説明

TGF−βインヒビターとしてのピリミジニルイミダゾール

式(I)の化合物は、TGFβファミリーI型レセプター、Alk5および/またはAlk4に対する意外なほどの高親和性を有し、それらのアンタゴニストとして、線維化障害を含む数多くの疾患を予防および/または処置するのに有用であり得る。本発明は、一般式(I)の化合物およびその使用により特徴付けられる。式(I)の化合物は、線維症(例えば、腎線維症、肺線維症、および肝線維症)、進行性癌、もしくはTGFβファミリーシグナル伝達活性の減少が望ましい他の疾患などの疾患の予防および/または処置に使用され得る。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2004年8月31日出願の米国特許出願第60/606,045号に優先権を主張する。上記出願の全内容が、本明細書中に参考として援用される。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
TGFβ(形質転換成長因子β)は、例えば、アクチビン、インヒビン、骨形成タンパク質(BMP)、成長分化因子(GDF)およびミュラー管抑制物質(MIS)を含む二量体のポリペプチド成長因子の大ファミリーのメンバーである。TGFβは、3種のアイソフォーム(TGFβ1、TGFβ2およびTGFβ3)で存在し、ほとんどの細胞中にそのレセプターと共に存在する。各アイソフォームは、組織特異的であり、かつ発生学的に調節された様式で発現される。各TGFβアイソフォームは、C末端領域(潜伏関連ペプチド(LAP:latency associated peptide))と成熟または活性TGFβとして公知のN末端領域とに細胞内で切断される前駆体タンパク質として合成される。LAPは、典型的に、細胞からの分泌前に成熟TGFβと非共有的に結合している。このLAP−TGFβ複合体は、TGFβレセプターに結合し得ず、生物活性を有さない。TGFβは、一般的に、この複合体から、種々の機序(例えば、トロンボスポジン−1またはプラスミンとの相互作用を含む)により放出(かつ活性化)される。
【0003】
活性化に続き、TGFβは、II型レセプター(TGFβRII)である構造的に活性なセリン/トレオニンキナーゼに高親和性で結合する。リガンドが結合したII型レセプターは、グリシン/セリンリッチドメインにおいてTGFβI型レセプター(Alk5)をリン酸化し、I型レセプターが、下流のシグナル伝達分子であるSmad2またはSmad3をリクルートし、リン酸化することを可能とする。例えば、非特許文献1を参照されたい。次いで、リン酸化されたSmad2またはSmad3は、Smad4と複合体化し、ヘテロ−Smad複合体全体が、細胞核に移動し、種々のTGFβ応答遺伝子の転写を調節する。例えば、非特許文献2を参照されたい。
【0004】
アクチビンもまた、TGFβスーパーファミリーのメンバーであり、アクチビンβaまたはβbのホモ二量体またはヘテロ二量体であるという点で、TGFβと異なる。アクチビンは、TGFβと同様に、すなわち、構成要素であるセリン−トレオニンレセプターキナーゼ、アクチビンII型レセプター(ActRIIB)と結合し、I型セリン−トレオニンレセプター、Alk4を活性化して、Smad2またはSmad3をリン酸化することにより、シグナルを伝達する。結果として生ずるSmad4とのヘテロ−Smad複合体の形成もまた、遺伝子転写のアクチビンにより引き起こされる調節をもたらす。
【0005】
実際、TGFβおよびアクチビンなどの関連因子は、数々の一連の細胞プロセス、例えば、上皮細胞および造血細胞中の細胞周期停止、間充織細胞増殖および分化の制御、炎症細胞のリクルートメント、免疫抑制、創傷治癒、および細胞外マトリックスの生成を調節する。例えば、非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5および非特許文献6を参照されたい。TGFβシグナル伝達経路の機能亢進は、多くのヒト障害(例えば、細胞外マトリックスの過剰沈積、異常に高レベルの炎症応答、線維化障害、および進行性癌)の根底にある。同様に、アクチビンシグナル伝達およびアクチビンの過剰発現は、細胞外マトリックスの蓄積および線維症(例えば、非特許文献7、非特許文献8、非特許文献9、非特許文献10、非特許文献11、非特許文献12、非特許文献13を参照)、炎症応答(例えば、非特許文献14を参照)、悪液質または消耗(非特許文献15、非特許文献16、非特許文献17を参照)、中枢神経系の疾患もしくは中枢神経系における病理学的応答(非特許文献18、非特許文献19、非特許文献20、非特許文献21、非特許文献22を参照)、ならびに高血圧(非特許文献23を参照)を含む病理学的障害に関連付けられている。複数の研究により、TGFβとアクチビンとが、細胞外マトリックスを誘発するために相乗的に作用し得ることが示されている(例えば、非特許文献24を参照)。したがって、TGFβファミリーのメンバーに対する調節因子(例えば、アンタゴニスト)を開発して、このシグナル伝達経路が関係する障害を予防および/または処置することが望ましい。
【非特許文献1】Huse,M.ら、Mol.Cell.2001年、8:671−682
【非特許文献2】Massague、J.Ann.Rev.Biochem.Med.1998年、67:773
【非特許文献3】Massague、J.Ann.Rev.Cell.Biol.、1990年、6:594−641
【非特許文献4】Roberts,A.B.およびSporn M.B.、Peptide Growth Factors and Their Receptors、1990年、95:419−472、Berlin:Springer−Verlag
【非特許文献5】Roberts,A.B.およびSporn M.B.、Growth Factors、1993年、8:1−9
【非特許文献6】Alexandrow,M.G.,Moses,H.L.、Cancer Res.1995年、55:1452−1457
【非特許文献7】Matsuse,T.ら、Am.J.Respir.Cell Mol.Biol.1995年、13:17−24
【非特許文献8】Inoue,S.ら、Biochem.Biophys.Res.Comm.1994年、205:441−448
【非特許文献9】Matsuse,T.ら、Am.J.Pathol.1996年、148:707−713
【非特許文献10】De Bleserら、Hepatology、1997年、26:905−912
【非特許文献11】Pawlowski,J.E.ら、J.Clin.Invest.1997年、100:639−648
【非特許文献12】Sugiyama,M.ら、Gastroenterology、1998年、114:550−558
【非特許文献13】Munz,B.ら、EMBO J.1999年、18:5205−5215
【非特許文献14】Rosendahl,A.ら、Am.J.Repir.Cell Mol.Biol.2001年、25:60−68
【非特許文献15】Matzuk,M.M.ら、Proc.Nat.Acad.Sci.USA、1994年、91:8817−8821
【非特許文献16】Coerver,K.A.ら、Mol.Endocrinol.1996年、10:534−543
【非特許文献17】Cipriano,S.C.ら、Endocrinology、2000年、141:2319−27
【非特許文献18】Logan,A.ら、Eur.J.Neurosci.1999年、11:2367−2374
【非特許文献19】Logan,A.ら、Exp.Neurol.1999年、159:504−510
【非特許文献20】Masliah,E.ら、Neurochem.Int.2001年、39:393−400
【非特許文献21】De Groot,C.J.A.ら、J.Neuropathol.Exp.Neurol.1999年、58:174−187
【非特許文献22】John,G.R.ら、Nat Med.2002年、8:1115−21
【非特許文献23】Dahly,A.J.ら、Am.J.Physiol.Regul.Integr.Comp.Physiol.2002年、283:R757−67
【非特許文献24】Sugiyama,M.ら、Gastroenterology、1998年、114:550−558
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の要旨)
本発明は、式(I)の化合物が、TGFβファミリーI型レセプター、Alk5および/またはAlk4の意外なほど強力なアンタゴニストであるという発見に基づいている。したがって、式(I)の化合物は、線維症(例えば、腎線維症、肺線維症、および肝線維症)、進行性癌、もしくはTGFβファミリーシグナル伝達活性の減少が望ましい他の疾患などの疾患の予防および/または処置に使用され得る。
【0007】
1つの局面において、以下の式:
【0008】
【化10】

の化合物は、Rが、ヘテロアリールであり得る。
【0009】
各Rは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アシル、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、シアノ、グアナジノ、アミジノ、カルボキシ、スルホ、メルカプト、アルキルスルファニル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、ヘテロアリールスルホニルアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、カルバモイル、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、シクロアルキルスルファニル、シクロアルキルカルボニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルスルファニル、ヘテロシクロアルキルカルボニル、アリール、アリールオキシ、アリールスルファニル、アロイル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールスルファニル、またはヘテロアロイルであり得る。
【0010】
Xは、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、または結合であり得る。
【0011】
Yは、
【0012】
【化11】

であり得る。RおよびRの各々は、独立して、水素、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、アミノ、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアラルキルであり得る。pは、1または2であり得、qは、1〜4であり得る。
【0013】
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、シクロアルケニル、(シクロアルケニル)アルキル、アリール、アラルキル、アリールアルケニル、ヘテロシクロアルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、ヘテロシクロアルケニル、(へテロシクロアルケニル)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、または(ヘテロアリール)アルケニルであり得る。
【0014】
およびAの各々は、独立して、NまたはNRであり得る。AがNRである場合、AはNであり、そしてAがNである場合、AはNRであると理解されるべきである。変数mは、0、1、2、または3であり得る。言い換えれば、ピリミジニル環は、非置換であるか、1〜3個のR基で置換され得る。m≧2である場合は、隣接する2つのR基が結合して一緒になり、4〜8員の必要に応じて置換された環状部分を形成し得ることに留意されたい。つまり、ピリミジニル環が環状部分と縮合して、アルキル(カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキル、およびトリフルオロメチルなどのハロアルキルを含む)、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アロイル、ヘテロアロイル、アミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、アシル、メルカプト、アルキルチオ、スルホキシ、スルファモイル、オキソ、またはカルバモイルを含む)などの1つ以上の置換基で必要に応じて置換され得る部分を形成し得る。
【0015】
また、Xが結合であれば、Yは結合であり;Rは、水素またはアルキルであり;mは、1、2、または3であり;そして少なくとも1つのRが、2−ピリミジニル位置(すなわち、2つの窒素環原子の間にあるピリミジニル環の位置)で置換されていることに留意されたい。
【0016】
1つの実施形態において、Xは、アリールまたはヘテロアリールであり得る。例えば、Xは、必要に応じて置換されたフェニル(例えば、アルキルまたはシアノ)であり得る。Yは、
【0017】
【化12】

であり得る。Rは、水素、C1〜6アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1〜4アルキル、またはヘテロアリール−C1〜4アルキルであり得る。
【0018】
1つの実施形態において、Xは、4〜8員の単環式シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルであり得るか、Xは、4〜8員の二環式シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルであり得る。例えば、Xは、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラン、シクロヘキシル、シクロペンチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.1]オクタン、2−オキサ−ビシクロ[2.2.2]オクタン、2−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン、3−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン、または1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタンであり得る。
【0019】
1つの実施形態において、Xは、ピペリジニル、ピペラジニル、またはピロリジニルであり得る。このピペリジニル、ピペラジニル、またはピロリジニルは、窒素環原子を通じてYと結合し得る。Yは、結合、−C(O)O−、−C(O)−N(R)−、−S(O)−、または−S(O)−N(R)−であり得、Rは、水素またはC1〜4アルキルである。あるいは、Xは、シクロヘキシル、シクロペンチル、またはビシクロ[2.2.2]オクタンであり得、Yは、
【0020】
【化13】

であり得る。
【0021】
1つの実施形態において、Yは、
【0022】
【化14】

であり得る。
【0023】
1つの実施形態において、XおよびYは、各々結合であり;Rは、水素またはC1〜6アルキル(例えば、メチルまたはt−ブチルなどのC1〜4アルキル)であり得;mは、1または2(例えば、mは1であり得る)であり得;少なくとも1つのRが、2−ピリミジニル位置で置換され、このRが、C1〜4アルキル、C3〜6シクロアルキル、またはアミノ(例えば、−CH、−CF、シクロプロピル、−NH、−NH−C1〜4アルキル、または−NH−シクロプロピルなどの−NH−シクロアルキル)であり得る。
【0024】
1つの実施形態において、Rは、水素、C1〜6アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1〜4アルキル、またはヘテロアリール−C1〜4アルキルであり得る。1つの実施形態において、Rは、水素、C1〜4アルキル、フェニル、ピリジル、イミダゾリル、フラニル、チエニル、トリアゾリル、テトラゾリル、ベンジル、フェニルエチル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ナフチルメチル、ナフチルエチル、または−C1〜2アルキル−ピリジルであり得;その各々が、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、メチル、エチル、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、スルファモイル、アルコキシカルボニル、およびアルキルカルボニルオキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で必要に応じて置換される。
【0025】
別の実施形態において、Rは、水素、メチル、エチル、n−ブチル、t−ブチル、ベンジル、またはピリジルメチルであり得る。例えば、Rは、水素、ヒドロキシメチル、またはトリフルオロメチルであり得る。
【0026】
1つの実施形態において、Rは、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、ベンゾ[b]チオフェニル、ベンゾ−オキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、2−オキソ−ベンゾオキサゾリル、ピリジル、ピリミジニル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシル、2,3−ジヒドロ−ベンゾフリル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チオフェニル、3,4−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]オキサジニル、3−オキソ−ベンゾ[1,4]オキサジニル、1,1−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チオフェニル、[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジル、[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジル、キノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、イソキノリニル、またはシノリニルであり得る。
【0027】
1つの実施形態において、mは、0〜2であり得る。
【0028】
1つの実施形態において、Rは、2−ピリミジニル位置で置換され得る。
【0029】
別の実施形態において、Rは、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルキルチオ、ハロ、アミノ、アミノカルボニル、またはアルコキシカルボニルであり得る。
【0030】
1つの実施形態において、AがNであり、AがNRであるか、またはAがNRであり、AがNであり得;Rは、水素またはC1〜4アルキルである。
【0031】
1つの実施形態において、mは、0〜2であり得;Rは、ヘテロアリールであり得;Rは、水素、C1〜6アルキル、アリール、ヘテロアリール、−C1〜4アルキル−アリール、または−C1〜4アルキル−ヘテロアリールであり得;Xは、4〜8員の単環式もしくは二環式のシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルであり得;そしてYは、
【0032】
【化15】

であり得る。
【0033】
1つの実施形態において、mは、0〜2であり得;Rは、ヘテロアリールであり得;Rは、水素、C1〜6アルキル、アリール、ヘテロアリール、−C1〜4アルキル−アリール、または−C1〜4アルキル−ヘテロアリールであり得;Xは、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラン、シクロヘキシル、シクロペンチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.1]オクタン、2−オキサ−ビシクロ[2.2.2]オクタン、2−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン、3−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン、または1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタンであり得;そしてYは、
【0034】
【化16】

であり得る。
【0035】
1つの実施形態において、mは、0〜2であり得;Rは、ヘテロアリールであり得;Rは、水素、C1〜6アルキル、アリール、ヘテロアリール、−C1〜4アルキル−アリール、または−C1〜4アルキル−ヘテロアリールであり得;そして−X−Y−は、
【0036】
【化17】

であり得る。
【0037】
1つの実施形態において、AはNであり、AはNHであり得る。あるいは、AがNHであり、AがNであり得る。Rは、水素、C1〜4アルキル、ベンジル、またはピリジルメチルであり得;mは1であり得、Rは、2−ピリミジニル位置で置換され得る。
【0038】
1つの実施形態において、mは、0〜2であり得;Rは、ヘテロアリールであり得;Rは、水素、C1〜6アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1〜4アルキル、またはヘテロアリール−C1〜4アルキルであり得;Xは、シクロヘキシル、シクロペンチル、またはビシクロ[2.2.2]オクタンであり得;そして、Yは、
【0039】
【化18】

であり得る。RおよびRの各々は、独立して、水素またはC1〜4アルキルであり得る。AはNであり得、AはNHであり得、あるいはAがNHであり、AがNであり得る。Rは、水素、C1〜4アルキル、ベンジル、またはピリジルメチルであり得;mは1であり得、Rは、2−ピリミジニル位置で置換され得る。
【0040】
1つの実施形態において、XおよびYは、各々結合であり得;Rは、水素またはC1〜4アルキルであり得;mは1であり得;Rは、−CH、−CF、シクロプロピル、−NH、−NH−C1〜4アルキル、または−NH−シクロアルキルであり得;そしてRは、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、ベンゾ[b]チオフェニル、ベンゾ−オキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、2−オキソ−ベンゾオキサゾリル、ピリジル、ピリミジニル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシル、2,3−ジヒドロ−ベンゾフリル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チオフェニル、3,4−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]オキサジニル、3−オキソ−ベンゾ[1,4]オキサジニル、1,1−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チオフェニル、[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジル、[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジル、キノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、イソキノリニル、またはシノリニルであり得る。
【0041】
式(I)の化合物は:
4−[4−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−5−(2−メチルスルファニル−ピリミジン−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ベンズアミド;
4−[4−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−5−(2−メチルスルファニル−ピリミジン−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ベンゾニトリル;
4−[5−(2−メタンスルホニル−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸メチルエステル;
4−[5−(2−メトキシ−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸メチルエステル;
4−[5−(2−ヒドロキシ−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸メチルエステル;
4−[5−(2−シクロプロピルアミノ−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸メチルエステル;
4−[5−(2−シクロプロピルアミノ−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸;
4−[5−(2−シクロプロピルアミノ−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸アミド;
4−[5−(2−シクロプロピルアミノ−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸ヒドロキシアミド;
4−[5−(2−シクロプロピルアミノ−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸メトキシ−アミド;
4−[5−(2−アミノ−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸;
{4−[5−(2−シクロプロピルアミノ−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクト−1−イル}−カルバミン酸ベンジルエステル;
N−{4−[5−(2−シクロプロピルアミノ−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オト−1−イル}−アセトアミド;
N−{4−[5−(2−シクロプロピルアミノ−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクト−1−イル}−メタンスルホンアミド;
N−{4−[5−(2−シクロプロピルアミノ−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクト−1−イル}−2,2,2−トリフルオロ−アセトアミド;
4−[5−キノキサリン−6−イル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−オール;
4−[4−(2−シクロプロピル−ピリミジン−4−イル)−5−キノキサリン−6−イル−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−オール;
6−[2−tert−ブチル−5−(2−シクロプロピル−ピリミジン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−イル]−キノキサリン;(15686)
6−[5−(2−ビシクロプロピル−ピリミジン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−イル]−キノキサリン;
{4−[4−(2−シクロプロピル−ピリミジン−4−イル)−5−キノキサリン−6−イル−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクト−1−イル}−メタノール;
6−[5−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−イル]−キノキサリン;
6−[2−tert−ブチル−5−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−イル]−キノキサリン;
4−[5−キノキサリン−6−イル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル;
4−[4−(2−シクロプロピル−ピリミジン−4−イル)−5−キノキサリン−6−イル−1H−イミダゾール−2−イル]−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル;
6−[5−(2−シクロプロピル−ピリミジン−4−イル)−2−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−イル]−キノキサリン;
4−[5−(2−メチル−ピリミジン−4−イル)−4−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−オール;
4−[4−(2−メチル−ピリミジン−4−イル)−5−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸アミド;
4−[4−(2−メチル−ピリミジン−4−イル)−5−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸;
4−[4−(2−メチル−ピリミジン−4−イル)−5−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸メチルエステル;
4−[4−(2−メチル−ピリミジン−4−イル)−5−キノキサリン−6−イル−1H−イミダゾール−2−イル]−シクロヘキサノール;または
4−[4−(2−メチル−ピリミジン−4−イル)−5−キノキサリン−6−イル−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−オール
であり得る。
【0042】
別の局面において、薬学的組成物は、式(I)の化合物および薬学的に受容可能なキャリアを含む。
【0043】
別の局面において、被験体においてTGFβシグナル伝達経路を阻害する方法は、有効量の式(I)の化合物をこの被験体に投与する工程を包含する。
【0044】
別の局面において、細胞においてTGFβI型レセプターを阻害する方法は、この細胞を有効量の式(I)の化合物と接触させる工程を包含する。
【0045】
別の局面において、被験体においてTGFβにより誘発される過剰細胞外マトリックスの蓄積を減少させる方法は、有効量の式(I)の化合物をこの被験体に投与する工程を包含する。
【0046】
別の局面において、被験体において線維化状態(fibrotic condition)を処置または予防する方法は、有効量の式(I)の化合物をこの被験体に投与する工程を包含する。線維化状態は、例えば、強皮症、ループス腎炎、結合組織病、創傷治癒、外科的瘢痕化、脊髄損傷、CNS瘢痕化、急性肺損傷、肺線維症(例えば、特発性肺線維症)、慢性閉塞性肺疾患、成人呼吸窮迫症候群、薬物誘発肺損傷、糸球体腎炎、糖尿病性腎症、高血圧誘発腎臓病、消化管線維症もしくは胃腸管線維症、腎線維症、肝線維症もしくは胆管線維症(例えば、肝硬変、原発性胆汁性肝硬変、脂肪肝疾患、原発性硬化性胆管炎)、再狭窄、心臓線維症、眼瘢痕化(opthelmic scarring)、線維硬化、線維化癌、類線維腫、線維腫、線維腺腫、線維肉腫、移植動脈症(transplant arteriopathy)、またはケロイドであり得る。線維化状態は、本質的に原発性であり得、遺伝子に関連付けられ、放射線により誘発され得る。
【0047】
別の局面において、被験体において腫瘍細胞および/もしくは癌の増殖または転移を阻害する方法は、有効量の式(I)の化合物をこの被験体に投与する工程を包含する。
【0048】
別の局面において、TGFβの過剰発現によりもたらされる疾患または障害を処置する方法は、有効量の式(I)の化合物をそのような処置を必要とする被験体に投与する工程を包含する。疾患または障害は、例えば、多発性硬化症におけるニューロンの脱髄、アルツハイマー病、脳血管障害、扁平上皮癌、多発性骨髄腫、メラノーマ、神経膠腫、神経膠芽細胞腫、白血病、肉腫、平滑筋腫、中皮腫、または癌腫(肺癌、乳癌、卵巣癌、頸部癌、肝臓癌、胆道癌、胃腸管癌、膵臓癌、前立腺癌、および頭頸部癌)であり得る。
【0049】
式(I)の各化合物のN−オキシド誘導体または薬学的に受容可能な塩もまた、本発明の範囲内にある。例えば、イミダゾール核環または窒素含有ヘテロシクリル置換基の窒素環原子は、適切な酸化剤(例えば、m−クロロ過安息香酸またはH)の存在下で、オキシドを形成し得る。
【0050】
本質的に酸性である(例えば、カルボキシル基またはフェノールヒドロキシル基を有する)式(I)の化合物は、薬学的に受容可能な塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩または金塩)を形成し得る。また、本発明の範囲内には、薬学的に受容可能なアミン(例えば、アンモニア、アルキルアミン、ヒドロキシアルキルアミン、およびN−メチルグリカミン)と形成される塩もある。式(I)の化合物を、酸で処理して酸付加塩を形成し得る。そのような酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、メタンスルホン酸、リン酸、p−ブロモフェニル−スルホン酸、炭酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、シュウ酸、マロン酸、サリチル酸、リンゴ酸、フマル酸、アスコルビン酸、マレイン酸、酢酸、および当業者に周知の他の鉱酸および有機酸が挙げられる。これらの酸付加塩は、酸付加塩(例えば、塩酸塩)を生成するのに十分な量の酸(例えば、塩酸)を有する遊離塩基形態で式(I)の化合物を処理することにより調製し得る。この酸付加塩を、適切な希釈塩基水溶液(例えば、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムまたはアンモニア)で処理することにより、この塩を遊離塩基形態に変換して戻し得る。式(I)の化合物はまた、例えば、アキラル化合物、ラセミ混合物、必要に応じて、活性化合物、純粋なジアステレオ異性体、またはジアステレオ異性体の混合物の形態であり得る。
【0051】
式(I)の化合物は、TGFβファミリーI型レセプター、Alk5および/またはAlk4に対する驚くほど高い親和性を示し、例えば、下記実施例34および実施例36においてそれぞれ記載されるような条件下で、10μM未満のIC50およびK値を有する。式(I)の一部の化合物は、1μM未満(例えば、50nM未満)のIC50およびK値を示す。
【0052】
また、式(I)の化合物を適切な官能性を付加することにより改変して、選択的生物学的特性を高め得る。そのような改変は当該技術分野で公知であり、所与の生物系(例えば、血液、リンパ系、中枢神経系)への生物学的浸透を増大し、経口での利用可能性を拡大し、注射による投与を可能とする可溶性を増進し、新陳代謝を変更し、かつ/または排泄率を変更する改変を含む。これらの改変の例としては、これらに限定されないが、ポリエチレングリコールによるエステル化、ピボレート(pivolate)または脂肪酸置換基による誘導体化、カルバミン酸類への変換、芳香族環のヒドロキシル化、および芳香族環中のヘテロ原子置換が挙げられる。
【0053】
本発明は、式(I)の化合物(または2種以上の式(I)の化合物の組み合せ)および少なくとも1つの薬学的に受容可能なキャリアを含む薬学的組成物により特徴付けられる。また、本発明には、式(I)の任意の化合物を単独で、または適切な賦形剤と組み合わせて含む医薬組成物が含まれる。
【0054】
本発明はまた、細胞においてTGFβファミリーI型レセプター、Alk5および/またはAlk4を(例えば、10μM未満;1μM未満など;例えば、5nM未満のIC50値で)阻害する方法であり、この細胞を有効量の1種以上の式(I)の化合物と接触させる工程を包含する方法により特徴付けられる。また、細胞または被験体(例えば、ヒトなどの哺乳動物)においてTGFβおよび/またはアクチビンシグナル伝達経路を阻害する方法であり、有効量の1種以上の式(I)の化合物をこの細胞と接触させる工程または被験体に投与する工程を包含する方法も、本発明の範囲内にある。
【0055】
TFGβおよび/もしくはアクチビン活性の上昇したレベルにより特徴付けられるまたはその結果である状態に罹る被験体を処置する方法、あるいは被験体がそのような状態に罹るのを予防する方法もまた、本発明の範囲内にある。この方法は、有効量の1種以上の式(I)の化合物を被験体に投与する工程を包含する。状態としては、過剰細胞外マトリックスの蓄積;線維化状態(この状態は薬物または放射線により誘発され得る)、例えば、強皮症、ループス腎炎、結合組織病、創傷治癒、外科的瘢痕化、脊髄損傷、CNS瘢痕化、急性肺損傷、肺線維症(例えば、特発性肺線維症および放射線誘発肺線維症)、慢性閉塞性肺疾患、成人呼吸窮迫症候群、急性肺損傷、薬物誘発肺損傷、糸球体腎炎、糖尿病性腎症、高血圧誘発腎臓病、消化管線維症もしくは胃腸管線維症、腎線維症、肝線維症もしくは胆管線維症、肝硬変、原発性胆汁性肝硬変、脂肪肝疾患(アルコール性および非アルコール性脂肪肝)による肝硬変、原発性硬化性胆管炎、再狭窄、心臓線維症、眼瘢痕化、線維硬化、線維化癌、類線維腫、線維腫、線維腺腫、線維肉腫、移植動脈症、およびケロイド;TGFβにより誘発される腫瘍/癌細胞の増殖または転移;ならびに癌腫(例えば、扁平上皮癌、多発性骨髄腫、メラノーマ、神経膠腫、神経膠芽細胞腫、白血病、肉腫、平滑筋腫、中皮腫、および癌腫(肺癌、乳癌、卵巣癌、頸部癌、肝臓癌、胆道癌、胃腸管癌、膵臓癌、前立腺癌、および頭頸部癌));ならびに他の状態、例えば、悪液質、高血圧、硬直性脊椎炎、多発性硬化症における脱髄、脳血管障害、およびアルツハイマー病が挙げられる。
【0056】
本明細書中に使用される場合、「アルキル」基は、1〜8個(例えば、1〜6個または1〜4個)の炭素原子を含む飽和脂肪族炭化水素基をいう。アルキル基は、直鎖または分枝鎖であり得る。アルキル基の例としては、これらに限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘプチルおよび2−エチルヘキシルが挙げられる。アルキル基は、必要に応じて、1つ以上の置換基、例えば、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアリールアルコキシ、アミノ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、スルホ、メルカプト、アルキルスルファニル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、シクロアルキル−アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、ヘテロシクロアルキル−カルボニルアミノ、ヘテロシクロアルキル−アルキルカルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、アルコキシカルボニル、またはアルキルカルボニルオキシで置換され得る。
【0057】
本明細書中で使用される場合、「アルケニル」基は、2〜8個(例えば、2〜6個または2〜4個)の炭素原子および少なくとも1つの二重結合を含む脂肪族炭素基をいう。アルキル基と同様に、アルケニル基は、直鎖または分枝鎖であり得る。アルケニル基の例としては、これらに限定されないが、アリル、イソプレニル、2−ブテニル、および2−ヘキセニル(hexenyl)が挙げられる。アルケニル基は、必要に応じて、1つ以上の置換基、例えば、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアリールアルコキシ、アミノ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、スルホ、メルカプト、アルキルスルファニル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、シクロアルキル−アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、ヘテロシクロアルキル−カルボニルアミノ、ヘテロシクロアルキル−アルキルカルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、アルコキシカルボニル、またはアルキルカルボニルオキシで置換され得る。「アルケニレン」は、本明細書中で規定されるような二価アルケニル基である。
【0058】
本明細書中で使用される場合、「アルキニル」基は、2〜8個(例えば、2〜6個または2〜4個)の炭素原子を含み、少なくとも1つの三重結合を有する脂肪族炭素基をいう。アルキニル基は、直鎖または分枝鎖であり得る。アルキニル基の例としては、これらに限定されないが、プロパルギルおよびブチニルが挙げられる。アルキニル基は、必要に応じて、1つ以上の置換基、例えば、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアリールアルコキシ、アミノ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、スルホ、メルカプト、アルキルスルファニル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、シクロアルキル−アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、ヘテロシクロアルキル−カルボニルアミノ、ヘテロシクロアルキル−アルキルカルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、アルコキシカルボニル、またはアルキルカルボニルオキシで置換され得る。
【0059】
本明細書中で使用される場合、「アミノ」基は、RおよびRの各々が、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアラルキルである−NRをいう。用語「アミノ」が末端の基(例えば、アルキルカルボニルアミノ)でない場合、−NR−により表される。Rは、上記で規定される意味と同じ意味を有する。
【0060】
本明細書中で使用される場合、「アリール」基は、フェニル、ナフチル、または2〜3個の環を有するベンゾ縮合基をいう。例えば、ベンゾ縮合基としては、1個または2個のC4〜8炭素環部分(例えば、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、インダニル(indanyl)、またはフルオレニル)と縮合したフェニルが挙げられる。アリールは、必要に応じて、1つ以上の置換基、例えば、アルキル(カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキル、およびトリフルオロメチルなどのハロアルキルを含む)、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、ヘテロシクロアルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、アロイル、ヘテロアロイル、アミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、(シクロアルキル)アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)アルキルカルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、アシル、メルカプト、アルキルスルファニル、スルホキシ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、オキソ、またはカルバモイルで置換されている。
【0061】
本明細書中で使用される場合、「アラルキル」基は、アリール基で置換されたアルキル基(例えば、C1〜4アルキル基)をいう。「アルキル」および「アリール」は共に、上記に規定されている。アラルキル基の例には、ベンジルがある。
【0062】
本明細書中で使用される場合、「シクロアルキル」基は、3〜10個(例えば、4〜8個)の炭素原子の脂肪族環状炭素をいう。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル、ノルボルニル、キュビル、オクタヒドロ−インデニル、デカヒドロ−ナフチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、およびビシクロ[3.2.3]ノニルが挙げられる。「シクロアルケニル」基は、本明細書中で使用される場合、1つ以上の二重結合を有する3〜10個(例えば、4〜8個)の炭素原子の非芳香族環状炭素をいう。シクロアルケニル基の例としては、シクロペンテニル、1,4−シクロヘキサ−ジ−エニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、ヘキサヒドロ−インデニル、オクタヒドロ−ナフチル、ビシクロ[2.2.2]オクテニル、およびビシクロ[3.3.1]ノネニルが挙げられる。シクロアルキルまたはシクロアルケニル基は、必要に応じて、1つ以上の置換基、例えば、アルキル(カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキル、およびトリフルオロメチルなどのハロアルキルを含む)、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、ヘテロシクロアルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、アロイル、ヘテロアロイル、アミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、(シクロアルキル)アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)アルキルカルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、アリール、メルカプト、アルキルスルホニル、スルホキシ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、オキソ、またはカルバモイルで置換され得る。
【0063】
本明細書中で使用される場合、「ヘテロシクロアルキル」基は、1つ以上の環原子がヘテロ原子(例えば、N、O、またはS)である3〜10員(例えば、4〜8員)の飽和環状構造をいう。ヘテロシクロアルキル基の例としては、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフリル、ジオキソラニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロベンゾフリル、オクタヒドロ−クロメニル、オクタヒドロ−チオクロメニル、オクタヒドロ−インドリル、オクタヒドロ−ピリンジニル、デカヒドロ−キノリニル、オクタヒドロ−ベンゾ[b]チオフェニル、2−オキサ−ビシクロ[2.2.2]オクチル、1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクチル、3−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクチル、および2,6−ジオキサ−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニルが挙げられる。「ヘテロシクロアルケニル」基は、本明細書中で使用される場合、1つ以上の二重結合を有する3〜10員(例えば、4〜8員)の非芳香族環状構造であり、1つ以上の環原子が、ヘテロ原子(例えば、N、O、またはS)であるものをいう。ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルケニル基は、必要に応じて、1つ以上の置換基、例えば、アルキル(カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキル、およびトリフルオロメチルなどのハロアルキルを含む)、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、ヘテロシクロアルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アロイル、ヘテロアロイル、アミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、(シクロアルキル)アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)アルキルカルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、アシル、メルカプト、アルキルスルファニル、スルホキシ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、オキソ、またはカルバモイルで置換されて得る。
【0064】
「ヘテロアリール」基は、本明細書中で使用される場合、5〜15個の環原子を有する単環式、二環式、または三環式の環状構造であって、1つ以上の環原子がヘテロ原子(例えば、N、O、またはS)であり、二環式または三環式の環状構造の1つ以上の環が、芳香族であるものをいう。ヘテロアリールの一部の例には、ピリジル、フリル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、インドリル、テトラゾリル、ベンゾフリル、ベンズチアゾリル、キサンテン、チオキサンテン、フェノチアジン、ジヒドロインドール、およびベンゾ[1,3]ジオキソールがある。ヘテロアリールは、必要に応じて、1つ以上の置換基、例えば、アルキル(カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキル、およびトリフルオロメチルなどのハロアルキルを含む)、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、ヘテロシクロアルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキル、ヘテロアラルキルオキシ、アロイル、ヘテロアロイル、アミノ、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、(シクロアルキル)アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)アルキルカルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、アシル、メルカプト、アルキルスルファニル、スルホキシ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、オキソ、またはカルバモイルで置換されている。「ヘテロアラルキル」基は、本明細書中で使用される場合、ヘテロアリール基で置換されたアルキル基(例えば、C1〜4アルキル基)をいう。「アルキル」および「ヘテロアリール」は共に、上記に規定されている。
【0065】
本明細書中で使用される場合、「環状部分」としては、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、またはヘテロアリールが挙げられ、その各々が、先に規定されている。
【0066】
本明細書中で使用される場合、「アシル」基は、ホルミル基またはアルキル−C(=O)−をいい、「アルキル」は、先に規定されている。アセチルおよびピバロイルは、アシル基の例である。
【0067】
本明細書中で使用される場合、「カルバモイル」基は、構造−O−CO−NRまたは−NR−CO−O−Rを有する群であり、RおよびRが上記で規定され、Rが、アルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアラルキルであるものをいう。
【0068】
本明細書中に使用される場合、「カルボキシ」および[スルホ」基は、それぞれ、−COOHおよび−SOHをいう。
【0069】
本明細書中で使用される場合、「アルコキシ」基は、アルキル−O−基であって、「アルキル」が先に規定されているものをいう。
【0070】
本明細書中で使用される場合、「スルホキシ」基は、−O−SO−Rまたは−SO−O−Rであって、Rが先に規定されているものをいう。
【0071】
本明細書中で使用される場合、「ハロゲン」または「ハロ」基は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素をいう。
【0072】
本明細書中で使用される場合、「スルファモイル」基は、化学構造−S(O)−NR、または−NR−S(O)−Rであって、R、RおよびRが、上記に規定されているものをいう。
【0073】
本明細書中で使用される場合、「スルファミド」基は、化学構造−NR−S(O)−NRであって、R、RおよびRが、上記に規定されているものをいう。
【0074】
本明細書中で使用される場合、「尿素」基は、化学構造−NR−CO−NRをいい、「チオ尿素」基は、化学構造−NR−CS−NRをいう。R、RおよびRは、上記に規定されている。
【0075】
本明細書中で使用される場合、有効量とは、処置される患者に対して治療効果を与えるのに必要とされる量と定義され、典型的に、患者の年齢、表面積、体重、および状態に基づき決定される。動物およびヒトに対する投薬の相互関係は(mg/m(体表面)に基づく)、Freireich et al.,Cancer Chemother.Rep.,50:219(1966)により記載されている。体表面積は、患者の背丈および体重からほぼ決定され得る。例えば、Scientific Tables,Geigy Pharmaceuticals,Ardsley,New York,537(1970)を参照されたい。本明細書中で使用される場合、「患者」は、ヒトを含む哺乳動物をいう。
【0076】
アンタゴニストは、本明細書中で使用される場合、レセプターを活性化することなしに、レセプターに結合する分子である。これは、レセプター上の結合部位の内因性のリガンド(もしくは複数のリガンド)または基質(もしくは複数の基質)と競合し、したがって、内因性のリガンド結合に応答して細胞内シグナルを変換するレセプターの能力を阻害する。
【0077】
式(I)の化合物は、TGFβレセプターI型(Alk5)および/またはアクチビンレセプターI型(Alk4)のアンタゴニストであるので、これらの化合物は、TGFβおよび/またはアクチビンシグナル変換(例えば、細胞外マトリックス(例えば、コラーゲンおよびフィブロネクチン)の生産)の結果、ストローマ細胞の筋線維芽細胞への分化、ならびに炎症細胞の刺激および転移を阻害するのに有用である。したがって、式(I)の化合物は、病理学的炎症応答および繊維化応答を阻害し、TGFβおよび/またはアクチビン活性の減少が望ましい障害もしくは疾患(例えば、種々の線維症または進行性癌)を処置および/または予防する治療有用性を有する。さらに、式(I)の化合物は、TGFβレセプターI型(Alk5)および/またはアクチビンレセプターI型(Alk4)の役割(例えば、細胞プロセス、例えば、シグナル変換、細胞外マトリックスの生成、ストローマ細胞の筋線維芽細胞への分化、ならびに炎症細胞の刺激および転移におけるそれらの役割)を研究し、調査するのに有用である。
【0078】
他に規定がない限り、本明細書中で使用されるすべての専門用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者により一般に理解されている意味と同じ意味を有する。すべての出版物、特許出願、特許、および本明細書中で言及される他の参考文献が、全体として、参考として援用される。さらに、材料、方法、および実施例は、単なる例示であり、限定することを意図してはいない。
【0079】
本発明の他の特徴および利点が、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0080】
(発明の詳細な説明)
一般に、本発明は、TGFβファミリーI型レセプター、Alk5および/またはAlk4に対して驚くほど高い親和性を示す式(I)の化合物により特徴付けられる。
【0081】
(式(I)の化合物の合成)
式(I)の化合物を、市販もしくは公知の出発物質から多数の公知の方法により調製し得る。1つの方法において、式(I)の化合物を、下記スキーム1a、1b、または1cに従って調製する。具体的には、スキーム1aにおいて、必要に応じて置換される2−メチルピリミジン(II)を、LDAにより脱プロトン化し、その後、R−置換カルボン酸メトキシ−メチル−アミド(V)と反応させて、R−(6−メチルピリミジニル)−ケトン(III)を形成する。Rは上記に規定されている。このメトキシ−メチル−アミドを、対応する酸塩化物(すなわち、R−CO−Cl)とN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩とを反応させることにより調製し得る。次いで、R−(6−メチルピリミジニル)−ケトン(III)を、酢酸中の亜硝酸ナトリウムで処理して、α−ケト−オキシム(IV)が得られ、さらに、酢酸アンモニウムの存在下にて、置換された(かつ必要に応じて保護された)適切なアルデヒド(VI)との反応を施して、式(I)の化合物を生成し得る。
【0082】
【化19】

別の方法において、上記式(I)の化合物を、下記スキーム1bに従って調製し得る。具体的には、1,1−ジメトキシ−プロパン−2−オンを、まずジメトキシメチル−ジメチル−アミンと高温で反応させて、中間体4−ジメチルアミノ−1,1−ジメトキシ−ブト−3−エン−2−オンを生成し得、次いで、R−置換アミジンと反応させて、R−置換ピリミジン−2−カルバルデヒド(IIa)を形成し得る。次いで、このカルバルデヒド(IIa)をアニリンおよび亜リン酸ジフェニルと反応させて、それによりN,P−アセタールを形成し得、これをさらに、R−置換アルデヒドと結合させて、(R−メチル)−ピリミジニル−ケトン(IIIa)を生成し得る。例えば、Journet et al.Tetrahedron Lett.39:1717−1720(1998)を参照されたい。(R−メチル)−ピリミジニル−ケトン(IIIa)を酢酸中の亜硝酸ナトリウムで処理して、α−ケト−オキシム(IVa)を生成して、置換された(かつ必要に応じて保護された)適切なアルデヒド(VI)との反応を施し得、上記スキーム1aに記載されるように式(I)の化合物を生成し得る。
【0083】
【化20】

別の方法において、上記式(I)の化合物を、下記スキーム1cに従って調製し得る。具体的には、(R−メチル)−ピリミジニル−ケトン(IIIa)(上記)を酸化して、ピリミジニル−ジケトン(IVb)を形成し得、置換された(かつ必要に応じて保護された)適切なアルデヒド(VI)との反応を施して、上記のように式(I)の化合物を生成し得る。
【0084】
【化21】

化合物(VI)が保護された形態であれば、適切な脱保護因子を、化合物(IV)もしくは(IVa)と化合物(VI)とのカップリング反応後に、その得られた化合物に適用して、式(I)の化合物を生成し得る。適切な保護基については、例えば、T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,Inc.,New York(1981)を参照されたい。
【0085】
あるいは、式(I)の化合物を、中間体(IV)または(IVa)をアルデヒド(VII)と反応させることにより調製して、さらなる中間体(VIII)を生成し得、次いでこれを、化合物(IX)と反応させて、式(I)の化合物を生成し得る。部分Y’およびY’’が、部分Yの前駆体であることに留意されたい。下記スキーム2を参照されたい。さらに、Rにおける所望の置換は、例えば、適切な化合物(IIa)中間体を選択することにより得られる。
【0086】
【化22】

一部の実施形態において、化合物(VII)中の部分Xは、窒素含有ヘテロシクロアルキル(例えば、ピペリジン)である。窒素環原子を、窒素保護基(例えば、Cbz、Boc、またはFMOC)により保護してから化合物(IV)もしくは(IVa)とカップリングさせ、その後、脱保護(スキーム3の最初の工程を参照)して、化合物(VIIIa)を生成し得る。この化合物を、さらに、種々の化合物(IX)と反応させて、式(I)の化合物を生成し得る。下記スキーム3の第二の工程を参照されたい。化合物(VIII)もしくは化合物(VIIIa)もまた、式(I)の化合物であり得ることに留意すべきである。
【0087】
【化23】

同様に、化合物(VII)中の部分Xが、シクロアルキル(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはビシクロ[2.2.2]オクタン)である場合、下記スキーム4、5a、5bおよび5c中に描写されるように、これをさらに官能基化して、式(I)の化合物を形成し得る。
【0088】
【化24】

【0089】
【化25】

【0090】
【化26−1】

【0091】
【化26−2】

【0092】
【化27】

化学分野の当業者に周知であるように、合成の最終工程において、所望の置換をピリミジニル環上に施し得る。例として、下記スキーム6を参照されたい。
【0093】
【化28】

が水素でない場合の式(I)の化合物を、公知の方法により調製し得る。例えば、AがNであり、AがNH(またはその逆)である場合の式(I)の化合物を、RI(例えば、ヨウ化アルキル)およびCsCOで処理して、Rがアルキルである式(I)の化合物を生成し得る。例えば、Liverton,et al.,J.Med.Chem.,42:2180−2190(1990)を参照されたい。
【0094】
当業者に明らかとなるように、上記のような合成工程を施す前に、一部の出発物質および中間体を保護する必要があり得る。適切な保護基については、例えば、T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,Inc.,New York(1981)を参照されたい。
【0095】
(式(I)の化合物の使用)
上記で検討されるように、TGFβファミリーシグナル伝達経路の機能亢進は、細胞外マトリックスの過剰沈積および炎症応答の増大をもたらし得、次いで、組織および器官(例えば、肺、腎臓、および肝臓)における線維症に導き、最終的に器官不全をもたらし得る。例えば、Border,W.A.and Ruoslahti E.J.Clin.Invest.90:1−7(1992)、およびBorder W.A.and Noble,N.A.N.Engl.J.Med.331:1286−1292(1994)を参照されたい。複数の研究により、TGFβおよび/またはアクチビンmRNAの発現、ならびにTGFβおよび/またはアクチビンのレベルを、種々の線維化障害(例えば、線維化腎臓疾患、アルコール誘発および自己免疫肝線維症、骨髄線維症、ブレオマイシン誘発肺繊維症、ならびに特発性肺線維症)に罹っている患者において増大させることが示されている。TGFβおよび/またはアクチビンの増加は、悪液質、多発性硬化症におけるニューロンの脱髄、アルツハイマー病、脳血管障害、および高血圧においても示された。
【0096】
TGFβファミリーのI型レセプター、Alk5および/またはAlk4のアンタゴニストであり、TGFβおよび/またはアクチビンシグナル伝達経路を阻害する式(I)の化合物は、したがって、TGFβおよび/またはアクチビンの活性レベルを上昇させることによりもたらされる線維化障害および疾患を処置および/または予防するのに有用である。本明細書中で使用される場合、化合物は、経路のレセプター(例えば、Alk5および/またはAlk4)に(10μM未満;1μM未満など;例えば、5nM未満のIC50値を有して)結合する場合に、それにより、レセプター上の結合部位の内因性のリガンド(もしくは複数のリガンド)または基質(もしくは複数の基質)と競合し、細胞間シグナルを内因性リガンドまたは基質結合に応答して変換するこのレセプターの能力を減少させて、TGFβファミリーシグナル伝達経路を阻害する。上記の障害または疾患は、a)異常に高レベルのTGFβおよび/またはアクチビンの存在;および/またはb)細胞外マトリックスの過剰蓄積;および/またはc)筋線維芽細胞数の増加および合成活性の増大により特徴付けられる任意の状態を含む。これらの障害または疾患としては、これらに限定されないが、線維化状態、例えば、強皮症、糸球体腎炎、糖尿病性腎症、ループス腎炎、高血圧誘発腎臓病、眼および角膜瘢痕化、消化管線維症もしくは胃腸管線維症、腎線維症、肝線維症もしくは胆管線維症、急性肺損傷、肺線維症、(例えば、特発性肺線維症、および放射線誘発肺線維症)、梗塞形成後心臓線維症、線維硬化、線維化癌、類線維腫、線維腫、線維腺腫、および線維肉腫が挙げられる。式(I)の化合物を用いた予防的処置が治療有用性を有し得る他の線維化状態としては、放射線治療誘発線維症、化学療法誘発線維症、および外科的に誘発される瘢痕化(外科的癒着、椎弓切除、および動脈再狭窄を含む)が挙げられる。
【0097】
TGFβ活性の増加はまた、進行性癌を有する患者において現れることが見出されている。複数の研究により、多くの癌において、腫瘍細胞、間質細胞、および/または腫瘍内の他の細胞は、一般的にTGFβを過剰発現することが示されている。これは、血管形成および細胞運動性の刺激、免疫系の抑制、および/または腫瘍細胞の細胞外マトリックスとの相互作用の増大をもたらす。例えば、Hojo,M.et al.Nature 397:530−534(1999)、およびLammerts E.et al.,Int.J.Cancer 102:453−462(2002)を参照されたい。その結果、腫瘍は、より容易に増殖し、侵襲性を増し、離れている器官に転移する。例えば、Maehara,Y.et al.,J.Clin.Oncol.17:607−614(1999)、およびPicon,A.et al.,Cancer Epidemiol.Biomarkers Prev.7:497−504(1998)を参照されたい。したがって、TGFβI型レセプターのアンタゴニストであり、TGFβシグナル伝達経路を阻害する式(I)の化合物はまた、TGFβを過剰発現するか、またはTGFβの上記プロ腫瘍活性の恩恵を受ける種々の癌を処置および/または予防するのに有用である。そのような癌としては、癌腫(肺癌、乳癌、肝臓癌、胆道癌、胃腸管癌、頭頸部癌、膵臓癌、前立腺癌、頸部癌)、ならびに多発性骨髄腫、メラノーマ、神経膠腫、および神経膠芽細胞腫が挙げられる。
【0098】
重要なことに、TGFβおよび/またはアクチビンの過剰発現によりもたらされる障害または疾患(例えば、線維化または癌)の慢性的、そして場合により局所的な性質のために、小分子処置(例えば、本発明に開示される処置)が長期的な処置に好都合である。
【0099】
式(I)の化合物は、高レベルのTGFβおよび/またはアクチビン活性によりもたらされる障害または疾患を処置するのに有用であるだけでなく、これらの化合物はまた、同じ障害または疾患を予防するためにも使用され得る。TGFβおよび/またはアクチビン生産の増加をもたらす多形性が、線維症および高血圧と関連するということは公知である。実際、高レベルの血清TGFβが、放射線治療を受けた乳癌を有する患者における線維症の発達、移植レシピエントにおける慢性移植片対宿主病、特発性間質性肺炎、静脈閉塞病、ならびに連続携行式腹膜透析を受けている患者における腹膜線維症と関連している。したがって、血清中のTGFβおよび/またはアクチビンのレベル、ならびに組織中のTGFβおよび/またはアクチビンmRNAを測定し、TGFβおよび/またはアクチビンの過剰発現によりもたらされる障害または疾患に対する診断マーカーまたは予後マーカーとして使用し得、そしてTGFβおよび/またはアクチビンの生産を決定するTGFβについての遺伝子における多形性は、障害または疾患への感受性の予測にも使用し得る。例えば、Blobe,G.C.et al.,N.Engl.J.Med.342(18):1350−1358(2000);Matsuse,T.et al.Am.J.Respir.Cell Mol.Biol.13:17−24(1995);Inoue,S.et al.,Biochem.Biophys.Res.Comm.205:441−448(1994);Matsuse,T.et al,Am.J.Pathol.148:707−713(1996);De Bleser et al.,Hepatology 26:905−912(1997);Pawlowski,J.E.et al.,J.Clin.Invest.100:639−648(1997);およびSugiyama,M.et al.,Gastroenterology 114:550−558(1998)を参照されたい。
【0100】
(式(I)の化合物の投与)
上記に規定されるように、有効量とは、処置される患者に対して治療効果を与えるために必要とされる量である。式(I)の化合物について、有効量は、約1mg/kg〜約150mg/kg(例えば、約1mg/kg〜約100mg/kg)の範囲に及び得る。有効用量はまた、当業者により認識されるように、投与経路、賦形剤の利用、および他の治療的処置(他の治療因子および/または放射線治療の使用を含む)との併用(co−usage)の可能性に応じて変化する。
【0101】
式(I)の化合物を、これらに限定されないが、丸剤、錠剤、カプセル剤、エアゾール、坐薬、経口摂取または注射のための液体配合物、または点眼剤もしくは点耳剤のための液体配合剤、栄養補助食品、および局所用調製物を含む薬学的化合物の投与に適した任意の様式で投与し得る。薬学的に受容可能な組成物としては、等張食塩水中の活性因子の水溶液、5%グルコース、または他の周知の薬学的に受容可能な賦形剤を含む。可溶化剤(例えば、シクロデキストリン、または当業者に周知の他の可溶化剤)を、治療化合物の送達のための薬学的賦形剤として利用し得る。投与経路に関しては、これらの組成物を、経口、鼻腔内、経皮、皮内、膣内、耳内、眼内、口腔内、直腸内、経粘膜により、または吸入、移植(例えば、手術により)、または静脈内投与により投与し得る。これらの組成物を、動物(例えば、ヒト、非ヒト霊長類、ウマ、イヌ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、ハムスター、アレチネズミ、もしくはフェレットなどの哺乳動物類、または鳥類、またはトカゲなどの爬虫類)に投与し得る。
【0102】
必要に応じて、式(I)の化合物を、TGFβシグナル伝達経路を阻害するか、または対応する病理学的障害(例えば、線維症もしくは進行性癌)を異なる作用機序によって処置する1種以上の他の因子と共に投与し得る。これらの因子の例としては、アンギオテンシン変換酵素インヒビター、非ステロイドおよびステロイド抗炎症剤、免疫療法、化学療法、ならびにTGFβレセプターのリガンド結合または活性化に拮抗する因子(例えば、抗−TGFβ、抗−TGFβレセプター抗体、またはTGFβII型レセプターのアンタゴニスト)が挙げられる。また、式(I)の化合物を、他の処置(例えば、放射線)と共に投与し得る。
【0103】
本発明は、以下の実施例においてさらに説明されるが、これらの実施例は、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0104】
(実施例1)
(4−[1−ヒドロキシ−4−(2−メチル−ピリミジン−4−イル)−5−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸メチルエステル)
表題の化合物の合成を、下記(a)〜(b)に分けて記載する。
【0105】
(a)1−(2−メチル−ピリミジン−4−イル)−2−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル−エタン−1,2−ジオン 2−オキシム(IVa)
亜硝酸ナトリウム(1.03g、15mmol)を、HOAc/THF/HO(6:4:1、55mL)の混合物中の1−(2−メチル−ピリミジン−4−イル)−2−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル−エタノン(上記スキーム1bに従って調製)(2.5g、10mmol)の溶液に加えた。この混合物を、0℃にて1時間攪拌し、次いで、室温にて1時間攪拌した。溶媒を、減圧下で除去した。残留物を、水に溶解させ、NaOH(3N)を、pHが8より大きくなるまで加えた。この水溶液を、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、黄色の泡状体として1.8g(64%)の表題の化合物を得た。
【0106】
(b)4−[1−ヒドロキシ−4−(2−メチル−ピリミジン−4−イル)−5−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸メチルエステル
4−ホルミル−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸メチルエステル(0.170g、1.0mmol)を、酢酸(5mL)中の1−(2−メチル−ピリミジン−4−イル)−2−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル−エタン−1,2−ジオン 2−オキシム(0.282g、1mmol)と、酢酸アンモニウム(1.54g、20mmol)との溶液に加えた。この混合物を、3時間、還流した。溶媒を、減圧下で除去した。次いで、この反応混合物を、アンモニア/氷混合物でクエンチした。この水溶液を、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、黄色の固体として0.400g(87%)の表題の化合物を得た。
【0107】
(実施例2)
(4−[4−(2−メチル−ピリミジン−4−イル)−5−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸メチルエステル)
亜リン酸トリエチル(0.343μL、2.0mmol)を、DMF(10mL)中の4−[1−ヒドロキシ−4−(2−メチル−ピリミジン−4−イル)−5−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸メチルエステル(0.40g、0.87mmol;上記実施例1を参照)の溶液に加えた。この混合物を、110℃にて18時間、加熱した。溶媒を除去した。残留物を、酢酸エチルとブラインとに分配した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、黄色の油状体を得た。HPLC精製により、黄色の油状体として0.30g(77%)の表題の化合物を得た。
【0108】
【数1】

(実施例3)
(4−[4−(2−メチル−ピリミジン−4−イル)−5−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸)
水酸化リチウム一水和物(0.046g、1.12mmol)を、THF/MeOH/HO(2/1/1、4mL)の混合物中の4−[4−(2−メチル−ピリミジン−4−イル)−5−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸メチルエステル(0.25g、0.56mmol)の溶液に加えた。この混合物を3時間攪拌し、溶媒を除去した。残留物を、水(30mL)で希釈した。クエン酸をこの溶液に加えて、pHを7より低くした。この水溶液を、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮することにより、黄色の固体として0.180g(75%)の表題の化合物を得た。
【0109】
【数2】

(実施例4)
(4−[4−(2−メチル−ピリミジン−4−イル)−5−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸アミド)
HATU(0.265g、0.70mmol)を、DMF(5mL)中の4−[4−(2−メチル−ピリミジン−4−イル)−5−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸(0.150g、0.35mmol)と炭酸カリウム(0.1242g、1.75mmol)との溶液に加えた。この混合物を、10分間、攪拌した。NHで10分間、この反応混合物を泡立たせた。この混合物を、さらに2時間、攪拌した。この混合物を濾過し、DMFを減圧下で除去した。残留物をDMSOに溶解させ、このDMSO溶液を濾過した。このDMSO溶液のHPLC精製により、黄色の固体として0.040g(27%)の表題の化合物を得た。
【0110】
【数3】

(実施例5)
(4−[4−(2−メチル−ピリミジン−4−イル)−5−キノキサリン−6−イル−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−オール)
表題の化合物の合成を、下記(a)〜(b)に分けて記載する。
【0111】
(a)1−(2−メチル−ピリミジン−4−イル)−2−キノキサリン−6−イル−エタン−1,2−ジオン(IVb)
DMSO(5mL)中の2−(2−メチル−ピリミジン−4−イル)−1−キノキサリン−6−イル−エタノン(0.500g、1.9mmol;上記スキーム1bに従って調製)の溶液に、NBS(0.337g、1.9mmol)を加え、次いで、室温にて3日間、攪拌した。この混合物を、エーテルと水とに分配した。エーテルをブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮することにより、黄色の固体として0.200g(38%)の1−(2−メチル−ピリミジン−4−イル)−2−キノキサリン−6−イル−エタン−1,2−ジオンを得た。
【0112】
(b)4−[4−(2−メチル−ピリミジン−4−イル)−5−キノキサリン−6−イル−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−オール
4−ヒドロキシ−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルバルデヒド(0.130g、0.86mmol)を、酢酸(10mL)中の1−(2−メチル−ピリミジン−4−イル)−2−キノキサリン−6−イル−エタン−1,2−ジオン(0.200g、0.72mmol)と酢酸アンモニウム(0.554g、7.2mmol)との溶液に加えた。この混合物を、3時間、還流した。溶媒を、減圧下で除去した。次いで、反応混合物を、アンモニア/氷混合物でクエンチした。この水溶液を、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチルをブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。アセトニトリル:水で溶出するHPLC精製により、黄色の固体として0.06g(20%)の表題の化合物を得た。
【0113】
【数4】

(実施例6)
(4−[1−ヒドロキシ−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−5−(2−メチルスルファニル−ピリミジン−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸メチルエステル)
表題の化合物を合成を、下記(a)〜(b)に分けて記載する。
【0114】
(a)1−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−2−(4−メチルスルファニル−ピリミジン−2−イル)−エタン−1,2−ジオン 2−オキシム(IV)
亜硝酸ナトリウム(0.479g、6.9mmol)を、HOAc/THF/HO(6:4:1、35mL)の混合物中の1−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−2−(4−メチルスルファニル−ピリミジン−2−イル)−エタノン(1.2g、4.6mmol;上記スキーム1に従って調製)の溶液に加えた。この混合物を、0℃にて1時間、攪拌し、次いで、室温にてさらに1時間、攪拌した。溶媒を、減圧下で除去した。残留物を水に溶解させ、これにNaOH(3N)を、pHが8より大きくなるまで加えた。この水溶液を、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、黄色の泡状体として1.3g(98%)の表題のオキシムを得た。
【0115】
(b)4−[1−ヒドロキシ−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−5−(2−メチルスルファニル−ピリミジン−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸メチルエステル
4−ホルミル−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸メチルエステル(0.72g、2.5mmol)を、酢酸(30mL)中の1−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−2−(4−メチルスルファニル−ピリミジン−2−イル)−エタン−1,2−ジオン 2−オキシム(0.6g、2.1mmol)と酢酸アンモニウム(3.1g、40mmol)との溶液に加えた。この混合物を、2時間、還流した。溶媒を、減圧下で除去した。次いで、反応混合物を、アンモニア/氷混合物でクエンチした。この水溶液を、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチルをブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、黄色の固体として0.9g(92%)の表題のメチルエステルを得た。
【0116】
(実施例7)
(4−[4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−5−(2−メチルスルファニル−ピリミジン−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸メチルエステル)
トリメチルホスファイト(1.0mL、9.7mmol)を、DMF(10mL)中の4−[1−ヒドロキシ−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−5−(2−メチルスルファニル−ピリミジン−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸メチルエステル(0.9g、1.93mmol;上記実施例6を参照)の溶液に加えた。この混合物を、110℃にて18時間、攪拌した。溶媒を除去して、黄色の油状体を得た。酢酸エチル:ヘキサン(50:50)で溶出するカラムクロマトグラフィにより、黄色の固体として0.8g(97%)の表題の化合物を得た。
【0117】
【数5】

(実施例8)
(4−[5−(2−メタンスルホニル−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸メチルエステル)
過酸化水素(0.19mL、6.68mmol)、4N HSO(0.06mL)、およびNaWOO(10mg)を、メタノール(20mL)中の4−[4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−5−(2−メチルスルファニル−ピリミジン−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸メチルエステル(0.60g、1.34mmol;上記実施例7を参照)の溶液に加えた。この混合物を、50℃にて10時間、攪拌した。次いで、この混合物を水でクエンチして、30分間、攪拌した。飽和Na水溶液を、過剰な過酸化水素を中和するために加えた。この水溶液を、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチルをブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。酢酸エチルで溶出するカラムクロマトグラフィにより、黄色の固体として0.5g(91%)の表題の化合物を得た。
【0118】
【数6】

(実施例9)
(4−[5−(2−メタンスルホニル−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸メチルエステル)
(4−[5−(2−メタンスルホニル−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸メチルエステル)(0.30g、0.62mmol;上記実施例8を参照)を、シクロプロピルアミン(10mL)に溶解させ、この混合物を、封管に入れた。この混合物を、80℃にて18時間、加熱した。溶媒を除去して、黄色の固体として0.285g(99%)の表題の化合物を得た。
【0119】
【数7】

(実施例10)
(4−[5−(2−シクロプロピルアミノ−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸)
水酸化リチウム一水和物(0.10g、2.44mmol)を、THF/MeOH/HO(2/1/1、5mL)の混合物中の4−[5−(2−シクロプロピルアミノ−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸メチルエステル(0.28g、0.61mmol)に加えた。この混合物を、3時間、攪拌した。溶媒を、除去した。残留物を、水(30mL)で希釈した。クエン酸を、pHを7より低くするために溶液に加えた。この水溶液を、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチルを、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、黄色固体として0.27g(99%)の表題の化合物を得た。
【0120】
【数8】

(実施例11)
(4−[5−(2−シクロプロピルアミノ−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸アミド)
HATU(0.17g、0.45mmol)を、無水DMF(5mL)中の4−[5−(2−シクロプロピルアミノ−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸(0.10g、0.225mmol;上記実施例10を参照)と炭酸カリウム(0.155g、1.13mmol)との溶液に加えた。この混合物を、30分間、攪拌した。アンモニアを、10分間、この混合物に通じて泡立たせた。この混合物を、2時間、攪拌し続けた。次いで、この混合物を濾過し、濃縮した。アセトニトリル:水で溶出するHPLC精製により、黄色の固体として0.070g(70%)の表題の化合物を得た。
【0121】
【数9】

以下の表に列挙される化合物を、上記の方法および実施例に記載される様式と類似の様式で調製した。
【0122】
【表1−1】

【0123】
【表1−2】

【0124】
【表1−3】

【0125】
【表1−4】

式(I)の化合物のTFGβ活性を、以下の実施例に記載する方法により評価し得る。
【0126】
(実施例34)
(TGFβI型レセプターの自己リン酸化の阻害を評価するためのセルフリーアッセイ)
TGFβI型レセプターのセリン−トレオニンキナーゼ活性を、N末端ポリヒスチジン、TEV切断部位タグ(例えば、ヒス−TGFβRI)を含むレセプターの細胞質ドメインの自己リン酸化活性として測定した。このヒスタグ付きレセプター細胞質キナーゼドメインを、Gibco−BRL FastBac HTbバキュロウイルス発現系を使用して、感染した昆虫細胞培養から精製した。
【0127】
96−ウェルNickel FlashPlate(NEN Life Science,Perkin Elmer)に、アッセイ緩衝液(50mM Hepes、60mM NaCl、1mM MgCl、2mM DTT、5mM MnCl、2%グリセロール、および0.015%Brij(登録商標)35)中の1.25μCi33P−ATP/25μM ATP20μLを加えた。5%DMSO溶液中で調製された式(I)の10μLの各テスト化合物を、FlashPlateに加えた。次いで、このアッセイを、12.5pmolのヒス−TGFβRIを含むアッセイ緩衝液20μLの各ウェルへの添加で開始した。プレートを、室温にて30分間インキュベートし、次いで、TBSで1度すすぐことにより、反応を終了させた。これらのプレートの各ウェルからの放射線を、TopCount(Packard)で読んだ。結合全体(阻害なし)を、テスト化合物を含まないDMSO溶液の存在下で測定される数と定義し、非特異的結合を、EDTAの存在下またはキナーゼによる制御の不在下で測定される数と定義した。
【0128】
あるいは、上記の試薬およびインキュベーション条件を使用するが、マイクロ遠心分離管中で実施した反応を、4〜20%のSDS−PAGEゲルを用いた分離により分析し、40kDaヒス−TGFβRI SDS−PAGEバンドへの放射標識の取り込みを、Storm Phosphoimager(Molecular Dynamics)で定量した。
【0129】
式(I)の化合物は、典型的に、10μM未満のIC50値を示し;一部は、1μM未満のIC50値を示し;そして一部はさらに、50nM未満のIC50値を示した。
【0130】
(実施例35)
(アクチビンI型レセプターキナーゼ活性の阻害を評価するためのセルフリーアッセイ)
式(I)のテスト化合物によるアクチビンI型レセプター(Alk4)キナーゼ自己リン酸化活性の阻害を、Alk4の類似したヒスタグ付き形態(ヒス−Alk4)をヒス−TGFβRIの代わりに使用すること以外は、上記実施例34に記載されるのと類似した様式で決定し得る。
【0131】
(実施例36)
(TGFβI型レセプターリガンド置換FlashPlateアッセイ)
アッセイ緩衝液(50mM Hepes、60mM NaCl、1mM MgCl、5mM MnCl、2mM 1,4−ジチオトレイトール(DTT)、2%Brij(登録商標)35;pH7.5)中の50nmのトリチル化4−(3−ピリジン−2−イル−1H−ピラゾール−4−イル)−キノリン(PerkinElmer Life Science,Inc.,Boston,MAから特注により入手)を、v底プレート中の1%DMSO溶液中の式(I)のテスト化合物と予め混合しておいた。いずれのテスト化合物も含まないDMSOか、DMSO中のコントロール化合物を含むコントロールウェルを使用した。このアッセイを開始するために、同じアッセイ緩衝液(Hepes、NaCl、MgCl、MnCl、DTT、および30%Brij(登録商標)を加えた新たなもの)中のヒスTGFβI型レセプターを、ニッケルで被覆したFlashPlate(PE、NENカタログ番号:SMP107)に加えたが、コントロールウェルは、緩衝液のみを含んだ(すなわち、ヒス−TGFβI型レセプターを含まない)。次いで、トリチウム化4−(3−ピリジン−2−イル−1H−ピラゾール−4−イル)−キノリンと式(I)のテスト化合物とを予め混合した溶液を、これらのウェルに加えた。1時間後、室温にて、これらのウェルに通風(aspirate)し、ウェル中の放射能(トリチル化化合物から放出される)を、TopCount(PerkinElmer Lifesciences,Inc.,Boston MA)を使用して測定した。
【0132】
式(I)の化合物は、典型的に、10μM未満のK値を示し;一部は、1μM未満のK値を示し;そして一部はさらに、50nM未満のK値を示した。
【0133】
(実施例37)
(TGFβシグナル伝達および細胞毒性の細胞阻害を評価するためのアッセイ)
式(I)の化合物の生物活性を、HepG2細胞中のTGFβ誘発PAI−発光酵素レポーター活性を阻害するそれらの能力を測定することにより決定した。
【0134】
HepG2細胞に、10%FBS、ペニシリン(100U/mL)、ストレプトマイシン(100μg/mL)、L−グルタミン(2mM)、ピルビン酸ナトリウム(1mM)および非必須アミノ酸(1倍)を含むDMEM培地で育成されるPAI−発光酵素レポーターを安定的にトランスフェクトした。次いで、これらのトランスフェクトされた細胞を、96ウェルプレートに2.5×10細胞/ウェルの濃度でプレートし、5%COインキュベータ中で37℃にて0.5%FBSを有する培地で3〜6時間、飢餓状態にした。次いで、これらの細胞を、1%DMSOを含む飢餓培地中のTGFβリガンド2.5ng/mLで式(I)のテスト化合物の存在下かまたは不在下において刺激し、上記のように24時間インキュベートした。この培地を、翌日洗い出し、発光酵素レポーター活性を、LucLite Luciferase Reporter Gene Assayキット(Packard、カタログ番号6016911)を奨励されるように使用して検出した。これらのプレートを、Wallac Microbetaプレートリーダーで読み、その読みを使用して、HepG2細胞におけるTGFβ誘発PAI−発光酵素レポーター活性を阻害することについて、式(I)の化合物のIC50値を決定した。式(I)の化合物は、典型的に、10μM未満のIC50値を示した。
【0135】
細胞毒性を、上記と同じ細胞培養条件を使用して決定した。具体的には、細胞の生存能力を、CytoLite cell viabilityキット(Packard、カタログ番号6016901)で一晩インキュベーションした後に決定した。式(I)の化合物は、典型的に、10μMより大きなLD25値を示した。
【0136】
(実施例38)
(細胞におけるTGFβI型レセプターキナーゼ活性の阻害を評価するためのアッセイ)
式(I)のテスト化合物によるアクチビンシグナル伝達活性の細胞阻害を、100ng/mLのアクチビンを、2.5ng/mLのTGFβの代わりに血清飢餓状態の細胞に加えることを除き、上記実施例37に記載されるのと類似の様式で決定する。
【0137】
(実施例39)
(TGFβ誘発コラーゲン発現についてのアッセイ)
(不死化コラーゲンプロモーター−グリーン蛍光タンパク質細胞の調製)
線維芽細胞は、コラーゲン1A1プロモーターの制御下にあるグリーン蛍光タンパク質(GFP)を発現する成トランスジェニックマウスの皮膚に由来する(Krempen,K.et al.,Gene Exp.8:151−163(1999)を参照)。33℃にて活性段階にある、温度感受性の大型T抗原を有する細胞を不死化する。次いで、細胞を33℃にて膨張させ、大型T抗原が不活性になる温度である37℃に変える(Xu,S.et al.,Exp.Cell Res.220:407−414(1995)を参照)。約4日間および1つの分裂にわたり、これらの細胞は、増殖を停止する。次いで、1つの96ウェルプレートに十分な分割量で細胞を冷凍する。
【0138】
(TGFβ誘発コラーゲン−GFP発現のアッセイ)
細胞を解凍し、10%ウシ胎仔血清を含む完全なDMEM(非必須アミノ酸、1mM ピルビン酸ナトリウムおよび2mM L−グルタミンを含む)中にプレートし、37℃にて、5%COで一晩インキュベートする。翌日、これらの細胞をトリプシン化し、2%のウシ胎仔血清を含むがフェノールレッドを含まない50μLの完全なDMEM中の1ウェル当たり30,000細胞を用いた96ウェルフォーマットに変える。これらの細胞を、37℃にて3時間〜4時間、インキュベートし、プレートに付着させる。次いで、式(I)のテスト化合物を含む溶液を、TGFβを含まないウェル(三重)、ならびに1ng/mLのTGFβを含むウェル(三重)に加える。DMSOも、0.1%の最終濃度で全てのウェルに加える。485nmにおける励起に続く530nmにおけるGFP蛍光発光を、CytoFluorマイクロプレートリーダー(PerSeptive Biosystems)により、テスト化合物を含む溶液の添加後、48時間で測定する。次いで、これらのデータを、各テストサンプルについて、TGFβ誘発に対する非誘発の比率として表す。
【0139】
(他の実施形態)
本発明は、その詳細な説明とともに記載されており、上記の記載は、例示を意図するものであって、別添の特許請求の範囲の範囲によって規定される本発明の範囲を限定する意図はないことが理解されるべきである。他の局面、利点、および改変は、別添の特許請求の範囲の範囲内にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式:
【化1】

の化合物、またはそのN−オキシドもしくは薬学的に受容可能な塩であって;
は、ヘテロアリールであり;
各Rは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アシル、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、シアノ、グアナジノ、アミジノ、カルボキシ、スルホ、メルカプト、アルキルスルファニル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、ヘテロアリールスルホニルアミノ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、カルバモイル、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、シクロアルキルスルファニル、シクロアルキルカルボニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルスルファニル、ヘテロシクロアルキルカルボニル、アリール、アリールオキシ、アリールスルファニル、アロイル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールスルファニル、またはヘテロアロイルであり;
Xは、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、または結合であり;
Yは、
【化2】

であり、該RおよびRの各々は、独立して、水素、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、アミノ、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアラルキルであり;pは、1または2であり;そして、qは、1〜4であり;
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、シクロアルケニル、(シクロアルケニル)アルキル、アリール、アラルキル、アリールアルケニル、ヘテロシクロアルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、ヘテロシクロアルケニル、(へテロシクロアルケニル)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、または(ヘテロアリール)アルケニルであり;
およびAの各々は、独立して、NまたはNRであり;そして
mは、0、1、2、または3であり;但し、m≧2である場合は、隣接する2つのR基が結合して一緒になり、4〜8員の必要に応じて置換された環状部分を形成し、さらに、Xが結合である場合、Yは結合であり;Rは、水素またはアルキルであり;mは、1、2、または3であり;そして少なくとも1つのRが、2−ピリミジニル位置で置換されている
化合物。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物であって、前記Xが、アリールまたはヘテロアリールである、化合物。
【請求項3】
請求項2に記載の化合物であって、前記Xが、必要に応じて置換されたフェニルである、化合物。
【請求項4】
請求項2に記載の化合物であって、前記Yが、
【化3】

である、化合物。
【請求項5】
請求項2に記載の化合物であって、前記Rが、水素、C1〜6アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1〜4アルキル、またはヘテロアリール−C1〜4アルキルである、化合物。
【請求項6】
請求項1に記載の化合物であって、前記Xが、4〜8員の単環式もしくは二環式のシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルである、化合物。
【請求項7】
請求項1に記載の化合物であって、前記Xが、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラン、シクロヘキシル、シクロペンチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.1]オクタン、2−オキサ−ビシクロ[2.2.2]オクタン、2−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン、3−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン、または1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタンである、化合物。
【請求項8】
請求項1に記載の化合物であって、前記Xが、ピペリジニル、ピペラジニル、またはピロリジニルである、化合物。
【請求項9】
請求項8に記載の化合物であって、前記ピペリジニル、ピペラジニル、またはピロリジニルが、窒素環原子を通じてYと結合する、化合物。
【請求項10】
請求項9に記載の化合物であって、前記Yが、結合、−C(O)O−、−C(O)−N(R)−、−S(O)−、または−S(O)−N(R)−であり、該Rが、水素またはC1〜4アルキルである、化合物。
【請求項11】
請求項1に記載の化合物であって、前記Xが、シクロヘキシル、シクロペンチル、またはビシクロ[2.2.2]オクタンである、化合物。
【請求項12】
請求項11に記載の化合物であって、前記Yが、
【化4】

である、化合物。
【請求項13】
請求項1に記載の化合物であって、前記Yが、
【化5】

である、化合物。
【請求項14】
請求項1に記載の化合物であって、前記XおよびYが、各々結合であり;前記Rが、水素またはC1〜6アルキルであり;前記mが、1または2であり;そして、前記2−ピリミジニル位置で置換されたRが、C1〜4アルキル、C3〜6シクロアルキル、またはアミノである、化合物。
【請求項15】
請求項14に記載の化合物であって、前記Rが、HまたはC1〜4アルキルであり;mが1であり;そしてRが、−CH、−CF、シクロプロピル、−NH、−NH−C1〜4アルキル、または−NH−シクロアルキルである、化合物。
【請求項16】
請求項1に記載の化合物であって、前記Rが、水素、C1〜6アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1〜4アルキル、またはヘテロアリール−C1〜4アルキルである、化合物。
【請求項17】
請求項1に記載の化合物であって、前記Rが、水素、C1〜4アルキル、フェニル、ピリジル、イミダゾリル、フラニル、チエニル、トリアゾリル、テトラゾリル、ベンジル、フェニルエチル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ナフチルメチル、ナフチルエチル、または−C1〜2アルキル−ピリジルであり;その各々が、独立して、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、メチル、エチル、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、スルファモイル、アルコキシカルボニル、およびアルキルカルボニルオキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で必要に応じて置換された、化合物。
【請求項18】
請求項1に記載の化合物であって、前記Rが、水素、メチル、エチル、n−ブチル、t−ブチル、ベンジル、またはピリジルメチルである、化合物。
【請求項19】
請求項1に記載の化合物であって、前記Rが、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、ベンゾ[b]チオフェニル、ベンゾ−オキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、2−オキソ−ベンゾオキサゾリル、ピリジル、ピリミジニル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシル、2,3−ジヒドロ−ベンゾフリル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チオフェニル、3,4−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]オキサジニル、3−オキソ−ベンゾ[1,4]オキサジニル、1,1−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チオフェニル、[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジル、[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジル、キノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、イソキノリニル、またはシンノリニルである、化合物。
【請求項20】
請求項1に記載の化合物であって、前記mが、0〜2である、化合物。
【請求項21】
請求項1に記載の化合物であって、前記Rが、2−ピリミジニル位置で置換されている、化合物。
【請求項22】
請求項1に記載の化合物であって、前記Rが、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルキルチオ、ハロ、アミノ、アミノカルボニル、またはアルコキシカルボニルである、化合物。
【請求項23】
請求項1に記載の化合物であって、前記Rが、水素またはC1〜4アルキルである、化合物。
【請求項24】
請求項1に記載の化合物であって、前記mが、0〜2であり;前記Rが、ヘテロアリールであり;前記Rが、水素、C1〜6アルキル、アリール、ヘテロアリール、−C1〜4アルキル−アリール、または−C1〜4アルキル−ヘテロアリールであり;前記Xが、4〜8員の単環式もしくは二環式のシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルであり;そして前記Yが、
【化6】

である、化合物。
【請求項25】
請求項1に記載の化合物であって、前記mが、0〜2であり;前記Rが、ヘテロアリールであり;前記Rが、水素、C1〜6アルキル、アリール、ヘテロアリール、−C1〜4アルキル−アリール、または−C1〜4アルキル−ヘテロアリールであり;前記Xが、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラン、シクロヘキシル、シクロペンチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.1]オクタン、2−オキサ−ビシクロ[2.2.2]オクタン、2−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン、3−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン、または1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタンであり;そしてYが、
【化7】

である、化合物。
【請求項26】
請求項1に記載の化合物であって、前記mが、0〜2であり;Rが、ヘテロアリールであり;Rが、水素、C1〜6アルキル、アリール、ヘテロアリール、−C1〜4アルキル−アリール、または−C1〜4アルキル−ヘテロアリールであり;そして−X−Y−が、
【化8】

である、化合物。
【請求項27】
請求項26に記載の化合物であって、前記AがNであり、前記AがNHであるか、または前記AがNHであり、前記AがNである、化合物。
【請求項28】
請求項27に記載の化合物であって、前記Rが、水素、C1〜4アルキル、ベンジル、またはピリジルメチルである、化合物。
【請求項29】
請求項28に記載の化合物であって、前記mが1であり、前記Rが、2−ピリミジニル位置で置換されている、化合物。
【請求項30】
請求項1に記載の化合物であって、前記mが、0〜2であり;前記Rが、ヘテロアリールであり;前記Rが、水素、C1〜6アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1〜4アルキル、またはヘテロアリール−C1〜4アルキルであり;前記Xが、シクロヘキシル、シクロペンチル、またはビシクロ[2.2.2]オクタンであり;そして、前記Yが、
【化9】

であり、該RおよびRの各々が、独立して、水素またはC1〜4アルキルである、化合物。
【請求項31】
請求項30に記載の化合物であって、前記AがNであり、AがNHであるか、またはAがNHであり、AがNである、化合物。
【請求項32】
請求項31に記載の化合物であって、前記Rが、水素、C1〜4アルキル、ベンジル、またはピリジルメチルである、化合物。
【請求項33】
請求項32に記載の化合物であって、前記mが1であり、Rが、2−ピリミジニル位置で置換されている、化合物。
【請求項34】
請求項1に記載の化合物であって、前記XおよびYが、各々結合であり;前記Rが、水素またはC1〜4アルキルであり;前記mが1であり;前記Rが、−CH、−CF、シクロプロピル、−NH、−NH−C1〜4アルキル、または−NH−シクロアルキルであり;そして前記Rが、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、ベンゾ[b]チオフェニル、ベンゾ−オキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、2−オキソ−ベンゾオキサゾリル、ピリジル、ピリミジニル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシル、2,3−ジヒドロ−ベンゾフリル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チオフェニル、3,4−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]オキサジニル、3−オキソ−ベンゾ[1,4]オキサジニル、1,1−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チオフェニル、[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジル、[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジル、キノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、イソキノリニル、またはシノリニルである、化合物。
【請求項35】
請求項1に記載の化合物であって、該化合物が:
4−[4−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−5−(2−メチルスルファニル−ピリミジン−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ベンズアミド;
4−[4−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−5−(2−メチルスルファニル−ピリミジン−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ベンゾニトリル;
4−[5−(2−メタンスルホニル−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸メチルエステル;
4−[5−(2−メトキシ−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸メチルエステル;
4−[5−(2−ヒドロキシ−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸メチルエステル;
4−[5−(2−シクロプロピルアミノ−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸メチルエステル;
4−[5−(2−シクロプロピルアミノ−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸;
4−[5−(2−シクロプロピルアミノ−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸アミド;
4−[5−(2−シクロプロピルアミノ−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸ヒドロキシアミド;
4−[5−(2−シクロプロピルアミノ−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸メトキシ−アミド;
4−[5−(2−アミノ−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸;
{4−[5−(2−シクロプロピルアミノ−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクト−1−イル}−カルバミン酸ベンジルエステル;
N−{4−[5−(2−シクロプロピルアミノ−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オト−1−イル}−アセトアミド;
N−{4−[5−(2−シクロプロピルアミノ−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクト−1−イル}−メタンスルホンアミド;
N−{4−[5−(2−シクロプロピルアミノ−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクト−1−イル}−2,2,2−トリフルオロ−アセトアミド;
4−[5−キノキサリン−6−イル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−オール;
4−[4−(2−シクロプロピル−ピリミジン−4−イル)−5−キノキサリン−6−イル−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−オール;
6−[2−tert−ブチル−5−(2−シクロプロピル−ピリミジン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−イル]−キノキサリン;
6−[5−(2−ビシクロプロピル−ピリミジン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−イル]−キノキサリン;
{4−[4−(2−シクロプロピル−ピリミジン−4−イル)−5−キノキサリン−6−イル−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクト−1−イル}−メタノール;
6−[5−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−イル]−キノキサリン;
6−[2−tert−ブチル−5−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−イル]−キノキサリン;
4−[5−キノキサリン−6−イル−4−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル;
4−[4−(2−シクロプロピル−ピリミジン−4−イル)−5−キノキサリン−6−イル−1H−イミダゾール−2−イル]−ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル;
6−[5−(2−シクロプロピル−ピリミジン−4−イル)−2−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−イル]−キノキサリン;
4−[5−(2−メチル−ピリミジン−4−イル)−4−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−オール;
4−[4−(2−メチル−ピリミジン−4−イル)−5−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸アミド;
4−[4−(2−メチル−ピリミジン−4−イル)−5−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸;
4−[4−(2−メチル−ピリミジン−4−イル)−5−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸メチルエステル;
4−[4−(2−メチル−ピリミジン−4−イル)−5−キノキサリン−6−イル−1H−イミダゾール−2−イル]−シクロヘキサノール;および
4−[4−(2−メチル−ピリミジン−4−イル)−5−キノキサリン−6−イル−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−オール
からなる群から選択される、化合物。
【請求項36】
請求項1に記載の化合物であって、該化合物が:
4−[5−(2−シクロプロピルアミノ−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸メチルエステル;
4−[5−(2−シクロプロピルアミノ−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸;
4−[5−(2−シクロプロピルアミノ−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸アミド;
4−[5−(2−シクロプロピルアミノ−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸ヒドロキシアミド;
4−[5−(2−シクロプロピルアミノ−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸メトキシ−アミド;
4−[5−(2−アミノ−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸;
N−{4−[5−(2−シクロプロピルアミノ−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクト−1−イル}−アセトアミド;
N−{4−[5−(2−シクロプロピルアミノ−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクト−1−イル}−メタンスルホンアミド;
N−{4−[5−(2−シクロプロピルアミノ−ピリミジン−4−イル)−4−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクト−1−イル}−2,2,2−トリフルオロ−アセトアミド;
6−[2−tert−ブチル−5−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−イル]−キノキサリン;
6−[5−(2−ビシクロプロピル−ピリミジン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−イル]−キノキサリン;
6−[2−tert−ブチル−5−(2−シクロプロピル−ピリミジン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−イル]−キノキサリン;
6−[5−(2−シクロプロピル−ピリミジン−4−イル)−2−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−イル]−キノキサリン;
6−[5−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−イル]−キノキサリン;
{4−[4−(2−シクロプロピル−ピリミジン−4−イル)−5−キノキサリン−6−イル−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクト−1−イル}−メタノール;
4−[4−(2−シクロプロピル−ピリミジン−4−イル)−5−キノキサリン−6−イル−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−オール;
4−[4−(2−メチル−ピリミジン−4−イル)−5−キノキサリン−6−イル−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−オール;
4−[4−(2−メチル−ピリミジン−4−イル)−5−キノキサリン−6−イル−1H−イミダゾール−2−イル]−シクロヘキサノール;
4−[4−(2−メチル−ピリミジン−4−イル)−5−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸アミド;
4−[4−(2−メチル−ピリミジン−4−イル)−5−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸;
4−[4−(2−メチル−ピリミジン−4−イル)−5−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル−1H−イミダゾール−2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−カルボン酸メチルエステル;および
4−[5−(2−メチル−ピリミジン−4−イル)−4−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル−1H−イミダゾールー2−イル]−ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−オール
からなる群から選択される、化合物。
【請求項37】
請求項1に記載の化合物および薬学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物。
【請求項38】
請求項35に記載の化合物および薬学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物。
【請求項39】
被験体においてTGFβシグナル伝達経路を阻害する方法であって、有効量の請求項1に記載の化合物を被験体に投与する工程を包含する、方法。
【請求項40】
被験体においてTGFβシグナル伝達経路を阻害する方法であって、有効量の請求項35に記載の化合物を被験体に投与する工程を包含する、方法。
【請求項41】
細胞においてTGFβI型レセプターを阻害する方法であって、細胞を有効量の請求項1に記載の化合物と接触させる工程を包含する、方法。
【請求項42】
細胞においてTGFβI型レセプターを阻害する方法であって、細胞を有効量の請求項35に記載の化合物と接触させる工程を包含する、方法。
【請求項43】
被験体においてTGFβにより誘発される過剰な細胞外マトリックスの蓄積を減少させる方法であって、有効量の請求項1に記載の化合物を被験体に投与する工程を包含する、方法。
【請求項44】
被験体においてTGFβにより誘発される過剰な細胞外マトリックスの蓄積を減少させる方法であって、有効量の請求項35に記載の化合物を被験体に投与する工程を包含する、方法。
【請求項45】
被験体において線維化状態を処置または予防する方法であって、有効量の請求項1に記載の化合物を被験体に投与する工程を包含する、方法。
【請求項46】
被験体において線維化状態を処置または予防する方法であって、有効量の請求項35に記載の化合物を被験体に投与する工程を包含する、方法。
【請求項47】
請求項45または46に記載の方法であって、前記線維化状態が、放射線によって誘発される、方法。
【請求項48】
請求項45または46に記載の方法であって、前記線維化状態が、強皮症、ループス腎炎、結合組織病、創傷治癒、外科的瘢痕化、脊髄損傷、CNS瘢痕化、急性肺損傷、特発性肺線維症、放射線誘発肺線維症、慢性閉塞性肺疾患、成人呼吸窮迫症候群、急性肺損傷、薬物誘発肺損傷、糸球体腎炎、糖尿病性腎症、高血圧誘発腎臓病、消化管線維症もしくは胃腸管線維症、腎線維症、肝線維症もしくは胆管線維症、肝硬変、原発性胆汁性肝硬変、脂肪肝疾患、原発性硬化性胆管炎、再狭窄、心臓線維症、眼瘢痕化、線維硬化、線維化癌、類線維腫、線維腫、線維腺腫、線維肉腫、移植動脈症、およびケロイドからなる群から選択される、方法。
【請求項49】
被験体において腫瘍細胞もしくは癌の増殖または転移を阻害する方法であって、有効量の請求項1に記載の化合物を被験体に投与する工程を包含する、方法。
【請求項50】
被験体において腫瘍細胞もしくは癌の増殖または転移を阻害する方法であって、有効量の請求項35に記載の化合物を被験体に投与する工程を包含する、方法。
【請求項51】
TGFβの過剰発現によりもたらされる疾患もしくは障害を処置する方法であって、有効量の請求項1に記載の化合物をそのような処置を必要とする被験体に投与する工程を包含する、方法。
【請求項52】
TGFβの過剰発現によりもたらされる疾患もしくは障害を処置する方法であって、有効量の請求項35に記載の化合物をそのような処置を必要とする被験体に投与する工程を包含する、方法。
【請求項53】
請求項51または請求項52に記載の方法であって、前記疾患または障害が、多発性硬化症におけるニューロンの脱髄、アルツハイマー病、脳血管障害、扁平上皮癌、多発性骨髄腫、メラノーマ、神経膠腫、神経膠芽細胞腫、白血病、肉腫、平滑筋腫、中皮腫、および肺癌、乳癌、卵巣癌、頸部癌、肝臓癌、胆道癌、胃腸管癌、膵臓癌、前立腺癌、および頭頸部癌からなる群から選択される、方法。

【公表番号】特表2008−511631(P2008−511631A)
【公表日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−530093(P2007−530093)
【出願日】平成17年8月24日(2005.8.24)
【国際出願番号】PCT/US2005/030133
【国際公開番号】WO2006/026306
【国際公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(592221528)バイオジェン・アイデック・エムエイ・インコーポレイテッド (224)
【Fターム(参考)】