説明

CGRPアンタゴニスト

本発明は、一般式(I)の新規のCGRPアンタゴニスト(式中、U、V、X、Y、R1、R2及びR3は、下記のように定義される)、これらの互変異性体、異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩、これらの化合物を含む医薬組成物、それらの使用及びそれらの調製方法に関する。


(I)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式(I)の新規のCGRPアンタゴニスト(式中、U、V、X、Y、R1、R2及びR3は、下記のように定義される)、これらの互変異性体、異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩、これらの化合物を含む医薬組成物、それらの使用及びそれらの調製方法に関する。
【0002】
【化1】

(I)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
発明の詳細な説明
第一の態様では上記化学式(I)において、
式中、R1は、一般式(IIa)又は(IIb)の基を表し、
【0004】
【化2】

又は
【0005】
【化3】

R2は、H又はC1-3-アルキルを表し、又は、
R1及びR2は、それらが結合する窒素原子と一緒に、一般式(IIIa)又は(IIIb)の基を表し、
【0006】
【化4】

又は
【0007】
【化5】

Gは、C-R1.1又はNを表し、
Tは、N-R1.2又はOを表し、
【0008】
R1.1は、互いに独立して、
(a)H、又は、
(b)ハロゲン、C1-3-アルキル、-OH、-CN、-O-C1-3-アルキル、-C(O)-O-C1-3-アルキル、C2-4-アルケニル、-C2-4-アルキニル、C1-3-アルキル-S 、シクロプロピル、-NH2、-COOH、-NH-C(O)-O-C1-3-アルキル、-NH-C(O)-C1-3-アルキル、又は、
(c)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、
R1.2は、互いに独立して、
(a)H又は
(b)C1-3-アルキル
を表し、
R1.3は、
(a)H、又は、
(b)F、-CN、C1-3-アルキル、-CO2-R1.3.1、又は、
(c)C1-3-アルキル基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換されてもよく、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換されてもよい)
を表し、
R1.3.1は、
(a)H、又は、
(b)C1-6-アルキル
を表し、
【0009】
R3は、
基R3.1、R3.2又はR3.3によって置換される6又は10-員環のアリール基、又は、
基R3.1、R3.2又はR3.3によって置換される6員環のヘテロアリール基を表し、該へテロアリール基は、炭素原子を介して結合され、
R3.1は、
(a)H、又は、
(b)ハロゲン、-NH2、C1-4-アルキル-NH、(C1-4-アルキル)2N、C1-3-アルキル-C(O)-NH、C1-3-アルキル-S(O2)-NH、-CN、-OH、-O-C(O)-NH-C1-3-アルキル、又は、
(c)C1-4-アルキル、R3.1.1-C1-3-アルキレン、C2-4-アルケニル、C2-4-アルキニル、C1-3-アルキル-O、C1-3-アルキル-S(O)m、シクロプロピル、又は、
(d)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)、又は、
(e)-C(O)-R3.1.2、又は、
(f)-S(O)2-R3.1.3
を表し、
R3.1.1は、
(a)H、又は、
(b)C3-6-シクロアルキル、C5-6-シクロアルケニル、又は、
(c)(R3.1.1.1)2N、又は、
(d)基R3.1.1.1によって、窒素原子において置換され、そして、1個か2個の基R3.1.1.2によって、炭素原子において置換される、飽和の、一不飽和の、若しくは、二不飽和の5-若しくは6-員環の複素環基、又は、
(e)基R3.1.1.2によって、炭素原子において置換されるヘテロアリール基
を表し、
R3.1.1.1は、互いに独立して、
(a)H、C1-4-アルキル、C3-6-シクロアルキル、又は、
(b)ヘテロシクリル、又は、
(c)アリール-C0-3-アルキレン、又は、ヘテロアリール-C0-3-アルキレン
を表し、
R3.1.1.2は、互いに独立して、
(a)H、F、C1-3-アルキル、-CN、-OH、-O-C1-3-アルキル、-CO(O)R3.1.1.2.1、H2N、(C1-4-アルキル)-NH、(C1-4-アルキル)2N、又は、
(b)フェニル又はフェニル-CH2、又は、
(c)C1-3-アルキル基又は-O-C1-3-アルキル基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、
又は、
R3.1.1.2.1は、H、C1-6-アルキル、又は、ベンジルを表し、
R3.1.2は、-O-C1-3-アルキル、-OH、又は、-NR3.1.2.1R3.1.2.2を表し、
R3.1.2.1は、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.1.2.2は、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.1.2.1及びR3.1.2.2は、一緒に、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルの中から選択される環を形成してもよく、
R3.1.3は、-O-C1-3-アルキル、又は、-NR3.1.3.1R3.1.3.2を表し、
R3.1.3.1は、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.1.3.2は、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.1.3.1及びR3.1.3.2は、一緒に、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルの中から選択される環を形成してもよく、
【0010】
R3.2は、
(a)H、又は、
(b)ハロゲン、-NH2、C1-4-アルキル-NH、(C1-4-アルキル)2N、C1-3-アルキル-C(O)-NH、C1-3-アルキル-S(O2)-NH、-CN、-OH、-O-C(O)-NH-C1-3-アルキル、又は、
(c)C1-4-アルキル、C2-4-アルケニル、C2-4-アルキニル、C1-3-アルキル-O、C1-3-アルキル-S(O)m、シクロプロピル、又は、
(d)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)、又は、
(e)-C(O)-R3.2.1、又は、
(f)-S(O)2-R3.2.2
を表し、
R3.2.1は、-O-C1-3-アルキル、-OH、又は、-NR3.2.1.1R3.2.1.2を表し、
R3.2.1.1は、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.2.1.2は、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.2.1.1及びR3.2.1.2は、一緒に、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルの中から選択される環を形成してもよく、
R3.2.2は、-NR3.2,2,1R3.2,2,2を表し、
R3.2,2,1は、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.2,2,2は、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.2,2,1及びR3.2,2,2は、一緒に、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルの中から選択される環を形成してもよく、
【0011】
R3.3は、
(a)H、又は、
(b)ハロゲン、-NH2、C1-4-アルキル-NH、(C1-4-アルキル)2N、C1-3-アルキル-C(O)-NH、C1-3-アルキル-S(O2)-NH、-CN、-OH、-O-C(O)-NH-C1-3-アルキル、又は、
(c)C1-4-アルキル、C2-4-アルケニル、C2-4-アルキニル、C1-3-アルキル-O、C1-3-アルキル-S(O)m、シクロプロピル、又は、
(d)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)、又は、
(e)-C(O)-R3.3.1、又は、
(f)-S(O)2-R3.3.2
を表し、
R3.3.1は、-O-C1-3-アルキル、-OH、又は、-NR3.3.1.1R3.3.1.2を表し、
R3.3.1.1は、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.3.1.2は、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.3.1.1及びR3.3.1.2は、一緒に、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルの中から選択される環を形成してもよく、
R3.3.2は、-O-C1-3-アルキル、又は、-NR3.3.2.1R3.3.2.2を表し、
R3.3.2.1は、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.3.2.2は、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.3.2.1及びR3.3.2.2は、一緒に、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルの中から選択される環を形成してもよく、又は、
R3.2及びR3.3は、それらが結合する炭素原子と一緒に、一不飽和の5-員環の複素環基、又は、一不飽和の、若しくは、二不飽和の6-員環の複素環基、又は、5-から6-員環のヘテロアリール基を形成し、
(ここで、上述の複素環は、窒素原子に隣接したカルボニル、チオカルボニル、又は、シアノイミノ基を含んでもよく、そして、
夫々の場合において、基R3.3.3によって、1個又は2個の窒素原子において、さらに置換されてもよく、そして、
夫々の場合において、1個又は2個の基R3.3.4によって、1個又は2個の炭素原子において、さらに置換されてもよい)
R3.3.3は、互いに独立して、
(a)C1-4-アルキル、又は、
(b)C3-6-シクロアルキルを表し、
R3.3.4は、互いに独立して、
(a)C1-4-アルキル、又は
(b)C3-6-シクロアルキル、又は、
(c)ハロゲン、CN、-O-C1-3-アルキル、-NH2、又は、
(d)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、
【0012】
Uは、N、N-オキシド又はC-R4を表し、
Vは、N、N-オキシド又はC-R5を表し、
Xは、N、N-オキシド又はCR6を表し、
Yは、N又はC-R7を表し、
(ここで、上述の基U、V、X及びYの最大3個まで同時に窒素原子を表す)
【0013】
R4は、
(a)H、又は、
(b)夫々の場合において、基R4.1によって置換されるC1-6-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基、又は、
(c)R4.2R4.3N、R4.2R4.3N-C1-3-アルキレン、又は、
(d)ハロゲン、-CN、-OH、-COOH、C1-3-アルキル-O、C1-3-アルキル-O-C1-3-アルキレン、C3-6-シクロアルキル、C3-6-シクロアルキル-C1-4-アルキレン、C1-3-アルキル-C(O)-O-C1-3-アルキレン、又は、
(e)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、
R4.1は、H、OH又は-O-CH3を表し、
R4.2は、H又はC1-3-アルキルを表し、
R4.3は、H又はC1-3-アルキルを表し、又は、
R4.2及びR4.3は、それらが結合する窒素原子と一緒に、3-から6-員環の複素環基を表し、
【0014】
R5は、
(a)H、又は、
(b)夫々の場合において、基R5.1によって置換されるC1-6-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基、又は、
(c)-NR5.2R5.3、NR5.2R5.3-C1-3-アルキレン、又は、
(d)ハロゲン、-CN、-OH、C1-3-アルキル-O-C1-3-アルキレン、C3-6-シクロアルキル、C3-6-シクロアルキル-C1-4-アルキレン、C1-3-アルキル-C(O)-O-C1-3-アルキレン、又は、
(e)アリール-C0-3-アルキレン-O-基、又は、
(f)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、
R5.1は、H、OH又は-O-CH3を表し、
R5.2は、H又はC1-6-アルキルを表し、
R5.3は、H、C1-6-アルキル又は-SO2-C1-3-アルキルを表し、又は
R5.2及びR5.3は、それらが結合する窒素原子と一緒に、3-から6-員環の複素環基を表し、
【0015】
R6は、
(a)H、又は、
(b)夫々の場合において、基R6.1によって置換されるC1-6-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基、又は、
(c)R6.2R6.3N、R6.2R6.3N-C1-3-アルキレン、又は、
(d)ハロゲン、-CN、-OH、_-COOH、C1-3-アルキル-O、C1-3-アルキル-O-C1-3-アルキレン、C3-6-シクロアルキル、C3-6-シクロアルキル-C1-4-アルキレン、C1-3-アルキル-C(O)-O-C1-3-アルキレン、又は、
(e)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、
R6.1は、H、OH又は-O-CH3を表し、
R6.2は、H又はC1-3-アルキルを表し、
R6.3は、H又はC1-3-アルキルを表し、又は、
R6.2及びR6.3は、それらが結合する窒素原子と一緒に、3-から6-員環の複素環基を表し、そして、
R7は、H、ハロゲン又はC1-3-アルキルを表す、
これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩を含む。
【0016】
本発明の第二の態様は、
式中、U、V、X、Y、R2及びR3が、上記第一の態様のように定義され、
R1が、以下から選択される基を表し、
【0017】
【化6】

R1.1が、
(a)H、又は、
(b)ハロゲン、C1-3-アルキル、-OH、-CN、-O-C1-3-アルキル、-C(O)-O-C1-3-アルキル、C2-4-アルケニル、C2-4-アルキニル、C1-3-アルキル-S、-NH2、又は、
(c)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、そして、
R1.2が、
(a)H、又は
(b)CH3
を表す、
上記一般式(I)の化合物、これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩を含む。
【0018】
本発明の第三の態様は、
式中、U、V、X、Y及びR3が、上記第一の態様のように定義され、
R1及びR2が、それらが結合する窒素原子と一緒に、以下から選択される基を表し、
【0019】
【化7】

そして、
R1.1が、
(a)H、又は、
(b)ハロゲン、C1-3-アルキル、-OH、-CN、-O-C1-3-アルキル、-C(O)-O-C1-3-アルキル、C2-4-アルケニル、C2-4-アルキニル、C1-3-アルキル-S、-NH2、又は、
(c)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表す、
上記一般式(I)の化合物、これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩を含む。
【0020】
本発明の第四の態様は、
式中、U、V、X、Y、R2及びR3が、上記第一の態様のように定義され、
R1が、以下から選択される基を表し、
【0021】
【化8】

【0022】
そして、
R1.1が、
(a)F、CH3、-OH、-O-CH3、又は
(b)CF3
を表す、
上記一般式(I)の化合物、これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩を含む。
【0023】
本発明の第五の態様は、
式中、U、V、X、Y及びR3が、上記第一の態様のように定義され、
R1及びR2が、それらが結合する窒素原子と一緒に、以下から選択される基を表し、
【0024】
【化9】

【0025】
R1.1が、
(a)F、CH3、-OH、-O-CH3又はCF3
を表す、
上記一般式(I)の化合物、これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩を含む。
【0026】
本発明の第六の態様は、
式中、U、V、X、Y、R2及びR3が、上記第一の態様のように定義され、
R1が、以下から選択される基を表す、
【0027】
【化10】


上記一般式(I)の化合物、これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩を含む。
【0028】
本発明の第七の態様は、
式中、U、V、X、Y及びR3が、上記第一の態様のように定義され、
R1及びR2が、それらが結合する窒素原子と一緒に、以下から選択される基を表す、
【0029】
【化11】

上記一般式(I)の化合物、これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩を含む。
【0030】
本発明の第八の態様は、
式中、U、V、X、Y、R1及びR2が、上記第一、第二、第四、又は、第六の態様のように定義され、
R3が、一般式(IV)の基を表し、
【0031】
【化12】

(IV)
【0032】
Aが、互いに独立して、C-H、C-F又はNを表し、
R3.1が、
(a)H、又は、
(b)ハロゲン、-NH2、C1-4-アルキル-NH、(C1-4-アルキル)2N、C1-3-アルキル-C(O)-NH、C1-3-アルキル-S(O)2-NH、-CN、-OH、-O-C(O)-NH-C1-3-アルキル、又は、
(c)C1-4-アルキル、R3.1.1-C1-3-アルキレン、C2-4-アルケニル、C2-4-アルキニル、C1-3-アルキル-O、C1-3-アルキル-S、又は、
(d)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)、又は、
(e)-C(O)-R3.1.2、又は、
(f)-(O)2-R3.1.3
を表し、
R3.1.1が、
(a)H、又は、
(b)C3-6-シクロアルキル、C5-6-シクロアルケニル、又は、
(c)(R3.1.1.1)2N、又は、
(d)基R3.1.1.1によって、窒素原子において置換され、1個か2個の基R3.1.1.2によって、炭素原子において置換される飽和の、一不飽和の、若しくは、二不飽和の5-若しくは6-員環の複素環基、又は、
(e)基R3.1.1.2によって、炭素原子において置換されるヘテロアリール基
を表し、
R3.1.1.1が、互いに独立して、
(a)H、C1-4-アルキル、C3-6-シクロアルキル、又は、
(b)ヘテロシクリル、又は、
(c)アリール-C0-3-アルキレン、又は、ヘテロアリール-C0-3-アルキレン
を表し、
R3.1.1.2が、互いに独立して、
(a)H、F、C1-3-アルキル、-CN、-OH、-O-C1-3-アルキル、-CO(O)R3.1.1.2.1、H2N、(C1-4-アルキル)-NH、(C1-4-アルキル)2N、又は、
(b)フェニル又はフェニル-CH2、又は、
(c)C1-3-アルキル基又は-O-C1-3-アルキル基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、又は、
R3.1.1.2.1が、H、C1-6-アルキル、又は、ベンジルを表し、
R3.1.2が、-O-C1-3-アルキル、-OH、又は、-NR3.1.2.1R3.1.2.2を表し、
R3.1.2.1が、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.1.2.2が、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.1.3が、-NR3.1.3.1R3.1.3.2を表し、
R3.1.3.1が、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.1.3.2が、H、C1-3-アルキルを表し、
【0033】
R3.2が、
(a)H、又は、
(b)ハロゲン、-NH2、C1-4-アルキル-NH、(C1-4-アルキル)2N、C1-3-アルキル-C(O)-NH、C1-3-アルキル-S(O)2-NH、-CN、-OH、-O-C(O)-NH-C1-3-アルキル、又は、
(c)C1-4-アルキル、C2-4-アルケニル、C2-4-アルキニル、C1-3-アルキル-O、C1-3-アルキル-S、又は、
(d)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)、
(e)-C(O)-R3.2.1、又は、
(f)-S(O)2-R3.2.2
を表し、
R3.2.1が、-O-C1-3-アルキル、-OH、又は、-NR3.2.1.1R3.2.1.2を表し、
R3.2.1.1が、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.2.1.2が、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.2.2が、-NR3.2,2,1R3.2,2,2を表し、
R3.2,2,1が、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.2,2,2が、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
【0034】
R3.3が、
(a)H、又は、
(b)ハロゲン、-NH2、C1-4-アルキル-NH、(C1-4-アルキル)2N、C1-3-アルキル-C(O)-NH、C1-3-アルキル-S(O)2-NH、-CN、-OH、-O-C(O)-NH-C1-3-アルキル、又は、
(c)C1-4-アルキル、C2-4-アルケニル、C2-4-アルキニル、C1-3-アルキル-O、C1-3-アルキル-S、又は、
(d)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)、又は、
(e)-C(O)-R3.2.1、又は、
(f)-S(O)2-R3.2.2
を表し、
R3.3.1が、-O-C1-3-アルキル、-OH、又は、-NR3.3.1.1R3.3.1.2を表し、
R3.3.1.1が、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.3.1.2が、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.3.2が、-O-C1-3-アルキル、又は、-NR3.3.2.1R3.3.2.2を表し、
R3.3.2.1が、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.3.2.2が、H、又は、C1-3-アルキルを表し、又は、
【0035】
R3.2及びR3.3が、それらが結合する炭素原子と一緒に、一不飽和の5-員環の複素環基、又は、一不飽和の、若しくは、二不飽和の6-員環の複素環基、又は、5-から6-員環のヘテロアリール基を形成し、
(ここで、上述の複素環は、窒素原子に隣接したカルボニル、チオカルボニル、又は、シアノイミノ基を含んでもよく、そして、
夫々の場合において、基R3.3.3によって、1個又は2個の窒素原子において、さらに置換されてもよく、そして、
夫々の場合において、1個又は2個の基R3.3.4によって、1個又は2個の炭素原子において、さらに置換されてもよい)
R3.3.3が、互いに独立して、
(a)C1-4-アルキル、又は、
(b)C3-6-シクロアルキルを表し、
R3.3.4が、互いに独立して、
(a)C1-4-アルキル、C3-6-シクロアルキル、又は、
(b)ハロゲン、CN、C1-3-アルキル-O-、-NH2、又は、
(c)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表す、
上記一般式(I)の化合物、これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩を含む。
【0036】
本発明の第九の態様は、
式中、U、V、X、Y、R1及びR2が、上記第一、第二、第四、又は、第六の態様のように定義され、
R3が、一般式(IV)の基を表し、
【0037】
【化13】

(IV)
【0038】
Aが、互いに独立して、C-H、C-F又はNを表し、
R3.1が、
(a)H、又は、
(b)ハロゲン、-NH2、C1-4-アルキル-NH、(C1-4-アルキル)2N、C1-3-アルキル-C(O)-NH、-CN、-OH、-O-C(O)-NH-C1-3-アルキル、又は、
(c)C1-4-アルキル、C2-4-アルケニル、C2-4-アルキニル、C1-3-アルキル-O、C1-3-アルキル-S、又は、
(d)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、
R3.2が、
(a)H、又は、
(b)ハロゲン、-NH2、C1-4-アルキル-NH、(C1-4-アルキル)2N、C1-3-アルキル-C(O)-NH、-CN、-OH、-O-C(O)-NH-C1-3-アルキル、又は、
(c)C1-4-アルキル、C2-4-アルケニル、C2-4-アルキニル、C1-3-アルキル-O、C1-3-アルキル-S、又は、
(d)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、
R3.3が、
(a)H、又は、
(b)ハロゲン、-NH2、C1-4-アルキル-NH、(C1-4-アルキル)2N、C1-3-アルキル-C(O)-NH、-CN、-OH、-O-C(O)-NH-C1-3-アルキル、又は、
(c)C1-4-アルキル、C2-4-アルケニル、C2-4-アルキニル、C1-3-アルキル-O、C1-3-アルキル-S、又は、
(d)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、
R3.2及びR3.3が、それらが結合する炭素原子と一緒に、一不飽和の5-員環の複素環基、又は、一不飽和の、若しくは、二不飽和の6-員環の複素環基、又は、5-から6-員環のヘテロアリール基を形成し、
(ここで、上述の複素環は、窒素原子に隣接したカルボニル、チオカルボニル、又は、シアノイミノ基を含んでもよく、そして、
夫々の場合において、基R3.3.3によって、1個又は2個の窒素原子において、さらに置換されてもよく、そして、
夫々の場合において、1個又は2個の基R3.3.4によって、1個又は2個の炭素原子において、さらに置換されてもよい)、
R3.3.3が、互いに独立して、
(a)C1-4-アルキル、又は
(b)C3-6-シクロアルキルを表し、
R3.3.4が、互いに独立して、
(a)C1-4-アルキル、C3-6-シクロアルキル、又は、
(b)ハロゲン、CN、C1-3-アルキル-O-、-NH2、又は、
(c)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表す、
上記一般式(I)の化合物、これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩を含む。
【0039】
本発明の第十の態様は、
式中、U、V、X、Y、R1及びR2が、上記第一、第二、第四、又は、第六の態様のように定義され、
R3が、一般式(IVa)の基を表し、
【0040】
【化14】

(IVa)
【0041】
R3.1が、
(a)H、又は、
(b)F、Cl、Br、-NH2、C1-3-アルキル-NH、(C1-3-アルキル)2N、C1-3-アルキル-C(O)-NH、-CN、-OH、又は、
(c)C1-4-アルキル、C2-4-アルケニル、C2-4-アルキニル、C1-3-アルキル-O、C1-3-アルキル-S、又は、
(d)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、
R3.2が、
(a)H、又は、
(b)F、Cl、Br、H2N、(C1-4-アルキル)-NH、(C1-4-アルキル)2N、(C1-3-アルキル)-C(O)-NH、-OH、又は、
(c)C1-4-アルキル、又は、
(d)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、
R3.3が、
(a)H、又は、
(b)F、Cl、Br、H2N、(C1-4-アルキル)-NH、(C1-4-アルキル)2N、(C1-3-アルキル)-C(O)-NH、-OH、又は、
(c)C1-4-アルキル、又は、
(d)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、
【0042】
R3.2及びR3.3が、それらが結合する炭素原子と一緒に、一不飽和の5-員環の複素環基、又は、一不飽和の、若しくは、二不飽和の6-員環の複素環基、又は、5-から6-員環のヘテロアリール基を形成し、
(ここで、上述の複素環は、窒素原子に隣接したカルボニル、チオカルボニル、又は、シアノイミノ基を含んでもよく、そして、
夫々の場合において、基R3.3.3によって、1個又は2個の窒素原子において、さらに置換されてもよく、そして、
夫々の場合において、1個又は2個の基R3.3.4によって、1個又は2個の炭素原子において、さらに置換されてもよい)、
R3.3.3が、互いに独立して、
(a)C1-4-アルキル、又は
(b)C3-6-シクロアルキルを表し、
R3.3.4が、互いに独立して、
(a)C1-4-アルキル、C3-6-シクロアルキル、又は、
(b)ハロゲン、CN、C1-3-アルキル-O-、-NH2、又は、
(c)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、そして、
R3.4が、H又はFを表す、
上記一般式(I)の化合物、これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩を含む。
【0043】
本発明の第十一の態様は、
式中、U、V、X、Y、R1及びR2が、上記第一、第二、第四、又は、第六の態様のように定義され、
R3が、以下から選択される基を表す、
【0044】
【化15】


上記一般式(I)の化合物、これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩を含む。
【0045】
本発明の第十二の態様は、
式中、U、V、X、Y、R1及びR2が、第一、第二、第三、第四、第五、第六、又は、第七の態様で上記で定義されたとおりであり、
R3が、一般式(IVb)の基を表し、
【0046】
【化16】

(IVb)
【0047】
R3.1が、
(a)H、又は、
(b)F、Cl、Br、-NH2、C1-3-アルキル-NH、(C1-3-アルキル)2N、C1-3-アルキル-C(O)-NH、-CN、-OH、又は、
(c)C1-4-アルキル、C2-4-アルケニル、C2-4-アルキニル、C1-3-アルキル-O、C1-3-アルキル-S、又は、
(d)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、
R3.2及びR3.3が、それらが結合する炭素原子と一緒に、一不飽和の5-員環の複素環基、又は、一不飽和の、若しくは、二不飽和の6-員環の複素環基、又は、5-から6-員環のヘテロアリール基を形成し、
(ここで、上述の複素環は、窒素原子に隣接したカルボニル、チオカルボニル、又は、シアノイミノ基を含み、そして、
基R3.3.3によって、1個又は2個の窒素原子において、夫々さらに置換されてもよく、そして、
1個又は2個の基R3.3.4によって、1個又は2個の炭素原子において、夫々さらに置換されてもよい)、
R3.3.3が、互いに独立して、
(a)C1-4-アルキル、又は、
(b)C3-6-シクロアルキルを表し、そして、
R3.3.4が、互いに独立して、
(a)C1-4-アルキル、C3-6-シクロアルキル、又は、
(b)ハロゲン、-CN、-O-C1-3-アルキル、-NH2、又は、
(c)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表す、
上記一般式(I)の化合物、これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩を含む。
【0048】
本発明の第十三の態様は、
式中、U、V、X、Y、R1及びR2が、第一、第二、第三、第四、第五、第六、又は、第七の態様で上記で定義されたとおりであり、
R3が、一般式(IVb)の基を表し、
【0049】
【化17】

(IVb)
【0050】
R3.1が、
(a)H、又は、
(b)F、Cl、Br、-NH2、C1-3-アルキル-NH、(C1-3-アルキル)2N、C1-3-アルキル-C(O)-NH、-CN、-OH、又は、
(c)C1-4-アルキル、C2-4-アルケニル、C2-4-アルキニル、C1-3-アルキル-O、C1-3-アルキル-S、又は、
(d)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、
R3.2及びR3.3が、それらが結合する炭素原子と一緒に、一不飽和の5-員環の複素環基、又は、5-員環のヘテロアリール基を形成し、
(ここで、上述の複素環は、窒素原子に隣接したカルボニル、チオカルボニル、又は、シアノイミノ基を含み、そして、
基R3.3.3によって、1個又は2個の窒素原子において、夫々さらに置換されてもよく、そして、
1個又は2個の基R3.3.4によって、1個又は2個の炭素原子において、夫々さらに置換されてもよい)、
R3.3.3が、互いに独立して、
(a)C1-4-アルキル又は、
(b)C3-6-シクロアルキルを表し、そして
R3.3.4が、互いに独立して、
(a)C1-4-アルキル、C3-6-シクロアルキル、又は、
(b)ハロゲン、-CN、-O-C1-3-アルキル、-NH2、又は、
(c)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表す、
上記一般式(I)の化合物、これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩を含む。
【0051】
本発明の第十四の態様は、
式中、U、V、X、Y、R1及びR2が、第一、第二、第三、第四、第五、第六、又は、第七の態様で上記で定義されたとおりであり、
R3が、一般式(IVc)の基を表し、
【0052】
【化18】

(IVc)
【0053】
Tが、O、S、CH2、NH又はN-R3.3.3を表し、
R3.1が、
(a)H、又は、
(b)F、Cl、Br、-NH2、C1-3-アルキル-NH、(C1-3-アルキル)2N、C1-3-アルキル-C(O)-NH、-CN、-OH、又は、
(c)C1-4-アルキル、C2-4-アルケニル、C2-4-アルキニル、C1-3-アルキル-O、C1-3-アルキル-S、又は、
(d)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、そして、
R3.3.3が、互いに独立して、
(a)C1-4-アルキル、又は
(b)C3-6-シクロアルキル
を表す、
上記一般式(I)の化合物、これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩を含む。
【0054】
本発明の第十五の態様は、
式中、U、V、X、Y、R1及びR2が、第一、第二、第三、第四、第五、第六、又は、第七の態様で上記で定義されたとおりであり、
R3が、以下から選択される基を表す、
【0055】
【化19】

上記一般式(I)の化合物、これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩を含む。
【0056】
本発明の第十六の態様は、
式中、Y、R1、R2及びR3が、第一、第二、第三、第四、第五、第六、第七、第八、第九、第十、第十一、第十二、第十三、第十四、又は、第十五の態様で上記で定義されたとおりであり、
U-V-Xが、以下から選択される基を表し、
-N=N-(C-R6)=、-N=(C-R5)-N=、-N=(C-R5)-(C-R6)=、-(N-オキシド)=(C-R5)-(CR6)=、-(CR4)=N-N=、-(CR4)=N-(CR6)=、-(C-R4)=N(オキシド)-(C-R6)=、-(CR4)=(C-R5)-N=、-(CR4)=(C-R5)-(N-オキシド)=、及び、-(CR4)=(C-R5)-(CR6)=、そして、
R4が、
(a)H、又は、
(b)夫々の場合において、基R4.1によって置換されるC1-6-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基、又は、
(c)R4.2R4.3N、R4.2R4.3N-C1-3-アルキレン、又は、
(d)ハロゲン、-CN、-OH、_-COOH、C1-3-アルキル-O、C1-3-アルキル-O-C1-3-アルキレン、C3-6-シクロアルキル、C3-6-シクロアルキル-C1-4-アルキレン、
C1-3-アルキル-C(O)-O-C1-3-アルキレン、又は、
(e)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、
R4.1が、H、OH又は-O-CH3を表し、
R4.2が、H又はC1-3-アルキルを表し、
R4.3が、H又はC1-3-アルキルを表し、又は、
R4.2及びR4.3が、それらが結合する窒素原子と一緒に、3-から6-員環の複素環基を表し、
【0057】
R5が、
(a)H、又は、
(b)夫々の場合において、基R5.1によって置換されるC1-6-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基、
(c)-NR5.2R5.3、NR5.2R5.3-C1-3-アルキレン、又は、
(d)ハロゲン、-CN、-OH、C1-3-アルキル-O-C1-3-アルキレン、C3-6-シクロアルキル、C3-6-シクロアルキル-C1-4-アルキレン、C1-3-アルキル-C(O)-O-C1-3-アルキレン、又は、
(e)アリール-C0-3-アルキレン-O-基、又は、
(f)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、
R5.1が、H、OH又は-O-CH3を表し、
R5.2が、H又はC1-6-アルキルを表し、
R5.3が、H、C1-6-アルキル又は-SO2-C1-3-アルキルを表し、
R6が、
(a)H、又は、
(b)夫々の場合において、基R6.1によって置換されるC1-6-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基、又は、
(c)R6.2R6.3N、R6.2R6.3N-C1-3-アルキレン、又は、
(d)ハロゲン、-CN、-OH、_-COOH、C1-3-アルキル-O、C1-3-アルキル-O-C1-3-アルキレン、C3-6-シクロアルキル、C3-6-シクロアルキル-C1-4-アルキレン、
C1-3-アルキル-C(O)-O-C1-3-アルキレン、又は、
(e)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、
R6.1が、H、OH又は-O-CH3を表し、
R6.2が、H又はC1-3-アルキルを表し、
R6.3が、H又はC1-3-アルキルを表し、又は
R6.2及びR6.3が、それらが結合する窒素原子と一緒に、3-から6-員環の複素環基を表す、
上記一般式(I)の化合物、これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩を含む。
【0058】
本発明の第十七の態様は、
式中、Y、R1、R2及びR3が、第一、第二、第三、第四、第五、第六、第七、第八、第九、第十、第十一、第十二、第十三、第十四、又は、第十五の態様で上記で定義されたとおりであり、
以下の環が、
【0059】
【化20】

下記から選択される基を表す、
【0060】
【化21】



上記一般式(I)の化合物、これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩を含む。
【0061】
本発明の第十八の態様は、
式中、R1が、以下から選択される基を表し、
【0062】
【化22】

R2が、Hを表し、
R3が、以下から選択される基を表し、
【0063】
【化23】


以下の環が、
【0064】
【化24】

以下から選択される基を表す、
【0065】
【化25】

上記一般式(I)の化合物、これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩を含む。
【0066】
本発明の第十九の態様は、
式中、R1及びR2が、それらが結合した窒素原子と一緒に、以下から選択される基を表し、
【0067】
【化26】

R3が、以下から選択される基を表し、
【0068】
【化27】

そして、以下の環が
【0069】
【化28】

以下から選択される基を表し、
【0070】
【化29】

上記一般式(I)の化合物、これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩を含む。
【0071】
以下の化合物は、上記一般式(I)の最も特に好ましい化合物の例として挙げられる:
【0072】
【化30】



これらのエナンチオマー、ジアステレオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩。
【発明を実施するための形態】
【0073】
<使用される用語及び定義>
本発明における本明細書は、化学結合の慣習法(convention)及び規則に従って解釈されるべきである。
この発明に含まれる化合物はまた、化学的に安定である化合物である。
特に断らない限り、全ての置換基は互いに独立である。例えば、一つの基中に置換基として複数のC1-4-アルキル基があるとすれば、三つのC1-4-アルキル置換基の場合には、互いに独立に、一つがメチルを、一つがエチルを、そして、一つがn-プロピルを表してもよい。
この出願の範囲内で、可能な置換基の定義において、これらはまた構造式の形態で表されてもよい。置換基の構造式中のアステリスク(*)が存在する場合、それは分子の残部への結合位置であると理解されるべきである。例えば、フェニル基は、以下のように示される。
【0074】
【化31】

さらに、結合位置に続く置換基の原子は、位置番号1の原子であるものとして理解される。
本発明の要旨はまた、1個以上の水素原子、例えば、1個、2個、3個、4個又は5個の水素原子が重水素により置換された本発明における化合物(これらの塩を含む)を含む。
【0075】
用語"C1-3-アルキル"(他の基の一部であるものを含む)は、1〜3個の炭素原子を有する分枝及び非分枝アルキル基を意味し、用語"C1-4-アルキル"は、1〜4個の炭素原子を有する分枝及び非分枝アルキル基を意味し、用語"C1-6-アルキル"は、1〜6個の炭素原子を有する分枝及び非分枝アルキル基を意味する。これらの例は:メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ネオペンチル又はn-ヘキシルを含む。略語であるMe、Et、n-Pr、i-Pr、n-Bu、i-Bu、t-Buなども、上記基に適宜用いられ得る。特に規定しない限り、プロピル及びブチルの定義は、当該基の全ての可能な異性体を含む。従って、例えばプロピルは、n-プロピル及びイソ-プロピルを含み、ブチルは、イソ-ブチル、sec-ブチル及びtert-ブチルなどを含む。
【0076】
用語"C1-6-アルキレン"(他の基の一部であるものを含む)は、1〜6個の炭素原子を有する分枝及び非分枝アルキレン基を意味し、用語"C1-3-アルキレン"は、1〜3個の炭素原子を有する分枝及び非分枝アルキレン基を意味する。これらの例は:メチレン、エチレン、プロピレン、1-メチルエチレン、ブチレン、1-メチルプロピレン、1.1-ジメチルエチレン、1,2-ジメチルエチレン、ペンチレン、1.1-ジメチルプロピレン、2,2-ジメチルプロピレン、1,2-ジメチルプロピレン、1,3-ジメチルプロピレン又はヘキシレンを含む。特に規定しない限り、プロピレンの定義は、同じ数の炭素を有する当該基の全ての可能な異性体を含む。従って、例えば、プロピルは、1-メチルエチレンも含み、ブチレンは、1-メチルプロピレン、1.1-ジメチルエチレン、1,2-ジメチルエチレンを含む。
C0-アルキレンの定義は、結合を表す。
【0077】
用語"C2-6-アルケニル"(他の基の一部であるものを含む)は、2〜6個の炭素原子を有する分枝及び非分枝アルケニル基を意味し、用語"C2-4-アルケニル"は、2〜4個の炭素原子を有する分枝及び非分枝アルケニル基を意味する(但し、それらは少なくとも1つの二重結合を含む)。2〜4個の炭素原子を有するアルケニル基が好ましい。これらの例は:エテニル又はビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル又はヘキセニルを含む。特に規定しない限り、プロペニル、ブテニル、ペンテニル及びヘキセニルの定義は、当該基の全ての可能な異性体を含む。従って、例えば、プロペニルは、1-プロペニル及び2-プロペニルを含み、ブテニルは、1-、2-及び3-ブテニル、1-メチル-1-プロペニル、1-メチル-2-プロペニルなどを含む。
【0078】
用語"C2-6-アルキニル"(他の基の一部であるものを含む)は、2〜6個の炭素原子を有する分枝及び非分枝アルキニル基を意味し、用語"C2-4-アルキニル"は、2〜4個の炭素原子を有する分枝及び非分枝アルキニル基を意味する(但し、それらは、少なくとも1つの三重結合を含む)。これらの例は:エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル又はヘキシニルを含む。特に規定しない限り、プロピニル、ブチニル、ペンチニル及びヘキシニルの定義は、当該基の全ての可能な異性体を含む。従って、例えば、プロピニルは、1-プロピニル及び2-プロピニルを含み、ブチニルは、1-、2- 及び3-ブチニル、1-メチル-1-プロピニル、1-メチル-2-プロピニルなどを含む。
【0079】
用語"C3-6-シクロアルキル"(他の基の一部であるものを含む)は、3〜6個の炭素原子を有する環状アルキル基を意味し、用語"C5-6-シクロアルキル"は、5〜6個の炭素原子を有する環状アルキル基を意味する。これらの例は:シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルを含む。特に断らない限り、環状アルキル基は、メチル、エチル、イソ-プロピル、tert-ブチル、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素から選択される1個以上の基によって置換されてもよい。
用語"C5-6-シクロアルケニル"(他の基の一部であるものを含む)は、不飽和結合を含む5又は6個の炭素原子を有する環状アルケニル基を意味する。これらの例は:シクロペンテニル又はシクロヘキセニルを含む。特に断らない限り、環状アルケニル基は、メチル、エチル、イソ-プロピル、tert-ブチル、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素から選択される1個以上の基で置換されてもよい。
【0080】
用語"ヘテロシクリル"又は"複素環基"は、定義中で特に断らない限り、安定した5-、6-若しくは7-員環の単環の複素環系、又は、8-、9-、10-若しくは11-員環の二環の複素環系であって、芳香族環系を形成せず、少なくとも1つの環に、炭素原子のほかに、1〜4個のヘテロ原子(窒素、酸素、及び硫黄から選択される)を有しうるものを意味する。窒素原子及び硫黄原子の双方は、適宜酸化されてもよく、窒素原子は四級化されてもよい。複素環は、窒素原子に隣接する1個か2個のカルボニル、チオカルボニル又はシアノイミノ基を含んでもよい。上述した複素環は、炭素原子又は窒素原子を介して分子の残部に結合されてもよい。
【0081】
特に断らない限り、複素環は、以下から選択される1個以上の基によって置換されてもよい:
(a)OH、NO2、CN、OCF3、OCHF2、OCH2F、NH2
(b)ハロゲン、好ましくはフッ素又は塩素、
(c)C1-6-アルキル、好ましくはC1-3-アルキル、特に好ましくはエチル、メチル、イソ-プロピル又はtert-ブチル、
(d)-SO2-O-C1-3-アルキル、好ましくは-O-メチル、
(e)-O-C1-3-アルキル、好ましくは-O-メチル又は-O-エチル、
(f)COOH、COO-C1-3-アルキル、好ましくはCO-O-メチル又はCO-O-エチル。
ここで、これらの基は同一であっても相違していてもよい。
【0082】
以下の化合物は、例として挙げられるが、本発明は、それらに限定されない:アゼチジン、オキセタン、チエタン、チエタン ジオキシド、テトラヒドロフラン、ジヒドロフラン、ジオキソラン、イミダゾリジン、イミダゾリン、イミダゾリジノン、ジヒドロイミダゾロン、オキサゾリン、オキサゾリジン、オキサゾリジノン、ピロリジノン、ジヒドロピラゾール、ピロリジン、ピロリン、モルホリン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、ピペラジン、ピペリジン、ピペラジノン、ピペリジノン、ピラン、チオモルホリン-S-オキシド、チオモルホリン-S-ジオキシド、チオモルホリン、ジヒドロキサジン、モルホリンジオン、モルホリンチオン、ペルヒドロチアジンジオキシド、E-カプロラクタム、オキサゼパノン、ジアゼパノン、チアゼパノン、ペルヒドロアゼピン、ジヒドロキナゾリノン、ジヒドロインドール、ジヒドロイソインドール、ベンゾオキサゾロン、ベンゾイミダゾロン、クロマノン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロベンゾオキサゾール、テトラヒドロベンゾイソオキサゾール、テトラヒドロベンズチオフェン、テトラヒドロチエノ-ピリジン、テトラヒドロベンゾフラン、テトラヒドロ-オキサゾロピリジン、テトラヒドロ-イソオキサゾロピリジン。
以下の複素環は本発明において好ましい:
【0083】
【化32】

【0084】
用語"アリール"(他の基の一部であるものを含む)は、6個の炭素原子を有する単環の芳香族環系、又は、10個の炭素原子を有する二環の芳香族環系を意味する。これらの例は、フェニル、1-ナフチル、又は、2-ナフチルを含む;好ましいアリール基は、フェニルである。
特に断らない限り、芳香族基は、以下から選択される1個以上の基によって置換されてもよい:
(a)OH、NO2、CN、OCF3、OCHF2、OCH2F、NH2
(b)ハロゲン、好ましくは、フッ素又は塩素、
(c)C1-6-アルキル、好ましくは、C1-3-アルキル、特に好ましくはエチル、メチル、イソ-プロピル又はtert-ブチル、
(d)-SO2-O-C1-3-アルキル、好ましくは-O-メチル、
(e)-O-C1-3-アルキル、好ましくは-O-メチル又は-O-エチル、
(f)COOH、CO-O-C1-3-アルキル、好ましくはCO-O-メチル又はCO-O-エチル。
ここで、これらの基は、同一であっても相違していてもよい。
【0085】
用語"ヘテロアリール"は、各環の中に1個、2個、又は3個のヘテロ原子(酸素、硫黄、及び窒素から選択される)と、加えて芳香族系を形成するのに足りる共役二重結合を含みうる安定した5-若しくは6-員環の複素環の芳香族基、又は、8-から10-員環の二環のヘテロアリール環を意味する。5-若しくは6-員環の複素環の芳香族基の例は以下のとおりであるが、本発明はこれらに限定されない:
フラン、ピロール、チオフェン、ピラゾール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、フラザン、チアジアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアジン。
以下の5-員環の複素環の芳香族基は、本発明において好ましい:
【0086】
【化33】

以下の6-員環の複素環の芳香族基は、本発明において好ましい:
【0087】
【化34】

9-又は10-員環の二環のヘテロアリール環の例は、以下のとおりであるが、本発明は、これらに限定されない:
インドール、イソインドール、インダゾール、インドリジン、ベンゾフラン、ベンズチオフェン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾイソチアゾール、キノリン、イソキノリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、キナゾリン、ピリドピリミジン、ピリドピラジン、ピリドピリダジン、ピリミドピリミジン、プテリジン、プリン、キノリジン、ベンゾオキサゾールカルボニトリル、キノリン、イソキノリン、キノリジン、プテリジン、プリン、キノリジン、ベンゾオキサゾール-カルボニトリル。
以下の二環のヘテロアリール環は、本発明において好ましい:
【0088】
【化35】

【0089】
特に断らない限り、上述したヘテロアリールは、以下から選択される1個以上の基によって置換されうる:
(a)OH、NO2、CN、OCF3、OCHF2、OCH2F、NH2
(b)ハロゲン、好ましくはフッ素又は塩素、
(c)C1-6-アルキル、好ましくはC1-3-アルキル、特に好ましくはエチル、メチル、イソ-プロピル又はtert-ブチル、
(d)-SO2-O-C1-3-アルキル、好ましくは-O-メチル、
(e)-O-C1-3-アルキル、好ましくは、-O-メチル又は-O-エチル、
(f)COOH、CO-O-C1-3-アルキル、好ましくはCO-O-メチル又はCO-O-エチル。
ここで、これらの基は同一であっても相違していても良い。
二環のヘテロアリール環は、好ましくはフェニル基中で置換されうる。
用語"ハロゲン"は、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素原子を意味する。
【0090】
一般式(I)の化合物は、酸性基、主にカルボキシル基、及び/又は、塩基性基、例えばアミノ官能基を有してもよい。とりわけ、一般式(I)の化合物は、従って、内部塩として存在してもよいし、医薬的に使用可能な無機酸、例えば、臭化水素酸、リン酸、硝酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、又は、有機酸、例えば、リンゴ酸、コハク酸、酢酸、フマル酸、マレイン酸、マンデル酸、乳酸、酒石酸、クエン酸との塩として、又は、医薬的に使用可能な塩基、例えば、アルカリ若しくはアルカリ土類金属水酸化物、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水酸化物、水酸化アンモニア、水酸化亜鉛、水酸化アンモニウム、又は、有機アミン、例えばジエチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミンとの塩として存在してもよい。
本発明の化合物は、それらが、1個のキラル元素しか有さないことを条件として、ラセミ化合物として存在できるが、純粋なエナンチオマー、すなわち(R)又は(S)型で得ることもできる。
炭素二重結合を有する化合物は、E型及びZ型双方で存在しうる。
以下の窒素含有へテロアリールは、様々な互変異性型で存在しうる:
【0091】
【化36】

これは、夫々の場合において調製された化合物が、1つの互変異性型に限定されないで、全ての互変異性型を包含することを意味する。
【0092】
しかしながら、本出願はまた、鏡像体の個々のジアステレオマー対又はそれらの混合物(それらは一般化学式(I)の化合物において2個以上のキラル元素がある場合に得られる)のほかに、上述のラセミ化合物を構成する個々の光学活性エナンチオマーも包含する。
本発明は、適宜個々の光学異性体、個々のエナンチオマーの混合物又はラセミ化合物の形態、互変異性体の形態、及び、遊離塩基又は薬理学的に許容可能な酸との対応する酸付加塩の形態である当該化合物に関する。
一般式(I)の化合物のいわゆるプロドラッグもこの発明に包含される。用語"プロドラッグ"は、哺乳類に投与した後に、インビボで一般式(I)の活性成分を放出するいずれかの分子を表すのに用いられている。プロドラッグは、それ自体では医薬的活性がほとんどないか、或いは全くなくても良いが、投与された後にインビボで一般式(I)の活性成分を放出し、これは、記載されている活性を有する。一般式(I)の化合物のためのプロドラッグは、本分野で当業者に知られるように一般式(I)の化合物中の適した官能基を修飾することによって調製されうる(H. Bundgaard (Editor), Design of Prodrugs. (1986), Elsevier)。
【0093】
この発明は、一般式(I)の化合物に由来するそれらの代謝物も含む。代謝物は、この文脈において、投与された後に一般式(I)の化合物からインビボで形成された化合物を意味する。代謝物の例は以下を含む:
− 一般式(I)の化合物のメチル基は、対応するヒドロキシメチル基に転化されうる(-CH3から-CH2OHへ)。
− 一般式(I)の化合物のアルコキシ基は、対応するヒドロキシ基に転化されうる(-ORから-OHへ)。
− 一般式(I)の化合物の第二級アミンは、対応する第一級アミンに転化されうる(-NR1R2から-NHR1又は-NHR2へ)。
− 一般式(I)の化合物の窒素原子は、対応する窒素酸化物に転化されうる(=N-から=N+-(O-)-へ)。
【0094】
[調製方法]
本発明は、一般式(I)の化合物の調製方法にも関係し、式中、置換基は先に記載された意味を有する。
本発明における一般式(I)の化合物のいくつかの調製方法は、以下の合成スキーム及び実施例で説明される。
【0095】
【化37】

(I)
(式中、U、V、X、Y、R1、R2及びR3は、上記に定義されるとおりである。)
【0096】
場合によって、反応スキームを行う順番は、反応を単純化するために、又は、不要な副生成物を防ぐために変更されうる。以下の例は、本発明を分かりやすくするために提供される。これらの例は、本発明を説明することを意図し、決してそれに限定されるべきではない。
場合によって、最終生成物は、例えば置換基を操作することで、更に誘導体化されうる。このような操作は、酸化、還元、アルキル化、アシル化、及び加水分解のように一般的に当業者に知られうるが、必ずしも上記に限定されない。
出発化合物は、本分野で知られるか、ここで記載される方法で調製されうる。反応が起こる前に、化合物中の対応する官能基が、通常の保護基で保護されうる。これらの保護基は、本分野において知られた方法を用いる反応の順序の中で好適な段階で再び開裂されうる(P.G.M. Wuts, T.W. Greene "Greene's Protective Groups in Organic Synthesis", 4th ed., Wiley Interscience)。
【0097】
本発明における化合物は、公知の及び/又は入手できる開始材料、試薬、及び従来の合成方法を用いて、与えられたスキーム及び具体的な例、又は、対応する変更に従って調製されうる。当業者に知られているがここに詳細を記載されていないこれらの反応の変更も実施されうる。
本発明における一般式(I)の化合物の以下の調製方法及びそれらの前駆体は、特に好適であることと分かっている:
開始化合物は、市場で入手できるか、本分野で当業者に知られるかここに記載された文献に記載された方法によって調製される。反応が起こる前に、化合物中のいずれかの対応する官能基は、通常の保護基によって保護されうる。これらの保護基は、本分野において知られた方法を用いる反応の順序の中で好適な段階で再び開裂されうる。
【0098】
以下に記載される反応において、ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ、アルキルアミノ、アミド、又はイミノ基のような存在する反応基は、反応後に再び開裂される通常の保護基によって、反応の間、保護されうる。
例えば、
− ヒドロキシ基に適した保護基は、メトキシ、ベンジルオキシ、トリメチルシリル、アセチル、ベンゾイル、tert.-ブチル、トリチル、ベンジル又はテトラヒドロピラニル基でありうる。
− カルボキシル基に適した保護基は、トリメチルシリル、メチル、エチル、tert.-ブチル、ベンジル又はテトラヒドロピラニル基でありうる。
− アミド基に適した保護基は、N-メトキシメチル- (MOM)、N-ベンジルオキシメチル (BOM)、N-(トリメチルシリル)エトキシメチル (SEM)、N-tert-ブチルジメチルシロキシメチル、N-tert-ブチルジメチルシリル (TBDMS)、N-トリイソプロピルシリル- (TIPS)、N-ベンジル、N-4-メトキシベンジル (PMB)、N-トリフェニルメチル (Trt)、N-tert-ブトキシカルボニル (BOC)、N-ベンジルオキシカルボニル (Cbz)又はN-トリメチルシリルエチルスルホニル (SES)でありうる。
− アミノ、アルキルアミノ、又はイミノ基に適した保護基は、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンゾイル、エトキシカルボニル、tert.-ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、ベンジル、メトキシベンジル又は2,4-ジメトキシベンジル基でありえて、加えて、アミノ基に適した保護基は、フタリル基でありうる。
そのほかの保護基及びそれらの開裂は、T. W. Greene, P. G. M. Wuts, "Protective Groups in Organic Synthesis", Wiley, 2006.に記載されている。
【0099】
使用される保護基は、例えば、水性溶媒、例えば、水、イソプロパノール/水、テトラヒドロフラン/水、又は、ジオキサン/水中で、トリフルオロ酢酸、塩酸又は硫酸のような酸の存在下で、又は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、若しくは、水酸化カリウムのようなアルカリ金属塩基の存在下での加水分解によって、又は、ヨードトリメチルシランの存在下でのエーテル分解(ether splitting)によって、0〜100℃の温度で、好ましくは10〜50℃の温度で、適宜その後に、開裂される。
しかしながら、ベンジル、メトキシベンジル又はベンジルオキシカルボニル基は、例えば水素を用いて、パラジウム/炭のような触媒の存在下で、メタノール、エタノール、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド/アセトン又は氷酢酸のような溶媒(塩酸のような酸を添加してもよい)中で、0〜50℃の温度で、好ましくは周囲温度で、1〜7バール、好ましくは1〜5バールの水素圧力下で、水素化分解反応(hydrogenolytically)で、開裂される。
メトキシベンジル基は、セリウム(IV)アンモニウム ニトラートのような酸化剤の存在下で、メチレン クロリド、アセトニトリル又はアセトニトリル/水のような溶媒中で、0〜50℃の温度で、好ましくは、周囲温度で、開裂されてもよい。
メトキシ基は、ボロントリブロミドの存在下で、メチレン クロリドのような溶媒中で、−35〜−25℃の温度で、都合よく開裂される。
2,4-ジメトキシベンジル基は、好ましくは、アニソールの存在下でトリフルオロ酢酸で開裂される。
【0100】
tert.ブチル基又はtert.ブチルオキシカルボニル基は、好ましくは、トリフルオロ酢酸又は塩酸のような酸で、適宜メチレン クロリド、ジオキサン又はエーテルのような溶媒を用いて、処理することによって開裂される。
フタリル基は、好ましくは、ヒドラジン、又は、メチルアミン、エチルアミン又はn-ブチルアミンのような第一級アミンの存在下で、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン/水又はジオキサンのような溶媒中で、20〜50℃の温度で開裂される。
メトキシメチル基は、濃塩酸のような酸の存在下で、ジメトキシエタンのような溶媒中で、開裂されうる。代わりに、トリフルオロ酢酸のような酸を、溶媒なしで用いることもできる。
N-(トリメチルシリル)エトキシメチル基は、TBAF及び1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミドンの存在下で開裂されうる。代わりに、SEM保護基は、ジオキサン又はエタノールのような有機溶媒中で、塩酸のような酸で開裂されてもよい。
【0101】
アリルオキシカルボニル基は、好ましくはテトラヒドロフランのような溶媒中で、好ましくはモルホリンのような塩基の過剰存在下で、0〜100℃の温度で、好ましくは周囲温度で、不活性ガス下で、触媒量のテトラキス-(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(0)で処理することによって、又は、エタノール水のような溶媒中で、適宜1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンのような塩基の存在下で、20〜70℃の温度で、触媒量のトリス-(トリフェニルホスフィン)-ロジウム(I)クロリドで処理することによって、開裂される。
本発明における一般式(I)の化合物の以下の調製方法及びそれらの前駆体は、特に好適と分かっている:
一般式(I)の最終化合物(式中、U、V、X、Y、R1、R2及びR3は、上記に定義されるとおりである)は、一般式(1−1)の化合物を、一般式(1−2)の電子不足化合物(遊離基LGを有する)と反応させることで得られうる。ハライド、好ましくは、クロリド及びブロミド、-SO2CH3、-OSO2CH3、-OSO2C6H4-CH3又は-S-CH3(-S-CH3は、実際の遊離基に転化されるための有機過酸化物とさらに反応することを必要とする)などは、遊離基LGとして働きうるが、それは、このリストに限定されない。クロリドの使用は、最も特に好ましい。
<スキーム1>:
【0102】
【化38】

反応は、芳香族求核置換によって、不活性溶媒中で、補助塩基を用いて、0℃〜還流温度の温度範囲の溶媒中で行われうる。反応は、好適な不活性溶媒中、例えば、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、ジアルキルホルムアミド(特に好ましくは、ジメチルホルムアミド)、環状アミド(特に好ましくは、N-メチル-ピロリドン)、1,4-ジオキサン、アセトニトリル)中で、又は、不活性溶媒混合物中で行われる。好適な補助塩基は、第三級アミン、例えば、トリエチルアミン又はエチルジイソプロピルアミン、アルカリ金属カルボナート、例えば、カリウムカルボナート又はナトリウムカルボナート、ナトリウムヒドリド(NaH)又はリチウム ジイソプロピルアミド(LDA)を含む。使用される不活性溶媒は、使用される塩基と混合しても化学反応を起こさないものでなければならない。反応は、好ましくは、ジメチルホルムアミド中で、周囲温度から還流温度の溶媒の温度で、第三級アミン塩基の存在下で行われる。
【0103】
代わりに、スキーム1に示された一般式(1−3)の構造(式中、U、V、X、Y、R1、R2及びR3は、上記に定義されたとおりである)は、遷移金属触媒反応によって合成されてもよい。一般式(1−1)の化合物は、一般式(1−2)の化合物(遊離基LGを有する)と、不活性溶媒中で、触媒及び補助塩基の存在下で反応しうる。さらに、好適なリガンドは、触媒用に使用されうる。クロリド、ブロミド、ヨージド、トリフルオロアセタート、トリフルオロメタンスルホナート、メタンスルホナート及びトルエンスルホナートが挙げられるが、このリストに制限されない。キシレン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、トルエン、ベンゼン、1,4-ジオキサン、アセトニトリル又は溶媒混合物は、不活性溶媒として使用されうる。好適な溶媒はキシレンである。好適な塩基は、特にアミン塩基、例えば、トリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミンであり、又は、無機塩基、例えば、セシウムカルボナート、セシウムアセタート、カリウムカルボナート、ナトリウムカルボナート又はカリウムホスファートでもある。好適な反応温度は、溶媒において標準圧で室温から還流温度である。一般的な触媒は、例えば遷移金属触媒、例えば、トリス(ジベンジリデンアセトン)-二パラジウム(0)、テトラキス-(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(0)、パラジウム-(II)-アセタート、Pd(PPh3)2Cl2、Pd(CH3CN)2Cl2、Pd(dppf)Cl2又はパラジウム(II)-クロリドタイプのパラジウム触媒である。一般的なリガンドは、例えば、トリフェニルホスフィン、トリフェニルアルシン(triphenylarsene)、BINAP、Xホス(XPhos)、キサントホス又は2-(ジ-tert-ブチルホスフィノ)ビフェニルである。
一般式(2−4)の化合物(式中、U、V、X、Y、R1、R2及びR3は、上記に定義されたとおりである)は、スキーム2に示されるように調製されうる。
<スキーム2>:
【0104】
【化39】

【0105】
反応は、一般式(2−1)の化合物(式中、Halは、ハロゲン原子、好ましくは塩素、臭素又はヨウ素を表す)から出発する。一般式(2−2)のグリニャール又はリチオ化された化合物は、対応する一般式(2−1)のハロゲン化された化合物から、いわゆるハロゲン−金属交換によって、又は、ハロゲン−炭素結合中に金属を挿入することによって調製されうる。一般式(2−2)の対応するリチオ化された化合物を合成するために、ハロゲン−金属交換は、例えば、オルガノ-リチウム化合物、例えば、n-、sec-又はtert.-ブチルリチウムを用いて行われうる。対応するマグネシウム化合物(グリニャール化合物)は、対応するグリニャール試薬、例えば、イソプロピル-若しくはsec-ブチル-マグネシウムブロミド又はイソプロピル-若しくはsec-ブチル-マグネシウムクロリド又はジイソプロピル-若しくはジ-sec-ブチルマグネシウムを用いて、金属化プロセスを促進しうる塩、例えば、リチウムクロリドと一緒に、又はその存在下で、ハロゲン−金属交換によっても得られうる。対応する金属交換反応するオルガノ−マグネシウム化合物は、対応する前駆体からin-situ合成もされうる(例えば、Angew. Chem. 2004, 116, 3396-3399、及び、Angew. Chem. 2006, 118, 165-169及びその中に含まれる参考文献を参照のこと)。更に、例えば、ブチルマグネシウムクロリド若しくはブロミド、又は、イソプロピル-マグネシウムクロリド若しくはブロミドと、ブチルリチウムとの化合に由来する、オルガノマグネシウム化合物の-アート(-ate)錯体も用いることができる(Angew. Chem. 2000, 112, 2594-2596、及び、Tetrahedron Lett. 2001, 42, 4841-4844、及びその中に含まれる参考文献を参照のこと)。
【0106】
ハロゲン−金属交換は、好ましくは−100℃〜40℃で、最も特に好ましくは、−80℃〜10℃の温度範囲で、不活性溶媒中で、好ましくはアルカリエーテル(最も特に好ましくはジエチルエーテル)中で、環状エーテル(最も特に好ましくは、1,4-ジオキサン又はテトラヒドロフラン)、トルエン、ヘキサン、又はそれらの溶媒混合物中で行われる。このようにして得られたマグネシウム又はオルガノリチウム化合物は、適宜、金属塩、例えば、セリウムトリクロリド、亜鉛クロリド又は亜鉛ブロミド、インジウムクロリド又はインジウムブロミドと、記載された反応に好適でもある一般式(2−2)の代替オルガノ金属化合物を合成するために金属交換反応されうる。代わりに、オルガノ金属化合物(2−2)は、炭素−ハロゲン結合中に金属を挿入することによっても調製されうる。リチウム又はマグネシウムは、この成分置換に適した元素金属である。挿入反応は、好ましくは、−80℃〜100℃で、最も特に好ましくは、−70℃〜40℃の温度範囲で、不活性溶媒中、好ましくはアルカリエーテル(最も特に好ましくは、ジエチルエーテル)、環状エーテル(最も特に好ましくは、1,4-ジオキサン又はテトラヒドロフラン)、トルエン、ヘキサン、又はそれらの溶媒混合物中で行われる。自然反応が起こらない場合には、例えば、1,2-ジブロモエタン、ヨウ素、トリメチルシリルクロリド、酢酸、塩化水素、又は超音波を用いて金属を活性化することが必要になりうる。一般式(2−2)のオルガノ−金属化合物と化合物(2−3)との反応は、好ましくは、温度範囲−100℃〜100℃で行われ、−80℃〜50℃の温度範囲が特に好ましい。反応は、不活性溶媒、例えば、好ましくはアルキルエーテル(最も特に好ましくはジエチルエーテル、ジメトキシエタン)、環状エーテル(最も特に好ましくは、1,4-ジオキサン又はテトラヒドロフラン)、芳香族炭化水素(最も特に好ましくは、トルエン又はベンゼン)、ヘキサン又はそれらの溶媒混合物中で行われる。全ての反応は、空気中で行われうるが、アルゴン又は窒素のような保護ガス雰囲気中で行われることが好ましい。化合物(2−3)中の官能基を一時的に保護することは有利であると実証されうる。
【0107】
一般式(2−2)のリチウム置換又はマグネシウム置換化合物は、カルボキシル基を含む一般式(2−3)の化合物、又は、それらの誘導体、例えば、エステル、ニトリル、カルボン酸クロリド、又は、アミド、例えばワインレブ(Weinreb)アミド(grapevine amide)と、所望の方法で反応しうる。これらの反応は、多くの場合、遷移金属触媒の添加も、ほかの金属(例えばセリウム、インジウム又は亜鉛)への金属交換反応も、なしで行われうる。場合によっては、しかしながら、上記2つの変更も有利であると実証されうる。芳香族ホウ酸、それから誘導されたエステル、ジアルキルアリールボラン又はアリールトリフルオロボラートは、酸クロリド又はカルボン酸と、触媒としての遷移金属、例えばパラジウムの存在下で、対応するケトンを得るために反応されうる(V. Polackova, St. Toma, I. Augustinova, Iveta; Tetrahedron; 2006; 62; 50; 11675-11678及びその中で引用される参考文献、並びに、R. Kakino, H. Narahashi, I. Shimizu, A. Yamamoto, Bull. Chem. Soc. Jpn., 2002, 75, 1333-1345)。
対応するボロン置換化合物、例えば、ホウ酸、ジアルキルアリールボラン又はホウ酸エステルは、ボロン求電子剤、例えば、ホウ酸エステル、又はそれらの誘導体との反応によって、金属化種(metallised species)から合成できる。ボロン置換化合物は、ハロゲン化された又は擬ハロゲン化された前駆体分子から、遷移金属触媒、好ましくは、パラジウム、及びボロン又はボロラン(borolan)化合物を用いて、合成されてもよい(Tetrahedron Lett. 2003, 4895-4898及びその中で引用される参考文献)。
【0108】
金属化、及び/又は、カップリング反応は、マイクロリアクター及び/又はマイクロミキサー中でも行われうる。付加反応は、更なる添加なしで行われうるか、又は非反応性の反応物の場合には、例えばBF3*OEt2のような促進剤が加えられてもよい(M.Schlosser, Organometallics in Synthesis, John Wiley & Sons, Chichester/ New York/ Brisbane/ Toronto/ Singapore, 1994参照のこと)。
一般式(2−1)のハロゲン化された化合物は、市場で入手できるか、有機化学の分野で知られる方法、又は専門文献(例えば、J. March, Advanced Organic Reactions, Reactions Mechanism, and Structure, 4th Edition, John Wiley & Sons, Chichester/New York/Brisbane/Toronto/Singapore, 1992及びその中で引用された文献を参照のこと)に記載された方法によって合成できる。合成のための遷移金属及びオルガノ金属化合物の使用は、モノグラフに詳細に記載されている(例えば、L. Brandsma, S.F. Vasilevsky, H.D. Verkruijsse, Application of Transition Metals Catalysts in Organic Synthesis, Springer-Verlag, Berlin/Heidelberg, 1999;M. Schlosser, Organometallics in Synthesis, John Wiley & Sons, Chichester/ New York/ Brisbane/ Toronto/ Singapore, 1994, P.J. Stang, F. Diederich, Metal-Catalyzed Cross-Coupling Reactions, Wiley-VCH, Weinheim, 1997及びその中に含まれる参考文献を参照のこと)。
一般式(3−4)の化合物(式中、U、V、X、Y及びR3は、上記に定義されたとおりである)の合成方法は、スキーム3で説明される。
<スキーム3>
【0109】
【化40】

【0110】
一般式(3−1)のハロゲン化された化合物(特に好ましくは、クロリド、ブロミド、及びヨージド)から出発し、対応するリチウム又はマグネシウム-置換化合物が、例えば、ブチルリチウム、イソプロピルマグネシウムハライド又はジイソプロピルマグネシウムを用いるハロゲン-金属交換反応によって、又は、ハロゲン-炭素結合への元素金属の挿入によって合成できる。例えば、ホウ酸、ジアルキルアリールボラン又はホウ酸エステルのような対応するボロン-置換化合物は、例えばホウ酸エステル又はそれらの誘導体のようなボロン求電子剤を用いる反応によって、金属化種から合成できる。ボロン置換化合物は、ハロゲン化された又は擬ハロゲン化された前駆体分子から、遷移金属触媒、好ましくはパラジウム及びボロン又はボロラン化合物を用いて合成されてもよい(Tetrahedron Lett. 2003, 4895-4898及びその中で引用される参考文献)。一般式(3−2)のリチウム置換又はマグネシウム置換化合物は、カルボキシル基を含む一般式(3−3)の化合物、又は、それらの誘導体、例えば、エステル、ニトリル、カルボン酸クロリド又はアミド、例えばワインレブ(Weinreb)アミド(grapevine amide)に添加されうる。これらの反応は、多くの場合、遷移金属触媒の添加も、ほかの金属(例えばセリウム、インジウム又は亜鉛)への金属交換反応も、なしで行われうる。場合によっては、しかしながら、上記2つの変更も有利であると実証されうる。芳香族ホウ酸、それから誘導されたエステル、ジアルキルアリールボラン又はアリールトリフルオロボラートは、酸クロリド又はカルボン酸と、触媒としての遷移金属、例えばパラジウムの存在下で、対応するケトンを得るために反応されうる(V. Polackova, St. Toma, I. Augustinova, Iveta; Tetrahedron; 2006; 62; 50; 11675-11678及びその中で引用される参考文献、並びに、R. Kakino, H. Narahashi, I. Shimizu, A. Yamamoto, Bull. Chem. Soc. Jpn., 2002, 75, 1333-1345)。
一般式(4−3)の化合物(式中、U、V、X、Y及びR3は、上記に定義されたとおりである)は、スキーム4に示されるように調製されうる。
<スキーム4>
【0111】
【化41】

【0112】
一般式(4−1)の化合物(遊離基LG及び酸ハライド基を有する)は、フリーデルクラフツアシル化条件下、又は、それらの変更した条件下で、一般式(4−2)の芳香族化合物と反応されうる。フリーデルクラフツ反応は、触媒量又は化学量論量で使用される触媒の存在下で行われる。好適な触媒は、特に、AlCl3、FeCl3、ヨウ素、鉄、ZnCl2、硫酸又はトリフルオロメタンスルホン酸である。酸ハライドの代わりに、対応するカルボン酸、無水物、エステル又はニトリルも使用されうる。反応は、好ましくは、ハロゲン化された炭化水素中で行われる。ジクロロメタン及び1,2-ジクロロエタンが特に好ましい。フリーデルクラフツ反応は、−30℃〜120℃、好ましくは30℃〜100℃の温度範囲で行われる。しかしながら、反応は、溶媒なしでも行われうる。反応は、マイクロ波でも行われうる。
一般式(5−3)の化合物(式中、U、V、X、Y、R1、R2及びR3は、上記に定義されたとおりである)は、スキーム5に示されるように調製されうる。
<スキーム5>
【0113】
【化42】

【0114】
"T. Ishiyama等 (J. Org. Chem., 1998, 63, 4726)"の方法と同様にして、一般式(5−1)の化合物(遊離基LGを有する)は、ボロン-置換化合物、例えば、ホウ酸(R=H)、ホウ酸エステル(R=アルキル)ジアルキルアリールボランを用いて、触媒及び塩基の存在下で、不活性溶媒中で、一酸化炭素雰囲気下で、好ましくは周囲温度から還流温度の温度範囲の溶媒中で、反応されうる。好ましくは、高い一酸化炭素圧力下で、80℃〜110℃の高い反応温度が用いられる。好適なリガンドは、付加的に触媒のために使用されうる。アルカリ金属ヨージド、例えば、ナトリウムヨージド又はカリウムヨージドは、添加剤として添加されうる。ブロミド、ヨージド、トリフルオロアセタート、トリフルオロメタンスルホナート、メタンスルホナート及びトルエンスルホナートは、遊離基LGとして働きうるが、このリストに限定されない。使用される不活性溶媒は、キシレン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、トルエン、ベンゼン、アニソール、1,4-ジオキサン、アセトニトリル又は溶媒混合物でありうる。好適な溶媒は、アニソールである。好適な塩基は、無機塩基、例えばセシウムカルボナート、セシウムアセタート、カリウムカルボナート、ナトリウムカルボナート又はカリウムホスファートである。反応は、一酸化炭素雰囲気下で行われ、その雰囲気中で一酸化炭素の圧力は1〜50バールでありうる。一般的な触媒は、例えばパラジウム触媒、例えば、トリス-(ジベンジリデンアセトン)-二パラジウム(0)、テトラキス-(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(0)、パラジウム-(II)-アセタート、Pd(PPh3)2Cl2、Pd(CH3CN)2Cl2、Pd(dppf)Cl2又はパラジウム(II)-クロリドである。一般的なリガンドは、例えば、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ-tert-ブチルホスフィン、トリフェニルアルシン(triphenylarsene)、2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル (BINAP)、2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2',4',6'-トリイソプロピルビフェニル(Xホス)、4,5-ビス-ジフェニルホスファニル-9,9-ジメチル-9H-キサンテン(キサントホス)、又は2-(ジ-tert-ブチルホスフィノ)ビフェニル、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(Dppf)、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン (dppe)、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(dppp)及び1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(dppb)である。
【0115】
触媒としてPd(PPh3)2Cl2を、塩基としてカリウムカルボナートを、1バールの一酸化炭素で、添加物としてカリウムヨージドを、そして溶媒としてアニソールを用いることが特に好ましい。対応するボロン-置換化合物は、市場で入手できるか、例えばホウ酸エステル又はそれらの誘導体のようなボロン求電子剤を用いた反応によって金属化化合物から合成できる。さらに、ボロン-置換化合物は、対応するハロゲン化された、又は、擬ハロゲン化された前駆体分子から、遷移金属-触媒反応で、例えば、パラジウム及びジボロラン又はボロラン化合物を用いて調製されうる(Tetrahedron Lett. 2003, 4895-4898及びその中で引用される参考文献)。
一般式(6−3)の化合物(式中、U、V、X、Y及びR3は、上記に定義されたとおりである)の合成方法は、スキーム6に示される:
<スキーム6>
【0116】
【化43】

【0117】
"A. Miyashita等 (Heterocycles, 1997, Vol. 45, No. 11, 2159-2173)"の方法と同様にして、一般式(6−1)の化合物(遊離基LGを有する)は、一般式(6−3)の化合物を得るために、不活性溶媒中で、触媒と塩基の存在下で、芳香族アルデヒドと反応されうる。フルオリド、クロリド、ブロミド、ヨージド、トリフルオロメタンスルホナート、メタンスルホナート及びトルエンスルホナートは、遊離基LGとして働きうるが、このリストに限定されない。特に好ましくは、クロリド及びブロミドである。環状エーテル(好ましくはテトラヒドロフラン)及びジアルキルホルムアミド(好ましくはジメチルホルムアミド)は、不活性溶媒として使用されうる。好適な触媒は、アゾリウム塩、例えば、1,3-ジメチルイミダゾリウムヨージド、又は、1,3-ジメチルベンゾイミダゾリウム ヨージドである。好適な塩基は金属ヒドリドである。ナトリウムヒドリドは、最も特に好ましい。反応は、室温から還流温度の温度範囲の溶媒中で行われる。高い温度が好ましい。反応は、アゾリウム塩及び塩基の代わりにナトリウム p-トリルスルフィナートを用いて、アルカリ金属 シアニド(好ましくはカリウムシアニド)の存在下で、不活性溶媒中で、高い温度で、行われてもよい(A. Miyashita等, Heterocycles, 1998, Vol. 47, No. 1, 407-414)。
スキーム7に示される一般式(7−4)の化合物(式中、U、V、X、Y及びR3は上記で定義されたとおりである)は、"A. Miyashita等 (Heterocycles, 1997, Vol. 45, No. 11, 2159-2173)"、及びその中で引用される文献と同様にして調製されうる。
<スキーム7>
【0118】
【化44】


一般式(7−1)の化合物(遊離基LGを有する)は、一般式(7−3)の化合物を得るために不活性溶媒中で、塩基存在下で、2-アリールアセトニトリル又は2-ヘテロアリールアセトニトリルと反応されうる。フルオリド、クロリド、ブロミド、ヨージド、トリフルオロメタンスルホナート、メタンスルホナート及びトルエンスルホナートは、遊離基LGとして働きうるが、このリストに限定されない。特に好ましくは、クロリド及びブロミドである。不活性溶媒は、ジアルキルホルムアミド(好ましくはジメチルホルムアミド)でありうる。金属ヒドリドは、塩基として好適である。ナトリウムヒドリドは、最も特に好ましい。反応は、室温から還流温度の温度範囲の溶媒中で行われる。好ましくは、反応は、高い温度で行われる。
一般式(7−4)の化合物は、一般式(7−3)の化合物の酸化脱シアン化(decyanisation)によって合成される。酸化脱シアン化は、塩基存在下で、酸素ガスが通されながら不活性溶媒中で、行われる。環状エーテル(好ましくは、テトラヒドロフラン)は、不活性溶媒として使用されうる。好適な塩基は、金属ヒドリドである。ナトリウムヒドリドは、最も特に好ましい。反応は、−20℃から還流温度の温度範囲の溶媒中で行われる。反応は、好ましくは室温で行われる。
【0119】
本発明における一般式(I)の新規化合物は、1個かそれ以上のキラル中心を含みうる。例えば2個のキラル中心が存在する場合に、その化合物は、鏡像体の2個のジアステレオマー対の形態で生じうる。本発明は、個々の異性体だけでなくそれらの混合物も含む。ジアステレオマーは、それらの異なる物理化学的性質に基づいて、例えば、好適な溶媒からの分別結晶によって、キラル又は好ましくは非キラル固定相を用いて高圧液体又はカラムクロマトグラフィーによって、分離されうる。
一般式(I)に包含されるラセミ体は、例えば好適なキラル固定相(例えば、Chiral AGP, Chiralpak AD)でHPLCによって分離されうる。塩基性又は酸性官能基を含むラセミ体は、光学的に活性な酸、例えば(+)若しくは(-)-酒石酸、(+)若しくは(-)-ジアセチル酒石酸、(+)若しくは(-)-酒石酸モノメチル又は(+)-樟脳スルホン酸、又は光学的に活性な塩基、例えば、(R)-(+)-1-フェニルエチルアミン、(S)-(-)-1-フェニルエチルアミン、又は、(S)-ブルシンと反応させると生成されるジアステレオマーの光学的に活性な塩を介して分離することもできる。
【0120】
異性体を分離する従来の方法に従って、一般式(I)の化合物のラセミ体は、溶媒中で等モル量の上記光学的に活性な酸又は塩基の1つと反応させて、結果として生じる結晶性のジアステレオマーの光学的に活性なこれらの塩を、これらの異なる溶解度を利用して分離する。この反応は、塩の溶解度に関して、十分に異なるという条件で、いずれのタイプの溶媒を用いても行われうる。好ましくは、メタノール、エタノール又はそれらの混合物、例えば容積比が50:50のものを使用する。次に、光学的に活性な各塩を水に溶かし、ナトリウムカルボナート若しくはカリウムカルボナートのような塩基で、又は好適な酸、例えば希塩酸若しくはメタンスルホン酸水溶液で慎重に中和し、このようにして対応する遊離化合物が(+)又は(-)形態で得られる。
一般式(I)に包含される(R)若しくは(S)エナンチオマーのみ、又は2種の光学的に活性なジアステレオマー化合物の混合物は、(R)若しくは(S)配置の好適な反応成分で上記合成を行うことによっても得られうる。
【0121】
一般式(I)の新規化合物及びそれらの生理学的に許容可能な塩は、これらの選択的CGRP-拮抗特性に基づいて、有益な薬理学的性質を有する。更に、本発明はこれらの化合物を含む医薬組成物、それらの使用及びそれらの調製に関する。
上記新規化合物及びこれらの生理学的に許容可能な塩は、CGRP-拮抗特性を有し、CGRP受容体結合研究で良好なアフィニティーを示す。これらの化合物は以下に記載される薬理学的試験系でCGRP-拮抗特性を示す。
下記の実験を行なってヒトCGRP-受容体に関する上記化合物のアフィニティー及びそれらの拮抗特性を実証した。
【0122】
<A. SK-N-MC細胞(ヒトCGRP受容体を発現する)による結合実験>
SK-N-MC細胞を“ダルベッコ改変イーグル培地”中で培養した。培地をコンフルエント培養物から除去した。細胞をPBSバッファー(ギブコ041-04190M)で2回洗浄し、0.02%のEDTAと混合したPBSバッファーの添加により剥離し、遠心分離により単離した。20mlの“平衡塩溶液”[BSS(単位mM):NaCl 120、KCl 5.4、NaHCO3 16.2、MgSO4 0.8、NaHPO4 1.0、CaCl2 1.8、D-グルコース 5.5、HEPES 30、pH 7.40]に再懸濁した後に、細胞を100xgで2回遠心分離し、BSS中で再懸濁させた。細胞の数を測定した後、ウルトラ-タラックスを使用して細胞をホモゲナイズし、10分間、3000xgで遠心分離した。上澄みを捨て、ペレットを1%のウシ血清アルブミン及び0.1%のバシトラシンで富裕化したトリスバッファー(10mM トリス、50mM NaCl、5mM MgCl2、1mM EDTA、pH 7.40)中で再度遠心分離し、再懸濁させた(1ml/1000000細胞)。ホモゲナイズされた産物を-80℃で凍結した。膜調製物はこれらの条件下で6週間以上にわたって安定だった。
【0123】
解凍後に、ホモゲナイズした産物をアッセイバッファー(50mM トリス、150mM NaCl、5mM MgCl2、1mM EDTA、pH 7.40)で1:10に希釈し、ウルトラ-タラックスで30秒間、ホモゲナイズした。230μlのホモゲナイズされた産物を180分間、周囲温度で50pM 125I-ヨードチロシル-カルシトニン-遺伝子関連ペプチド(125I-iodotyrosyl-Calcitonin-Gene-Related Peptide、アマシャム)及び漸増する濃度の試験物質とともに合計容積250μlでインキュベートした。インキュベーションを、細胞ハーベスターを使用してポリエチレンイミン(0.1%)で処理されたGF/Bガラス繊維フィルターによる迅速な濾過により終了させた。ガンマカウンターを使用してタンパク質結合放射能を測定した。非特異的結合は、インキュベーションの間の1μMのヒトCGRP-アルファの存在に関する結合放射能と定義された。
コンピュータ補助非線形曲線フィッティングを使用して濃度結合曲線を分析した。
前記化合物は記載された試験でKi50値≦50μMを示した。
【0124】
<B. SK-N-MC細胞中のCGRP拮抗作用>
SK-N-MC細胞(百万個の細胞)を250μlのインキュベーションバッファー(ハンクスHEPES、1mM 3-イソブチル-1-メチルキサンチン、1%のBSA、pH 7.4)で2回洗浄し、37℃で15分間プレインキュベートした。漸増する濃度(10-11〜10-6M)のアゴニストとしてのCGRP(10μl)の添加、又は更に3〜4種の異なる濃度のその物質の添加後に、その混合物を更に15分間インキュベートした。
次いで細胞内のcAMPを、20μlの1M HClを添加して、遠心分離(2000xg、4℃、15分間)して抽出した。上澄みを液体窒素中で凍結し、-20℃で貯蔵した。
サンプルのcAMP含量をラジオイムノアッセイ(アマシャム社)により測定し、拮抗作用物質のpA2値をグラフで測定した。
【0125】
本発明の化合物は、10-12〜10-4Mの用量範囲で、記載されたインビトロ試験モデルでCGRP拮抗特性を示した。
一般化学式(I)の化合物が、様々な構造要素で、良好から非常に良好なCGRP拮抗作用を示すことを実証するために、下記の表は上記試験方法に従って得られたKi値を示す。注目すべきは、これらの化合物はそれらの異なる構造要素のために選ばれたのであり、特定の化合物を強調するためではないことである。


【0126】
<適応症>
それらの薬理学的性質に鑑みて、本発明の化合物及び生理学的に許容可能な酸とのこれらの塩はこうして頭痛、特に片頭痛又は群発性頭痛及び緊張性頭痛の急性処置及び予防的処置に適している。更に、本発明の化合物はまた下記の疾患に対し顕著な効果を有する:非インスリン依存性真性糖尿病(“NIDDM”)、心血管疾患、モルヒネ耐性、クロストリジウム毒素により生じる下痢、皮膚疾患、特に熱及び放射線誘発皮膚損傷(日焼け、苔せん、痒疹、そう痒性薬疹 (pruritic toxidermies)及び重度のかゆみを含む)、炎症性疾患、例えば、関節の炎症性疾患(骨関節炎、慢性関節リウマチ、神経性関節炎)、汎発性軟組織リウマチ(線維筋痛症)、口粘膜の神経性炎症、炎症性肺疾患、アレルギー性鼻炎、喘息、COPD、過度の血管拡張及びその結果としての組織への減少された血液供給を伴う疾患、例えば、ショック及び敗血症、慢性の痛み、例えば、糖尿病性神経障害、化学療法により誘発される神経障害、HIV誘発神経障害、ヘルペス後の神経障害、組織トラウマにより誘発される神経障害、三叉神経痛、側頭下顎骨機能不全、CRPS(複合局所痛症候群)、背部痛及び内臓疾患、例えば、過敏性大腸症候群 (IBS)及び炎症性腸症候群。加えて、本発明の化合物は一般の痛み軽減効果を有する。エストロゲン不足婦人及び前立腺癌を患うホルモン治療患者並びに去勢した男性の血管拡張及び増大された血流により生じる(更年期の)顔面潮紅の症候は、予防の治療能及び急性の治療能で本件出願のCGRPアンタゴニストにより有利に影響され、この治療アプローチは副作用がないことにより、ホルモン置換とは区別される。
【0127】
対応する効果を得るのに必要とされる用量は静脈内又は皮下に投与される場合には体重1kg当り都合良くは0.0001〜3mg、好ましくは体重1kg当り0.01〜1mgであり、また経口、鼻内又は吸入により投与される場合には体重1kg当り0.01〜10mg、好ましくは体重1kg当り0.1〜10mgであり、夫々の場合において1日あたり1〜3回投与される。
CGRPアンタゴニスト及び/又はCGRP放出インヒビターによる治療が従来のホルモン置換を補うように施される場合、先に明記された用量を減少することが望ましく、その場合、用量は上記下限の1/5から明記された上限の1/1までとすることができる。
本発明は、更に、抗体の産生及び精製(アフィニティークロマトグラフィーによる)に有益なアジュバントとしての本発明の化合物の使用だけでなく、例えば、好適な前駆体のトリチウム化によって、例えば、トリチウムによる接触水素化又はトリチウムによるハロゲン原子の置換によって、好適な放射能標識後に、RIAアッセイ及びELISAアッセイにおける使用、及び神経伝達物質研究における診断又は分析アジュバントとしての使用に関する。
【0128】
<併用>
併用され得る活性物質のカテゴリーとして、例えば、制吐薬、消化管運動賦活調整剤、神経弛緩薬、抗欝薬、ニューロキニンアンタゴニスト、抗痙攣薬、ヒスタミン-H1-受容体アンタゴニスト、β-ブロッカー、α-アゴニスト及びα-アンタゴニスト、麦角アルカロイド、軽鎮痛薬、非ステロイド抗炎症薬、コルチコステロイド、カルシウムアンタゴニスト、5-HT1B/1D-アゴニスト又はその他の抗片頭痛薬が挙げられ、これらは1種以上の従来の不活性担体及び/又は希釈剤、例えば、トウモロコシ澱粉、ラクトース、グルコース、微結晶性セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、クエン酸、酒石酸、水、水/エタノール、水/グリセロール、水/ソルビトール、水/ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、セチルステアリルアルコール、カルボキシメチルセルロース又は脂肪物質、例えば、硬質脂肪又はこれらの好適な混合物と一緒に、従来のガレン製剤、例えば、単純錠剤もしくは被覆錠剤、カプセル、粉末、懸濁液、溶液、計量投薬エアロゾル又は座薬に製剤化されてもよい。
【0129】
こうして、上記併用され得るその他の活性物質として、例えば、非ステロイド抗炎症薬アセクロフェナック、アセメタシン、アセチルサリチル酸、アセトアミノフェン(パラセタモール)、アザチオプリン、ジクロフェナック、ジフルニサール、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、レフルノミド、ロルノキシカム、メタフェナム酸、ナプロキセン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スルファサラジン、ゾメピラック又はこれらの医薬的に許容可能な塩、および、メロキシカム及びその他の選択的COX2-インヒビター、例えば、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、エトリコキシブ及びセレコキシブ、および、プロスタグランジン合成の先の段階又は後の段階を抑制する物質又はプロスタグランジン受容体アンタゴニスト、例えば、EP2-受容体アンタゴニスト及びIP-受容体アンタゴニストが挙げられる。
【0130】
また、エルゴタミン、ジヒドロエルゴタミン、メトクロプラミド、ドムペリドン、ジフェンヒドラミン、シクリジン、プロメタジン、クロルプロマジン、ビガバトリン、チモロール、イソメテプテン、ピゾチフェン、ボトックス、ガバペンチン、プレガバリン、デュロキセチン、トピラメート、リボフラビン、モンテルカスト、リシノプリル、ミカルジス、プロクロロペラジン、デキサメタゾン、フルナリジン、デキストロプロポキシフェン、メペリジン、メトプロロール、プロプラノロール、ナドロール、アテノロール、クロニジン、インドラミン、カルバマゼピン、フェニトイン、バルプロエート、アミトリプチリン、イミプラミン、ベンラファキシン、リドカイン又はジルチアゼム並びにその他の5-HT1B/1D-アゴニスト、例えば、アルモトリプタン、アビトリプタン、エレトリプタン、フロバトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタン、スマトリプタン及びゾルミトリプタンを使用することも可能である。
【0131】
更に、CGRP-アンタゴニストは、バニロイド受容体アンタゴニスト、例えば、VR-1アンタゴニスト、グルタメート受容体アンタゴニスト、例えば、MGlu5受容体アンタゴニスト、mGlu1受容体アンタゴニスト、iGlu5受容体アンタゴニスト、AMPA受容体アンタゴニスト、プリン受容体ブロッカー、例えば、P2X3アンタゴニスト、NO-シンターゼインヒビター、例えば、INOSインヒビター、カルシウムチャンネルブロッカー、例えば、PQ-型ブロッカー、N-型ブロッカー、カリウムチャンネルオープナー、例えば、KCNQチャンネルオープナー、ナトリウムチャンネルブロッカー、例えば、PN3チャンネルブロッカー、NMDA受容体アンタゴニスト、酸検知イオンチャンネルアンタゴニスト、例えば、ASIC3アンタゴニスト、ブラジキニン受容体アンタゴニスト、例えば、B1受容体アンタゴニスト、カンナビノイド受容体アゴニスト、例えば、CB2アゴニスト、CB1アゴニスト、ソマトスタチン受容体アゴニスト、例えば、Sst2受容体アゴニストとともに加えられてもよい。
これらの活性物質の用量は、適切に最も低い通常推奨される用量の1/5から通常推奨される用量の1/1まで、すなわち例えば、20〜100mgのスマトリプタンである。
【0132】
<製剤>
本発明に従って調製された化合物は静脈内経路、皮下経路、筋肉内経路、動脈内経路、直腸内経路、鼻内経路、吸入、局所、経皮又は経口によりそれら自体で、又は必要により片頭痛の治療のためのその他の活性物質と併用して投与されてもよく、そしてエアロゾル製剤が吸入に特に適している。これらは、同時又は逐次に併用投与されてもよい。
投与に適した形態は、例えば、錠剤、カプセル、溶液、シロップ、エマルション又は吸入可能な粉末もしくはエアロゾルである。夫々の場合における医薬有効化合物の含量は全組成物の0.1〜90質量%、好ましくは0.5〜50質量%の範囲、即ち、以下に明記される用量範囲を得るのに十分である量であるべきである。
製剤は錠剤の形態で、粉末、カプセル(例えば、ハードゼラチンカプセル)中の粉末として、溶液もしくは懸濁液として経口で投与されてもよい。吸入により投与される場合、活性物質の組合せは粉末として、水性もしくは水-エタノール性溶液として、又は噴射剤ガス製剤を使用して与えられてもよい。
好ましくは、それ故、医薬製剤は、上記好ましい実施態様の1種以上の式(I)の化合物の含量で特徴付けられる。
【0133】
式(I)の化合物が経口投与される場合が特に好ましく、それらが1日1回又は2回投与される場合がまた特に好ましい。好適な錠剤は、例えば、活性物質を既知の賦形剤、例えば、不活性な希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はラクトース、崩壊剤、例えば、トウモロコシ澱粉又はアルギン酸、結合剤、例えば、澱粉又はゼラチン、滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム又はタルク及び/又は放出を遅延するための薬剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、セルロースアセテートフタレート、又はポリ酢酸ビニルと混合することにより得られてもよい。錠剤はまたいくつかの層を含んでもよい。
被覆錠剤は、錠剤と同様にして製造されたコアを、錠剤被覆に通常使用される物質、例えば、コリドン又はセラック、アラビアガム、タルク、二酸化チタン又は糖で被覆することにより調製されてもよい。遅延放出を達成し、又は不適合性を阻止するために、コアはまたいくつかの層からなってもよい。同様に、錠剤被覆物は、場合によって錠剤について上記された賦形剤を使用して、遅延放出を達成するためにいくつかの層からなってもよい。
【0134】
本発明の活性物質又はこれらの組合せを含むシロップは更に甘味料、例えば、サッカリン、シクラメート、グリセロール又は糖及び風味増強剤、例えば、風味料、例えば、バニリン又はオレンジエキスを含んでもよい。それらはまた懸濁アジュバント又は増粘剤、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、湿潤剤、例えば、脂肪アルコールとエチレンオキサイドの縮合生成物、又は防腐剤、例えば、p-ヒドロキシベンゾエートを含んでもよい。
1種以上の活性物質又は活性物質の組合せを含むカプセルは、例えば、活性物質を不活性な担体、例えば、ラクトース又はソルビトールと混合し、それらをゼラチンカプセルに詰めることにより調製されてもよい。好適な座薬は、例えば、この目的に用意した担体、例えば、中性脂肪もしくはポリエチレングリコール又はこれらの誘導体と混合することによりつくられてもよい。
【0135】
使用し得る賦形剤として、例えば、水、医薬的に許容可能な有機溶媒、例えば、パラフィン(例えば、石油留分)、植物油(例えば、落花生油又はゴマ油)、一官能性又は多官能性アルコール(例えば、エタノール又はグリセロール)、担体、例えば、天然鉱物粉末(例えば、カオリン、クレー、タルク、チョーク)、合成無機粉末(例えば、高度に分散されたケイ酸及びケイ酸塩)、糖(例えば、甘蔗糖、ラクトース及びグルコース)、乳化剤(例えば、リグニン、亜硫酸廃液(spent sulphite liquor)、メチルセルロース、澱粉及びポリビニルピロリドン)及び滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸及びラウリル硫酸ナトリウム)が含まれる。
【0136】
経口投与のために、錠剤は、当然、上記担体は別にして、種々の添加剤、例えば、澱粉、好ましくはジャガイモ澱粉、ゼラチンなどと一緒に添加剤、例えば、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム及びリン酸二カルシウムを含んでもよい。更に、滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びタルクが錠剤製造方法に同時に使用されてもよい。水性懸濁液の場合、活性物質が上記賦形剤に加えて種々の風味増強剤又は着色剤と合わされてもよい。
また、式(I)の化合物が吸入により投与される場合が好ましく、それらが1日1回又は2回投与される場合が特に好ましい。この目的のために、式(I)の化合物は吸入に適した形態で入手できるようにされるべきである。吸入可能な製剤として、吸入可能な粉末、噴射剤を含む計量投薬エアロゾル又は無噴射剤の吸入可能な溶液(これらは必要により従来の生理学的に許容可能な賦形剤と混在してもよい)が含まれる。
本発明の範囲内で、用語「無噴射剤の吸入可能な溶液」はまた濃厚物又は無菌のすぐ使用できる吸入可能な溶液を含む。本発明に従って使用し得る調製物が明細書の次のパートに更に詳しく記載される。
【実施例】
【0137】
実験の項
原則として、調製された化合物のIR、1H-NMR及び/又は質量スペクトルを得た。特に規定しない限り、既製TLCシリカゲルプレート60F254(E.メルク、ダルムスタット、品目No.1.05714)を用いてチャンバー飽和なしでRf値を測定した。
溶離剤について与えられる比は、特定の溶媒の容積単位に関する。NH3について与えられる容積単位は、水中のNH3の濃縮溶液に関する。
特に規定しない限り、反応溶液を処理するのに使用した酸溶液、塩基溶液及び塩溶液は明記された濃度の水系である。ミリポア製シリカゲル(MATREXTM、35-70μm)をクロマトグラフィー精製に使用した。
提供されるHPLCデータを、以下に列挙したパラメーターのもとに、記載されるカラムを使用して測定した。
【0138】
使用されるカラム:
(カラム温度:30℃;注入容積:5μL;254nmで検出)

【0139】
使用される溶媒:
溶媒A:水(0.1%ギ酸を含む)、溶媒B:アセトニトリル(0.1%ギ酸を含む)、溶媒C:水(0.1%アンモニアを含む)、溶媒D:アセトニトリル(0.1%アンモニアを含む);パーセンテージは、全容積に基づいている。
グラジエント:

【0140】

【0141】

【0142】

【0143】

【0144】

【0145】

【0146】
方法:

【0147】
分取HPLC精製では、原則として、分析HPLCデータを得るために用いられてきたのと同じグラジエントが用いられた。生成物は、質量コントロール下で収集され、生成物を含むフラクションを合わせて、凍結乾燥させた。
配置に関する情報がない場合において、含まれる純粋なエナンチオマーがあるのか、又は、部分的又は完全な全体的ラセミ化が起こっているのかは、不明確である。
【0148】
以下の略記は、実験の説明で使用される:
AcOH 酢酸
BINAP 2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ-)1,1'-ビナフチル
BOC tert.-ブチルオキシカルボニル
CDI 1,1'-カルボニルジイミダゾール
cyc シクロヘキサン
DCM ジクロロメタン
DIPE ジイソプロピルエーテル
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
of th. 理論の
d-water 脱塩水
EI (MSにおける)電子衝突イオン化
ESI (MSにおける)電子スプレーイオン化
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
el. 溶離剤
HCl 塩酸
HCOOH ギ酸
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
HPLC-MS HPLC-質量分析法
HV 高真空
i.vac. 真空下で(真空内に)
conc. 濃縮
MeOH メタノール
MS 質量分析法
MW 分子量[g/mol]
NaOH 水酸化ナトリウム
NH4OH 水酸化アンモニウム(アンモニア水溶液、30%)
NMP N-メチル-2-ピロリジン
Pd2dba3 ビス(ジベンジリデンアセトン) パラジウム-(0)
PE 石油エーテル
Rf (TLCにおける)保持指数
RT 周囲温度
Rt (HPLCにおける)保持時間
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
DC 乾燥棚
CAD 空気循環乾燥機
【0149】
[出発化合物の調製]
<中間体1>
6-クロロピリミジン-4-カルボン酸 クロリド
【0150】
【化45】

工程1:6-ヒドロキシピリミジン-4-カルボン酸
【0151】
【化46】

63.5 g (287 mmol)のナトリウム ジエチル-オキサロアセタート及び30.2 g (287 mmol)のホルムアミジン アセタートを24.1 g (0.597 mol)のNaOHを含む3.6 Lの水に添加した。混合物を一晩室温で攪拌した。次いで、活性炭を添加し、この混合物を1時間還流した。それを熱時ろ過して、冷却した後に、HCl水で酸性化した。この溶液を回転蒸発で濃縮・乾固させた。残留物は所望の生成物を含んでおり、更に精製することなく次の工程で用いられた。
収量:83.0 g
工程2:6-クロロピリミジン-4-カルボン酸 クロリド
【0152】
【化47】

50 g (0.352 mol)の6-ヒドロキシピリミジン-4-カルボン酸を得て、500 mLのリン オキシクロリドをその中に添加した。次いで、150 g (0.720 mol)のリン ペンタクロリドを攪拌しながらバッチ添加した。反応混合物を5時間還流した。リン オキシクロリドを蒸留して除き、残留物をカラムにより真空蒸留で精製した。
収量:52 (理論の83%)
EI-MS:m/z = 176 / 178 / 180 (M)+ (2 Cl)
<中間体2>
4-メチル-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン
【0153】
【化48】

25.0 g (200 mmol)の2-アミノ-m-クレゾール及び70.4 mL (400 mmol)のDIPEAを、1.0 LのDCMに入れて、0℃に冷却した。38.0 g (227 mmol)の1.1'-カルボニルジイミダゾールの溶液をその中に、30分間にわたって滴下した。混合物を30分間、0℃で攪拌し、次いで、一晩、室温で攪拌した。反応混合物を真空下で容積が半分になるまで蒸発させた後、水相を水で洗浄し(2 x 250 mL)、1Mの硫酸水素カリウム水溶液で洗浄し(1 x 250 mL)、そして再び水で洗浄した(1 x 250 mL)。有機相は、真空下で蒸発させた。固体として残った粗生成物を、ジエチルエーテル及びPEの混合物と共に磨砕し、沈殿した固体を吸引ろ過し、PEで洗浄し、真空下で乾燥させた。
収量:25.0 g (理論の86%)
ESI-MS:m/z =150(M+H)+
Rt (HPLC) = 2.67分(方法C)
<中間体3>
6-(6-クロロピリミジン-4-カルボニル)-4-メチル-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン
【0154】
【化49】

2.34 g (13.2 mmol)の6-クロロピリミジン-4-カルボニル クロリド、8.00 g (60.0 mmol)の三塩化アルミニウム及び1.79 g (12.0 mmol)の4-メチル-3H-ベンゾオキサゾール-2-オンを1.5時間、130℃に加熱した。室温に冷却した後、混合物を氷水と混合し、次いで、酢酸エチルで抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で蒸発させた。固体として残った粗生成物をジエチルエーテルと共に磨砕し、吸引ろ過し、空気中で乾燥させた。
収量:2.00 g (理論の52%)
ESI-MS:m/z = 290 / 292 (M+H)+ (Cl)
Rt (HPLC) = 3.17分 (方法C)
<中間体4>
6-(6-クロルピリミジン-4-カルボニル)-3,4-ジメチル-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン
【0155】
【化50】

0.35 g (8.0 mmol)のナトリウム ヒドリド(55%のミネラルオイルの懸濁液)を2.2 g (7.6 mmol)の6-(6-クロロピリミジン-4-カルボニル)-4-メチル-3H-ベンゾオキサゾール-2-オンを含む10mLのDMFに添加した。反応混合物を30分間、室温で攪拌した。次いで、0.95mL (15.0mmol)のヨードメタンを添加し、混合物を1時間、室温で攪拌した。反応混合物を氷水と混合し、水相を数回EtOAcで抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、回転蒸発で、蒸発乾固させた。残留物をジエチルエーテルと共に磨砕し、吸引ろ過し、乾燥させた。
収量:1.6 g (理論の69%)
ESI-MS:m/z = 304 / 306 (M+H)+
Rt (HPLC): 3.55分 (方法C)
<中間体5>
1'H-スピロ[ピペリジン-4,4'-キナゾリン]-2'(3'H)-オン
【0156】
【化51】

この化合物及びその前駆体は、WO2003/104236に記載されたように合成された。
ESI-MS:m/z = 218 (M+H)+
Rf:0.08 (シリカゲル、DCM/cyc/MeOH/NH4OH = 70/15/15/2)
<中間体6>
スピロ[ベンゾ[d][1,3]オキサジン-4,4'-ピペリジン]-2(1H)-オン ヒドロクロリド
【0157】
【化52】

この化合物及びその前駆体は、US 6,436,962に記載されたように合成された。
ESI-MS:m/z = 219 (M+H)+
Rf:0.14 (シリカゲル、DCM/cyc/MeOH/ NH4OH = 70/15/15/2)
<中間体7>
スピロ[ピペリジン-4,4'-ピリド[2,3-d][1,3]オキサジン]-2'(1'H)-オン ヒドロクロリド
【0158】
【化53】

工程1:tert-ブチル (6-クロロ-ピリジン-2-イル)-カルバマート
【0159】
【化54】

窒素雰囲気下で、32.7 g (0.150 mol)のBOC-無水物を含む100 mLのTHFの溶液を、17.4 g (0.135 mol)の6-クロロピリジン-2-イルアミン及び300 mL (0.300 mol)のナトリウム ヘキサメチルジシラジド溶液(1MのTHF溶液)の混合物を含む200mLのTHFに、室温で、滴下した。反応混合物を一晩、室温で攪拌し、真空下で蒸発させた。残留物をEtOAc及び1Nの塩酸水溶液の中に攪拌した。有機相を分離し、水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機相を炭酸水素ナトリウム飽和溶液で洗浄し、蒸発乾固させた。残留物をEtOHから再結晶化し、固体を吸引ろ過し、乾燥させた。
収量:29.2 g (理論の95%)
ESI-MS:m/z = 228 (M+)
Rt(HPLC):1.70分 (方法B)
工程2:ベンジル-7'-クロロ-2'-オキソ-1',2'-ジヒドロスピロ[ピペリジン-4,4'-ピリド[2,3d][1,3]オキサジン]-1-カルボキシラート
【0160】
【化55】

窒素雰囲気下で、26.0 mL (173 mmol)のN,N,N,N-テトラメチレン-エチレンジアミンを含む180 mLのTHFを、-20℃に冷却し、70.0 mL (175 mmol)の2.5 M ブチルリチウム溶液と合わせた。30分間攪拌した後に、反応混合物を-78℃に冷却し、この温度で、17.8 g (78.0 mmol)のtert-ブチル(6-クロロ-ピリジン-2-イル)-カルバマートを含む120 mLのTHFをゆっくりと滴下した。反応混合物を2.5時間、-78℃で攪拌し、次いで、27.2 g (117 mmol)のCbz-保護ピペリドンを含む60 mLのTHFと合わせた。-78℃で1時間おいた後に、混合物を室温に加熱し、次いで、18時間、40℃で攪拌した。反応混合物を、150 mLの炭酸水素ナトリウム飽和溶液の滴下により分解した。次いで、それをDCMで抽出した。合わせた有機相を水で洗浄し、蒸発乾固させた。残留物をPE/EtOAc(1/1)と共に磨砕し、形成された沈殿物を吸引ろ過し、PE/EtOAc(1/1)で洗浄し、乾燥させた。
収量:16.4 g (理論の54%)
ESI-MS:m/z = 388 (M+H)+
Rt(HPLC):1.57分 (方法B)
工程3:スピロ[ピペリジン-4,4'-ピリド[2,3-d][1,3]オキサジン]-2'(1'H)-オン ヒドロクロリド
【0161】
【化56】

16.4 g (42.0 mmol)のベンジル-7'-クロロ-2'-オキソ-1',2'-ジヒドロスピロ[ピペリジン-4,4'-ピリド[2,3d][1,3]オキサジン]-1-カルボキシラート及び2.00 gのパラジウム/炭(Pd/C 10%)を含む500 mLのEtOHを、6時間、室温で、水素雰囲気中で水素化した。次いで、1.0 gのパラジウム/炭(Pd/C 10%)を添加し、反応混合物を更に3時間、室温で、水素雰囲気中で水素化した。反応混合物をろ過した後に、溶媒を真空下で除去した。残留物をEtOHと共に磨砕し、形成された沈殿物を吸引ろ過し、EtOHで洗浄し、乾燥させた。
収量:5.40 g (理論の50%)
ESI-MS:m/z = 220 (M+H)+
Rt(HPLC):0.90分 (方法C)
<中間体8>
6-(6-クロロ-2-メチル-ピリミジン-4-カルボニル)-4-メチル-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン
【0162】
【化57】

工程1:6-クロロ-2-メチル-ピリミジン-4-カルボン酸 クロリド
【0163】
【化58】

2.00 g (13.0 mmol)の6-ヒドロキシ-2-メチルピリミジン-4-カルボン酸を、2時間、11.9 mL (130 mmol)のリン オキシクロリドと還流した。室温に冷却した後、2.70 g (13.0 mmol)のリン-(V)-クロリドを添加し、混合物を2時間沸騰させた。反応混合物を室温に冷却し、冷却したまま、真空下で蒸発乾固し、そして、トルエンと2回共蒸発させた。残留物を数回DCMと共に磨砕し、過剰なDCMをデカントして除いた。合わせたDCM相を蒸発させて、残留物は、粗生成物として更に反応させた。
収量:2.48 g(定量)
工程2:6-(6-クロロ-2-メチル-ピリミジン-4-カルボニル)-4-メチル-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン
【0164】
【化59】

2.48 g (13.0 mmol)の6-クロロ-2-メチル-ピリミジン-4-カルボン酸 クロリド、1.94 g (13.0 mmol)の4-メチル-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン、及び、6.93 g (52.0 mmol)の三塩化アルミニウムを、1.5時間攪拌しながら125℃に加熱した。混合物を氷水と合わせて、形成された沈殿物を吸引ろ過し、水で洗浄した。次いで、沈殿物をMeOH/DCM中に溶解し、シリカゲルを通して吸引ろ過した。ろ液を蒸発させて、残留物をフラッシュクロマトグラフィで精製した。生成物を含むフラクションを合わせて、蒸発させて、ジエチルエーテルと共に磨砕した。沈殿物を吸引ろ過し、ジエチルエーテルで洗浄し、真空下で乾燥させた。
収量:0.600 g (理論の15 %)
ESI-MS:m/z = 304 (M+H)+
Rt(HPLC):1.42分 (方法B)
<中間体9>
6-(6-クロロ-2-メチル-ピリミジン-4-カルボニル)-3,4-ジメチル-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン
【0165】
【化60】

59 mg (1.4 mmol)のナトリウム ヒドリド(55%のミネラルオイルの懸濁液)を、0.37 g (1.2 mmol)の6-(6-クロロ-2-メチル-ピリミジン-4-カルボニル)-4-メチル-3H-ベンゾオキサゾール-2-オンを含む5.0 mLのDMFに、室温で添加した。反応混合物を30分間、室温で攪拌した。次いで、0.10 mL (1.60 mmol)のヨードメタンを添加し、混合物を1時間、室温で攪拌した。次いで、別の0.10 mL (1.60 mmol)のヨードメタンを添加し、混合物を一晩室温で攪拌した。反応混合物を氷水で希釈し、形成された沈殿物を吸引ろ過した。残留物を水で洗浄し、真空下で乾燥させた。
収量:0.37 g (理論の96%)
ESI-MS:m/z = 318 (M+H)+
Rt(HPLC):1.53分 (方法B)
<中間体10>
(6-クロロ-ピリミジン-4-イル)-(7-メチル-2,3-ジヒドロ-ベンゾフラン-5-イル)-メタノン
【0166】
【化61】

工程1:7-メチル-2,3-ジヒドロ-ベンゾフラン-3-オール
【0167】
【化62】

窒素雰囲気下で、0.945 g (7.35 mmol)のトリメチルスルホキソニウム クロリドを20 mLのTHFに入れて、0.300 g (7.50 mmol)のナトリウムヒドリド(55%のミネラルオイルの懸濁液)とバッチ混合(combined batchwise)した。反応混合物を2時間還流した。次いで、1.00 g (7.35 mmol)の2-ヒドロキシ-3-メチルベンズアルデヒドを含む20 mLのTHFを反応混合物に滴下し、一晩還流した。次いで、PEを添加し、得られた懸濁液をろ過した。ろ液を真空下で蒸発させて、フラッシュクロマトグラフィで精製した。生成物を含むフラクションを合わせて、蒸発させた。
収量:0.615 g (理論の56%)
ESI-MS:m/z = 133 (M-H2O+H)+
Rt (HPLC):1.09分 (方法B)
工程2:7-メチル-2,3-ジヒドロ-ベンゾフラン
【0168】
【化63】

窒素雰囲気下で、0.610 g (4.06 mmol)の7-メチル-2,3-ジヒドロ-ベンゾフラン-3-オールを含む5 mLの酢酸を、770 μL (8.16 mmol)の無水酢酸と、2時間還流した。室温に冷却した後に、60 mgのパラジウム/炭(Pd/C 10%)を添加し、混合物を、水素雰囲気下(3バール)で3.5時間水素化した。触媒をろ過して除き、溶媒を蒸発させた。
収量:0.350 g (理論の64%)
MS:m/z = 134 (M+)
工程3:(6-クロロ-ピリミジン-4-イル)-(7-メチル-2,3-ジヒドロ-ベンゾフラン-5-イル)-メタノン
【0169】
【化64】

0.396 g (2.24 mmol)の6-クロロピリミジン-4-カルボン酸 クロリド及び0.328 g (2.46 mmol)の三塩化アルミニウムを含む10 mLのDCMを、20分間、室温で攪拌した。次いで、0.300 g (2.24 mmol)の7-メチル-2,3-ジヒドロ-ベンゾフランを含むDCMを反応混合物に滴下し、これを1.5時間、室温で攪拌した。水及びDCMを反応混合物に添加した後に、相を分離して、水相をDCMで抽出した。合わせた有機相を、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて、ろ過し、真空下で蒸発させた。
収量:0.550 g (理論の62%)
純度:70%
ESI-MS:m/z = 275/277 (Cl) (M+H)+
Rt (HPLC):1.54分 (方法B)
<中間体11>
5-アミノ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3'-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-2'(1'H)-オン
【0170】
【化65】

この化合物は、WO2006/029153に記載されたように合成された。
ESI-MS:m/z = 252 (M+H)+
Rf (DC) = 0.4 (10% メタノール/クロロホルム)
<中間体12>
(6-クロロ-ピリミジン-4-イル)-(2,3-ジフルオロ-フェニル)-メタノン
【0171】
【化66】

工程1:S-フェニル 6-クロロ-ピリミジン-4-カルボチオナート
【0172】
【化67】

1.58 mL (15.4 mmol)のチオフェノール及び2.75 mL (16.08 mmol)のDIPEAを、0℃で、3.00 g (16.1 mmol)の6-クロロピリミジン-4-カルボン酸 クロリドを含む100 mLのDCMに添加し、1時間0℃で攪拌し、1時間室温で攪拌した。次いで、反応混合物をDCMで希釈し、炭酸水素ナトリウム飽和溶液及び水で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、さらにシリカゲルでろ過し、DCMで洗浄した。次いで、ろ液を蒸発させた。
収量:3.80 g (理論の99%)
MS:m/z = 250/252 (Cl) (M+)
Rt (HPLC):2.95分 (方法F)
工程2:(6-クロロ-ピリミジン-4-イル)-(2,3-ジフルオロ-フェニル)-メタノン
【0173】
【化68】

アルゴンを、0.50 g (2.0 mmol)のS-フェニル 6-クロロ-ピリミジン-4-カルボチオナート、0.38 g (2.4 mmol)の2,3-ジフルオロフェニルホウ酸、及び0.46 g (2.4 mmol)の銅-チオフェン-2-カルボキシラートを含む25 mLのTHFに、3分間流し(piped)、次いで、46 mg (0.05 mmol)のPd2dba3及び35 μL (0.20 mmol)のトリエチルホスフィト(triethylphosphite)を添加した。反応混合物を更に48時間、室温で攪拌し、次いで、形成された沈殿物をろ過して除き、ろ液を蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィで精製した。
収量:0.47 g (理論の83%)
純度:90%
ESI-MS:m/z = 255/257 (Cl) (M+H)+
Rt (HPLC):4.23分 (方法C)
【0174】
[最終化合物の調製]
<実施例1>:
4-メチル-6-(6-(2'-オキソ-2',3'-ジヒドロ-1'H-スピロ[ピペリジン-4,4'-キナゾリン]-1-イル)ピリミジン-4-カルボニル)ベンゾ[d]オキサゾール-2(3H)-オン
【0175】
【化69】

144 mg (0.500 mmol)の6-(6-クロロピリミジン-4-カルボニル)-4-メチル-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン、108 mg (0.500 mmol)の1'H-スピロ[ピペリジン-4,4'-キナゾリン]-2'(3'H)-オン及び0.174 mL (1.00 mmol)のDIPEAを、5.0 mLのDMF中で合わせて、一晩室温で攪拌した。反応混合物を分取HPLCで精製し、該生成物を含むフラクションを合わせて、有機溶媒を真空下で除いた。水相を4NのNaOH水溶液の添加により中和した。固体として沈殿した生成物をろ過して除いて、水で洗浄し、乾燥させた。
収量:130 mg (理論の55%)
ESI-MS:m/z = 471 (M+H)+
Rt (HPLC) = 2.55分 (方法C)
<実施例2>:
4-メチル-6-(6-(2'-オキソ-1,1',2',3-テトラヒドロスピロ[インデン-2,3'-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-5-イルアミノ)ピリミジン-4-カルボニル)ベンゾ[d]オキサゾール-2(3H)-オン
【0176】
【化70】

144 mg (0.500 mmol)の6-(6-クロロピリミジン-4-カルボニル)-4-メチル-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン、126 mg (0.500 mmol)の5-アミノ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3'-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-2'(1'H)-オン、及び16.1 mg (0.100 mmol)のベンゼンスルホン酸を、5.0 mLの2-ペンタノール中で合わせて、4時間還流した。反応混合物を蒸発させて、残留物をPEと共に磨砕し、吸引ろ過し、PEで洗浄した。残留物を分取HPLCで精製し、該生成物を含むフラクションを合わせて、有機溶媒を真空下で除いた。水相を1NのNaOH水溶液の添加により中和した。固体として沈殿した生成物をろ過して除き、水で洗浄し、乾燥させた。
収量:85 mg (理論の34%)
ESI-MS:m/z = 505 (M+H)+
Rt (HPLC) = 2.88分 (方法C)
<実施例3>
3,4-ジメチル-6-(6-(2'-オキソ-2',3'-ジヒドロ-1'H-スピロ[ピペリジン-4,4'-キナゾリン]-1-イル)ピリミジン-4-カルボニル)ベンゾ[d]オキサゾール-2(3H)-オン
【0177】
【化71】

87.0 mg (0.400 mmol)の1'H-スピロ[ピペリジン-4,4'-キナゾリン]-2'(3'H)-オン、122 mg (0.400 mmol)の6-(6-クロロピリミジン-4-カルボニル)-3,4-ジメチル-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン、及び、0.140 mL (0.800 mmol)のDIPEAを、3.0 mLのDMF中に混合し、48時間、室温で攪拌した。反応混合物をMeOHで希釈し、沈殿物を吸引ろ過し、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させた。
収量: 184 mg (理論の95%)
ESI-MS:m/z = 485 (M+H)+
Rt (HPLC): 1.14分 (方法A)
<実施例4>
3,4-ジメチル-6-(6-(2'-オキソ-1,1',2',3-テトラヒドロスピロ[インデン-2,3'-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-5-イルアミノ)ピリミジン-4-カルボニル)ベンゾ[d]オキサゾール-2(3H)-オン
【0178】
【化72】

16.0 mg (0.100 mmol)のベンゼンスルホン酸を、126 mg (0.500 mmol)の5-アミノ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3'-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-2'(1'H)-オン及び152 mg (0.500 mmol)の6-(6-クロロ-ピリミジン-4-カルボニル)-3,4-ジメチル-3H-ベンゾオキサゾール-2-オンを含む5.0 mLの2-ペンタノールに添加し、4時間沸騰させた。反応混合物を蒸発させて、分取HPLCで精製した。該生成物を含むフラクションを合わせて、有機溶媒を真空下で除き、残っている水相を1MのNaOH水溶液で中和した。固体として沈殿した生成物を吸引ろ過し、水で洗浄し、真空下で乾燥させた。
収量:110 mg (理論の42%)
ESI-MS:m/z = 519 (M+H)+
Rt (HPLC) = 1.3分 (方法B)
<実施例5>
1'-(6-(3,4-ジメチル-2-オキソ-2.3-ジヒドロベンゾ[d]オキサゾール-6-カルボニル)ピリミジン-4-イル)スピロ[ベンゾ[d][1,3]オキサジン-4,4'-ピペリジン]-2(1H)-オン
【0179】
【化73】

102 mg (0.400 mmol)のスピロ[ベンゾ[d][1,3]オキサジン-4,4'-ピペリジン]-2(1H)-オン ヒドロクロリド、122mg (0.400 mmol)の6-(6-クロロピリミジン-4-カルボニル)-4-メチル-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン、及び0.210 mL (1.20 mmol)のDIPEAを3.0 mLのDMF中で合わせて、48時間攪拌した。混合物を分取HPLC-MSで精製した。該生成物を含むフラクションを合わせて、有機溶媒を真空下で除き、残った水相を4MのNaOH水溶液で中和した。固体として沈殿した生成物を吸引ろ過し、水で洗浄し、CAD中で乾燥させた。
収量:90 mg (理論の46%)
ESI-MS:m/z = 486 (M+H)+
Rt (HPLC):1.25分 (方法B)
<実施例6>
1-(6-(3,4-ジメチル-2-オキソ-2.3-ジヒドロベンゾ[d]オキサゾール-6-カルボニル)ピリミジン-4-イル)スピロ[ピペリジン-4,4'-ピリド[2.3-d][1,3]オキサジン]-2'(1'H)-オン
【0180】
【化74】

55 mg (0.21 mmol)のスピロ[ピペリジン-4,4'-ピリド[2.3-d][1,3]オキサジン]-2'(1'H)-オン ヒドロクロリド、65 mg (0.21 mmol)の6-(6-クロロピリミジン-4-カルボニル)-3,4-ジメチル-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン、及び、0.15 mL (0.84 mmol)のDIPEAを1.8 mLのDMF中で合わせて、一晩室温で攪拌した。次いで、反応混合物を分取HPLC-MSで精製した。該生成物を含むフラクションを合わせて、凍結乾燥させた。
収量:73.0 mg (理論の70%)
ESI-MS:m/z = 487 (M+H)+
Rt (HPLC):2.60分 (方法C)
<実施例7>
1-(6-(3,4-ジメチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロベンゾ[d]オキサゾール-6-カルボニル)-2-メチルピリミジン-4-イル)スピロ[ピペリジン-4,4'-ピリド[2,3-d][1,3]オキサジン]-2'(1'H)-オン
【0181】
【化75】

77 mg (0.30 mmol)のスピロ[ピペリジン-4,4'-ピリド[2,3-d][1,3]オキサジン]-2'(1'H)-オン ヒドロクロリド、88 mg (0.28 mmol)の6-(6-クロロ-2-メチル-ピリミジン-4-カルボニル)-3,4-ジメチル-3H-ベンゾオキサゾール-2-オン、及び、0.17 mL (1.0 mmol)のDIPEAを2 mLのDMF中で合わせて、一晩室温で攪拌した。次いで、反応混合物を分取HPLC-MSで精製した。該生成物を含むフラクションを合わせて、有機溶媒を蒸発させた。残留物を4Nの水酸化ナトリウム水溶液で中和した。形成された沈殿物を吸引ろ過し、水で洗浄し、真空下で乾燥させた。
収量:53 mg (理論の35%)
ESI-MS:m/z = 501 (M+H)+
Rt (HPLC):1.07分 (方法B)
<実施例8>
5-(6-(7-メチル-2.3-ジヒドロベンゾフラン-5-カルボニル)ピリミジン-4-イルアミノ)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3'-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-2'(1'H)-オン
【0182】
【化76】

スパチュラ先端量のベンゼンスルホン酸を、70 mg (0.28 mmol)の5-アミノ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3'-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-2'(1'H)-オン、及び、0.10 g (0.26 ンモール)の(6-クロロ-ピリミジン-4-イル)-(7-メチル-2,3-ジヒドロ-ベンゾフラン-5-イル)-メタノンを含む2 mLの1-ペンタノールに添加し、混合物を85℃で1時間攪拌した。反応混合物を蒸発させ、DMFに溶かし、数滴の塩酸で酸性化し、分取HPLCで精製した。該生成物を含むフラクションを合わせて、凍結乾燥させた。
収量:60 mg (理論の48%)
ESI-MS:m/z = 490 (M+H)+
Rt (HPLC): 1.39分 (方法B)
<実施例9>
5-(6-(2,3-ジフルオロベンゾイル)ピリミジン-4-イルアミノ)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3'-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-2'(1'H)-オン
【0183】
【化77】

70 mg (0.28 mmol)の5-アミノ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3'-ピロロ[2,3-b]ピリジン]-2'(1'H)-オン、80 mg (0.28 mmol)の(6-クロロ-ピリミジン-4-イル)-(2.3-ジフルオロ-フェニル)-メタノン、及び、60 μLのDIPEAを含む600 μLのジメチルスルホキシドを、1時間80℃で攪拌した。冷却した後に、反応混合物を約10 mLの氷水と合わせた。液体をデカントして除き、残留物をDCM及びMeOH中に溶解した。硫酸ナトリウムで乾燥させた後に、混合物をろ過し、溶媒を蒸発させた。残留物をエーテルと共に磨砕し、吸引ろ過して、乾燥させた。
収量:82 mg (理論の60%)
ESI-MS:m/z = 470 (M+H)+
Rt (HPLC): 3.97分 (方法C)
【0184】
以下の実施例は、活性物質として、いずれかの一般式(I)の所望の化合物を含む医薬調剤の製剤について記載する。
<実施例I>
1mgの活性成分を含む粉末吸引用のカプセル
組成:
粉末吸引用の1カプセルは以下を含む:
活性成分 1.0 mg
ラクトース 20.0 mg
ハードゼラチンカプセル 50.0 mg
71.0 mg
調製方法:
活性成分を、吸引される物質に必要とされる粒子サイズに、挽いて粉にした。粉末化した活性成分をラクトースと均一に混合した。混合物をハードゼラチンカプセルの中に移した。
【0185】
<実施例II>
1mgの活性成分を含むレスピマット(登録商標)用の吸入可能な溶液
組成:
1個のパフは以下を含む:
活性成分 1.0 mg
塩化ベンザルコニウム 0.002 mg
エデト酸二ナトリウム 0.0075 mg
精製水 15.0 μlになるまで加える
調製方法:
活性成分及び塩化ベンザルコニウムを水に溶解して、レスピマット(登録商標)カートリッジの中に移した。
【0186】
<実施例III>
1mgの活性成分を含むネブライザー用の吸入可能な溶液
組成:
1つのバイアルは以下を含む:
活性成分 0.1 g
塩化ナトリウム 0.18 g
塩化ベンザルコニウム 0.002 g
精製水 20.0 mlになるまで加える
調製方法:
活性成分、塩化ナトリウム、及び塩化ベンザルコニウムを、水に溶解した。
【0187】
<実施例IV>
1mgの活性成分を含む推進ガス圧計量噴霧式エアロゾル
組成:
1個のパフは以下を含む:
活性成分 1.0 mg
レシチン 0.1 %
推進ガス 50.0 μlになるまで加える
調製方法:
微粒化された活性成分を、レシチン及び推進剤ガスの混合物中に均一に懸濁した。懸濁液は、絞り弁を備える与圧容器に移された。
【0188】
<実施例V>
1mgの活性成分を含む鼻内噴霧器
組成:
活性成分 1.0 mg
塩化ナトリウム 0.9 mg
塩化ベンザルコニウム 0.025 mg
エデト酸二ナトリウム 0.05 mg
精製水 0.1 mlになるまで加える
調製方法:
活性成分及び賦形剤を水に溶解し、好適な容器に移した。
【0189】
<実施例VI>
5mlあたり5mgの活性物質を含む注入可能な溶液
組成:
活性物質 5mg
グルコース 250mg
ヒト血清アルブミン 10mg
グリコフロール 250mg
注入用の水 5mlになるまで加える
調製:
グリコフロール及びグルコースを注入用の水(WfI)に溶解した;ヒト血清アルブミンを添加した;活性成分を加熱して溶解した;WfIで、記載された容積にした;窒素ガス下で、アンプルの中に移した。
【0190】
<実施例VII>
20mlあたり100mgの活性物質を含む注入可能な溶液
組成:
活性物質 100mg
一カリウム二水素ホスファート = KH2PO4 12mg
二ナトリウム水素ホスファート = Na2HPO4*2H2O 2mg
塩化ナトリウム 180mg
ヒト血清アルブミン 50mg
ポリソルベート80 20mg
注入用の水 20mlになるまで加える
調製:
ポリソルベート80、塩化ナトリウム、一カリウム二水素ホスファート及び二ナトリウム水素ホスファートを、注入用の水(WfI)に溶解した;ヒト血清アルブミンを添加した;活性成分を加熱して溶解した;WfIで、記載された容積にした;アンプルの中に移した。
【0191】
<実施例VIII>
10mgの活性物質を含む凍結乾燥品(Lyophilisate)
組成:
活性物質 10mg
マンニトール 300mg
ヒト血清アルブミン 20mg
注入用の水 2mlになるまで加える
調製:
マンニトールを注入用の水(WfI)に溶解した;ヒト血清アルブミンを添加した;活性成分を加熱して溶解した;WfIで、記載された容積にした;バイアルの中に移した;凍結乾燥させた。
凍結乾燥品用の溶媒:
ポリソルベート 80 = Tween 80 20mg
マンニトール 200mg
注入用の水 10mlになるまで加える
調製:
ポリソルベート80及びマンニトールを注入用の水(WfI)に溶解した;アンプルの中に移した。
【0192】
<実施例IX>
20mgの活性物質を含む錠剤
組成:
活性物質 20mg
ラクトース 120mg
コーンスターチ 40mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
ポビドン K25 18mg
調製:
活性物質、ラクトース及びコーンスターチを均一に混合した。ポビドンの水溶液と共に磨砕した;ステアリン酸マグネシウムと混合した;錠剤プレスで圧縮した;質量200mgの錠剤を得た。
【0193】
<実施例X>
20mgの活性物質を含むカプセル
組成:
活性物質 20mg
コーンスターチ 80mg
高度に分散したシリカ 5mg
ステアリン酸マグネシウム 2.5mg
調製:
活性物質、コーンスターチ、及びシリカを均一に混合した;ステアリン酸マグネシウムと混合した;混合物をカプセル充填機でサイズ3のハードゼラチンカプセルに封入した。
【0194】
<実施例XI>
50mgの活性物質を含む座薬
組成:
活性物質 50mg
適量(q.s.)のハードファット(アデプスソリダス(Adeps solidus)) 1700mgになるまで加える
調製:
ハードファットを約38℃で溶解した;粉末化した活性物質を溶解したハードファットに均質に分散させた;約35℃に冷却した後に、それを冷却した型に注ぎいれた。
【0195】
<実施例XII>
1mlあたり10mgの活性物質を含む注入可能な溶液
組成:
活性物質 10mg
マンニトール 50mg
ヒト血清アルブミン 10mg
注入用の水 1mlになるまで加える
調製:
マンニトールを注入用の水(WfI)に溶解した;ヒト血清アルブミンを添加した;活性成分を加熱して溶解した;WfIで、記載された容積にした;窒素ガス下で、アンプルの中に移した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)の化合物、これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩。
【化1】

(I)
(式中、
R1は、一般式(IIa)又は(IIb)の基を表し、
【化2】

又は
【化3】

R2は、H又はC1-3-アルキルを表し、又は、
R1及びR2は、それらが結合する窒素原子と一緒に、一般式(IIIa)又は(IIIb)の基を表し、
【化4】

又は
【化5】

Gは、C-R1.1又はNを表し、
Tは、N-R1.2又はOを表し、
R1.1は、互いに独立して、
(a)H、又は、
(b)ハロゲン、C1-3-アルキル、-OH、-CN、-O-C1-3-アルキル、-C(O)-O-C1-3-アルキル、C2-4-アルケニル、-C2-4-アルキニル、C1-3-アルキル-S 、シクロプロピル、-NH2、-COOH、-NH-C(O)-O-C1-3-アルキル、-NH-C(O)-C1-3-アルキル、又は、
(c)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、
R1.2は、互いに独立して、
(a)H又は
(b)C1-3-アルキル
を表し、
R1.3は、
(a)H、又は、
(b)F、-CN、C1-3-アルキル、-CO2-R1.3.1、又は、
(c)C1-3-アルキル基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換されてもよく、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換されてもよい)
を表し、
R1.3.1は、
(a)H、又は、
(b)C1-6-アルキル
を表し、
R3は、
基R3.1、R3.2又はR3.3によって置換される6又は10-員環のアリール基、又は、
基R3.1、R3.2又はR3.3によって置換される6員環のヘテロアリール基を表し、該へテロアリール基は、炭素原子を介して結合され、
R3.1は、
(a)H、又は、
(b)ハロゲン、-NH2、C1-4-アルキル-NH、(C1-4-アルキル)2N、C1-3-アルキル-C(O)-NH、C1-3-アルキル-S(O2)-NH、-CN、-OH、-O-C(O)-NH-C1-3-アルキル、又は、
(c)C1-4-アルキル、R3.1.1-C1-3-アルキレン、C2-4-アルケニル、C2-4-アルキニル、C1-3-アルキル-O、C1-3-アルキル-S(O)m、シクロプロピル、又は、
(d)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)、又は、
(e)-C(O)-R3.1.2、又は、
(f)-S(O)2-R3.1.3
を表し、
R3.1.1は、
(a)H、又は、
(b)C3-6-シクロアルキル、C5-6-シクロアルケニル、又は、
(c)(R3.1.1.1)2N、又は、
(d)基R3.1.1.1によって、窒素原子において置換され、そして、1個か2個の基R3.1.1.2によって、炭素原子において置換される、飽和の、一不飽和の、若しくは、二不飽和の5-若しくは6-員環の複素環基、又は、
(e)基R3.1.1.2によって、炭素原子において置換されるヘテロアリール基
を表し、
R3.1.1.1は、互いに独立して、
(a)H、C1-4-アルキル、C3-6-シクロアルキル、又は、
(b)ヘテロシクリル、又は、
(c)アリール-C0-3-アルキレン、又は、ヘテロアリール-C0-3-アルキレン
を表し、
R3.1.1.2は、互いに独立して、
(a)H、F、C1-3-アルキル、-CN、-OH、-O-C1-3-アルキル、-CO(O)R3.1.1.2.1、H2N、(C1-4-アルキル)-NH、(C1-4-アルキル)2N、又は、
(b)フェニル又はフェニル-CH2、又は、
(c)C1-3-アルキル基又は-O-C1-3-アルキル基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、
又は、
R3.1.1.2.1は、H、C1-6-アルキル、又は、ベンジルを表し、
R3.1.2は、-O-C1-3-アルキル、-OH、又は、-NR3.1.2.1R3.1.2.2を表し、
R3.1.2.1は、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.1.2.2は、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.1.2.1及びR3.1.2.2は、一緒に、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルの中から選択される環を形成してもよく、
R3.1.3は、-O-C1-3-アルキル、又は、-NR3.1.3.1R3.1.3.2を表し、
R3.1.3.1は、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.1.3.2は、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.1.3.1及びR3.1.3.2は、一緒に、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルの中から選択される環を形成してもよく、
R3.2は、
(a)H、又は、
(b)ハロゲン、-NH2、C1-4-アルキル-NH、(C1-4-アルキル)2N、C1-3-アルキル-C(O)-NH、C1-3-アルキル-S(O2)-NH、-CN、-OH、-O-C(O)-NH-C1-3-アルキル、又は、
(c)C1-4-アルキル、C2-4-アルケニル、C2-4-アルキニル、C1-3-アルキル-O、C1-3-アルキル-S(O)m、シクロプロピル、又は、
(d)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)、又は、
(e)-C(O)-R3.2.1、又は、
(f)-S(O)2-R3.2.2
を表し、
R3.2.1は、-O-C1-3-アルキル、-OH、又は、-NR3.2.1.1R3.2.1.2を表し、
R3.2.1.1は、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.2.1.2は、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.2.1.1及びR3.2.1.2は、一緒に、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルの中から選択される環を形成してもよく、
R3.2.2は、-NR3.2,2,1R3.2,2,2を表し、
R3.2,2,1は、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.2,2,2は、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.2,2,1及びR3.2,2,2は、一緒に、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルの中から選択される環を形成してもよく、
R3.3は、
(a)H、又は、
(b)ハロゲン、-NH2、C1-4-アルキル-NH、(C1-4-アルキル)2N、C1-3-アルキル-C(O)-NH、C1-3-アルキル-S(O2)-NH、-CN、-OH、-O-C(O)-NH-C1-3-アルキル、又は、
(c)C1-4-アルキル、C2-4-アルケニル、C2-4-アルキニル、C1-3-アルキル-O、C1-3-アルキル-S(O)m、シクロプロピル、又は、
(d)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)、又は、
(e)-C(O)-R3.3.1、又は、
(f)-S(O)2-R3.3.2
を表し、
R3.3.1は、-O-C1-3-アルキル、-OH、又は、-NR3.3.1.1R3.3.1.2を表し、
R3.3.1.1は、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.3.1.2は、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.3.1.1及びR3.3.1.2は、一緒に、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルの中から選択される環を形成してもよく、
R3.3.2は、-O-C1-3-アルキル、又は、-NR3.3.2.1R3.3.2.2を表し、
R3.3.2.1は、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.3.2.2は、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.3.2.1及びR3.3.2.2は、一緒に、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルの中から選択される環を形成してもよく、又は、
R3.2及びR3.3は、それらが結合する炭素原子と一緒に、一不飽和の5-員環の複素環基、又は、一不飽和の、若しくは、二不飽和の6-員環の複素環基、又は、5-から6-員環のヘテロアリール基を形成し、
(ここで、上述の複素環は、窒素原子に隣接したカルボニル、チオカルボニル、又は、シアノイミノ基を含んでもよく、そして、
夫々の場合において、基R3.3.3によって、1個又は2個の窒素原子において、さらに置換されてもよく、そして、
夫々の場合において、1個又は2個の基R3.3.4によって、1個又は2個の炭素原子において、さらに置換されてもよい)
R3.3.3は、互いに独立して、
(a)C1-4-アルキル、又は、
(b)C3-6-シクロアルキルを表し、
R3.3.4は、互いに独立して、
(a)C1-4-アルキル、又は
(b)C3-6-シクロアルキル、又は、
(c)ハロゲン、CN、-O-C1-3-アルキル、-NH2、又は、
(d)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、
Uは、N、N-オキシド又はC-R4を表し、
Vは、N、N-オキシド又はC-R5を表し、
Xは、N、N-オキシド又はCR6を表し、
Yは、N又はC-R7を表し、
(ここで、上述の基U、V、X及びYの最大3個まで同時に窒素原子を表す)
R4は、
(a)H、又は、
(b)夫々の場合において、基R4.1によって置換されるC1-6-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基、又は、
(c)R4.2R4.3N、R4.2R4.3N-C1-3-アルキレン、又は、
(d)ハロゲン、-CN、-OH、-COOH、C1-3-アルキル-O、C1-3-アルキル-O-C1-3-アルキレン、C3-6-シクロアルキル、C3-6-シクロアルキル-C1-4-アルキレン、C1-3-アルキル-C(O)-O-C1-3-アルキレン、又は、
(e)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、
R4.1は、H、OH又は-O-CH3を表し、
R4.2は、H又はC1-3-アルキルを表し、
R4.3は、H又はC1-3-アルキルを表し、又は、
R4.2及びR4.3は、それらが結合する窒素原子と一緒に、3-から6-員環の複素環基を表し、
R5は、
(a)H、又は、
(b)夫々の場合において、基R5.1によって置換されるC1-6-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基、又は、
(c)-NR5.2R5.3、NR5.2R5.3-C1-3-アルキレン、又は、
(d)ハロゲン、-CN、-OH、C1-3-アルキル-O-C1-3-アルキレン、C3-6-シクロアルキル、C3-6-シクロアルキル-C1-4-アルキレン、C1-3-アルキル-C(O)-O-C1-3-アルキレン、又は、
(e)アリール-C0-3-アルキレン-O-基、又は、
(f)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、
R5.1は、H、OH又は-O-CH3を表し、
R5.2は、H又はC1-6-アルキルを表し、
R5.3は、H、C1-6-アルキル又は-SO2-C1-3-アルキルを表し、又は
R5.2及びR5.3は、それらが結合する窒素原子と一緒に、3-から6-員環の複素環基を表し、
R6は、
(a)H、又は、
(b)夫々の場合において、基R6.1によって置換されるC1-6-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基、又は、
(c)R6.2R6.3N、R6.2R6.3N-C1-3-アルキレン、又は、
(d)ハロゲン、-CN、-OH、_-COOH、C1-3-アルキル-O、C1-3-アルキル-O-C1-3-アルキレン、C3-6-シクロアルキル、C3-6-シクロアルキル-C1-4-アルキレン、C1-3-アルキル-C(O)-O-C1-3-アルキレン、又は、
(e)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、
R6.1は、H、OH又は-O-CH3を表し、
R6.2は、H又はC1-3-アルキルを表し、
R6.3は、H又はC1-3-アルキルを表し、又は、
R6.2及びR6.3は、それらが結合する窒素原子と一緒に、3-から6-員環の複素環基を表し、そして、
R7は、H、ハロゲン又はC1-3-アルキルを表す。)
【請求項2】
式中、U、V、X、Y、R2及びR3が、請求項1のように定義され、
R1が、以下から選択される基を表し、
【化6】

R1.1が、
(a)H、又は、
(b)ハロゲン、C1-3-アルキル、-OH、-CN、-O-C1-3-アルキル、-C(O)-O-C1-3-アルキル、C2-4-アルケニル、C2-4-アルキニル、C1-3-アルキル-S、-NH2、又は、
(c)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、そして、
R1.2が、
(a)H、又は
(b)CH3
を表す、
請求項1に記載の一般式(I)の化合物、これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩。
【請求項3】
式中、U、V、X、Y、R2及びR3が、請求項1のように定義され、
R1及びR2が、それらが結合する窒素原子と一緒に、以下から選択される基を表し、
【化7】

そして、
R1.1が、
(a)H、又は、
(b)ハロゲン、C1-3-アルキル、-OH、-CN、-O-C1-3-アルキル、-C(O)-O-C1-3-アルキル、C2-4-アルケニル、C2-4-アルキニル、C1-3-アルキル-S、-NH2、又は、
(c)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表す、
請求項1に記載の一般式(I)の化合物、これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩。
【請求項4】
式中、U、V、X、Y及びR3が、請求項1のように定義され、
R1が、以下から選択される基を表し、
【化8】

そして、
R1.1が、
(a)F、CH3、-OH、-O-CH3、又は
(b)CF3
を表す、
請求項1に記載の一般式(I)の化合物、これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩。
【請求項5】
式中、U、V、X、Y、R2及びR3が、請求項1のように定義され、
R1及びR2が、それらが結合する窒素原子と一緒に、以下から選択される基を表し、
【化9】

R1.1が、
(a)F、CH3、-OH、-O-CH3、又は、
(b)CF3
を表す、
請求項1に記載の一般式(I)の化合物、これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩。
【請求項6】
式中、U、V、X、Y、R2及びR3が、請求項1のように定義され、
R1が、以下から選択される基を表す、
【化10】

請求項1に記載の一般式(I)の化合物、これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩。
【請求項7】
式中、U、V、X、Y及びR3が、請求項1のように定義され、
R1及びR2が、それらが結合する窒素原子と一緒に、以下から選択される基を表す、
【化11】

請求項1に記載の一般式(I)の化合物、これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩。
【請求項8】
式中、U、V、X、Y、R1及びR2が、請求項1、2、4又は6のように定義され、
R3が、一般式(IV)の基を表し、
【化12】

(IV)
Aが、互いに独立して、C-H、C-F又はNを表し、
R3.1が、
(a)H、又は、
(b)ハロゲン、-NH2、C1-4-アルキル-NH、(C1-4-アルキル)2N、C1-3-アルキル-C(O)-NH、C1-3-アルキル-S(O)2-NH、-CN、-OH、-O-C(O)-NH-C1-3-アルキル、又は、
(c)C1-4-アルキル、R3.1.1-C1-3-アルキレン、C2-4-アルケニル、C2-4-アルキニル、C1-3-アルキル-O、C1-3-アルキル-S、又は、
(d)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)、又は、
(e)-C(O)-R3.1.2、又は、
(f)-(O)2-R3.1.3
を表し、
R3.1.1が、
(a)H、又は、
(b)C3-6-シクロアルキル、C5-6-シクロアルケニル、又は、
(c)(R3.1.1.1)2N、又は、
(d)基R3.1.1.1によって、窒素原子において置換され、1個か2個の基R3.1.1.2によって、炭素原子において置換される飽和の、一不飽和の、若しくは、二不飽和の5-若しくは6-員環の複素環基、又は、
(e)基R3.1.1.2によって、炭素原子において置換されるヘテロアリール基
を表し、
R3.1.1.1が、互いに独立して、
(a)H、C1-4-アルキル、C3-6-シクロアルキル、又は、
(b)ヘテロシクリル、又は、
(c)アリール-C0-3-アルキレン、又は、ヘテロアリール-C0-3-アルキレン
を表し、
R3.1.1.2が、互いに独立して、
(a)H、F、C1-3-アルキル、-CN、-OH、-O-C1-3-アルキル、-CO(O)R3.1.1.2.1、H2N、(C1-4-アルキル)-NH、(C1-4-アルキル)2N、又は、
(b)フェニル又はフェニル-CH2、又は、
(c)C1-3-アルキル基又は-O-C1-3-アルキル基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、又は、
R3.1.1.2.1が、H、C1-6-アルキル、又は、ベンジルを表し、
R3.1.2が、-O-C1-3-アルキル、-OH、又は、-NR3.1.2.1R3.1.2.2を表し、
R3.1.2.1が、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.1.2.2が、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.1.3が、-NR3.1.3.1R3.1.3.2を表し、
R3.1.3.1が、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.1.3.2が、H、C1-3-アルキルを表し、
R3.2が、
(a)H、又は、
(b)ハロゲン、-NH2、C1-4-アルキル-NH、(C1-4-アルキル)2N、C1-3-アルキル-C(O)-NH、C1-3-アルキル-S(O)2-NH、-CN、-OH、-O-C(O)-NH-C1-3-アルキル、又は、
(c)C1-4-アルキル、C2-4-アルケニル、C2-4-アルキニル、C1-3-アルキル-O、C1-3-アルキル-S、又は、
(d)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)、
(e)-C(O)-R3.2.1、又は、
(f)-S(O)2-R3.2.2
を表し、
R3.2.1が、-O-C1-3-アルキル、-OH、又は、-NR3.2.1.1R3.2.1.2を表し、
R3.2.1.1が、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.2.1.2が、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.2.2が、-NR3.2,2,1R3.2,2,2を表し、
R3.2,2,1が、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.2,2,2が、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.3が、
(a)H、又は、
(b)ハロゲン、-NH2、C1-4-アルキル-NH、(C1-4-アルキル)2N、C1-3-アルキル-C(O)-NH、C1-3-アルキル-S(O)2-NH、-CN、-OH、-O-C(O)-NH-C1-3-アルキル、又は、
(c)C1-4-アルキル、C2-4-アルケニル、C2-4-アルキニル、C1-3-アルキル-O、C1-3-アルキル-S、又は、
(d)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)、又は、
(e)-C(O)-R3.2.1、又は、
(f)-S(O)2-R3.2.2
を表し、
R3.3.1が、-O-C1-3-アルキル、-OH、又は、-NR3.3.1.1R3.3.1.2を表し、
R3.3.1.1が、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.3.1.2が、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.3.2が、-O-C1-3-アルキル、又は、-NR3.3.2.1R3.3.2.2を表し、
R3.3.2.1が、H、又は、C1-3-アルキルを表し、
R3.3.2.2が、H、又は、C1-3-アルキルを表し、又は、
R3.2及びR3.3が、それらが結合する炭素原子と一緒に、一不飽和の5-員環の複素環基、又は、一不飽和の、若しくは、二不飽和の6-員環の複素環基、又は、5-から6-員環のヘテロアリール基を形成し、
(ここで、上述の複素環は、窒素原子に隣接したカルボニル、チオカルボニル、又は、シアノイミノ基を含んでもよく、そして、
夫々の場合において、基R3.3.3によって、1個又は2個の窒素原子において、さらに置換されてもよく、そして、
夫々の場合において、1個又は2個の基R3.3.4によって、1個又は2個の炭素原子において、さらに置換されてもよい)
R3.3.3が、互いに独立して、
(a)C1-4-アルキル、又は、
(b)C3-6-シクロアルキルを表し、
R3.3.4が、互いに独立して、
(a)C1-4-アルキル、C3-6-シクロアルキル、又は、
(b)ハロゲン、CN、C1-3-アルキル-O-、-NH2、又は、
(c)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表す、
請求項1に記載の一般式(I)の化合物、これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩。
【請求項9】
式中、U、V、X、Y、R1及びR2が、請求項1、2、4又は6のように定義され、
R3が、一般式(IV)の基を表し、
【化13】

(IV)
Aが、互いに独立して、C-H、C-F又はNを表し、
R3.1が、
(a)H、又は、
(b)ハロゲン、-NH2、C1-4-アルキル-NH、(C1-4-アルキル)2N、C1-3-アルキル-C(O)-NH、-CN、-OH、-O-C(O)-NH-C1-3-アルキル、又は、
(c)C1-4-アルキル、C2-4-アルケニル、C2-4-アルキニル、C1-3-アルキル-O、C1-3-アルキル-S、又は、
(d)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、
R3.2が、
(a)H、又は、
(b)ハロゲン、-NH2、C1-4-アルキル-NH、(C1-4-アルキル)2N、C1-3-アルキル-C(O)-NH、-CN、-OH、-O-C(O)-NH-C1-3-アルキル、又は、
(c)C1-4-アルキル、C2-4-アルケニル、C2-4-アルキニル、C1-3-アルキル-O、C1-3-アルキル-S、又は、
(d)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、
R3.3が、
(a)H、又は、
(b)ハロゲン、-NH2、C1-4-アルキル-NH、(C1-4-アルキル)2N、C1-3-アルキル-C(O)-NH、-CN、-OH、-O-C(O)-NH-C1-3-アルキル、又は、
(c)C1-4-アルキル、C2-4-アルケニル、C2-4-アルキニル、C1-3-アルキル-O、C1-3-アルキル-S、又は、
(d)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、
R3.2及びR3.3が、それらが結合する炭素原子と一緒に、一不飽和の5-員環の複素環基、又は、一不飽和の、若しくは、二不飽和の6-員環の複素環基、又は、5-から6-員環のヘテロアリール基を形成し、
(ここで、上述の複素環は、窒素原子に隣接したカルボニル、チオカルボニル、又は、シアノイミノ基を含んでもよく、そして、
夫々の場合において、基R3.3.3によって、1個又は2個の窒素原子において、さらに置換されてもよく、そして、
夫々の場合において、1個又は2個の基R3.3.4によって、1個又は2個の炭素原子において、さらに置換されてもよい)、
R3.3.3が、互いに独立して、
(a)C1-4-アルキル、又は
(b)C3-6-シクロアルキルを表し、
R3.3.4が、互いに独立して、
(a)C1-4-アルキル、C3-6-シクロアルキル、又は、
(b)ハロゲン、CN、C1-3-アルキル-O-、-NH2、又は、
(c)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表す、
請求項1に記載の一般式(I)の化合物、これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩。
【請求項10】
式中、U、V、X、Y、R1及びR2が、請求項1、2、4又は6のように定義され、
R3が、一般式(IVa)の基を表し、
【化14】

(IVa)
R3.1が、
(a)H、又は、
(b)F、Cl、Br、-NH2、C1-3-アルキル-NH、(C1-3-アルキル)2N、C1-3-アルキル-C(O)-NH、-CN、-OH、又は、
(c)C1-4-アルキル、C2-4-アルケニル、C2-4-アルキニル、C1-3-アルキル-O、C1-3-アルキル-S、又は、
(d)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、
R3.2が、
(a)H、又は、
(b)F、Cl、Br、H2N、(C1-4-アルキル)-NH、(C1-4-アルキル)2N、(C1-3-アルキル)-C(O)-NH、-OH、又は、
(c)C1-4-アルキル、又は、
(d)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、
R3.3が、
(a)H、又は、
(b)F、Cl、Br、H2N、(C1-4-アルキル)-NH、(C1-4-アルキル)2N、(C1-3-アルキル)-C(O)-NH、-OH、又は、
(c)C1-4-アルキル、又は、
(d)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、
R3.2及びR3.3が、それらが結合する炭素原子と一緒に、一不飽和の5-員環の複素環基、又は、一不飽和の、若しくは、二不飽和の6-員環の複素環基、又は、5-から6-員環のヘテロアリール基を形成し、
(ここで、上述の複素環は、窒素原子に隣接したカルボニル、チオカルボニル、又は、シアノイミノ基を含んでもよく、そして、
夫々の場合において、基R3.3.3によって、1個又は2個の窒素原子において、さらに置換されてもよく、そして、
夫々の場合において、1個又は2個の基R3.3.4によって、1個又は2個の炭素原子において、さらに置換されてもよい)、
R3.3.3が、互いに独立して、
(a)C1-4-アルキル、又は
(b)C3-6-シクロアルキルを表し、
R3.3.4が、互いに独立して、
(a)C1-4-アルキル、C3-6-シクロアルキル、又は、
(b)ハロゲン、CN、C1-3-アルキル-O-、-NH2、又は、
(c)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、そして、
R3.4が、H又はFを表す、
請求項1に記載の一般式(I)の化合物、これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩。
【請求項11】
式中、U、V、X、Y、R1及びR2が、請求項1、2、4又は6のように定義され、
R3が、以下から選択される基を表す、
【化15】

請求項1に記載の一般式(I)の化合物、これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩。
【請求項12】
式中、U、V、X、Y、R1及びR2が、請求項1、2、3、4、5、6又は7のように定義され、
R3が、一般式(IVb)の基を表し、
【化16】

(IVb)
R3.1が、
(a)H、又は、
(b)F、Cl、Br、-NH2、C1-3-アルキル-NH、(C1-3-アルキル)2N、C1-3-アルキル-C(O)-NH、-CN、-OH、又は、
(c)C1-4-アルキル、C2-4-アルケニル、C2-4-アルキニル、C1-3-アルキル-O、C1-3-アルキル-S、又は、
(d)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、
R3.2及びR3.3が、それらが結合する炭素原子と一緒に、一不飽和の5-員環の複素環基、又は、一不飽和の、若しくは、二不飽和の6-員環の複素環基、又は、5-から6-員環のヘテロアリール基を形成し、
(ここで、上述の複素環は、窒素原子に隣接したカルボニル、チオカルボニル、又は、シアノイミノ基を含み、そして、
基R3.3.3によって、1個又は2個の窒素原子において、夫々さらに置換されてもよく、そして、
1個又は2個の基R3.3.4によって、1個又は2個の炭素原子において、夫々さらに置換されてもよい)、
R3.3.3が、互いに独立して、
(a)C1-4-アルキル、又は、
(b)C3-6-シクロアルキルを表し、そして、
R3.3.4が、互いに独立して、
(a)C1-4-アルキル、C3-6-シクロアルキル、又は、
(b)ハロゲン、-CN、-O-C1-3-アルキル、-NH2、又は、
(c)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表す、
請求項1に記載の一般式(I)の化合物、これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩。
【請求項13】
式中、U、V、X、Y、R1及びR2が、請求項1、2、3、4、5、6又は7のように定義され、
R3が、一般式(IVb)の基を表し、
【化17】

(IVb)

R3.1が、
(a)H、又は、
(b)F、Cl、Br、-NH2、C1-3-アルキル-NH、(C1-3-アルキル)2N、C1-3-アルキル-C(O)-NH、-CN、-OH、又は、
(c)C1-4-アルキル、C2-4-アルケニル、C2-4-アルキニル、C1-3-アルキル-O、C1-3-アルキル-S、又は、
(d)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、
R3.2及びR3.3が、それらが結合する炭素原子と一緒に、一不飽和の5-員環の複素環基、又は、5-員環のヘテロアリール基を形成し、
(ここで、上述の複素環は、窒素原子に隣接したカルボニル、チオカルボニル、又は、シアノイミノ基を含み、そして、
基R3.3.3によって、1個又は2個の窒素原子において、夫々さらに置換されてもよく、そして、
1個又は2個の基R3.3.4によって、1個又は2個の炭素原子において、夫々さらに置換されてもよい)、
R3.3.3が、互いに独立して、
(a)C1-4-アルキル又は、
(b)C3-6-シクロアルキルを表し、そして
R3.3.4が、互いに独立して、
(a)C1-4-アルキル、C3-6-シクロアルキル、又は、
(b)ハロゲン、-CN、-O-C1-3-アルキル、-NH2、又は、
(c)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表す、
請求項1に記載の一般式(I)の化合物、これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩。
【請求項14】
式中、U、V、X、Y、R1及びR2が、請求項1、2、3、4、5、6又は7のように定義され、
R3が、一般式(IVc)の基を表し、
【化18】

(IVc)
Tが、O、S、CH2、NH又はN-R3.3.3を表し、
R3.1が、
(a)H、又は、
(b)F、Cl、Br、-NH2、C1-3-アルキル-NH、(C1-3-アルキル)2N、C1-3-アルキル-C(O)-NH、-CN、-OH、又は、
(c)C1-4-アルキル、C2-4-アルケニル、C2-4-アルキニル、C1-3-アルキル-O、C1-3-アルキル-S、又は、
(d)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、そして、
R3.3.3が、互いに独立して、
(a)C1-4-アルキル、又は
(b)C3-6-シクロアルキル
を表す、
請求項1に記載の一般式(I)の化合物、これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩。
【請求項15】
式中、U、V、X、Y、R1及びR2が、請求項1、2、3、4、5、6又は7のように定義され、
R3が、以下から選択される基を表す、
【化19】



請求項1に記載の一般式(I)の化合物、これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩。
【請求項16】
式中、Y、R1、R2及びR3が、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15のように定義され、
U-V-Xが、以下から選択される基を表し、
-N=N-(C-R6)=、-N=(C-R5)-N=、-N=(C-R5)-(C-R6)=、-(N-オキシド)=(C-R5)-(CR6)=、-(CR4)=N-N=、-(CR4)=N-(CR6)=、-(C-R4)=N(オキシド)-(C-R6)=、-(CR4)=(C-R5)-N=、-(CR4)=(C-R5)-(N-オキシド)=、及び、-(CR4)=(C-R5)-(CR6)=、そして、
R4が、
(a)H、又は、
(b)夫々の場合において、基R4.1によって置換されるC1-6-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基、又は、
(c)R4.2R4.3N、R4.2R4.3N-C1-3-アルキレン、又は、
(d)ハロゲン、-CN、-OH、_-COOH、C1-3-アルキル-O、C1-3-アルキル-O-C1-3-アルキレン、C3-6-シクロアルキル、C3-6-シクロアルキル-C1-4-アルキレン、C1-3-アルキル-C(O)-O-C1-3-アルキレン、又は、
(e)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、
R4.1が、H、OH又は-O-CH3を表し、
R4.2が、H又はC1-3-アルキルを表し、
R4.3が、H又はC1-3-アルキルを表し、又は、
R4.2及びR4.3が、それらが結合する窒素原子と一緒に、3-から6-員環の複素環基を表し、
R5が、
(a)H、又は、
(b)夫々の場合において、基R5.1によって置換されるC1-6-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基、
(c)-NR5.2R5.3、NR5.2R5.3-C1-3-アルキレン、又は、
(d)ハロゲン、-CN、-OH、C1-3-アルキル-O-C1-3-アルキレン、C3-6-シクロアルキル、C3-6-シクロアルキル-C1-4-アルキレン、C1-3-アルキル-C(O)-O-C1-3-アルキレン、又は、
(e)アリール-C0-3-アルキレン-O-基、又は、
(f)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、
R5.1が、H、OH又は-O-CH3を表し、
R5.2が、H又はC1-6-アルキルを表し、
R5.3が、H、C1-6-アルキル又は-SO2-C1-3-アルキルを表し、
R6が、
(a)H、又は、
(b)夫々の場合において、基R6.1によって置換されるC1-6-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基、又は、
(c)R6.2R6.3N、R6.2R6.3N-C1-3-アルキレン、又は、
(d)ハロゲン、-CN、-OH、_-COOH、C1-3-アルキル-O、C1-3-アルキル-O-C1-3-アルキレン、C3-6-シクロアルキル、C3-6-シクロアルキル-C1-4-アルキレン、
C1-3-アルキル-C(O)-O-C1-3-アルキレン、又は、
(e)C1-3-アルキル基又はC1-3-アルキル-O-基(ここで、夫々メチレン基は、2個以下のフッ素原子によって置換され、夫々メチル基は、3個以下のフッ素原子によって置換される)
を表し、
R6.1が、H、OH又は-O-CH3を表し、
R6.2が、H又はC1-3-アルキルを表し、
R6.3が、H又はC1-3-アルキルを表し、又は
R6.2及びR6.3が、それらが結合する窒素原子と一緒に、3-から6-員環の複素環基を表す、
請求項1に記載の一般式(I)の化合物、これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩。
【請求項17】
式中、Y、R1、R2及びR3が、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15のように定義され、
以下の環が、
【化20】

下記から選択される基を表す、
【化21】



請求項1に記載の一般式(I)の化合物、これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩。
【請求項18】
式中、R1が、以下から選択される基を表し、
【化22】


R2が、Hを表し、
R3が、以下から選択される基を表し、
【化23】

以下の環が、
【化24】

以下から選択される基を表す、
【化25】

請求項1に記載の一般式(I)の化合物、これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩。
【請求項19】
式中、R1及びR2が、それらが結合した窒素原子と一緒に、以下から選択される基を表し、
【化26】

R3が、以下から選択される基を表し、
【化27】

そして、以下の環が
【化28】

以下から選択される基を表し、
【化29】

請求項1に記載の一般式(I)の化合物、これらの互変異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩。
【請求項20】
請求項1に記載の一般式(I)の以下の化合物:
【化30】



これらのエナンチオマー、ジアステレオマー、水和物、これらの混合物又はこれらの塩、又は、これらの塩の水和物、特にこれらと無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれかに記載の化合物と無機若しくは有機の酸若しくは塩基との生理学的に許容可能な塩。
【請求項22】
1種以上の不活性な担体及び/又は希釈剤を一緒に含んでもよい請求項1〜20のいずれかに記載の化合物、又は、請求項21に記載の生理学的に許容可能な塩を含む医薬組成物。
【請求項23】
頭痛、特に片頭痛又は群発性頭痛の急性処置及び予防的処置のための医薬組成物を調製するための請求項1〜21のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項24】
非インスリン依存性真性糖尿病(NIDDM)、複合性局所疼痛症候群(CRPS1)、心血管疾患、モルヒネ耐性、クロストリジウム毒素により生じる下痢、皮膚疾患、特に熱及び放射線誘発損傷(日焼けを含む)、炎症性疾患、例えば、関節の炎症性疾患(関節炎)、口粘膜の神経性炎症、炎症性肺疾患、アレルギー性鼻炎、喘息、過度の血管拡張及びその結果としての減少された血管血流に伴う疾患、例えば、ショック又は敗血症を治療するための、又は、
痛みを軽減するための、又は、
エストロゲン不足婦人及び前立腺癌を患うホルモン治療患者の血管拡張及び増大された血流により生じる更年期の顔面潮紅の症状の予防の治療処置又は急性の治療処置のための、
医薬組成物を調製するための請求項1〜21のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項25】
請求項1〜21のいずれかに記載の化合物が、
非化学的方法によって、1種以上の不活性な担体及び/又は希釈剤中に組み込まれる、
請求項22に記載の医薬組成物の調製方法。

【公表番号】特表2011−500637(P2011−500637A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−529384(P2010−529384)
【出願日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際出願番号】PCT/EP2008/063967
【国際公開番号】WO2009/050234
【国際公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】