説明

Si上のエピタキシャルな半導体ナノワイヤの金属無しでの合成方法

本発明は基板上のナノワイヤのエピタキシャル成長に関する。特に、本発明は触媒としてAuを使用せずにSi基板上のナノワイヤの成長に関する。本発明に基づく方法では、酸化物テンプレートを不活性化した基板表面に提供する。酸化物テンプレートは、その後のナノワイヤ成長のために複数の核形成開始位置を画定する。1つの実施例では、有機薄膜を酸化物テンプレートを形成するために使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はSi基板上にIII−V半導体ナノワイヤを成長させる方法に関する。特に、本発明は触媒としてAu(金)またはいかなる他の金属も使用せずにナノワイヤを成長させる方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体ナノワイヤ(NW)への関心が激化している。ナノワイヤは、ナノウィスカ、ナノロッド、ナノカラムなどと呼ばれている。本出願の目的において、用語「ナノワイヤ」は、幅あるいは直径がナノメートルの寸法である本質的に一次元形態の一次元ナノエレメント含むナノ構造に対して使用される。ナノメータ寸法で一次元成長を制御することは、複数の物質の組み合わせ、機械的および電気磁気的な両方の特性の取扱い、および新しいデバイスの設計にとって、めったにないチャンスを提供する。
【0003】
NW(ナノワイヤ)技術の大規模なインパクトのためには、既存のSiプロセッシングと高水準での適合性(compatibility)が不可欠である。その時、高度なIII−Vヘテロ構造と高移動能のNW(ナノワイヤ)部品は、高速エレクトロニクスとフォトニクスのための「追加(アドオン)」技術として利用可能である。しかしながら、今日のかなり多数のNW(ナノワイヤ)成長に関するレポートは、気相−液相−固相(VLS)機構(例えば、R.S.ワグナー、ウィスカー技術、レビット.A.P.編集、ニューヨーク、ワイリー,1970)と、触媒物質としてAu(金)を最も一般的に利用している。Si中の不純物であるAuは、再結合中心として作用する深いレベルを形成してSi物質の電子的性質を劣化させることが知られている。したがって、ナノワイヤ合成技術にとって、Si技術およびプロセッシングと適合するためにAuの代替手段を見つける必要がある。
【0004】
Si上のIII−V半導体のエピタキシャル成長は、例えば、格子不整合、結晶構造の差異(III−Vは極閃亜鉛鉱あるいはウルツ鉱型構造であり、一方、Siは共有結合のダイヤモンド構造である)、熱膨張率の大きな差異、およびいわゆる逆相領域の形成などのいくつかの困難さを提示する。Si上にIII−V物質の平らな成長に関する多くの研究が、デバイス品質の複数の構造を成長させるために異なるアプローチの試みを使用しながらなされた(例えば、レビューのために、S.F.Fang他、Si上へのガリウムヒ素および他の化合物半導体、応用物理学会誌、R31-R58(1990)を参照)。
【0005】
Si(シリコン)基板から外に成長したIII−V半導体NW(ナノワイヤ)は、NW(ナノワイヤ)とSi基板との間の連結の断面積が小さいために、上記説明した問題のいくつかを克服することが認められている。しかしながら、NW(ナノワイヤ)製造のために知られている手順は、上記説明されるように、成長工程を触媒するためにAu粒子を含んでいる。
【非特許文献1】R.S.ワグナー、ウィスカー技術、レビット.A.P.編集、ニューヨーク、ワイリー,1970
【非特許文献2】S.F.Fang他、Si上へのガリウムヒ素および他の化合物半導体、応用物理学会誌R31-R58(1990)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
明らかに、III−V半導体のナノワイヤあるいはナノ構造を製造する先行技術は、半導体工業によって使用される確立されたSiベースの製造方法と適合するためにはかなりの改善が必要とされる。特に、成長促進触媒としての金に対する必要性は、好ましくは排除されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、先行技術の方法の欠点を克服する方法を提供することである。これは、請求項1で画定されるような方法で達成される。
【0008】
本発明に基づく方法は、基板の表面からエピタキシャル成長したナノワイヤを含むナノ構造のデバイスを提供する。この方法は、
−一時的に不活性化した表面を持つ基板を提供するために前記基板の表面を水素終端する終端工程と、
−前記基板(105)の不活性化した表面(110)に酸化物テンプレート(115)を提供する提供工程とを有する。前記酸化物テンプレートは、その後のナノワイヤの成長のための複数の核形成成長位置を画定する。
−前記前記基板の表面(110)上の前記酸化物テンプレートによって画定された前記複数の核形成成長位置で複数のナノワイヤを成長させる成長工程を有する。
【0009】
前記酸化物テンプレートは、1つの実施例では、自己組立する、または、別の物質の自己組立した薄い層が酸化物テンプレートの形成で利用されるプロセス中で製造される。
【0010】
本発明の1つの実施例によると、前記酸化物テンプレートを提供する工程は、成長段階の前の前処理工程を含み、前記前処理工程は、
−前記基板の表面上に有機薄膜を付ける工程と、
−核形成成長期間を提供する工程とを有し、前記基板の表面に部分酸化が起こるように時間と環境に関する条件が制御されている。前記部分酸化のプロセスは、前記付けられた有機薄膜によってまたは前記有機薄膜の複数の残留物によって少なくとも部分的に誘導され、前記酸化物テンプレートの構造と前記有機薄膜または前記有機薄膜の複数の残留物との間に相関関係を与える。
【0011】
別の実施例によると、酸化物テンプレートを提供する工程は、
−前記基板に酸化物テンプレートを形成する揮発性種の薄膜層を付ける工程と、
−成長段階の間、前記複数のナノワイヤの核形成が前記酸化物テンプレートによって誘導されるのを確実にする時間、圧力、および温度に対する条件を提供する工程とを有する。
【0012】
本発明に基づく方法のおかげで、ナノワイヤあるいはナノ構造の成長における触媒物質としてSi(シリコン)産業によって危険であるとして認識されたAu(金)あるいは他の材料を避けることができる。Si表面は、エピタキシー成長システムを使用することでエピタキシャルに配向された化合物ナノワイヤを製造するために処理することができる。そのようなエピタキシャルNW(ナノワイヤ)は、例えば、高速エレクトロニクスおよびフォトニクスのために使用され得る。
【0013】
本発明のおかげで、金属触媒粒子を使用せずにIII/V半導体物質のナノワイヤを成長させることが可能である。これは半導体工業によって使用される確立されたSi(シリコン)基の製造法をナノ構造技術と結合する目的において非常に重要である。
【0014】
本発明の1つの利点は、本法のプロセスが容易に工業的なバッチプロセッシングに適合することができるということである。
【0015】
更なる利点は、本発明に基づくナノワイヤを成長させる方法が現代のナノリソグラフィー技術と結合することができるということである。
【0016】
本発明の実施例は請求項の従属項の範囲を画定する。本発明の他の目的、利点、および新しい特徴は、添付図面とクレームとを関連づけて考慮する場合、本発明の以下の詳細な説明から明らかとなるだろう。本発明の好適実施例は、添付図面を引用して以下に記載される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明によると、触媒としてAu(金)粒子を使用せずにIII−V物質のエピタキシャルにナノワイヤを製造するための一般的な方法が提供される。この方法は、ナノワイヤにおける主な物質としてInAsを用いて説明されている。しかしながら、他の半導体化合物、特にIII−V化合物もまた同様に使用することができる。InAsは、III−V化合物のファミリー内で最も高い電子移動性を有するものの1つであり、したがって、ナノワイヤの電子的応用のために非常に興味あるものである。InAsナノワイヤは、容易に接触し、ゲートとすることができることが示された。生得のバリア(例えば、InP)とともに、C.Thelander他、Appl Phys. Lett.2003, 83,(10),2052によって記載されたような単一電子トランジスタにおけるそのような構造の機能性および共鳴トンネルデバイスなどの機能性のデバイスは実証された。そのうえ、InAsは、高速エレクトロニクス応用のためのSi(シリコン)との組み合わせにおいて、補足的に使用することができる高い可能性を有する。しかしながら、この目的のために、Au(金)で補助されて成長したナノワイヤは、Si中への深いレベルの欠陥を導入するので厳しい制限を強いる。
【0018】
電子的性質およびかなりの大規模生産でSiを使用するよく確立された方法により、Siはたいていの応用に対して好ましい基板物質の選択である。使用される条件下では、ナノワイヤは基板にエピタキシャルな関係で<111>方向に成長する。Si(111)表面に対して、ナノワイヤは表面に直角に方向付けられ、Si(001)表面に対してナノワイヤは表面などと約35°の角度を形成する。たいていの応用に対して、表面に直角なナノワイヤが好まれるので、本発明に基づく方法は、Si(111)基板の使用に対して制限されずに最適化される。しかしながら、本発明に基づく方法は、他の基板に対しても応用可能であり、例えば、III−V化合物の基板は、いくつかの応用において興味あるものである。様々な基板材料を受け入れるための変形は当業者にとって自明である。
【0019】
本発明の方法によると、Si基板上のナノワイヤの成長は、成長プロセスの前の前処理においてSi表面に提供される酸化物テンプレートによって誘導される。酸化物テンプレートは、基板のある複数の領域の核形成の確率を増加させることによって、ナノワイヤ核形成を誘導する。核形成の確率が増加したこれらの領域は、複数の核形成成長位置と呼ばれる。本発明に基づく方法は、図1に概略的に図示され、以下の基本的なステップを含む。
a):例えば、フッ化水素酸HFでエッチングすることによる基板100の表面の水素終端。HFエッチングは、Si(111)基板100の表面から自然酸化物105を除去して、一時的に不活性化した表面110を有する基板を提供する。
b):基板100の不活性化した表面110上への酸化物テンプレート115の提供。酸化物テンプレートは、その後のナノワイヤ成長のための複数の核形成成長位置を画定する。酸化物テンプレートは、以下に記載する異なる方法で提供することができる。
c):複数のナノワイヤの成長、ここでエピタキシャル成長して垂直に立っている複数のナノワイヤ125を複数の核形成成長位置のうちの少なくとも一部の基板の表面に形成する。
【0020】
酸化物テンプレートは、それに続くナノワイヤ成長の開始のための触媒粒子として作用する酸化けい素が局所化された複数のパッチを形成する酸化物によって核形成成長位置を提供することができる。局所化されたパッチの組成物は、好ましくは、および、通常は、SiOx、x≒1である。あるいはまた、酸化物テンプレートは、通常は、SiO2に完全に酸化されている成長抑制マスクを形成する。複数の核形成成長位置は、酸化が少ないかまたは全く酸化されていないパッチとして成長抑制マスク中に提供される。この場合、その後の複数のナノワイヤの成長は、基板の表面がそれほど酸化されていない複数のパッチ中で起こる。1つの実施例によると、酸化物テンプレートは、自己組立する、すなわち、酸化物テンプレートの構造は、主として自然に形成される。また、用語「自己組立する酸化物テンプレート(self-assembled oxide temple)」は、自己組立する特性が、有機化合物などの別の物質が酸化物テンプレートに少なくとも部分的に移される自己組立する構造を有するプロセス中で提供されるような酸化物テンプレートを含むと理解されるべきである。自己組立工程は、環境、温度、基板中の物質、基板の表面などによって影響され得る。この実施例は、基板の表面の複数のランダムな位置でのナノワイヤのその後の成長を促進する。本発明の別の実施例を示す代替手段では、酸化物テンプレートは、例えば、リトグラフ方法を使用するパターンニングによって構造を与える。この実施例によると、複数のナノワイヤの成長は予め決められた複数の位置にある。
【0021】
本発明の1つの実施例によると、酸化物テンプレート115は、不活性化された基板の表面に直接提供される。実施例は、揮発性種の薄膜層、例えば、および好ましくは、SiOx(x≒1)を、成長手順の前の基板上に付ける前処理を含む。揮発性種の薄膜層は、酸化物テンプレート115を触媒層として、または、成長抑制マスクとして形成される。酸化物テンプレートの構造は、薄膜層の適用することによって、または、代替手段として薄膜層の後処理を通して例えば温度を高温にすることによって直接形成することができる。本発明に基づく方法の基本的な工程は、以下に従って、変更される。
b')基板に揮発性種の薄膜層を付ける前処理位段階において、揮発性種の薄膜層が酸化物テンプレート115を形成する。
c')成長段階の間に、複数のナノワイヤの核形成が酸化物テンプレート115によって誘導されるのを確実にする時間、圧力、および温度に関する条件を提供する。
【0022】
酸化物テンプレートは、成長段階の間に、例えば、温度上昇によって部分的に気化するか、または再構築するなどの変化を経験する。実施例の方法は、酸化物テンプレート115の重要な再構築の前に、ナノワイヤの核形成を起こすのを確実にすることによってさらに洗練され得る。その時、工程c')は以下のものを含む。
c':1)ナノワイヤ成長ソースを酸化物テンプレートに対する予め決定された温度より低い基板の温度で出す第1条件を提供する。この予め決められた温度は、酸化物テンプレートの再構築がこの工程の時間枠中に起こらないように選ばれる。この予め決められた温度は、最適化されたナノワイヤ成長温度より通常は低いが、ナノワイヤの核形成の開始を容易にするのには十分高い温度である。
c':2)基板温度がナノワイヤの成長を促進するように最適化する第2条件を提供する。第2温度は、第1温度より通常は高い。核形成が前の工程で開始しているので、酸化物テンプレートの変化は、ナノワイヤの成長に対しそれほど影響を与えない。
【0023】
酸化物テンプレートへの直接の堆積を利用する実施形態の実施例は、以下の工程を含む。ナノワイヤ成長のために、低圧力有機金属気相エピタキシー(LP−MOVPE)は、10kPaの圧力でプレカーサ物質としてトリメチルインジウム(TMI)、アルシン(AsH3)、およびフォスフィン(PH3)を用いキャリヤーガスを6000ml/分のH2の流量で流した。プレカーサ物質に対する典型的なモル分率としてTMIに対して2×10-6とAsH3に対して2×10-4を使用した。TMIに対して、より高いモル分率もテストしたが、成長速度に対して有意な効果は得られなかった。PH3に対するモル分率は、(3.5〜15)×10-3の範囲で変えられた。基板としてエピタキシー用に用意されたIII/VウェハーとSiウエハを使用した。Si基板の場合には、自然の酸化物を工程a)に対応するHF浸漬によって除去した。成長チャンバ中への基板を取り付ける前に、工程b)に対応する薄いSiOx層を表面に昇華蒸着した。次に、基板はH2雰囲気中で520℃〜680℃の間の成長温度に加熱した。成長温度に達するとすぐに、プレカーサを同時にスイッチオンした。TMIソースのスイッチを切ることによって成長を止め、試料をAsH3流しながら冷却した。また、InAsP堆積の場合は、追加のPH3を流しながら冷却した。得られたSi(100)上に成長したナノワイヤを図2に示す。
【0024】
本発明の別の実施例では、例えばナノワイヤのアレイまたはマトリクスなどの画定されたパターンを製造するために、酸化物テンプレートは、例えばリトグラフ方法などのパターンニング法と組合せて使用した。パターンは、例えば、電子ビームリソグラフィーなどの慣用のリトグラフ方法によって調製することができる。第2実施形態の実施例では、パターンはInP(111)B基板上にポリメタクリル酸メチルのスピンニングによって、および電子ビームリソグラフィーを使用して規則的なドットのアレイを書くことによって調製した。Si基板を同様に処理した。基板の下方に開口を開けるためにポジ型レジストを露光した後に、SiOx層を堆積し、残っているレジストは、リフトオフ工程で除去した。そのようなパターン化されたSiOx薄膜上に複数のワイヤを成長させるために、ソースは、510〜520℃での昇温時間の間に、既に活性化されなければならない。後で、すなわち、高い成長温度でソースを活性化すると、パターンの損失をもたらす。このことは、500℃より高い温度で著しく蒸発するSiOxの熱的安定度とたぶん関係している。約500℃の温度での走査トンネル顕微鏡による研究によると、厚さ1.3nmのSiOx層が私たちの数分の成長時間に匹敵する時間スケールで、時間内に蒸発することを示した。私たちの場合、ナノワイヤはSiOx層中の開口から成長しなかったが、そのサイトで、電子ビームリソグラフィーとリフトオフの後に、SiOxの島を残し、SiOxの島は、T.Martensson他の「気相・液相・固相成長による個別に種を蒔かれたナノワイヤアレイの製造」ナノテクノロジ14,1255-1288(2003)に記載されたように、InP(Au)/InP(111)Bシステムでのパターン化された成長の場合におけるAu粒子と同様に「触媒」として機能することに注意するべきである。結果を図3に示す。
【0025】
本発明の1つの実施形態において、制御した酸化プロセスによって酸化物テンプレート115を提供する。不活性化されたSi基板の前処理の間に、有機薄膜、例えば、アリルアルコール(2−プロペン−1−オール)付着を不活性化された表面に実施した。あるいは、アセトンやn−デカンなど他の有機材料を使用することもできる。有機薄膜は、前処理の少なくともいくらかの部分においてSi基板の表面に影響を与える物質に対して半透性であるべきである。適切な薄膜の厚さは、使用する有機化合物および条件と例えば湿度等に対して実行される前処理の時間スケールに依存する。通常の薄膜の厚さは、10〜200Åの範囲である。本発明の実施例による前処理のすぐ後に起こる部分は、基板表面の複数の局所の変更または基板表面上の複数の局所の形成物または残留物によって複数の核形成成長位置の形成を可能にする。
【0026】
本実施例によると、Si基板上にエピタキシャルな複数のナノワイヤの製造方法が図4のフローチャートと図5の概略図によって示され、該方法は以下の主な工程を含む。
a"):例えば、フッ化水素酸HF中でエッチングすることによって基板表面に対して水素終端終了。HFエッチングは、Si(111)基板500の表面から酸化物505を除去して、一時的に不活性化した表面510を基板に提供する。好ましくは、少なくともいくらかの粗さを示すSi表面を製造するHFエッチング手順が利用される。Si(111)基板の不活性化された表面の粗さを制御するための手順は、HF水溶液のpHに依存する、そして当技術分野でよく知られている、例えば、ヒガシG.S.他「Si(111)表面の理想的な水素終端」,Applied Physics Letters 56,656-658(1990)が参照される。このような文脈において粗さは原子スケールであり、引用された工程で達成される粗さは0.3nmのオーダーであることに注意するべきである。また、用語「粗さ」は、基板表面をより酸化させがちである、基板表面が安定していなくて理想的でない水素終端について言うことに注意するべきである。
b"1):基板表面上に有機化合物の半透性薄膜を形成する。薄膜は、例えば、スピンコーティング、蒸着、および浸漬によって形成する。薄膜は、通常は、自己組立プロセスまたはパターニングプロセスのいずれでも基板表面に複数の残留物514を残す。
b"2)核形成成長期間を提供する。この期間の間、複数の分離した核形成成長位置516が基板表面に形成される。核形成成長の密度と各核形成成長位置の大きさは、有機薄膜の特性と核形成成長期間の間の条件の組合せに依存する。基板表面510の酸化は、核形成成長期間の間に起こる。酸化は、有機薄膜または有機薄膜の残留物によって誘導される。その手順は、複数の核形成成長位置516を画定する酸化物テンプレート515をもたらし、そこでは、酸化物テンプレートの構造は有機薄膜または有機薄膜の有機残留物の構造と相関関係を持つ。
c"):ナノワイヤの成長、エピタキシャル成長した垂直に立っている複数のナノワイヤ(125)が複数の核形成成長位置の少なくとも一部の基板表面上に形成される。
【0027】
本発明の1つの実施例によると、ステップb"1で形成された有機薄膜は、基板表面510上に複数の局所に残留物514を形成する。残留物は、有機薄膜の形成後に直接形成するか、核形成成長期間の間に例えばクラックの生成あるいは不均一な蒸発などの有機薄膜の変化によって形成される。ステップb"2の核形成成長期間の間、環境中に存在する物質は有機薄膜中の弱い部分を浸透する、あるいは、局所化された残留物によって被覆されなかった領域で表面に直接アクセスする。例えば、湿潤空気などの酸化環境中で、局所化された酸化が有機薄膜が十分薄いかまたは無い複数の領域で起こる。実施例によると、基板と有機薄膜は酸化環境に晒されている。酸化環境は、様々な方法で提供される−簡単なアプローチは、空気中の湿度を使用することであり、予想される反応は、
(i)Si+H2O→SiO+H2
(ii)SiO+H2O→SiO2+H2
である。
【0028】
適切な期間の後に終結させられるなら、以下に見るように、SiO2は、有機物残留物514で被覆された領域を除いて基板表面を被覆し、酸化物テンプレート515を形成する。有機物残留物514で被覆された領域は、酸化されないか、SiOなどの低い酸化状態であり、核形成成長位置を形成する。その後のステップで成長したナノワイヤの密度は、有機薄膜を基板に形成することおよび成長ステップc"が実行される反応セルに基板を充填することの間の周囲環境への暴露時間に強く依存することを見いだした。本発明の1つの実施例によると、この影響は、制御された酸化を実行することによってナノワイヤ密度を制御するのに使用される。
【0029】
より粗い基板表面は、有機膜中の局所化された残留物あるいは局所化された弱い部分の形成を加速する。したがって、この実施例では、比較的粗いSi(111)表面を提供するステップa")のプロセスは有利であり得る。
【0030】
ナノワイヤ成長の前に行われる任意の更なるステップは、実施例によると、以下を含む。
b":3)有機残留物の蒸発/ベーキング。手順は選ばれた有機物質に依存する。アリルアルコールでは、625℃での短い熱処理が実際的に全ての有機残留物を取り除くのに十分である。
【0031】
本発明の更なる実施例によると、有機薄膜は、予熱の間、残留物を残すように配置される。この残留物は、ナノワイヤのその後の成長における触媒粒子として機能する。残留物は、有機薄膜に依存する様々な構成物からなることができる。有機薄膜は、基板表面上にカーバイド、SiCの形成を開始することができる。あるいはまた、残留物は、核形成の確率を局所的に増加させる表面に変更する。この実施例でもまた、例えば、有機薄膜の不均一な蒸発またはクラッキングによる透過性が増大した複数の領域の形成は、次に、核形成成長位置を提供する本質的にランダムに分配された残留物を形成するのに利用される。このプロセスは、好ましくは成長段階が行われる同じチャンバで実行される。
【0032】
別の実施例によると、有機薄膜はSi表面の一部を不活性化するために使用され、複数の核形成成長位置は有機薄膜の複数の開口部中で提供される。プロセスは、有機化合物のマスクの提供とリソグラフィー的な例えばマスク中の複数の形態のホールと比較することができる。しかしながら、本発明のこの実施例によるプロセスでは、適切な環境「ホール」の提供との組み合わせにおける有機薄膜の特性は、有機薄膜のクラック生成あるいは不均一な蒸発の結果として、自然に形成される。したがって、リソグラフィー的に複数のホールを提供する工程を避けることができる。
【0033】
さらに別の実施例によると、酸化物質あるいは表面上に存在する酸化物質を含む有機薄膜は、複数の核形成成長位置の形成に利用することができる。
【0034】
III−V半導体ナノワイヤのエピタキシャル成長のために、成長ステップc、c'、c"の方法は、当技術分野で知られている。成長プロセスのために低圧有機金属気相エピタキシー(LP−MOVPE)は適している。他の可能な技術は、限定無しに、MOVPE、分子線エピタキシー(MBE)、およびケミカルビームエピタキシー(CBEE)をに含んでいる。限定されない実施例の形態の詳細は以下に述べられる。
【0035】
ナノウィスカーはInAsと共に例示された。また他の半導体、特にInPやGaPなどのIII−V半導体は、本発明に基づく方法で有利に成長させることができる。例えばLP−MOVPEプロセスにおける必要な変更は当業者にとって自明である。
【0036】
上記説明した有機化合物に加えて、有機薄膜515のための使用に適した多数の有機化合物を使用することができる。その選択は、例えば、スピンコーティングなどの利用可能な有機薄膜を形成する方法および好ましいタイムスケールおよび核形成期間の条件に依存する。適切な有機化合物は、限定無しに、アリルアルコール、n−デカンおよびアセトンを含む。
【0037】
本発明の方法に基づく調製の実施例
Si(111)基板を使用した。ウェハーをさいの目に切断し、試料を超音波浴で洗浄した。有機物残留物を取り除くために、試料を紫外線照射+オゾン洗浄にさらした。試料は、次に、4%の水性フッ化水素酸中で30秒エッチングし、すすぎなしで除去した。
【0038】
シグマ−オルドリッチ製(純度99%以上)のアリルアルコール(2−プロパノール−1ーオール)を、約6000rpmで30秒間回転して被覆して、偏光解析デバイスで測定されたように、約20Å厚さの層を得た。試料は、次に、これ以上遅れることなく不活性雰囲気に移した。
【0039】
代替プロセスでは、n−デカンを有機物質として同じ方法で使用した。しかしながら、試料を回転後、不活性雰囲気に移す前に、約10分間、湿気雰囲気中に保持された。
【0040】
低圧100ミリバールのMOVPEシステムではプレカーサガスとしてTMIとアルシンを使用した。6リットル/分の一定の水素キャリアーガス流れを使用した。成長の品質を向上させるために625℃での10分間のアニーリングを実行した。次に、温度を550℃の典型的な成長温度まで下げた。2つのプレカーサを同時に成長セルに導入して、成長を開始した。プレカーサのための典型的なモル分率としてTMIに対して2×10-6とAsH3に対して2×10-4を使用した。通常の数分の成長時間の後に、成長は、TMIのスイッチを切ることによって止めた。保護するアルシンを流しながら室温まで冷却した。
【0041】
図6は、核形成成長期間の効果を示している。(a)では、nーデカンをスピンニングし、試料を直接成長デバイスに輸送した。(b)では、試料は、n−デカンをスピンニングし、約10分間、湿潤空気中に保持した。視角は基板の直角方向に対して45°である。上記記載されたように、酸化環境に被覆された基板の暴露時間をナノワイヤ密度を制御するために使用した。図6cに、ナノワイヤ密度を暴露時間の関数としてこれを図示する。条件は22〜24℃と85〜90%の相対湿度付近で安定していた。6時間の試料はまだほとんど理想的なNW(ナノワイヤ)の成長を示しているが、10時間の試料は非エピタキシャルなワイヤの増加量と競合する島状成長を示している。更なる酸化(上記条件で14時間以上)は密度ゼロ、すなわち、成長を全くもたらさない。
【0042】
図7は、有機化合物として(a)アリルアルコール、b)n−デカン、c)アセトン、d)エタノールを使用する本発明の方法に基づく成長したInAsナノワイヤを示している。視角は基板に垂直な方向に対して45°である。図において、ナノワイヤが基板に対してある角度を持つように見えるのは、可視化処理の効果であることに注意するべきである。ナノワイヤは、まさにエピタキシャルであり、基板の表面に垂直に立っている。
【0043】
図8に、任意の予熱あるいはアニーリングの効果を示す。(a)では、成長段階の前に予熱を全く行わなかった。(b)に示した基板は、625℃で10分間アニーリングした。アニーリングした基板は成長品質が向上することを示している。
【0044】
上記示された結果は、水素終端表面の酸化が、SiO2の成長抑制マスクによって取り囲まれた酸化が少ないパッチを形成するように有機膜被覆によって局所的に禁止されており、不均質に酸化されたSi表面であることを支持している。有機物残留物は、成長の前のアニーリング工程で使用する高温(625℃)で、まさしく酸化物テンプレートを残して完全に蒸発すると予想される。そのようなテンプレートは、選択的領域のエピタキシーで使用する部分的にマスクされた基板に非常に類似している。長い酸化時間後にナノワイヤ密度が減少することを理解することができる:結局は、SiO2の成長抑制マスクによって全表面は完全に覆われる。あるナノワイヤ密度に達するのに必要な空気の暴露は、使用する有機化合物に強く依存することが着目される。n−デカンと比べてアリルアルコールに対して必要な時間が短いのは、アリルアルコールが吸湿性であり、酸化速度を増加する湿気を吸収するが、一方n−デカンは疎水性であるという事実と一致している。
【0045】
酸化物テンプレートの形成において薄い有機質層を含む上記の手順は、有機材料のマスクが打ち型(スタンプ)から基板に移されるミクロ接触印刷などの現代のナノリソグラフィー技術と組み合わせることができる。また、ツケペンリソグラフィーなどの走査型トンネル顕微鏡法を使用する技術を、有機薄膜に予め決められたパターンを与えるために、したがって、酸化物テンプレートに対応する予め決められたパターンを与えるために使用することができる。
【0046】
本発明に基づく方法の基本的な工程は、工業生産システムで容易に実施することができる。1つのアプローチでは、制御されていない空気、湿度などの暴露を避けるために、同じチャンバにおいて、または少なくとも同じシステムにおいて、その方法の全工程を実施することである。この場合、この方法の工程は、以下に従って、変更することができる。
i:真空チャンバー中に1つまたは複数の基板を導入する。
ii:原子状水素を使用する水素終端、例えば、加熱した基板を水素プラズマに晒す。電圧とプラズマ組成物は表面粗度を決定するために使用する。
iii:基板上に有機薄膜を吹き付けるまたは蒸発させる。
iv:酸化性物質を暴露する。温度を、よりよく画定されたプロセスのために好ましく制御することができる。
v:同じ真空チャンバーを利用するまたは同じシステムの成長チャンバへ移送した後、ナノワイヤを成長する。
【0047】
この改良されたプロセスは様々なパターニング技術と適切に結合され得る。
【0048】
本発明は、最も実用的であり好適実施例として現在考えられているものと関連して記載したが、本発明は、開示された実施例に制限されることなく、付属のクレーム中に様々な修正と同等な構成物を含むことを意図することが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の方法に基づく工程を示す概略図である。
【図2】本発明に基づく方法を用いて得られるSi(100)基板上に成長したナノワイヤを示す図である。
【図3】本発明に基づく方法の1つの実施例を用いて得られる成長したナノワイヤを示す図である。
【図4】有機薄膜を使用して酸化物テンプレートを形成する本発明の方法の1つの実施例のフローチャートを示す図である。
【図5】有機薄膜を使用して酸化物テンプレートを形成する本発明の方法に基づく工程の概略図である。
【図6】核形成成長期間の影響を示す図であり、(a)n−デカンまたは(b)n−デカンをスピンニングして、試料が直接成長デバイスに輸送する図である。
【図6c】核形成成長期間の影響を示す図であり、ナノワイヤの密度を湿潤空気中の暴露時間の関数として示す図である。
【図7】有機化合物として(a)アリルアルコール、(b)n−デカン、(c)アセトン、(d)エタノールを使用する本発明の方法により成長したInAsナノワイヤを示す図である。
【図8】本発明の1つの実施例による前加熱の影響を示す図であり、(a)予熱のない場合と(b)予熱した場合の図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の表面からエピタキシャル成長したナノワイヤを含むナノ構造のデバイスを製造する方法であって、
(a)一時的に不活性化した表面(110)を持つ基板(100)を提供するために前記基板の表面に対して水素終端する終端工程と、
(b)前記基板(100)の不活性化した表面(110)に酸化物テンプレート(115)を提供する提供工程であって、前記酸化物テンプレートがその後のナノワイヤの成長のための複数の核形成成長位置を画定する前記提供工程と、
(c)前記基板の表面(110)上の前記酸化物テンプレートによって画定された前記複数の核形成成長位置で複数のナノワイヤを成長させる成長工程と、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記酸化物テンプレート(115)の構造が自己組立することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記酸化物テンプレートが、前記複数の核形成成長位置を形成する前記マスク中の複数のホールまたは複数の弱い部分を持った、主に二酸化ケイ素の成長を禁止するマスクを形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記成長工程では、前記成長を禁止するマスク中の複数のホールまたは複数の弱い部分中で複数のナノワイヤが核形成して成長することを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
酸化物テンプレート(515)を提供する工程は、成長段階の前に前処理工程を含み、
前記前処理工程は、
(b":1)前記基板の表面上に有機薄膜を付ける工程と、
(b":2)核形成成長期間を提供する提供工程であって、前記基板の表面(510)で部分酸化が起こるように時間と環境に対する条件が制御されており、前記部分酸化は、前記付けられれた有機薄膜または前記有機薄膜の複数の残留物によって少なくとも部分的に誘導され、前記酸化物テンプレート(515)の構造と前記有機薄膜または前記有機薄膜の複数の残留物との間に相関関係を与える、前記提供工程と、
を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記有機薄膜は、透過性が増加した複数の局部領域を形成することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記有機薄膜中に複数のクラックが形成されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記基板の表面の局所の酸化が、前記透過性が増加したまたは複数のクラックを有する複数の局所領域で生じることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記核形成成長期間は、前記基板を湿気にさらす工程を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記核形成成長期間は、前記基板を酸化物質にさらす工程を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記有機薄膜が基板の表面(510)上で局所的に複数の残留物(514)を形成し、
酸化プロセスが、複数の有機残留物(514)によって被覆された酸化が少ないか全くない複数の領域を除いた、前記基板の表面を実質的に完全に酸化するように制御されており、それにより、続く前記複数のナノワイヤを成長させる成長工程で、複数のナノワイヤが前記複数の有機残留物によって前に被覆されている前記基板上の複数の位置で核形成して成長することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項12】
前記酸化は、前記複数の有機残留物(514)によって被覆された複数の領域を除いた前記基板の表面を被覆する二酸化ケイ素の層をもたらすことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記複数の核形成成長位置の形成は、前記基板の表面上に複数のSiOxクラスタを形成する工程を含み、前記複数のSiOxは続く前記複数のナノワイヤを成長させる成長工程において複数の触媒粒子として機能することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項14】
前記複数の核形成成長位置の形成は、前記基板の表面上に前記有機薄膜の複数の残留物を形成する工程を含み、前記複数の残留物は、続く前記複数のナノワイヤを成長させる成長工程における複数の触媒粒子として機能することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の核形成成長位置の形成は、前記基板の表面上に前記有機薄膜の複数の残留物を形成する工程を含み、前記複数の残留物は前記基板の表面を局所的に変更し、前記局所的な変更が、続く前記複数のナノワイヤを成長させる成長工程における複数の核形成成長位置として作用することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項16】
前記付着した有機薄膜がその後の複数のナノワイヤの成長におけるマスクとして作用し、複数のナノワイヤが前記核形成成長期間中に自然発生的に形成される前記マスク中の複数のホール中に配置されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項17】
前記酸化物テンプレート(115)を提供する工程は、
(b')前記基板に前記酸化物テンプレート(115)を形成する揮発性種の薄膜層を付ける工程と、
(c')成長段階の間、前記複数のナノワイヤの核形成が前記酸化物テンプレート(115)によって誘導されるのを確実にする時間、圧力、および温度に対する条件を提供する工程と、
を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記揮発性種の薄膜層は非金属酸化物からなることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記揮発性種の薄膜層は非金属窒化物からなることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記揮発性種の薄膜層は非金属リン化物からなることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項21】
触媒層は、酸化けい素、窒化けい素またはリン化ケイ素の1つまたはその組合せを含むことを特徴とする請求項17乃至請求項20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記触媒層は、SiOx(x≒1)を含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
リトグラフの方法で触媒層をパターニングする工程をさらに含むことを特徴とする含むことを特徴とする請求項17乃至請求項21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記成長段階では、前記触媒層が完全に蒸発する前にナノワイヤの成長が開始されるように、温度、時間、および圧力に関する最初の条件が提供されることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ナノワイヤの成長のためのソースが前記触媒層の蒸発温度よりも低い基板温度で供給されることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記触媒層がSiOx(x≒1)で作られており、前記ナノワイヤが低圧有機金属気相エピタキシー(LP−MOVPE)によって成長し、前記ソースは510〜520℃で基板加熱期間の間にすでに活性化されていることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記基板の温度が前記複数のナノワイヤの成長を促進するために最適化されている第2条件を提供する工程であって、前記第2条件の温度が前記第1条件の間に使用される第1温度より高い前記工程を更に有することを特徴とする請求項17乃至請求項21のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図6c】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−532309(P2009−532309A)
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−558235(P2008−558235)
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【国際出願番号】PCT/SE2007/050131
【国際公開番号】WO2007/102781
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(506177590)クナノ アーベー (15)
【氏名又は名称原語表記】QuNano AB
【住所又は居所原語表記】Ideon Park,SE−223 70 Lund,Sweden
【Fターム(参考)】