説明

JNK阻害剤

式(I)


[式中、Rは置換もしくは非置換のアリール等を表し、Rは水素原子、NR(式中、RおよびRは同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルカノイル等を表す)、カルボキシ、低級アルケニル等を表す]で表されるインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩を有効成分として含有するJNK阻害剤を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、脳神経変性疾患の治療等に有用なJNK阻害剤に関する。また本発明は、JNK阻害作用を示し、脳神経変性疾患の治療等に有用なインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩に関する。
【背景技術】
JNK(c−Jun N末キナーゼ:c−Jun N−terminal Kinase)は、高張刺激や紫外線、タンパク質合成阻害剤等の物理的、化学的ストレスやTNF−α(腫瘍壊死因子−α:Tumour Necrosis Factor−α)、IL−1(インターロイキン−1:Interleukin−1)等のサイトカインによって活性化され、AP−1(アクティベータープロテイン−1:Activator Protein−1)転写因子であるJunをリン酸化してその転写活性を上昇させる酵素であり、ストレス応答やアポトーシスに関与している。特にアポトーシスでは、血清除去によるPC12細胞のアポトーシスやセラミドを介したアポトーシスでJNKが必須の役割を果たしていること、また種々の細胞株やラット新生児線条体神経細胞初代培養のアポトーシスの際にJNKが活性化されていることが知られている[日本臨床56巻、1779頁(1998年);ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(Journal of Biological Chemistry)、273巻、3756頁(1998年)]。
現在、JNKにはJNK1、JNK2、JNK3の3種のサブタイプが存在することが知られており、JNK3のノックアウトマウスにおいて、興奮性神経毒による海馬の細胞死が顕著に低減されることも報告されている[ネイチャー(Nature)、389巻、865頁(1997年)]。従って、JNK阻害剤は脳神経変性疾患治療剤として有用であると考えられる。
従来、JNK阻害剤としては、オキシインドール誘導体等が知られている(WO00/35906、WO00/35909、WO00/35921等)。
インダゾール誘導体としては、種々の化合物が知られている(特開平2−32059号、WO01/53268、WO02/10137等)。その中でWO02/10137記載の化合物はJNK阻害活性を有することが示されている。
特開平2−32059号においては、式(III)

{式中、R2Aは水素原子、ニトロ、NR3D4D[式中、R3DおよびR4Dは、同一または異なって水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、低級アルカノイル(該低級アルカノイルの炭素数は1〜6である)等を表す]等を表し、Rは水素原子等を表し、
Arはピリジル、置換もしくは非置換の2−オキソクロメニル(2−オキソクロメニル基はそのベンゼン環上でエテニル基(−CH=CH−)と結合し、2−オキソクロメニル基上の置換基は炭素数1〜6の低級アルキルまたは炭素数1〜6の低級アルコキシである)、フェニルまたは置換フェニル[該置換フェニル上の置換基Q1a、Q2aおよびQ3aは同一または異なって、水素原子、ハロゲン、炭素数1〜6の低級アルキル、ヒドロキシ、炭素数1〜6の低級アルコキシ、ニトロ、ニトロソ、カルボキシ、炭素数1〜6の低級アルコキシカルボニル、NR3E4E(式中、R3EおよびR4Eは前記R3DおよびR4Dと同義である)またはO(CHndNR3D14D1(式中、ndは1〜6の整数であり、R3D1およびR4D1は前記R3DおよびR4Dと同義である)を表すか、Q1a〜Q3aの任意の2つが一緒になって−O(CR3F4F)O−(式中、末端の2つの酸素原子はフェニル基上のオルト位でフェニル基に結合し、R3FおよびR4Fは同一または異なって、水素または炭素数1〜6の低級アルキルを表すか、R3FとR4Fが一緒になって炭素数4〜5のアルキレン基を形成する)を表す。但し、該置換フェニルの置換基Q1a、Q2aおよびQ3aは同時に水素ではない]を表す}で表される化合物が開示されている。
WO01/53268においては、細胞分化抑制作用を有する式(IV)

[式中、R1BはCH=CH−R1C(式中、R1Cは置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の複素環基等を表す)を表し、R2BはCH=CH−R1C1(式中、R1C1は置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール等を表す)を表す]で表される化合物が開示されている。
WO02/10137においては、JNK阻害活性を有する式(V)

[式中、R1B1はCH=CH−R1D(式中、R1Dは置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール等を表す)を表し、R2B1は水素原子、アミノ等を表す]で表される化合物が開示されている。
【発明の開示】
本発明の目的は、脳神経変性疾患の治療等に有用なJNK阻害剤を提供すること、およびJNK阻害作用を示し、脳神経変性疾患の治療等に有用な新規インダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩を提供することにある。
本発明は、以下の(1)〜(22)に関する。
(1)式(I)

[式中、Rは置換もしくは非置換のアリール、または置換もしくは非置換の複素環基を表し、
は、
a)水素原子、
b)NR(式中、RおよびRは同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルカノイル、置換もしくは非置換のアロイル、ヘテロアロイルまたは低級アルコキシカルボニルを表す)、
c)カルボキシ、
d)CONR3A4A(式中、R3AおよびR4Aは同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルカノイル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアロイル、ヘテロアロイルまたは低級アルコキシカルボニルを表す)、
e)置換もしくは非置換の低級アルケニル、または
f)置換もしくは非置換の低級アルキニル
を表す]
で表されるインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩を有効成分として含有するJNK(c−Jun N末キナーゼ:c−Jun N−terminal Kinase)阻害剤。
(2)式(II)

[式中、Rは置換もしくは非置換のピリジルまたはアロイルアミノで置換されたフェニルを表し、
は、
a)NR3B4B(式中、R3BおよびR4Bは同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルカノイル、置換もしくは非置換のアロイル、またはヘテロアロイルを表す)、
b)カルボキシ、
c)CONR3C4C(式中、R3CおよびR4Cは同一または異なって、水素原子または置換もしくは非置換のアリールを表す)、
d)置換もしくは非置換の低級アルケニル、または
e)置換もしくは非置換の低級アルキニル
を表す]
で表されるインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩。
(3)第(1)項記載のインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩の少なくとも一つを含有する脳神経変性疾患治療剤。
(4)脳神経変性疾患が脳梗塞、パーキンソン病、アルツハイマー病、進行性核上性麻痺、AIDS脳症、伝播性海綿状脳症、多発性硬化症、筋発育不全性側索硬化症、多系統委縮病、注意欠陥多動性障害、ハンチントン病、糖尿病性神経症および外傷性神経変性疾患から選ばれる疾患である第(3)項記載の脳神経変性疾患治療剤。
(5)第(1)項記載のインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩の少なくとも一つを含有する急性期脳梗塞治療剤。
(6)第(2)項記載のインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩の少なくとも一つを含有する脳神経変性疾患治療剤。
(7)脳神経変性疾患が脳梗塞、パーキンソン病、アルツハイマー病、進行性核上性麻痺、AIDS脳症、伝播性海綿状脳症、多発性硬化症、筋発育不全性側索硬化症、多系統委縮病、注意欠陥多動性障害、ハンチントン病、糖尿病性神経症および外傷性神経変性疾患から選ばれる疾患である第(6)項記載の脳神経変性疾患治療剤。
(8)第(2)項記載のインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩の少なくとも一つを含有する急性期脳梗塞治療剤。
(9)第(2)項記載のインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩の少なくとも一つを含有する医薬。
(10)第(2)項記載のインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩を有効成分として含有するJNK阻害剤。
(11)第(1)項記載のインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とするJNKの活性化に由来する疾患の治療および/または予防方法。
(12)第(1)項記載のインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とする脳神綿変性疾患の治療および/または予防方法。
(13)第(1)項記載のインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とする急性期脳梗塞の治療および/または予防方法。
(14)第(2)項記載のインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とするJNKの活性化に由来する疾患の治療および/または予防方法。
(15)第(2)項記載のインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とする脳神経変性疾患の治療および/または予防方法。
(16)第(2)項記載のインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とする急性期脳梗塞の治療および/または予防方法。
(17)JNK阻害剤の製造のための第(1)項記載のインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩の使用。
(18)脳神経変性疾患の治療および/または予防剤の製造のための第(1)項記載のインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩の使用。
(19)急性期脳梗塞の治療および/または予防剤の製造のための第(1)項記載のインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩の使用。
(20)JNK阻害剤の製造のための第(2)項記載のインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩の使用。
(21)脳神経変性疾患の治療および/または予防剤の製造のための第(2)項記載のインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩の使用。
(22)急性期脳梗塞の治療および/または予防剤の製造のための第(2)項記載のインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩の使用。
以下、式(I)で表される化合物を化合物(I)という。他の式番号の化合物についても同様である。
本明細書中の化合物の各基の定義において、低級アルコキシカルボニルのアルキル部分は、例えば炭素数1〜8の直鎖または分岐状のアルキル、より具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル等を表す。
低級アルケニルは、例えば炭素数2〜8の直鎖または分岐状のアルケニル、より具体的にはビニル、アリル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル等を表す。
低級アルキニルは、例えば炭素数2〜8のアルキニル、より具体的にはエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル等を表す。
低級アルカノイルは、例えば炭素数1〜8の直鎖または分岐状のアルカノイル、より具体的にはホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル等を表す。
アリール、アロイルおよびアロイルアミノのアリール部分は、例えばフェニル、ナフチル等を表す。
複素環基は、例えばピロリジニル、ピペリジニル、1,2−ジヒドロピリジル、N−置換もしくは非置換のピペラジニル(窒素原子上の置換基は低級アルキルまたは低級アルカノイル等であり、低級アルキルおよび低級アルカノイルはそれぞれ前記と同義である)、モルホリニル、チオモルホリニル、ピラゾリニル、オキサゾリニル、ジオキソラニル、テトラヒドロピラニル、N−置換もしくは非置換のホモピペラジニル(窒素原子上の置換基は低級アルキルまたは低級アルカノイル等であり、低級アルキルおよび低級アルカノイルはそれぞれ前記と同義である)等の脂肪族複素環基または例えばフリル、チエニル、ピロリル、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、ピリミジニル、インドリル、クマリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、キノリル、イソキノリル、キナゾリニル、ピラジニル等の芳香族複素環基を表す。
ヘテロアロイルにおけるヘテロアリール部分は、例えばフリル、チエニル、ピロリル、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、ピリミジニル、インド、リル、クマリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、キノリル、イソキノリル、キナゾリニル、ピラジニル等の芳香族複素環基を表す。
置換低級アルケニル、置換低級アルキニルおよび置換低級アルカノイルにおける置換基としては、同一または異なって、置換数1〜3の、例えば
a)ヒドロキシ、
b)低級アルコキシ
c)オキソ、
d)カルボキシ、
e)低級アルコキシカルボニル、
f)NR[式中、RおよびRは同一または異なって、水素原子、または低級アルキルを表すか、またはRとRが隣接する窒素原子と一緒になって複素環基(該複素環基は酸素原子、硫黄原子または他の窒素原子を含んでもよい)を形成する]、
g)CONR8A9A(式中、R8AおよびR9Aはそれぞれ前記RおよびRと同義である)、
h)置換アリール(該置換アリールにおける置換基は、カルボキシまたは低級アルコキシカルボニル等である)、
i)置換もしくは非置換の複素環基(該置換複素環基における置換基は、低級アルコキシ等である)、
j)ヘテロアロイル、
k)アリールスルホニル等
があげられる。
置換低級アルケニル、置換低級アルキニルおよび置換低級アルカノイルにおける置換基の定義において、低級アルコキシカルボニルは前記と同義であり、低級アルキルおよび低級アルコキシの低級アルキル部分は、前記の低級アルコキシカルボニルのアルキル部分と同義である。アリール、ヘテロアロイルおよび複素環基はそれぞれ前記と同義である。隣接する窒素原子と一緒になって形成される複素環基(該複素環基は酸素原子、硫黄原子または他の窒素原子を含んでもよい)は、例えばピロリジニル、モルホリノ、チオモルホリノ、ピラゾリジニル、ピペリジノ、ピペラジニル、N−置換ピペラジニル(窒素原子上の置換基は低級アルキルまたは低級アルカノイル等である)、ホモピペラジニル、N−置換ホモピペラジニル(窒素原子上の置換基は低級アルキルまたは低級アルカノイル等である)、ピロリル、インドリル、イソインドリル等を表す。アリールスルホニルのアリール部分は前記アリールと同義である。
置換アリール、置換アロイル、置換ピリジルおよび置換複素環基における置換基としては、同一または異なって、置換数1〜3の、例えば
a)置換もしくは非置換の低級アルコキシ、
b)カルボキシ、
c)低級アルコキシカルボニル
d)NR1011(式中、R10およびR11は同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、アラルキル、低級アルカノイル、アロイルまたは低級アルコキシカルボニルを表す)、
e)CONR10A11A(式中、R10AおよびR11Aはそれぞれ前記R10およびR11と同義である)、
f)置換もしくは非置換の低級アルキル、
g)オキソ、
h)ホルミル等
があげられる。
置換アリール、置換アロイル、置換ピリジルおよび置換複素環基における置換基の定義において、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルカノイルおよびアロイルはそれぞれ前記と同義である。アラルキルのアリール部分は前記アリールと同義であり、アラルキルのアルキレン部分は前記低級アルキルから水素原子を1つ除去したものを表す。置換低級アルキルおよび置換低級アルコキシにおける置換基は前記置換低級アルケニルにおける置換基と同義である。
化合物(I)の薬理的に許容される塩は、薬理的に許容される酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩等を包含する。酸付加塩としては塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等の有機酸塩があげられ、金属塩としてはナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等があげられ、アンモニウム塩としてはアンモニウム、テトラメチルアンモニウム等の塩があげられ、有機アミン付加塩としてはモルホリン、ピペリジン等の付加塩があげられ、アミノ酸付加塩としてはリジン、グリシン、フェニルアラニン等の付加塩があげられる。
次に化合物(II)の製造法について説明する。
なお、以下に記載の反応工程、構造式、表等におけるMe、Ac、Ph、Bzはそれぞれメチル、アセチル、フェニル、ベンゾイルを意味する。また、以下に記載の反応工程における各基の定義は、特に断らない限り、前記それぞれの基の定義と同義である。
また、以下に示す製造法において、定義した基が実施方法の条件下で変化するかまたは方法を実施するのに不適切な場合、有機合成化学で常用される保護基の導入および脱離方法[例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)、グリーン(T.W.Greene)著、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコーポレイテッド(John Wiley & Sons Inc.)(1981年)]等を用いることにより、目的化合物を得ることができる。また、必要に応じて置換基導入等の反応工程の順序を変えることもできる。
化合物(II)は、以下の反応工程に従い製造することができる。
製造法1
化合物(II)は、公知の方法[例えば、ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、52巻、19頁(1987年);カナディアン・ジャーナル・オブ・ケミストリー(Can.J.Chem.)、51巻、792頁(1973年)]に準じて得られる化合物(A)から、下記の工程によって製造することができる。

(式中、Xは塩素、臭素またはヨウ素を表し、RおよびRはそれぞれ前記と同義である)
工程1
化合物(A)を、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒中またはそれらの混合溶媒中、塩基存在下、化合物(B)と反応させることにより、化合物(II)を得ることができる。
塩基としては、炭酸カリウム、カリウムtert−ブトキシド、水素化ナトリウム等が用いられる。化合物(A)に対して、化合物(B)および塩基はそれぞれ1〜10当量用いられる。反応は通常0℃〜100℃の間の温度で行われ、1〜72時間で終了する。
製造法2
化合物(II)のうち、RまたはR部分に特定の官能基を有する化合物(IIb)は、製造法1または公知の方法(例えば、特開平2−32059号)に準じて得られるRまたはR部分に他の官能基を有する化合物(C)から、下記の工程によっても製造することができる。
なお、下記の工程2−1〜2−8において化合物(IIb)等と示す全ての化合物が化合物(II)の範囲に含まれるわけではないが、便宜上、化合物(IIb)と表す。また、下記の工程2−1〜2−8において化合物(C)と表記された化合物であっても、化合物(II)に含まれる化合物もある。

(式中、R5a、R6a、R5bおよびR6bはそれぞれ下記の各工程2−1〜2−8で定義する基を表す。ただし、下記の各工程2−1〜2−8で特に定義のない場合は、R5aおよびR5bはRと同義であり、R6aおよびR6bはRと同義である)
工程2−1
(工程2−1においては、R5aおよびR6aのうち少なくとも1つは低級アルコキシカルボニルを含む置換基を表し、R5bおよびR6bのうち少なくとも1つはカルボキシを含む置換基を表す)
化合物(C)を水中、または水とメタノール、エタノール、テトラヒドロフラン等との混合溶媒中、水酸化ナトリウム等の塩基または塩酸等の酸存在下、加水分解に付すことにより、化合物(IIb)を得ることができる。
化合物(C)に対して、酸または塩基は0.1〜10当量用いられる。反応は通常20℃〜100℃の間の温度で行われ、1〜24時間で終了する。
工程2−2
(工程2−2においては、R6aはニトロを表し、R6bはアミノを表す)
化合物(C)を水、エタノール等の単独もしくは混合溶媒中または無溶媒で、濃塩酸、酢酸等の酸存在下、スズ、鉄等の還元剤で処理するか、または水、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒中もしくはそれらの混合溶媒中、パラジウム炭素、二酸化白金、ラネーニッケル等の触媒存在下、水素雰囲気下もしくはヒドラジン水和物、ギ酸アンモニウム等の水素供与体存在下、還元反応に付すことにより、化合物(IIb)を得ることができる。
化合物(C)に対して、スズ、鉄等の還元剤は1〜20当量、触媒は0.5〜100重量%、水素供与体は1〜100当量用いられる。反応は通常0℃〜100℃の間の温度で行われ、1〜72時間で終了する。
工程2−3
[工程2−3においては、R5aおよびR6aのうち少なくとも1つはカルボキシを含む置換基を表し、R5bおよびR6bのうち少なくとも1つはCONR3D4D(式中、R3DおよびR4Dはそれぞれ前記R3CおよびR4Cと同義である)を含む置換基を表す]
化合物(C)をジクロロメタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピペリドン等の溶媒中またはそれらの混合溶媒中、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、ポリマーバウンド−1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、トリフェニルホスフィンオキシド・トリフルオロメタンスルホン酸無水物等の縮合剤、および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシコハク酸イミド等の活性化剤存在下、HNR3D4D(式中、R3DおよびR4Dはそれぞれ前記と同義である)で示される化合物(III)と反応させることにより、化合物(IIb)を得ることができる。
化合物(C)に対して、縮合剤、活性化剤および化合物(III)はそれぞれ1〜20当量用いられる。反応は通常−20℃〜80℃の間の温度で行われ、30分間〜24時間で終了する。なお化合物(III)の種類によっては、あらかじめ活性化剤と混合することにより塩を調製してから反応に用いることもできる。
工程2−4
[工程2−4においては、R6aはアミノを表し、R6bはNHCOR12(式中、R12は置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアリールまたはヘテロアリールを表す)を含む置換基を表す]
12の定義において、低級アルキル、アリールおよびヘテロアリールはそれぞれ前記と同義である。置換低級アルキルにおける置換基は、前記の置換低級アルケニルにおける置換基と同義であり、置換アリールにおける置換基は前記と同義である。
化合物(C)をジクロロメタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピペリドン等の溶媒中またはそれらの混合溶媒中、トリエチルアミン、ピリジン、p−ジメチルアミノピリジン、ポリビニルピリジン、4−モルホリノメチルポリスチレン、4−ピペリジノポリスチレン等の塩基存在下、R12COCl(式中、R12は前記と同義である)で示される化合物(IV)または(R12CO)O(式中、R12は前記と同義である)で示される化合物(V)と反応させるか、またはジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、ポリマーバウンド−1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド等の縮合剤、および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシコハク酸イミド等の活性化剤存在下、R12COH(式中、R12は前記と同義である)で示される化合物(VI)と反応させることにより、化合物(IIb)を得ることができる。
化合物(C)に対して、塩基、化合物(IV)または化合物(V)、縮合剤、活性化剤および化合物(VI)はそれぞれ1〜20当量用いられる。反応は通常−20℃〜80℃の間の温度で行われ、30分間〜24時間で終了する。
工程2−5
(工程2−5においては、R6aはハロゲンを表し、R6bはカルボキシを表す)
化合物(C)をテトラヒドロフラン等の溶媒中、水素化ナトリウム、n−ブチルリチウム等の強塩基で処理した後、気体もしくは固体の二酸化炭素等を反応させることにより、化合物(IIb)を得ることができる。
化合物(C)に対して、強塩基は1〜10当量、二酸化炭素は1〜200当量用いられる。反応は通常−80℃〜30℃の間の温度で行われ、1〜24時間で終了する。
工程2−6
(工程2−6においては、R6aはハロゲンを表し、R6bは置換もしくは非置換の低級アルキニルを表す)
化合物(C)をテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、水、ジエチルアミン等の単独または混合溶媒中、酢酸パラジウム、ビス(ベンゾニトリル)ジクロロパラジウム、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム、ジクロロ(ビストリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等のパラジウム触媒、およびトリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン等の配位子存在下もしくは非存在下、ハロゲン化第一銅(該ハロゲン化第一銅におけるハロゲンは前記と同義である)等の触媒存在下もしくは非存在下、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン等の塩基存在下もしくは非存在下、置換もしくは非置換のアルキン(該置換アルキンにおける置換基は前記置換アルキニルにおける置換基と同義である)と反応させることにより、化合物(IIb)を得ることができる。
化合物(C)に対して、置換もしくは非置換のアルキンは1〜10当量、パラジウム触媒および配位子はそれぞれ0.01〜10当量、ハロゲン化第一銅および塩基はそれぞれ0〜10当量用いられる。反応は通常0℃〜150℃の間の温度で行われ、1〜120時間で終了する。
工程2−7
(工程2−7においては、R5aおよびR6aのうち少なくとも1つはホルミルまたは低級アルコキシカルボニルを含む置換基であり、R5bおよびR6bのうち少なくとも1つはヒドロキシメチルを含む置換基である)
化合物(C)を水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン、エーテル、ジクロロメタン等の単独または混合溶媒中、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム等の還元剤で処理することにより、化合物(IIb)を得ることができる。
化合物(C)に対して、還元剤は1〜10当量用いられる。反応は通常−78℃〜100℃の間の温度で行われ、5分間〜24時間で終了する。
工程2−8
(工程2−8においては、R6aはホルミルであり、R6bは置換もしくは非置換の低級アルケニルである)
化合物(C)をメタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン等の溶媒中またはそれらの混合溶媒中、塩基存在下もしくは非存在下、R13CHPh・X(式中、Xは前記と同義であり、R13は置換低級アルケニルにおける置換基または水素原子である)で示される化合物(VII)、R13CHP(O)(OR14(式中、R13は前記と同義であり、R14はメチルまたはエチルである)で示される化合物(VIII)またはR13CH=PPh(式中、R13は前記と同義である)で示される化合物(IX)と反応させることにより、化合物(IIb)を得ることができる。
塩基としては、炭酸カリウム、カリウムtert−ブトキシド、水素化ナトリウム、n−ブチルリチウム等が用いられる。化合物(C)に対して、化合物(VII)、化合物(VIII)または化合物(IX)は1〜10当量、塩基は1〜10当量用いられる。反応は通常0℃〜100℃の間の温度で行われ、1〜72時間で終了する。
化合物(II)および原料化合物におけるRまたはRに含まれる官能基の変換は、上記工程以外にも公知の他の方法[例えば、コンプリヘンシブ・オーガニック・トランスフォーメーションズ(Comprehensive Organic Transformations)、R.C.ラロック(Larock)著、(1989年)]によっても行うことができる。
工程2−2の原料として用いる化合物(C)は、以下の工程3により製造することができる(以下の式においては、工程2−2の原料となる化合物(C)を便宜上、化合物(E)と記載する)。

工程3
化合物(D)を濃硝酸−濃硫酸混合物で処理することにより、化合物(E)を得ることができる。
化合物(D)に対して、濃硝酸および濃硫酸は5〜100当量用いられる。反応は通常−10℃〜20℃の間の温度で行われ、1〜24時間で終了する。
上記の方法を適宜組み合わせて実施することにより、所望の位置に所望の官能基を有する化合物(II)を得ることができる。
化合物(I)は、上記の化合物(II)の製造方法に準じてまたは公知の方法に準じて合成するか、市販品を購入することにより入手することができる。
上記製造法における生成物の単離、精製は、通常の有機合成で用いられる方法、例えば濾過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、結晶化、各種クロマトグラフィー等を適宜組み合わせて行うことができる。また、中間体においては、特に精製することなく次の反応に供することも可能である。
化合物(I)および化合物(II)には、位置異性体、幾何異性体、互変異性体または光学異性体のような異性体が存在し得るが、可能な異性体および該異性体のいかなる比率における混合物も本発明で使用されるか本発明に包含される。
化合物(I)または化合物(II)の塩を取得したい場合には、化合物(I)または化合物(II)が塩の形で得られるときはそのまま精製すればよく、また遊離の形で得られるときは適当な溶媒に化合物(I)または化合物(II)を溶解または懸濁し、酸または塩基を加え塩を形成させればよい。
また、化合物(I)またはその薬理的に許容される塩、および化合物(II)またはその薬理的に許容される塩は、水あるいは各種溶媒との付加物の形で存在することもあるが、それら付加物も本発明で使用されるかまたは本発明に包含される。
化合物(I)の具体例としては、例えば化合物1および2があげられる。化合物(II)の具体例としては、例えば化合物1および2以外の実施例化合物があげられる。





化合物(I)またはその薬理的に許容される塩は、その薬理作用、投与目的等に応じ、そのままあるいは各種の製薬形態で使用することができる。本発明の製薬組成物は、活性成分として有効な量の化合物(I)またはその薬理的に許容される塩を薬理的に許容される担体と均一に混合して製造できる。この担体は投与に対して望ましい製剤の形態に応じて、広い範囲の形態をとることができる。これらの製薬組成物は、経口的または注射等の非経口的投与に対して適する単位服用形態にあることが望ましい。
錠剤の調製にあたっては、例えば乳糖、マンニット等の賦形剤、デンプン等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース等の結合剤、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビット脂肪酸エステル等の界面活性剤等を常法に従って用いればよい。錠剤1個あたり1〜200mgの活性成分を含有する錠剤が好適である。
注射剤の調製にあたっては、水、生理食塩水、オリーブ油、落花生油等の植物油、オレイン酸エチル、プロピレングリコール等の溶剤、安息香酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、ウレタン等の可溶化剤、食塩、グルコース等の等張化剤、フェノール、クレゾール、p−ヒドロキシ安息香酸エステル、クロロブタノール等の保存剤、アスコルビン酸、ピロ亜硫酸ナトリウム等の抗酸化剤等を常法により用いればよい。
化合物(I)またはその薬理的に許容される塩は、経口的または注射剤等として非経口的に投与可能であり、その有効用量および投与回数は投与形態、患者の年齢、体重、症状等により異なるが、通常一日当たり、0.1〜50mg/kgを投与するのが好ましい。
次に化合物(I)の活性について試験例で説明する。
試験例1 JNK3阻害作用
マウスJNK3を発現させたCOS−7細胞粗抽出液を標記酵素液とした。また、Glutathione−S−transferase(GST)−JSAP1(JNK/SAPK associated protein 1)融合タンパク質をE.coliで発現させ、その粗抽出液をGlutathione Sepharose 4B カラムを用いてアフィニティ精製した。酵素液3μL、試験化合物を含む50μLの反応液[該反応液においては、生理食塩水/試験化合物を含むDMSO溶液(重量比)=99/1に調整されている]、50μLの基質溶液(終濃度3μmol/LATP)、および0.75μCi/mL[γ−33P]−ATP、66μg/mL(1.5μmol/L)のGST−JSAP1融合タンパク質反応液を30℃で15分間インキュベートした。エタノールを添加して反応を停止し、GST−JSAP1融合タンパク質を沈殿させた。沈殿したタンパク質をフィルターメイトハーベスター(Packard Instruments)で濾過し、ユニフィルタープレートGF/Bに吸着させた。TopCount−HTS(Packard Instruments)を用いてGST−JSAP1融合タンパク質への[γ−33P]−ATPからの放射活性の取り込みを定量し、酵素阻害活性を算出した。酵素阻害活性は50%酵素活性阻害濃度(IC50)として、統計解析ソフトSAS(Release 6.12、SAS Institute,Inc)を用いてProbit(L)法により算出した。
結果を、第5表に示す。

試験例2 神経成長因子(NGF)により分化した副腎細胞株PC12の、NGF除去による細胞死抑制作用
10%ウマ血清、5%牛胎児血清、およびペニシリン/ストレプトマイシンを含むRoswell Park Memorial Institute’s Medium(RPMI)1640培地(GIBCO BRL,Life Technologies)で6.0 x 10個/mLに調製したPC12細胞をpolyethyleneimineでコートした24穴マルチディッシュ(Nulge Nunc International、番号:143982)に各ウェルあたり0.5mLずつ分注した。細胞をディッシュに接着させた後、培地を除き、0.5mLの1%ウマ血清、ペニシリン/ストレプトマイシン、および50ng/mLマウスnerve growth factor(NGF)を含むRPMI1640培地を加え、炭酸ガスインキュベーター内で37℃で9〜12日培養し神経細胞様に分化せた。試験化合物のDMSO溶液の希釈系列を作製し、1%ウマ血清、およびペニシリン/ストレプトマイシンを含みNGFを含まない培地で希釈した(DMSO終濃度0.1%)。培地を除き、0.5mLの試験化合物、1%ウマ血清、およびペニシリン/ストレプトマイシンを含みNGFを含まない培地で2度洗浄し、改めて各ウェルに0.5mLの上記培地を添加した後、炭酸ガスインキュベーター内で37℃で24時間培養した。培地を除き、各ウェルに0.2mLの試験化合物を含まない1%ウマ血清、ペニシリン/ストレプトマイシン、NGF、および1mg/mL 3−(4,5−dimethyl−2−thiazolyl)−2,5−diphenyl−2H−tetrazolium bromide(MTT)を含む培地を添加した後、炭酸ガスインキュベーター内で37℃で4時間培養した。各ウェルに0.6mLのDMSOを加え、0.2mLを96ウェルマルチタイタープレート(Nulge Nunc International、番号:167008)に移し、マイクロプレートリーダーEL3401(BIO−TEK)で590nm、および630nmでの吸光度を測定した。各ウェルごとの630nmでの吸光度から590nmでの吸光度を減じた値(差吸光度)を算出し、NGF除去をしていない細胞での値を100%、NGFを除去した細胞での値を0%として既知濃度の試験化合物で処理した細胞から得られた差吸光度を比較することにより、試験化合物細胞死抑制作用(%)を算出した。
結果を第6表に示す。

【発明を実施するための最良の形態】
以下に、実施例により本発明を詳細に説明する。
実施例に用いられるプロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)においては、化合物および測定条件によって交換性水素が明瞭には観測されないことがある。尚、シグナルの多重度の表記としては通常用いられるものを用いるが、brとは見かけ上巾広いシグナルであることを表す。
実施例1 (E)−3−[2−(4−ベンズアミドピリジン−3−イル)ビニル]−(E)−5−(2−カルボキシビニル)−1H−インダゾール(化合物23)
工程1
参考例5に準じて、ヨウ化(5−ブロモ−1H−インダゾール−3−イルメチル)トリフェニルホスホニウム(502mg,0.908mmol)、4−tert−ブトキシカルボニルアミノピリジン−3−カルボキサルデヒド(202mg,0.908mmol)および炭酸カリウム(377mg,2.72mmol)より、(E)−5−ブロモ−3−[2−(4−tert−ブトキシカルボニルアミノピリジン−3−イル)ビニル]−1H−インダゾール(271mg,72%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;1.48(s,9H),7.47(d,J=16.5Hz,1H),7.48−7.61(m,3H),7.65(d,J=16.5Hz,1H),8.34(d,J=5.6Hz,1H),8.41(s,1H),8.87(s,1H),9.43(brs,1H),13.40(brs,1H).
TOF−MS(m/z);415[M+1]
工程2
(E)−5−ブロモ−3−[2−(4−tert−ブトキシカルボニルアミノピリジン−3−イル)ビニル]−1H−インダゾール(271mg,0.651mmol)をテトラヒドロフラン(7.5mL)に懸濁させ、水素化ナトリウム(94mg,2.3mmol)を加えて室温にて30分間撹拌した後、−78℃に冷却し、n−ブチルリチウム(1.56mol/Lヘキサン溶液)2.5mL(3.9mmol)を加えて同温度にて1時間撹拌した。反応液にN,N−ジメチルホルムアミド(1.0mL,13mmol)を加えて同温度にてさらに1時間撹拌し、反応液を氷上に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/アンモニア水=20/1/1)にて精製することにより、(E)−3−[2−(4−tert−ブトキシカルボニルアミノピリジン−3−イル)ビニル]−1H−インダゾール−5−カルボキサルデヒド(132mg,56%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;1.49(s,9H),7.57(d,J=16.5Hz,1H),7.66(d,J=5.5Hz,1H),7.70(d,J=8.7Hz,1H),7.78(d,J=16.5Hz,1H),7.89(d,J=8.7Hz,1H),8.38(d,J=5.6Hz,1H),8.82(s,1H),8.91(s,1H),9.44(brs,1H),10.07(s,1H),13.67(brs,1H).
工程3
(E)−3−[2−(4−tert−ブトキシカルボニルアミノピリジン−3−イル)ビニル]−1H−インダゾール−5−カルボキサルデヒド(332mg,0.912mmol)にトリフルオロ酢酸(3.77mL,49.1mmol)を加えて40℃にて2時間撹拌した。残渣に氷水を加え、10mol/L水酸化ナトリウム水溶液にてアルカリ性とし、生じた沈殿を瀘取することにより、(E)−3−[2−(4−アミノピリジン−3−イル)ビニル]−1H−インダゾール−5−カルボキサルデヒド(256mg,定量的)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;6.43(brs,2H),6.61(d,J=5.6Hz,1H),7.44(d,J=16.5Hz,1H),7.62(d,J=16.5Hz,1H),7.67(d,J=8.9Hz,1H),7.87(dd,J=1.2Hz,8.9Hz,1H),7.96(d,J=5.6Hz,1H),8.51(s,1H),8.87(s,1H),10.08(s,1H),13.59(brs,1H).
工程4
後述の実施例4に準じて、(E)−3−[2−(4−アミノピリジン−3−イル)ビニル]−1H−インダゾール−5−カルボキサルデヒド(85mg,0.27mmol)、トリエチルアミン(0.374mL,2.68mmol)および塩化ベンゾイル(0.154mL,1.34mmol)より、(E)−3−[2−(4−ベンズアミドピリジン−3−イル)ビニル]−1H−インダゾール−5−カルボキサルデヒド(90mg,92%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;7.54−7.74(m,7H),7.86(d,J=8.6Hz,1H),8.04−8.07(m,2H),8.50(d,J=5.6Hz,1H),8.72(s,1H),9.16(s,1H),9.82(s,1H),10.52(brs,1H),13.63(brs,1H).
工程5
後述の実施例14に準じて、(E)−3−[2−(4−ベンズアミドピリジン−3−イル)ビニル]−1H−インダゾール−5−カルボキサルデヒド(62mg,0.17mmol)およびトリフェニルホスホラニリデン酢酸tert−ブチル(146mg,0.388mmol)より、(E)−3−[2−(4−ベンズアミドピリジン−3−イル)ビニル]−(E)−5−(2−tert−ブトキシカルボニルビニル)−1H−インダゾール(80mg,定量的)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;1.51(s,9H),6.59(d,J=15.8Hz,1H),7.53−7.56(m,8H),8.05−8.08(m,2H),8.48−8.50(m,3H),9.11(s,1H),10.48(brs,1H),13.36(brs,1H).
工程6
実施例1の工程3に準じて、(E)−3−[2−(4−ベンズアミドピリジン−3−イル)ビニル]−(E)−5−(2−tert−ブトキシカルボニルビニル)−1H−インダゾール(78mg,0.17mmol)をトリフルオロ酢酸(0.60mL,7.8mmol)で処理することにより、化合物23(47mg,69%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;6.60(d,J=16.2Hz,1H),7.55−7.83(m,8H),8.03−8.10(m,3H),8.49(s,1H),8.59(d,J=5.9Hz,1H),9.19(s,1H),10.70(brs,1H),13.46(brs,1H).
TOF−MS(m/z);411[M+1]
実施例2 (E)−3−[2−(4−ベンズアミドピリジン−3−イル)ビニル]−5−(4−カルボキシベンズアミド)−1H−インダゾール(化合物24)
工程1
参考例5に準じて、ヨウ化(5−ニトロ−1H−インダゾール−3−イルメチル)トリフェニルホスホニウム(525mg,1.01mmol)、4−ベンズアミドピリジン−3−カルボキサルデヒド(214mg,0.946mmol)および炭酸カリウム(392mg,2.84mmol)より、(E)−3−[2−(4−ベンズアミドピリジン−3−イル)ビニル]−5−ニトロ−1H−インダゾール(196mg,54%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;7.53−7.66(m,4H),7.72(d,J=9.2Hz,1H),7.74(d,J=16.5Hz,1H),7.86(d,J=16.5Hz,1H),8.05(dt,J=1.6Hz,6.9Hz,2H),8.21(dd,J=2.0Hz,9.2Hz,1H),8.49(d,J=5.3Hz,1H),9.16(s,1H),9.21(d,J=2.0Hz,1H).
TOF−MS(m/z);384[M−1]
工程2
後述する参考例4に準じて、(E)−3−[2−(4−ベンズアミドピリジン−3−イル)ビニル]−5−ニトロ−1H−インダゾール(194mg,0.503mmol)を10%パラジウム炭素(50%含水品,194mg)存在下、ヒドラジン一水和物(0.49mL,10mmol)で処理することにより、(E)−5−アミノ−3−[2−(4−ベンズアミドピリジン−3−イル)ビニル]−1H−インダゾール(137mg,77%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;4.68(brs,2H),6.79(dd,J=2.0Hz,8.9Hz,1H),7.00(brs,1H),7.24(d,J=8.9Hz,1H),7.38(d,J=16.7Hz,1H),7.48(brs,1H),7.52−7.65(m,4H),8.03(dt,J=1.7Hz,6.6Hz,2H),8.43(d,J=5.6Hz,1H),9.01(s,1H),10.40(brs,1H),12.76(brs,1H).
工程3
後述の実施例4に準じて、(E)−5−アミノ−3−[2−(4−ベンズアミドピリジン−3−イル)ビニル]−1H−インダゾール(133mg,0.374mmol)、トリエチルアミン(0.42mL,3.0mmol)および塩化テレフタル酸モノメチル(446mg,2.25mmol)より、(E)−3−[2−(4−ベンズアミドピリジン−3−イル)ビニル]−5−(4−メトキシカルボニルベンズアミド)−1H−インダゾール(157mg,81%)を得た。
TOF−MS(m/z);518[M+1]
工程4
後述の実施例12の工程2に準じて、(E)−3−[2−(4−ベンズアミドピリジン−3−イル)ビニル]−5−(4−メトキシカルボニルベンズアミド)−1H−インダゾール(100mg,0.193mmol)を1mol/L水酸化ナトリウム水溶液(30mL,30mmol)で処理することにより、化合物24(63mg,65%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;7.38−7.67(m,8H),8.00(dd,J=1.7Hz,7.9Hz,2H),8.03(d,J=8.6Hz,2H),8.08(d,J=8.6Hz,2H),8.46(d,J=5.6Hz,1H),8.52(s,1H),9.10(s,1H),10.42(brs,1H),10.44(brs,1H),13.21(brs,1H).
TOF−MS(m/z);504[M+1]
実施例3 (E)−5−アセトアミド−3−[2−(3−ピリジル)ビニル]−1H−インダゾール(化合物3)
化合物G(58mg,0.25mmol)をピリジン(0.60mL)に溶解し、無水酢酸(0.070mL,0.74mmol)を加えて室温にて1時間攪拌した。反応液に氷水を加え、クロロホルム−メタノール混合溶媒にて抽出し、飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、減圧下溶媒を留去した。残渣を薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/アンモニア水=9/1/1)で精製し、さらに酢酸エチルにてトリチュレーションすることにより、化合物3(26mg,38%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;2.07(s,3H),7.37(d,J=16.7Hz,1H),7.41(dd,J=4.5Hz,7.9Hz,1H),7.49(m,2H),7.63(d,J=16.7Hz,1H),8.14(d,J=7.9Hz,1H),8.37(s,1H),8.46(d,J=4.5Hz,1H),8.81(s,1H),9.98(s,1H),13.18(brs,1H).
TOF−MS(m/z);279[M+1]
実施例4 (E)−5−ベンズアミド−3−[2−(3−ピリジル)ビニル]−1H−インダゾール(化合物4)
化合物G(31mg,0.13mmol)をN−メチルピロリドン(0.4mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.072mL,0.52mmol)および塩化ベンゾイル(0.045mL,0.39mmol)を加えて室温にて2時間攪拌した。反応液に氷水を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、減圧下溶媒を留去した。残渣を薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=9/1)で精製し、さらに酢酸エチル−ジイソプロピルエーテル混合溶媒にてトリチュレーションを行うことにより、化合物4(13mg,29%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;7.42(d,J=16.8Hz,1H),7.43(m,1H),7.54−7.75(m,6H),8.01(d,J=7.6Hz,2H),8.16(dd,J=1.5Hz,7.9Hz,1H),8.47(d,J=4.8Hz,1H),8.53(s,1H),8.84(brs,1H),10.32(brs,1H),13.22(brs,1H).
TOF−MS(m/z);341[M+1]
実施例5 (E)−5−ブタンアミド−3−[2−(3−ピリジル)ビニル]−1H−インダゾール(化合物5)
実施例4に準じて、化合物G(30mg,0.13mmol)、トリエチルアミン(0.072mL,0.52mmol)および塩化バレリル(0.046mL,0.39mmol)より、化合物5(14mg,33%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;0.91(t,J=7.3Hz,3H),1.35(m,2H),1.61(m,2H),2.33(t,J=7.4Hz,2H),7.36(d,J=16.7Hz,1H),7.41(dd,J=4.6Hz,8.3Hz,1H),7.49(m,2H),7.63(d,J=16.7Hz,1H),8.14(d,J=8.3Hz,1H),8.40(s,1H),8.46(dd,J=1.7Hz,4.6Hz,1H),8.81(d,J=1.7Hz,1H),9.90(brs,1H),13.16(brs,1H).
TOF−MS(m/z);321[M+1]
実施例6 (E)−5−(3−インドリル)アセトアミド−3−[2−(3−ピリジル)ビニル]−1H−インダゾール(化合物6)
化合物G(30mg,0.13mmol)、インドール−3−酢酸(33mg,0.19mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(29mg,0.19mmol)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(36mg,0.19mmol)の混合物にテトラヒドロフラン(0.8mL)を加え、室温にて2時間30分間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=9/1)で精製し、さらに酢酸エチルにてトリチュレーションを行うことにより、化合物6(16mg,32%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;3.76(s,2H),6.98(t,J=6.9Hz,1H),7.06(dd,J=6.9Hz,7.9Hz,1H),7.28−7.65(m,8H),8.12(d,J=8.6Hz,1H),8.40(s,1H),8.44(brs,1H),8.79(brs,1H),10.15(brs,1H),10.91(brs,1H),13.17(brs,1H).
TOF−MS(m/z);394[M+1]
実施例7 (E)−5−[3−(フェニルスルホニル)プロパンアミド]−3−[2−(3−ピリジル)ビニル]−1H−インダゾール(化合物7)
実施例6に準じて、化合物G(30mg,0.13mmol)、3−(フェニルスルホニル)プロピオン酸(41mg,0.19mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(29mg,0.19mmol)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(36mg,0.19mmol)より、化合物7(25mg,46%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;2.71(t,J=7.6Hz,2H),3.65(t,J=7.6Hz,2H),7.33(d,J=16.7Hz,1H),7.39−7.43(m,2H),7.49(d,J=8.9Hz,1H),7.62(d,J=16.7Hz,1H),7.63−7.75(m,3H),7.92−7.95(m,2H),8.13(brd,J=8.3Hz,1H),8.30(s,1H),8.46(dd,J=1.7Hz,4.8Hz,1H),8.80(d,J=1.7Hz,1H),10.12(brs,1H),13.19(brs,1H).
TOF−MS(m/z);433[M+1]
実施例8 (E)−5−[5−オキソ−5−(2−チエニル)ペンタンアミド]−3−[2−(3−ピリジル)ビニル]−1H−インダゾール(化合物8)
実施例6に準じて、化合物G(30mg,0.13mmol)、5−オキソ−5−(2−チエニル)吉草酸(38mg,0.19mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(29mg,0.19mmol)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(36mg,0.19mmol)より、化合物8(12mg,23%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;1.97(m,2H),2.43(t,J=7.4Hz,2H),3.05(t,J=7.1Hz,2H),7.23(t,J=4.3Hz,1H),7.36(d,J=16.7Hz,1H),7.41(m,1H),7.49(m,2H),7.63(d,J=16.7Hz,1H),7.96(d,J=4.3Hz,1H),7.98(d,J=4.3Hz,1H),8.14(d,J=7.9Hz,1H),8.40(s,1H),8.46(d,J=3.3Hz,1H),8.80(s,1H),9.96(brs,1H),13.17(brs,1H).
TOF−MS(m/z);417[M+1]
実施例9 (E)−5−(ピラジンカルボキサミド)−3−[2−(3−ピリジル)ビニル]−1H−インダゾール(化合物9)
実施例6に準じて、化合物G(30mg,0.13mmol)、2−ピラジンカルボン酸(24mg,0.19mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(29mg,0.19mmol)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(36mg,0.19mmol)より、化合物9(6.4mg,15%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;7.42(m,1H),7.45(d,J=16.3Hz,1H),7.57(d,J=8.6Hz,1H),7.67(d,J=16.3Hz,1H),7.94(d,J=8.6Hz,1H),8.17(d,J=7.6Hz,1H),8.47(d,J=4.0Hz,1H),8.66(s,1H),8.84(m,2H),8.94(d,J=2.6Hz,1H),9.33(s,1H),10.79(brs,1H),13.26(brs,1H).
TOF−MS(m/z);343[M+1]
実施例10 (E)−5−(5−メトキシインドール−3−イル)アセトアミド−3−[2−(3−ピリジル)ビニル]−1H−インダゾール(化合物10)
実施例6に準じて、化合物G(30mg,0.13mmol)、5−メトキシインドール−3−酢酸(39mg,0.19mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(29mg,0.19mmol)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(36mg,0.19mmol)より、化合物10(21mg,39%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;3.72(s,2H),3.73(s,3H),6.71(dd,J=2.3Hz,8.9Hz,1H),7.16(d,J=2.3Hz,1H),7.23(d,J=8.9Hz,1H),7.24(s,1H),7.34(d,J=16.7Hz,1H),7.40(dd,J=5.0Hz,7.9Hz,1H),7.51(m,2H),7.62(d,J=16.7Hz,1H),8.12(d,J=7.9Hz,1H),8.41(s,1H),8.45(dd,J=1.5Hz,5.0Hz,1H),8.79(d,J=1.5Hz,1H),10.15(brs,1H),10.76(brs,1H),13.18(brs,1H).
TOF−MS(m/z);424[M+1]
実施例11 (E)−5−(4−ピリジンカルボキサミド)−3−[2−(3−ピリジル)ビニル]−1H−インダゾール(化合物11)
実施例6に準じて、化合物G(30mg,0.13mmol)、イソニコチン酸(24mg,0.19mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(29mg,0.19mmol)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(36mg,0.19mmol)より、化合物11(8.7mg,20%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;7.41(dd,J=4.6Hz,7.6Hz,1H),7.43(d,J=16.7Hz,1H),7.57(d,J=8.9Hz,1H),7.68(d,J=16.7Hz,1H),7.71(d,J=8.9Hz,1H),7.91(d,J=5.9Hz,2H),8.16(d,J=7.6Hz,1H),8.46(dd,J=1.8Hz,4.6Hz,1H),8.54(s,1H),8.80(d,J=5.9Hz,2H),8.84(d,J=1.8Hz,1H),10.59(brs,1H),13.27(brs,1H).
TOF−MS(m/z);342[M+1]
実施例12 (E)−5−(4−カルボキシベンズアミド)−3−[2−(3−ピリジル)ビニル]−1H−インダゾール(化合物12)
工程1
実施例4に準じて、化合物G(108mg,0.458mmol)、トリエチルアミン(0.51mL,3.7mmol)および塩化テレフタル酸モノメチル(546mg,2.75mmol)より、(E)−5−(4−メトキシカルボニルベンズアミド)−3−[2−(3−ピリジル)ビニル]−1H−インダゾール(132mg,72%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;3.90(s,3H),7.41(m,1H),7.42(d,J=17.0Hz,1H),7.56(d,J=8.9Hz,1H),7.68(d,J=17.0Hz,1H),7.73(m,1H),8.09−8.18(m,5H),8.46(dd,J=1.6Hz,4.6Hz,1H),8.53(s,1H),8.83(d,J=2.0Hz,1H),10.51(brs,1H),13.25(brs,1H).
TOF−MS(m/z);399[M+1]
工程2
(E)−5−(4−メトキシカルボニルベンズアミド)−3−[2−(3−ピリジル)ビニル]−1H−インダゾール(129mg,0.324mmol)を、テトラヒドロフラン(10mL)−メタノール(14mL)混合溶媒に溶解し、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液(5.0mL,5.0mmol)および水3mLを加えて、室温にて2時間攪拌した。減圧下有機溶媒を留去し、1mol/L塩酸でpH=4に調整後、生成した沈殿を濾取し、エタノール−水混合溶媒にて加熱トリチュレーションすることにより、化合物12(77mg,62%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;7.42(dd,J=5.3Hz,7.9Hz,1H),7.43(d,J=16.8Hz,1H),7.57(d,J=8.6Hz,1H),7.69(d,J=16.8Hz,1H),7.74(d,J=8.6Hz,1H),8.07−8.14(m,4H),8.17(dt,J=1.8Hz,7.9Hz,1H),8.47(dd,J=1.8Hz,4.6Hz,1H),8.54(s,1H),8.55(d,J=1.8Hz,1H),10.49(brs,1H),13.26(brs,1H).
TOF−MS(m/z);385[M+1]
実施例13 (E)−5−(3−ピリジンカルボキサミド)−3−[2−(3−ピリジル)ビニル]−1H−インダゾール(化合物13)
実施例6に準じて、化合物G(30mg,0.13mmol)、ニコチン酸(23mg,0.19mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(29mg,0.19mmol)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(36mg,0.19mmol)より、化合物13(8.6mg,20%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;7.416(dd,J=4.6Hz,7.9Hz,1H),7.424(dd,J=16.7Hz,1H),7.57(d,J=8.7Hz,1H),7.58(dd,J=4.7Hz,8.1Hz,1H),7.67(d,J=16.7Hz,1H),7.71(dd,J=1.8Hz,8.7Hz,1H),8.16(d,J=7.9Hz,1H),8.34(dt,J=1.8Hz,8.1Hz,1H),8.46(dd,J=1.5Hz,4.6Hz,1H),8.53(brs,1H),8.77(dd,J=1.8Hz,4.7Hz,1H),8.83(d,J=1.5Hz,1H),9.16(d,J=1.8Hz,1H),10.52(brs,1H),13.26(brs,1H).
TOF−MS(m/z);342[M+1]
実施例14 (E)−5−(2−メトキシカルボニルビニル)−(E)−3−[2−(3−ピリジル)ビニル]−1H−インダゾール(化合物14)
化合物F(32mg,0.14mmol)およびトリフェニルホスホラニリデン酢酸メチル(78mg,0.23mmol)の混合物にトルエン(2mL)を加えて30分間加熱還流した。反応液を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=9/1)にて精製することにより、化合物14(36mg,88%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;3.74(s,3H),6.70(d,J=16.1Hz,1H),7.42(dd,J=4.6Hz,8.3Hz,1H),7.56(d,J=8.7Hz,1H),7.61(d,J=16.5Hz,1H),7.69(d,J=16.5Hz,1H),7.81(dd,J=1.2Hz,8.7Hz,1H),7.88(d,J=16.1Hz,1H),8.17(dt,J=1.7Hz,8.3Hz,1H),8.47(dd,J=1.7Hz,4.6Hz,1H),8.59(brs,1H),8.91(d,J=1.7Hz,1H).
TOF−MS(m/z);306[M+1]
実施例15 (E)−5−(2−カルボキシビニル)−(E)−3−[2−(3−ピリジル)ビニル]−1H−インダゾール(化合物15)
実施例12の工程2に準じて、化合物14(10mg,0.031mmol)を1mol/L水酸化ナトリウム水溶液(0.22mL,0.22mmol)で処理することにより、化合物15(8.6mg,85%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;6.58(d,J=15.8Hz,1H),7.44(dd,J=4.0Hz,8.1Hz,1H),7.56(d,J=8.3Hz,1H),7.61(d,J=16.9Hz,1H),7.70(d,J=16.9Hz,1H),7.78(d,J=8.3Hz,1H),7.81(d,J=15.8Hz,1H),8.20(brd,J=8.1Hz,1H),8.48(brd,J=4.0Hz,1H),8.55(s,1H),8.92(s,1H),12.28(brs,1H),13.39(brs,1H).
TOF−MS(m/z);292[M+1]
実施例16 (E)−5−[2−(4−メトキシカルボニルフェニル)ビニル]−(E)−3−[2−(3−ピリジル)ビニル]−1H−インダゾール(化合物16)
参考例5に準じて、化合物F(46mg,0.20mmol)、臭化(4−メトキシカルボニルフェニルメチル)トリフェニルホスホニウム(128mg,0.260mmol)および炭酸カリウム(38mg,0.27mmol)より、化合物16(16mg,21%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;3.85(s,3H),7.39(d,J=16.2Hz,1H),7.47(dd,J=4.6Hz,8.3Hz,1H),7.58(d,J=8.9Hz,1H),7.59(d,J=16.2Hz,1H),7.61(d,J=16.7Hz,1H),7.72(d,J=16.7Hz,1H),7.75(d,J=8.4Hz,2H),7.79(dd,J=1.0Hz,8.9Hz,1H),7.97(d,J=8.4Hz,2H),8.24(brdd,J=2.0Hz,8.3Hz,1H),8.43(brs,1H),8.50(dd,J=1.3Hz,4.6Hz,1H),8.94(d,J=2.0Hz,1H),13.33(brs,1H).
TOF−MS(m/z);382[M+1]
実施例17 (E)−5−[2−(4−カルボキシフェニル)ビニル]−(E)−3−[2−(3−ピリジル)ビニル]−1H−インダゾール(化合物17)
実施例12の工程2に準じて、化合物16(16mg,0.041mmol)を1mol/L水酸化ナトリウム水溶液(0.67mL,0.67mmol)で処理することにより、化合物17(12mg,82%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;3.85(s,3H),7.39(d,J=16.2Hz,1H),7.47(dd,J=4.6Hz,8.3Hz,1H),7.58(d,J=8.9Hz,1H),7.59(d,J=16.2Hz,1H),7.61(d,J=16.7Hz,1H),7.72(d,J=16.7Hz,1H),7.75(J=8.4Hz,2H),7.79(dd,J=1.0Hz,8.9Hz,1H),7.97(d,J=8.4Hz,2H),8.24(brdd,J=2.0Hz,8.3Hz,1H),8.43(brs,1H),8.50(dd,J=1.3Hz,4.6Hz,1H),8.94(d,J=2.0Hz,1H),13.33(brs,1H).
TOF−MS(m/z);368[M+1]
実施例18 (E)−5−(3−ヒドロキシ−1−プロピン−1−イル)−3−[2−(3−ピリジル)ビニル]−1H−インダゾール(化合物18)
工程1
化合物E(2.02g,6.73mmol)をジクロロメタン(80mL)に懸濁し、トリエチルアミン(2.8mL,20mmol)および塩化ベンゼンスルホニル(1.94mL,15.1mmol)を加えて室温にて12時間撹拌した。反応液に水を加え、炭酸カリウムにてアルカリ性とした後、クロロホルムで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)にて精製し、さらにメタノールにてトリチュレーションすることにより、1−ベンゼンスルホニル体(2.08g,70%)を得た。
H−NMR(270MHz,CDCl)δ;7.32(d,J=16.7Hz,1H),7.34(dd,J=4.8Hz,8.1Hz,1H),7.48(m,2H),7.55(d,J=16.7Hz,1H),7.59(m,1H),7.68(dd,J=1.8Hz,8.9Hz,1H),7.89(dt,J=1.8Hz,8.1Hz,1H),8.00(m,2H),8.06(dd,J=0.5Hz,1.8Hz,1H),8.13(d,J=8.9Hz,1H),8.57(dd,J=1.8Hz,4.8Hz,1H),8.79(d,J=1.8Hz,1H).
TOF−MS(m/z);441[M+1]
工程2
得られたベンゼンスルホニル体(49mg,0.11mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(7.6mg,0.011mmol)およびヨウ化第一銅(2.3mg,0.012mmol)に、アルゴンガスをバブリングしたトリエチルアミン(0.60mL,4.3mmol)およびプロパルギルアルコール(0.007mL,0.1mmol)を加えて100℃にて1時間撹拌した。室温に冷却後、酢酸エチル、水およびテトラヒドロフランを加え、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下溶媒を留去した。残渣を薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=9/1)にて精製することにより、1−ベンゼンスルホニル−(E)−5−(3−ヒドロキシ−1−プロピン−1−イル)−3−[2−(3−ピリジル)ビニル]−1H−インダゾール(9.8mg,21%)を得た。
H−NMR(270MHz,CDCl)δ;4.55(s,2H),7.32(d,J=16.8 Hz,1H),7.33(dd,J=4.8Hz,7.9Hz,1H),7.41−7.63(m,5H),7.88(dt,J=1.7Hz,7.9Hz,1H),7.98−8.03(m,3H),8.17(dd,J=0.7Hz,8.7Hz,1H),8.55(brd,J=4.8Hz,1H),8.78(brs,1H).
工程3
1−ベンゼンスルホニル−(E)−5−(3−ヒドロキシ−1−プロピン−1−イル)−3−[2−(3−ピリジル)ビニル]−1H−インダゾール(21mg,0.051mmol)にメタノール(1mL)を加え、加熱還流下1mol/L水酸化ナトリウム水溶液(0.5mL,0.5mmol)を加えて13時間加熱還流した。室温に冷却後、酢酸エチル、水およびテトラヒドロフランを加え、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下溶媒を留去した。残渣を薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=9/1)にて精製することにより化合物18(5.0mg,36%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;4.33(d,J=5.6Hz,2H),5.32(t,J=5.6Hz,1H),7.38−7.43(m,2H),7.53(d,J=16.5Hz,1H),7.55(m,1H),7.70(d,J=16.5Hz,1H),8.18(brd,J=7.9Hz,1H),8.34(s,1H),8.46(brd,J=3.6Hz,1H),8.90(s,1H),13.38(brs,1H).
TOF−MS(m/z);276[M+1]
実施例19 (E)−3−[2−(3−ピリジル)ビニル]−1H−インダゾール−5−カルボン酸(化合物19)
化合物E(1.04g,3.47mmol)をテトラヒドロフラン(50mL)に溶解し、0℃にて水素化ナトリウム(152mg,3.81mmol)を加えて同温度にて20分間撹拌した後、−78℃に冷却し、n−ブチルリチウム(1.56mol/Lヘキサン溶液)3.3mL(5.1mmol)を加えて同温度にて1時間撹拌した。反応液に炭酸ガスをバブリングし、同温度にてさらに30分間撹拌し、室温に昇温後、ドライアイスを加えてさらに30分間撹拌した。反応液に水および酢酸エチルを加えた後、10mol/L水酸化ナトリウム水溶液で水層をアルカリ性とし、希水酸化ナトリウム水溶液で有機層から目的物を抽出した。水層を合して酢酸エチルで洗浄した後、6mol/L塩酸で酸性とし、生じた沈殿を濾取することにより、化合物19(655mg,71%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;7.43(dd,J=4.9Hz,8.0Hz,1H),7.55(d,J=16.6Hz,1H),7.62(d,J=8.8Hz,1H),7.84(d,J=16.6Hz,1H),7.96(dd,J=1.4Hz,8.8Hz,1H),8.24(dt,J=1.8Hz,8.0Hz,1H),8.49(dd,J=1.8Hz,4.9Hz,1H),8.81(brs,1H),8.92(d,J=1.8Hz,1H),12.86(brs,1H),13.52(brs,1H).
TOF−MS(m/z);266[M+1]
実施例20 N−(2−アミノフェニル)−(E)−3−[2−(3−ピリジル)ビニル]−1H−インダゾール−5−カルボキサミド(化合物20)
ジクロロメタン(1.5mL)にトリフェニルホスフィンオキシド(207mg,0.745mmol)を加え、0℃にてトリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.061mL,0.37mmol)を加えて同温度にて30分間撹拌した。この反応液に、化合物19(39mg,0.15mmol)および1,2−フェニレンジアミン(16mg,0.15mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)懸濁液を加え、室温に昇温し1時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/アンモニア水=9/1/1)にて精製することにより、化合物20(8.3mg,16%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;4.95(brs,2H),6.62(dt,J=1.4Hz,7.9Hz,1H),6.80(dd,J=1.4Hz,7.9Hz,1H),6.98(dt,J=1.4Hz,7.9Hz,1H),7.21(dd,J=1.4Hz,7.9Hz,1H),7.42(dd,J=4.7Hz,8.1Hz,1H),7.63(d,J=8.7Hz,1H),7.64(d,J=16.8Hz,1H),7.75(d,J=16.8Hz,1H),8.00(dd,J=1.2Hz,8.7Hz,1H),8.19(dt,J=1.7Hz,8.1Hz,1H),8.48(dd,J=1.7Hz,4.7Hz,1H),8.85(brs,1H),8.89(d,J=1.7Hz,1H),9.75(brs,1H),13.47(brs,1H).
TOF−MS(m/z);354[M−1]
実施例21 (E)−5−(3−ヒドロキシ−1−プロペン−1−イル)−3−[2−(3−ピリジル)ビニル]−1H−インダゾール(化合物21)
実施例14で得られた化合物14(201.3mg,0.66mmol)をジクロロメタン(40mL)に溶解し、−78℃にて水素化ジイソブチルアルミニウム(1.0mol/Lトルエン溶液)2.6mL(2.63mmol)を加え、同温度にて1時間攪拌後、徐々に室温まで昇温し、さらに1時間攪拌した。水を加えて反応を停止し、(+)−酒石酸ナトリウムカリウム水溶液とクロロホルムを加え、析出した黄色固体を吸引濾過により取得し、水で洗浄した。濾液をクロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、減圧下溶媒を留去した。残渣と黄色固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=20/1)にて精製することにより、化合物21(138.4mg,76%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;4.12−4.18(m,2H),4.86(dd,J=5.2Hz,5.4Hz,1H),6.43(dt,J=5.2Hz,15.9Hz,1H),6.73(d,J=15.9Hz,1H),7.41(dd,J=4.8Hz,8.1Hz,1H),7.45−7.62(m,3H),7.68(d,J=16.8Hz,1H),8.12−8.22(m,2H),8.46(d,J=4.8Hz,1H),8.90(s,1H).
TOF−MS(m/z);278[M+1]
実施例22 (E)−5−[2−(3−カルボキシフェニル)ビニル]−(E)−3−[2−(3−ピリジル)ビニル]−1H−インダゾール(化合物22)
工程1
化合物F(55mg,0.22mmol)、臭化(3−メトキシカルボニルフェニルメチル)トリフェニルホスホニウム(142mg,0.289mmol)およびヨウ化リチウム(40mg,0.30mmol)の混合物にテトラヒドロフラン(10mL)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(0.15mL,1.0mmol)を加えて終夜加熱還流した。
室温に冷却後、反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、減圧下溶媒を留去した。残渣を薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/アンモニア水=200/10/1)にて精製することにより、(E)−5−[2−(3−メトキシカルボニルフェニル)ビニル]−(E)−3−[2−(3−ピリジル)ビニル]−1H−インダゾール(24mg,29%)を得た。
H−NMR(270MHz,CDCl)δ;3.96(s,3H),7.16(d,J=16.3Hz,1H),7.34−7.58(m,6H),7.69−7.75(m,2H),7.92(dt,J=1.3Hz,6.4Hz,1H),8.01(dt,J=1.7Hz,7.9Hz,1H),8.06(brs,1H),8.23(s,1H),8.46(brd,J=3.6Hz,1H),8.77(brd,J=1.7Hz,1H),10.08(brs,1H).
TOF−MS(m/z);382[M+1]
工程2
実施例12の工程2に準じて、(E)−5−[2−(3−メトキシカルボニルフェニル)ビニル]−(E)−3−[2−(3−ピリジル)ビニル]−1H−インダゾール(24mg,0.063mmol)を1mol/L水酸化ナトリウム水溶液(1.0mL,1.0mmol)で処理することにより、化合物22(12mg,52%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;7.40(d,J=16.9Hz,1H),7.41−7.61(m,5H),7.70(d,J=16.9Hz,1H),7.78−7.87(m,3H),8.19(brd,J=8.3Hz,1H),8.20(s,1H),8.42(s,1H),8.48(brd,J=4.5Hz,1H),8.92(s,1H),13.29(brs,1H).
TOF−MS(m/z);368[M+1]
実施例23 (E)−3−[2−(2−ベンゾイルアミノフェニル)ビニル]−(E)−5−(3−ヒドロキシ−1−プロペン−1−イル)−1H−インダゾール(化合物25)
工程1
実施例14に準じて、臭化(5−ブロモ−1H−インダゾール−3−イルメチル)トリフェニルホスホニウム(2.48g,4.49mmol)、N−(2−ホルミルフェニル)ベンズアミド(1.02g,4.53mmol)および炭酸カリウム(1.89g,13.67mmol)より、(E)−3−[2−(2−ベンゾイルアミノフェニル)ビニル]−5−ブロモ−1H−インダゾール(1.39g,74%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;7.34−7.43(m,3H),7.46(dd,J=1.6Hz,8.7Hz,1H),7.51−7.65(m,6H),7.99−8.02(m,1H),8.08(d,J=1.8Hz,1H),8.10(s,1H),8.25(d,J=1.0Hz,1H),10.31(brs,1H),13.31(brs,1H).
TOF−MS(m/z);418[M+1]
工程2
(E)−3−[2−(2−ベンゾイルアミノフェニル)ビニル]−5−ブロモ−1H−インダゾール(1.38g,3.29mmol)をテトラヒドロフラン(70mL)に懸濁させ、アルゴン雰囲気下、室温で水素化ナトリウム(476.4mg,11.91mmol)を加えて、同温度で10分間撹拌した。その後、−78℃にてn−ブチルリチウム(1.59mol/Lヘキサン溶液)12.5mL(19.88mmol)を加えて同温度で25分間撹拌した後、N,N−ジメチルホルムアミド(5.1mL,66.08mmol)を加えて、撹拌しながら室温まで昇温した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製することにより、(E)−3−[2−(2−ベンゾイルアミノフェニル)ビニル]−5−ホルミル−1H−インダゾール(724.2mg,60%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;7.34−7.43(m,3H),7.53−7.68(m,5H),7.73(d,J=16.7Hz,1H),7.82(d,J=8.7Hz,1H),8.02−8.05(m,1H),8.08(d,J=1.5Hz,1H),8.10(s,1H),8.57(s,1H),9.65(s,1H),10.34(s,1H),13.56(brs,1H).
TOF−MS(m/z);368[M+1]
工程3
(E)−3−[2−(2−ベンゾイルアミノフェニル)ビニル]−5−ホルミル−1H−インダゾール(710.7mg,1.93mmol)およびトリフェニルホスホラニリデン酢酸メチル(973.1mg,2.91mmol)の混合物にトルエン(70mL)を加えて2時間30分間加熱還流した。生成した沈殿物を濾取することにより、(E)−3−[2−(2−ベンゾイルアミノフェニル)ビニル]−(E)−5−(2−メトキシカルボニルビニル)−1H−インダゾール(781.4mg,85%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;3.77(s,3H),6.64(d,J=15.8Hz,1H),7.14−7.29(m,1H),7.36−7.41(m,2H),7.52−7.79(m,7H),7.70(d,J=16.8Hz,1H),7.97−8.01(m,1H),8.07−8.10(m,2H),8.35(s,1H),10.32(s,1H),13.33(brs,1H).
TOF−MS(m/z);422[M−1]
工程4
(E)−3−[2−(2−ベンゾイルアミノフェニル)ビニル]−(E)−5−(2−メトキシカルボニルビニル)−1H−インダゾール(560.2mg,1.32mmol)をテトラヒドロフラン(55mL)に溶解し、−78℃にて水素化ジイソブチルアルミニウム(1.0mol/Lトルエン溶液)8.5mL(8.84mmol)を加え、同温度にて1時間撹拌後、徐々に室温まで昇温し、さらに1時間撹拌した。水を加えて反応を停止し、(+)−酒石酸ナトリウムカリウム水溶液および酢酸エチルを加えて室温で1時間撹拌した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=50/1)で精製することにより、化合物25(462.0mg,88%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;4.02−4.10(m,2H),4.78−4.88(m,1H),6.26(dt,J=4.8Hz,15.8Hz,1H),6.37(d,J=15.8Hz,1H),7.34−7.37(m,3H),7.45−7.66(m,6H),7.60(d,J=16.2Hz,1H),7.87(s,1H),7.97−8.00(m,1H),8.08(d,J=1.6Hz,1H),8.11(s,1H),10.31(brs,1H),13.13(brs,1H).
TOF−MS(m/z);394[M−1]
実施例24 (E)−3−[2−(2−ベンゾイルアミノフェニル)ビニル]−5−(3−ヒドロキシ−1−プロピン−1−イル)−1H−インダゾール(化合物26)
工程1
公知の方法[ヘテロサイクルズ(HETEROCYCLES)、43巻、2701頁(1996年)]に準じて得られた5−ヨード−1H−インダゾール−3−カルボン酸エチル(1.432g,4.53mmol)を、常法により水素化ジイソブチルアルミニウム(1.0mol/Lトルエン溶液)27mL(28.08mmol)で処理することより、3−ヒドロキシメチル−5−ヨード−1H−インダゾール(883.2mg,71%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;4.75(d,J=5.9Hz,2H),5.27(t,J=5.9Hz,1H),7.35(d,J=8.9Hz,1H),7.56(d,J=8.9Hz,1H),8.24(s,1H),12.93(brs,1H).
TOF−MS(m/z);272[M−1]
工程2
3−ヒドロキシメチル−5−ヨード−1H−インダゾール(1.849g,6.75mmol)および臭化トリフェニルホスホニウム(2.31g,6.73mmol)をアセトニトリル(150mL)中で終夜加熱還流した。室温に冷却後、不溶物を濾別し、濾液を減圧濃縮した。残渣をアセトニトリルにてトリチュレーションすることにより、臭化(5−ヨード−1H−インダゾール−3−イルメチル)トリフェニルホスホニウム(3.594g,89%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;5.59(d,J=15.2Hz,2H),7.30(d,J=8.9Hz,1H),7.50(d,J=8.9Hz,1H),7.66−7.85(m,16H),13.32(brs,1H).
TOF−MS(m/z);519[M−79]
工程3
実施例14に準じて、臭化(5−ヨード−1H−インダゾール−3−イルメチル)トリフェニルホスホニウム(5.753g,9.60mmol)、N−(2−ホルミルフェニル)ベンズアミド(2.161g,9.59mmol)および炭酸カリウム(3.977g,28.77mmol)より、(E)−3−[2−(2−ベンゾイルアミノフェニル)ビニル]−5−ヨード−1H−インダゾール(3.373g,76%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;7.34−7.41(m,4H),7.51−7.65(m,6H),8.00(dd,J=5.4Hz,5.8Hz,1H),8.07(d,J=1.8Hz,1H),8.10(d,J=1.3Hz,1H),8.24(s,1H),10.31(brs,1H),13.28(brs,1H).
TOF−MS(m/z);466[M+1]
工程4
(E)−3−[2−(2−ベンゾイルアミノフェニル)ビニル]−5−ヨード−1H−インダゾール(139.2mg,0.30mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(32.6mg,0.046mmol)およびヨウ化第一銅(8.6mg,0.45mmol)の混合物に、トリエチルアミン(1.1mL,7.88mmol)、次いで3−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−1−プロピン(0.121mL,0.60mmol)を加えて60℃にて1時間撹拌した。室温に冷却後、反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製することにより、(E)−3−[2−(2−ベンゾイルアミノフェニル)ビニル]−5−(3−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−1−プロピン−1−イル)−1H−インダゾール(62.2mg,41%)を得た。
H−NMR(270MHz,CDCl)δ;0.17(s,6H),0.94(s,9H),4.52(s,2H),7.20−7.67(m,8H),7.91−8.01(m,4H),10.33(brs,1H).
TOF−MS(m/z);506[M−1]
工程5
(E)−3−[2−(2−ベンゾイルアミノフェニル)ビニル]−5−(3−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−1−プロピン−1−イル)−1H−インダゾール(42.5mg,0.083mmol)をテトラヒドロフラン(1mL)に溶解し、テトラブチルアンモニウムフロリド(1.0mol/Lテトラヒドロフラン溶液)を加えて室温で3時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、減圧下溶媒を留去した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=9/1)で精製することにより、化合物26(30.2mg,92%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;4.31(d,J=5.7Hz,2H),5.32(t,J=5.7Hz,1H),7.34−7.42(m,4H),7.51−7.66(m,6H),7.99(dd,J=5.3Hz,5.6Hz,1H),8.06(d,J=1.6Hz,1H),8.09(s,1H),8.15(s,1H),10.29(brs,1H),13.29(brs,1H).
TOF−MS(m/z);392[M−1]
参考例1 (E)−5−ニトロ−3−[2−(3−ピリジル)ビニル]−1H−インダゾール(化合物D)
濃硝酸(0.013mL,2.9mmol)に、氷冷下濃硫酸(0.013mL,2.5mmol)、次いで化合物2(93mg,0.42mmol)を加えて室温にて1時間攪拌した。反応液を10mol/L水酸化ナトリウム水溶液にてアルカリ性とし、濃縮乾固後、エタノールにて再結晶することにより、化合物D(51mg,45%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;7.43(dd,J=4.7Hz,7.7Hz,1H),7.62(d,J=16.6Hz,1H),7.73(d,J=9.2Hz,1H),7.90(d,J=16.6Hz,1H),8.20−8.24(m,2H),8.49(dd,J=1.3Hz,4.7Hz,1H),8.93(d,J=1.3Hz,1H),9.21(d,J=2.0Hz,1H),13.86(brs,1H).
TOF−MS(m/z);267[M+1]
参考例2 (E)−5−ブロモ−3−[2−(3−ピリジル)ビニル]−1H−インダゾール(化合物E)
工程1
公知の方法[例えば、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(J.Am.Chem.Soc.)、74巻、2009頁(1952年)]に準じて得られる、5−ブロモー1H−インダゾール−3−カルボン酸エチル(16.44g,61.09mmol)をテトラヒドロフラン(610mL)に溶解し、窒素気流下、−78℃にて1.0mol/L水素化ジイソブチルアルミニウム(トルエン溶液)305mL(305mmol)を20分間かけて加え、攪拌下徐々に0℃まで昇温し、3時間攪拌した。反応液に硫酸ナトリウム十水和物(98.23g,304.9mmol)を加えて室温にて終夜攪拌し、さらに無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥後、セライト濾過し、濾液を減圧濃縮することにより、5−ブロモ−3−ヒドロキシメチル−1H−インダゾール(13.81g,定量的)を得た。
Rf=0.5(クロロホルム/メタノール=9/1)
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;5.04(d,J=5.9Hz,2H),5.76(t,J=5.9Hz,1H),7.67−7.74(m,2H),8.30(s,1H).
工程2
5−ブロモ−3−ヒドロキシメチル−1H−インダゾール(100mg,0.440mmol)に、アセトニトリル(3.8mL)および臭化トリフェニルホスホニウム(301mg,0.877mmol)を加えて1時間加熱還流した。室温に冷却後、不溶物を濾別し、濾液を減圧濃縮した。残渣をアセトニトリル−ジエチルエーテル混合溶媒にてトリチュレーションすることにより、臭化(5−ブロモ−1H−インダゾール−3−イルメチル)トリフェニルホスホニウム(75mg,32%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;5.58(d,J=15.2Hz,2H),7.24−8.05(m,18H),13.35(brs,1H).
工程3
参考例5に準じて、臭化(5−ブロモ−1H−インダゾール−3−イルメチル)トリフェニルホスホニウム(20mg,0.036mmoI)、ピリジン−3−カルボキサルデヒド(0.0031mL,0.033mmol)および炭酸カリウム(15mg,0.11mmol)より、化合物E(5.8mg,58%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;7.35(dd,J=4.8Hz,7.7Hz,1H),7.42−7.50(m,2H),7.47(d,J=17.0Hz,1H),7.64(d,J=17.0Hz,1H),8.12(d,J=7.7Hz,1H),8.40(m,2H),8.80(s,1H),13.35(brs,1H).
TOF−MS(m/z);298[M−1]
参考例3 (E)−5−ホルミル−3−[2−(3−ピリジル)ビニル]−1H−インダゾール(化合物F)
化合物E(2.03g,6.76mmol)をテトラヒドロフラン(100mL)に溶解し、氷冷下水素化ナトリウム(298mg,7.44mmol)を加えて40分間攪拌した後、−78℃に冷却し、n−ブチルリチウム(1.56mol/Lヘキサン溶液)6.5mL(10mmol)を加えて、同温度にて1時間攪拌した。反応液にN,N−ジメチルホルムアミド(1.57mL,20.3mmol)を加えて、同温度にて攪拌しながら飽和重曹水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、減圧下溶媒を留去した。残渣を水/2−プロパノール混合溶媒にて再結晶することにより、化合物F(888mg,56%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;7.44(dd,J=4.6Hz,7.9Hz,1H),7.64(d,J=16.8Hz,1H),7.69(d,J=8.9Hz,1H),7.78(d,J=16.8Hz,1H),7.88(dd,J=1.3Hz,8.9Hz,1H),8.21(dt,J=2.0Hz,7.9Hz,1H),8.49(dd,J=2.0Hz,4.6Hz,1H),8.88(s,1H),8.91(d,J=2.0Hz,1H),10.08(s,1H).
TOF−MS(m/z);250[M+1]
参考例4 (E)−5−アミノ−3−[2−(3−ピリジル)ビニル]−1H−インダゾール(化合物G)
化合物D(1.02g,3.84mmol)をエタノール(200mL)に懸濁させ、10%パラジウム炭素(50%含水品,512mg)を加え、70℃にて攪拌しながらヒドラジン一水和物(1.87mL,38.4mmol)を加えて同温度にて40分間攪拌した。反応混合物を0℃に急冷し、セライト濾過後、濾液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=15/1)で精製し、さらにクロロホルムにてトリチュレーションを行うことにより、化合物G(592mg,65%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;4.89(brs,2H),6.82(dd,J=2.0Hz,8.9Hz,1H),7.17(brs,1H),7.26(d,J=8.9Hz,1H),7.27(d,J=16.7Hz,1H),7.39(dd,J=4.6Hz,8.1Hz,1H),7.55(d,J=16.7Hz,1H),8.09(d,J=8.1Hz,1H),8.43(dd,J=1.8Hz,4.6Hz,1H),8.78(d,J=1.8Hz,1H),12.80(brs,1H).
TOF−MS(m/z);237[M+1]
参考例5 (E)−3−[2−(3−ピリジル)ビニル]−1H−インダゾール(化合物2)
ヨウ化(1H−インダゾール−3−イルメチル)トリフェニルホスホニウム(10.0g,19.2mmol)をメタノール(120mL)に懸濁させ、3−ピリジンカルボキサルデヒド(1.8mL,19mmol)および炭酸カリウム(7.96g,57.6mmol)を加えて室温にて1.5時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を1mol/L塩酸で抽出後、水層を10mol/L水酸化ナトリウム水溶液にてアルカリ性とし、生成した沈殿を濾取後、エタノール−水混合溶媒にて再結晶することにより、化合物2(2.14g,50%)を得た。
H−NMR(270MHz,DMSO−d)δ;7.21(dd,J=7.3Hz,8.3Hz,1H),7.40(dd,J=7.3Hz,8.6Hz,1H),7.41(m,1H),7.51(d,J=16.8Hz,1H),7.55(d,J=8.6Hz,1H),7.67(d,J=16.8Hz,1H),8.16(d,J=10.2Hz,1H),8.19(d,J=8.3Hz,1H),8.45(d,J=4.6Hz,1H),8.55(s,1H).
TOF−MS(m/z);222[M+1]
製剤例1(錠剤)
常法により、次の組成からなる錠剤を作成する。
化合物2 5mg
乳糖 60mg
馬鈴薯デンプン 30mg
ポリビニルアルコール 2mg
ステアリン酸マグネシウム 1mg
タール色素 微量
【産業上の利用可能性】
本発明により、脳神経変性疾患の治療等に有用なJNK阻害剤、またはJNK阻害作用を示し、脳神経変性疾患の治療等に有用な新規インダゾール誘導体もしくはその薬理的に許容される塩が提供される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)

[式中、Rは置換もしくは非置換のアリール、または置換もしくは非置換の複素環基を表し、
は、
a)水素原子、
b)NR(式中、RおよびRは同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルカノイル、置換もしくは非置換のアロイル、ヘテロアロイルまたは低級アルコキシカルボニルを表す)、
c)カルボキシ、
d)CONR3A4A(式中、R3AおよびR4Aは同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルカノイル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアロイル、ヘテロアロイルまたは低級アルコキシカルボニルを表す)、
e)置換もしくは非置換の低級アルケニル、または
f)置換もしくは非置換の低級アルキニル
を表す]
で表されるインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩を有効成分として含有するJNK(c−Jun N末キナーゼ:c−Jun N−terminal Kinase)阻害剤。
【請求項2】
式(II)

[式中、Rは置換もしくは非置換のピリジルまたはアロイルアミノで置換されたフェニルを表し、
は、
a)NR3B4B(式中、R3BおよびR4Bは同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルカノイル、置換もしくは非置換のアロイル、またはヘテロアロイルを表す)、
b)カルボキシ、
c)CONR3C4C(式中、R3CおよびR4Cは同一または異なって、水素原子または置換もしくは非置換のアリールを表す)、
d)置換もしくは非置換の低級アルケニル、または
e)置換もしくは非置換の低級アルキニル
を表す]
で表されるインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩。
【請求項3】
請求の範囲第1項記載のインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩の少なくとも一つを含有する脳神経変性疾患治療剤。
【請求項4】
脳神経変性疾患が脳梗塞、パーキンソン病、アルツハイマー病、進行性核上性麻痺、AIDS脳症、伝播性海綿状脳症、多発性硬化症、筋発育不全性側索硬化症、多系統委縮病、注意欠陥多動性障害、ハンチントン病、糖尿病性神経症および外傷性神経変性疾患から選ばれる疾患である請求の範囲第3項記載の脳神経変性疾患治療剤。
【請求項5】
請求の範囲第1項記載のインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩の少なくとも一つを含有する急性期脳梗塞治療剤。
【請求項6】
請求の範囲第2項記載のインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩の少なくとも一つを含有する脳神経変性疾患治療剤。
【請求項7】
脳神経変性疾患が脳梗塞、パーキンソン病、アルツハイマー病、進行性核上性麻痺、AIDS脳症、伝播性海綿状脳症、多発性硬化症、筋発育不全性側索硬化症、多系統委縮病、注意欠陥多動性障害、ハンチントン病、糖尿病性神経症および外傷性神経変性疾患から選ばれる疾患である請求の範囲第6項記載の脳神経変性疾患治療剤。
【請求項8】
請求の範囲第2項記載のインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩の少なくとも一つを含有する急性期脳梗塞治療剤。
【請求項9】
請求の範囲第2項記載のインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩の少なくとも一つを含有する医薬。
【請求項10】
請求の範囲第2項記載のインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩を有効成分として含有するJNK阻害剤。
【請求項11】
請求の範囲第1項記載のインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とするJNKの活性化に由来する疾患の治療および/または予防方法。
【請求項12】
請求の範囲第1項記載のインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とする脳神経変性疾患の治療および/または予防方法。
【請求項13】
請求の範囲第1項記載のインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とする急性期脳梗塞の治療および/または予防方法。
【請求項14】
請求の範囲第2項記載のインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とするJNKの活性化に由来する疾患の治療および/または予防方法。
【請求項15】
請求の範囲第2項記載のインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とする脳神経変性疾患の治療および/または予防方法。
【請求項16】
請求の範囲第2項記載のインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とする急性期脳梗塞の治療および/または予防方法。
【請求項17】
JNK阻害剤の製造のための請求の範囲第1項記載のインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩の使用。
【請求項18】
脳神経変性疾患の治療および/または予防剤の製造のための請求の範囲第1項記載のインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩の使用。
【請求項19】
急性期脳梗塞の治療および/または予防剤の製造のための請求の範囲第1項記載のインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩の使用。
【請求項20】
JNK阻害剤の製造のための請求の範囲第2項記載のインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩の使用。
【請求項21】
脳神経変性疾患の治療および/または予防剤の製造のための請求の範囲第2項記載のインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩の使用。
【請求項22】
急性期脳梗塞の治療および/または予防剤の製造のための請求の範囲第2項記載のインダゾール誘導体またはその薬理的に許容される塩の使用。

【国際公開番号】WO2004/050088
【国際公開日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【発行日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−556899(P2004−556899)
【国際出願番号】PCT/JP2003/015481
【国際出願日】平成15年12月3日(2003.12.3)
【出願人】(000001029)協和醗酵工業株式会社 (276)
【Fターム(参考)】