説明

PPARタイプ受容体の活性化剤である3‐フェニルアクリル酸の新規誘導体、その調製方法および化粧品組成物または医薬組成物におけるその使用

本発明は一般式(I)に相当する3‐フェニルアクリル酸の新規誘導体、ならびにそれの調製方法およびヒトまたは獣医学(皮膚科学ならびに心血管性疾患、免疫疾患および/または脂質代謝に関する疾患の領域)または化粧品組成物におけるそれの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規で有益な工業製品としての、γサブタイプのペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPARγ)タイプの受容体の活性化剤である3-フェニルアクリル酸誘導体の新規クラスに関する。本発明はこれらの調製方法、およびヒトもしくは獣医学での使用のための医薬組成物または化粧品組成物におけるこれらの使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
PPARタイプ受容体の活性は数多くの研究の対象とされている。例えば我々はPPARタイプ受容体に関する多数の書誌参照を羅列する題目「Differential Expression of Peroxisome Proliferator-Activated Receptor Subtypes during the Differentiation of Human Keratinocytes」Michel River等、J. Invest. Drumatol 111、1998、1116-1121頁の著作物を挙げることができる。我々はまた、例えば題目「The PPARs: From orphan receptors to Drug Discovery」Timothy M. Willson、Peter J. Brown、Daniel D. Sternbach、およびBrad R. Henke、J. Med. Chem., 2000, Vol.43, 527-550頁の報告を挙げることもできる。
【0003】
PPARは、ペルオキシソーム増殖因子応答要素(PPRE)と称されるDNA配列要素に、レチノイドX受容体(RXRsと称される)とのヘテロ二量体の形態で結合することにより転写を活性化する。
【0004】
ヒトPPARの3つのサブタイプ、すなわちPPARα、PPARγおよびPPARδ(またはNUC1) が同定され、記述されている。
【0005】
PPARαは主に肝臓で発現する一方、PPARδは遍在性である。
【0006】
3つのサブタイプのうち、PPARγについては最も研究がなされている。全ての参照文献は、PPARγが強力に発現している脂肪細胞の分化調節におけるPPARγの決定的な役割を提案している。PPARγはまた、全身の脂質恒常性における主要な役割も果たしている。
【0007】
プロスタグランジン‐J2または‐D2のようなPPARγの選択的化合物が肥満および糖尿病の治療のための潜在的活性剤であることが、国際出願WO 96/33724において顕著に記述されている。
【0008】
それ以上に、その出願人は国際出願WO 02/12210、WO 03/055867およびWO 2006/018326において、PPARγタイプ受容体の活性化剤である二芳香族化合物の、表皮の細胞分化異常に関連する皮膚障害を治療することを意図した医薬組成物の調製における使用を既に記述している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】WO 96/33724
【特許文献2】WO 02/12210
【特許文献3】WO 03/055867
【特許文献4】WO 2006/018326
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Michel River et al.、"Differential Expression of Peroxisome Proliferator-Activated Receptor Subtypes during the Differentiation of Human Keratinocytes”、J. Invest. Drumatol 111、1998、p1116-1121
【非特許文献2】Timothy M. Willson、Peter J. Brown、Daniel D. Sternbach、およびBrad R. Henke、”The PPARs: From orphan receptors to Drug Discovery”、 J. Med. Chem., 2000, Vol.43, p.527-550
【非特許文献3】”Protective Groups in Organic Chemistry”, ed. McOmie J.W.F., Plenum Press, 1973
【非特許文献4】”Protective Groups in Organic Synthesis”, 2nd edition, Greene T.W. and Wuts P.G.M., publ. John Wiley and Sons, 1991
【非特許文献5】”Protecting Groups”, Kocienski P.J., 1994, Georg Thieme Verlag
【非特許文献6】"Quantitation in rceptor pharmacology” Terry P. Kenakin, Receptors and Channels, 2001, 7, 371-385
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
それにも関わらず、PPARγタイプ受容体の活性化剤であり、有利な医薬上の性質を提示する新規化合物を発見する必要が今もなお存在する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
出願人は現在、PPARγ受容体に関する活性を示すことを驚くべきことに発見された3‐フェニルアクリル酸の新規誘導体を同定している。さらに本発明に係る化合物は、その合成および生成を容易にするという利点を有する固体形態において最も頻繁に得られる。最後に、医薬および/または化粧品組成物の調製のための固体化合物の使用は、これら化合物が含有する残留溶媒の量が、これらが油の形態である場合に含有し得る量と比較すると殆どゼロであるため、これらの医薬および/または化粧品開発の範囲内で現実的な利点を提供する。
【0013】
従って、本発明は以下の一般式(I):
【0014】
【化1】

【0015】
に相当する化合物、
(式中:
‐R1はヒドロキシル基またはアルコキシ基を表す;
‐R2はアルキル基、アルコキシ基、またはアラルコキシ基を表す;
‐R3は水素、アルキル基、任意に置換されたアラルキル基またはポリエーテル基を表す;
‐R4は水素、ハロゲン、アルキル基またはアルコキシ基を表す;
‐R5はアルキル基、任意に置換されたアリール基、または任意に置換されたアラルキル基を表す;
‐Xは酸素原子またはCH2基を表す;
‐Yは酸素原子、NR6基、OSO2、OCO、NR6CO、またはNR6SO2基を表す、
‐R6は水素原子またはアルキル基を表す)
ならびに医薬上許容可能な酸または塩基とそれらの塩、医薬上許容可能なそれらの溶媒和物およびそれらの水和物に関する。
【0016】
特に本発明に係る化合物が塩の形態である場合、それはアルカリ金属塩、特にナトリウムもしくはカリウム塩であり、またはアルカリ土類金属塩、特にマグネシウムもしくはカルシウム塩であり、または有機アミン塩、より格別にはアルギニンまたはリシンのようなアミノ酸の塩である。
【0017】
本発明に係る化合物がアミン官能基を有し、そのアミンの塩の形態である場合、それは無機酸の塩、例えば塩酸、硫酸もしくは臭化水素酸の塩、または有機酸の塩、例えば酢酸、トリフリック酸、シュウ酸、クエン酸、トリフルオロ酢酸もしくはメタンスルホン酸の塩である。
【0018】
本発明によると、アルキル基は直鎖または分枝した飽和炭化水素鎖であり、1から12の炭素原子を有し、より格別には1から6の炭素原子を有する。好ましくは、本発明の範囲内で使用されるアルキル基はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソアミル、アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルおよびデシル基より選択される。より格別には、アルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソアミル、アミルおよびヘキシル基から選択される。
【0019】
本発明によると、低級アルキル基は前記で定義されるようなアルキル基であり、1から4の炭素原子を有し、有利には1から3の炭素原子を有するアルキル基を意味する。したがって、好ましくは、前記アルキル基はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルおよびtert-ブチル基から選択される。
【0020】
本発明によると、アリール基はフェニルまたは不飽和ナフチル基を意味する。
【0021】
本発明によると、置換アリール基はアルキル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、トリフロメチルおよびニトロ基から選択される1または複数の原子または原子群で置換されたフェニルまたはナフチル基を意味する。好ましくは、置換アリール基は低級アルコキシ基で一置換されたフェニル基および低級アルキル基で一置換されたナフチル基から選択される。
【0022】
本発明によると、アラルキル基はフェニル基または非置換ナフチル基で置換されたアルキル基を意味する。好ましくは、アラルキル基はベンジルまたはフェネチル基である。
【0023】
本発明によると、置換アラルキル基はアルキル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、トリフルオロメチルおよびニトロ基から選択される1または複数の原子または原子群で置換されたアラルキル基を意味する。好ましくは、置換アラルキル基は低級アルキル基で一置換されたフェネチルおよびベンジル基から選択される。
【0024】
本発明によると、ハロゲン原子はフッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子を意味する。
【0025】
本発明によると、ヒドロキシル基は‐OH基を意味する。
【0026】
本発明によると、アルコキシ基はアルキル基で置換された酸素原子を意味する。好ましくはアルコキシ基はメトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、n-プロピルオキシ、tert-ブトキシ、n-ブトキシ、n-ペンチルオキシおよびn-ヘキシルオキシ基である。
【0027】
本発明によると、低級アルコキシ基は低級アルキル基で置換された酸素原子を意味する。
【0028】
本発明によると、アラルコキシ基はアラルキル基で置換された酸素原子を意味する。
【0029】
本発明によると、ポリエーテル基は少なくとも1つの酸素原子で割り込まれている、1から7の炭素原子を有する基を意味する。好ましくは、ポリエーテル基はメトキシエトキシ、エトキシエトキシ、エトキシエチルまたはメトキシエトキシメトキシ基のような基から選択される。
【0030】
本発明の範囲内に含まれる上記一般式(I)の化合物の間で、我々は下記のものを特に挙げることができる:
1.(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐メトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
2.(Z)‐3‐(4‐{3‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐メトキシ‐フェニル]‐プロピル}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐メトキシ‐アクリル酸
3.(Z)‐3‐(4‐{3‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐メトキシ‐フェニル]‐プロピル}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
4.(E)‐3‐(4‐{3‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐メトキシ‐フェニル]‐プロピル}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐メチル‐アクリル酸
5.(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐メタンスルホニルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
6.(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
7.(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐メタンスルホニルオキシ‐3‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
8.(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐メトキシ‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
9.(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐2‐メトキシ‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
10.(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐メタンスルホニルオキシ‐2‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
11.(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐エトキシ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
12.(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐フルオロ‐4‐ペンチルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
13.(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐フルオロ‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
14.(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐クロロ‐4‐エトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
15.(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐クロロ‐4‐ペンチルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
16.(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐クロロ‐4‐メタンスルホニルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
17.(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐クロロ‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
18.(Z)‐2‐エトキシ‐3‐{4‐[2‐(4‐メタンスルホニルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐3‐メトキシ‐フェニル}‐アクリル酸
19.(Z)‐2‐エトキシ‐3‐{4‐[2‐(4‐エトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐3‐メトキシ‐フェニル}‐アクリル酸
20.(Z)‐2‐エトキシ‐3‐{3‐メトキシ‐4‐[2‐(4‐ペンチルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐アクリル酸
21.(Z)‐3‐{4‐[2‐(4‐アセチルアミノ‐フェニル)‐エトキシ]‐3‐ブトキシ‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
22.(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルアミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
23.(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐{2‐[4‐(メタンスルホニル‐メチル‐アミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
24.(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐メタンスルホニルアミノ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
25.(Z)‐3‐[4‐(2‐{4‐[(ブタン‐1‐スルホニル)‐メチル‐アミノ]‐フェニル}‐エトキシ)‐3‐ブトキシ‐フェニル]‐2‐エトキシ‐アクリル酸
26.(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[3‐(4‐メトキシ‐フェニル)‐プロピル]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
27.(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(アセチル‐メチル‐アミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
28.(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐プロピオニルアミノ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
29.(E)‐3‐(4‐{3‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐フェニル]‐プロピル}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐メトキシ‐アクリル酸
30.(Z)‐3‐[4‐{3‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐フェニル]‐プロピル}‐3‐(2‐エトキシ‐エトキシ)‐フェニル]‐2‐メトキシ‐アクリル酸メチル
31.(E)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐メトキシ‐アクリル酸
32.(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
33.(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ベンゾイル‐メチル‐アミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐メトキシ‐アクリル酸
34.(Z)‐3‐[4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルアミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐(2‐エトキシ‐エトキシ)‐フェニル]‐2‐エトキシ‐アクリル酸
35.(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐{2‐[4‐(2‐m‐トリル‐エタンスルホニルアミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
36.(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐{2‐[4‐(3‐エトキシ‐ベンゾイルアミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
37.(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐{2‐[4‐(メチル‐ナフタレン‐1‐イルメチル‐アミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐2‐メトキシ‐アクリル酸
38.(Z)‐3‐{3‐ベンジルオキシ‐4‐[3‐(4‐m‐トリルメタンスルホニルオキシ‐フェニル)‐プロピル]‐フェニル}‐2‐メトキシ‐アクリル酸
39.(Z)‐3‐{3‐ヒドロキシ‐4‐[3‐(4‐m‐トリルメタンスルホニルオキシ‐フェニル)‐プロピル]‐フェニル}‐2‐メトキシ‐アクリル酸
【0031】
本発明によると、一般式(I)に相当する好ましい化合物は下記特徴の少なくとも1つを有する:
‐R1はヒドロキシル基である、
‐R2は低級アルキル基または低級アルコキシ基である、
‐R3はアルキル基またはポリエーテル基を表す、
‐R4は水素原子、低級アルコキシ基またはハロゲンを表す、
‐R5はアルキル基を表す、
‐Xは酸素原子またはCH2基を表す、
‐Yは前記で定義されるようなR6である‐NR6SO2基または‐OSO2基を表す。
【0032】
本発明によると、一般式(I)に相当する特に好ましい化合物は下記特徴の少なくとも1つを有する:
‐R1はヒドロキシル基である、
‐R2は低級アルコキシ基である、
‐R3はアルキル基を表す、
‐R4は水素原子、低級アルコキシ基またはハロゲンを表す、
‐R5はアルキル基を表す、
‐Xは酸素原子またはCH2基を表す、
‐Yは‐OSO2基を表す。
【0033】
一般式(I)の化合物の調製方法の一般的な記述は、以下に与えられる図1、2、3、4および5のスキームを引用する。下記スキームおよび方法の記述において、他に特定されない限り、すべての置換基は一般式(I)の化合物に対して定義された通りである。
【0034】
図1で示されるように、X=Oである一般式(I)の化合物は一般式(3):
【0035】
【化2】

【0036】
の中間体から得ることが可能である。
【0037】
誘導体(3)は、例えばトリフェニルホスフィンおよびジエチルアゾジカルボキシレートの存在下で一般式(1)
【0038】
【化3】

【0039】
の誘導体と一般式(2)
【0040】
【化4】

【0041】
の化合物との間の光延反応により得ることが可能である。
【0042】
図2のスキームは一般式(1)および(2)の誘導体を得るための方法を記述する。一般式(2)の化合物は、それらのアルデヒド前駆体と、ホスホン酸(例えば(ジエトキシ‐ホスホリル)‐エトキシ‐酢酸エチル)または相当するホスホニウム(例えば、1‐メトキシカルボニル‐エチル‐トリフェニル塩化ホスホニウム)とのWittig反応またはHorner-Emmons反応により一般的に得られる。一般式(1)の誘導体は、P基による保護反応の後に、(4‐アミノ‐フェニル)‐酢酸メチル、(4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐酢酸メチルタイプの中間体から水素化ホウ素リチウムによる還元により、または4‐アミノベンズアルデヒド、4‐ヒドロキシベンズアルデヒドタイプの中間体からジエチルメチルホスホン酸とのHorner-Emmons反応後にZ基の保護および9-ボラバイシクロ[3.3.1]ノナンの二量体の存在下での酸化により得ることが可能である。
【0043】
図1で示されるように、一般式(3)の化合物の保護基Pの脱保護の後に、我々は一般式(3’)
【0044】
【化5】

【0045】
の化合物を得る。
【0046】
一般式(3’)の化合物から一般式(4)
【0047】
【化6】

【0048】
の化合物へ導く方法は、下記段階の何れかを含む:
a)塩化スルホン酸(R5SO2Cl)の付加
b)またはカルボン酸ハロゲン化物(例えばR5COCl)の付加
c)または水素化ナトリウムまたは炭酸カリウムのような塩基存在下でのハロゲン化誘導体(例えばR5BrまたはR5Cl)との反応。
【0049】
したがって、得られる誘導体は水素化ナトリウムまたは炭酸カリウムのような塩基存在下でのハロゲン化誘導体(例えばR6BrまたはR6Cl)との反応により任意にアルキル化が可能である。YがNR6、NR6COまたはNR6SO2タイプの基に相当する化合物の場合、化合物(4)は、例えば化合物(2)との光延反応の後に、例えば塩化スズ二水和物の存在下でニトロ基をアミン官能基に還元することにより(図3)、4‐ニトロフェネチルアルコール誘導体から得ることが可能である。
【0050】
それから一般式(5)
【0051】
【化7】

【0052】
の化合物は、例えば水酸化ナトリウム存在下のテトラヒドロフランおよび水またはアセトンおよび水の混合物中で、一般式(4)の化合物のけん化反応により得られる。
【0053】
X=Oである一般式(I)の化合物を得るための他の代替方法は、図1の反応スキームで使用されるものと類似の反応条件を使用する図4の反応スキームにおいて示される。
【0054】
図5で示されるように、X=CH2である一般式(I)の化合物は一般式(10):
【0055】
【化8】

【0056】
の中間体から得ることが可能である。
【0057】
一般式(10)の誘導体は、パラジウム触媒(例えばホスフィン存在下の酢酸パラジウム(III))の存在下で、一般式(8)
【0058】
【化9】

【0059】
の化合物とハロゲン化ベンゼン(例えばヨウ化誘導体(9))
【0060】
【化10】

【0061】
との間でのHeckタイプの反応により得ることが可能である。
【0062】
4‐アリルフェノールまたは4‐アリル-フェニルアミン(図5の化合物(7))タイプの誘導体から一般式(8)の化合物を合成するための方法は下記段階の何れかを含む:
a)塩化スルホン酸(R5SO2Cl)の付加
b)またはカルボン酸ハロゲン化物(例えばR5COCl)の付加
c)または水素化ナトリウムまたは炭酸カリウムのような塩基存在下でのハロゲン化誘導体(例えばR5BrまたはR5Cl)との反応。
【0063】
したがって、得られる誘導体は水素化ナトリウムまたは炭酸カリウムのような塩基存在下でのハロゲン化誘導体(例えばR6BrまたはR6Cl)との反応により任意にアルキル化が可能である。ヨウ素化誘導体(9)は例えば3‐ヒドロキシ安息香酸のヨウ素化、R3Brタイプのハロゲン化誘導体でのフェノールのエステル化および置換により前もって調製される。
【0064】
一般式(10)の化合物における二重結合の水素化の後に、我々は一般式(11)
【0065】
【化11】

【0066】
の化合物を得る。
【0067】
一般式(11)の化合物から一般式(15)の化合物へと導く方法は以下の段階を含む:
a)例えば水素化ホウ素リチウムのような還元剤存在下における、一般式(12)
【0068】
【化12】

【0069】
のアルコールへのメチルエステルの還元。
【0070】
b)例えば二酸化マンガンのような酸化剤存在下における、一般式(13)
【0071】
【化13】

【0072】
のアルデヒドへの一般式(12)のアルコールの酸化。
【0073】
c)一般式(14)
【0074】
【化14】

【0075】
の化合物を与えるための、一般式(13)のアルデヒド前駆体とホスホン酸(例えば(ジエトキシ-ホスホリル)-エトキシ-酢酸エチル)またはホスホニウム(例えば1-メトキシカルボニル-エチル-トリフェニル塩化ホスホニウム)に相当するものとの間のWittigまたはHorner-Emmons反応
【0076】
d) 例えばテトラヒドロフランおよび水の混合物またはアセトンおよび水の混合物における、一般式(15)
【0077】
【化15】

【0078】
の化合物を与えるための水酸化ナトリウム存在下での一般式(14)の化合物のけん化反応。
【0079】
本方法で使用される反応中間体に任意で存在する官能基は、永続的にまたは一時的に、期待される化合物の一方向での合成を確実にする保護基により保護されることが可能である。保護反応および脱保護反応は当業者に周知の技術に従って実施されることが可能である。アミン、アルコールまたはカルボン酸の一時的な保護基とは、「Protective Groups in Organic Chemistry」, ed. McOmie J.W.F., Plenum Press, 1973、「Protective Groups in Organic Synthesis」, 2nd edition, Greene T.W. and Wuts P.G.M., publ. John Wiley and Sons, 1991および「Protecting Groups」, Kocienski P.J., 1994, Georg Thieme Verlag で記述されるような保護基を意味する。
【0080】
本発明に係る化合物はPPARタイプ受容体を調節する性質を提示する。PPARα、δおよびγ受容体についてのこの活性は、実施例29で記述されるように、転写促進試験において測定され、解離定数Kdapp(見かけ)により定量化される。
【0081】
本発明の好ましい化合物は1000nM以下、有利には100nM以下の解離定数を有する。
【0082】
好ましくは、本化合物は特定のPPARγタイプ受容体の調節因子であり、すなわちそれらはPPARγ受容体のについてのKdappに対し、比が10以上であるPPARαまたはPPARδ受容体についてのKdappを有する。好ましくは、この比PPARα/PPARγまたはPPARδ/PPARγは50以上であり、より有利には100以上である。
【0083】
本発明はまた、医薬製品として上記に記述される一般式(I)の化合物にも関する。
【0084】
したがって、本発明に係る上記で記述された化合物は皮膚脂質の代謝の調節および/または回復のための医薬製品の製造において使用されることができる。本発明はまた、下記の障害の治療および/または予防における使用のための式(I)の化合物から選択される製品にも関する。
【0085】
本発明による化合物は、以下の治療領域に特に適している:
1)分化および増殖に関連する角質化障害に伴う皮膚科学的状態の治療、特に尋常性座瘡、面皰、多形座瘡、酒さ性座瘡、結節嚢胞性座瘡、集簇性座瘡、老人性座瘡、二次的座瘡、例えば日光誘発性、医薬誘発性または職業性座瘡などの治療に対して、
2)その他のタイプの角質化障害、特に、魚麟癬、魚麟癬様の状態、ダリエー病、掌蹠角皮症、白斑症および白斑症様の状態、皮膚または粘膜(口腔)の苔癬の治療に対して、
3)免疫アレルギー性炎症要素を伴い、細胞増殖障害を伴うまたは伴わないその他の皮膚科学的状態、特に皮膚、粘膜または爪にかかわらず、乾癬性リウマチであってもすべての形態の乾癬、または湿疹のような皮膚アトピー、または呼吸器アトピー、または歯肉肥大の治療に対して、
4)良性または悪性の、ウイルス由来か否かにかかわらず、すべての真皮または表皮の増殖、例えば、尋常性いぼ、扁平いぼおよびいぼ状表皮異形成、口腔乳頭腫症またはフロリド乳頭腫症、Tリンパ腫、および特に基底および有棘細胞上皮腫の場合、紫外線によって誘発され得る増殖、ならびに角化棘細胞腫などの何れか前癌性皮膚病変の治療に対して、
5)その他の皮膚科学的障害、例えば、紅斑性狼蒼のような免疫性皮膚病、水泡性免疫疾
患および強皮症のような膠原病の治療に対して、
6)免疫学的要素を伴う皮膚科学的または全身性状態の治療において、
7)UV線への暴露に起因する皮膚障害の治療において、ならびに光誘導性または経時的にかかわらず、皮膚の老化を修復または抑制するため、または色素沈着および光線性角化症、または乾燥症のような経時的もしくは光線性老化に伴う全ての疾患のための軽減に対して、
8)座瘡の脂漏過多または単純脂漏症のような皮脂腺機能障害の抑制に対して、
9)瘢痕形成障害の防止または治療のため、または皮膚萎縮線条の防止または修復に対して、
10)色素沈着過剰、黒皮症、色素沈着減少または白斑症のような色素沈着障害の治療に対して、
11)肥満症、高脂血症またはインスリン非依存性糖尿病のような脂質代謝障害の治療において、
12)関節炎のような炎症性障害の治療において、
13)癌性または前癌性の状態の治療または予防において、
14)種々の原因の脱毛症、特に化学療法または放射線に起因する脱毛症の予防または治療において、
15)免疫系の疾患、例えば喘息、I型糖尿病、多発性硬化症または他の選択的免疫系機能障害の治療において、および
16)動脈硬化症または高血圧症のような心血管系の障害の治療。
【0086】
本発明はまた、生理学的に許容可能な媒体中に上記で定義されるような一般式(I)の化合物の少なくとも1つを含む医薬または化粧品組成物にも関する。生理学的に許容可能な媒体とは皮膚、粘膜および外肢に適合する媒体を意味する。
【0087】
本発明はまた、上記障害の治療、特に皮膚脂質の代謝の調節および/または回復のための医薬製品の製造のための一般式(I)の化合物の使用にも関する。
【0088】
本発明に係る組成物は経口、経腸、非経口、局所的または経眼により投与することができる。好ましくは、本医薬組成物は局所的な適用に適した形態で包装される。局所的な適用とは皮膚または粘膜上への投与を意味する。
【0089】
経口経路のために、本組成物、より好ましくは本医薬組成物は錠剤、カプセル、被覆錠剤、シロップ、懸濁液、溶液、粉末、顆粒、エマルション、制御された放出が可能なマイクロスフィアまたはナノスフィアまたは脂質ベシクルまたはポリマーベシクルの形態であり得る。非経口経路のために、本組成物は点滴または注射のための溶液または懸濁液の形態であり得る。
【0090】
本発明に係る組成物は、体重に対しておよそ0.001から100mg/kgの1日投与量で、1から3回の分割投与量で一般的に投与される。
【0091】
本組成物は組成物の重量と比較して一般的に0.001から10重量%の間、好ましくは0.01から1重量%の間の濃度で全身に使用される。
【0092】
局所的な投与のため、本発明に係る医薬組成物はより格別には皮膚および粘膜の治療を目的とし、軟膏、クリーム、乳液、膏薬、粉末、含浸パッド、溶液、ゲル、スプレー、ローションまたは懸濁液の形態であり得る。これはまた、制御された放出が可能であるマイクロスフィア、ナノスフィア、脂質またはポリマーベシクル、ポリマーパッチおよびヒドロゲルの形態であり得る。
【0093】
本化合物は本組成物の総重量と比較して、一般的に0.001から10重量%の間、好ましくは0.01から1重量%の間の濃度で局所的に使用される。
【0094】
本発明に係る一般式(I)の化合物は、美容の分野における、特に身体および毛髪の衛生のための、より格別には皮膚脂質の代謝の調節および/または回復のための適用も見い出す。
【0095】
従って本発明は、式(I)の化合物または生理学的に許容可能な媒体中に式(I)の化合物の少なくとも1つを含む組成物の身体または毛髪の衛生状態のための美容的使用にも関する。
【0096】
化粧品上許容可能な媒体中に一般式(I)の化合物の少なくとも1つまたはそれの光学もしくは幾何異性体、またはそれの塩の1つを含む本発明に係る化粧品組成物は、特にクリーム、乳液、ローション、ゲル、マイクロスフィア、ナノスフィア、脂質またはポリマーベシクル、石鹸またはシャンプーの形態であり得る。
【0097】
化粧品組成物における一般式(I)の化合物の濃度は、本組成物の総重量と比較して0.001から3重量%の間である。
【0098】
言うまでもなく、上記組成物は不活性または薬力学的に活性な添加物でさえ、またはこれら添加物の組み合わせを更に含むことができ、特に湿潤剤;色素沈着除去剤、例えばヒドロキノン、アゼライン酸、カフェー酸またはコウジ酸;皮膚軟化剤;水化剤、例えばグリセロール、PEG400、チアモルホリノンおよびその誘導体類または同様に尿素;抗脂漏剤または抗座瘡剤、例えば、S‐カルボキシメチルシステイン、S‐ベンジル‐システアミン、それらの塩またはそれらの誘導体、または過酸化ベンゾイル;抗真菌剤、例えば、ケトコナゾールまたはポリメチレン‐4,5‐イソチアゾリドン‐3;抗菌剤、カロテノイド、および特にβ‐カロテノイド;抗乾癬剤、例えばアントラリンおよびその誘導体;エイコサ‐5,8,11,14‐テトライン酸およびエイコサ‐5,8,11‐トリイン酸、およびそのエステル類およびアミド類および最後にレチノイドを含むことができる。一般式(I)の化合物はビタミンDまたはその誘導体、コルチコステロイド、抗フリーラジカル剤、α‐ヒドロキシまたはα‐ケト酸またはそれらの誘導体、またはイオンチャネルブロッカーと組み合わせることも可能である。
【0099】
これら組成物は風味改良剤、保存剤、例えばパラヒドロキシ安息香酸エステル、安定化剤、水分調節剤、pH調節剤、浸透圧調整剤、乳化剤、UV‐AおよびUV‐B遮蔽剤、酸化防止剤、例えばα‐トコフェロール、ブチルヒドロキシアニソールまたはブチルヒドロキシトルエンを含有することも可能である。
【0100】
言うまでもなく、当業者は本発明に本質的に付随する有利な性質がこの付加により損なわれないかまたは本質的に損なわれないように、これら組成物に付加される任意の化合物を選択するために注意を払うであろう。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】一般式(1)および一般式(2)の化合物から一般式(5)の化合物を調製する反応スキームを示す図である。
【図2】一般式(1)および一般式(2)の化合物を調製する反応スキームを示す図である。
【図3】一般式(4)の化合物を調製する反応スキームを示す図である。
【図4】一般式(1)および一般式(6)の化合物から一般式(3’)の化合物を調製する反応スキームを示す図である。
【図5】一般式(15)の化合物を調製する反応スキームを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0102】
本発明に係る一般式(I)の活性化合物を得るためのいくつかの実施例、ならびに前記化合物の生物学的活性の結果およびこれら化合物に基づく種々の具体的な製剤が、例示のため決して制限することなく以下に与えられる。
【実施例】
【0103】
実施例1:(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐メトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
【0104】
a-(ジエトキシ‐ホスホリル)‐エトキシ‐酢酸エチル
18.5g(112mol)のクロロ‐エトキシ‐酢酸エチルと19.2ml(112mol)の亜燐酸トリエチルをフラスコに入れ、150℃で5時間加熱する。反応の進行はNMRで測定する。34g(100%)の(ジエトキシ‐ホスホリル)‐エトキシ‐酢酸エチルが無色の液体の形態で直接得られる。
【0105】
b-3‐メトキシ‐4‐(4‐メトキシ‐ベンジルオキシ)‐ベンズアルデヒド
5g(36.1mmol)の炭酸カリウムと4.9ml(36.1mmol)の1‐塩化メチル‐4‐メトキシ‐ベンゼンを、5g(33mmol)の4‐ヒドロキシ‐3‐メトキシ‐ベンズアルデヒドを含む100mlのアセトンの溶液に加える。それから反応混合物を55℃で28時間撹拌し、濾過する。濾液を真空化で濃縮する。得られる残留物をヘプタンで溶解し、濾過する。8.9g(100%)の3‐メトキシ‐4‐(‐4‐メトキシ‐ベンジルオキシ)‐ベンズアルデヒドがベージュ色の固体の形態で得られる。
【0106】
c-(Z)‐2‐エトキシ‐3‐[3‐メトキシ‐4‐(4‐メトキシ‐ベンジルオキシ)‐フェニル]‐アクリル酸エチル
0.48g(12mmom)の60%水酸化ナトリウムを、3.25g(12mmol)の(ジエトキシ‐ホスホリル)‐エトキシ‐酢酸エチルを含む0℃に冷却済みの35mlのテトラヒドロフランの溶液に加えられる。反応混合物を室温に戻し、45分間撹拌し、それから3g(11mmol)の3‐メトキシ‐4‐(4‐メトキシ‐ベンジルオキシ)‐ベンズアルデヒドを含む40mlのテトラヒドロフランが加えられる。室温で15時間撹拌した後に、水と酢酸エチルを加え、それから反応混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し蒸発させる。残留物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(80/20)で溶出する。2.6g(43%)の(Z)‐2‐エトキシ‐3‐[3‐メトキシ‐4‐(4‐メトキシ‐ベンジルオキシ)‐フェニル]‐アクリル酸エチルが得られる。
【0107】
d-(Z)‐2‐エトキシ‐3‐(4‐ヒドロキシ‐3‐メトキシ‐フェニル)‐アクリル酸エチル
1.7ml(22mmol)のトリフルオロ酢酸を、1.7g(4.4mmol)の(Z)‐2‐エトキシ‐3‐[3‐メトキシ‐4‐(4‐メトキシ‐ベンジルオキシ)‐フェニル]‐アクリル酸エチルを含む15mlのジクロロメタンの溶液に加える。反応混合物を室温で2時間撹拌する。水および1Mの水酸化ナトリウムを、pH8-9になるように加えた後に、反応混合物をジクロロメタンで抽出する。有機相を混合し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、それから溶液を真空化で蒸発させる。得られる残留物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(80/20)で溶出し、0.45g(38%)の(Z)‐2‐エトキシ‐3‐(4‐ヒドロキシ‐3‐メトキシ‐フェニル)‐アクリル酸エチルが得られる。
【0108】
e-[4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐酢酸メチル
0.53g(132mmol)の60%水素化ナトリウムを、100mlのテトラヒドロフランおよび100mlのジメチルフォルムアミドで希釈された20g(120mmol)の(4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐酢酸メチルの0℃の溶液に分けて加える。反応溶液を室温で撹拌し、それから15ml(132mmol)の1‐クロロメトキシ‐2‐メトキシ‐エタンを滴状で加える。室温で2時間撹拌した後に、水を加え、反応混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させる。溶媒を蒸発させた後に、25g(86%)の[4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐酢酸メチルが無色の油の形態で得られる。
【0109】
f-2‐[4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ‐)‐フェニル]‐エタノール
2.7g(122.3mmol)の水素化ホウ素ナトリウムを、10g(41mmol)の[4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐酢酸メチルを含む100mlのテトラヒドロフランの溶液に加える。反応混合物を60℃で4時間撹拌する。冷却後、反応混合物を氷と飽和塩化アンモニウム水溶液の混合物中に注ぎ、1Mの濃度の酢酸水溶液で酸性にした後に、酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させる。溶媒を蒸発させた後に、8.9g(97%)の2‐[4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ‐)‐フェニル]‐エタノールが無色の油状形態で得られる。
【0110】
g-(Z)‐2‐エトキシ‐3‐(3‐メトキシ‐4‐{2‐[4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐アクリル酸エチル
0.45g(1.70mmol)の2‐[4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐エタノール、0.42g(1.87mmol)の(Z)‐2‐エトキシ‐3‐(4‐ヒドロキシ‐3‐メトキシ‐フェニル)‐アクリル酸エチルおよび0.67g(2.55mmol)のトリフェニルホスフィンを、10mlのテトラヒドロフラン中に入れる。一旦完全に溶解させ、0.40ml(2.55mmol)のジエチルアゾジカルボキシレートを非常にゆっくり加え、それから反応混合物を室温で24時間撹拌する。真空下で蒸発させた後に、残留物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(70/30)で溶出し、0.41g(51%)の(Z)‐2‐エトキシ‐3‐(3‐メトキシ‐4‐{2‐[4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐酢酸エチルが無色の油の形態で得られる。
【0111】
h-(Z)‐2‐エトキシ‐3‐{4‐[2‐(4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐3‐メトキシ‐フェニル}‐アクリル酸エチル
0.2mlの硫酸を、0.41g(0.86mmol)の(Z)‐2‐エトキシ‐3‐(3‐メトキシ‐4‐{2‐[4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐アクリル酸エチルを含む5mlのテトラヒドロフランおよび5mlのメタノールの溶液に加える。反応混合物を室温で15時間撹拌し、それから溶媒を真空下で蒸発させる。水および酢酸エチルを加えた後に、反応混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し真空下で濃縮することにより、0.31g(94%)の(Z)‐2‐エトキシ‐3‐{4‐[2‐(4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐3‐メトキシ‐フェニル}‐アクリル酸エチルが無色の油の形態で得られる。
【0112】
i-(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐メトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
0.11g(0.88mmol)の塩化ブタンスルホニルを、0.31g(0.80mmol)の(Z)‐2‐エトキシ‐3‐{4‐[2‐(4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐3‐メトキシ‐フェニル}‐アクリル酸エチルおよび0.14ml(0.96mmol)のトリエチルアミンを含む7mlのジクロロメタンの溶液に加えらる。反応混合物を室温で15時間撹拌する。水を加えた後に、ジクロロメタンで抽出し、有機相を混合し、水で洗浄し、それから硫酸マグネシウムで乾燥させる。溶媒を蒸発させた後に、得られる残留物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(70/30)で溶出し、0.25g(62%)の(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐メトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルが無色の油の形態で得られる。
【0113】
j-(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐メトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
1.7ml(1.7mmol)の1Mの濃度の水酸化ナトリウム水溶液を、0.25g(0.49mmol)の(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐メトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルを含む10mlのテトラヒドロフランの溶液に加える。反応混合物を68℃で48時間撹拌する。冷却後に、反応混合物に1Mの濃度の塩酸水溶液3mlおよび20mlの水を加え、それから酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過する。溶媒を蒸発させた後に、生成物をペンタン/アセトン混合物から再結晶化させ、0.15g(65%)の(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐メトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸が94℃の融点を有する白色の固形の形態で得られる。
【0114】
1H NMR (δ, CDCl3): 1.00 (t, 3H, J= 7.4Hz); 1.43 (t, 3H, J=7.1Hz); 1.51 (m, 2H); 1.98 (m, 2H); 3.20 (t, 2H, J=7.1Hz); 3.26 (t, 2H, J=7.8Hz); 3.92 (s, 3H); 4.06 (q, 2H, J=7.4Hz); 4.27 (t, 2H, J=7.1Hz); 6.86 (d, 1H, J=8.4Hz); 7.13 (s, 1H); 7.23-7.28 (m, 3H); 7.36 (d, 1H, J= 8.4Hz); 7.62 (s, 1H)。
【0115】
実施例2:(Z)‐3‐(4‐{3‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐メトキシ‐フェニル]‐プロピル}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐メトキシ‐アクリル酸
【0116】
a-3‐ヒドロキシ‐4‐ヨード安息香酸
21g(520mmol)の水酸化ナトリウムと79g(520mmol)のヨウ化ナトリウムを、69g(500mmol)の3‐ヒドロキシ安息香酸を含む700mlのメタノールの溶液に加える。反応混合物を0℃に冷却し、それからジャベル水(520mmol)を滴下で加える。反応混合物を0から5℃で2時間、それから室温で15時間撹拌する。メタノールを蒸発させた後に、反応混合物を濃塩酸溶液で酸性にする。沈殿物を濾過し、水で洗浄し、乾燥させる。41.9gの3‐ヒドロキシ‐4‐ヨード安息香酸が218℃の融点を有する白色の固形の形態で得られる。水相を酢酸エチルで抽出し、得られる有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し蒸発させる。得られる残留物をヘプタンに溶解し、得られる沈殿を濾過する。分析は61.3g(56%)の3‐ヒドロキシ‐4‐ヨード安息香酸が得られることを示す。
【0117】
b-3‐ヒドロキシ‐4‐ヨード安息香酸メチル
6.1g(35.6mmol)のパラトルエンスルホン酸を、47g(150mmol)の3‐ヒドロキシ‐4‐ヨード安息香酸を含む300mlのメタノールの溶液に加える。反応混合物を70℃で48時間加熱する。1000mlの水を加えた後に、沈殿を濾過し、中性のpHになるように水ですすぐ。37.4g(76%)の3‐ヒドロキシ‐4‐ヨード安息香酸メチルがベージュ色の粉末の形態で得られる。
【0118】
c-3‐ブトキシ‐4‐ヨード安息香酸メチル
14.7ml(130mmol)のヨードブタンを、30g(110mmol)の3‐ヒドロキシ‐4‐ヨード安息香酸メチルおよび17.9g(130mmol)の炭酸カリウムを含む300mlの2-ブタノンの溶液に加える。反応混合物を60℃で16時間加熱する。100mlの水を加えた後に、酢酸エチルで抽出し、有機相を混合し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過する。溶媒を蒸発させ、残留物をヘプタンで溶解し、濾過される。18.2gの3‐ブトキシ‐4‐ヨード安息香酸メチルが白色の結晶の形態で得られる。濾液を濃縮し、残留物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(8/2)で溶出し、11.6gの3‐ブトキシ‐4‐ヨード安息香酸メチルが得られる。29.8g(82%)の3‐ブトキシ‐4‐ヨード安息香酸メチルはこのようにして得られる。
【0119】
d-4‐アリル‐2‐メトキシ‐フェニル 1‐ブタンスルホン酸
13ml(100mmol)の塩化ブタンスルホニルを、15g(90mmol)のオイゲノールおよび16ml(110mmol)のトリエチルアミンを含む150mlの-20℃に冷却済みのジクロロメタン溶液に滴下で加える。それから反応混合物を室温で4時間撹拌する。50mlの水を加え、ジクロロメタンで抽出した後に、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させる。残留物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(90/10)で溶出させる。24.3g(74%)の4‐アリル‐2‐メトキシ‐フェニル1‐ブタンスルホン酸が黄色の油の形態で得られる。
【0120】
e-4‐{(E)‐3‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐メトキシ‐フェニル]‐プロペニル}‐3‐ブトキシ‐安息香酸メチル
42mg(0.12mmol)の2‐(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、13mg(0.06mmol)の酢酸パラジウムおよび0.63ml(4.5mmol)のトリエチルアミンを、1g(3mmol)の3‐ブトキシ‐4‐ヨード安息香酸メチルおよび0.85g(3mmol)の4‐アリル‐2‐メトキシ‐フェニル1‐ブタンスルホン酸を含む10mlのジメチルフォルムアミドの溶液に加える。反応混合物を90℃で15時間加熱する。20mlの水を加えた後に、酢酸エチルで抽出し、有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させる。得られる残留物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(80/20)で溶出させる。1.2g(81%)の4‐{(E)‐3‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐メトキシ‐フェニル]‐プロペニル}‐3‐ブトキシ‐安息香酸メチルが黄色の油の形態で得られる。
【0121】
f-4‐{3‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐メトキシ‐フェニル]‐プロピル}‐3‐ブトキシ‐安息香酸メチル
0.7gの10%パラジウム炭素を7g(14.3mmol)の4‐{(E)‐3‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐メトキシ‐フェニル]‐プロペニル}‐3‐ブトキシ‐安息香酸メチルを含む250mlのメタノールの溶液に加える。反応混合物を大気圧の水素下に置き、室温で12時間撹拌する。反応混合物をセライト(登録商標)で濾過し、ジクロロメタンですすぎ、それから溶媒を蒸発させ、残留物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(90/10)で溶出させる。5.21g(75%)の4‐{3‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐メトキシ‐フェニル]‐プロピル}‐3‐ブトキシ‐安息香酸メチルが無色の油の形態で得られる。
【0122】
g-4‐[3‐(2‐ブトキシ‐4‐ヒドロキシメチル‐フェニル)‐プロピル]‐2‐メトキシ‐フェニル1‐ブタンスルホン酸
0.69g(32mmol)の水素化ホウ素リチウムを5.2g(11mmol)の4‐{3‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐メトキシ‐フェニル]‐プロピル}‐3‐ブトキシ‐安息香酸メチルを含む50mlのテトラヒドロフランの溶液に加える。反応混合物を60℃で15時間加熱し、それから氷冷された飽和塩化アンモニウム溶液中でおだやかに加水分解する。反応混合物を濃塩酸で中和し、酢酸エチルで抽出する。有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させる。残留物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(70/30)で溶出させる。4.21g(86%)の4‐[3‐(2‐ブトキシ‐4‐ヒドロキシメチル‐フェニル)‐プロピル]‐2‐メトキシ‐フェニル 1‐ブタンスルホン酸が無色の油の形態で得られる。
【0123】
h-4‐[3‐(2‐ブトキシ‐4‐フォルミル‐フェニル)‐プロピル]‐2‐メトキシ‐フェニル1‐ブタンスルホン酸
7.9g(9.1mmol)の酸化マンガンを4.2g(9.1mmol)の4‐[3‐(2‐ブトキシ‐4‐ヒドロキシメチル‐フェニル)‐プロピル]‐2‐メトキシ‐フェニル1‐ブタンスルホン酸を含む300mlのジクロロメタンの溶液に加える。反応混合物を室温で15時間撹拌する。反応混合物をセライト(登録商標)で濾過し、ジクロロメタンですすぐ。溶媒を蒸発させる。3.95g(94%)の4‐[3‐(2‐ブトキシ‐4‐フォルミル‐フェニル)‐プロピル]‐2‐メトキシ‐フェニル1‐ブタンスルホン酸が黄色の油の形態で得られる。
【0124】
i-メトキシ‐メトキシカルボニル‐メチルトリフェニル‐塩化ホスホニウム
25g(186mmol)のジメトキシ酢酸メチルを27ml(215mmol)の塩化アセチルに室温で加える。0.1g(0.2%モル濃度)のヨウ素を加え、反応混合物を55℃で16時間撹拌する。過剰の塩化アセチルを真空下で蒸発させ、それから残留物を100mlのジクロロメタンで溶解させる。49g(204mmol)のトリフェニルホスフィンを加え、反応混合物を37℃で3時間撹拌する。溶媒を蒸発させ、残留物をジイソプロピルエーテル中で結晶化させる。70g(88%)の(メトキシ‐メトキシカルボニル‐メチル)‐トリフェニル‐塩化ホスホニウムが得られる。
【0125】
j-(Z)‐3‐(4‐{3‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐メトキシ‐フェニル]‐プロピル}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐メトキシ‐アクリル酸メチル
1.3g(4mmol)のメトキシ‐メトキシカルボニル‐メチルトリフェニル‐塩化ホスホニウムおよび0.45ml(3.24mmol)のトリエチルアミンを1g(2.16mmol)の4‐[3‐(2‐ブトキシ‐4‐フォルミル‐フェニル)‐プロピル]‐2‐メトキシ‐フェニル1‐ブタンスルホン酸を含む10mlのテトラヒドロフランの溶液に加える。反応溶液を60℃で6時間加熱する。20mlの水を加えた後に、酢酸エチルで抽出し、有機相を混合し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し蒸発させる。得られる残留物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(80/20)で溶出させる。0.78g(62%)の(Z)‐3‐(4‐{3‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐メトキシ‐フェニル]‐プロピル}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐メトキシ‐アクリル酸メチルが黄色の固体の形態で得られる。
【0126】
k-(Z)‐3‐(4‐{3‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐メトキシ‐フェニル]‐プロピル}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐メトキシ‐アクリル酸
2.6ml(2.6mmol)の1Mの濃度の水酸化リチウム水溶液を0.72g(1.3mmol)の(Z)‐3‐[4‐{3‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐メトキシ‐フェニル]‐プロピル}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐メトキシ‐アクリル酸メチルを含む7mlのテトラヒドロフランの溶液に加える。反応混合物を室温で12時間撹拌する。反応混合物に20mlの水を加えた後に、1Mの塩酸水溶液で酸性にし、酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し蒸発させる。得られる残留物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ジクロロメタン/酢酸エチル混合物(80/20)で溶出させる。溶媒蒸発後、得られる生成物をヘプタンから結晶化させ、濾過する。232.5mg(33%)の(Z)‐3‐(4‐{3‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐メトキシ‐フェニル]‐プロピル}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐メトキシ‐アクリル酸が72.5℃の融点を有する白色の粉末の形態で得られる。
【0127】
1H NMR (δ, CDCl3): 0.99 (t, 3H, J=7.4Hz); 1.01 (t, 3H, J=7.1Hz); 1.49-1.56 (m, 4H); 1.81 (m, 2H); 1.94-1.99 (m, 4H); 2.65-2.73 (m, 4H); 3.28-3.32 (m, 2H); 3.79 (s, 3H); 3.9 (s, 3H); 4.01 (t, 2H, J=6.4Hz); 6.80 (m, 2H); 7.14 (s, 1H); 7.15(m, 1H); 7.20-7.27 (m, 2H); 7.38 (d, 1H, J=1.2Hz)。
【0128】
実施例3:(Z)‐3‐(4‐{3‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐メトキシ‐フェニル]‐プロピル}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
【0129】
a-(エトキシ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐トリフェニル‐塩化ホスホニウム
2.0g(7.6mmol)のトリフェニルホスフィンを5mlのクロロホルムで溶解し、それから1.3g(7.6mmol)の2‐エトキシ‐2‐クロロ‐酢酸エチルを加える。混合物を80℃で3時間撹拌し、それから真空下で濃縮させる。得られる残留物をジエチルエーテルとペンタンの混合物で結晶化させる。2g(61%)の(エトキシ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐トリフェニル‐塩化ホスホニウムが白色の固体の形態で得られる。
【0130】
b-(Z)‐3‐(4‐{3‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐メトキシ‐フェニル]‐プロピル}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
1.39g(3.2mmol)の(エトキシ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐トリフェニル‐塩化ホスホニウムおよび0.45ml(3.24mmol)のトリエチルアミンを1g(2.2mmol)の4‐[3‐(2‐ブトキシ‐4‐フォルミル‐フェニル)‐プロピル]‐2‐メトキシ‐フェニル1‐ブタンスルホン酸(実施例2hでの記述のように調整される)を含む10mlのテトラヒドロフランの溶液に加える。反応混合物を60℃で4時間撹拌する。20mlの水を加え、酢酸エチルで抽出した後に、有機相を混合し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させる。得られる残留物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(80/20)で溶出させる。738mg(59%)の(Z)‐3‐(4‐{3‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐メトキシ‐フェニル]‐プロピル}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルが無色の油の形態で得られる。
【0131】
c-(Z)‐3‐(4‐{3‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐メトキシ‐フェニル]‐プロピル}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
2.6ml(2.6mmol)の1Mの濃度の水酸化リチウム水溶液を0.74g(1.3mmol)の(Z)‐3‐(4‐{3‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐メトキシ‐フェニル]‐プロピル}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルを含む7mlのテトラヒドロフランの溶液に加える。反応混合物を室温で12時間撹拌する。20mlの水を加え、1Mの塩酸水溶液で酸性にした後に、反応混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し蒸発させる。残留物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ジクロロメタン/酢酸エチル混合物(80/20)で溶出させる。溶媒を蒸発させた後に、得られる生成物をヘプタンから結晶化させる。308mg(43%)の(Z)‐3‐(4‐{3‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐メトキシ‐フェニル]‐プロピル}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸が75℃の融点を有する白色の粉末の形態で得られる。
【0132】
1H NMR (δ, CDCl3): 0.90 (t, 3H, J=7.4Hz); 0.92 (t, 3H, J=7.1Hz); 1.31 (t, 3H, J=7.1Hz); 1.43 (m, 4H); 1.73 (m, 2H); 1.85-1.91 (m, 4H); 2.56-2.63 (m, 4H); 3.19-3.22 (m, 2H); 3.79 (s, 3H); 3.91 (t, 2H, J=6.4Hz); 3.96 (q, 2H, J=7.1Hz); 6.72 (m, 2H); 7.04-7.19 (m, 4H); 7.39 (s, 1H)。
【0133】
実施例4:(E)‐3‐(4‐{3‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐メトキシ‐フェニル]‐プロピル}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐メチル‐アクリル酸
【0134】
a-4‐[3‐(2‐ブトキシ‐4‐ヒドロキシメチル‐フェニル)‐プロピル]‐2‐メトキシ‐フェニル 1‐ブタンスルホン酸
0.7g(3.2mmol)の水素化ホウ素リチウムを5.2g(11mmol)の4‐{3‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐メトキシ‐フェニル]‐プロピル}‐3‐ブトキシ‐安息香酸メチル(実施例2fに従い調製される)を含む50mlのテトラヒドロフランの溶液に加える。反応混合物を60℃で15時間加熱し、それから氷冷された飽和塩化アンモニウム溶液中でおだやかに加水分解する。反応混合物を濃塩酸で中和し、それから酢酸エチルで抽出する。有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒を蒸発させ、残留物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(70/30)で溶出させる。4.2g(86%)の4‐[3‐(2‐ブトキシ‐4‐ヒドロキシメチル‐フェニル)‐プロピル]‐2‐メトキシ‐フェニル 1‐ブタンスルホン酸が無色の油の形態で得られる。
【0135】
b-4‐[3‐(2‐ブトキシ‐4‐フォルミル‐フェニル)‐プロピル]‐2‐メトキシ‐フェニル1‐ブタンスルホン酸
7.9g(91mmol)の酸化マンガンを4.2g(9.1mmol)の4‐[3‐(2‐ブトキシ‐4‐ヒドロキシメチル‐フェニル)‐プロピル]‐2‐メトキシ‐フェニル 1‐ブタンスルホン酸を含む300mlのジクロロメタンの溶液に加える。反応混合物を室温で15時間撹拌し、それからセライト(登録商標)で濾過する。溶媒を蒸発させる。3.9g(94%)の4‐[3‐(2‐ブトキシ‐4‐フォルミル‐フェニル)‐プロピル]‐2‐メトキシ‐フェニル1‐ブタンスルホン酸が黄色の油の形態で得られる。
【0136】
c-(Z)‐3‐(4‐{3‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐メトキシ‐フェニル]‐プロピル}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐メチル‐アクリル酸メチル
1.3g(40mmol)の1‐メトキシカルボニル‐エチル‐トリフェニル塩化ホスホニウムおよび0.45ml(3.2mmol)のトリエチルアミンを1g(2.2mmol)の4‐[3‐(2‐ブトキシ‐4‐フォルミル‐フェニル)‐プロピル]‐2‐メトキシ‐フェニル1‐ブタンスルホン酸を含む10mlのテトラヒドロフランの溶液に加える。反応混合物を60℃で6時間撹拌する。反応混合物に20mlの水を加えた後に、酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒を蒸発させ、残留物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(80/20)で溶出させる。0.8g(62%)の(Z)‐3‐(4‐{3‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐メトキシ‐フェニル]‐プロピル}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐メチル‐アクリル酸メチルが黄色の固体の形態で得られる。
【0137】
d-(E)‐3‐(4‐{3‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐メトキシ‐フェニル]‐プロピル}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐メチル‐アクリル酸
3.5ml(3.4mmol)の1Mの濃度の水酸化リチウム水溶液を923mg(1.7mmol)の(E)‐3‐(4‐{3‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐メトキシ‐フェニル]‐プロピル}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐メチル‐アクリル酸メチルを含む10mlのテトラヒドロフランの溶液に加える。反応混合物を室温で12時間撹拌する。20mlの水を加え、1Mの塩酸水溶液で酸性にした後に、反応混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し蒸発させる。溶媒蒸発後に、残留物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ジクロロメタン/メタノール混合物(80/20)で溶出させる。261mg(30%)の(Z)‐3‐(4‐{3‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐メトキシ‐フェニル]‐プロピル}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐メチル‐アクリル酸が黄色の油の形態で得られる。
【0138】
1H NMR (δ, CDCl3): 0.89 (t, 3H, J=7.4Hz); 0.92 (t, 3H, J=7.1Hz); 1.19 (m, 4H); 1.72 (m, 2H); 1.88 (m, 2H); 2.09 (s, 3H); 2.59 (m, 4H); 3.20 (m, 2H); 3.79 (s, 3H); 3.90 (t, 2H, J=6.3Hz); 6.70 (m, 2H); 6.73 (s, 1H); 6.91 (d, 1H, J=7.7Hz); 7.07-7.19 (m, 2H); 7.71 (s, 1H)。
【0139】
実施例5:(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐メタンスルホニルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
【0140】
a-3‐ブトキシ‐4‐ヒドロキシ‐ベンズアルデヒド
4.3g(188mmol)のナトリウムを窒素下でフラスコの底に置き、40mlの1‐ブタノールを上部に注ぐ。反応混合物を撹拌し、120℃まで徐々に加熱する;形成されるブタノラートが難溶性であるため、20mlの1‐ブタノールを加える。全てのナトリウムが消費された時点で反応混合物を室温に戻し、40mlのジメチルフォルムアミドを加える。窒素下で、6.8g(68.2mmol)の塩化銅(I)を加え、それから12.4g(62mmol)の3‐ブロモ‐4‐ヒドロキシ‐ベンズアルデヒドを加える。反応混合物を120℃まで徐々に加熱し、2時間撹拌する。室温に冷却した後に、2Mの濃度の塩酸水溶液でpH5まで酸性化し、反応混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し蒸発させる。粉砕後に残留物をペンタンから再結晶化させ、9.7g(81%)の3‐ブトキシ‐4‐ヒドロキシ‐ベンズアルデヒドが得られる。
【0141】
b-(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
9.7g(50mmol)の3‐ブトキシ‐4‐ヒドロキシ‐ベンズアルデヒドを250mlのテトラヒドロフラン内に入れ、それから32.1g(75mmol)の(エトキシ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐トリフェニル‐塩化ホスホニウム(実施例3aに従い調製される)および15ml(100mmol)のトリエチルアミンを加える。反応混合物を40℃で6時間撹拌し、それから濾過し、濾液を乾燥するように蒸発させる。得られる生成物をエチルエーテルで溶解させ、それから過剰なホスホニウムを除去するために濾過する。濾液を真空下で再び濃縮させ、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(80/20)で溶出させ、16.2g(100%)の(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルがカラメル色の油の形態で得られる。
【0142】
c-(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐{2‐[4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸メチル
2.2g(9.7mmol)の2‐[4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐エタノール(実施例1cに従い調製される)、2.0g(6.5mmom)の(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルおよび2.5g(9.7mmol)のトリフェニルホスフィンを45mlのテトラヒドロフランに入れる。一旦全て溶解した後に、1.5ml(9.7mmol)のジエチルアゾジカルボキシレートを反応混合物中に非常にゆっくり注ぐ。反応混合物を室温で2時間撹拌する。溶媒を真空下で蒸発させ、生成物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(70/30)で溶出させ、2.7g(82%)の(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐{2‐[4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸メチルが無色の油の形態で得られる。
【0143】
d-(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
0.5mlの硫酸を2.7g(5.2mmol)の(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐{2‐[4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルを含む20mlのテトラヒドロフランおよび20mlのメタノールの溶液に加える。反応混合物を室温で15時間撹拌し、それから溶媒を真空下で蒸発させる。残留物を水および酢酸エチルで溶解させ、それから酢酸エチルで抽出する。相分離後、有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮し、2.2g(100%)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルが結晶化する明るい黄色の油の形態で得られる。
【0144】
e-(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐メタンスルホニルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
0.16ml(2.1mmol)の塩化メタンスルホニルを0.6g(1.4mmol)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルおよび0.24ml(1.7mmol)のトリエチルアミンを含む10mlのジクロロメタンの溶液に加える。反応混合物を室温で15時間撹拌する。10mlの水を加え、ジクロロメタンで抽出した後に、有機相を混合し、水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過する。溶媒を蒸発させる。得られる残留物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(70/30)で溶出させ、0.48g(68%)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐メタンスルホニルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルが白色の固体の形態で得られる。
【0145】
f-(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐メタンスルホニルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシアクリル酸
0.11g(2.8mmol)の固体の水酸化ナトリウムおよび2mlの水を0.48g(0.95mmol)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐メタンスルホニルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルを含む10mlのテトラヒドロフランの溶液に加える。反応混合物を68℃で24時間撹拌する。冷却後、反応混合物に1Mの濃度の塩酸水溶液および20mlの水を加え、それから酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させる。生成物をペンタン/アセトン混合物から再結晶化し、0.15g(33%)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐メタンスルホニルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸が117℃の融点を有する白色の固体の形態で得られる。
【0146】
1H NMR (δ, CDCl3): 1.02 (t, 3H, J=7.4Hz); 1.41 (t, 3H, J=7.1Hz); 1.54 (m, 2H); 1.85 (m, 2H); 3.15 (s, 3H); 3.17 (m, 2H); 4.01-4.06 (m, 4H); 4.25 (t, 2H, J=6.7Hz); 6.85 (d, 1H, J=8.4Hz); 7.11 (s, 1H); 7.23-7.28 (m, 3H); 7.41 (d, 1H, J=8.5Hz); 7.58 (s, 1H)。
【0147】
実施例6:(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
【0148】
a-(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐ブタンスルホニルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
0.2ml(1.5mmol)の塩化ブタンスルホニルを0.6g(1.4mmol)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル(実施例5dに従い調製される)および0.24ml(1.7mmol)のトリエチルアミンを含む10mlのジクロロメタンの溶液に加える。反応混合物を室温で15時間撹拌する。10mlの水を加えた後に、ジクロロメタンで抽出し、有機相を混合し、水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させる。得られる生成物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(80/20)で溶出させ、0.46g(68%)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐ブタンスルホニルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルがオレンジ色の油の形態で得られる。
【0149】
b-(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐ブタンスルホニルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
0.10g(2.5mmol)の固体の水酸化ナトリウムおよび2mlの水を0.46g(0.84mmol)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐ブタンスルホニルオキ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルを含む10mlのテトラヒドロフランの溶液に加える。反応混合物を68℃で24時間撹拌する。冷却後、反応混合物に1Mの濃度の塩酸水溶液および20mlの水を加え、それから酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させる。得られる生成物をペンタン/アセトン混合物から再結晶化され、0.15g(35%)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐ブタンスルホニルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸が96℃の融点を有する白色の固体の形態で得られる。
【0150】
1H NMR (δ, CDCl3): 0.91 (t, 3H, J=7.4Hz); 0.94 (t, 3H, J=7.1Hz); 1.34 (t, 3H, J=7.1Hz); 1.43-1.48 (m, 4H); 1.77 (m, 2H); 1.89 (m, 2H); 3.08 (t, 2H, J=6.6Hz); 3.16 (m, 2H); 3.93-3.97 (m, 4H); 4.16 (t, 2H, J=6.6Hz); 6.76 (d, 1H, J=8.4Hz); 7.12 (s, 1H); 7.13-7.19 (m, 3H); 7.30 (d, 1H, J=8.5Hz); 7.49 (s, 1H)。
【0151】
実施例7:(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐メタンスルホニルオキシ‐3‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
【0152】
a-[3‐メトキシ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐酢酸エチル
0.9g(23mmol)の60%水素化ナトリウムを4g(19mmol)の(4‐ヒドロキシ‐3‐メトキシ‐フェニル)‐酢酸エチルを含む20mlのテトラヒドロフランおよび20mlのジメチルフォルムアミドの冷却済みの溶液に分けて加える。室温で45分撹拌した後に、2.4ml(21mmol)の1‐クロロメトキシ‐2‐メトキシ‐エタンを滴下で加える。室温で1時間撹拌した後に、水および酢酸エチルを加える。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させる。5.5g(97%)の[3‐メトキシ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐酢酸エチルが得られる。
【0153】
b-2‐[3‐メトキシ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐エタノール
1.2g(57.1mmol)の水素化ホウ素リチウムを60mlのテトラヒドロフランで希釈された5.4g(19.0mmol)の[3‐メトキシ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐酢酸エチルを含む溶液に分けて加える。60℃で2時間、それから室温で15時間撹拌した後に、反応混合物を0℃まで冷却した100mlの飽和塩化アンモニウム水溶液中に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させる。得られる未処理の生成物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(50/50)で溶出させ、3.55g(74%)の2‐[3‐メトキシ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐エタノールが無色の油の形態で得られる。
【0154】
c-(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐{2‐[3‐メトキシ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
2.5g(9.7mmol)の2‐[3‐メトキシ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐エタノール、2.0g(6.5mmol)の(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルおよび3.4g(13mmol)のトリフェニルホスフィンを50mlのテトラヒドロフラン中に入れる。一旦完全に溶解した後に、2.1ml(13mmol)のジエチルアゾジカルボキシレートを反応混合物中に非常にゆっくりと注ぐ。反応混合物を室温で15時間撹拌する。溶媒を真空下で蒸発させ、生成物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(70/30)で溶出させ、2.3g(66%)の(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐{2‐[3‐メトキシ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルが無色の油の形態で得られる。
【0155】
d-(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐ヒドロキシ‐3‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
0.5mlの硫酸を2.3g(4.2mmol)の(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐{2‐[3‐メトキシ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルを含む20mlのテトラヒドロフランおよび20mlのメタノールの溶液に加える。反応混合物を室温で15時間撹拌する。溶媒を真空下で蒸発させ、酢酸エチル/水で抽出する。相分離後、有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮し、1.9g(100%)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐ヒドロキシ‐3‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルが結晶化するオレンジ色の油の形態で得られる。
【0156】
e-(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐メタンスルホニルオキシ‐3‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
0.24ml(3.1mmol)の塩化メタンスルホニルを0.95g(2.1mmol)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐ヒドロキシ‐3‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルおよび0.34ml(2.50mmol)のトリエチルアミンを含む10mlのジクロロメタンの溶液に加える。反応混合物を室温で15時間撹拌し、それから溶媒を蒸発させる。得られる生成物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(70/30)で溶出させ、0.89g(80%)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐メタンスルホニルオキシ‐3‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルが薄い黄色の油の形態で得られる。
【0157】
f-(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐メタンスルホニルオキシ‐3‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
8.5ml(8.5mmol)の1Mの濃度の水酸化ナトリウム水溶液を0.9g(1.7mmol)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐メタンスルホニルオキシ‐3‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルを含む15mlのテトラヒドロフランの溶液に加える。反応混合物を68℃で30時間撹拌する。冷却後、反応混合物に1Mの濃度の塩酸水溶液および20mlの水を加え、それから酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し蒸発させる。生成物をヘプタン/酢酸エチル混合物から再結晶化し、0.55g(65%)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐メタンスルホニルオキシ‐3‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸が97℃の融点を有する白色の固体の形態で得られる。
【0158】
1H NMR (δ, CDCl3): 1.01 (t, 3H, 7.4Hz); 1.42 (t, 3H, J=7.1Hz); 1.53 (m, 2H); 1.84 (m, 2H); 3.15 (t, 2H, J= 6.6Hz); 3.19 (s, 3H); 3.91 (s, 3H); 4.05 (m, 2H); 4.26 (t, 2H, J= 6.7 Hz); 6.85 (d, 1H, J=8.4Hz); 6.96 (m, 1H); 6.99 (s, 1H); 7.12 (s, 1H); 7.24-7.28 (m, 2H); 7.59 (s, 1H)。
【0159】
実施例8:(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐メトキシ‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
【0160】
a-(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐ブタンスルホニルオキシ‐3‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
0.4ml(3.1mmol)の塩化ブタンスルホニルを、0.95g(2.1mmol)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐ヒドロキシ‐3‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル(実施例7dに従い調製される)および0.34ml(2.5mmol)のトリエチルアミンを含む10mlのジクロロメタンの溶液に加える。反応混合物を室温で15時間撹拌し、それから反応混合物を真空下で濃縮する。得られる生成物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(80/20)で溶出させ、0.73g(61%)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐ブタンスルホニルオキシ‐3‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルが薄い黄色の油の形態で得られる。
【0161】
b-(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐ブタンスルホニルオキシ‐3‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
6.3ml(6.3mmol)の1Mの濃度の水酸化ナトリウム水溶液を、0.73g(1.26mmol)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐ブタンスルホニルオキシ‐3‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルを含む15mlのテトラヒドロフランの溶液に加える。反応混合物を68℃で30時間撹拌する。冷却後、反応混合物に1Mの濃度の塩酸水溶液および20mlの水を加え、それから酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し蒸発させる。生成物をジイソプロピルエーテルから再結晶化させ、0.5g(72%)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐ブタンスルホニルオキシ‐3‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸が94℃の融点を有する白色の固体の形態で得られる。
【0162】
1H NMR (δ, CDCl3): 093 (t, 3H, J=7.4Hz); 0.95 (t, 3H, J=7.4Hz); 1.36 (t, 3H, J=7.1Hz); 1.45 (m, 2H); 1.78 (m, 2H); 1.95 (m, 2H); 3.09 (t, J=6.6Hz); 3.24 (m, 2H); 3.83 (s, 3H); 3.95-4.00 (m, 4H); 4.20 (t, 2H, J=6.8Hz); 6.79 (d, 1H, J=8.4Hz); 6.88 (dd, 1H, J=8.2Hz, J=1.9Hz); 6.92 (s, 1H); 7.06 (s.1H); 7.17-7.22 (m, 2H); 7.53 (s, 1H)。
【0163】
実施例9:(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐2‐メトキシ‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
【0164】
a-2‐メトキシ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐ベンズアルデヒド
1.8g(41.2mmol)の60%水素化ナトリウムを、30mlのテトラヒドロフランおよび30mlのジメチルフォルムアミドで希釈された5.7g(37.5mmol)の4‐ヒドロキシ‐2‐メトキシ‐ベンズアルデヒドの0℃の溶液に分けて加える。反応混合物を室温で30分間撹拌した後に、4.7ml(41.2mmol)の塩化2‐メトキシエトキシメチルを滴下で加える。反応混合物を室温で45分間撹拌し、水を加え、酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させる。生成物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(70/30)で溶出させ、8.6g(95%)の2‐メトキシ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐ベンズアルデヒドが無色の油の形態で得られる。
【0165】
b-2‐メトキシ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐1‐ビニル‐ベンゼン
12.5ml(31.2mmol)のn‐ブチルリチウムを、100mlのテトラヒドロフランで希釈された11.1g(31.2mmol)のメチル‐トリフェニル‐ホスホニウムの-40℃の溶液に滴下で加える。反応混合物を0℃で30分間撹拌した後に、-25℃まで冷却し、50mlのテトラヒドロフランで希釈された5g(20.8mmol)の2‐メトキシ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐ベンズアルデヒドの溶液を滴下で加える。反応混合物を室温で2時間撹拌する。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させる。生成物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(75/25)で溶出させ、4.4g(90%)の2‐メトキシ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐1‐ビニル‐ベンゼンが無色の油の形態で得られる。
【0166】
c-2‐[2‐メトキシ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐エタノール
30mlのテトラヒドロフランで希釈された3.9g(16.4mmol)の2‐メトキシ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐1‐ビニル‐ベンゼンを、10mlのテトラヒドロフランで希釈された4g(16.4mmol)の二量体の9‐ボラビシクロ[3.3.1]ノナンの室温の溶液に滴下で加える。室温で20時間撹拌した後に、上記反応混合物を0℃まで冷却し、10mlの水を滴下で加える。反応混合物を室温で1時間撹拌した後に、再び0℃まで冷却し、10mlの過酸化水素を加える。室温で2時間撹拌した後に反応混合物に3mlの3Mの濃度の水酸化ナトリウム水溶液が加えられ、30分間撹拌される。反応混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させる。生成物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(60/40)で溶出させ、3.3g(78%)の2‐[2‐メトキシ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐エタノールが明るい黄色の油の形態で得られる。
【0167】
d-(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐{2‐[2‐メトキシ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
3.3g(13mmol)の2‐[2‐メトキシ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐エタノール、2g(6.5mmol)の(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル(実施例5bに従い調製される)および3.4g(13mmol)のトリフェニルホスフィンを70mlのテトラヒドロフランに入れる。一旦完全に溶解した後に、2.1ml(13mmol)のジエチルアゾジカルボキシレートを反応混合物中に非常にゆっくり注ぐ。反応混合物を室温で15時間撹拌する。30mlのメタノールを加えた後に、溶媒を真空下で蒸発させ、生成物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(75/25)で溶出させ、2.6g(74%)の(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐{2‐[2‐メトキシ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルが明るい黄色の油の形態で得られる。
【0168】
e-(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐ヒドロキシ‐2‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
0.5mlの硫酸を、2.6g(4.7mmol)の(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐{2‐[2‐メトキシ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルを含む15mlのテトラヒドロフランおよび15mlのメタノールの溶液に加える。反応混合物を室温で3時間撹拌する。溶媒を真空下で蒸発させ、酢酸エチル/水で抽出させる。相分離後、有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮し、2.1g(100%)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐ヒドロキシ‐2‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルが明るい黄色の固体の形態で得られる。
【0169】
f-(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐ブタンスルホニルオキシ‐2‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
0.44ml(3.4mmol)の塩化ブタンスルホニルを、1.05g(2.3mmol)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐ヒドロキシ‐2‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルおよび0.47ml(3.4mmol)のトリエチルアミンを含む15mlのジクロロメタンの溶液に加える。反応混合物を室温で15時間撹拌し、それから真空下で濃縮する。得られる生成物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(75/25)で溶出させ、1.3g(98%)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐ブタンスルホニルオキシ‐2‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルがオレンジ色の油の形態で得られる。
【0170】
g-(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐ブタンスルホニルオキシ‐2‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
11.2ml(11.2mmol)の1Mの濃度の水酸化ナトリウム水溶液を、1.3g(2.25mmol)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐ブタンスルホニルオキシ‐2‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルを含む30mlのテトラヒドロフランの溶液に加える。反応混合物を68℃で3日間撹拌する。冷却後、反応混合物に1Mの濃度の塩酸水溶液および20mlの水を加え、それから酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し蒸発させる。生成物をヘプタン/酢酸エチル混合物から再結晶化し、0.7g(58%)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐ブタンスルホニルオキシ‐2‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸が90℃の融点を有する白色の固体の形態で得られる。
【0171】
1H NMR (δ, CDCl3): 0.93 (t, 3H, J=7.4Hz); 0.95 (t, 3H, J=7.4Hz); 1.32 (t, 3H, J=7.1Hz); 1.42 (m, 2H); 1.78 (m, 2H); 3.08 (t, 2H, J=7Hz); 3.18 (m, 2H); 3.78 (s, 3H); 3.95 (m, 4H); 4.13 (t, 2H, J=7.1Hz); 6.71 (d, 1H, J=7.8Hz); 6.73 (s, 1H); 6.80 (d, 1H, J=8.4Hz); 7.04 (s, 1H); 7.15-7.22 (m, 2H); 7.50 (s, 1H)。
【0172】
実施例10:(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐メタンスルホニルオキシ‐2‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
【0173】
a-(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐メタンスルホニルオキシ‐2‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
0.26ml(3.40mmol)の塩化メタンスルホニルを、1.05g(2.30mmol)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐ヒドロキシ‐2‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル(実施例9eに従い調製される)および0.47ml(3.40mmol)のトリエチルアミンを含む15mlのジクロロメタンの溶液に加える。反応混合物を室温で15時間撹拌し、それから真空下で濃縮する。得られる生成物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(70/30)で溶出させ、1g(80%)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐メタンスルホニルオキシ‐2‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルが無色の油の形態で得られる。
【0174】
b-(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐メタンスルホニルオキシ‐2‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
9.5ml(9.5mmol)の1Mの濃度の水酸化ナトリウム水溶液を、1g(1.86mmol)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐メタンスルホニルオキシ‐2‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルを含む30mlのテトラヒドロフランの溶液に加える。反応混合物を68℃で2日間撹拌する。冷却後、反応混合物に1Mの濃度の塩酸水溶液および20mlの水を加え、それから酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し蒸発させる。生成物をヘプタン/酢酸エチル混合物から再結晶化し、0.35g(65%)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐メタンスルホニルオキシ‐2‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸が112℃の融点を有する白色の固体の形態で得られる。
【0175】
1H NMR (δ, CDCl3):0.93 (t, 3H, J=7.4Hz); 1.32 (t, 3H, J=7.1Hz); 1.45 (m, 2H); 1.78 (m, 2H); 3.06 (m, 2H); 3.08 (s, 3H); 3.78 (s.3H); 3.92-3.97 (m, 4H); 4.14 (t, 2H, J=7.1Hz); 6.73 (m, 2H); 6.80 (d, 1H, J=8.4Hz); 7.03 (s, 1H); 7.15-7.24 (m, 2H); 7.49 (s, 1H);
【0176】
実施例11:(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐エトキシ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
【0177】
a-(3‐フルオロ‐4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐酢酸メチル
1mlの硫酸を、9.6g(56.4mmol)の(3‐フルオロ‐4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐酢酸を含む100mlのメタノールの溶液に加える。反応混合物を68℃で2時間撹拌し、それから真空下で濃縮する。100mlの水および100mlの酢酸エチルを加えた後に、反応混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム溶液を洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し蒸発させる。10g(100%)の(3‐フルオロ‐4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐酢酸メチルが明るい黄色の油の形態で得られる。
【0178】
b-[3‐フルオロ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐酢酸メチル
2.6g(65.1mmol)の60%水素化ナトリウムを、50mlのテトラヒドロフランおよび50mlのジメチルフォルムアミドで希釈された10g(54.3mmol)の(3‐フルオロ‐4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐酢酸メチルの0℃の溶液に加える。反応混合物を室温で45分間撹拌した後に、6.8ml(59.7mmol)の塩化2‐メトキシエトキシメチルを滴下で加える。反応混合物を室温で2時間撹拌し、水を加え酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させる。生成物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(70/30)で溶出させる。9.7g(65%)の[3‐フルオロ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐酢酸メチルが無色の油の形態で得られる。
【0179】
c-2‐[3‐フルオロ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐エタノール
2.4g(107mmol)の水素化ホウ素リチウムを、9.7g(36mmol)の[3‐フルオロ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐酢酸メチルを含む100mlのテトラヒドロフランの溶液に分けて加える。反応混合物を60℃で1.5時間撹拌し、それから500mlの氷中に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させる。8.6g(99%)の2‐[3‐フルオロ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐エタノールが無色の油の形態で得られる。
【0180】
d-(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐{2‐[3‐フルオロ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
2.2g(9.1mmol)の2‐[3‐フルオロ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐エタノール、2g(6.5mmol)の(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル(実施例5bに従い調製される)および3.4g(13mmol)のトリフェニルホスフィンを、70mlのテトラヒドロフランに入れる。一旦完全に溶解した後に、2.1ml(13mmol)のジエチルアゾジカルボキシレートを反応混合物中に非常にゆっくり注ぐ。反応混合物を室温で15時間撹拌する。50mlのメタノールを加えた後に、溶媒を真空下で蒸発させ、生成物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(70/30)で溶出させ、2.5g(71%)の(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐{2‐[3‐フルオロ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルがピンク色の油の形態で得られる。
【0181】
e-(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐フルオロ‐4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
0.5mlの硫酸を、2.5g(4.7mmol)の(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐{2‐[3‐フルオロ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルを含む15mlのテトラヒドロフランおよび15mlのメタノールの溶液に加える。反応混合物を室温で15時間撹拌する。溶媒を真空下で蒸発させ、酢酸エチル/水での抽出を実施する。相分離後、有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し真空下で濃縮し、2.1g(100%)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐フルオロ‐4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルがピンク色の固体の形態で得られる。
【0182】
f-(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐エトキシ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
0.13ml(1.7mmol)のヨードエチルが0.50g(1.1mmol)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐フルオロ‐4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルおよび0.23g(1.7mmol)の炭酸カリウムを含む10mlの2‐ブタノンの溶液に加えられる。反応混合物を4時間80℃に加熱し撹拌し、それから反応混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮する。得られる生成物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(90/10)で溶出させ、0.4g(75%)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐エトキシ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルが結晶化する薄黄色の油の形態で得られる
【0183】
g-(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐エトキシ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
2.5ml(2.5mmol)の1Mの濃度の水酸化リチウム水溶液を、0.4g(0.84mmol)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐エトキシ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルを含む6mlのテトラヒドロフランの溶液に加える。反応混合物を室温で4日間撹拌する。反応混合物に1Mの濃度の塩酸水溶液および10mlの水を加え、それから酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し蒸発させる。生成物をヘプタン/酢酸エチル混合物(80/20)から再結晶化させ、0.3g(81%)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐エトキシ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸が119℃の融点を有する白色の固体の形態で得られる。
【0184】
1H NMR (δ, CDCl3): 1.02 (t, 3H, J=7.4Hz); 1.44 (t, 3H, J=7.1Hz); 1.53 (t, 3H, J=7.5Hz); 1.85 (m, 2H); 1.89 (m, 2H); 3.08 (t, 2H, J=6.6Hz, 4.02 (m, 4H); 4.10 (q, 2H, J=7.1Hz); 4.21 (t, 2H, J=6.7Hz); 6.84-6.90 (m, 2H); 7.00 (d, 1H, J=8.2Hz); 7.11 (m, 1H); 7.13 (s, 1H); 7.24 (m, 1H); 7.57 (s, 1H)。
【0185】
実施例12:(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐フルオロ‐4‐ペンチルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
【0186】
a-(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐フルオロ‐4‐ペンチルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
0.2ml(1.7mmol)のヨードペンチルを、0.5g(1.1mmol)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐フルオロ‐4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル(実施例11eに従い調製される)および0.2g(1.7mmol)の炭酸カリウムを含む10mlの2‐ブタノンの溶液に加える。反応混合物を80℃で7時間撹拌する。反応混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮する。得られる生成物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(90/10)で溶出させ、0.42g(72%)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐フルオロ‐4‐ペンチルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルが無色の油の形態で得られる
【0187】
b-(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐フルオロ‐4‐ペンチルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
2.4ml(2.4mmol)の1Mの濃度の水酸化リチウム水溶液を、0.42g(0.8mmol)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐フルオロ‐4‐ペンチルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルを含む6mlのテトラヒドロフランの溶液に加える。反応混合物を室温で4日間撹拌する。反応混合物に1Mの濃度の塩酸水溶液および10mlの水を加え、それから酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し蒸発させる。生成物をヘプタン/酢酸エチル混合物(80/20)から再結晶化し、0.34g(87%)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐フルオロ‐4‐ペンチルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸が102℃の融点を有する白色の固体の形態で得られる。
【0188】
1H NMR (δ, CDCl3): 0.94 (t, 3H, J=7.1Hz); 1.02 (t, 3H, J=7.4Hz); 1.41 (t, J=7Hz); 1.45 (m, 2H); 1.83 (m, 2H); 3.08 (t, 2H, J=6.6Hz); 4.00-4.06 (m, 6H); 4.21 (t, 2H, J=6.7Hz); 6.84-6.90 (m, 4H); 6.99 (d, 1H, J=8.3Hz); 7.10 (m, 1H); 7.13 (s, 3H); 7.24 (m, 1H); 7.57 (s, 1H)。
【0189】
実施例13:(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐フルオロ‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
【0190】
a-(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐フルオロ‐4‐ブタンスルホニルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
0.22ml(1.75mmol)の塩化ブタンスルホニルを、0.52g(1.16mmol)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐フルオロ‐4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル(実施例11eに従い調製される)および0.24ml(1.75mmol)のトリエチルアミンを含む10mlのジクロロメタンの溶液に加える。反応混合物を室温で15時間撹拌し、それから真空下で濃縮する。得られる生成物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(80/20)で溶出させ、0.41g(62%)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐フルオロ‐4‐ブタンスルホニルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルが無色の油の形態で得られる。
【0191】
b-(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐フルオロ‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
1.4ml(1.4mmol)の1Mの濃度の水酸化リチウム水溶液を、0.4g(0.7mmol)の(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐フルオロ‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルを含む6mlのテトラヒドロフランの溶液に加える。反応混合物を室温で3日間撹拌する。反応混合物に1Mの濃度の塩酸水溶液および10mlの水を加え、それから酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し蒸発させる。生成物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ジクロロメタン/メタノール混合物(99/1)で溶出させ、0.1g(26%)の(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐フルオロ‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸が99℃の融点を有する白色の固体の形態で得られる。
【0192】
1H NMR (δ, CDCl3): 0.91 (t, 3H, J=7.3Hz); 0.93 (t, 3H, J=7.3Hz); 1.32 (t, 3H, J=7.1Hz); 1.44 (m, 2H); 1.75 (m, 2H); 1.92 (m, 2H); 3.06 (t, 2H, J=6.3Hz); 3.23 (m, 2H); 3.93-3.97 (m, 4H); 4.15 (t, 2H, J=6.3Hz); 6.75 (d, 1H, J=8.4Hz); 7.14 (s, 1H); 7.15 (m, 1H); 7.17-7.20 (m, 3H); 7.49 (s, 1H)。
【0193】
実施例14:(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐クロロ‐4‐エトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
【0194】
a-[3‐クロロ‐4‐ヒドロキシ‐フェニル]‐酢酸メチル
1mlの硫酸を、10g(53.6mmol)の(3‐クロロ‐4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐酢酸を含む100mlのメタノールの溶液に加える。反応混合物を68℃で15時間撹拌し、真空下で濃縮する。100mlの水および100mlの酢酸エチルを加えた後に、反応混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し蒸発させる。11g(100%)の(3‐クロロ‐4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐酢酸メチルが明るい黄色の油の形態で得られる。
【0195】
b-[3‐クロロ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐酢酸メチル
2.75g(68.4mmol)の60%水素化ナトリウムを、60mlのテトラヒドロフランおよび60mlのジメチルフォルムアミドで希釈された11g(57mmol)の(3‐クロロ‐4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐酢酸メチルの0℃の溶液に加える。反応混合物を室温で45分撹拌した後に、7.2ml(62.7mmol)の塩化2‐メトキシエトキシメチルを滴下で加える。反応混合物を室温で2時間撹拌した後に、水を加え酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム溶液を洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させる。生成物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(70/30)で溶出させる。10.6g(66%)の[3‐クロロ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐酢酸メチルが無色の油の形態で得られる。
【0196】
c-2‐[3‐クロロ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐エタノール
2.4g(110mmol)の水素化ホウ素リチウムを、110mlのテトラヒドロフランに希釈された10.6g(36.7mmol)の[3‐クロロ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐酢酸メチルを含む溶液に加える。反応混合物を60℃で2時間撹拌する。それから反応混合物を500mlの氷中に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させる。溶媒を蒸発させ、7.3g(77%)の2‐[3‐クロロ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐エタノールが無色の油の形態で得られる。
【0197】
d-(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐{2‐[3‐クロロ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
2.7g(9.1mmol)の2‐[3‐クロロ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐エタノール、2g(6.5mmol)の(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル(実施例5bに従い調製される)および3.4g(13mmol)のトリフェニルホスフィンを、80mlのテトラヒドロフランに入れる。一旦完全に溶解した後に、2.1ml(13mmol)のジエチルアゾジカルボキシレートを反応混合物中に非常にゆっくり注ぐ。反応混合物を室温で15時間撹拌する。50mlのメタノールを加えた後に、溶媒を真空下で蒸発させ、生成物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル (80/20)で溶出させ、2.6g(72%)の(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐{2‐[3‐クロロ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルが無色の油の形態で得られる。
【0198】
e-(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐クロロ‐4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
0.5mlの硫酸を、2.6g(4.7mmol)の(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐{2‐[3‐クロロ‐4‐(2‐メトキシ‐エトキシメトキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルを含む15mlのテトラヒドロフランおよび15mlのメタノールの溶液に加える。反応混合物を室温で15時間撹拌する。溶媒を真空下で蒸発させ、酢酸エチル/水での抽出を行う。相分離後、有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し真空下で濃縮し、2.2g(100%)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐クロロ‐4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルが明るい黄色の固体の形態で得られる。
【0199】
f-(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐エトキシ‐3‐クロロ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
0.2ml(2.4mmol)のヨードエチルを、0.56g(1.2mmol)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐クロロ‐4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルおよび0.25g(1.8mmol)の炭酸カリウムを含む10mlの2‐ブタノンの溶液に加える。反応混合物を80℃で6時間撹拌する。反応混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮する。得られる生成物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(85/15)で溶出させ、0.4g(61%)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐エトキシ‐3‐クロロ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルが無色の油の形態で得られる
【0200】
g-(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐エトキシ‐3‐クロロ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
2.2ml(2.2mmol)の1Mの濃度の水酸化リチウム水溶液を、0.4g(0.75mmol)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐エトキシ‐3‐クロロ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルを含む6mlのテトラヒドロフランの溶液に加える。反応混合物を室温で4日間撹拌する。反応混合物に1Mの濃度の塩酸水溶液および10mlの水が加えられ、それから酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し蒸発させる。生成物をヘプタン/酢酸エチル混合物(80/20)から再結晶化させ、0.33g(94%)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐エトキシ‐3‐クロロ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸が109℃の融点を有する白色の固体の形態で得られる。
【0201】
1H NMR (δ, CDCl3):1.02 (t, 3H, J=7.4Hz); 1.41 (t, 3H, J=7.1Hz); 1.48 (t, 3H, J=7Hz); 1.56 (m, 2H); 1.86 (m, 2H); 3.08 (t, 2H, J=6.7Hz); 4.01-4.06 (m, 4H); 4.12 (q, 2H, J=7Hz); 4.21 (t, 2H, J=6.8Hz); 6.84-6.88 (m, 4H); 7.12 (s, H); 7.16 (m, 1H); 7.24 (m, 1H); 7.36 (d, 1H, J= 2.1Hz); 7.58 (d, 1H, J=1.9Hz)。
【0202】
実施例15:(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐クロロ‐4‐ペンチルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
【0203】
a-(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐クロロ‐4‐ペンチルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
0.3ml(2.4mmol)のヨードペンチルを、0.55g(1.2mmol)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐クロロ‐4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル(実施例14eに従い調製される)および0.25g(1.8mmol)の炭酸カリウムを含む10mlの2‐ブタノンの溶液に加える。反応混合物を80℃で6時間撹拌する。反応混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮する。得られる生成物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(90/10)で溶出させ、0.5g(79%)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐クロロ‐4‐ペンチルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルが無色の油の形態で得られる
【0204】
b-(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐クロロ‐4‐ペンチルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
2.8ml(2.8mmol)の1Mの濃度の水酸化リチウム水溶液を、0.5g(0.94mmol)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐クロロ‐4‐ペンチルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルを含む6mlのテトラヒドロフランの溶液に加える。反応混合物を室温で4日間撹拌し、それから1Mの濃度の塩酸水溶液および10mlの水を加え、酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し蒸発させる。得られる生成物をヘプタン/酢酸エチル混合物(80/20)から再結晶化させ、0.4g(80%)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐クロロ‐4‐ペンチルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸が95℃の融点を有する白色の固体の形態で得られる。
【0205】
1H NMR (δ, CDCl3): 0.95 (t, 3H, J=7.1Hz); 1.02 (t, 3H, J=7.4Hz); 1.43 (t, 3H, J=7.1Hz); 1.47-1.57 (m, 2H); 1.86 (m, 4H); 3.07 (t, 2H, J=6.7Hz); 4.00-4.07 (m, 6H); 4.21 (t, 2H, J=6.8Hz); 6.84-6.87 (m, 2H); 7.13 (s, 1H); 7.14 (m, 1H); 7.24 (m, 1H); 7.35 (d, 1H, J=2.1Hz); 7.59 (d, 1H, J=1.9Hz)。
【0206】
実施例16:(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐クロロ‐4‐メタンスルホニルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
【0207】
a-(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐クロロ‐4‐メタンスルホニルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
0.12ml(1.6mmol)の塩化メタンスルホニルを、0.50g(1.1mmol)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐クロロ‐4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル(実施例14eに従い調製される)および0.22ml(1.6mmol)のトリエチルアミンを含む10mlのジクロロメタンの溶液に加える。反応混合物を室温で15時間撹拌し、真空下で濃縮する。得られる生成物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(85/15)で溶出させ、0.5g(84%)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐クロロ‐4‐メタンスルホニルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルが無色の油の形態で得られる。
【0208】
b-(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐クロロ‐4‐メタンスルホニルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
1.8ml(1.8mmol)の1Mの濃度の水酸化リチウム水溶液を、0.5g(0.9mmol)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐クロロ‐4‐メタンスルホニルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルを含む6mlのテトラヒドロフラン溶液に加える。反応混合物を室温で3日間撹拌する。反応混合物に1Mの濃度の塩酸水溶液および10mlの水を加え、酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し蒸発させる。生成物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ジクロロメタン/メタノール混合物(99/1)で溶出させ、0.15g(33%)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐クロロ‐4‐メタンスルホニルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸が113℃の融点を有する白色の固体の形態で得られる。
【0209】
1H NMR (δ, CDCl3): 0.93 (t, 3H, J=7.4Hz); 1.32 (t, 3H, J=7.1Hz); 1.45 (t, 3H, J=7.1Hz); 1.45 (m, 2H); 1.77 (m, 2H); 3.03 (t, 2H, J=6.3Hz); 3.16 (s, 3H); 3.92-3.97 (s, 3H); 3.92-3.98 (m, H); 4.16 (t, 2H, J=6.34Hz); 6.75 (d, 1H, J=8.4Hz); 7.03 (s, 1H); 7.15-7.23 (m, 2H); 7.30 (m, 1H); 7.42 (d, 1H, J=2Hz); 7.49 (d, 1H, J=1.9Hz)。
【0210】
実施例17:(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐クロロ‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
【0211】
a-(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐クロロ‐4‐ブタンスルホニルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
0.2ml(1.6mmol)の塩化ブタンスルホニルを、0.5g(1.1mmol)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐クロロ‐4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル(実施例14eに従い調製される)および0.2ml(1.6mmol)のトリエチルアミンを含む10mlのジクロロメタンの溶液に加える。反応混合物を室温で15時間撹拌し、真空下で濃縮する。得られる生成物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(90/10)で溶出し、0.4g(62%)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐クロロ‐4‐ブタンスルホニルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルが無色の油の形態で得られる。
【0212】
b-(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐クロロ‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
1.3ml(1.3mmol)の1Mの濃度の水酸化リチウム水溶液を、0.4g(0.7mmol)の(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐クロロ‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルを含む6mlのテトラヒドロフランの溶液に加える。反応混合物を室温で3日間撹拌する。反応混合物に1Mの濃度の塩酸水溶液および10mlの水を加え、酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し蒸発させる。生成物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ジクロロメタン/メタノール混合物(99/1)で溶出させ、0.07g(19%)の(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐クロロ‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸が80℃の融点を有する白色の固体の形態で得られる。
【0213】
1H NMR (δ, CDCl3): 0.91 (t, 3H, J=7.3Hz); 0.93 (t, 3H, J=7.3Hz); 1.31 (t, 3H, J=7.1Hz); 1.43-1.48 (m, 4H); 1.75 (m, 2H); 1.94 (m, 2H); 6.75 (d, 1H, J=8.4Hz); 7.03 (s, 1H); 7.16-7.21 (m, 2H); 7.30 (d, 1H, J=8.4Hz); 7.40 (d, 1H, J=2Hz); 7.49 (d, 1H, J=1.9Hz)。
【0214】
実施例18:(Z)‐2‐エトキシ‐3‐{4‐[2‐(4‐メタンスルホニルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐3‐メトキシ‐フェニル}‐アクリル酸
【0215】
a-(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐メタンスルホニルオキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐メトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
0.13ml(1.75mmol)の塩化メタンスルホニルを、0.50g(1.2mmol)の(Z)‐2‐エトキシ‐3‐{4‐[2‐(4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐3‐メトキシ‐フェニル}‐アクリル酸エチル(実施例1hに従い調製される)および0.24ml(1.75mmol)のトリエチルアミンを含む10mlのジクロロメタンの溶液に加える。反応混合物を室温で15時間撹拌し、溶媒を真空下で蒸発させる。得られる生成物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(70/30)で溶出させ、0.46g(85%)の(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(メタンスルホニルオキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐メトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルが無色の油の形態で得られる。
【0216】
b-(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(メタンスルホニルオキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐メトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
1.5ml(1.5mmol)の1Mの濃度の水酸化リチウム水溶液を、0.5g(1mmol)の(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(メタンスルホニルオキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐メトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルを含む15mlのアセトンおよび5mlの水の溶液に加える。反応混合物を35℃で18時間撹拌する。冷却後、反応混合物に2.5mlの1Mの濃度の塩酸水溶液および30mlの水を加え、酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し蒸発させる。生成物をヘプタン/酢酸エチル混合物から再結晶化させ、0.3g(70%)の(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(メタンスルホニルオキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐メトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸が147℃の融点を有する白色の固体の形態で得られる。
【0217】
1H NMR (δ, CDCl3): 1.43 (t, 1H, J=7.1Hz); 3.16 (s, 3H); 3.20 (t, 2H, J=7.1Hz); 3.92 (s, 3H); 4.07 (q, 2H, J=7.1Hz); 4.27 (t, 2H, J=7.1Hz); 6.86 (d, 1h, 8.4Hz); 7.14 (s, 1H); 7.25-7.28 (m, 3H); 7.38 (m, 2H); 7.62 (d, 1H, J=1, 9Hz)。
【0218】
実施例19:(Z)‐2‐エトキシ‐3‐{4‐[2‐(4‐エトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐3‐メトキシ‐フェニル}‐アクリル酸
【0219】
a-(Z)‐2‐エトキシ‐3‐{4‐[2‐(4‐エトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐3‐メトキシ‐フェニル}‐アクリル酸エチル
0.3ml(3.5mmol)のヨードエチルを、0.5g(1.2mmol)の(Z)‐2‐エトキシ‐3‐{4‐[2‐(4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐3‐メトキシ‐フェニル}‐アクリル酸エチル(実施例1hに従い調製される)および0.4g(2.6mmol)の炭酸カリウムを含む10mlの2‐ブタノンの溶液に加える。反応混合物を80℃で24時間撹拌し、それから濾過し、濾液を真空下で濃縮する。得られる生成物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(90/10)で溶出させ、0.5g(96%)の(Z)‐2‐エトキシ‐3‐{4‐[2‐(4‐エトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐3‐メトキシ‐フェニル}‐アクリル酸エチルが無色の油の形態で得られる
【0220】
b-(Z)‐2‐エトキシ‐3‐{4‐[2‐(4‐エトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐3‐メトキシ‐フェニル}‐アクリル酸
1.7ml(1.7mmol)の1Mの濃度の水酸化リチウム水溶液を、0.5g(1.1mmol)の(Z)‐2‐エトキシ‐3‐{4‐[2‐(4‐エトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐3‐メトキシ‐フェニル}‐アクリル酸エチルを含む15mlのアセトンおよび5mlの水の溶液に加える。反応混合物を35℃で18時間撹拌する。冷却後、反応混合物に2.6mlの1Mの濃度の塩酸水溶液および30mlの水を加え、酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させる。溶媒を蒸発させた後に、生成物をヘプタン/酢酸エチル混合物から再結晶化させ、0.25g(58%)の(Z)‐2‐エトキシ‐3‐{4‐[2‐(4‐エトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐3‐メトキシ‐フェニル}‐アクリル酸が121℃の融点を有する白色の固体の形態で得られる。
【0221】
1H NMR (δ, CDCl3):1.32 (t, 3H, J=6.2Hz); 1.35 (t, 3H, J=7Hz); 3.05 (t, 2H, J=7.7Hz); 3.83 (s, 3H); 3.92-3.98 (m, 4H); 4.14 (t, 2H, J=7.6Hz); 6.77-6.79 (m, 3H); 7.05 (s, 1H); 7.12-7.19 (m, 3H); 7.53 (d, 1H, J=1.9Hz)。
【0222】
実施例20:(Z)‐2‐エトキシ‐3‐{3‐メトキシ‐4‐[2‐(4‐ペンチルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐アクリル酸
【0223】
a-(Z)‐2‐エトキシ‐{3‐4‐[2‐(4‐ペンチルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐3‐メトキシ‐フェニル}‐アクリル酸エチル
0.5ml(3.5mmol)のヨードペンチルを、0.5g(1.2mmol)の(Z)‐2‐エトキシ‐3‐{4‐[2‐(4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐3‐メトキシ‐フェニル}‐アクリル酸エチル(実施例1hに従い調製される)および0.4g(2.6mmol)の炭酸カリウムを含む10mlの2‐ブタノンの溶液に加える。反応混合物を80℃で24時間撹拌し、それから濾過し、濾液を真空下で濃縮する。得られる生成物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(90/10)で溶出させ、0.4g(75%)の(Z)‐2‐エトキシ‐{3‐4‐[2‐(4‐ペンチルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐3‐メトキシ‐フェニル}‐アクリル酸エチルが無色の油の形態で得られる。
【0224】
b-(Z)‐2‐エトキシ‐3‐{4‐[2‐(4‐ペンチルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐3‐メトキシ‐フェニル}‐アクリル酸
1.3ml(1.3mmol)の1Mの濃度の水酸化リチウム水溶液を、0.4g(0.9mmol)の(Z)‐2‐エトキシ‐3‐{4‐[2‐(4‐ペンチルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐3‐メトキシ‐フェニル}‐アクリル酸エチルを含む15mlのアセトンおよび5mlの水の溶液に加える。反応混合物を35℃で18時間撹拌する。冷却後、反応混合物に2.3mlの1Mの濃度の塩酸水溶液および30mlの水を加え、酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し蒸発させる。生成物をヘプタン/酢酸エチル混合物から再結晶化させ、0.3g(84%)の(Z)‐2‐エトキシ‐3‐{4‐[2‐(4‐ペンチルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐3‐メトキシ‐フェニル}‐アクリル酸が135℃の融点を有する白色の固体の形態で得られる。
【0225】
1H NMR (δ, CDCl3): 0.95 (t, 3H, J=7.1Hz); 1.38 (t, 3H, J=8Hz); 1.39-1.48 (m, 4H); 1.82 (m, 2H); 3.14 (t, 2H, J=7.7Hz); 3.93 (s, 3H); 3.97 (m, 2H); 4.04 (q, 2H, J=7.1Hz); 4.23 (t, 2H, J=7.6Hz)。
【0226】
実施例21:(Z)‐3‐{4‐[2‐(4‐アセチルアミノ‐フェニル)‐エトキシ]‐3‐ブトキシ‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
【0227】
a-(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐ニトロ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
2.5ml(16mmol)のジエチルアゾジカルボキシレートを、2.5g(8mmol)の(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐ヒドロキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル(実施例5bに従い調製される)、4.2g(16mmol)のトリフェニルホスフィンおよび2g(12mmol)の4‐ニトロフェネチルアルコールを含む50mlのテトラヒドロフランの溶液に加える。反応混合物を室温で15時間撹拌する。50mlのメタノールを加えた後に、溶媒を真空下で蒸発させ、生成物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(70/30)で溶出させ、1.4g(38%)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐ニトロ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルが黄色の固体の形態で得られる。
【0228】
b-(Z)‐3‐{4‐[2‐(4‐アミノ‐フェニル)]‐エトキシ‐3‐ブトキシ‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
3.1g(13mmol)の塩化スズ二水和物を、1.2g(2.7mmol)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐ニトロ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルを含む20mlの無水エタノールの溶液に加える。反応混合物を15時間70℃で加熱する。5%の炭酸水素ナトリウム水溶液をpHが7から8になるように加えた後に、反応混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し濃縮する。得られる残留物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物で溶出する。1g(87%)の(Z)‐3‐{4‐[2‐(4‐アミノ‐フェニル)]‐エトキシ‐3‐ブトキシ‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルが得られる。
【0229】
c-(Z)‐3‐{4‐[2‐(4‐アセチルアミノ‐フェニル)‐エトキシ]‐3‐ブトキシ‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
0.08ml(1.1mmol)の塩化アセチルを、0.4g(1mmol)の(Z)‐3‐{4‐[2‐(4‐アミノ‐フェニル)]‐エトキシ‐3‐ブトキシ‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル、0.2ml(1.2mmol)のトリエチルアミンを含む8mlのテトラヒドラフランの0℃に冷却済みの溶液に加える。室温で15時間撹拌した後に、反応混合物を水および酢酸エチルで処理する。有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し蒸発させる。得られる残留物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(80/20)で溶出させる。0.3g(70%)の(Z)‐3‐{4‐[2‐(4‐アセチルアミノ‐フェニル)‐エトキシ]‐3‐ブトキシ‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルが得られる。
【0230】
d-(Z)‐3‐{4‐[2‐(4‐アセチルアミノ‐フェニル)‐エトキシ]‐3‐ブトキシ‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
80mg(2mmol)の水酸化ナトリウムを沈殿物として、0.3g(0.6mmol)の(Z)‐3‐{4‐[2‐(4‐アセチルアミノ‐フェニル)‐エトキシ]‐3‐ブトキシ‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルを含む5mlのテトラヒドラフランおよび5mlの水の溶液に加える。反応混合物を室温で18時間撹拌する。冷却後、反応混合物に1Mの濃度の塩酸水溶液および水を加え、酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し蒸発させる。0.05g(16%)の(Z)‐3‐{4‐[2‐(4‐アセチルアミノ‐フェニル)‐エトキシ]‐3‐ブトキシ‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸が160℃の融点を有する白色の固体の形態で得られる。
【0231】
1H NMR (δ, CDCl3): 0.90 (t, 3H, J=7.4Hz); 1.25 (t, 3H, J=7.1Hz); 1.43 (m, 2H); 1.67 (m, 2H); 2.95 (t, 2H, J=6.5Hz); 3.84-3.89 (m, 2H); 4.10 (t, 2H, J=6.6Hz); 6.81 (d, 1H, J=8.4Hz); 6.86 (s, 1H); 7.12 (dd, 1H, J=1.9Hz, J=8.4Hz); 7.17 (d, 2H, J=8.4Hz); 7.37 (d, 2H, J=8.4Hz); 7.47 (d, 1H, J=1.9Hz)。
【0232】
実施例22:(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルアミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
【0233】
a-(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルアミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
0.5ml(4.2mmol)の塩化ブタンスルホニルを、1.2g(2.8mmol)の(Z)‐3‐{4‐[2‐(4‐アミノ‐フェニル)]‐エトキシ‐3‐ブトキシ‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル(実施例21bに従い調製される)、0.6ml(4.2mmol)のトリエチルアミンを含む15mlのジクロロメタンの溶液に加える。反応混合物を室温で15時間撹拌し、真空下で濃縮する。得られる残留物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(80/20)で溶出させる。0.64g(43%)の(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルアミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルが得られる。
【0234】
b-(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルアミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
2ml(5mmol)の10%水素化ナトリウム水溶液を、0.8g(1.2mmol)の(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルアミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルを含む15mlのアセトン溶液に加える。反応混合物を56℃で2時間撹拌する。冷却後、反応混合物に6mlの1Mの濃度の酢酸水溶液および50mlの水を加え、酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させる。生成物をジイソプロピルエーテル/酢酸エチル混合物から再結晶化させ、0.4g(61%)の(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルアミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸が164℃の融点を有するベージュ色の固体の形態で得られる。
【0235】
1H NMR (δ, CDCl3): 0.83 (t, 3H, J=7.3Hz); 0.94 (t, 3H, J=7.3Hz); 1.32 (t, 3H, J=7.1Hz); 1.43-1.48 (m, 2H); 1.71-1.78 (m, 4H); 2.98-3.07 (m, 2H); 3.92-3.98 (m, 4H); 4.14 (t, 2H, J=6.7Hz); 6.34 (s, 1H); 6.76 (d, 1H, J=8.4Hz); 7.02 (s, 1H); 7.08 (d, 2H, J=8.4Hz); 7.14 (m, 1h); 7.24 (d, 2H, J=8.4Hz); 7.49 (s, 1H)。
【0236】
実施例23:(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐{2‐[4‐(メタンスルホニル‐メチル‐アミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
【0237】
a-(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐メタンスルホニルアミノ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
0.3ml(4.2mmol)の塩化メタンスルホニルを、0.1g(0.2mmol)の(Z)‐3‐{4‐[2‐(4‐アミノ‐フェニル)]‐エトキシ‐3‐ブトキシ‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル(実施例21bに従い調製される)、0.05ml(0.3mmol)のトリエチルアミンを含む5mlのジクロロメタンの溶液に加える。反応混合物を室温で15時間撹拌し、真空下で濃縮する。得られる残留物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(70/30)で溶出する。0.1g(83%)の(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐{2‐[4‐(メタンスルホニル‐メチル‐アミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸が得られる。
【0238】
b-(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐{2‐[4‐(メタンスルホニル‐メチル‐アミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
8mg(0.2mmol)の60%水素化ナトリウムを、0.09g(0.2mmol)の(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐{2‐[4‐(メタンスルホニル‐メチル‐アミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルを含む5mlのジメチルフォルムアミドの溶液に加え、反応混合物を室温で10分間撹拌した後に、0.02ml(0.3mmol)のヨードメタンを加える。水を加えた後に、反応混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させる。45mg(50%)の(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐{2‐[4‐(メタンスルホニル‐メチル‐アミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルが得られる。
【0239】
c-(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐{2‐[4‐(メタンスルホニル‐メチル‐アミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
0.12ml(0.12mmol)の1Mの濃度の水酸化リチウム水溶液を、0.04g(0.08mmol)の(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐{2‐[4‐(メタンスルホニル‐メチル‐アミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルを含む3mlのアセトンおよび1mlの水の溶液に加える。反応混合物を35℃で18時間撹拌する。冷却後、反応混合物に0.2mlの1Mの濃度の酢酸水溶液および10mlの水を加え、酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し蒸発させる。生成物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(50/50)で溶出させ、25mg(64%)の(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐{2‐[4‐(メタンスルホニル‐メチル‐アミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸が112℃の融点を有する白色の固体の形態で得られる。
【0240】
1H NMR (δ, CDCl3): 0.94 (t, 3H, J=7.4Hz); 1.32 (t, 3H, J=7.1Hz); 1.45 (m, 2H); 1.78 (m, 2H); 2.77 (s, 3H); 3.08 (t, 2H, J=6.7Hz); 3.24 (s, 3H); 3.92-3.97 (m, 4H); 4.16 (t, 2H, J=6.8Hz); 6.76 (d, 1H, J=8.4Hz); 7.02 (s, 1H); 7.14-7.30 (m, 5H); 7.49 (d, 1H, J=1.9Hz)。
【0241】
実施例24:(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐メタンスルホニルアミノ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
【0242】
4.4ml(11mmol)の10%の水酸化ナトリウム水溶液を、1.6g(2.7mmol)の(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐{2‐[4‐(メタンスルホニルアミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル(実施例23aに従い調製される)を含む30mlのアセトンおよび5mlの水の溶液に加える。反応混合物を56℃で24時間撹拌する。冷却後、反応混合物に12mlの1Mの濃度の酢酸水溶液および100mlの水を加え、それから酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し蒸発させる。生成物をジイソプロピルエーテル/酢酸エチル混合物から再結晶化させ、0.8g(61%)の(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(メタンスルホニルアミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸が141℃の融点を有するベージュ色の固体の形態で得られる。
【0243】
1H NMR (δ, CDCl3): 0.94 (t, 3H, J=7.4Hz); 1.32 (t, 3H, J=7.1Hz); 1.43-1.49 (m, 2H); 1.73-1.78 (m, 2H); 2.93 (s, 3H); 3.05 (t, 2H, J=6.6Hz); 3.92-3.98 (m, 4H); 4.14 (t, 2H, J=6.7Hz); 6.56 (s, 1H); 6.76 (d, 1H, J= 8.4Hz); 7.02 (s, 1H); 7.09 (d, 2H, J=8.4Hz); 7.15 (m, 1H); 7.25 (d, 2H, J=8.4Hz); 7.50 (s, 1H)。
【0244】
実施例25:(Z)‐3‐[4‐(2‐{4‐[(ブタン‐1‐スルホニル)‐メチル‐アミノ]‐フェニル}‐エトキシ)‐3‐ブトキシ‐フェニル]‐2‐エトキシ‐アクリル酸
【0245】
a-(Z)‐3‐[4‐(2‐{4‐[(ブタン‐1‐スルホニル)‐メチル‐アミノ]‐フェニル}‐エトキシ)‐3‐ブトキシ‐フェニル]‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
56mg(1.4mmol)の60%水素化ナトリウムを、0.64g(1.2mmol)の(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルアミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル(実施例22aに従い調製される)を含む10mlのジメチルフォルムアミドの溶液に加え、反応混合物を室温で20分間撹拌した後に、0.1ml(1.75mmol)のヨードメタンを加え、室温で2時間撹拌する。水を加えた後に、反応混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させる。得られる残留物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(70/30)で溶出させる。0.54g(82%)の(Z)‐3‐[4‐(2‐{4‐[(ブタン‐1‐スルホニル)‐メチル‐アミノ]‐フェニル}‐エトキシ)‐3‐ブトキシ‐フェニル]‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルが得られる。
【0246】
b-(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニル‐メチル‐アミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
1.4ml(1.4mmol)の1Mの濃度の水酸化リチウム水溶液を、0.54g(1mmol)の(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニル‐メチル‐アミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルを含む12mlのアセトンおよび3mlの水の溶液に加える。反応混合物を35℃で18時間撹拌する。冷却後、反応混合物に2.5mlの1Mの濃度の酢酸水溶液および30mlの水を加え、酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し蒸発させる。生成物をジイソプロピルエーテル/酢酸エチル混合物から再結晶化させ、0.4g(82%)の(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニル‐メチル‐アミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸が144℃の融点を有する白色の固体の形態で得られる。
【0247】
1H NMR (δ, CDCl3): 0.69 (t, 3H, J=7.3Hz); 0.78 (t, 3H, J= 7.4Hz); 1.17 (t, 3H, J=7.1Hz); 1.30 (, 2H); 1.56-1.163 (m, 4H); 2.73-2.77 (m, 2H); 2.92 (t, 2H, J=6.7Hz); 3.10 (s, 3H); 3.76-3.81 (m, 4H); 4.00 (t, 2H, J=6.7Hz); 6.61 (d, 1H, J=8.4Hz); 6.99 (s, 1H); 7.01-7.13 (m, 5H); 7.33 (d, 1H, J=1.9Hz)。
【0248】
実施例26:(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[3‐(4‐メトキシ‐フェニル)‐プロピル]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
【0249】
a-3‐ブトキシ‐4‐[3‐(4‐メトキシ‐フェニル)‐プロペニル]‐安息香酸メチル
170mg(0.5mmol)の2‐(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、50mg(0.25mmol)の酢酸パラジウムおよび2ml(14mmol)のトリエチルアミンを、4g(12mmol)の3‐ブトキシ‐4‐ヨウ化メチル安息香酸(実施例2cに従い調製される)および2.1g(14mmol)の4‐アリルアニソールを含む10mlのジメチルフォルムアミドの溶液に加える。反応混合物を90℃で15時間加熱する。20mlの水を加えた後に酢酸エチルで抽出し、有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し蒸発させる。4.5g(100%)の3‐ブトキシ‐4‐[(E)‐3‐(4‐メトキシ‐フェニル)‐プロペニル]‐安息香酸メチルが黄色の油の形態で得られる。
【0250】
b-3‐ブトキシ‐4‐[3‐(4‐メトキシ‐フェニル)‐プロピル]‐安息香酸メチル
0.45g(10重量%)の10%パラジウム炭素を、4.5g(13mmol)の3‐ブトキシ‐4‐[(E)‐3‐(4‐メトキシ‐フェニル)‐プロペニル]‐安息香酸メチルを含む60mlの窒素で浄化済みのテトラヒドロフランの溶液に加える。媒質を3バールの水素化に3時間置く。セライト(登録商標)で濾過した後に、濾液を真空下で濃縮する。3.6g(80%)の3‐ブトキシ‐4‐[3‐(4‐メトキシ‐フェニル)‐プロピル]‐安息香酸メチルが得られる。
【0251】
c-{3‐ブトキシ‐4‐[3‐(4‐メトキシ‐フェニル)‐プロピル]‐フェニル}‐メタノール
0.9g(40mmol)の水素化ホウ素リチウムを、3.6g(10mmol)の3‐ブトキシ‐4‐[3‐(4‐メトキシ‐フェニル)‐プロピル]‐安息香酸メチルを含む80mlのテトラヒドロフランおよび4mlのジメチルフォルムアミドの0℃に冷却済みの溶液に加える。その後、0℃から室温まで温度を上げ、15時間経過後に反応混合物に氷と水をゆっくり加えることにより加水分解し、それから酢酸エチルで抽出する。有機相を塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させる。残留物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物で溶出させる。2.1g(75%)の{3‐ブトキシ‐4‐[3‐(4‐メトキシ‐フェニル)‐プロピル]‐フェニル}‐メタノールが得られる。
【0252】
d-3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐ベンズアルデヒド
8.2g(94mmol)の二酸化マンガンを、2.05g(6.2mmol)の{3‐ブトキシ‐4‐[3‐(4‐メトキシ‐フェニル)‐プロピル]‐フェニル}‐メタノールを含む50mlのジクロロメタンの溶液に加える。室温で15時間撹拌した後に、反応混合物をセライト(登録商標)で濾過し、濾液を真空下で濃縮する。残留物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(92/8)で溶出させる。1.6g(79%)の3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐ベンズアルデヒドが得られる。
【0253】
e-(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[3‐(4‐メトキシ‐フェニル)‐プロピル]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
2.8ml(20mmol)のトリエチルアミンを、1.6g(5mmol)の3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐ベンズアルデヒドおよび3.1g(7.3mmol)の(エトキシ‐エトキシカルボニル‐メチル)‐トリフェニル‐塩化ホスホニウム(実施例3aに従い調製される)を含む30mlのテトラヒドロフランの溶液に加える。60℃で7時間撹拌した後に、反応混合物を真空下で濃縮する。残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物で溶出させる。1.3g(60%)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[3‐(4‐メトキシ‐フェニル)‐プロピル]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルが得られる。
【0254】
f-(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[3‐(4‐メトキシ‐フェニル)‐プロピル]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
0.1g(2.7mmol)の水酸化ナトリウムを沈殿物の形態で、0.4g(0.9mmol)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルを含む5mlのテトラヒドラフラン/水/メタノール混合物(5/1/1)に加える。反応混合物を55℃で7時間撹拌し、0.2g(0.5mmol)の水酸化ナトリウムおよび5mlのアセトンを加え、反応混合物を再び15時間加熱する。冷却後、反応混合物に酢酸水溶液がpH4から5となるように加えられ、されに水が加えられ酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し蒸発させる。得られる残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(80/20)で溶出させる。0.2g(50%)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[3‐(4‐メトキシ‐フェニル)‐プロピル]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸が65℃の融点を有する白色の固体の形態で得られる。
【0255】
1H NMR (δ, CDCl3): 0.91 (t, 3H, J=7.4Hz); 1.33 (t, 3H, J=7.1Hz); 1.45 (m, 2H); 1.70 (m, 2H); 1.79 (m, 2H); 2.52-2.60 (m, 4H); 3.70 (s, 3H); 3.90 (t, 2H, J=6.6Hz); 3.97 (q, 2H, J=7.1Hz); 6.74 (d, 2H, J=8.4Hz); 7.02-7.10 (m, 2H); 7.12 (d, 2H, J=8.4Hz); 7.16 (m, 1H); 7.39 (s, 1H)。
【0256】
実施例27:(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(アセチル‐メチル‐アミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
【0257】
a-(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(アセチル‐メチル‐アミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
50mg(1.2mmol)の60%水素化ナトリウムを、0.5g(1mmol)の(Z)‐3‐{4‐[2‐(4‐アセチルアミノ‐フェニル)‐エトキシ]‐3‐ブトキシ‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル(実施例21cに従い調製される)を含む8mlのジメチルフォルムアミドの溶液に加え、反応混合物を室温で10分間撹拌した後に、0.2ml(3mmol)のヨードメタンを加える。水を加えた後に、反応混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させる。得られる残留物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(75/25)で溶出させる。410mg(80%)の(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(アセチル‐メチル‐アミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルが得られる。
【0258】
b-(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(アセチル‐メチル‐アミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
0.2g(5mmol)の水酸化ナトリウムを沈殿物の形態で、0.4g(0.8mmol)の(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(アセチル‐メチル‐アミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルを含む5mlのアセトン/水混合物(1/1)に加える。反応混合物を室温で18時間撹拌する。冷却後、反応混合物に酢酸水溶液をpH4から5となるように加え、さらに水を加え酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し蒸発させる。得られる残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(75/25)で溶出させる。0.3g(80%)の(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(アセチル‐メチル‐アミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸が121℃の融点を有する白色の固体の形態で得られる。
【0259】
1H NMR (δ, CDCl3): 0.92 (t, 3H, J=7.4Hz); 1.30 (t, 3H, J=7.1Hz); 1.40-1.50 (m, 2H); 1.75 (m, 2H); 1.83 (s, 3H); 3.09 (t, 2H, J=6.6Hz); 3.19 (s, 3H); 3.93-3.99 (m, 4H); 4.17 (t, 2H, J=6.6Hz); 6.76 (d, 1H, J= 8.4Hz); 7.04 (s, 1H); 7.15 (d, 2H, J=8.4Hz); 7.17 (m, 1H); 7.31 (d, 2H, J=8.4Hz); 7.51 (d, 1H, J=1.9Hz)。
【0260】
実施例28:(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐プロピオニルアミノ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
【0261】
a-(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐プロピオニルアミノ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
0.1ml(1.3mmol)の塩化プロピオニルを、0.5g(1.2mmol)の(Z)‐3‐{4‐[2‐(4‐アミノ‐フェニル)]‐エトキシ‐3‐ブトキシ‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル(実施例21bに従い調製される)、0.2ml(1.2mmol)のトリエチルアミンを含む8mlのテトラヒドロフランの0℃に冷却済みの溶液に加える。室温で15時間撹拌した後に、反応混合物を水および酢酸エチルで処理する。有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し蒸発させる。得られる残留物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(80/20)で溶出させる。0.5g(88%)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐プロピオニルアミノ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルが得られる。
【0262】
b-(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐プロピオニルアミノ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
0.15g(3.1mmol)の水酸化ナトリウムを沈殿物の形態で、0.25g(5.2mmol)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐プロピオニルアミノ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチルを含む5mlのアセトン/水混合物(1/1)に加える。反応混合物を室温で18時間撹拌する。冷却後、反応混合物に酢酸水溶液をpH4から5となるように加え、さらに水を加え酢酸エチルで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し蒸発させる。得られる残留物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン/酢酸エチル混合物(75/25)で溶出させる。0.2g(87%)の(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐プロピオニルアミノ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸が164℃の融点を有する白色の固体の形態で得られる。
【0263】
1H NMR (δ, CDCl3): 0.88 (t, 3H, J=7.4Hz); 1.09 (t, 3H, J=7.1Hz); 1.23 (t, 3H, J=7.1Hz); 1.40 (m, 2H); 1.65 (m, 2H); 2.24 (q, 2H, J=7.6Hz); 2.27 (t, 2H, J=6.5Hz); 3.83-3.89 (m, 4H); 4.08 (t, 2H, J=6.5Hz); 6.78 (d, 1H, J=8.4Hz); 6.85 (s, 1H); 7.10 (dd, 1H, J=1.7Hz, J=8.4Hz); 7.15 (d, 2H, J=8.4Hz); 7.37 (d, 2H, J=8.4Hz); 7.46 (s, 1H)。
【0264】
実施例29:交差曲線におけるPPAR転写活性化試験
【0265】
HeLN細胞でのアゴニスト(活性化剤)によるPPAR受容体の活性化はレポーター遺伝子であるルシフェラーゼの発現を導き、これは基質存在下で光を発生させる。PPAR受容体の調節は、標準アゴニストの存在下で細胞をインキュベートした後に発生する蛍光を定量化することにより測定される。リガンドはアゴニストと位置を変えるであろう。活性は発生する光を定量化することにより測定される。この測定は、PPAR受容体への本分子の親和力を表す定数を決定することにより、本発明に係る化合物の調節活性を決定することを可能にする。この値は、受容体の基礎の活性および発現に従い変動し得るので、見かけのKd(KdAPP、単位nM)と称される。この定数を決定するために、標準アゴニストに対する試験生成物の「交差曲線」が96ウェルプレートにおいて実施される:試験生成物の10種の濃度に加えこれを含まないものが横の列に配置され、アゴニストの7種の濃度に加えこれを含まないものが縦の列に配置される。この配置は、1の生成物および1の受容体についての88の測定点を表す。8の残りのウェルは再現性対照のために使用される。それぞれのウェルで、細胞にある濃度の試験生成物、ある濃度の標準アゴニスト、PPARαに対しては2‐(4‐{2‐[3‐(2、4‐ジフルオロ‐フェニル)‐1‐ヘプチル‐ウレイド]‐エチル}‐フェニルスルファニル)‐2‐メチル‐プロピオン酸、PPARδに対しては{2‐メチル‐4‐[4‐メチル‐2‐(4‐トリフルオロメチル‐フェニル)‐チアゾール‐5‐イルメチルスルファニル]‐フェノキシ}‐酢酸およびPPARγに対しては5‐{4‐[2‐(メチル‐ピリジン‐2‐イル‐アミノ)‐エトキシ]‐ベンジル}‐チアゾリジン‐2、4‐ジオンを接触させる。測定はまた、全てのアゴニスト対照に対して、同じ生成物と共に実施される。使用されるHeLN細胞ラインはERE-βGlob-Luc-SV-Neo(レポーター遺伝子)およびPPAR(α、δ、γ)Gal-hPPARのプラスミドを含む安定な形質転換体である。これら細胞は96ウェルプレートにおいて、フェノールレッドを含まない10%の脱脂ウシ血清が補充された100μlのDMEM培地を含むウェル毎に10000の細胞の割合で播種される。プレートは37℃で7%の二酸化炭素下で16時間インキュベートされる。試験生成物および標準リガンドの各種希釈液は1のウェル毎に5μlの割合で加えられる。培養培地は反転することにより除去され、100μlのPBS/ルシフェラーゼ混合物(1/1)が各ウェルに加えられる。5分間後にプレートは蛍光読み取り装置で読取られる。これら交差曲線は、試験生成物の各種濃度における標準リガンドのAC50(50%の活性が観察される濃度)の決定を可能にする。これらAC50は、見かけのKd(単位nM)の値を提供するSchildの式(「Quantitation in rceptor pharmacology」 Terry P. Kenakin, Receptors and Channels, 2001, 7, 371-385頁)に相当する直線をプロットすることにより、Schild回帰を算出するために使用される。
【0266】
【表1】

【0267】
これらの結果はPPAR受容体に対する化合物の親和力を、より格別にはPPARαサブタイプまたはPPARδサブタイプに対する化合物の親和力と比較した場合におけるPPARγサブタイプに対する本発明の化合物の親和力の特異性を示す。
【0268】
実施例30:組成物
【0269】
本発明に係る化合物に基づく各種の具体的な組成物がこの実施例中で例示される。
【0270】
A‐経口経路
【0271】
(a)0.2gの錠剤
実施例1の化合物 0.001g
澱粉 0.114g
リン酸二カルシウム 0.020g
シリカ 0.020g
ラクトース 0.030g
タルク 0.010g
ステアリン酸マグネシウム 0.005g
【0272】
(b)5mlのアンプル中における経口懸濁液
実施例3の化合物 0.001g
グリセロール 0.500g
70%のソルビトール 0.500g
サッカリンナトリウム 0.010g
パラヒドロキシ安息香酸メチル 0.040g
香料 適量
精製水 全量5mlに
【0273】
(c)0.2gの錠剤
実施例6の化合物 0.050g
ラクトース一水和物 0.132g
クロスポビドン 0.007g
ポビドン 0.005g
Aerosil200 0.004g
ステアリン酸マグネシウム 0.002g
【0274】
(d)10mlのアンプル中における経口懸濁液
実施例7の化合物 0.200g
グリセロール 1.000g
70%のソルビトール 1.000g
サッカリンナトリウム 0.010g
パラヒドロキシ安息香酸メチル 0.040g
香料 適量
精製水 全量10mlまでに
【0275】
B‐局所的経路
【0276】
(a)軟膏
実施例8の化合物 0.020g
ミリスチン酸イソプロピル 81.700g
液体ワセリン油 9.100g
シリカ(「Aerosil200」) 9.180g
【0277】
(b)軟膏
実施例3の化合物 0.300g
白色ワセリン規格 全量100gまでに
【0278】
(c) 非イオン性油中水クリーム
実施例1の化合物 0.100g
乳化ラノリンアルコール、ワックスおよび油(「無水ユーセリン」) 39.900g
パラヒドロキシ安息香酸メチル 0.075g
パラヒドロキシ安息香酸プロピル 0.075g
滅菌脱塩水 全量100gまでに
【0279】
(d)ローション
実施例3の化合物 0.100g
ポリエチレングリコール(PEG400) 69.900g
95%のエタノール 30.000g
【0280】
(e)疎水性軟膏
実施例6の化合物 0.300g
ミリスチン酸イソプロピル 36.400g
シリコーン油(「Rhodorsil47V300」) 36.400g
蜜ろう 13.600g
シリコーン油(「Abil300000cST」) 全量100gまでに
【0281】
(f)非イオン性油中水クリーム
実施例9の化合物 1.000g
セチルアルコール 4.000g
モノステアリン酸グリセロール 2.500g
ステアリン酸PEG50 2.500g
シアバター 9.200g
プロピレングリコール 2.000g
パラヒドロキシ安息香酸メチル 0.075g
パラヒドロキシ安息香酸プロピル 0.075g
滅菌脱塩水 全量100gまでに

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の一般式(I):
【化1】

(式中:
‐R1はヒドロキシル基またはアルコキシ基を表す;
‐R2はアルキル基、アルコキシ基、またはアラルコキシ基を表す;
‐R3は水素、アルキル基、任意に置換されたアラルキル基またはポリエーテル基を表す;
‐R4は水素、ハロゲン、アルキル基またはアルコキシ基を表す;
‐R5はアルキル基、任意に置換されたアリール基、または任意に置換されたアラルキル基を表す;
‐Xは酸素原子またはCH2基を表す;
‐Yは酸素原子、NR6基、基OSO2、OCO、NR6COまたはNR6SO2を表す;
‐R6は水素原子またはアルキル基を表す)
に相当することを特徴とする化合物、ならびに医薬上許容可能な酸または塩基とのそれらの塩、医薬上許容可能なそれらの溶媒和物またはそれらの水和物。
【請求項2】
アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩または有機アミン塩の形態であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
アミン官能基を有する場合に無機酸塩または有機酸塩の形態であることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
前記アルキル基が、1から12の炭素原子を有する直鎖状または分枝状飽和炭化水素鎖を表すことを特徴とする、請求項1から3の何れか一項に記載の化合物。
【請求項5】
前記アルキル基がメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert‐ブチル、ペンチル、イソアミル、アミルおよびヘキシル基から選択されることを特徴とする、請求項1から4の何れか一項に記載の化合物。
【請求項6】
前記の任意に置換されたアリール基がアルキル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、トリフルオロメチルおよびニトロから選択される1または複数の原子または原子群で任意に置換されたフェニルおよびナフチルから選択されることを特徴とする、請求項1から5の何れか一項に記載の化合物。
【請求項7】
前記の任意に置換されたアラルキル基が、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、トリフルオロメチルおよびニトロから選択される1または複数の原子または原子群で任意に置換されたベンジル基およびフェネチル基から選択されることを特徴とする、請求項1から6の何れか一項に記載の化合物。
【請求項8】
前記ハロゲン原子がフッ素、塩素、臭素およびヨウ素原子から選択されることを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の化合物。
【請求項9】
前記アルコキシ基がメトキシ、エトキシ、イロプロピルオキシ、n‐プロピルオキシ、tert‐ブトキシ、n‐ブトキシ、n‐ペンチルオキシおよびn‐ヘキシルオキシ基から選択されることを特徴とする、請求項1から8の何れか一項に記載の化合物。
【請求項10】
前記ポリエーテル基が、少なくとも1つの酸素原子で割り込まれている1から7の炭素原子を含む基、好ましくはメトキシエトキシ、エトキシエトキシ、エトキシエチルおよびメトキシエトキシエトキシ基から選択されることを特徴とする、請求項1から9の何れか一項に記載の化合物。
【請求項11】
下記の群:
1.(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐メトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
2.(Z)‐3‐(4‐{3‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐メトキシ‐フェニル]‐プロピル}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐メトキシ‐アクリル酸
3.(Z)‐3‐(4‐{3‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐メトキシ‐フェニル]‐プロピル}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
4.(E)‐3‐(4‐{3‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐メトキシ‐フェニル]‐プロピル}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐メチル‐アクリル酸
5.(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐メタンスルホニルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
6.(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
7.(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐メタンスルホニルオキシ‐3‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
8.(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐メトキシ‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
9.(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐2‐メトキシ‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
10.(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐メタンスルホニルオキシ‐2‐メトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
11.(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐エトキシ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
12.(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐フルオロ‐4‐ペンチルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
13.(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐フルオロ‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
14.(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐クロロ‐4‐エトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
15.(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐クロロ‐4‐ペンチルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
16.(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(3‐クロロ‐4‐メタンスルホニルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
17.(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐3‐クロロ‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
18.(Z)‐2‐エトキシ‐3‐{4‐[2‐(4‐メタンスルホニルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐3‐メトキシ‐フェニル}‐アクリル酸
19.(Z)‐2‐エトキシ‐3‐{4‐[2‐(4‐エトキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐3‐メトキシ‐フェニル}‐アクリル酸
20.(Z)‐2‐エトキシ‐3‐{3‐メトキシ‐4‐[2‐(4‐ペンチルオキシ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐アクリル酸
21.(Z)‐3‐{4‐[2‐(4‐アセチルアミノ‐フェニル)‐エトキシ]‐3‐ブトキシ‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
22.(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルアミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
23.(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐{2‐[4‐(メタンスルホニル‐メチル‐アミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
24.(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐メタンスルホニルアミノ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
25.(Z)‐3‐[4‐(2‐{4‐[(ブタン‐1‐スルホニル)‐メチル‐アミノ]‐フェニル}‐エトキシ)‐3‐ブトキシ‐フェニル]‐2‐エトキシ‐アクリル酸
26.(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[3‐(4‐メトキシ‐フェニル)‐プロピル]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
27.(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(アセチル‐メチル‐アミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
28.(Z)‐3‐{3‐ブトキシ‐4‐[2‐(4‐プロピオニルアミノ‐フェニル)‐エトキシ]‐フェニル}‐2‐エトキシ‐アクリル酸
29.(E)‐3‐(4‐{3‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐フェニル]‐プロピル}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐メトキシ‐アクリル酸
30.(Z)‐3‐[4‐{3‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐フェニル]‐プロピル}‐3‐(2‐エトキシ‐エトキシ)‐フェニル]‐2‐メトキシ‐アクリル酸メチル
31.(E)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐メトキシ‐アクリル酸
32.(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルオキシ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸エチル
33.(Z)‐3‐(4‐{2‐[4‐(ベンゾイル‐メチル‐アミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐ブトキシ‐フェニル)‐2‐メトキシ‐アクリル酸
34.(Z)‐3‐[4‐{2‐[4‐(ブタン‐1‐スルホニルアミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐3‐(2‐エトキシ‐エトキシ)‐フェニル]‐2‐エトキシ‐アクリル酸
35.(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐{2‐[4‐(2‐m‐トリル‐エタンスルホニルアミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
36.(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐{2‐[4‐(3‐エトキシ‐ベンゾイルアミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐2‐エトキシ‐アクリル酸
37.(Z)‐3‐(3‐ブトキシ‐4‐{2‐[4‐(メチル‐ナフタレン‐1‐イルメチル‐アミノ)‐フェニル]‐エトキシ}‐フェニル)‐2‐メトキシ‐アクリル酸
38.(Z)‐3‐{3‐ベンジルオキシ‐4‐[3‐(4‐m‐トリルメタンスルホニルオキシ‐フェニル)‐プロピル]‐フェニル}‐2‐メトキシ‐アクリル酸
39.(Z)‐3‐{3‐ヒドロキシ‐4‐[3‐(4‐m‐トリルメタンスルホニルオキシ‐フェニル)‐プロピル]‐フェニル}‐2‐メトキシ‐アクリル酸
から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
下記の特徴:
‐R1はヒドロキシル基である、
‐R2は低級アルキル基または低級アルコキシ基である、
‐R3はアルキル基またはポリエーテル基を表す、
‐R4は水素原子、低級アルコキシ基またはハロゲンを表す、
‐R5はアルキル基を表す、
‐Xは酸素原子またはCH2基を表す、
‐Yは基‐NR6SO2または‐OSO2を表す、
‐R6は水素原子またはアルキル基を表す、
の少なくとも1つ有することを特徴とする、請求項1から11の何れか一項に記載の化合物。
【請求項13】
下記の特徴:
‐R1はヒドロキシル基である、
‐R2は低級アルコキシ基である、
‐R3はアルキル基を表す、
‐R4は水素原子、低級アルコキシ基またはハロゲンを表す、
‐R5はアルキル基を表す、
‐Xは酸素原子またはCH2基を表す、
‐Yは基‐OSO2を表す、
の少なくとも1つを提示することを特徴とする、請求項1から11の何れか一項に記載の化合物。
【請求項14】
生理学的に許容可能な媒体中に請求項1から13の何れか一項に記載の化合物を少なくとも1つ含むことを特徴とする化粧品組成物。
【請求項15】
請求項1から13の何れか一項に記載の化合物の濃度が組成物の総重量に対して0.001%から3重量%の間であることを特徴とする請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
請求項1から13の何れか一項に記載の化合物、あるいは請求項14または15に記載の組成物の身体または毛髪の衛生状態のための美容的使用。
【請求項17】
医薬製品としての請求項1から13の何れか一項に記載の化合物。
【請求項18】
皮膚の脂質の代謝を調節および/または回復させるための医薬製品の製造における請求項1から13の何れか一項に記載の化合物の使用。
【請求項19】
‐分化および増殖に関連する角質化障害に伴う皮膚科学的状態、特に尋常性座瘡、面皰、多形座瘡、酒さ性座瘡、結節嚢胞性座瘡、集簇性座瘡、老人性座瘡、二次的座瘡、例えば日光誘発性、医薬誘発性または職業性座瘡、
‐魚麟癬、魚麟癬様の状態、ダリエー病、掌蹠角皮症、白斑症および白斑症様の状態、皮膚または粘膜(口腔)の苔癬、
‐免疫アレルギー性炎症要素を伴い、細胞増殖障害を伴うまたは伴わない皮膚科学的状態、特に皮膚、粘膜または爪の乾癬、乾癬性リウマチ、湿疹のような皮膚アトピー、呼吸器アトピー、または歯肉肥大、
‐良性または悪性のウイルス性または非ウイルス性の真皮または表皮の増殖、特に尋常性いぼ、扁平いぼ、いぼ状表皮異形成、口腔乳頭腫症またはフロリド乳頭腫症、Tリンパ腫、
‐紫外線によって誘発され得る増殖、特に基底および有棘細胞上皮腫
‐前癌性皮膚病変、特に角化棘細胞腫、
‐免疫性皮膚病、特に紅斑性狼蒼、
‐水泡性免疫疾患、
‐膠原病、特に強皮症、
‐免疫学的要素を伴う皮膚科学的または全身性状態、
‐UV線への暴露に起因する皮膚障害、光誘導性または経時的な皮膚の老化、または色素沈着および光線性角化症、または経時的もしくは光線性老化に伴う全ての疾患、特に乾燥症、
‐皮脂腺機能障害、特に座瘡の脂漏過多または単純脂漏症、
‐瘢痕形成障害または皮膚萎縮線条、
‐色素沈着障害、例えば色素沈着過剰、黒皮症、色素沈着減少または白斑症、
‐脂質代謝障害、例えば肥満症、高脂血症またはインスリン非依存性糖尿病、
‐関節炎のような炎症性障害、
‐癌性または前癌性の状態、
‐種々の原因の脱毛症、特に化学療法または放射線に起因する脱毛症、
‐免疫系疾患、例えば喘息、I型糖尿病、多発性硬化症またはの他の選択的免疫系機能障害、
‐動脈硬化症または高血圧症のような心血管系障害
の治療のための医薬製品の製造における請求項1から13の何れか一項に記載の化合物の使用。
【請求項20】
請求項1から13の何れか一項に記載の少なくとも1つの化合物を生理学的に許容可能な媒体中に含むことを特徴とする、医薬組成物。
【請求項21】
請求項1から13の何れか一項に記載の化合物の濃度が組成物の総重量に対して0.001%から10重量%の間であることを特徴とする請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
請求項1から13の何れか一項に記載の化合物の濃度が組成物の総重量に対して0.01%から1重量%の間であることを特徴とする請求項20または21に記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−529099(P2010−529099A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510859(P2010−510859)
【出願日】平成20年6月4日(2008.6.4)
【国際出願番号】PCT/FR2008/050997
【国際公開番号】WO2008/152334
【国際公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(599045604)ガルデルマ・リサーチ・アンド・デヴェロップメント (117)
【Fターム(参考)】