説明

MEMSによるスプレイ装置用ノズル集積膜の製造方法、及び該ノズル集積膜を含むスプレイ装置

【課題】 MEMSテクノロジーで得られるスプレイ装置用ノズル集積膜を製造する方法、及び既知の技術が持つ欠点を有することのない上記膜を含むスプレイ装置を提案する。
【解決手段】 スプレイ装置のノズル膜を製造する方法は、基板(11)を設けるステップと、前記基板(11)上に膜層(13)を形成するステップと、前記膜層(13)内に複数のノズル(14)を形成するステップと、基板(10)内に複数の供給通路(15)を形成するステップとを含む。各供給通路(15)は、前記複数のノズルに含まれる個々のノズル(14)にほぼ直交して配置し、個々のノズル(14)と直接接触させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプレイ装置用ノズル集積膜をMEMS(微小電気機械システムまたはマイクロマシン)テクノロジーで製造する方法、及び該ノズル集積膜を含む、特に医薬品、医薬部外品(parapharmaceutical products)、もしくは香料を投与する際に使用される吸入器のスプレイ装置またはエアゾール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば医療分野の装置においては、一般的に、既知のタイプの吸入器は、制限された服用量で薬剤を投与するために、またはエアゾールを基とする広範な治療のために使用される。
【0003】
吸入器は、液状の薬剤を霧状の液滴の分散体として提供する。好適には、吸入器は制限された寸法を有し、患者が持ち運び、かつ個々に使用できるよう、一般的にバッテリーで作動する。
【0004】
既知のタイプの吸入器、例えば米国特許6196219号明細書に記載されるタイプは、一般的にノズル(または孔)を備え、噴霧する液体を含むタンクに面して設けられる膜を含む。例えば圧電素子などの作動要素は、タンクを変形させるため、かつ液体をノズル膜に通過させ排出させるために使用することができる。
【0005】
既知のとおり、薬物治療の効果は有効成分に拠り、同様にこの効果は噴霧する各薬剤の量、及びスプレイの噴射点にも拠る。したがって、噴霧する液体量及び各スプレイの指向性は、医薬治療の効果を最大限にするために、異なるスプレイに対しても可能な限り均一であるべきである。
【0006】
ノズル膜の種類及びノズルの寸法及び形状は、ノズルの寸法及び形状の一貫性と同様に、生成される液滴の寸法及び指向性及びその再現性を規定するために特に重要なパラメータとなっている。
【0007】
種々の吸入器用ノズル膜が提案されてはきたが、それらの幾つかは、特に複雑な製造方法を要し、一方で、その他はノズルの高再現性を発現しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許6196219号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、MEMSテクノロジーで得られるスプレイ装置用ノズル集積膜を製造する方法、及び既知の技術が持つ欠点を有することのない上記膜を含むスプレイ装置を得ることにある。
【0010】
本発明によって、MEMSテクノロジーで得られるスプレイ装置用ノズル集積膜を製造する方法、及び上記膜を含むスプレイ装置は、請求項1から11に規定されるように、それぞれ実施される。
【0011】
本発明をより良く理解するため、本発明の好適な実施形態は添付の図面を参照に、純粋に、非限定的な実施例によって、記載される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態によるノズル膜の断面図である。
【図2】本発明の一実施形態によるノズル膜の断面図である。
【図3】本発明の一実施形態によるノズル膜の断面図である。
【図4】本発明の一実施形態によるノズル膜の断面図である。
【図5】本発明の別の実施形態によるノズル膜の断面図である。
【図6】本発明の別の実施形態によるノズル膜の断面図である。
【図7】本発明の別の実施形態によるノズル膜の断面図である。
【図8】本発明の別の実施形態によるノズル膜の断面図である。
【図9】本発明のさらなる実施形態によるノズル膜の断面図である。
【図10】本発明のさらなる実施形態によるノズル膜の断面図である。
【図11】本発明のさらなる実施形態によるノズル膜の断面図である。
【図12】本発明のさらなる実施形態によるノズル膜の断面図である。
【図13】本発明の別の実施形態によるノズル膜の断面図である。
【図14】本発明の別の実施形態によるノズル膜の断面図である。
【図15】本発明の別の実施形態によるノズル膜の断面図である。
【図16】本発明の別の実施形態によるノズル膜の断面図である。
【図17】本発明の任意の実施形態によるノズル膜を組み込んだスプレイ装置の断面図である。
【図18】図17のスプレイ装置を組み込んだ吸入器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1に示すように、本発明の一実施形態によれば、基板11を含むウェーハ10が備えられ、この基板は、例えばN型シリコンで作られ、400μmから725μmの間の厚さを有し、好適には400μmである。つづいて犠牲層12が備えられ、例えばシリコン酸化物で作られ、0.6μmから1.5μmの間の厚さを有し、好適には0.8μmである。
【0014】
つづいて(図2)、膜層13は、好適にはドープされていないポリシリコンで作られ、ウェーハ10上でエピタキシー成長をする。もしくは、膜層13は付着材料で作ることもでき、付着材料はシリコンプロセス技術(例えば付着ポリシリコン)に適合する。成長した、または付着材料で作られた膜層13(そのため材料または結晶構造という点においても基板と異なる)を備えると、膜層13の特定用途によって使用すべき材料の選択を調整することができるという利点を有する。実際に、膜層13の材料を変化させることによって、膜層13の性質(例えば、その弾力性、生体材料との親和性など)も変化する。
【0015】
そのため膜層13は、最終的な厚さが1.5μmから10μmの間、好適には5μmに達するまで平坦化され、かつ、例えばドライエッチングによって規定され、複数のノズル14(2つのノズル14だけが図示されている)を形成する。使用する液体に応じて、各ノズル14は、好適には上面図において1μmから5μmの間の直径を有する円形であり、膜層13の厚さ全体にわたる深さをもって延在する。
【0016】
そして(図3)、基板11の裏面を研磨するステップでは、基板の厚さをおよそ400μmに減少させることができる。このステップは始動基板11が400μmまたはそれ未満の厚さを既に有する場合には必要はない。
【0017】
次に、供給通路15は、好適にはドライエッチングによって、それぞれが対応する位置で基板11に形成され、個々のノズル14にほぼ垂直に配置される。供給通路15は、好適には上面図において10μmから100μmの間の直径を有する円形であり、好適には40μmで、基板11の厚さ全体にわたる深さをもって延在する。
【0018】
最後に(図4)、犠牲層12は、例えば衝性酸化物エッチング(BOE)タイプのウェットエッチングによって部分的に除去され、それぞれ下層の供給通路15と各ノズル14が直接接触する。
【0019】
つづいてノズル膜16が得られ、複数のノズル14(例えば、およそ25平方ミリメートルの区域を有する膜上に、3200個のノズルが均一に分配されている)を備え、ノズルはスプレイ装置において使用することができる。
【0020】
図1から図4を参照に記載された方法は、ノズル14及び供給通路15の形成を可能とし、それらは全てそれぞれ一様の寸法を有し、したがって高再現性、製造方法の緩和、及び極めて抑えられた製造費を確保する。
【0021】
しかしながら、犠牲層12の除去ステップは、特にウェットエッチングで実行された場合、犠牲層12の複数部分で側面のオーバーエッチングが起こりうることを理由に批判的に見なされており、それは、隣接するノズルの間に含まれるノズル膜16の過度の部分的な脆弱化及び、その結果的、ノズル膜16自体の損傷を招くおそれがある。
【0022】
この欠点を解消するため、本発明のさらなる実施形態によれば、犠牲層12は、堆積後、犠牲層12の互いに分離した各部分を、ノズル14が形成されると構想される区域に対応する位置に形成するように規定される。より詳細には、図5に示されるように、犠牲層12は、基板11上に堆積した後、溝21によって互いに分離した犠牲島20を形成するよう規定される。そして(図6)、図2を参照に記載されたものと同様に、膜層13は成長し規定され、そのため、各犠牲島20に対応する区域にノズル14を備える。特にこの場合、膜層13は溝21内にも形成され、そのため膜層13を基板11に直接しっかりと固定するための膜固定22を備える。
【0023】
基板11の裏面を研磨する任意のステップの後、その厚さをおよそ400μmまで減少させるため、基板11の裏面は供給通路15を形成するようエッチングされる。
【0024】
最後に(図8)、犠牲島20は、例えばBOEなどのウェットエッチングによって除去され、そのためノズル膜25を形成し、それぞれの供給通路15と各ノズル14が直に接触する。
【0025】
この実施形態によれば、犠牲島20を形成する、酸化物が発生し得るオーバーエッチングは、膜固定22が記載方法のステップによってダメージを受けない限り、膜25の機械的持続性を台無しにすることはない。
【0026】
ノズル膜を含むスプレイ装置の全容積を減らすためには、基板11の厚さ及び供給通路15の深さを減らすことが適当であり、その他のタイプの圧電素子と結合することができるようになる。さらなる実施形態によれば、図9から図12は、ノズル膜の形成方法にかかるステップを示す。
【0027】
前に記載のものと同様に、図1及び図2を参照に、ウェーハ10は犠牲層12が堆積する基板11を有して備えられ、例えばドライエッチングによって、ノズル14が得られる過程で膜層13は成長する。
【0028】
ノズル14(図9)の形成後、ウェーハ10は保護層30によって保護され、0.5μmから2μmの間の厚さを有し、好適には1μmであり、例えば、熟成長ケイ素酸化物で作られる。特に、保護層30はノズル14の内部壁及び底部もコーティングする。
【0029】
そして(図10)、保護層30は、基板11の裏面から引き離され、複数のノズル14下方に四角形の窓を設ける。続くエッチングステップ、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)を使用するウェットエッチングは、保護層30によって保護されていない基板11を選択的に除去することができ、100μmから400μmの間の深さを有するチャンバ31を備える。例えば、基板11が400μmの厚さを有する場合、300μmの深さを有するチャンバ31を形成するのが好ましい。このエッチングステップ中、保護層30は、チャンバ31の形状規定のための遮蔽、及び膜層13の望ましくないエッチングを回避するための防御作用としての二重機能を果たす。
【0030】
次に(図11)、例えばドライエッチングによって、犠牲層12の複数部分が晒されるまで基板11を掘削し、各ノズル14下方に供給通路15を形成する。各供給通路15は、50μmから300μmの間の深さを有する。例えば、基板11が400μmの間の厚さを有し、チャンバ31が300μmの深さを有する場合、各供給通路15は100μmの深さを有する。
【0031】
最後に(図12)、保護層30及び晒された犠牲層12の各部分は除去され、例えばBOEタイプのウェットエッチングによって、同時にタンク部分(チャンバ31)から成るノズル膜35を備える。
【0032】
場合によっては、誘導ジェットのための素子を備えるノズル膜を構想することが好ましく、この誘導ジェットは、使用にあたり、各ノズル14から噴射し、ジェットそのものの指向性を促進させ、ある一定の最大流出角よりも大きいノズル14からの流出角を有する部分を排除する(各ジェットはほぼ錐体形を有するとみなす)。このタイプのノズル膜はより硬質となることが証明される。
【0033】
上記目的のため、さらなる実施形態によれば、誘導通路の形成を構想することができ、各ノズル14上に設置されノズル膜と一体化した状態で備えられる。
【0034】
上記さらなる実施形態は、図13から図16を参照に以下に記載される。
【0035】
図5及び図6にかかる実施形態を参照に記載されたものと同様に、ウェーハ10は犠牲層12が堆積し規定され膜層13が成長する基板11を含んで備えられ、膜固定22によって基板11に固定される。つづいてノズル14は膜層13の各部分を選択的に除去することによって形成される。
【0036】
次に(図13)、賦形層40は堆積し、犠牲機能を有し、ノズル14を充填し、かつ膜層13上に層を形成する。賦形層40は、例えば、シリコン酸化物で作ることができ、0.2μmから1μmの間の厚さを有し、好適には0.5μmである。賦形層40は、各ノズル14に関して横方向に交互に並べられた賦形層40の各部分を除去するよう規定され、各ノズル14にほぼ直交して配置される位置で保持される。
【0037】
そして(図14)、誘導通路層41は、例えば2μmから6μmの間の厚さで、好適には5μmのシリコンのエピタキシー成長によって、ウェーハ10上に形成される。
【0038】
次に(図15)、誘導通路層41は、ノズル14の頂部に誘導通路42を形成するように、かつ、ほぼノズル14に直交して配置されるように規定され、好適には円形を有し、5μmの直径を有し、深さが誘導通路層41の厚さと同じである。特に、例えば、ドライエッチングによってノズル14上に配置された第2犠牲層40部分が少なくとも部分的に晒されるまで、誘導通路層41は選択的に除去される。
【0039】
そして(図16)、その他の示された実施形態を参照に記載されたものと同様に、基板11は各ノズル14用の供給通路15を形成するよう裏面から掘削される。
【0040】
例えば、BOEタイプのウェットエッチングのステップは、犠牲層12及び賦形層40の各部分を除去することを可能とし、個々のノズル14と各供給通路15及び個々のノズル14と各誘導通路42が直接接触するように晒される。このようにして、供給通路15及び誘導通路42はノズル14を介して通信する。つづいてノズル膜45が備えられる。
【0041】
誘導通路42の寸法及び深さは変化するため、誘導通路42から噴射するジェットの立体角もそれに応じて変化することは明らかである。そのため誘導通路42を備えたノズル膜を得ることが可能であり、誘導通路42はジェットの望まれる方向及び偏角に従って異なる寸法を有し、それは使用形態に拠る。
【0042】
さらに、便宜上、上記実施形態は、膜が膜固定22によって基板に固定される図5から図8の実施形態の好適な参照と共に記載される。しかしながら、記載された、誘導通路42の形成にかかる方法は明らかな変更を伴って他の実施形態にも適用される。
【0043】
図17はノズル膜16、25、35、または45を含むスプレイ装置50を示し、本発明の任意の実施形態によって得られる。
【0044】
スプレイ装置50はさらにタンク51を含み、ノズル膜16、25、35、または45の下方に設けられ、それ自体のハウジング52の内部に液体物質55(例えば薬剤)を含むよう設計され、使用にあたり、供給通路15を通してノズル14から排出する。スプレイ装置50の実施は種々の方法で得られる。例えば、圧電素子タイプの作動装置53によって、ノズル膜16、25、35または45の反対に位置するタンク51の底面に対して固定される。適切な制御電子回路(図示せず)によって作動するとき、上記作動装置53はタンク51を通してハウジング52内の液体に伝わる振動を引き起こし、ノズル14を通過して液体を排出させる。
【0045】
有利には、スプレイ装置50の使用後、液体物質55が使い尽くされたとき、さらなる液体物質55を含んだタンク51を再充電するため、注入口54を備えることができる。
【0046】
スプレイ装置50は、薬剤または麻酔薬の制御放出のため、吸入器100に組み込むことができる。
【0047】
吸入器100は、排出すべき液状製剤の正確な量を制御して放出するため、制御電子回路110を含むことができ、同様に制御盤も含むことができる。制御電子回路110は作動装置53の振動数を制御するため、この制御電子回路が圧電素子タイプである場合、周波発振器(図示せず)を含むこともできる。
【0048】
有利には、制御電子回路110はバッテリー104によって供給され、吸入器100に集積する。
【0049】
吸入器100は押ボタン105を押すことで作動でき、それは、液状製剤を排出するため、制御電子回路110を作動する。
【0050】
吸入器100は流体素子モジュール107をさらに含むことができ、複数のチャンネル及び/またはコンテナ108から成り、スプレイ装置50の注入口54と連結し、使用の結果薬剤が使い尽くされるとき、スプレイ装置50の再充電を可能とするため一定量の薬剤を含むよう設計されている。同様に、チャンネル及び/またはコンテナ108は、必要時には、使用者によって薬剤で再充電することができる。
【0051】
最後に、吸入器100は任意でスプレイ装置50の内部または外部に設置され、排出された液体の量を判断するための流量計(図示せず)及び/またはスプレイ装置50のタンク51内に残る液体のレベルを判断するための圧力センサ(図示せず)を含むことができる。
【0052】
本発明による、製造方法の特性を検証したところ、本発明が利点を有していることが確認された。
【0053】
特に、上述の製造方法は、いずれの実施形態によっても、マスキングプロセス回数が減少されること、かつノズル膜が標準タイプのウェーハから始まり一体となって製造されることに基づき、コスト削減を達成することができ、シリコンオンインシュレーター(SOI)タイプまたはウェーハに対するウェーハ結合方法の利用を必要としない。
【0054】
最後に、ここに記載される製造方法は、添付の特許請求の範囲に規定される本発明の保護の範囲を逸脱することはなく、修正及び変更を加えることができるのは明らかである。
【0055】
例えばノズル14は、例えば供給通路15の形成後に、上記実施例におけるものとは別の時点で形成することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプレイ装置のノズル膜を製造する方法であって、
・第1材料の基板(11)を準備するステップと、
・前記基板(11)上に第2材料の膜層(13)を形成するステップと、
・前記膜層(13)内に複数のノズル(14)を形成するステップと、
・基板(10)内に複数の供給通路(15)を形成するステップとを含み、各前記供給通路を前記複数のノズルに含まれる個々のノズル(14)に関してほぼ垂直に配置し、かつ個々のノズルと直接接触させる、スプレイ装置のノズル膜を製造する方法。
【請求項2】
前記膜層(13)を形成する前記ステップが、前記基板(11)と区別のできる膜層の形成を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記膜層(13)を形成する前記ステップが、前記第2材料を成長させ、または堆積させるステップを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2材料がポリシリコンである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記基板(11)の前記第1材料が前記膜層(13)の前記第2材料と異なり、または前記第1及び前記第2材料が同じで結晶構造が異なる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記基板(11)と前記膜層(13)の間にある第1犠牲層(12)を形成するステップをさらに含み、前記第1犠牲層を選択的に除去し、個々の前記ノズル(14)に各前記供給通路(15)を直接結合する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記膜層(13)形成前に前記第1犠牲層(12)を形成するステップを実行し、該方法は前記膜層(13)の形成前に、前記第1犠牲層(12)の選択的部分の除去及び溝(21)の形成ステップをさらに含み、前記膜層(13)を形成する前記ステップは、前記溝(21)を通して前記基板に固定される膜固定(22)を形成するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記供給通路(15)の形成前に、前記基板(11)の裏面掘削及び前記複数のノズル(14)の下方にある前記基板(11)の中へのタンク(31)形成をさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
複数の誘導通路(42)の形成ステップをさらに含み、各前記誘導通路を前記複数のノズルに含まれる個々のノズル上に延在させる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
複数の前記誘導通路(42)を形成するステップが、
・前記複数のノズルを形成するステップの後、前記膜層(13)上に前記第2犠牲層(40)を堆積させるステップと、
・前記ノズルに関して横方向に交互に並ぶ区域の前記第2犠牲層を選択的に除去するステップと、
・前記第2犠牲層(40)上の誘導通路層(41)を増大させるステップと、
・前記誘導通路層(41)の選択的部分を除去するステップと、
・前記第2犠牲層(40)を除去し、また各前記誘導通路(42)と個々の前記ノズル(14)を直接結合するステップとを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
スプレイ装置であって、
・液体物質を含むように構成された内部チャンバ(52)を有するタンク(51)と、
・注入口(54)と、
・液体物質の排出用の排出構造(16、25、35、45)と、
・前記タンク(51)に結合する作動装置(53)で、前記タンクから液体物質を排出するように構成される作動装置とを含み、
前記排出構造がノズル膜(16、25、35、45)を含み、請求項1〜10のいずれか一項に記載された製造方法に従って形成されたものであることを特徴とするスプレイ装置。
【請求項12】
前記膜が、
・前記第1材料の前記基板(11)と、
・前記基板上の前記第2材料の前記膜層(13)と、
・前記膜層(13)を通過して形成される前記複数のノズル(14)とを含み、
前記膜層は前記基板と区別可能である、請求項11に記載のスプレイ装置。
【請求項13】
前記基板(11)の前記第1材料が前記膜層(13)の前記第2材料と異なり、または前記第1及び前記第2材料が同じで結晶構造が異なる、請求項11または12に記載のスプレイ装置。
【請求項14】
前記第2材料がポリシリコンである、請求項13に記載のスプレイ装置。
【請求項15】
請求項11〜14に記載の前記スプレイ装置(50)を含む吸入器(100)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−167272(P2010−167272A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−290875(P2009−290875)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(591002692)エスティーマイクロエレクトロニクス エス.アール.エル. (31)
【氏名又は名称原語表記】STMicroelectronics S.r.l.
【Fターム(参考)】