説明

熱収縮性断熱パッケージング

容器用の断熱包装材料の製造方法が開示される。断熱材の第1層を容器の周りに置くことができ、熱収縮性材料の第2層を第1層の周りに置くことができ、熱を加えて層を熱収縮させ、そしてラベルを容器の輪郭に適合させることができる。断熱包装材料は、熱収縮後にその保温性および保冷性を保持することができる。断熱包装材料はラベルとして使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、断熱層および熱収縮性層を含む断熱パッケージングの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
収縮ラベルは優れた店頭アピールおよび容器上で最大の広告空間を提供する。しかしながら、従来の収縮ラベルは容器のために十分な断熱を提供しない。
【0003】
米国特許第3,979,000号明細書、同第4,034,131号明細書、同第4,038,446号明細書および同第4,071,597号明細書は、独立気泡ポリスチレン組成物および非気泡ポリマー層のラミネートを含む保護熱収縮気泡スリーブを開示している。しかしながら、これらの収縮発泡体ラベルは不十分なグラフィックス品質および非常に低い断熱値を提供する。
【0004】
容器用の断熱閉鎖容器は公知である。例えば、米国特許第4,871,597号明細書を参照されたい。この閉鎖容器は、第1のまたは最内布層、ポリマー発泡体を含む第2の最内断熱層、第3の最内金属化ポリマーフィルム反射層、および最外布メッシュ層を含む。しかしながら、4つの異なる層の使用は、容器のために良好な断熱を提供するが、製造するのが厄介であり得るし、そのことは容器の有用性を制限する。
【0005】
米国特許出願第09/832503号明細書は、少なくとも1つの熱収縮性面材料に積層された断熱層を含む断熱ラベルを開示している。
【0006】
製造しパッケージに付けるのに安価であるが、十分な断熱を提供するために十分に厚く、そして柔軟であるために十分に薄く、かつ優れたグラフィックス品質を提供する断熱包装材料を開発する必要性がある。かかる材料は、容器に付けるのが容易である断熱包装材料を提供することができ、かつ、優れたグラフィックス品質を提供し、そして断熱収縮ラベルとして使用することができる。断熱性を失うことなく熱収縮して簡単なおよび/または複雑な輪郭の容器の一面にフィットし得る材料を開発することもまた望ましい。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第1層、第2層を含む、または容器の側壁部分に係合する容器の外側に第1層を付けて表面もしくは表面の一部をカバーする工程と、第2層を第1層にもしくはその周りに付けて第2層の内面を第1層の外面に係合させる工程と、第1層にまたはその周りに付けられている第2層を収縮させる工程とによって製造される容器用の断熱包装材料を製造するために用いることができる方法であって、第1層が断熱材を含みまたはそれから製造され、第2層が熱収縮性材料を含みまたはそれから製造され、そして収縮が第1層および第2層を容器の輪郭に適合させる方法を含む。好ましくは第2層は、第1層を有意に圧縮することなく第1層の周りに収縮させられる。また好ましくは、収縮後に第2層は第1層のそれより大きい表面積を有し、それによって第1層の全域および第1層によってカバーされていない容器の表面の少なくとも一部をカバーする。
【0008】
本発明にはまた、上に開示された方法によって製造された容器および断熱包装材料(例えば収縮ラベル)を含む包装システムが含まれるか、または断熱包装材料で断熱された食品もしくは飲料を貯蔵するために使用することができる容器が含まれる。包装システムおよび容器は、飲料缶およびポリエステル吹込成形ボトルを含むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
断熱包装材料は断熱層を含むことができる。断熱材は、構造体中に空域を提供する構造を有し、こうして断熱性を提供することができる。断熱層は、断熱の単位、またはCLOで測定した際に0.05より大きい熱抵抗を有することができる。CLO単位は衣類の熱抵抗の単位と定義される。熱抵抗のSI単位は、ワット当たりの平方メートル・ケルビン(m2・K/W)である(「織物用語および定義(Textile Terms and Definitions)」、第10版、織物協会(Textile Institute)、1995年、66、350ページを参照されたい)。CLOは衣類の観点から定義されるが、この測定は任意の織物システムの熱抵抗を記載するために用いることができ、本明細書では本発明の断熱層の熱抵抗を記載するために用いられる。CLO値は断熱層のために使用される材料およびその厚さに依存する。断熱層が0.05CLO(0.0077m2・K/W)から1.0CLO(0.154m2・K/W)まで、あるいはまた0.9CLO(0.139m2・K/W)まで、あるいはまた0.7CLO(0.108m2・K/W)まで、あるいはまた0.5CLO(0.07m2・K/W)までの熱抵抗を有する包装材料は注目すべきである。本発明の断熱層なしで製造されたラベルのCLO値は、本明細書に示される熱抵抗(0.05CLO、または0.0077m2・K/W)より低い。
【0010】
断熱層は、ポリエステル、ポリエチレンまたはポリプロピレンを含む有機熱可塑性繊維ベースの材料を含んでもよい。好ましい実施形態では、断熱層は、ポリエステルを含むファイバーフィル・バットである。カンザス州ウィッチタのコッホ・インダストリーズ(コッホ)(Koch Industries of Wichita,Kansas(Koch))によってサーモライト(THERMOLITE)(登録商標)アクティブ・オリジナル(Active Original)として販売されるファイバーフィル・バットを本発明に使用することができる。本発明での使用に好適であるファイバーフィル・バットの例は、容器へのその付着前に10g/m2〜200g/m2の範囲の面重量および0.3g/cm3未満の嵩密度を有する。あるいはまた、断熱層は、メルトブローン・ポリオレフィンなどの、メルトブローン繊維(例えば、ミネソタ州ミネアポリスの3M(3M)(3M of Minneapolis,Minnesota(3M))によって、シンスレート(THINSULATE)(登録商標)として入手可能な)を含んでもよい。
【0011】
断熱層用の断熱材の多くの他の変形を本発明で使用することができる。例えば、断熱層は発泡体を含んでもよい。発泡体はポリウレタンもしくはポリプロピレン、ポリエチレンまたは当該技術分野で公知であるような任意の他の発泡体であってもよい。あるいはまた、断熱層は、ガラスウール、ホウケイ酸ガラスまたはロックウールを含む無機熱可塑性繊維ベースの材料でできていてもよい。
【0012】
あるいはまた、断熱層は、例えば、コッホから商標クールマックス(COOLMAX)(登録商標)で販売される、テトラチャネルまたはスカロップ卵形繊維から製造された編布を含んでもよい。または断熱層は織材料またはフリース材料であってもよい。断熱層はまた、フェルト、または嵩高い不織布もしくはニードルド不織布などの、ある種の不織布を含むことができよう。
【0013】
本発明の断熱材は、それがパッケージのための十分な断熱を提供するのに十分な厚さであるように、厚さが0.0075インチ(0.0190cm)より大きい。しかしながら、包装材料は柔軟であるために十分に薄い、例えば、0.125インチ(0.318cm)未満であることが望ましい。かかる断熱包装材料は0.05より高いCLO値を有する。
【0014】
断熱層はまた、上記のような断熱材の単層からなってもよい。しかしながら、それはまた、断熱層への面材料を含む少なくとも1つの追加層とのラミネートであることもできる。従って、本発明は、面材料を含む少なくとも1つの追加層をさらに含む上記のような断熱層を考慮する。面材料はフィルム、紙、箔、および/または布であってもよい。
【0015】
面材料は、断熱材の面の1つまたは両方に付けられる。例えば、面材料は、それが、特に自動化機械によって、容器に一層効果的に付けられ得るように断熱層の構造的完全性を高めるかもしれない。面材料の厚さは包装材料の全厚さと比較してわずかなものであるので、面材料の1つ以上の層の任意の使用は好ましくは、実質的に包装材料の厚さに影響を及ぼさない。
【0016】
断熱材は少なくとも1つの面材料に積層することができる。「積層」とは、ホットメルト接着剤などの接着剤、または他の手段によって材料の層を一体化させることを意味する。好適な一ホットメルト接着剤は、米国ミネソタ州セントポールのH.B.フラー(H.B.Fuller of St.Paul,Minnesota,USA)によるタイプ(Type)NP−2075−Tなどの反応性ポリウレタンである。別の好適な接着剤は、ローム・アンド・ハース・カンパニーのモートン・ディビジョン、米国ペンシルバニア州フィラデルフィア(Morton Division of Rohm and Haas Company,Philadelphia,Pennsylvania,USA)によって提供されるアドコート(ADCOTE)(登録商標)である。多層構造体中のヒートシール性層もまた、面材料を断熱材に接着するのに好適である。
【0017】
例えば、断熱材は、フィルム、紙、箔または布の2シート間に積層されて本発明の断熱層を形成する。面材料の2シートが使用されるとき、両シートは同じタイプの面材料を含んでもよいし、または面材料のシートは互いに異なってもよい。面材料に有用なフィルムは好ましくは、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)などの)、ポリエチレンまたはポリプロピレンから選択された材料を含む熱可塑性材料でできている。フィルムは単層フィルムまたは多層フィルムであってもよい。かかるフィルムは、共押出、積層、押出コーティングなどをはじめとする当該技術分野で公知の方法によって製造することができる。フィルムは場合により金属化フィルムであってもよい。
【0018】
一実施形態では、共押出されたヒートシール性のポリエステルフィルムが面材料として使用されてもよい。かかる好適なフィルムには、商標メリネックス(MELINEX)(登録商標)301−Hでデラウェア州ウィルミントンのデュポン・テイジン・フィルムズ(デュポン・テイジン)(DuPont Teijin Films of Wilmington,Delaware(DuPont Teijin))によって販売されるタイプのものが含まれる。これらのフィルムは、ヒートシール性層としてのイソフタル酸ベースのコポリエステルと共押出されたポリエチレンテレフタレートを含む。厚さに応じて、ヒートシール性層は、全フィルム厚さの約10〜約50%を占め、約15〜約30%が好ましい。
【0019】
面材料はまたヒートシール性フィルムであってもよい(加熱を受けたときに長さおよび/または幅が収縮する)。好ましくは、使用された場合、熱収縮性面材料は、熱が面材料に加えられたとき、縦方向にまたは「フープ方向に」など、一方向に優先的に収縮して容器を取り囲む。好適な熱可塑性フィルムにはまた、ポリ(塩化ビニル)、ポリエチレングリコール(PEG)、イーストマン(Eastman)のイースター(EASTAR)TMPETGコポリエステル6763(イーストマン・ケミカル・カンパニー、テネシー州キングスポート(イーストマン)(Eastman Chemical Company,Kingsport,Tennessee(Eastman))などのグリコール変性PET(PETG)、PET/PETGブレンド、非晶性PET、延伸ポリスチレン(OPS)および延伸ポリプロピレン(OPP)が含まれてもよい。
【0020】
共押出された溶剤シール性の熱収縮性ポリエステルフィルム(マイラー(MYLAR)(登録商標)D868フィルムなどの)もまた使用することができる。フィルムの外面層はポリエステルコポリマーを含むことができ、テトラヒドロフラン(THF)などの、収縮スリーブの製造のために一般に使用される溶接またはシーリング溶剤に対して感受性がある。2ミル(0.0051cm)の厚さを有するマイラー(登録商標)D868フィルムについては、縦または「フープ」方向の収縮は60〜80%の範囲にあり、フープ方向に垂直の収縮は0〜10%の範囲にある。熱収縮は、フィルムサンプルの長さおよび幅寸法を測定し、サンプルを100℃(212°F)水浴に30分間浸漬し、次に長さおよび幅を測定してフィルム収縮の量を計算することによって測定される。
【0021】
断熱材と断熱層を形成するのに好適な面材料の層とを含むウェブストックの製造は次の方法によって行うことができる。ファイバーフィル・バットなどの、断熱層のために使用される断熱材のシートは供給ロールからフィードされる。接着剤は面材料と断熱材との間に付けられる。この接着剤は、フィードロールとカレンダーロールとの間に配置される1つ以上のコーティングローラーによって付けられる。接着剤は、当該技術分野で公知の、そしてフィードロールとカレンダーロールとの間に配置された、一対のキスロールおよびパン・アセンブリを用いて付けられてもよい。あるいはまた、接着剤は噴霧器でまたは押出機で付けられてもよい。面材料を供給ロールからフィードし、接着剤でコートし、ファイバーフィル・バットの少なくとも1つの表面に積層することができる。あるいはまた、ヒートシール性層を含む多層フィルムが面材料のために使用される。
【0022】
断熱材のシートおよび面材料の1つもしくは2つのシートを一対のカレンダーロール間のカレンダーロールニップ中へフィードすることができる。ロールは、任意のヒートシール性材料または接着剤を活性化させて面材料への断熱材の接着を達成するために加熱されてもよい。熱収縮面材料が存在する場合、面材料の収縮を活性化させないようにカレンダーロールは加熱されないか、熱収縮開始温度より低い温度に加熱されるかのどちらかである。カレンダーロールは、積層に好適なニップ圧力を生成するのに適切な距離で互いに移動させられる。あるいはまた、面材料の単一シートを一積層操作で断熱材の一表面に積層することができ、そして面材料の第2シートを第2積層操作で断熱材の反対面に積層することができる。積層包装材料が形成され、次に巻取ロールを用いてプロセス装置を通して引っ張られる。
【0023】
0.0075インチ(0.0190cm)より大きい厚さの、とりわけ0.0075インチ(0.0190cm)から0.125インチ(0.318cm)まで、あるいはまた0.100インチ(0.254cm)まで、あるいはまた0.07インチ(0.1778cm)まで、あるいはまた0.06インチ(0.1524cm)までの範囲の厚さの断熱層がこうして製造される。
【0024】
断熱ウェブストックの形成の後に、ウェブストックのエッジをシールするホットナイフでの所望の幅へのウェブストックのカッティングが続いてもよい。あるいはまた、エッジは溶剤溶接によってシールされてもよい。所望の幅は一般に、所望の容器の軸に平行であろうラベルの寸法である。
【0025】
用語「シールドエッジ」は、空気および流体がウェブストックの当該部分を通過することができないようにウェブストックの縁が閉じられていることを意味する。例えば、シールドエッジの領域での断熱材の構造は、材料中の空域が閉鎖されるように熱、超音波および/または溶剤の適用によって変えられる。場合によっては、断熱包装材料がフィルム面材料の2つのシート間に積層されて断熱層を形成するとき、2つのフィルムはウェブストックのエッジで一緒に接合され、一体へ融合されて永久的なシールを生成する。場合によっては、面材料のシートがそれらを一緒に接合することを容易にするために互いに直接接触しているように面材料のシートのエッジが断熱包装材料のエッジを越えて伸びることが望ましいかもしれない。
【0026】
この段階で依然としてウェブストックの長いロールの形態の断熱材は、次により短い小片へカットされてもよく、それは好ましくはまた、所望の容器の周りを円周方向にラップするのに好適な長さを有する、シールドエッジを有してもよい。あるいはまた、ウェブストックのロールからの断熱材の所望の長さへのカッティングは、断熱層を容器に付ける操作の一環として起こる。
【0027】
熱収縮性面材料が断熱層の一部として使用されるとき、断熱層は、面材料が容器の外面に面するように面材料が断熱層の内面上にあるように容器に付けることができる。
【0028】
本明細書に記載されるような断熱材は、商標クール2ゴー(Cool2go)(登録商標)でイー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(デュポン)(E.I.du Pont de Nemours and Company(DuPont))によって販売されるタイプのものであってもよい。
【0029】
第2層は、断熱包装材料が規則的および不規則的輪郭の容器の周りに形成されてもよいように熱収縮性である。
【0030】
第2層のために使用されてもよい好ましい熱収縮性フィルムには、ポリエステル、ポリプロピレンまたはポリエチレンが含まれる。好適な熱収縮性の熱可塑性フィルムにはまた、ポリ(塩化ビニル)、ポリエチレングリコール(PEG)、イーストマン製のイースターTMPETGコポリエステル6763などのグリコール変性PET(PETG)、PET/PETGブレンド、非晶性PET、米国オハイオ州コロンバスのプラスチック・サプライヤー社(Plastic Suppliers,Inc.of Columbus,Ohio USA)製のラベルフレックス(LABELFLEX)(登録商標)またはポリフレックス(POLYFLEX)(登録商標)などの延伸ポリスチレン(OPS)、および延伸ポリプロピレン(OPP)が含まれるかもしれない。デュポン・テイジンによって商標マイラー(登録商標)D868で販売されるポリエステル熱収縮性フィルムもまた好適である。スチーム、放射熱および/またはマイクロ波放射線によって活性化される熱収縮フィルムが本発明に使用されてもよい。
【0031】
熱収縮性層は、縦方向にまたは「フープ方向に」などの、一方向に優先的に収縮して容器を取り囲む熱収縮材料で形成されてもよい。このタイプの熱収縮材料は一般に、緯度方向および縦方向の両方に収縮する材料よりも、収縮後のサイズが予測可能なために外観がより良好で歪曲がより少ない。加えて、一般により少量の方向優先的に収縮する材料が容器表面をカバーするために必要とされる。
【0032】
この収縮層は、外面(すなわち、断熱層と反対方向を向く、そして生じたラベルの最外面である表面)上に印刷されてもよく、または印刷面が生じたラベルの内部上にあるように内面上に印刷(裏面印刷)されてもよい。典型的には、表面印刷か裏面印刷かのどちらかが、それがカッティングおよび/または容器への付着によって熱収縮性層を形成する前にフィルムのウェブで実施される。
【0033】
加熱された空気またはスチームを収縮トンネルで容器上へ吹きかけることなどによる加熱時に、第2層の熱収縮性フィルムは、断熱ラベルに収縮させて容器の輪郭の周りにフィットさせる。
【0034】
一実施形態では、非熱収縮フィルムなどの非熱収縮材料が面材料として断熱層に積層される。一実施形態では、熱収縮性層は加熱によって影響を受ける唯一の材料である。
【0035】
あるいはまた、断熱層の任意の面材料もまた熱収縮性であってもよい。ここで、熱収縮層は、断熱層用の面材料として場合により使用されるものと同じ熱収縮性材料を使用して製造されてもよい。あるいはまた、熱収縮性第2層および断熱第1層の面材料用に異なる熱収縮性材料を使用することもまた本発明の範囲内である。第1層の熱収縮性面材料が異なる熱収縮を有し、そして第1層の面材料および第2層の熱収縮性フィルムが同じ温度に加熱されるときに第2層の熱収縮性フィルムとは異なる程度に収縮する実施形態は注目すべきである。異なる熱収縮性の熱収縮性フィルム、断熱層の面材料用のものと熱収縮性層用のものとが使用されるときに、容器の周りのより均一な収縮が得られるかもしれない。例えば、断熱層での面材料は、ラベルストックが熱収縮後に容器形状により均一に適合するように、熱収縮性層よりもっと収縮してもよい。これは、断熱材により断熱層の熱収縮面材料および熱収縮層の両方を同時に同じ温度に加熱することが困難になる場合、容器表面をより均一にカバーするのに役立ち得るであろう。これはまた、熱収縮中に断熱層の圧縮を最小限に抑えるのにも有用であり、その結果最大断熱能力が提供される。さらに、変わった輪郭の容器にラベルを付けるために、収縮開始温度、収縮速度、または内面層か外面層かのどちらかの最大の得られる収縮を修正してぴったりした、しわのないラベルを得ることが有利であり得る。
【0036】
第2層は好ましくは、それが第1層の全域をカバーし、そして第1層によってカバーされない容器の表面の少なくとも一部と接触するように第1層のそれより大きい表面積を有する。例えば、熱収縮性層は、それが断熱層の上方および/または下方で容器の側壁と接触するようなサイズにされてもよい。場合によっては、熱収縮性層は断熱層の上方で(容器の開口端近くで)および断熱層の下方で(容器の閉鎖端近くで)側壁と接触する。場合によっては、熱収縮性層は容器の底部外面(すなわち、容器の閉鎖端)と接触し、そして容器の底部の少なくとも一部の周りに収縮する。場合によっては、熱収縮性層は開口部の外周で容器と接触し、外周の周りに収縮してもよい。
【0037】
本発明による断熱包装材料(例えば、ラベル)は、水などの流体がそのエッジまたは面を透過できないように好ましくはシールされる。流体透過はラベルの断熱能力に悪影響を及ぼすかもしれない。上に示されたように、断熱層のエッジはその製造の一環としてシールされてもよい。好ましくは、熱収縮性層は、流体が断熱層の面に達するのを防ぐように流体を通さない。ラベルを容器に適合させることに加えて、外側の熱収縮性層は、特にそれが断熱層のそれより大きい表面積を有する場合に、ラベルの外周の周りにぴったりしたシールを形成することによって断熱層への流体透過を防ぐのに有用であるかもしれない。
【0038】
上記のような断熱材を含む第1層は、容器の表面積のかなりの部分をカバーするように容器の側壁部分に円周方向に係合する容器の外側に付けられる。断熱層は手動でまたは機械もしくは機械の組み合わせによって付けられてもよい。好ましくは、断熱層は、当該目的に合わせられた自動化機械によって付けられる。例えば、前縁および後縁を有する容器を取り巻くための所望寸法のフラットシートは、後縁が前縁に隣接して置かれる、またはそれとオーバーラップするように、容器の周りにラップされてもよい。場合によっては、断熱層の内面を容器の外面に接着剤で貼り付けることが望ましいかもしれない。あるいはまた、断熱層の前縁および後縁は、それが容器の周りにラップされた後で一緒に接合される。接合は、ヒートシールを達成するための熱の適用、接着剤の塗布、または溶剤溶接法での溶剤の適用によって行われてもよい。例えば、断熱層の前縁の内面に塗布された接着剤は、断熱層を容器の外面に接着させ、断熱層は容器の周りにラップされ、そして後縁の内面に塗布された接着剤は、エッジがオーバーラップする区域で後縁を前縁の外面に接着させる。接着剤面テープなどの、両エッジにオーバーラップし、そしてそれに付着するストリップがまたエッジを一緒に接合してもよい。あるいはまた、他の場合には、断熱層は、それが下記のような第2層の付着前に接合または接着することなく容器の周りにラップされたままであるほど十分な剛性を有してもよい。さらに他の場合には、断熱層は、第2層の付着前に機械的手段によって容器の周りに保持されてもよい。例えば、断熱層は、断熱層を容器の周りに保持するために造形されたキャビティによって容器の周りに保持されてもよい。あるいはまた、ラベルを付けるために用いられるものなどの好適な機械が、第2熱収縮層がその周りに逐次ラップされるまで断熱層を容器の周りに保持するために配置構成されてもよい。
【0039】
断熱層は、カリフォルニア州フラートンのトライン・ラベリング・システムズ(Trine Labeling Systems of Fullerton,California)から入手可能なトライン4500ラベラー(Trine 4500 Labeler)などの、普通のロールフィード式(roll−fed)ラベリング機によって、飲料容器などの容器に付けられてもよい。あるいはまた、断熱層は、独国ノイトラウブリングのクロネスAG(Krones AG of Neutraubling,Germany)により製造されたカナマチック(Canamatic)などのカット/積み重ねラベラーによって付けることができる。独国デュッセルドルフのヘンケル・グループ(Henkel Group of Dusseldorf,Germany)製のユーロメルト(Euromelt)385、またはミネソタ州セントポールのH.B.フラー・カンパニー製のHM1672などの標準的なホットメルト接着剤を、断熱ラベルを容器に接着させるために使用することができる。
【0040】
あるいはまた、断熱層は、容器の一面に置かれている一般に円筒形の開口端スリーブまたはチューブを形成してもよい。この形状で使用することができる断熱層の例は、それが容器の外円周の周りにラップされるように長さにカットされ、そして容器にわたって付けられるニットチューブである。断熱材は典型的には、断熱ウェブストックを容器の周りに置く前に反対エッジを接合することによってスリーブを形成する。反対エッジを接合するのに好適な方法は上述されている。一方法として、スリーブは、場合により、マンドレルの周りでウェブストックをループにし、結び付けそして溶剤溶接法でカットエッジを一緒にシールすることによって形成されてもよい。スリーブが形成された後、それが容器の一面に落とされるかまたは容器がスリーブ中へ滑り込むかのどちらかである。あるいはまた、スリーブは、容器がスリットを通してスリーブ中へ挿入されてもよいように軸方向のスリットを有してもよい。
【0041】
断熱層が容器に付けられた後、熱収縮することができる第2層が断熱層の一面に容器に付けられる。熱収縮性材料を含む第2層は、第2層の内面が第1層の外面に円周方向に係合するように第1層の周りに付けられる。それは、第1断熱層の周りにラップされたフラットシートとしてかまたは断熱層にわたって付けられるスリーブもしくはチューブとして付けられてもよい。例えば、熱収縮性層は延伸ポリスチレンを含んでもよい。第2の熱収縮性層を付けるための方法は、断熱層について上に記載されたものに類似している。
【0042】
スリーブの形態の熱収縮性層は、アメリカン・フジ・シール社インタースリーブ(American Fuji Seal Inc.Intersleeve)収縮アプリケーターかまたは独国ノイトラウブリングのクロネスAGから入手可能なクロネス・スリーブマチック(Krones Sleevematic)ラベリング機を用いて付けることができる。
【0043】
あるいはまた、「ロールオン、シュリンクオン」(ROSO)アプローチを第2の熱収縮性層を付けるために用いることができる。このアプローチでは、熱収縮性材料のフラットシートがウェブストックのロールから供給され、容器の周りにラップされる。シートの前縁が先ずホットメルト接着剤で容器に固定され、シートが容器の周りにラップされ、次に後縁がホットメルト接着剤で固定される。例えば、シートの後縁は、それが前縁とオーバーラップするように置かれ、次に接着剤で固定される。この操作の間に、熱収縮性層はウェブストックのロールから容器の周りをラップするのに適切な長さにカットされる。「ロールドオン」熱収縮性層は次に、下記のように、乾式加熱またはスチームを適用することによって収縮して容器にフィットする。このROSOアプローチは、好適なラベリング機がカリフォルニア州フラートンのトライン・ラベリング・システムズ製のトライン4500である、自動化機械を用いて行うことができる。
【0044】
熱収縮性層は収縮トンネルでの加熱によって収縮されてもよく、それを容器に適合させ、断熱スリーブをその下で容器にしっかりと保持し、そしてきれいな完成外観を提供する。材料の質量および収縮トンネルでの滞留時間に応じて、熱は、約85℃〜約260℃の範囲の温度の熱風またはスチームによって提供されてもよい。その結果は、容器の周りにラップされた断熱層および熱収縮性層を含む収縮ラベルである。
【0045】
容器の表面積のかなりの部分をカバーするように断熱包装材料(ラベル)でラップされた、そして本明細書に記載される方法で製造された容器を含む断熱包装システムもまた提供される。容器での使用に好適な材料には、アルミニウムのような金属、ガラス、プラスチック、板紙などが含まれる。容器は、飲料および食品の安全な貯蔵および消費に好適な缶またはボトルであってもよい。あるいはまた、容器はコップであってもよい。コップの場合には、コップは、使い捨てコーヒーカップなどの一人前分量の温かい飲料のために一般に使用されるタイプのものであってもよい。あるいはまた、コップは、アイスクリーム・カートンまたは他の食品カートンなどのカートンであってもよい。多くの場合に、容器はまた、消費者が内容物を摂取するときまで容器の開口部をシールするクロージャーを有することができる。かかるクロージャーは、パッケージング技術でよく知られているスクリューキャップ、フリクションフィット・キャップなどのキャップを含む。クロージャーはまた、缶またはプラスチック再密閉可能装備品のための「引き上げ式(pop−top)」開口部を含む。クロージャーはまた、容器開口部に密閉シールされる剥離性リディングフィルムを含む。
【0046】
あるいはまた、断熱層は、熱収縮性スリーブを熱収縮させる前に断熱層を適所に保持するための好適なへこみを有するようにデザインされた容器に付けられる。容器上のフランジまたは隆起部は同様な機能を果たすことができる。断熱層を適所に保持することに加えて、かかるへこみまたはフランジは、熱収縮時に断熱層の望ましくない圧縮を防ぐのに役立ち得る。
【0047】
コップなどの容器が、最上部円周が底部円周よりかなり大きい、円錐断面デザインのものである場合、本発明の第1の断熱層はコップにぴったりフィットするように類似の円錐断面形状で造形されてもよい。第2の熱収縮性層もまた類似の円錐形状に造形され、次にコップおよび断熱層の周りで適所に熱収縮されてもよい。
【0048】
本明細書で記載されるような断熱包装材料の第一の機能は、非断熱容器より長い期間容器の内容物の温度を維持することである。例えば、周囲温度より高い温度に加熱された断熱容器の内容物は、非断熱容器のそれより遅い速度で温度が低下するであろう。同様に、冷たい内容物は断熱容器においてより長く冷たいままであろう。断熱容器の別の利点は、加熱された内容物入りの容器を取り扱うときに消費者の高温への暴露を低減することである。
【0049】
断熱包装材料またはラベルが容器を断熱する能力は、加熱された飲料または食品の温度をより長い期間より熱く維持することにとどまらずに適用されてもよい。多くの食品および飲料は、細菌を殺し、そして食品または飲料汚染を防ぐために殺菌されるかまたは指定時間指定温度(5分以上の間160°Fなどの)に加熱される。しばしば、瓶詰め業者および他の食品容器充填業者は、対流熱損失が温度を時間と共に低下させるので、容器内容物が必要な時間最低温度(例えば160°F)より高い温度に保つのに必要とされる最低温度(例えば190°F以下)よりはるかに高い温度に容器の内容物を加熱する。断熱包装材料は、効果的な働きが得られるように、容器内容物を長期にわたってより高い温度に維持することができる。例えば、最高加熱温度は下げられてもよく、それはエネルギー節約をもたらす。あるいはまた、これらの効果的な働きはまた、それらがより高い加熱温度に耐えることができないので避けられていた、異なる容器材料が使用されてもよいことを意味し得る。
【0050】
容器用の断熱ラップとしてのその機能に加えて、断熱包装材料はまたラベルとしても機能することができる。上に示されたように、第2スリーブは印刷することができる。印刷は、消費者に情報を提供するおよび/またはパッケージに快適な外観を与えるために用いることができる。本発明の熱収縮性層は、先行技術の発泡体保護ラベルを用いて達成されるものより高品質の印刷グラフィックスを提供する。
【0051】
本発明は下記の実施例によって例示される。標準ラベルと比較して本発明の断熱材(ラベル)を評価するために用いられる試験方法が下に記載される。
【実施例】
【0052】
試験方法
断熱材厚さは、ミツトヨ絶対エレクトロニック−コード(Mitutoyo Absolute Electronic−Code)#7004厚さゲージを用いて測定する。
【0053】
冷却継続期間比較試験
使用した原材料
2つの同一容器(例えば、適切なクロージャー付きボトルまたは缶)。
容器にとって妥当なサイズの非断熱ラベル。
容器にとって妥当なサイズおよび所望の断熱材厚さの断熱ラベル。
ブリンクマン・インスツルメント、ニューヨーク州ウェストベリー(Brinkman Instrument,Westbury,NY)によって製造された、ラウダ・エコリン(Lauda Ecoline)#RE:206と約7フィートの1/2インチ外径および3/8インチ内径の食品グレード・タイゴン(Tygon)(登録商標)管材料とを含む一定温度浴および循環システム。
フルケ(Fluke)52IIデジタル温度計(Digital Thermometer)などの0.1°Fまで正確な較正された熱電対。
環境を所与の温度および湿度(例えば70°Fおよび40%相対湿度(RH))に維持することができる環境チャンバー。
【0054】
手順
非断熱および断熱ラベルを試験容器に付けた。容器を等量の水で満たし、キャップをした。
【0055】
氷および水浴を70°F/40%RH環境チャンバー中にセットし、両容器を1時間以上またはそれらが完全に平衡になるまで氷−水浴に入れた。
【0056】
一定温度浴を70°F/40%RH環境チャンバー中にセットした。タイゴン(登録商標)管材料を一定温度浴に取り付けて一定温度溶液を循環させるためのループを形成した。一定温度浴を85°Fにセットし、それが完全に平衡になるまでランさせた。
【0057】
容器を氷浴から取り出し、乾燥させた。
【0058】
タイマーをスタートさせ、容器のキャップを外し、初期温度を測定して記録した。容器に再びキャップをした。
【0059】
タイゴン(登録商標)管材料の5つのコイルを各容器の周りにぴったりラップし、一定温度浴を通した水循環をスタートさせた。
【0060】
5分間隔で、キャップを取り去り、各容器の中心での温度を測定し、水をできるだけ少ししか乱さなかった。これらの測定を、各容器中の内部温度が60°Fを超えるまで続けた。
【0061】
32°F−55°F比較について:
各容器が55°Fに達するのに要した時間をプロットまたはデータのXY散布図に由来するトレンドライン式から測定した。
【0062】
断熱ラベル対非断熱ラベルの比較(「%より長くより冷たい」)は式(1)に従って計算することができる:
100(時間ex−時間st)/時間st=%より長くより冷たい (1)
式中、時間stは非断熱容器が55°Fに達するための時間であり、時間exは断熱容器が55°Fに達するための時間であった。
【0063】
42°F−55°F比較について
各容器中の水の温度が32°Fから42°Fに上がるための時間を測定した。
【0064】
先に測定したトレンドラインに由来する多項式で、xの代わりにx+tを用いた。ここで、tは各容器が42°Fに達するために要した時間であった。
【0065】
温度を、時間0でスタートする新たな式で再計算した。これはデータを変えず、ラインを同じ開始点にシフトさせたにすぎなかった。
【0066】
データを上記のように再プロットし、容器中の水がより長くより冷たくとどまる時間の百分率を式(I)に従って計算した。
【0067】
断熱測定
下記の実施例については、断熱層のために使用する材料の初期CLOを、冷凍浴付き機器である、日本国京都の加藤鉄工株式会社から市販されている「サーモラボ(Thermolabo)II」で測定した。該浴は、ペンシルバニア州ピッツバーグのアライド・フィッシャー・サイエンティフィック(Allied Fisher Scientific of Pittsburgh,Pennsylvania)から入手した。ラボ条件は21℃および65%相対湿度である。サンプルは10.5cm×10.5cmである一片サンプルであった。
【0068】
6g/cm2でのサンプルの厚さ(インチ単位)を、メリーランド州ゲイサースバーグのフレーザー・プレシジョン・インスツルメント・カンパニー社(Frazier Precision Instrument Company,Inc., of Gaithersburg,Maryland)から市販されている、フレーザー圧縮計(Frazier Compressometer)を用いて測定した。6g/cm2での厚さを測定するために、次式を用いてダイアル上でPSI(平方インチ当たりのポンド)(平方センチメートル当たりのキログラム)をセットした:(6.4516cm2/インチ2)(6g/cm2)/453.6g=0.8532ポンド/インチ2
【0069】
フレーザー圧縮計較正チャート(1インチ、または2.54cm直径プレッサー・フート)上で0.8532の読みは、トップダイアルを3.5psi(平方センチメートル当たり0.2キログラム)にセットすることによって、6g/cm2での厚さが測定されることを示した。
【0070】
サーモラボII機器を次に較正した。温度センサーボックス(BTボックス)を室温より10℃高くセットした。BTボックスは3.3インチ×3.3インチ(8.4cm×8.4cm)である。2インチ×2インチである熱板をボックスの中心に置き、発泡スチレンによって取り囲んだ。室温水を、金属水ボックスを通して循環させて一定温度を維持した。サンプルを水ボックス上に置き、BTボックスをサンプルの上に置いた。BTボックスがその温度を1分間維持するために必要とされるエネルギーの量(ワット単位)を記録した。サンプルを3回試験した、そして次の計算を行う:
熱伝導率(W/cm℃)=(W)(D×2.54)/(A)(ΔT) (2)
式中、W=ワットであり、D=6g/cm2での測定サンプルのインチ単位の厚さである。(BTボックスの重量が150gであり、BTボックス上の熱板の面積が25cm2であるので、6g/cm2を用いた)、2.54はインチおよびセンチメートル間の変換のための係数であり、A=BTプレートの面積(25cm2)であり、ΔT=10℃である。
CLO=厚さ×0.00164/熱伝導率
【0071】
0.00164の値は、2.54の補正(厚さをインチからセンチメートルに直す)に、cm2×℃/ワット単位の熱抵抗を熱伝導率に変換するための0.0006461の補正係数を掛けたものを含む複合係数であった。熱伝導率を抵抗に変換するために、伝導率を式の分母に置いた。
【0072】
実施例1
断熱パッケージング層を、断熱材および面材料が熱積層法を用いて一緒に接着される方法に従って製造した。商標サーモライト(登録商標)アクティブ・オリジナルでコッホ・インダストリーズによって販売されるタイプのファイバーフィル・バットを断熱材として使用した。該ファイバーフィル・バットは、0.25インチ(0.63cm)の指定厚さで100g/m2の面重量、または0.013g/cm3の嵩密度を有した。このバットの厚さを、ニードリングおよびカレンダリングによって約0.030インチ(0.0012cm)に低減した。
【0073】
面材料として使用したフィルムは、商標メリネックス(登録商標)301−Hでデュポン・テイジンによって販売されるタイプのものであった。本実施例では、面材料の一シートは厚さが1.2ミル(0.0012インチ、または0.0030cm)であり、面材料の第2シートは厚さが0.48ミル(0.00048インチ、または0.00122cm)であった。フィルムを、バットと接触するヒートシール性層と共にファイバーフィル・バットに積層した。ヒートシール性層を、下の表1にまとめられる、240〜350°F(116〜177℃)の温度で活性化させた。異なる活性化温度を用いることの効果は、より低い温度でより大きい厚さおよびより大きい断熱値、そしてより高い温度でより少ない厚さおよびより低い断熱値を与えることであった。最終ウェブストック厚さは、積層後に、0.025インチ(0.064cm)であった。
【0074】
表1

【0075】
上記の積層断熱材を製造し、12オンス(355ml)飲料缶の周りにラップするのに好適な寸法(約10cm×21cm)にカットして本発明に使用される断熱層を形成した。16オンス(473ml)飲料缶の周りにラップするのに好適な寸法(約12.7cm×21cm)にカットした別の断熱層をこの積層断熱材から製造した。吹込成形ポリエステル飲料ボトルの周りにラップするのに好適な適切な寸法(約5cm、8cmまたは10cm×20.5cm)の他の断熱層もまたこの積層断熱材から製造した。
【0076】
上記のものに類似の断熱ストックは、商標クール2ゴー(登録商標)でデュポンによって販売されるタイプのものである。
【0077】
実施例2
実施例1の断熱層を、3Mから入手可能な9415PCなどの、転写テープを用いて手動で付けて炭酸飲料を貯蔵するのに好適な缶に断熱層を接着させた。断熱層を、缶と接触するより薄い面材料と共に缶の右側円筒形部分の周りに付けた。好適な収縮特性の延伸ポリスチレン(オハイオ州コロンバスのプラスチック・サプライヤー社製の商標ポリフレックスで入手可能な)を含む熱収縮性スリーブをまた、手動で断熱容器の一面に付けた。このスリーブは全体断熱層をカバーし、缶のネックイン部分上でそれの上方および下方に約1.3cm伸びた。断熱層および熱収縮性層を含む断熱ラベルシステムを次に、缶を170℃オーブンに10秒間入れることによって収縮させた。
【0078】
実施例3
実施例1の断熱層を、3Mから入手可能な9415PCなどの、転写テープを用いて手動で付けて、缶と接触するより薄い面材料と共に断熱層を飲料缶に接着させた。延伸ポリスチレンを含む熱収縮性スリーブをまた、実施例2に記載したように手動で断熱層容器の一面に付けた。断熱層および熱収縮性層を含むラベルシステムを次に、450°Fにセットした熱風ガンで加熱することによって収縮させた。
【0079】
実施例4
実施例1の5cm幅断熱層を、3Mから入手可能な9415PCなどの、転写テープを用いて手動で付けて、炭酸飲料を貯蔵するのに好適な吹込成形ポリエステルボトルに断熱層を接着させた。断熱層を、ボトルと接触するより薄い面材料と共にネックイン区域下方のボトルのラベル区域部分の周りに付けた。好適な収縮特性の延伸ポリスチレン(オハイオ州コロンバスのプラスチック・サプライヤー社製の商標ポリフレックスで入手可能な)を含む熱収縮性スリーブをまた、手動で断熱容器の一面に付けた。このスリーブは全体断熱層をカバーし、ネックイン区域上へそれの上方に約2.5cm、それの下方に約9cm伸び、ボトルの底部に伸びた。断熱層および熱収縮性層を含む断熱ラベルシステムを次に、175℃オーブン中に10秒間入れることによって収縮させた。
【0080】
他の断熱ボトルを、実施例1の8cmおよび10cm断熱層を使用して、同様に製造した。
【0081】
実施例5
実施例1の断熱層を、カリフォルニア州フラートンのトライン・ラベリング・システムズから入手可能なトライン4500ラベラーなどの、普通のロールフィード式ラベリング機によって飲料容器に付けた。H.B.フラー製のHM1672などの標準的なホットメルト接着剤を使用して断熱層を容器に接着させた。
【0082】
断熱層を容器に付けた後、熱収縮することができる延伸ポリスチレンを含む第2層を断熱層の一面に容器に付けた。熱収縮性層はスリーブ形状にあり、ケンタッキー州バーズタウン(Bardstown,Kentucky)のアメリカン・フジ・シール社製のインタースリーブ・ラベル付着機を用いて付けた。収縮スリーブを、容器サイズおよび処理量に応じて、収縮トンネルで212〜500°Fの熱スチームで収縮させ、熱収縮性スリーブを缶に適合させ、断熱層をその下で容器にしっかりと保持し、きれいな完成外観を提供した。
【0083】
実施例6
実施例1に記載された断熱層を、独国ノイトラウブリングのクロネスAGによって製造されたカナマチックなどのカット/積み重ねラベラーによって飲料缶に付けた。H.B.フラー製のHM1672などの標準的なホットメルト接着剤を用いて断熱層を容器に接着させた。
【0084】
トライン・ラベリング・システムズ製のトライン4500を用いる、延伸ポリスチレンを含む収縮性層を付ける「ロールオン、シュリンクオン」アプローチを用いた。該ラベルシステムを次に、熱風またはスチームの適用によって収縮トンネルで缶上へ収縮させた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の側壁部分に係合する容器の外側に第1層を付けて表面または表面の一部をカバーする工程と、第2層を第1層にまたはその周りに付けて第2層の内面を第1層の外面に係合させる工程と、第1層にまたはその周りに付けられている第2層を収縮させる工程とを含む容器のための断熱包装材料の製造方法であって、該第1層が好ましくは断熱材を含みまたはそれから製造され、該第2層が好ましくは熱収縮性材料を含みまたはそれから製造され、該収縮が第1層および第2層を容器の輪郭に適合させ、そして好ましくは該第1層が容器の側壁部分に円周方向に係合し、かつ、第2層が第1層の外面に円周方向に係合する方法。
【請求項2】
前記第2層が前記第1層を有意に圧縮することなく第1層の周りに収縮させられる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
収縮後の前記第2層が前記第1層のそれより大きい表面積を有し、そして好ましくは第1層の全域と第1層によってカバーされない前記容器の表面の少なくとも一部とをカバーする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記断熱材が熱収縮前に0.0075インチより大きい厚さを有し、そして好ましくはファイバーフィル・バット、発泡体、または両方を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記断熱材が0.0077m2・K/Wより大きい熱抵抗を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1層が、フィルム、紙、箔、または布であり、そして好ましくはポリエステル、ポリエチレンもしくはポリプロピレン、ポリ(塩化ビニル)、ポリエチレングリコール、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレングリコールブレンド、非晶性ポリエチレンテレフタレート、延伸ポリスチレン、延伸ポリプロピレン、またはそれらの2つ以上の組み合わせを含むフィルムまたは金属化フィルムである面材料を含む少なくとも1つの追加層をさらに含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記面材料が、熱が該面材料に加えられたときに一方向に優先的に収縮する熱収縮性フィルムである請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第2層が、熱が加えられたときに一方向に優先的に収縮する熱収縮性フィルムを含み、そしてポリエステル、ポリエチレンもしくはポリプロピレン、ポリ(塩化ビニル)、ポリエチレングリコール、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレングリコールブレンド、非晶性ポリエチレンテレフタレート、延伸ポリスチレン、延伸ポリプロピレン、またはそれらの2つ以上の組み合わせを含む熱収縮性フィルムを好ましくは含む請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法によって製造された容器および断熱包装材料を含む包装システム。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法によって製造された断熱包装材料で断熱された容器。
【請求項11】
前記容器が飲料缶、吹込成形ポリエステルボトル、または両方である請求項9に記載の包装システムまたは請求項10に記載の容器。

【公表番号】特表2008−529834(P2008−529834A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−554304(P2007−554304)
【出願日】平成18年2月7日(2006.2.7)
【国際出願番号】PCT/US2006/004172
【国際公開番号】WO2006/086333
【国際公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】