説明

ICカードチャージシステム、サーバ、及びプログラム

【課題】 一定期間は所定限度額内で自動的に所定金額をチャージできるICカードチャージシステムを提供する。
【解決手段】 電子マネー機能付きICカード10または携帯端末20の管理を行うサーバ40の定期間限度額内自動チャージ手段410は、各ICカード10または携帯端末20について予め設定された設定期間422はチャージ限度額423を限度に残額425に加えるチャージ処理を実行する。また、定期間限度額内自動チャージ手段410は、各ICカード10または携帯端末20について予め設定された設定期間422は、予め設定されたチャージ限度額423を超えない範囲で、残額425に分割チャージ設定額426を加える分割チャージ手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子マネー機能付きICカードのチャージシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、非接触型のICカードを使用した電子マネーが、鉄道等の改札機、スーパーマーケット、コンビニエンスストア等で使用されるようになってきている。多くの電子マネー機能付きICカードはプリペイド式であり、チャージ機によりユーザが所定の金額をチャージする方法や、残額が一定額を下回ると所定の金額が自動的にチャージされる方法等が採られており、さらに、使用実績によりチャージ額を変化させる方法が提案されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−362307号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の方法では、残額が一定額を下回るごとに何回でも際限なくチャージされてしまうという問題があった。
【0004】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、一定期間は所定限度額内で自動的に所定金額をチャージできるICカードチャージシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述した課題を解決するための第1の発明は、電子マネー機能付きICカードと、ICカード・リード/ライト機能を有するレジ端末と、前記レジ端末と通信網を介して接続されたサーバとからなり、前記サーバは、予め定めた設定期間内は予め定めた設定金額を限度に、前記電子マネー機能付きICカードに対して所定金額をチャージする定期間限度額内自動チャージ手段を有することを特徴とするICカードチャージシステムである。
【0006】
また、前記定期間限度額内自動チャージ手段は、前記設定期間内は前記設定金額を分割して前記電子マネー機能付きICカードに対してチャージする分割チャージ手段を更に有する。
【0007】
また、前記電子マネー機能付きICカードは、電子マネー機能付きの携帯端末であってもよい。
【0008】
上記の構成により、一定期間は所定限度額内で自動的に所定金額をICカードにチャージすることが可能になる。
【0009】
第2の発明は、電子マネー機能付きICカードに対して、予め定めた設定期間内は予め定めた設定金額を限度に、所定金額をチャージする定期間限度額内自動チャージ手段を有することを特徴とするサーバである。
第3の発明は、コンピュータを、請求項4記載のサーバとして機能させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、一定期間は所定限度額内でICカードに所定金額を自動チャージすることが可能になり、自動チャージによる使いすぎを防ぎ、出費の管理を行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態の自動チャージシステム1のシステム構成を示す図である。
【0012】
図1に示すように、自動チャージシステム1は、電子マネー機能付きのICカード10や電子マネー機能付きの携帯端末20、チャージ端末30あるいはレジ端末32、チャージ端末30あるいはレジ端末32と通信網60を介して接続されたサーバ40、サーバ40と通信網60を介して接続されたクレジット会社・金融機関のサーバ50等で構成される。
【0013】
電子マネー機能付きの携帯端末20は、例えば、電子マネー機能付きのICカードが内蔵された携帯電話等である。
チャージ端末30あるいはレジ端末32は、電子マネー機能付きのICカード10や携帯端末20のデータを読み出し、データを書き込むリーダ/ライタ305を有する。
【0014】
通常、買い物を行う場合には、レジ端末32のリーダ/ライタ305にICカード10や携帯端末20をかざすことにより、リーダ/ライタ305がICカード10や携帯端末20のカード識別コードや残額情報を読み込む。
【0015】
レジ端末32は、通信網60を介してサーバ40にアクセスし、上記カード識別コードのICカード10または携帯端末20の残額で買い物が可能か否かを問い合わせる。サーバ40は、上記カード識別コードに対応するICカード10または携帯端末20の残額情報を記憶しており、残額が買い物金額を上回っていれば買い物が可能である旨をレジ端末32に通知し、買い物が可能になる。このとき、レジ端末32のリーダ/ライタ305は、買い物後の残額をICカード10または携帯端末20に書きこむ。
【0016】
通常、チャージ端末30でチャージを行う場合には、ICカード10または携帯端末20のユーザがチャージ端末30のリーダ/ライタ305にICカード10または携帯端末20をかざし、リーダ/ライタ305は、ICカード10または携帯端末20のカード識別コードを読み込む。
【0017】
チャージ端末30は、通信網60を介してサーバ40にアクセスし、サーバ40は、サーバ40に記録されているICカード10または携帯端末20の残額をチャージ端末30に送る。チャージ端末30は、サーバ40から送られてきた残額を表示する。
【0018】
ユーザが、チャージ金額をチャージ端末30に挿入すると、チャージ端末30は、ICカード10または携帯端末20にリーダ/ライタ305により新たな残額を書きこむとともに、通信網60を介して、チャージ金額をサーバ40に送る。
サーバ40は、チャージ金額を以前の残額に加算し、新たな残額として記憶する。
【0019】
図2は、電子マネー機能付きのICカード10の説明図である。電子マネー機能付きの携帯端末20の場合、携帯端末20内にICカード10が内蔵されている。
【0020】
図2(a)は、ICカード10の内部構成例を示す図である。
ICカード10内には、レジ端末32またはチャージ端末30のリーダ/ライタ305と通信を行うための電磁誘導用のアンテナ13と、制御用ICチップ11が内蔵されている。
【0021】
図2(b)は、ICカード10内の制御用ICチップ11の構成図である。
同図に示すように、制御用ICチップ11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)111、ROM(Read Only Memory)112、RAM(Random Access Memory)113、送受信インタフェース115、情報記憶部117等がバス119で接続された構成である。
【0022】
CPU111は、ROM112に格納されているプログラムをRAM113上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バス119を介して接続された各部分を駆動制御する。情報記憶部117は、例えばRAM等で構成され、ICカード10のカード識別コードや残額等の情報を格納する。送受信インタフェース115は、CPU111によるプログラムの実行に基づき制御されるものであり、情報記憶部117に格納されている情報をICカード10のアンテナ13を介して送信し、またアンテナ13を介して外部から受信した情報を受け取る。
【0023】
図2(c)は、情報記憶部117のデータ構成例を示す図である。
情報記憶部117には、例えば、カード識別コード421(例えば「AAA」)と、残額423(例えば「3000円」)とが格納される。
【0024】
図3は、チャージ端末30またはレジ端末32のハードウエア構成例を示す図である。
図3に示すように、チャージ端末30またはレジ端末32は、例えば、制御部301、記憶部302、メディア入出力部303、通信制御部304、入出力インタフェース306、表示部307、入力部308、印刷部309等がバス310を介して接続されて構成される。入出力インタフェース306には、ICカード・リーダ/ライタ305が接続されている。
【0025】
制御部301は、CPU、ROM、RAM等で構成される。
CPUは、記憶部302、ROM、記録媒体等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バス310を介して接続された各装置を駆動制御し、買い物の清算処理や、ICカード10または携帯端末20へのチャージ処理を実行する。
ROMは、コンピュータのブートプログラムやBIOS等のプログラム、データ等を恒久的に保持し、RAMは、ロードしたプログラムやデータを一時的に保持するとともに、制御部301が各種処理を行うために使用するワークエリアを備える。
【0026】
記憶部302は、HDD(ハードディスクドライブ)であり、制御部301が実行するプログラムや、プログラム実行に必要なデータ、OS(オペレーティング・システム)等が格納されている。これらのプログラムコードは、制御部301により必要に応じて読み出されてRAMに移され、CPUに読み出されて実行される。
【0027】
メディア入出力部303(ドライブ装置)は、例えば、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、PDドライブ、CDドライブ、DVDドライブ、MOドライブ等のメディア入出力装置であり、データの入出力を行う。
【0028】
通信制御部304は、通信制御装置、通信ポート等を有し、通信網60との通信を媒介する通信インタフェースであり、通信制御を実行する。
入出力インタフェース306は、ICカード・リーダ/ライタ305に接続され、ICカード・リーダ/ライタ305によるデータの読み出し/書込みを制御する。
【0029】
表示部307は、液晶パネル、CRTモニタ等のディスプレイ装置と、ディスプレイ装置と連携して表示処理を実行するための論理回路(ビデオアダプタ等)で構成される。
入力部308は、例えば、キーボード、マウス等のポインティング・デバイス、テンキー等の入力装置であり、データの入力を行う。
印刷部309は、プリンタであり、例えば、レシート等の印刷処理を行う。
【0030】
図4は、サーバ40またはクレジット会社・金融機関のサーバ50のハードウエア構成図である。
サーバ40は、電子マネー機能付きのICカード10または携帯端末20の管理センター等に設置されており、各ICカード10または携帯端末20の使用状況や残額等の管理を行う。
【0031】
また、サーバ40は図1に示すように、定期間限度額内自動チャージ手段410を有する。定期間限度額内自動チャージ手段410は、後述する定期間限度額内自動チャージ処理(図5、図6)を実行する。
また、定期間限度額内自動チャージ手段410は更に分割チャージ手段411を有する。分割チャージ手段411は、分割チャージ機能を付加した定期間限度額内自動チャージ処理(図7、図8;後述)を実行する。
【0032】
サーバ40およびクレジット会社・金融機関のサーバ50は、例えば、制御部401、記憶部402、メディア入出力部403、通信制御部404、入力部405、印刷部406、表示部407等がバス408を介して接続されて構成される。
【0033】
制御部401のCPUは、記憶部402、ROM、記録媒体等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バス408を介して接続された各装置を駆動制御する。
ROMは、コンピュータのブートプログラムやBIOS等のプログラム、データ等を恒久的に保持し、RAMは、ロードしたプログラムやデータを一時的に保持するとともに、制御部401が各種処理を行うために使用するワークエリアを備える。
【0034】
記憶部402は、HDD(ハードディスクドライブ)であり、制御部401が実行するプログラムや、プログラム実行に必要なデータ、OS(オペレーティング・システム)等が格納されている。これらのプログラムコードは、制御部401により必要に応じて読み出されてRAMに移され、CPUに読み出されて各種の手段として実行される。
【0035】
メディア入出力部403(ドライブ装置)は、例えば、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、PDドライブ、CDドライブ、DVDドライブ、MOドライブ等のメディア入出力装置であり、データの入出力を行う。
【0036】
通信制御部404は、通信制御装置、通信ポート等を有し、通信網60との通信を媒介する通信インタフェースであり、通信制御を実行する。
入力部405は、例えば、キーボード、マウス等のポインティング・デバイス、テンキー等の入力装置であり、データの入力を行う。
印刷部406は、プリンタであり、例えば、レシート等の印刷処理を行う。
表示部407は、液晶パネル、CRTモニタ等のディスプレイ装置と、ディスプレイ装置と連携して表示処理を実行するための論理回路(ビデオアダプタ等)で構成される。
【0037】
次に、本実施の形態の定期間限度額内自動チャージ手段410の動作について、図5および図6に沿って説明する。
図5は、定期間限度額内自動チャージ手段410により実行される定期間限度額内自動チャージ処理の流れを示すフローチャート、図6は、サーバ40の記憶部402に格納されるカード情報格納データベース420のデータ構成例を示す図である。
【0038】
サーバ40の記憶部402には、定期間限度額内自動チャージ処理の実行に必要なプログラム及びカード情報格納データベース420が格納されており、サーバ40の制御部401は記憶部402から上述のプログラムを読み出すとともにカード情報格納データベース420に含まれる情報を読み出し、図5のフローチャートに従って各処理を実行する。
【0039】
またユーザは、電子マネー機能付きのICカード10および携帯端末20の使用に先立ち、設定期間、チャージ限度額、及び期間開始日時をチャージ端末30またはレジ端末32から登録しておく。
チャージ端末30またはレジ端末32は、登録された設定期間、チャージ限度額、及び期間開始日時を通信網60を介してサーバ40に送り、サーバ40は、記憶部402のカード情報格納データベース420に格納する。
【0040】
図6に示すように、カード情報格納データベース420には、各ICカード10あるいは携帯端末20のカード識別コード421に対応付けて、登録された設定期間422、登録されたチャージ限度額423、残額424、及び期間開始日時425が格納される。
【0041】
例えば、カード識別コード421が「AAA」のICカード10の場合、自動チャージの設定期間422として「1ヶ月」が登録され、チャージ限度額423として「3万円」が登録される。また、残額424は例えば「3000円」のように、データ参照時点での残額424の情報が逐次更新して格納される。期間開始日時425は例えば「2008年2月5日」というように、最新の期間開始日時425が更新して格納される。
【0042】
設定期間422は、カード識別コード421が「BBB」の場合は、「3ヶ月」、「CCC」の場合は「2週間」というように、ユーザの要求に従って予め設定される。
また、チャージ限度額425についても、ユーザの要求に従って、例えば、「3万円」、「5万円」、「2万円」等のように予め設定される。
【0043】
期間開始日時425は、設定期間を設定した日時から設定期間が経過する都度更新して格納されるものである。例えば、カード識別コード「AAA」のICカード10の場合は、期間開始日時425「2008年2月5日」から設定期間422の「1ヶ月」が経過すると、経過した日時「2008年3月5日」に書き換えられる。同様に、カード識別コード「BBB」のICカード10の場合は、期間開始日時425「2008年1月1日」から設定期間422の「3ヶ月」が経過すると、経過した日時「2008年4月1日」に書き換えられ、カード識別コード「CCC」のICカード10の場合は、期間開始日時425「2008年4月10日」から設定期間422の「2週間」が経過すると、経過した日時「2008年4月24日」に書き換えられる。
【0044】
図5において、サーバ40の制御部401は、まずカード情報格納データベース420から設定期間422、チャージ限度額423、期間開始日時425、及び残額424を読み出し(ステップS101)、各ICカード10及び携帯端末20について、期間開始日時425から設定期間422が経過したか否かを判定する(ステップ102)。
【0045】
設定期間422が経過している場合は(ステップS102;Yes)、チャージ限度額423をチャージする。すなわち、サーバ40の制御部401はクレジットカード会社または金融機関のサーバ50にアクセスし、ICカード10または携帯端末20の電子マネー機能用に登録されている口座からチャージ限度額分を引き落とす。そして、残額424にチャージ限度額423を加算して更新記録する(ステップS103)。次に、期間開始日時425を現在の日時に更新する(ステップS104)。
【0046】
一方、ステップS102において、期間開始日時425から設定期間422が経過していない場合、すなわち設定期間内は(ステップS102;No)、チャージ処理を行わずに定期間限度額内自動チャージ処理を終了する。
【0047】
以上の定期間限度額内自動チャージ処理により、サーバ40は、各ICカード10または携帯端末20ごとに予め設定された設定期間内は、残額に関わらずチャージ処理を行わないが、設定期間が経過した場合には予め設定されているチャージ限度額を限度にチャージ処理を実行し、カード情報格納データベース420の情報を更新する。
【0048】
例えば、カード識別コード421が「AAA」のICカード10の場合、図6に示すように残額424は「3000円」、チャージ限度額425は「3万円」であるが、期間開始日時から設定期間「1ヶ月」を経過した場合にはチャージ限度額の「3万円」を自動的にチャージすることとなり、チャージ後の残額は「3万3000円」となる。前回自動チャージした日時である期間開始日時から設定期間が経過していない場合は残額に関わらず自動的なチャージ処理は行われない。
【0049】
ここで、定期間限度額自動チャージ手段による上述の処理はサーバ40で実行される処理であるので、ICカード10または携帯端末20の情報記憶部117に格納されている残額424は最新の情報に書き換えられていない。そこで、本実施の形態の自動チャージシステム1では、ユーザがICカード10または携帯端末20を使用するためにレジ端末32またはチャージ端末30のリーダ/ライタ305にかざした際に、レジ端末32またはチャージ端末30がサーバ40とデータを送受信し、最新の残額424のデータをリーダ/ライタ305によってICカード10または携帯端末20の情報記憶部117に書き込むものとする。
【0050】
また、サーバ40による定期間限度額内自動チャージ処理は、サーバ40側が定期的に行うものとしてもよいし、レジ端末32またはチャージ端末30から処理実行の要求を受けたときに行うものとしてもよい。
【0051】
また、本実施の形態の自動チャージシステム1では、定期間限度額内自動チャージ手段410は分割チャージ手段411により、設定されたチャージ限度額を分割して自動チャージするようにしてもよい。
以下、図7及び図8を参照して、分割チャージ機能を付加した定期間限度額自動チャージ処理について説明する。
図7は、分割チャージ手段411により実行される分割チャージ機能を付加した定期間限度額内自動チャージ処理の流れを示すフローチャートであり、図8は、サーバ40の記憶部402に格納されるカード情報格納データベース420bのデータ構成例を示す図である。
【0052】
ユーザは、電子マネー機能付きのICカード10および携帯端末20の使用に先立ち、設定期間422、チャージ限度額423、及び期間開始日時425に加え、分割チャージ設定額426をチャージ端末30またはレジ端末32から登録しておく。
分割チャージ設定額426とは、設定したチャージ限度額423を複数回に分けてチャージする場合の1回あたりのチャージ額である。例えばチャージ限度額423を「3万円」とした場合には分割チャージ設定額426は「3万円」より少ない金額が設定される必要があり、例えば「3000円」等とすればよい。チャージ限度額423を「3万円」、分割チャージ設定額426を「3000円」とした場合には分割チャージ可能な回数は10回までとなる。
【0053】
チャージ端末30またはレジ端末32は、登録された設定期間422、チャージ限度額423、期間開始日時425、分割チャージ設定額426を通信網60を介してサーバ40に送り、サーバ40は、記憶部402のカード情報格納データベース420bに格納する。
【0054】
図8に示すように、サーバ40のカード情報格納データベース420bには、各ICカード10及び携帯端末20のカード識別コード421に対応付けて、設定期間422、チャージ限度額423、残額424、期間開始日時425、分割チャージ設定額426、分割チャージ済み金額427が格納される。
【0055】
分割チャージ済み金額427とは、分割チャージ設定額426に設定された金額をチャージ処理する都度、加算したものである。設定期間422が経過した場合には、分割チャージ済み金額427は初期化(=0)される。
【0056】
例えば、カード識別コード421が「AAA」のICカード10の場合、自動チャージの設定期間422は「1ヶ月」であり、チャージ限度額423は「30000円」である。また、データ参照時点での残額424は「3000円」であり、期間開始日時425は「2008年2月5日」である。また、分割チャージ設定額426は「3000円」であり、データ参照時点での分割チャージ済み金額427は「15000円」である。
【0057】
分割チャージ設定額426は、カード識別コード421が「BBB」の場合は「−(設定なし)」、「CCC」の場合は「10000円」というように、ユーザの要求に従って予め設定される。分割チャージ設定額426が設定されていない場合は、通常の定期間限度額自動チャージ処理(図5参照)が適用される。
【0058】
図7において、サーバ40の制御部401は、まずカード情報格納データベース420bから設定期間422、チャージ限度額423、期間開始日時425、残額424、分割チャージ設定額426、及び分割チャージ済み金額427を読み出し(ステップS201)、各ICカード10及び携帯端末20について、期間開始日時425から設定期間422が経過したか否かを判定する(ステップ202)。
【0059】
設定期間422が経過していない場合は(ステップS202;No)、次に分割チャージ済み金額427がチャージ限度額423より少ないか否かを判定する(ステップS203)。分割チャージ済み金額427がチャージ限度額423以上である場合は(ステップS203;No)、チャージ処理を行わずに処理を終了する。
【0060】
一方、分割チャージ済み金額427がチャージ限度額423より少ない場合は(ステップS203;No)、更に残額423が固定額より少ないか否かを判定する(ステップS204)。ここで、固定額とは残額424がこの固定額を下回る場合にのみチャージ処理を行うように設定される金額である。固定額はユーザまたはサーバ40の管理者により設定される。例えば「1000円」等である。
【0061】
残額423が固定額以上の場合(ステップS204;No)は、チャージ処理を行わないで処理を終了する。
一方、残額423が固定額より少ない場合(ステップS204;Yes)は、分割チャージ設定額426をチャージする。すなわち、クレジットカード会社または金融機関のサーバ50にアクセスし、ICカード10または携帯端末20の電子マネー機能用に登録されている口座から分割チャージ設定額分を引き落とす。
【0062】
そして、残額424に分割チャージ設定額426を加算して更新記録する。また、分割チャージ済み金額427に分割チャージ設定額426を加算して更新記録する(ステップS205)。
【0063】
一方、ステップS202において、設定期間422が経過している場合は(ステップS202;Yes)、分割チャージ済み金額427を一旦初期化(←0)し(ステップS206)、期間開始日時425を現在時刻に更新する(ステップS207)。その後、ステップS204に移行し、残額422が固定額を下回るか否かを判定し、固定額より少なければ、分割チャージ設定額426をチャージし、残額424に分割チャージ設定額426を加算して更新記録するとともに、分割チャージ済み金額427に分割チャージ設定額426を加算して更新記録する(ステップS205)。
【0064】
以上の分割チャージ機能を付加した定期間限度額内自動チャージ処理により、サーバ40は、予め設定された設定期間内は、予め設定した分割チャージ設定額ずつチャージ限度額を限度にチャージ処理を実行し、カード情報格納データベース420bの情報を更新する。また、分割チャージ済み金額427がチャージ限度額423に達するとチャージ処理を行わない。また、設定期間422を経過した場合は、分割チャージ済み金額を一旦初期化するとともに、期間更新日時を更新し、分割チャージ設定額をチャージする。
【0065】
例えば、カード識別コード421が「AAA」のICカード10の場合、図8に示すように、残額424は「3000円」、チャージ限度額423は「3万円」である。期間開始日時425から設定期間422の「1ヶ月」の間は、残額424が固定額を下回る都度、分割チャージ設定額426の「3000円」ずつチャージ限度額423の「3万円」に達するまで自動的にチャージする。
【0066】
以上のように、本実施の形態の自動チャージシステム1は、一定期間は電子マネー機能付きICカード10のチャージ額をユーザの設定した金額を限度として自動チャージする。そのため一定期間は設定した金額より多く自動チャージされることがない。例えば、電子マネー機能付きICカード10で食品を購入する場合、一月の食費を設定し、管理することも可能になる。またユーザが予め分割チャージ額を設定すれば、限度額を分割してチャージすることもできるので、より細やかな出費の管理を行えるようになる。設定した限度額を超えてICカード10を使用したい場合には、チャージ端末30により、現金を入金してチャージすることも可能である。
【0067】
尚、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の改変が可能であり、それらも、本発明の技術範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本実施の形態の自動チャージシステム1の構成を示す図
【図2】ICカード10の構成を示す図
【図3】チャージ端末30(レジ端末32)のハードウエア構成図
【図4】サーバ40、50のハードウエア構成図
【図5】定期間限度額内自動チャージ処理の流れを示すフローチャート
【図6】カード情報格納データベース420の構成を示す図
【図7】分割チャージ機能を付加した定期間限度額内自動チャージ処理の流れを示すフローチャート
【図8】カード情報格納データベース420bの構成を示す図
【符号の説明】
【0069】
1・・・自動チャージシステム
10・・・ICカード
20・・・携帯端末
30・・・チャージ端末
32・・・レジ端末
305・・・ICカード・リーダ/ライタ305
40・・・サーバ
410・・・定期間限度額内自動チャージ手段
411・・・分割チャージ手段
50・・・クレジット会社・金融機関のサーバ
60・・・通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子マネー機能付きICカードと、ICカード・リード/ライト機能を有するレジ端末と、前記レジ端末と通信網を介して接続されたサーバとからなり、
前記サーバは、予め定めた設定期間内は予め定めた設定金額を限度に、前記電子マネー機能付きICカードに対して所定金額をチャージする定期間限度額内自動チャージ手段を有することを特徴とするICカードチャージシステム。
【請求項2】
前記定期間限度額内自動チャージ手段は、前記設定期間内は前記設定金額を分割して前記電子マネー機能付きICカードに対してチャージする分割チャージ手段を更に有することを特徴とする請求項1記載のICカードチャージシステム。
【請求項3】
前記電子マネー機能付きICカードは、電子マネー機能付きの携帯端末であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のICカードチャージシステム。
【請求項4】
電子マネー機能付きICカードに対して、予め定めた設定期間内は予め定めた設定金額を限度に、所定金額をチャージする定期間限度額内自動チャージ手段を有することを特徴とするサーバ。
【請求項5】
コンピュータを、請求項4記載のサーバとして機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−282869(P2009−282869A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−136147(P2008−136147)
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】