説明

PLL周波数シンセサイザ

【課題】低位相雑音特性を満足しつつ任意の周波数の信号を出力可能なPLL周波数シンセサイザを提供することを目的とする。
【解決手段】出力周波数の比較周波数を設定するPLL制御ループ内の混合手段としてサンプリングフェーズディテクタ20を用い、サンプリングフェーズディテクタ20をハーモニックス・ダウンコンバータとして動作させることにより上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PLL周波数シンセサイザに係り、特にマイクロ波帯やミリ波帯の周波数において任意の周波数の信号を出力するPLL周波数シンセサイザに関する。
【背景技術】
【0002】
放送用機器や無線通信機器では、ベースバンド信号や中間周波数信号(Intermediate Frequency:以下、IF信号という)を無線周波数帯に変換する、或いはその逆の操作を行なうため、アップコンバータやダウンコンバータなどの周波数変換器を備えている。また、周波数変換器のローカル信号源には、チャンネル設定の容易さからPLL(Phase Locked Loop)周波数シンセサイザが使用されている。
【0003】
誘電体発振器(Dielectric Resonator Oscillators:DRO)及び電圧制御誘電体発振器(Voltage Controlled Dielectric Resonator Oscillators:VCDRO)は、その電気的特性や物理的特性に優れることからマイクロ波帯での単一周波数発振器として使用されている。
【0004】
図5は従来のPLL周波数シンセサイザの一例を示すブロック図である。図5のPLL周波数シンセサイザは、基準信号発生器101,高次ハーモニックス発生器102,位相比較器103,合成器104,ループアンプ105,VCDRO106,方向性結合器107及びサーチ回路108を備えている。
【0005】
図5に示すように、VCDRO106は水晶発振器等の基準信号の整数倍の高次ハーモニックス周波数に位相同期させた位相同期型のDRO,すなわちPDRO(Phase−locked DRO)として高い周波数安定度の単一周波数発振器として供用されている。
【0006】
図5と同様の原理に基づいた技術として、高次ハーモニックス周波数の発生にコムジェネレータを用い、VCDRO106の代わりに電圧制御発振器(VCXO:Voltage Controlled Crystal Oscillator)を用いるものがある(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−267917号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図5に示した構成において、VCDRO106は基準信号の高次ハーモニックス周波数の整数倍に位相同期させる為、出力周波数が基準信号の発振周波数(基準発振周波数)の整数倍に限定されるという問題があった。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、低位相雑音特性を満足しつつ任意の周波数の信号を出力可能なPLL周波数シンセサイザを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明のPLL周波数シンセサイザは、出力周波数の比較周波数を設定するPLL制御ループ内の混合手段としてサンプリングフェーズディテクタを用い、前記サンプリングフェーズディテクタをハーモニックス・ダウンコンバータとして動作させることを特徴とする。
【0010】
本発明では、サンプリングフェーズディテクタをハーモニックス・ダウンコンバータとして動作させることにより低位相雑音特性を有するPLL周波数シンセサイザを実現できる。また、本発明ではマイクロ波帯やミリ波帯の周波数において、低位相雑音特性を満足しつつ任意の周波数の信号を出力するPLL周波数シンセサイザを実現できる。
【0011】
なお、本発明の構成要素、表現、構成要素の任意の組合せを、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、記録媒体、データ構造などに適用したものも本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、低位相雑音特性を満足しつつ任意の周波数の信号を出力可能なPLL周波数シンセサイザを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明を実施するための最良の形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明していく。
【0014】
図1は本発明のPLL周波数シンセサイザの一例を示すブロック図である。図1のPLL周波数シンセサイザは、基準発振器10,PLLデバイス12,ループフィルタ14,VCDRO16,方向性結合器18,サンプリングフェーズディテクタ20,ローパスフィルタ22,周波数逓倍器24及びプログラム26から構成される。また、PLLデバイス12はN−カウンタ及びR−カウンタ並びに位相比較器で構成される。
【0015】
次に、本発明のPLL周波数シンセサイザの動作について説明する。VCDRO16は所定の周波数信号17を出力し、方向性結合器18を介して出力周波数fの信号25を出力する。更に、VCDRO16は方向性結合器18を介して出力周波数fの信号19を出力する。信号19は、サンプリングフェーズディテクタ20のミキサー部(混合器)へ入力される。
【0016】
一方、水晶発振器またはルビジウム発振器等で構成される基準発振器10は基準発振周波数fの信号11を出力する。基準発振周波数fの信号11は2分配されており、一方がPLLデバイス12に、もう一方が周波数逓倍器24に接続される。
【0017】
周波数逓倍器24によって逓倍された周波数信号はサンプリングフェーズディテクタ20のコムジェネレータ部(高次高周波発生部)へ入力され、所定のレベルの高調波を発生させる。このサンプリングフェーズディテクタ20のコムジェネレータ部で発生した高周波信号と、VCDRO16から方向性結合器18を介して入力される信号19とはサンプリングフェーズディテクタ20のミキサー部で混合され、これら2つの信号の差,和及びそれぞれの高調波の和,差等の種々の周波数成分を含んだIF(中間周波数)信号21を生ずる。
【0018】
IF信号21はローパスフィルタ22へ入力される。ローパスフィルタ22はIF信号21に含まれる最も低い周波数成分のIF信号23を通過させる。IF信号23は、PLLデバイス12のN−カウンタへ入力される。なお、N−カウンタは入力信号をN分周する回路である。
【0019】
一方、PLLデバイス12のR−カウンタは基準発振周波数fの信号11が入力される。このR−カウンタは入力信号をR分周する回路である。N−カウンタとR−カウンタとは、プログラム26の制御に従って、分周数Nおよび分周数Rに、それぞれ所定の値が設定される。
【0020】
N−カウンタとR−カウンタとは、分周数Nに基づいてIF信号23をN分周すると共に、分周数Rに基づいて信号11をR分周することで、位相比較周波数fの信号を生成し、PLLデバイス12内の位相比較器に夫々入力する。この位相比較器の出力,すなわちPLLデバイス12の出力信号13は誤差信号としてループフィルタ14を経由し、制御電圧Vの信号15としてVCDRO16の制御端子に入力される。
【0021】
図2は、本発明のPLL周波数シンセサイザの動作を説明する為の一例の図である。図2のPLL周波数シンセサイザは図1のPLL周波数シンセサイザの構成と同一部分に同一符号を付している。PLL周波数シンセサイザは、VCDRO16の出力周波数fが基準発振周波数fに位相同期するように、VCDRO16の制御電圧Vの信号を制御する。PLL周波数シンセサイザは、PLLの動作原理に従って位相引き込みを行い、さらに位相を同期させる。
【実施例1】
【0022】
図3は、本発明のPLL周波数シンセサイザの一実施例を示したブロック図である。図3では、一例として8GHzバンドに適用したPLL周波数シンセサイザのブロック図を示している。なお、図3のブロック図では図1と同じ機能を有する構成要素に同一符号を付している。
【0023】
図3のPLL周波数シンセサイザは、増幅器27,増幅器28,アイソレータ29が追加されている点で図1のPLL周波数シンセサイザと異なっている。アイソレータ29は、増幅器28を保護する目的で挿入されている。アイソレータ29は高周波信号を一方向(増幅器28から出力端子の方向)に伝達する機能を持っている。
【0024】
図4は、出力周波数とIF周波数との関係を示す図である。図3のVCDRO16の中心周波数は、出力周波数f=8000〜8070MHzの範囲を電気的および機械的に可変することができるものとする。
【0025】
例えば具体的なパラメータとして、基準発振周波数f=10MHz,出力周波数f=8000MHzとし、出力周波数fのステップを1MHzで可変させる場合は、プログラム26によってPLLデバイス12のR−カウンタの値を10に、N−カウンタの値を30に設定する。この場合、位相比較周波数fは1MHzとなる。
【0026】
一方、基準発振器10から出力される基準発振周波数fの信号は、周波数逓倍器24により11逓倍され、周波数110MHzの信号となる。この周波数110MHzの信号は、サンプリングフェーズディテクタ20のコムジェネレータ部に入力され、多数の高次ハーモニックスを発生させる。これらの高次ハーモニックスはサンプリングフェーズディテクタ20の混合器に入力される。
【0027】
また、VCDRO16から出力された出力周波数f=8000MHzの信号は方向性結合器18を介してサンプリングフェーズディテクタ20の混合器に入力される。サンプリングフェーズディテクタ20の混合器では、サンプリングフェーズディテクタ20のコムジェネレータ部で発生した高次ハーモニックスとVCDRO16から出力された出力周波数f=8000MHzの信号とを混合して多数のIF周波数を発生させる。
【0028】
このIF周波数のうち最も低いIF周波数としては、73番目の高調波(110MHz×73)である8030MHzと、VCDRO16から出力された出力周波数f=8000MHzとの差によって生じる30MHzの信号がある。2番目に低いIF周波数としては、72番目の高調波(110MHz×72)である7920MHzと、VCDRO16から出力された出力周波数f=8000MHzとの差によって生じる80MHzの信号がある。
【0029】
ローパスフィルタ22のカットオフ周波数fを50MHzに設定しておけば最も低いIF周波数である30MHzのみを通過させることができる。この30MHzの信号は、増幅器27を介してPLLデバイス12のN−カウンタに入力される。
【0030】
PLLデバイス12ではN−カウンタの値は30に設定されているので、30MHzのIF周波数が30分周され、周波数1MHzの信号を得る。従って、基準発振周波数f=10MHzが10分周された周波数1MHzの基準信号と30MHzのIF周波数が30分周された周波数1MHzの参照信号とがPLLデバイス12内の位相比較器で位相比較され、その結果、基準信号と参照信号との位相差に比例した誤差電圧(誤差信号)が出力される。誤差電圧は、ループフィルタ14を介してVCDRO16の制御端子に入力される。VCDRO16は誤差電圧がゼロとなるように出力周波数fを制御する。
【0031】
以上のPLL動作により、VCDRO16の出力周波数f=8000MHzは基準発振周波数f=10MHzに位相同期する。
【0032】
次に、VCDRO16の出力周波数fを1MHzステップアップさせて出力周波数f=8001MHzとした場合について説明する。例えば具体的なパラメータとして、基準発振周波数f=10MHz,出力周波数f=8001MHzとし、出力周波数fのステップを1MHzで可変させる場合は、プログラム26によってPLLデバイス12のR−カウンタの値を10に、N−カウンタの値を29に設定する。この場合、位相比較周波数fは1MHzとなる。
【0033】
一方、基準発振器10から出力される基準発振周波数fの信号は、周波数逓倍器24により11逓倍され、周波数110MHzの信号となる。この周波数110MHzの信号は、サンプリングフェーズディテクタ20のコムジェネレータ部に入力され、多数の高次ハーモニックスを発生させる。これらの高次ハーモニックスはサンプリングフェーズディテクタ20の混合器に入力される。
【0034】
また、VCDRO16から出力された出力周波数f=8001MHzの信号は方向性結合器18を介してサンプリングフェーズディテクタ20の混合器に入力される。サンプリングフェーズディテクタ20の混合器では、サンプリングフェーズディテクタ20のコムジェネレータ部で発生した高次ハーモニックスとVCDRO16から出力された出力周波数f=8001MHzの信号とを混合して多数のIF周波数を発生させる。
【0035】
このIF周波数のうち最も低いIF周波数としては、73番目の高調波(110MHz×73)である8030MHzと、VCDRO16から出力された出力周波数f=8001MHzとの差によって生じる29MHzの信号がある。2番目に低いIF周波数としては、72番目の高調波(110MHz×72)である7920MHzと、VCDRO16から出力された出力周波数f=8001MHzとの差によって生じる81MHzの信号がある。
【0036】
ローパスフィルタ22のカットオフ周波数fを50MHzに設定しておけば最も低いIF周波数である29MHzのみを通過させることができる。この29MHzの信号は、増幅器27を介してPLLデバイス12のN−カウンタに入力される。
【0037】
PLLデバイス12ではN−カウンタの値は29に設定されているので、29MHzのIF周波数が29分周され、周波数1MHzの信号を得る。従って、基準発振周波数f=10MHzが10分周された周波数1MHzの基準信号と29MHzのIF周波数が29分周された周波数1MHzの参照信号とがPLLデバイス12内の位相比較器で位相比較され、その結果、基準信号と参照信号との位相差に比例した誤差電圧(誤差信号)が出力される。誤差電圧は、ループフィルタ14を介してVCDRO16の制御端子に入力される。VCDRO16は誤差電圧がゼロとなるように出力周波数fを制御する。
【0038】
以上のPLL動作により、VCDRO16の出力周波数f=8001MHzは基準発振周波数f=10MHzに位相同期する。同様に、VCDRO16の出力周波数f=8000〜8070MHzの範囲を1MHzステップで可変させた場合の出力周波数fとIF周波数との関係は図4に示した通りである。
【0039】
図4のIF周波数の欄は、最も低いIF周波数と2番目に低いIF周波数とを示している。なお、ローパスフィルタ22は、最も低いIF周波数と2番目に低いIF周波数とのうち、最も低いIF周波数のみを通過させる。そこで、図4のIF周波数の欄では最も低いIF周波数,言い換えれば使用されているIF周波数に丸印を付している。
【0040】
出力周波数fと高次ハーモニックスの周波数とが一致する場合は、注意すべき点がある。例えば出力周波数f=8030MHzに設定する場合、73番目の高調波(110MHz×73)である8030MHzと一致する。このとき出力されるIF周波数は設定した位相比較周波数fである1MHzを下回り不都合が生じる。
【0041】
この対策としては、周波数逓倍器24の出力を110MHzだけでなく、100MHz及び110MHzの2種類を用意しておく。100MHzを使用した場合は図4に示すように、80番目の高調波である8000MHzと、81番目の高調波である8100MHzとが、サンプリングフェーズディテクタ20の混合器に入力される。
【0042】
したがって、最も低いIF周波数は30MHzとなる。また、2番目に低いIF周波数は70MHzとなる。これにより、IF周波数が位相比較周波数fである1MHzを下回るという不都合は解消され、出力周波数fの設定範囲を拡大することができる。
【0043】
以上述べた方法により、基準発振周波数fの10倍の周波数(10f)及び11倍の周波数(11f)のそれぞれP倍及びQ倍の高次ハーモニックスと出力周波数fとの混合から発生するIF周波数は、最も低いIF周波数が40MHz以下となり、且つ、2番目に低いIF周波数が61MHz以上となるように選定している。
【0044】
したがって、カットオフ周波数fを50MHzに設定したローパスフィルタ22により、不要な他の全てのIF周波数、高次ハーモニックスは除去され、スプリアスを発生させない。好適には、カットオフ周波数fは最も低いIF周波数と2番目に低いIF周波数との中間値に設定する。
【0045】
本発明では、周波数逓倍器24の逓倍数を2種類用意することにより、1種類のカットオフ周波数を持つローパスフィルタ22が使用でき、効率良く一番低いIF周波数のみを通過させることが可能となっている。また、ローパスフィルタ22は1個だけで済むので、ハードウェアの簡略化にも役立つ。
【0046】
次に、位相雑音特性について考察する。出力周波数f=8000MHzにおける位相雑音レベルは以下のように計算される。まず、PLLデバイス12のノイズフロアレベルと基準発振器10の位相雑音レベルとが以下の値であると仮定する。
【0047】
【数1】

このように、PLLの分周によって生じる雑音レベル(−122.9dBc/Hz)は、基準発振周波数の逓倍によって生じる雑音レベル(−101.9dBc/Hz)に比べて無視できる値である。従って、基準発振周波数fの逓倍次数803による劣化量が支配的であり、この値が本発明のPLL周波数シンセサイザの位相雑音レベルを決定し、−101.9dBc/Hzの設計値を得る。この設計値は、従来の単一周波数発振器として供用されているPDROと同一値である。
【0048】
このように、PLLの分周によって生じる雑音レベルは基準発振周波数の逓倍によって生じる雑音レベルに比べて20dB以下の値とすることができる。この結果、PLL周波数シンセサイザを用いたことによる位相雑音の増加は極めて低い値となる。従って、本発明を用いることにより、単一周波数発振器と同等の低位相雑音特性を実現でき、且つ周波数を任意に設定することも可能となる。
【0049】
また、先に述べたように、周波数逓倍器24の逓倍数を2種類用意することにより、1種類のカットオフ周波数を持つローパスフィルタが使用でき、効率良くスプリアス成分を除去できる。従って、本発明を用いることにより、低スプリアス特性も同時に実現できる。
【0050】
以上により、本発明はマイクロ波帯やミリ波帯におけるPLL周波数シンセサイザとして、低位相雑音特性と低スプリアス特性とを実現できる技術として有用である。
【0051】
本発明は、具体的に開示された実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。例えば本発明のPLL周波数シンセサイザは放送用機器や無線通信機器に使用できる。本発明のPLL周波数シンセサイザを周波数変換器のローカル信号源に使用した放送用機器や無線通信機器は、マイクロ波帯やミリ波帯において低位相雑音特性および低スプリアス特性を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明のPLL周波数シンセサイザの一例を示すブロック図である。
【図2】本発明のPLL周波数シンセサイザの動作を説明する為の一例の図である。
【図3】本発明のPLL周波数シンセサイザの一実施例を示したブロック図である。
【図4】出力周波数とIF周波数との関係を示す図である。
【図5】従来のPLL周波数シンセサイザの一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0053】
10 基準発振器
12 PLLデバイス
14 ループフィルタ
16 VCDRO(電圧制御誘電体発振器)
18 方向性結合器
20 SPD(サンプリングフェーズディテクタ)
22 LPF(ローパスフィルタ)
24 周波数逓倍器
26 プログラム
27,28 増幅器
29 アイソレータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力周波数の比較周波数を設定するPLL制御ループ内の混合手段としてサンプリングフェーズディテクタを用い、
前記サンプリングフェーズディテクタをハーモニックス・ダウンコンバータとして動作させることを特徴とするPLL周波数シンセサイザ。
【請求項2】
前記サンプリングフェーズディテクタは、前記出力周波数の信号と基準発振周波数の信号に基づく信号とを混合してローパスフィルタに出力し、
前記ローパスフィルタは、前記サンプリングフェーズディテクタから出力された信号のうち最も低いIF周波数を通過させ、前記比較周波数として出力することを特徴とする請求項1記載のPLL周波数シンセサイザ。
【請求項3】
前記基準発振周波数を出力する基準発振器と前記サンプリングフェーズディテクタとの間に設けられた周波数逓倍器の逓倍数を少なくとも2種類以上持ち、最も低いIF周波数と2番目に低いIF周波数とを、PLLデバイスのN−カウンタの値を調整することにより設定し、最も低いIF周波数が前記ローパスフィルタを通過するようにして、低スプリアス特性を実現することを特徴とする請求項2記載のPLL周波数シンセサイザ。
【請求項4】
前記ローパスフィルタは、1種類のカットオフ周波数を持つことを特徴とする請求項3記載のPLL周波数シンセサイザ。
【請求項5】
前記ローパスフィルタは、最も低いIF周波数と2番目に低いIF周波数との中間値にカットオフ周波数が設定されていることを特徴とする請求項4記載のPLL周波数シンセサイザ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−134833(P2007−134833A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−324197(P2005−324197)
【出願日】平成17年11月8日(2005.11.8)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【出願人】(505415558)株式会社システックリサーチインク (3)
【Fターム(参考)】