説明

RFIDタグを用いた品物処理の方法および装置

RFIDタグ(23)と製品情報を関連付けるための自動読み取りシステムは、RFIDタグ(23)およびバーコード(24)を有する製品を移動するための搬送ベルト(21)を含む。システムはまた、製品が搬送ベルト(21)を進むにしたがって、製品上の情報を読み取るためのRFIDスキャナ(27)およびバーコードスキャナ(27)を含む。集荷デバイス(28)が、製品を受けるために使用されており、データベースを有するコンピュータ(29)が、RFIDタグ(23)と製品情報の関連付けを記録するために使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本願は、2004年7月29日に出願された米国仮特許出願第60/592,843号の優先権の利益を主張するものであり、前記出願の全体は、本明細書において、参考として援用される。
【背景技術】
【0002】
保健医療産業においては、支給製品の在庫が決定的な意味を持つ。製品の使用状況の追跡、迅速な補充、ユーザ追跡、および伝票発行のための患者追跡を提供する多様なシステムが存在する。
【0003】
加えて、上記追跡の実行、および流用または盗難の防止のために、必要なデータの入力をせずに品物を移動させることを防ぐクローズドキャビネットシステムが存在する。そのようなシステムは、手術室(OR)またはカテーテルラボにおいて使用される高価な品物に特に適用する。一方、クローズドキャビネットシステムは、ユーザが、「盗難」として考えるには小さすぎる品物である、と考える電池、包帯、シャンプー、ペンなど、保険医療施設を離れて有用な安価な品物の大量流用にもまた適用する。
【0004】
そのようなシステムの開発における課題は、ユーザ、製品、および患者のアカウント番号を確認するために必要なデータの入力とともに、アクセスの便利さとスピードのバランスをいかにするかにある。キャンディーマシンと同じように個々の製品を供給してくれるシステムは、便利さおよび保安の面で望ましいが、通常、高価であり、特別な梱包を必要とし、病院において在庫する必要がある、多様なサイズおよび形態の製品、という観点から柔軟性がない。また、品物が個々に配置され、貯蔵されるので、空間利用効率もそう良くない。
【0005】
製品に対するRFIDタグの使用は、高価な供給システムを必要とすることなく、個々の製品を追跡する機会を提供する。これは、RFIDタグを適用するための追加コストを被ることに見合う、高価な製品に対して、特にそうである。RFIDタグは現在、バーコードのように一般的なものではなく、これから数年、保健医療製品に対して一般的にはならない可能性がある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、医療環境における、製品の在庫管理のためにRFIDタグを適応するための方法および装置の両方を提供する。適応されたRFIDタグは、RFID読み取り能力を有するRFIDキャビネットとともに使用されるとき、製品の在庫の追跡、モニター、保護、および保全を提供する。一つの実施形態において、RFIDタグは、RFIDタグを製品に貼ることにより、製品に加えられ得る。そして、RFIDタグが読み取られ、結果として生じる認識情報が、データベースを持つコンピュータを使用して、製品と関連付けられる。また、多様な製品情報が、データベースのRFIDタグからの識別情報と関連付けられ得る。識別情報と関連付けられ得る製品情報の例は、病院のデータベースで使用される内部製品ID番号、ロット番号、シリアル番号、使用期限期日、UPNまたはHIBCCバーコードなどを含む。別の実施形態において、本発明は、RFIDタグと製品情報を関連付けるための自動読み取りシステムを提供する。システムは、RFIDタグおよびバーコードを有する製品を移動させるための搬送ベルトを備える。システムはまた、第一のRFIDスキャナおよび第一のバーコードスキャナを備える、第一のトンネルを含む。第一のトンネルは、搬送ベルトの上に配置され、搬送ベルト上を移動する、製品上のRFIDタグおよびバーコードを読み取る。さらに、集荷デバイスが、製品を受け取るために導入され、関連するデータベースを持つコンピュータが、RFIDタグと製品情報との関連を記録する。いくつかのケースにおいては、第二のRFIDスキャナおよび第二のバーコードスキャナを有する第二のトンネルもまた使用され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明のいくつかの例示的実施形態を以下に説明する。検討を容易にするため、特定の特徴が特定の実施形態図との関連で説明されているが、当業者は、本明細書における開示に基づき、創意にとんだ多様な特徴が、本発明の多くの異なる実施形態にしたがって組み合わせられ得ることを理解する。以下に説明される実施形態は、単に例として提供されており、本発明における特許請求の範囲によってのみ定義される、本発明の領域を限定するものであると考えられてはならない。
【0008】
現在、保健医療業界における使用のための製品は、RFIDタグを有しない。本発明の一つの局面にしたがって、RFIDタグを製品に提供することが望ましい。一つの例において、リード・メニー特定ID(read many unique ID)を含むタグが使用され得る。そのようなケースにおいては、RFIDタグが読み取られ、番号が特定の製品と関連付けられる。タグを製品に関連付ける以前においては、RFIDタグは自由に製品に適用され得る(例えば、特定の製品に適用された特定のタグはない)。これは、比較的未熟練の人員でも、RFIDタグを製品に付ける作業を行い得るので、有用なことである。いくつかのケースにおいては(例えば、液体および金属)、タグと製品との間にスペーサを配置し、タグを表面から上げることが望ましい可能性があり得る。
【0009】
RFIDタグが製品に貼られた後、各製品からのタグが、中央コンピュータと関連付けられたデータベースに読み込まれる。対応する製品情報が、適切なRFIDタグと関連付けられ、データベースに入力される。製品情報は、次を含み得る(これに限られない)。1)病院のデータベースで使用されている内部製品ID番号、2)ロット番号、3)シリアル番号、4)使用期限期日、および/または、5)UPNまたはHIBCCバーコード。製品情報のほとんどが、製品上にバーコードとして既に存在し得る。例えば、病院の内部製品IDは、病院の別のデータベースを使用して、製品上のUPNから推論され得る。このため、情報を特定のRFIDタグと関連付けるプロセスは、単純なスキャンプロセスであり得る。まず、RFIDスキャンデバイスがRFIDタグ番号をスキャンする。次に、バーコードスキャンデバイスが、UPNをスキャンする(別のテーブルから病院のID番号を取り出す)。最後に、バーコードスキャナが、ロット番号およびシリアル番号(必要に応じて)をスキャンする。
【0010】
いくつかのケースにおいて、製品情報が単一のバーコードをスキャンすることから解読され得るように、番号が符号化されている。このため、プロセスを自動化できる可能性がある。RFIDタグと関連付けられていない品物が、搬送ベルトに置かれる。品物は、RFID番号を読み取る、読み取りトンネルを通過する。バーコード読み取りシステムが、製品梱包上の任意のバーコードを読み取る。コンピュータが、情報を解析し、RFIDタグからのRFID番号を、バーコードからの製品情報と関連付ける。
【0011】
さらに、同類の製品が同時に通過する場合には、コンピュータは、どのようなバーコード、およびどのような情報が予期されるかについて、プログラムされ得、情報が足りない製品、または疑わしい情報を有する製品が、再読み取りまたは手動読み取りのため、「再読み取りホッパ」へ迂回させられることを可能にする。
【0012】
代替実施形態において、製品は、第二の同様な搬送機および読み取りトンネルを通過させられ得る。製品と関連付けられた情報が、再度読み取られる。二回目の読み取りは、データベースに、前回読み込まれた情報に照らして確認される。くいちがいがある場合、製品は迂回され、はじかれ得る。
【0013】
本発明の別の局面は、警告能力および注意喚起能力を提供する。この例において、供給中の品物と関連付けられた具体的なメッセージに対して、ユーザの注意を喚起するために、緊急警告または緊急注意を発行する必要がある場合があり得る。
【0014】
図1は、新規に貼られたRFIDタグ23および既存のバーコード24を持つ、製品22を含む自動読取器を示している。製品が、モータおよび筐体20により駆動される、動く配送ベルト21上におかれる。RFIDスキャナがタグ26を読み取り、レーザ読取器27のアレイが製品上のバーコードを読み取る、読み取りトンネル25に、製品が進入する。結果として生じる情報が、コンピュータ29に送られ、情報はデータベースに保存される。製品は、さらに集荷デバイス28に進む。集荷デバイス28の一つの実施形態は、出口において二つのベルト(合格ベルト、および不合格ベルト)を備える。製品は、良好読み取り、または不良読み取りに基づいて、それぞれ合格ベルトまたは不合格ベルに送られる。
【0015】
さらに別の実施例において、二つのトンネルがあり得る(第一のトンネルと同じ情報を読み取る、第二のトンネル)。コンピュータ29を活用することによって、第二のトンネルを使用して第二の読み取りから集めた情報が、第一のトンネルを使用して第一の読み取りから集められた情報に比較される。この二つの読み取りが一致しない場合、製品は、はじかれ得る。コンピュータ29は、特定の製品を迂回させるか、またはベルトからリワークホッパへ移動させるために、作動機構を使用し得る。技術者は、リワークホッパの製品を検査し、必要に応じて製品のラベルを貼り替える。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明にしたがった、RFIDタグシステムの実施形態の前面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品にRFIDタグを付ける方法であって、
該製品に該RFIDタグを貼ることと、
該RFIDタグから識別情報を読み取ることと、
データベースを持つコンピュータを使用して、該RFIDタグからの該識別情報を該製品と関連付けることと、
製品情報を、データベースにある該RFIDタグからの該識別情報と関連付けることと
を包含する、方法。
【請求項2】
前記製品情報が、病院のデータベースに使用されている内部製品ID番号、ロット番号、シリアル番号、使用期限期日、およびUPNまたはHIBCCバーコードを含むグループから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
RFIDタグと製品情報を関連付けるための自動読み取りシステムであって、
RFIDタグおよびバーコードを有する製品を移動させるための搬送ベルトと、
第一のRFIDスキャナおよび第一のバーコードスキャナを備える第一のトンネルであって、該第一のトンネルは、該搬送ベルトを進む該製品上の該RFIDタグおよび該バーコードを読み取るために、該搬送ベルトの上に位置付けられている、第一のトンネルと、
該製品を受けるための集荷デバイスと、
該RFIDタグと該製品情報との間の関連付けを記録するためのデータベースを有するコンピュータと
を備える、システム。
【請求項4】
第二のRFIDスキャナと第二のバーコードスキャナとを有する第二のトンネルをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記集荷デバイスは、合格ベルトおよび不合格ベルトを備える、請求項1に記載のシステム。

【図1】
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【公表番号】特表2008−508164(P2008−508164A)
【公表日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−523661(P2007−523661)
【出願日】平成17年7月22日(2005.7.22)
【国際出願番号】PCT/US2005/026062
【国際公開番号】WO2006/014803
【国際公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(505411125)オムニセル, インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】