説明

LED点灯装置

【課題】
コスト、部品点数を少なくでき、そのため、回路を構成するための必要体積、信頼性、回路寿命を改善できることができ、電力伝達効率を大幅に改善できるLED点灯装置を提供する。
【解決手段】
直列回路部21は、スイッチング素子Qがオン時に電流Iと、スイッチング素子Qがオフ時に負荷電流Iとをそれぞれ検出電流として、該検出電流を電圧に変換して検出する検出抵抗RSHが接続されている。全波整流器10の直流出力端間には全波整流器10の出力電圧に基づいた分圧電圧を出力する抵抗R2が接続されている。制御部22は抵抗R2からの出力電圧と、検出抵抗RSHが検出した電圧との誤差を縮小して出力電圧に近づくようにフィードバック制御すべくスイッチング素子Qをオンオフする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED点灯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、LED点灯装置として、力率改善回路を備えたものが知られている。従来の力率改善回路は、定電圧出力であるため、出力に大型コンデンサを必要とするとともに、かつ制御系に乗算回路を必要としている。
【0003】
又、特許文献1が公知である。特許文献1は、交流を整流化する整流化直流電源に対してインダクタ、スイッチング素子、及び電流検出抵抗の直列回路が接続されるとともに、前記スイッチング素子及び電流検出抵抗の直列回路に対してLED(発光ダイオード)及びインダクタ電流検出抵抗の直列回路が並列に接続されている。そして、前記インダクタ、スイッチング素子、及び前記スイッチング素子をオンオフする制御回路により昇圧チョッパ(力率改善回路)が構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−313423号公報、図1、図4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1において、LEDに流れる負荷電流を検出する構成としては、発光ダイオード電流検出器、誤差増幅器及び前記誤差増幅器の一方の制御入力端及び出力端側間に接続されたコンデンサからなる積分回路を備えている。そして、特許文献1では、発光ダイオードに流れる負荷電流を検出して、前記誤差増幅器で基準電位源と比較し、前記積分回路で低周波交流の周期より速い応答を抑制すべく、前記スイッチング素子の制御回路に帰還させて、該制御回路により、スイッチング素子をオンオフすることにより、低周波交流の周期より長い時間領域で見た場合に、前記負荷電流を平均化させるようにしている。
【0006】
特許文献1が上記のように構成している理由は、前提として特許文献1の力率改善回路(PFC)が、定電力出力を想定した構成であり、短時間で出力をフィードバックできない構成のためである。すなわち、特許文献1の定電力出力を想定した構成は、入力電圧が高いほど入力電流を必要としなくなる構成のため、対策がなければ入力電圧と入力電流が比例する関係とはならず、力率は悪化する。この対策としては、入力電流を全波整流した上で、その波形全体を大きくしたり、或いは小さくしたりする方法しかない。このため、特許文献1では、長時間に渡り変化の少ない制御偏差を目標値(全波整流波形)に乗算できる制御系(制御回路)が必須となっており、短時間で出力をフィードバック(帰還)させない理由となっている。このため、特許文献1では、制御系の回路の簡素化、コスト低減を図ることができない問題がある。
【0007】
本願発明の目的は、定電流出力でも定電圧出力でもない出力を、LEDに印加する構成としている力率改善回路を設けて、出力の大型コンデンサを不要とするとともに制御系の乗算回路を不要とすることにより、コスト、部品点数を少なくでき、そのため、回路を構成するための必要体積、信頼性、回路寿命を改善できることができ、さらに、電力伝達効率を大幅に改善できるLED点灯装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を解決するために、請求項1の発明は、交流を整流化する整流化直流電源と、前記整流化直流電源の直流出力端間に接続されたインダクタとスイッチング手段の直列回路部、及び前記スイッチング手段のオンオフを行う制御部を含み、直流出力端に平滑コンデンサを備えていない力率改善回路と、前記力率改善回路に接続されるとともに前記力率改善回路からの直流出力により駆動される単数の発光ダイオード又は発光ダイオード列(以下、発光ダイオード部という)を備えたLED点灯装置であって、前記直列回路部には、前記スイッチング手段がオン時に前記直列回路部に流れる直流電流と、前記スイッチング手段がオフ時に前記発光ダイオード部に流れる負荷電流に関係した負荷関連電流とをそれぞれ検出電流として、該検出電流を電圧に変換して検出する検出抵抗が接続され、前記整流化直流電源の直流出力端間には前記整流化直流電源の出力電圧に基づいた目標値としての分圧電圧を出力する目標値出力回路が接続され、前記制御部は、前記目標値出力回路からの目標値と、前記検出抵抗が検出した電圧との誤差を縮小して前記目標値に近づくようにフィードバック制御すべく前記スイッチング手段をオンオフすることを特徴とするLED点灯装置を要旨としている。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1において、前記発光ダイオード部は、前記力率改善回路の出力端に対して、絶縁トランスを介して接続されていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2において、前記絶縁トランスの二次巻線に対して、全波整流手段を介して前記発光ダイオード部が接続され、前記スイッチング手段は、前記インダクタに接続された第1スイッチング素子と、前記インダクタに対して前記絶縁トランスの一次巻線を介して接続されるとともに前記第1スイッチング素子に対して並列接続された第2スイッチング素子とを含み、前記制御部は、前記第1及び第2スイッチング素子を交互にオンオフさせて、第1スイッチング素子がオン、第2スイッチング素子がオフの第4期間は、前記インダクタを充電駆動させ、第1スイッチング素子がオフ、第2スイッチング素子がオンであって、第4期間よりも短くした第5期間では、前記絶縁トランスをフォワード動作させることにより、前記発光ダイオード部を発光させることを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項2において、前記絶縁トランスの一次巻線は、前記インダクタに対して接続された接続点を介して互いに接続された第1の一次巻線と第2の一次巻線を含み、前記発光ダイオード部は、前記絶縁トランスの二次巻線に対して、接続向きを互いに反対にして接続された複数の発光ダイオード列が並列接続された回路を含み、前記スイッチング手段は、第1スイッチング素子と、第2スイッチング素子を含み、前記直列回路部は、前記第1の一次巻線及び前記第1スイッチング素子の第1直列回路と、前記第2の一次巻線及び前記第2スイッチング素子の第2直列回路とが並列接続された並列回路を含み、前記インダクタ、前記並列回路及び前記検出抵抗が直列接続されたものであり、前記制御部は、前記第1及び第2スイッチング素子を同時にオンさせて前記インダクタを充電する第1期間、第2スイッチング素子をオフさせるとともに第1スイッチング素子をオンさせる第2期間、前記第1及び第2スイッチング素子を同時にオンさせて前記インダクタを充電する第1期間、第2スイッチング素子をオンさせるとともに第1スイッチング素子をオフさせる第3期間を順次繰り返し、第2及び第3期間で前記絶縁トランスをフォワード動作させることにより、前記複数の発光ダイオード列が並列接続された回路を交互に発光させることを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1において、前記発光ダイオード部の入力端は、前記インダクタ(以下、第1インダクタという)と前記スイッチング手段間の第1接続点に対して接続され、前記発光ダイオード部の出力端は、第2インダクタを介して前記第1接続点に対して接続されるとともに、コンデンサを介して前記直列回路部と前記検出抵抗間の第2接続点に対して接続されていることを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1において、前記発光ダイオード部の入力端は、前記インダクタ(以下、第1インダクタという)と前記スイッチング手段間の第1接続点に対して接続されるとともに、コンデンサを介して前記直列回路部と前記検出抵抗間の第2接続点に対して接続され、前記発光ダイオード部の出力端は、第2インダクタを介して前記第1接続点に対して接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、定電流出力でも定電圧出力でもない出力を、LEDに印加する構成としている力率改善回路を設けて、出力の大型コンデンサを不要とするとともに制御系の乗算回路を不要とすることにより、コスト、部品点数を少なくでき、そのため、回路を構成するための必要体積、信頼性、回路寿命を改善できることができ、さらに、電力伝達効率を大幅に改善できる。
【0014】
請求項2の発明によれば、降圧型の絶縁トランスにより、二次側の感電が防止できるとともに、二次側を一次側よりも小さく電圧変換できるため、絶縁トランスの二次側に接続される発光ダイオード部の発光ダイオード列を構成するLED直列数を抑制することができる。
【0015】
請求項3の発明によれば、降圧型の絶縁トランスにより、二次側の感電が防止できるとともに、LED電流のフィートバックを省略できるため、単に部品点数削減による小型化・低コスト化を実現するのみならず、長寿命化を確保できる。
【0016】
請求項4の発明によれば、降圧型の絶縁トランスにより、絶縁トランスの二次側からのLED電流のフィートバックを省略できるため、単に部品点数削減による小型化・低コスト化を実現するのみならず、長寿命化を確保できる。
【0017】
請求項5の発明によれば、非絶縁、かつ高力率で、電圧変換回路1段の構成を備え、電源電流の連続する(スイッチング素子のライズタイムやフォールタイム程度の時間内に生じる無視できない程度の増減を伴わないことをさす)LED点灯装置においては、通常、発光ダイオード(LED)の直列数を電源電圧よりも高くする必要があるが、それを小さく抑えることが可能となる。
【0018】
請求項6の発明によれば、請求項5と同様の効果に加えて、電源電流のみならず、LEDに流れる負荷電流さえも連続状態(スイッチング素子のライズタイムやフォールタイム程度の時間内に生じる無視できない程度の増減を伴わないことをさす)を維持する為、負荷を長く引き回しても、放射ノイズを低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】(a)は第1実施形態のLED点灯装置の電気回路図、(b)は電流の流れを示す説明図、(c)は電流の波形図。
【図2】(a)は第2実施形態のLED点灯装置の電気回路図、(b)は電流の流れを示す説明図、(c)は電流の波形図。
【図3】(a)は第3実施形態のLED点灯装置の電気回路図、(b)は電流の流れを示す説明図、(c)及び(d)は電流の波形図。
【図4】(a)は第4実施形態のLED点灯装置の電気回路図、(b)〜(d)は電流の流れを示す説明図。
【図5】(a)は三角波発振器、誤差増幅器の各出力のタイムチャート、(b)は比較器の出力のタイムチャート、(c)、(d)はトグルフリップフロップ回路の出力のタイムチャート、(e)、(f)は第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子の出力のタイムチャート。
【図6】(a)は第5実施形態のLED点灯装置の電気回路図、(b)は電流の流れを示す説明図、(c)は電流の波形図。
【図7】(a)〜(d)は電流I〜Iの波形図、(e)は励磁電流の波形図。
【図8】変形例の電気回路図。
【図9】(a)は電流目標値と制御対象電流の波形、(b)〜(e)はピーク検出比較器CP1、ロ電流検出用比較器CP2、RSFF及びスイッチング素子Qの出力波形図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化したLED点灯装置の第1実施形態を図1(a)〜(c)を参照して説明する。図1(a)に示すように、LED点灯装置は、ダイオードブリッジからなる整流化直流電源としての全波整流器10と、力率改善回路20と、発光ダイオード部30とを備えている。力率改善回路20は、全波整流器10の直流出力端間に接続されたインダクタLとスイッチング手段としてのスイッチング素子Qの直列回路部21、及びスイッチング素子Qのオンオフを行う制御部22を備えている。スイッチング素子Qは本実施形態では、MOSFETにより構成されているが、バイポーラトランジスタに代えても良い。直列回路部21の出力端には、スイッチング素子Qがオン時に流れる直流電流と、スイッチング素子Qがオフ時に発光ダイオード部30に流れる負荷電流(負荷関連電流)とをそれぞれ検出電流として、該検出電流を電圧に変換して検出する検出抵抗RSH(検出抵抗)が接続されている。なお、全波整流器10の直流出力端間は、LED点灯装置内部の制御電源にも接続されている。
【0021】
本実施形態では、発光ダイオード部30は、複数の発光ダイオード(LED)の直列回路からなる。そして、インダクタL側のLEDのアノードがインダクタLに接続され、検出抵抗RSH側のLEDのカソードがスイッチング素子Qと検出抵抗RSHの接続点に接続されている。なお、発光ダイオード部30は、前記構成に限定されるものではなく、発光ダイオードの直列回路を複数並列接続した回路により構成しても良い。図1(a)に示すように、発光ダイオード部30は、昇圧用のインダクタLとスイッチング素子Qとの接続点と、スイッチング素子Qと、検出抵抗RSHとの接続点間に接続されている。本実施形態では、インダクタLにより昇圧されるため、必然的に、発光ダイオード部30を構成するLEDの数は多く接続される。
【0022】
全波整流器10の直流出力端間には、抵抗R1、R2の直列回路が接続されている。抵抗R2の分圧電圧が、全波整流器10の出力電圧に基づいた目標値としての分圧電圧を出力する。抵抗R2は、目標値出力回路に相当する。
【0023】
制御部22は、誤差増幅器EAと、三角波発振器OSCと、比較器CPとを備え、スイッチング素子Qを制御する。誤差増幅器EAの非反転入力端子には、抵抗R2の分圧電圧が、電流目標値として入力される。誤差増幅器EAの反転入力端子には、検出抵抗RSHの電圧が入力される。検出抵抗RSHの電圧は、制御対象電流(すなわち、検出電流)が電圧に変換されたものである。誤差増幅器EAは、全波整流器10の出力電圧に応じた抵抗R2の分圧電圧と、検出抵抗RSHの電圧とを比較し、その誤差を増幅した出力信号S1を比較器CPに出力する。比較器CPは、誤差増幅器EAの出力信号S1よりも三角波発振器OSCの三角波信号S2が低くなる場合に出力信号をハイレベルとし、出力信号S1よりも三角波信号S2が高くなる場合に出力信号をローレベルとする。
【0024】
従って、誤差増幅器EAの出力信号S1の電圧が上昇すると比較器CPの出力パルス幅(出力信号がハイレベルとなるパルス幅)が長くなる。このため、比較器CPの出力パルス幅が長くなると、スイッチング素子Qの導通時間が長くなり、逆に比較器CPの出力パルス幅が短くなると、スイッチング素子Qの導通時間が短くなる。このようにして、スイッチング素子Qは、誤差増幅器EAの出力信号S1の電圧が上昇するに従いオン時間が長くなるようにデューティ制御される。すなわち、力率改善回路20は、定電流出力でも定電圧出力でもなく、全波整流器10の出力電圧に応じて、電流が制御されて力率を改善するとともに、発光ダイオード部30に出力電圧を印加する。そして、LED点灯装置は、力率改善回路20の直流出力端には平滑コンデンサを備えていないところが特徴となっている。
【0025】
上記LED点灯装置では、スイッチング素子Qがオンすると、図1(b)に示すように、電流Iは、スイッチング素子Qを流れ、電流Iとして検出される。又、スイッチング素子Qがオフすると、発光ダイオード部30を流れる負荷電流を示すIの方向に流れる。Iは負荷電流(すなわち、負荷関連電流)であって、電流Iは電流Iとして検出される。負荷電流Iが流れることにより、発光ダイオード部30が点灯する。
【0026】
検出抵抗RSHにより電流I(検出電流)を電圧波形として検出され、全波整流器10の出力電圧Vの分圧波形と一致するように、誤差増幅器EA,比較器CP,三角波発振器OSCにより自動制御される。その結果、Iの電流波形は入力電圧の整流後電圧(すなわち、全波整流器10の出力電圧)と相似となり、概略、図1(c)に示す通りとなり、力率が改善される。
【0027】
「相似」とは、LEDに流れる負荷関連電流が、整流化直流電源の電圧の大きさに比例する大きさとなる関係をいう。
又、本実施形態の図1(c)、他の実施形態の図2(c)、図3(c)、(d)では、説明の便宜上、デューティ比50%でスイッチング素子Qを、商用周波数の半サイクル当たり、オンオフを7回繰り返したときの状態を示しているが、前記半サイクル当たりのオンオフ回数は、限定されるものではない。
【0028】
本実施形態では、下記の特徴を有する。
(1)LED点灯装置の直列回路部21は、スイッチング素子Q(スイッチング手段)がオン時に直列回路部21に流れる電流I(直流電流)と、スイッチング素子Qがオフ時に発光ダイオード部30に流れる負荷電流I(負荷関連電流)とをそれぞれ検出電流として、該検出電流を電圧に変換して検出する検出抵抗RSHが接続されている。全波整流器10(整流化直流電源)の直流出力端間には全波整流器10の出力電圧に基づいた分圧電圧を出力する抵抗R2(目標値出力回路)が接続されている。制御部22は、抵抗R2(目標値出力回路)からの出力電圧(目標値)と、検出抵抗RSHが検出した電圧との誤差を縮小して出力電圧(目標値)に近づくようにフィードバック制御すべくスイッチング素子Q(スイッチング手段)をオンオフする。この結果、本実施形態のLED点灯装置は、定電流出力でも定電圧出力でもない出力を、LEDに印加する構成としている力率改善回路20を設けて、出力の大型コンデンサを不要とするとともに制御系の乗算回路を不要とすることにより、コスト、部品点数を少なくでき、そのため、回路を構成するための必要体積、信頼性、回路寿命を改善できることができ、さらに、電力伝達効率を大幅に改善できる。
【0029】
(第2実施形態:請求項5)
次に、第2実施形態のLED点灯装置を説明する。なお、本実施形態を含め、以下に説明する実施形態では、すでに説明した実施形態の構成と同一構成又は相当する構成については、断りがない場合を除いて同一符号を付し、すでに説明した実施形態と異なる構成を中心に説明する。本実施形態では、第1実施形態で説明した昇圧用のインダクタLの符号としてLを使用する。
【0030】
LED点灯装置のインダクタLとスイッチング素子Q間にはダイオードD1が接続されている。ダイオードD1のアノードはインダクタLに接続されるとともにカソードは第1接続点P1を介してLED列に接続されている。インダクタL、ダイオードD1、スイッチング素子Qにより、直列回路部21が構成されている。なお、ダイオードD1は、後述する電流Iが流れる際に、電流IがインダクタLへ流れるのを防止するためのものであるが、省略してもよい。インダクタLは、第1インダクタに相当する。
【0031】
発光ダイオード部30(LED列)の入力端は、直列回路部21において、ダイオードD1とスイッチング素子Q間の第1接続点P1に対して接続されている。発光ダイオード部30の出力端は、第2インダクタとしてのインダクタL、ダイオードD2を介して第1接続点P1に対して接続されるとともに、コンデンサCを介して直列回路部21と検出抵抗RSH間の第2接続点P2に対して接続されている。ダイオードD2のアノードはインダクタLに接続され、カソードは第1接続点P1に接続されている。ダイオードD2は、スイッチング素子Qのオン時に、コンデンサCの放電電流をスイッチング素子Qへ流すと共に、インダクタLからインダクタLへ電流を流さないようにするためのものである。なお、ダイオードD2は、省略してもよい。
【0032】
本実施形態では、スイッチング素子Qがオンすれば、図2(b)に示すように、電流IとIが流れる。電流Iは、直列回路部21、検出抵抗RSHを流れる電流である。このとき、インダクタLが充電されるとともに、コンデンサCが放電し、かつインダクタLが充電される。Iは、コンデンサCからインダクタL、ダイオードD2、スイッチング素子Qを介して流れる放電電流である。又、スイッチング素子Qがオフすれば、電流IとIが負荷電流として流れる。すなわち、負荷電流I,IによりLED列が点灯する。スイッチング素子Qのオフ毎にインダクタLが放電されてコンデンサCが充電され、検出抵抗RSHを介して電流Iが流れる。又、スイッチング素子Qのオフ毎にインダクタLが放電されて、LEDを電流Iが流れ、コンデンサCが充電される。
【0033】
制御部22は、検出抵抗RSHにより電流(I+I)を電圧波形として検出し、全波整流器10の出力電圧Vの分圧波形と一致するように、誤差増幅器EA,比較器CP,三角波発振器OSCにより自動制御する。ここで、Iは負荷電流と関連する負荷関連電流である。その結果、電流波形は、概略、図2(c)に示すようになり、力率が改善されているのが分かる。コンデンサCへの充放電は(電流I×スイッチング素子Qのオフ時間)=(電流I×スイッチング素子Qのオン時間)が自動的に調整され、I+Iの電流波形は入力電圧の整流後電圧(すなわち、全波整流器10の出力電圧)と相似となり、力率が改善される。なお、コンデンサCは、整流電圧V程度に充電されるが、高周波駆動されるため、平滑コンデンサのような大容量を必要としない。
【0034】
本実施形態では、下記の特徴を有する。
(2)LED点灯装置では、発光ダイオード部30の入力端は、インダクタL(第1インダクタ)とスイッチング素子Q間の第1接続点P1に対して接続されている。発光ダイオード部30の出力端は、インダクタLを介して第1接続点P1に対して接続されるとともに、コンデンサCを介して直列回路部21と検出抵抗RSH間の第2接続点P2に対して接続されている。このため、非絶縁、かつ高力率で、電圧変換回路(すなわち、力率改善回路)1段の構成を備え、電源電流の連続する(スイッチング素子のライズタイムやフォールタイム程度の時間内に生じる無視できない程度の増減を伴わないことをさす)LED点灯装置においては、通常、発光ダイオード(LED)の直列数を電源電圧よりも高くする必要があるが、それを小さく抑えることが可能となる。
【0035】
(第3実施形態:請求項6)
第3実施形態のLED点灯装置では、第2実施形態と異なる構成を中心に説明する。第3実施形態では、図3(a)に示すように、第1接続点P1にはダイオードD3のアノードが接続され、ダイオードD3のカソードに発光ダイオード部30の入力端が接続されている。すなわち、発光ダイオード部30の入力端は、インダクタLに対して、第1接続点P1に対して接続されている。又、発光ダイオード部30の入力端は、コンデンサCを介して第2接続点P2に対して接続されている。又、発光ダイオード部30の出力端は、インダクタL(第2インダクタ)を介して第1接続点P1に対して接続されているところが、第2実施形態と異なっている。
【0036】
LED点灯装置では、スイッチング素子Qがオンすると、図3(b)に示すように電流IとIが流れる。電流Iは、直列回路部21、検出抵抗RSHを流れる電流である。電流Iは、コンデンサCから発光ダイオード部30、インダクタL、スイッチング素子Qを介して流れる放電電流である。すなわち、この場合、スイッチング素子Qがオンした場合、コンデンサCが放電されるとともにインダクタLが充電され、かつ、インダクタLが充電される。従って、発光ダイオード部30は、放電電流Iにより点灯する。又、スイッチング素子Qが、オフすると電流IとIが流れる。電流Iは、インダクタL、ダイオードD1,D3、コンデンサC、検出抵抗RSHを流れる電流である。電流Iは、インダクタL、ダイオードD3、発光ダイオード部30を流れる電流である。この場合、スイッチング素子Qのオフ毎に、インダクタLが放電されるとともに、コンデンサCが充電され、検出抵抗RSHを介して電流Iが流れる。又、スイッチング素子Qのオフ毎に、インダクタLが放電されて、LEDを電流Iが流れる。この結果、電流Iにより、発光ダイオード部30が点灯する。
【0037】
制御部22は、検出抵抗RSHにより電流(I+I)を電圧波形として検出し、全波整流器10の出力電圧Vの分圧波形と一致するように、誤差増幅器EA,比較器CP,三角波発振器OSCにより自動制御する。ここで、Iは負荷電流と関連する負荷関連電流である。コンデンサCへの充放電は(電流I×スイッチング素子Qのオフ時間)=(電流I×スイッチング素子Qのオン時間)が自動的に調整され、入力電圧の整流後電圧と相似となる。その結果、電流波形は、概略、図3(c)に示すようになり、力率が改善されているのが分かる。なお、コンデンサCは、整流電圧V程度に充電されるが、高周波駆動されるため、平滑コンデンサのような大容量を必要としない。このように、第3実施形態では、LEDの接続場所が異なるため、電流I+Iではなく、電流I+Iで駆動されるところが第2実施形態と異なっている。そして、第3実施形態は、第2実施形態に対し、負荷電流までも連続動作するように改良した回路となる。
【0038】
本実施形態では、下記の特徴がある。
(3) LED点灯装置の発光ダイオード部30の入力端は、インダクタLとスイッチング素子Q間の第1接続点P1に対して接続されるとともに、コンデンサCを介して直列回路部21と検出抵抗RSH間の第2接続点P2に対して接続されている。発光ダイオード部30の出力端は、インダクタLを介して第1接続点P1に対して接続されている。この結果、第2実施形態と同様の効果を奏する。さらに、電源電流のみならず、LEDに流れる負荷電流さえも連続状態(スイッチング素子のライズタイムやフォールタイム程度の時間内に生じる無視できない程度の増減を伴わないことをさす)を維持する為、負荷を長く引き回しても、放射ノイズを低く抑えることができる。
【0039】
(第4実施形態:請求項2,3)
第4実施形態のLED点灯装置では、図4(a)に示すように発光ダイオード部30は、力率改善回路20の出力端に対して、降圧型の絶縁トランス40を介して接続されている。絶縁トランス40の一次巻線は、接続点Pを介して接続された第1の一次巻線40aと第2の一次巻線40bを有する。接続点Pは、インダクタLに接続されている。発光ダイオード部30は、絶縁トランスの二次巻線40cに対して、接続向きを互いに反対にして接続された複数の発光ダイオード列が並列接続された回路から構成されている。図4(a)〜(c)では、説明の便宜上、2つのLEDが互いに並列接続された回路で図示しているが、各LEDのシンボルはLED列として表すために、代表的に図示しているものと理解されたい。なお、第1の一次巻線40a,第2の一次巻線40b、二次巻線40cの巻き比を、n:n:1とするとき、(入力電圧ピーク電圧)<(発光ダイオード部30の順電圧のn倍)が成立するように設定されている。
【0040】
第1の一次巻線40a及び第1スイッチング素子Q1の第1直列回路21Aと、第2の一次巻線40b及び第2スイッチング素子Q2の第2直列回路21Bとが並列接続されて並列回路が構成されている。そして、インダクタLと、該並列回路と検出抵抗RSHが直列接続されることにより、直列回路部21が構成されている。
【0041】
スイッチング手段は、第1スイッチング素子Q1と、第2スイッチング素子Q2により構成されている。又、比較器CPの出力端が、第1オア回路OR1、第2オア回路OR2の各一方の入力端子に接続されるとともに、トグルフリップフロップ回路TFFの入力端子に接続されている。トグルフリップフロップ回路TFFの「Q」出力端子と、「Qバー」出力端子は、それぞれ第1オア回路OR1、第2オア回路OR2の各他方の入力端子に接続されている。
【0042】
制御部22は、誤差増幅器EA、三角波発振器OSC、比較器CP、トグルフリップフロップ回路TFF、第1オア回路OR1、及び第2オア回路OR2により構成されている。上記構成により、図5に示すように制御部22は、第1スイッチング素子Q1及び第2スイッチング素子Q2を同時にオンさせてインダクタLを充電する第1期間T1、続く第2スイッチング素子Q2をオフさせるとともに第1スイッチング素子Q1をオンさせる第2期間T2が得られる。又、第1スイッチング素子Q1及び第2スイッチング素子Q2を同時にオンさせてインダクタLを充電する第1期間T1、続く第2スイッチング素子Q2をオンさせるとともに第1スイッチング素子をオフさせる第3期間T3を得る。制御部22は、このように、「T1,T2」と「T1,T3」が順次繰り返される。
【0043】
上記LED点灯装置では、第1スイッチング素子Q1と第2スイッチング素子Q2が同時にオンする第1期間T1では、インダクタLが充電される。絶縁トランス40の2次側は0Vとなり発光ダイオード部30は消灯状態である(図4(b)参照)。なお図4(b)〜(d)中、実線及び点線で示した矢印は電流の流れを示す。
【0044】
次に、第2スイッチング素子Q2がオフ、第1スイッチング素子Q1がオンの第2期間T2では、充電されたインダクタLの電流が絶縁トランス40をフォワード動作させ、発光ダイオード部30を点灯させる(図4(c)参照2)。第2期間T2において、第1スイッチング素子Q1を通過して検出抵抗RSHで検出される電流(検出電流)は負荷関連電流に相当する。そして、再度、第1期間に戻り、インダクタLが充電され、次の第3期間T3では、第1スイッチング素子Q1がオフ、第2スイッチング素子Q2がオンすることにより、充電されたインダクタLの電流が絶縁トランス40をフォワード動作させ、発光ダイオード部30を点灯させる(図4(d)参照)。第3期間T3において、第2スイッチング素子Q2を通過して検出抵抗RSHで検出される電流(検出電流)は負荷関連電流に相当する。以後、以上の繰り返しが行われる。このように第2期間T2及び第3期間T3で絶縁トランス40がフォワード動作することにより、複数の発光ダイオード列が並列接続された回路を交互に発光させることができる。
【0045】
(負荷の分類)
負荷には、抵抗性負荷、定電流請求項1負荷、及び定電圧性負荷がある。負荷の動作点(電流,電圧)=(I,V)において、印加電圧(または印加電流)を僅かにdV(またはdI)だけ変動させたとき、dV/dI=V/Iとなるように変化する負荷を抵抗性負荷といい、dV/dI>V/Iとなる負荷を定電流性負荷といい、dV/dI<V/I となる負荷を定電圧性負荷という。ここで、前記左右両項の差が大きくなるほど、「定電流性が強い」または「定電圧性が強い」という。発光ダイオード部30のLED負荷は極めて定電圧性が強い負荷となる。抵抗性負荷は、出力電圧が例えば10%狂えば、消費電力は21%狂うことになる。定電圧性負荷であるLEDは、その定電圧性の強さに応じて消費電力の狂いは21%を越えて、どこまでも増加するが、一方、出力電流が例えば10%狂った場合は、定電圧性が強いほど消費電力の狂いは10%に漸近する利点がある。
【0046】
なお、通常の絶縁トランスは、二次側の情報をフィードバックせずとも、一次側情報のみである程度の精度を維持できる。通常の絶縁トランスは、内部のスイッチング素子のデューティに比例する電圧を出力する、言わば「出力電圧制御形」となっており、出力電流を直接一定値に制御することはできず、二次側にLED負荷を接続した場合、電力変動の大きな駆動源となる。このため、一般的には、通常この変動を抑える為に、二次側のLED電流を検出してフィードバックすることにより、出力電圧を高精度に制御する形式が取られている。このフィードバックには一般的にはフォトカプラが用いられる。
【0047】
本実施形態では、それに対して、同じ絶縁トランスでも、内部のスイッチング素子のデューティに比例する電流を出力する、言わば「出力電流制御形」を採用するため、出力電流を直接一定値に制御できる。このため、LED負荷にとっては電力変動の小さな駆動源となり、二次側の情報(即ちLED電流)をフィードバックする必要が無くなる。前記フォトカプラはLED素子を内蔵しており、光量が徐々に減少する欠点を有するため、出力電力の変動要因となる。本実施形態では、二次側からのフィードバックを省略できるため、単に部品点数削減による小型化・低コスト化を実現するのみならず、長寿命化を確保するための重要な要件となる。又、降圧型の絶縁トランスにより二次側の感電が防止できる。
【0048】
(第5実施形態:請求項2,4)
第5実施形態のLED点灯装置を第4実施形態と異なる構成を中心に説明する。図6(a)に示すように、降圧型の絶縁トランス40は一次巻線40aと二次巻線40cとを備えている。二次巻線40cには、全波整流手段としてのダイオードブリッジからなる全波整流器50を介して発光ダイオード部30が接続されている。なお、図6(a)〜(c)では、説明の便宜上、1つのLEDのみ図示されているが、複数の発光ダイオードが直列接続された発光ダイオード列を代表的に図示しているものと理解されたい。
【0049】
スイッチング手段は、インダクタLに接続された第1スイッチング素子Q1と、インダクタLに対して絶縁トランス40の一次巻線40aを介して接続されるとともに第1スイッチング素子Q1に対して並列接続された第2スイッチング素子Q2により構成されている。第1スイッチング素子Q1のゲートは比較器CPの出力端に接続されている。又、第2スイッチング素子Q2のゲートは、比較器CPの出力端に対してノット回路25を介して接続されている。制御部22は、誤差増幅器EA、比較器CP、三角波発振器OSC、ノット回路25により構成されている。
【0050】
誤差増幅器EAは、第1スイッチング素子Q1のゲートに印加するゲート信号のON(=Hi)デューティサイクルが50%以上となるよう、その出力は一定値以上に上がらないように、出力電圧が制限されている。この結果、本実施形態では、後述する第4期間が第5期間よりも長くなるようにされている。
【0051】
上記構成により、図7に示すように制御部22は、第1スイッチング素子Q1をオンし、同時に第2スイッチング素子Q2をオフさせる期間I、及び期間IIと、第1スイッチング素子Q1をオフし、同時に第2スイッチング素子Q2をオンさせる期間IIIが得られる。前記期間I,期間IIは第4期間に相当し、期間IIIは第5期間に相当する。期間I,期間IIの間中、インダクタLは充電され続けて、電流I1が、図6(b)に示すように、インダクタL、第1スイッチング素子Q1、検出抵抗RSHを流れる。又、このうち期間Iの間だけ絶縁トランス40のフライバック動作により、電流Iで示す流れで、その励磁電流を、二次巻線40c、全波整流器50を介してLED側へ放出することで磁束のゼロリセットを完了する。
【0052】
又、期間IIIの間中は、図6(c)に示すように一次巻線40a、第2スイッチング素子Q2を通過する電流Iで示すように流れることにより、インダクタLの励磁電流は、フォワード動作する絶縁トランス40と、LEDとを通して放電する。電流Iはこのときに二次巻線40c、全波整流器50、LEDに流れる電流である。ここで、電流Iは、電流Iよりも小さくなるが、この差分は、絶縁トランス40の励磁電流である。この期間中に絶縁トランス40の励磁インダクタは充電されることになる。この結果、LEDは電流I,Iにより発光する。期間I及び期間IIIのときに、検出抵抗RSHで検出される検出電流は、負荷関連電流に相当する。
【0053】
なお、期間Iと期間IIIは同じ値になるため、絶縁トランス40の励磁インダクタのゼロリセットを完了させるためには、必ず、「第1スイッチング素子Q1がオン、Q2がオフの期間」を「第2スイッチング素子Q2がオン、第1スイッチング素子Q1がオフの期間」よりも長くする必要がある。このため、前述したように第1スイッチング素子Q1のゲート信号のONデューティサイクルを50%以上としている。上記の構成により、第4実施形態と同様に絶縁トランス40の二次側のLED電流のフィートバックを省略できるため、単に部品点数削減による小型化・低コスト化を実現するのみならず、長寿命化を確保できる。又、又、降圧型の絶縁トランスにより二次側の感電が防止できる。
【0054】
なお、本発明の実施形態は前記実施形態に限定されるものではなく、下記のように変更しても良い。
・ 第1〜3実施形態の制御部22の代わりに、図8の制御部22に変更してもよい。図8の制御部22は、ピーク検出比較器CP1、ゼロ電流検出用比較器CP2、及びRSFF(RS−フリップフロップ)からなる。ピーク検出比較器CP1の反転入力端子には、抵抗R2(目標値出力回路)からの分圧電圧が入力される。この分圧電圧は電流目標値となるものである。ピーク検出比較器CP1の非反転入力端子と、ゼロ電流検出用比較器CP2の反転入力端子には、スイッチング素子Qと検出抵抗RSHとの接続点が接続されている。ゼロ電流検出用比較器CP2の非反転入力端子には、基準電圧電源Vrefが接続されている。ピーク検出比較器CP1とゼロ電流検出用比較器CP2の出力端子は、それぞれRSFFのリセット入力端子R及びセット端子Sに接続されている。RSFFのQ端子は、スイッチング素子Qのゲートに接続されている。このように構成すると、図9(b)〜(e)に示すように、ピーク検出比較器CP1,ゼロ電流検出用比較器CP2、及びRSFFが動作し、スイッチング素子Qがオンオフ動作する。この結果、力率改善回路20は、第1実施形態〜第3実施形態の力率改善回路20の動作モードが連続モードで動作したのが、図9(a)に示すように臨海モードで動作させることができる。
【0055】
・ 前記各実施形態において、発光ダイオード部30をダイオード列で構成する代わりに、単一の発光ダイオードに変更してもよい。
【符号の説明】
【0056】
10…全波整流器(整流化直流電源)、20…力率改善回路、
22…制御部、30…発光ダイオード部、L…インダクタ、
21…直列回路部、Q…スイッチング素子(スイッチング手段)、
R2…抵抗(目標値出力回路)、RSH…検出抵抗。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流を整流化する整流化直流電源と、前記整流化直流電源の直流出力端間に接続されたインダクタとスイッチング手段の直列回路部、及び前記スイッチング手段のオンオフを行う制御部を含み、直流出力端に平滑コンデンサを備えていない力率改善回路と、前記力率改善回路に接続されるとともに前記力率改善回路からの直流出力により駆動される単数の発光ダイオード又は発光ダイオード列(以下、発光ダイオード部という)を備えたLED点灯装置であって、
前記直列回路部には、前記スイッチング手段がオン時に前記直列回路部に流れる直流電流と、前記スイッチング手段がオフ時に前記発光ダイオード部に流れる負荷電流に関係した負荷関連電流とをそれぞれ検出電流として、該検出電流を電圧に変換して検出する検出抵抗が接続され、
前記整流化直流電源の直流出力端間には前記整流化直流電源の出力電圧に基づいた目標値としての分圧電圧を出力する目標値出力回路が接続され、
前記制御部は、前記目標値出力回路からの目標値と、前記検出抵抗が検出した電圧との誤差を縮小して前記目標値に近づくようにフィードバック制御すべく前記スイッチング手段をオンオフすることを特徴とするLED点灯装置。
【請求項2】
前記発光ダイオード部は、前記力率改善回路の出力端に対して、降圧型の絶縁トランスを介して接続されていることを特徴とする請求項1に記載のLED点灯装置。
【請求項3】
前記絶縁トランスの二次巻線に対して、全波整流手段を介して前記発光ダイオード部が接続され、前記スイッチング手段は、前記インダクタに接続された第1スイッチング素子と、前記インダクタに対して前記絶縁トランスの一次巻線を介して接続されるとともに前記第1スイッチング素子に対して並列接続された第2スイッチング素子とを含み、
前記制御部は、前記第1及び第2スイッチング素子を交互にオンオフさせて、第1スイッチング素子がオン、第2スイッチング素子がオフの第4期間は、前記インダクタを充電駆動させ、第1スイッチング素子がオフ、第2スイッチング素子がオンであって、第4期間よりも短くした第5期間では、前記絶縁トランスをフォワード動作させることにより、前記発光ダイオード部を発光させることを特徴とする請求項2に記載のLED点灯装置。
【請求項4】
前記絶縁トランスの一次巻線は、前記インダクタに対して接続された接続点を介して互いに接続された第1の一次巻線と第2の一次巻線を含み、前記発光ダイオード部は、前記絶縁トランスの二次巻線に対して、接続向きを互いに反対にして接続された複数の発光ダイオード列が並列接続された回路を含み、前記スイッチング手段は、第1スイッチング素子と、第2スイッチング素子を含み、前記直列回路部は、前記第1の一次巻線及び前記第1スイッチング素子の第1直列回路と、前記第2の一次巻線及び前記第2スイッチング素子の第2直列回路とが並列接続された並列回路を含み、前記インダクタ、前記並列回路及び前記検出抵抗が直列接続されたものであり、
前記制御部は、前記第1及び第2スイッチング素子を同時にオンさせて前記インダクタを充電する第1期間、第2スイッチング素子をオフさせるとともに第1スイッチング素子をオンさせる第2期間、前記第1及び第2スイッチング素子を同時にオンさせて前記インダクタを充電する第1期間、第2スイッチング素子をオンさせるとともに第1スイッチング素子をオフさせる第3期間を順次繰り返し、第2及び第3期間で前記絶縁トランスをフォワード動作させることにより、前記複数の発光ダイオード列が並列接続された回路を交互に発光させることを特徴とする請求項2に記載のLED点灯装置。
【請求項5】
前記発光ダイオード部の入力端は、前記インダクタ(以下、第1インダクタという)と前記スイッチング手段間の第1接続点に対して接続され、
前記発光ダイオード部の出力端は、第2インダクタを介して前記第1接続点に対して接続されるとともに、コンデンサを介して前記直列回路部と前記検出抵抗間の第2接続点に対して接続されていることを特徴とする請求項1に記載のLED点灯装置。
【請求項6】
前記発光ダイオード部の入力端は、前記インダクタ(以下、第1インダクタという)と前記スイッチング手段間の第1接続点に対して接続されるとともに、コンデンサを介して前記直列回路部と前記検出抵抗間の第2接続点に対して接続され、
前記発光ダイオード部の出力端は、第2インダクタを介して前記第1接続点に対して接続されていることを特徴とする請求項1に記載のLED点灯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−23294(P2012−23294A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−161792(P2010−161792)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【出願人】(000108557)タイム技研株式会社 (15)
【Fターム(参考)】