説明

特定の乳化剤に基づくエマルジョン

【課題】ボディケア製剤として、また、とりわけ、含浸および湿潤ユーティリティ並びに衛生ペーパータオル用に用い得る、特定の非常にマイルドなエマルジョンの提供。
【解決手段】(a)ポリオールポリ-12-ヒドロキシステアレート、(b)グリセリド、炭化水素、シリコーン油、ジアルキルエーテルおよび炭酸ジアルキル、またはこれらの混合物よりなる群から選ばれる油成分、(c)5〜25重量%の水、を含有する油中水または水中油のエマルジョンに関する。該エマルジョンは、優れた柔軟性により特徴付けられ、ボディケア剤、並びに、織布、不織布およびペーパー用の含浸・増白剤として好適である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボディケア製剤として、また、とりわけ、含浸および湿潤ユーティリティ並びに衛生ペーパータオル用に用い得る、特定の非常にマイルドなエマルジョンに関する。
【背景技術】
【0002】
総称である“ペーパー”は、およそ3000にわたる種々のタイプや商品を網羅し、これらはその用途や特性において時に著しく相違する。ペーパーの製造には数々の添加剤の使用を要し、中でも最も重要な添加剤は充填剤(例えば、チョークまたはカオリン)および結合剤(例えば、澱粉)である。人肌と比較的密接に接触するようになるティッシュや衛生紙にとって、注意深い繊維の選択および、とりわけ新しい木材パルプまたはセルロースにより通常付与される心地良いソフト感に対し特別な必要性がある。しかし、ペーパー製造者の経済上の理由から、また環境上の観点から、低品質な紙くずを大量に使用することが望ましい。残念なことに、このことは、ぺーパーの柔軟さが著しく低減され、使用者にとって煩わしく、また、皮膚の炎症さえも特に頻繁に使用した場合に引き起こされ得ることを意味する。
【0003】
従って、より心地良いソフト感が達成されるように含浸、コーティングまたは他の表面処理によってティッシュペーパーを処理する試みが過去に絶えることはなかった。この目的のため、ペーパーへの適用が容易で、その構造に悪影響を与えない特別なローションおよびエマルジョンを開発する必要がある。柔軟性を向上させるには、非イオン性界面活性剤または非イオン性およびアニオン性界面活性剤の組み合わせがしばしば用いられる。ポリシロキサンおよびカチオン性ポリマーもまたこの目的に使用される。
【0004】
国際特許出願WO95/35411は、20〜80重量%の無水皮膚軟化薬(鉱油、脂肪酸エステル、脂肪アルコールエトキシレート、脂肪酸エトキシレート、脂肪アルコールおよびこれらの混合物)、5〜95重量%の皮膚軟化薬用“固定化”剤(脂肪基中に12〜22個の炭素原子を有する脂肪アルコール、脂肪酸または脂肪アルコールエトキシレート)および1〜50重量%のHLB値が好ましくは4〜20である界面活性剤を含有する軟化組成物でコーティングされたティッシュペーパーに関する。この文献中に言及された実施例は全て、皮膚軟化薬としてワセリンを含有する。国際特許出願WO95/35412には、(a)鉱油、(b)脂肪アルコールまたは脂肪酸、および(c)脂肪アルコールエトキシレートの無水混合物を軟化剤として用いる同様のティッシュペーパーが記載されている。国際特許出願WO95/16824には、鉱油、脂肪アルコールエトキシレートおよび非イオン性界面活性剤(ソルビタンエステル、グルカミド)を含有するティッシュペーパー用の軟化組成物が記載されている。更に、国際特許出願WO97/30216(Kaysersberg)には、長鎖脂肪アルコールおよび水含有量比率が非常に高い合計50個の炭素原子を有するワックスエステルに基づくペーパーハンカチーフ用の軟化組成物が記載されている。しかし、性能の観点から、処理紙の柔軟性、加工挙動および手触りの改良が、今なお必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明により解決すべき課題は、それを用いると特に心地良いソフト感を有するドライユーティリティのペーパー、とりわけティッシュペーパーおよびティッシュ布を製造し得るエマルジョンを提供することであった。このエマルジョンは優れたケア特性を有するであろうし、その感覚特性において従来のスキンケア配合と類似するであろうし、際立ったマイルドさと皮膚適合性により特徴付けられるであろう。本発明により解決すべき他の面での課題は、再生紙含有量の高いティッシュペーパーにでさえ適合するであろう製剤を提供することであった。同時に、ごく容易に生物分解可能な助剤が用いられるであろうし、この組成物は容易にティッシュ中へ浸透し、均一にその中で分散するであろう。また、この組成物は、高濃度の形態においてさえ低粘性であるため容易に加工できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
驚くべきことに、定義された量の水を用いて特定の乳化剤と油成分に基づいた製剤は、再生紙含有量の高い極めて特別なティッシュペーパーの場合であってですら、ペーパー製品の柔軟性を著しく向上させ、優れた感覚特性を有し、容易に加工でき、そして際立ったマイルドさにより特徴付けられることが見出された。
【0007】
このように、本発明は、
(a) ポリオールポリ-12-ヒドロキシステアレート
(b) グリセリド、炭化水素、シリコーン油、ジアルキルエーテルおよび炭酸ジアルキル、またはこれらの混合物よりなる群から選ばれる油成分
(c) 5〜25重量%の水
を含有するw/oまたはo/wエマルジョンに関するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明のエマルジョンは、高濃度の形態においてさえ粘性が低いため容易に加工できる。好ましい態様では、エマルジョンは23℃での粘度が100〜10,000mPa.sの範囲内であり、好ましくは500〜5,000mPa.sの範囲内、とりわけ2,000〜4,000mPa.sの範囲内である(Brookfield RVF、スピンドル 5、10 r.p.m.、23℃)。特定の乳化剤および選ばれる油成分に加え、エマルジョンは5〜25重量%、好ましくは10〜25重量%、とりわけ12〜20重量%の水を含有する。本発明による組成物は、好ましくはw/oエマルジョンとして存在する。その小さい液滴サイズのため、エマルジョンは非常に素早くティッシュ中へ浸透し、その中で均一に分散する。他の利点は、実質的に無臭の製剤は環境毒性的に(oekotoxikologisch)安全であり、とりわけ、容易に生体分解が可能である。本発明のエマルジョンは非常にマイルドなボディケア製剤としても特に好適である。
【0009】
ポリオールポリ-12-ヒドロキシステアレート
成分(a)を形成するポリオールポリ−12−ヒドロキシステアレートは、例えば“Dehymuls(商標)PGPH”および“Eumulgin(商標) VL 75”(ココグルコシドとの重量比1:1での混合物)の名称で、Cognis Deutschland GmbHにより市販されている既知の物質である。この関係で、欧州特許EP0766661B1が参照される。これらの乳化剤のポリオール成分は、ヒドロキシル基を少なくとも2個、好ましくは3〜12個、より好ましくは3〜8個有する、炭素原子数2〜12の物質から誘導し得る。典型的な例は、
(a)グリセロールおよびポリグリセロール;
(b)アルキレングリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール;
(c)メチロール化合物、例えばとりわけ、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリトールおよびジペンタエリスリトール;
(d)アルキル基中の炭素原子数1〜22、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜4のアルキルオリゴグルコシド、例えばメチルおよびブチルグルコシド;
(e)炭素原子数5〜12の糖アルコール、例えばソルビトールまたはマンニトール;
(f)炭素原子数5〜12の糖、例えばグルコースまたはスクロース;
(g)アミノ糖、例えばグルカミン
である。
【0010】
本発明に従って使用するのに好適な乳化剤のうち、ポリグリセロールに基づく反応生成物が、その優れた適用性能の故に特に重要である。下記同族体分布(好ましい範囲は括弧内に示す)を有するポリグリセロールとポリ−12−ヒドロキシステアリン酸の反応生成物を用いると特に有利であるとわかった。
グリセロール : 5〜35(15〜30)重量%
ジグリセロール : 15〜40(20〜32)重量%
トリグリセロール : 10〜35(15〜25)重量%
テトラグリセロール: 5〜20( 8〜15)重量%
ペンタグリセロール: 2〜10( 3〜 8)重量%
オリゴグリセロール: 100重量%とする
【0011】
本発明によれば、ポリオールポリ-12-ヒドロキシステアレート、ジカプリリルエーテル、およびココグリセリド(重量比1:1:1)に基づく乳化剤混合物であるDehymuls(商標)SBL(Cognis Deutschland GmbHにより市販)を油成分として用いると特に有利である。
【0012】
本発明によると、ポリオールポリ-12-ヒドロキシステアレートはエマルジョン中で、3〜30重量%、好ましくは10〜25%、とりわけ15〜25重量%の量で存在する。
【0013】
油成分
本発明において、成分(b)として用いられる油成分は、グリセリド、炭化水素、シリコーン油、ジアルキルエーテルおよび炭酸ジアルキル、またはこれらの混合物よりなる群から選ばれる物質である。油成分は全て、好ましくは20℃で液体である。本発明の特に好ましい態様は、粘度が1〜100mPa.s.、好ましくは1〜50mPa.s(Hoeppler/落球法、Deutsche Gesellschaft fuer Fettchemie, DGF C-IV 7, 20℃)の希薄液状油成分の使用により特徴付けられる。油成分は、通常、本発明のエマルジョン中、全組成物に基づき20〜70重量%の量で存在する。20〜60重量%の量が好ましく、30〜50重量%の量が特に好ましい。
【0014】
グリセリドは、天然(動物性或いは植物性)または合成に由来し得るグリセロールの脂肪酸エステルである。モノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセリドがある。それらは合成有機化学の該当する方法によって製造し得る既知の物質である。合成的に製造されたグリセリドは、通常、モノ−、ジ−およびトリグリセリドの混合物であって、相当するトリグリセリドをグリセロールとエステル交換することにより、または脂肪酸の選択的エステル化により得られる。本発明によると、脂肪酸はC6-24の脂肪酸であり、中でもC6-18の脂肪酸が好適であり、C8-18の脂肪酸が特に好適である。脂肪酸は分岐または非分岐、飽和または不飽和であってよい。本発明によると、20℃で液体である植物由来のグリセリド、とりわけ、主としてジ−およびトリグリセリドのC8-18脂肪酸との混合物であって、例えばMyritol(商標)331の名称でCognis Deutschland GmbHにより市販されているココグリセリドを用いることが好ましい。
【0015】
本発明に従う使用に好適な油成分には、天然および合成の、脂肪族および/またはナフテン系の炭化水素、例えばスクアラン、スクアレン、パラフィン油、イソヘキサデカン、イソエイコサンまたはポリデセン、およびジアルキルシクロヘキサンも含まれる。20℃で液体の炭化水素は、ペーパー上での組成物の良好な分散を確保するために、特に好適である。
【0016】
本発明によると、他の好適な油成分は液体シリコーン油である。これには例えば、シクロメチコーン、ジメチルポリシロキサンおよびメチルフェニルポリシロキサン並びにこれらのアルコキシル化および4級化類似体などのようなジアルキルおよびアルキルアリルシロキサンが含まれる。好適な非揮発性シリコーン油、例えば、ポリアルキルシロキサン、ポリアルキルアリルシロキサンおよびポリエーテルシロキサンコポリマーが、Cosmetics: Science and Technology(M. BalsamおよびE. Sagarin編), Vol. 1, 1972, pp. 27-104、US4,202,879およびUS5,069,897に記載されている。
【0017】
本発明によると、他の好適な油成分は、直鎖または分岐の、対称または非対称の、飽和または不飽和の、アルキル(レン)基当たり12〜24個の炭素原子を有するジ-n-アルキル(レン)エーテル、例えば、ジ-n-オクチルエーテル、ジ-(2-エチルヘキシル)-エーテル、ラウリルメチルエーテルまたはオクチルブチルエーテル、ジドデシルエーテルまたはジベヘニルエーテルであり、20℃で液体のエーテルが好ましい油成分である。
【0018】
直鎖または分岐の、飽和または不飽和の、C6-22脂肪アルコールカーボネートもまた好適である。このような化合物は、ジメチルまたはジエチルカーボネートと相当するヒドロキシ化合物との既知の方法によるエステル交換によって得てよい。関連する概説は、Chem. Rev. 96, 951 (1996)に見出すことができる。炭酸ジアルキル(レン)の典型的な例は、ジメチルおよび/またはジエチルカーボネートと、カプロンアルコール、カプリルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、カプリンアルコール、ラウリルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルミトレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、リノリルアルコール、リノレニルアルコール、エレオステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコールおよびブラシジルアルコール、並びにそれらの工業用混合物(例えば、脂肪および油に基づく工業用メチルエステルの高圧水素添加において得られる)、との完全または部分エステル交換生成物である。20℃で希薄液状の炭酸ジアルキル(レン)、例えば、ジヘキシル、ジオクチル、ジ-(2-エチルヘキシル)またはジオレイルカーボネートが特に好適である。
【0019】
好ましい態様では、エマルジョンは、ジカプリルエーテル、C8-18グリセリド、またはこれらの物質の混合物を油成分として含有する。本発明によると、ポリオールポリ-12-ヒドロキシステアレートの油成分に対する重量比率(a:b)が0.2〜2:1に特徴付けられるエマルジョンが特に好ましい。
【0020】
保湿剤/皮膚保湿液
他の好ましい態様において、本発明によるエマルジョンは、感覚特性と組成物の安定性の向上に寄与し、肌の水分量を調節するのに役立ち、エマルジョンのペーパー中への浸透を促進する、少なくとも一つの保湿剤を含有する。保湿剤は、通常、1〜20重量%、好ましくは5〜15重量%、とりわけ5〜10重量%の量で存在する。
【0021】
本発明によると、好適な保湿剤はとりわけ、アミノ酸、ピロリドンカルボン酸、乳酸およびそれらの塩、ラクチトール、尿素および尿素誘導体、尿酸、グルコサミン、クレアチニン、コラーゲンの分解生成物、キトサン或いはキトサン塩/誘導体および、とりわけ、ポリオールおよびポリオール誘導体(例えば、グリセロール、ジグリセロール、トリグリセロール、エチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エリスリトール、1,2,6-ヘキサントリオール、PEG-4, PEG-6, PEG-7, PEG-8, PEG-9, PEG-10, PEG-12, PEG-14, PEG-16, PEG-18, PEG-20などのポリエチレングリコール)、糖類および糖誘導体(とりわけ、フルクトース、グルコース、マルトース、マルチトール、マンニトール、イノシトール、ソルビトール、ソルビチルシランジオール、スクロース、トレハロース、キシロース、キシリトール、グルクロン酸およびその塩)、エトキシル化ソルビトール(ソルベス-6, ソルベス-20, ソルベス-30, ソルベス-40)、ハチミツおよび硬化ハチミツ、硬化でんぷん加水分解物および硬化小麦タンパク質とPEG-20-アセテートコポリマーの混合物である。本発明によると、特に好ましい保湿剤は、グリセロール、ジグリセロールおよびトリグリセロールである。
【0022】
消炎剤/抗炎症剤
本発明によるエマルジョンの好ましい態様は、とりわけ炎症性の皮膚プロセスまたは赤くなって痛む皮膚を和らげる意図で、少なくとも一つの消炎剤/抗炎症剤を含有する。消炎剤は通常、0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜7重量%、とりわけ1〜5重量%の量で存在する。
【0023】
本発明によると、ビサボロール、アラントインおよびパンテノールおよびビサボロールが特に好ましい。ビタミンおよびビタミン前駆体並びにタンパク質加水分解物もまた、創傷治癒を促進し得る。
【0024】
創傷治癒/消炎物質をしばしば相乗的に組み合わせて含有する植物抽出物もまた好適である。このような抽出物は通常、植物全体の抽出により得られる。しかし、個々の場合においては、専ら植物の花および/または葉から、抽出物を好ましく調製することも可能である。
【0025】
本発明に従う用途に好適な植物抽出物に関する限り、とりわけ、“Industrieverband Koerperpflege- und Waschmittel e.V. (IKW), Frankfurt”により発行された“the Leitfaden zur Inhaltsstoffdeklaration kosmetischer Mittel(第3版)”の第44頁から始まる表中に挙げられた抽出物が参照される。
【0026】
本発明によると、とりわけ、カミツレ、アロエ、マンサク、ライム花、セイヨウトチノキ、グリーンティ、オーク皮、イラクサ、ホップ、ゴボウ根、トクサ、サンザシ、アーモンド、松葉、白檀、ジュニパー、ココナツ、マンゴ、アプリコット、レモン、小麦、キーウィ、メロン、オレンジ、グレープフルーツ、セージ、ローズマリー、カバノキ、マロー、タネツケバナ、ジャコウソウ、ノコギリソウ、タチジャコウソウ、バルム、オノニスエキス、フキタンポポ、ハイビスカス、分裂組織(Meristem)、朝鮮人参および生姜の根の抽出物が好適である。
【0027】
前記植物抽出物を調製するための好適な抽出溶媒は、水、アルコールおよびこれらの混合物である。アルコールの中では、エタノールやイソプロパノールのような低級アルコール、しかし特に、エチレングリコールやプロピレングリコールのような多価アルコールが、単独の抽出溶媒および水との混合した形態で好ましく用いられる。水/プロピレングリコールの1:10〜10:1の比率に基づく植物抽出物が、特に好適であることが判明している。
【0028】
コンシステンシー調整剤
コンシステンシー調整剤は、エマルジョン中で、増粘すなわち粘度増加効果を有する物質である。コンシステンシー調整剤は通常0.0〜10重量%の量、好ましくは0.5〜8重量%の量、とりわけ2〜7重量%の量で存在する。本発明によると、20℃で固体コンシステンシーを有する脂肪アルコール、ワックスおよび石鹸が特に好ましい。
【0029】
C12-24脂肪アルコール(好ましくは飽和の)は、本発明の目的にとって好ましい。このようなアルコールには、例えば、アルコールミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、エルシルアルコール、リシノールアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、ブラシルアルコールおよびこれらのゲルベアルコールが含まれる。本発明によると、他の好適なコンシステンシー調整剤は、例えば、牛脂、ピーナッツ油、菜種油、ゴマ油、カカオ脂およびココナッツ油などの天然由来の油脂を還元することにより得られる脂肪アルコール画分である。しかし、合成アルコール、例えば、チーグラー合成による直鎖で偶数の脂肪アルコール(Alfols(商標))またはオキソ合成による部分分岐のアルコール(Dobanols(商標))も用いてよい。Cognis DeutschlandによりLanette(商標)Oの名称で市販されているC16/C18脂肪アルコールの混合物が、本発明の目的にとって特に好適である。
【0030】
本発明によると、他の好適なコンシステンシー調整剤は、モノ−、ジ−およびトリグリセリド(20℃で固体)並びに直鎖C12-22脂肪酸または直鎖C12-22ヒドロキシ脂肪酸に基づく相当する混合物である。
【0031】
ワックスは、以下の特性を備えた天然または合成の材料であると理解される。すなわち、ワックスは、堅さにおいて固くないしは脆く硬い、粗ないし微結晶で、透明または不透明であるが、ガラス状ではなく、35℃を越える温度で分解することなく溶融する。それらは粘度が低く、融点より少し高い温度では糸引きがなく、堅さと溶解性の温度依存性が高い。本発明に従う用途に好適なワックスの例は、天然の、植物性ワックス、例えば、カンデリラ蝋、カルナウバ蝋、木蝋、アフリカハネガヤ蝋、コルク蝋、グアルマ蝋(Guarumawachs)、米糠蝋、サトウキビ蝋、オーリキュリ蝋(Ouricurywachs)、モンタン蝋、ヒマワリ蝋、果実蝋、例えばオレンジ蝋、レモン蝋、グレープフルーツ蝋、シロヤマモモ蝋、動物性ワックス、例えば、蜜蝋、シェラック蝋、鯨蝋、羊毛蝋および尾脂(Buerzelfett)である。本発明によると、水素化ワックスを用いると有利であり得る。本発明に従い使用可能な天然ワックスには、例えばセレシンおよびオゾケライトなどの鉱蝋、例えばワセリン、パラフィン蝋およびマイクロワックスなどの石油化学蝋も含まれる。他の好適なワックス成分は、化学修飾したワックス、とりわけ硬蝋、例えば、モンタンエステル蝋、サソール蝋および水素化ホホバ蝋である。本発明に従い使用可能な合成ワックスには、例えば、ワックス状ポリアルキレンワックスおよびポリエチレングリコールワックス、または長鎖脂肪アルコールとの長鎖カルボン酸エステルが含まれる。本発明によると、蜜蝋がコンシステンシー調整剤として好ましく用いられる。
【0032】
本発明において、石鹸は、脂肪酸の塩であると理解される。好適なコンシステンシー調整剤は、C12-24脂肪酸またはC12-24ヒドロキシ脂肪酸のアルカリ金属およびアルカリ土類金属並びにアルミニウムの塩であり、ステアリン酸のカルシウム、マグネシウムまたはアルミニウム塩が好ましい。特に好ましいコンシステンシー調整剤は、蜜蝋とステアリン酸アルミニウムの重量比率1:1での組み合わせであり、好ましくは本発明による組成物中で、全組成物に基づき1〜10、とりわけ3〜8重量%の量で存在する。
【0033】
乳化助剤
本発明によるエマルジョンの他の好ましい態様では、非イオン性界面活性剤の群から選ばれる少なくとも一つの他の乳化剤を更に含有する。非イオン性の乳化剤は、その皮膚適合性およびマイルドさにより、また、有利な環境毒性的(oekotoxikologisch)特性により特徴付けられる。非イオン性の乳化剤を組み合わせて使用すると、微粒子状のエマルジョンが得られるので、組成物の安定性が向上する。本発明による組成物は、0〜15重量%、好ましくは1〜10重量%、とりわけ3〜10重量%の量の乳化助剤を、全組成物重量に基づき含有する。
【0034】
非イオン性乳化剤
非イオン性乳化剤の群には以下のものが含まれる。
(1)炭素原子数8〜40の直鎖脂肪アルコール、炭素原子数12〜40の脂肪酸、およびアルキル基中の炭素原子数8〜15のアルキルフェノールへの、エチレンオキシド2〜50モルおよび/またはプロピレンオキシド0〜20モル付加生成物;
(2)グリセロールへのエチレンオキシド1〜50モル付加生成物の、C12/18脂肪酸モノエステルおよびジエステル;
(3)炭素原子数6〜22の飽和および不飽和脂肪酸の、グリセロールモノエステルおよびジエステル、ソルビタンモノエステルおよびジエステル、並びにそれらのエチレンオキシド付加物;
(4)アルキル基中の炭素原子数8〜22のアルキルモノ−およびオリゴグリコシド、並びにそれらのエトキシル化類似体;
(5)ヒマシ油および/または水素化ヒマシ油へのエチレンオキシド7〜60モル付加生成物;
(6)ポリオールポリ-12-ヒドロキシステアレート以外の他のポリオールエステルおよびとりわけポリグリセロールエステル、例えばポリグリセロールポリリシノレートまたはポリグリセロールダイメレート。上記群のいくつかによる化合物の混合物も好適である;
(7)ヒマシ油および/または水素化ヒマシ油へのエチレンオキシド2〜15モル付加生成物;
(8)直鎖、分枝状、不飽和または飽和のC6−22脂肪酸、リシノール酸および12−ヒドロキシステアリン酸と、グリセロール、ポリグリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、糖アルコール(例えばソルビトール)、アルキルグルコシド(例えばメチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)およびポリグルコシド(例えばセルロース)との、部分エステル;
(9)羊毛ワックスアルコール;
(10)ポリシロキサン/ポリアルキル/ポリエーテルのコポリマーおよび相当する誘導体;
(11)ペンタエリスリトール、脂肪酸、クエン酸および脂肪アルコールの混合エステル、および/または炭素原子数6〜22の脂肪酸、メチルグルコースおよびポリオール(好ましくはグリセロールまたはポリグリセロール)の混合エステル;並びに
(12)ポリアルキレングリコール。
【0035】
脂肪アルコール、脂肪酸、アルキルフェノール、グリセロール脂肪酸モノエステルおよびジエステル、ソルビタン脂肪酸モノエステルおよびジエステル、またはヒマシ油への、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド付加生成物は、既知の市販生成物である。それらは同族体混合物であって、その平均アルコキシル化度は、付加反応を行う基質とエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドとの量比に対応する。グリセロールのエチレンオキシド付加生成物のC12/18脂肪酸モノエステルおよびジエステルは、DE2024051により、化粧品製剤用の再脂化剤として知られている。
【0036】
w/oエマルジョンが好ましい態様を表すため、親油性のw/o乳化剤の群から選ばれる非イオン性乳化助剤を用いることが特に好ましい。原則として、親油性の乳化助剤は、HLB値が1〜8で、多数の表中にリストされ当業者に既知の乳化剤である。これらの乳化剤のいくつかは、例えば、Kirk-Othmerによる“Encyclopedia of Chemical Technology”、第3版、1979年、第8巻の第913頁にリストされている。本発明によると、エトキシル化生成物のHLB値は、次式で計算してもよい。HLB=(100−L):5、ここで、Lは親油性基、すなわち脂肪アルキル基または脂肪アシル基の重量百分率であり、エチレンオキシド付加物中での重量パーセントである。
【0037】
w/o乳化剤の群のうち特に有利なものは、ポリオール、とりわけC3-6ポリオールの部分エステルであり、例えば、グリセリルモノエステル、ペンタエリスリトールの部分エステルまたは糖エステル、例えば、スクロースジステアレート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンセスキイソステアレート、ソルビタンジイソステアレート、ソルビタントリイソステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンジオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノエルケート、ソルビタンセスキエルケート、ソルビタンジエルケート、ソルビタントリエルケート、ソルビタンモノリシンオレエート、ソルビタンセスキリシンオレエート、ソルビタンジリシンオレエート、ソルビタントリリシンオレエート、ソルビタンモノヒドロキシステアレート、ソルビタンセスキヒドロキシステアレート、ソルビタンジヒドロキシステアレート、ソルビタントリヒドロキシステアレート、ソルビタンモノタルタレート、ソルビタンセスキタルタレート、ソルビタンジタルタレート、ソルビタントリタルタレート、ソルビタンモノシトレート、ソルビタン セスキシトレート、ソルビタンジシトレート、ソルビタントリシトレート、ソルビタンモノマレエート、ソルビタンセスキマレエート、ソルビタンジマレエート、ソルビタントリマレエートおよびこれらの工業用混合物である。1〜30、好ましくは5〜10モルエチレンオキシドの前記ソルビタンエステルへの付加生成物もまた好適な乳化助剤である。本発明によると、好ましい乳化剤の組み合わせは、ポリグリセロールポリ-12-ヒドロキシステアレート(Dehymuls(商標)PGPH)、ソルビタンセスキオレエート(Dehymuls(商標)SSO)およびジココイルペンタエリスリチルジステアリルシトレート(Dehymuls(商標)FCE)の混合物である。
【0038】
本発明によると、好ましいエマルジョンは、少なくとも一種のアルキルオリゴグリコシドを非イオン性乳化助剤として更に含有する。C8-18アルキルモノ−およびオリゴグリコシド、これらの生産および使用は従来技術から既知である。これらは、とりわけグルコースまたはオリゴ糖を第1級C8-18アルコールと反応させることにより製造される。グリコシド単位に関する限り、環状糖単位が脂肪アルコールにグリコシド結合により結合しているモノグリコシドおよび好ましくは約8までのオリゴメリゼーション度を有するオリゴマーグリコシドのどちらも好適である。オリゴメリゼーション度は、このような工業用製品に典型的な同族体分布が基礎とする統計的平均値である。Plantacare(商標)の名称で入手可能な製品は、平均オリゴメリゼーション度が1〜2のオリゴグルコシド単位へグリコシド結合したC8-16アルキル基を含有する。グルカミンに由来するアシルグルカミドも非イオン性乳化剤として好適である。
【0039】
本発明による組成物の特に好ましい態様では、(a)3〜25重量%のポリグリセロールポリ-12-ヒドロキシステアレート;(b)20〜70重量%の希薄液状油成分(C8-18グリセリド、ジカプリルエーテルまたはこれらの混合物の群から選ばれる);(c)0〜25重量%のアルキルオリゴグルコシド;(d)2〜10重量%の少なくとも一つの保湿剤および(e)10〜25重量%の水を含有する。
o/wエマルジョンの態様である場合、HLB値が8〜18の非イオン性o/w乳化剤を更に用いると、更に有利である。
【0040】
他の界面活性剤/乳化剤(任意)
o/w エマルジョンの特定の場合には、組成物は更に双性、両性、カチオン性およびアニオン性の界面活性剤も含有してよい。
双性イオン性界面活性剤は、分子中に少なくとも1個の第四級アンモニウム基および少なくとも1個の−COO(−)または−SO(−)を有する界面活性化合物である。特に好適な双性イオン性界面活性剤は、いわゆるベタイン、例えば、アルキルまたはアシル基中の炭素原子数8〜18の、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート(例えばヤシ油アルキルジメチルアンモニウムグリシネート)、N−アシルアミノプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート(例えばヤシ油アシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート)、および2−アルキル−3−カルボキシメチル−3−ヒドロキシエチルイミダゾリン、並びにヤシ油アシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。INCL名コカミドプロピル・ベタイン(Cocamidopropyl Betaine)として既知の脂肪酸アミド誘導体が、特に好ましい双性イオン性界面活性剤である。
【0041】
両性界面活性剤もまた、好適な乳化助剤である。両性界面活性剤は、分子中に、C8/18アルキルまたはアシル基に加えて、少なくとも1個の遊離アミノ基および少なくとも1個の−COOHまたは−SO3H基を分子中に有する界面活性化合物で、分子内塩を形成し得る。好適な両性界面活性剤の例は、アルキル基中の炭素原子数約8〜18の、N−アルキルグリシン、N−アルキルプロピオン酸、N−アルキルアミノ酪酸、N−アルキルイミノジプロピオン酸、N−ヒドロキシエチル−N−アルキルアミドプロピルグリシン、N−アルキルタウリン、N−アルキルサルコシン、2−アルキルアミノプロピオン酸およびアルキルアミノ酢酸である。特に好ましい両性界面活性剤は、N−ヤシ油アルキルアミノプロピオネート、ヤシ油アシルアミノエチルアミノプロピオネート、およびC12/18アシルサルコシンである。
【0042】
アニオン性界面活性剤は、例えばカルボキシレート基、スルフェート基またはホスフェート基、および親油性基などの水可溶化アニオン性基により特徴付けられる。皮膚適合性のアニオン性界面活性剤は、便覧から当業者に多数知られ、また商業的に入手可能である。それらは、とりわけ、直鎖C12-18アルキルまたはアシル基を有する、アルカリ金属、アンモニウムまたはアルカノールアンモニウムの塩の形でのアルキルスルフェート、アルキルエーテルスルファート、アルキルエーテルカーボネート、アシルイセチオネート、アシルサルコシネート、アシルタウリン、およびアルカリ金属またはアンモニウム塩の形でのスルホスクシネートおよびアシルグルタメートである。
【0043】
特に好適なカチオン性界面活性剤は、四級アンモニウム化合物、好ましくは、ハロゲン化アンモニウム、とりわけ、塩化物および臭化物、例えばアルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリドおよびトリアルキルメチルアンモニウムクロリド、例えばセチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、およびトリセチルメチルアンモニウムクロリドである。更に、容易に生体分解可能な四級エステル化合物、例えばジアルキルアンモニウムメソスルフェートおよびメチルヒドロキシアルキルジアルコイルオキシアルキルアンモニウムメソスルフェート(Stepantex(商標)およびDehyquart(商標)の相当製品の名称で市販されている)を、カチオン性界面活性剤として用いてよい。“エステルクォート”は、第四級化脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩と一般に理解されている。これらは、本発明の組成物に際立った柔軟性を与え得る。これらは、有機化学の該当する方法によって調製される既知の物質である。本発明に従う用途に好適な他のカチオン性界面活性剤は、第四級化タンパク質の加水分解物である。
【0044】
他の任意の助剤または添加剤
本発明の特定の一態様において、エマルジョンは他の助剤および添加剤、例えば、過脂肪剤、増粘剤、ポリマー、ワックス、生体由来物質、脱臭剤、フィルム形成剤、UV保護剤、抗酸化剤、ヒドロトロープ、防腐剤、防虫剤、日焼け剤、可溶化剤、香油、色素、抗菌剤などを含んでよい。
【0045】
過脂肪剤は、例えば、ラノリン、レシチン、ポリエトキシル化またはアシル化ラノリン−およびレシチン−誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリド、および脂肪酸アルカノールアミドのような物質から選択し得る。脂肪酸アルカノールアミドは、泡安定剤としても機能する。
【0046】
好適な増粘剤は、例えば、アエロジル型(親水性シリカ)、多糖、とりわけキサンタンガム、グアー、寒天、アルギネート、チロース、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロース、比較的高分子量の脂肪酸ポリエチレングリコールモノエステルおよびジエステル、ポリアクリレート(例えばCarbopols(商標)[Goodrich]またはSynthalens(商標)[Sigma])、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドン、界面活性剤、例えばエトキシル化脂肪酸グリセリド、脂肪酸とポリオール(例えばペンタエリスリトールまたはトリメチロールプロパン)とのエステル、狭範囲脂肪アルコールエトキシレートまたはアルキルオリゴグルコシド、並びに電解質、例えば塩化ナトリウムおよび塩化アンモニウムである。
【0047】
好適なカチオン性ポリマーは、例えば、カチオン性セルロース誘導体、例えば第四級化ヒドロキシエチルセルロース(Polymer JR 400(商標)の名称でAmercholから得られる)、カチオン性デンプン、ジアリルアンモニウム塩およびアクリルアミドのコポリマー、第四級化ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー、例えばLuviquat(商標)(BASF)、ポリグリコールおよびアミンの縮合生成物、第四級化コラーゲンポリペプチド、例えばラウリルジモニウム・ヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン(Lamequat(商標)L;Gruenau)、第四級化小麦ポリペプチド、ポリエチレンイミン、カチオン性シリコーンポリマー、例えばアモジメチコン、アジピン酸およびジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンのコポリマー(Cartaretine(商標); Sandoz)、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマー(Merquat(商標)550; Chemviron)、ポリアミノポリアミド、カチオン性キチン誘導体、例えば第四級化キトサン(場合により、微結晶分布したもの)、ジハロアルキル(例えばジブロモブタン)とビス−ジアルキルアミン(例えばビス−ジメチルアミノ−1,3−プロパン)との縮合生成物、カチオン性グアーガム、例えばJaguar(商標)CBS、Jaguar(商標)C−17、Jaguar(商標)C−16(Celanese)、並びに第四級化アンモニウム塩ポリマー、例えばMirapol(商標)A−15、Mirapol(商標)AD−1、Mirapol(商標)AZ−1(Miranol)である。
【0048】
好適なアニオン性、双性イオン性、両性および非イオン性ポリマーは、例えば酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/アクリル酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル/マレイン酸ブチル/アクリル酸イソボルニルコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマーおよびそのエステル、未架橋およびポリオール架橋ポリアクリル酸、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリレートコポリマー、オクチルアクリルアミド/メタクリル酸メチル/メタクリル酸t−ブチルアミノエチル/メタクリル酸2−ヒドロキシプロピルコポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ビニルピロリドン/メタクリル酸ジメチルアミノエチル/ビニルカプロラクタムターポリマー、並びに場合により誘導体化したセルロースエーテル、およびシリコーンである。
【0049】
本発明において、生体由来物質は、例えばトコフェロール、トコフェロールアセテート、トコフェロールパルミテート、アスコルビン酸、デオキシリボ核酸、レチノール、ビサボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、α−ヒドロキシカルボン酸、アミノ酸、セラミド、プソイドセラミド、精油、植物抽出物、およびビタミン複合体である。
【0050】
好適な脱臭剤は、例えば、塩化アルミニウム水和物、塩化アルミニウム/ジルコニウム水和物および亜鉛塩のような発汗抑制剤である。このような発汗抑制剤は、発汗を抑制し脱臭する組成物を製造するために用いられ、恐らく、タンパク質および/または多糖の析出を通じて汗腺を部分的にブロックすることにより作用する。クロロハイドレートの他、ヒドロキシ乳酸アルミニウムおよび酸性アルミニウム/ジルコニウムの塩も用いてよい。例えば、式[Al2(OH)5Cl]・2.5H2Oに相当し、本発明の目的のため特に好ましい塩化アルミニウム水和物は、Locron(商標)の名称でClariant GmbHから商業的に入手可能である。アルミニウム/ジルコニウムテトラクロロハイドレックス/グリシン複合体(例えば、ReheisによってRezal(商標)36Gの名称で市販されている)も、本発明に従い好ましく用いられる。他の好適な脱臭剤は、エステラーゼ阻害剤、好ましくは、クエン酸トリメチル、クエン酸トリプロピル、クエン酸トリイソプロピル、クエン酸トリブチル等のクエン酸トリアルキル、特に、クエン酸トリエチル(Hydagen(商標)C.A.T., Cognis Deutschland GmbH)である。エステラーゼ阻害剤は、酵素活性を阻害し、従って、臭気発生を軽減する。遊離酸が恐らくクエン酸エステルの分解を通じて放出され、酵素が阻害される程度に皮膚のpH値が低下する。他のエステラーゼ阻害剤は、硫酸またはリン酸ステロール、例えばラノステロール、コレステロール、カンペステロール、スティグマステロールおよびシトステロールのスルフェートまたはホスフェート;ジカルボン酸およびそれらのエステル、例えばグルタル酸、グルタル酸モノエチルエステル、グルタル酸ジエチルエステル、アジピン酸、アジピン酸モノエチルエステル、アジピン酸ジエチルエステル、マロン酸およびマロン酸ジエチルエステル;ヒドロキシカルボン酸およびそれらのエステル、例えばクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、または酒石酸ジエチルエステルである。胚芽植物に影響し、汗分解バクテリアの成長を破壊し或いは抑制する抗菌剤も、エマルジョン中に存在してよい。そのような抗菌剤の具体例は、キトサン、フェノキシエタノールおよびグルコン酸クロルヘキシジンである。Irgasan(商標)の名称でCiba-Geigy(Basel, Switzerland)で市販されている5-クロロ-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)-フェノールも、特に有効であることが確認されている。
【0051】
本発明におけるUV保護剤は、例えば、室温で液体または結晶であって、紫外線を吸収して、その吸収したエネルギーをより長波長の放射線(例えば熱)の形で放出することのできる有機物質(光フィルター)である。UV−Bフィルターは、油溶性または水溶性であり得る。以下に油溶性物質を例示する。
【0052】
・3−ベンジリデンカンファーまたは3−ベンジリデンノルカンファーおよびそれらの誘導体、例えば3−(4−メチルベンジリデン)−カンファー;
・4−アミノ安息香酸誘導体、好ましくは4−(ジメチルアミノ)−安息香酸−2−エチルヘキシルエステル、4−(ジメチルアミノ)−安息香酸−2−オクチルエステル、および4−(ジメチルアミノ)−安息香酸アミルエステル;
・桂皮酸エステル、好ましくは4−メトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシルエステル、4−メトキシ桂皮酸プロピルエステル、4−メトキシ桂皮酸イソアミルエステル、2−シアノ−3,3−フェニル桂皮酸−2−エチルヘキシルエステル(オクトクリレン);
・サリチル酸エステル、好ましくはサリチル酸−2−エチルヘキシルエステル、サリチル酸−4−イソプロピルベンジルエステル、サリチル酸ホモメンチルエステル;
・ベンゾフェノン誘導体、好ましくは2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4'−メチルベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;
・ベンザルマロン酸エステル、好ましくは4−メトキシベンザルマロン酸ジ−2−エチルヘキシルエステル;
・トリアジン誘導体、例えば2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2'−エチル−1'−ヘキシルオキシ)−1,3,5−トリアジン、およびオクチルトリアゾン;
・プロパン−1,3−ジオン、例えば1−(4−t−ブチルフェニル)−3−(4'−メトキシフェニル)−プロパン−1,3−ジオン;
・ケトトリシクロ(5.2.1.0)デカン誘導体。
【0053】
好適な水溶性物質は、次のような物質である。
・2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸並びにそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、アルカノールアンモニウム塩およびグルカンモニウム塩;
・ベンゾフェノンのスルホン酸誘導体、好ましくは2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸およびその塩;
・3−ベンジリデンカンファーのスルホン酸誘導体、例えば4−(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル)−ベンゼンスルホン酸および2−メチル−5−(2−オキソ−3−ボルニリデン)−スルホン酸並びにそれらの塩。
【0054】
典型的なUV−Aフィルターはとりわけ、ベンゾイルメタン誘導体、例えば1−(4'−t−ブチルフェニル)−3−(4'−メトキシフェニル)−プロパン−1,3−ジオン、4−t−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタン(Parsol 1789)または1−フェニル−3−(4'−イソプロピルフェニル)−プロパン−1,3−ジオンである。UV−AフィルターとUV−Bフィルターを混合物として使用しても当然よい。上記可溶性物質のほかに、不溶性遮光顔料、すなわち、微分散金属酸化物または塩を、この目的のために使用してもよい。好適な金属酸化物の例は、とりわけ、酸化亜鉛、二酸化チタン、また、鉄、ジルコニウム、ケイ素、マンガン、アルミニウムおよびセリウムの酸化物、並びにそれらの混合物である。シリケート(タルク)、硫酸バリウムおよびステアリン酸亜鉛を塩として使用してもよい。酸化物および塩は、皮膚保護エマルジョンおよび化粧品用の顔料の形で使用される。粒子は、100nm未満、好ましくは5〜50nmの間、より好ましくは15〜30nmの間の平均粒径を有すべきである。粒子は、球状であってよいが、楕円粒子または非球状粒子を用いてもよい。顔料は、表面処理、すなわち親水化または疎水化されていてもよい。典型的な例は、例えば、TitandioxidT805(Degussa)およびEusolex(商標)T2000(Merck)などの被覆二酸化チタンである。好適な疎水性被覆材料は、とりわけシリコーン、なかでも特にトリアルコキシオクチルシランまたはシメチコンである。いわゆるミクロ−またはナノ−顔料は、日焼防止製品に好ましく使用される。
【0055】
前記の主日焼防止剤の二つのグループのほかに、抗酸化剤型の副日焼防止剤も使用してよい。抗酸化剤型の副日焼防止剤は、UV光線が皮膚に通る際に開始される光化学反応連鎖を阻害する。典型的な例は、非常に少量のよく調整された用量(例えば、pmol〜μmol/kg)での、アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびそれらの誘導体、イミダゾール類(例えばウロカニン酸)およびそれらの誘導体、D,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンおよびそれらの誘導体(例えば、アンゼリン)等のペプチド、カロチノイド、カロテン(例えば、α−カロテン、β−カロテン、リコピン)およびそれらの誘導体、クロロゲン酸およびその誘導体、リポ酸およびその誘導体(例えば、ジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール(例えば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミンおよびそれらのグリコシル、N−アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル、ラウリル、パルミトイル、オレイル、γ−リノレイル、コレステリルおよびグリセリルエステル)およびそれらの塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸およびそれらの誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)、およびスルホキシミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−およびヘプタ−チオニンスルホキシミン)、更に、(金属)キレート剤(例えば、α−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびそれらの誘導体、不飽和脂肪酸およびそれらの誘導体(例えば、γ−リノレイン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸およびその誘導体、ユビキノンおよびユビキノール並びにそれらの誘導体、ビタミンCおよびその誘導体(例えば、パルミチン酸アスコルビル、アスコルビルリン酸マグネシウム、酢酸アスコルビル)、トコフェロールおよびその誘導体(例えば、酢酸ビタミンE)、ビタミンAおよびその誘導体(パルミチン酸ビタミンA)、およびベンゾイン樹脂の安息香酸コニフェリル、ルチン酸およびその誘導体、α−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドロガイアック樹脂酸、ノルジヒドロガイアレック酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、スーパーオキシドジスムターゼ、亜鉛およびその誘導体(例えば、ZnO、ZnSO)、セレンおよびその誘導体(例えば、セレンメチオニン)、スチルベンおよびその誘導体(例えば、酸化スチルベン、酸化トランス−スチルベン)、および本発明の目的に適する、上記活性物質の誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質)である。
【0056】
更に、ヒドロトロープ、例えば、エタノール、イソプロピルアルコールまたはポリオールなどを流動挙動改良のために用いてよい。好適なポリオールは、好ましくは2〜15個の炭素原子および少なくとも2個の水酸基を含む。ポリオールは、他の官能基、特にアミノ基を含んでもよく、窒素により改質されてもよい。これらの化合物のいくつかは、保湿剤の項中で前述されている。典型的な例は、次のとおりである。
【0057】
・グリセロール、
・エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、および100〜1000ダルトンの平均分子量を持つポリエチレングリコール等のアルキレングリコール、
・40〜50重量%のジグリセロール含量を持つジグリセロール工業用混合物等の、1.5〜10の自己縮合度を有するオリゴグリセロール工業用混合物、
・特に、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリトールおよびジペンタエリスリトール等の、メチロール化合物、
・例えば、メチルおよびブチルグリコシド等の、特にアルキル基中に1〜8個の炭素原子を有する低級アルキルグルコシド、
・例えば、ソルビトールまたはマンニトール等の、5〜12個の炭素原子を有する糖アルコール、
・例えば、グルコースまたはスクロース等の、5〜12個の炭素原子を有する糖、
・例えば、グルカミン等のアミノ糖、
・例えば、ジエタノールアミンまたは2−アミノプロパン−1,3−ジオール等の、ジアルコールアミン。
【0058】
好適な防腐剤は、例えば、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド溶液、パラベン、ペンタンジオールまたはソルビン酸、並びにKosmetikverordnungの付属書6、パートAおよびBにリストされた他の化合物類である。好適な防虫剤は、N,N−ジエチル−m−トルアミド、ペンタン−1,2−ジオールまたは防虫剤3535である。好適な自己日焼剤は、ジヒドロキシアセトンである。
【0059】
好適な香油は、天然および合成香料の混合物である。天然の香りは、花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ油、イランイラン油)、樹幹および葉(ゲラニウム、パチョリ、プチグレン)、果実(アニス、コエンドロ、キャラウエー、ビャクシン)、果実皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根(ナツメグ、アンゼリカ、セロリ、カルダモン、コスタス、イリス、カルマス)、樹木(松、ビャクダン、グアヤク、シーダー材、シタン)、ハーブおよび草(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)、棘および枝(トウヒ、モミ、松、小松)、樹脂およびバルサム(ガルバヌム、エレミ、安息香、ミルラ、乳香、ビャクシ香)の抽出物を含む。動物性原料、例えば、シベット香およびビーバーも使用してよい。典型的な合成香料化合物は、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールおよび炭化水素型製品である。
エステル型の香り化合物の例は、酢酸ベンジル、イソブチル酸フェノキシエチル、酢酸p−t-ブチルシクロヘキシル、酢酸リナリル、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、酢酸フェニルエチル、安息香酸リナリル、ギ酸ベンジル、グリシン酸エチルメチルフェニル、プロピオン酸アリルシクロヘキシル、プロピオン酸スチラリルおよびサリチル酸ベンジルである。エーテルは、例えばベンジルエチルエーテルを含み、アルデヒドは、例えば、8〜18個の炭素原子を有する直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセタルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアール、ボウルゲオナール等を含む。好適なケトンの例は、イオノン、α−イソメチルイオノンおよびメチルセドリルケトンである。好適なアルコールは、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコール、およびテルピネオールである。炭化水素は、主としてテルペンおよびバルサムを含む。
しかし、相まって快い香りを作り出す種々の香料化合物の混合物を使用することが好ましい。他の好適な香油は、芳香成分としてもっぱら使用される比較的低揮発性の精油である。具体例は、セージ油、カミルレ油、丁香油、メリッサ油、ハッカ油、シナモン葉油、ライム花油、杜松子油、ベチベル油、乳香油、ガルバヌム油、ラブダナム油、ラベンダー油である。以下のものが、単独でまたは混合物の形で好ましく用いられる。ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアール、ライラ−ル、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α−ヘキシルケイ皮アルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、ボイサムブレンフォルテ、アンブロキサン、インドール、ヘジオン、サンデライス、シトラス油、マンダリン油、オレンジ油、アリルアミルグリコレート、シクロバタール、ラベンジン油、サルビア油、β−ダマスコン、ゲラニウム油バーボン、サリチル酸シクロヘキシル、ベルトフィックスクアー(Vertofix Coeur)、イソ−E−スパー(Iso-E-Super)、フィクソリドNP(Fixolide NP)、エバニル、イラルデインガンマ、フェニル酢酸、酢酸ゲラニル、酢酸ベンジル、ローズオキシド、ロミラト、イロチルおよびフロラマト。
【0060】
好適な染料は、化粧品用に好適で推奨される任意の物質である。これらの染料は、混合物全体に基づき、0.001〜0.1重量%の濃度で通常使用される。
【0061】
微生物阻害剤の典型例は、グラム陽性菌に対して特異的に作用する防腐剤、例えば2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、クロルヘキシジン(1,6−ジ−(4−クロロフェニル−ビグアニド)−ヘキサン)またはTTC(3,4,4’−トリクロロカルバニリド)である。多くの香料や精油は、抗菌特性も有している。典型的な例は、イラクサ、ミントおよびタイム油中の活性物質ユージノール、メントールおよびチモールである。興味深い天然の脱臭剤は、テルペンアルコールファルネソール(3,7,11−トリメチル−2,6,10−ドデカトリエン−1−オール)であり、ライム花油中に存在してスズランの香りがする。グリセロールモノラウレートも、静菌剤として首尾よく用いられてきた。追加的な微生物阻害剤の含有比率は、通常、製剤の固体成分に基づき約0.1〜2重量%である。
【0062】
助剤または添加剤の全含有率は、特定の組成物に基づき1〜50重量%であってよく、好ましくは5〜40重量%である。組成物は、標準的な加熱または冷却方法により製造してよく、相反転温度法によって好ましく製造される。
【0063】
配合例
性能特性を測定するため、本発明によるエマルジョンの安定性を試験し、その感覚特性を有志試験において評価した。80%の再生紙を含み40g/m2の重さがある、商業的に入手可能な3層のティッシュペーパーを、本発明によるエマルジョン1〜5および比較用製剤C1およびC2を用いて2.5g/m2の量で処理した。次いで、柔軟性を熟練した審査官6名のパネルによって、非常に柔軟(+++)から、柔軟(++)を経て、硬質(+)までの尺度範囲で評価した。ティッシュに触れた際および手の裏へのエマルジョンを塗った際の感触も評価した(非常に良好:+++、良好:++、並:+)。さらに、エマルジョンの安定性を、23℃で12週間の保存後に評価した(安定:+++、低安定:++、不安定:+)。
三回一組テストの平均の結果を下表中に示す。
【0064】
特に指摘しない限り、以下の実施例における量は、組成物全体の活性物質(重量%)に基づく。実施例1〜6は本発明による配合であり、C1およびC2は比較実施例である。
【0065】
【表1】

【0066】
本件出願は特願平2002−557352をもとの出願とする分割出願であって、当該もとの出願に係る発明は、少なくとも以下の好ましい態様を包含する。
〔1〕(a) ポリオールポリ-12-ヒドロキシステアレート
(b) グリセリド、炭化水素、シリコーン油、ジアルキルエーテルおよび炭酸ジアルキル、またはこれらの混合物よりなる群から選ばれる油成分
(c) 5〜25重量%の水
を含有するw/oまたはo/wエマルジョン。
〔2〕ジカプリルエーテル、C8-18グリセリドまたはこれらの物質の混合物が、成分(b)として存在することを特徴とする〔1〕に記載のエマルジョン。
〔3〕成分(a)の成分(b)に対する重量比率が0.2〜2.0:1であることを特徴とする〔1〕または〔2〕に記載のエマルジョン。
〔4〕少なくとも一つの保湿剤が更に存在することを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のエマルジョン。
〔5〕少なくとも一つの消炎剤が更に存在することを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のエマルジョン。
〔6〕少なくとも一つのコンシステンシー調整剤が更に存在することを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のエマルジョン。
〔7〕非イオン性界面活性剤の群から選ばれる少なくとも一つの乳化助剤が更に存在することを特徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のエマルジョン。
〔8〕少なくとも一つのアルキルオリゴグリコシドが乳化助剤として存在することを特徴とする〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載のエマルジョン。
〔9〕(a) 3〜25重量%のポリグリセロールポリ-12-ヒドロキシステアレート
(b) 20〜70重量%の、C8-18グリセリド、ジカプリルエーテルまたはこれらの混合物よりなる群から選ばれる希薄液状の油成分
(c) 0〜25重量%のアルキルオリゴグルコシド
(d) 2〜10重量%の少なくとも一つの保湿剤
(e) 10〜25重量%の水
を含有することを特徴とする〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載のエマルジョン。
〔10〕23℃での粘度が100〜10,000mPa.sであることを特徴とする〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載のエマルジョン。
〔11〕〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載のエマルジョンのボディケア製剤としての使用。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a) ポリオールポリ-12-ヒドロキシステアレート
(b) グリセリドおよび炭酸ジアルキル、またはこれらの混合物よりなる群から選ばれる油成分
(c) 5〜25重量%の水
を含有し、成分(a)の成分(b)に対する重量比率が0.2〜2.0:1であることを特徴とする、w/oまたはo/wエマルジョン。
【請求項2】
C8-18グリセリドが、成分(b)として存在することを特徴とする請求項1に記載のエマルジョン。
【請求項3】
炭化水素、シリコーン油、ジアルキルエーテルまたはそれらの混合物をさらに含んでなることを特徴とする、請求項1〜2のいずれかに記載のエマルジョン。
【請求項4】
少なくとも一つの保湿剤が更に存在することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエマルジョン。
【請求項5】
少なくとも一つの消炎剤が更に存在することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のエマルジョン。
【請求項6】
少なくとも一つのコンシステンシー調整剤が更に存在することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のエマルジョン。
【請求項7】
非イオン性界面活性剤の群から選ばれる少なくとも一つの乳化助剤が更に存在することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のエマルジョン。
【請求項8】
少なくとも一つのアルキルオリゴグリコシドが乳化助剤として存在することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のエマルジョン。
【請求項9】
(a) 3〜25重量%のポリグリセロールポリ-12-ヒドロキシステアレート
(b) 20〜70重量%の、C8-18グリセリド、ジカプリルエーテルまたはこれらの混合物よりなる群から選ばれる希薄液状の油成分
(c) 0〜25重量%のアルキルオリゴグルコシド
(d) 2〜10重量%の少なくとも一つの保湿剤
(e) 10〜25重量%の水
を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のエマルジョン。
【請求項10】
23℃での粘度が100〜10,000mPa.sであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のエマルジョン。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載のエマルジョンのボディケア製剤としての使用。

【公開番号】特開2008−169208(P2008−169208A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−327640(P2007−327640)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【分割の表示】特願2002−557352(P2002−557352)の分割
【原出願日】平成14年1月10日(2002.1.10)
【出願人】(302039841)コグニス・ドイッチュランド・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシヤフト (7)
【Fターム(参考)】