説明

GPS受信装置

【課題】自装置の現在位置を複数の都市から検索する際の、CPUの負担を軽減することのできるGPS受信装置を実現すること。
【解決手段】自装置の現在位置情報を取得した後に、都市名データ、緯度データ・経度データ、時差データ、インデックスを互いに対応付けて複数組記憶している記憶部をアクセスし、取得した現在位置情報に対応するインデックスを作成し(S201)、この作成したインデックスが、記憶部に記憶されているインデックスに一致するか否かを判別し(S202)、この判別結果に基づいて、記憶部に記憶されている複数の都市の緯度データ・経度データの中から、取得されている現在位置情報と一致する都市の位置情報、またはそれに近い都市の位置情報の検索を行う(S215)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はGPS受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
GPS(Global Positioning System)衛星は、高度2万km、傾斜角約55度の6軌道を周る周回衛星である。当該GPS衛星の数は、GPS受信機の受信範囲の拡大や受信状態の地域差の減少等による理由により増加してきた。現在、GPS衛星は28衛星が作動している。
【0003】
GPS衛星からはGPS信号が送信される。当該GPS信号にはUTC(Universal Time Coordinated:協定世界時)が含まれる。このUTCを受信して、自機の現在位置の時差を知る技術が知られている。当該技術では、都市名、時差、緯度・経度、測地系に関する都市データを記憶している不揮発性のメモリを備える。これにより、都市データから読み出された時差とGPS衛星から送信されるUTCとに基づいて、自機の現在位置の時差を知ることができる(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−183594号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の技術では、不揮発性のメモリに記憶されている都市データの中から自装置の現在位置の都市をユーザが選択するが、このとき、ユーザが都市の選択を行うので、検索対象となる都市データのデータ量が多くなるとユーザは検索に時間を要する。 このため、都市データのデータ量には制限があった。
都市データの中から自装置の現在位置の都市の検索をCPUが行えば、不揮発性のメモリに記憶されている都市データのデータ量を多くすることができる。また、都市データのデータ量が多くなれば、検索対象が増えるので、より正確な検索を行うことができる。
一方、都市データのデータ量が多くなると、CPUの負担が大きくなる。例えば、腕時計等の小型の電子時計に搭載されているGPS受信装置のCPUでは処理能力に限界がある。したがって、自装置の現在位置を都市データから検索する際、CPUの処理能力の負担を軽減し得るGPS受信装置を実現する要請があった。
【0005】
本発明の課題は、自装置の現在位置を都市データから検索する際の、CPUの負担を軽減することのできるGPS受信装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明のGPS受信装置(例えば、図1のGPS受信装置100)は、
複数のGPS衛星から受信したGPS信号に基づいて、自装置の現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段(例えば、図1のCPU10;図10のステップS102)と、
都市の都市名を示す都市名情報、当該都市の緯度・経度を示す位置情報、当該都市の世界標準時刻からの差を示す時差情報、当該都市の位置から予め定められている範囲内の少なくとも1つの他の都市の位置を含む第1のインデックスを互いに対応付けて複数組記憶している第1の情報記憶手段(例えば、図1の記憶部17)と、
前記現在位置情報取得手段により取得された現在位置情報に対応する第2のインデックスを作成する作成手段(例えば、図1のCPU10;図11のステップS201)と、
前記作成手段により作成された第2のインデックスが、前記第1の情報記憶手段に記憶されている第1のインデックスに一致するか否かを判別する一致判別手段(例えば、図1のCPU10;図11のステップS202)と、
前記一致判別手段の判別結果に基づいて、前記第1の情報記憶手段に記憶されている複数の都市の位置情報の中から、前記現在位置情報取得手段により取得された現在位置情報と一致する都市の位置情報、またはそれに近い都市の位置情報の検索を行う検索手段(例えば、図1のCPU10;図11のステップS203〜ステップS215,図12のステップS301〜S308)と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のGPS受信装置において、
前記検索手段は、
前記一致判別手段により前記第2のインデックスが前記第1のインデックスに一致すると判別された場合において、前記現在位置取得手段により取得された現在位置情報が、前記第1の情報記憶手段に記憶されている複数の都市の位置情報に一致するか否かを判別する都市位置判別手段(例えば、図1のCPU10;図11のステップS202;YES、S203、S206、S208、S211)と、
前記第都市位置判別手段の判別結果に基づいて、自装置の現在位置から予め定められている範囲内に位置する都市として当該都市の抽出を行う第1の抽出手段(例えば、図1のCPU10;図11のステップS215)と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のGPS受信装置において、
前記検索手段は、
前記現在位置取得手段により取得された現在位置情報が、前記第1の情報記憶手段に記憶されている複数の都市の位置情報に一致するか否かを判別する第1の判別手段(例えば、図1のCPU10;図11のステップS202〜ステップS214、図12のステップS301〜S308)と、
前記第1の判別手段の判別結果に基づいて、当該第1の判別手段により一致しないと判別された場合、前記現在位置情報取得手段により取得された現在位置情報を変更して、当該変更した現在位置情報が前記第1の情報記憶手段に記憶されている複数の都市の位置情報に一致するか否かを判別する第2の判別手段(例えば、図1のCPU10;図11のステップS202〜ステップS214、図12のステップS301〜S308)と、
前記第2の判別手段の判別結果に基づいて、自装置の現在位置から予め定められている範囲内に位置する都市として当該都市の抽出を行う第2の抽出手段(例えば、図1のCPU10、図11のステップS215、図12のステップS308)と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載のGPS受信装置において、
前記検索手段により検索された都市の位置情報に対応する少なくとも1つの都市名及び時差を前記第1の情報記憶手段の中から読み出して表示させる表示制御手段(例えば、図1のCPU10;図10のステップS104)を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載のGPS受信装置において、
現在時刻を計時する計時手段(例えば、図1の計時部22)と、
前記検索手段により検索された都市の時差に基づいて、前記計時手段の現在時刻を修正する時刻修正手段(例えば、図1のCPU10;図10のステップS105〜S109)と、を更に備えることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のGPS受信装置において、
前記時刻修正手段は、
前記表示制御手段により表示された少なくとも1つの都市名及び時差のなかから1つを確定する際に操作される第1の操作手段(例えば、図1の操作部15;図10のステップS105)と、
前記第1の操作手段が操作されたか否かを判別する第1の操作判別手段(例えば、図1のCPU10;図10のステップS105)と、
前記第1の操作判別手段により前記第1の操作手段が操作されたと判別された場合、前記検索手段により検索された時差に基づいて、前記計時手段の時刻修正を行う修正手段(例えば、図1のCPU10;図10のステップS109)と、
を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載のGPS受信装置において、
前記時刻修正手段は、
前記第1の操作判別手段により前記第1の操作手段が操作されないと判別された場合、前記表示制御手段により表示された少なくとも1つの都市名及び時差のなかから1つを選択する際に操作される第2の操作手段(例えば、図1の操作部15;図10のステップS107)と、
前記第2の操作手段が操作されたか否かを判別する第2の操作判別手段(例えば、図1のCPU10;図10のステップS107)と、を更に備え
前記修正手段は、
前記第2の操作判別手段により前記第2の操作手段が操作されたと判別された場合、前記第2の操作手段により選択された都市の時差に基づいて、前記計時手段の時刻修正を行う(例えば、図1のCPU10;図10のステップS107)ことを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項5から7のいずれか一項に記載のGPS受信装置において、
前記現在位置情報取得手段により取得された位置情報と、前記検索手段により検索された都市の時差と、を対応付けて前記第1の情報記憶手段に追加する追加手段(例えば、図1のCPU10;図10のステップS108)を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項5からの8いずれか一項に記載のGPS受信装置において、
GPS全衛星の軌道情報を前記第1の情報記憶手段に記憶させる記憶制御手段(例えば、図1のCPU10)と、
前記現在位置情報取得手段により取得された現在位置情報と前記検索手段により検索された都市の時差とを記憶する第2の情報記憶手段(例えば、図1のRAM12)と、
自装置の現在位置の上空にある複数のGPS衛星を捕捉する捕捉手段(例えば、図1のCPU10;図15のステップS407)と、
前記第2の情報記憶手段から現在位置情報、前記第1の情報記憶手段からGPS全衛星の軌道情報、前記計時手段から現在時刻、を読み出して取得する取得手段(例えば、図1のCPU10;図15のステップS408)と、
前記取得手段により取得した現在位置情報、GPS全衛星の軌道情報、現在時刻、に基づいて、自装置の現在位置の上空にあるGPS衛星を予測する予測手段(例えば、図1のCPU10;図15のステップS409)と、
前記予測手段により予測したGPS衛星と前記捕捉手段により捕捉したGPS衛星とが一致しているか否かを判別する衛星判別手段(例えば、図1のCPU10;図15のステップS410)と、を更に備え、
前記時刻修正手段は、
前記衛星判別手段により一致していると判別された場合、前記第2の情報記憶手段から時差を読み出し、当該読み出した時差に基づいて前記計時手段の現在時刻を修正し、(例えば、図1のCPU10;図15のステップS411)
前記現在位置情報取得手段は、
前記衛星判別手段により一致していないと判別された場合、自装置の現在位置情報を取得し、(例えば、図1のCPU10;図16のステップS413)
前記作成手段は、
前記現在位置情報取得手段により取得された現在位置情報に対応する第2のインデックスを作成し、(例えば、図1のCPU10、図16のステップS415)
前記一致判別手段は、
前記作成手段により作成された第2のインデックスが、前記第1の情報記憶手段に記憶されている第1のインデックスに一致するか否かを判別し、(例えば、図1のCPU10、図16のステップS415)
前記検索手段は、
前記一致判別手段の判別結果に基づいて、前記第1の情報記憶手段に記憶されている複数の都市の位置情報の中から、前記現在位置情報取得手段により取得された現在位置情報と一致する都市の位置情報、またはそれに近い都市の位置情報の検索を行い、(例えば、図1のCPU10、図16のステップS415)
前記時刻修正手段は、
前記検索手段により検索された都市の時差に基づいて、前記計時手段の現在時刻の修正(例えば、図1のCPU10、図16のステップS415)
を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、第2のインデックスと第1のインデックスとを一致判別し、その判別結果に基づいて、第1の情報記憶手段に記憶されている複数の都市の位置情報の中から、現在位置情報取得手段により取得された現在位置情報と一致する都市の位置情報、またはそれに近い都市の位置情報の検索を行うので、第1の情報記憶手段に記憶されている膨大な都市の位置情報を最初から1つずつ検索する場合と比較して、GPS受信装置のCPUの処理の負担を大幅に軽減することができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、第2のインデックスと第1のインデックスとが一致する場合において、現在位置情報取得手段により取得された位置情報が、第1の情報記憶手段に記憶されている複数の都市の位置情報に一致するか否かを判別し、その判別結果に基づいて、自装置の現在位置から予め定められている範囲内に位置する都市として当該都市の抽出を行うことができる。したがって、第1の情報記憶手段に記憶されている膨大な都市の位置情報を1つずつ検索する場合と比較し、最初に少ない数のインデックス同士の一致判別を行い、その一致判別にかかる都市の位置情報に絞り込んで、目的とする都市の位置情報を検索することができるために、GPS受信装置のCPUの処理の負担を軽減することができる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、現在位置情報取得手段により取得された位置情報が、第1の情報記憶手段に記憶されている複数の都市の位置情報に一致するか否かを判別し、その判別結果、当該第1の判別手段により一致しないと判別された場合、現在位置情報取得手段により取得された現在位置情報を変更して、当該変更した現在位置情報が第1の情報記憶手段に記憶されている複数の都市の位置情報に一致するか否かを判別し、その判別結果に基づいて、自装置の現在位置から予め定められている範囲内に位置する都市として、当該都市の抽出を行うことができる。したがって、第1の情報記憶手段に記憶されている膨大な都市の位置情報を1つずつ検索する場合と比較し、最初に少ない数のインデックス同士の一致判別を行ったあとに、その一致判別にかかる都市の位置情報に絞り込んで、目的とする都市の位置情報を検索することができるために、GPS受信装置のCPUの処理の負担を軽減することができる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、検索手段により検索された都市の位置情報に対応する都市名及び時差を第1の情報記憶手段の中から読み出して表示させることができる。これにより、ユーザは都市名及び時差を確認することができる。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、検索手段により検索された都市の時差に基づいて、自装置の現在時刻の時刻修正を行うことができる。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、表示された少なくとも1つの都市名及び時差のなかから1つを確定されたあとに、その確定された都市の時差に基づいて、計時手段の時刻修正を行うことができる。これにより、ユーザは手間をかけずに時刻修正を行うことができる。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、表示された少なくとも1つの都市名及び時差のなかから1つを選択されたあとに、その選択された都市の時差に基づいて、計時手段の時刻修正を行うことができる。これにより、ユーザは手間をかけずに時刻修正を行うことができる。
【0022】
請求項8に記載の発明によれば、現在位置情報取得手段により取得された位置情報と、検索手段により検索された都市の時差と、を対応付けて第1の情報記憶手段に追加することができる。これにより、次回の都市検索時に、より精度よく都市の検索を行うことができる。
【0023】
請求項9に記載の発明によれば、予測したGPS衛星と、捕捉手段により捕捉したGPS衛星と、が一致している場合、第2の情報記憶手段から時差を読み出して、当該読み出した時差に基づいて計時手段の現在時刻を修正することができる。これにより、再度、現在位置情報を測位する必要がないので消費電流を削減することができる。また、予測したGPS衛星と捕捉手段により捕捉したGPS衛星とが一致しない場合、再度、自装置の現在位置情報の取得を行うことにより、計時手段の現在時刻の時刻修正を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して本発明に係る第1及び第2の実施の形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0025】
(第1の実施の形態)
図1〜図13を参照して、本発明に係る第1の実施の形態を説明する。
先ず、図1を参照して、本実施の形態のGPS受信装置100の構成を説明する。図1のGPS受信装置100は、CPU(Central Processing Unit)10と、ROM(Read Only Memory)11と、RAM(Random Access Memory)12と、表示部13と、表示駆動回路部14と、操作部15と、電池部16と、記憶部17と、GPSモジュール部18と、アンテナ部18Aと、計時部22と、照明部23と、照明駆動回路部24と、ブザー回路部25と、スピーカー部26と、を備えて構成される。
【0026】
CPU10は、ROM11に記憶されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムをRAM12に展開し、RAM12に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。また、ROM11には、第1の都市検索プログラムが記憶されている。
【0027】
CPU10は、後述する第1の都市検索プログラムとの協働により、都市データ17AからGPS受信装置100の現在位置情報と一致、またはそれに近い都市の位置情報の検索を行う。そして、当該検索した都市の時差に基づいて、自装置の現在時刻の時刻修正を行う。
【0028】
ROM11は、情報を読み込み可能に記憶するメモリである。図2(A)に示すように、ROM11は、プログラムエリア111、112を備えている。プログラムエリア111には第1の都市検索プログラムが記憶されている。プログラムエリア112には第2の都市検索プログラムが記憶されている。
【0029】
RAM11は、各種情報を格納する揮発性のメモリであり、各種プログラム、データを展開するワークエリアを有する。
【0030】
図2(B)に示すように、RAM12は、記憶エリアとしてデータエリア121〜123と、プログラムエリア124、125とを備えている。データエリア121には、自装置の現在位置情報が格納される。データエリア122には、時差データが格納される。時差データとは、都市データ17Aより検索された都市に対応する時差のデータである。データエリア123には、GPS衛星の衛星番号(衛星番号ID−m,・・・,ID−p:後述する全衛星番号ID−1〜ID−nのうちのそれぞれ1つ)が格納される。プログラムエリア124には、第1の都市検索プログラムが展開される。プログラムエリア125には第2の都市検索プログラムが展開される。
【0031】
表示部13は、小型LCD(Liquid Crystal Display)、ELD(ElectroLuminescent Display)等により構成され、CPU10から入力された表示情報に基づいて各種情報を表示する。例えば、表示部13は、計時部22で計時する現在時刻等をデジタル表示する。また、表示駆動回路部14は、表示部13に各種情報を表示させるための駆動回路である。
【0032】
操作部15は、GPS受信装置100に各種機能を実行させる為のキー、ボタン等で構成される。これらのキー、ボタン等が操作された時には、対応するスイッチの操作信号がCPU10に出力される。
【0033】
電池部16は、電源としての電池を備えており、この電池からの電圧、電流を各部に供給する。
【0034】
記憶部17は、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)等により構成され、情報を読み書き可能に記憶する。
【0035】
図2(B)に示すように記憶部17は、記憶エリアとしてのデータエリア171〜173を備えている。データエリア171には、後述する都市データ17Aが記憶されている。データエリア172には、アルマナックデータが記憶されている。アルマナックデータについては後述する。データエリア173には、全GPS衛星を識別する衛星番号(衛星番号ID−1〜ID−n、但し、nは全衛星数)が記憶されている。
【0036】
GPSモジュール部18は、GPS衛星からのGPS信号を受信するアンテナ部18Aを介して受信したGPS衛星からのデータを処理し測位を行うモジュールである。
【0037】
計時部22は、現在時刻を計時する。計時部22は、発信回路部19と、分周回路部20と、計時計数回路部21と、を備えて構成される。発振回路部19は、常時、一定周波数のクロック信号を分周回路部20に出力している回路である。分周回路部20は、発振回路部19からの上記クロック信号を計数して計数値が1分に対応する値になる度に1分信号を計時計数回路21に出力する回路部である。計時計数回路21は、分周回路部20からの上記1秒信号を計数して、現在時刻のデータ、即ち時データ、分データ、秒データ等と、日付データとを得て、これを、CPU10に出力する。また、CPU10から出力される時刻データに基づいて、計数している現在時刻データ、及び日付データを修正する。
【0038】
照明部23は、表示部13の視認性を良くするために、表示部13の背後若しくは側面側から照らすための照明である。例えば、LED(Light Emitting Diode)、EL(Electro luminescence)バックライトや、FL(冷陰極管)バックライト等により構成される。照明駆動回路部24は、照明部23を駆動させるための回路である。
【0039】
ブザー回路部25は、ユーザによって設定されたタイマ機能などによって、CPU10から送られる信号に従って、スピーカー部26にアラーム音を発生させる。
【0040】
次に、図3及び図4を参照して、都市データ17Aを説明する。先ず、図3を参照して都市データ17Aのフォーマットについて説明する。図3(A)は、1都市分の都市データの変換方法を示した図である。
例えば、都市の都市名が「東京」の場合、「東京」→「TOKYO」に変換される。さらに「TOKYO」→「84797589793232323232323232323232」に変換される。この都市名を示すデータは、ASCIIコードの16バイトのデータである。また、都市の緯度が「北緯35.67度」の場合、「北緯35.67度」→「128412秒」に変換される。さらに「128212秒」→「01F59C」に変換される。この緯度を示すデータは、16進数の3バイトのデータである。また、都市の経度が「東経139.77度」の場合、「東経139.77度」→「503172秒」に変換される。さらに、「503172秒」→「07AD84」に変換される。この都市の経度を示すデータは、16進数の3バイトのデータである。また、都市の世界標準時刻からの差を示す時差が「UTC+9時間」の場合、「UTC+9」→「54」に変換される。この都市の世界標準時刻からの差を示す時差データは、16進数の1バイトのデータである。
【0041】
図3(B)は、時差と16進数の関係を示した図である。HEX(Hexadecimal)は、16進数を意味する。時差と16進数の関係は、時差「−12.00」を16進数「00」とし、0.25時間毎に「+1」する。例えば、16進数が「00」の時は、時差は「−12.00」、16進数が「01」の時は、時差は「−11.75」となる。換算式は、「DEC=4×t+48」となる。ここで、「DEC」は、10進数、「t」は、時差を示す。例えば、東京の場合、時差は「UTC+9時間」であるので、時差tには「9」が式に代入され、「54」が算出される。
【0042】
図3(C)は、1都市分のデータを示した図である。図3(C)に示すように、1都市分のデータは、23バイトのデータとなる。都市データ17Aには、図3(C)に示すデータが1都市分のデータとして格納される。
【0043】
次に、図4を参照して都市データ17Aの構成について説明する。まず、図4(A)を参照して都市データ17Aのデータのソート(並べ替え)方法について説明する。以下、経度データが「01F59C」、緯度データが「07AD84」の場合で説明する。まず、経度・緯度データ「01F59C 07AD84」が1バイトごとに分けられる。そして、経度データの1バイト目である「01」→緯度データの1バイト目である「07」→経度データの2バイト目である「F5」→緯度データの2バイト目である「AD」→経度データの3バイト目である「9C」→緯度データの3バイト目である「84」の順に都市データ17Aのデータをソートする。この順でソートされた都市データ17Aの経度・緯度データの例を図4(A)に示す。
【0044】
次に、図4(B)を参照して都市データ17Aの構成を説明する。都市データ17Aは、都市名情報としての都市名データ44、都市の緯度・経度を示す位置情報としての緯度データ42・経度データ43、都市の世界標準時刻からの差を示す時差情報としての時差データ45、第1のインデックスとしてのインデックス41、が互いに対応付けられている。ここで、インデックス41とは、緯度データ42・経度データ43を代表するデータであり、ある位置から予め定められている範囲内の少なくとも1つの他の都市の位置を含むデータのことをいう。図4(B)に示すインデックス41は、緯度データ42の1バイト目、経度データ43の1バイト目、及び緯度データ42の2バイト目の左桁で順に構成される。
【0045】
ここで、図5を参照して、図4(B)に示すインデックス41の緯度及び経度で表される範囲について説明する。図5は、ある都市の位置から予め定められている範囲で位置を分割した図である。分割した位置の範囲は、図4(B)のインデックスで示される。また、「×」印は、都市データ17Aの都市の経度・緯度データ(即ち、位置)を示す。例えば、インデックスが「00000」を示す位置の範囲では、「×」印が6個存在する。これは、インデックスが「00000」を示す位置の範囲では、都市データ17Aの都市が6都市あることを意味している。この6都市は、図4(B)の例では、都市名が「A」〜「F」の6都市に該当する。
【0046】
次に、図6〜図9を参照して、都市データ17Aの複数の都市の緯度データ42・経度データ43の中から、測位により取得した自装置の現在位置情報と一致する都市の緯度データ42・経度データ43、またはそれに近い都市の緯度データ42・経度データ43の検索方法について説明する。
先ず、図6を参照して、測位により取得した自装置の現在位置情報から第2のインデックスとしてのインデックス61を作成する方法について説明する。図6(A)は、測位により取得した自装置の現在位置の経度・緯度が、北緯18.2度、西経109.2度の場合のインデックス61の作成方法を示した図である。この場合、測位により取得した経度・緯度を16進数のデータで表すと、緯度を示すデータは「00FFF0」、経度を示すデータは「05FFA0」となる。即ち、自装置の現在位置情報は「00FFA0 05FFA0」となる。ここで、図4(B)で説明したように、緯度を示すデータの1バイト目「00」、経度を示すデータの1バイト目「05」、緯度を示すデータの2バイト目の左桁である「F」を順に並べると、インデックス61は「0005F」となる。
【0047】
そして、インデックス61の「0005F」が、都市データ17Aのインデックス41に一致するか否かが判別される。図6(B)は、インデックス61の「0005F」と一致するインデックス41「0005F」と、当該インデックス41に対応付けられた緯度データ42・経度データ43を示した図である。
【0048】
次に、図7を参照して、インデックス61が都市データベース17Aのインデックス41に一致すると判別された場合、取得された現在位置情報「00FFA0 05FFA0」が、都市データ17Aの複数の都市の緯度データ42・経度データ43に一致するか否かを判別する方法について説明する。図7の一番上の行のデータは、現在位置情報「00FFF0 05FFA0」(探したいデータ)を示す。そして、2行目以下のデータは、インデックス41の「0005F」に対応する都市データ17Aの緯度データ42・経度データ43を示す。よって、2行目以下のデータは、現在位置情報「00FFF0 05FFA0」内の、緯度を示すデータの1バイト目「00」、経度を示すデータの1バイト目「05」、緯度を示すデータの2バイト目の左桁「F」と一致している。したがって、現在位置情報「00FFF0 05FFA0」の検索は、現在位置情報と、2行目以下のデータにおける緯度データ42・経度データ43の2バイト目以降のデータと、が一致するか否かを判別することにより行われる。判別の順番としては、先ず、(1)現在位置情報の緯度データの2バイト目「FF」が、2行目以下の緯度データ42の2バイト目と一致するか否かが判別される。そして、(2)現在位置情報の経度データの2バイト目「FF」が、2行目以下の経度データ43の2バイト目と一致するか否かが判別される。そして、(3)現在位置情報の緯度データの3バイト目「F0」が、2行目以下の緯度データ42の3バイト目と一致するか否かが判別される。そして、(4)現在位置情報の経度データの3バイト目「A0」が、2行目以下の経度データ43の3バイト目と一致するか否かが判別される。
【0049】
次に図8を参照してデータ一致確認ルーチンについて説明する。データ一致確認ルーチンは、図7で説明した現在位置情報「00FFA0 05FFA0」が、都市データ17Aの複数の都市の緯度データ42・経度データ43に一致するか否かを判別する方法を詳細に示したルーチンである。
まず、現在位置情報の緯度データの2バイト目「FF」と、緯度データ42の2バイト目とが一致するか否かが判別される(以下、緯度データ42の2バイト目のデータを(1)とする)。(1)が一致したと判別された場合、現在位置情報の経度データの2バイト目「FF」と、経度データ43の2バイト目とが一致するか否かが判別される(以下、経度データ43の2バイト目のデータを(2)とする)。(2)が一致したと判別された場合、現在位置情報の緯度データの3バイト目「F0」と、緯度データ42の3バイト目とが一致するか否かが判別される(以下、緯度データ42の3バイト目のデータを(3)とする)。(3)が一致すると判別された場合、現在位置情報の経度データの3バイト目「A0」と、経度データ43の3バイト目とが一致するか否かが判別される(以下、経度データ43の3バイト目を(4)とする)。そして、(4)が一致すると判別された場合、そのデータが使用される(現在位置情報と一致する都市名として確定する)。また、(4)が一致しないと判別された場合、一番近い(4)が探される。ここで、一番近い(4)が探されるとは、例えば、自装置の現在位置から距離が一番近い経度データ43が探されることをいう。そして、一番近い(4)のデータに対応する都市名が候補とされる。
【0050】
また、(2)が不一致と判別された場合、(1)が一致した中で(2)、(4)が一番近いデータが探される。ここで、(1)が一致した中で(2)、(4)が一番近いデータが探されるとは、例えば、自装置の現在位置から距離が一番近い経度データ43が探されることをいう。そして、一番近いデータに対応する都市名が候補とされる。
【0051】
(3)が不一致と判別された場合、(4)が一致するか否かが判別される。(4)が一致すると判別された場合、一番近い(3)が探される。ここで、一番近い(3)が探されるとは、例えば、自装置の現在位置から距離が一番近い緯度データ42が探されることをいう。そして、一番近い(3)のデータに対応する都市名が候補とされる。また、(4)が不一致と判別された場合、一番近い(3)及び一番近い(4)が探される。そして、一番近い(3)のデータに対応する都市名が候補1とされる。また、一番近い(4)のデータに対応する都市名が候補2とされる。この候補1と候補2とを比較し、探したいデータと近い方のデータに対応する都市名が候補とされる。ここで、探したいデータと近い方のデータに対応する都市名が候補とされるとは、自装置の現在位置から距離が近い方が候補とされることをいう。
【0052】
(1)が不一致と判別された場合、(2)が一致するか否かが判別される。(2)が一致すると判別された場合、(2)が一致した中で(1)、(3)が一番近いデータが探される。ここで、(2)が一致した中で(1)、(3)が一番近いデータが探されるとは、例えば、自装置の現在位置から距離が一番近い緯度データ42が探されることをいう。そして、一番近いデータに対応する都市名が候補とされる。また、(2)が不一致と判別された場合、一番近い(1)及び一番近い(2)が探される。そして、一番近い(1)のデータに対応する都市名が候補1とされる。また、一番近い(2)のデータに対応する都市名が候補2とされる。この候補1と候補2とを比較し、探したいデータと近い方のデータに対応する都市名が候補とされる。
【0053】
次に、図9を参照して、測位により取得した現在位置情報に基づいて作成したインデックス61「0005F」が、都市データ17Aに格納されているインデックス41と一致しなかった場合について説明する。図9(A)に現在位置情報の変更方法を示す。現在位置情報の変更とは、取得した現在位置情報の緯度データ・経度データを変更して、検索範囲を拡大することをいう。以下、現在位置情報の緯度データを「00FFF0」、経度データを「05FFA0」とした場合の現在位置情報の緯度データ・経度データの変更の方法について説明する。ここで、現在位置情報である「00FFF0 05FFA0」を元データとする。
【0054】
先ず、元データ内の緯度データの2バイト目「FF」と、元データ内の経度データの2バイト目「FF」と、を−1する場合について説明する。このとき、元データ内の緯度データの2バイト目は「FF」から「FE」に、元データ内の経度データの2バイト目は「FF」から「FE」に変更される。同時に、元データ内の緯度データの3バイト目は「F0」から最も大きい「FF」に変更され、元データ内の経度データの3バイト目「A0」は「FF」に変更される。したがって、元データ「00FFF0 05FFA0」→「00FEFF 05FEFF」(図9(A)の(1))に変更される。次に、元データ内の緯度データの2バイト目「FF」と、元データ内の経度データの2バイト目と、を+1する場合について説明する。このとき、元データ内の緯度データの2バイト目は「FF」から「00」に変更され、元データ内の経度データの2バイト目は「FF」から「00」に変更される。同時に、元データ内の緯度データの3バイト目「F0」は最も小さい「00」に変更され、元データ内の経度データの3バイト目「A0」は「00」に変更される。したがって、元データ「00FFF0 05FFA0」→「010000 060000」(図9(A)の(2))に変更される。以下、同様に現在位置情報の変更が行われる(図9(A)の(3)、(4))。
【0055】
次に、図9(B)を参照して、再検索の方法について説明する。図9(B)は、再検索の順番を示した図である。再検索とは、現在位置情報を変更した場合、変更した現在位置情報が、都市データ17Aの複数の都市の緯度データ42・経度データ43に一致するか否かを判別することをいう。図9(B)は、一番上の行から下の行へ順番に再検索を行うことを示している。一番上の行は、緯度データが元データである「00FFF0」、経度データが図9(A)の(1)のデータである「05FEFF」を示している。即ち、緯度データ・経度データ「00FFF0 05FEFF」で、図8で説明したデータ一致確認ルーチンが行われる。図9(B)の上から2行目は、緯度データが元データである「00FFF0」、経度データが図9(A)の(2)のデータである「060000」を示している。即ち、緯度データ・経度データ「00FFF0 060000」でデータ一致確認ルーチンが行われる。以下、図9(B)に示す順番で、再検索が所定回数行われる。このとき、検索範囲を変更する度に、自装置の現在位置の候補が検索される。候補が検索されると、前の候補と比較され、自装置の現在位置と近い方の候補が残される。この残された候補が、次の候補となる。そして、最終的に残った候補が一番近い都市の候補となる。例えば、緯度データ・経度データ「00FFF0 05FEFF」でデータ一致確認ルーチンが行われた結果、検索された候補を候補1とする。次に、「00FFF0 060000」でデータ一致確認ルーチンが行われた結果、検索された候補を候補2とする。そして、候補1と候補2とが比較され、自装置の現在位置と近い方の候補が残される。ここで、候補1が自装置の現在位置と近い場合、候補1が残される。以下、同様に候補の比較が行われ、所定回数の再検索が実行された後、最終的に残った候補が一番近い都市の候補となる。
【0056】
次に、図10〜図12を参照して、本実施の形態のGPS受信装置100の動作を説明する。図10〜図12に、第1の都市検索処理の流れを示す。第1の都市検索処理は、都市データ17AからGPS受信装置100の現在位置情報と一致、またはそれに近い都市の位置情報の検索を行う。そして、当該検索した都市の時差に基づいて、自装置の現在時刻の時刻修正を行う。
【0057】
例えば、GPS受信装置100において、第1の都市検索処理の実行指示が操作部15を介して入力されたこと等をトリガとして、ROM11から第1の都市検索プログラムが読み出される。そして、当該読み出された第1の都市検索プログラムがRAM12に展開され、展開された第1の都市検索プログラムとCPU10との協働により第1の都市検索処理が実行される。
【0058】
先ず、複数のGPS衛星が捕捉された後、当該GPS衛星から受信したGPS信号に基づいて自装置の現在位置情報の測位が行われる(ステップS101)。ここで、自装置の現在位置情報の測位は、アルマナックデータ、現在時刻等の情報を用いることにより行われる。そして、測位された自装置の現在位置情報の取得が行われる(ステップS102)。自装置の現在位置情報の取得とは、GPS計測により測位された自装置の現在位置情報の緯度データ・経度データを取得することをいう。ステップS102の実行後、取得された現在位置情報と一致する都市データ17Aの緯度データ42・経度データ43、又はそれに近い都市の緯度データ42・経度データ43の検索が行われる(ステップS103)。
【0059】
ここでステップS103について、図11及び図12を参照して詳細に説明する。
ステップS102の実行後、取得された現在位置情報に対応するインデックス61が作成される(ステップS201)。そして、作成されたインデックス61が都市データ17Aのインデックス41と一致するか否かが判別される(ステップS202)。作成されたインデックス61が都市データ17Aのインデックス41と一致しない場合(ステップS202;NO)、ステップS214へ移行される。
【0060】
作成されたインデックス61が都市データ17Aのインデックス41と一致する場合(ステップS202;YES)、現在位置情報の緯度データの2バイト目が、一致したインデックス41内にある緯度データ42・経度データ43(以下、一致したインデックス41内にある緯度データ42・経度データ43をインデックス一致データとする)における緯度データ42の2バイト目に一致するか否かが判別される(ステップS203)。このステップは図8のデータ一致確認ルーチンにおける「(1)が一致」「(1)が不一致」に該当する。インデックス一致データの緯度データ42に、現在位置情報の緯度データの2バイト目に一致するデータがない場合(ステップS203;NO)、現在位置情報の経度データの2バイト目が、インデックス一致データの経度データ43の2バイト目に一致するか否かが判別される(ステップS204)。このステップは図8のデータ一致確認ルーチンにおける「(1)が不一致→(2)が一致、(2)が不一致」に該当する。インデックス一致データの経度データ43に、現在位置情報の経度データの2バイト目に一致するデータがある場合(ステップS204;YES)、インデックス一致データの緯度データ42の中から、緯度データ42の2バイト目、緯度データ42の3バイト目が一番近いデータが探され、現在位置に一番近い都市の候補にされる(ステップS205)。このステップは、図8のデータ一致確認ルーチンにおける「(1)が一致した中で(2)(4)が一番近いデータを探す」に該当する。ステップS205の実行後、ステップS214へ移行される。
【0061】
インデックス一致データの経度データ43の中に、現在位置情報の経度データの2バイト目に一致するデータがない場合(ステップS204;NO)、インデックス一致データの中から、緯度データの2バイト目に一番近いデータが探され、現在位置に一番近い都市の候補1とされる(ステップS301)。このステップは、図8のデータ一致確認ルーチンにおける「(2)が不一致→一番近い(1)を探す」に該当する。そして、インデックス一致データの中から、経度データの2バイト目に一番近いデータが探され、現在位置に一番近い都市の候補2とされる(ステップS302)。このステップは、図8のデータ一致確認ルーチンにおける「(2)が不一致→一番近い(2)を探す」に該当する。ステップS302の実行後、候補1と候補2とが比較され、現在位置情報に近い方の候補が現在位置に一番近い都市の候補とされる(ステップS303)。ステップS303の実行後、ステップS214に移行される。
【0062】
ステップS203において、インデックス一致データの緯度データ42に、現在位置情報の緯度データの2バイト目に一致するデータがある場合(ステップS203;YES)、現在位置情報の経度データの2バイト目が、インデックス一致データの経度データ43の2バイト目に一致するか否かが判別される(ステップS206)。このステップは、図8におけるデータ一致確認ルーチンにおける「(1)が一致→(2)が一致、(2)が不一致」に該当する。インデックス一致データの経度データ43に、現在位置情報の経度データの2バイト目に一致するデータがない場合(ステップS206;NO)、インデックス一致データの中から、現在位置情報の経度データの2バイト目、経度データの3バイト目に一番近いデータが探され、候補にされる(ステップS207)。このステップは、図8のデータ一致確認ルーチンにおける「(2)が不一致→(1)が一致した中で(2)(4)が一番近いデータを探す」に該当する。ステップS207の実行後、ステップS213へ移行される。
【0063】
ステップS206において、インデックス一致データの経度データ43に、現在位置情報の経度データの2バイト目に一致するデータがある場合(ステップS206;YES)、現在位置情報の緯度データの3バイト目がインデックス一致データの緯度データ42の3バイト目に一致するか否かが判別される(ステップS208)。このステップは、図8のデータ一致確認ルーチンにおける「(1)が一致→(3)が一致、(3)が不一致」に該当する。インデックス一致データの緯度データ42に、現在位置情報の緯度データの3バイト目に一致するデータがない場合(ステップS208;NO)、現在位置情報の経度データの3バイト目がインデックス一致データの経度データ43の3バイト目に一致するか否かが判別される(ステップS209)。このステップは、図8のデータ一致確認ルーチンにおける「(3)が不一致→(4)が一致、(4)が不一致」に該当する。インデックス一致データの経度データ43に、現在位置情報の経度データの3バイト目に一致するデータがない場合(ステップS209;NO)、インデックス一致データの中から、現在位置情報の緯度データの3バイト目に一致するデータが探され、候補1とされる(ステップS304)。このステップは、図8のデータ一致確認ルーチンにおける「(4)が不一致→一番近い(3)を探す」に該当する。そして、インデックス一致データの中から、現在位置情報の経度データの3バイト目に一致するデータが探され、候補2とされる(ステップS305)。このステップは、図8のデータ一致確認ルーチンにおける「(4)が不一致→一番近い(4)を探す」に該当する。ステップS305の実行後、候補1と候補2とが比較され、現在位置情報に近い方の候補が、現在位置に一番近い都市の候補とされる(ステップS306)。ステップS306の実行後、ステップS213へ移行される。
【0064】
ステップS209において、インデックス一致データの経度データ43に、現在位置情報の経度データの3バイト目に一致するデータがある場合(ステップS209;YES)、インデックス一致データの中から、現在位置情報の緯度データの3バイト目に一番近いデータが探され、候補にされる(ステップS210)。このステップは、図8のデータ一致確認ルーチンにおける「(4)が一致→一番近い(3)を探す」に該当する。ステップS211の実行後、ステップS213へ移行される。
【0065】
ステップS208において、インデックス一致データの緯度データ42に、現在位置情報の緯度データの3バイト目に一致するデータがある場合(ステップS208;YES)、現在位置情報の経度データの3バイト目が、インデックス一致データの経度データ43の3バイト目に一致するか否かが判別される(ステップS211)。このステップは、図8のデータ一致確認ルーチンにおける「(3)が一致→(4)が一致、(4)が不一致」に該当する。インデックス一致データの経度データ43に、現在位置情報の経度データの3バイト目に一致するデータがない場合(ステップS211;NO)、インデックス一致データの中から、現在位置情報の経度データの3バイト目に一番近いデータが探され、候補にされる(ステップS212)。このステップは、図8のデータ一致確認ルーチンにおける「(3)が一致→(4)が不一致→一番近い(4)を探す」に該当する。そして、前回候補と比較され、現在位置情報に近い方の候補が残される(ステップS213)。ここで、前回候補とは、現在位置情報を変更した場合、今回のデータ一致確認ルーチンより1回前に行われたデータ一致確認ルーチンで最終的に残った候補のことをいう。ステップS214の実行後、現在位置情報の緯度データ・経度データそれぞれ2バイト目が±1される(ステップS214)。このステップは、図9(A)の元データ内の緯度データ・経度データの2バイト目を+1、−1する動作に該当する。そして、現在位置情報の緯度データ・経度データのそれぞれ2バイト目が±1される回数がX回繰り返されたか否かが判別される(ステップS307)。X回未満の場合(ステップS307;NO)、ステップS201へ移行される。X回以上の場合(ステップS307;YES)、最後まで残った候補が、自装置の現在位置から予め定められている範囲内に位置する都市として抽出される(ステップS308)。ステップS308の実行後、ステップS104へ移行される。
【0066】
ステップS211において、インデックス一致データの経度データ43に、現在位置情報の経度データの3バイト目に一致するデータがある場合(ステップS211;YES)、一致したデータの都市が自装置の現在位置から予め定められている範囲内に位置する都市として抽出される(ステップS215)。このステップは、図8のデータ一致確認ルーチンにおける「(1)が一致→そのデータを使用」に該当する。S215の実行後、ステップS104へ移行される。
【0067】
そして、ステップS215及びステップS308で抽出された都市の緯度データ42・経度データ43に対応する都市名及び時差が表示部13に表示される(ステップS104)。ここで、都市名と時差は図13に示すように表示部13に表示される。図13に示す「CITY」は都市名を示す。TD(UTC)は、時差を示す。例えば、ステップS215又はステップS308で抽出された都市が「NEW YORK」の場合は、図13に示すように「NEW YORK」が選択された状態で選択表示される。このとき、図13に示す「NEW YORK」以外の都市は、検索された「NEW YORK」と時差が近い都市を示す。
【0068】
ステップS104の実行後、表示された都市名及び時差のなかから1つを確定する操作が、ユーザにより操作部15を介して行われる。例えば、ステップS215又はステップS308で抽出された都市である「NEW YORK」を都市として確定する場合、ユーザは操作部15を操作することにより(例えば、図示しないボタン等を押す操作により)、「NEW YORK」が都市として確定される。そして、操作部15により確定操作がされたか否かが判別される(ステップS105)。
【0069】
操作部15により確定操作がされない場合(ステップS105;NO)、表示部に表示された都市名及び時差のなかから1つを選択する操作が、ユーザにより操作部15を介して行われる。例えば、自装置の現在位置が「NEW YORK」でなく、「CHICAGO」であった場合、操作部15を介して「CHICAGO」を選択する操作が行われる。そして、操作部15により都市名及び時差の選択操作がされたか否かが判別される(ステップS107)。都市名及び時差の選択操作がされた場合(ステップS107;YES)、次の都市名及び時差が選択表示される(ステップS108)。例えば、「CHICAGO」を選択する操作が行われた場合、「CHICAGO」が「次の都市名」に該当する。ステップS108の実行後、ステップS105に移行される。例えば、「CHCAGO」を選択した操作が行われた後、ステップS105において「CHICAGO」を都市として確定する操作が行われると、「CHICAGO」が都市として確定される。また、ステップS107において、都市名及び時差の選択操作がされない場合(ステップS107;NO)、ステップS105に移行される。
【0070】
ステップS105において、確定操作がされた場合(ステップS105;YES)、現在位置情報と、ステップS105で確定された都市の時差データと、が取得される。そして、取得された現在位置情報と、時差データと、が都市データ17Aに追加される(ステップS106)。そして、ステップS105で確定した都市の時差データに基づいて、時差の修正が行われ、計時部22の現在時刻が修正される(ステップS109)。そして、修正された現在時刻が表示部13に表示される(ステップS110)。ステップS110の実行後、第1の都市検索処理は終了する。
【0071】
以上、本実施の形態によれば、インデックス61とインデックス41とを一致判別し、その判別結果に基づいて、記憶部17に記憶されている複数の都市の位置情報の中から、CPU10により取得された現在位置情報と一致する都市の緯度データ42・経度データ43、またはそれに近い都市の緯度データ42・経度データ43の検索を行うので、記憶部17に記憶されている膨大な都市の緯度データ42・経度データ43を最初から1つずつ検索する場合と比較して、GPS受信装置100のCPU10の処理の負担を大幅に軽減することができる。
【0072】
また、インデックス61とインデックス41とが一致する場合において、CPU10により取得された現在位置情報が、記憶部17に記憶されている複数の都市の緯度データ42・経度データ43に一致するか否かを判別し、その判別結果に基づいて、自装置の現在位置から予め定められている範囲内に位置する都市として当該都市の抽出を行うことができる。したがって、記憶部17に記憶されている膨大な都市の緯度データ42・経度データ43を1つずつ検索する場合と比較し、最初に少ない数のインデックス同士の一致判別を行い、その一致判別にかかる都市の緯度データ42・経度データ43に絞り込んで、目的とする都市の緯度データ42・経度データ43を検索することができるために、GPS受信装置100のCPU10の処理の負担を軽減することができる。
【0073】
また、インデックス61とインデックス41とが一致する場合において、CPU10により取得された現在位置情報が、記憶部17に記憶されている複数の都市の緯度データ42・経度データ43に一致するか否かを判別し、その判別結果により一致しないと判別された場合、CPU10により取得された現在位置情報を変更して、当該変更した現在位置情報が記憶部17に記憶されている複数の都市の緯度データ42・経度データ43に一致するか否かを判別し、その判別結果に基づいて、自装置の現在位置から予め定められている範囲内に位置する都市として、当該都市の抽出を行うことができる。したがって、記憶部17に記憶されている膨大な都市の緯度データ42・経度データ43を1つずつ検索する場合と比較し、最初に少ない数のインデックス同士の一致判別を行ったあとに、その一致判別にかかる都市の緯度データ42・経度データ43に絞り込んで、目的とする都市の緯度データ42・経度データ43を検索することができるために、GPS受信装置100のCPU10の処理の負担を軽減することができる。
【0074】
また、検索された都市の緯度データ42・経度データ43に対応する都市名及び時差を記憶部17の中から読み出して表示させることができる。これにより、ユーザは都市名及び時差を確認することができる。
【0075】
また、検索された都市の時差データ45に基づいて、自装置の現在時刻の時刻修正を行うことができる
【0076】
また、表示された少なくとも1つの都市名及び時差のなかから1つを確定されたあとに、その確定された都市の時差に基づいて、計時部22の時刻修正を行うことができる。これにより、ユーザは手間をかけずに時刻修正を行うことができる。
【0077】
また、表示された少なくとも1つの都市名及び時差のなかから1つを選択されたあとに、その選択された都市の時差に基づいて、計時部22の時刻修正を行うことができる。これにより、ユーザは手間をかけずに時刻修正を行うことができる。
【0078】
また、CPU10により取得された現在位置情報と、検索された都市の時差データと、を対応付けて記憶部17に追加することができる。これにより、次回の都市検索時に、より精度よく都市の検索を行うことができる。
【0079】
(第2の実施の形態)
図14〜図16を参照して、本発明に係る第2の実施の形態を説明する。図14に本実施の形態の説明概略図を示す。図15及び図16に第2の都市検索処理の流れを示す。
【0080】
本実施の形態の装置構成は、第1の実施の形態と同様にGPS受信装置100を用い、同様な部分には同一の符号を付している。また、その詳細な説明を援用し、異なる部分について以下説明する。
【0081】
GPS装置100において、ROM17に第2の都市検索プログラムが記憶される。
【0082】
記憶部17には、アルマナックデータが記憶される。ここで、アルマナックデータとは、全GPS衛星の概略軌道情報のことをいう。
【0083】
図14を参照して、本実施の形態における概略を説明する。図14に示す200は、「A地点」・「T0」時におけるGPS衛星の配置を示している。A地点とは、自装置の現在位置を示している。T0時とは、GPS衛星を捕捉した時の時間を示している。201で示す1〜6の数字は、各GPS衛星の衛星番号を示している。まず、このA地点で、GPS衛星を捕捉後、現在位置情報の測位が行われる。このとき、現在位置情報(即ち、A地点)の緯度・経度データ、捕捉したGPS衛星の衛星番号が取得される。取得された現在位置情報の緯度・経度データはRAM12のデータエリア121、捕捉したGPS衛星の衛星番号はRAM12のデータエリア123にそれぞれ格納される。これらのデータは、次回計測時のGPS測位時のアシストデータとして使用される。
【0084】
図14に示す201は、「?地点」・「T1時」におけるGPS衛星配置の予測図を示している。ここで、「?地点」は、ユーザがA地点から移動したかどうかわからない地点のことを示している。T1時は、T0時から、所定時間経過後の時間を示している。この201の?地点で、「A地点・T1時」におけるGPS衛星の配置(衛星数とその位置)が予測される。A地点・T1時のGPS衛星の配置の予測は、A地点・T0時に取得されたA地点の緯度・経度データと、アルマナックデータと、T1時に取得された現在時刻T1と、を用いることにより行われる。これにより、「?地点」・T1時において、上空にあるGPS衛星の衛星番号が予測される。
【0085】
また、201の?地点・T1時において、受信可能なGPS衛星が捕捉される。捕捉されたGPS衛星の衛星番号は、RAM12のデータエリア123に記憶される。捕捉されたGPS衛星の衛星番号の中に、予測されたGPS衛星の識別番号が見つかり、GPS衛星の配置もほぼ一致した場合、自装置の現在位置である?地点はA地点から大きく移動していないと判断される。図14に示す202は、「?地点」がA地点から大きく移動していない場合を示した図である。この場合、GPS信号に基づいて測位を行われず、RAM12のデータエリア122に格納されている時差データが読み出され、当該読み出された時差データに基づいて、計時部22の現在時刻の修正が行われる。
【0086】
また、捕捉されたGPS衛星の識別番号の中に、予測されたGPS衛星の識別番号が全く見つからなかった場合は、自装置の現在位置である?地点がA地点から大きく移動したと判断される。203は、自装置の現在位置である?地点がA地点から大きく移動した場合を示した図である。この場合、GPS受信装置100は、「?地点」で新たにGPS衛星から受信したGPS信号に基づいて測位を行う。そして、「?地点」で測位を行い、「?地点」における現在位置情報の緯度・経度データを取得する。そして、都市データ17Aの複数の都市の緯度データ42・経度データ43の中から、取得した緯度・経度データと一致する都市の緯度データ42・経度データ43、またはそれに近い都市の緯度データ42・経度データ43の検索を行う。検索後、検索された都市の時差に基づいて、計時部22の現在時刻が修正される。
【0087】
次に、図15を参照して、第2の都市検索処理の流れを説明する。第2の都市検索処理は、予測したGPS衛星と捕捉したGPS衛星とが一致しているか否かを判別し、この判別結果に基づいて現在時刻を修正する処理である。
【0088】
例えば、GPS受信装置100において、第2の都市検索処理の実行指示が操作部15を介して入力されたこと等をトリガとして、ROM11から第2の都市検索プログラムが読み出される。そして、当該読み出された第2の都市検索プログラムがRAM12に展開され、展開された第2の都市検索プログラムとCPU10との協働により第2の都市検索処理が実行される。
【0089】
先ず、複数のGPS衛星が捕捉された後、当該GPS衛星から受信したGPS信号に基づいて自装置の現在位置情報の測位が行われる(ステップS401)。そして、測位された自装置の現在位置情報の取得が行われる(ステップS402)。このステップは、図14のA地点・To時においてGPS衛星を捕捉し、測位した後にA地点の位置情報を取得する動作に該当する。そして、捕捉したGPS衛星の衛星番号と、取得した自装置の現在位置情報と、がRAM12に記憶される(ステップS403)。そして、都市検索・時差修正が行われる(ステップS404)。このステップは、図10〜図12で説明した第1の都市検索処理のステップS104〜S111(ステップS201〜S215、S301〜S308を含む)に該当する。そして、ステップS404により取得された時差データがRAM12に記憶される(ステップS405)。ステップS405の実行後、測位が終了される(ステップS406)。
【0090】
ステップS406以降は、ユーザが位置を移動した場合(例えば、図14のA地点から?地点にユーザが移動した場合)について説明する。ステップS406の実行後、自装置の現在位置の上空にあるGPS衛星が捕捉され、捕捉されたGPS衛星の衛星番号がRAM12に記憶される(ステップS407)。このステップは、図14の?地点・T1時にGPS衛星を捕捉する動作に該当する。そして、RAM12から現在位置情報と、記憶部17からアルマナックデータと、計時部22から現在時刻と、が読み出されて取得される(ステップS408)。そして、取得された現在位置情報と、アルマナックデータと、現在時刻と、に基づいて自装置の現在位置の上空にあるGPS衛星が予測される(ステップS409)。このステップは、図14の?地点・T1時において、上空にあるGPS衛星の衛星番号が予測される動作に該当する。そして、予測されたGPS衛星と捕捉されたGPS衛星とが一致しているか否かが判別される(ステップS410)。このステップは、図14の?地点・T1時において、捕捉されたGPS衛星の識別番号と、予測されたGPS衛星の識別番号と、が一致するか否かを判別する動作に該当する。
【0091】
予測されたGPS衛星と捕捉されたGPS衛星とが一致していない場合(ステップS410;NO)、複数のGPS衛星が捕捉された後、GPS信号に基づいて自装置の現在位置情報の測位が行われる(ステップS412)。そして、測位された自装置の現在位置情報の取得が行われる(ステップS413)。このステップは、図14の?地点で新たにGPS衛星からGPS信号を受信し、測位する動作に該当する。そして、捕捉したGPS衛星の衛星番号と、取得した自装置の現在位置情報と、がRAM11に記憶される(ステップS414)。そして、都市検索・時差修正が行われる(ステップS415)。このステップは、図10〜図12で説明した第1の都市検索処理のステップS104〜S111(ステップS201〜S215、S301〜S308を含む)に該当する。
【0092】
ステップS410において、予測されたGPS衛星と捕捉されたGPS衛星とが一致する場合(ステップS410;YES)、場所は大きく移動していないので、RAM11に記憶されている時差データに基づいて現在時刻が修正される(ステップS411)。このステップは、図14の予測されたGPS衛星が、「?地点」・T1時で見つかり、GPS衛星の配置もほぼ一致した場合、自装置の現在位置である?地点はA地点から大きく移動していないと判断される動作に該当する。ステップS411、S415の実行後、第2の都市検索処理は終了する。
【0093】
以上、本実施の形態によれば、予測したGPS衛星と、捕捉手段により捕捉したGPS衛星と、が一致している場合、RAMから時差データを読み出して、当該読み出した時差に基づいて計時部22の現在時刻を修正することができる。これにより、再度、現在位置情報の測位を行う必要がないので消費電流を削減することができる。また、予測したGPS衛星と捕捉手段により捕捉したGPS衛星とが一致しない場合、再度、自装置の現在位置情報の取得を行うことにより、計時部22の現在時刻の時刻修正を行うことができる。
【0094】
その他、上記の実施の形態におけるGPS受信装置100の細部構成及び詳細動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明に係るGPS受信装置100を示すブロック図である。
【図2】(A)はROM11の記憶構成を示す図である。(B)は、RAM12の記憶構成を示す図である。(C)は記憶部17の記憶構成を示す図である。
【図3】(A)は、1都市分の都市データの変換方法を示した図である。(B)は、時差と16進数の関係を示した図である。(C)は、1都市分の都市データを示した図である
【図4】(A)は、ソートされた都市データ17Aの経度・緯度データの例を示した図である。(B)は、都市データ17Aの構成を示した図である。
【図5】ある都市の位置から予め定められている範囲で位置を分割した図である。
【図6】(A)は、測位により取得した自装置の現在位置の経度・緯度が、北緯18.2度、西経109.2度の場合のインデックスの作成方法を示した図である。(B)は、インデックス61の「0005F」と一致するインデックス41「0005F」と、当該インデックス41に対応付けられた緯度データ42・経度データ43を示した図である。
【図7】現在位置情報を検索する方法を示した図である。
【図8】データ一致確認ルーチンを示した図である。
【図9】(A)は、現在位置情報の検索範囲の変更方法を示した図である。(B)は再検索の方法を示した図である。
【図10】第1の都市検索処理を示すフローチャートである。
【図11】第1の都市検索処理を示すフローチャートである。
【図12】第1の都市検索処理を示すフローチャートである。
【図13】表示部13に表示される都市名と時差を示した図である。
【図14】第2の実施の形態の説明概略図を示した図である。
【図15】第2の都市検索処理を示すフローチャートである。
【図16】第2の都市検索処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0096】
10 CPU
11 ROM
12 RAM
13 表示部
14 表示駆動回路部
15 操作部
16 電池部
17 記憶部
17A 都市データ
18 GPSモジュール部
18A アンテナ部
19 発信回路部
20 分周回路部
21 計時計数回路
22 計時部
23 照明部
24 照明駆動回路部
25 ブザー回路部
26 スピーカー部
41,61 インデックス
100 GPS受信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のGPS衛星から受信したGPS信号に基づいて、自装置の現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段と、
都市の都市名を示す都市名情報、当該都市の緯度・経度を示す位置情報、当該都市の世界標準時刻からの差を示す時差情報、当該都市の位置から予め定められている範囲内に少なくとも1つの他の都市の位置を含む第1のインデックスを互いに対応付けて複数組記憶している第1の情報記憶手段と、
前記現在位置情報取得手段により取得された現在位置情報に対応する第2のインデックスを作成する作成手段と、
前記作成手段により作成された第2のインデックスが、前記第1の情報記憶手段に記憶されている第1のインデックスに一致するか否かを判別する一致判別手段と、
前記一致判別手段の判別結果に基づいて、前記第1の情報記憶手段に記憶されている複数の都市の位置情報の中から、前記現在位置情報取得手段により取得された現在位置情報と一致する都市の位置情報、またはそれに近い都市の位置情報の検索を行う検索手段と、
を備えることを特徴とするGPS受信装置。
【請求項2】
前記検索手段は、
前記一致判別手段により前記第2のインデックスが前記第1のインデックスに一致すると判別された場合において、前記現在位置取得手段により取得された現在位置情報が、前記第1の情報記憶手段に記憶されている複数の都市の位置情報に一致するか否かを判別する都市位置判別手段と、
前記第都市位置判別手段の判別結果に基づいて、自装置の現在位置から予め定められている範囲内に位置する都市として当該都市の抽出を行う第1の抽出手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のGPS受信装置。
【請求項3】
前記検索手段は、
前記現在位置取得手段により取得された現在位置情報が、前記第1の情報記憶手段に記憶されている複数の都市の位置情報に一致するか否かを判別する第1の判別手段と、
前記第1の判別手段の判別結果に基づいて、当該第1の判別手段により一致しないと判別された場合、前記現在位置情報取得手段により取得された現在位置情報を変更して、当該変更した現在位置情報が前記第1の情報記憶手段に記憶されている複数の都市の位置情報に一致するか否かを判別する第2の判別手段と、
前記第2の判別手段の判別結果に基づいて、自装置の現在位置から予め定められている範囲内に位置する都市として当該都市の抽出を行う第2の抽出手段と、
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のGPS受信装置。
【請求項4】
前記検索手段により検索された都市の位置情報に対応する少なくとも1つの都市名及び時差を前記第1の情報記憶手段の中から読み出して表示させる表示制御手段を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のGPS受信装置。
【請求項5】
現在時刻を計時する計時手段と、
前記検索手段により検索された都市の位置情報に対応する時差に基づいて、前記計時手段の現在時刻を修正する時刻修正手段を更に備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のGPS受信装置。
【請求項6】
前記時刻修正手段は、
前記表示制御手段により表示された少なくとも1つの都市名及び時差のなかから1つを確定する際に操作される第1の操作手段と、
前記第1の操作手段が操作されたか否かを判別する第1の操作判別手段と、
前記第1の操作判別手段により前記第1の操作手段が操作されたと判別された場合、前記検索手段により検索された都市の時差に基づいて、前記計時手段の時刻修正を行う修正手段と、
を備えることを特徴とする請求項5に記載のGPS受信装置。
【請求項7】
前記時刻修正手段は、
前記第1の操作判別手段により前記第1の操作手段が操作されないと判別された場合、前記表示制御手段により表示された少なくとも1つの都市名及び時差のなかから1つを選択する際に操作される第2の操作手段と、
前記第2の操作手段が操作されたか否かを判別する第2の操作判別手段と、を更に備え、
前記修正手段は、
前記第2の操作判別手段により前記第2の操作手段が操作されたと判別された場合、前記第2の操作手段により選択された都市の時差に基づいて、前記計時手段の時刻修正を行うこと特徴とする請求項5又は6に記載のGPS受信装置。
【請求項8】
前記現在位置情報取得手段により取得された位置情報と、前記検索手段により検索された都市の時差と、を対応付けて前記第1の情報記憶手段に追加する追加手段を備えることを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載のGPS受信装置。
【請求項9】
全GPS衛星の軌道情報を前記第1の情報記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
前記現在位置情報取得手段により取得された現在位置情報と前記検索手段により検索された都市の時差とを記憶する第2の情報記憶手段と、
自装置の現在位置の上空にある複数のGPS衛星を捕捉する捕捉手段と、
前記第2の情報記憶手段から現在位置情報、前記第1の情報記憶手段からGPS全衛星の軌道情報、前記計時手段から現在時刻、を読み出して取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した現在位置情報、GPS全衛星の軌道情報、現在時刻、に基づいて、自装置の現在位置の上空にあるGPS衛星を予測する予測手段と、
前記予測手段により予測したGPS衛星と前記捕捉手段により捕捉したGPS衛星とが一致しているか否かを判別する衛星判別手段と、を更に備え、
前記時刻修正手段は、
前記衛星判別手段により一致していると判別された場合、前記第2の情報記憶手段から時差を読み出し、当該読み出した時差に基づいて前記計時手段の現在時刻を修正し、
前記現在位置情報取得手段は、
前記衛星判別手段により一致していないと判別された場合、自装置の現在位置情報を取得し、
前記作成手段は、
前記現在位置情報取得手段により取得された現在位置情報に対応する第2のインデックスを作成し、
前記一致判別手段は、
前記作成手段により作成された第2のインデックスが、前記第1の情報記憶手段に記憶されている第1のインデックスに一致するか否かを判別し、
前記検索手段は、
前記一致判別手段の判別結果に基づいて、前記第1の情報記憶手段に記憶されている複数の都市の位置情報の中から、前記現在位置情報取得手段により取得された現在位置情報と一致する都市の位置情報、またはそれに近い都市の位置情報の検索を行い、
前記時刻修正手段は、
前記検索手段により検索された都市の時差に基づいて、前記計時手段の現在時刻の修正を行うことを特徴とする請求項5から8のいずれか一項に記載のGPS受信装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2008−164436(P2008−164436A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−354389(P2006−354389)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】