説明

GABA−Bエンハンサーとしての3−メタンスルホニルキノリン

本発明は、式(I)の化合物に関し、式中、R、RおよびRは、明細書に定義されたとおりであり、それらは、GABAレセプターにおいて活性であって、CNS障害の制御および予防に有益な薬剤の製造のために使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式I
【0002】
【化11】

【0003】
〔式中、
は、場合により、Cl、F、C1−7−ハロアルキル、ヒドロキシ、C1−7−アルコキシ、C1−7−ハロアルコキシ、ジ(C1−7)アルキルアミノおよびC1−7−アルキルスルホニルからなる群より選択される1個以上の置換基によって置換されるフェニルであるか、または場合によりOHよって置換される5員もしくは6員のへテロシクロアルキルであり;
は、Br、I、C1−7−アルキル、C1−7−アルコキシ、C1−7−ハロアルキル、C1−7−ハロアルコキシ、アリールオキシ、アリールスルホニルか、または場合によりフェニルよって置換されるC3−6−シクロアルキルであるか、あるいは−NR(式中、RおよびRは、C1−7−アルキルであるか、または、RとRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって4〜8員のヘテロシクロアルキル基を形成してもよく、それは、ハロ、C1−7−アルキル、C1−7−アルコキシ、ヒドロキシ、フェニルおよびジ(C1−7)アルキルアミノからなる群より選択される1個以上の置換基によって置換されてもよい)であり;
は、H、C1−7−アルキルまたはC3−6−シクロアルキルである]
の化合物、ならびに光学異性体および薬学的に許容されるその塩に関する。
【0004】
式Iの化合物およびそれらの塩は、有益な治療特性で特色づけられる。化合物が、GABAレセプター上で活性があることが見出された。
【0005】
γ−アミノ酪酸(GABA)、すなわち最も豊富に存在する抑制性神経伝達物質は、イオンチャネル共役型GABAA/C受容体および代謝共役型GABAレセプターの両方を活性化する(Hill および Bowery, Nature, 290, 149-152, 1981)。シナプス前末端およびシナプス後ニューロン上の哺乳類脳の大部分の領域に存在しているGABAレセプターは、抑制性シナプス伝達の微調整に関与する。高電位で活性化されたCa2+チャネル(P/Q−およびN−タイプ)の調節を通じてシナプス前GABAレセプターは、多数の神経伝達物質の放出を抑制する。シナプス後GABAレセプターは、G−タンパク共役型内向き整流K(GIRK)チャンネルを活性化し、そしてアデニリル・シクラーゼを調整する(Billintonら, VB/28.03.2006 Trends Neurosci., 24, 277-282, 2001; Boweryら, Pharmacol. Rev.. 54, 247-264, 2002)。GABAレセプターが、さまざまな神経伝達物質系の活性を調節するために戦略的に位置しているので、GABAレセプターリガンドは、不安神経症、うつ病、てんかん、統合失調症および認識障害の治療において、治療に応用できる可能性を有することができる(VacherおよびBettler, Curr. Drug Target, CNS Neurol. Disord. 2, 248-259, 2003; Bettlerら, Physiol Rev. 84, 835-867, 2004)。
【0006】
天然GABAレセプターは、2種のサブユニット、すなわちGABAR1およびGABAR2サブユニットからなるヘテロメリック構造である(Kaupmannら, Nature, 386, 239-246, 1997; Nature, 396, 683-687, 1998)。GABAR1とGABAR2の構造は、それらが、ファミリー3と呼ばれる、G−タンパク共役型レセプター(GPCR)のファミリーに属することを示す。GRCRのファミリー3の他のメンバーは、代謝共役型グルタミン酸(mGlu1−8)レセプター、カルシウム感知レセプター、鋤鼻レセプター、フェロモンレセプターおよび推定味覚(putarive taste)レセプターを含む(Pinら, Pharmaco.. Ther. 98, 325-354, 2003)。ファミリー3レセプター(GABAレセプターを含む)は、2つの明らかに分離した位相ドメイン:すなわちアゴニスト結合(オルトステリック部位)のためのハエジゴクのモジュールを含む、例外的に長い細胞外アミノ末端ドメイン(ATD、500−600アミノ酸)(Galvezら, J. Biol. Chem., 275, 41166-41174, 2000)、ならびにレセプター活性化およびG−タンパク共役に関与する7TMらせんセグメントプラス細胞間カルボキシル末端ドメインによって特徴付けられる。GABAR1R2ヘテロダイマーにおけるアゴニストによるレセプター活性化の機序は、GPCRの中で独特である。ヘテロマーにおいて、GABAR1サブユニットだけがGABAに結合するが、その一方でGABAR2は、G−タンパクの共役および活性化に関与する(Havlickovaら, Mol Pharmacol. 62, 343-350, 2002; Kniazeffら, J. Neurosci., 22, 7352-7361, 2002)。
【0007】
Schulerら、Neuron, 31, 47-58, 2001は、GABAR1ノックアウト(KO)マウスが、自発性発作および痛覚過敏を示すことを明示している。これらKOマウスは、全ての生化学的および電気生理学的なGABA反応を失っている。興味深いことに、GABAR1のKOマウスは、2つの不安神経症パラダイム、すなわち明暗箱(明箱での時間の減少)および階段テスト(後部および上った段数の減少)において、より不安であった。それらは、記憶過程障害を表す受動回避行動モデルの明らかな機能障害を示した。GABAR1のKOはまた、新しい環境において、自発運動の増加および活発性過度を見せた。GABAR1遺伝子は、染色体6p21.3(HLAクラスI、統合失調症、てんかん、および失読症に関連を有する領域にある)にマップされる(Petersら, Neurogenetics, 2, 47-54, 1998)。Mondabonら、Am. J. Med. Genet 122B/1, 134, 2003は、統合失調症を伴うGABAR1遺伝子のAla20Val多型の弱い関連性について報告している。さらに、Gassmannら、J Neurosci. 24, 6086-6097, 2004は、GABAR2KOマウスが、GABAR1KOマウスに匹敵する、自発性発作、痛覚過敏、自発運動亢進活性および重度の記憶障害を患うことを示している。したがって、ヘテロメリックGABAR1R2レセプターが、これらの表現型の原因である。
【0008】
バクロフェン(リオレサールθ、β―クロロフェニル GABA)、天然レセプターでEC50=210nMを有する選択的GABAレセプターアゴニストは、以下の脊髄損傷、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、脳性麻痺に付随する、患者における痙性および骨格筋硬直の治療のための臨床試験において1972年から使用されている唯一のリガンドである。バクロフェンとGABAレセプターアゴニストを用いて行われた前臨床および臨床試験のほとんどが、神経因性疼痛ならびにコカインおよびニコチンと関連する渇望の治療のためであった(Misgeldら, Prog. Neurobiol. 46, 423-462, 1995; Ennaら, Life Sci, 62, 1525-1530, 1998; McCarsonおよびEnna, Neuropharmacology, 38, 1767-1773, 1999; Brebnerら, Neuropharmacology, 38, 1797-1804, 1999; Patersonら, Psychopharmacology, 172, 179-186, 2003)。パニック障害患者において、バクロフェンが、多くのパニック発作、ならびにハミルトン不安評価尺度、ズング(Zung)不安評価尺度およびカッツ(Katz)−R神経質下位尺度により評価されたような、不安神経症の症状を軽減することにおいて、有意に効果的であることが示された(Breslowら, Am. J. Psychiatry, 146, 353-356, 1989)。慢性の、戦闘による心的外傷後ストレス障害(PTSD)を伴う退役軍人の小さい群を用いた試験において、バクロフェンは効果的であり、そして十分に耐性のある治療であることがわかった。それは、PTSDの全般的な症状、最も顕著には回避、情緒的無感覚および過覚醒症状において、ならびに付随の不安神経症およびうつ病の軽減においても、有意な改善をもたらした(Drakeら, Ann. Pharmacother. 37., 1177-1181, 2003)。前臨床前試験において、バクロフェンは、精神病のラットのプレパルス抑制(PPI)モデルにおいて、ジゾシルピンによって誘発されるが、アポモルフィンによって誘発されない聴覚の驚愕反応のPPIにおける減少を逆転させることができた(Bortolatoら, Psychopharmacology, 171, 322-330, 2004)。したがって、GABAレセプターアゴニストは、精神障害の薬物療法における可能性を有する。残念ながら、バクロフェンは、その有用性を制限する、弱い血液脳関門浸透、超短時間の作用および狭い治療濃度域(筋の弛緩、鎮静および耐性)を含む多くの副作用を有する。
【0009】
Urwylerら、Mol. Pharmacol., 60, 963-971, 2001は、ポジティブアロステリックモジュレーター、CGP7930[2,6−ジ−tert−ブチル−4−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロピル)−フェノール]およびそのアルデヒド類似体CGP13501と呼ばれるGABAレセプターリガンドの新規クラスを報告している。これらのリガンドは、GABAレセプターでそれら自身に効果を有さないが、内因性GABAに合わて、それらがGABAR1R2でGABAの有効性および最大効果の両方を増加させる(Pinら, Mol. Pharmacol, 60, 881-884, 2001)。興味深いことに、CGP7930についての最近の研究(Binetら, J Biol Chem., 279, 29085-29091, 2004)は、このポジティブモジュレーターが、GABAR2サブユニットの7回膜貫通ドメイン(7TMD)を直接的に活性化することを示している。Mombereauら、Neuropsychopharmacology, 1-13, 2004は、不安神経症の明暗箱および高架式ゼロ迷路テストモデルにおいて、GABAレセプターポジティブモジュレーター、GS39783(N,N−ジシクロペンチル−2−メチルスルファニル−5−ニトロ−ピリミジン−4,6−ジアミン)(Urwylerら, J. Pharmacol Exp. Ther, 307, 322-330, 2003)による急性および慢性治療の抗不安作用を、最近報告している。GS39783(10mg/kg、経口、1日1回)による慢性治療(21日間)後の耐性は、観察されなかった。なぜならば、GABAエンハンサーは、GABAがない場合、レセプター活性には影響がないが、内因性GABAのためのGABAレセプターの親和性をアロステリック的に強化し、これらのリガンドがバクロフェンと比べて改善された副作用プロファイルを有するであろうと期待される。確かに、0.1〜200mg/kgの経口で、GS39783は、2.5〜15mg/kgの経口でこれらの副作用を示すバクロフェンと比較して、自発運動活性、回転踏み車、体温およびけん引力テストには影響がない。GS39783は、マウスおよびラットにおける受動回避行動テストによって評価されたような、認識動作には少しも影響しない。その上、GS39783は、高架式プラス迷路(ラット)、高架式ゼロ迷路(マウスおよびラット)、ならびにストレス誘導異常高熱(マウス)テストパラダイムにおいて、抗不安様作用を示した。そのために、GS39783は、バクロフェンまたはベンゾジアゼピンに関連する副作用のない新規な抗不安薬に相当する(Cryanら, J Pharmacol Exp Ther, 310, 952-963, 2004)。CGP7930およびGS39783による前臨床研究は、両化合物が、ラットにおけるコカイン自己投与の減少に有効であることを示している(Smithら, Psychopharmacology, 173, 105-111, 2004)。ポジティブモジュレーター、CGP7930もまた、胃食道逆流症(GERD)の治療のために前臨床的に試験されており、効果的であることがわかった(国際公開公報第03/090731号、胃腸障害におけるGABAレセプターポジティブモジュレーターの使用)。
【0010】
ポジティブアロステリックモジュレーターは、mGlu1レセプター(Knoflachら, Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 98, 13402-13407, 2001; Wichmannら, Farmaco, 57, 989-992, 2002)、カルシウム感知レセプター(NPS R−467およびNPS R−568)(Hammerlandら, Mol. Pharmacol., 53, 1083-1088, 1998)(US 6,313,146)、mGlu2レセプター[LY487379,N−(4−(2−メトキシフェノキシ)−フェニル−N−(2,2,2−トリフルオロエチルスルホニル)−ピリド−3−イルメチルアミンおよびその類似物)(国際公開公報第01/56990号、グルタミン酸レセプターの増強剤)ならびにmGlu5レセプター(CPPHA、N−{4−クロロ−2−[(l,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)メチル]フェニル}−2−ヒドロキシベンズアミド)(O'Brienら, J. Pharmaco. Exp. Ther., 27, Jan. 27, 2004)を含む他のファミリー3 GPCRに関して報告されている。興味深いことに、これらのポジティブモジュレーターが、7TMD領域内に位置する新規なアロステリック部位と結合し、それによって7TMD領域の活性状態を安定させることによってアゴニスト親和性を強化することが示されている(Knoflachら, Proc. Natl. Acad. Sci., USA 98, 13402-13407, 2001; Schaffhauserら, Mol. Pharmacol., 64, 798-810, 2003)。さらに、NPS R−467、NPS R−568(Tecalcet)および関連した化合物は、それらのアロステリック作用機序によって、臨床試験に入った最初のポジティブアロステリックモジュレーターを意味する。
【0011】
国際公開公報第2003080580号、国際公開公報第2005026125号および国際公開公報第2005040124号には、すでにCNS障害の治療のためのキノリン誘導体を記載した。それにもかかわらず、これらの特許出願で開示された化合物は、3−アリール/ヘテロアリールスルホニル−8−ピペラジン−キノリン誘導体であり、その誘導体は本発明の化合物とは異なる。
【0012】
本発明の目的は、式Iの化合物およびその薬学的に許容される酸付加塩、式Iの化合物およびその塩の製造、式Iの化合物またはその薬学的に許容される酸付加塩を含有する薬剤である。
【0013】
本発明のさらなる目的は、病気、特に冒頭にも触れた種類の病気および障害、例えば、不安神経症、うつ病、てんかん、統合失調症、認識障害、痙縮および骨格筋の硬直、脊髄損傷、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、脳性麻痺、神経因性疼痛ならびにコカインおよびニコチンと関連する渇望、精神病、パニック障害、心的外傷後ストレス障害または胃腸障害の制御または予防に有用であるそのような薬剤の製造のため、ならびにそれぞれ対応する薬剤の製造のための式Iの化合物および許容されるそれらの酸付加塩の使用である。
【0014】
さらに、本発明のさらなる目的は、本発明の化合物の製造に有用な、新規な中間体である。
【0015】
本明細書において使用される以下の一般用語の定義は、当該用語が単独または組み合わせて現れるかどうかに関係なく適用される。
【0016】
本明細書に使用されている、用語「アリール」は、場合により置換されたフェニルまたはナフチルより選択される一価環状芳香族炭化水素部分を意味する。アリールのための置換基としては、ハロ、ヒドロキシ、C1−7−アルキル、C1−7−アルコキシ、C1−7−ハロアルキル、C1−7−ハロアルコキシ、ならびに以下の本明細書の実施例によって特に例証されたような基を包含するが、これらに限定されない。
【0017】
「アリールオキシ」は、酸素原子を介して結合した、先に定義されたアリール基を意味する。好ましいアリールオキシは、フェニルオキシである。
【0018】
「アリールスルホニル」は、スルホニル基を介して結合した、先に定義されたアリール基を意味する。好ましいアリールスルホニルは、フェニルスルホニルである。
【0019】
「C1−7−アルキル」は、1〜7個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を含有する、直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素鎖基を意味する。そのような基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、n−ヘキシル、ならびに以下の本明細書の実施例によって特に例証されたものである。
【0020】
「C1−7−ハロアルキル」は、1個以上のハロゲンによって置換された、先に定義されたC1−7−アルキル基を意味する。C1−7−ハロアルキルの例は、1個以上のCl、F、BrまたはI原子によって置換されたメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチルまたはn−ヘキシル、ならびに以下の本明細書の実施例によって特に例証されたそれらの基を含むが、これらに限定されない。好ましいC1−7−ハロアルキルは、ジフルオロ−またはトリフルオロ−メチルまたはエチルである。
【0021】
「C1−7−アルコキシ」は、アルキル基が先に定義され、アルキル基が酸素原子を介して結合した基を意味する。好ましいアルコキシは、MeO−およびEtO−、ならびに以下の本明細書の実施例によって特に例証されたそれらの基である。
【0022】
「C1−7−ハロアルコキシ」は、1個以上のハロゲンによって置換された、先に定義されたC1−7−アルコキシ基を意味する。C1−7−ハロアルコキシの例は、1個以上のCl、F、BrまたはI原子によって置換されたメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、イソブトキシ、ならびに以下の本明細書の実施例によって特に例証されたそれらの基を含むが、これらに限定されない。好ましいC1−7−ハロアルコキシは、ジフルオロ−またはトリフルオロ−メトキシまたはエトキシ基である。
【0023】
「ハロ」または「ハロゲン」は、塩素、ヨウ素、フッ素および/または臭素を意味する。
【0024】
「C1−7−アルキルスルホニル」は、先に本明細書で定義されたC1−7−アルキルによって置換されたスルホニル基を意味する。C1−7−アルキルスルホニルの例は、メチルスルホニルおよびエチルスルホニル、ならびに以下の本明細書の実施例によって特に例証されたそれらの基を含むが、これらに限定されない。
【0025】
「ジ(C1−7)アルキルアミノ」は、RおよびRが先に本明細書で定義されたC1−7アルキル基である−NR基を意味する。ジ(C1−7)アルキルアミノ基の例は、ジ(メチル)アミノ、ジ(エチル)アミノ、メチルエチルアミノ、ならびに以下の本明細書の実施例によって特に例証されたそれらの基を含むが、これらに限定されない。
【0026】
「ヒドロキシ」は、1、2または3個の−OH基を意味する。
【0027】
「C3−6−シクロアルキル」は、環員として3〜6個の炭素原子を有する飽和炭素環状の環を意味し、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ならびに以下の本明細書の実施例によって特に例証されたそれらの基を含むが、これらに限定されない。
【0028】
「5員もしくは6員のへテロシクロアルキル」および「4〜8員のヘテロシクロアルキル」は、それぞれ5個もしくは6個または4〜8個の環原子を含み、そしてその上にN、OもしくはSより選択される1、2もしくは3個の環ヘテロ原子を含有し、残りの環原子はCである、飽和の単環もしくは2環状の環を意味する。好ましい4〜8員のヘテロシクロアルキル基は、5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル基である。例は、場合により置換されたアゼチジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、アゼピニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、キヌクリジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、チアジアゾリリジニル、ベンゾチアゾリジニル、ベンゾアゾリリジニル、ジヒドロフリル、テトラヒドロフリル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チオモルホリニルスルホキシド、チオモルホリニルスルホン、ジヒドロキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、1−オキソ−チオモルホリン、1,1−ジオキソ−チオモルホリン、1,4−ジアゼパン、1,4−オキサアゼパンおよび8−オキサ−3−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル、ならびに以下の本明細書の実施例によって特に例証されたそれらの基を含むが、これらに限定されない。好ましい5員もしくは6員のヘテロシクロアルキルは、モルホリンまたはピペリジン、特にモルホリン−4−イルまたはピペリジン−1−イルである。これらのヘテロシクロアルキル基のための置換基は、ハロ、ヒドロキシ、C1−7−アルキル、C1−7−アルコキシ、C1−7−ハロアルキル、C1−7−ハロアルコキシならびに以下の本明細書の実施例によって特に例証されたそれらの基を含むが、これらに限定されない。
【0029】
用語「薬学的に許容される酸付加塩」は、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、マレイン酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、メタン-スルホン酸、p−トルエンスルホン酸を含む無機および有機酸の塩を包含するが、これらに限定されない。
【0030】
特定の実施態様において、本発明による式Iの化合物は、式中:
が、場合により、Cl、FおよびC1−7−ハロアルキルからなる群より選択される1個以上の置換基によって置換されるフェニルであるか、
あるいは場合によりOHによって置換されるモルホリンまたはピペリジンであり;
が、Br、I、C1−7−ハロアルコキシ、場合によりフェニルよって置換されたC3−6−シクロアルキルであるか、あるいはモルホリンまたはピペリジンであり;
が、C1−7−アルキルである;
これらの化合物、ならびにその光学異性体および薬学的に許容される塩である。
【0031】
特定の実施態様において、本発明の化合物は、Rが、場合により、Cl、FおよびC1−7−ハロアルキルからなる群より選択される1個以上の置換基によって置換されたフェニルである、式Iのこれらの化合物であって、例えば以下の化合物:
3−メタンスルホニル−2−メチル−4−フェニル−6−トリフルオロメトキシ−キノリン;
6−ブロモ−3−メタンスルホニル−2−メチル−4−フェニル−キノリン;
3−メタンスルホニル−2−メチル−4−フェニル−6−ピペリジン−1−イル−キノリン;
3−メタンスルホニル−2−メチル−6−モルホリン−4−イル−4−フェニル−キノリン;
6−ブロモ−4−(4−フルオロ−フェニル)−3−メタンスルホニル−2−メチル−キノリン;
4−(4−フルオロ−フェニル)−3−メタンスルホニル−2−メチル−6−モルホリン−4−イル−キノリン;
6−ブロモ−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メタンスルホニル−2−メチル−キノリン;
4−(4−クロロ−フェニル)−3−メタンスルホニル−2−メチル−6−モルホリン−4−イル−キノリン;
3−メタンスルホニル−2−メチル−6−モルホリン−4−イル−4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−キノリン;
3−メタンスルホニル−2−メチル−6−モルホリン−4−イル−4−(2,4,5−トリフルオロ−フェニル)−キノリン;
6−ブロモ−3−メタンスルホニル−2−メチル−4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−キノリン;および
6−ブロモ−3−メタンスルホニル−2−メチル−4−(2,4,5−トリフルオロ−フェニル)−キノリン
である。
【0032】
特定の実施態様において、本発明の化合物は、Rがモルホリンである、式Iのこれらの化合物であって、例えば以下の化合物:
6−ヨード−3−メタンスルホニル−2−メチル−4−モルホリン−4−イル−キノリン;
6−ブロモ−3−メタンスルホニル−2−メチル−4−モルホリン−4−イル−キノリン;
3−メタンスルホニル−2−メチル−4−モルホリン−4−イル−6−((1R,2R)−2−フェニル−シクロプロピル)−キノリン;
3−メタンスルホニル−2−メチル−4−モルホリン−4−イル−6−ピペリジン−1−イル−キノリン;および
6−シクロプロピル−3−メタンスルホニル−2−メチル−4−モルホリン−4−イル−キノリン
である。
【0033】
特定の実施態様において、本発明の化合物は、Rが、場合によりOHによって置換されたピペリジンである、式Iのこれらの化合物であって、例えば以下の化合物:
6−ヨード−3−メタンスルホニル−2−メチル−4−ピペリジン−1−イル−キノリン;
1−(6−ヨード−3−メタンスルホニル−2−メチル−キノリン−4−イル)−ピペリジン−4−オール;
(R)−1−(6−ヨード−3−メタンスルホニル−2−メチル−キノリン−4−イル)−ピペリジン−3−オール;および
(S)−1−(6−ヨード−3−メタンスルホニル−2−メチル−キノリン−4−イル)−ピペリジン−3−オール
である。
【0034】
本発明はまた、以下の新規な中間化合物を含み、それは、本発明の化合物の製造に有用である:
(2−アミノ−5−ブロモ−フェニル)−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−メタノン;
(2−アミノ−5−ブロモ−フェニル)−(2,4,5−トリフルオロ−フェニル)−メタノン;
6−ブロモ−2−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン;
6−ヨード−2−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン;
6−ブロモ−3−メタンスルホニル−2−メチル−キノリン−4−オール;
6−ヨード−3−メタンスルホニル−2−メチル−キノリン−4−オール;
6−ブロモ−4−クロロ−3−メタンスルホニル−2−メチル−キノリン;および
4−クロロ−6−ヨード−3−メタンスルホニル−2−メチル−キノリン。
【0035】
また、式Iの化合物によって含まれるものは、次のとおりの式I−a、I−bおよびI−cである:
【0036】
【化12】

【0037】
式中、
が、場合により、OHによって置換される5員もしくは6員のへテロシクロアルキル環であり、前記ヘテロシクロアルキル環は、好ましくはモルホリンまたはピペリジンであり、
が、先に本明細書で定義されたとおりであり、
およびRが、先に本明細書で定義されたとおりであり、そして
Xが、BrまたはIである。
前記中間化合物の製造を、以下の本明細書の実施例に記載する。
【0038】
式I−a、I−bおよびI−cの化合物を、本発明の以下の方法によって製造することができる。
【0039】
a) 式IV
【0040】
【化13】

【0041】
の化合物を、MeCOCHSOMeと反応させ、式V:
【0042】
【化14】

【0043】
の化合物を得る、
【0044】
b) 式Vの化合物を、POClと反応させ、式VI:
【0045】
【化15】

【0046】
の化合物を得る、
【0047】
c) 式VIの化合物を、式HRの化合物と反応させ、式I−a:
【0048】
【化16】

【0049】
の化合物を得る、そして所望ならば、式I−aの化合物を:
【0050】
d)式HNRの化合物と反応させ、式I−b:
【0051】
【化17】

【0052】
の化合物を得るか、
【0053】
c) あるいは、式RB(OH)の化合物と反応させ、式I−c:
【0054】
【化18】

【0055】
の化合物を得る、
【0056】
(式中、
が、場合によりOHによって置換された5員もしくは6員環のヘテロシクロアルキル環であり、前記ヘテロシクロアルキル環が、好ましくはモルホリンまたはピペリジンであり、
が、先に本明細書で定義されたとおりであり、
およびRが、先に本明細書で定義されたとおりであり、そしてXが、BrまたはIである)、
そして所望ならば、得られた式I−a、I−bまたはI−cの化合物を、薬学的に許容される酸付加塩に変換する、工程を含むことを特徴とする。この製造方法を、下記の本明細書のスキーム4において、さらに詳細に述べる。
【0057】
本発明はまた、それが上述の方法に従って製造される、式Iの化合物を包含する。
【0058】
以下の一般スキーム1〜3は、さらに本発明記載の化合物の製造の特定の実施態様を例示する。これらのスキームにおいて、そして特に明記しない限り、全ての出発物質、構成要素および中間体は、市販されている。
【0059】
特定の実施態様において、Rがメチルである式Iの化合物を、スキーム1を用いて記載されたように、当技術分野で知られている一般的方法に従って製造することができる。
【0060】
【化19】

【0061】
工程a:この工程は、T. Sugasawa, T. Toyoda, M. Adachi,およびK Sasakura, J. Am. Chem. Soc. 100, 4842-4852 (1978)によって開発され、A W. Douglas, N. L. Abramson, I. N. Houpis, S. Karady, A Molina, L. C. Xavier, N. Yasuda, Tetrahedron Lett. 35, 6807-6810 (1994)によって改善された手順によって実行することができる。
【0062】
工程b:この工程は、1,3−ジケトンおよびβ−ケトエステルのために、A Arcadi, M. Chiarini, S. Di Giuseppe,およびF. Marinelli, Synlett 203-206 (2003)によって開発された手順に従って行うことができ、β−ケトアミドおよびβ−ケトスルホンとの反応にまで拡大された。後者は、メチルスルホニルアセトンの約2当量と数日間、式IIの中間体を加熱することによって製造した。以下に示された位置異性体もまた、収率5〜10%で形成される。
【0063】
【化20】

【0064】
特定の実施態様において、Rがメチルである式Iの化合物を、以下の本明細書のスキーム2に記載されたように、当技術分野で知られている一般的方法に従って製造することができる:
【0065】
【化21】

【0066】
工程c:この工程は、J. P. WolfeおよびS. L. Buchwald (J. Org. Chem. 2000, 65, 1144-1157)によって開発された手法によって実行することができる。X−PHOSが、触媒としてBINAPよりも優れていることが示された。好ましい溶媒は、tert−ブタノール単独またはジオキサンとの混合物であった。
【0067】
特定の実施態様において、Rがメチルである式Iの化合物を、以下の本明細書のスキーム3に記載されたように、本発明の一般的方法に従って製造することができる。
【0068】
【化22】

【0069】
このスキームにおいて:
が、場合によりOHによって置換される、5員もしくは6員のへテロシクロアルキル環であり、前記ヘテロシクロアルキル環は、好ましくはモルホリンまたはピペリジンである。
が、先に本明細書で定義されたとおりである。
およびRが、先に本明細書で定義されたとおりである。
Xが、BrまたはIである。
【0070】
工程d:この工程は、J. B. Jiang, D. P. Hesson, B. A Dusak, D. L. Dexter, G. J. Kang, E. Hamel, J. Med. Chem. 1990, 33, 1721-1728によって開発された手順によって実行することができる。
【0071】
工程e:この工程は、無水塩基性条件下で、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド中の水素化ナトリウムまたはカリウムtert−ブチラートの2当量との、酢酸カリウムの除去を伴うワンポット変換であってもよい。クロマトグラフィーの必要はない。
【0072】
工程f:この工程は、例えば、安定な塩基であるN,N−ジメチル−トルイジンの2当量およびオキシ塩化リンの1当量と、トルエン中で約6〜9時間還流する、ビニル性スルホニルクロリドの形成のための最適の方法である。反応はまた、塩基としてN,N−ジエチルアニリンの1当量と、そのままのオキシ塩化リン1当量中で約0.5〜1時間還流することにより、実行することもできる。生成物を、直接に沈殿させて、クロマトグラフィーなしで分離することができる。
【0073】
工程g:この工程は、適切な溶媒、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド中の第一級および第二級アミンによる求核置換であるか、またはブッフバルト条件(方法c)下の反応のいずれかであってもよい。
【0074】
工程h:この工程は、ブッフバルト条件(方法c)下での反応である。
【0075】
工程i:式VII(式中、R=Br)の基質は、適切な溶媒、例えば還流しているジオキサン中で、塩基、例えば三塩基性リン酸カリウムと鈴木クロスカップリング条件下で円滑に反応した。
【0076】
式Iの化合物の製造を、実施例1−21で、さらに詳細に記載する。
【0077】
前述のように、式Iの化合物およびそれらの薬学的に許容される付加塩は、有益な薬理特性を有する。本発明の化合物が、GABAレセプターへの親和性を有することが見出された。
【0078】
化合物を、以下に与えられた試験に従って調査した。
【0079】
細胞内のCa2+移動度の検定
ヒトGABAR1aR2aおよびGα16を安定に発現するチャイニーズハムスターの卵巣(CHO)細胞を、ポリ−D−リジン処理した、96−ウェル、黒/透明−底プレート(BD Biosciences, Palo Alto, CA)中に、5x10細胞/ウェルで播種した。24時間後、細胞を、ローディングバッファー(1xHBSS、20mM HEPES、2.5mM プロベネシド)中で、4μM Fluo−4 アセトキシメチルエステル(Catalog No. F- 14202, Molecular Probes, Eugene, OR)とともに、37℃で90分間ロードした。ハンクス平衡塩溶液(HBSS)(10X)(catalog No. 14065-049)およびHEPES(1M)(catalog No. 15630-056)を、Invitrogen, Carlsbad, CAから購入した。プロベネシド(250mM)(catalog No. P8761)を、Sigma, Buchs, Switzerlandから入手した。細胞を、ローディングバッファーを用いて5回洗浄して、過剰の染料を除去し、そして細胞内のカルシウムの移動、[Ca2+を、前述のように(Porterら, Br. J. Pharmacol., 128, 13-20, 1999)蛍光イメージングプレートリーダー(FLIPR, Molecular Devices, Menlo Park, CA)を使用して測定した。エンハンサーを、GABAの適用前に15分適用する。GABA−シフトの検定のために、GABA(0.0003〜30μM)の濃度−応答曲線を、10μMエンハンサーの不在下および存在下で決定した。GABA−シフトをLog[EC50(GABA+10μM エンハンサー)/EC50(GABA単独)]として定義する。%最大増強効果(%Emax)および各々のエンハンサーの有効性(EC50値)を、10nM GABA(EC10)の存在下でエンハンサー(0.001〜30μM)の濃度−応答曲線から決定した。応答を、10μM GABA単独(100%と見なす)および10nM GABA単独(0%と見なす)によって誘導される最大刺激効果に正規化された、基底値を蛍光から差し引いた、ピークの増加として測定した。データは、Maxが最大効果であり、EC50が半値効果を導き出している濃度、そしてnが傾き(Hill slope)である、方程式 Y=100+(Max−100)/(l+(EC50/[drug]))と適合した。
【0080】
【表1】

【0081】
式Iの化合物、ならびにそれらの薬学的に使用可能な酸付加塩を、薬剤、例えば医薬製剤の形態で使用することができる。医薬製剤は、経口的に、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬質ゼラチンカプセルおよび軟質セラチンカプセル、溶剤、乳剤または懸濁剤の形態で投与することができる。しかしながら、投与はまた、経直腸的に、例えば、坐剤の形態で、または非経口的に、例えば、注射液の形態で効果的であることもできる。
【0082】
式Iの化合物、ならびにそれらの薬学的に使用可能な酸付加塩は、錠剤、コーティング錠、糖衣錠および硬質ゼラチンカプセル製造のための、薬学的に不活性な無機または有機賦形剤とともに加工することができる。乳糖、トウモロコシデンプンまたはその誘導体、タルク、ステアリン酸またはその塩などは、例えば、錠剤、糖衣錠および硬質ゼラチンカプセルのための、このような賦形剤として使用することができる。
【0083】
軟質ゼラチンカプセルに適切な賦形剤は、例えば、植物油、ワックス、油脂、半液体および液体ポリオールである。
【0084】
溶剤およびシロップの製造に適切な賦形剤は、水、ポリオール、スクロース、転化糖、ブドウ糖を含むが、これらに限定されない。
【0085】
注射液に適切な賦形剤は、水、アルコール、ポリオール、グリセリン、植物油を含むが、これらに限定されない。
【0086】
坐剤に適切な賦形剤は、天然油または硬化油、ワックス、油脂、半液体または液体ポリオールを含むが、これらに限定されない。
【0087】
さらに、医薬製剤は、防腐剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色料、香味料、浸透圧を変えるための塩、緩衝剤、マスキング剤または酸化防止剤を含有することができる。それらは、さらにその他の治療的に有益な物質を含有することができる。
【0088】
用量は、広い範囲内で変動可能であり、各々の特定のケースにおける個々の要求に、もちろん適合されるであろう。一般に、経口投与の場合、一般式Iの化合物の約10〜1000mg/人の1日用量が、必要な場合には上記の上限も超えることができるが、適切であろう。
【0089】
錠剤処方(湿式造粒法)
品目 成分 1錠当たりのmg
5mg 25mg 100mg 500mg
1. 式Iの化合物 5 25 100 500
2. 無水乳糖 DTG 125 105 30 150
3. Sta−Rx 1500 6 6 6 30
4. 微晶質セルロース 30 30 30 150
5. ステアリン酸マグネシウム 1 1 1 1
合計 167 167 167 831
【0090】
製造手順
1. 品目1、2、3および4を混合して、精製水と造粒する。
2. 顆粒を50℃で乾燥する。
3. 顆粒を適切な製粉装置に通す。
4. 品目5を加えて3分間混合し;適切なプレスで圧縮する。
【0091】
カプセル処方
品目 成分 1カプセル当たりのmg
5mg 25mg 100mg 500mg
1. 式Iの化合物 5 25 100 500
2. 含水乳糖 159 123 148 ―――
3. トウモロコシデンプン 25 35 40 70
4. タルク 10 15 10 25
5. ステアリン酸マグネシウム 1 2 2 5
合計 200 200 300 600
【0092】
製造手順
1. 適切なミキサー内で、品目1、2および3を30分間混合する。
2. 品目4および5を加えて、3分間混合する。
3. 適切なカプセルに充填する。
【0093】
実施例
【0094】
中間体の合成
実施例A.1〜A.4:式IIの中間体
【0095】
実施例A.1
(2−アミノ−5−ブロモ−フェニル)−(4−フルオロ−フェニル)−メタノン
磁気撹拌棒、ゴム隔膜、温度計、ヒックマンコンデンサー、窒素吸気口および30%NaOHを含有する洗瓶に接続された窒素排気口を備えた反応装置中に、塩化ガリウム(III)の無水ビーズ(11.7g、66mmol)を一度に加え、次に1,2−ジクロロエタン(100mL)を加えて溶解した。この溶液を氷で冷却し、次に4−ブロモアニリン(9.5g、55mmol)を、5℃未満の温度を保持しながら、ゆっくり加えた。次に、溶液を−10℃に冷却し、ジクロロメタン中の新鮮な1M三塩化ホウ素溶液(61ml)を、−5℃未満の温度を保持しながら、テフロン製ストップコックを備えたシリンジを通して加えた。最後に、4−フルオロベンゾニトリル(6.7g、55mmol)を加えて、混合物を温めて20℃にした。ヒックマンコンデンサーを通常の還流コンデンサーに置き換えて、反応混合物を、全てのジクロロメタン(合計およそ100mLの蒸留物を回収した)を留去するために、80℃の還流温度に達するまで、油浴(90℃)で1〜2時間かけて加熱した。還流を14時間続けた。反応混合物を氷で冷却し、水(100mL)を用いてゆっくり加水分解して、次にイミンを加水分解するために、60〜80℃で20〜30分間加熱した。反応混合物を再度冷却し、次にジクロロメタンおよび水で2回抽出した。粗生成物を、100:0〜80:20のヘプタン/酢酸エチル勾配を用いてクロマトグラフィーによって精製し、黄色固体(7g、43%)を得た。MS:m/z=294(M)。
【0096】
実施例A.2
(2−アミノ−5−ブロモ−フェニル)−(4−クロロ−フェニル)−メタノン
標記化合物を、実施例A.1の手順に従って、4−ブロモアニリンと4−クロロベンゾニトリルを反応させることによって製造した。収率33%;MS:m/z=310(M)。
【0097】
実施例A.3
(2−アミノ−5−ブロモ−フェニル)−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−メタノン
標記化合物を、実施例A.1の手順に従って、4−ブロモアニリンと4−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリルと反応させることによって製造した。収率34%;MS:m/z=344(M)。
【0098】
実施例A.4
(2−アミノ−5−ブロモ−フェニル)−(2,4,5−トリフルオロ−フェニル)−メタノン
標記化合物を、実施例A.1の手順に従って、4−ブロモアニリンと2,4,5−
トリフルオロベンゾニトリルを反応させることによって製造した。収率26%;MS:m/z=330(M)。
【0099】
実施例B.1およびB.2:式IVの中間体
【0100】
実施例B.1
6−ブロモ−2−メチル−4H−3,l−ベンゾオキサジン−4−オン
2−アミノ−5−ブロモ安息香酸(25g、116mmol)を、分割して無水酢酸(150mL)に加え、僅かに発熱反応を生じて30℃になった。懸濁液を2時間加熱還流した。生成物は、冷やすと自然に結晶化した。氷中で30分間撹拌後、結晶を濾別し、ヘプタンを用いて2回洗浄した。結晶を、0.1mbar/50℃で完全に乾燥した。ベージュ色結晶22.4g(85%)を得た。MS:m/z=239/241(M)。
【0101】
実施例B.2
6−ヨード−2−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン
2-アミノ-5-ヨード安息香酸(25.4g、96.6mmol)を、分割して冷無水酢酸(100mL)に加えた。懸濁液を、最初に冷却せずに撹拌し、次に得られた濃沈殿物を、1時間加熱還流した(赤色溶液)。生成物は、冷やすと自然に結晶化した。氷中で30分間撹拌後、結晶を濾別し、ヘプタンを用いて2回洗浄した。結晶を、0.1mbar/50℃で完全に乾燥した。ベージュ色結晶25.1g(90%)を得た。MS:m/z=287(M)。
【0102】
実施例C.1およびC.2:式Vの中間体
【0103】
実施例C.1
6−ブロモ−3−メタンスルホニル−2−メチル−キノリン−4−オール
メタンスルホニルアセトン(12.6g、92.9mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(200mL)に溶解して、窒素下の氷中で冷却した。次に、カリウムtert−ブチラート(11.7g、102mmol)を加えて(発熱20℃)、冷却せずに撹拌を15分間続けた。再度、氷中で冷却し、次に6−ブロモ−2−メチル−4H−3,l−ベンゾオキサジン−4−オン(実施例B.1)(22.3g、92.9mmol)を加えて、次に冷却せずに4時間撹拌した。再度、氷中で冷却し、次にカリウムtert−ブチラート(11.7g、102mmol)を加え、得られた赤色溶液を、20℃で15分間撹拌して、次に100℃に30分間加熱した。冷却後、4M HCl(30mL)を加えて、混合物から0.1mbar/50℃で溶媒を完全に蒸発させた。残渣を、水(200mL)中に懸濁し、30分間激しく撹拌し、それは濾過可能な沈殿物の形成に導いた。この固体を濾別し、水(50mL)を用いて洗浄した。白色結晶14.25g(48.5%)を得た。MS:m/z=315/317(M+H)。
【0104】
実施例C.2
6−ヨード−3−メタンスルホニル−2−メチル−キノリン−4−オール
メタンスルホニルアセトン(13g、95mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(200mL)に溶解して、窒素下の氷中で冷却した。次に、カリウムtert−ブチラート(11.2g、100mmol)を加えて(発熱、20℃)、冷却せずに撹拌を15分間続けた。再度、氷中で冷却し、次に6−ブロモ−2−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン(実施例B.2)(27.4g、95.4mmol)を加えて、次に冷却せずに4時間撹拌した。再度、氷中で冷却し、次にカリウムtert−ブチラート(11.2g、100mmol)を加え、得られた赤色溶液を、20℃で15分間撹拌して、次に100℃に30分間加熱した。冷却後、4M HCl(30mL)を加えて、混合物から、0.1mbar/50℃で完全に溶媒を蒸発させた。残渣を、水(200mL)中に懸濁し、30分間激しく撹拌し、それは濾過可能な沈殿物の形成に導いた。この固体を濾別し、水(50mL)を用いて洗浄した。粗生成物を、主に不純物を溶解するために、MeOH(60mL)中で加熱還流した。懸濁液を、再度20℃に冷却し、固体を濾別した。白色固体15.1g(43%)を得た。MS:m/z=363(M)。
【0105】
実施例D.1およびD.2:式VIの中間体
【0106】
実施例D.1
6−ブロモ−4−クロロ−3−メタンスルホニル−2−メチル−キノリン
6−ブロモ−3−メタンスルホニル−2−メチル−キノリン−4−オール(実施例C.1)(6g、19mmol)およびN,N−ジメチル−p−トルイジン(5.5mL、38mmol)を、トルエン(60mL)に溶解し、アルゴン下で還流するまで加熱した。オキシ塩化リン(1.9mL、20.9mL)を加え、加熱還流を6.5時間続けた。生成物を20℃に冷却すると自然に沈殿し、結晶を濾別して、少量のトルエンを用いて洗浄した。明褐色結晶4.19g(66%)を得た。生成物が、トルエンにいくらか可溶性であるので、母液を、3N HCl(2回)、飽和NaCl(2回)で抽出した。残渣を、ジクロロメタン中のシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製した。追加の物質1.17g(18%)を得た。MS:m/z=333/335(M)。
【0107】
実施例D.2
4−クロロ−6−ヨード−3−メタンスルホニル−2−メチル−キノリン
6−ヨード−3−メタンスルホニル−2−メチル−キノリン−4−オール(実施例C.2)(14.7g、40.5mmol)およびN,N−ジメチル−p−トルイジン(11.7mL、81mmol)を、トルエン(150mL)に溶解し、アルゴン下で還流するまで加熱した。次に、オキシ塩化リン(4.1mL、44.5mmol)を加え、加熱還流を9.5時間続けた。濃い懸濁液は、徐々に暗色溶液になった。反応混合物を冷却し、次にジクロロメタン(トルエンに不溶)、冷1N HCl(2回)および飽和NaCl(2回)で抽出した。生成物を、ヘプタン/ジクロロメタンから結晶化した。白色結晶12g(78%)を得た。MS:m/z=381(M)。
【0108】
本発明記載の式Iの化合物の合成
以下の実施例において、全ての出発物質は、市販されている。
【0109】
実施例1
3−メタンスルホニル−2−メチル−4−フェニル−6−トリフルオロメトキシ−キノリン
(2−アミノ−5−トリフルオロメトキシ−フェニル)−フェニル−メタノン(0.3g、1mmol)、メチルスルホニルアセトン(0.22g、2mmol)およびテトラクロロ金(III)酸ナトリウム二水和物(13mg、0.036mmol)を、2−プロパノール(3mL)中で混合し、5日間窒素下で加熱還流した。2−プロパノールを蒸発させて、残渣をヘプタン/酢酸エチル 2:1中のシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。白色固体154mg(34%)を得た。MS:m/z=382(M+H)。
【0110】
実施例2
6−ブロモ−3−メタンスルホニル−2−メチル−4−フェニル−キノリン
(2−アミノ−5−ブロモ−フェニル)−フェニル−メタノン(10g、36mmol)、メタンスルホニルアセトン(7.4g、54mmol)およびテトラクロロ金(III)酸ナトリウム二水和物(720mg、1.8mmol)を、4.5日間、2−プロパノール(100mL)中で加熱還流した。得られた懸濁液を蒸発乾固し、残渣を、ジクロロメタン(2回)、過剰なメタンスルホニルアセトンを除去する1N NaOH(2回)、および飽和NaCl(1回)で抽出した。粗生成物を、ジクロロメタン中のクロマトグラフィーによって2回精製して、次にジクロロメタンの蒸発によってジクロロメタン/ヘプタンから結晶化した。ベージュ色結晶4.6g(33%)を得た。MS:m/z=375/377(M)。
【0111】
実施例3
3−メタンスルホニル−2−メチル−4−フェニル−6−ピペリジン−1−イル−キノリン
アルゴン下に置かれたチューブに、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体(3mg)、rac−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(3mg)および炭酸セシウム(121mg、0.37mmol)を仕込んだ。ジオキサン/tert−ブタノール 1:1(15ml)中の6−ブロモ−3−メタンスルホニル−2−メチル−4−フェニル−キノリン(実施例2の化合物)(100mg、0.26mmol)を加え、その後にピペリジン(0.027ml、0.031mmol)を続けて加えた。チューブを密閉して、120℃で2時間加熱した。反応混合物を20℃に冷却し、ヘプタンで希釈し、ダイカライト(dicalite)を通して濾過し、ヘプタン/酢酸エチル 40:60中、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって直接的に精製して、黄色固体(47mg、46%)を得た。MS:m/z=381(M+H)。
【0112】
実施例4
3−メタンスルホニル−2−メチル−6−モルホリン−4−イル−4−フェニル−キノリン
アルゴン下に置かれたチューブに、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体(55mg、0.053mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル(63mg、0.106mmol)および炭酸セシウム(1.3g、3.99mmol)を仕込んだ。tert−ブタノール(20ml)中の6−ブロモ−3−メタンスルホニル−2−メチル−4−フェニル−キノリン(実施例2の化合物)(1g、2.66mmol)を加え、その後にモルホリン(0.28g、3.19mmol)を続けて加えた。チューブを密閉して、110℃で2時間加熱した。反応混合物を20℃に冷却し、ヘプタンで希釈し、ダイカライトを通して濾過し、ヘプタン/酢酸エチル 80:20中のシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって直接的に精製して、黄色固体(800mg、78%)を得た。MS:m/z=383(M+H)。
【0113】
実施例5
6−ヨード−3−メタンスルホニル−2−メチル−4−モルホリン−4−イル−キノリン
4−クロロ−6−ヨード−3−メタンスルホニル−2−メチル−キノリン(実施例D.2の化合物)(1g、2.62mmol)、モルホリン(274mg,3.1mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(406mg、3.1mmol)を、、乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中で、100℃で30分間加熱した。反応混合物を蒸発乾固して、残渣を、ジクロロメタン、10% NaCOおよび飽和NaClで抽出した。粗生成物を、ジクロロメタン/酢酸エチル 5:1中のシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製した。黄色泡状物913mg(80%)を得た。MS:m/z=433(M+H)。
【0114】
実施例6
6−ブロモ−3−メタンスルホニル−2−メチル−4−モルホリン−4−イル−キノリン
6−ブロモ−4−クロロ−3−メタンスルホニル−2−メチル−キノリン(実施例D.1の化合物)(11.5g、34.4mmol)、モルホリン(3.3mL、37.8mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(6.5mL、37.8mmol)を、乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中、100℃で30分間加熱した。反応混合物を、蒸発乾固して、残渣を、ジクロロメタン、10% NaCOおよび飽和NaClで抽出した。粗生成物を酢酸エチル(80mL)中、80℃で10分間撹拌かつ加熱し、得られた懸濁液を氷中で冷却し、結晶を濾別して、少量の冷酢酸エチルを用いて洗浄した。白色結晶10.8g(81%)を得た。MS:m/z=385/387(M+H)。
【0115】
実施例7
3−メタンスルホニル−2−メチル−4−モルホリン−4−イル−6−((lR,2R)−2−フェニル−シクロプロピル)−キノリン
6−ブロモ−3−メタンスルホニル−2−メチル−4−モルホリン−4−イル−キノリン(実施例6の化合物)(300mg、0.78mmol)、trans−2−フェニルシクロプロピルボロン酸(189mg、1.17mmol)、リン酸カリウム(496mg、2.33mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(27mg、0.023mmol)を、アルゴン下で8時間加熱還流した。粗生成物を、100:0〜80:20の勾配を用いるジクロロメタン/酢酸エチル 5:1中のシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製した。白色結晶202mg(60%)を得た。MS:m/z=423(M+H)。
【0116】
実施例8
3−メタンスルホニル−2−メチル−4−モルホリン−4−イル−6−ピペリジン−1−イル−キノリン
アルゴン下で置かれたチューブに、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体(11mg、0.010mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル(10mg、0.021mmol)および炭酸セシウム(1.3g、3.99mmol)を仕込んだ。tert−ブタノール(10ml)中の6−ブロモ−3−メタンスルホニル−2−メチル−4−モルホリン−4−イル−キノリン(実施例6の化合物)(200mg、0.52mmol)を加え、その後にピペリジン(0.053g、0.62mmol)を続けて加えた。チューブを密閉して、110℃で2時間加熱した。反応混合物を20℃に冷却し、ヘプタンで希釈し、ダイカライトを通して濾過し、ヘプタン/酢酸エチル 80:20中のシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって直接的に精製して、黄色固体(160mg、79%)を得た。MS:m/z=390(M+H)。
【0117】
実施例9
6−ヨード−3−メタンスルホニル−2−メチル−4−ピペリジン−1−イル−キノリン
4−クロロ−6−ヨード−3−メタンスルホニル−2−メチル−キノリン(実施例D.2の化合物)(300mg、0.786mmol)、ピペリジン(74mg、0.865mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.148mL、0.865mmol)を、乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中、100℃で4時間加熱した。N,N−ジメチルホルムアミドを、40℃/0.1mbarで蒸発させて、残渣を、ジクロロメタン中のシリカゲルでのクロマトグラフィーによって直接的に精製した。白色結晶184mg(54%)を得た。MS:m/z=431(M+H)。
【0118】
実施例10
1−(6−ヨード−3−メタンスルホニル−2−メチル−キノリン−4−イル)−ピペリジン−4−オール
4−クロロ−6−ヨード−3−メタンスルホニル−2−メチル−キノリン(実施例D.2の化合物)(300mg、0.786mmol)、4−ヒドロキシピペリジン(87mg、0.865mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.148mL、0.865mmol)を、乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中、100℃で0.5時間加熱した。N,N−ジメチルホルムアミドを、40℃/0.1mbarで蒸発させて、残渣を、ジクロロメタン/メタノール 20:1中のシリカゲルでのクロマトグラフィーによって直接的に精製した。黄色油状物を得て、それを酢酸エチルで摩砕し、得られた白色結晶を濾別した。白色結晶218mg(62%)を得た。MS:m/z=447(M+H)。
【0119】
実施例11
(R)−1−(6−ヨード−3−メタンスルホニル−2−メチル−キノリン−4−イル)−ピペリジン−3−オール
4−クロロ−6−ヨード−3−メタンスルホニル−2−メチル−キノリン(実施例D.2の化合物)(300mg、0.786mmol)、(R)−(+)−3−ヒドロキシピペリジン(119mg、0.865mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.148mL、0.865mmol)を、乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中、100℃で0.5時間加熱した。N,N−ジメチルホルムアミドを、40℃/0.1mbarで蒸発させ、残渣を、ジクロロメタンおよび10% NaCOで抽出して、次にジクロロメタン/メタノール 20:1中のシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製した。黄色油状物を得て、それを酢酸エチルで摩砕し、得られた白色結晶を濾別した。白色結晶209mg(60%)を得た。MS:m/z=447(M+H)。
【0120】
実施例12
(S)−1−(6−ヨード−3−メタンスルホニル−2−メチル−キノリン−4−イル)−ピペリジン−3−オール
4−クロロ−6−ヨード−3−メタンスルホニル−2−メチル−キノリン(実施例D.2の化合物)(300mg、0.786mmol)、(S)−(+)−3−ヒドロキシピペリジン(119mg、0.865mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.148mL、0.865mmol)を、乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中、100℃で0.5時間加熱した。N,N−ジメチルホルムアミドを、40℃/0.1mbarで蒸発させ、残渣を、ジクロロメタンおよび10% NaCOで抽出して、次にジクロロメタン/メタノール 20:1中のシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製した。黄色油状物を得て、それを酢酸エチルで摩砕し、得られた白色結晶を濾別した。白色結晶191mg(54%)を得た。MS:m/z=447(M+H)。
【0121】
実施例13
6−シクロプロピル−3−メタンスルホニル−2−メチル−4−モルホリン−4−イル−キノリン
6−ブロモ−3−メタンスルホニル−2−メチル−4−モルホリン−4−イル−キノリン(実施例6の化合物)(0.5g、1.3mmol)、シクロプロピルボロン酸(0.167g、1.95mmol)、三塩基性リン酸カリウム(0.826g、3.89mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(45mg、0.039)を、ジオキサン(7mL)中で、一緒に混合してアルゴン下で8時間加熱還流した。ジクロロメタンおよび半飽和NaCl溶液を用いて抽出後、粗生成物を、100:0〜90:10の勾配を用いるジクロロメタン/酢酸エチル中、シリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製した。白色結晶0.1g(21%)を得た。MS:m/z=347(M+H)。
【0122】
実施例14
6−ブロモ−4−(4−フルオロ−フェニル)−3−メタンスルホニル−2−メチル−キノリン
(2−アミノ−5−ブロモ−フェニル)−(4−フルオロ−フェニル)−メタノン(実施例A.1の化合物)(4g、14mmol)、メタンスルホニルアセトン(2.78g、20mmol)およびテトラクロロ金(III)酸ナトリウム二水和物(0.27g、0.7mmol)を、2−プロパノール(50ml)中で4日間加熱還流した。得られた混合物を蒸発乾固し、残渣を、ジクロロメタン(2回)、1N NaOH(2回)、およびNaCl(1回)で抽出した。粗生成物を、100:0〜70:30の勾配を用いるヘプタン/酢酸エチル中のクロマトグラフィーによって精製した。明褐色固体(1.5g、28%)を得た。MS:m/z=394(M)。
【0123】
実施例15
4−(4−フルオロ−フェニル)−3−メタンスルホニル−2−メチル−6−モルホリン−4−イル−キノリン
アルゴン下に置かれたチューブに、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体(79mg、0.076mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル(73mg、0.152mmol)および炭酸セシウム(1.86g、5.7mmol)を仕込んだ。tert−ブタノール(20ml)中の6−ブロモ−4−(4−フルオロ−フェニル)−3−メタンスルホニル−2−メチル−キノリン(実施例14の化合物)(200mg、0.52mmol)を加え、その後にモルホリン(0.40g、4.56mmol)を続けて加えた。チューブを密閉して、110℃で2時間加熱した。反応混合物を20℃に冷却し、ヘプタンで希釈し、ダイカライトを通して濾過し、100:0〜40:60の勾配を用いるヘプタン/酢酸エチル中、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって直接的に精製して、黄色固体(850mg、56%)を得た。MS:m/z=401(M+H)。
【0124】
実施例16
6−ブロモ−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メタンスルホニル−2−メチル−キノリン
(2−アミノ−5−ブロモ−フェニル)−(4−クロロ−フェニル)−メタノン(実施例A.2の化合物)(4g、12.9mmol)、メタンスルホニルアセトン(2.63g、19.3mmol)およびテトラクロロ金(III)酸ナトリウム二水和物(0.26g、0.64mmol)を、2−プロパノール(50ml)中で4日間加熱還流した。得られた混合物を蒸発乾固し、残渣を、ジクロロメタン(2回)、1N NaOH(2回)、および飽和NaCl(1回)で抽出した。粗生成物を、ジクロロメタン中のシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製した。生成物を、ジクロロメタンの蒸発によってジクロロメタン/ヘプタンから結晶化した。明黄色固体(1g、19%)を得た。MS:m/z=410(M)。
【0125】
実施例17
4−(4−クロロ−フェニル)−3−メタンスルホニル−2−メチル−6−モルホリン−4−イル−キノリン
アルゴン下に置かれたチューブに、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体(40mg、0.039mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル(37mg、0.078mmol)および炭酸セシウム(952mg、2.92mmol)を仕込んだ。tert−ブタノール(20ml)中の6−ブロモ−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メタンスルホニル−2−メチル−キノリン(実施例16の化合物)(800mg、1.95mmol)を加え、その後にモルホリン(0.204g、2.33mmol)を続けて加えた。チューブを密閉して、110℃で2時間加熱した。反応混合物を20℃に冷却し、ヘプタンで希釈し、ダイカライトを通して濾過し、100:0〜40:60の勾配を用いて、ヘプタン/酢酸エチル中、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって直接的に精製して、黄色固体(350mg、43%)を得た。MS:m/z=417(M+H)。
【0126】
実施例18
3−メタンスルホニル−2−メチル−6−モルホリン−4−イル−4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−キノリン
アルゴン下に置かれたチューブに、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体(51mg、0.05mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル(47mg、0.10mmol)および炭酸セシウム(1.21g、3.71mmol)を仕込んだ。tert−ブタノール(20ml)中の6−ブロモ−3−メタンスルホニル−2−メチル−4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−キノリン(実施例20の化合物)(800mg、1.95mmol)を加え、その後にモルホリン(0.259g、2.97mmol)を続けて加えた。チューブを密閉して、110℃で2時間加熱した。反応混合物を20℃に冷却し、ヘプタンで希釈し、ダイカライトを通して濾過し、100:0〜40:60の勾配を用いて、ヘプタン/酢酸エチル中、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって直接的に精製して、黄色固体(320mg、29%)を得た。MS:m/z=451(M+H)。
【0127】
実施例19
3−メタンスルホニル−2−メチル−6−モルホリン−4−イル−4−(2,4,5−トリフルオロ−フェニル)−キノリン
アルゴン下に置かれたチューブに、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体(19mg、0.019mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル(18mg、0.019mmol)および炭酸セシウム(454mg、1.4mmol)を仕込んだ。tert−ブタノール(20ml)中の6−ブロモ−3−メタンスルホニル−2−メチル−4−(2,4,5−トリフルオロ−フェニル−キノリン(実施例21の化合物)(400mg、0.93mmol)を加え、その後にモルホリン(97mg、1.11mmol)を続けて加えた。チューブを密閉して、110℃で2時間加熱した。反応混合物を20℃に冷却し、ヘプタンで希釈し、ダイカライトを通して濾過し、100:0〜40:60の勾配を用いて、ヘプタン/酢酸エチル中、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって直接的に精製して、黄色固体(250mg、62%)を得た。MS:m/z=437(M+H)。
【0128】
実施例20
6−ブロモ−3−メタンスルホニル−2−メチル−4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−キノリン
(2−アミノ−5−ブロモ−フェニル)−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−メタノン(実施例A.3の化合物)(4g、11.6mmol)、メタンスルホニルアセトン(2.37g、17.4mmol)およびテトラクロロ金(III)酸ナトリウム二水和物(0.23g、0.58mmol)を、エタノール(50ml)中で4日間加熱還流した。得られた混合物を蒸発乾固し、残渣を、ジクロロメタン(2回)、NaOH(2回)、およびNaCl(1回)で抽出した。粗生成物を、ヘプタン/酢酸エチル 70:30中のシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製した。明黄色固体(1.5g、29%)を得た。MS:m/z=444(M)。
【0129】
実施例21
6−ブロモ−3−メタンスルホニル−2−メチル−4−(2,4,5−トリフルオロ−フェニル)−キノリン
(2−アミノ−5−ブロモ−フェニル)−(2,4,5−トリフルオロ−フェニル)−メタノン(実施例A.4の化合物)(1.9g、5.7mmol)、メタンスルホニルアセトン(1.18g、8.6mmol)およびテトラクロロ金(III)酸ナトリウム二水和物(0.12g、0.28mmol)を、2−プロパノール(50ml)中で4日間加熱還流した。得られた混合物を蒸発乾固し、残渣を、ジクロロメタン(2回)、NaOH(2回)、およびNaCl(1回)で抽出した。粗生成物を、100:0〜90:10のヘプタン/酢酸エチル勾配を用いて、シリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製した。明黄色固体(0.5g、20%)を得た。MS:m/z=430(M)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】


〔式中、
は、場合により、Cl、F、C1−7−ハロアルキル、ヒドロキシ、C1−7−アルコキシ、C1−7−ハロアルコキシ、ジ(C1−7)アルキルアミノおよびC1−7−アルキルスルホニルからなる群より選択される1個以上の置換基によって置換されるフェニルであるか、または場合によりOHよって置換される5員もしくは6員のへテロシクロアルキルであり;
は、Br、I、C1−7−アルキル、C1−7−アルコキシ、C1−7−ハロアルキル、C1−7−ハロアルコキシ、アリールオキシ、アリールスルホニルか、または場合によりフェニルよって置換されるC3−6−シクロアルキルであるか、あるいは−NR(ここで、R及びRは、C1−7−アルキルであるか、または、RとRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって4〜8員のヘテロシクロアルキル基を形成してもよく、それは、ハロ、C1−7−アルキル、C1−7−アルコキシ、ヒドロキシ、フェニルおよびジ(C1−7)アルキルアミノからなる群より選択される1個以上の置換基よって置換されてもよい)であり;
は、H、C1−7−アルキルまたはC3−6−シクロアルキルである]
で示される化合物、ならびにその光学異性体及び薬学的に許容される塩。
【請求項2】
が、場合により、Cl、F及びC1−7−ハロアルキルからなる群より選択される1個以上の置換基よって置換されるフェニルであるか、または場合によりOHよって置換されるモルホリンもしくはピペリジンであり;
が、Br、I、C1−7−ハロアルコキシ、場合によりフェニルよって置換されるC3−6−シクロアルキルであるか、又はモルホリンもしくはピペリジンであり;
が、C1−7−アルキルである;
請求項1記載の式Iの化合物、ならびにその光学異性体及び薬学的に許容される塩。
【請求項3】
が、場合により、Cl、FおよびC1−7−ハロアルキルからなる群より選択される1個以上の置換基よって置換されるフェニルである、請求項2記載の式Iの化合物。
【請求項4】
化合物が、
3−メタンスルホニル−2−メチル−4−フェニル−6−トリフルオロメトキシ−キノリン;
6−ブロモ−3−メタンスルホニル−2−メチル−4−フェニル−キノリン;
3−メタンスルホニル−2−メチル−4−フェニル−6−ピペリジン−1−イル−キノリン;
3−メタンスルホニル−2−メチル−6−モルホリン−4−イル−4−フェニル−キノリン;
6−ブロモ−4−(4−フルオロ−フェニル)−3−メタンスルホニル−2−メチル−キノリン;
4−(4−フルオロ−フェニル)−3−メタンスルホニル−2−メチル−6−モルホリン−4−イル−キノリン;
6−ブロモ−4−(4−クロロ−フェニル)−3−メタンスルホニル−2−メチル−キノリン;
4−(4−クロロ−フェニル)−3−メタンスルホニル−2−メチル−6−モルホリン−4−イル−キノリン;
3−メタンスルホニル−2−メチル−6−モルホリン−4−イル−4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−キノリン;
3−メタンスルホニル−2−メチル−6−モルホリン−4−イル−4−(2,4,5−トリフルオロ−フェニル)−キノリン;
6−ブロモ−3−メタンスルホニル−2−メチル−4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−キノリン;および
6−ブロモ−3−メタンスルホニル−2−メチル−4−(2,4,5−トリフルオロ−フェニル)−キノリン
からなる群より選択される、請求項3記載の式Iの化合物。
【請求項5】
がモルホリンである、請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項6】
化合物が、
6−ヨード−3−メタンスルホニル−2−メチル−4−モルホリン−4−イル−キノリン;
6−ブロモ−3−メタンスルホニル−2−メチル−4−モルホリン−4−イル−キノリン;
3−メタンスルホニル−2−メチル−4−モルホリン−4−イル−6−((1R,2R)−2−フェニル−シクロプロピル)−キノリン;
3−メタンスルホニル−2−メチル−4−モルホリン−4−イル−6−ピペリジン−1−イル−キノリン;および
6−シクロプロピル−3−メタンスルホニル−2−メチル−4−モルホリン−4−イル−キノリン
からなる群より選択される、請求項5記載の式Iの化合物。
【請求項7】
が、場合によりOHによって置換されるピペリジンである、請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項8】
化合物が、
6−ヨード−3−メタンスルホニル−2−メチル−4−ピペリジン−1−イル−キノリン;
1−(6−ヨード−3−メタンスルホニル−2−メチル−キノリン−4−イル)−ピペリジン−4−オール;
(R)−1−(6−ヨード−3−メタンスルホニル−2−メチル−キノリン−4−イル)−ピペリジン−3−オール;および
(S)−1−(6−ヨード−3−メタンスルホニル−2−メチル−キノリン−4−イル)−ピペリジン−3−オール
からなる群より選択される、請求項7記載の式Iの化合物。
【請求項9】
式I−a:
【化2】


(式中、Rが、場合によりOHによって置換される5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル環であり、かつXが、BrまたはIである)で示される、請求項1記載の化合物。
【請求項10】
式I−b:
【化3】


(式中、Rが、場合によりOHによって置換される5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル環であり、かつRおよびRが、請求項1に定義したとおりである)で示される、請求項1記載の化合物。
【請求項11】
式I−c:
【化4】


(式中、Rが、場合によりOHによって置換される5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル環であり、かつRが、請求項1に定義したとおりである)で示される、請求項1記載の化合物。
【請求項12】
(2−アミノ−5−ブロモ−フェニル)−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−メタノン;
(2−アミノ−5−ブロモ−フェニル)−(2,4,5−トリフルオロ−フェニル)−メタノン;
6−ブロモ−2−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン;
6−ヨード−2−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン;
6−ブロモ−3−メタンスルホニル−2−メチル−キノリン−4−オール;
6−ヨード−3−メタンスルホニル−2−メチル−キノリン−4−オール;
6−ブロモ−4−クロロ−3−メタンスルホニル−2−メチル−キノリン;および
4−クロロ−6−ヨード−3−メタンスルホニル−2−メチル−キノリン
からなる群より選択される、請求項1記載の式Iの化合物の製造に有用である中間体。
【請求項13】
式I−a、I−bおよびI−cの化合物の製造方法であって、
a) 式IV
【化5】


の化合物を、MeCOCHSOMeと反応させ、式V:
【化6】


の化合物を得る、
b) 式Vの化合物をPOClと反応させ、式VI:
【化7】


の化合物を得る、
c) 式VIの化合物を式HRの化合物と反応させ、式I−a:
【化8】


の化合物を得る、そして所望ならば、式I−aの化合物を
d) 式HNRの化合物と反応させ、式I−b:
【化9】


の化合物を得るか、
c) あるいは、式RB(OH)の化合物と反応させ、式I−c:
【化10】


の化合物を得る、
(式中、Rが、場合によりOHによって置換される5員もしくは6員のヘテロシクロアルキル環であり、
およびRとRが、請求項1に定義したとおりであり、かつXが、BrまたはIである)、
そして、所望ならば、式I−a、I−bまたはI−cの化合物を薬学的に許容される酸付加塩に変換する、
工程を含む方法。
【請求項14】
請求項13の方法に従って製造された化合物。
【請求項15】
請求項1〜11のいずれか一項記載の式Iの化合物を含有する薬剤。
【請求項16】
薬剤が、病気、特に不安神経症、うつ病、てんかん、統合失調症、認識障害、痙縮および骨格筋の硬直、脊髄損傷、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、脳性麻痺、神経因性疼痛ならびにコカインおよびニコチンと関連する渇望、精神病、パニック障害、心的外傷後ストレス障害または胃腸障害を含む病気および障害の制御または予防に有用である、請求項15記載の薬剤。
【請求項17】
薬剤の製造のための請求項1〜11のいずれか一項記載の化合物の使用。
【請求項18】
薬剤が、病気、特に不安神経症、うつ病、てんかん、統合失調症、認識障害、痙縮および骨格筋の硬直、脊髄損傷、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、脳性麻痺、神経因性疼痛ならびにコカインおよびニコチンと関連する渇望、精神病、パニック障害、心的外傷後ストレス障害または胃腸障害を含む病気および障害の制御または予防に有用である、請求項17記載の使用。
【請求項19】
式Iの化合物、式Iの化合物の製造方法、式Iの化合物を含有する薬剤、ならびに請求項に係わり、本明細書に記載されたような薬剤の製造のための、式Iの化合物の使用。

【公表番号】特表2008−542328(P2008−542328A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−514061(P2008−514061)
【出願日】平成18年5月23日(2006.5.23)
【国際出願番号】PCT/EP2006/062514
【国際公開番号】WO2006/128802
【国際公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】