説明

N型カルシウムチャネル遮断薬としての3−アミノメチル−ピロリジン

本発明は、下記式の3−アミノメチル−ピロリジンの誘導体である化合物に関する:


ここで、Yは、(XA又は(XCR;Wは、CR又はNであり;R−Rは、非妨害性置換基;nは0−7;l及びmは、独立して、0又は1;X−Xは、リンカー;それぞれのAは、独立して、O、N及びSから選択される1以上のヘテロ原子を任意に含む5〜7員の任意に置換した芳香族又は脂肪族環である。これらは、通常、少なくとも一つのベンズヒドリル成分を含み、カルシウムイオンチャネルの遮断を受ける状態を治療することにおいて有用である。

【発明の詳細な説明】
【関連出願との相互参照】
【0001】
本願は、米国特許法119条e項(35 U.S.C.§119(e))により2003年5月30日に提出された米国仮出願第60/474,864号に対する優先権を主張するが、当該出願は、参照により本願に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、カルシウムチャネル機能と関連する状態を治療することにおいて有用な化合物に関する。より具体的には、本発明は、発作及び疼痛等の状態を治療することにおいて有用である3−アミノメチルピロリジンベースの化合物の置換型又は非置換型誘導体を含む化合物に関する。
【背景技術】
【0003】
天然のカルシウムチャネルは、電気生理学的及び薬理学的特性により、T、L、N、P及びQ型に分類されている(検討のためMcCleskey,E.W.ら、Curr.Topics.Membr.(1991)39:295−326及びDunlap,K.ら、Trends Neurosci(1995)18:89−98参照)。T型(又は低電位活性化)チャネルは、陰電位で過渡的に活性化し、かつ静止電位における変化に高い感受性がある分子の広範なクラスを表す。L、N、P及びQ型チャネルは、より陽の電位で活性化し(高電位活性化され)多種多様な動態及び電位依存特性を示す。高電位活性化チャネルの生物物理学的特性はいくつか重複し、したがって、薬理学的特性はそれらをさらに区別するため有用である。L型チャネルは、ジヒドロピリジン作用物質及び拮抗物質に感受性があり、N型チャネルは、アンボイナ(Conus geographus)ペプチド毒、ω−コノトキシンGVIAにより遮断(阻害)され、P型チャネルは、ジョウゴグモ(funnel web spider)、ヒナタクサグモ(Agelenopsis aperta)の毒からのペプチド ω−アガトキシンIVAにより遮断される。Q及びP型チャネルが異なる分子構成であるかどうかは議論の余地があるが、高電位活性化カルシウムチャネルの第4の型(Q型)が記載されている(Sather,W.A.ら、Neuron(1995)11:291−303;Stea,A.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1994)91:10576−10580;Bourinet,E.ら、Nature Neuroscience(1999)2:407−415)。いくつかの型のカルシウムコンダクタンスは上記カテゴリーの何れにも適切に分類されず、その他のカルシウムチャネルのサブタイプが未だ分類されないままでいることを示すカテゴリー内でさえ特性の変動がある。
【0004】
生化学的分析により、ニューロンの高電位活性化カルシウムチャネルは少なくとも三つのサブユニット(α、αδ及びβ)からなるヘテロオリゴマー複合体であることが示されている(De Waard,M.ら、イオンチャネルIon Channels)(1997)第4巻、Narahashi,T編、Plenum出版、ニューヨークにより概説されている)。αサブユニットは、主要な細孔形成サブユニットであり、電位センサー及びカルシウムチャネル拮抗物質の結合部位を含む。主に細胞外αは膜貫通δサブユニットとジスルフィド結合され、両方とも同一の遺伝子から誘導され、生体内で蛋白質分解的に切断される。βサブユニットは、αサブユニットの細胞質領域との結合の親和性が高い、非グリコシル化親水性タンパク質である。第4のサブユニット、γは、骨格筋T管において発現されるL型カルシウムチャネルに特有である。γサブユニットコード化cDNA(γ-subunit-encoding cDNA)の単離及びキャラクタリゼーションが、米国特許第5,386,025号に記載されているが、これは、参照により本願に組み込まれる。
【0005】
近年、これらのαのそれぞれは、クローン化され、そして発現されており、その結果、より大規模な薬理学的研究が可能となっている。これらのチャネルは、α1A、−α1I及びα1Sと呼ばれ、前記示したサブタイプに対応している。α1Aチャネルは、P/Q型のチャネルであり;α1BはN型を表し;α1C、α1D、α1F及びα1SはL型を表し;α1Eは新規型のカルシウムコンダクタンスを表し、α1G−α1IはStea,A.らのレセプター及びチャネルハンドブックHandbook of Receptors and Channels)(1994)、North,R.A.編、CRC出版;Perez−Reyesら、Nature(1998)398:896−900;Cribbs,L.L.ら、Circulation Research(1998)83:103−109;Lee,J.H.ら、Journal of Neuroscience(1999)19:1912−1921において概説されているT型ファミリーのメンバーを表す。
【0006】
主にニューロンに限局化したN型チャネルの機能に関するさらなる詳細が、例えば、米国特許第5,623,051号に開示されているが、この開示は参照により本願に組み込まれる。ここに記載されているように、N型チャネルは、シナプス前の膜に固定されたタンパク質であるシンタキシン結合部位を有する。この相互作用を阻害することにより、同様にカルシウム流入に対するシナプス前応答も阻害される。したがって、シンタキシンとこの結合部位間の相互作用を阻害する化合物は、神経保護及び鎮痛において有用であろう。そのような化合物は、シナプス前カルシウムチャネル効果の特異性が高まるというさらなる利点を有する。
【0007】
米国特許第5,646,149号には、式A−Y−Bのカルシウムチャネル拮抗物質であってYに直接結合したピペラジン又はピペリジン環をBが含むカルシウムチャネル拮抗物質が記載されている。これら分子の必須成分はAによって表されるが、これは抗酸化物質でなければならない;ピペラジン又はピペリジン自体は重要であるといわれている。例示された化合物は、公知のカルシウムチャネル遮断薬に基づいた、ベンズヒドリル置換基を含む(以下参照)。米国特許第5,703,071号には、虚血性疾患を治療することにおいて有用であると言われる化合物が開示されている。前記分子の必須部分は、トロポロン残基であり;許容される置換基の中には、ピペラジン誘導体、そのベンズヒドリル誘導体が含まれる。米国特許第5,428,038号には、神経保護及び抗アレルギー効果を発揮すると言われる化合物が開示されている。これらの化合物は、ピペラジン及びその他6員の複素環の誘導体を含んでもよいクマリン化合物である。複素環において許容される置換基はジフェニルヒドロキシメチルである。したがって、カルシウムチャネル遮断(阻害)活性を含む種々の効能を得るための従来技術のアプローチは、偶発的にベンズヒドリルで置換したピペリジン又はピペラジン成分を含む化合物が用いられるが機能を維持するためにはその他の置換基が要求される。
【0008】
ベンズヒドリル成分及びピペリジン又はピペラジンの両方を含む一定の化合物は、カルシウムチャネル拮抗物質及び神経遮断薬であることが知られている。例えば、Gould,R.J.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1983)80:5122−5125には、リドフラジン、フルスピリレン、ピモジド、クロピモジド、及びペンフルリドール等の抗統合失調性神経遮断薬(antischizopherenic neuroleptic drug)が記載されている。また、フルスピリレンはN型カルシウム電流を遮断するだけでなく(Grantham,C.J.ら、Brit J Pharmacol(1944)111:483−488)、L型カルシウムチャネルの部位と結合することが示されてきた(King,V.K.ら、J Biol Chem(1989)264:5633−5641)。さらに、Kanebo社により開発されているロメリジン(Lomerizine)は公知のカルシウムチャネル遮断薬である;しかしながら、ロメリジンはN型チャネルに特異的でない。ロメリジンに関する刊行物の概説は、Dooley,D.、Current Opinion in CPNS Investigational Drugs(1999)1:116−125に認められる。
【0009】
米国特許第6,011,035号;第6,294,533号;第6,310,059号;及び第6,387,897号には、ベンズヒドリル成分とリンカーを介して結合されたピペラジン又はピペリジン環の組み合わせが有効なカルシウムチャネル遮断(阻害)活性をもたらすという認識に基づいて設計された選択的なN型カルシウムチャネル遮断薬が、記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、3−アミノメチルピロリジンでのピペラジン又はピペリジン環の置換が予想外にN型への高い親和性をもたらすという知見に基づく。前記化合物は、以下にさらに記載するように、発作、疼痛、不安及びその他カルシウムチャネル関連疾患にとって有用である。これらの成分に注目することによって、カルシウムチャネル活性と関連している徴候を治療することにおいて有用な化合物を調製する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、発作、不安、過活動膀胱(overactive bladder)、炎症性腸疾患、頭部外傷(head trauma)、偏頭痛、慢性、神経障害性及び急性痛、癲癇、高血圧症、心性不整脈、並びにシナプス性カルシウムチャネル媒介機能(synaptic calcium channel-mediated function)を含むカルシウム代謝と関連するその他の徴候等の状態を治療することにおいて有用である化合物に関する。本発明の化合物は、化合物のカルシウムチャネル遮断活性を高める置換基を有する3−置換ピロリジンのベンズヒドリル又は部分的に飽和したベンズヒドリル誘導体である。したがって、一つの視点において、本発明は、式(1)及び(2)の化合物並びにこれらの化合物を用いる治療方法に存する。本発明の化合物は、下記式の化合物である:


ここで、
Yは、(XA又は(XCR
Wは、CR又はNであり;
−Rは、非妨害性置換基;
nは0−7;
l及びmは、独立して、0又は1;
−Xは、リンカー;
それぞれのAは、独立して、O、N及びSから選択される1以上のヘテロ原子を任意に含む5〜7員の任意に置換した芳香族又は脂肪族環である。
【0012】
本発明の化合物は、適当な場合には塩の形態であってもよく、或いはプロドラッグの形態であってもよい。キラル中心を含む本発明の化合物(及び少なくとも一つのキラル中心を含む本発明の各化合物)に関し、前記化合物は、鏡像異性体混合物、全ての可能性のある立体異性体の等モル混合物、各種キラル度又は光学純度のものを含む、単離した立体異性体或いは各種立体異性体の混合物の形態であってもよい。
【0013】
−Xで表されるリンカーは、N、O、及びSから選択される1以上のヘテロ原子を任意に含み、非妨害性置換基を任意に含む、アルキレン又はアルケニレン成分である。前記リンカーの鎖における員の数は1〜10である。
【0014】
非妨害性置換基(noninterfering substituent)は、一般に、独立して、任意に置換したアルキル(1−10C)、アルケニル(2−10C)、アルキニル(2−10C)、アリール(5−12員環)、アリールアルキル(7−16C)又はアリールアルケニル(7−16C)であり、それぞれは、ヘテロ原子(N、O及び/又はS)で置換した1以上のC、一般に1−4Cを任意に有する。ここで、アルキル、アルケニル等における前記任意の置換基には、1以上の=Oが含まれる。したがって、置換基には、これらの置換基がこれと結合する原子とアシル、アミド、又はエステル結合を形成しうる形態が含まれる。前記置換基には、同様に、1以上のハロ、CF、CN、OCF、NO、NO、SO、SO、NR、OR、SR、COOR、及び/又はCONRが含まれる。ここで、Rは、前記記載したように、H又は任意に置換したアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、又はアリールアルケニルであり、Sは酸化されてもよく、二つの置換基は3−7員の飽和又は不飽和環を形成してもよい。前記環は、それ自体任意に置換されてもよく、1以上のヘテロ原子(N、S、O)を任意に含んでもよい。式において示される置換基が必須であるときには、Hであってもよい。
【0015】
したがって、いくつかの形態において、非妨害性置換基には、一般に、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アシル、=O、ハロ、OR、NR、SR、−SOR、−SOR、−OCOR、−NRCOR、−NRCONR、−NRCOOR、−OCONR、−RCO、−COOR、SOR、NRSOR、NRSOR、−SOR、−CONR、SONRが含まれるが、これらに限定されない。ここで、それぞれのRは、独立して、H又はアルキル(1−8C)、CN、CF、及びNO等の置換基である。
【0016】
本発明は、式(1)及び(2)の化合物を用いてカルシウムチャネル活性化を拮抗する方法、並びにそれによって、関連する状態を治療する方法に存する。前記状態は好ましくないカルシウムチャネル活性と関連するか、又は被検体は正常なカルシウムチャネル機能を有するが好ましくない身体的又は代謝的状態を有することが注目される。別の視点において、本発明は、これらの化合物を含む医薬組成物に存する。
【0017】
本発明は、同様に、式(1)及び(2)の化合物を含むコンビナトリアルライブラリ(combinational library)、並びに強力なカルシウムチャネル阻害活性を特に含むメンバー又はそのようなチャネルの一つの型を特異的に拮抗するメンバーを求めてこれらのライブラリをスクリーニングする方法に存する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の方法において有用な式(1)及び(2)の化合物は、カルシウムチャネルの活性を拮抗する能力により目的とする効果を発揮する。これにより、これらの化合物は、一定の状態の治療にとって有用となる。そのような状態の中には、神経因性疼痛、糖尿病性末梢神経障害、ヘルペス後の神経痛、三叉神経痛、AIDS関連神経障害、癌疼痛、炎症性疼痛、変形性関節炎痛、慢性関節リウマチ痛及び線維筋痛等の慢性痛状態;急性痛;侵害受容性疼痛;手術後の疼痛;感情障害;全身性不安症、社会不安症、パニック障害、強迫性障害、心的外傷後ストレス症候群等の不安症;うつ病;コカイン依存症及び禁断症状、オピオイド依存症及び禁断症状、アルコール依存症及び禁断症状並びにニコチン依存症及び禁断症状等の中毒症;炎症性腸疾患及び過敏性腸症候群等の胃腸障害;並びに尿失禁、間質性大腸炎及び性的機能不全等の尿生殖器障害が含まれる。
【0019】
T型カルシウムチャネルは、下記状態に関係している:
高血圧症、不整脈、心房細動うっ血性心不全、狭心症等の循環器疾患;部分発作、側頭葉癲癇、欠神発作、全身性発作、持続性/慢性発作等の癲癇状態;糖尿病並びに癌。
T型カルシウムチャネルは、神経因性疼痛、糖尿病性末梢神経障害、ヘルペス後の神経痛、三叉神経痛、AIDS関連神経障害、癌疼痛、炎症性疼痛、変形性関節炎痛、慢性関節リウマチ痛及び線維筋痛等の慢性痛状態;急性痛;侵害受容性疼痛及び手術後の疼痛にも関与する。
【0020】
式(1)及び(2)の化合物は一般にこのような活性を有するが、非常に多数のカルシウムチャネル遮断薬の有効性により、特定の疾患に対する化合物のきめこまやかな選択が可能となる。したがって、このクラスの化合物の有効性により、カルシウムチャネルによって影響される徴候が一般的な有用性で分類されるばかりでなく、カルシウムチャネルの特定の形態との特異的な相互作用について調べられ、操作されうる多数の化合物が与えられる。前記示したα1A、−α1I及びα1Sの組換えで生じたカルシウムチャネルの有効性により、この選択プロセスが容易になる。Dubel,S.J.ら、Proc Natl Acad Sci USA(1992)89:5058−5062;Fujita,Y.ら、Neuron(1993)10:585−598;Mikami,A.ら、Nature(1989)340:230−233;Mori,Y.ら、Nature(1991)350:398−402;Snutch,T.P.ら、Neuron(1991)7:45−57;Soong,T.W.ら、Science(1993)260:1133−1136;Tomlinson,W.J.ら、Neuropharmacology(1993)32:1117−1126;Williams,M.E.ら、Neuron(1992)8:71−84;Williams,M.E.ら、Science(1992)257:389−395;Perez−Reyesら、Nature(1998)391:896−900;Cribbs,L.L.ら、Circulation Research(1998)83:103−109;Lee,J.H.ら、Journal of Neuroscience(1999)19:1912−1921;McRory,J.E.ら、Journal of Biological Chemistry(2001)276:3999−4011.
【0021】
したがって、カルシウムチャネル活性が非常に多数の疾患に関与することは知られているが、特定の状態と関連しているチャネルの型についてはデータ収集中である。例えば、神経伝達と関連している状態におけるN型チャネルの結合により、N型チャネルを標的とする本発明の化合物がこれらの状態において有用であるということが示されるであろう。式(1)及び(2)の化合物類の多くのメンバーは、N型及び/又はT型チャネルに対して高い親和力を示し;その類の他のメンバーは優先的に他のチャネルを標的としうる。
【0022】
カルシウムチャネル阻害(遮断)には三つの型があり、これらは区別できる。第一に、「開チャネル遮断(open channel blockage)」と呼ばれるものは、示されるカルシウムチャネルが(約−70mVの典型的な内在性の静止保持電位(resting maintained potential)と区別されるような)約−100mVの人為的陰静止電位(artificially negative resing potential)で維持されるときに簡便に示される。示されるチャネルが、これらの条件下、突然脱分極されるときには、カルシウムイオンがチャネルを介して流れ、その後減衰するピーク電流流れ(peak current flow)を示す。開チャネル遮断阻害剤により、ピーク流れで示される電流が減少し、電流減少速度を速めることも可能となる。
【0023】
この型の阻害は、本願において「不活性化阻害(inactivaton inhibition)」と呼ばれる遮断の第二の型と区別される。−70mVの生理学的に重要な電位等、より小さい陰静止電位で維持されるときには、一定の割合のチャネルは高次構造的な変化を受け、その結果突然の脱分極によって活性化、即ち開口することができなくなる。したがって、カルシウムイオン流れによるピーク電流は、開チャネルが遮断されるという理由ではなく、チャネルの一部が、開口のために利用できない(不活性化される)という理由で、減少されるであろう。「不活性化(inactivation)」型阻害剤は、不活性状態にあるレセプターの割合を増加させる。
【0024】
阻害の第三の型は、「静止チャネル遮断(resting channel block)」と呼ばれる。静止チャネル遮断は、膜脱分極の不存在下で生ずるチャネルの阻害であって、開口又は不活性化を通常はもたらすであろう阻害である。例えば、静止チャネル遮断剤は、脱分極の間にさらなる阻害がない状態での薬剤投与の後の、第一の脱分極の間、ピーク電流振幅(peak current amplitude)を減少させるであろう。
【0025】
治療において最大限有用とするため、生じうる副反応を評価することも有用である。したがって、特定のカルシウムチャネルを調節することを可能にすることに加えて、心臓において発現されるHERG Kに関して、化合物は、極めて低い活性を有することが好ましい。このチャネルを高い効力で遮断する化合物は致命的な反応を起こしうる。したがって、カルシウムチャネルを調節する化合物として、HERG Kチャネルが阻害されないことも示されるべきである。同様に、チトクロームp450酵素を阻害することは、これらの酵素が薬剤の解毒のために必要とされることから、化合物として好ましくないであろう。最後に、化合物は、カルシウムチャネルの各種型間で活性を比較することによってカルシウムイオンチャネル型特異性について評価されるであろうが、ある特定のチャネル型の特異性が好ましい。これらのテストを好結果で通過した前記化合物は、その後実際の薬剤候補として動物モデルにおいて試験される。
【0026】
本発明の化合物
式(1)及び(2)の化合物について、下記により、各種成分の性質が記載される。
【0027】
Aによって表される環は、好ましくは任意に置換したフェニル、シクロヘキシル、2−、3−又は4−ピリジル、インドリル、2−又は4−ピリミジル、ピリダジニル、ベンゾトリアゾリル或いはベンズイミダゾリルである。より好ましくは、Aは、フェニル、シクロヘキシル、ピリジル、又はピリミジルである。最も好ましくは、Aは、シクロヘキシル又はフェニルである。これらの形態のそれぞれは、任意に置換したアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、O−アリール、O−アルキルアリール、O−アロイル、NR−アリール、N−アルキルアリール、NR−アロイル、ハロ、OR、NR、SR、−OOCR、−NROCR、RCO、−COOR、−CONR、及び/又はSONR等の本願において規定した基で、例えばCN、CF、及び/又はNOで、任意に置換されてもよく、それぞれのRは、独立して、H或いはアルキル(1−8C)である。これらのうちアルキル、アルケニル、アルキニル及びアリール位は、同様の置換基でさらに置換されてもよい。
【0028】
Aによって表される環は、無機性置換基又は15以下の非水素原子を含む有機性置換基で任意に置換されてもよい。これらの置換基には、任意に置換したアルキル(1−10C)、任意に置換したアルケニル(2−10C)、任意に置換したアルキニル(2−10C)、その他のアリール成分(5−12員環)、アリールアルキル、アリールアルケニル又はアリールアルキニルが含まれる(ここで、アリール、アルキル、アルケニル又はアルキニルは前記記載されたものである)。なお、前記の何れにおいても、1以上の炭素は、O、S、及び/又はNから選択されるヘテロ原子で置換されてもよい。また、それぞれのAは、独立して、1以上のハロ、ニトロ、スルフヒドリル、ヒドロキシル、アミノ等の無機成分又はOH、SH、又はNHの形態で任意に置換されてもよい。ここで、前記Hは、本願において上記列挙した成分から選択される任意に置換した有機成分で置換される。これらの成分は、記載したように、次々にさらに置換されてもよい。これらの置換基は、特に=Oを含んでもよい。
【0029】
Aにおける好ましい置換基の中には、tert−ブチル、メトキシ、置換アルコキシ、ヒドロキシ及びハロが含まれる。
【0030】
Yの好ましい形態には、Aがフェニル(Φ)或いはCHΦ、COΦ、CHΦ、CHCHΦ、COCHΦ、CHCy、CHCy及びCHCyΦ等、その部分的に飽和又は完全に飽和した形態(Cy)が含まれる。ここで、Xは、C=O、NR、NCO、S、又はOであり、それぞれのΦ又はCyは、置換されていないか又は1−3の置換基で置換される。
【0031】
前記1−3の置換基は、独立して、1−4のヘテロ原子(N、O、又はS)を任意に含むハロ、CF、OCF、低級アルキル(1−6C)、低級アリール(6−10C)及びアリールアルキル(7−16C)から選択され、無機性置換基(ハロ、N、P、O、又はS)で任意に置換される。したがって、これらの置換基は、例えば、ハロ、NO、NR、OR、SR、COR、COOR、CONR、NROCR、OOCRであってもよい。なお、R=H又はアルキル(1−8C)である。二つの置換基は、ヘテロ原子(N、S、O)を任意に含む3−7員環を形成してもよい
【0032】
は非妨害性置換基であり、nは0−7、好ましくは0−2、より好ましくは0−1である。nが2又は3の場合には、ピロリジン環においてそれぞれのRが異なる位置を占有することが好ましい。Rに含まれる非妨害性置換基には、O、N及びSから選択される1以上のヘテロ原子を任意に含む低級アルキル(1−6C)、低級アルケニル(2−6C)及び低級アルキニル(2−6C)が含まれ、ハロ、NO、SO、SO、及びNO等の無機性置換基を含むこれらの置換体が含まれる;R自体がこれらの無機性置換基の一つであってもよい。二つのRは一つになって同一の炭素で=O又は=NOHとなってもよい。
【0033】
の好ましい形態は、H、低級アルキル、低級アルケニル、及びハロを含み、好ましくはH又は低級アルキル、より好ましくはHである。Rの少なくとも一つがHであることが好ましい。Rの好ましい形態には、H、低級アルキル、低級アルケニル、低級アシルが含まれ、これらの形態において1以上の炭素はヘテロ原子で置換される。Rとして特に好ましいのは、H又はCONCHCHである。
【0034】
として好ましい形態には、H、アルキル、アルケニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヒドロキシ、アルコキシ、スルフヒドリル、アルキルスルフヒドリル、アミノ、及びアルキルアミノが含まれる。特に好ましいのは、H、ヒドロキシ、及びアルコキシである。
【0035】
は存在しても、しなくてもよい(mは0又は1である)が、Xは、ピロリジンの3−アミノメチル置換基における環窒素(ring nitrogen)又は窒素の何れかとベンズヒドリル成分との間隔をあけるリンカーである。典型的には、Xは、任意に置換されるアルキレン又はアルケニレンである。なお、特に好ましいのは、Xが結合した窒素に隣接した炭素での=Oの置換である。アルキレン又はアルケニレン鎖は、1−10員、好ましくは1−8員、より好ましくは1−5員を含んでもよく、好ましくは置換されていないか、又はNに隣接した炭素での=Oの一回置換を含む。この鎖は、同様に、ヘテロ原子、好ましくはN又はOで置換した1以上の炭素有してもよいが;ただ一つのヘテロ原子がただ一つの炭素に取って代わることが好ましい。
【0036】
は、Xと定義される;一般に、Xは、Xと比べて、さらなる鎖員(chain member)を含む。
【0037】
本願において使用されるように、用語「アルキル(alkyl)」、「アルケニル(alkenyl)」及び「アルキニル(alkynyl)」には、直鎖、分岐鎖及び環状の一価置換基が含まれるが、これらの置換基が置換されないとき又は特に注意がない限り、これらはC及びHのみを含む。例えば、メチル、エチル、イソブチル、シクロヘキシル、シクロペンチルエチル、2−プロペニル、及び3−ブチニル等が挙げられる。典型的に、アルキル、アルケニル及びアルキニル置換基には、1−10C(アルキル)又は2−10C(アルケニル又はアルキニル)が含まれる。好ましくは、これらには、1−6C(低級アルキル)又は2−6C(低級アルケニル又は低級アルキニル)が含まれる。
【0038】
任意に置換したアルキル基のその他の例として、プロピル、tert−ブチル等が挙げられ、これには、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等のシクロアルキルが含まれる;任意に置換したアルケニル基の例として、アリル、クロチル、2−ペンテニル、3−ヘキセニル、2−シクロペンテニル、2−シクロヘキセニル、2−シクロペンテニルメチル、2−シクロヘキセニルメチル等が挙げられる;C1−6アルキル及びアルケニルが好ましい。
【0039】
ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル及びヘテロアルキニルも同様に定義されるが、バックボーン残基の範囲内で1以上のO、S又はNヘテロ原子又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0040】
本願において使用されるように、「アシル(acyl)」は、アルキル、アルケニル、アルキニルの定義を含み、これらのそれぞれはカルボニル基を介してその他の残基と結合される。ヘテロアシルは、関連したヘテロ形態を含む。
【0041】
「芳香族(aromatic)」成分又は「アリール(aryl)」成分は、フェニル又はナフチル等の単環式又は縮合二環式成分をいう;「複素環式芳香族(heteroaromatic)」も同様に、O、S、及びNから選択される1以上のヘテロ原子を含む単環式又は縮合二環式系をいう。ヘテロ原子の含有により、5員環並びに6員環の含有が可能となる。したがって、典型的な芳香族/ 複素環式芳香族系には、ピリジル、ピリミジル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、イソキノリル、キノリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾフラニル、チエニル、フリル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、及びイミダゾリル等が含まれる。互変異性体が理論的に可能であるので、フタルイミドも同様に芳香族と考えられる。環系全体にわたる電子分布の点から芳香族性の特性を有するいかなる単環式又は融合二環式系も、このような定義に含まれる。通常、環系は、5−12員環原子を含む。
【0042】
同様に、「アリールアルキル(arylalkyl)」及び「ヘテロアリールアルキル(heteroarylalkyl)」とは、炭素鎖を介して別の残基と結合される芳香族及び複素環式芳香族をいい、置換型又は非置換型、飽和又は不飽和の炭素鎖、通常1−8C、又はそのヘテロ形態を含む。これらの炭素鎖は、同様にカルボニル基を含んでもよく、この結果、アシル又はヘテロアシル成分として置換基を与えることが可能になる。
【0043】
一般に、置換基に含まれるいかなるアルキル、アルケニル、アルキニル、アシル、又はアリール基も、それ自体、その他の置換基で任意に置換されうる。これらの置換基の性質は、一次置換基(primary substituent)自体に関して列挙した置換基の性質と類似している。したがって、置換基の形態がアルキルである場合には、このアルキルは、化学的意味をなし、かつアルキル自体の大きさ限度を害しない場合に置換基として列挙した残りの置換基で任意に置換されてもよい;例えば、アルキルで又はアルケニルで置換したアルキルは簡単にこれらの形態の炭素原子の上限に達するであろう。しかしながら、アリール、アミノ、及びアルコキシ等で置換されたアルキルは含まれるであろう。
【0044】
ハロゲンの例として、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。フッ素及び塩素が好ましい。
【0045】
任意に置換したヒドロキシル及びチオール基の例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロプル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等の任意に置換したアルキルオキシ又はアルキルチオ(例えば、C1−10アルキル);任意に置換したアリールアルキルオキシ又はアリールアルキルチオ(例えば、フェニル−C1−4アルキル、例えば、ベンジル、フェネチル等)が挙げられる。二つの隣接したヒドロキシル又はチオール置換基が存在する場合には、ヘテロ原子は、O(CHO及びS(CHS(n=1−5の場合)のようにアルキレン基を介して結合されてもよい。その例として、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ等が挙げられる。スルホキシド及びスルホン等のチオ−エーテル基のオキシドも同様に考えられる。
【0046】
任意に置換したヒドロキシル基の例として、同様に、任意に置換したC2−4アルカノイル(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル等)、C1−4アルキルスルホニル(例えば、メタンスルホニル、エタンスルホニル等)並びにベンゾイル、ピリジンカルボニル等を含む任意に置換した芳香族及び複素環式芳香族カルボニル基が挙げられる。
【0047】
任意に置換したアミノ基における置換基は、互いに結合して、環状アミノ基(例えば、テトラヒドロピロール、ピペラジン、ピペリジン、ピロリジン、モルフォリン、チオモルフォリン、ピロール、イミダゾール等の5−から6−員の環状アミノ等)を形成してもよい。前記環状アミノ基は置換基を有してもよく、置換基の例として、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、任意にハロゲン化したC1−4アルキル(例えば、トリフルオロメチル、メチル、エチル等)、任意に置換したハロゲン化したC1−4アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ等)、C2−4アルカノイル(例えば、アセチル、プロピオニル等)、C1−4アルキルスルホニル(例えば、メタンスルホニル、エタンスルホニル等)が挙げられ、好ましい置換基の数は1から3である。
【0048】
アミノ基は、同様に、C1−10アルキル(例えば、メチル、エチルプロピル等)を含む任意に置換したアルキル基;アリル、クロチル、2−ペンテニル、3−ヘキセニル等の任意に置換したアルケニル基、又はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等の任意に置換したシクロアルキル基等の基で(二級又は三級アミンを形成するよう)1回又は2回置換されてもよい。これらの場合において、C1−6アルキル、アルケニル及びシクロアルキルが好ましい。アミン基も、芳香族又は複素環式芳香族基、アラルキル(例えば、フェニルC1−4アルキル)或いはヘテロアルキル、例えば、フェニル、ピリジン、フェニルメチル(ベンジル)、フェネチル、ピリジニルメチル、ピリジニルエチル等で任意に置換されてもよい。複素環式芳香族基は、1−4へテロ原子を含む5又は6員環であってもよい。
【0049】
アミノ基は、任意に置換したC2−4アルカノイル、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル等、或いはC1−4アルキルスルホニル(例えば、メタンスルホニル、エタンスルホニル等)或いはカルボニル若しくはスルホニル置換した芳香環又は複素環、例えば、ベンゼンスルホニル、ベンゾイル、ピリジンスルホニル、ピリジンカルボニル等で置換されてもよい。複素環は、前記記載したのと同様である。
【0050】
前記記載したように、任意に置換したカルボニル基、又はスルホニル基の例として、アルキル、アルケニル及び5−から6−員単環式芳香族基(例えば、フェニル、ピリジル等)等の各種のヒドロカルビル(hydrocarbyl)から形成したそのような基の任意に置換した形態が挙げられる。
【0051】
本発明の化合物は、製薬学的に許容できる塩として調製ができるようにイオン解離性基(ionizable group)を有してもよい。これらの塩は、無機又は有機酸を含む酸付加塩であってもよく、或いは本発明の化合物が酸の形態である場合には、塩は、無機又は有機塩基から調製されてもよい。無機塩基の例として、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、アルカリ土類金属水酸化物(例えば、カルシウム、マグネシウムの水酸化物等)、並びにアルミニウム、及びアンモニウム等の水酸化物が挙げられる。有機塩基の例として、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジクロロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン等が挙げられる。無機酸の例として、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等が挙げられる。有機酸の例として、ギ酸、シュウ酸、酢酸、酒石酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。同様に、アルギニン、リジン、及びオルニチン等の塩基性アミノ酸を含む塩並びにアスパラギン酸、及びグルタミン酸等の酸性アミノ酸を含む塩も含まれる。
【0052】
さらに、ある場合には、本発明の化合物は、1以上のキラル中心を含む。本発明には、単離された立体異性の形態、並びにキラル純度を変える場合には立体異性体の混合物が含まれる。
【0053】
本発明の化合物の合成
本発明の化合物を、従来法を用いて合成してもよい。そのような方法を、スキームA、B、C、D、E、F及びGに図示する。
【0054】
反応スキームAを用いて、P3、P4、P7、P8、P13、P14、P15、P17、P18、P19、P20、P21、P22、P24及びP25等の本発明の化合物を合成してもよい。
【0055】

【0056】
市販の(1−ベンジル−ピロリジン−3−イルメチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(1-benzyl-pyrrolidin-3-ylmethyl)-carbamic acid tert-butyl ester)(1)を50psiでPd/Cで処理することによって、無保護の3−アミノメチル−3−tert−ブトキシカルボニルピロリジン(2)が定量的な収量(quantitative yield)で生ずる。(2)をCHCl中でEDC/DMAPを用いて適当なカルボン酸とカップリング(結合)させることによって、(3)が生ずる。TFAを用いてBOCを除去することによって、(4)が生ずる。(4)を通常の条件下、適当な安息香酸誘導体とカップリング(結合)させ、次いで非プロトン性溶媒(THF)を用いてLiAlHで還元することによって、(6)が生ずる。
【0057】
アミド(3)をLiAlHで還元し、次いでBOCを除去することによって、(8)が生ずる。(8)を適当な安息香酸誘導体とカップリングさせることによって、(9)が生ずる。
【0058】
反応スキームBを用いて、P5、P6、P9、P10、P11、P12及びP23等の本発明の化合物を合成してもよい。
【0059】

【0060】
(2)を通常の条件(EDC/DMAP、CHCl)下、適当な安息香酸誘導体で処理し、次いでBOCを除去し、適当なカルボン酸とカップリングさせ、アミドを還元することによって、(13)が好収量で生ずる。その後、(10)を還元し、次いでBOCを除去し、カルボン酸とカップリングさせることによって、(16)が生ずる。
【0061】
反応スキームCを用いて、P1、P32、P37、P38及びP39等の本発明の化合物を合成してもよい。
【0062】

【0063】
(2)を、KI/KCO/ブタノン還流を用いて一晩クロロジフェニルメタンで処理することによって、(17)が生ずる。(17)をTFAと反応させ、次いで適当なカルボン酸とカップリングさせることによって、(19)が生ずる。
【0064】
反応スキームDを用いて、P2等の本発明の化合物を合成してもよい。
【0065】

【0066】
同様に、反応スキームEを用いて、本発明の化合物を合成してもよい。
【0067】

【0068】
同様に、反応スキームFを用いて、本発明の化合物を合成してもよい。
【0069】

【0070】
同様に、反応スキームGを用いて、本発明の化合物を合成してもよい。
【0071】

【0072】
同様に、反応スキームHを用いて、本発明の化合物を合成してもよい。
【0073】

【0074】
好ましい形態
式(1)及び(2)の化合物は、各種置換基の形態に置き換えて示されると規定される。
【0075】
式(1)及び(2)の化合物の特に好ましい形態は、CRにおける両方のAがフェニルである化合物である;しかしながら、一方のAがフェニルで他方のAがシクロヘキシルである場合、又は両方のAがシクロヘキシルである場合も同様に含まれる。
【0076】
式(1)及び(2)の化合物に含まれるA成分の全てが、前記した置換基であってもよい。好ましい置換基には、ハロ、特にフルオロ、アルキル(1−6C)、好ましくはメチル又はt−ブチル、OR、好ましくはメトキシ、NR、好ましくはジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルアミノ又はエチルアミノ、アセトアミド、CF、及びOCF等が含まれる。同様に二つの置換位置が、環を形成してもよい。好ましくは、両方のAがフェニルであるCRの場合には、フェニル基が、全く同じに置換される。一方のAがフェニルで他方のAがシクロヘキシルである場合には、フェニルにおける少なくとも一つの置換基と非置換型シクロヘキシルとの組み合わせが好ましい。本発明の化合物のハロゲン化は生体内半減期を調節するのに有用であると考えられ、いくつかのフェニル成分においてフルオロ置換基等のハロゲン置換基を含むことは特に有利であるかもしれない。
【0077】
本発明の化合物は、下記構造で表される:

ここで、
それぞれのZ及びZは、独立して、H又は=Oであり;
=H、任意に置換したアルキル、(CRCONR、(CRNR、それぞれのRは、H、低級アルキル又はアリールであり;
n=0−1;
Vは、任意に置換されるアルキル又はフェニル;
Wは、CR又はNR;
=O、S、N又はNCOであり;並びに
のそれぞれは、0−3置換基であり、この置換基は独立して、ハロ、CF、OCF、1−4のヘテロ原子(N、O、又はS)を任意に含む1−6Cのアルキル、(6−10C)のアリール又はアリールアルキル(7−16C)であり、N、P、O又はSを含む無機性置換基で任意に置換される。したがって、Rは、置換基、例えば、NO、NR、OR、SR、COR、COOR、CONR、NROCR、又はOOCRである置換基を含んでもよい。ここで、それぞれR=H又は低級アルキル(1−4C)である。二つの置換基は、ヘテロ原子(N、S、O)を任意に含む3−7員環を形成してもよい。
【0078】
置換のパターン(型)は、カルシウムチャネル遮断活性並びに特異性の強度に影響を及ぼすであろう。
【0079】
ライブラリ及びスクリーニング
本発明の化合物を、技術自体公知の方法を用いて、又は組み合わせライブラリ(combinational library)のメンバーとして、個々に合成することができる。
【0080】
組み合わせライブラリの合成は、現在、技術として一般化されている。そのような合成について適当な記載が、例えば、Wentworth,Jr.,P.ら、Current Opinion in Biol(1993)9:109−115;Salemme,F.R.ら、Structure(1997)5:319−324に認められる。ライブラリは、各種置換基及び各種不飽和度、並びに異なる鎖長を有する化合物を含む。10程度、通常は数百のメンバーから数千のメンバーを含むライブラリは、その後、カルシウムチャネルの特定のサブタイプ、即ちN型チャネルに対して特に有効である化合物についてスクリーニングされうる。さらに、標準的なスクリーニングプロトコルを用いて、ライブラリが、ナトリウムチャネル、及びカリウムチャネル等のその他のチャネル又はレセプターを遮断する化合物についてスクリーニングされうる。
【0081】
これらのスクリーニング機能を実行する方法は、技術としてよく知られている。典型的には、標的とされるレセプターは、ヒト胎児由来腎臓細胞等の組換え宿主細胞の表面で発現される。ライブラリのメンバーのテストされるべきチャネルを結合する能力は、例えば、ライブラリの化合物の、チャネル又はチャネルに対する抗体と正常に結合しているリガンド等の標識結合リガンドを示す能力によって、測定される。より典型的には、レセプターを拮抗する能力は、カルシウム、バリウム又はその他の透過性二価カチオン(permeant divalent cation)の存在下で測定され、化合物の、生ずるシグナルを妨げる能力は、標準的な技術を用いて測定される。
【0082】
より詳細には、一つの方法として、カルシウムチャネルと相互に作用する放射標識薬剤(radiolabeled agent)の結合並びにオン速度(on rates)、オフ速度(off rates)、Kd値及びその他の分子による競合結合(competitive binding)を含むが、これらに限定されない平衡結合測定(equilibrium binding measurement)の後分析(subsequent analysis)が挙げられる。別の方法には、個々の細胞に微小電極を突き刺し、カルシウムチャネルによる電流を対象化合物の投与前後に記録する電気生理学的測定による化合物の効果のスクリーニングが含まれる。別の方法、高処理分光光度測定法は、株細胞に細胞内カルシウム濃度に対して感受性がある蛍光染料を添加すること及び化合物の塩化カリウムによる脱分極の能力への効果の後試験或いはその他の細胞内カルシウムレベルを変化させる手段を利用する。
【0083】
前記記載したように、より絶体的標準の測定法(definitive assay)を用いて、チャネル又は静止チャネル遮断剤の不活性化を促進することによって作用する阻害剤に対立するものとして、開チャネル遮断剤として作用するカルシウム流れの阻害剤を識別することができる。これらの型の阻害剤を識別する方法を、以下の実施例において、より具体的に記載する。一般に開チャネル遮断剤は、候補化合物の存在及び不存在下で約−100mVのバックグラウンド静止電位に脱分極をさせるときのピーク電流のレベルを測定することによって評価される。好結果の開チャネル遮断剤は、観測されるピーク電流を減少させるであろうし、この電流の減少を促進させうる。不活性化したチャネル遮断剤である化合物は、一般に、より陰の電位の方に電位依存性を転換する能力によって判定される。これは、より脱分極した保持電位(例えば、−70mV)で及び刺激のより高い周波数、例えば0.2Hz対0.067Hzでピーク電流を減少させる能力においても反映される。最終的に、静止チャネル遮断剤は、脱分極の間さらなる阻害がない状態での薬剤投与後、第一の脱分極の間、ピーク電流振幅を減少させる。
【0084】
有用性及び投与
ヒト及び動物被検体の治療として使用するため、本発明の化合物を、医薬又は獣医学組成物として処方(製剤化)することができる。治療されるべき被検体、投与形態、及び目的とする治療の型(例えば、防止、予防、治療)に依存するが;前記化合物は、これらのパラメータにふさわしい方法で処方される。そのような技術の総説が、レミントンの医薬科学Remington's Pharmaceutical Sciences)、最新版、Mack出版社、イーストン、ペンシルヴェニアに認められるが、これは参照により本願に組み込まれる。
【0085】
一般に、治療において使用するため、式(1)及び(2)の化合物を、単独で、2以上の式(1)及び(2)の化合物の混合物として、或いは他の医薬品と組み合わせて、使用してもよい。投与形態に依存するが、前記化合物は、送達を容易にすべく、適当な組成物中に処方(適当な組成物で製剤化)されるであろう。
【0086】
製剤は、全身投与或いは表面又は局所投与に適した方法で調製されうる。全身性の製剤には、注射(例えば、筋肉内、静脈内又は皮下注射)用に設計された製剤が含まれるが、この製剤を経皮、経粘膜、又は経口投与のために調製してもよい。前記製剤は、一般に、希釈剤並びに、ある場合には、補助剤、バッファ(buffer)、及び保存剤等を含むであろう。
【0087】
注射のため、製剤を、液状溶液又は懸濁液として、注射前の液体中の溶液又は懸濁液に適した固体の形態として、或いはエマルジョンとして、従来の形態で調製することができる。適当な賦形剤には、例えば、水、生理食塩水、デキストロース、及びグリセロール等が含まれる。そのような成分は、ある量の湿潤又は乳化剤、並びに例えば、酢酸ナトリウム、及びソルビタンモノラウレート等のpH緩衝液等の無毒性の補助物質を含んでもよい
【0088】
薬剤の各種徐放系も同様に発明されている。例えば、米国特許第5,624,677号を参照すべきである。
【0089】
同様に、全身投与には、坐剤の使用、経皮性パッチ(transdermal patch)、経粘膜送達及び鼻腔内投与等の比較的に非観血的な方法が含まれる。同様に、経口投与も本発明の化合物に適している。適当な形態には、技術として理解されているものであるが、シロップ剤、カプセル剤、錠剤が含まれる。
【0090】
動物又はヒト被検体への投与のため、本発明の化合物の投与量は、通常0.1−15mg/kg、好ましくは0.1−1mg/kgである。しかしながら、投与量レベルは状態の種類(nature of condition)、薬剤の有効性、患者の状態、実施者(医師)の判断、並びに投与の頻度及び形態に高く依存する。
【0091】
下記調製及び実施例は、その技術について熟知している者(当業者)が本発明をより明確に理解し、かつ実施することを可能にすべく、与えられるものである。これらは、単なる例示及び代表であり、これらにより本発明の範囲が制限されると考えるべきではない。
【0092】
[実施例1]
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロフェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,4,5−トリメトキシ−ベンズアミドの合成

【0093】
A.3−アミノメチル−3−tert−ブトキシカルボニルピロリジンの合成

【0094】
(1−ベンジル−ピロリジン−3−イルメチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(1)(3.0g、10.33mmol)のCHOH(100ml)の溶液に、Pd/C 20%(0.5g)を添加した。生じたスラリーを、24時間、50psiで水素化した。触媒をセライト(Celite)により濾過し、濾液を減圧下で蒸発させて、2.0gの目的とする生成物を得た。
【0095】
B.{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成

【0096】
3−アミノメチル−3−tert−ブトキシカルボニルピロリジン(0.73g、3.65mmol)の乾燥CHCl(40ml)の溶液に、5,5−ビス−(4−フルオロフェニル)−ヘキサン酸(1.10g、3.65mmol)を窒素中で添加した。反応物に、EDC(1.4g、7.29mmol)及びDMAP(cat)を添加し、得られた反応混合物を室温で一晩、窒素中で攪拌した。その後、反応物を減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル:水(10:1)(150ml)に溶解させた。有機物を、水(30ml、2×)及び10% NaOH(30ml)を用いて洗浄し、MgSOによって乾燥させ、蒸発乾固した。生じた残渣をCHCl:CHOH(15:1)を用いてカラムクロマトグラフィーによって精製して、1.6gの目的とする生成物を得た。
【0097】
C.1−(3−アミノメチル−ピロリジン−1−イル)−6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサン−1−オンの合成

【0098】
1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(1.6g、3.29mmol)を、乾燥CHCl(50ml)に溶解させ、次いで、TFA(20ml)を添加した。生じた溶液を室温で2時間攪拌した。得られた溶液を減圧濃縮した。生じた残渣を水(20ml)に溶解させ、得られた溶液のpHを10に調整した。水相を、CHClを用いて抽出し、硫酸マグネシウムによって乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させて、目的とする生成物をほぼ定量的な収量で得た。
【0099】
D.最終生成物
1−(3−アミノメチル−ピロリジン−1−イル)−6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサン−1−オン(0.69g、1.78mmol)の乾燥CHCl(40ml)の溶液に、3,4,5−トリメトキシ安息香酸(0.38g、1.78mmol)を窒素中で添加した。反応物に、EDC(0.68g、3.56mmol)及びDMAP(cat)を添加し、得られた反応混合物を室温で一晩、窒素中で攪拌した。その後、反応物を減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル:水(10:1)(150ml)に溶解させた。有機物を、水(30ml、2×)及び10% NaOH(30ml)を用いて洗浄し、MgSOによって乾燥させ、蒸発乾固した。生じた残渣をCHCl:CHOH(15:1)を用いてカラムクロマトグラフィーによって精製して、目的とする生成物を好収量で得た。
【0100】
[実施例2]
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロフェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,4,5−トリメトキシ−ベンズアミドの合成

【0101】
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロフェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,4,5−トリメトキシ−ベンズアミン(0.75g、1.29mmol)の乾燥THF(50ml)の溶液に、LiAlH(196mg、5.16mmol)を窒素中で添加した。生じた懸濁液を室温で24時間攪拌した。反応物を、EtOAc(15ml)を用いて急冷し、水(20ml、2×)及び10% NaOH(20ml)を用いて抽出し、MgSOによって乾燥させ、蒸発させた。生じた残渣をCHCl:CHOH(15:1)を用いてカラムクロマトグラフィーによって精製して、0.5gの目的とする生成物を得た。
【0102】
[実施例3]
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロフェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシ−ベンズアミドの合成

【0103】
1−(3−アミノメチル−ピロリジン−1−イル)−6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサン−1−オン(0.49g、1.26mmol)の乾燥CHCl(35ml)の溶液に、3,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシ安息香酸(0.33g、1.26mmol)を窒素中で添加した。反応物に、EDC(0.48g、2.52mmol)及びDMAP(cat)を添加し、得られた反応混合物を室温で一晩、窒素中で攪拌した。その後、反応物を減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル:水(10:1)(130ml)に溶解させた。有機物を、水(30ml、2×)及び10% NaOH(30ml)を用いて洗浄し、MgSOによって乾燥させ、蒸発乾固した。生じた残渣をCHCl:CHOH(15:1)を用いてカラムクロマトグラフィーによって精製して、目的とする生成物を好収量で得た。
【0104】
[実施例4]
N−(1−ベンズヒドリル−ピロリジン−3−イルメチル)−3,3−ジフェニル−プロピオンアミドの合成

【0105】
A.N−[1−ベンズヒドリル]−3−アミノメチル−3−tert−ブトキシカルボニルピロリジンの合成

【0106】
クロロジフェニルメタン(0.68g、3.39mmol)のブタノン(15ml)の溶液に、3−アミノメチル−3−tert−ブトキシカルボニルピロリジン(0.68g、3.39mmol)、KCO(0.56g、4.07mmol)及びKI(0.56、3.39mmol)を添加した。得られた混合物を18時間、還流下で加熱し、その後濾過し、溶媒を真空内で除去した。残渣をCHCl(50ml)に溶解させ、水(10ml)を用いて洗浄した。MgSOによって乾燥させ、溶媒を減圧下で除去し、次いで、Hex:EtOAc(3:1)を用いてカラムクロマトグラフィーに付して、目的とする生成物を得た。
【0107】
B.C−(1−ベンズヒドリルピロリジン−3−イル)−メチルアミンの合成

【0108】
N−[1−ベンズヒドリル]−3−アミノメチル−3−tert−ブトキシカルボニルピロリジン(0.47g、1.28mmol)を、乾燥CHCl(15ml)に溶解させ、次いでTFA(8ml)を添加した。生じた溶液を室温で2時間攪拌した。得られた溶液を減圧濃縮した。生じた残渣を水(12ml)に溶解させ、得られた溶液のpHを10に調整した。水相を、CHCl(100ml)を用いて抽出し、硫酸マグネシウムによって乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させて、目的とする生成物をほぼ定量的な収量で得た。
【0109】
C.最終生成物
C−(1−ベンズヒドリル−ピロリジン−3−イル)−メチルアミン(0.26g、0.98mmol)の乾燥CHCl(25ml)の溶液に、3,3−ジフェニルプロピオン酸(0.22g、0.98mmol)を窒素中で添加した。反応物に、EDC(0.37g、1.95mmol)及びDMAP(cat)を添加し、得られた反応混合物を室温で一晩、窒素中で攪拌した。その後、反応物を減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル:水(10:1)(100ml)に溶解させた。有機物を、水(20ml、2×)及び10% NaOH(20ml)を用いて洗浄し、MgSOによって乾燥させ、蒸発乾固した。生じた残渣をCHCl:CHOH(15:1)を用いてカラムクロマトグラフィーによって精製して、目的とする生成物を好収量で得た。
【0110】
[実施例5]
1−{3−[ベンズヒドリル−アミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−3,3−ジフェニル−プロパン−1−オンの合成

【0111】
A.[1−(3,3−ジフェニル−プロピオニル)−ピロリジン−3−イルメチル−カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成

【0112】
3−アミノメチル−3−tertブトキシカルボニルピロリジン(0.6g、2.99mmol)の乾燥CHCl(30ml)の溶液に、3,3 ジフェニルプロピオン酸(0.68g、2.99mmol)を窒素中で添加した。反応物に、EDC(1.15g、5.99mmol)及びDMAP(cat)を添加し、得られた反応混合物を室温で一晩、窒素中で攪拌した。その後、反応物を減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル:水(10:1)(100ml)に溶解させた。有機物を、水(20ml、2×)及び10% NaOH(20ml)を用いて洗浄し、MgSOによって乾燥させ、蒸発乾固した。生じた残渣をCHCl:CHOH(15:1)を用いてカラムクロマトグラフィーによって精製して、1.0gの目的とする生成物を得た。
【0113】
B.1−(3−アミノメチル−ピロリジン−1−イル)−3,3−ジフェニル−プロパン−1−オンの合成

【0114】
[1−(3,3−ジフェニル−プロピオニル)−ピロリジン−3−イルメチル−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(1.04g、2.54mmol)を、乾燥CHCl(15ml)に溶解させ、次いでTFA(10ml)を添加した。生じた溶液を室温で2時間攪拌した。得られた溶液を減圧濃縮した。生じた残渣を水(15ml)に溶解させ、得られた溶液のpHを10に調整した。水相を、CHCl(100ml)を用いて抽出し、硫酸マグネシウムによって乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させて、目的とする生成物をほぼ定量的な収量で得た。
【0115】
C.最終生成物
1−(3−アミノメチル−ピロリジン−1−イル)−3,3−ジフェニル−プロパン−1−オン(0.91g、2.95mmol)とベンゾフェノン(0.22g、1.18mmol)との溶液を、一晩ディーン−スターク(Dean-Stark)中でp−トルエンスルホン酸(cat.)の存在下、ベンゼン(20ml)で還流した。その後ベンゼンを除去し、残渣をEtOAc(40ml)を用いて抽出した。その後有機相を、水(20ml)を用いて洗浄し、MgSOによって乾燥させた。溶媒を除去して、0.9gの粗中間体を得た。その後、得られた粗中間体をEtOH(15ml)に溶解し、攪拌した溶液にNaBH(0.93g、24.7mmol)を徐々に添加した。得られた反応混合物を一晩、攪拌した。EtOHを蒸発させ、残渣を、EtOAcを用いて抽出し、水を用いて洗浄し、乾燥させた。生じた残渣をCHCl:CHOH(15:1)を用いてカラムクロマトグラフィーによって精製して、目的とする生成物を65%の収率で得た。
【0116】
[実施例6]
N−(1−ベンズヒドリル−ピロリジン−3−イルメチル)−2−ジフェニルアミノ−アセトアミドの合成

【0117】
C−(1−ベンズヒドリル−ピロリジン−3−イル)−メチルアミン(0.26g、0.97mmol)の乾燥CHCl(20ml)の溶液に、ジフェニルアミノ酢酸(0.22g、0.97mmol)を窒素中で添加した。反応物に、EDC(0.37g、1.95mmol)及びDMAP(cat)を添加し、得られた反応混合物を室温で一晩、窒素下で攪拌した。その後、反応物を減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル:水(10:1)(100ml)に溶解させた。有機物を、水(25ml、2×)及び10% NaOH(25ml)を用いて洗浄し、MgSOによって乾燥させ、蒸発乾固した。生じた残渣をヘキサン:酢酸エチル(3:1)を用いてカラムクロマトグラフィーによって精製して、目的とする生成物を75%の収率で得た。
【0118】
[実施例7]
1−ベンズヒドリル−3−(1−ベンズヒドリル−ピロリジン−3−イルメチル)−尿素の合成

【0119】
C−(1−ベンズヒドリル−ピロリジン−3−イル)−メチルアミン(0.26g、0.97mmol)の乾燥CHCl(5ml)の溶液に、イソシアン酸ジフェニルメチル(0.18g、0.97mmol)を窒素中で滴下により添加した。得られた反応混合物を室温で一晩、攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、次いでCHCl:CHOH(20:1)を用いてカラムクロマトグラフィーに付して、目的とする生成物を80%の収率で得た。
【0120】
[実施例8]
2−{(1−ベンズヒドリル−ピロリジン−3−イルメチル)−[(ジフェニルカルバモイル)−メチル]−アミノ}−N,N−ジフェニル−アセトアミドの合成

【0121】
C−(1−ベンズヒドリル−ピロリジン−3−イル)−メチルアミン(0.26g、0.97mmol)の乾燥CHCN(10ml)の溶液に、2−ブロモ−N,N−ジフェニルアセトアミド(0.56g、1.94mmol)とNaHCO(0.17g、1.95mmol)を窒素中で添加した。得られた反応混合物を一晩、還流した。冷却後、溶媒を蒸発させ、残渣を、水(5ml)に溶解させ、CHCl(3×25ml)を用いて抽出した。有機物を、MgSOによって乾燥させ、蒸発乾固した。生じた残渣をCHCl:CHOH(15:1)を用いてカラムクロマトグラフィーによって精製して、目的とする生成物を82%の収率で得た。
【0122】
[実施例9]
N−(1−ベンズヒドリル−ピロリジン−3−イルメチル)−N−(2−ジフェニルアミノ−エチル)−N’,N’−ジフェニル−エタン−1,2−ジアミンの合成

【0123】
2−{(1−ベンズヒドリル−ピロリジン−3−イルメチル)−[(ジフェニルカルバモイル)−メチル]−アミノ}−N,N−ジフェニル−アセトアミド(0.39g、0.57mmol)の乾燥THF(10ml)の溶液に、BH−THF(2.5ml、2.29mmol)を徐々に添加した。得られた反応混合物を一晩、還流した。その後、得られたものを冷却し、これに、メタノールを徐々に添加して過剰のBHを分解させた。溶媒を除去し、10% HClのメタノール(20ml)を添加し、1時間、還流した。冷却し、中性になるまで固体NaHCOを添加した。有機物を、MgSOによって乾燥させ、蒸発乾固した。生じた残渣をヘキサン:酢酸エチル(11:1)を用いてカラムクロマトグラフィーによって精製して、目的とする生成物を80%の収率で得た。
【0124】
[実施例10]
N−(1−ベンズヒドリル−ピロリジン−3−イルメチル)−N−メチル−3,3−ジフェニル−プロピオンアミドの合成

【0125】
A.(1−ベンジル−ピロリジン−3−イルメチル)−メチル−アミンの合成

【0126】
LAH(1M、7.6ml)の乾燥THF(75ml)の溶液を冷却(−5℃)、攪拌し、これに、(1−ベンジル−ピロリジン−3−イルメチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(1.47g、5.06mmol)の乾燥THF(22ml)の溶液を(2.5ml、2.29mmol)を20分間にわたって添加した。その後、得られた混合物を2.5時間、還流しつつ加熱し、室温まで冷却し、酢酸エチル(50ml)を連続的に添加して急冷した。その後、有機層を、水(2×)、10% NaOH及びブライン(brine)を用いて洗浄し、乾燥、蒸発させて、目的とする生成物を90%の収率で得た。
【0127】
B.(1−ベンジル−ピロリジン−3−イルメチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル メチルアミンの合成

【0128】
(1−ベンジル−ピロリジン−3−イルメチル)−メチルアミン(1.03g、5.04mmol)のTHF(30ml)、水(1ml)及びNaOH(0.5ml)の溶液を0℃まで冷却した。その後、(BOC)O(1.32g、6.05mmol)を添加し、反応物を2時間、室温で攪拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を2N NaOH水とCHClで分割させた。有機相を、ブラインを用いて洗浄し、乾燥させ、蒸発乾固して、目的とする生成物を92%の収率で得た。
【0129】
C.(メチル−ピロリジン−3−イルメチル−アミン)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成

【0130】
(1−ベンジル−ピロリジン−3−イルメチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル メチルアミン(1.0g、3.28mmol)のメタノール(35ml)の溶液に、Pd/C(20%)(0.22g)を添加した。生じた混合物を一晩、50Psiで水素化した。Pdを、セライトを通じて濾過し、蒸発乾固して、目的とする生成物を92%の収率で得た。
【0131】
D.(1−ベンズヒドリル−ピロリジン−3−イルメチル)−メチル−カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成

【0132】
クロロジフェニルメタン(0.79g、3.22mmol)のブタノン(20ml)の溶液に、メチル−ピロリジン−3−イルメチル−アミン)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(0.69g、3.22mmol)、KCO(0.54g、3.8mmol)及びKI(0.54g、3.22mmol)を添加した。得られた混合物を18時間、還流下で加熱し、その後、濾過し、溶媒を真空内で除去した。残渣をCHCl(50ml)に溶解させ、水(10ml)を用いて洗浄した。MgSOによって乾燥させ、溶媒を減圧下で除去し、次いで、CHCl:CHOH(20:1)を用いてカラムクロマトグラフィーに付して、目的とする生成物を75%の収率で得た。
【0133】
E.(1−ベンズヒドリル−ピロリジン−3−イルメチル)−メチル−アミンの合成

【0134】
(1−ベンズヒドリル−ピロリジン−3−イルメチル)メチルカルバミン酸−tert−ブチルエステル(0.47g、1.67mmol)を、乾燥、CHCl(15ml)に溶解させ、次いでTFA(8ml)を添加した。得られた溶液を2時間、室温で攪拌した。得られた溶液を減圧濃縮した。生じた残渣を水(12ml)に溶解させ、得られた溶液のpHを10に調整した。水相を、CHCl(100ml)を用いて抽出し、硫酸マグネシウムによって乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させて、目的とする生成物をほぼ定量的な収量で得た。
【0135】
F.最終生成物の合成
(1−ベンズヒドリル ピロリジン−3−イルメチル−メチル−アミン(0.31g、1.10mmol)の乾燥CHCl(25ml)の溶液に、3,3−ジフェニルプロピオン酸(0.25g、1.10mmol)を窒素中で添加した。得られた反応物に、EDC(0.42g、2.2mmol)及びDMAP(cat)を添加し、得られた反応物を一晩、室温で窒素中で、攪拌した。その後、得られた反応物を減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル:水(10:1)(100ml)に溶解させた。有機物を、水(20ml、2×)及び10% NaOH(20ml)を用いて洗浄し、MgSOによって乾燥させ、蒸発乾固した。生じた残渣をCHCl:CHOH(15:1)を用いてカラムクロマトグラフィーによって精製して、目的とする生成物を好収量で得た。
【0136】
[実施例11]
カルシウムチャネル遮断活性の評価
電荷担体として、5mMのバリウムを含むラットα1B+αδ+β1bチャネル(N型チャネル)を安定又は過渡的に発現するヒト胎児由来腎臓(human embryonic kidney)細胞の細胞全体のパッチ記録を用いて、拮抗薬活性(antagonist activity)を測定した。P/Q型チャネル(α1A+αδ+β1b cDNAサブユニット)及びL型チャネル(α1C+αδ+β1b cDNAサブユニット)も同様に、HEK293細胞において過渡的に発現させた。
【0137】
過渡的に発現させるため、ヒト胎児由来腎臓細胞、HEK293(ATCC# CRL 1573)等の宿主細胞を、2mMグルタミン及び10%ウシ胎児血清を追加した標準DMEM培地で増殖させた。HEK293細胞を、α1B+β1b+αδN型カルシウムチャネルサブユニットを含む脊椎動物発現ベクターを用いて標準リン酸カルシウム−DNA共沈法(calcium-phosphate-DNA coprecipitation method)によって形質移入した(例えば、分子生物学におけるカレントプロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)参照)。
【0138】
24から72時間のインキュベーション期間後、培地を除去し、外部記録溶液(external recording solution)(以下参照)に取り替えた。細胞全体のパッチクランプ(patch clamp)実験を、pCLAMPソフトウェアを搭載したIBM互換パーソナルコンピュータと接続したAxopatch 200B増幅器(Axon Instruments、バーリンゲーム、カリフォルニア)を用いて行った。硼珪酸ガラスパッチピペット(Sutter Instrument社、 ノヴァト 、カリフォルニア)を、メタンスルホン酸セシウム内部溶液(MMでの組成:109 CsCHSO、4 MgCl、9 EGTA、9 HEPES、pH7.2)で満たされるときの約4MΩの抵抗に合わせて研磨加工(Microforge、成茂、日本)した。細胞を5mM Ba++(mMで:5 BaCl、1 MgCl、10 HEPES、40 塩化テトラエチルアンモニウム、10 グルコース、87.5 CsCl pH7.2)に浸した。示した電流データについては、−100mv及び/又は−80mVから各種電位(最小 −20mV、最大 +30mV)までの0.066Hzでの100msテストパルスの実施によって発生させた。薬剤を、微小灌流系(microperfusion system)を用いて細胞近傍に直接灌流させた。
【0139】
正規化した薬剤応答曲線を、ヒル式にあてはめて(Sigmaplot 4.0、SPSS社、シカゴ、イリノイ)、IC50値を求めた。定常状態不活性化曲線(steady-state inactivation curve)を、+10mV増加の前パルス(prepulse)を5s不活性化した後に、正規化したテストパルス振幅としてプロットした。不活性化曲線を、ボルツマン式、Iピーク(正規化)=1/(1+exp((V−V)z/25.6))にあてはめた(Sigmaplot 4.0)。なお、V及びVは、それぞれ、条件付け及び半不活性電位(half inactivation potential)であり、zは、勾配係数である。。
【0140】
図2は、L型及びP/Q型チャネルと比較したN型カルシウムチャネルに対する化合物P13の選択性を示す。P13は、P/Q型チャネルに比べてN型チャネルに対して約21倍、より選択的であり、L型チャネルに比べてN型チャネルに対して約100倍以上、選択的である。
【0141】
図3は、L型及びP/Q型チャネルと比較したN型カルシウムチャネルに対する化合物P17の選択性を示す。P17は、P/Q型チャネルに比べてN型チャネルに対して約31倍、より選択的であり、L型チャネルに比べてN型チャネルに対して約75倍以上、選択的である。
【0142】
[実施例12]
各種本発明の化合物のN型チャネル遮断活性
下記記載から明白であろうが、実施例1及び2の方法をわずかに変更し、これを続けた。
【0143】
A.HEK細胞の形質転換:
N型チャネル遮断活性を、ラット脳N型カルシウムチャネルサブユニット(α1B+αδ+β1b cDNAサブユニット)を安定的に形質移入したヒト胎児由来腎臓細胞、HEK 293で評価した。一方、N型カルシウムチャネル(α1B+αδ+β1b cDNAサブユニット)、L型チャネル(α1C+αδ+β1b cDNAサブユニット)及びP/Q型チャネル(α1A+αδ+β1b cDNAサブユニット)を、HEC 293細胞において、過渡的に発現させた。簡単には、細胞を、5% COと共に37℃で、10%ウシ胎児血清、200U/mlペニシリン及び0.2mg/mlストレプトマイシンを追加したダルベッコ変法イーグル培地(Dulbecco's modified eagle medium)(DMEM)において培養した。85%集密状態で細胞を、0.25%トリプシン/1mM EDTAを用いて分裂させ、10%集密でカバーガラス上に蒔いた。12時間で培地を交換し、細胞を、標準リン酸カルシウムプロトコル及び適当なカルシウムチャネルcDNAを用いて、過渡的に形質移入させた。新鮮なDMEMをを与え、細胞を28℃/5% COへ移した。細胞を、細胞全体の記録のため、1から2日インキュベートした。
【0144】
B.阻害の測定
細胞全体のパッチクランプ(patch clamp)実験を、pCLAMPソフトウェアを搭載したパーソナルコンピュータと接続したAxopatch 200B増幅器(Axon Instruments、バーリンゲーム、カリフォルニア)を用いて行った。外部並びに内部記録溶液には、それぞれ5mM BaCl、10mM MgCl、10mM HEPES、40mM TEACl、10mM グルコース、87.5mM CsCl(pH7.2)、並びに108mM CsMS、4mM MgCl、9mM EGTA、9mM HEPES(pH7.2)を含有させた。電流を、典型的に、Clampexソフトウェア(Axon Instruments)を用いて、−80mVから+10mVの保持電位から発生させた。典型的には、電流を、まず低周波数刺激(0.067Hz)を用いて発生させ、化合物の投与前に安定化した。その後、化合物を、2〜3分間の低周波数パルスの実施の間、投与して、持続性遮断(tonic block)を評価し、その後、パルス周波数を0.2Hzまで増大させて、周波数依存性遮断(frequency dependent block)を評価した。データを、Clampfit(Axon Instruments)及びSigmaPlot 4.0(Jandel Scientific)を用いて分析した。
【0145】
N型チャネルについて得られた特異的なデータを、以下の表3に示す。
【0146】
[表3]



【0147】
[実施例13]
各種本発明の化合物のT型チャネル遮断活性
標準パッチクランプ技術を用いて、T型電流の遮断剤を同定した。簡単には、前記記載したヒトα1GT型チャネルを安定に発現するHEK株細胞を、全記録(通過(passage)#:4−20、37℃、5% CO)のために用いた。準集密性の細胞を含むプラスチック皿を、外部溶液(以下参照)を含む培養液を交換した後にZEISS AXIOVERT S100のステージ上に配置して、T型電流を得た。細胞全体のパッチを、ピペット(フィラメント付き硼珪酸ガラス、O.D.:1.5mm、I.D.:0.86mm、10cm長)を用いて取得し、〜5MΩの抵抗値でSUTTER P−97プラー(puller)上で製作した(内部溶液については以下参照)。
【0148】
[表4]

【0149】
[表5]

【0150】
不活性化しないプロトコルでは、保持電位を、−110mVに設定し、50msの−40mVでのテストパルスの前に、1秒間、−100mVの前パルスにする。不活性化のプロトコルでは、前パルスを、T型チャネルの約15%を不活性化する1秒間、約−85mVにする。
【0151】

【0152】
テスト化合物を、外部溶液、0.1−0.01% DMSOに溶解させた。〜10分静止後、これらの化合物を、WPIマイクロフィルチュービング(WPI microfil tubing)を用いて細胞に近似した比重で投与した。「不活性化しない(non-inactivated)」前パルスを用いて、化合物の静止遮断を実験した。「不活性化(inactivated)プロトコル」を用いて電位依存性遮断を試験した。しかしながら、以下に示した初期データは、主として、不活性化しないプロトコルのみを用いて得られた。本発明の各種化合物のIC50値を表6に示す。
【0153】
[表6]

【0154】
[実施例14]
ホルマリン誘発疼痛モデル(formalin-induced pain model)における本発明の化合物の活性
くも膜下送達した本発明の化合物のラットホルマリンモデルへの効果を測定した。化合物を再構成して、プロピレングリコールに約10mg/mlの溶液を蓄積させた。275−375g大の8匹のHoltzman雄ラットを、試験品ごとに、無作為に選択した。
【0155】
腹腔内(IP)送達した(intraperitoneally delivered)試験品、媒体対照(プロピレングリコール)及び生理食塩水を含む、下記試験群を用いた:
【0156】
[表7]

【0157】
薬剤送達の開始の前に、ベースライン挙動及びテストデータを得た。試験(テスト)品又は対照品の注射後、選択した時間で、これらのデータを再度収集した。
【0158】
テストの朝に、小さい金属帯(0.5g)を、右後脚にゆるく巻き付けた。ラットを、円柱状のプレキシグラス(Plexiglas)チャンバー内に順応のため最低30分間入れた。試験品(Test Article)又は媒体対照品(Vehicle Control Article)を、ラットの右後脚背面中へのホルマリン注射(50μlの5%ホルマリン)前に、10分間投与した。その後、動物を自動ホルマリン装置(automated formalin apparatus)のチャンバー内に入れ、そこでホルマリン注射した脚の挙動をモニターし、脚の萎縮(flinch)の数を以後60分にわたって分ごとに記録した(Malmberg,A.B.ら、Anesthesiology(1993)79:270−281)。
【0159】
結果を、生理食塩水コントロール=100%である場合の最大可能効果(Maximum Possible Effect)±標準誤差(SEM)として示す。
【0160】
[表8]

【図面の簡単な説明】
【0161】
【図1−1】図1は、本発明の化合物の名称及び構造を図示したものである。
【図1−2】図1は、本発明の化合物の名称及び構造を図示したものである。
【図1−3】図1は、本発明の化合物の名称及び構造を図示したものである。
【図1−4】図1は、本発明の化合物の名称及び構造を図示したものである。
【図1−5】図1は、本発明の化合物の名称及び構造を図示したものである。
【図1−6】図1は、本発明の化合物の名称及び構造を図示したものである。
【図1−7】図1は、本発明の化合物の名称及び構造を図示したものである。
【図1−8】図1は、本発明の化合物の名称及び構造を図示したものである。
【図1−9】図1は、本発明の化合物の名称及び構造を図示したものである。
【図1−10】図1は、本発明の化合物の名称及び構造を図示したものである。
【図1−11】図1は、本発明の化合物の名称及び構造を図示したものである。
【図1−12】図1は、本発明の化合物の名称及び構造を図示したものである。
【図2】図2は、N、P/Q及びL型チャネルに対する化合物P13の選択性を示すグラフである。
【図3】図3は、N、P/Q及びL型チャネルに対する化合物P17の選択性を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全ての立体異性の形態を含む、下記式の化合物又はその塩:

ここで、
Yは、(XA又は(XCR
Wは、CR又はNであり;
−Rは、非妨害性置換基;
nは0−7;
l及びmは、独立して、0又は1;
−Xは、リンカー;
それぞれのAは、独立して、O、N及びSから選択される1以上のヘテロ原子を任意に含む5〜7員の任意に置換した芳香環又は脂肪族環である。
【請求項2】
それぞれのRが、独立して、O、N及びSから選択される1以上のヘテロ原子を任意に含む、任意に置換した低級アルキル(1−6C)、任意に置換した低級アルケニル(2−6C)、又は任意に置換した低級アルキニル(2−6C)であり、或いは無機性置換基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
それぞれのR及びそれぞれの前記任意の置換基が、独立して、ハロ、NO、SO、SO、NO、=O、=NOHであり、nが、0−3である、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
それぞれのRが、独立して、H、低級アルキル、低級アルケニル又はハロである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
それぞれのRが、独立して、H又は低級アルキルである、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
少なくとも一つのRが、Hである、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
が、H、低級アルキル、低級アルケニル、又は低級アシルであり、前記のそれぞれの1以上の炭素が、ヘテロ原子で置換された、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
が、H又はCONCHCHである、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
が、H、アルキル、アルケニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヒドロキシ、アルコキシ、スルフヒドリル、アルキルスルフヒドリル、アミノ又はアルキルアミノである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
が、H、ヒドロキシ又はアルコキシである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
が、Hである、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
それぞれのXが、独立して、任意に置換したアルキレン又はアルケニレン(1−10C)であり、1以上の前記Cが、任意にN又はOで置換されてもよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
前記アルキレン又はアルケニレンが、置換されていないか又は=Oで置換されている、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
前記=Oが、Xが結合した窒素に隣接した炭素に存在する、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
が、独立して、任意に置換したアルキレン(1−10C)又はアルケニレン(2−10C)であり、1以上の前記Cが、任意にN又はOで置換されてもよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
前記アルキレン又はアルケニレンが、置換されていないか又は=Oで置換されている、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
前記=Oが、Xが結合した窒素に隣接した炭素に存在する、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
それぞれのAが、独立して、任意に置換したフェニル、任意に置換したシクロヘキシル、任意に置換した2−、3−又は4−ピリジル、任意に置換したインドリル、任意に置換した2−又は4−ピリミジル、任意に置換したピリダジニル、任意に置換したベンゾトリアゾリル或いは任意に置換したベンズイミダゾリルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
前記置換基が、任意に置換され、1以上のヘテロ原子を炭素の代わりに任意に含む、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール又はアルケニルアリール、或いは無機性置換基である、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
それぞれのAが、独立して、フェニル、シクロヘキシル、ピリジル又はピリミジルである、請求項18に記載の化合物。
【請求項21】
前記置換基のそれぞれが、独立して、ハロ、アルコキシ又はアルキルである、請求項19に記載の化合物。
【請求項22】
下記式の化合物である、請求項1に記載の化合物:

ここで、
それぞれのZ及びZは、独立して、H又は=Oであり;
=H、任意に置換したアルキル、(CRCONR、(CRNR、それぞれのRは、H、低級アルキル又はアリールであり;
n=0−1;
Vは、任意に置換されるアルキル又はフェニル;
Wは、CR又はNR;
は、O、S、N又はNCOであり;並びに
は、独立して1−4のヘテロ原子(ハロ、N、O、又はS)を任意に含むアルキル(1−6C)、アリール(6−10C)又はアリールアルキル(7−16C)である及び/又はハロ、CF、OCF、NO、NR、OR、SR、COR、COOR、CONR、NROCR、又はOOCRである0−3の置換基を表し、二つの置換基は、ヘテロ原子N、S又はOを任意に含む3−7員環を形成してもよく;
それぞれR=H又はアルキル(1−8C)である。
【請求項23】
N−(1−ベンズヒドリル−ピロリジン−3−イルメチル)−3,3−ジフェニル−プロピオンアミド;
1−{3−[(ベンズヒドリル−アミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−3,3−ジフェニル−プロパン−1−オン;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノール]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,4,5−トリメトキシ−ベンズアミン;
{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキシル]−ピロリジン−3−イルメチル}−(3,4,5−トリメトキシ−ベンジル)−アミン;
6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサン酸[1−(3,4,5−トリメトキシ−ベンゾイル)−ピロリジン−3−イルメチル]−アミド;
[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキシル][1−(3,4,5−トリメトキシ−ベンジル)−ピロリジン−3−イルメチル]−アミン;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンズアミド;
4−[({1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキシル]−ピロリジン−3−イルメチル}−アミノ)−メチル]−2,6−ジ−tert−ブチル−フェノール;
6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサン酸[1−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンゾイル)−ピロリジン−3−イルメチル]−アミド;
4−(3−{[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキシルアミノ]−メチル}−ピロリジン−1−イルメチル)−2,6−ジ−tert−ブチル−フェノール;
6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサン酸[1−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシ−ベンゾイル)−ピロリジン−3−イルメチル]−アミド;
[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキシル]−[1−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシ−ベンジル)−ピロリジン−3−イルメチル]アミン;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシ−ベンズアミド;
{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキシル]−ピロリジン−3−イルメチル}−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシ−ベンジル)−アミン;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ−ベンズアミン;
4−[({1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキシル]−ピロリジン−3−イルメチル}−アミノ)−メチル]−2,6−ジブロモ−フェノール;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,5−ジ−tert−ブチル−ベンズアミド;
{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキシル]−ピロリジン−3−イルメチル}−(3,5−ジ−tert−ブチル−ベンジル)−アミン;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキシル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシ−ベンズアミド;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキシル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,4,5−トリメトキシ−ベンズアミド;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキシル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミド;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,5−ジ−tert−ブチル−4−(2−ジメチルアミノ−エトキシ)−ベンズアミド;
6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサン酸{1−[3,5−ジ−tert−ブチル−4−(2−ジメチルアミノ−エトキシ)−ベンゾイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−アミド;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミド
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−4−tert−ブチル−ベンズアミド;
N−{1−[(4−クロロ−フェニル)−フェニル−メチル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,3−ジフェニル−プロピオンアミド;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−2−フェノキシ−アセトアミド;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−2−フェニルスルファニル−アセトアミド;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−2−フェニルアミノ−アセトアミド;
N−[2−({1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−アミノ)−エチル]−3,4,5−トリメトキシ−ベンズアミド;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−2−(2,4−ジフルオロ−フェノキシ)−アセトアミド;
1−(1−ベンズヒドリル−ピロリジン−3−イルメチル)−1−(3,3−ジフェニル−プロピオニル)−3−エチル−尿素;
1−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3−エチル−1−(2−フェニルスルファニル−アセチル)−尿素;
1−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3−エチル−1−(2−フェニルアミノ−アセチル)−尿素;
1−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−1−[2−(2,4−ジフルオロ−フェノキシ)−アセチル]−3−エチル−尿素;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−2−(4−クロロ−フェノキシ)−アセトアミド;
N−{1−[(2−クロロ−フェニル)−フェニル−メトキシ]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,3−ジフェニル−プロピオンアミド;
N−{1−[(3−クロロ−フェニル)−フェニル−メチル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,3−ジフェニル−プロピオンアミド;
3,3−ジフェニル−N−{1−[フェニル−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−メチル]−ピロリジン−3−イルメチル}−プロピオンアミド;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−2−(3,5−ジメチル−フェニルアミノ)−アセトアミド;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−2−(3,5−ジメチル−フェニルアミノ)−アセトアミド;
R−N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシ−ベンズアミド;
S−N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシ−ベンズアミド;
R−N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,5−ジ−tert−ブチル−ベンズアミド;
S−N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,5−ジ−tert−ブチル−ベンズアミド;
N−(1−ベンズヒドリル−ピロリジン−3−イルメチル)−2−ジフェニルアミノ−アセトアミド;
2−{(1−ベンズヒドリル−ピロリジン−3−イルメチル)−[(ジフェニルカルバモイル)−メチル]−アミノ}−N,N−ジフェニル−アセトアミド;
1−ベンズヒドリル−3−(1−ベンズヒドリル−ピロリジン−3−イルメチル)−尿素;
S−N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミド;
R−N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミド;
3,3−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−N−{1−[(4−フルオロ−フェニル)−フェニル−メチル]−ピロリジン−3−イルメチル}−プロピオンアミド;
N−(1−ベンズヒドリル−ピロリジン−3−イルメチル)−3,3−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−プロピオンアミド;
N−{1−[(4−tert−ブチル−フェニル)−フェニル−メチル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,3−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−プロピオンアミド;
N−(1−ベンズヒドリル−ピロリジン−3−イルメチル)−N−メチル−3,3−ジフェニル−プロピオンアミド;
2−[(1−ベンズヒドリル−ピロリジン−3−イルメチル)−メチル−アミノ]−N,N−ジフェニル−アセトアミド;
N−(1−ベンズヒドリル−ピロリジン−3−イルメチル)−N−メチル−N’,N’−ジフェニル−エタン−1,2−ジアミン;
(1−ベンズヒドリル−ピロリジン−3−イルメチル)−(3,3−ジフェニル−プロピル)−メチル−アミン;
1−(3−{[3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル]−メチル−アミノ}−ピロリジン−1−イル)−6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサン−1−オン;
6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−1−(3−{[メチル−(3,4,5−トリメトキシ−ベンジル)−アミノ]−メチル}−ピロリジン−1−イル)−ヘキサン−1−オン;
N−(1−ベンズヒドリル−ピロリジン−3−イルメチル)−N−(2−ジフェニルアミノ−エチル)−N’,N’−ジフェニルアミノ−エタン−1,2−ジアミン;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンズアミド;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−ベンズアミド;又は
[3−({[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキシル]−メチル−アミノ}−メチル)−ピロリジン−1−イル]−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−メタノン
である、請求項1に記載の化合物。
【請求項24】
被検体において好ましくないカルシウムチャネル活性と関連した状態を治療する方法であって、請求項1に記載の化合物又はその医薬組成物を、そのような治療を必要とする被検体に投与することを含む方法。
【請求項25】
好ましくないカルシウムチャネル活性に特徴がある状態の治療用医薬組成物であって、製薬学的に許容できる賦形剤と混合させて、ある投与量の請求項1に記載の化合物を含む組成物。
【請求項26】
そのような状態が、N型カルシウムチャネル活性と関連する請求項24に記載の方法。
【請求項27】
そのような状態が、神経因性疼痛、糖尿病性末梢神経障害、ヘルペス後の神経痛、三叉神経痛、AIDS関連神経障害、癌疼痛、炎症性疼痛、変形性関節炎痛、慢性関節リウマチ痛及び線維筋痛等の慢性痛状態;急性痛;侵害受容性疼痛;手術後の疼痛;感情障害;全身性不安症、社会不安症、パニック障害、強迫性障害、心的外傷後ストレス症候群等の不安症;うつ病;コカイン依存症及び禁断症状、オピオイド依存症及び禁断症状、アルコール依存症及び禁断症状並びにニコチン依存症及び禁断症状等の中毒症;炎症性腸疾患及び過敏性腸症候群等の胃腸障害;或いは 尿失禁、間質性大腸炎及び性的機能不全等の尿生殖器障害から選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
そのような状態が、T型カルシウムチャネル活性と付随している、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
そのような状態が、高血圧症、不整脈、心房細動うっ血性心不全、狭心症等の循環器疾患;部分発作、側頭葉癲癇、欠神発作、全身性発作、持続性/慢性発作等の癲癇状態;糖尿病、癌、慢性痛状態、神経因性疼痛、糖尿病性末梢神経障害、ヘルペス後の神経痛、三叉神経痛、AIDS関連神経障害、癌疼痛、炎症性疼痛、変形性関節炎痛、慢性関節リウマチ痛及び線維筋痛;急性痛;侵害受容性疼痛及び手術後の疼痛から選択される、請求項28に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
全ての立体異性の形態を含む、下記式の化合物又はその塩:

ここで、
Yは、(XA又は(XCR
Wは、CR又はNであり;
それぞれのRは、ハロ、OR、NR、SR、SOR、SOR、OCOR、NRCOR、CRCONR、NRCOOR、RCO、COOR、NRSOR、NRSOR、SOR、CONR、SONR、CN、CF、NO、任意に置換した低級アルキル(1−6C)、任意に置換した低級アルケニル(2−6C)、及び任意に置換した低級アルキニル(2−6C)からなる群から独立して選択される非妨害性置換基で、これらの置換基のそれぞれは、N、O及びSから選択される1以上のヘテロ原子を任意に含んでもよく、それぞれのRは、独立して、H又はアルキル(1−8C)であり、一緒に選択される二つのRは、=NOHとなってもよく;
それぞれのRは、独立して、H、任意に置換した低級アルキル、任意に置換した低級アルケニル、又はハロ;
それぞれのRは、H、或いは低級アルキル、低級アルケニル、又は低級アシルで、これらのそれぞれは、任意に置換され、N、O及びSから選択されるヘテロ原子で置換された1以上の炭素を任意に含み;
は、H、アルキル、アルケニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヒドロキシ、アルコキシ、スルフヒドリル、アルキルスルフヒドリル、アミノ、又はアルキルアミノ;
nは0−7;
l及びmは、独立して、0又は1;
は、任意に置換され、N、O又はSで置換された1以上の炭素を任意に含む、1から10員のアルキレン又はアルケニレン;
は、任意に置換され、N、O又はSで置換された1以上の炭素を任意に含む、1から10員のアルキレン又はアルケニレン;
それぞれのAは、独立して、O、N及びSから選択される1以上のヘテロ原子を任意に含む5〜7員の任意に置換した芳香環又は脂肪族環である。
【請求項2】
式(1)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式(2)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
それぞれのRが、独立して、H又は低級アルキルである、請求項1〜3の何れかに記載の化合物。
【請求項5】
が、H、低級アルキル、又は低級アシルであり、前記低級アルキル又は低級アシルのそれぞれが、N、O、又はSで置換された1以上の炭素を任意に含む、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
が、CONCHCHである、請求項1〜5の何れかに記載の化合物。
【請求項7】
が、H、ヒドロキシ、又はアルコキシである、請求項1〜6の何れかに記載の化合物。
【請求項8】
が、置換されていないか又は=Oで置換されている、請求項1〜7の何れかに記載の化合物。
【請求項9】
前記=Oが、Xが結合した窒素に隣接した炭素に存在する、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
が、置換されていないか又は=Oで置換されている、請求項1〜9の何れかに記載の化合物。
【請求項11】
前記=Oが、Xが結合した窒素に隣接した炭素に存在する、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
それぞれのAが、独立して、任意に置換したフェニル、任意に置換したシクロヘキシル、任意に置換した2−、3−又は4−ピリジル、任意に置換したインドリル、任意に置換した2−又は4−ピリミジル、任意に置換したピリダジニル、任意に置換したベンゾトリアゾリル或いは任意に置換したベンズイミダゾリルである、請求項1〜11の何れかに記載の化合物。
【請求項13】
それぞれのAが、独立して、フェニル、シクロヘキシル、ピリジル又はピリミジルであり、これらのそれぞれが任意に置換されている、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
少なくとも一つのAが、任意に置換したフェニル又は任意に置換したシクロヘキシルである、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
下記式の化合物である、請求項1に記載の化合物:

ここで、
それぞれのZ及びZは、独立して、H又は=Oであり;
=H、任意に置換したアルキル、(CRCONR、(CRNR、それぞれのRは、H、低級アルキル又はアリールであり;
n=0−1;
Vは、任意に置換されるアルキル又はフェニル;
Wは、CR又はNR;
は、O、S、N又はNCOであり;並びに
は、独立して1−4のヘテロ原子(ハロ、N、O、又はS)を任意に含むアルキル(1−6C)、アリール(6−10C)又はアリールアルキル(7−16C)である及び/又はハロ、CF、OCF、NO、NR、OR、SR、COR、COOR、CONR、NROCR、又はOOCRである0−3の置換基を表し、二つの置換基は、ヘテロ原子N、S又はOを任意に含む3−7員環を形成してもよく;
それぞれR=H又はアルキル(1−8C)である。
【請求項16】
N−(1−ベンズヒドリル−ピロリジン−3−イルメチル)−3,3−ジフェニル−プロピオンアミド;
1−{3−[(ベンズヒドリル−アミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−3,3−ジフェニル−プロパン−1−オン;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノール]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,4,5−トリメトキシ−ベンズアミン;
{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキシル]−ピロリジン−3−イルメチル}−(3,4,5−トリメトキシ−ベンジル)−アミン;
6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサン酸[1−(3,4,5−トリメトキシ−ベンゾイル)−ピロリジン−3−イルメチル]−アミド;
[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキシル][1−(3,4,5−トリメトキシ−ベンジル)−ピロリジン−3−イルメチル]−アミン;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノール]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンズアミド;
4−[({1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキシル]−ピロリジン−3−イルメチル}−アミノ)−メチル]−2,6−ジ−tert−ブチル−フェノール;
6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサン酸[1−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンゾイル)−ピロリジン−3−イルメチル]−アミド;
4−(3−{[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキシルアミノ]−メチル}−ピロリジン−1−イルメチル)−2,6−ジ−tert−ブチル−フェノール;
6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサン酸[1−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシ−ベンゾイル)−ピロリジン−3−イルメチル]−アミド;
[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキシル]−[1−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシ−ベンジル)−ピロリジン−3−イルメチル]アミン;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシ−ベンズアミド;
{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキシル]−ピロリジン−3−イルメチル}−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシ−ベンジル)−アミン;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ−ベンズアミン;
4−[({1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキシル]−ピロリジン−3−イルメチル}−アミノ)−メチル]−2,6−ジブロモ−フェノール;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,5−ジ−tert−ブチル−ベンズアミド;
{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキシル]−ピロリジン−3−イルメチル}−(3,5−ジ−tert−ブチル−ベンジル)−アミン;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキシル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシ−ベンズアミド;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキシル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,4,5−トリメトキシ−ベンズアミド;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキシル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミド;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,5−ジ−tert−ブチル−4−(2−ジメチルアミノ−エトキシ)−ベンズアミド;
6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサン酸{1−[3,5−ジ−tert−ブチル−4−(2−ジメチルアミノ−エトキシ)−ベンゾイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−アミド;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミド
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−4−tert−ブチル−ベンズアミド;
N−{1−[(4−クロロ−フェニル)−フェニル−メチル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,3−ジフェニル−プロピオンアミド;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−2−フェノキシ−アセトアミド;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−2−フェニルスルファニル−アセトアミド;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−2−フェニルアミノ−アセトアミド;
N−[2−({1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−アミノ)−エチル]−3,4,5−トリメトキシ−ベンズアミド;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−2−(2,4−ジフルオロ−フェノキシ)−アセトアミド;
1−(1−ベンズヒドリル−ピロリジン−3−イルメチル)−1−(3,3−ジフェニル−プロピオニル)−3−エチル−尿素;
1−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3−エチル−1−(2−フェニルスルファニル−アセチル)−尿素;
1−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3−エチル−1−(2−フェニルアミノ−アセチル)−尿素;
1−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−1−[2−(2,4−ジフルオロ−フェノキシ)−アセチル]−3−エチル−尿素;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−2−(4−クロロ−フェノキシ)−アセトアミド;
N−{1−[(2−クロロ−フェニル)−フェニル−メトキシ]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,3−ジフェニル−プロピオンアミド;
N−{1−[(3−クロロ−フェニル)−フェニル−メチル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,3−ジフェニル−プロピオンアミド;
3,3−ジフェニル−N−{1−[フェニル−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−メチル]−ピロリジン−3−イルメチル}−プロピオンアミド;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−2−(3,5−ジメチル−フェニルアミノ)−アセトアミド;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−2−(3,5−ジメチル−フェニルアミノ)−アセトアミド;
R−N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシ−ベンズアミド;
S−N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシ−ベンズアミド;
R−N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,5−ジ−tert−ブチル−ベンズアミド;
S−N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,5−ジ−tert−ブチル−ベンズアミド;
N−(1−ベンズヒドリル−ピロリジン−3−イルメチル)−2−ジフェニルアミノ−アセトアミド;
2−{(1−ベンズヒドリル−ピロリジン−3−イルメチル)−[(ジフェニルカルバモイル)−メチル]−アミノ}−N,N−ジフェニル−アセトアミド;
1−ベンズヒドリル−3−(1−ベンズヒドリル−ピロリジン−3−イルメチル)−尿素;
S−N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミド;
R−N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンズアミド;
3,3−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−N−{1−[(4−フルオロ−フェニル)−フェニル−メチル]−ピロリジン−3−イルメチル}−プロピオンアミド;
N−(1−ベンズヒドリル−ピロリジン−3−イルメチル)−3,3−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−プロピオンアミド;
N−{1−[(4−tert−ブチル−フェニル)−フェニル−メチル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3,3−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−プロピオンアミド;
N−(1−ベンズヒドリル−ピロリジン−3−イルメチル)−N−メチル−3,3−ジフェニル−プロピオンアミド;
2−[(1−ベンズヒドリル−ピロリジン−3−イルメチル)−メチル−アミノ]−N,N−ジフェニル−アセトアミド;
N−(1−ベンズヒドリル−ピロリジン−3−イルメチル)−N−メチル−N’,N’−ジフェニル−エタン−1,2−ジアミン;
(1−ベンズヒドリル−ピロリジン−3−イルメチル)−(3,3−ジフェニル−プロピル)−メチル−アミン;
1−(3−{[3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル]−メチル−アミノ}−ピロリジン−1−イル)−6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサン−1−オン;
6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−1−(3−{[メチル−(3,4,5−トリメトキシ−ベンジル)−アミノ]−メチル}−ピロリジン−1−イル)−ヘキサン−1−オン;
N−(1−ベンズヒドリル−ピロリジン−3−イルメチル)−N−(2−ジフェニルアミノ−エチル)−N’,N’−ジフェニルアミノ−エタン−1,2−ジアミン;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンズアミド;
N−{1−[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキサノイル]−ピロリジン−3−イルメチル}−4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−ベンズアミド;又は
[3−({[6,6−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−ヘキシル]−メチル−アミノ}−メチル)−ピロリジン−1−イル]−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−メタノン
である、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
好ましくないカルシウムチャネル活性に特徴がある状態を治療するための医薬組成物であって、製薬学的に許容できる賦形剤と混合させて、ある投与量の請求項1〜16の何れかに記載の化合物を含む組成物。
【請求項18】
被検体において好ましくないカルシウムチャネル活性と関連した状態を治療する方法であって、請求項1〜16の何れかに記載の化合物又はその医薬組成物を、そのような治療を必要とする被検体に投与することを含む方法。
【請求項19】
そのような状態が、N型カルシウムチャネル活性と関連する請求項18に記載の方法。
【請求項20】
そのような状態が、神経因性疼痛、糖尿病性末梢神経障害、ヘルペス後の神経痛、三叉神経痛、AIDS関連神経障害、癌疼痛、炎症性疼痛、変形性関節炎痛、慢性関節リウマチ痛及び線維筋痛等の慢性痛状態;急性痛;侵害受容性疼痛;手術後の疼痛;感情障害;全身性不安症、社会不安症、パニック障害、強迫性障害、心的外傷後ストレス症候群等の不安症;うつ病;コカイン依存症及び禁断症状、オピオイド依存症及び禁断症状、アルコール依存症及び禁断症状並びにニコチン依存症及び禁断症状等の中毒症;炎症性腸疾患及び過敏性腸症候群等の胃腸障害;或いは 尿失禁、間質性大腸炎及び性的機能不全等の尿生殖器障害から選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
そのような状態が、T型カルシウムチャネル活性と関連する請求項18に記載の方法。
【請求項22】
そのような状態が、高血圧症、不整脈、心房細動うっ血性心不全、狭心症等の循環器疾患;部分発作、側頭葉癲癇、欠神発作、全身性発作、持続性/慢性発作等の癲癇状態;糖尿病、癌、慢性痛状態、神経因性疼痛、糖尿病性末梢神経障害、ヘルペス後の神経痛、三叉神経痛、AIDS関連神経障害、癌疼痛、炎症性疼痛、変形性関節炎痛、慢性関節リウマチ痛及び線維筋痛;急性痛;侵害受容性疼痛及び手術後の疼痛から選択される、請求項21に記載の方法。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図1−3】
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【図1−4】
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【図1−5】
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【図1−6】
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【図1−7】
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【図1−8】
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【図1−9】
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【図1−10】
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【図1−11】
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【図1−12】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−526000(P2006−526000A)
【公表日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−508090(P2006−508090)
【出願日】平成16年5月28日(2004.5.28)
【国際出願番号】PCT/CA2004/000797
【国際公開番号】WO2004/105750
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(505257567)ニューロームド テクノロジーズ、インク. (5)
【Fターム(参考)】