説明

C02捕獲ユニットと合体した発電所での加圧C02流の製造方法

熱回収水蒸気発生器ユニットと、吸収器及び再生器付きのCOガス捕獲ユニットとに連結したガスタービンを少なくとも1つ備える、CO捕獲ユニットと合体した発電所での加圧CO流の製造法において、(a)ガスタービンを出る熱排気ガスを熱回収水蒸気発生器ユニットに導入して第一量の水蒸気と、二酸化炭素含有煙道ガス流とを生成する工程、(b)該煙道ガス流を吸収器中で吸収性液体と接触させて二酸化炭素に富む吸収性液体及び精製煙道ガスとし、こうして二酸化炭素含有煙道ガス流から二酸化炭素を除去する工程、(c)該二酸化炭素に富む吸収性液体を再生器中、高温でストリッピングガスと接触させて再生吸収性液体、及び二酸化炭素に富むガス流を得る工程、(d)CO圧縮機を使用して該二酸化炭素に富むガス流を加圧する工程を含み、熱回収水蒸気発生器ユニットで生じた水蒸気の第一部分をCO圧縮機の駆動に使用することを特徴とする該方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は二酸化炭素(C0)捕獲ユニットと合体した発電所において加圧C0流を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
世界のエネルギー供給のかなりの部分は、発電所における燃料、特に天然ガス又は合成ガスの燃焼により行われている。一般に燃料は、1つ以上のガスタービン中で燃焼させ、得られたガスは、水蒸気の製造に使用される。次に水蒸気は、電力(power)の発生に使用される。燃料の燃焼によりCOが生成するが、これは処分する必要がある。過去数十年来、大気中へのCOの放出量は、ほぼ地球規模で増加してきた。京都議定書に従って、天候の不要な変化を阻止又は阻害するため、CO放出量を減少させなければならない。したがって、生成したCOの除去及び処分は必要である。ガスタービンの煙道ガス中のCO濃度は、燃料や利用する燃焼法及び熱回収法にもよるが、一般に比較的低く、通常、3〜15%の範囲である。したがって、全体の煙道ガスを圧縮し、堆積させるには費用がかかりすぎるので、COの放出量減少には、排気ガスからCOを分離することが望ましい。このため、煙道ガスからCOを除去し、これによりどこか他の所で利用可能な濃縮加圧CO流を発生させるには、専用のCO捕獲ユニットを用いるのが有利である。
【0003】
加圧CO流の製造方法は、例えば米国特許第6,883,327号に記載されている。この特許では、吸収器及び再生器付きのCO捕獲ユニットを使用している。CO再生器を出るCOに富む流れは圧縮機で圧縮される。この圧縮機は、電源として背圧タービンを用いて駆動される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
水蒸気駆動CO圧縮機を用いて加圧CO流を製造でき、こうしてCO圧縮機の駆動用電力を発生させるための追加装置を使用する必要がないことが今回見出された。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的のため、本発明は、熱回収水蒸気発生器ユニットと、吸収器及び再生器付きのCOガス捕獲ユニットとに連結したガスタービンを少なくとも1つ備える、CO捕獲ユニットと合体した発電所で加圧CO流を製造する方法において、
(a)ガスタービンを出る熱排気ガスを熱回収水蒸気発生器ユニットに導入して、第一量の水蒸気と、CO含有煙道ガス流とを生成する工程、
(b)該煙道ガス流を吸収器中で吸収性液体と接触させて、COに富む吸収性液体及び精製煙道ガスとし、これによりCO含有煙道ガス流からCOを除去する工程、
(c)該COに富む吸収性液体を、再生器中、高温でストリッピングガスと接触させて、再生吸収性液体、及びCOに富むガス流を得る工程、
(d)CO圧縮機を使用して該COに富むガス流を加圧する工程、
を含み、該熱回収水蒸気発生器ユニットで生成した水蒸気の第一部分を該CO圧縮機の駆動に使用することを特徴とする該方法を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本方法ではCO圧縮機は、熱回収水蒸気発生器ユニットからの高圧水蒸気を用いて駆動される。したがって、CO圧縮機を駆動するための電力の発生に別個の装置は必要としない。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本方法では、1つ以上のガスタービンを備えた発電所が使用される。通常、燃料及び酸素含有ガスはガスタービンの燃焼部に導入される。ガスタービンの燃焼部では、燃料が燃焼し、燃焼熱ガスを発生する。この燃焼熱ガスは、通常、数列に並んだ一連の膨張器羽根によりガスタービン中で膨張し、発電機により電力を発生させるのに使用される。ガスタービン中で燃焼させる好適な燃料としては、天然ガス及び合成ガスが挙げられる。
【0008】
工程(a)では、ガスタービンを出る熱排気ガスは、熱回収水蒸気発生器ユニットに導入され、ここで熱排気ガスの熱は、水蒸気の第一量を生成するのに使用される。
熱回収水蒸気発生器ユニットは、熱排気ガスから熱を回収すると共に、この熱を水蒸気に変換するための手段を備えたユニットである。例えば熱回収水蒸気発生器ユニットは、層状に載せた複数の管を備えることができる。水をポンプ送りし、管中を循環させ、高温高圧下に保持できる。熱排気ガスは管を加熱して、水蒸気を生成するのに使用される。
【0009】
好適には熱回収水蒸気発生器ユニットは、1種、2種又は3種の水蒸気、即ち、高圧水蒸気、中圧水蒸気及び低圧水蒸気を生成するように設計できる。高圧水蒸気は、電力発生に使用できるので、水蒸気発生器は少なくとも特定量の高圧水蒸気を生成するように設計することが好ましい。高圧水蒸気の圧力は、好適には90〜150バール(絶対圧)、好ましくは90〜125バール(絶対圧)、更に好ましくは100〜115バール(絶対圧)の範囲である。低圧水蒸気も生成することが好ましく、低圧水蒸気の圧力は好ましくは2〜10バール(絶対圧)、更に好ましくは〜8バール(絶対圧)、なお更に好ましくは4〜6バール(絶対圧)の範囲である。この低圧水蒸気は、COを含有する吸収性液体の再生に使用される。
【0010】
熱回収水蒸気発生器ユニットは、COを含有する煙道ガスを放出する。煙道ガスの組成は、特にガスタービンに使用される燃料の種類による。煙道ガスは、COを好適には0.25〜30%(v/v)、好ましくは1〜20%(v/v)の範囲で含有する。煙道ガスは、通常、酸素も好ましくは0.25〜20%(v/v)、更に好ましくは5〜15%(v/v)、なお更に好ましくは1〜10%(v/v)の範囲で含有する。
【0011】
工程(b)では、煙道ガスを吸収器中、吸収性液体と好適な圧力で接触させると、COは除去される。吸収性液体は、酸素及び比較的低濃度のCOを含む煙道ガス流からCOを除去できるいかなる好適な吸収性液体であってもよい。このような吸収性液体としては、化学溶剤、物理溶剤又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0012】
煙道ガスが少量、好適には1〜20%(v/v)の範囲の酸素を含有する場合、吸収性液体に腐蝕防止剤を添加することが好ましい。好適な腐蝕防止剤は例えば米国特許第6,036,888号に記載されている。
【0013】
好適な物理溶剤としてはポリエチレングリコールのジメチルエーテル化合物が挙げられる。
好適な化学溶剤としてはアンモニア及びアミン化合物が挙げられる。
一実施態様では、吸収性液体は、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン(DEA)、ジグリコールアミン(DGA)、メチルジエタノールアミン(MDEA)及びトリエタノールアミン(TEA)の群から選ばれた1種以上のアミンを含む。MEAは、COを比較的高い割合(MEA 1容量当たりCO容量)で吸収する能力を有するため、特に好ましいアミンである。したがって、MEAを含む吸収性液体は、低濃度、通常、3〜10容量%のCOを有する煙道ガスからCOを除去するのに好適である。
【0014】
他の一実施態様では、吸収性液体は、メチルジエタノールアミン(MDEA)、トリエタノールアミン(TEA)、N,N’−ジ(ヒドロキシアルキル)ピペラジン、N,N,N’N’−テトラキス(ヒドロキシアルキル)−1,6−ヘキサンジアミン及びt−アルキルアミンスルホン酸化合物の群から選ばれた1種以上のアミンを含む。
【0015】
N,N’−ジ(ヒドロキシアルキル)ピペラジンは、好ましくはN,N’−ジ(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン及び/又はN,N’−ジ(3−ヒドロキシプロピル)ピペラジンである。
N,N,N’N’−テトラキス(ヒドロキシアルキル)−1,6−ヘキサンジアミンは、好ましくはN,N,N’N’−テトラキス(2−ヒドロキシエチル)−1,6−ヘキサンジアミン及び/又はN,N,N’N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)−1,6−ヘキサンジアミンである。
【0016】
t−アルキルアミンスルホン酸化合物は、好ましくは4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンプロパンスルホン酸、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)及び1,4−ピペラジンジ(スルホン酸)の群から選ばれる。
更に他の一実施態様では吸収性液体はN−エチルジエタノールアミン(EDEA)を含む。
特に好ましい実施態様では、吸収性液体はアンモニアを含む。
【0017】
特にアミンを含む吸収性液体を使用すると、吸収を比較的低温で、かつ高圧で行った場合、一層良好なCOの吸収が達成される。煙道ガスの圧力は一般に低いので、煙道ガスは、吸収器に入れる前に加圧することが好ましい。煙道ガスの温度は一般に高いので、煙道ガスは、吸収器に入れる前に冷却することが好ましい。
【0018】
工程(c)ではCOに富む吸収性液体は、再生器中、高温でストリッピングガスとの接触により、再生吸収性液体、及び二酸化炭素に富むガス流が得られる。二酸化炭素に富むガス流の再生工程(c)を更に含むことが好ましい。再生に使用される条件は、特に吸収性液体の種類及び吸収工程で使用した条件によることは理解されよう。好適には再生は、吸収とは異なる温度及び/又は異なる圧力で行う。吸収性液体がアミンを含む場合、好ましい再生温度は100〜200℃の範囲である。吸収性液体が水性アミンを含む場合、再生は1〜5バール(絶対圧)の範囲で行うことが好ましい。
【0019】
吸収性液体がアンモニアを含む場合、吸収工程は好適には周囲温度未満、好ましくは0〜10℃、更に好ましくは2〜8℃の範囲で行われる。再生工程は好適には吸収工程の場合よりも高い温度で行われる。アンモニアを含む吸収性液体を用いる場合、再生器を出るCOに富むガス流は高温である。COに富むガス流の圧力は好適には5〜8バール(絶対圧)、好ましくは6〜8バール(絶対圧)の範囲である。COに富むガス流を高圧で使用する必要がある用途、例えば地下の地層に注入する場合、COに富むガス流は、既に高温であるという利点がある。普通、COに富むガス流を所望の圧力に加圧するには、一連の圧縮機を必要とする。既に高圧にあるCOに富むガス流を更に加圧するのは一層容易である。
【0020】
工程(d)では、CO圧縮機を使用して二酸化炭素に富むガス流は加圧され、加圧CO流が得られる。熱回収水蒸気発生器ユニットで生成した水蒸気の第一部分は、CO圧縮機の駆動に使用される。好ましい実施態様では、熱回収水蒸気発生器ユニットで生成した水蒸気の第一部分は、例えばシャフトによりCO圧縮機に連結した膨張器に案内される。こうして膨張器は、まずCO圧縮機を駆動するための電力の発生を必要とすることなく、CO圧縮機を駆動する。特に好ましい実施態様では、膨張器の排出物(discharge)は、低圧流を含有し、この低圧流は再生器で必要な熱の少なくとも一部を供給するのに使用される。こうしてCO捕獲ユニットの熱/電力需要割当て量(ration)、高圧水蒸気の圧力に依存して、熱回収水蒸気発生器ユニットで或る量の燃料を燃焼させ、第二量の水蒸気を生成すれば、再生工程の熱要件は、少なくとも部分的に満たされる。この加圧CO流は、好ましくは40〜300バール(絶対圧)、更に好ましくは50〜300バール(絶対圧)の範囲の圧力を有する。このような好ましい範囲の圧力を有するCO流は、多くの目的、特に石油や石炭床メタンの回収増進又は地下の地層での隔離に使用できる。特に加圧CO流を地下の地層に注入する目的には、高圧が必要である。好ましい実施態様では、加圧CO流は石油の回収増進に使用される。COを油層に注入すれば、石油の回収速度は増大できる。通常、加圧CO流は油層に注入され、ここに存在する石油の若干量と混合される。このCOと石油との混合物は、慣用の注入法では置換(displace)できない石油を置換させる。
【0021】
特に好ましい実施態様では、本方法は、或る量の燃料を熱回収水蒸気発生ユニット中で燃焼させて、第二量の水蒸気を生成する追加工程(e)を更に含む。ここで燃料の量は、水蒸気の第二量が吸収性液体の再生に必要な熱の80%以上供給するのに充分であるような量である。好ましくは水蒸気の第二量は、吸収性液体の再生に必要な熱の90%以上供給するのに充分な量である。熱回収水蒸気発生器ユニットから加熱用水蒸気をCO捕獲ユニットに搬送するため、低圧水蒸気配管を使用することが好ましい。好適には低圧水蒸気配管は、プロセス熱交換器で使用される水蒸気から電力の発生に使用される生成水蒸気を隔離するため閉ループ中に配置される。熱回収水蒸気発生器ユニットで或る量の燃料を燃焼させると、発電所の合計電力出力は、CO捕獲ユニットが操作中であるか、ないかに関係ないという利点がある。再生するための熱要件に備えるための燃料の必要量は、例えば熱回収水蒸気発生器ユニットで発生した電力をモニターし、発生した電力量に従って、熱回収水蒸気発生器ユニットへの燃料の導入量を調節すれば、決定できる。前述のように熱回収水蒸気発生器ユニットでは、水蒸気タービン中で好ましくは高圧の水蒸気が生成し、この高圧水蒸気は、例えば水蒸気タービンに連結した発電機により電力に変換される。水蒸気タービンに連結した発電機の電力出力は、CO捕獲ユニットの操作中は、CO捕獲ユニットの再生器の加熱に必要な熱回収水蒸気発生器ユニットからの水蒸気の抽出量のため、低下する。熱回収水蒸気発生器ユニットの水蒸気タービンに連結した発電機の電力出力をモニターすれば、熱回収水蒸気発生器ユニットでの燃料の燃焼量を調節できる。出力が低下する場合は、燃料の燃焼量を増加できる。水蒸気タービンに連結した発電機の電力出力を余り落とさずにCO捕獲ユニットの再生器の熱要件を満足できるようにするため、燃料の燃焼量を予備設定することが好ましい。CO捕獲ユニットを操作していない時は、水蒸気タービンに連結した発電機の電力出力を基本ケースとみなし、次いで、同じ出力を得るために、燃料の燃焼量が決められる。
熱回収水蒸気発生器ユニットでの燃焼に好適な燃料としては、天然ガス及び合成ガスが挙げられる。
【0022】
熱回収水蒸気発生器ユニットで或る量の燃料を燃焼させるには、酸素の存在が必要である。この酸素は熱回収水蒸気発生器ユニットに供給できるが、熱排気ガスは酸素を含有し、この酸素の少なくとも一部を工程(d)において燃料の燃焼に使用することが好ましい。熱排気ガスからの酸素を使用する結果、熱回収水蒸気発生器ユニットを出る煙道ガス中の酸素の量は減少する。これは、特にアミン系吸収性液体を用いた場合のCO吸収プロセスに好ましい。酸素はアミンの分解を誘引すると共に、吸収性液体中に分解生成物を形成できる。したがって、煙道ガス中の酸素含有量が少ないと、アミンの分解は減少する。
以下に本発明を添付の図1を参照して、単に例示により説明する。
【実施例】
【0023】
図1に、ガスタービン(1)、熱回収水蒸気発生器ユニット(2)及びCO捕獲ユニット(3)を備えた発電所を示す。ガスタービンでは、酸素含有ガスがライン4経由で圧縮機5に供給される。燃焼器7には燃料がライン6経由で供給され、圧縮酸素含有ガスの存在下で燃焼する。得られた燃焼ガスは第一膨張器8中で膨張し、発電機9での発電に使用される。CO及び酸素を含む残りの排気ガスは、ライン10経由で熱回収水蒸気発生器ユニット2に案内される。熱回収水蒸気発生器ユニットでは、加熱部11中の熱排気ガスにより水が加熱され、水蒸気を発生する。この水蒸気の第一部分はライン12経由で第二膨張器13に案内される。前記水蒸気の第二部分はライン14経由で発電機16に連結した水蒸気タービン15に案内され、追加の電力を生成する。任意に或る量の燃料が熱回収水蒸気発生器ユニットに案内され(図示せず)、排気ガスからの酸素を用いて燃焼し、追加の水蒸気を生成する。CO及び酸素を含有する熱煙道ガスは、ライン17経由でアミン系吸収器18に案内される。熱煙道ガスは、まず冷却器(図示せず)で冷却し、次いで、この冷却煙道ガスは、アミン系吸収器に入れる前にブロワー(図示せず)を用いて加圧することが好ましい。アミン吸収器18内でCOは、煙道ガスからアミン系吸収器に含まれるアミン液に高圧で移行する。二酸化炭素が欠乏した精製煙道ガスは、アミン系吸収器18からライン19経由で案内される。COに富むアミン液はアミン吸収器からライン20経由で再生器21に案内される。再生器ではCOに富むアミン液は、脱圧され、高温でストリッピングガスと接触し、これによりCOをアミン液からストリッピングガスに移行させ、再生アミン液と、COに富むガス流とが得られる。再生アミン液は再生器からライン22経由でアミン系吸収器18に案内される。COに富むガス流は、再生器からライン23経由でCO圧縮機24に案内される。膨張器13からの高圧水蒸気は、シャフト25経由でCO圧縮機24に案内され、このCO圧縮機を駆動するのに使用される。低圧水蒸気は、膨張器13からライン26経由で再生器に案内され、再生器の加熱に必要な熱の少なくとも一部を供給する。再生器の熱要件の残部は、第二水蒸気タービンからライン27経由で再生器に案内された低圧水蒸気を用いて満たされる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】ガスタービン、熱回収水蒸気発生器ユニット及びCO捕獲ユニットを備えた発電所を示す。
【符号の説明】
【0025】
1 ガスタービン
2 熱回収水蒸気発生器ユニット
3 CO捕獲ユニット
5 圧縮機
7 燃焼器
8 第一膨張器
9 発電機
13 第二膨張器
15 水蒸気タービン
16 発電機
18 アミン系吸収器
21 再生器
24 CO圧縮機
25 シャフト
【先行技術文献】
【特許文献】
【0026】
【特許文献1】米国特許第6,883,327号
【特許文献2】米国特許第6,036,888号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱回収水蒸気発生器ユニットと、吸収器及び再生器付きのCO捕獲ユニットとに連結したガスタービンを少なくとも1つ備える、CO捕獲ユニットと合体した発電所で加圧CO流を製造する方法において、
(a)ガスタービンを出る熱排気ガスを熱回収水蒸気発生器ユニットに導入して、第一量の水蒸気と、CO含有煙道ガス流とを生成する工程、
(b)該煙道ガス流を吸収器中で吸収性液体と接触させて、COに富む吸収性液体及び精製煙道ガスとし、これによりCO含有煙道ガス流からCOを除去する工程、
(c)該COに富む吸収性液体を、再生器中、高温でストリッピングガスと接触させて、再生吸収性液体、及びCOに富むガス流を得る工程、
(d)CO圧縮機を使用して該COに富むガス流を加圧する工程、
を含み、該熱回収水蒸気発生器ユニットで生成した水蒸気の第一部分を該CO圧縮機の駆動に使用することを特徴とする該方法。
【請求項2】
前記熱回収水蒸気発生器ユニットで生成した水蒸気の一部が、CO圧縮機に連結した膨張器に案内される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記熱回収水蒸気発生器ユニットで生成した水蒸気の他の一部を、電力を発生する発電機に連結した水蒸気タービンに案内して、電力を発生させる請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記膨張器が低圧水蒸気を排出し、該低圧水蒸気が前記吸収性液体の再生に必要な熱の少なくとも一部を供給するのに使用される請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
(e)第二量の水蒸気を生成するため、前記熱回収水蒸気発生器ユニット中で或る量の燃料を燃焼させる工程であって、該燃料の量は、前記吸収性液体の再生に必要な量の80%以上を供給するのに充分であるような量である該工程を更に含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記高圧流が90〜125バール(絶対圧)、更に好ましくは100〜115バール(絶対圧)の範囲の圧力を有する、及び/又は前記低圧流が3〜8バール(絶対圧)、更に好ましくは4〜6バール(絶対圧)の範囲の圧力を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記COに富む加圧ガス流は、40〜300バール(絶対圧)、更に好ましくは50〜300バール(絶対圧)の範囲の圧力を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記吸収性液体が、アミン、好ましくはモノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン(DEA)、ジグリコールアミン、(DGA)、メチルジエタノールアミン(MDEA)、トリエタノールアミン(TEA)、N−エチルジエタノールアミン(EDEA)、N,N’−ジ(ヒドロキシアルキル)ピペラジン、N,N,N’,N’−テトラキス(ヒドロキシアルキル)−1,6−ヘキサンジアミン及びt−アルキルアミンスルホン酸化合物よりなる群から選ばれた1種以上のアミンである請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記吸収性液体が物理溶剤、好ましくはポリエチレングリコールのジメチルエーテルを含む請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記吸収性液体がアンモニアを含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。




【図1】
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【公表番号】特表2010−516606(P2010−516606A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−546746(P2009−546746)
【出願日】平成20年1月23日(2008.1.23)
【国際出願番号】PCT/EP2008/050734
【国際公開番号】WO2008/090167
【国際公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(390023685)シエル・インターナシヨネイル・リサーチ・マーチヤツピイ・ベー・ウイ (411)
【氏名又は名称原語表記】SHELL INTERNATIONALE RESEARCH MAATSCHAPPIJ BESLOTEN VENNOOTSHAP
【Fターム(参考)】