説明

LCディスプレー製造用の光反射性および光吸収性を示す両面接触接着テープ

本発明は特に光学液晶データディスプレー(LCD)を製造または接着させるための接触接着テープに関する。前記テープは、上面と下面を有していて、前者が光反射特性を有しそして後者が光吸収特性を有する。前記テープはまた上面と下面を有する支持体フィルムも含んで成っていて、それの少なくとも1つの面に反射性金属被膜を与える。前記テープの両面に接触接着層を与える。本テープは前記接触接着片の下面に位置する接触接着層が黒色であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ディスプレー(LCD)を製造するための多層担体構造を有しかつ光反射性および光吸収性を示す両面感圧接着テープに関する。
【背景技術】
【0002】
工業化時代において、感圧接着テープは広く行き渡った加工補助具である。感圧接着テープを特にコンピューター産業で用いる時には、それに非常に厳格な要求が課せられる。そのような感圧接着テープは低い気体放出挙動を示す必要があるばかりでなく幅広い温度範囲に渡って用いるに適切であるべきでありかつ特定の光学特性を満足させるべきである。
【0003】
1つの用途分野はLCディスプレーの分野であり、これはコンピューター、TV、ラップトップ、PDA、携帯電話、デジタルカメラなどで必要とされている。そのような用途用の1つの非常に幅広く普及している種類のLCDモジュールを図1に示す。
【0004】
LCディスプレーの製造では、光源としてのLED(発光ダイオード)をLCDモジュールに接着させる。一般に、その目的で黒色の両面感圧接着テープが用いられる。黒色に着色する目的は、両面感圧接着テープの領域中で光が内側から外側に透過することもその逆が起こることもないようにすることにある。
【0005】
そのような黒色着色を達成する方策は既に数多く存在する。他方、黒色の光モジュール(light module)の光効率を向上させることも望まれており、このように、一方の面が黒色(光吸収性)でありそしてもう一方の面が光反射性である両面接着テープの使用が好まれている。
【0006】
黒色面の製造には数多くの方策が存在する。
【0007】
黒色のd−s感圧接着テープを製造する1つの方策は、担体材料を着色することにある。電子工学産業では、ダイス切断性(diecuttability)が非常に良好なことからポリエステルフィルム担体(PET)を有する両面感圧接着テープの使用が非常に好まれている。PET担体も同様にこれが光吸収性を達成するようにカーボンブラックまたは他の黒色顔料で着色可能である。そのような現存方策の欠点は吸光度が低い点にある。担体層が非常に薄い時には、混合することができるカーボンブラックまたは他の黒色顔料の粒子の数が相対的に少しのみであり、その結果として、光を吸収する度合が完全ではない。その場合、裸眼およびまた比較的強力な光源(600カンデラ以上の光度を有する)を用いて吸光度が充分でないことを決定することができる。
【0008】
黒色の両面感圧接着テープを製造する別の方策は、共押出し加工を用いて2層担体材料を製造することに関する。一般的には押出し加工を用いて担体フィルムを製造する。そのような共押出し加工の結果として吸光機能を満足させるように通常の担体材料に加えて2番目の黒色層を共押出し加工することが行われている。そのような方策もまたいろいろな欠点を有する。例えば、押出し加工の場合、ブロッキング防止剤を用いる必要があるが、それは後でピンホールと呼ばれる穴を製品の中にもたらす。そのようなピンホールは光学的点欠陥部(光がそのような穴を通る)であり、LCDが示す機能に悪影響を与える。
【0009】
層の厚みによってさらなる問題が生じる、と言うのは、その2層は最初にダイスで個別
に成形され、従って、全体として実現可能な担体層の厚みは相対的に厚く、その結果として、そのフィルムは相対的に厚くかつ柔軟性がなく、従って、それが接着させるべき表面に対して示す柔順性が劣る。その上、そのような黒色層も同様に相対的に厚くすべきである、と言うのは、そのようにしないと完全な吸光を実現することができないからである。さらなる欠点は、担体材料が示す機械的特性が変化する点にある、と言うのは、黒色層の機械的特性は元々の担体材料(例えば純粋なPET)が示すそれとは異なるからである。そのような2層変法の担体材料のさらなる欠点は、接着剤と共押出し加工担体材料の固定度合が異なる点にある。その場合、両面接着テープの中に弱い点が存在する。
【0010】
さらなる方策として、黒色に着色された被覆層で担体材料を覆う方策である。そのような被覆は当該担体の片面または両面に対して実施可能である。そのような方策もまた多様な欠点を有する。一方として、欠陥部(ピンホール)が同様に容易に生じ、かつフィルム押出し加工中にブロッキング防止剤が添加される。そのようなピンホールはLCディスプレーで使用する時に受け入れられないものである。その上、最大吸光特性も要求に相当しない、と言うのは、付着させることができる被膜は相対的に薄いからである。また、層の厚みにも上限が存在する、と言うのは、そのようにしないと担体材料の機械的特性が変化すると言った欠点が生じるからである。
【0011】
LCディスプレーが進展するにつれて傾向も進展する。一方では、LCディスプレーはより軽量になりかつ薄くなり、それによって、解像度が更により高くかつ更により大きなディスプレーの要求が高まっている。
【0012】
その理由で、ディスプレーのデザインが変わり、従って、光源の位置が益々LCDパネルに近くなり、その結果として、光がLCDパネルの外側から境界域(「ブラインド領域」)に入り込む度合が高くなる危険性が大きくなってきている(図1を参照)。従って、そのような進展に伴って、また、両面接着テープの濃淡特性(ブラックアウト特性)に課せられる要求も高くなっており、従って、黒色の接着テープを製造する新規な方策が求められている。
【0013】
そのような両面接着テープのもう一方の面は反射を示すべきである。
【0014】
この目的で、黒色担体を有しかつ片面に金属層を有する両面感圧接着テープが知られている(吸収用黒色層と反射用金属層を有する両面接着テープのデザインに関してはまた図1も参照)。
【0015】
そのような感圧接着テープを用いると、一方の面の光反射および反対側の面の吸光の点で顕著な改善が得られたが、それでも、ブロッキング防止剤が担体層に入っている結果として反射面に不規則さが存在する。
【0016】
反射層を得ようとする場合、反射性粒子を感圧接着剤(PSA)に与えてもよい。しかしながら、得ることができる反射特性は相対的に充分ではない。
【0017】
LCDパネル用の光保護特性を有する両面接着テープが特許文献1に記述されている。金属層を担体フィルムの片面または両面に付着させることでその機能を達成しているが、また、加うるに、その担体フィルムを着色することも可能である。しかしながら、そこに記述されている接着テープが示す機能はそのような機能のみであり、従って、一方の面が光吸収機能を有しかつもう一方の面が光を反射する機能を有することが組み合わされてはいない。
【0018】
LCDパネル用の光保護特性を有する両面接着テープがまた特許文献2にも記述されて
いる。そこでもまた担体フィルムの片面または両面に金属層を付着させることでそのような機能を達成している。
【0019】
LCディスプレー用の一方の面が光吸収特性を有しかつもう一方の面が光反射特性を有する両面接着テープが特許文献3に記述されている。その資料に記述されているPSAテープは黒色/銀色の両面テープである。一方の面の透明または着色担体フィルムに金属被覆を受けさせそしてもう一方の面を黒色に着色している。そのようにして良好な反射特性を達成してはいるが、吸光特性はまだ充分ではない、と言うのは、オーバーコートされているフィルムは例えばブロッキング防止剤が入っているフィルムのみであることからフィルム内に欠陥部が存在し、従って、光がその地点(ピンホール)の所を通って通過し得るからである。
【0020】
従って、LCDディスプレーの接着結合およびそれらの製造に関して、この上に記述した欠点を持たないか或はその度合が低下した度合のみである両面PSAテープの必要性が継続して存在する。
【特許文献1】JP 2002−350612
【特許文献2】JP 2002−023663
【特許文献3】DE 102 43 215 A
【発明の開示】
【0021】
従って、本発明の目的は、ピンホールが無くかつ光を完全に吸収する能力を有しかつ光の反射が改善された両面感圧接着テープを提供することにある。
【0022】
本発明に関連して、驚くべきことに、黒色の組成物を使用、特に特定のカーボンブラックを使用することでそのような接着テープを製造することができることを見いだした。特に驚くべきことは、その組成物を両面接着テープがピンホールを全く含有しないような非常に低い濃度で用いた時でも絶対的黒色が達成されると同時に接着特性およびLCDモジュールの製造に適することが維持されることであった。
【0023】
従って、本発明は、上面と下面を有していて上面が光反射特性を有しかつ下面が光吸収特性を有し、更に、上面と下面を有する担体フィルムも含んで成っていて、それの面の中の少なくとも1つの面に金属反射性被膜が与えられており、両面に感圧接着層が備わっている感圧接着テープ、特に光学液晶(optical liquid−crystal)ディスプレー(LCD)を製造または接着結合させるための感圧接着テープに関し、ここでは、前記感圧接着テープの下面に位置する感圧接着層を黒色にする。
【0024】
前記下面に位置する前記感圧接着層の黒色をカーボンブラックを存在させる結果としてもたらすのが特に有利である。
【0025】
本発明の特に有利な態様を以下に示すが、決して本発明を実施例の選択によって不必要に限定することを望むものでない。
【0026】
図2に従う態様では、本発明の感圧接着テープを担体フィルム層(a)、金属反射性層(b)、前記担体フィルムから見た時に本接着テープの同じ側に位置する透明な感圧接着層(c)および本接着テープのもう一方の側に位置していて黒色、特にカーボンブラックで着色された不透明な層である感圧接着層(c’)で構成させる。
【0027】
本発明の好適なさらなる態様では、本発明のPSAテープに図3に示す製品構造を持たせる。この場合、本両面PSAテープを担体フィルム(a)、2層の金属反射性層(b)、透明な感圧接着層(c)およびカーボンブラックで着色された不透明な感圧接着層(c’)で構成させる。
【0028】
図4に、本両面PSAテープを担体フィルム(a)(特に好適には透明である)、金属反射性層(b)、透明な感圧接着層(c)およびカーボンブラックで着色された不透明な感圧接着層(c’)で構成させた態様を示す。
【0029】
図5に、担体フィルム(a)、2層の金属反射性層(b)、透明な感圧接着層(c)、カーボンブラックで着色された不透明な感圧接着層(c’)および黒色塗料層(d)で構成させた本発明のPSAテープを示す。
【0030】
図6に示すケースでは、本発明の両面PSAテープを、担体フィルム(a)、金属反射性層(b)、透明な感圧接着層(c)、カーボンブラックで着色された不透明な感圧接着層(c’)および黒色塗料層(d)で構成させる。
【0031】
更に、本発明のPSAテープは下記としても特徴づけ可能である:
前記担体フィルム(a)の厚みが好適には5から250μm、より好適には8から50μm、非常に好適には12から36μmの範囲であり、非常に好適には、透明または例えば着色の結果として半透明または低透過性である。層(b)は金属光沢を有していて光を反射する。層(b)を生じさせる時、フィルム(a)の片面もしくは両面に銀色塗料被膜を与えそして/または本発明の1つの好適な変法では金属、例えばアルミニウムまたは銀などによる蒸気被覆を受けさせる。層(b)の厚みを好適には5nmから200nmの範囲にする。
【0032】
PSA層(c)および(c’)に持たせる厚みを各場合とも好適には5μmから250μmにする。本両面PSAテープの中の個々の層(b)、(c)、(c’)、(d)および(d’)は厚みが異なってもよく、その結果として、例えば厚みが異なるPSA層を付着させてもよいが、また、前記層のいくつかまたは全部を等しい厚み形態にすることも可能であり、その結果として、例えば、本接着テープの両面に有利にはまた厚みが等しいPSA層を持たせることも可能である。
【0033】
層(d)は黒色塗料層であり、これの厚みを各場合とも好適には0.01から5μmの範囲にする。
【0034】
担体フィルム(a)
フィルム担体として、原則として、あらゆるフィルム状重合体担体、特に有利には透明な担体を用いることができる。担体フィルムの下面(即ち黒色PSA側)に金属反射性層を与える態様の場合に特に透明であることが好適である。例えば(透明または不透明)ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド、ポリメタアクリレート、フッ素化重合体フィルムなどを用いてもよい。1つの特に好適な変法では、ポリエステルフィルム、より好適にはPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを用いる。そのようなフィルムを張力がかかっていない形態で存在させてもよいか或はそれに優先的方向を1つ以上持たせてもよい。延伸を1または2方向に受けさせることで優先的な方向を得る。ブロッキング防止剤、例えば二酸化ケイ素、シリカチョークもしくはチョーク、ゼオライトなどが例えばPETフィルム製造工程で用いられている可能性がある。
【0035】
特に非常に薄いPETフィルム、非常に好適には厚みが12μm以下のフィルムを卓越して用いることができる。それらの両面に金属による被覆を非常に良好に受けさせることができる。その上、上述したPETフィルムを用いると本両面接着テープが非常に良好な
接着特性を示し得ることから卓越して適する、と言うのは、その場合のフィルムは非常に高い柔軟性を示すことで接着させるべき基質の表面粗さに良好に柔順し得るからである。
【0036】
被膜および/または蒸着金属の固着を向上させる目的で前記フィルムに好適には前処理を受けさせておく。前記フィルムにエッチング(例えばトリクロロ酢酸またはトリフルオロ酢酸を用いた)、コロナまたはプラズマによる前処理を受けさせてもよいか或は下塗り剤(例えばSaran)を施してもよい。
【0037】
その上、着色もしくは半透明フィルム材料を用いることも可能であり、その場合には着色顔料または色素粒子を前記フィルム材料に添加する。例えば、前記フィルムを黒色に着色する場合にはカーボンブラックが適切であり、そして白色に着色する場合には二酸化チタン粒子が適切である。その場合、そのような顔料または粒子の直径は最終的に存在させる担体フィルムの層厚よりも小さくあるべきである。粒子を前記フィルム材料を基準にして5から40重量%の分率で用いることで最適な着色を達成することができる。
【0038】
反射層(b)
特に高い反射性を示す側である面を生じさせる目的で、一方では、銀色塗料をフィルム層(a)に塗布しそして/またはフィルム層(a)の片面もしくは両面に金属、例えばアルミニウムまたは銀などによる蒸気被覆を受けさせてもよい。銀色塗料を用いる変法では、結合剤マトリクスと銀色の顔料を混合するのが有利である。適切な結合剤マトリクスの例は、高い屈折率と高い透明性を示すポリウレタンまたはポリエステルである。別法として、着色顔料をポリアクリレートまたはポリメタアクリレートマトリクスに結合させた後、塗料材料として硬化させることも可能である。
【0039】
非常に好適な1つの変法では、それの代わりにか或は追加的に、フィルム層(a)の片面もしくは両面にアルミニウムまたは銀による蒸気被覆を受けさせる。特に卓越した反射特性を得ようとする場合には、蒸着で用いるスパッタリング操作を、最適な反射(散乱効果が無い)が得られるように、アルミニウムまたは銀が非常に均一に付着するように制御すべきである。その上、非常に好適な1つの変法では、プラズマで前以て処理しておいたPETフィルムの片面もしくは両面にアルミニウムによる蒸気被覆を1作業段階で受けさせる。反射層(b)の使用は、光を選択的に反射する効果と光が担体材料を透過しないようにするか或はその透過率を低くする効果の二重の効果を有することに加えて、担体フィルムの表面粗さを相殺させる。
【0040】
製造工程では、反射側をPSAで被覆する前にクリアコートで保護しておくのが有利であり得る。
【0041】
PSA(c)および(c’)
本PSAテープの両面に存在させるPSA(c)と(c’)を好適には異ならせる。一般的には、アクリレート、天然ゴム、合成ゴム、シリコンまたはEVA接着剤が基になったPSA系を原料基材として用いることができる。本発明の両面PSAテープの少なくとも1つの面が高い反射性を示すようにすべき場合には、PSA(c)が高い透明性を示すようにすべきである。
【0042】
しかしながら、原則としてまた、本分野の技術者に公知のさらなるPSA、例えばDonatas Satas著「Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology」(van Nostrand、ニューヨーク 1989)に挙げられている如きそれらの全部を用いることができる。
【0043】
(c)および(c’)では、例えば天然ゴム接着剤を用いることができる。この場合、
その天然ゴムに製粉を分子量(重量平均)が約100000ダルトン以上、好適には500000ダルトン以上になるように受けさせた後、添加剤を添加する。
【0044】
ゴム/合成ゴムを接着剤の出発材料として用いる場合、幅広く多様であり得る。天然ゴムもしくは合成ゴムまたは天然ゴムおよび/または合成ゴムの所望混合物のいずれも使用可能であり、天然ゴム1種または2種以上は、原則として、要求される純度および粘度に従って、入手可能なあらゆるグレード、例えばクレープ、RSS、ADS、TSRまたはCVグレードなどから選択可能であり、そして合成ゴム1種または2種以上は、ランダムに共重合させたスチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、合成ポリイソプレン(IR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(XIIR)、アクリレートゴム(ACM)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)およびポリウレタンおよび/またはこれらの混合物の群から選択可能である。
【0045】
更に好適には、そのようなゴムの加工特性を向上させる目的で、それらに熱可塑性弾性重合体を弾性重合体全体の分率を基準にして10から50重量%の重量分率で添加してもよい。現時点では、特に、代表例として、特に相溶し得るスチレン−イソプレン−スチレン(SIS)およびスチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)の種類を挙げることができる。
【0046】
独創的に好適な1つの態様では、好適には(メタ)アクリレート系PSAを(c)および(c’)で用いる。
【0047】
(メタ)アクリレート系PSAはフリーラジカル付加重合で得ることができ、これを、有利には、少なくとも50重量%の度合で、下記の一般式:
【0048】
【化1】

【0049】
[式中、RはHまたはCHであり、そして基Rは、HまたはCHであるか、或は炭素原子数が1−30の分枝もしくは非分枝飽和アルキル基の群から選択される]
で表される化合物の群の少なくとも1種のアクリル系単量体で構成させる。
【0050】
この単量体の選択を好適には結果として生じる重合体を室温以上の温度でPSAとして用いることができるように行い、特に結果として生じる重合体がDonatas Satas著「Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology」(van Nostrand、ニューヨーク 1989)に従う感圧接着特性を持つように行う。
【0051】
本発明のさらなる態様では、共重合用単量体組成物の選択をPSAを熱で活性化し得るPSAとして用いることができるように行う。
【0052】
好適には、式CH=CH(R)(COOR)[式中、RはHまたはCHであり、そしてRは、炭素原子数が1−20のアルキル鎖またはHである]で表されるアクリル酸エステルおよび/またはメタアクリル酸エステルおよび/またはこれらの遊離酸で構成させた単量体混合物を重合させることで、そのような重合体を得ることができる。
【0053】
用いるポリアクリレートに持たせるモル質量Mを好適にはM≧200000g/モルにする。
【0054】
非常に好適な一例として、炭素原子数が4から14、好適には炭素原子数が4から9のアルキル基を有するアクリル酸エステルおよびメタアクリル酸エステルで構成させたアクリル系もしくはメタアクリル系単量体を用いる。具体例は、この列挙で限定することを望むものでないが、アクリル酸メチル、メタアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸n−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸n−ヘプチル、アクリル酸n−オクチル、メタアクリル酸n−オクチル、アクリル酸n−ノニル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ベヘニル、そしてそれらの分枝異性体、例えばアクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチルおよびメタアクリル酸イソオクチルなどである。
【0055】
使用可能なさらなる種類の化合物は、橋渡しされていてもよい(bridged)炭素原子数が少なくとも6のシクロアルキルアルコールの単官能アクリル酸エステルおよび/またはメタアクリル酸エステルである。そのようなシクロアルキルアルコールはまたC1−6アルキル基、ハロゲン原子またはシアノ基などで置換されていてもよい。具体例は、メタアクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸イソボルニル、メタアクリル酸イソボルニルおよびアクリル酸3,5−ジメチルアダマンチルである。
【0056】
有利な手順では、極性基、例えばカルボキシル基、スルホン酸、ホスホン酸、ヒドロキシル基、ラクタム、ラクトン、N−置換アミド、N−置換アミン、カルバメート、エポキシ、チオール、アルコキシ、シアノ基、エーテルなどを持つ単量体を用いる。
【0057】
中程度に塩基性の単量体は、例えば、N,N−ジアルキル置換アミド類、例えばN,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメチルメタアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルラクタム、メタアクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタアクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、N−メチロールメタアクリルアミド、N−(ブトキシメチル)メタアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−(エトキシメチル)アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミドなどであるが、この列挙は完全ではない。
【0058】
好適なさらなる例は、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸ヒドロキシエチル、メタアクリル酸ヒドロキシプロピル、アリルアルコール、無水マレイン酸、無水イタコン酸、イタコン酸、メタアクリル酸グリセリジル、アクリル酸フェノキシエチル、メタアクリル酸フェノキシエチル、メタアクリル酸2−ブトキシエチル、アクリル酸2−ブトキシエチル、メタアクリル酸シアノエチル、アクリル酸シアノエチル、メタアクリル酸グリセリル、メタアクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、酢酸ビニル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、β−アクリロイルオキシプロピオン酸、トリクロロアクリル酸、フマル酸、クロトン酸、アコニチン酸およびジメチルアクリル酸であるが、この列挙は完全ではない。
【0059】
1つの非常に好適なさらなる手順では、ビニルエステル、ビニルエーテル、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、そして芳香環をα位に有するビニル化合物および複素環をα位に有するビニル化合物を単量体として用いる。ここでも再び、排他的ではないが、下記のいくつかの例を挙げることができる:酢酸ビニル、ビニルホルムアミド、ビニルピリジン、エチルビニルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデンおよびアクリロニトリル。
【0060】
その上、さらなる手順として、共重合し得る二重結合を有する光開始剤をPSA(b)で用いる。適切な光開始剤にはNorrish IおよびII型の光開始剤が含まれる。その例には、ベンゾインのアクリレートおよびアクリレート化ベンゾフェノン[UCBから入手可能(Ebecryl P 36(商標))]が含まれる。原則として、紫外線照射下のフリーラジカル機構で重合体を架橋させ得ることが本分野の技術者に知られている如何なる光開始剤も共重合させることができる。二重結合による官能化を受けさせることができて使用可能な光開始剤の概略がFouassier:Photoinitiation,Photopolymerization and Photocuring:Fundamentals and Applications、Hanser−Verlag、Munich 1995に与えられている。補足として、Carroy他、「Chemistry and Technology of UV and EB Formulation for Coatings,Inks and Paints」、Oldring(編集)、1994、SITA、ロンドンを用いる。
【0061】
好適な別の手順では、その記述した共重合用単量体を高い静的ガラス転移温度を与える単量体と混合する。適切な成分には芳香族ビニル化合物が含まれ、その一例はスチレンであり、この場合の芳香核は好適にはCからC18単位で構成されておりかつまたヘテロ原子を含有していてもよい。特に好適な例は4−ビニルピリジン、N−ビニルフタルイミド、メチルスチレン、3,4−ジメトキシスチレン、4−ビニル安息香酸、アクリル酸ベンジル、メタアクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、メタアクリル酸フェニル、アクリル酸t−ブチルフェニル、メタアクリル酸t−ブチルフェニル、アクリル酸4−ビフェニリル、メタアクリル酸4−ビフェニリル、アクリル酸2−ナフチル、メタアクリル酸2−ナフチル、そしてこのような単量体の混合物であるが、この列挙は完全ではない。
【0062】
芳香族の分率を高くすると、結果として、PSAが示す屈折率が高くなりかつLCDガラスとPSAの間で起こる散乱(例えば外部から来る光が結果としてもたらす如き散乱)が最小限になる。
【0063】
さらなる進展では、前記PSAに樹脂を混合してもよい。添加可能な粘着付与樹脂として、文献に記述されていて既に公知の粘着付与樹脂を用いることができる。挙げることができる代表例には、ピネン樹脂、インデン樹脂およびロジン、これらの不均化誘導体、水添誘導体、重合誘導体、エステル化誘導体および塩、脂肪族および芳香族炭化水素樹脂、テルペン樹脂およびテルペン−フェノール樹脂、およびまたC、Cおよび他の炭化水素樹脂が含まれる。結果として生じる接着剤の特性を要求に従って調整する目的で前記およびさらなる樹脂の如何なる所望組み合わせも使用可能である。一般的に言って、当該ポリアクリレートに相溶(溶解)し得る如何なる樹脂も使用可能であり、特に、脂肪族、芳香族およびアルキル芳香族炭化水素樹脂、1種類のみの単量体が基になった炭化水素樹脂、水添炭化水素樹脂、官能性炭化水素樹脂および天然樹脂の全部を言及することができる。Donatas Satas著、「Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology」(van Nostrand、1989)に示されている既知知識の提示が明らかに参考になる。
【0064】
ここでも、同様に、好適には、当該重合体と高度に相溶し得る透明な樹脂を用いてPSA(c)の透明性を向上させる。水添もしくは部分水添樹脂がしばしばそのような特性を特徴として有する。
【0065】
加うるに、場合により、可塑剤、さらなる充填材(例えば繊維、カーボンブラック、酸化亜鉛、チョーク、固体または中空ガラス球、他の材料で出来ている微細球、シリカ、ケイ酸塩など)、核形成剤、導電性材料、例えば共役重合体、ドーパントが添加されている共役重合体、金属顔料、金属粒子、金属塩、グラファイトなど、膨張剤、配合剤および/
または老化抑制剤(例えば一次および二次抗酸化剤の形態または光安定剤の形態)を添加することも可能である。PSA(c)の場合に前記添加剤を添加する量は金属層の反射に影響を与えない量のみであるべきである。
【0066】
本発明のさらなる変法では、PSA(c)と(c’)が単に黒色粒子の添加の点でのみ異なるようにする。このように、PSA(c’)のカーボンブラック含有量を好適には2から30重量%、より好適にはカーボンブラック含有量を5から20重量%、非常に好適にはカーボンブラック含有量を8から15重量%の範囲にする。そのカーボンブラックは光を吸収する機能を有する。色素カーボンブラックが卓越して適切であるとして現れた。1つの好適な態様では、Degussa社のカーボンブラック粉末を用いる。そのような粉末は商標名Printex(商標)の下で商業的に入手可能である。カーボンブラックがPSA中で示す分散性を改良しようとする場合には、酸化的後処理を受けさせておいたカーボンブラックの使用が特に好適である。その上、PSA(c’)の場合、カーボンブラックに加えて着色顔料の添加も有利であり得る。従って、適切な添加剤の例には、青色顔料、例えばDegussaのAnilinschwarz BS890アニリンブラックなどが含まれる。加うるにまた艶消し剤も添加剤として使用可能である。
【0067】
本発明の有利なさらなる態様では、PSA(c)と(c’)が黒色粒子添加の点で異なるばかりでなくまた化学的組成の点でも異なるようにする。従って、例えば異なるポリアクリレート(これらのポリアクリレートは共重合用単量体および/または添加剤の点で異なる)を基礎組成物として用いてもよい。加うるに、また、層(c’)では、例えば天然ゴムまたは合成ゴム接着剤を有利に用いることも可能であり、それを透明なアクリレート系PSA(c)と組み合わせてもよい。そのような態様では、PSA(c’)のカーボンブラック含有量も同様に好適には2から30重量%、より好適にはカーボンブラック含有量を5から20重量%、非常に好適にはカーボンブラック含有量を8から15重量%の範囲にする。この場合にも、この上の章に示した特定のカーボンブラックおよび/または着色顔料が同様に非常に有利である。
【0068】
加うるに、PSA(c)および/または(c’)を架橋させる目的で架橋剤および促進剤を混合することも可能である。電子ビーム架橋および紫外線架橋に適した架橋剤の例には、二官能もしくは多官能のアクリレート、二官能もしくは多官能のイソシアネート(ブロック形態のそれらを包含)および二官能もしくは多官能のエポキシドが含まれる。加うるに、また、熱で活性化し得る架橋剤、例えばルイス酸、金属キレート化物または多官能イソシアネートなどを添加しておくことも可能である。
【0069】
場合により紫外光で架橋させる場合、特に紫外線を吸収する光開始剤をPSA(c)および/または(c’)に添加することも可能である。非常に有効に用いる有用な光開始剤は、ベンゾインのエーテル、例えばベンゾインのメチルエーテルおよびベンゾインのイソプロピルエーテルなど、置換アセトフェノン、例えば2,2−ジエトキシアセトフェノン[Ciba Geigy(商標)からIrgacure 651(商標)として入手可能]、2,2−ジメトキシ−2−フェニル−1−フェニルエタノン、ジメトキシヒドロキシアセトフェノンなど、置換α−ケトール、例えば2−メトキシ−2−ヒドロキシプロピオフェノンなど、芳香族スルホニルクロライド、例えば2−ナフチルスルホニルクロライドなど、そして光活性オキシム、例えば1−フェニル−1,2−プロパンジオンの2−(O−エトキシカルボニル)オキシムなどである。
【0070】
使用可能な前記光開始剤および他の光開始剤およびまたNorrish IまたはNorrish II型の他の光開始剤は、有利に、下記の基:ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンジル、ベンゾイン、ヒドロキシアルキルフェノン、フェニルシクロヘキシルケトン、アントラキノン、トリメチルベンゾイルホスフィンオキサイド、メチルチオフェニ
ルモルホリンケトン、アミノケトン、アゾベンゾイン、チオキサントン、ヘキサアリールビスイミダゾール、トリアジンまたはフルオレノンを含有している可能性があり、前記基は各々が追加的に1つ以上のハロゲン原子および/または1つ以上のアルキルオキシ基および/または1つ以上のアミノ基もしくはヒドロキシ基で置換されている可能性がある。代表的な概要がFouassier:Photoinitiation,Photopolymerization and Photocuring:Fundamentals and Applications、Hanser−Verlag、Munich 1995に与えられている。Carroy他著、「Chemistry and Technology of UV and EB Formulation for Coatings,Inks and Paints」、Oldring編集、1994、SITA、ロンドン)を補足として用いることができる。
【0071】
アクリレート系PSA組成物の製造方法
重合では、単量体を、有利には、結果として生じる重合体がPSAとして室温以上の温度で使用可能、特に結果として生じる重合体がDonatas Satas著、「Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology」(van Nostrand、ニューヨーク、1989)に従って感圧接着特性を示すように選択する。
【0072】
この上で行った所見に従って、PSAに好適な重合体ガラス転移温度T≦25℃を達成する目的で、Fox式(E1)[T.G.Fox、Bull.Am.Phys.Soc.1(1956)123を参照]に類似した式(E1)に従い、結果として生じる重合体が所望のTを示すように単量体を選択しかつ有利には単量体混合物の量的組成もそのように選択するのが非常に好適である。
【0073】
【数1】

【0074】
前記式中、nは、使用した単量体の連続数(serial number)を表し、wは、個々の単量体nの質量分率(重量%)を表し、そしてTg,nは、個々の単量体nから作られたホモ重合体のそれぞれが示すガラス転移温度(K)を表す。
【0075】
ポリ(メタ)アクリレート系PSAを調製する時、通常のフリーラジカル重合を実施するのが有利である。重合をフリーラジカルで進行させる場合、また、さらなるフリーラジカル開始剤、特に熱で分解してフリーラジカルを発生するアゾもしくはパーオキソ開始剤も含有させた開始剤系を重合で用いる方が好適である。しかしながら、原則として、アクリレートに関する技術を有する技術者に良く知られている通常のあらゆる開始剤が適切である。C中心ラジカルの発生がHouben Weyl Methoden der Organischen Chemie、E 19a巻、60−147頁に記述されている。このような方法も同様に優先的に用いる。
【0076】
フリーラジカル源の例は過酸化物、ヒドロパーオキサイドおよびアゾ化合物であり、ここで挙げることができる典型的なフリーラジカル開始剤のいくつかの非限定例には、ペルオキソ二硫酸カリウム、ジベンゾイルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、アゾジイソブチロニトリル、シクロヘキシルスルホニルアセチルパーオキサイド、ジイソプロピルパーカーボネート、過カプリル酸t−ブチルおよびベンズピナコールが含まれる。非常に好適な1つの変法で用いるフリーラジカル開始剤は、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)[DuPontのVazo 88(商標)]またはアゾジイソブチロニトリル(AIBN)である。
【0077】
フリーラジカル重合で生じさせるPSAの平均分子量Mを、非常に好適には、それが200000から4000000g/モルの範囲内になるように選択し、特に400000から1400000g/モルの平均分子量Mを有するPSAを生じさせる。この平均分子量はサイズエクスクルージョンクロマトグラフィー(size exclusion chromatography)(GPC)またはマトリックス補助レーザー脱離/イオン化質量分光測定(matrix−assisted laser desorption/ionization mass spectrometry)(MALDI−MS)で測定した分子量である。
【0078】
この重合は無溶媒でか、1種以上の有機溶媒の存在下でか、水の存在下でか、或は有機溶媒と水の混合物中で実施可能である。この目的は溶媒の使用量を最小限にすることにある。適切な有機溶媒は純粋なアルカン(例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン)、芳香族炭化水素(例えばベンゼン、トルエン、キシレン)、エステル(例えば酢酸エチル、プロピル、ブチルもしくはヘキシル)、ハロゲン置換炭化水素(例えばクロロベンゼン)、アルカノール(例えばメタノール、エタノール、エチレングリコール、エチレングリコールのモノメチルエーテル)、エーテル(例えばジエチルエーテル、ジブチルエーテル)またはこれらの混合物である。反応混合物が単量体変換中に均一相の形態で存在することを確保する目的で、水性重合反応に水混和性もしくは親水性の共溶媒を添加することも可能である。本発明で有利に使用可能な共溶媒は、下記の群:脂肪族アルコール、グリコール、エーテル、グリコールエーテル、ピロリジン、N−アルキルピロリジノン、N−アルキルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アミド、カルボン酸およびこれらの塩、エステル、有機スルフィド、スルホキサイド、スルホン、アルコール誘導体、ヒドロキシエーテル誘導体、アミノアルコール、ケトンなど、そしてまたこれらの誘導体および混合物から成る群から選択した共溶媒である。
【0079】
重合時間は変換率および温度に応じて2から72時間の範囲である。選択可能な反応温度が高ければ高いほど、即ち反応混合物の熱安定性が高ければ高いほど、短い反応時間を選択することができる。
【0080】
重合の開始に関して、熱で分解する開始剤を用いる場合には熱の導入が必須である。そのような開始剤の場合、開始剤の種類に応じて50から160℃に加熱すると重合が始まり得る。
【0081】
(メタ)アクリレート系PSAの調製では、また、それの重合を無溶媒で実施するのも有利であり得る。この場合に用いるに特に適した技術は予備重合技術である。紫外光を用いて重合を開始させるが、それを起こさせるのはほんの約10−30%の低い変換率までである。次に、その結果として生じた重合体シロップを例えば溶着させることなどでフィルム[最も簡単なケースでは氷立方体]を生じさせた後、水中で重合させて高い変換率に至らせてもよい。次に、そのペレットをアクリレート系ホットメルト接着剤として用いてもよいが、溶融操作の場合、当該ポリアクリレートと相溶し得るフィルム材料の使用が特に好適である。この調製方法では、熱伝導性材料を重合前または後に添加することも同様に可能である。
【0082】
ポリ(メタ)アクリレート系PSAの別の有利な製造方法はアニオン重合方法である。この場合に使用可能な反応媒体には、好適には不活性な溶媒、例えば脂肪族および環状脂肪族炭化水素など、または芳香族炭化水素などが含まれる。
【0083】
その場合のリビング重合体は一般に構造P(A)−Me[ここで、MeはI族の金属、例えばリチウム、ナトリウムまたはカリウムなどであり、そしてP(A)は、アクリレート単量体に由来する成長する重合体である]で表される。開始剤濃度と単量体濃度の比率を用いて、調製下の重合体のモル質量を制御する。適切な重合開始剤の例には、n−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、2−ナフチルリチウム、シクロヘキシルリチウムおよびオクチルリチウムが含まれるが、この列挙は完全さを主張するものでない。その上、サマリウム錯体が基になった開始剤もアクリレートの重合で公知であり(Macromolecules、1995、28、7886)、それをここで用いることも可能である。
【0084】
更に、また、二官能開始剤、例えば1,1,4,4−テトラフェニル−1,4−ジリチオブタンまたは1,1,4,4−テトラフェニル−1,4−ジリチオイソブタンなどを用いることも可能である。共開始剤の使用も同様に可能である。適切な共開始剤には、ハロゲン化リチウム、アルカリ金属のアルコキサイドおよびアルキルアルミニウム化合物が含まれる。非常に好適な1つの変法では、アクリレート単量体、例えばアクリル酸n−ブチルおよびアクリル酸2−エチルヘキシルなどの重合が直接起こり得るように配位子および共開始剤を選択し、それによって、相当するアルコールとのエステル交換によって単量体が重合体内に生じることがないようにすべきである。
【0085】
狭い分子量分布を示すポリ(メタ)アクリレート系PSAを生じさせるに適した方法には、また、制御フリーラジカル(controlled free radical)重合方法も含まれる。その場合には、重合で、一般式:
【0086】
【化2】

【0087】
[式中、
RおよびRは、互いに独立して選択されるか或は同じであり、下記から選択される:
− 分枝および非分枝のCからC18アルキル基、CからC18アルケニル基、CからC18アルキニル基、
− CからC18アルコキシ基、
− 少なくとも1個のOH基もしくはハロゲン原子もしくはシリルエーテルで置換されているCからC18アルキニル基、CからC18アルケニル基、CからC18アルキル基、
− 酸素原子および/またはNR基[Rは任意の基(特に有機基)である]を炭素鎖中に少なくとも1個有するC−C18ヘテロアルキル基、
− 少なくとも1個のエステル基、アミン基、カーボネート基、シアノ基、イソシアノ基および/またはエポキシ基および/または硫黄で置換されているC−C18アルキニル基、C−C18アルケニル基、C−C18アルキル基、
− C−C12シクロアルキル基、
− C−C18アリールもしくはベンジル基、
− 水素]
で表される制御剤(control reagent)の使用が好適である。
【0088】
種類(I)の制御剤を好適には下記の化合物で構成させる:
前記式中のハロゲン原子は好適にはF、Cl、BrまたはI、より好適にはClおよびBrである。いろいろな置換基中の卓越して適切なアルキル、アルケニルおよびアルキニル基には直鎖および分枝鎖の両方が含まれる。
【0089】
炭素原子を1から18個含有するアルキル基の例はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、2−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、t−オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、トリデシル、テトラデシル、ヘキサデシルおよびオクタデシルである。
【0090】
炭素原子数が3から18のアルケニル基の例はプロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、イソブテニル、n−2,4−ペンタジエニル、3−メチル−2−ブテニル、n−2−オクテニル、n−2−ドデセニル、イソドデセニルおよびオレイルである。
【0091】
炭素原子数が3から18のアルキニルの例はプロピニル、2−ブチニル、3−ブチニル、n−2−オクチニルおよびn−2−オクタデシニルである。
【0092】
ヒドロキシ置換アルキル基の例はヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチルおよびヒドロキシヘキシルである。
【0093】
ハロゲン置換アルキル基の例はジクロロブチル、モノブロモブチルおよびトリクロロヘキシルである。
【0094】
酸素原子を炭素鎖中に少なくとも1個有する適切なC−C18ヘテロアルキル基の例は−CH−CH−O−CH−CHである。
【0095】
−C12シクロアルキル基の例にはシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびトリメチルシクロヘキシルが含まれる。
【0096】
−C18アリール基の例にはフェニル、ナフチル、ベンジル、4−t−ブチルベンジル、および他の置換フェニル、例えばエチル、トルエン、キシレン、メシチレン、イソプロピルベンゼン、ジクロロベンゼンまたはブロモトルエンが含まれる。
【0097】
この上の列挙は単に個々の群の化合物の例として示したものであり、決して完全さを主張するものでない。
【0098】
また、制御剤として使用可能な他の化合物には、下記の種類:
【0099】
【化3】

【0100】
[ここで、Rも再びRおよびRから独立して、これらの基に関して上に示した基から選択可能である]
の化合物が含まれる。
【0101】
通常の「RAFT」方法の場合には、非常に狭い分子量分布がもたらされるように重合を一般にほんの低い変換率に到達するまで実施する(WO 98/01478 A1)。しかしながら、そのような重合体は変換率が低い結果としてPSA、特にホットメルト用PSAとして用いるのは不可能である、と言うのは、残存単量体が高い分率で存在することから技術的接着特性に悪影響が生じ、濃縮工程で残存する単量体が溶媒再循環液に混入しかつ相当する自己接着テープが非常に高い気体放出挙動を示すであろうからである。特に好適な1つの手順では、そのように変換率が低いと言った欠点を回避する目的で、重合を2回以上開始させる。
【0102】
さらなる制御フリーラジカル重合方法として、ニトロキサイド制御重合を実施することも可能である。好ましい手順では、フリーラジカルを安定にする目的で、タイプ(Va)または(Vb)のニトロキサイド:
【0103】
【化4】

【0104】
[ここで、R、R、R、R、R、R、RおよびR10は、互いに独立して、下記の化合物または原子を表す:
i)ハライド、例えば塩素、臭素またはヨウ素など、
ii)飽和、不飽和および芳香族であってもよい炭素原子数が1から20の直鎖、分枝、環状および複素環式炭化水素、
iii)エステル−COOR11、アルコキサイド−OR12および/またはホスホネート−PO(OR13[ここで、R11、R12またはR13は群ii)の基を表す]を用いる。
【0105】
タイプ(Va)または(Vb)の化合物をまた如何なる種類の重合体鎖に結合させてもよく(主に、上述したラジカルの少なくとも1つが前記種類の重合体鎖を構成するように)、従って、それらをポリアクリレート系PSAの合成で用いることも可能である。
【0106】
より好適には、下記の種類の化合物を重合用制御調節剤(controlled regulators)として選択する:
・ 2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジニルオキシル(PROXYL)、3−カルバモイル−PROXYL、2,2−ジメチル−4,5−シクロヘキシル−PROXYL、3−オキソ−PROXYL、3−ヒドロキシルイミン−PROXYL、3−アミノメチル−PROXYL、3−メトキシ−PROXYL、3−t−ブチル−PROXYL、3,4−ジ−t−ブチル−PROXYL、
・ 2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ(TEMPO)、4−ベンゾイルオキシ−TEMPO、4−メトキシ−TEMPO、4−クロロ−TEMPO、4−ヒドロキシ−TEMPO、4−オキソ−TEMPO、4−アミノ−TEMPO、2,2,6,6−テトラエチル−1−ピペリジニルオキシル、2,2,6−トリメチル−6−エチル−1−ピペリジニルオキシル、
・ N−t−ブチル 1−フェニル−2−メチルプロピルニトロキサイド、
・ N−t−ブチル 1−(2−ナフチル)−2−メチルプロピルニトロキサイド、
・ N−t−ブチル 1−ジエチルホスホノ−2,2−ジメチルプロピルニトロキサイド、
・ N−t−ブチル−1−ジベンジルホスホノ−2,2−ジメチルプロピルニトロキサイド、
・ N−(1−フェニル−2−メチルプロピル) 1−ジエチルホスホノ−1−メチルエチルニトロキサイド、
・ ジ−t−ブチルニトロキサイド、
・ ジフェニルニトロキサイド、
・ t−ブチル t−アミルニトロキサイド。
【0107】
PSAを代替手順で調製することも可能であり、それに従って、一連のさらなる重合方法を下記の従来技術から選択することができる:米国特許第4,581,429A号には、式R’R”N−O−Y[式中、Yは、不飽和単量体を重合させ得るフリーラジカル種である]で表される化合物を開始剤として用いる制御成長(controlled−growth)フリーラジカル重合方法が開示されている。しかしながら、その反応の変換率は一般に低い。特にアクリレートの重合が問題になり、重合が起こるとしても収率およびモル質量が非常に低い。WO 98/13392 A1には、対称的な置換パターンを有する開鎖アルコキシアミン化合物が記述されている。EP 735 052 A1には、狭いモル質量分布を示す熱可塑性弾性重合体を生じさせる方法が開示されている。WO 96/24620 A1には、非常に特殊なフリーラジカル化合物、例えば燐含有ニトロキサイド(これはイミダゾリジンが基になっている)などを用いた重合方法が記述されている。WO 98/44008 A1には、モルホリン、ピペラジノンおよびピペラジンジオンが基になった特殊なニトロキシルが開示されている。DE 199 49 352 A1には、制御成長フリーラジカル重合における調節剤として複素環式アルコキシアミンが記述されている。そのようなアルコキシアミンまたは相当する遊離ニトロキサイドが更に開発されると、それに相当してポリアクリレートの製造効率が向上する[Hawker、Contribution to the National Meeting of the American Chemical Society(1997年春);Husemann、Contribution to the IUPAC World−Polymer Meeting 1998(ゴールドコースト)]。
【0108】
さらなる制御重合方法として原子移動ラジカル重合(ATRP)を用いて有利にそのようなポリアクリレート系PSAを合成することも可能であり、この場合には、好適には、一官能性もしくは二官能性の第二もしくは第三ハロゲン化物を開始剤として用いそしてこのようなハロゲン化物1種または2種以上に引き抜きを受けさせる目的でCu、Ni、Fe、Pd、Pt、Ru、Os、Rh、Co、Ir、AgまたはAuの錯体を用いる[EP
0 824 111 A1、EP 826 698 A1、EP 824 110 A1、EP 841 346 A1、EP 850 957 A1]。更に、ATRPのいろいろな可能性が明細書である米国特許第5,945,491 A号、米国特許第5,854,364 A号および米国特許第5,789,487 A号に記述されている。
【0109】
被覆方法、担体材料の処理
調製における1つの好適な手順では、担体材料の上を溶液の状態の感圧接着剤で被覆す
る。PSAの固着度合を向上させる目的で、場合により、層(a)および/または(b)に前処理を受けさせておいてもよい。このように、前処理を例えばコロナもしくはプラズマなどを用いて実施してもよいか、下塗り剤を溶融状態または溶液の状態で付着させてもよいか、或はエッチングを化学的に起こさせてもよい。
【0110】
PSAを溶液の状態で被覆する場合には、例えば乾燥用トンネルの中に熱を供給することで、溶媒を除去しかつ適宜架橋反応を開始させる。
【0111】
更に、この上に記述した重合体はまたホットメルト系として(即ち溶融状態で)も被覆可能である。従って、このような製造方法の場合には、当該PSAから溶媒を除去する必要があり得る。この場合には、原則として、本分野の技術者に公知の技術のいずれも使用可能である。1つの非常に好適な技術は、単軸または二軸押出し加工機を用いて濃縮を行う技術である。そのような二軸押出し加工機の作動様式は同方向回転または異方向回転であり得る。好適には、溶媒または水を2段以上の真空段階で留出させる。また、溶媒の蒸留温度に応じてカウンターヒーティング(counterheating)も実施する。残存する溶媒の分率を好適には<1%、より好適には<0.5%、非常に好適には<0.2%にする。
【0112】
その上、カーボンブラックを配合する場合にはまた二軸押出し加工機を用いることも可能である。このようにして、カーボンブラックを感圧接着剤マトリクスの中に非常に微細に分散させることができる。
【0113】
そのホットメルトのさらなる加工を非常に好適には溶融状態で行う。
【0114】
被覆をホットメルトとして行う場合、いろいろな被覆方法を用いることができる。1つの変法では、PSAの被覆をロールコーティング(roll coating)方法で行う。いろいろなロールコーティング方法がDonatas Satas著「Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology」(van Nostrand、ニューヨーク 1989)に記述されている。別の変法では、メルトダイス(melt die)を用いて被覆を行う。好適なさらなる方法では被覆を押出し加工で実施する。好適には、押出し加工用ダイスを用いて押出し加工被覆を実施する。用いる押出し加工用ダイスは有利に下記の3分類の1つに属するものであってもよい:T字形ダイス、魚尾鰭形ダイスおよびコートハンガー形ダイス。それぞれのタイプはそれらの流路のデザインの点で異なる。また、被覆によってPSAを配向させることも可能である。
【0115】
加うるに、PSAを架橋させる必要もあり得る。1つの好適な変法では電子および/または紫外線を用いて架橋を起こさせる。
【0116】
紫外線による架橋では、用いる紫外光開始剤に応じて、波長が200から400nmの範囲の短波紫外線を照射することで照射を実施し、特に出力が80から240W/cmの高圧もしくは中圧水銀ランプを用いて照射を実施する。照射の強度を個々の紫外光開始剤の量子収率および設定すべき架橋度合に適合させる。
【0117】
更に、1つの態様では、電子ビームを用いてPSAを架橋させることも可能である。用いることができる典型的な照射装置には、線形陰極装置、走査装置およびセグメント化陰極装置(segmented cathode systems)(この場合には電子ビーム加速装置を用いる)が含まれる。最新技術および最も重要な工程パラメーターの詳細な記述を「Chemistry and Technology of UV and EB Formulation for Coatings,Inks and Paints」、第1巻、1991、SITA(ロンドン)の中のSkelhorneによるElectron Beam Processingに見ることができる。典型的な加速電圧は50kVから500kV、好適には80kVから300kVの範囲内にある。用いる散乱光線量(scatter doses)は5から150kGy、特に20から100kGyの範囲である。また、両方の架橋方法または高エネルギー照射を可能にする他の方法を用いることも可能である。
【0118】
着色層(d)
本発明の好適な態様における着色層(d)は、外部の光を(大きく)完全に吸収する機能に貢献し得る。従って、この場合、本両面PSAテープが300−800nmの波長範囲内で示す透過率は好適には<0.5%、より好適には<0.1%、非常に好適には<0.01%である。特に有利には、黒色塗料層を用いてそれを達成する。硬化する結合剤マトリクス(好適には熱硬化系であるが、また、放射線で硬化する系も可能である)では、黒色顔料を塗料マトリクスの中に混合する。使用する塗料材料は、例えばポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリレートまたはポリメタアクリレートなどと本分野の技術者に公知の塗料添加剤の組み合わせであってもよい。本発明の意味で非常に好適である1つの手順において、前記結合剤マトリクスの中に混合する着色粒子はカーボンブラックまたはグラファイトの粒子である。そのような添加の結果として、添加剤の濃度を非常に高く(>20重量%)にすると、光吸収度が完全になるばかりでなくまた導電性も得られ、その結果として、本発明の両面PSAテープは同様に帯電防止特性も示す。
【0119】
本発明は、更に、本発明の両面感圧接着テープを光学液晶ディスプレー(LCD)の接着結合または製造で用いること、それらをLCDガラスの接着結合で用いること、そして本発明の感圧接着テープが製造中に用いられた液晶ディスプレーおよび液晶ディスプレーを有するデバイスも提供する。本両面感圧接着テープを感圧接着テープとして用いる場合、それに1枚または2枚の剥離フィルムおよび/または剥離紙を張り付けておくことも可能である。好適には、シリコン被覆またはフッ素化フィルムもしくは紙、例えばシリコンまたはフッ素化重合体が基になった剥離用被膜が与えられているグラシン、HDPEまたはLDPE被覆紙などを用いる。
【実施例】
【0120】
本発明の説明を以下に行うが、本実施例の選択による結果に不必要な制限を与えることを決して望むものでない。
【0121】
下記の試験方法を用いた。
【0122】
試験方法
A. 透過率
透過率の測定をBiotek KontronのUvikon 923を用いて190から900nmの波長範囲で実施した。絶対透過率を550nmの所の値として%で報告する。
【0123】
B. ピンホール
商業的に通常の種類の非常に強力な光源(例えばLiesegangtrainer 400KCタイプ649のオーバーヘッドプロジェクター、36Vのハロゲンランプ、400W)に光を全く通さないマスクを取り付けた。そのマスクは中心部に直径が5cmの円形開口部を有する。LCD用両面接着テープを前記円形開口部の上に置く。次に、完全に暗くした環境の中でピンホールの数を電子的または裸眼で数える。光源のスイッチを入れるとピンホールを半透明な点として見ることができる。
【0124】
C. 反射
反射試験をDIN標準5063パート3に従って実施する。使用した装置はLMT Ulbrecht sphere型であった。反射を指向と散乱光の分率の合計(%)として報告する。
【0125】
重合体1
フリーラジカル重合に通常の200 lの反応槽にアクリル酸を2400g、アクリル酸2−エチルヘキシルを64kg、N−イソプロピルアクリルアミドを6.4kgおよびアセトン/イソプロパノール(95:5)を53.3kg仕込んだ。この反応槽の撹拌を行いながらこれに窒素ガスを45分間通した後、この反応槽を58℃に加熱して、2,2’−アゾイソブチロニトリル(AIBN)を40g加えた。その後、外部の加熱用浴を75℃に加熱して、反応を絶えず前記外部温度で実施した。1時間の反応時間後にAIBNを更に40g加えた。5時間後および10時間後に各場合ともアセトン/イソプロパノール(95:5)を15kgずつ用いて希釈を実施した。6時間後および8時間後に各場合とも100gのジシクロヘキシルパーオキシジカーボネート[Perkadox 16(商標)、Akzo Nobel](各場合とも800gのアセトンに入れた溶液の状態)を加えた。24時間の反応時間後に反応を停止させた後、その反応混合物を室温に冷却した。
【0126】
カーボンブラック組成物1
特定の沸点を有するスピリットを用いて重合体1をドラム内で固体含有量が30%になるように希釈する。その後、撹拌を激しく行いながらカーボンブラック[色素カーボンブラック、Printex(商標)25、Degussa AG]を重合体1を基準にして8重量%混合する。Ultraturraxを均一化で用いて、その溶液を10分間均一にする。
【0127】
カーボンブラック組成物2
特定の沸点を有するスピリットを用いて重合体1をドラム内で固体含有量が30%になるように希釈する。その後、撹拌を激しく行いながらカーボンブラック[色素カーボンブラック、Printex(商標)25、Degussa AG]を重合体1を基準にして10重量%混合する。Ultraturraxを均一化で用いて、その溶液を10分間均一にする。
【0128】
カーボンブラック組成物3
特定の沸点を有するスピリットを用いて重合体1をドラム内で固体含有量が30%になるように希釈する。その後、撹拌を激しく行いながらカーボンブラック[色素カーボンブラック、Printex(商標)25、Degussa AG]を重合体1を基準にして12重量%混合する。Ultraturraxを均一化で用いて、その溶液を10分間均一にする。
【0129】
架橋
シリコン被覆剥離紙(LoparexのPE被覆剥離紙)の上を前記カーボンブラック組成物および重合体1で溶液の状態で覆い、100℃の乾燥用キャビネットの中で10分間乾燥させた後、加速電圧を200kVにして25kGyの線量で架橋させた。被膜の重量は各場合とも50g/mであった。
【0130】
フィルム(Al蒸気被覆):
Mitsubishiの商業的に通常の12μmのPETフィルム[RNK 12μm]の両面にアルミニウム蒸気被覆をアルミニウムの層が両面に完全に付着するまで受けさせた。そのフィルムにスパッタリング方法による蒸気被覆を300mmの幅で受けさせた。この方法では、正に帯電しているイオン化アルゴンガスを高真空度のチャンバの中に通す。その後、その帯電しているイオンが負に帯電しているAl板に衝突し、そしてアルミニウムの粒子が分子レベルで脱離した後、前記板の上を通るポリエステルフィルムに付着する。
【0131】
実施例1
前記フィルムの一方の面に重合体1を50g/mおよびもう一方の面にカーボンブラック組成物1を50g/m積層させることによる被覆を受けさせる。
【0132】
実施例2
前記フィルムの一方の面に重合体1を50g/mおよびもう一方の面にカーボンブラック組成物2を50g/m積層させることによる被覆を受けさせる。
【0133】
実施例3
前記フィルムの一方の面に重合体1を50g/mおよびもう一方の面にカーボンブラック組成物3を50g/m積層させることによる被覆を受けさせる。
【0134】
結果
実施例1から3に試験を試験方法A、BおよびCに従って受けさせた。その結果を表1に示す。
【0135】
【表1】

【0136】
表1に示した結果から、実施例1から3が試験(A)で示した透過率は極めて低く、<0.1%であることは明らかである。
【0137】
ピンホールの数を試験(B)で測定した。ピンホールは記述した実施例のいずれにも見られなかった。その上、金属面の反射率も測定した。全てのケースで反射率は85%より高かった。
【0138】
この結果は、本発明の接着テープをLCD用途で用いると高い光収率を達成することができることを示している。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】吸光用黒色層および反射用金属−銀層を有する両面接着テープを従来技術に従って得る方策を示す
【図2−6】本発明のPSAテープ。
【符号の説明】
【0140】
1 LCDガラス
2 黒色−銀両面接着テープ
3 感圧接着剤
4 光源(LED)
5 光線
6 両面接着テープ
7 光導波管
8 反射性フィルム
9 LCDケーシング
10 接着テープの黒色吸光面
11 金属反射面
12 可視領域
13 「ブラインド」領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面と下面を有していて上面が光反射特性を有しかつ下面が光吸収特性を有し、
更に、上面と下面を有する担体フィルムも含んで成っていて、それの面の中の少なくとも1つの面に金属反射性被膜が与えられており、
両面に感圧接着層が備わっている、
感圧接着テープ、特に光学液晶ディスプレー(LCD)を製造または接着結合させるための感圧接着テープであって、
該感圧接着テープの下面に位置する感圧接着層が黒色であることを特徴とする感圧接着テープ。
【請求項2】
前記下面に位置する前記感圧接着層の黒色がカーボンブラック、特に色素カーボンブラックによってもたらされた黒色であることを特徴とする請求項1記載の感圧接着テープ。
【請求項3】
感圧接着剤組成物中のカーボンブラックの分率が2から30重量%、好適には5から20重量%、非常に好適には8から15重量%の範囲であることを特徴とする請求項2記載の感圧接着テープ。
【請求項4】
金属反射性層が前記担体フィルムの上面に与えられていることを特徴とする前請求項の少なくとも1項記載の感圧接着テープ。
【請求項5】
該感圧接着テープの上面に位置する前記感圧接着層が透明であることを特徴とする前請求項の少なくとも1項記載の感圧接着テープ。
【請求項6】
下記の層の順:透明な感圧接着層(c)−金属反射性層(b)−担体フィルム層(a)−黒色の感圧接着層(c’)を有することを特徴とする製品構造を特徴とする前請求項の少なくとも1項記載の感圧接着テープ。
【請求項7】
下記の層の順:透明な感圧接着層(c)−金属反射性層(b)−担体フィルム層(a)−金属反射性層(b)−黒色の感圧接着層(c’)を有することを特徴とする製品構造を特徴とする前請求項の少なくとも1項記載の感圧接着テープ。
【請求項8】
下記の層の順:透明な感圧接着層(c)−(特に透明な)担体フィルム層(a)−金属反射性層(b)−黒色の感圧接着層(c’)を有することを特徴とする製品構造を特徴とする前請求項の少なくとも1項記載の感圧接着テープ。
【請求項9】
下記の層の順:透明な感圧接着層(c)−金属反射性層(b)−担体フィルム層(a)−金属反射性層(b)−黒色塗料層(d)−黒色の感圧接着層(c’)を有することを特徴とする製品構造を特徴とする前請求項の少なくとも1項記載の感圧接着テープ。
【請求項10】
下記の層の順:透明な感圧接着層(c)−金属反射性層(b)−担体フィルム層(a)−黒色塗料層(d)−黒色の感圧接着層(c’)を有することを特徴とする製品構造を特徴とする前請求項の少なくとも1項記載の感圧接着テープ。
【請求項11】
前請求項のいずれか1項記載の感圧接着テープの使用であって、光学液晶ディスプレーを製造または接着結合させるための使用。
【請求項12】
LCDガラスを接着結合させるための請求項11記載の使用。
【請求項13】
請求項1から10の少なくとも1項記載の感圧接着テープを含んで成る液晶ディスプレ
ーデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−521993(P2008−521993A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543855(P2007−543855)
【出願日】平成17年12月2日(2005.12.2)
【国際出願番号】PCT/EP2005/056401
【国際公開番号】WO2006/058915
【国際公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(501237327)テサ・アクチエンゲゼルシヤフト (62)
【Fターム(参考)】