、NS3、NS4、NS5)を含み、該HCVを構成するゲノム、すなわち感染性HCVレプリコンを含むプラスミドベクターは、コアタンパク質をコードする配列の上流に、プロモーター配列を配置させてなる。
【0072】
プロモーター配列は、ヒト肝癌由来Huh7細胞においてHCVが自律複製能を発揮しうるように配置されていれば良く、特に限定されないが、好適にはPolIプロモーター配列が用いられる。
【0073】
感染性HCVレプリコンを含むプラスミドベクターには、上記配列のほか、例えばNSタンパク質をコードする配列の下流に、ターミネーター配列を配置させていても良く、好適にはPolIターミネーター配列が挙げられる。さらには、コアタンパク質をコードする配列の上流に、1つのIRES配列を含んでも良く、これにさらに1つの選択マーカー遺伝子やリポーター遺伝子を含んでいてもよい。
【0074】
次に、感染性HCVを細胞中で培養するために、3〜10日間、好ましくは4〜7日間、より好ましくは5〜6日間、37±1℃で加温する。
【0075】
次に、上記培養後、ヒト肝癌由来Huh7細胞の生存率(survival rate(%))とHCVcoreの数(fmol/ml)との関係を求める。
化合物は、HCVcoreが20000fmol/ml以下で、かつ、生存率が65%以上となるものを選出する。
【0076】
次に、培養上清を用いて、培養後、上清中のHCVコアタンパク質量をオーソHCV抗原ELISAテストにより定量し、各化合物のHCV増殖阻害効果を評価する。該HCV増殖阻害効果から、EC50値を求める。
【0077】
次に、上述のスクリーニング方法に加えて、候補化合物のHCVの複製の促進又は抑制に及ぼす影響をより確実に確認するために、非特異作用を排除するために並行して、図1に示すように、細胞毒性試験を行う。
各化合物について、テトラゾリウム塩WST−8の生成したホルマザンの吸光度を直接測定するWST法により、Huh7.5.1細胞に対する細胞毒性試験を行う。該細胞毒性試験結果から、CC50値を求める。
【0078】
そして、候補として選出された化合物の選択性を測定する。選択性は、薬剤の有効濃度に対する細胞毒性の比を表し、高いほど薬剤として優れている、あるいは薬剤として安全に使える濃度範囲が高いことを示す。
選択性が10.0以上である化合物を、C型肝炎ウイルス阻害剤として検出する。
【0079】
〔他の実施形態〕
HCV阻害剤に含有される化合物は、(I)〜(VIII)に示される化合物以外にも、光学異性体が存在するものについては、L体、D体又はラセミ体が含まれる。また、(I)〜(VIII)に示される化合物をさらに化学修飾して、別の化合物に誘導化することも可能である。
【実施例】
【0080】
ヒト肝癌由来Huh7細胞としてHuh7.5.1細胞を用いた。そして、Huh7.5.1細胞を、該細胞培養用培地に懸濁し、96穴のマイクロプレートなどのスクリーニング用容器に播種した。
【0081】
次に、試験検体としてのスクリーニング候補化合物を、細胞を含むスクリーニング用容器に加えた。スクリーニング候補化合物は、植物及び微生物由来の純天然物の化合物ライブラリー(Enamine社(ナミキ商事)のAnalytiCon Library)を用い、その品目は3215を用いた。
【0082】
次に、感染性HCVを播種し、スクリーニング候補化合物と感染性HCVを含む複製細胞を培養し、得られる培養物中の感染性HCVを検出した。
感染性HCVは、国際公開WO07/037428に記載の方法に従い、RNA PolIプロモーター/ターミネーター系を利用したJFH1株(genotype 2a)のcDNAを含む、図2に示す感染性HCVレプリコンを含むプラスミドベクター(pHH/ZeoJFH1)を構築し、このプラスミドベクターをヒト肝癌由来のHuh7.5.1細胞に導入した細胞株(Huh7.5.1/JFH1 zeo R細胞)を用いて作製した。
【0083】
次に、感染性HCVを細胞中で培養するために、6日間、37±1℃で加温した。
【0084】
次に、上記培養後、ヒト肝癌由来Huh7細胞の生存率(survival rate(%))とHCVcoreの数(fmol/ml)との関係を求めた。
ヒト肝癌由来Huh7細胞の生存率(survival rate(%))とHCVcoreの数(fmol/ml)との関係は、図3に示すものであった。
HCVcoreが20000fmol/ml以下で、かつ、生存率が65%以上となる化合物は、図3において実線で囲む領域に三角印で示す。ここでは、候補となる化合物は53個検出された。
【0085】
次に、各化合物のHCV増殖阻害効果を評価した。評価は、図1に示すスクリーニングによりHCVの濃度を測定し、HCV増殖阻害効果から、EC50値を求めた。
また、図1に示すWST法により、Huh7.5.1細胞に対する細胞毒性試験を行った。そして該細胞毒性試験結果から、CC50値を求めた。
【0086】
候補として選出された化合物の選択性(selective index)を測定し、CC50/EC50が10以上の化合物は、下記構造式(IX)〜(XXII)に示すように、14個選出された。なお、これら構造式1〜14に係る化合物は、図4において丸印で示す。
【0087】
構造式(IX)に係る化合物は、下記に示すものであった。
【0088】
構造式(IX)
【化16】

【0089】
構造式(IX)で示される化合物は、一般式(I)で示される化合物において、R1を式(a)で、R2を式(b)で、XをNで、表されるものであった。
【0090】
式(a)
【化17】

【0091】
式(b)
【化18】

【0092】
構造式(IX)で示される化合物は、CC50が9.88μMで、EC50が0.50μMであり、CC50/EC50は19.05であった。
【0093】
次に、構造式(X)に係る化合物は、下記に示すものであった。
【0094】
構造式(X)
【化19】

【0095】
構造式(X)で示される化合物は、一般式(II)で示される化合物において、R1を式(c)で表されるものであった。
【0096】
式(c)
【化20】

【0097】
構造式(X)で示される化合物は、CC50が少なくとも60μM以上で、EC50が5.88μMであり、CC50/EC50は少なくとも10.2以上であった。
【0098】
次に、構造式(XI)に係る化合物は、下記に示すものであった。
【0099】
構造式(XI)
【化21】

【0100】
構造式(XI)で示される化合物は、一般式(III)で示される化合物において、R1を式(d)で、R2を式(e)で、XはOで、表されるものであった。
【0101】
式(d)
【化22】

【0102】
式(e)
【化23】

【0103】
構造式(XI)で示される化合物は、CC50が少なくとも50μM以上で、EC50が1.44μMであり、CC50/EC50は少なくとも34.7以上であった。
【0104】
次に、構造式(XII)に係る化合物は、下記に示すものであった。
【0105】
構造式(XII)
【化24】

【0106】
構造式(XII)で示される化合物は、一般式(III)で示される化合物において、R1を式(f)で、R2を式(e)で、XはOで、表されるものであった。
【0107】
式(f)
【化25】

【0108】
構造式(XII)で示される化合物は、CC50が10.3μMで、EC50が0.30μMであり、CC50/EC50は34.3であった。
【0109】
構造式(XIII)に係る化合物は、下記に示すものであった。
【0110】
構造式(XIII)
【化26】

【0111】
構造式(XIII)で示される化合物は、一般式(IV)で示される化合物において、R1を式(g)で、R2を式(h)で、表されるものであった。
【0112】
式(g)
【化27】

【0113】
式(h)
【化28】

【0114】
構造式(XIII)で示される化合物は、CC50が11.2μMで、EC50が0.19μMであり、CC50/EC50は58.9であった。
【0115】
構造式(XIV)に係る化合物は、下記に示すものであった。
【0116】
構造式(XIV)
【化29】

【0117】
構造式(XIV)で示される化合物は、一般式(V)で示される化合物において、R1を式(e)で、R2を式(i)で、R3を式(j)で、表されるものであった。
【0118】
式(i)
【化30】

【0119】
式(j)
【化31】

【0120】
構造式(XIV)で示される化合物は、CC50が15.2μMで、EC50が0.43μMであり、CC50/EC50は35.3であった。
【0121】
構造式(XV)に係る化合物は、下記に示すものであった。
【0122】
構造式(XV)
【化32】

【0123】
構造式(XV)で示される化合物は、一般式(V)で示される化合物において、−CHN(R1)R2を式(k)で、R3を式(l)で、表されるものであった。
【0124】
式(k)
【化33】

【0125】
式(l)
【化34】

【0126】
構造式(XV)で示される化合物は、CC50が13.0μMで、EC50が0.91μMであり、CC50/EC50は14.2であった。
【0127】
構造式(XVI)に係る化合物は、下記に示すものであった。
【0128】
構造式(XVI)
【化35】

【0129】
構造式(XVI)で示される化合物は、一般式(VI)で示される化合物において、R1を式(m)で、R2を式(e)で、R3を式(n)で、XはNで、表されるものであった。
【0130】
式(m)
【化36】

【0131】
式(n)
【化37】

【0132】
構造式(XVI)で示される化合物は、CC50が13.7μMで、EC50が1.15μMであり、CC50/EC50は11.9であった。
【0133】
構造式(XVII)に係る化合物は、下記に示すものであった。
【0134】
構造式(XVII)
【化38】

【0135】
構造式(XVII)で示される化合物は、一般式(VI)で示される化合物において、R1を式(o)で、R2を式(e)で、R3を式(p)で、XはNで、表されるものであった。
【0136】
式(o)
【化39】

【0137】
式(p)
【化40】

【0138】
構造式(XVII)で示される化合物は、CC50が13.8μMで、EC50が1.35μMであり、CC50/EC50は10.2であった。
【0139】
構造式(XVIII)に係る化合物は、下記に示すものであった。
【0140】
構造式(XVIII)
【化41】

【0141】
構造式(XVIII)で示される化合物は、一般式(VI)で示される化合物において、R1を式(m)で、R2を式(e)で、R3を式(q)で、XはNで、表されるものであった。
【0142】
式(q)
【化42】

【0143】
構造式(XVIII)で示される化合物は、CC50が12.7μMで、EC50が1.07μMであり、CC50/EC50は11.8であった。
【0144】
構造式(XIX)に係る化合物は、下記に示すものであった。
【0145】
構造式(XIX)
【化43】

【0146】
構造式(XIX)で示される化合物は、一般式(VI)で示される化合物において、R1を式(r)で、R2を式(e)で、R3を式(s)で、XはCで、表されるものであった。
【0147】
式(r)
【化44】

【0148】
式(s)
【化45】

【0149】
構造式(XIX)で示される化合物は、CC50が13.0μMで、EC50が0.19μMであり、CC50/EC50は68.4であった。
【0150】
構造式(XX)に係る化合物は、下記に示すものであった。
【0151】
構造式(XX)
【化46】

【0152】
構造式(XX)で示される化合物は、一般式(VII)で示される化合物において、R1を式(e)で、R2を式(t)で、R3を式(u)で、表されるものであった。
【0153】
式(t)
【化47】

【0154】
式(u)
【化48】

【0155】
構造式(XX)で示される化合物は、CC50が少なくとも50μM以上で、EC50が0.61μMであり、CC50/EC50は少なくとも81.9以上であった。
【0156】
構造式(XXI)に係る化合物は、下記に示すものであった。
【0157】
構造式(XXI)
【化49】

【0158】
構造式(XXI)で示される化合物は、一般式(VII)で示される化合物において、−N−R1(−R2)を式(v)で、R3を式(w)で、表されるものであった。
【0159】
式(v)
【化50】

【0160】
式(w)
【化51】

【0161】
構造式(XXI)で示される化合物は、CC50が14.1で、EC50が1.27μMであり、CC50/EC50は11.1であった。
【0162】
構造式(XXII)に係る化合物は、下記に示すものであった。
【0163】
構造式(XXII)
【化52】

【0164】
構造式(XXII)で示される化合物は、一般式(VIII)で示される化合物において、R1を式(x)で、R2をHで、表されるものであった。
【0165】
式(x)
【化53】

【0166】
構造式(XXII)で示される化合物は、CC50が15.2で、EC50が0.88μMであり、CC50/EC50は17.2であった。
【0167】
以下に、構造式(IX)〜(XXII)についてのCC50、EC50、CC50/EC50を表1に示す。
【0168】
【表1】

【0169】
EC50が1.0μM以下のものは、構造式(IX)、構造式(XII)、構造式(XIII)、構造式(XIV)、構造式(XV)、構造式(XIX)、構造式(XX)及び構造式(XXII)であった。これらの化合物は高いHCV阻害効果を有すると考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0170】
本発明は、C型肝炎の予防若しくは治療に有効な薬剤として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0171】
【図1】実施形態に係るアッセイ方法を示す図である。
【図2】実施形態に係るHCVレプリコンゲノム及び発現プラスミドの構造を示す図である。
【図3】HCVコアの濃度と生存率との関係を示す図である。
【図4】HCVコアの濃度と生存率との関係において、選択性が高い化合物を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の一般式(I)乃至(VIII)で示される化合物のうち少なくともいずれか一つを含有する、宿主細胞においてC型肝炎ウイルスの感染または産生を抑制しうるC型肝炎ウイルス阻害剤。
一般式(I)
【化1】


一般式(II)
【化2】


一般式(III)
【化3】


一般式(IV)
【化4】


一般式(V)
【化5】


一般式(VI)
【化6】


一般式(VII)
【化7】


一般式(VIII)
【化8】


(式中、Xは、O、S、N、又はCであり、R1、R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、直鎖状若しくは分岐状の飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールカルボニル基、ヘテロアリールカルボニル基、アルールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アラルキル基、アルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アラルキルオキシカルボニル基、アリルエーテル基、シクロエーテル基、及び脂肪族ヘテロ環からなる群から選択される任意の基である。)
【請求項2】
前記一般式(I)で示される化合物が、以下の構造式(IX)で示される化合物である、請求項1に記載のC型肝炎ウイルス阻害剤。
構造式(IX)
【化9】

【請求項3】
前記一般式(III)で示される化合物が、以下の構造式(XII)で示される化合物である、請求項1又は2に記載のC型肝炎ウイルス阻害剤。
構造式(XII)
【化10】

【請求項4】
前記一般式(IV)で示される化合物が、以下の構造式(XIII)で示される化合物である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のC型肝炎ウイルス阻害剤。
構造式(XIII)
【化11】

【請求項5】
前記一般式(V)で示される化合物が、以下の構造式(XIV)で示される化合物である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のC型肝炎ウイルス阻害剤。
構造式(XIV)
【化12】

【請求項6】
前記一般式(VI)で示される化合物が、以下の構造式(XIX)で示される化合物である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のC型肝炎ウイルス阻害剤。
構造式(XIX)
【化13】

【請求項7】
前記一般式(VII)で示される化合物が、以下の構造式(XX)で示される化合物である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のC型肝炎ウイルス阻害剤。
構造式(XX)
【化14】

【請求項8】
前記一般式(VIII)で示される化合物が、以下の構造式(XXII)で示される化合物である、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のC型肝炎ウイルス阻害剤。
構造式(XXII)
【化15】


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−263283(P2009−263283A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−115873(P2008−115873)
【出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【出願人】(591222245)国立感染症研究所長 (48)
【出願人】(591063394)財団法人 東京都医学研究機構 (69)
【Fターム(参考)】