説明

EP4受容体アンタゴニストとしてのインドールアミド誘導体

本発明は急性及び慢性疼痛、変形性関節症、関節リウマチ並びに癌等のEP4介在性疾患又は病態の治療に有用なEP4受容体アンタゴニストとしてのインドールアミド誘導体に関する。医薬組成物と使用方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプロスタグランジンE介在性疾患の治療用化合物及び方法と、その所定の医薬組成物に関する。より詳細には、本発明の化合物はNSAID及びオピエートと構造的に相違しており、E型プロスタグランジンの疼痛及び炎症作用のアンタゴニストである。
【背景技術】
【0002】
プロスタノイド受容体と最も広く使用されている選択的アゴニスト及びアンタゴニストの特性決定及び治療適性については、Eicosanoids:From Biotechnology to Therapeutic Applications,Folco,Samuelsson,Maclouf,and Velo eds,Plenum Press,New York,1996,chap.14,137−154;Journal of Lipid Mediators and Cell Signalling,1996,14,83−87;及びProstaglandins and Other Lipid Mediators,2002,69,557−573の3件の論文に記載されている。
【0003】
従って、該当するプロスタグランジンE受容体サブタイプに応じて選択的プロスタグランジンリガンド、アゴニスト又はアンタゴニストは従来の非ステロイド性抗炎症薬と同様の抗炎症、解熱及び鎮痛作用に加え、血管恒常性、生殖、胃腸機能及び骨代謝にも効果がある。これらの化合物は無差別なシクロオキシゲナーゼ阻害薬であるNSAIDのメカニズムによる副作用の一部を誘発する可能性が少ないと思われる。特に、これらの化合物は胃腸毒性の可能性が少なく、腎臓副作用の可能性が少なく、出血回数への影響が少なく、アスピリン感受性喘息対象に喘息発作を誘発する可能性が少ないと考えられる。
【0004】
The Journal of Clinical Investigation(2002,110,651−658)には、コラーゲン抗体注射によりマウスに誘発した慢性炎症が主にPGE受容体のEP4サブタイプに媒介されることが試験により示唆されている。WO96/06822(1996年3月7日)、WO96/11902(1996年4月25日)及びEP752421−A1(1997年1月8日)の各特許出願公開はプロスタグランジン介在性疾患の治療に有用な化合物を開示している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はPGE受容体のEP4サブタイプのアンタゴニストである新規化合物に関する。従って、これらの化合物は急性及び慢性疼痛、変形性関節症、関節リウマチ並びに癌等のEP4受容体介在性疾患及び病態の治療に有用であると思われる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は急性及び慢性疼痛、変形性関節症、関節リウマチ並びに癌等のEP4介在性疾患及び病態の治療に有用なEP4受容体アンタゴニストとしてのインドールアミド誘導体に関する。医薬組成物と使用方法にも関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は式I:
【0008】
【化3】

[式中、
A、B及びCは各々独立してN、CH及びC(R)から選択され;
−D−E−F−は
−C(R)=C(R)−N−、
−C(R)=N−C(R)−、
−C(R)=N−N−、
−N=C(R)−N−、
−N=N−N−、
−C(R)−N=C−、
−N(R)−C(R)=C−、
−N(R)−N=C−、
−O−N=C−及び
−S−N=C−
(式中、各Rは独立して水素、C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル、C1−4アルコキシ、C1−4フルオロアルコキシ及びアセチルから構成される群から選択され;
は水素、ハロ、C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル、C1−4アルコキシ、C1−4フルオロアルコキシ及びアセチルから構成される群から選択される)から構成される群から選択され;
Xは結合、−CH−又は−CH−CH−であり、−D−E−F−が−C(R)=N−C(R)−である場合にはXは更に−S−でもよく;
Ar及びArは独立してC3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリル、又はC3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリルの縮合誘導体から構成される群から選択され、Arは場合により1〜3個のR基で置換されており、Arは場合により1〜3個のR基で置換されており;
、R、R及びRは独立してハロ、C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル、C1−4アルコキシ、C1−4フルオロアルコキシ及びアセチルから構成される群から選択される]の一属の化合物又はその医薬的に許容可能な塩に含む。複数のR、R及びRは上記群の異なるメンバーを表してもよく、即ちArを置換する1個のR基がハロであり、Arを置換する別のR基がC1−4アルキルでもよい。
【0009】
本明細書の趣旨では、上記群の列挙メンバーの−D−E−F−の順序は左から右に読むものとする。例えば、−D−E−F−が−C(R)=C(R)−N−であるとき、Dは−C(R)=に対応し、Eは=C(R)−に対応し、Fは−N−に対応し、式Iは下式:
【0010】
【化4】

で表される。
【0011】
上記属内で、本発明はRがメチルである式Iの第1の亜属の化合物を含む。
【0012】
同様に上記属内で、本発明はArが場合により1〜3個のR基で置換されたフェニルである式Iの第2の亜属の化合物を含む。
【0013】
同様に上記属内で、本発明はArが場合により1〜3個のR基で置換されたフェニルである式Iの第3の亜属の化合物を含む。
【0014】
同様に上記属内で、本発明はA、B及びCが各々独立してCH及びC(R)から選択される式Iの第4の亜属の化合物を含む。
【0015】
同様に上記属内で、本発明は式Ia:
【0016】
【化5】

[式中、
−D−E−F−は
−C(R)=C(R)−N−、
−C(R)=N−N−、
−N(R)−C(R)=C−、
−N=C(R)−N−及び
−N=N−N−
(式中、各Rは独立して水素、C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル、C1−4アルコキシ、C1−4フルオロアルコキシ及びアセチルから構成される群から選択され;
は水素、ハロ、C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル、C1−4アルコキシ、C1−4フルオロアルコキシ及びアセチルから構成される群から選択される)から構成される群から選択され;
Xは結合又は−CH−であり;
及びRは独立してハロ、C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル、C1−4アルコキシ、C1−4フルオロアルコキシ及びアセチルから構成される群から選択される]の第5の亜属の化合物又はその医薬的に許容可能な塩を含む。
【0017】
第5の亜属内で、本発明はXが−CH−である式Iaの一分類の化合物に関する。
【0018】
同様に第5の亜属内で、本発明は各Rが独立して水素、メチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ及びアセチルから構成される群から選択され;Rが水素、クロロ、メチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ及びアセチルから構成される群から選択され;R及びRが独立してクロロ、メチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ及びアセチルから構成される群から選択される式Iaの一分類の化合物を含む。
【0019】
同様に第5の亜属内で、本発明は−D−E−F−が−C(R)=C(R)−N−である式Iaの一分類の化合物を含む。
【0020】
同様に第5の亜属内で、本発明は−D−E−F−が−C(R)=N−N−である式Iaの一分類の化合物にを含む。
【0021】
同様に第5の亜属内で、本発明は−D−E−F−が−N(R)−C(R)=C−である式Iaの一分類の化合物を含む。
【0022】
同様に第5の亜属内で、本発明は−D−E−F−が−N=C(R)−N−である式Iaの一分類の化合物を含む。
【0023】
同様に第5の亜属内で、本発明は−D−E−F−が−N=N−N−である式Iaの一分類の化合物を含む。
【0024】
本発明は更に、
(1)4−{(1S)−1−[({1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−インドール−7−イル}カルボニル)アミノ]エチル}安息香酸;
(2)4−[(1S)−1−({[1−(3−クロロベンジル)−1H−インドール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸;
(3)4−{(1S)−1−[({1−[3−クロロ−4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]−1H−インドール−7−イル}カルボニル)アミノ]エチル}安息香酸;
(4)4−{(1S)−1−[({1−[2−(3−クロロフェニル)エチル]−1H−インドール−7−イル}カルボニル)アミノ]エチル}安息香酸;
(5)4−[(1S)−1−({[1−(3−クロロベンジル)−3−メチル−1H−インドール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸;
(6)4−[(1S)−1−({[3−クロロ−1−(3−クロロベンジル)−1H−インドール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸;
(7)4−[(1S)−1−({[3−アセチル−1−(3−クロロベンジル)−1H−インドール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸;
(8)4−[(1S)−1−({[5−クロロ−1−(3−クロロベンジル)−1H−インドール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸;
(9)4−[(1S)−1−({[5−クロロ−1−(3−クロロベンジル)−1H−インドール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸;
(10)4−[(1S)−1−({[1−(3−クロロベンジル)−2−メチル−1H−インドール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸;
(11)4−[(1S)−1−({[1−(3−クロロベンジル)−1H−インダゾール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸;
4−[(1S)−1−({[5−クロロ−1−(3−クロロベンジル)−1H−インダゾール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸;
(12)4−{(1S)−1−[({3−[(3−クロロフェニル)チオ]−1H−インドール−4−イル}カルボニル)アミノ]エチル}安息香酸;
(13)4−[(1S)−1−({[3−(3−クロロベンジル)−1H−インドール−4−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸;
(14)4−[(1S)−1−({[5−クロロ−1−(3−クロロベンジル)−1H−ベンゾイミダゾール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸;及び
(15)4−[(1S)−1−({[5−クロロ−1−(3−クロロベンジル)−1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸から選択される化合物又は上記化合物のいずれかの医薬的に許容可能な塩を含む。
【0025】
本発明は更に1種以上の生理的に許容可能な担体又は賦形剤との混合物として式Iの化合物を含有する医薬組成物を含む。
【0026】
本発明は更にヒト又は動物医薬用としての式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な誘導体を含む。
【0027】
本発明は更にEP4受容体に対するPGE2の作用に媒介される病態のヒト又は動物対象の治療方法として、有効量の式Iの化合物を前記対象に投与することを含む方法を含む。
【0028】
本発明は更にEP4受容体に対するPGE2の作用に媒介される病態の治療用治療剤の製造における式Iの化合物の使用を含む。
【0029】
定義
「アルキル」及び「アル」で始まる他の基(例えばアルコキシ、アルカノイル等)は直鎖でも分岐鎖でもその組合せでもよい炭素鎖を意味する。アルキル基の例としてはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル等が挙げられる。
【0030】
「フルオロアルキル」とは1個以上の水素原子がフルオロ原子で置換された上記定義によるアルキルを意味する。
【0031】
「アルケニル」とは少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含み、直鎖でも分岐鎖でもその組合せでもよい炭素鎖を意味する。アルケニルの例としてはビニル、アリル、イソプロペニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、1−プロペニル、2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル等が挙げられる。
【0032】
「アルキニル」とは少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を含み、直鎖でも分岐鎖でもその組合せでもよい炭素鎖を意味する。アルキニルの例としてはエチニル、プロパルギル、3−メチル−1−ペンチニル、2−ヘプチニル等が挙げられる。
【0033】
「シクロアルキル」とは各々炭素原子数3〜10の単環式又は二環式飽和炭素環を意味する。シクロアルキルの「縮合誘導体」とは結合点が非芳香族部分に位置するようにアリール又はヘテロアリール基と縮合した単環を意味する。シクロアルキルとその縮合誘導体の例としてはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、テトラヒドロナフチル、デカヒドロナフチル、インダニル等が挙げられる。
【0034】
「アルコキシ」とは指定炭素原子数の直鎖又は分岐鎖アルコキシ基を意味する。例えばC1−6アルコキシとしてはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ等が挙げられる。
【0035】
「シクロアルコキシ」とは酸素原子と結合した上記定義によるシクロアルキル(例えばシクロプロピルオキシ)を意味する。
【0036】
「フルオロアルコキシ」とは1個以上の水素原子がフッ素原子で置換された上記定義によるアルコキシを意味する。
【0037】
「アリール」とは炭素原子のみを含む単環式又は二環式芳香環を意味する。アリールの「縮合誘導体」とは結合点が芳香族部分に位置するように単環式シクロアルキル基又は単環式ヘテロシクリル基と縮合したアリール基を意味する。アリールとその縮合誘導体の例としてはフェニル、ナフチル、インダニル、インデニル、テトラヒドロナフチル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾピラニル、1,4−ベンゾジオキサニル等が挙げられる。
【0038】
「ヘテロアリール」とはN、O及びSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含み、各環が5〜6員環の単環式又は二環式芳香環を意味する。ヘテロアリールの「縮合誘導体」とは結合点が芳香族部分に位置するように単環式シクロアルキル基又は単環式ヘテロシクリル基と縮合したヘテロアリール基を意味する。ヘテロアリールの例としてはピロリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、ピリジル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラニル、トリアジニル、チエニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、フロ(2,3−b)ピリジル、キノリル、インドリル、イソキノリル等が挙げられる。
【0039】
「ヘテロシクリル」とはN、S及びOから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含み、各環が3〜10員環の単環式又は二環式飽和環を意味し、結合点は炭素でも窒素でもよい。ヘテロシクリルの「縮合誘導体」とは結合点が非芳香族部分に位置するようにアリール又はヘテロアリール基と縮合した単環式複素環を意味する。「ヘテロシクリル」とその縮合誘導体の例としてはピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、イミダゾリジニル、2,3−ジヒドロフロ(2,3−b)ピリジル、ベンゾオキサジニル、テトラヒドロヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、ジヒドロインドリル等が挙げられる。この用語は芳香族以外の部分不飽和単環(例えば窒素又はN置換(1H,3H)−ピリミジン−2,4−ジオン(N置換ウラシル)を介して結合した2−又は4−ピリドン)も含む。
【0040】
「ハロゲン」及び「ハロ」はフッ素、塩素、臭素及びヨウ素を含む。
【0041】
光学異性体−ジアステレオマー−幾何異性体−互変異性体
式Iの化合物は1個以上の不斉中心を含み、従ってラセミ化合物及びラセミ混合物、単一エナンチオマー、ジアステレオマー混合物及び個々のジアステレオマーとして存在することができる。本発明は式Iの化合物のこのような全異性体を含むものとする。
【0042】
本明細書に記載する化合物にはオレフィン二重結合を含むものもあり、特に指定しない限り、E及びZ両者の幾何異性体を含むものとする。
【0043】
本明細書に記載する化合物には水素結合点を変えて存在するものもある(互変異性体と言う)。このような1例はケトンとそのエノール形である(ケト−エノール互変異性体と言う)。個々の互変異性体とその混合物が式Iの化合物に含まれる。
【0044】
式Iの化合物は例えばMeOH又はEtOAc又はその混合物等の適切な溶媒から分別結晶によりエナンチオマーのジアステレオマー対に分離することができる。こうして得られたエナンチオマー対は例えば分割剤として光学活性アミンを使用したり、キラルHPLCカラムを使用する等の従来手段により個々の立体異性体に分離することができる。
【0045】
あるいは、既知構造の光学的に純粋な出発材料又は試薬を使用して立体特異的合成により一般式Iの化合物の任意エナンチオマーを得ることもできる。
【0046】

「医薬的に許容可能な塩」なる用語は無機又は有機塩基と無機又は有機酸を含む医薬的に許容可能な非毒性塩基又は酸から製造される塩を意味する。無機塩基から誘導される塩としては、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、三価鉄、二価鉄、リチウム、マグネシウム、三価マンガン、二価マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛等の塩が挙げられる。アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム及びナトリウム塩が特に好ましい。医薬的に許容可能な非毒性有機塩基から誘導される塩としては第一、第二及び第三アミン、置換アミン(天然置換アミンを含む)、環状アミン、並びに塩基性イオン交換樹脂(例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等)の塩が挙げられる。
【0047】
本発明の化合物が塩基性である場合には、無機及び有機酸等の医薬的に許容可能な非毒性酸から塩を製造することができる。このような酸としては、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、樟脳スルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、琥珀酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸及び酒石酸が特に好ましい。
【0048】
本明細書で式Iの化合物という場合には医薬的に許容可能な塩も含むものと理解する。
【0049】
用途
本発明の化合物はEP4受容体のアンタゴニストであるため、EP4受容体介在性疾患の治療に有用である。
【0050】
本発明の化合物はEP4受容体と結合できるため、以下の疾患の治療に有用である。即ち、本発明の化合物は鎮痛薬として有用である。例えば、慢性関節痛(例えば関節リウマチ、変形性関節症、リウマチ様脊椎炎、痛風性関節炎及び若年性関節炎)(疾患緩和及び関節構造維持の性質を含む);筋骨格痛;腰痛及び頸痛;捻挫及び挫傷;神経因性疼痛;交感神経依存性疼痛;筋炎;癌及び線維筋痛症に伴う疼痛;片頭痛に伴う疼痛;インフルエンザ又は他のウイルス感染症(例えば感冒)に伴う疼痛;リウマチ熱;機能性腸障害(例えば非潰瘍性消化不良、非心臓性胸痛及び過敏性腸症候群)に伴う疼痛;心筋虚血に伴う疼痛;手術後疼痛;頭痛;歯痛;並びに月経困難症の治療に有用である。
【0051】
本発明の化合物は神経因性疼痛の治療に有用である。神経因性疼痛症候群はニューロン損傷後に発生する場合があり、その結果として生じる疼痛は元の外傷が治癒した後も数カ月〜数年間持続する場合がある。ニューロン損傷は末梢神経、後根、脊髄又は脳の所定領域に発生する可能性がある。神経因性疼痛症候群は従来よりこれらを誘発した疾患又はイベントに従って分類されている。神経因性疼痛症候群としては糖尿病性神経障害;座骨神経痛;非特異的腰痛;多発性硬化症の疼痛;線維筋痛症;HIV関連神経障害;ヘルペス後神経痛;三叉神経痛;及び物理的外傷、四肢切断、癌、毒素又は慢性炎症症状に起因する疼痛が挙げられる。これらの症状は治療が困難であり、数種類の薬剤が知られているが、効力は限られており、完全な疼痛抑制が得られることは稀である。神経因性疼痛の症状は極めて多様であり、自発性の突発電撃痛又は持続的な灼熱痛として表されることが多い。更に、「チクチクするような痛み」(錯感覚及び異常感覚)、接触過敏(感覚過敏)、非侵害刺激後の痛覚(動的、静的又は熱的アロディニア)、侵害刺激過敏(熱刺激、冷刺激、機械刺激に対する痛覚過敏)、刺激除去後の痛覚持続(痛覚異常過敏)又は選択的感覚経路の不在もしくは欠損(痛覚鈍磨)等の通常では痛みを感じない感覚に関連する疼痛もある。
【0052】
本発明の化合物は炎症の治療、例えば皮膚症状(例えば日光皮膚炎、熱傷、湿疹、皮膚炎、乾癬);眼疾患(例えば緑内障、網膜炎、網膜症、ブドウ膜炎及び急性眼組織損傷(例えば結膜炎));肺疾患(例えば喘息、気管支炎、気腫、アレルギー性鼻炎、呼吸窮迫症候群、オウム病、農夫肺、CORD);胃腸管障害(例えばアフタ性潰瘍、クローン病、アトピー性胃炎、多症状性胃炎、潰瘍性大腸炎、セリアック病、限局性回腸炎、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、胃腸逆流疾患);臓器移植;炎症要素を含む他の症状(例えば血管疾患、片頭痛、結節性動脈周囲炎、甲状腺炎、再生不良性貧血、ホジキン病、強皮症、重症筋無力症、多発性硬化症、サルコイドーシス、ネフローゼ症候群、ベーチェット症候群、多発性筋炎、歯肉炎、心筋虚血、発熱、全身性エリテマトーデス、多発性筋炎、腱炎、滑液包炎及びシェーグレン症候群)の治療にも有用である。
【0053】
本発明の化合物は自己免疫疾患、免疫不全疾患又は臓器移植等の免疫疾患の治療にも有用である。本発明の化合物はHIV感染潜伏期間の延長にも有効である。
【0054】
本発明の化合物は血小板機能異常症(例えば閉塞性血管疾患)の治療にも有用である。
【0055】
本発明の化合物は利尿作用をもつ薬剤の製造にも有用である。
【0056】
本発明の化合物はインポテンス又は勃起障害の治療にも有用である。
【0057】
本発明の化合物は骨粗鬆症(特に閉経後骨粗鬆症)、高カルシウム血症、副甲状腺機能亢進症、骨パジェット病、骨溶解症、骨転移を伴うか又は伴わない悪性腫瘍の高カルシウム血症、関節リウマチ、歯周炎、変形性関節症、骨痛、骨減少症、癌悪液質、結石症(特に尿路結石症)、固形癌、痛風、強直性脊椎炎、腱炎及び滑液包炎等の骨代謝又は吸収異常を特徴とする骨疾患の治療にも有用である。別の側面では、本発明の化合物は骨吸収の抑制及び/又は骨生成の促進にも有用であると思われる。
【0058】
本発明の化合物はNSAID及びCOX−2阻害薬の血行動態の副作用の緩和にも有用である。
【0059】
本発明の化合物は高血圧又は心筋虚血;機能性又は器質性静脈不全;静脈瘤治療;痔疾;及び顕著な動脈圧低下に伴うショック状態(例えば敗血症性ショック)等の心臓血管疾患の治療にも有用である。
【0060】
本発明の化合物は認知症、特に変性認知症(例えば老人性認知症、アルツハイマー病、ピック病、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病及びクロイツェルト・ヤコブ病、ALS、運動ニューロン疾患);血管性認知症(例えば多発脳梗塞性認知症);並びに頭蓋内占拠性病変、外傷、感染症と関連症状(例えばHIV感染)、代謝、毒素、酸素欠乏症及びビタミン欠乏症に伴う認知症;更には加齢に伴う軽度認知障害、特に加齢性記憶障害等の神経変性疾患及び神経変性の治療にも有用である。式Iの化合物は神経保護治療と、脳卒中、心停止、肺バイパス術、外傷性脳病変、脊髄病変等に続発する神経変性の治療にも有用である。
【0061】
本発明の化合物は耳鳴りの治療にも有用である。
【0062】
本発明の化合物は依存症誘発物質に対する依存症の予防もしくは緩和、又はこれらの物質に対する耐性もしくは逆耐性の予防もしくは緩和にも有用である。依存症誘発物質の例としてはオピオイド(例えばモルヒネ)、CNS抑制薬(例えばエタノール)、精神刺激薬(例えばコカイン)及びニコチンが挙げられる。
【0063】
本発明の化合物は1型糖尿病の合併症(例えば糖尿病性細小血管障害、糖尿病網膜症、糖尿病性腎症、黄斑変性、緑内障)、ネフローゼ症候群、再生不良性貧血、ブドウ膜炎、川崎病及びサルコイドーシスの治療にも有用である。
【0064】
本発明の化合物は腎機能障害(腎炎、特にメサンギウム増殖性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群)、肝機能障害(肝炎、肝硬変)、胃腸機能障害(下痢)及び結腸癌の治療にも有用である。
【0065】
本発明の化合物は新生物の治療又は予防を必要とする対象における新生物の治療又は予防にも有用である。「治療」なる用語は新生物増殖、拡大又は転移の部分的又は完全な抑制と、新生物細胞の部分的又は完全な破壊を意味する。「予防」なる用語は臨床的に明白な新生物の発現の完全な予防又は危険のある個体における新生物の発症前での明白な発現の予防を意味する。悪性細胞の発現の予防又は悪性前の細胞から悪性細胞への進行の停止もしくは逆転させることもこの定義に含むものとする。この定義は新生物を発症する危険のある個体の予防処置も含む。治療目的での「対象」なる用語は公知新生物のいずれか1種をもつ任意ヒト又は哺乳動物対象を意味し、ヒト対象が好ましい。予防法では、対象は任意ヒト又は動物対象であり、新生物を発症する危険のあるヒト対象が好ましい。対象としては発癌物質接触、新生物の遺伝的素因等により危険のある対象が挙げられる。
【0066】
「新生物」なる用語は良性及び癌性両者の腫瘍、増殖物及びポリープを意味する。従って、本発明の化合物は良性腫瘍、増殖物及びポリープ(例えば扁平上皮乳頭腫、基底細胞腫、移行上皮乳頭腫、腺腫、ガストリン産生腫瘍、胆管細胞腺腫、肝細胞腺腫、尿細管腺腫、好酸性顆粒細胞腫、グロムス腫瘍、メラニン細胞性母斑、線維腫、粘液腫、脂肪腫、平滑筋腫、横紋筋腫、良性奇形腫、血管腫、骨腫、軟骨腫及び髄膜腫)の治療又は予防に有用である。本発明の化合物は更に癌性腫瘍、増殖物及びポリープ(例えば扁平上皮癌、基底細胞癌、移行上皮癌、腺癌、悪性ガストリン産生腫瘍、胆管細胞癌、肝細胞癌、腎細胞癌、悪性黒色腫、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、悪性奇形腫、血管肉腫、カポジ肉腫、リンパ管肉腫、骨肉腫、軟骨肉腫、悪性髄膜腫、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫及び白血病)の治療又は予防にも有用である。本発明の趣旨では、「新生物」とは脳腫瘍、骨癌、上皮細胞由来新生物(上皮癌)、基底細胞癌、腺癌、胃腸癌(例えば口唇癌、口腔癌、食道癌、小腸癌及び胃癌、結腸癌、直腸癌)、肝臓癌、膀胱癌、膵臓癌、卵巣癌、子宮頸癌、肺癌、乳癌、皮膚癌(例えば扁平上皮癌及び基底細胞癌)、前立腺癌、腎細胞癌、及び全身の上皮細胞、間葉細胞又は血液細胞を冒す他の公知癌を意味する。本発明の化合物は上記癌のいずれかの治療又は予防に有用である。本発明の化合物は扁平上皮、基底細胞、移行上皮、腺上皮、G細胞、胆管上皮、肝細胞、尿細管上皮、メラニン細胞、繊維性結合組織、心臓骨格、脂肪組織、平滑筋、骨格筋、生殖細胞、血管、リンパ管、骨、軟骨、髄膜、リンパ細胞及び造血細胞の細胞型の良性及び癌性腫瘍、増殖物及びポリープの治療又は予防に有用である。本発明の化合物は家族性腺腫性ポリポーシス(FAP)の対象等の腺腫性ポリープをもつ対象を治療するために使用することができる。更に、本発明の化合物はFAPの危険のある患者にポリープが形成しないように予防するために使用することができる。好ましくは、本発明の化合物は結腸直腸癌、食道・胃癌、乳癌、頭頸部癌、皮膚癌、肺癌、肝臓癌、胆嚢癌、膵臓癌、膀胱癌、子宮内膜・頸癌、前立腺癌、甲状腺癌及び脳腫瘍の治療又は予防に有用である。
【0067】
当然のことながら、治療と言う場合には特に指定しない限り、既存症状の治療と予防処置の両者を意味する。
【0068】
用量範囲
式Iの化合物の予防又は治療用量は当然のことながら、治療する症状の性質及び重篤度と、使用する式Iの特定化合物及びその投与経路により異なる。用量は個々の患者の年齢、体重及び応答によっても異なる。一般に、1日用量範囲は約0.001mg〜約100mg/kg哺乳動物体重、好ましくは0.01mg〜約50mg/kg、最も好ましくは0.1〜10mg/kgを1回又は数回に分けて投与する。他方、場合によっては上記範囲外の用量を使用することが必要な場合もある。
【0069】
静脈内投与用組成物を利用する用途では、適切な用量範囲は式Iの化合物約0.01mg〜約25mg(好ましくは0.1mg〜約10mg)/kg体重/日である。
【0070】
経口組成物を利用する場合には、適切な用量範囲は例えば式I又はIaの化合物約0.01mg〜約100mg/kg体重/日、好ましくは約0.1mg〜約10mg/kgである。
【0071】
舌下投与用組成物を利用する場合には、適切な用量範囲は例えば式Iの化合物0.01mg〜約25mg(好ましくは0.1mg〜約5mg)/kg体重/日である。
【0072】
医薬組成物
本発明の別の側面は式Iの化合物と医薬的に許容可能な担体を含有する医薬組成物を提供する。医薬組成物等における「組成物」なる用語は活性成分と担体を構成する不活性成分(医薬的に許容可能な賦形剤)を含有する製剤に加え、成分の任意2種以上の配合、錯化もしくは凝集、又は成分の1種以上の解離、又は成分の1種以上の他の型の反応もしくは相互作用により直接又は間接的に得られる任意製剤を意味する。従って、本発明の医薬組成物は式Iの化合物と他の活性成分と医薬的に許容可能な賦形剤を混合することにより製造される任意組成物を含む。
【0073】
哺乳動物、特にヒトに有効用量の本発明の化合物を投与するのに適した任意投与経路を利用することができる。例えば、経口、舌下、直腸、局所、非経口、眼球内、肺、鼻腔内等の経路を利用することができる。剤形としては錠剤、トローチ、分散液、懸濁液、溶液、カプセル、クリーム、軟膏、エアゾール等が挙げられる。
【0074】
本発明の医薬組成物は活性成分としての式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩を含有しており、更に医薬的に許容可能な担体と、場合により他の治療成分を加えることができる。「医薬的に許容可能な塩」なる用語は無機塩基又は無機酸と有機塩基又は有機酸を含む医薬的に許容可能な非毒性塩基又は酸から製造される塩を意味する。
【0075】
組成物としては経口、舌下、直腸、局所、非経口(例えば皮下、筋肉内及び静脈内)、眼球内(眼科薬)、肺(エアゾール吸入)又は鼻腔内投与に適した組成物が挙げられるが、任意所与症例に最適な経路は治療する症状の性質及び重篤度と活性成分の性質により異なる。組成物は単位用量形態とすると簡便であり、製薬分野で周知の任意方法により製造することができる。
【0076】
吸入投与では、本発明の化合物を加圧パック又はネブライザーからエアゾールスプレー形態で送達すると簡便である。製剤化可能な粉末として化合物を送達してもよいし、通気式粉末吸入装置を使用して粉末組成物を吸入してもよい。吸入に好ましい送達システムはフッ化炭素や炭化水素等の適切な噴射剤で式Iの化合物の懸濁液又は溶液として製剤化することが可能な定量噴霧吸入(MDI)式エアゾールと、他の賦形剤の共存下又は不在下で式Iの化合物のドライパウダーとして製剤化することが可能なドライパウダー吸入(DPI)式エアゾールである。
【0077】
式Iの化合物の適切な局所製剤としては経皮デバイス、エアゾール、クリーム、軟膏、ローション、散布剤等が挙げられる。
【0078】
実地使用では、式Iの化合物を活性成分として慣用薬剤配合技術に従って医薬担体と混和することができる。担体は投与に所望される製剤形態、例えば経口か非経口(例えば静脈内)かに応じて多様な形態をとることができる。経口製剤用組成物を製造する場合には、通常の医薬媒体の任意のものを利用することができ、例えば懸濁液剤、エリキシル剤及び溶液剤等の経口液体製剤の場合には例えば水、グリコール、油、アルコール、香味剤、防腐剤、着色剤等を使用することができ、例えば散剤、カプセル剤及び錠剤等の経口固体製剤の場合には澱粉、糖類、微結晶セルロース、希釈剤、顆粒化剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等の担体を使用することができるが、固体経口製剤のほうが液体製剤よりも好ましい。投与し易いという理由から錠剤とカプセル剤が最も有利な経口単位用量形態であり、その場合には当然のことながら固体医薬担体を利用する。所望により、標準水性又は非水性技術により錠剤にコーティングしてもよい。
【0079】
上記一般剤形に加え、式Iの化合物は米国特許第3,845,770号;3,916,899号;3,536,809号;3,598,123号;3,630,200号;及び4,008,719号に記載されているもの等の制御放出手段及び/又は送達装置により投与することもできる。
【0080】
経口投与に適した本発明の医薬組成物は規定量の活性成分を各々含有するカプセル剤、カシェ剤もしくは錠剤等の分離単位形態、散剤もしくは顆粒剤、又は水性液体、非水性液体、水中油エマルションもしくは油性液体中水エマルションに溶解もしくは懸濁液の形態とすることができる。このような組成物は任意製薬法により製造することができるが、どの方法も1種以上の必要成分を構成する担体と活性成分を配合する段階を含む。一般に、組成物は活性成分を液体担体又は微粉状固体担体又はその両者と均質混和した後に必要に応じて生成物を所望形態に成形することにより製造される。例えば、錠剤は場合により1種以上の補助成分を加えて圧縮又は成形により製造することができる。圧縮錠はさらさらした形態(例えば散剤や顆粒剤)の活性成分を場合により結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、界面活性剤又は分散剤と混合し、適切な機械で圧縮することにより製造することができる。成形錠は粉末化合物を不活性液体希釈剤で湿潤させた混合物を適切な機械で成形することにより製造することができる。各錠剤は活性成分約1mg〜約500mgを含有し、各カシェ剤又はカプセル剤は活性成分約1mg〜約500mgを含有することが望ましい。
【0081】
併用療法
式Iの化合物は式Iの化合物が有用である疾患又は症状の治療/予防/抑制又は改善に使用される他の薬剤と併用することができる。このような他の薬剤はこのような用途に通常使用されている経路と量で式Iの化合物と同時又は順次投与することができる。式Iの化合物を他の1種以上の薬剤と同時に使用する場合には、式Iの化合物に加えてこのような他の薬剤を含有する医薬組成物が好ましい。従って、本発明の医薬組成物は式Iの化合物に加えて1種以上の他の活性成分を含有するものを含む。別々又は同一医薬組成物として式Iの化合物と併用投与することができる他の活性成分の例としては限定されないが、COX−2阻害薬(例えば、セレコキシブ、ロフェコキシブ、エトリコキシブ、バルデコキシブ又はパレコキシブ);5−リポキシゲナーゼ阻害薬;NSAID(例えばジクロフェナック、インドメタシン、ナブメトン又はイブプロフェン);ロイコトリエン受容体アンタゴニスト;DMARD(例えばメトトレキセート);アデノシンA1受容体アゴニスト;ナトリウムチャネル遮断薬(例えばラモトリジン);NMDA受容体モジュレーター(例えばグリシン受容体アンタゴニスト);ガバペンチン及び類縁化合物;三環系抗鬱薬(例えばアミトリプチリン);ニューロン安定化抗癲癇薬;モノアミン取込み阻害薬(例えばベンラファキシン);オピオイド鎮痛薬;局所麻酔薬;5HTアゴニスト(例えばスマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、フロバトリプタン、アルモトリプタン又はリザトリプタン等のトリプタン類);EP1受容体リガンド;EP2受容体リガンド;EP3受容体リガンド;EP1アンタゴニスト;EP2アンタゴニスト及びEP3アンタゴニストが挙げられる。本発明の化合物を他の治療剤と併用する場合には、適切な任意経路により順次又は同時投与することができる。
【0082】
従って、別の側面では、本発明は別の1種以上の治療剤と共に式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な誘導体を含有する併用剤を提供する。
【0083】
上記併用剤は医薬製剤として使用するのに適した形態とすることができ、従って、本発明の別の側面は医薬的に許容可能な担体又は賦形剤と共に上記のような併用剤を含有する医薬製剤に関する。このような併用剤の個々の成分は別個又は配合医薬製剤として順次又は同時投与することができる。
【0084】
式Iの化合物と第2の活性成分の重量比は変動させることができ、各成分の有効用量により異なる。一般に、各々の有効用量を使用する。従って、例えば式Iの化合物をNSAIDと併用する場合には、式Iの化合物とNSAIDの重量比は一般に約1000:1〜約1:1000、好ましくは約200:1〜約1:200となる。式Iの化合物と他の活性成分の併用剤も一般に上記範囲に含まれるが、各場合に各活性成分の有効用量を使用すべきである。
【0085】
生物活性測定用アッセイ
以下のアッセイを使用して式Iの化合物を試験し、そのin vitro及びin vivoプロスタノイドアンタゴニスト又はアゴニスト活性とその選択性を測定することができる。試験するプロスタグランジン受容体活性はDP、EP、EP、EP、EP、FP、IP及びTPである。
【0086】
ヒト胎児腎(HEK)293(ebna)細胞株におけるプロスタノイド受容体の安定な発現
全長コーディング配列に対応するプロスタノイド受容体cDNAを哺乳動物発現ベクターの適切な部位にサブクローニングし、HEK293(ebna)細胞にトランスフェクトする。個々のcDNAを発現するHEK293(ebna)細胞を選択条件下で増殖させ、クローニングリング法を使用して2〜3週間増殖後に個々のコロニーを単離した後、クローン細胞株に拡張する。
【0087】
プロスタノイド受容体結合アッセイ
トランスフェクトしたHEK293(ebna)細胞を培養維持し、回収し、分画遠心後にプロテアーゼ阻害剤の存在下で細胞を溶解させることにより受容体結合アッセイで用いる膜を調製する。1mM EDTA、2.5〜30mM 2価カチオン及び該当する放射性リガンドを加えた10mM MES/KOH(pH6.0)(EP、FP及びTP)又は10mM HEPES/KOH(pH7.4)(DP及びIP)中で(DP1、DP2(CRTH2)、EP1、EP2、EP3−III、EP4、FP、IP及びTPに対する)プロスタノイド受容体結合アッセイを実施する。合成化合物をジメチルスルホキシドに加え、全培養液中で1%(v/v)に一定に維持する。膜蛋白の添加により反応を開始する。対応する非放射性プロスタノイド10μMの存在下で非特異的結合を測定する。60〜90分間室温又は30℃でインキュベーションを実施し、急速濾過により終結する。総結合量から非特異的結合量を差し引くことにより特異的結合量を計算する。各リガンド濃度の残留特異的結合量を計算し、S字状濃度応答曲線を作成するためにリガンド濃度の関数として表す。式K=InPt/1+[放射性リガンド]/K(式中、Kは放射性リガンド:受容体相互作用の平衡解離定数であり、InPtは用量応答曲線の変曲点である)から平衡阻害定数(K)を計算することにより化合物の結合親和性を決定する。
【0088】
上記結合アッセイでEP4受容体について実施例1〜16を試験した処、IC50は500nM未満であることが判明した。
【0089】
プロスタノイド受容体アゴニスト及びアンタゴニストアッセイ
HEK−293(ebna)−hEP4細胞における細胞内cAMP蓄積の刺激を測定する全細胞二次メッセンジャーアッセイを実施し、受容体リガンドがアゴニストであるか又はアンタゴニストであるかを判定する。細胞を回収し、25mM HEPES,pH7.4を加えたHBSSに再懸濁する。培養液に0.5mM IBMX(Biomol製品であるホスホジエステラーゼ阻害薬)を添加する。サンプルを37℃で10分間インキュベートし、反応を停止した後、cAMP濃度を測定する。リガンドをジメチルスルホキシドに加え、全培養液中で1%(v/v;アゴニスト)又は2%(v/v;アンタゴニスト)に一定に維持する。アゴニストでは、リガンド濃度の関数として二次メッセンジャー応答を表し、PGE標準に比較してEC50値と最大応答の両者を計算する。アンタゴニストでは、そのEC70に対応する濃度のPGEアゴニストの存在下で用量応答曲線を作成することによりリガンドのアゴニスト応答阻害能を測定する。PGEにより誘導される活性の50%を阻害するために必要なリガンドの濃度としてIC50値を計算する。
【0090】
EP4受容体アンタゴニストアッセイにおいて、実施例1〜16の化合物はEC50≦500nMを示した。
【0091】
ラット足浮腫アッセイ
方法はChanら(J.Pharmacol.Exp.Ther.274:1531−1537,1995)に記載の方法とする。
【0092】
カラゲーナンによりラットに誘発した急性炎症性痛覚過敏
方法はBoyceら(Neuropharmacology 33:1609−1611,1994)に記載の方法とする。
【0093】
アジュバントによりラットに誘発した関節炎
雌性Lewisラット(体重〜146〜170g)を計量し、耳に印を付け、各群内で体重が同等となるように群(関節炎を誘発させない陰性対照群、賦形剤対照群、合計1日用量1mg/kgのインドメタシンを投与した陽性対照、合計1日用量0.10〜3.0mg/kgの試験化合物を投与した4群)に分ける。軽い鉱油(アジュバント)0.1mLにMycobacterium butyricum 0.5mgを加え、ラット10匹からなる6群の各々の後足に注射し、ラット10匹からなる陰性対照群にはアジュバントを注射しない。アジュバント注射前(−1日)と21日後に体重測定、対側足容積測定(水銀置換プレチスモグラフィーにより測定)及び(ケタミン及びキシラジン麻酔下に)側面レントゲン写真撮影を行い、アジュバント注射前(−1日)と4日後及び21日後に同側足容積を測定する。レントゲン写真撮影とアジュバント注射では、ケタミン(87mg/kg)とキシラジン(13mg/kg)の併用剤0.03〜0.1mLの筋肉内注射によりラットに麻酔する。Faxitron(45kVp,30秒)とKodak X−OMAT TLフィルムを使用して0日と21日に両後足のレントゲン写真を撮影し、自動プロセッサーで現像する。実験処置を知らせていない調査者が硬軟組織の変化についてレントゲン写真を検査する。以下のレントゲン写真変化を重度に従って採点する。軟組織体積増加(0−4)、関節スペースの狭窄又は拡張(0−5)、軟骨下糜爛(0−3)、骨膜反応(0−4)、骨融解(0−4)、亜脱臼(0−3)及び変性関節変化(0−3)。特定基準を使用して各レントゲン写真変化の重度得点を設定する。片足の可能な最大スコアは26とした。アジュバント注射後から開始して21日間、合計1日用量0.1、0.3、1及び3mg/kg/日の試験化合物、合計1日用量1mg/kg/日のインドメタシン、又は賦形剤(0.5%メトセル滅菌水溶液)を1日2回経口投与する。化合物は毎週調製し、使用時まで暗所で冷蔵し、投与直前にボルテックス混合する。
【0094】
合成方法
【0095】
【化6】

【0096】
【化7】

【0097】
【化8】

【0098】
【化9】

【0099】
【化10】

【0100】
【化11】

【0101】
上記スキーム中、符号Arは式IのArに対応しており、場合により本明細書に記載するように置換されている。
【実施例1】
【0102】
4−{(1S)−1−[({1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−インドール−7−イル}カルボニル)アミノ]エチル}安息香酸
【0103】
【化12】

【0104】
ステップ1:1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−インドール−7−カルボン酸メチル
【0105】
【化13】

【0106】
1H−インドール−7−カルボン酸メチル(1g,5.71mmol)と1−(ブロモメチル)−3−(トリフルオロメチル)ベンゼン(956ul,6.28mmol)を氷浴中でDMF(16ml)に溶かした。60% w/w NaH(251mg,6.28mmol)を少量ずつ加えた。氷浴を除去し、混合物を室温で30分間撹拌した。反応混合物をNHCl(飽和)でクエンチし、エーテルで3回抽出した。有機層を合わせて水とブラインで洗浄した。化合物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。1H NMR(500MHz,DMSO−d6):δ7.40(d,1H),7.25(s,1H),7.10(m,1H),7.00(m,2H),6.75(s,1H),6.65(t,1H),6.50(d,1H),6.25(s,1H),5.25(s,2H),2.05(d,3H)。
【0107】
ステップ2及びステップ3:4−{(1S)−1−[({1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−インドール−7−イル}カルボニル)アミノ]エチル}安息香酸メチル
【0108】
【化14】

【0109】
1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−インドール−7−カルボン酸メチル(1.4g,4.2mmol)をTHF(4.2ml)とMeOH(2.1ml)に溶かした。2M NaOH(2.1ml,4.2mmol)を加え、混合物を50℃で一晩撹拌した。混合物を冷却し、有機溶媒を除去し、1N HClに注いだ。得られた固形分を濾過し、水洗した。得られた固形分とHATU(262mg,0.689mmol)と(1S)−1−[4−(メトキシカルボニル)フェニル]エタンアミニウムクロリド(168mg,0.939mmol)の混合物に氷浴で冷却下にアセトニトリル(4.2ml)とDIPEA(272ul,1.56mmol)を加えた。氷浴を除去し、混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を除去し、粗混合物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。1H NMR(500MHz,DMSO−d6):δ8.95(d,1H),7.90(d,2H),7.75(d,1H),7.60−7.50(m,2H),7.50−7.40(m,3H),7.20(m,2H),7.10(t,1H),7.00(d,1H),6.65(s,1H),5.60(dd,2H),5.00(m,1H),3.85(s,3H),1.20(d,3H)。
【0110】
ステップ4:4−{(1S)−1−[({1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−インドール−7−イル}カルボニル)アミノ]エチル}安息香酸
【0111】
【化15】

【0112】
4−{(1S)−1−[({1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−インドール−7−イル}カルボニル)アミノ]エチル}安息香酸メチル(220mg,0.458mmol)をTHF(2ml)とMeOH(1.14ml)に溶かした。2M NaOH(1.14ml,2.29mmol)を加え、混合物を50℃で1時間撹拌した。混合物を冷却し、有機溶媒を除去し、1N HClに注いだ。得られた固形分を濾過し、水洗した。1H NMR(500MHz,DMSO−d6):δ12.90(bs,1H),8.90(d,1H),7.85(d,2H),7.75(d,1H),7.65−7.55(m,2H),7.50−7.40(m,3H),7.25(m,2H),7.15−7.00(m,4H),7.00(d,1H),6.65(s,1H),5.60(dd,2H),5.00(m,1H),1.20(d,3H)。MS−ESI(464.9)。
【0113】
下記実施例2〜10はスキーム1と実施例1を適宜変更することにより製造することができる。
【実施例2】
【0114】
4−[(1S)−1−({[1−(3−クロロベンジル)−1H−インドール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸
【0115】
【化16】

【0116】
標記化合物は実施例1を適宜変更することにより製造することができる。
1H NMR(500MHz,アセトン−d6):δ8.00(d,2H),7.95(d,1H),7.74(d,1H),7.55(d,2H),7.46(s,1H),7.29(d,1H),7.24(s,1H),7.23(s,1H),7.08(t,1H),6.89(s,1H),6.85(m,1H),6.65(s,1H),5.73(d,1H),5.58(d,1H),5.72(m,1H),1.42(d,3H)。
【実施例3】
【0117】
4−[(1S)−1−({[1−(3−クロロフェニル)−1H−インドール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸
【0118】
【化17】

【0119】
ステップ1:1−(3−クロロフェニル)−1H−インドール−7−カルボン酸メチル
1H−インドール−7−カルボン酸メチル(0.175g)、3−ヨード−クロロベンゼン(0.358g)、CsCO(0.490g)、CuCl(0.099g)及び2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン(0.04mL)をN−メチルピロリジン5mLに加えた混合物を120℃に3日間加熱した。次に混合物をEtOAc 50mLで希釈し、シリカゲルパッドで濾過した。濾液を水15mLで3回洗浄し、NaSOで乾燥した。濾過及び濃縮後、EtOAc/ヘキサンで勾配溶離下にCombiflashにより残渣を精製し、標記化合物0.1gを得た。1H NMR(500MHz,アセトン−d6):δ7.90(d,1H),7.58(d,1H),7.50−7.58(m,2H),7.41−7.46(m,2H),7.23(d,1H),7.25(t,1H),6.83(s,1H)。
【0120】
ステップ2:1−(3−クロロフェニル)−1H−インドール−7−カルボン酸
ステップ1の生成物(0.1g)とLiOH(3mL,1N)を1:1:1 THF/MeOH/HO 15mLに加えた混合物を室温で2日間撹拌し、55℃に20時間加熱した。混合物を冷却し、1N HCl 5mLで処理した後、EtOAc 30mLで抽出した。EtOAc抽出相をNaSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、粗生成物(0.1g)を得、それ以上精製せずに次段階で使用した。
【0121】
ステップ3:4−[(1S)1−({[1−(3−クロロフェニル)−1H−インドール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸
実施例1のステップ3及び4に記載した手順と同一手順を使用することによりステップ3の粗生成物(0.1g)から標記化合物を白色固体(0.11g)として製造した。1H NMR(500MHz,アセトン−d6):δ8.00(s,2H),7.89(d,1H),7.75(d,1H),7.48(d,2H),7.49(d,1H),7.30−7.40(m,3H),7.19(t,1H),7.78(s,1H),4.85(m,1H),1.36(d,3H)。
【0122】
下記実施例4〜10は実施例1を適宜変更することにより製造することができる。
【実施例4】
【0123】
4−{(1S)−1−[({1−[3−クロロ−4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]−1H−インドール−7−イル}カルボニル)アミノ]エチル}安息香酸
【0124】
【化18】

【0125】
H NMR(400MHz,DMSO):δ12.75(bs,1H),9.95(d,1H),7.90(d,2H),7.75(d,1H),7.55(d,1H),7.45(d,2H),7.35(d,1H),7.25(d,1H),7.15(t,1H),7.05(s,1H),6.85(d,1H),6.65(s,1H),5.50(dd,2H),5.05(m,1H),1.25(d,3H)。MS−ESI(514.9)。
【実施例5】
【0126】
4−{(1S)−1−[({1−[2−(3−クロロフェニル)エチル]−1H−インドール−7−イル}カルボニル)アミノ]エチル}安息香酸
【0127】
【化19】

【0128】
H NMR(400MHz,DMSO):δ12.80(bs,1H),9.20(d,1H),7.90(d,2H),7.65(d,1H),7.55(d,2H),7.30−7.15(m,4H),7.15(t,2H),7.25(d,1H),6.95(d,1H),6.55(s,1H),5.30(m,1H),4.35(t,2H),2.80(m,2H),1.45(d,3H)。MS−ESI(445.1)。
【実施例6】
【0129】
4−[(1S)−1−({[1−(3−クロロベンジル)−3−メチル−1H−インドール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸
【0130】
【化20】

【0131】
H NMR(400MHz,DMSO):δ12.85(bs,1H),8.90(d,1H),7.90(d,2H),7.75(d,1H),7.45(d,2H),7.30−7.20(m,4H),7.10(t,1H),6.90(s,1H),6.75(d,1H),6.65(s,1H),5.45(dd,2H),5.05(m,1H),2.30(s,3H),1.30(d,3H)。MS−ESI(447.0)。
【実施例7】
【0132】
4−[(1S)−1−({[3−クロロ−1−(3−クロロベンジル)−1H−インドール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸
【0133】
【化21】

【0134】
H NMR(400MHz,DMSO):δ12.80(bs,1H),9.00(d,1H),7.85(d,2H),7.80(d,1H),7.65(d,1H),7.45(d,2H),7.40−7.20(m,4H),6.90(s,1H),6.75(d,1H),5.50(dd,2H),5.05(m,1H),1.30(d,3H)。MS−ESI(464.9)。
【実施例8】
【0135】
4−[(1S)−1−({[3−アセチル−1−(3−クロロベンジル)−1H−インドール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸
【0136】
【化22】

【0137】
H NMR(400MHz,DMSO):δ12.80(bs,1H),9.00(d,1H),8.60(s,1H),8.40(d,1H),7.90(d,2H),7.40(d,2H),7.40−7.20(m,4H),7.00(s,1H),6.80(d,1H),5.60(dd,2H),5.00(m,1H),1.25(d,3H)。MS−ESI(475.0)。
【実施例9】
【0138】
4−[(1S)−1−({[5−クロロ−1−(3−クロロベンジル)−1H−インドール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸
【0139】
【化23】

【0140】
4−[(1S)−1−({[5−クロロ−1−(3−クロロベンジル)−1H−インドール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸。H NMR(400MHz,DMSO):δ12.85(bs,1H),9.05(d,1H),7.85(d,2H),7.80(s,1H),7.60(s,1H),7.40(d,2H),7.30−7.15(m,3H),6.80(s,1H),6.70(d,1H),6.60(s,1H),5.50(dd,2H),5.00(m,1H),1.25(d,3H)。MS−ESI(465.0)。
【実施例10】
【0141】
4−[(1S)−1−({[1−(3−クロロベンジル)−2−メチル−1H−インドール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸
【0142】
【化24】

【0143】
4−[(1S)−1−({[1−(3−クロロベンジル)−2−メチル−1H−インドール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸。H NMR(400MHz,DMSO):δ12.80(bs,1H),8.90(d,1H),7.80(d,2H),7.60(d,1H),7.35(d,2H),7.30−7.20(m,2H),7.15−7.00(m,2H),6.70(s,1H),6.65(d,1H),6.45(s,1H),5.50(dd,2H),5.05(m,1H),2.30(s,3H),1.20(d,3H)。MS−ESI(445.0)。
【実施例11】
【0144】
4−[(1S)−1−({[1−(3−クロロベンジル)−1H−インダゾール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸
【0145】
【化25】

【0146】
ステップ1及び2:1H−インダゾール−7−カルボン酸メチル
【0147】
【化26】

【0148】
2−アミノ−3−メチル安息香酸(25g,165mmol)のMeOH(500mL)溶液に濃硫酸(100mL,1654mmol)をゆっくりと加えた後、溶液を一晩還流した。0℃まで冷却し、炭酸ナトリウムをゆっくりと加えることにより中和した後、溶液をEtOAcで抽出した。次に有機相を合わせてブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。5−25% EtOAc/ヘキサンを使用してフラッシュクロマトグラフィーによりメチルエステルを精製し、純エステル13gを得た。1H NMR(500MHz,CDCl3):δ7.8(d,1H),7.2(d,1H),6.6(t,1H),5.9(bs,2H),3.9(s,3H),2.2(s,3H)。
【0149】
2−アミノ−3−メチル安息香酸メチル(13g,78.7mmol)の0℃のAcOH(500mL)溶液に亜硝酸ナトリウム(6.5g,94.2mmol)の水(100mL)溶液を1時間かけて滴下した。溶液を室温で一晩撹拌後、その容量の10分の1まで濃縮した後、5%水酸化アンモニウムをゆっくりと加えることにより中和した。次に溶液をEtOAcで抽出した後、有機相を合わせてブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。5−25% EtOAc/ヘキサンを使用してフラッシュクロマトグラフィーによりインダゾールメチルエステルを精製し、純エステル10gを得た。H NMR(500MHz,CDCl3):δ12.5(bs,1H),8.2(s,1H),8.1(m,2H),7.3(t,1H),4.09(s,3H)。LRMS M+1 177.1。
【0150】
ステップ3:4−[(1S)−1−({[1−(3−クロロベンジル)−1H−インダゾール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸
【0151】
【化27】

【0152】
スキーム1に示し、実施例1に記載したと同様にその後のステップを実施し、標記化合物を得た。
【0153】
H NMR(400MHz,DMSO):δ12.75(bs,1H),9.75(d,1H),8.90(s,1H),8.1−7.9(m,4H),7.55(s,1H),7.45−7.3(m,5H),7.35(t,1H),5.80(s,2H),5.335(dq,1H),1.50(d,3H)。MS−ESI(431.9)。
【実施例12】
【0154】
4−[(1S)−1−({[5−クロロ−1−(3−クロロベンジル)−1H−インダゾール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸
【0155】
【化28】

【0156】
本実施例は2−アミノ−5−クロロ−3−メチル安息香酸を出発材料とする以外は実施例11に従って製造することができる。
【0157】
H NMR(400MHz,DMSO):δ12.75(bs,1H),9.50(d,1H),8.80(s,1H),8.20(s,1H),7.9−7.7(m,3H),7.60−7.3(m,6H),5.70(s,2H),5.35(dq,1H),1.50(d,3H)。MS−ESI(431.9)。
【実施例13】
【0158】
4−{(1S)−1−[({3−[(3−クロロフェニル)チオ]−1H−インドール−4−イル}カルボニル)アミノ]エチル}安息香酸
【0159】
【化29】

【0160】
ステップ1:3−[(3−クロロフェニル)チオ]−1H−インドール−4−カルボン酸メチル
【0161】
【化30】

【0162】
市販の1H−インドール−4−カルボン酸メチル(300mg,1.71mmol)の0℃のDMF(5mL)溶液に60%水素化ナトリウム(137mg,3.42mmol)を加え、得られた溶液を30分間撹拌した。ジスルフィド(589mg,2.05mmol)を加え、溶液を3時間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、溶液を酢酸エチルで抽出した。次に有機相を合わせてブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。カラムクロマトグラフィー(5−50% EtOAc/ヘキサン)を使用してフラッシュクロマトグラフィーにより化合物を精製し、無色油状物として300mgを得た。H NMR(500MHz,CDCl3):δ11.9(bs,1H),8.3−8.1(m,2H),7.9−7.5(m,6H),4.0(s,3H)。
【0163】
ステップ2:4−{(1S)−1−[({3−[(3−クロロフェニル)チオ]−1H−インドール−4−イル}カルボニル)アミノ]エチル}安息香酸
【0164】
【化31】

【0165】
スキーム1に示し、実施例1に記載したと同様に加水分解、HATUカップリング及びエステル加水分解を実施し、標記化合物を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d6):δ12.3(bs,1H),11.5(bs,1H),8.1(d,1H),7.5−7.0(m,6H),6.9−6.30(m,6H),4.7(q,1H),0.9(d,3H)。
【実施例14】
【0166】
4−[(1S)−1−({[3−(3−クロロベンジル)−1H−インドール−4−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸
【0167】
【化32】

【0168】
ステップ1:3−(3−クロロベンジル)−1H−インドール−4−カルボン酸メチル
【0169】
【化33】

【0170】
市販の1H−インドール−4−カルボン酸メチル(5g,28.5mmol)の0℃のジクロロメタン(100mL)溶液に3−クロロベンズアルデヒド(5mL,43.8mmol)、トリエチルシラン(15mL,93.9mmol)及びトリフルオロ酢酸(5mL,64.9mmol)を加え、得られた溶液を室温まで昇温させながら一晩撹拌した。次に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で反応をクエンチし、溶液をジクロロメタンで抽出した。次に有機相を合わせてブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。得られた固形分を冷10:1 ヘキサン:ジクロロメタンで洗浄し、標記化合物6gを白色固体として得た。H NMR(500MHz,d6−アセトン):δ8.5(s,1H),8.0(m,2H),7.4−7.1(m,5H),5.7(s,2H),4.0(s,3H)。
【0171】
ステップ2:4−[(1S)−1−({[3−(3−クロロベンジル)−1H−インドール−4−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸
【0172】
【化34】

【0173】
スキーム1に示したと同様に加水分解、HATUカップリング及びエステル加水分解を実施し、標記化合物を得た。H NMR(500MHz,d6−アセトン):δ11.0(bs,1H),10.3(bs,1H),8.0(d,2H),7.8(m,1H),7.6(d,2H),7.5(d,1H),7.3−7.0(m,6H),5.2(dq,1H),4.4(d,1H),4.1(d,1H),1.6(d,2H)。LRMS M−1 430.8 M+1 433.2。
【実施例15】
【0174】
4−[(1S)−1−({[5−クロロ−1−(3−クロロベンジル)−1H−ベンゾイミダゾール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸
【0175】
【化35】

【0176】
標記化合物はスキーム5に示したように製造することができる。実施例1に記載したと同様に加水分解、HATUカップリング及びエステル加水分解を実施し、標記化合物を得た。1H NMR(500MHz,d6−アセトン):δ11.0(bs,1H),9.1(d,1H),8.6(s,1H),8.0(m,3H),7.5−7.0(m,6H),6.7(d,1H),5.6(AB q,2H),5.0(dq,1H),1.4(d,3H)。LRMS M−1 466.1 M+1 468.1。
【実施例16】
【0177】
4−[(1S)−1−({[5−クロロ−1−(3−クロロベンジル)−1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸
【0178】
【化36】

【0179】
ステップ1:4−[(1S)−1−({5−クロロ−2−[(3−クロロベンジル)アミノ]−3−ニトロベンゾイル}アミノ)エチル]安息香酸メチル
【0180】
【化37】

【0181】
4−{(1S)−1−[(2,5−ジクロロ−3−ニトロベンゾイル)アミノ]エチル}安息香酸メチル(500mg,1.26mmol)と3−クロロベンジルアミン(1089mg,7.69mmmol)をTHF 50mlに溶かした。混合物を一晩還流した後、冷却した。溶媒を除去し、粗混合物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。H NMR(400MHz,DMSO):δ9.25(d,1H),8.20(t,1H),8.15(s,1H),7.95(d,2H),7.70(s,1H),7.60(d,2H),7.30(m,2H),7.15(s,1H),7.05(d,1H),5.10(m,2H),4.10(m,2H),4.85(s,3H),1.45(d,3H)。
【0182】
ステップ2:4−[(1S)−1−({3−アミノ−5−クロロ−2−[(3−クロロベンジル)アミノ]ベンゾイル}アミノ)エチル]安息香酸メチル
Synlett.1998,1161に記載の手順に従って4−[(1S)−1−({5−クロロ−2−[(3−クロロベンジル)アミノ]−3−ニトロベンゾイル}アミノ)エチル]安息香酸メチルから製造した。H NMR(400MHz,DMSO):δ8.90(d,1H),7.95(d,2H),7.45(d,2H),7.30−7.20(m,3H),7.05(d,1H),5.25(bs,2H),5.05(m,1H),4.05−3.85(m,5H),4.85(s,3H),1.40(d,3H)。
【0183】
ステップ3:4−[(1S)−1−({[5−クロロ−1−(3−クロロベンジル)−1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸メチル
4−[(1S)−1−({3−アミノ−5−クロロ−2−[(3−クロロベンジル)アミノ]ベンゾイル}アミノ)エチル]安息香酸メチル(169mg,0.358mmol)をAcOH 5mlに溶かした。0℃まで冷却し、亜硝酸ナトリウム(25.9mg,0.379mmol)を水5mlに溶かして1時間加えた。室温で一晩撹拌した。更に亜硝酸ナトリウム0.5当量を加え、1時間撹拌した。混合物をNaHCO(飽和)に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥した。溶媒を除去し、粗混合物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。H NMR(400MHz,DMSO):δ12.90(bs,1H),9.35(d,1H),8.50(s,1H),7.90(d,2H),7.80(s,1H),7.60(d,2H),7.30(d,1H),7.20(t,1H),7.05(s,1H),6.85(d,1H),6.05(dd,2H),5.10(m,1H),1.35(d,3H)。MS−ESI(466.8)。
【0184】
ステップ4:4−[(1S)−1−({[5−クロロ−1−(3−クロロベンジル)−1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸
【0185】
【化38】

【0186】
実施例1に記載したと同様に4−[(1S)−1−({[5−クロロ−1−(3−クロロベンジル)−1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸メチルエステルの加水分解を実施し、標記化合物を得た。H NMR(400MHz,DMSO):δ12.90(bs,1H),9.35(d,1H),8.50(s,1H),7.90(d,2H),7.80(s,1H),7.60(d,2H),7.30(d,1H),7.20(t,1H),7.05(s,1H),6.85(d,1H),6.05(dd,2H),5.10(m,1H),1.35(d,3H)。MS−ESI(466.8)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
A、B及びCは各々独立してN、CH及びC(R)から選択され;
−D−E−F−は
−C(R)=C(R)−N−、
−C(R)=N−C(R)−、
−C(R)=N−N−、
−N=C(R)−N−、
−N=N−N−、
−C(R)−N=C−、
−N(R)−C(R)=C−、
−N(R)−N=C−、
−O−N=C−及び
−S−N=C−
(式中、各Rは独立して水素、C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル、C1−4アルコキシ、C1−4フルオロアルコキシ及びアセチルから構成される群から選択され;
は水素、ハロ、C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル、C1−4アルコキシ、C1−4フルオロアルコキシ及びアセチルから構成される群から選択される)から構成される群から選択され;
Xは結合、−CH−又は−CH−CH−であり、−D−E−F−が−C(R)=N−C(R)−である場合にはXは更に−S−でもよく;
Ar及びArは独立してC3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリル、又はC3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリルの縮合誘導体から構成される群から選択され、Arは場合により1〜3個のR基で置換されており、Arは場合により1〜3個のR基で置換されており;
、R、R及びRは独立してハロ、C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル、C1−4アルコキシ、C1−4フルオロアルコキシ及びアセチルから構成される群から選択される]の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項2】
がメチルである請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Arが場合により1〜3個のR基で置換されたフェニルである請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Arが場合により1〜3個のR基で置換されたフェニルである請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
A、B及びCが各々独立してCH及びC(R)から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
請求項1に記載の式Ia:
【化2】

[式中、
−D−E−F−は
−C(R)=C(R)−N−、
−C(R)=N−N−、
−N(R)−C(R)=C−、
−N=C(R)−N−及び
−N=N−N−
(式中、各Rは独立して水素、C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル、C1−4アルコキシ、C1−4フルオロアルコキシ及びアセチルから構成される群から選択され;
は水素、ハロ、C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル、C1−4アルコキシ、C1−4フルオロアルコキシ及びアセチルから構成される群から選択される)から構成される群から選択され;
Xは結合又は−CH−であり;
及びRは独立してハロ、C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル、C1−4アルコキシ、C1−4フルオロアルコキシ及びアセチルから構成される群から選択される]の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項7】
Xが−CH−である請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
各Rが独立して水素、メチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ及びアセチルから構成される群から選択され;
が水素、クロロ、メチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ及びアセチルから構成される群から選択され;
及びRが独立してクロロ、メチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ及びアセチルから構成される群から選択される請求項6に記載の化合物。
【請求項9】
−D−E−F−が−C(R)=C(R)−N−である請求項6に記載の化合物。
【請求項10】
−D−E−F−が−C(R)=N−N−である請求項6に記載の化合物。
【請求項11】
−D−E−F−が−N(R)−C(R)=C−である請求項6に記載の化合物。
【請求項12】
−D−E−F−が−N=C(R)−N−である請求項6に記載の化合物。
【請求項13】
−D−E−F−が−N=N−N−である請求項6に記載の化合物。
【請求項14】
(16)4−{(1S)−1−[({1−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−インドール−7−イル}カルボニル)アミノ]エチル}安息香酸;
(17)4−[(1S)−1−({[1−(3−クロロベンジル)−1H−インドール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸;
(18)4−{(1S)−1−[({1−[3−クロロ−4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]−1H−インドール−7−イル}カルボニル)アミノ]エチル}安息香酸;
(19)4−{(1S)−1−[({1−[2−(3−クロロフェニル)エチル]−1H−インドール−7−イル}カルボニル)アミノ]エチル}安息香酸;
(20)4−[(1S)−1−({[1−(3−クロロベンジル)−3−メチル−1H−インドール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸;
(21)4−[(1S)−1−({[3−クロロ−1−(3−クロロベンジル)−1H−インドール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸;
(22)4−[(1S)−1−({[3−アセチル−1−(3−クロロベンジル)−1H−インドール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸;
(23)4−[(1S)−1−({[5−クロロ−1−(3−クロロベンジル)−1H−インドール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸;
(24)4−[(1S)−1−({[5−クロロ−1−(3−クロロベンジル)−1H−インドール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸;
(25)4−[(1S)−1−({[1−(3−クロロベンジル)−2−メチル−1H−インドール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸;
(26)4−[(1S)−1−({[1−(3−クロロベンジル)−1H−インダゾール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸;
4−[(1S)−1−({[5−クロロ−1−(3−クロロベンジル)−1H−インダゾール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸;
(27)4−{(1S)−1−[({3−[(3−クロロフェニル)チオ]−1H−インドール−4−イル}カルボニル)アミノ]エチル}安息香酸;
(28)4−[(1S)−1−({[3−(3−クロロベンジル)−1H−インドール−4−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸;
(29)4−[(1S)−1−({[5−クロロ−1−(3−クロロベンジル)−1H−ベンゾイミダゾール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸;及び
(30)4−[(1S)−1−({[5−クロロ−1−(3−クロロベンジル)−1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−7−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸から選択される請求項1に記載の化合物又は前記化合物のいずれかの医薬的に許容可能な塩。
【請求項15】
1種以上の生理的に許容可能な担体又は賦形剤との混合物として請求項1に記載の化合物を含有する医薬組成物。
【請求項16】
ヒト又は動物医薬用としての請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な誘導体。
【請求項17】
EP4受容体に対するPGE2の作用に媒介される病態のヒト又は動物対象の治療方法であって、有効量の請求項1に記載の化合物を前記対象に投与することを含む前記方法。
【請求項18】
EP4受容体に対するPGE2の作用に媒介される病態の治療用治療剤の製造における請求項1に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2009−534430(P2009−534430A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−506874(P2009−506874)
【出願日】平成19年4月23日(2007.4.23)
【国際出願番号】PCT/CA2007/000689
【国際公開番号】WO2007/121578
【国際公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(305042057)メルク フロスト カナダ リミテツド (99)
【Fターム(参考)】