説明

PTT通信システム、PTT通信端末、メッセージ処理サーバ及びメッセージ処理方法

【課題】 Push-to-Talk over Cellular(PoC)を用いる場合において、蓄積されたメッセージデータの中から所定の条件に合致するメッセージデータのみを容易に選択して聴取する。
【解決手段】 本発明に係るPTT通信端末は、メッセージデータM13の所定の属性を示す属性情報をメッセージデータM13に付加する属性情報付加部と、属性情報が付加された属性情報付きメッセージデータMをPTTサーバ100に送信する属性情報付きメッセージデータ送信部とを備える。また、本発明に係るメッセージ蓄積サーバ200は、受信した属性情報付きメッセージデータMに基づいて、メッセージデータM13のメタデータを生成するメタデータ生成部と、メタデータに基づいてメッセージデータM13の内容を示すメッセージデータ情報を生成し、生成したメッセージデータ情報を通信端末30に送信するメッセージデータ情報送信部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会話する際に所定の操作をすることによって、前記会話の内容を所定の無線通信方式に基づいて変換したメッセージデータを送信するPush-to-Talk over Cellular(PoC)を用いるPTT通信システム、PTT通信端末、メッセージ処理サーバ及びメッセージ処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話端末や、無線通信機能を具備する携帯情報端末(PDA)などが用いられる移動通信システムにおいて、トランシーバのような半二重通信による1対N(多数)の通話を実現する通信サービス、いわゆるPush-to-Talk over Cellular(以下、“PoC”と適宜省略する)が提供されている。
【0003】
PoCでは、会話の際に特定のボタンなどを操作することによって会話の内容が所定の通信方式にしたがって変換されたメッセージデータを通信ネットワークに向けて送信するPush-to-Talk(PTT)機能を具備する携帯電話端末(PTT通信端末)と、当該携帯電話端末によって送信されたメッセージデータを通話先の携帯電話端末などに中継したり、当該メッセージデータを蓄積したりする機能などを具備するメッセージ処理サーバとが用いられる(例えば、特許文献1)。
【0004】
PoCは、1対Nの通話を容易に可能とすることから、電話会議などに活用されるようになっている。
【特許文献1】特表2002−536928号公報(第13−15頁、第3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来のPoCには、次のような問題があった。例えば、PoCを利用した電話会議に参加できなかったメンバーが、メッセージ処理サーバに蓄積されている当該電話会議の内容(メッセージデータ)を後から聴取する場合、当該メンバーは、所望の部分のみ、具体的には、所定の条件に合致した部分のみを容易に選択して聴取することができないといった問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、Push-to-Talk over Cellular(PoC)を用いる場合において、蓄積されたメッセージデータの中から所定の条件に合致するメッセージデータのみを容易に選択して聴取することができるPTT通信システム、PTT通信端末、メッセージ処理サーバ及びメッセージ処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した問題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、会話する際に所定の操作(例えば、操作ボタンの押下)をすることによって、前記会話の内容を所定の無線通信方式(第3世代移動通信システム)に基づいて変換したメッセージデータ(メッセージデータM13)を送信するPTT通信端末(例えば、PTT通信端末20A)と、前記PTT通信端末によって送信された前記メッセージデータを中継及び蓄積するメッセージ処理サーバ(PTTサーバ100、メッセージ蓄積サーバ200及びメッセージ提供サーバ300)とを含むPTT通信システムであって、前記PTT通信端末は、前記メッセージデータの所定の属性を示す属性情報を前記メッセージデータに付加する属性情報付加部(属性情報付加部27)と、前記属性情報が付加された前記メッセージデータである属性情報付きメッセージデータ(属性情報付きメッセージデータM)を前記メッセージ処理サーバに送信する属性情報付きメッセージデータ送信部(通信部21及びメッセージ処理部23)とを備え、前記メッセージ処理サーバは、前記属性情報付きメッセージデータを受信するメッセージ受信部(通信部101及びメッセージ処理部103)と、前記メッセージ受信部が受信した前記属性情報付きメッセージデータに基づいて、前記メッセージデータのメタデータを生成するメタデータ生成部(メタデータ処理部205)と、前記メタデータに基づいて前記メッセージデータの内容を示すメッセージデータ情報(Web画面情報)を生成し、生成した前記メッセージデータ情報を通信端末に送信するメタデータ送信部(通信部301及びメッセージ処理部303)と、前記通信端末から受信した取得要求に応じて、前記メッセージデータ情報に対応付けられている前記メッセージデータを前記通信端末に送信するメッセージデータ送信部(通信部301及びメッセージ処理部303)と
を備えることを要旨とする。
【0008】
このようなPTT通信システムによれば、メッセージデータの所定の属性を示す属性情報が付加された属性情報付きメッセージデータに基づいて、メッセージデータのメタデータが生成される。
【0009】
つまり、当該メタデータに基づいてメッセージデータの内容を示すメッセージデータ情報を容易に提供することができるため、メッセージ処理サーバに蓄積されているメッセージデータを聴取しようとする利用者は、当該メッセージデータの中から所定の条件に合致するメッセージのみを容易に選択して聴取することができる。
【0010】
本発明の第2の特徴は、会話する際に所定の操作をすることによって、前記会話の内容を所定の無線通信方式に基づいて変換したメッセージデータをメッセージ処理サーバ送信するPTT通信端末であって、前記メッセージデータの所定の属性を示す属性情報を前記メッセージデータに付加する属性情報付加部と、前記属性情報が付加された前記メッセージデータである属性情報付きメッセージデータを前記メッセージ処理サーバに送信する属性情報付きメッセージデータ送信部とを備えることを要旨とする。
【0011】
本発明の第3の特徴は、本発明の第2の特徴に係り、前記属性情報付加部は、前記メッセージデータの重要度(メッセージ重要度M11)を前記属性情報として前記メッセージデータに付加することを要旨とする。
【0012】
本発明の第4の特徴は、本発明の第3の特徴に係り、操作ボタン部(操作ボタン部29)をさらに備え、前記重要度は、前記操作ボタン部に対する所定の操作と対応付けられており、前記属性情報付加部は、前記所定の操作が実行されることによって、前記重要度を前記属性情報として前記メッセージデータに付加することを要旨とする。
【0013】
本発明の第5の特徴は、本発明の第2の特徴に係り、前記属性情報付加部は、前記メッセージデータに含まれている会話の内容の種別(会話内容種別M11A)を前記属性情報として前記メッセージデータに付加することを要旨とする。
【0014】
本発明の第6の特徴は、本発明の第5の特徴に係り、操作ボタン部(操作ボタン部29)をさらに備え、前記種別は、前記操作ボタン部に対する所定の操作と対応付けられており、前記属性情報付加部は、前記所定の操作が実行されることによって、前記種別を前記属性情報として前記メッセージデータに付加することを要旨とする。
【0015】
本発明の第7の特徴は、会話する際に所定の操作をすることによって、前記会話の内容を所定の無線通信方式に基づいて変換したメッセージデータを送信するPTT通信端末によって送信された前記メッセージデータを中継及び蓄積するメッセージ処理サーバであって、前記メッセージデータの所定の属性を示す属性情報が付加された前記メッセージデータである属性情報付きメッセージデータを受信するメッセージ受信部と、前記メッセージ受信部が受信した前記属性情報付きメッセージデータに基づいて、前記メッセージデータのメタデータを生成するメタデータ生成部と、前記メタデータに基づいて前記メッセージデータの内容を示すメッセージデータ情報を生成し、生成した前記メッセージデータ情報を通信端末に送信するメタデータ送信部と、前記通信端末から受信した取得要求に応じて、前記メッセージデータ情報に対応付けられている前記メッセージデータを前記通信端末に送信するメッセージデータ送信部とを備えることを要旨とする。
【0016】
本発明の第8の特徴は、本発明の第7の特徴に係り、前記メッセージデータの重要度が、前記属性情報として前記メッセージデータに付加されており、前記メタデータ生成部は、前記重要度を含むメタデータを生成することを要旨とする。
【0017】
本発明の第9の特徴は、本発明の第7の特徴に係り、前記メッセージデータに含まれている会話の内容の種別が、前記属性情報として前記メッセージデータに付加されており、前記メタデータ生成部は、前記種別を含むメタデータを生成することを要旨とする。
【0018】
本発明の第10の特徴は、会話する際に所定の操作をすることによって、前記会話の内容を所定の無線通信方式に基づいて変換したメッセージデータを送信するPTT通信端末によって送信された前記メッセージデータを処理するメッセージ処理方法であって、前記PTT通信端末が、前記メッセージデータの所定の属性を示す属性情報を前記メッセージデータに付加するステップと、前記PTT通信端末によって送信された前記属性情報付きメッセージデータに基づいて、前記メッセージデータのメタデータを生成するステップと、前記メタデータに基づいて前記メッセージデータの内容を示すメッセージデータ情報を生成し、生成した前記メッセージデータ情報を通信端末に送信するステップと、前記通信端末から受信した取得要求に応じて、前記メッセージデータ情報に対応付けられている前記メッセージデータを前記通信端末に送信するステップとを備えることを要旨とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の特徴によれば、Push-to-Talk over Cellular(PoC)を用いる場合において、蓄積されたメッセージデータの中から所定の条件に合致するメッセージデータのみを容易に選択して聴取することができるPTT通信システム、PTT通信端末、メッセージ処理サーバ及びメッセージ処理方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
【0021】
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0022】
(PTT通信システムの全体概略構成)
図1は、本実施形態に係るPTT通信システムの全体概略構成図である。本実施形態に係るPTT通信システムには、PTT通信端末20A,20Bが含まれる。さらに、当該PTT通信システムには、PTTサーバ100、メッセージ蓄積サーバ200及びメッセージ提供サーバ300が含まれる。
【0023】
また、本実施形態では、PTT通信端末20A,20Bは、いわゆる第3世代移動通信システムに対応した携帯電話端末である。
【0024】
特に、PTT通信端末20A,20Bは、会話する際に所定の操作、具体的には、操作ボタン部29の特定のボタンを操作することによって、会話の内容を所定の無線通信方式、本実施形態では、第3世代移動通信システムにおいて用いられる音声符号化則や変調方式に基づいて変換した属性情報付きメッセージデータMを送信するPush-to-Talk(PTT)機能を具備しており、いわゆるPush-to-Talk over Cellular(PoC)を利用することができる。
【0025】
なお、図1では図示されていないが、本実施形態に係るPTT通信システムには、PTT通信端末20A,20Bと同様の機能を具備するPTT通信端末が多数含まれる。本実施形態では、当該PTT通信端末間において、PoCを利用した電話会議が行われるものとして以下説明する。
【0026】
通信端末30は、無線基地局11A,11Bを介して通信ネットワーク10にアクセスすることができる通信端末である。通信端末30は、PTT通信端末20A,20BのようなPTT機能は具備していない一般的な無線通信端末である。通信端末30としては、携帯電話端末や、無線通信機能を具備する携帯情報端末(PDA)などが用いられる。
【0027】
通信ネットワーク10は、PTT通信端末20A,20Bによって送信された属性情報付きメッセージデータMなどを中継する。通信ネットワーク10には、PTT通信端末20A,20B及び通信端末30と無線通信を実行する無線基地局11A,11Bが含まれている。
【0028】
また、通信ネットワーク10には、PTTサーバ100、メッセージ蓄積サーバ200及びメッセージ提供サーバ300が接続されている。
【0029】
PTTサーバ100は、PTT通信端末20A,20Bによって送信された属性情報付きメッセージデータMを、通信端末30及びメッセージ蓄積サーバ200に中継する。
【0030】
メッセージ蓄積サーバ200は、PTTサーバ100によって中継された属性情報付きメッセージデータMに含まれているメッセージデータM13を蓄積する。
【0031】
また、メッセージ蓄積サーバ200は、メッセージデータM13のメタデータD(図10参照)を生成し、生成したメタデータDを蓄積する。
【0032】
メッセージ提供サーバ300は、通信端末30との通信を実行し、メタデータDに基づいて生成されるWeb画面情報(図11(b),(c1),(c2)参照)や、メッセージデータM13を通信端末30に送信する。
【0033】
本実施形態では、PTTサーバ100、メッセージ蓄積サーバ200及びメッセージ提供サーバ300によって、PTT通信端末20A,20Bによって送信された属性情報付きメッセージデータMを中継及び蓄積する“メッセージ処理サーバ”が構成される。
【0034】
なお、本実施形態では、3台のサーバ、すなわち、PTTサーバ100、メッセージ蓄積サーバ200及びメッセージ提供サーバ300を用いてメッセージ処理サーバが構成されているが、1台のサーバを用いてメッセージ処理サーバを構成しても構わない。
【0035】
(論理ブロック構成)
次に、上述したPTT通信端末20A、通信端末30、PTTサーバ100、メッセージ蓄積サーバ200及びメッセージ提供サーバ300の論理ブロック構成について説明する。
【0036】
(1)PTT通信端末
図2は、PTT通信端末20Aの論理ブロック構成図である。なお、PTT通信端末20BもPTT通信端末20Aと同様の論理ブロック構成を有している。また、以下、本発明との関連がある部分について主に説明する。したがって、PTT通信端末20Aは、PTT通信端末20Aの機能を実現する上で必須な、図示しない或いは説明を省略した論理ブロック(電源部など)を備える場合があることに留意されたい(後述する通信端末30、PTTサーバ100、メッセージ蓄積サーバ200及びメッセージ提供サーバ300についても同様である)。
【0037】
図2に示すように、PTT通信端末20Aは、通信部21、メッセージ処理部23、プレゼンス処理部25、属性情報付加部27及び操作ボタン部29を備えている。
【0038】
通信部21は、無線基地局11A,11Bと無線通信を実行するための機能(無線信号の送受信や変復調など)を提供する。
【0039】
メッセージ処理部23は、会話の内容(メッセージ)を処理する。具体的には、メッセージ処理部23は、PTT通信端末20Aの利用者が発言した会話の内容、つまり、音声帯域信号を所定の音声符号化則(例えば、AMR)に基づいて、メッセージデータM13(図9参照)に変換する。
【0040】
また、メッセージ処理部23は、メッセージデータM13の所定の属性を示す属性情報が付加されたメッセージデータである属性情報付きメッセージデータMをPTTサーバ100に送信する。本実施形態では、通信部21とメッセージ処理部23とによって、属性情報付きメッセージデータ送信部が構成される。
【0041】
具体的には、メッセージ処理部23は、PTT機能と対応付けられている操作ボタン部29の特定のボタンが操作された場合、生成した属性情報付きメッセージデータMをPTTサーバ100に送信する。
【0042】
ここで、図9を参照して属性情報付きメッセージデータMの構成について説明する。図9に示すように、属性情報付きメッセージデータMは、メッセージ重要度M11、テーマ切替フラグM12及びメッセージデータM13によって構成されている。
【0043】
メッセージ重要度M11は、メッセージデータM13の重要度を示す。メッセージ重要度M11に割り当てられるビットは、重要度のレベル数に応じて適当な数を割り当てる。
【0044】
テーマ切替フラグM12は、PoCを用いた複数のPTT通信端末間において電話会議を行っている際に、当該電話会議において議論されるテーマ(議題)が移ったことを示す。具体的には、テーマ切替フラグM12は、当該テーマが移った直後に送信されるメッセージデータM13において、所定の状態(例えば、“1”)にセットされる。
【0045】
図2に示すように、プレゼンス処理部25は、PTT通信端末20Aの利用者の状態に応じて、当該利用者のプレゼンスを示すプレゼンス情報を生成し、生成したプレゼンス情報をPTTサーバ100に通知する。
【0046】
具体的には、プレゼンス処理部25は、PTT通信端末20Aの利用者の状態、例えば、「現在、一時的に電話会議に参加していない」、「電話会議から間もなく離脱する」、「移動中である」、「食事中である」といった状態に応じて、当該内容を示すプレゼンス情報を生成する。なお、プレゼンス情報の内容は、PTT通信端末20Aの利用者が任意に設定することができる。
【0047】
プレゼンス処理部25は、PTT通信端末20Aの利用者の状態変化に応じてプレゼンス情報が変更される都度、新たなプレゼンス情報をPTTサーバ100に通知する。
【0048】
属性情報付加部27は、メッセージデータM13の所定の属性を示す属性情報、本実施形態では、上述したメッセージ重要度M11(図9参照)をメッセージデータM13に付加する。
【0049】
また、本実施形態では、メッセージ重要度M11は、操作ボタン部29に対する所定の操作と対応付けられており、属性情報付加部27は、当該所定の操作が実行されることによって、メッセージ重要度M11をメッセージデータM13に付加する。
【0050】
例えば、メッセージ重要度M11によって表現されるメッセージデータM13の重要度を1〜9の9段階(1:高重要度、9:低重要度)によって表現する場合、当該重要度は、操作ボタン部29を構成するボタンのうち、“1”〜“9”のボタンと対応付けることができる。つまり、メッセージデータM13の重要度を最も高く設定したい場合、“1”のボタンを押下する。
【0051】
操作ボタン部29は、数字、アルファベット及びひらがななどと対応付けられた複数の操作ボタンによって構成されている。操作ボタン部29は、上述したように、会話の内容を送信するPTT機能を用いて送信する際や、メッセージデータM13の重要度を指定する際に用いられる他、電話番号やアドレスの入力などにも用いられる。
【0052】
(2)通信端末
図3は、通信端末30の論理ブロック構成図である。図3に示すように、通信端末30は、通信部31、メッセージ処理部33及び出力部35を備えている。
【0053】
通信部31は、無線基地局11A,11Bと無線通信を実行するための機能(無線信号の送受信や変復調など)を提供する。
【0054】
メッセージ処理部33は、メッセージ提供サーバ300によって送信された電子メール(SMSによるメッセージを含む)、Web画面情報(図11参照)及びメッセージデータM13に関する処理を実行する。
【0055】
出力部35は、メッセージ処理部33によって処理が実行された電子メールの内容やWeb画面情報を表示したり、メッセージデータM13に基づいて音声帯域信号を出力したりする。出力部35は、小型の液晶表示器やスピーカなどによって構成されている。
【0056】
(3)メッセージ処理サーバ
本実施形態では、上述したように、PTTサーバ100、メッセージ蓄積サーバ200及びメッセージ提供サーバ300によってメッセージ処理サーバが構成される。以下、PTTサーバ100、メッセージ蓄積サーバ200及びメッセージ提供サーバ300の論理ブロック構成について説明する。
【0057】
(3.1)PTTサーバ
図4は、PTTサーバ100の論理ブロック構成図である。図4に示すように、PTTサーバ100は、通信部101、メッセージ処理部103、メンバー管理部105、プレゼンス管理部107及び記憶部109を備えている。
【0058】
通信部101は、通信ネットワーク10と接続するための通信インターフェースを提供する。特に、本実施形態では、通信部101は、PTT通信端末20A(20B)によって送信された属性情報付きメッセージデータMやプレゼンス情報などを中継する。
【0059】
メッセージ処理部103は、PTT通信端末20A(20B)によって送信された属性情報付きメッセージデータMの処理を実行する。
【0060】
具体的には、メッセージ処理部103は、記憶部109に記憶されているリストを参照して、PTT通信端末20A(20B)によって送信された属性情報付きメッセージデータMを当該電話会議に参加している他のPTT通信端末に中継する。
【0061】
また、メッセージ処理部103は、PTT通信端末20A(20B)によって送信された属性情報付きメッセージデータMをメッセージ蓄積サーバ200に中継する。本実施形態では、通信部101とメッセージ処理部103とによって、メッセージ受信部が構成される。
【0062】
メンバー管理部105は、PoCを利用した電話会議への参加メンバー、つまり、PTT通信端末を管理する。具体的には、メンバー管理部105は、PoCを利用した電話会議に参加するPTT通信端末のリストを生成し、生成したリストを記憶部109に記憶させる。
【0063】
また、メンバー管理部105は、メッセージ蓄積サーバ200によって送信された利用者名変換要求に応じて、記憶部109に記憶されているデータベースを参照し、PTT通信端末の電話番号に対応付けられている利用者名や当該利用者のメールアドレスをメッセージ蓄積サーバ200に通知する。
【0064】
プレゼンス管理部107は、PTT通信端末20A(20B)によって送信されたプレゼンス情報を管理する。
【0065】
具体的には、プレゼンス管理部107は、PTT通信端末20A(20B)からプレゼンス情報を受信した場合、当該プレゼンス情報に基づいて、記憶部109に記憶されているPTT通信端末20A(20B)の利用者の状態を更新する。なお、プレゼンス管理部107は、PTT通信端末20A(20B)の位置情報を外部から取得し、当該位置情報に基づいてPTT通信端末20A(20B)の利用者の状態を更新してもよい。
【0066】
また、プレゼンス管理部107は、プレゼンス情報に基づいて、当該電話会議に参加している他のPTT通信端末に対して、PTT通信端末20A(20B)の利用者の状態が変化したことを通知する。
【0067】
さらに、プレゼンス管理部107は、メッセージ蓄積サーバ200によって送信されたプレゼンスの通知要求に応じて、記憶部109に記憶されている利用者の状態をメッセージ蓄積サーバ200に通知する。
【0068】
記憶部109は、PoCを利用した電話会議に参加するPTT通信端末のリストなどのデータベースや、当該電話会議に参加しているPTT通信端末の利用者の状態を示すプレゼンスなどを記憶する。
【0069】
(3.2)メッセージ蓄積サーバ
図5は、メッセージ蓄積サーバ200の論理ブロック構成図である。図5に示すように、メッセージ蓄積サーバ200は、通信部201、メッセージ処理部203、メタデータ処理部205及び記憶部207を備えている。
【0070】
通信部201は、通信ネットワーク10と接続するための通信インターフェースを提供する。特に、本実施形態では、通信部201は、PTTサーバ100によって送信された属性情報付きメッセージデータMや、メタデータ処理部205によって生成されたメタデータD(図10参照)などを中継する。
【0071】
メッセージ処理部203は、PTTサーバ100によって送信された属性情報付きメッセージデータMの処理を実行する。
【0072】
具体的には、メッセージ処理部203は、PTTサーバ100によって送信された属性情報付きメッセージデータMを取得する。メッセージ処理部203は、属性情報付きメッセージデータMに含まれているメッセージ重要度M11やテーマ切替フラグM12の内容をメタデータ処理部205に通知する。
【0073】
メタデータ処理部205は、PTTサーバ100によって送信された属性情報付きメッセージデータMに基づいて、メッセージデータM13のメタデータDを生成する。本実施形態において、メタデータ処理部205は、メタデータ生成部を構成する。
【0074】
具体的には、メタデータ処理部205は、属性情報付きメッセージデータMに含まれているメッセージ重要度M11やテーマ切替フラグM12、メッセージデータM13が生成(送信)された時刻、或いはPTTサーバ100によって通知されたPTT通信端末20A(20B)の利用者の状態(プレゼンス)などに基づいて、メタデータDを生成する。
【0075】
本実施形態では、メタデータ処理部205は、MPEG−7において規定されたフォーマットに基づいて、メタデータDを生成する。
【0076】
図10は、メタデータDの一例を示している。図10に示すように、メタデータDは、MPEG−7において規定されたフォーマット、すなわちXMLにしたがって記述されている。
【0077】
メタデータDは、メッセージ番号(message_no)、メッセージデータM13の生成された時刻及び長さ(time, message_length)、発言者(speaker)、重要度(importance level)が含まれている。すなわち、本実施形態では、メタデータ処理部205は、メッセージ重要度M11に基づいて、メッセージデータM13の重要度を含むメタデータDを生成する。
【0078】
また、メタデータ処理部205は、PTTサーバ100によって通知されたPTT通信端末20A(20B)の利用者に関する情報(例えば、電話番号、メールアドレス及びプレゼンス)に基づいて、当該利用者、つまり、発言者に関する情報を含むメタデータを生成することもできる。
【0079】
記憶部207は、PTTサーバ100によって中継された属性情報付きメッセージデータMや、メタデータ処理部205によって生成されたメタデータDなどを記憶する。
【0080】
(3.3)メッセージ提供サーバ
図6は、メッセージ提供サーバ300の論理ブロック構成図である。図6に示すように、メッセージ提供サーバ300は、通信部301、メッセージ処理部303及び記憶部305を備えている。
【0081】
通信部301は、通信ネットワーク10と接続するための通信インターフェースを提供する。特に、本実施形態では、通信部301は、PTT通信端末20A(20B)によって送信されたメッセージの取得要求や、メッセージ処理部303によって送信されたメッセージデータM13などを中継する。
【0082】
メッセージ処理部303は、通信端末30からのメッセージの取得要求に応じて、通信端末30に送信するメッセージデータM13に関する処理を実行する。
【0083】
具体的には、メッセージ処理部303は、メッセージ蓄積サーバ200から通知されたメールアドレス(または電話番号)に基づいて、利用者が参加できなかった電話会議に関するメッセージデータM13が蓄積されていることを通知する電子メール(SMSによるメッセージを含む)を当該メールアドレス(電話番号)宛てに送信する。
【0084】
また、メッセージ処理部303は、通信端末30から受信した取得要求に応じて、メッセージデータM13の内容を示すWeb画面情報(メッセージデータ情報)を、メッセージデータM13と対応付けられているメタデータDに基づいて生成する。
【0085】
さらに、メッセージ処理部303は、生成したWeb画面情報(図11(b),(c1),(c2)参照)を通信端末30に送信する。本実施形態では、通信部301とメッセージ処理部303とによって、メッセージデータ情報送信部が構成される。
【0086】
また、メッセージ処理部303は、通信端末30から受信したメッセージデータM13の取得要求に応じて、Web画面情報(メッセージデータ情報)に対応付けられているメッセージデータM13を通信端末30に送信する。本実施形態では、通信部301とメッセージ処理部303とによって、メッセージデータ送信部が構成される。
【0087】
記憶部305は、メッセージ処理部303によって生成された電子メールやWeb画面情報などを記憶する。
【0088】
(PTT通信システムの動作)
次に、上述したPTT通信システムの動作について説明する。具体的には、PTT通信端末20Aによる属性情報付きメッセージデータMの送信に伴う動作、及び通信端末30によるメッセージデータM13の取得に伴う動作について説明する。
【0089】
なお、本実施形態では、PTT通信端末20A及びPTT通信端末20BがPush-to-Talk over Cellular(PoC)を用いた電話会議を行い、当該電話会議に参加できなかった利用者が、通信端末30を用いてメッセージ蓄積サーバ200に蓄積されている当該電話会議の内容であるメッセージデータM13を取得する場合について説明する。
【0090】
(1)属性情報付きメッセージデータの送信に伴う動作
図7に示すように、ステップS10において、PTT通信端末20Aは、操作ボタン部29の所定のボタンが操作されることによって、メッセージ重要度M11、テーマ切替フラグM12及びメッセージデータM13が含まれる属性情報付きメッセージデータM(図9参照)をPTTサーバ100に送信する。
【0091】
ステップS20aにおいて、PTTサーバ100は、PTT通信端末20Aから受信した属性情報付きメッセージデータMに含まれているメッセージデータM13をPTT通信端末20Bに中継する。
【0092】
また、ステップS20bにおいて、PTTサーバ100は、PTT通信端末20Aから受信した属性情報付きメッセージデータMをメッセージ蓄積サーバ200に中継する。なお、ステップS20aの処理とステップS20bの処理とは、並行して実行される。
【0093】
なお、本実施形態では、PoCが用いられるため、PTT通信端末間の通信は半二重となる。このため、メッセージデータM13と、メッセージデータM13の送信者、つまりPTT通信端末とは必ず1対1で対応付けられる。
【0094】
また、PTTサーバ100は、PoCを用いた電話会議への参加メンバー、つまり、PTT通信端末を把握しているため、属性情報付きメッセージデータMには、送信者の情報を含めなくてもよい。
【0095】
さらに、PTTサーバ100は、PTT通信端末によって送信された属性情報付きメッセージデータMに含まれているメッセージデータM13を中継するため、属性情報付きメッセージデータMには、時刻に関する情報も含めなくてもよい。
【0096】
ステップS30において、PTT通信端末20Bは、PTTサーバ100から受信したメッセージデータM13を変換し、音声帯域信号(会話の内容)を出力する。
【0097】
ステップS40において、メッセージ蓄積サーバ200は、PTTサーバ100によって中継された属性情報付きメッセージデータMなどに基づいて、属性情報付きメッセージデータMに含まれているメッセージデータM13のメタデータDを生成する。
【0098】
具体的には、メッセージ蓄積サーバ200は、属性情報付きメッセージデータMに含まれているメッセージ重要度M11やテーマ切替フラグM12、メッセージデータM13が生成された時刻、或いはPTTサーバ100によって通知されたPTT通信端末20Aの利用者に関する情報(例えば、電話番号、メールアドレス及びプレゼンス)などに基づいて、メタデータDを生成する。
【0099】
なお、PTTサーバ100は、PTT通信端末の利用者の状態(プレゼンス)やPTT通信端末の位置情報を把握しているため、メッセージ蓄積サーバ200は、当該状況に基づいたメタデータDを生成することもできる。例えば、メッセージ蓄積サーバ200は、Billさんのプレゼンスに基づいて、「Billさんが聴いていないメッセージデータ」を内容とするメタデータDを生成することができる。
【0100】
ステップS50において、メッセージ蓄積サーバ200は、生成したメタデータDを蓄積する。具体的には、メッセージ蓄積サーバ200は、生成したメタデータDを記憶部207(図5参照)に記憶する。
【0101】
(2)通信端末によるメッセージデータの取得に伴う動作
図8に示すように、ステップS110において、メッセージ提供サーバ300は、通信端末30にSMSによるメッセージ(SMSメッセージ)を送信する。具体的には、メッセージ提供サーバ300は、メッセージ蓄積サーバ200から通知された電話番号に基づいて、通信端末30の利用者が参加できなかった電話会議に関するメッセージデータM13が蓄積されていることを通知するSMSメッセージを当該電話番号宛てに送信する。
【0102】
ここで、図11(a)は、メッセージ提供サーバ300によって送信されるSMSメッセージの一例を示している。図11(a)に示すようなSMSメッセージが通信端末30において表示されるため、通信端末30の利用者は、参加できなかった電話会議に関するメッセージデータM13が蓄積されていることを認識する。
【0103】
ステップS120において、通信端末30は、当該利用者による所定の操作に基づいて、メッセージデータM13の取得要求をメッセージ提供サーバ300に送信する。具体的には、通信端末30は、ステップS110において受信したSMSメッセージに含まれているURLと対応付けられているメッセージ提供サーバ300にアクセスする。
【0104】
ステップS130において、メッセージ提供サーバ300は、メッセージデータM13の聴取方法などを示すWeb画面情報(メッセージデータ情報)を通信端末30に送信する。
【0105】
ここで、図11(b)は、メッセージ提供サーバ300によって送信されるWeb画面情報の一例を示している。図11(b)に示すように、ステップS130において送信されるWeb画面情報には、当該電話会議への参加メンバー(バディメンバー)、及びメッセージデータM13(PoCメッセージ)の聴取方法が含まれている。
【0106】
本実施形態では、メッセージデータM13(PoCメッセージ)の聴取方法として、(1)最初から聴く、(2)聴きたい発言のみ選択、(3)聴きたい発言者のみ選択、及び(4)重要度で選択、の4つが提供される。
【0107】
ここで、図12(a)〜(d)を参照して、上述した聴取方法にしたがったメッセージデータM13の選択例について説明する。図12(a)は、発言順、つまり、時系列に沿って配置された複数のメッセージデータを示している。例えば、図12(a)の左端に示されている“Smith(1)”は、当該電話会議への参加メンバーSmithの1回目の発言内容を含むメッセージデータであることを示している。
【0108】
図12(a)に示すような複数のメッセージデータにおいて、聴きたい発言者として、“Smith”を選択した場合、図12(b)に示すように、発言者がSmithであるメッセージデータ(図中の斜線部分)のみが選択される。
【0109】
また、電話会議開始から30秒経過した時点から電話会議の内容を聴取すると指定した場合、図12(c)に示すように、電話会議開始から30秒経過した時点の発言の内容を含む“Nancy(1)”以降のメッセージデータ(図中の斜線部分)が選択される。
【0110】
さらに、図12(d)に示すように、特定のメッセージデータを選択することもできる。例えば、メッセージデータM13に付加されたメッセージ重要度M11(図9参照)に基づいて重要度の高いメッセージデータである“Smith(1)”及び“Bill(1)”のみを選択することができる。
【0111】
次いで、図8に示すように、ステップS140において、通信端末30は、メッセージデータM13の聴取方法の選択結果を通知する。
【0112】
ステップS150において、メッセージ提供サーバ300は、通信端末30によって通知されたメッセージデータM13の聴取方法に基づいて、該当するメッセージデータM13と対応付けられているメタデータDをメッセージ蓄積サーバ200に要求する。
【0113】
ステップS160において、メッセージ蓄積サーバ200は、メッセージ提供サーバ300によるメタデータDの要求に応じて、該当するメタデータDをメッセージ提供サーバ300に送信する。
【0114】
ステップS170において、メッセージ提供サーバ300は、メッセージ蓄積サーバ200から受信したメタデータDに基づいて、通信端末30によって通知されたメッセージデータM13の聴取方法に該当するメッセージデータM13の内容を示すWeb画面情報(メッセージデータ情報)を生成し、生成したWeb画面情報を通信端末30に送信する。
【0115】
具体的には、メッセージ提供サーバ300は、図11(c1)や図11(c2)に示すようなWeb画面情報を通信端末30に送信する。図11(c1)に示すWeb画面情報は、図11(b)に示したWeb画面情報において、“4.重要度で選択”を選択した場合に表示される。本実施形態では、重要度が“1”(高重要度)に設定されているメッセージデータが赤色で表示(図中の斜線部分)されている。
【0116】
ここで、重要度が“1”に設定されているメッセージデータ(“12:30:34 Smith >>>, 12:33:37 Bill>>>)を選択すると、左側に設けられているチェックボックスにチェックマークが表示される。なお、重要度のレベル(”1“〜”9“)と、表示に用いる色との対応は、適宜設定することができる。
【0117】
また、図11(c2)に示すWeb画面情報は、図11(b)に示したWeb画面情報において、“3.聴きたい発言者のみ選択”を選択した場合に表示される。ここで、発言者Smithを選択すると、左側に設けられているチェックボックスにチェックマークが表示される。
【0118】
次いで、図8に示すように、ステップS180において、通信端末30は、メッセージ提供サーバ300から受信したWeb画面情報にしたがって選択したメッセージデータの選択結果をメッセージ提供サーバ300に送信する。
【0119】
ステップS190において、メッセージ提供サーバ300は、通信端末30から受信したメッセージデータの選択結果に基づいて、該当するメッセージデータM13を通信端末30に送信する。
【0120】
ステップS200において、通信端末30は、メッセージ提供サーバ300から受信したメッセージデータM13を変換し、音声帯域信号(会話の内容)を出力する。
【0121】
(作用・効果)
以上説明した本実施形態に係るPTT通信システムによれば、メッセージデータM13の所定の属性を示す属性情報、具体的にはメッセージ重要度M11が付加された属性情報付きメッセージデータMに基づいて、メッセージデータM13のメタデータDが生成される。
【0122】
つまり、メタデータDに基づいてメッセージデータM13の重要度を示す情報を容易に提供することができるため、メッセージ蓄積サーバ200に蓄積されているメッセージデータM13を聴取しようとする利用者は、複数のメッセージデータM13の中から所定の条件(例えば、高重要度に設定されているメッセージデータM13のみを選択)に合致するメッセージデータM13のみを容易に選択して聴取することができる。
【0123】
本実施形態に係るPTT通信システムによれば、メッセージデータM13の重要度は、PTT通信端末20Aの操作ボタン部29に対する所定の操作(例えば、“1”のボタンの押下)と対応付けられており、属性情報付加部27は、当該所定の操作が実行されることによって、当該操作ボタンに対応付けられている重要度を属性情報としてメッセージデータM13に付加する。
【0124】
このため、PTT通信端末20Aの利用者は、操作ボタン部29の簡単な操作で容易に属性情報を適宜メッセージデータM13に付加することができる。
【0125】
(その他の実施形態)
上述したように、本発明の一実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態が明らかとなろう。
【0126】
例えば、上述した本発明の実施形態では、メッセージデータM13の重要度を属性情報としてメッセージデータM13に付加したが、メッセージデータM13の重要度以外の情報をメッセージデータM13に付加してもよい。
【0127】
具体的には、PTT通信端末20Aの属性情報付加部27は、メッセージデータM13に含まれている会話の内容の“種別”を属性情報としてメッセージデータM13に付加してもよい。なお、会話の内容の“種別”とは、例えば、会話の内容が特定の発言に対する応答か新規の発言であるかを示すために用いられる。
【0128】
より具体的には、図9に示すように、メッセージ重要度M11に代えて、会話の内容の種別を示す会話内容種別M11AがメッセージデータM13に付加される。また、会話内容の種別も重要度と同様に、操作ボタン部29に対する所定の操作(例えば、特定の発言に対する応答の場合、“*”ボタンを押下する)と対応付けられる。
【0129】
なお、この場合、メッセージ蓄積サーバ200のメタデータ処理部205は、当該会話の種別を含むメタデータDを生成する。
【0130】
上述した本発明の実施形態では、メタデータDは、MPEG−7において規定されたフォーマットに基づいて生成されていたが、メタデータDは他のフォーマット、例えば、TV-Anytime Forumにおいて規定されるフォーマットに基づいて生成してもよい。
【0131】
また、上述したメッセージ蓄積サーバ200は、通信端末からの要求に応じて、蓄積しているメタデータDの内容を編集する機能を具備してもよい。例えば、メッセージ蓄積サーバ200は、通信端末からメッセージデータM13の重要度を変更する要求を受信した場合、当該要求の内容に応じて、メッセージデータM13と対応付けられているメタデータDに含まれている重要度(importance level)の内容を変更する。さらに、電話会議に参加できなかったメンバーに聴取させたくないメッセージデータがある場合、当該メッセージデータを削除したり、取得させないような設定に変更したりすることもできる。
【0132】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本発明の実施形態に係るPTT通信システムの全体概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係るPTT通信端末の論理ブロック構成図である。
【図3】本発明の実施形態に係るPTTサーバの論理ブロック構成図である。
【図4】本発明の実施形態に係るメッセージ蓄積サーバの論理ブロック構成図である。
【図5】本発明の実施形態に係るメッセージ提供サーバの論理ブロック構成図である。
【図6】本発明の実施形態に係る通信端末の論理ブロック構成図である。
【図7】本発明の実施形態に係るPTT通信システムの動作フロー図である。
【図8】本発明の実施形態に係るPTT通信システムの動作フロー図である。
【図9】本発明の実施形態に係るPTT通信システムにおいて用いられる属性情報付きメッセージデータの構成図である。
【図10】本発明の実施形態に係るPTT通信システムにおいて用いられるメタデータの一例を示す図である。
【図11】本発明の実施形態に係るPTT通信システムにおいて用いられるWeb画面情報の一例を示す図である。
【図12】本発明の実施形態に係るPTT通信システムにおけるメッセージデータの選択例を示す図である。
【符号の説明】
【0134】
10…通信ネットワーク、11A,11B…無線基地局、20A,20B…PTT通信端末、21…通信部、23…メッセージ処理部、25…プレゼンス処理部、27…属性情報付加部、29…操作ボタン部、30…通信端末、31…通信部、33…メッセージ処理部、35…出力部、100…PTTサーバ、101…通信部、103…メッセージ処理部、105…メンバー管理部、107…プレゼンス管理部、109…記憶部、200…メッセージ蓄積サーバ、201…通信部、203…メッセージ処理部、205…メタデータ処理部、207…記憶部、300…メッセージ提供サーバ、301…通信部、303…メッセージ処理部、305…記憶部、D…メタデータ、M…属性情報付きメッセージデータ、M11…メッセージ重要度、M11A…会話内容種別、M12…テーマ切替フラグ、M13…メッセージデータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
会話する際に所定の操作をすることによって、前記会話の内容を所定の無線通信方式に基づいて変換したメッセージデータを送信するPTT通信端末と、
前記PTT通信端末によって送信された前記メッセージデータを中継及び蓄積するメッセージ処理サーバとを含むPTT通信システムであって、
前記PTT通信端末は、
前記メッセージデータの所定の属性を示す属性情報を前記メッセージデータに付加する属性情報付加部と、
前記属性情報が付加された前記メッセージデータである属性情報付きメッセージデータを前記メッセージ処理サーバに送信する属性情報付きメッセージデータ送信部と
を備え、
前記メッセージ処理サーバは、
前記属性情報付きメッセージデータを受信するメッセージ受信部と、
前記メッセージ受信部が受信した前記属性情報付きメッセージデータに基づいて、前記メッセージデータのメタデータを生成するメタデータ生成部と、
前記メタデータに基づいて前記メッセージデータの内容を示すメッセージデータ情報を生成し、生成した前記メッセージデータ情報を通信端末に送信するメッセージデータ情報送信部と、
前記通信端末から受信した取得要求に応じて、前記メッセージデータ情報に対応付けられている前記メッセージデータを前記通信端末に送信するメッセージデータ送信部と
を備えるPTT通信システム。
【請求項2】
会話する際に所定の操作をすることによって、前記会話の内容を所定の無線通信方式に基づいて変換したメッセージデータをメッセージ処理サーバ送信するPTT通信端末であって、
前記メッセージデータの所定の属性を示す属性情報を前記メッセージデータに付加する属性情報付加部と、
前記属性情報が付加された前記メッセージデータである属性情報付きメッセージデータを前記メッセージ処理サーバに送信する属性情報付きメッセージデータ送信部と
を備えるPTT通信端末。
【請求項3】
前記属性情報付加部は、前記メッセージデータの重要度を前記属性情報として前記メッセージデータに付加する請求項2に記載のPTT通信端末。
【請求項4】
操作ボタン部をさらに備え、
前記重要度は、前記操作ボタン部に対する所定の操作と対応付けられており、
前記属性情報付加部は、前記所定の操作が実行されることによって、前記重要度を前記属性情報として前記メッセージデータに付加する請求項3に記載のPTT通信端末。
【請求項5】
前記属性情報付加部は、前記メッセージデータに含まれている会話の内容の種別を前記属性情報として前記メッセージデータに付加する請求項2に記載のPTT通信端末。
【請求項6】
操作ボタン部をさらに備え、
前記種別は、前記操作ボタン部に対する所定の操作と対応付けられており、
前記属性情報付加部は、前記所定の操作が実行されることによって、前記種別を前記属性情報として前記メッセージデータに付加する請求項5に記載のPTT通信端末。
【請求項7】
会話する際に所定の操作をすることによって、前記会話の内容を所定の無線通信方式に基づいて変換したメッセージデータを送信するPTT通信端末によって送信された前記メッセージデータを中継及び蓄積するメッセージ処理サーバであって、
前記メッセージデータの所定の属性を示す属性情報が付加された前記メッセージデータである属性情報付きメッセージデータを受信するメッセージ受信部と、
前記メッセージ受信部が受信した前記属性情報付きメッセージデータに基づいて、前記メッセージデータのメタデータを生成するメタデータ生成部と、
前記メタデータに基づいて前記メッセージデータの内容を示すメッセージデータ情報を生成し、生成した前記メッセージデータ情報を通信端末に送信するメッセージデータ情報送信部と、
前記通信端末から受信した取得要求に応じて、前記メッセージデータ情報に対応付けられている前記メッセージデータを前記通信端末に送信するメッセージデータ送信部と
を備えるメッセージ処理サーバ。
【請求項8】
前記メッセージデータの重要度が、前記属性情報として前記メッセージデータに付加されており、
前記メタデータ生成部は、前記重要度を含むメタデータを生成する請求項7に記載のメッセージ処理サーバ。
【請求項9】
前記メッセージデータに含まれている会話の内容の種別が、前記属性情報として前記メッセージデータに付加されており、
前記メタデータ生成部は、前記種別を含むメタデータを生成する請求項7に記載のメッセージ処理サーバ。
【請求項10】
会話する際に所定の操作をすることによって、前記会話の内容を所定の無線通信方式に基づいて変換したメッセージデータを送信するPTT通信端末によって送信された前記メッセージデータを処理するメッセージ処理方法であって、
前記PTT通信端末が、前記メッセージデータの所定の属性を示す属性情報を前記メッセージデータに付加するステップと、
前記PTT通信端末によって送信された前記属性情報付きメッセージデータに基づいて、前記メッセージデータのメタデータを生成するステップと、
前記メタデータに基づいて前記メッセージデータの内容を示すメッセージデータ情報を生成し、生成した前記メッセージデータ情報を通信端末に送信するステップと、
前記通信端末から受信した取得要求に応じて、前記メッセージデータ情報に対応付けられている前記メッセージデータを前記通信端末に送信するステップと
を備えるメッセージ処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−74233(P2007−74233A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−257898(P2005−257898)
【出願日】平成17年9月6日(2005.9.6)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】