説明

V型4気筒エンジンの排気装置

【課題】本発明は、排気管が集合される集合管を備えたV型4気筒エンジンの排気装置において、排気による他の気筒への圧力波の影響を緩和し、排気管のサイズを抑え、併せて、レイアウトの自由度を高める技術を提供することを課題とする。
【解決手段】V型4気筒エンジンの排気装置33には、前シリンダに前側排気管61L、61Rを接続するとともに後シリンダに後側排気管71L、71Rを接続し、前側排気管61L、61Rを前集合管62へ集合させ、後側排気管71L、71Rを後集合管74へ集合させ、前集合管62と後集合管74とを全体集合管76へ集合させ、後集合管74と全体集合管76の間には、後集合管74の管径よりも大きな管径を有し排気の圧力波を減衰させる膨張管75が備えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の排気管が集合される集合管を備えたV型4気筒エンジンの排気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の排気管が集合される集合管を備えたV型4気筒エンジンにおいて、各気筒の点火時期は異なっている。各気筒の点火時期が異なっていると、ある排気管内で発生した圧力波が集合管に伝達されたときに、この圧力波は、集合部から別の排気管に伝達され、エンジンの吸気効率や排気効率に変化を与える場合がある。例えば、前シリンダの吸気時に、前シリンダに、後シリンダからの排気による圧力波が伝達されると、前シリンダの吸気効率は低下する可能性がある。上記課題の対策技術を次に説明する。
【0003】
複数の排気管が集合される集合管を備えたV型4気筒エンジンの排気装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平7−127464号公報(図6)
【0004】
特許文献1の図6において、V型4気筒エンジンの排気装置は、前シリンダ1、1(符号は同公報のものを流用する。以下同じ。)に前側排気管としての第1排気管21、21を接続し、これらの第1排気管21、21をディフューザ部分23、23を介して第2排気管22、22に接続し、これらの第2排気管22、22を集合管18fへ集合させ、後シリンダ1、1に後側排気管としての第1排気管21、21を接続し、これらの第1排気管21、21をディフューザ部分23、23を介して第2排気管22、22に接続し、これらの第2排気管22、22を集合管18rへ集合させ、最終的に、集合管18f、18rを総集合管19へ集合させたものである。
【0005】
シリンダに連結された第1排気管21・・・(・・・は複数を示す。以下同じ。)の下流側に、拡径部としてのディフューザ部分23・・・を介在させた。ディフューザ部分23・・・を介在させることによって、ある気筒からの排気による圧力波のエネルギを消費させ、別の気筒へ伝達され難くしている。
【0006】
しかし、特許文献1の技術は、第1排気管21・・・には、各々ディフューザ部分23・・・が設けられているため、排気装置のサイズが大きくなり、排気装置に係るレイアウトに制限が生ずる場合がある。加えて、第1排気管21・・・のサイズが大きくなると、排気装置の費用は高くなる可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、排気管が集合される集合管を備えたV型4気筒エンジンの排気装置において、排気による他の気筒への圧力波の影響を緩和し、排気管のサイズを抑え、併せて、レイアウトの自由度を高める技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、車体フレームに、クランクシャフトを中心に斜め前上方に延びている前シリンダと斜め後上方に延びている後シリンダとをV字状に配置したV型4気筒エンジンを搭載し、前シリンダに前側排気管を接続するとともに後シリンダに後側排気管を接続し、前側排気管を前集合管へ集合させ、後側排気管を後集合管へ集合させ、前集合管と後集合管とを全体集合管へ集合させたV型4気筒エンジンの排気装置において、前集合管と全体集合管の間または後集合管と全体集合管の間には、前集合管の管径または後集合管の管径よりも大きな管径を有し排気の圧力波を減衰させる膨張管が備えられていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明では、膨張管は、後集合管に備えられており、この後集合管は、車両の長手方向前向きに延びており、全体集合管には、触媒を内蔵する触媒管が備えられ、
前集合管と後集合管とは、V型4気筒エンジンの下方で触媒管に接続され、この触媒管は、全体集合管へ接続されることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明では、膨張管は、平面視でU字状に曲がる曲がり部を備え、後集合管は、曲がり部の下流で前集合管と集合されていることを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明では、触媒管は、V型4気筒エンジンに備えられているオイルパン部に隣接して配置されていることを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明は、後集合管および全体集合管を車体フレームに連結するステー部が、後集合管と全体集合管とに掛け渡されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明では、前集合管と全体集合管の間または後集合管と全体集合管の間には、前集合管または後集合管の管径よりも大きな管径を有する膨張管が備えられている。
前側排気管または後側排気管を通過した排気は、前集合管または後集合管に入り、前集合管または後集合管を通過した排気は、膨張管で膨張され、膨張によって排気のもつエネルギは減衰する。排気のもつエネルギが減衰すれば、圧力波は低減され、前集合管または後集合管から他方の排気管に伝わる圧力波も減衰する。
【0014】
また、前集合管または後集合管のうちの一方の集合管の圧力波が膨張管を備えた他方の集合管に入ってきた場合にも、膨張管で圧力波は低減される。
本発明では、前集合管または後集合管に、膨張管を接続したので、圧力波の影響を緩和させることができる。
【0015】
さらに、各排気管に、膨張管を設ける場合に較べると、排気管の配置に必要なスペースを抑えることができる。排気管の配置に必要なスペースが抑えられれば、排気管レイアウトの自由度を高めることができる。
さらにまた、各々の排気管に膨張管は不要となり、各々の排気管の内径を大きくする必要はないため、装置費用を抑えることができる。
【0016】
請求項2に係る発明では、後集合管は、車両の長手方向前向きに延びており、エンジンの下方で前集合管とともに触媒管に接続されているので、前集合管と後集合管の各々に触媒管を設ける場合と比較すると、1つの触媒管で排気装置を構成することができる。排気装置を1つの触媒管で済ませることができれば、装置費用を抑えることができる。
また、前集合管および後集合管は、エンジンの下方で触媒管に接続されているので、車両の低重心化とマスの集中化を図ることができる。
【0017】
請求項3に係る発明では、膨張管は、平面視でU字状に曲がる曲がり部を備えており、この曲がり部で排気をターンさせるようにした。曲がり部を備えた膨張管で排気をターンさせるようにしたので、排気のターンによる損失を低減させることが可能となり、エンジンの出力を高めることができる。
【0018】
請求項4に係る発明では、触媒管は、オイルパン部に隣接して配置されている。エンジンの下方に張り出しているオイルパン部に隣接して触媒管を設けることで、触媒管をよりコンパクトに配置することができるとともに、車両マスの集中化を図ることができる。
【0019】
請求項5に係る発明では、後集合管と全体集合管とに掛け渡されているステー部は、車体フレームに連結されている。ステー部に集合管の補強部材と排気装置の車体フレームへの取付部材とを兼ねさせるようにしたので、部品点数を削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。図中、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」は、各々車両に着座した乗員から見た方向である。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係るV型4気筒エンジンが搭載されている自動二輪車の左側面図であり、車両としての自動二輪車10には、車体フレーム11が備えられている。
車体フレーム11は、ヘッドパイプ12と、このヘッドパイプ12から後方に延ばし内燃機関としてのエンジン13の上部および後部を支持するメインフレーム14と、このメインフレーム14の後端上部から後方に延ばし乗員シート15を支持し、バッテリ16などの電装部品などを取り付け、且つ、リヤフェンダ17を含む車体後部18を支持するリヤフレーム19とからなる。
【0021】
ヘッドパイプ12には、フロントフォーク24が設けられており、このフロントフォーク24の下端部に前輪25が取り付けられ、フロントフォーク24の上端部に前輪25を操舵する操舵ハンドル26が設けられている。
【0022】
メインフレーム14の後部には、ピボット軸27が設けられ、このピボット軸27から後方にリヤスイングアーム28が延ばされ、このリヤスイングアーム28の先端部にエンジン13により駆動される後輪31が取り付けられている。後輪31は、エンジン13と後輪31との間を結ぶドライブシャフト32によって駆動される。
【0023】
車体フレーム11には、エンジン13(以下、「V型4気筒エンジン13」とも云う。)が搭載されており、このV型4気筒エンジン13には、排気装置33が備えられている。V型4気筒エンジン13は、クランクケース37と、このクランクケース37に設けたクランクシャフト34を中心に斜め前上方に延びている前シリンダ35と、クランクシャフト34を中心に斜め後上方に延びている後シリンダ36とをV字状に配置したものである。
【0024】
図中、41はエンジン13を冷却するラジエータユニット、42はフロントフォークに設けたフロントデイスクブレーキユニット、43は操舵ハンドルに設けたフロントマスタシリンダ、44はメインフレーム14に取り付けた燃料タンク、45はリヤフレーム19に取り付けた同乗者用ステップ、46はフロントフェンダ、47はカウル、48はミラー、49はリヤデイスクブレーキユニット、51はメインスタンド、52はサイドスタンドである。
【0025】
図2は本発明に係るV型4気筒エンジンが搭載されている自動二輪車の下面図であり、図1を併せて参照し説明を行う。
V型4気筒エンジン13の前シリンダ35(前部シリンダブロック35)には、左右2本の前側排気管61L、61Rが連結され、これらの前側排気管61L、61Rはエンジン13の下部を構成するクランクケース37の下方に延設されたのち後方に延設され、クランクケース37の下方に設けた1本の前集合管62に集合される。この前集合管62は、クランクケース37の下方に配置された触媒管63に連結されている。触媒管63は、排気中に含まれる、例えば、窒素酸化物などを除去するものである。この触媒管63は、オイルパン部64に隣接して配置されている。
【0026】
エンジン13の下方に張り出しているオイルパン部64に隣接して触媒管63を設けたので、デッドスペースを有効に活用でき、触媒管63をよりコンパクトに配置することができるとともに、車両マスの集中化を図ることができる。
【0027】
V型4気筒エンジン13の後シリンダ36には、左右2本の後側排気管71L、71Rが連結されている。後側排気管71L、71Rは、後シリンダの後方に延設される第1後側排気管72L、72Rと、これらの第1後側排気管72L、72Rの先端に連結されエンジン13のクランクケース37の下方まで延設され、前方に延設されたのち1本の後集合管74に連結される第2後側排気管73L、73Rとからなる。
【0028】
後集合管74は前方に延設され、下面視で略U字状に形成した膨張管75に接続され、この膨張管75は触媒管63を介して、この触媒管63の後方に配置した全体集合管76に接続される。
膨張管75は、後集合管74の管径よりも大きな管径を有し排気の圧力波を減衰させるものである。
なお、本実施例において、膨張管75は、後集合管74と全体集合管76の間に備えられているが、前集合管62と全体集合管76の間に設けることは差し支えない。
【0029】
図3は本発明に係るV型4気筒エンジンが搭載されている自動二輪車の要部右側面図であり、エンジン13の下部を構成するクランクケース37の下方に、車両の前後に延びており後側排気管71L、71Rを集合し連結される後集合管74が配置され、この後集合管74に前述した膨張管75が連結され、この膨張管75に触媒管63が連結され、この触媒管63に全体集合管76が連結され、この全体集合管76に、後輪31の右側方で車両の前後に延びている消音器81が連結されている。82はステップブラケット、83はフットブレーキペダルである。
【0030】
図4は本発明に係る自動二輪車に設けられている排気装置の斜視図、図5は本発明に係る自動二輪車に設けられている排気装置の平面図である。以下、図1〜図5を併せて参照し説明を行う。
排気装置33は、前シリンダ35に接続される前側排気管61L、61Rと、これらの前側排気管61L、61Rの先端に接続され前側排気管61L、61Rが集合される前集合管62と、後シリンダ36に接続される後側排気管71L、71Rと、これらの後側排気管71L、71Rの先端に接続され後側排気管71L、71Rが集合され車両の長手方向前向きに延びている後集合管74と、この後集合管74の先端に連結され平面視略U字状を呈する膨張管75と、この膨張管75と前集合管62とが集合される全体集合管76とからなる。
【0031】
全体集合管76の上流側入口には、触媒を内蔵する触媒管63が接続されている。
前集合管62と後集合管74とは、V型4気筒エンジン13の下方で触媒管63に接続され、この触媒管63は、全体集合管76へ接続される。84は触媒管63の下方を覆う保護カバー、85a、85bは酸素センサが差し込まれるセンサ口、86はステー部である。
【0032】
後集合管74は、車両の長手方向前向きに延びており、エンジン13の下方で前集合管62とともに触媒管63に接続されているので、前集合管62と後集合管74の各々に触媒管63を設ける場合と比較すると、1つの触媒管63で排気装置33を構成することができる。排気装置33を1つの触媒管で済ませることができれば、装置費用を抑えることができる。
また、前後の集合管62、74は、エンジン13の下方で触媒管63に接続されているので、車両の低重心化とマスの集中化とを図ることができる。
【0033】
図2および図5を参照して、後集合管74および全体集合管76を車体フレーム11に連結するステー部86が、後集合管74と全体集合管76とに掛け渡されている。
後集合管74と全体集合管76は、車両の前後方向に互いに略平行に延びており、後集合管74から車両の内方にL字状の第1サブステー87が延設され、全体集合管76から車両の内方にL字状の第2サブステー88が延設され、第1サブステー87と第2サブステー88とを突き合わせた突き合わせ部89が設けられ、この突き合わせ部89に、車体フレーム11に取り付けるためのブラケット91が設けられている。つまり、ステー部86は、第1サブステー87と第2サブステー88とブラケット91とからなる。第1サブステー87と第2サブステー88とが突き合わされる突き合わせ部89を設けたので、複数の管部材から構成される排気装置33の剛性を高めることができる。
【0034】
なお、ステー部86のほか、膨張管75とこの膨張管75の近傍に配置される前側排気管61L、61Rとの間に掛け渡した前サブステー92および全体集合管76とこの全体集合管76の近傍に配置される後側排気管71L、71Rとの間に掛け渡した後サブステー93とが設けられており、排気装置33全体の剛性をさらに高めることができる。
【0035】
さらに、後集合管74と全体集合管76とに掛け渡されているステー部86は、車体フレーム11に連結されている。集合管74、76の補強部材と排気装置33の車体フレーム11への取付部材とを兼ねさせるようにしたので、部品点数を削減することができる。
【0036】
図6は本発明に係る自動二輪車に設けられている膨張管を説明する断面図、図7は図5の7−7線断面図である。以下、図6〜図7を参照して説明を行う。
膨張管75は、入口が内径D1、出口が内径D3、曲がり部95が内径D2(>D1、>D3)を有する部材である。曲がり部95は拡径部となっている。
【0037】
膨張管75は、平面視でU字状に曲がる曲がり部95を備え、後集合管74は、曲がり部95の下流で前集合管(図5の符号62)と集合されている。
膨張管75は、平面視でU字状に曲がる曲がり部95を備えており、この曲がり部95で排気をターンさせるようにした。曲がり部95を備えた膨張管75で排気をターンさせるようにしたので、排気のターンによる損失を低減させることが可能となり、エンジン(図1の符号13)の出力を高めることができる。
【0038】
膨張管75は、前述のように、入口96、曲がり部95および出口97の各部で内径の大きさが異なるように形成した部材である。各部で内径の大きさが異なるため、上半部98とこの上半部98に突き合わせた下半部99とを突き合わせた構造を採った。
【0039】
以上に述べたV型4気筒エンジンの排気装置の作用を次に述べる。
図5に戻って、後集合管74と全体集合管76の間には、後集合管74の管径よりも大きな管径を有する膨張管75が備えられている。
前集合管62または後集合管74を通過した排気は、膨張管75で膨張され、膨張によって排気のもつエネルギは減衰する。排気のもつエネルギが減衰すれば、圧力波は低減され、後集合管74から別の排気管に伝わる圧力波も減衰する。
【0040】
また、前集合管62または後集合管74のうちの一方の集合管の圧力波が膨張管75を備えた他方の集合管に入ってきた場合にも、膨張管75で圧力波は低減される。
本発明では、前集合管62または後集合管74に、膨張管75を接続したので、圧力波の影響を緩和することができる。
【0041】
さらに、各排気管に、膨張管を設ける場合に較べて、排気管の配置に必要なスペースを抑えることができる。排気管の配置に必要なスペースが抑えられれば、排気管レイアウトの自由度を高めることができる。
さらにまた、各々の排気管の内径を大きくする必要はないため、装置費用を抑えることができる。
【0042】
図8は本発明に係る自動二輪車に設けられている触媒管を説明する断面図、図9は図8の9−9線断面図、図10は図8の10−10線断面図である。以下、図8〜図10を参照して説明を行う。
【0043】
触媒管63は、断面半長円形状の上半体111と、断面半長円形状の下半体112とを各々のフランジ部113、114で突き合わせたケース体115の内側に、触媒ユニット116が取り付けられており、この触媒ユニット116の上流側に、前集合管62の出口が連結されるとともに、後集合管(図5の符号74)の出口が膨張管75を介して連結されている。また、触媒ユニット116の下流側に、全体集合管76が連結されている。
【0044】
触媒ユニット116は、触媒ユニット116の外周前部に設けた支持部118、118を介してケース体115に保持される。
触媒ユニット116の外周後部は、ケース体115に設けたくびれ部121と嵌合しており、触媒ユニット116が長手方向に膨張する場合でも、当該くびれ部121にて摺動可能に支持することができる。
ケース体115の後部には、上半体111と下半体112との間に補強パイプ123が掛け渡されており、いわゆるモナカ構造をもつケース体115に所定の剛性をもたせるようにした。
【0045】
図11は図10の11矢視図であり、触媒管63の下方を覆う保護カバー84が取り付けられている。保護カバー84は、4箇所の支持部118・・・にて触媒管63に取り付けられている。
保護カバー84の表面には、V字状のビード125、125が形成されており、薄板状の保護カバー84の剛性を高めるとともに、振動の発生などを抑えるようにした。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、集合管を備えたV型4気筒エンジンの排気装置に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係るV型4気筒エンジンが搭載されている自動二輪車の左側面図である。
【図2】本発明に係るV型4気筒エンジンが搭載されている自動二輪車の下面図である。
【図3】本発明に係るV型4気筒エンジンが搭載されている自動二輪車の要部右側面図である。
【図4】本発明に係る自動二輪車に設けられている排気装置の斜視図である。
【図5】本発明に係る自動二輪車に設けられている排気装置の平面図である。
【図6】本発明に係る自動二輪車に設けられている膨張管を説明する断面図である。
【図7】図5の7−7線断面図である。
【図8】本発明に係る自動二輪車に設けられている触媒管を説明する断面図である。
【図9】図8の9−9線断面図である。
【図10】図8の10−10線断面図である。
【図11】図10の11矢視図である。
【符号の説明】
【0048】
11…車体フレーム、13V…V型4気筒エンジン、33…排気装置、34…クランクシャフト、35…前シリンダ、36…後シリンダ、61L、61R…前側排気管、62…前集合管、63…触媒管、64…オイルパン部、71L、71R…後側排気管、74…後集合管、75…膨張管、76…全体集合管、86…ステー部、95…曲がり部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体フレームに、クランクシャフトを中心に斜め前上方に延びている前シリンダと斜め後上方に延びている後シリンダとをV字状に配置したV型4気筒エンジンを搭載し、前記前シリンダに前側排気管を接続するとともに前記後シリンダに後側排気管を接続し、前記前側排気管を前集合管へ集合させ、前記後側排気管を後集合管へ集合させ、前記前集合管と前記後集合管とを全体集合管へ集合させたV型4気筒エンジンの排気装置において、
前記前集合管と前記全体集合管の間または前記後集合管と前記全体集合管の間には、前記前集合管の管径または前記後集合管の管径よりも大きな管径を有し排気の圧力波を減衰させる膨張管が備えられていることを特徴とするV型4気筒エンジンの排気装置。
【請求項2】
前記膨張管は、前記後集合管に備えられており、この後集合管は、車両の長手方向前向きに延びており、
前記全体集合管には、触媒を内蔵する触媒管が備えられ、
前記前集合管と前記後集合管とは、前記V型4気筒エンジンの下方で前記触媒管に接続され、この触媒管は、前記全体集合管へ接続されることを特徴とする請求項1記載のV型4気筒エンジンの排気装置。
【請求項3】
前記膨張管は、平面視でU字状に曲がる曲がり部を備え、
前記後集合管は、前記曲がり部の下流で前記前集合管と集合されていることを特徴とする請求項2記載のV型4気筒エンジンの排気装置。
【請求項4】
前記触媒管は、前記V型4気筒エンジンに備えられているオイルパン部に隣接して配置されていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載のV型4気筒エンジンの排気装置。
【請求項5】
前記後集合管および前記全体集合管を前記車体フレームに連結するステー部が、前記後集合管と前記全体集合管とに掛け渡されていることを特徴とする請求項2、請求項3又は請求項4記載のV型4気筒エンジンの排気装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2010−7610(P2010−7610A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−169655(P2008−169655)
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】