説明

SARMによる女性のアンドロゲン減少に関連する病気の治療

本発明は、女性患者のアンドロゲン減少(Androgen Decline in Female:ADIF)に関連する病気を、治療、予防、抑止、抑制、又は発生を減少させる方法に関する。ADIFに関連する病気としては、例えば、性的不全、性欲減退、性腺機能低下症、筋肉減少症、骨減少症、骨粗鬆症、気分・認識力の変調、うつ病、貧血、筋力低下、脱毛症、肥満、多嚢胞卵巣、子宮内膜症、乳癌、子宮癌、及び卵巣癌がある。前記方法は、女性患者に、選択的アンドロゲン受容体調節剤(selective androgen receptor modulator:SARM)化合物、及び/又はその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、プロドラッグ、多形体、結晶或いはそれらの任意の組み合わせを投与する過程を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、女性患者のアンドロゲン減少(Androgen Decline in Female:ADIF)に関連する病気の予防及び治療に関する。詳しくは、本発明は、女性患者のADIFに関連する病気を、治療、予防、抑止、抑制、又は発生を減少させる方法に関する。ADIFに関連する病気としては、例えば、性的不全、性欲減退、性腺機能低下症、筋肉減少症、骨減少症、骨粗鬆症、気分・認識力の変調、疲労、うつ病、貧血、筋力低下、脱毛症、肥満、多嚢胞卵巣、子宮内膜症、乳癌、子宮癌、及び卵巣癌がある。前記方法は、女性患者に、選択的アンドロゲン受容体調節剤(selective androgen receptor modulator:SARM)化合物、及び/又はその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、プロドラッグ、多形体、結晶或いはそれらの任意の組み合わせを投与する過程を含んでいる。
【背景技術】
【0002】
女性のアンドロゲン減少(Androgen Decline in Female:ADIF)は、アンドロゲン生成の段階的減少であり、中年以降、化学療法中、HIV陽性の更年期前の女性に生じる。また、例えば、アジソン病、下垂体機能低下状態、及び卵巣摘出(卵巣の除去)などの様々な状態が、ADIFをもたらす。この症候群の特徴としては、身体、感情、知的領域の変化がある。また、この症候群は、アンドロゲン環境と関係し、アンドロゲン環境の操作により修正することができる。
【0003】
ADIFの生化学的な特徴としては、血清アンドロゲンの減少だけでなく、ホルモン(例えば成長ホルモンなど)、メラトニン、デヒドロエピアンドロステロンの減少がある。また、臨床症状としては、性的不全、性欲減退、性腺機能低下症、筋肉減少症、骨減少症、骨粗鬆症、気分・認識力の変調、うつ病、貧血、筋力低下、脱毛症、肥満、多嚢胞卵巣、子宮内膜症、乳癌、子宮癌、及び卵巣癌がある。
【0004】
ADIFの兆候は、予測不能であり、その兆候はわずかであり変化しやすいので、診断、モニタ、及び治療することができない。そこで、ADIFを治療するために、基礎科学と臨床レベルの両方において新規で革新的なアプローチが緊急に必要とされている。本発明は、この要求に対して行われるものである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、女性患者のアンドロゲン減少(Androgen Decline in Female:ADIF)に関連する病気を、治療、予防、抑止、抑制、又は発生を減少させる方法を提供する。前記方法は、女性患者に、選択的アンドロゲン受容体調節剤(selective androgen receptor modulator:SARM)化合物、及び/又はその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、プロドラッグ、多形体、結晶或いはそれらの任意の組み合わせを投与する過程を含んでいる。本発明は、さらに、女性患者のADIFが原因の性的不全、性欲減退、性腺機能低下症、筋肉減少症、骨減少症、骨粗鬆症、気分・認識力の変調、うつ病、貧血、筋力低下、脱毛症、肥満、多嚢胞卵巣、子宮内膜症、乳癌、子宮癌、及び卵巣癌を、治療、予防、抑止、抑制、又は発生を減少させる方法を提供する。前記方法は、女性患者に、SARM化合物、及び/又はその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、プロドラッグ、多形体、結晶或いはそれらの任意の組み合わせを投与する過程を含んでいる。
【0006】
ある実施形態では、本発明は、女性患者のADIFに関連する病気を治療する方法を提供する。この方法は、患者に、ADIFに関連する病気を治療するのに効果的な量のSARM化合物を投与する過程を含んでいる。また、他の実施形態では、この方法は、患者に、SARM化合物の類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、プロドラッグ、又はそれらの任意の組み合わせを投与する過程を含んでいる。
【0007】
他の実施形態では、本発明は、女性患者のADIFに関連する病気を予防、抑止、抑制、又は減少させる方法を提供する。この方法は、患者に、ADIFに関連する病気を予防、抑止、抑制、又は減少させるのに効果的な量のSARM化合物を投与する過程を含んでいる。また、他の実施形態では、この方法は、患者に、SARM化合物の類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、プロドラッグ、又はそれらの任意の組み合わせを投与する過程を含んでいる。
【0008】
他の実施形態では、本発明は、女性患者のADIFが原因の性的不全、性欲減退、性腺機能低下症、筋肉減少症、骨減少症、骨粗鬆症、気分・認識力の変調、うつ病、貧血、筋力低下、脱毛症、肥満、多嚢胞卵巣、子宮内膜症、乳癌、子宮癌、及び卵巣癌を、治療する方法を提供する。この方法は、患者に、女性患者のADIFが原因の病気を治療するのに効果的な量のSARM化合物を投与する過程を含んでいる。また、他の実施形態では、この方法は、患者に、SARM化合物の類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、プロドラッグ、又はそれらの任意の組み合わせを投与する過程を含んでいる。
【0009】
他の実施形態では、本発明は、女性患者のADIFが原因の性的不全、性欲減退、性腺機能低下症、筋肉減少症、骨減少症、骨粗鬆症、気分・認識力の変調、うつ病、貧血、筋力低下、脱毛症、肥満、多嚢胞卵巣、子宮内膜症、乳癌、子宮癌、及び卵巣癌を、予防、抑止、抑制、又は減少させる方法を提供する。この方法は、患者に、女性患者のADIFが原因の病気を予防、抑止、抑制、又は減少させるのに効果的な量のSARM化合物を投与する過程を含んでいる。また、他の実施形態では、この方法は、患者に、SARM化合物の類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、プロドラッグ、又はそれらの任意の組み合わせを投与する過程を含んでいる。
【0010】
ある実施形態では、ADIFに関連する病気を、治療、予防、抑止、抑制、又は発生を減少させるのに効果的なSARM化合物は、次の化学構造式Iで表される化合物、又はその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、プロドラッグ或いはそれらの任意の組み合わせである。
【化1】

【0011】
ただし、Gは、O又はSであり、
Xは、結合部、O、CH、NH、Se、PR、NO又はNRであり、
Tは、OH、OR、−NHCOCH又はNHCORであり、
Zは、NO、CN、COOH、COR、NHCOR又はCONHRであり、
Yは、CF、F、I、Br、Cl、CN、CR又はSnRであり、
Qは、アルキル、ハロゲン、CF、CN、CR、SnR、NR、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH、NHCSCF、NHCSR、NHSOCH、NHSOR、OR、COR、OCOR、OSOR、SOR又はSRである。或いは、Qは、次の構造式A、B又はCで表される縮合環システムのベンゼン環と結合するようなものからなり、



Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CHF、CHF、CF、CFCF、アリル、フェニル、ハロゲン、アルケニル又はOHであり、
は、CH、CHF、CHF、CF、CHCH又はCFCFである。
【0012】
他の実施形態では、ADIFに関連する病気を、治療、予防、抑止、抑制、又は発生を減少させるのに効果的なSARM化合物は、次の化学構造式IIで表される化合物、又はその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、プロドラッグ或いはそれらの任意の組み合わせである。
【化2】

【0013】
ただし、Xは、結合部、O、CH、NH、Se、PR、NO又はNRであり、
Zは、NO、CN、COOH、COR、NHCOR又はCONHRであり、
Yは、CF、F、I、Br、Cl、CN、CR又はSnRであり、
Qは、アルキル、ハロゲン、CF、CN、CR、SnR、NR、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH、NHCSCF、NHCSR、NHSOCH、NHSOR、OR、COR、OCOR、OSOR、SOR又はSRである。或いは、Qは、次の構造式A、B又はCで表される縮合環システムのベンゼン環と結合するようなものからなり、


Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CHF、CHF、CF、CFCF、アリル、フェニル、ハロゲン、アルケニル又はOHである。
【0014】
他の実施形態では、ADIFに関連する病気を、治療、予防、抑止、抑制、又は発生を減少させるのに効果的なSARM化合物は、次の化学構造式IIIで表される化合物、又はその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、プロドラッグ或いはそれらの任意の組み合わせである。
【化3】

【0015】
ただし、Xは、結合部、O、CH、NH、Se、PR、NO又はNRであり、
Gは、O又はSであり、
は、CH、CHF、CHF、CF、CHCH又はCFCFであり、
Tは、OH、OR、−NHCOCH又はNHCORであり、
Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CHF、CHF、CF、CFCF、アリル、フェニル、ハロゲン、アルケニル又はOHであり、
Aは、


から選択される環であり、
Bは、


から選択される環であり、
ただし、A及びBは同時にはベンゼン環であり得ず、
Zは、NO、CN、COOH、COR、NHCOR又はCONHRであり、
Yは、CF、F、I、Br、Cl、CN、CR又はSnRであり、
及びQは、互いに独立して、水素、アルキル、ハロゲン、CF、CN、CR、SnR、NR、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH、NHCSCF、NHCSR、NHSOCH、NHSOR、OR、COR、OCOR、OSOR、SOR、SR又は、


であり、Q及びQは、互いに独立して、水素、アルキル、ハロゲン、CF、CN、CR、SnR、NR、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH、NHCSCF、NHCSR、NHSOCH、NHSOR、OR、COR、OCOR、OSOR、SOR又はSRであり、
は、O、NH、NR、NO又はSであり、
は、N又はNOである。
【0016】
他の実施形態では、ADIFに関連する病気を、治療、予防、抑止、抑制、又は発生を減少させるのに効果的なSARM化合物は、次の化学構造式IVで表される化合物、又はその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、プロドラッグ或いはそれらの任意の組み合わせである。
【化4】

【0017】
ただし、Xは、結合部、O、CH、NH、Se、PR、NO又はNRであり、
Gは、O又はSであり、
Tは、OH、OR、−NHCOCH又はNHCORであり、
Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CHF、CHF、CF、CFCF、アリル、フェニル、ハロゲン、アルケニル又はOHであり、
は、CH、CHF、CHF、CF、CHCH又はCFCFであり、
は、F、Cl、Br、I、CH、CF、OH、CN、NO、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、アルキル、アリールアルキル、OR、NH、NHR、NR又はSRであり、
は、F、Cl、Br、I、CN、NO、COR、COOH、CONHR、CF、又はSnRである。或いは、Rは、次の構造式で表される縮合環システムのベンゼン環と結合するようなものからなり、


Zは、NO、CN、COR、COOH又はCONHRであり、
Yは、CF、F、Br、Cl、I、CN又はSnRであり、
Qは、H、アルキル、ハロゲン、CF、CN、CR、SnR、NR、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH、NHCSCF、NHCSR、NHSOCH、NHSOR、OH、OR、COR、OCOR、OSOR、SOR又はSRである。或いは、Qは、次の構造式A、B又はCで表される縮合環システムのベンゼン環と結合するようなものからなり、


nは、1〜4の整数であり、
mは、1〜3の整数である。
【0018】
他の実施形態では、ADIFに関連する病気を、治療、予防、抑止、抑制、又は発生を減少させるのに効果的なSARM化合物は、次の化学構造式Vで表される化合物、又はその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、プロドラッグ或いはそれらの任意の組み合わせである。
【化5】

【0019】
ただし、Rは、F、Cl、Br、I、CH、CF、OH、CN、NO、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、アルキル、アリールアルキル、OR、NH、NHR、NR又はSRであり、
は、F、Cl、Br、I、CN、NO、COR、COOH、CONHR、CF又はSnRである。或いは、Rは、次の構造式で表される縮合環システムのベンゼン環と結合するようなものからなり、


Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CHF、CHF、CF、CFCF、アリル、フェニル、ハロゲン、アルケニル又はOHであり、
Zは、NO、CN、COR、COOH又はCONHRであり、
Yは、CF、F、Br、Cl、I、CN又はSnRであり、
Qは、H、アルキル、ハロゲン、CF、CN、CR、SnR、NR、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH、NHCSCF、NHCSR、NHSOCH、NHSOR、OH、OR、COR、OCOR、OSOR、SOR又はSRである。或いは、Qは、次の構造式A、B又はCで表される縮合環システムのベンゼン環と結合するようなものからなり、


nは、1〜4の整数であり、
mは、1〜3の整数である。
【0020】
他の実施形態では、ADIFに関連する病気を、治療、予防、抑止、抑制、又は発生を減少させるのに効果的なSARM化合物は、次の化学構造式VIで表される化合物、又はその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、プロドラッグ或いはそれらの任意の組み合わせである。
【化6】

【0021】
他の実施形態では、ADIFに関連する病気を、治療、予防、抑止、抑制、又は発生を減少させるのに効果的なSARM化合物は、次の化学構造式VIIで表される化合物、又はその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、プロドラッグ或いはそれらの任意の組み合わせである。
【化7】

【0022】
他の実施形態では、ADIFに関連する病気を、治療、予防、抑止、抑制、又は発生を減少させるのに効果的なSARM化合物は、次の化学構造式VIIIで表される化合物、又はその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、プロドラッグ或いはそれらの任意の組み合わせである。
【化8】

【0023】
他の実施形態では、ADIFに関連する病気を、治療、予防、抑止、抑制、又は発生を減少させるのに効果的なSARM化合物は、次の化学構造式IXで表される化合物、又はその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、プロドラッグ或いはそれらの任意の組み合わせである。
【化9】

【0024】
他の実施形態では、ADIFに関連する病気を、治療、予防、抑止、抑制、又は発生を減少させるのに効果的なSARM化合物は、次の化学構造式Xで表される化合物、又はその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、プロドラッグ或いはそれらの任意の組み合わせである。
【化10】

【0025】
他の実施形態では、ADIFに関連する病気を、治療、予防、抑止、抑制、又は発生を減少させるのに効果的なSARM化合物は、次の化学構造式XI表される化合物、又はその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、プロドラッグ或いはそれらの任意の組み合わせである。
【化11】

【0026】
ある実施形態では、SARMは、アンドロゲン受容体アゴニストである。他の実施形態では、SARMは、インビボで、アンドロゲン受容体に対する非ステロイド性リガンドとしてのアンドロゲン活性及びタンパク同化作用を有する。他の実施形態では、SARMは、アンドロゲン受容体アンタゴニストである。他の実施形態では、SARMは、筋肉又は骨に対してアゴニスト作用を有する。他の実施形態では、SARMは、筋肉又は骨に対しての影響がない。他の実施形態では、SARMは、中枢神経系(CNS)に浸透する。他の実施形態では、SARMは、中枢神経系(CNS)に浸透しない。
【0027】
ある実施形態では、ADIFに関連する病気は、性的不全である。ある実施形態では、ADIFに関連する病気は、性欲減退である。ある実施形態では、ADIFに関連する病気は、性腺機能低下症である。ある実施形態では、ADIFに関連する病気は、筋肉減少症である。ある実施形態では、ADIFに関連する病気は、骨減少症である。ある実施形態では、ADIFに関連する病気は、骨粗鬆症である。ある実施形態では、ADIFに関連する病気は、気分・認識力の変調である。ある実施形態では、ADIFに関連する病気は、うつ病である。ある実施形態では、ADIFに関連する病気は、貧血である。ある実施形態では、ADIFに関連する病気は、筋力低下である。ある実施形態では、ADIFに関連する病気は、脱毛症である。ある実施形態では、ADIFに関連する病気は、肥満である。ある実施形態では、ADIFに関連する病気は、多嚢胞卵巣である。ある実施形態では、ADIFに関連する病気は、子宮内膜症である。ある実施形態では、ADIFに関連する病気は、乳癌である。ある実施形態では、ADIFに関連する病気は、子宮癌である。ある実施形態では、ADIFに関連する病気は、卵巣癌である。ある実施形態では、ADIFに関連する病気は、上記した病気の組み合わせである。
【0028】
本発明は、ADIFに関連する病気を、治療、予防、抑止、抑制、又は発生を減少させる安全で効果的な方法を提供する。また、特に、性的不全、性欲減退、性腺機能低下症、筋肉減少症、骨減少症、骨粗鬆症、気分・認識力の変調、うつ病、貧血、筋力低下、脱毛症、肥満、多嚢胞卵巣、子宮内膜症、乳癌、子宮癌、及び卵巣癌の症状及び兆候のある女性患者を治療するのに役立つ方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明は、女性患者のアンドロゲン減少(Androgen Decline in Female:ADIF)に関連する病気を、治療、予防、抑止、抑制、又は発生を減少させる方法を提供する。前記方法は、女性患者に、選択的アンドロゲン受容体調節剤(selective androgen receptor modulator:SARM)化合物、及び/又はその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、プロドラッグ、多形体、結晶或いはそれらの任意の組み合わせを投与する過程を含んでいる。本発明は、さらに、女性患者のADIFが原因の性的不全、性欲減退、性腺機能低下症、筋肉減少症、骨減少症、骨粗鬆症、気分・認識力の変調、うつ病、貧血、筋力低下、脱毛症、肥満、多嚢胞卵巣、子宮内膜症、乳癌、子宮癌、及び卵巣癌を、治療、予防、抑止、抑制、又は発生を減少させる方法を提供する。前記方法は、女性患者に、SARM化合物、及び/又はその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、プロドラッグ、多形体、結晶或いはそれらの任意の組み合わせを投与する過程を含んでいる。
【0030】
したがって、ある実施形態では、本発明は、女性患者のADIFに関連する病気を治療する方法を提供する。この方法は、患者に、ADIFに関連する病気を治療するのに効果的な量のSARM化合物を投与する過程を含んでいる。また、他の実施形態では、この方法は、患者に、SARM化合物の類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、プロドラッグ、又はそれらの任意の組み合わせを投与する過程を含んでいる。
【0031】
他の実施形態では、本発明は、女性患者のADIFに関連する病気を予防、抑止、抑制、又は減少させる方法を提供する。この方法は、患者に、ADIFに関連する病気を予防、抑止、抑制、又は減少させるのに効果的な量のSARM化合物を投与する過程を含んでいる。また、他の実施形態では、この方法は、患者に、SARM化合物の類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、プロドラッグ、又はそれらの任意の組み合わせを投与する過程を含んでいる。
【0032】
他の実施形態では、本発明は、女性患者のADIFが原因の性的不全、性欲減退、性腺機能低下症、筋肉減少症、骨減少症、骨粗鬆症、気分・認識力の変調、うつ病、貧血、筋力低下、脱毛症、肥満、多嚢胞卵巣、子宮内膜症、乳癌、子宮癌、及び卵巣癌を、治療する方法を提供する。この方法は、患者に、女性患者のADIFが原因の病気を治療するのに効果的な量のSARM化合物を投与する過程を含んでいる。また、他の実施形態では、この方法は、患者に、SARM化合物の類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、プロドラッグ、又はそれらの任意の組み合わせを投与する過程を含んでいる。
【0033】
他の実施形態では、本発明は、女性患者のADIFが原因の性的不全、性欲減退、性腺機能低下症、筋肉減少症、骨減少症、骨粗鬆症、気分・認識力の変調、うつ病、貧血、筋力低下、脱毛症、肥満、多嚢胞卵巣、子宮内膜症、乳癌、子宮癌、及び卵巣癌を、予防、抑止、抑制、又は減少させる方法を提供する。この方法は、患者に、女性患者のADIFが原因の病気を予防、抑止、抑制、又は減少させるのに効果的な量のSARM化合物を投与する過程を含んでいる。また、他の実施形態では、この方法は、患者に、SARM化合物の類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、プロドラッグ、又はそれらの任意の組み合わせを投与する過程を含んでいる。
【0034】
ある実施形態では、ADIFに関連する病気を、治療、予防、抑止、抑制、又は発生を減少させるのに効果的なSARM化合物は、次の化学構造式Iで表される化合物である。
【化1】

【0035】
ただし、Gは、O又はSであり、
Xは、結合部、O、CH、NH、Se、PR、NO又はNRであり、
Tは、OH、OR、−NHCOCH又はNHCORであり、
Zは、NO、CN、COOH、COR、NHCOR又はCONHRであり、
Yは、CF、F、I、Br、Cl、CN、CR又はSnRであり、
Qは、アルキル、ハロゲン、CF、CN、CR、SnR、NR、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH、NHCSCF、NHCSR、NHSOCH、NHSOR、OR、COR、OCOR、OSOR、SOR又はSRである。或いは、Qは、次の構造式A、B又はCで表される縮合環システムのベンゼン環と結合するようなものからなり、


Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CHF、CHF、CF、CFCF、アリル、フェニル、ハロゲン、アルケニル又はOHであり、
は、CH、CHF、CHF、CF、CHCH又はCFCFである。
【0036】
ある実施形態では、SARMは、化学構造式Iの化合物の類似体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式Iの化合物の誘導体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式Iの化合物の異性体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式Iの化合物の代謝産物である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式Iの化合物の薬学的に許容される塩である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式Iの化合物の医薬品である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式Iの化合物の水和物である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式Iの化合物のN酸化物である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式Iの化合物の結晶である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式Iの化合物の多形体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式Iの化合物のプロドラッグである。他の実施形態では、SARMは、化学構造式Iの化合物の類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、又はプロドラッグの任意の組み合わせである。
【0037】
ある実施形態では、SARM化合物は、XがOである化学構造式Iの化合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、GがOである化学構造式Iの化合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、ZがNOである化学構造式Iの化合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、ZがCNである化学構造式Iの化合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、YがCFである化学構造式Iの化合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、QがNHCOCHである化学構造式Iの化合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、QがFである化学構造式Iの化合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、TがOHである化学構造式Iの化合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、RがCHである化学構造式Iの化合物である。
【0038】
置換基Z及びYは、それらの置換基を有する環(以下、「環A」という)の任意の場所に位置することができる。ある実施形態では、置換基Zは、環Aのパラ位置にある。他の実施形態では、置換基Yは、環Aのメタ位置にある。他の実施形態では、置換基Zは環Aのパラ位置にあり、置換基Yは環Aのメタ位置にある。
【0039】
置換基Qは、その置換基を有する環(以下、「環B」という)の任意の場所に位置することができる。ある実施形態では、置換基Qは、環Bのパラ位置にある。他の実施形態では、置換基QはNHCOCHであり、環Bのパラ位置にある。他の実施形態では、置換基QはFであり、環Bのパラ位置にある。
【0040】
他の実施形態では、ADIFに関連する病気を治療、予防、抑止、抑制、又は発生を減少させるのに効果的なSARM化合物は、次の化学構造式IIで表される化合物である。
【化2】

【0041】
ただし、Xは、結合部、O、CH、NH、Se、PR、NO又はNRであり、
Zは、NO、CN、COOH、COR、NHCOR又はCONHRであり、
Yは、CF、F、I、Br、Cl、CN、CR又はSnRであり、
Qは、アルキル、ハロゲン、CF、CN、CR、SnR、NR、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH、NHCSCF、NHCSR、NHSOCH、NHSOR、OR、COR、OCOR、OSOR、SOR又はSRである。或いは、Qは、次の構造式A、B又はCで表される縮合環システムのベンゼン環と結合するようなものからなり、


Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CHF、CHF、CF、CFCF、アリル、フェニル、ハロゲン、アルケニル又はOHである。
【0042】
ある実施形態では、SARMは、化学構造式IIの化合物の類似体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IIの化合物の誘導体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IIの化合物の異性体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IIの化合物の代謝産物である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IIの化合物の薬学的に許容される塩である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IIの化合物の医薬品である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IIの化合物の水和物である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IIの化合物のN酸化物である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IIの化合物の結晶である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IIの化合物の多形体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IIの化合物のプロドラッグである。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IIの化合物の類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、又はプロドラッグの任意の組み合わせである。
【0043】
ある実施形態では、SARM化合物は、XがOである化学構造式IIの化合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、ZがNOである化学構造式IIの化合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、ZがCNである化学構造式IIの化合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、YがCFである化学構造式IIの化合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、QがNHCOCHである化学構造式IIの化合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、QがFである化学構造式IIの化合物である。
【0044】
他の実施形態では、ADIFに関連する病気を、治療、予防、抑止、抑制、又は発生を減少させるのに効果的なSARM化合物は、次の化学構造式IIIで表される化合物である。
【化3】

【0045】
ただし、Xは、結合部、O、CH、NH、Se、PR、NO又はNRであり、
Gは、O又はSであり、
は、CH、CHF、CHF、CF、CHCH又はCFCFであり、
Tは、OH、OR、−NHCOCH又はNHCORであり、
Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CHF、CHF、CF、CFCF、アリル、フェニル、ハロゲン、アルケニル又はOHであり、
Aは、


から選択される環であり、
Bは、


から選択される環であり、
ただし、A及びBは同時にはベンゼン環であり得ず、
Zは、NO、CN、COOH、COR、NHCOR又はCONHRであり、
Yは、CF、F、I、Br、Cl、CN、CR又はSnRであり、
及びQは、互いに独立して、水素、アルキル、ハロゲン、CF、CN、CR、SnR、NR、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH、NHCSCF、NHCSR、NHSOCH、NHSOR、OR、COR、OCOR、OSOR、SOR、SR又は、


であり、Q及びQは、互いに独立して、水素、アルキル、ハロゲン、CF、CN、CR、SnR、NR、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH、NHCSCF、NHCSR、NHSOCH、NHSOR、OR、COR、OCOR、OSOR、SOR又はSRであり、
は、O、NH、NR、NO又はSであり、
は、N又はNOである。
【0046】
ある実施形態では、SARMは、化学構造式IIIの化合物の類似体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IIIの化合物の誘導体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IIIの化合物の異性体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IIIの化合物の代謝産物である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IIIの化合物の薬学的に許容される塩である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IIIの化合物の医薬品である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IIIの化合物の水和物である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IIIの化合物のN酸化物である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IIIの化合物の結晶である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IIIの化合物の多形体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IIIの化合物のプロドラッグである。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IIIの化合物の類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、又はプロドラッグの任意の組み合わせである。
【0047】
ある実施形態では、SARM化合物は、XがOである化学構造式IIIの化合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、GがOである化学構造式IIIの化合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、TがOHである化学構造式IIIの化合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、RがCHである化学構造式IIIの化合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、ZがNOである化学構造式IIIの化合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、ZがCNである化学構造式IIIの化合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、YがCFである化学構造式IIIの化合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、QがNHCOCHである化学構造式IIIの化合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、QがFである化学構造式IIIの化合物である。
【0048】
置換基Z及びYは、それらの置換基を有する環(以下、「環A」という)の任意の場所に位置することができる。ある実施形態では、置換基Zは、環Aのパラ位置にある。他の実施形態では、置換基Yは、環Aのメタ位置にある。他の実施形態では、置換基Zは環Aのパラ位置にあり、置換基Yは環Aのメタ位置にある。
【0049】
置換基Q及びQは、それらの置換基を有する環(以下、「環B」という)の任意の場所に位置することができる。ある実施形態では、置換基Qは、環Bのパラ位置にある。他の実施形態では、置換基QはHである。他の実施形態では、置換基Qは、環Bのパラ位置にあり、置換基QはHである。他の実施形態では、置換基Qは、NHCOCHであり、環Bのパラ位置にあり、置換基QはHである。
【0050】
他の実施形態では、ADIFに関連する病気を治療、予防、抑止、抑制、又は発生を減少させるのに効果的なSARM化合物は、次の化学構造式IVで表される化合物である。
【化4】

【0051】
ただし、Xは、結合部、O、CH、NH、Se、PR、NO又はNRであり、
Gは、O又はSであり、
Tは、OH、OR、−NHCOCH又はNHCORであり、
Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CHF、CHF、CF、CFCF、アリル、フェニル、ハロゲン、アルケニル又はOHであり、
は、CH、CHF、CHF、CF、CHCH又はCFCFであり、
は、F、Cl、Br、I、CH、CF、OH、CN、NO、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、アルキル、アリールアルキル、OR、NH、NHR、NR又はSRであり、
は、F、Cl、Br、I、CN、NO、COR、COOH、CONHR、CF、又はSnRである。或いは、Rは、次の構造式で表される縮合環システムのベンゼン環と結合するようなものからなり、


Zは、NO、CN、COR、COOH又はCONHRであり、
Yは、CF、F、Br、Cl、I、CN又はSnRであり、
Qは、H、アルキル、ハロゲン、CF、CN、CR、SnR、NR、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH、NHCSCF、NHCSR、NHSOCH、NHSOR、OH、OR、COR、OCOR、OSOR、SOR又はSRである。或いは、Qは、次の構造式A、B又はCで表される縮合環システムのベンゼン環と結合するようなものからなり、


nは、1〜4の整数であり、
mは、1〜3の整数である。
【0052】
ある実施形態では、SARMは、化学構造式IVの化合物の類似体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IVの化合物の誘導体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IVの化合物の異性体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IVの化合物の代謝産物である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IVの化合物の薬学的に許容される塩である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IVの化合物の医薬品である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IVの化合物の水和物である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IVの化合物のN酸化物である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IVの化合物の結晶である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IVの化合物の多形体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IVの化合物のプロドラッグである。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IVの化合物の類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、又はプロドラッグの任意の組み合わせである。
【0053】
ある実施形態では、SARM化合物は、XがOである化学構造式IVの化合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、GがOである化学構造式IVの化合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、ZがNOである化学構造式IVの化合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、ZがCNである化学構造式IVの化合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、YがCFである化学構造式IVの化合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、QがNHCOCHである化学構造式IVの化合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、QがFである化学構造式IVの化合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、TがOHである化学構造式IVの化合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、RがCHである化学構造式IVの化合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、QがFであり、RがCHである化学構造式IVの化合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、QがFであり、RがClである化学構造式IVの化合物である。
【0054】
置換基Z、Y及びRは、それらの置換基を有する環(以下、「環A」という)の任意の場所に位置することができる。ある実施形態では、置換基Zは、環Aのパラ位置にある。他の実施形態では、置換基Yは、環Aのメタ位置にある。他の実施形態では、置換基Zは環Aのパラ位置にあり、置換基Yは環Aのメタ位置にある。
【0055】
置換基Q及びRは、それらの置換基を有する環(以下、「環B」という)の任意の場所に位置することができる。ある実施形態では、置換基Qは、環Bのパラ位置にある。他の実施形態では、置換基Qは環Bのパラ位置にある。他の実施形態では、置換基Qは、NHCOCHであり、環Bのパラ位置にある。
【0056】
整数m及びnが1より大きいときに、置換基R及びRは1つの特定の置換基に限定されず、前記した置換基の任意の組み合わせであってよい。
【0057】
他の実施形態では、ADIFに関連する病気を、治療、予防、抑止、抑制、又は発生を減少させるのに効果的なSARM化合物は、次の化学構造式Vで表される化合物である。
【化5】

【0058】
ただし、Rは、F、Cl、Br、I、CH、CF、OH、CN、NO、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、アルキル、アリールアルキル、OR、NH、NHR、NR又はSRであり、
は、F、Cl、Br、I、CN、NO、COR、COOH、CONHR、CF又はSnRである。或いは、Rは、次の構造式で表される縮合環システムのベンゼン環と結合するようなものからなり、


Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CHF、CHF、CF、CFCF、アリル、フェニル、ハロゲン、アルケニル又はOHであり、
Zは、NO、CN、COR、COOH又はCONHRであり、
Yは、CF、F、Br、Cl、I、CN又はSnRであり、
Qは、H、アルキル、ハロゲン、CF、CN、CR、SnR、NR、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH、NHCSCF、NHCSR、NHSOCH、NHSOR、OH、OR、COR、OCOR、OSOR、SOR又はSRである。或いは、Qは、次の構造式A、B又はCで表される縮合環システムのベンゼン環と結合するようなものからなり、


nは、1〜4の整数であり、
mは、1〜3の整数である。
【0059】
ある実施形態では、SARMは、化学構造式Vの化合物の類似体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式Vの化合物の誘導体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式Vの化合物の異性体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式Vの化合物の代謝産物である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式Vの化合物の薬学的に許容される塩である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式Vの化合物の医薬品である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式Vの化合物の水和物である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式Vの化合物のN酸化物である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式Vの化合物の結晶である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式Vの化合物の多形体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式Vの化合物のプロドラッグである。他の実施形態では、SARMは、化学構造式Vの化合物の類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、又はプロドラッグの任意の組み合わせである。
【0060】
他の実施形態では、SARM化合物は、ZがNOである化学構造式Vの化合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、ZがCNである化学構造式Vの化合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、YがCFである化学構造式Vの化合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、QがNHCOCHである化学構造式Vの化合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、QがFである化学構造式Vの化合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、QがFであり、RがCHである化学構造式Vの化合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、QがFであり、RがClである化学構造式Vの化合物である。
【0061】
化合物4において前述したように、置換基Z、Y及びRは、環Aの任意の場所に位置することができ、置換基Q及びRは、環Bの任意の場所に位置することができる。さらに、前述したように、整数m及びnが1より大きいとき、置換基R及びRは1つの特定の置換基に限定されず、前記した置換基の任意の組み合わせであってよい。
【0062】
他の実施形態では、ADIFに関連する病気を治療、予防、抑止、抑制、又は発生を減少させるのに効果的なSARM化合物は、次の化学構造式VIで表される化合物である。
【化6】

【0063】
ある実施形態では、SARMは、化学構造式VIの化合物の類似体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式VIの化合物の誘導体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式VIの化合物の異性体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式VIの化合物の代謝産物である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式VIの化合物の薬学的に許容される塩である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式VIの化合物の医薬品である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式VIの化合物の水和物である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式VIの化合物のN酸化物である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式VIの化合物の結晶である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式VIの化合物の多形体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式VIの化合物のプロドラッグである。他の実施形態では、SARMは、化学構造式VIの化合物の類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、又はプロドラッグの任意の組み合わせである。
【0064】
他の実施形態では、ADIFに関連する病気を、治療、予防、抑止、抑制、又は発生を減少させるのに効果的なSARM化合物は、次の化学構造式VIIで表される化合物である。
【化7】

【0065】
ある実施形態では、SARMは、化学構造式VIIの化合物の類似体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式VIIの化合物の誘導体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式VIIの化合物の異性体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式VIIの化合物の代謝産物である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式VIIの化合物の薬学的に許容される塩である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式VIIの化合物の医薬品である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式VIIの化合物の水和物である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式VIIの化合物のN酸化物である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式VIIの化合物の結晶である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式VIIの化合物の多形体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式VIIの化合物のプロドラッグである。他の実施形態では、SARMは、化学構造式VIIの化合物の類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、又はプロドラッグの任意の組み合わせである。
【0066】
他の実施形態では、ADIFに関連する病気を、治療、予防、抑止、抑制、又は発生を減少させるのに効果的なSARM化合物は、次の化学構造式VIIIで表される化合物である。
【化8】

【0067】
ある実施形態では、SARMは、化学構造式VIIIの化合物の類似体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式VIIIの化合物の誘導体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式VIIIの化合物の異性体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式VIIIの化合物の代謝産物である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式VIIIの化合物の薬学的に許容される塩である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式VIIIの化合物の医薬品である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式VIIIの化合物の水和物である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式VIIIの化合物のN酸化物である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式VIIIの化合物の結晶である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式VIIIの化合物の多形体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式VIIIの化合物のプロドラッグである。他の実施形態では、SARMは、化学構造式VIIIの化合物の類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、又はプロドラッグの任意の組み合わせである。
【0068】
他の実施形態では、ADIFに関連する病気を治療、予防、抑止、抑制、又は発生を減少させるのに効果的なSARM化合物は、次の化学構造式IXで表される化合物である。
【化9】

【0069】
ある実施形態では、SARMは、化学構造式IXの化合物の類似体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IXの化合物の誘導体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IXの化合物の異性体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IXの化合物の代謝産物である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IXの化合物の薬学的に許容される塩である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IXの化合物の医薬品である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IXの化合物の水和物である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IXの化合物のN酸化物である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IXの化合物の結晶である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IXの化合物の多形体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IXの化合物のプロドラッグである。他の実施形態では、SARMは、化学構造式IXの化合物の類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、又はプロドラッグの任意の組み合わせである。
【0070】
他の実施形態では、ADIFに関連する病気を、治療、予防、抑止、抑制、又は発生を減少させるのに効果的なSARM化合物は、次の化学構造式Xで表される化合物である。
【化10】

【0071】
ある実施形態では、SARMは、化学構造式Xの化合物の類似体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式Xの化合物の誘導体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式Xの化合物の異性体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式Xの化合物の代謝産物である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式Xの化合物の薬学的に許容される塩である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式Xの化合物の医薬品である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式Xの化合物の水和物である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式Xの化合物のN酸化物である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式Xの化合物の結晶である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式Xの化合物の多形体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式Xの化合物のプロドラッグである。他の実施形態では、SARMは、化学構造式Xの化合物の類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、又はプロドラッグの任意の組み合わせである。
【0072】
他の実施形態では、ADIFに関連する病気を治療、予防、抑止、抑制、又は発生を減少させるのに効果的なSARM化合物は、次の化学構造式XIで表される化合物である。
【化11】

【0073】
ある実施形態では、SARMは、化学構造式XIの化合物の類似体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式XIの化合物の誘導体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式XIの化合物の異性体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式XIの化合物の代謝産物である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式XIの化合物の薬学的に許容される塩である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式XIの化合物の医薬品である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式XIの化合物の水和物である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式XIの化合物のN酸化物である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式XIの化合物の結晶である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式XIの化合物の多形体である。他の実施形態では、SARMは、化学構造式XIの化合物のプロドラッグである。他の実施形態では、SARMは、化学構造式XIの化合物の類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、又はプロドラッグの任意の組み合わせである。
【0074】
《定義》
ここでは、置換基Rは、アルキル基、ハロアルキル基、ジハロアルキル基、トリハロアルキル基、CHF基、CHF基、CF基、CFCF基、アリル基、フェニル基、ハロゲン基、アルケニル基、又はヒドロキシル(OH)基と定義する。
【0075】
“アルキル”基は、直鎖型、分枝型及び環状の飽和脂肪族炭化水素である。ある実施形態では、アルキル基は、1〜12個の炭素を有する。他の実施形態では、アルキル基は、1〜7個の炭素を有する。ある実施形態では、アルキル基は、1〜6個の炭素を有する。ある実施形態では、アルキル基は、1〜4個の炭素を有する。アルキル基は、ハロゲン基(例えば、F、Cl、Br、I)、水酸基、アルコキシ・カルボニル基、アミド基、アルキルアミド基、ジアルキルアミド基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボニル基、チオ基、及びチオアルキル基から成る群より選択される一つ又は複数の基と置換又は無置換される。
【0076】
“ハロアルキル”基は、先に定義したアルキル基を一つ又は複数のハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br又はI)で置換したものである。“ハロゲン”は、周期表VII族の元素(例えば、F、Cl、Br又はI)である。
【0077】
“アリル”基は、ハロゲン基(例えば、F、Cl、Br又はI)、ハロアルキル基、水酸基、アルコキシ・カルボニル基、アミド基、アルキルアミド基、ジアルキルアミド基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボニル基、チオ基、及びチオアルキル基から成る群より選択される一つ又は複数の基と置換又は無置換される、少なくとも一つの炭素環式芳香族基又は複素環式芳香族基を有する芳香族基である。アリル環としては、例えば、フェニル、ナフチル、ピラニル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピラゾリル、ピリジニル、フラニル、チオフェニル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリルなどがある(ただし、これらに限定されるものではない)。
【0078】
“ヒドロキシル”基は、OH基である。“アルケニル”基は、少なくとも一つの炭素間二重結合を有する基である。ハロ基は、F、Cl、Br又はIである。
【0079】
“アリルアルキル”基は、アリル基と結合したアルキル基である。なお、アルキル基とアリル基は、先に定義したとおりである。アリルアルキル基としては、例えば、ベンジル基がある。
【0080】
本発明は、SARM化合物、及び/又はその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、プロドラッグ、多形体、結晶或いはそれらの任意の組み合わせの使用に関する。ある実施形態では、本発明は、SARM化合物の類似体の使用に関する。ある実施形態では、本発明は、SARM化合物の誘導体の使用に関する。ある実施形態では、本発明は、SARM化合物の異性体の使用に関する。ある実施形態では、本発明は、SARM化合物の代謝産物の使用に関する。ある実施形態では、本発明は、SARM化合物の薬学的に許容される塩の使用に関する。ある実施形態では、本発明は、SARM化合物の医薬品の使用に関する。ある実施形態では、本発明は、SARM化合物の水和物の使用に関する。ある実施形態では、本発明は、SARM化合物のN酸化物の使用に関する。ある実施形態では、本発明は、SARM化合物のプロドラッグの使用に関する。ある実施形態では、本発明は、SARM化合物の多形体の使用に関する。ある実施形態では、本発明は、SARM化合物の結晶の使用に関する。ある実施形態では、本発明は、SARM化合物の類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、プロドラッグ、多形体、又は結晶の任意の組み合わせの使用に関する。
【0081】
ここで定義される“異性体”という用語は、光学異性体とその類似体、構造異性体とその類似体、及び配座異性体とその類似体などを含む(ただし、これらに限定されるものではない)。
【0082】
ある実施形態では、本発明は、SARM化合物の様々な光学異性体の使用を含む。本発明に係るSARM化合物が少なくとも一つのキラル中心を有していることは、当業者には周知である。したがって、本発明に係る方法で使用されるSARM化合物は、光学的活性体又はラセミ体内で、存在しており、単離されている。ある化合物は、多形性を示す。当然のことながら、本発明は、前述したアンドロゲンに関連する病気の治療に有用である特性を有する、任意のラセミ体、光学活性体、多形型、立体異性形状、又はそれらの混合物を含む。ある実施形態では、SARM化合物は、純粋な(R)異性体である。他の実施形態では、SARM化合物は、純粋な(S)異性体である。他の実施形態では、SARM化合物は、(R)異性体と(S)異性体との混合物である。他の実施形態では、SARM化合物は、同量の(R)異性体と(S)異性体とを含むラセミ混合物である。当該技術分野では、光学活性体を生成する方法は周知である(例えば、再結晶法によるラセミ体の分解、光学体活体開始物質の合成、キラル合成、又はキラル固定相を使用したクロマトグラフ分離など)。
【0083】
本発明は、例えばクエン酸や塩酸のような有機酸又は無機酸を有するアミノ置換化合物の“薬学的に許容される塩”を提供する。また、本発明は、ここに記載した化合物のアミノ置換基のN酸化物を提供する。薬学的に許容される塩は、例えば水酸化ナトリウムのような無機塩基を処置することにより、フェノール化合物から生成することもできる。また、フェノール化合物のエステルは、脂肪族カルボン酸と芳香族カルボン酸(例えば、酢酸エステルと安息香酸エステル)から生成することもできる。
【0084】
本発明は、さらに、SARM化合物の誘導体を提供する。“誘導体”という用語は、エーテル誘導体、酸誘導体、アミノ誘導体、エステル誘導体などを含む(ただし、これらに限定されるものではない)。本発明は、さらに、SARM化合物の水和物を提供する。“水和物”という用語は、半水和物、一水和物、二水和物、三水和物などを含む(ただし、これらに限定されるものではない)。本発明は、さらに、SARM化合物の代謝産物を提供する。“代謝産物”という用語は、代謝作用又は代謝過程によって、別の物質から生成された物質を意味する。
【0085】
本発明は、さらに、SARM化合物の医薬品を提供する。“医薬品”という用語は、医薬品としての使用に適した組成物を意味する。
【0086】
本発明は、さらに、SARM化合物のプロドラッグを提供する。“プロドラッグ”という用語は、加水分解、エステル化、ジエステル化、活性化、塩生成などの反応によりインビボで生物活性物質に変換される物質を意味する。
【0087】
本発明は、さらに、SARM化合物の結晶を提供する。さらに、本発明は、SARM化合物の多形体を提供する。“結晶”という用語は、結晶状態の物質を意味する。“多形体”という用語は、特別な物理的性質(例えば、X線回折、IRスペクトル、融点など)を有する、物質の特別な結晶状態を意味する。
【0088】
《選択型アンドロゲン調節剤化合物の生物活性》
選択型アンドロゲン調節剤(SARM)化合物は、新しい種類のアンドロゲン受容体標的物質(androgen receptor targeting agent:ARTA)である。いくつかの適切に置換されたSARM化合物は、予期せぬ、インビボでのアンドロゲン受容体に対する非ステロイド性リガンドとしてのアンドロゲン活性及びタンパク同化作用を有する。すでに、SARM化合物が次の(a)〜(k)に有用であることが証明されている。(a)男性の避妊。(b)様々なホルモンに関連する病気(例えば、高齢男性におけるアンドロゲン減少(Androgen Decline in Aging Male:ADAM)に関連する病気)の治療。前記ADAMに関連する病気としては、例えば、性的不全、性欲減退、勃起不全、性腺機能低下症、筋肉減少症、骨減少症、骨粗鬆症、気分・認識力の変調、うつ病、貧血、筋力低下、脱毛症、肥満、良性前立腺肥大症、前立腺癌がある。(c)女性におけるアンドロゲン減少(Androgen Decline in Female:ADIF)に関連する病気の治療。ADIFに関連する病気としては、例えば、性的不全、性欲減退、性腺機能低下症、筋肉減少症、骨減少症、骨粗鬆症、気分・認識力の変調、うつ病、貧血、脱毛症、肥満、及び子宮内膜症がある。(d)慢性筋萎縮症の治療及び/又は予防。(e)前立腺癌の発病率の減少、前立腺癌の停止、又は前立腺癌の退行させる。(f)経口によるアンドロゲン補充。(g)ドライアイの治療及び/又は予防。(h)良性前立腺肥大症(benign prostate hypertrophy:BPH)の治療及び/又は予防。(i)癌細胞のアポトーシスの誘発。(j)女性生殖器の癌(例えば、乳ガン、子宮癌、及び卵巣癌)の治療及び/又は予防。(k)他の臨床治療及び/又は診断分野。
【0089】
これらの新規な物質は、様々なホルモンに関連する病気(ADIFに関連する病気を含む)の治療に役立つ。さらに、SARMは、経口テストステロン補充療法や、前立腺癌の画像化に役立つ。
【0090】
本発明は、女性患者のADIFに関連する病気に関連する病気を、治療、予防、抑止、抑制、又は発生を減少させるのに役立つ。ADIFに関連する病気としては、例えば、性的不全、性欲減退、性腺機能低下症、筋肉減少症、骨減少症、骨粗鬆症、気分・認識力の変調、うつ病、貧血、筋力低下、脱毛症、肥満、多嚢胞卵巣、子宮内膜症、乳癌、子宮癌、及び卵巣癌がある(ただし、これらに限定されるものではない)。
【0091】
ある実施形態では、ADIFに関連する病気は、性的不全である。ある実施形態では、ADIFに関連する病気は、性欲減退である。ここで使用される“性欲”という用語は、性的衝動を意味する。
【0092】
ある実施形態では、ADIFに関連する病気は、性腺機能低下症である。“性腺機能低下症”は、生殖腺の機能活性の異常低下により生じる又は特徴付けられる病気であり、性腺の機能活性を減少させ、成長及び性的な発育を遅延させる。
【0093】
ある実施形態では、ADIFに関連する病気は、筋肉減少症である。ある実施形態では、ADIFに関連する病気は、骨減少症である。“骨減少症”は、石灰化が減少する又は骨ミネラル濃度が減少する病気である。これは、そのような病気が顕著である骨格系すべてを含む用語である。
【0094】
ある実施形態では、ADIFに関連する病気は、骨粗鬆症である。“骨粗鬆症”は、カルシウムや骨タンパク質の不足に起因する骨質量の減少を伴う、骨が薄くなる病気である。骨粗鬆症にかかると、骨折しやすくなる。また、骨折した際に、治るのが遅くなったり、うまく治らなかったりする。骨粗鬆症を放置すると、姿勢の変化、身体の異常、及び可動性が減少する。
【0095】
ある実施形態では、ADIFに関連する病気は、気分・認識力の変調である。“認識”という用語は、知るプロセス、特に、気づく、知る、考える、学ぶ、及び判断するなどのプロセスを意味する。認識という用語は、心理学、言語学、コンピュータサイエンス、神経科学、数学、動物行動学、及び哲学の分野に関連する。“気分”という用語は、気質又は気持ちの状態である。変調は、認識力及び/又は気分におけるポジティブ又はネガティブな任意の変化を意味する。
【0096】
ある実施形態では、ADIFに関連する病気は、うつ病である。“うつ病”という用語は、肉体、気分、及び意識を含めた病気のことであり、その人が食事をしたり睡眠を取ったり、自己確認したり、物事について考察する行動に影響を与える。うつ病の兆候及び症候としては、活動に対する興味の消失、過食又は拒食、感情の消失、無気力、絶望感、悲観、罪悪感又は孤独感、社会逃避、疲労、睡眠障害、集中力低下、記憶障害、決断障害、情動不安、頭痛、消化不良、又は慢性的痛みがある。
【0097】
ある実施形態では、ADIFに関連する病気は、疲労である。“疲労”という用語は、低下した作業能力や減退した達成効率を特徴とし、通常、脱力感やけん怠感を伴う。
【0098】
ある実施形態では、ADIFに関連する病気は、脱毛症である。“脱毛症”という用語は、医学的には脱毛(alopecia)として知られており、非常に一般的なタイプの男性型脱毛症のことである。脱毛症は、一般的には、頭皮の部分的な脱毛より始まり、その後、完全な脱毛状態になることもあり、体毛脱毛を伴うこともある。脱毛症とは男性及び女性の双方に生じる。
【0099】
ある実施形態では、ADIFに関連する病気は、貧血である。“貧血”という用語は、血液中で、赤血球数が通常の数よりも少ない、又はヘモグロビン含有量が通常よりも少ない状態を意味する。このとき、血液の酸素運搬量は、減少する。貧血の人は、すぐに疲労感を覚え、蒼白となり、動悸を覚え、息切れする。貧血は次の4つの主要な原因(a〜d)によって引き起こされる。a)出血(失血)、b)溶血(赤血球の過剰破壊)、c)赤血球生成不足、及びd)異常ヘモグロビン。貧血には様々なタイプがあり、再生不良性貧血、ベンゼン中毒、ファンコーニ貧血、新生児溶血性疾患遺伝性球状赤血球症、鉄欠乏性貧血、大理石骨病、悪性貧血、鎌状細胞貧血、地中海貧血症、脊髄形成異常症候群、及び様々な骨髄疾患などがある。ここに定義するように、本発明のSARM化合物は、上記した貧血の一つ又は複数のタイプの貧血を、予防及び/又は治療するのに役立つ。
【0100】
ある実施形態では、ADIFに関連する病気は、肥満である。“肥満”という用語は、正常な体重を大きく超過した状態を意味する。従来、理想的な体重を20%超過すると肥満であると考えられてきた。肥満は、肥満度指数(Body to Mass Index:BMI)が30以上であるとして国立衛生研究所(National Institute of Health:NIH)によってより正確に定義されてきた。肥満は、しばしば多因子性であり、遺伝的及び行動的な要素の双方に起因する。肥満による体重超過は、健康に大きく関係する。例えば、次のような様々な病気となるリスクを増大させる。2型(成人)糖尿病、高血圧、脳卒中(脳血管障害すなわちCVA(cerebrovascular accident))、心臓麻痺(心筋梗塞すなわちMI(myocardial infarction))、心不全(うっ血性心不全)、癌(前立腺、大腸、直腸癌など)、胆石及び胆嚢の病気(胆嚢炎)、痛風及び痛風関節炎、膝、臀部及び下背の骨関節炎(変性性関節炎)、睡眠時無呼吸(睡眠時の呼吸不全、血中酸素濃度の低下)、及びピックウィック症候群(肥満、赤面、呼吸低下、及び傾眠)など。ここに定義するように、“肥満”という用語は、上述した肥満に関連する状態及び病気のいずれか一つを含む。したがって、本発明に係るSARM化合物は、肥満及び上述した肥満に関連する状態及び病気のいずれか一つを、予防及び/又は治療するのに役立つ。
【0101】
ある実施形態では、ADIFに関連する病気は、多嚢胞卵巣である。“多嚢胞卵巣”という用語は、排卵しない女性に見られ、多数の卵巣嚢胞及びアンドロゲン生成の増加を特徴とする病気である。
【0102】
ある実施形態では、ADIFに関連する病気は、筋力低下である。“筋力低下”という用語は、様々な筋肉の広範囲の衰弱、疲労、又は消耗を特徴とする病気を意味する。筋力低下は、亜急性又は慢性であり、多くの場合は進行性であり、多くの筋肉及び神経筋疾患の徴候である。
【0103】
ある実施形態では、ADIFに関連する病気は、子宮内膜症である。“子宮内膜症”という用語は、通常は子宮内で成長する細胞が、子宮の外側で成長するという病気である。一般的な症状及び兆候は、痛み(通常は骨盤の痛み)と不妊症である。一部の女性は、性交渉、排便、及び/又は排尿の際に痛みと筋ケイレンを経験する。子宮内膜症は、不妊症を引き起こす。子宮内膜症の出血、炎症、及び傷は、女性の生殖器を変形させ(例えば、卵管を閉塞させる)、不妊症を引き起こす。子宮内膜症の他の症状としては、下腹部痛、下痢や便秘、腰痛、不規則や重い月経の苦しみ、又は血尿などがある。子宮内膜症のまれな症状としては、胸痛、肺内の子宮内膜症が原因の喀血、脳内の子宮内膜症が原因の頭痛及び/又は発作がある。女性の1%未満では、子宮内膜症は癌性になる。また、前記病気で発見される癌の大部分は、移植とは関係なく、むしろ病気と無関係に生じるように思われる。
【0104】
ある実施形態では、ADIFに関連する病気は、乳癌である。“乳癌”という用語は、他の身体組織へ広がる(転移する)機能がそれぞれ異なる乳房悪性腫瘍のグループを意味する。
【0105】
ある実施形態では、ADIFに関連する病気は、子宮癌である。“子宮癌”という用語は、子宮の癌を意味する。子宮癌は、55〜70歳の間で一番よく発生する。子宮癌の最も一般的な症状は、更年期後の異常出血である。子宮癌は、骨盤内診察、子宮がん検査、子宮の生体組織検査、及びD・C方法の結果に基づいて診断される。
【0106】
ある実施形態では、ADIFに関連する病気は、卵巣癌である。“卵巣癌”という用語は、女性の卵嚢である、卵巣の癌を意味する。卵巣癌にはいくつかの種類がある。最も一般的な種類は、卵巣の表面で始まるものである(上皮癌)。卵巣癌の家系の女性は、卵巣癌にかかる危険性が高い。遺伝性の卵巣癌は、卵巣癌全体の約5〜10%である。3つの遺伝パターンが確認されている。卵巣癌のみ、卵巣癌と乳癌、そして、卵巣癌と結腸癌のパターンである。卵巣癌は、通常は症状がないため、また症状が曖昧なため、早期発見は困難である。卵巣癌の検査には、健康診断(内診を含む)、超音波検査、X線検査、CA−125血液検査、及び卵巣の生体組織検査がある。
【0107】
ある実施形態では、本発明に係るSARM化合物が投与される女性患者は、高齢の女性である。ここに定義するように、「高齢」という用語は、年を取ることを意味する。ある実施形態では、高齢の男性は、40歳以上の男性である。他の実施形態では、高齢の男性は、45歳以上の男性である。他の実施形態では、高齢の男性は、50歳以上の男性である。他の実施形態では、高齢の男性は、55歳以上の男性である。他の実施形態では、高齢の男性は、60歳以上の男性である。他の実施形態では、高齢の男性は、65歳以上の男性である。他の実施形態では、高齢の男性は、70歳以上の男性である。他の実施形態では、高齢の男性は、75歳以上の男性である。
【0108】
ここに定義するように、本発明に係るSARM化合物は、ADIFに関連する病気の治療に有効であり、その生物活性によりサブグループに分類される。例えば、いくつかのSARM化合物は、筋肉又は骨に対してアゴニスト作用を有する。他のSARM化合物は、筋肉又は骨に対してアゴニスト作用を有さない。他のSARM化合物は、中枢神経系(Central Nervous System:CNS)を浸透することができる。他のSARM化合物は、中枢神経系(CNS)を浸透することができない。
【0109】
本発明に係るSARM化合物は、新しい種類のアンドロゲン受容体標的物質(ARTA)であり、アンドロゲン受容体に対する非ステロイド性リガンドとしてのアンドロゲン又は抗アンドロゲン活性と、タンパク同化作用を示す。この物質は、SARM化合物の新しいサブクラスを定義する。
【0110】
アンドロゲン受容体(AR)は、その内因性アンドロゲンとの活性を介して男性の性的発育及び機能の誘導を仲立ちする、リガンドが活性化された転写調節タンパク質である。アンドロゲンは、一般に、男性ホルモンとして知られている。男性ホルモンは、体内で睾丸及び副腎の皮質により生成される、又は実験室で合成されるステロイドである。アンドロゲン性ステロイドは、男性の性的特徴(例えば、筋肉や骨量)の発育及び維持、前立腺の成長、精子形成、及び男性の髪状態などの、多数の生理学的過程において重要な役割を果たす(Matsumoto, Endocrinol. Met. Gun. N. Am. 23: 857-75, 1994)。前記した内因性のステロイド性アンドロゲンとしては、テストステロンやジヒドロテストステロン(dihydrotestosterone:DHT)がある。他のステロイド性アンドロゲンとしては、テストステロンのエステル類(例えば、シピオネート、プロピオン酸、フェニルプロピオン酸、シクロペンチルプロピオネート、イソカルポレート(isocarporate)、エナント酸、及びデカン酸エステル)や、他の合成アンドロゲンがある。前記合成アンドロゲンとしては、例えば、7−メチル−ノルテストステロン(7-Methyl-Nortestosterone:MENT)や、その酢酸エステルなどがある(Sundaram et al., "7 Alpha-Methyl-Nortestosterone(MENT): The Optimal Androgen For Male Contraception," Ann. Med., 25:199-205, 1993, "Sundaram")。
【0111】
ここに定義するように、本発明は、新しい種類のSARM化合物を提供する。これらの化合物はADIFに関連する病気の治療に有効であり、アンドロゲン受容体アゴニスト(ARアゴニスト)、部分的アゴニスト、又はアンドロゲン受容体アンタゴニスト(ARアンタゴニスト)に分類される。
【0112】
受容体アゴニストは、受容体と結合し、受容体を活性化させる物質である。受容体の部分的アゴニストは、受容体と結合し、受容体を部分的に活性化させる物質である。受容体アンタゴニストは、受容体と結合し、受容体を不活性にする物質である。ここに示すように、本発明に係るSARM化合物のある物質は、アゴニスト、部分的アゴニスト及び/又はアンタゴニストであり、組織選択性を有する。例えば、SARM化合物は、筋肉組織を刺激すると同時に、前立腺組織を抑制する。ある実施形態では、ADIFに関連する病気を治療及び予防するのに有効なSARMはARアゴニストであり、ARと結合し活性化するのに有用である。他の実施形態では、ADIFに関連する病気を治療及び予防するのに有効なSARMはARアンタゴニストであり、ARと結合し不活性にするのに有用である。本発明に係る化合物がARアゴニストかアンタゴニストかを判断するための分析方法は、当該技術分野では周知である。例えば、ARアゴニスト活性は、SARM化合物のARを含んでいる組織(例えば、前立腺や精嚢)の成長を維持及び/又は刺激する能力を、重量測定によりモニタリングすることで測定できる。ARアンタゴニスト活性は、AR含有組織の成長を阻害するSARM化合物の能力を、モニタリングすることで測定できる。
【0113】
また、他の実施形態では、本発明に係るSARM化合物は、ARの部分的アゴニスト/アンタゴニストとして分類することもできる。SARMはある組織内ではARアゴニストであり、AR反応遺伝子の転写を増加させる(例えば、筋肉同化効果)。他の組織内では、SARM化合物はARにおいて阻止因子して機能し、天然アンドロゲンのアゴニスト作用を予防する。
【0114】
本発明に係るSARM化合物は、アンドロゲン受容体と、可逆的又は不可逆的に結合する。ある実施形態では、SARM化合物は、アンドロゲン受容体と可逆的に結合する。ある実施形態では、SARM化合物は、アンドロゲン受容体と不可逆的に結合する。本発明に係るSARM化合物は、アンドロゲン受容体(すなわち共有結合構造)のアルキル化が可能な、官能基(例えば親和性標識)を有している。この場合、SARM化合物は、受容体と不可逆的に結合する(したがって、内在性リガンドDHTやテストステロンなどのステロイドによって置換されない)。
【0115】
《医薬組成物》
ここで使用される“医薬組成物”は、“治療上の効果的な量”の活性化成分、すなわちSARM化合物と、薬学的に許容される担体又は希釈液とを組み合わせたものである。ここで使用される“治療上の効果的な量”は、与条件及び投薬計画について治療効果を与える量を意味する。
【0116】
SARM物質を含んでいる医薬組成物は、当業者に周知の方法、例えば、非経口、側癌的(paracanceraly)、経粘膜的、経皮的、筋肉内、静脈内、皮内、皮下、腹膜内、脳室内、脳内、膣内、又は腫瘍内への投与によって、患者に投与される。
【0117】
一実施形態では、医薬組成物は、経口投与されるので、経口投与に適した形状(すなわち、固体又は液体製剤)に形成される。適切な固形の経口製剤としては、錠剤、カプセル、ピル、顆粒、ペレットなどがある。適切な液体製剤としては、溶液、懸濁液、分散液、乳濁液、油などなどがある。本発明の一実施形態では、SARM化合物はカプセル状に形成される。この実施形態では、本発明に係る組成物は、SARM活性化合物及び不活性担体(又は希釈液)に加えて、硬ゲル化カプセルを含む。
【0118】
さらに、他の実施形態では、医薬組成物は、液体製剤の静脈内注射、動脈内注射又は筋肉内注射によって投与される。適切な液体製剤としては、溶液、懸濁液、分散液、乳濁液、油などがある。一実施形態では、医薬組成物は、静脈内投与に適した形状に形成され、静脈内に投与される。他の実施形態では、医薬組成物は、動脈内投与に適した形状に形成され、動脈内に投与される。他の実施形態では、医薬組成物は、筋肉内投与に適した形状に形成され、筋肉内に投与される。
【0119】
さらに、他の実施形態では、医薬組成物は、局所投与に適した形状に形成され、体の表面に局所的に投与される。適切な局所性製剤としては、ゲル、軟膏、クリーム、ローション、液滴などがある。局所的な投与のためには、SARM物質又はその誘導体であって生理学的に耐容性を示すもの(例えば、塩、エステル、N酸化物など)が調製され、薬品担体を用いて、又は用いることなく、生理学的に認容されている希釈液として、水溶液、懸濁液、又は乳状液として投与される。
【0120】
さらに、他の実施形態では、医薬組成物は、直腸座薬や尿道座薬などの座薬として投与される。さらに、他の実施形態では、医薬組成物は、ペレットの皮下埋め込みによって投与される。さらなる実施形態では、ペレットは、長時間にわたるSARM物質の徐放をもたらす。また、さらなる実施形態では、医薬組成物は、腟内に投与される。
【0121】
他の実施形態では、活性化合物は、小胞(特にリポソーム)に送達してもよい(Langer, Science 249:1527-1533 (1990)、Treat et al., in Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer, Lopez-Berestein and Fidler (eds.), Liss, New York, pp. 353-365 (1989); Lopez-Berestein, ibid, pp. 317-327)。
【0122】
本明細書中における「薬学的に許容される担体又は希釈液」は、当業者に周知である。担体又は希釈液としては、固体製剤のための固体担体又は希釈液、液体製剤のための液体担体又は希釈液、又はその混合物がある。
【0123】
固体担体/希釈液として、ガム、デンプン(例えば、コーンスターチ、予めゲル化された(pregeletanized)デンプン)、糖(例えば、乳糖、マンニトール、ショ糖、ブドウ糖)、セルロース系材料(例えば、微結晶性セルロース)、アクリル酸塩(例えば、ポリメチルアクリレート)、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、滑石、又はそれらの混合物がある(ただし、これらに限定されるものではない)。
【0124】
液体製剤の場合、薬学的に許容される担体としては、水溶性又は非水性の溶液、懸濁液、乳濁液、又は油がある。非水溶媒の例としては、プロピレン・グリコール、ポリエチレン・グリコールや、オレイン酸エチルなどの注射用有機エステルがある。水溶性担体としては、水、アルコール性/水溶性の溶液、乳濁液、又は生理食塩水及び緩衝培地を含む懸濁液がある。油の例としては、石油、動物性、植物性、又は合成されたものがある(例えば、ラッカセイ油、大豆油、鉱油、オリーブ油、ひまわり油、魚肝油)。
【0125】
非経口媒体(皮下注射、静脈内注射、動脈内注射、又は筋肉内注射用)としては、塩化ナトリウム溶液、リンガーブドウ糖、ブドウ糖及び塩化ナトリウム、乳酸加リンガーオイル及び固定油がある。経静脈媒体としては、液体及び栄養補充薬、電解質補充薬(例えば、リンガーブドウ糖に基づくもの)などがある。一例としては、界面活性剤及び他の薬学的に許容されるアジュバントを添加した、又は添加しない、水や油などの無菌液がある。一般に、水、生理食塩水、水溶性ブドウ糖や関連糖液、及びプロピレン・グリコール又はポリエチレン・グリコールなどのグリコールは、特に、注射用溶液に適した液体担体である。油の例としては、石油、動物性、植物性、又は合成されたものがある(例えば、ラッカセイ油、大豆油、鉱油、オリーブ油、ひまわり油、魚肝油)。
【0126】
また、組成物は、結合剤(例えば、アカシア、コーンスターチ、ゼラチン、カルボマー、エチルセルロース、グアールガム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン)、崩壊剤(例えば、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、アルギン酸、二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、グアールガム、澱粉グリコール酸エステルナトリウム)、種々のpH及びイオン強度の緩衝液(例えば、トリス−HCI、アセテート、リン酸塩)、界面に対する吸収を予防するためのアルブミン又はゼラチンのような添加物、洗剤(例えば、トウィーン20、トウィーン80、プルロニックF68、胆汁酸塩)、プロテアーゼインヒビター、界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、浸透エンハンサー、可溶化剤(例えば、グリセロール、ポリエチレングリセロール)、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソール)、安定剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、粘度上昇剤(例えば、カルボマー、コロイド状二酸化ケイ素、エチルセルロース、グアールガム)、甘味料(例えば、アスパルテーム、クエン酸)、防腐剤(例えば、チメロサール、ベンジルアルコール、パラオキシ安息香酸エステル類)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレン・グリコール、ラウリル硫酸ナトリウム)、流動助剤(例えば、コロイド状二酸化ケイ素)、可塑剤(例えば、フタル酸ジエチル、クエン酸トリエチル)、乳化剤(例えば、カルボマー、ヒドロキシプロピルセルロース、ラウリル硫酸ナトリウム)、ポリマーコーティング(例えば、ポロキサマー又はポロキサミン)、被覆及び膜形成剤(例えば、エチルセルロース、アクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩)、及び/又はアジュバントをさらに含むことができる。
【0127】
一実施形態では、ここで提供される医薬組成物は、投与後にSARM化合物を長時間に渡って放出する徐放組成物である。徐放又は持続放出組成物としては、脂溶性の持続性薬剤(例えば、脂肪酸、ワックス、オイル)がある。他の実施形態では、医薬組成物は、投与後に全てのSARM化合物を直ちに放出する即放組成物である。
【0128】
さらに他の実施形態では、医薬組成物は、徐放システムによって送達される。例えば、薬剤は、静脈内注入、植込型浸透圧ポンプ、経皮パッチ、リポソーム、又は他の投与形態により投与される。一実施形態では、ポンプを使用することができる(Langer, supra; Sefton, CRC Crit. Ref. Biomed. Eng. 14:201 (1987)、Buchwald et al., Surgery 88:507 (1980); Saudek et al., N. Engl. J. Med. 321:574 (1989))。他の実施形態では、高分子材料を使用することができる。さらに他の実施形態では、徐放システムは、治療ターゲットすなわち脳に近接して設けられることが可能である。その場合、必要とされるのは全身投与量のほんの一部である(例えば、Goodson, in Medical Applications of Controlled Release, supra, vol. 2, pp.115-138 (1984)を参照)。他の徐放システムは、Langer(Science 249:1527-1533 (1990))によるレビューに記載されている。
【0129】
また、組成物は、ポリマー化合物、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ヒドロゲルなどの粒子状製剤や、リポソーム、マイクロエマルション、ミセル、単層又は多層状の小胞、赤血球ゴースト、又はスフェロプラストへの活性物質を取り込むことができる。そのような組成物は、物理的状態、溶解度、安定性、インビボでの放出速度、及びインビボでの排出速度に影響を与える。
【0130】
本発明は、ポリマー(例えば、ポロキサマー又はポロキサミン)で被覆された粒子状組成物を含む。また、組織特異受容体、リガンド又は抗原に対する抗体と結合した、或いは組織特異受容体のリガンドと結合した化合物も本発明に含まれる。
【0131】
また、本発明は、水溶性ポリマーの共有結合によって修飾された化合物を含む。前記水溶性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレン・グリコール、ポリエチレン・グリコールとポリプロピレン・グリコールのコポリマー、カルボキシメチル・セルロース、デキストラン、ポリビニル・アルコール、ポリビニルピロリドン、又はポリプロリンがある。これらの修飾された化合物は、対応する修飾されていない化合物と比較して、静脈注射後、血液中で著しく長い半減期を示すことが知られている(Abuchowski et al., 1981; Newmark et al., 1982; and Katre et al., 1987)。また、そのような修飾は、水溶液中における化合物の溶解度を高め、凝集を予防し、化合物の物理的及び化学的安定性を向上させ、化合物の免疫原性及び反応性を著しく低下させる。そのため、修飾されていない化合物よりも低い頻度又は少ない投与量でポリマー化合物を投与することにより、インビボでの望ましい生物学的活性が得られる。
【0132】
活性成分を有する医薬組成物の作成は、当該技術分野で周知である(例えば、混合、顆粒化又は錠剤形成によって作成する)。活性治療成分はしばしば、薬学的に許容され活性化成分と適合する媒体と混合される。経口投与の場合、SARM物質又はその誘導体であって生理学的に耐容性を示すもの(例えば、塩、エステル、N酸化物など)は、この目的に使用されることが慣例となっている添加物(例えば、媒体、安定剤又は不活性希釈液など)と混合され、慣例的な方法によって投与に適した形状(例えば、錠剤、コート錠、硬又は軟ゼラチンカプセル、水溶性、アルコール性又は油性溶液)に変更される。非経口投与の場合は、SARM物質又はその誘導体であって生理学的に耐容性を示すもの(例えば、塩、エステル、N酸化物など)は、所望であればこの目的に用いられることが慣例になっている適切な物質(例えば、可溶化剤など)によって、溶液、懸濁液又は乳濁液に変更される。
【0133】
活性成分は、中和された薬学的に許容される塩の形態で、医薬組成物内に配合することができる。薬学的に許容される塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸)や有機酸(例えば、酢酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸)によって形成される酸付加塩(ポリペプチド又は抗体分子の遊離アミノ基で形成される)がある。遊離カルボキシル基から形成された塩は、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム又は水酸化第二鉄や、有機塩基(例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなど)などからも得られる。
【0134】
医学的に使用するために、SARMの塩は、薬学的に許容される塩になり得る。また、他の塩は、本発明に係る化合物又はその薬学的に許容される塩の作成に使用される。本発明に係る化合物の適切な薬学的に許容される塩としては、例えば、本発明に係る化合物の溶液と、薬学的に許容される酸(例えば、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、炭酸又はリン酸)の溶液とを混合することによって形成した酸付加塩がある。
【0135】
ここで定義されている“接触”という用語は、本発明に係るSARM化合物が、試験管、フラスコ、組織培養、チップ、アレイ、プレート、マイクロプレート、毛細管などの内部にある、酵素を含有するサンプル内に導入され、SARMが酵素に結合可能な温度又は時間で培養することを意味する。サンプルに、SARM又は他の特異結合成分を接触させる方法は、当業者に周知であり、実施する分析方法の種類に応じて選択することができる。また培養方法は標準的なものであり、当業者に周知である。
【0136】
他の実施形態では、“接触”という用語は、本発明に係るSARM化合物が治療対象の患者に投与され、インビボでSARM化合物がアンドロゲン受容体と接触可能であることを意味する。
【0137】
ここで使用される“治療”という用語は、疾患を軽減する治療は勿論のこと、予防をも含んでいる。ここで使用される“減少”、“抑止”及び“抑制”という用語は、一般的な解釈では、「低下」又は「減少」の意味である。ここで使用される“進行”という用語は、範囲や重症度の増加を、進行、成長、又は悪化を意味する。ここで使用される“再発”という用語は、病状が一時的に回復した後に、また元の病状に戻ることを意味する。
【0138】
ここで使用される“投与”という用語は、患者に本発明のSARM化合物を接触させることを意味する。ここで使用される投与は、インビトロ、すなわち試験管内で行われ、或いはインビボ、すなわち、例えば人などの生命体の細胞又は組織内で行われる。ある実施形態では、本発明は、本発明による化合物の患者への投与を包含する。
【0139】
ある実施形態では、本発明に係るSARM化合物は、唯一の活性化成分として投与される。また、1つ又は複数の治療物質と一緒にSARM化合物を投与することを含む、ADIFに関連する病気を治療及び/又は予防するための方法も本発明の範囲に含まれる。前記治療物質としては、これらに限定されるものではないがLHRH類似体、可逆的抗アンドロゲン、抗エストロゲン、抗癌剤、5−αレダクターゼ阻害剤、アロマターゼ阻害剤、プロゲスチン、別の核ホルモン受容体を介して作用する物質、選択的エストロゲン受容体調節剤(selective estrogen receptor modulator:SERM)、プロゲステロン、エストロゲン、PDE5抑制剤、アポモルヒネ、ビスホスフォネート、及び、1つ以上のさらなるSARMがある。
【0140】
したがって、ある実施形態では、本発明に係る方法は、LHRH類似体と一緒にSARM化合物を投与することを含む。ある実施形態では、本発明に係る方法は、可逆的抗アンドロゲンと一緒にSARM化合物を投与することを含む。ある実施形態では、本発明に係る方法は、抗エストロゲンと一緒にSARM化合物を投与することを含む。ある実施形態では、本発明に係る方法は、抗癌剤と一緒にSARM化合物を投与することを含む。ある実施形態では、本発明に係る方法は、5−αレダクターゼ阻害剤と一緒にSARM化合物を投与することを含む。ある実施形態では、本発明に係る方法は、アロマターゼ阻害剤と一緒にSARM化合物を投与することを含む。ある実施形態では、本発明に係る方法は、プロゲスチンと一緒にSARM化合物を投与することを含む。ある実施形態では、本発明に係る方法は、別の核ホルモン受容体を介して作用する物質と一緒にSARM化合物を投与することを含む。ある実施形態では、本発明に係る方法は、選択的エストロゲン受容体調節剤(SERM)と一緒にSARM化合物を投与することを含む。ある実施形態では、本発明に係る方法は、プロゲステロンと一緒にSARM化合物を投与することを含む。ある実施形態では、本発明に係る方法は、エストロゲンと一緒にSARM化合物を投与することを含む。ある実施形態では、本発明に係る方法は、PDE5抑制剤と一緒にSARM化合物を投与することを含む。ある実施形態では、本発明に係る方法は、アポモルヒネと一緒にSARM化合物を投与することを含む。ある実施形態では、本発明に係る方法は、ビスホスフォネートと一緒にSARM化合物を投与することを含む。ある実施形態では、本発明に係る方法は、1つ以上のさらなるSARMと一緒にSARM化合物を投与することを含む。
【0141】
次の実施例は、本発明の実施形態をより詳細に説明するためのものである。ただし、これらの実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0142】
《実施例1》
〈ミオシン重鎖(Myosin Heavy Chain:MHC)サブタイプIIbのmRNA発現に対する化合物VIの作用〉
【化6】

【0143】
〈実験方法〉
筋肉中の化合物VIの重要性を実証するために、出願人は、RT−PCRを用いてミオシン重鎖(MHC)サブタイプの発現を観察することにより、骨格筋中でのこの非ステロイド性の同化剤の作用を直接的に試験した。MHCは、組織特異的に発現し、発生学的に調節されて発現した多重遺伝子族によってコード化された骨格筋中の主要なタンパク質である。定常状態では、mRNAの発現は、通常MHCタンパク質発現の傾向に類似する。MHCのmRNAの転写は、MHCタンパク質翻訳より前に生じ、また、ウェスタンブロット法と比較してRT-PCRの感受性増加の前に生じるので、mRNA発現における急速な変化を検知することができ、またこれを筋肉同化作用の微妙な運動力の作用を分析するために使用することができる。
【0144】
〈結果〉
投薬していない無傷のメスのラットから切除した咬筋を、MHCIIb発現の管理基準(100%を表す)として設定した(図1A)。咬筋のMHCIIbに対する治療の影響について、アンドロゲンにより治療した無傷のメスのラットを、無治療対照群と比較して評価した。結果は、プロピオン酸テストステロンが咬筋に肯定的な影響を有することを示し、MHCタイプIIbの転写を無治療対照群の133%に増加させた(図1A)。さらに、化合物VIは筋肉中で同化を促進し、MHCタイプIIbを137%へ増加させた(図1A)。実際のPCRデータを図1Bに示す。結果は、化合物VIによる治療がメスの筋繊維RNAを増加させることを示す。
【0145】
《実施例2》
〈卵巣切除したメスのラットの骨ミネラル量(BMC:Bone Mineral Content)及び骨ミネラル濃度(BMD:Bone Mineral Density)におけるSARMSの影響〉
【化6】

【化9】

【化11】

【0146】
260匹のメスのスプラーグ・ドーリー(Sprague-Dawley:SD)ラット(23週齢)を認可された業者から購入し、この実験に使用した。動物は、各群に10匹ずつ、下記表に示される各治療群へ無作為に分けられた。群6から群26に割当てられた動物は、実験の1日目(day 1)に外科的な卵巣切除(ovariectomy:OVX)を施された。化合物VI、化合物IX及び化合物XI、抗アンドロゲン及び/又はDHTによる薬物投与は、直ちに(つまりOVXが行なわれた日に)、或いはOVXの90日後に開始され、これら化合物の、骨吸収を抑制する(緊急治療)性能、又は骨形成を促進する(遅延治療)性能を評価した。関連する化合物を、皮下注射(0.25mL)により毎日投与し、実験の180日目まで継続した。薬液は、エタノールに溶かし、ポリエチレン・グリコール300で希釈することにより毎日作成した。エタノールの比率はすべての媒体で同一とし、テスト化合物の溶解性に基づいて決定した。下記表に示すように、全身のDEXA映像を、OVXの180日後まで採集した。骨ミネラル濃度(BMD)、骨ミネラル量(BMC)、骨のミネラルエリア(BMA)、除脂肪体重(LBM)、脂肪質量(FM)、総体重(TBM)及び腰椎と左大腿骨との準局所的なBMDを各時点で測定した。全ての動物は181日目に屠殺された。大腿骨及び脛骨を将来の実験のためラットから切除した。屠殺の前に、或いは屠殺の時点で、各群5匹の動物から血清と尿検体を採集し、オステオカルシンの血清濃度、IL-6、IGF-1、デオキシピリジノリンの尿濃度、及びクレアチニンを測定するために使用した。
【0147】
結果を表1に表す。
【表1】

【0148】
図2は、卵巣切除後30日の治療期間経過後における、骨ミネラル量の基準線からの変化の比率を示す。実験期間後、プラシーボのみの治療を受けた卵巣切除されたメスのラットは、無傷の対照メスと比較して、−1.8%の骨ミネラル量の減少を示した。無傷対照群又はプラシーボ治療群と比較すると、化合物VIは骨ミネラル量を維持、改善した。卵巣切除され、プラシーボ治療された対照群と比較して、0.1、0.3、0.5、0.75、1、3mgの投与量の化合物VIによる治療を受けた動物において、BMCはそれぞれ、約5%、8.3%、4.7%、8.3%、10%、11.6%増加した。これらの結果は、卵巣切除されたメスのラットの骨格系において化合物Vlが直接的プラス同化作用を有することを実証し、また化合物VIが高齢の女性患者の骨粗鬆症を防止し、又は治療するための重要な治療手段になることを示す。特に興味深いことは、アンドロゲン欠乏の女性におけるホルモン補充療法に対する化合物VIの潜在的な用途である。
【0149】
《実施例3》
〈選択的アンドロゲン受容体調節剤の骨を貯える効果〉
S−3−(4アセチルアミノ・フェノキシ)−2−ヒドロキシ−2−メチル−N−(4−ニトロ−3−トリフルオロメチル・フェニル)−プロピオンアミド(化合物VI)は、アンドロゲン受容体(AR)(Ki=4.0±0.7nM)への強力な結合親和力を持ち、ラット中の組織選択的アンドロゲン作用・同化作用を示す、選択的アンドロゲン受容体調節剤である。去勢されたオスのラットでは、S−4は肛門挙筋で用量依存的な効果を示した。これらの結果はプロピオン酸テストステロン(testosterone propionate:TP)の結果と性能及び効能において類似していた。しかしながら、S4は、それぞれ、無傷の動物の34%及び28%に戻す、前立腺及び精嚢の部分的なアゴニストとなるだけであった。S-4は組織特異的な同化作用を発揮するので、メスの骨格におけるアンドロゲン作用を解明するのに理想的な化合物であろう。これらの実験の目的は、卵巣切除(OVX)されたラットの閉経後の骨量減少のモデルにおけるS-4の予防効果を判定することであった。
【0150】
〈材料及び方法〉
〈動物〉
120匹のメスのスプラーグ・ドーリー・ラットはハーラン社(Harlan; Indianapolis, IN)から購入された。動物をケージ当たり3匹ずつ収容し、水道水と市販のラット・チャウ(Harlan Teklad 22/5 rodent diet-8640)を自由に飲食できるようにした。実験期間中、12時間の明暗サイクルで動物を飼育した。この実験は、オハイオ州立大学の研究機関内の管理及び使用に関する委員会(Institutional Laboratory Care and Use Committee)によって審査及び承認されたものである。23週齢となったときに、各10匹の動物からなる以下のような12の治療群に動物を無作為に振り分けた。(1)OVX+化合物VI(0.1mg/日)、(2)OVX+化合物VI(0.3mg/日)、(3)OVX+化合物VI(0.5mg/日)、(4)OVX+化合物VI(0.75ミリグラム/日)、(5)OVX+化合物VI(1.0mg/日)、(6)OVX+化合物VI(3.0mg/日)、(7)OVX+DHT(1mg/日)、(8)OVX+化合物VI+抗アンドロゲン(0.5+1.0mg/日)、(9)OVX+媒体、(10)無傷+化合物VI(1mg/日)、(11)無傷+DHT(1mg/日)、(12)無傷+媒体。薬液は、ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶かし、ポリエチレン・グリコール300(PEG300)で希釈することにより毎日作成した。全ての投与量において、120日間毎日0.20mlを皮下注射することによって投与した。
【0151】
〈全身DEXA分析〉
小動物ソフトウェア(Lunar enCORE、バージョン6.60.041)を使用した二重エネルギーX線吸光光度分析装置(DEXA)(登録商標GE Lunar Prodigy)により、実験前(day 0)及び120日目(day 120)に、全身の骨ミネラル濃度(BMD)、脂肪質量(FM)比率、及び体重(BW)を測定した。データ処理中に、動物全体を包含する範囲を関心領域として選択することによって全身データを得た。スキャンをするため、ケタミン:キシラジン(87:13 mg/kg)で動物に麻酔をかけた。
【0152】
〈生体外DEXA分析〉
120日目の全身DEXAスキャンに続いてすぐに、群1〜11を屠殺し、腰椎、大腿骨及び脛骨を切除し、軟繊維を取り除いた。群12は210日目に屠殺した。軟組織をシミュレートし、ビーム硬化作用を防止するために、切除した骨格を室温の深い水槽内でスキャンした。L2〜L4脊椎骨を関心領域として選択し、DEXAによりBMDを分析した。
【0153】
〈大腿骨のpQCT分析及び生体力学試験〉
pQCT分析及び生体力学試験を行うために、群5,6,7,9,10及び12の右大腿骨をスケルテック社(Skeletech:ボセル,WA)へ送った。Stratec XCT RM及び関連するソフトウェア(Stratec Medizintechnik社、プフォルツハイム,ドイツ、ソフトウェア・バージョン5.40C)を使用したpQCTスキャンに大腿骨をかけた。大腿骨は骨幹中央(mid-shaft)をスキャンした。位置はスカウトビューを使用して確認し、大腿骨の長軸に垂直な0.5mmの薄片からスキャン結果を得る。皮質骨ミネラル量を分析した。pQCT分析の後、デフレッシュド(de-fleshed)な大腿骨全体を3点曲げ試験に使用した。大腿骨は、インストロン機械式試験機(Instron Mechnical Testing Machine)(4465から改良されたInstron5500)のうちの、下方へ向いた前方面を備えた3点曲げ固定具の下部支持体上に置かれた。上部の荷重装置を大腿骨骨幹の中心に合わせ、大腿骨が折れるまで、6mm/分の一定の置換速度で荷重を与えた。最大荷重の位置は手動で選択し、装置のソフトウェア(MarlinII、Instron)により値を計算した。最大荷重は機械式試験機によって直接測定され、2つの支持体間の距離は14mmに設定した。
【0154】
〈統計〉
結果は、一元配置分散分析におけるチューキー法(Turkey's honestly significant method)を使用して分析し、平均±S.E.M.として表した。P<0.05. SPSS 11.5.0(シカゴ,Il)を結果の分析に使用し、重要性を報告した。
【0155】
〈結果〉
〈全身DEXA分析〉
図3は、実験前(day 0)と120日目との間のBMDの変化を示す。予想した通り、OVX動物は、実験期間中にBMDを低下させた。化合物VIによる治療は、0.1mg/日を越える投与量で、OVX動物の全身BMDの低下を防止することができた(すなわち、無傷の対照動物との著しい差は観察されなかった)。卵巣切除術後のBMDの変化は、DHTによるOVX対照群或いは0.1mg/日の化合物VIにより治療した群に著しい違いはなかった。ビカルタミドと抗アンドロゲンとの共同投与は、薬物効果をある程度防止することができ、化合物VIに対する骨の反応を調節するのにARが重要であることを示唆している。DHTにより治療される無傷群及びOVX群のBMDの変化は差異がなかった。無傷の動物では、DHTは、年齢に関連するBMDの増加を妨げた。OVX動物では、DHTによる治療の影響はOVX対照群と差異はなかった。
【0156】
無傷の化合物VI及び無傷対照群を除いて、全ての群で著しい体重の増加を示した。化合物VIにより治療した群では、体重増加における用量依存の傾向が観察された。しかしながら、薬物治療された群とOVX対照群との間の違いは、最高投与量のものを除いてごくわずかであった(図4)。3.0mg/日の投与量群は他の群より大きな体重増加を示したが、それらの体脂肪の比率は無傷対照群と差異はなかった。120日目の脂肪質量(FM)を図5に示す。OVX動物の脂肪質量比率の用量依存的な減少も観察された。さらに、脂肪質量の平均比率は、無傷対照群より無傷の化合物VIにより治療した動物のほうが低かった。化合物VIにより治療した群のどれも120日目に無傷群と差異はなかった。
【0157】
〈切除した骨のDEXA分析〉
脊椎の破砕は、すべての骨格の破砕で最も一般的なものである(Melton, L.J., 3rd and S.R. Cummings, Heterogeneity of age-related fractures: implications for epidemiology. Bone Miner, 1987. 2(4): p. 321-31)。腰椎は多くの骨梁を含んでおり、OVX後又は閉経後の急速な骨ミネラル量減少を実証する。したがって、L2〜L4脊椎のBMD、及び骨梁に対する治療効果を判定するモデルを試験した。予想した通り、OVX対照動物はこの部位では無傷対照群より著しく低いBMDを示した。図6は、L2〜L4脊椎における化合物VIの骨のスペアリング効果を実証する。腰椎中に用量依存的な薬物効果が観察された。0.3mg/日以上を投与される群のL2〜L4のBMDは、無傷対照群と著しく異なっておらず、0.5及び3.0mg/kgの投与量群はOVX対照群より著しく高いBMDを示した。ビカルタミドの共同投与は、化合物VIの影響を完全に消すことができ、SARMの予防効果がARによってなされることを示していた。全身BMDデータに見られるように、無傷の動物へのDHTによる治療はL2〜L4のBMDを減少させ、その一方でOVX動物では、DHTはL2〜L4のBMDをある程度増加できるだけであった。
【0158】
〈大腿骨のpQCT分析及び生体力学試験〉
皮質骨の化合物VIの影響を判定するために、大腿骨骨幹中央の、皮質量(CC:図7)及び生体力学的強度(図8)を、pQCT及び3点曲げ試験により試験した。大腿骨のpQCT分析は、化合物VIが、1.0mg/日の投与量でOVAの後に観察されたCCの損失を完全に防止できることを示した。3.0mg/日の投与量は、無傷の動物のCC以上にOVA動物のCCを増加させることができた。しかしながら、有意性を得るためにはより多くのサンプル数が必要であろう。DHTによる治療がある程度CCの損失を防止したように思われるが、これらの結果は重要なものではなかった。化合物VIにより治療された無傷の動物のCCは無傷対照群とは差異はなかった。OVX後の大腿骨の生体力学的強度には著しい減少が観察された。大腿骨の強度に対する化合物VIの影響は、皮質量に観察された影響と同様の傾向を示した。1.0mg/日の投与量で骨の強度の低下を防止することができ、その一方で、3.0mg/日の投与量が最大荷重を増大させた。皮質量の著しい差はDHTとOVX対照群との間で観察されなかったが、DHTは骨の強度の低下を防止できた。
【0159】
結果は、OVXが、全身BMDを変化させ、脂肪質量比率、体重、L2〜L4のBMD、大腿骨のCC及び大腿骨の生体力学的強度は、非ステロイド性のSARMによって調節されることを示す。化合物VIによる治療は、全身BMD、体重、L2〜L4BMD、大腿部のCC、及び大腿部の生体力学的強度に用量依存的な増加をもたらし、一方で、OVX動物の脂肪質量比率を低減させた。これらの実験は、骨粗鬆症の治療法として化合物VIを使用できることを示している。
【0160】
当業者であれば、本発明は上記した内容に限定されるものではないことは容易に理解できるであろう。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって規定される。
【図面の簡単な説明】
【0161】
【図1A】ミオシン重鎖(MHC)IIbのmRNA発現に対するプロピオン酸テストステロン及び化合物VIの影響を示す図であり、MHC IIbのmRNA発現に対する化合部VIの影響を示すヒストグラムである。
【図1B】ミオシン重鎖(MHC)IIbのmRNA発現に対するプロピオン酸テストステロン及び化合物VIの影響を示す図であり、MHC IIbのmRNA発現を示すRT−PCRである。
【図2】卵巣切除後のメスのラットにおける骨ミネラル量(BMC)及び骨ミネラル濃度(BMD)に対するSARMの影響を示す図である。
【図3】メスのラットにおける全身の骨ミネラル濃度(BMD)に対する化合物VIの影響を示す図である。
【図4】体重に対する化合物VIの影響を示す図である。
【図5】化合物VIによる治療から120日目の脂肪質量比率を示す図である。
【図6】脊椎L2〜L4における化合物VIの骨を貯える効果を示す図である。
【図7】化合物VIが卵巣切除後の大腿骨骨幹中央の皮質量(CC)の損失を防止することを示す図である。
【図8】大腿骨の3点曲げ試験による大腿骨の強度に対する化合物VIの影響を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
女性のアンドロゲン欠乏(ADIF)に関連する病気を治療する方法であって、
前記女性の患者に、前記ADIFに関連する病気を治療するのに効果的な量の選択的アンドロゲン受容体(SARM)化合物を投与するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記SARM化合物の類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、プロドラッグ又はそれらの任意の組み合わせを投与する過程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記SARM化合物が、次の化学構造式Iで表されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【化1】

ただし、Gは、O又はSであり、
Xは、結合部、O、CH、NH、Se、PR、NO又はNRであり、
Tは、OH、OR、−NHCOCH又はNHCORであり、
Zは、NO、CN、COOH、COR、NHCOR又はCONHRであり、
Yは、CF、F、I、Br、Cl、CN、CR又はSnRであり、
Qは、アルキル、ハロゲン、CF、CN、CR、SnR、NR、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH、NHCSCF、NHCSR、NHSOCH、NHSOR、OR、COR、OCOR、OSOR、SOR又はSRである。或いは、Qは、次の構造式A、B又はCで表される縮合環システムのベンゼン環と結合するようなものからなり、


Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CHF、CHF、CF、CFCF、アリル、フェニル、ハロゲン、アルケニル又はOHであり、
は、CH、CHF、CHF、CF、CHCH又はCFCFである。
【請求項4】
前記SARM化合物が、次の化学構造式IIで表されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【化2】

ただし、Xは、結合部、O、CH、NH、Se、PR、NO又はNRであり、
Zは、NO、CN、COOH、COR、NHCOR又はCONHRであり、
Yは、CF、F、I、Br、Cl、CN、CR又はSnRであり、
Qは、アルキル、ハロゲン、CF、CN、CR、SnR、NR、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH、NHCSCF、NHCSR、NHSOCH、NHSOR、OR、COR、OCOR、OSOR、SOR又はSRである。或いは、Qは、次の構造式A、B又はCで表される縮合環システムのベンゼン環と結合するようなものからなり、


Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CHF、CHF、CF、CFCF、アリル、フェニル、ハロゲン、アルケニル又はOHである。
【請求項5】
前記SARM化合物が、次の化学構造式IIIで表されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【化3】

ただし、Xは、結合部、O、CH、NH、Se、PR、NO又はNRであり、
Gは、O又はSであり、
は、CH、CHF、CHF、CF、CHCH又はCFCFであり、
Tは、OH、OR、−NHCOCH又はNHCORであり、
Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CHF、CHF、CF、CFCF、アリル、フェニル、ハロゲン、アルケニル又はOHであり、
Aは、


から選択される環であり、
Bは、


から選択される環であり、
ただし、A及びBは同時にはベンゼン環であり得ず、
Zは、NO、CN、COOH、COR、NHCOR又はCONHRであり、
Yは、CF、F、I、Br、Cl、CN、CR又はSnRであり、
及びQは、互いに独立して、水素、アルキル、ハロゲン、CF、CN、CR、SnR、NR、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH、NHCSCF、NHCSR、NHSOCH、NHSOR、OR、COR、OCOR、OSOR、SOR、SR又は、


であり、Q及びQは、互いに独立して、水素、アルキル、ハロゲン、CF、CN、CR、SnR、NR、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH、NHCSCF、NHCSR、NHSOCH、NHSOR、OR、COR、OCOR、OSOR、SOR又はSRであり、
は、O、NH、NR、NO又はSであり、
は、N又はNOである。
【請求項6】
前記SARM化合物が、次の化学構造式IVで表されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【化4】

ただし、Xは、結合部、O、CH、NH、Se、PR、NO又はNRであり、
Gは、O又はSであり、
Tは、OH、OR、−NHCOCH又はNHCORであり、
Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CHF、CHF、CF、CFCF、アリル、フェニル、ハロゲン、アルケニル又はOHであり、
は、CH、CHF、CHF、CF、CHCH又はCFCFであり、
は、F、Cl、Br、I、CH、CF、OH、CN、NO、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、アルキル、アリールアルキル、OR、NH、NHR、NR又はSRであり、
は、F、Cl、Br、I、CN、NO、COR、COOH、CONHR、CF、又はSnRである。或いは、Rは、次の構造式で表される縮合環システムのベンゼン環と結合するようなものからなり、


Zは、NO、CN、COR、COOH又はCONHRであり、
Yは、CF、F、Br、Cl、I、CN又はSnRであり、
Qは、H、アルキル、ハロゲン、CF、CN、CR、SnR、NR、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH、NHCSCF、NHCSR、NHSOCH、NHSOR、OH、OR、COR、OCOR、OSOR、SOR又はSRである。或いは、Qは、次の構造式A、B又はCで表される縮合環システムのベンゼン環と結合するようなものからなり、


nは、1〜4の整数であり、
mは、1〜3の整数である。
【請求項7】
前記SARM化合物が、次の化学構造式Vで表されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【化5】

ただし、Rは、F、Cl、Br、I、CH、CF、OH、CN、NO、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、アルキル、アリールアルキル、OR、NH、NHR、NR又はSRであり、
は、F、Cl、Br、I、CN、NO、COR、COOH、CONHR、CF又はSnRである。或いは、Rは、次の構造式で表される縮合環システムのベンゼン環と結合するようなものからなり、


Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CHF、CHF、CF、CFCF、アリル、フェニル、ハロゲン、アルケニル又はOHであり、
Zは、NO、CN、COR、COOH又はCONHRであり、
Yは、CF、F、Br、Cl、I、CN又はSnRであり、
Qは、H、アルキル、ハロゲン、CF、CN、CR、SnR、NR、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH、NHCSCF、NHCSR、NHSOCH、NHSOR、OH、OR、COR、OCOR、OSOR、SOR又はSRである。或いは、Qは、次の構造式A、B又はCで表される縮合環システムのベンゼン環と結合するようなものからなり、


nは、1〜4の整数であり、
mは、1〜3の整数である。
【請求項8】
前記SARM化合物が、次の化学構造式VIで表されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【化6】

【請求項9】
前記SARM化合物が、次の化学構造式VIIで表されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【化7】

【請求項10】
前記SARM化合物が、次の化学構造式VIIIで表されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【化8】

【請求項11】
前記SARM化合物が、次の化学構造式IXで表されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【化9】

【請求項12】
前記SARM化合物が、次の化学構造式Xで表されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【化10】

【請求項13】
前記SARM化合物が、次の化学構造式XIで表されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【化11】

【請求項14】
前記SARMが、アンドロゲン受容体アゴニストであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記SARMが、インビボで、アンドロゲン受容体に対する非ステロイド性リガンドとしてのアンドロゲン活性及びタンパク同化作用を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記SARMが、アンドロゲン受容体アンタゴニストであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記SARMが、筋肉又は骨に対してアゴニスト作用を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記SARMが、筋肉又は骨に対しての影響がないことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記SARMが、中枢神経系(CNS)に浸透することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記SARMが、中枢神経系(CNS)に浸透しないことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記投与が、前記SARM化合物、及び/又はその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、プロドラッグ或いはそれらの任意の組み合わせと、薬学的に許容される担体とを含む製剤の投与を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記投与が、液状の前記製剤の静脈内注射、動脈内注射又は筋肉内注射、前記製剤を含むペレットの皮下移植、液状又は固形の前記製剤の経口投与、又は前記製剤の皮膚表面への局所適用を含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記製剤が、ペレット、錠剤、カプセル剤、液剤、懸濁液、乳濁液、エリキシル、ゲル、クリーム、座剤又は非経口製剤であることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記ADIFに関連する病気が、性的不全、性欲減退、性線機能低下症、筋肉減少症、骨減少症、骨粗鬆症、認識力・気分の変調、疲労、うつ病、貧血、筋力低下、脱毛症、肥満、多嚢胞卵巣、子宮内膜症、乳癌、子宮癌、又は卵巣癌、或いはそれらの任意の組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記女性患者が、老齢であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項26】
女性のアンドロゲン欠乏(ADIF)に関連する病気を、予防、抑止、抑制、又は発生を減少させる方法であって、
前記女性の患者に、前記ADIFの病気を、予防、抑止、抑制、又は発生を減少させるのに効果的な量の選択的アンドロゲン受容体調節剤(SARM)化合物を投与するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項27】
前記SARM化合物の類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、プロドラッグ、又はそれらの任意の組み合わせの投与を含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記SARM化合物が、次の化学構造式Iで表されることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【化1】

ただし、Gは、O又はSであり、
Xは、結合部、O、CH、NH、Se、PR、NO又はNRであり、
Tは、OH、OR、−NHCOCH又はNHCORであり、
Zは、NO、CN、COOH、COR、NHCOR又はCONHRであり、
Yは、CF、F、I、Br、Cl、CN、CR又はSnRであり、
Qは、アルキル、ハロゲン、CF、CN、CR、SnR、NR、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH、NHCSCF、NHCSR、NHSOCH、NHSOR、OR、COR、OCOR、OSOR、SOR又はSRである。或いは、Qは、次の構造式A、B又はCで表される縮合環システムのベンゼン環と結合するようなものからなり、


Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CHF、CHF、CF、CFCF、アリル、フェニル、ハロゲン、アルケニル又はOHであり、
は、CH、CHF、CHF、CF、CHCH又はCFCFである。
【請求項29】
前記SARM化合物が、次の化学構造式IIで表されることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【化2】

ただし、Xは、結合部、O、CH、NH、Se、PR、NO又はNRであり、
Zは、NO、CN、COOH、COR、NHCOR又はCONHRであり、
Yは、CF、F、I、Br、Cl、CN、CR又はSnRであり、
Qは、アルキル、ハロゲン、CF、CN、CR、SnR、NR、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH、NHCSCF、NHCSR、NHSOCH、NHSOR、OR、COR、OCOR、OSOR、SOR又はSRである。或いは、Qは、次の構造式A、B又はCで表される縮合環システムのベンゼン環と結合するようなものからなり、


Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CHF、CHF、CF、CFCF、アリル、フェニル、ハロゲン、アルケニル又はOHである。
【請求項30】
前記SARM化合物が、次の化学構造式IIIで表されることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【化3】

ただし、Xは、結合部、O、CH、NH、Se、PR、NO又はNRであり、
Gは、O又はSであり、
は、CH、CHF、CHF、CF、CHCH又はCFCFであり、
Tは、OH、OR、−NHCOCH又はNHCORであり、
Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CHF、CHF、CF、CFCF、アリル、フェニル、ハロゲン、アルケニル又はOHであり、
Aは、


から選択される環であり、
Bは、


から選択される環であり、
ただし、A及びBは同時にはベンゼン環であり得ず、
Zは、NO、CN、COOH、COR、NHCOR又はCONHRであり、
Yは、CF、F、I、Br、Cl、CN、CR又はSnRであり、
及びQは、互いに独立して、水素、アルキル、ハロゲン、CF、CN、CR、SnR、NR、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH、NHCSCF、NHCSR、NHSOCH、NHSOR、OR、COR、OCOR、OSOR、SOR、SR又は、


であり、Q及びQは、互いに独立して、水素、アルキル、ハロゲン、CF、CN、CR、SnR、NR、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH、NHCSCF、NHCSR、NHSOCH、NHSOR、OR、COR、OCOR、OSOR、SOR又はSRであり、
は、O、NH、NR、NO又はSであり、
は、N又はNOである。
【請求項31】
前記SARM化合物が、次の化学構造式IVで表されることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【化4】

ただし、Xは、結合部、O、CH、NH、Se、PR、NO又はNRであり、
Gは、O又はSであり、
Tは、OH、OR、−NHCOCH又はNHCORであり、
Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CHF、CHF、CF、CFCF、アリル、フェニル、ハロゲン、アルケニル又はOHであり、
は、CH、CHF、CHF、CF、CHCH又はCFCFであり、
は、F、Cl、Br、I、CH、CF、OH、CN、NO、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、アルキル、アリールアルキル、OR、NH、NHR、NR又はSRであり、
は、F、Cl、Br、I、CN、NO、COR、COOH、CONHR、CF、又はSnRである。或いは、Rは、次の構造式で表される縮合環システムのベンゼン環と結合するようなものからなり、


Zは、NO、CN、COR、COOH又はCONHRであり、
Yは、CF、F、Br、Cl、I、CN又はSnRであり、
Qは、H、アルキル、ハロゲン、CF、CN、CR、SnR、NR、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH、NHCSCF、NHCSR、NHSOCH、NHSOR、OH、OR、COR、OCOR、OSOR、SOR又はSRである。或いは、Qは、次の構造式A、B又はCで表される縮合環システムのベンゼン環と結合するようなものからなり、


nは、1〜4の整数であり、
mは、1〜3の整数である。
【請求項32】
前記SARM化合物が、次の化学構造式Vで表されることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【化5】

ただし、Rは、F、Cl、Br、I、CH、CF、OH、CN、NO、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、アルキル、アリールアルキル、OR、NH、NHR、NR又はSRであり、
は、F、Cl、Br、I、CN、NO、COR、COOH、CONHR、CF又はSnRである。或いは、Rは、次の構造式で表される縮合環システムのベンゼン環と結合するようなものからなり、


Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CHF、CHF、CF、CFCF、アリル、フェニル、ハロゲン、アルケニル又はOHであり、
Zは、NO、CN、COR、COOH又はCONHRであり、
Yは、CF、F、Br、Cl、I、CN又はSnRであり、
Qは、H、アルキル、ハロゲン、CF、CN、CR、SnR、NR、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH、NHCSCF、NHCSR、NHSOCH、NHSOR、OH、OR、COR、OCOR、OSOR、SOR又はSRである。或いは、Qは、次の構造式A、B又はCで表される縮合環システムのベンゼン環と結合するようなものからなり、


nは、1〜4の整数であり、
mは、1〜3の整数である。
【請求項33】
前記SARM化合物が、次の化学構造式VIで表されることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【化6】

【請求項34】
前記SARM化合物が、次の化学構造式VIIで表されることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【化7】

【請求項35】
前記SARM化合物が、次の化学構造式VIIIで表されることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【化8】

【請求項36】
前記SARM化合物が、次の化学構造式IXで表されることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【化9】

【請求項37】
前記SARM化合物が、次の化学構造式Xで表されることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【化10】

【請求項38】
前記SARM化合物が、次の化学構造式XIで表されることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【化11】

【請求項39】
前記SARMが、アンドロゲン受容体アゴニストであることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項40】
前記SARMが、インビボで、アンドロゲン受容体に対する非ステロイド性リガンドとしてのアンドロゲン活性及びタンパク同化作用を有することを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項41】
前記SARMが、アンドロゲン受容体アンタゴニストであることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項42】
前記SARMが、筋肉又は骨に対してアゴニスト作用を有することを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項43】
前記SARMが、筋肉又は骨に対しての影響がないことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項44】
前記SARMが、中枢神経系(CNS)に浸透することを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項45】
前記SARMが、中枢神経系(CNS)に浸透しないことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項46】
前記投与が、前記SARM化合物、及び/又はその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、プロドラッグ或いはそれらの任意の組み合わせと、薬学的に許容される担体とを含む製剤の投与を含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項47】
前記投与が、液状の前記製剤の静脈内注射、動脈内注射又は筋肉内注射、前記製剤を含むペレットの皮下移植、液状又は固形の前記製剤の経口投与、又は前記製剤の皮膚表面への局所適用を含むことを特徴とする請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記製剤が、ペレット、錠剤、カプセル剤、液剤、懸濁液、乳濁液、エリキシル、ゲル、クリーム、座剤又は非経口製剤であることを特徴とする請求項46に記載の方法。
【請求項49】
前記ADIFに関連する病気が、性的不全、性欲減退、性線機能低下症、筋肉減少症、骨減少症、骨粗鬆症、認識力・気分の変調、疲労、うつ病、貧血、筋力低下、脱毛症、肥満、多嚢胞卵巣、子宮内膜症、乳癌、子宮癌、又は卵巣癌、或いはそれらの任意の組み合わせであることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項50】
前記女性患者が、老齢であることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項51】
アンドロゲン欠乏(ADIF)に起因する性的不全、性欲減退、性線機能低下症、筋肉減少症、骨減少症、骨粗鬆症、認識力・気分の変調、疲労、うつ病、貧血、筋力低下、脱毛症、肥満、多嚢胞卵巣、子宮内膜症、乳癌、子宮癌、又は卵巣癌の女性患者を治療する方法であって、
前記患者に、選択的アンドロゲン受容体調節剤(SARM)化合物を投与するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項52】
前記SARM化合物の類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、プロドラッグ、又はそれらの任意の組み合わせの投与を含むことを特徴とする請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記SARM化合物が、次の化学構造式Iで表されることを特徴とする請求項51に記載の方法。
【化1】

ただし、Gは、O又はSであり、
Xは、結合部、O、CH、NH、Se、PR、NO又はNRであり、
Tは、OH、OR、−NHCOCH又はNHCORであり、
Zは、NO、CN、COOH、COR、NHCOR又はCONHRであり、
Yは、CF、F、I、Br、Cl、CN、CR又はSnRであり、
Qは、アルキル、ハロゲン、CF、CN、CR、SnR、NR、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH、NHCSCF、NHCSR、NHSOCH、NHSOR、OR、COR、OCOR、OSOR、SOR又はSRである。或いは、Qは、次の構造式A、B又はCで表される縮合環システムのベンゼン環と結合するようなものからなり、


Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CHF、CHF、CF、CFCF、アリル、フェニル、ハロゲン、アルケニル又はOHであり、
は、CH、CHF、CHF、CF、CHCH又はCFCFである。
【請求項54】
前記SARM化合物が、次の化学構造式IIで表されることを特徴とする請求項51に記載の方法。
【化2】

ただし、Xは、結合部、O、CH、NH、Se、PR、NO又はNRであり、
Zは、NO、CN、COOH、COR、NHCOR又はCONHRであり、
Yは、CF、F、I、Br、Cl、CN、CR又はSnRであり、
Qは、アルキル、ハロゲン、CF、CN、CR、SnR、NR、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH、NHCSCF、NHCSR、NHSOCH、NHSOR、OR、COR、OCOR、OSOR、SOR又はSRである。或いは、Qは、次の構造式A、B又はCで表される縮合環システムのベンゼン環と結合するようなものからなり、


Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CHF、CHF、CF、CFCF、アリル、フェニル、ハロゲン、アルケニル又はOHである。
【請求項55】
前記SARM化合物が、次の化学構造式IIIで表されることを特徴とする請求項51に記載の方法。
【化3】

ただし、Xは、結合部、O、CH、NH、Se、PR、NO又はNRであり、
Gは、O又はSであり、
は、CH、CHF、CHF、CF、CHCH又はCFCFであり、
Tは、OH、OR、−NHCOCH又はNHCORであり、
Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CHF、CHF、CF、CFCF、アリル、フェニル、ハロゲン、アルケニル又はOHであり、
Aは、


から選択される環であり、
Bは、


から選択される環であり、
ただし、A及びBは同時にはベンゼン環であり得ず、
Zは、NO、CN、COOH、COR、NHCOR又はCONHRであり、
Yは、CF、F、I、Br、Cl、CN、CR又はSnRであり、
及びQは、互いに独立して、水素、アルキル、ハロゲン、CF、CN、CR、SnR、NR、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH、NHCSCF、NHCSR、NHSOCH、NHSOR、OR、COR、OCOR、OSOR、SOR、SR又は、


であり、Q及びQは、互いに独立して、水素、アルキル、ハロゲン、CF、CN、CR、SnR、NR、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH、NHCSCF、NHCSR、NHSOCH、NHSOR、OR、COR、OCOR、OSOR、SOR又はSRであり、
は、O、NH、NR、NO又はSであり、
は、N又はNOである。
【請求項56】
前記SARM化合物が、次の化学構造式IVで表されることを特徴とする請求項51に記載の方法。
【化4】

ただし、Xは、結合部、O、CH、NH、Se、PR、NO又はNRであり、
Gは、O又はSであり、
Tは、OH、OR、−NHCOCH又はNHCORであり、
Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CHF、CHF、CF、CFCF、アリル、フェニル、ハロゲン、アルケニル又はOHであり、
は、CH、CHF、CHF、CF、CHCH又はCFCFであり、
は、F、Cl、Br、I、CH、CF、OH、CN、NO、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、アルキル、アリールアルキル、OR、NH、NHR、NR又はSRであり、
は、F、Cl、Br、I、CN、NO、COR、COOH、CONHR、CF、又はSnRである。或いは、Rは、次の構造式で表される縮合環システムのベンゼン環と結合するようなものからなり、


Zは、NO、CN、COR、COOH又はCONHRであり、
Yは、CF、F、Br、Cl、I、CN又はSnRであり、
Qは、H、アルキル、ハロゲン、CF、CN、CR、SnR、NR、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH、NHCSCF、NHCSR、NHSOCH、NHSOR、OH、OR、COR、OCOR、OSOR、SOR又はSRである。或いは、Qは、次の構造式A、B又はCで表される縮合環システムのベンゼン環と結合するようなものからなり、


nは、1〜4の整数であり、
mは、1〜3の整数である。
【請求項57】
前記SARM化合物が、次の化学構造式Vで表されることを特徴とする請求項51に記載の方法。
【化5】

ただし、Rは、F、Cl、Br、I、CH、CF、OH、CN、NO、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、アルキル、アリールアルキル、OR、NH、NHR、NR又はSRであり、
は、F、Cl、Br、I、CN、NO、COR、COOH、CONHR、CF又はSnRである。或いは、Rは、次の構造式で表される縮合環システムのベンゼン環と結合するようなものからなり、


Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CHF、CHF、CF、CFCF、アリル、フェニル、ハロゲン、アルケニル又はOHであり、
Zは、NO、CN、COR、COOH又はCONHRであり、
Yは、CF、F、Br、Cl、I、CN又はSnRであり、
Qは、H、アルキル、ハロゲン、CF、CN、CR、SnR、NR、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH、NHCSCF、NHCSR、NHSOCH、NHSOR、OH、OR、COR、OCOR、OSOR、SOR又はSRである。或いは、Qは、次の構造式A、B又はCで表される縮合環システムのベンゼン環と結合するようなものからなり、


nは、1〜4の整数であり、
mは、1〜3の整数である。
【請求項58】
前記SARM化合物が、次の化学構造式VIで表されることを特徴とする請求項51に記載の方法。
【化6】

【請求項59】
前記SARM化合物が、次の化学構造式VIIで表されることを特徴とする請求項51に記載の方法。
【化7】

【請求項60】
前記SARM化合物が、次の化学構造式VIIIで表されることを特徴とする請求項51に記載の方法。
【化8】

【請求項61】
前記SARM化合物が、次の化学構造式IXで表されることを特徴とする請求項51に記載の方法。
【化9】

【請求項62】
前記SARM化合物が、次の化学構造式Xで表されることを特徴とする請求項51に記載の方法。
【化10】

【請求項63】
前記SARM化合物が、次の化学構造式XIで表されることを特徴とする請求項51に記載の方法。
【化11】

【請求項64】
前記SARMが、アンドロゲン受容体アゴニストであることを特徴とする請求項51に記載の方法。
【請求項65】
前記SARMが、インビボで、アンドロゲン受容体に対する非ステロイド性リガンドとしてのアンドロゲン活性及びタンパク同化作用を有することを特徴とする請求項51に記載の方法。
【請求項66】
前記SARMが、アンドロゲン受容体アンタゴニストであることを特徴とする請求項51に記載の方法。
【請求項67】
前記SARMが、筋肉又は骨に対してアゴニスト作用を有することを特徴とする請求項51に記載の方法。
【請求項68】
前記SARMが、筋肉又は骨に対しての影響がないことを特徴とする請求項51に記載の方法。
【請求項69】
前記SARMが、中枢神経系(CNS)に浸透することを特徴とする請求項51に記載の方法。
【請求項70】
前記SARMが、中枢神経系(CNS)に浸透しないことを特徴とする請求項51に記載の方法。
【請求項71】
前記投与が、前記SARM化合物、及び/又はその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、プロドラッグ或いはそれらの任意の組み合わせと、薬学的に許容される担体とを含む製剤の投与を含むことを特徴とする請求項51に記載の方法。
【請求項72】
前記投与が、液状の前記製剤の静脈内注射、動脈内注射又は筋肉内注射、前記製剤を含むペレットの皮下移植、液状又は固形の前記製剤の経口投与、又は前記製剤の皮膚表面への局所適用を含むことを特徴とする請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記製剤が、ペレット、錠剤、カプセル剤、液剤、懸濁液、乳濁液、エリキシル、ゲル、クリーム、座剤又は非経口製剤であることを特徴とする請求項71に記載の方法。
【請求項74】
前記ADIFに関連する病気が、性的不全、性欲減退、性線機能低下症、筋肉減少症、骨減少症、骨粗鬆症、認識力・気分の変調、疲労、うつ病、貧血、筋力低下、脱毛症、肥満、多嚢胞卵巣、子宮内膜症、乳癌、子宮癌、又は卵巣癌、或いはそれらの任意の組み合わせであることを特徴とする請求項51に記載の方法。
【請求項75】
前記女性患者が、老齢であることを特徴とする請求項51に記載の方法。
【請求項76】
性的不全、性欲減退、性線機能低下症、筋肉減少症、骨減少症、骨粗鬆症、認識力・気分の変調、疲労、うつ病、貧血、筋力低下、脱毛症、肥満、多嚢胞卵巣、子宮内膜症、乳癌、子宮癌、又は卵巣癌からなる群から選択される女性のアンドロゲン欠乏(ADIF)に関連する病気を、予防、抑止、抑制、又は発生を減少させる方法であって、
患者に、選択的アンドロゲン受容体調節剤(SARM)化合物を投与するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項77】
前記SARM化合物の類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、プロドラッグ、又はそれらの任意の組み合わせの投与を含むことを特徴とする請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記SARM化合物が、次の化学構造式Iで表されることを特徴とする請求項76に記載の方法。
【化1】

ただし、Gは、O又はSであり、
Xは、結合部、O、CH、NH、Se、PR、NO又はNRであり、
Tは、OH、OR、−NHCOCH又はNHCORであり、
Zは、NO、CN、COOH、COR、NHCOR又はCONHRであり、
Yは、CF、F、I、Br、Cl、CN、CR又はSnRであり、
Qは、アルキル、ハロゲン、CF、CN、CR、SnR、NR、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH、NHCSCF、NHCSR、NHSOCH、NHSOR、OR、COR、OCOR、OSOR、SOR又はSRである。或いは、Qは、次の構造式A、B又はCで表される縮合環システムのベンゼン環と結合するようなものからなり、


Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CHF、CHF、CF、CFCF、アリル、フェニル、ハロゲン、アルケニル又はOHであり、
は、CH、CHF、CHF、CF、CHCH又はCFCFである。
【請求項79】
前記SARM化合物が、次の化学構造式IIで表されることを特徴とする請求項76に記載の方法。
【化2】

ただし、Xは、結合部、O、CH、NH、Se、PR、NO又はNRであり、
Zは、NO、CN、COOH、COR、NHCOR又はCONHRであり、
Yは、CF、F、I、Br、Cl、CN、CR又はSnRであり、
Qは、アルキル、ハロゲン、CF、CN、CR、SnR、NR、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH、NHCSCF、NHCSR、NHSOCH、NHSOR、OR、COR、OCOR、OSOR、SOR又はSRである。或いは、Qは、次の構造式A、B又はCで表される縮合環システムのベンゼン環と結合するようなものからなり、


Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CHF、CHF、CF、CFCF、アリル、フェニル、ハロゲン、アルケニル又はOHである。
【請求項80】
前記SARM化合物が、次の化学構造式IIIで表されることを特徴とする請求項76に記載の方法。
【化3】

ただし、Xは、結合部、O、CH、NH、Se、PR、NO又はNRであり、
Gは、O又はSであり、
は、CH、CHF、CHF、CF、CHCH又はCFCFであり、
Tは、OH、OR、−NHCOCH又はNHCORであり、
Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CHF、CHF、CF、CFCF、アリル、フェニル、ハロゲン、アルケニル又はOHであり、
Aは、


から選択される環であり、
Bは、


から選択される環であり、
ただし、A及びBは同時にはベンゼン環であり得ず、
Zは、NO、CN、COOH、COR、NHCOR又はCONHRであり、
Yは、CF、F、I、Br、Cl、CN、CR又はSnRであり、
及びQは、互いに独立して、水素、アルキル、ハロゲン、CF、CN、CR、SnR、NR、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH、NHCSCF、NHCSR、NHSOCH、NHSOR、OR、COR、OCOR、OSOR、SOR、SR又は、


であり、Q及びQは、互いに独立して、水素、アルキル、ハロゲン、CF、CN、CR、SnR、NR、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH、NHCSCF、NHCSR、NHSOCH、NHSOR、OR、COR、OCOR、OSOR、SOR又はSRであり、
は、O、NH、NR、NO又はSであり、
は、N又はNOである。
【請求項81】
前記SARM化合物が、次の化学構造式IVで表されることを特徴とする請求項76に記載の方法。
【化4】

ただし、Xは、結合部、O、CH、NH、Se、PR、NO又はNRであり、
Gは、O又はSであり、
Tは、OH、OR、−NHCOCH又はNHCORであり、
Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CHF、CHF、CF、CFCF、アリル、フェニル、ハロゲン、アルケニル又はOHであり、
は、CH、CHF、CHF、CF、CHCH又はCFCFであり、
は、F、Cl、Br、I、CH、CF、OH、CN、NO、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、アルキル、アリールアルキル、OR、NH、NHR、NR又はSRであり、
は、F、Cl、Br、I、CN、NO、COR、COOH、CONHR、CF、又はSnRである。或いは、Rは、次の構造式で表される縮合環システムのベンゼン環と結合するようなものからなり、


Zは、NO、CN、COR、COOH又はCONHRであり、
Yは、CF、F、Br、Cl、I、CN又はSnRであり、
Qは、H、アルキル、ハロゲン、CF、CN、CR、SnR、NR、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH、NHCSCF、NHCSR、NHSOCH、NHSOR、OH、OR、COR、OCOR、OSOR、SOR又はSRである。或いは、Qは、次の構造式A、B又はCで表される縮合環システムのベンゼン環と結合するようなものからなり、


nは、1〜4の整数であり、
mは、1〜3の整数である。
【請求項82】
前記SARM化合物が、次の化学構造式Vで表されることを特徴とする請求項76に記載の方法。
【化5】

ただし、Rは、F、Cl、Br、I、CH、CF、OH、CN、NO、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、アルキル、アリールアルキル、OR、NH、NHR、NR又はSRであり、
は、F、Cl、Br、I、CN、NO、COR、COOH、CONHR、CF又はSnRである。或いは、Rは、次の構造式で表される縮合環システムのベンゼン環と結合するようなものからなり、


Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CHF、CHF、CF、CFCF、アリル、フェニル、ハロゲン、アルケニル又はOHであり、
Zは、NO、CN、COR、COOH又はCONHRであり、
Yは、CF、F、Br、Cl、I、CN又はSnRであり、
Qは、H、アルキル、ハロゲン、CF、CN、CR、SnR、NR、NHCOCH、NHCOCF、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH、NHCSCF、NHCSR、NHSOCH、NHSOR、OH、OR、COR、OCOR、OSOR、SOR又はSRである。或いは、Qは、次の構造式A、B又はCで表される縮合環システムのベンゼン環と結合するようなものからなり、


nは、1〜4の整数であり、
mは、1〜3の整数である。
【請求項83】
前記SARM化合物が、次の化学構造式VIで表されることを特徴とする請求項76に記載の方法。
【化6】

【請求項84】
前記SARM化合物が、次の化学構造式VIIで表されることを特徴とする請求項76に記載の方法。
【化7】

【請求項85】
前記SARM化合物が、次の化学構造式VIIIで表されることを特徴とする請求項76に記載の方法。
【化8】

【請求項86】
前記SARM化合物が、次の化学構造式IXで表されることを特徴とする請求項76に記載の方法。
【化9】

【請求項87】
前記SARM化合物が、次の化学構造式Xで表されることを特徴とする請求項76に記載の方法。
【化10】

【請求項88】
前記SARM化合物が、次の化学構造式XIで表されることを特徴とする請求項76に記載の方法。
【化11】

【請求項89】
前記SARMが、アンドロゲン受容体アゴニストであることを特徴とする請求項76に記載の方法。
【請求項90】
前記SARMが、インビボで、アンドロゲン受容体に対する非ステロイド性リガンドとしてのアンドロゲン活性及びタンパク同化作用を有することを特徴とする請求項76に記載の方法。
【請求項91】
前記SARMが、アンドロゲン受容体アンタゴニストであることを特徴とする請求項76に記載の方法。
【請求項92】
前記SARMが、筋肉又は骨に対してアゴニスト作用を有することを特徴とする請求項76に記載の方法。
【請求項93】
前記SARMが、筋肉又は骨に対しての影響がないことを特徴とする請求項76に記載の方法。
【請求項94】
前記SARMが、中枢神経系(CNS)に浸透することを特徴とする請求項76に記載の方法。
【請求項95】
前記SARMが、中枢神経系(CNS)に浸透しないことを特徴とする請求項70に記載の方法。
【請求項96】
前記投与が、前記SARM化合物、及び/又はその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、薬学的に許容される塩、医薬品、水和物、N酸化物、結晶、多形体、プロドラッグ或いはそれらの任意の組み合わせと、薬学的に許容される担体とを含む製剤の投与を含むことを特徴とする請求項76に記載の方法。
【請求項97】
前記投与が、液状の前記製剤の静脈内注射、動脈内注射又は筋肉内注射、前記製剤を含むペレットの皮下移植、液状又は固形の前記製剤の経口投与、又は前記製剤の皮膚表面への局所適用を含むことを特徴とする請求項96に記載の方法。
【請求項98】
前記製剤が、ペレット、錠剤、カプセル剤、液剤、懸濁液、乳濁液、エリキシル、ゲル、クリーム、座剤又は非経口製剤であることを特徴とする請求項96に記載の方法。
【請求項99】
前記ADIFに関連する病気が、性的不全、性欲減退、性線機能低下症、筋肉減少症、骨減少症、骨粗鬆症、認識力・気分の変調、疲労、うつ病、貧血、筋力低下、脱毛症、肥満、多嚢胞卵巣、子宮内膜症、乳癌、子宮癌、又は卵巣癌、或いはそれらの任意の組み合わせであることを特徴とする請求項76に記載の方法。
【請求項100】
前記女性患者が、老齢であることを特徴とする請求項76に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2006−516286(P2006−516286A)
【公表日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501034(P2006−501034)
【出願日】平成16年1月20日(2004.1.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/001359
【国際公開番号】WO2004/064747
【国際公開日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(504206621)ジーティーエックス・インコーポレイテッド (20)
【Fターム(参考)】