説明

糖衣製剤およびその製造方法

【課題】十分な硬度を有し、かつ低吸湿性、防臭性、崩壊性に優れる糖衣製剤を短時間かつ簡易に製造する技術を提供する。具体的には、糖衣液の噴霧工程、及び乾燥工程を同時に行う連続コーティング法を用いた糖衣製剤の製造に好適に用いることができる糖衣液、この糖衣液により形成された糖衣層を有する糖衣製剤及びその製造方法を提供する。
【解決手段】糖、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー及び溶剤を含む糖衣液であって、前記アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマーの濃度が、全固形分に対して0.01〜10重量%であり、実質的に薬物を含まない糖衣液を用いて糖衣製剤を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糖衣製剤及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
糖衣製剤は、その糖衣層が酸素、水、臭い成分の透過を防ぐ機能を有することから、低酸素透過性、低吸湿性、防臭性に優れ、素錠に配合される成分の安定化に適した剤形である。
【0003】
例えば、ニンニク加工物は、疲労回復や滋養強壮効果の他、胃収縮力増強作用、新陳代謝促進作用、血流促進作用、肝保護作用等があり医薬品として汎用されているが、熱や水分の影響で臭いを発するため、その多くが糖衣製剤化されている。
また、メチルメチオニンスルホニウムクロライド(Methylmethioninesulfonium chloride 以下、「MMSC」ともいう。)は、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎等の自覚症状及び他覚所見の改善、慢性肝疾患における肝機能の改善等の諸症状の緩和等の作用を有し、医薬品として汎用されている。しかしながら、MMSCは空気中の水分を吸収することにより分解する性質を有するため、MMSCを含む製剤は、臭いの発生、変色、有効成分の含量の低下などの品質低下の問題を有している。そのため、吸湿を防止する目的でMMSC製剤の多くは糖衣製剤化されている(特許文献1、2)。
また、バルプロ酸ナトリウムは、小発作・焦点発作・精神運動発作ならびに混合発作等の各種てんかん、てんかんに伴う性格行動障害(不機嫌・易怒性等)、及び躁病および躁うつ病の躁状態の治療用の医薬品として汎用されている。しかしながら、バルプロ酸ナトリウムは吸湿性と潮解性を有しており、開封後の品質低下を防止する目的で糖衣製剤化されている(特許文献3、4)。
【0004】
糖衣製剤は、一般的には、[1]糖衣液の噴霧、[2]蒸らし、[3]乾燥を数回繰り返すことにより製造される(例えば、特許文献5)。このうち[2]蒸らしは、糖衣製剤の側面部を完全に埋め、噴霧した糖衣液を素錠上に均一に広げるための工程であり、通常高い粘度を有する糖衣液を用いる場合には、不可欠な工程である。一方、このような工程を含む糖衣製剤の製造方法は、非常に長い作業時間を要し、素錠に対して多量の糖衣液を要するなどの不利な面がある。
【0005】
上記の不利な面を克服する製造方法としては、フィルムコーティング錠の製造のように、コーティング液を噴霧しながら乾燥を行ってコーティング層を形成する方法(以下、連続コーティング法ともいう。)により糖衣層を形成する方法が検討されている。連続コーティング法では、噴霧した糖衣液を速やかに均一に、素錠等の芯材上に広げなければならないため、糖衣液を希釈して粘度を低くすることが求められる。そこで、例えば、糖とタルクを懸濁した糖衣液を用いて薄層糖衣層を形成する技術等が開発された(特許文献6)。しかしながら、このような薄層糖衣層は、従来品に比べて強度が劣るという問題があった。また、薄層糖衣層の強度を改善する方法として、例えばフィルムコーティング錠と糖衣層の間に中間層を設ける技術等も開発された(特許文献7)。しかしながらこのような方法は、糖衣層と異なる組成を有するコーティング液の調製、噴霧を含むため十分に簡便なものとは言い難かった。また、通常結合剤として用いられるアラビアゴムやゼラチンの代わりに、ヒドロキシプロピルメチルセルロースやヒドロキシプロピルセルロースを使用して、糖衣液の粘度を低下する技術も開発されている(特許文献8)。しかしながらこの方法によって得られた糖衣層は、緻密性が十分ではなく、糖衣製剤の特徴である低酸素透過性、低吸湿性、防臭性に劣るという問題があった。
このように、糖衣製剤の製造方法や糖衣液については、作業性及び製剤の特性の改善の
両面から種々の検討が行われているものの、両者を共に改善する技術は未だ開発されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−63953号公報
【特許文献2】特開2003−95928号公報
【特許文献3】特開2006−256961号公報
【特許文献4】特開平04−235914号公報
【特許文献5】特開平06−292511号公報
【特許文献6】特開昭56−87518号公報
【特許文献7】特開2004−155656号公報
【特許文献8】特開昭49−133515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、十分な硬度を有し、かつ低吸湿性、防臭性、崩壊性に優れる糖衣製剤を短時間かつ簡易に製造する技術を提供することを課題とする。具体的には、糖衣液の噴霧工程、及び乾燥工程を同時に行う連続コーティング法を用いた糖衣製剤の製造に好適に用いることができる糖衣液、この糖衣液により形成された糖衣層を有する糖衣製剤及びその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、連続コーティング法に好適な糖衣液の組成について、種々の検討を行った。そして、糖を含む溶剤に、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマーを特定の割合で配合した糖衣液が、連続コーティング法に適した物性を有していること、このような組成を有する糖衣液を用いた連続コーティング法により形成された糖衣層を有する糖衣製剤は、低吸湿性、防臭性、及び良好な崩壊性を備えていることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は糖、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー及び溶媒を含む糖衣液であって、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマーの濃度が、全固形分に対して0.01〜10重量%である糖衣液、該糖衣液を用いて糖衣製剤を製造する方法、及びこの製造方法により得られた糖衣製剤を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】時間の経過と糖衣製剤の吸湿率の変化を示す図である。
【図2】時間の経過とニンニク加工物含有糖衣製剤の吸湿率の変化を示す図である。
【図3】時間の経過とMMSC含有糖衣製剤の吸湿率の変化を示す図である。
【図4】時間の経過とパルブロ酸ナトリウム含有糖衣製剤の吸湿率の変化を示す図である。
【図5】時間の経過とパルブロ酸ナトリウムの溶出率の変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の糖衣液は、糖、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー、及び溶剤を含む。
本発明で用いる糖は、通常糖衣製剤の糖衣層の形成に用いられる糖であれば特に制限なく用いることができ、例えば、グラニュー糖、精製白糖、白糖、ブドウ糖、トレハロースなどが挙げられる。この中でも、グラニュー糖、精製白糖、白糖を好ましく用いることができる。
本発明の糖衣液において、糖の配合量は特に制限されないが、通常10〜85重量%、
好ましくは10〜70重量%、さらに好ましくは15〜60重量%とするのがよい。
【0011】
本発明で用いるアクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマーとは、アクリル酸エチルとメタクリル酸メチルが共重合したポリマーである。コポリマーの数平均分子量は、糖衣製剤に適切な硬度及び崩壊性を付与しうる範囲であればよいが、通常は10,000〜1,500,000、好ましくは400,000〜1,200,000、さらに好ましくは500,000〜1,100,000であるのがよい。また、コポリマーを構成するアクリル酸エチルとメタクリル酸メチルのモル比は、通常は10:1〜1:10、好ましくは4:1〜1:4、さらに好ましくは3:1〜1:3であるのがよい。また、コポリマーのガラス転移温度は、通常は−40〜30℃、好ましくは−30〜20℃、さらに好ましくは−20〜10℃の範囲であるのがよい。
アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマーは、アクリル酸エチルとメタクリル酸メチルを常法に従って共重合させることにより得ることができる。また、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマーは、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマーを界面活性剤を用いて水に分散させた乳濁液であるオイドラギットNE30D(樋口商会)、コリコートEMM30D(BASFジャパン)などが挙げられる。
本発明の糖衣液において、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマーの配合量は、糖衣液中に含まれる全固形分に対して0.01〜10重量%である。この中でも、好ましくは0.1〜8重量%である。配合量が10重量%を超えると糖衣液中に懸濁している固形分の凝集が生じることがあり好ましくない。
本発明の糖衣液において、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー及び糖の質量比は、通常1:1〜1:10,000、好ましくは1:3〜1:1,000、さらに好ましくは1:5〜1:500とすることがよい。
【0012】
本発明の糖衣液の溶剤としては、通常糖衣液に用いられるものであれば特に制限されない。例えば、水、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、アセトン又はそれらの混合物が挙げられる。これらの溶剤の中では、通常精製水が好ましく用いられる。
糖衣液中の溶剤の配合量は、特に制限されないが、通常15〜90重量%、好ましくは15〜85重量%、さらに好ましくは20〜80重量%とするのがよい。溶剤の配合量が90重量%を超えると、糖衣層を形成するための作業時間が長くなると共に、緻密な糖衣層を形成することが困難となる場合があり、芯材に含有した薬物の安定性に影響を及ぼすことがある。また15重量%未満だと糖衣液の粘性が高くなる場合があり、錠剤コーティング装置のパンに錠剤が付着するなど作業性に問題があり、また、連続コーティング法により糖衣製剤を製造する場合に錠剤表面に均一に糖衣液が行き渡らず、均一な厚みの糖衣層が形成できないことがある。また、糖衣液の粘度は、糖衣製剤の製造に用いる装置により噴霧が可能な範囲であればよいが、通常3〜1,000cp、好ましくは5〜700cp、さらに好ましくは10〜400cpとなるように溶剤の配合量を調節することもできる。
【0013】
本発明の糖衣液には、上記の各成分以外に、医薬の添加物として許容され、かつ経口投与可能な各種任意成分を所望に応じて配合する事が可能である。そのような添加剤として、例えば、コーティング剤、着色剤及び光沢化剤などが挙げられる。
コーティング剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、結晶セルロース、アラビアゴム末、精製セラック、プルラン、沈降炭酸カルシウム、タルク、リン酸水素カルシウム、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、酸化チタン、リン酸二水素ナトリウム、硬化油、モノステアリン酸グリセリル及びモノステアリン酸ポリエチレングリコールなどがあり、その配合量は、糖衣液に対して0〜80重量%が好ましい。
着色剤としては、例えば、各種食用色素、タール色素及び三二酸化鉄などがあり、その配合量は、糖衣製剤に対して0.1重量%以下であることが好ましい。
光沢化剤としては、例えば、カルナウバロウやミツロウなどがあり、その配合量は糖衣製剤に対して0.1重量%以下であることが好ましい。
【0014】
また、本発明の糖衣液の粘度は、通常3〜1,000cp、好ましくは5〜700cp、さらに好ましくは10〜400cpであるのがよい。このような範囲の粘度の糖衣液を用いれば、連続コーティング法により糖衣製剤を製造する場合においても、均一な糖衣層を形成することが容易となる。
本発明の糖衣液は、糖、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー及び必要に応じて上記任意成分を溶剤に懸濁することにより製造することができる。この際、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマーを溶媒中に十分に分散させるために、界面活性剤を加えることも好ましい。
【0015】
本発明の糖衣製剤は、薬物を含む芯材の周りに、本発明の糖衣液を用いて形成した糖衣層を少なくとも1つ有する。
本発明の糖衣製剤に含まれる薬物を含む芯材としては、素錠や芯顆粒が挙げられる。すなわち本発明の糖衣製剤は、例えば糖衣錠や糖衣顆粒の剤形とすることができる。
本発明において、芯材に含有される薬物としては、経口投与による安全性が確認されている薬物であり、糖衣製剤に適したものであれば特に制限されないが、好ましくは、不快な臭いを有する薬物、水分に不安定な薬物、ウイスカーを発生する薬物などが挙げられる。例えば、不快な臭いを有する薬物としては生薬(オキソアミヂン末、ホップ、ヨクイニン、センブリ、ニンジン、オウギ、ウイキョウ、チョウジ、ショウキョウ及びロートエキスなど)、ニンニク加工物、メチルメチオニンスルホニウムクロライド、L−システイン及びビタミンB1類などが挙げられ、水分に不安定な薬物としては各種ビタミン(ビタミンA類、ビタミンB1類、ビタミンB2類、ビタミンB6類、ビタミンB12類、ビタミンC
類、ビタミンD類、ビタミンE類、ビオチン、パントテン酸カルシウム、ニコチン酸アミド、ビタミンP及びその誘導体など)、メチルメチオニンスルホニウムクロライド、アミノ酸類(アスパラギン酸及びL−システインなど)、アデノシン三リン酸・2ナトリウム塩、酵素(でんぷん消化酵素、たん白消化酵素、脂肪消化酵素及び繊維素消化酵素など)、バルプロ酸ナトリウム、イブプロフェン、グアイフェネシン及び臭化ブチルスコポラミンなどが挙げられ、ウイスカーを発生する薬物としてはイブプロフェン、無水カフェイン、エテンザミド、イソプロピルアンチピリン及びL−メントールなどが挙げられる。これらの薬物の配合量は、薬物の用途に応じて適宜調整することができるが、芯材に対して0.1〜99重量%が好ましく、より好ましくは1〜85重量%である。
【0016】
本発明において、芯材に含有される薬物としては、例えば、以下の薬物が好ましく挙げられる。
〔ニンニク加工物〕
ニンニク加工物は、ユリ科ネギ属ニンニク(Allium sativum l.)の鱗茎を加工処理し
て得られるものである。加工処理の方法は特に制限されず、例えば、生ニンニクを乾燥後粉末化したもの、生ニンニクを水蒸気蒸留、油、水、熱水又は水溶性有機溶媒等で抽出したもの、生ニンニクを加熱等により処理したものを使用することができる。抽出に用いる油としては、菜種油、オリーブ油、大豆油等の食用植物油が挙げられ、水溶性有機溶媒としては、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール;プロピレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール等が挙げられる。ニンニク加工物としては、乾燥後粉末化したもの、低級アルコールにより抽出したもの、加熱の加工処理をしたものが特に好ましい。また、ニンニク加工物は、市販品でもよい。例えば、加工大蒜、ニンニク抽出液、ニンニクエキス、乾燥ニンニク等が好ましく、特に加工大蒜が好ましい。ここで、加工大蒜は、加熱処理ニンニクを低級アルコールで抽出して得た抽出液を乾燥させたニンニク粉末であって、例えば、オキソアミヂン(登録商標)(理研化学工業(株)製)及びオキソレヂン(登録商標)(理研化学工業(株)製)が市販されている。ニンニクエキスは、例えば、ニンニクエキス(アルプス薬品工業(株))、ニンニク流エキス(日本粉末薬品(株))等が市販されている。乾燥ニンニクは、例えば、ガーリックパウダー、ローストガーリックパウダーEX(理研化学工業(株)製)が市販されている。これらの市販されているニンニク加工物の中では、オキソアミヂン(登録商標)(理研化学工業(株)製)、オキソレヂン(登録商標)(理研化学工業(株)製)、ニンニクエキス(アルプス薬品工業(株))、ニンニク流エキス(日本粉末薬品(株))が好ましい。ニンニク加工物の配合量は、糖衣製剤の用途に応じて適宜調整することが可能であるが、芯材に対して2〜30重量%が好ましく、より好ましくは5〜15重量%である。
【0017】
〔メチルメチオニンスルホニウムクロライド〕
メチルメチオニンスルホニウムクロライド(MMSC)は、公知の製造方法に従って得ることができる。また、市販品として、例えば、メチルメチオニンスルホニウムクロライド(米沢浜理薬品製、アルプス薬品工業製)等が市販されている。MMSCの配合量は、芯材に対して1〜80重量%が好ましく、より好ましくは10〜40重量%である。
【0018】
また、MMSCを配合する芯材には、胃酸を中和する成分や胃酸の分泌を抑える成分(制酸成分)、胃の働きを高める成分(健胃成分)、消化を補助する成分(消化酵素)、胃粘膜を修復する成分(粘膜修復成分)等を、更に含有させることも好ましい。
【0019】
制酸成分としては、合成ヒドロタルサルト、炭酸水素ナトリウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物、ロートエキス、水酸化アルミニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、沈降炭酸マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、ケイ酸アルミン酸マグネシウムビスマス、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、塩酸ラニチジン、シメチジン、ファモチジン、ニザチジン、ラフチジン、オメプラゾール、ランソプラゾール、パントプラゾール、ラベプラゾールナトリウム、レミノプラゾール、エソメプラゾール、塩酸ピレンゼピン、プログルミド等が挙げられる。
健胃成分としては、センブリ末、ホップエキス、ゲンチアナエキス、ウイキョウ末、ショウキョウ末、チョウジ末、アカメガシワ末、アセンヤク末、ウコン末、ウバイ末、ウヤク末、オウゴン末、オウバク末、オウレン末、ガジュツ末、カッコウ末、カンゾウ末、キコク末、キナ末、クジン末、ケイヒ末、ケツメイシ末、ゲンノショウコ末、コウジン末、コウボク末、ゴシュユ末、ゴバイシ末、コロンボ末、チンピ末、サンザシ末、サンショウ末、サンナ末、シソシ末、シュクシャ末、ショウズク末、セイヒ末、セキショウコン末、ソウジュツ末、ソヨウ末、ダイオウ末、チクセツニンジン末、トウヒ末、ニガキ末、ニクズク末、ニンジン末、ヒキオコシ末、ヒハツ末、ビャクジュツ末、モッコウ末、ヤクチ末、ヨウバイヒ末、ハッカ油、リンドウ末、リョウキョウ末、アニス実、アロエ、スイサイヨウ、ダイウイキョウ、コンズランゴ、加工大蒜、カラムス根、センタウリウム草、ホミカエキス、乾燥酵母、塩化カルニチン、グルタミン酸、塩化ベタネコール、マレイン酸トリメブチン等が挙げられる。
消化酵素としては、ビオヂアスターゼ、リパーゼ、ウルソデオキシコール酸、含糖ペプシン、ジアスメン、セルラーゼ、セルロシン、タカヂアスターゼ、胆汁末、デヒドロコール、ニューラーゼ、パンクレアチン、ビオタミラーゼ、プロザイム、ポリパーゼ等が挙げられる。
粘膜修復成分としては、スクラルファート、アルジオキサ、L−グルタミン、ソファルコン、銅クロロフィンナトリウム、銅クロロフィンカリウム、塩酸セトラキサート、ゲファルナート、マレイン酸トリメブチン、アズレンスルフォン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0020】
〔パルブロ酸ナトリウム〕
バルプロ酸ナトリウムは、公知の製造方法に従って得ることができる(例えば、特開昭60−156638号公報、特開昭62−106041号公報、特開昭63−122646号公報、特開平10−130197号公報参照)。また、市販品として、例えば、バルプロ酸ナトリウム(日本合成化学工業製、アリババ製)等が市販されている。バルプロ酸ナトリウムの配合量は、芯材に対して1〜80重量%が好ましく、より好ましくは30〜60重量%である。
【0021】
また芯材には上記の薬物のほかに、経口投与可能な各種任意成分を所望に応じて配合する事が可能である。そのような経口投与可能な各種任意添加物として、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等が挙げられる。
賦形剤としては、乳糖、結晶セルロース、蔗糖、マンニトール、軽質無水ケイ酸、リン酸水素カルシウム及びトウモロコシデンプン等が挙げられる。
結合剤としては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ゼラチン、ポリビニルピロリドン及びプルラン等が挙げられる。
崩壊剤としては、カルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポピドン及びクロスカルメロースナトリウム等が挙げられる。
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム及びタルク等が挙げられる。
【0022】
本発明の糖衣製剤に用いる芯材は、薬物及びその他任意成分を用いて常法により製造することができる。
例えば、素錠の場合は、配合する薬物及びその他任意添加物を造粒した後、造粒物を打錠する方法、あるいは配合する薬物及びその他任意添加物を造粒した後、これらを整粒機で整粒して粉体とし、更に必要に応じてその粉体にその他任意添加物を添加、混合した粉体とした後、これらの粉体を打錠する方法、または、直接に配合する薬物及びその他任意添加物を混合して打錠機にて打錠する方法などが挙げられる。
ここで造粒としては、乾式造粒法と湿式造粒法が挙げられ、乾式造粒法とは、水、エタノール、イソプロパノール及びこれらの混合液などの液体を用いることなく粉体を乾式造粒機等により圧縮成形し、板状の固形物を製した後これらを破壊し、粒状物を製する方法である。
また湿式造粒法とは、高速攪拌造粒機、練合造粒機、流動層造粒機、転動流動造粒機等を用いて結合液を粉体に添加し、粒子を形成した後に乾燥を実施する方法で、結合液の種類は特に限定されないが、水、エタノール、イソプロパノール及びこれらの混合液を用いることができる。
【0023】
次に芯顆粒の場合は、配合する薬物及びその他任意添加物を乾式造粒法にて顆粒化する方法、湿式造粒法または湿式造粒法と押出し造粒法とを組み合わせて顆粒化する方法などが挙げられる。
本発明の糖衣製剤に含まれる上記芯材を被覆する糖衣層の少なくとも1つは、糖及びアクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー0.01〜10重量%を含むことを特徴とする。
【0024】
また、本発明の糖衣製剤は、本発明の糖衣液を用いて形成された1又は複数の糖衣層以外にも他のコーティング液で形成された1又は複数の被覆層を有していてもよい。なお、本明細書では、本発明の糖衣液により形成される層を「糖衣層」、該糖衣層及び本発明の糖衣液以外のコーティング液で形成された層を合わせて「被覆層」と記載することがある。
被覆層は、その機能により防水層(protective coating)、下掛層(subcoating)、中
掛層(smoothing)、上掛層(coloring)及び艶出層(polishing)等の複数の層などに分けることができる。これら各層の被覆層全体に対する割合は、通常、防水層が0〜20%、下掛層が15〜100%、中掛層が0〜50%、上掛層が0〜50%及び艶出層が0〜10%である。防水層は糖衣工程中における芯材への水分移行を抑制するために施すものである。また、下掛層は糖衣錠の形を整えるために施すものであり、糖衣錠の外観、強度の優劣はこの下掛層の良し悪しに影響される。また、中掛層は糖衣錠の表面を平滑にするため、上掛層は着色して糖衣錠の識別性や商品価値を高めるため、艶出層は糖衣錠に艶を与えるために施すものである。本発明の糖衣製剤は、必ずしも上記機能を有する全ての被覆層を有している必要はないが、下掛層の機能を有する被覆層を含むことが好ましく、本発明の糖衣液を用いて形成した糖衣層は、下掛層の機能を有する被覆層として好適に用いることができる。
【0025】
更に、本発明の糖衣製剤には、目的に応じて上記被覆層とは別に放出制御層も被覆することができる。放出制御層は芯材に含む薬物の溶出を制御する機能を付与するために施すものであり、1又は複数の層であってもよい。放出制御層は、芯材に直接被覆するか、あるいは上記の防水層、下掛層、中掛層、上掛層及び艶出層のいずれの間に施すこともできるが、通常は芯材に被覆するのが好ましい。放出制御層を被覆する場合は、糖衣製剤1重量部に対し1〜10重量%が好ましく、より好ましくは2〜8重量%である。また放出制御層を施す方法や用いる成分は、常法のものが使用できる。
【0026】
本発明の糖衣製剤における本発明の糖衣液を用いて形成した糖衣層の重量は、芯材の重量に対して5〜60重量%が好ましく、より好ましくは10〜50重量%である。糖衣層の重量が60重量%を超えるとコーティング工程の時間が長くなり、仕込んだ芯材の質量に対して出来上がりの糖衣製剤の質量が大きくなるため別途コーティング装置が必要になるといった問題が生じる。また5重量%未満だと充分な被覆層の硬度が得られず、また、被覆層が薄いため、環境湿度から素錠または芯顆粒などの内容物を保護することが出来ないなどの問題を生じることがある。
【0027】
本発明の糖衣製剤における吸湿率は、温湿度25℃−85%における24時間後の条件下では、好ましくは1.0%以下、さらに好ましくは0.5%以下であり、温湿度40℃−75%における30日後の条件下では、好ましくは4.0%以下、さらに好ましくは3.0%以下である。また、硬度や崩壊度については、本発明の糖衣製剤の使用目的や芯材に含まれる薬物に応じて適宜調整が可能である。
本発明の糖衣製剤の芯材がニンニク加工物を含有する場合は、糖衣製剤の硬度は好ましくは100N以上、さらに好ましくは110N以上である。また、崩壊度は25分以内が好ましい。
本発明の糖衣製剤の芯材がMMSCを含有する場合は、糖衣製剤の硬度は好ましくは65N
以上、さらに好ましくは70N以上である。また崩壊度は、15分以内が好ましい。
本発明の糖衣製剤の芯材がパルブロ酸ナトリウムを含有する場合は、糖衣製剤の硬度は好ましくは65N以上、さらに好ましくは70N以上である。
【0028】
本発明の糖衣製剤は、本発明の糖衣液の噴霧工程、及び乾燥工程を同時に行う連続コーティング法により糖衣層を形成して製造することができる。すなわち、本発明の糖衣液を薬物を含む芯材に噴霧しながら、乾燥を行うことにより、芯材を覆う糖衣液中の溶剤を飛ばして糖衣層を形成することができる。また、用いる芯材(素錠あるいは芯顆粒)により、糖衣錠や糖衣顆粒の剤形とすることができる。
【0029】
糖衣錠を製造する場合には、連続的に回転するコーティング装置内に薬物を含む素錠又はこれに防水層等を施したプロテクト掛錠を投入し、装置内で回転する素錠又はプロテクト掛錠に対して糖衣液の噴霧と乾燥を同時に行うことにより、芯材を被覆する糖衣層を形
成することができる。連続コーティング法に用いる装置としては、例えばハイコーター(フロイント産業)、アクアコーター(フロイント産業)、パウレックコーター(パウレック)、ドリアコーター(パウレック)等が挙げられる。
噴霧する糖衣液の液滴径は、0.1〜1,000μmとすることが好ましく、噴霧量は、芯材の大きさや量に応じて芯材の表面全体に行き渡るよう調節すればよい。また、糖衣液の温度は10〜80℃とすることが好ましい。給気温度及び風量については、製品温度が10〜60℃になるように調節することが好ましい。
【0030】
糖衣顆粒を製造する場合には、流動層コーティング機を使用して行なうことが好ましく、特に底部に回転盤を有する転動流動層コーティング機を使用することが望ましい。例えば、マルチプレックス(パウレック)、グラニュレックス(フロイント産業)、スパイラフロー(フロイント産業)、アグロマスタ(ホソカワミクロン)、ニューマルメライザー(不二パウダル)等が挙げられる。
連続的に本体底面部が回転するコーティング装置内に薬物を含む顆粒又はこれに防水層等を施したプロテクト掛顆粒を投入し、装置内で流動及び回転する顆粒又はプロテクト掛顆粒に対して糖衣液の噴霧と乾燥を同時に行うことにより、芯材を被覆する糖衣層を形成することができる。
噴霧する糖衣液の液滴径は、0.1〜100μmとすることが好ましく、噴霧量は、芯材の大きさや量に応じて芯材の表面全体に行き渡るよう調節すればよい。また、糖衣液の温度は10〜80℃とすることが好ましい。給気温度及び風量については、製品温度が10〜50℃になるように調節することが好ましい。
【0031】
また、本発明の糖衣液以外のコーティング液による被覆層の形成は、糖衣製剤の製造に一般的に用いられる方法で行うことができる。この際用いるコーティング装置もコーティング液の種類などにより適宜選択して使用することができ、特に制限されない。また、コーティング液を噴霧する場合の液滴や噴霧量についても糖衣液の噴霧と同様に調節することができる。
このようにして得られる本発明の糖衣製剤は、従来の製剤と比べて糖衣層が薄く、十分な硬度を有し、かつ低吸湿性、防臭性及び崩壊性にも優れている。
【実施例】
【0032】
以下に、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。
<製造例1>
乳糖3000g、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L:日本曹達)150g、トウモロコシデンプン1200g、結晶セルロース(セオラスPH−101:旭化成)1000gを高速攪拌造粒機(VG−25:パウレック)に投入し、精製水を加えることで造粒物を調製した。これを流動層乾燥機(FLO−5B:フロイント産業)にて乾燥をし、その後整粒機(パワーミル、昭和化学機械)にて乾燥物を整粒した。
得られた整粒物5350gにステアリン酸マグネシウム50gを混合し、これをロータリー式打錠機(HP−AP18−SS:畑鐵工所)にて、1錠当たり270mgの素錠を製造した。
得られた素錠5400gに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(TC−5R:信越化学工業)100g及び精製水900gからなるコーティング液を用い、コーティング機(ドリアコーター DRC−650、パウレック)にて素錠に防水層を施し、1錠当たり275mgのプロテクト掛錠を製造した。
【0033】
<実施例1>
製造例1で得たプロテクト掛錠5500gに、グラニュー糖1180g、タルク400g、沈降炭酸カルシウム400g、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー30%分散液(オイドラギットNE30D:樋口商会)66.7g及び精製水2000gからなる懸濁した糖衣液を用い、コーティング機(ドリアコーター DRC−650、パウレック)にて糖衣液を噴霧しながら乾燥を行い、1錠当たり375mgの糖衣錠を得た。なお、コーティング作業に費やした時間は2時間であった。
【0034】
<実施例2>
製造例1で得たプロテクト掛錠5500gに、グラニュー糖1160g、タルク400g、沈降炭酸カルシウム400g、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー30%分散液(オイドラギットNE30D:樋口商会)133.3g及び精製水2000gからなる懸濁した糖衣液を用い、コーティング機(ドリアコーター DRC−650、パウック)にて糖衣液を噴霧しながら乾燥を行い、1錠当たり375mgの糖衣錠を得た。なお、コーティング作業に費やした時間は2時間であった。
【0035】
<実施例3>
製造例1で得たプロテクト掛錠5500gに、グラニュー糖1120g、タルク400g、沈降炭酸カルシウム400g、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー30%分散液(オイドラギットNE30D:樋口商会)266.7g及び精製水2000gからなる懸濁した糖衣液を用い、コーティング機(ドリアコーター DRC−650、パウレック)にて糖衣液を噴霧しながら乾燥を行い、1錠当たり375mgの糖衣錠を得た。なお、コーティング作業に費やした時間は2時間であった。
【0036】
<比較例1>
製造例1で得たプロテクト掛錠5500gに、グラニュー糖1160g、タルク400g、沈降炭酸カルシウム400g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(TC−5R:信越化学工業)40g及び精製水2000gからなる懸濁した糖衣液を用い、コーティング機(ドリアコーター DRC−650、パウレック)にて糖衣液を噴霧しながら乾燥を行い、1錠当たり375mgの糖衣錠を得た。なお、コーティング作業に費やした時間は2時間であった。
【0037】
<比較例2>
製造例1で得たプロテクト掛錠5500gに、グラニュー糖1924g、タルク542g、沈降炭酸カルシウム818g、アラビアゴム64g、ゼラチン30g、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール(PEP−101 :フロイン
ト産業)22g及び精製水1200gからなる懸濁した糖衣液を用い、コーティング機(ドリアコーター DRC−650、パウレック)にて糖衣液の噴霧、蒸らし、乾燥を別々に行う従来の糖衣コーティング方法により、1錠当たり445mgの糖衣錠を得た。なお、コーティング作業に費やした時間は6.5時間であった。
【0038】
<製造例2>
ニンニク加工物500g(オキソアミヂン、理研化学工業(株)製)、乳糖2500g、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L:日本曹達)150g、トウモロコシデンプン1200g、結晶セルロース(セオラスPH−101:旭化成)1000gを高速攪拌造粒機(VG−25:パウレック)に投入し、精製水を加えることで造粒物を調製した。これを流動層乾燥機(FLO−5B:フロイント産業)にて乾燥をし、その後整粒機(パワーミル、昭和化学機械)にて乾燥物を整粒した。
得られた整粒物5350gにステアリン酸マグネシウム50gを混合し、これをロータリー式打錠機(HP−AP18−SS:畑鐵工所)にて、1錠当たり270mgの素錠を製造した。
得られた素錠5400gに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(TC−5R:信越化学工業)100g及び精製水900gからなるコーティング液を用い、コーティング機(ドリアコーター DRC−650、パウレック)にて素錠に防水層を施し、1錠当たり275mgのプロテクト掛錠を製造した。
【0039】
<実施例4>
製造例2で得たプロテクト掛錠5500gに、グラニュー糖1180g、タルク400g、沈降炭酸カルシウム400g、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー30%分散液(オイドラギットNE30D:樋口商会)66.7g及び精製水2000gからなる懸濁した糖衣液を用い、コーティング機(ドリアコーター DRC−650、パウレック)にて糖衣液を噴霧しながら乾燥を行い、1錠当たり375mgの糖衣錠を得た。なお、コーティング作業に費やした時間は2時間であった。
【0040】
<実施例5>
製造例2で得たプロテクト掛錠5500gに、グラニュー糖1160g、タルク400g、沈降炭酸カルシウム400g、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー30%分散液(オイドラギットNE30D:樋口商会)133.3g及び精製水2000gからなる懸濁した糖衣液を用い、コーティング機(ドリアコーター DRC−650、パウレック)にて糖衣液を噴霧しながら乾燥を行い、1錠当たり375mgの糖衣錠を得た。なお、コーティング作業に費やした時間は2時間であった。
【0041】
<実施例6>
製造例2で得たプロテクト掛錠5500gに、グラニュー糖1120g、タルク400g、沈降炭酸カルシウム400g、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー30%分散液(オイドラギットNE30D:樋口商会)266.7g及び精製水2000gからなる懸濁した糖衣液を用い、コーティング機(ドリアコーター DRC−650、パウレック)にて糖衣液を噴霧しながら乾燥を行い、1錠当たり375mgの糖衣錠を得た。なお、コーティング作業に費やした時間は2時間であった。
【0042】
<比較例3>
製造例2で得たプロテクト掛錠5500gに、グラニュー糖1160g、タルク400g、沈降炭酸カルシウム400g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(TC−5R:信越化学工業)40g及び精製水2000gからなる懸濁した糖衣液を用い、コーティング機(ドリアコーター DRC−650、パウレック)にて糖衣液を噴霧しながら乾燥を行い、1錠当たり375mgの糖衣錠を得た。なお、コーティング作業に費やした時間は2時間であった。
【0043】
<比較例4>
製造例2で得たプロテクト掛錠5500gに、グラニュー糖1924g、タルク542g、沈降炭酸カルシウム818g、アラビアゴム64g、ゼラチン30g、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール(PEP−101 :フロイン
ト産業)22g及び精製水1200gからなる懸濁した糖衣液を用い、コーティング機(ドリアコーター DRC−650、パウレック)にて糖衣液の噴霧、蒸らし、乾燥を別々に行う従来の糖衣コーティング方法により、1錠当たり445mgの糖衣錠を得た。なお、コーティング作業に費やした時間は6.5時間であった。
【0044】
<製造例3>
メチルメチオニンスルホニウムクロライド1000g(メチルメチオニンスルホニウムクロライド、米沢浜理薬品)、乳糖600g、ポリビニルピロリドン(コリドン30:BASFジャパン)300g、トウモロコシデンプン1550g、カルメロースカルシウム(ECG−505:五徳薬品)500gを高速攪拌造粒機(VG−25:パウレック)に投入し、エタノールを加えることで造粒物を調製した。これを流動層乾燥機(FLO−5B:フロイント産業)にて乾燥をし、その後整粒機(パワーミル、昭和化学機械)にて乾
燥物を整粒した。
得られた整粒物3950gにステアリン酸マグネシウム50gを混合し、これをロータリー式打錠機(HP−AP18−SS:畑鐵工所)にて、1錠当たり100mgの素錠を製造した。
得られた素錠4000gに、硬化油400g、モノステアリン酸グリセリル(ニッコールMGS−B:日光ケミカル)100g及びモノステアリン酸ポリエチレングリコール(40EO)(ニッコールMYS−40:日光ケミカル)100gをエタノール600mLに溶解した液、及びタルク200gを用い、コーティング機(ドリアコーター DRC−650、パウレック)にて素錠に防水層を施し、1錠当たり120mgのプロテクト掛錠を製造した。
【0045】
<実施例7>
製造例3で得たプロテクト掛錠4800gに、グラニュー糖1180g、タルク400g、沈降炭酸カルシウム400g、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー30%分散液(オイドラギットNE30D:樋口商会)66.7g及び精製水2000gからなる懸濁した糖衣液を用い、コーティング機(ドリアコーター DRC−650、パウレック)にて糖衣液を噴霧しながら乾燥を行い、1錠当たり170mgの糖衣錠を得た。なお、コーティング作業に費やした時間は1時間であった。
【0046】
<実施例8>
製造例3で得たプロテクト掛錠4800gに、グラニュー糖1160g、タルク400g、沈降炭酸カルシウム400g、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー30%分散液(オイドラギットNE30D:樋口商会)133.3g及び精製水2000gからなる懸濁した糖衣液を用い、コーティング機(ドリアコーター DRC−650、パウレック)にて糖衣液を噴霧しながら乾燥を行い、1錠当たり170mgの糖衣錠を得た。なお、コーティング作業に費やした時間は1時間であった。
【0047】
<実施例9>
製造例3で得たプロテクト掛錠4800gに、グラニュー糖1120g、タルク400g、沈降炭酸カルシウム400g、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー30%分散液(オイドラギットNE30D:樋口商会)266.7g及び精製水2000gからなる懸濁した糖衣液を用い、コーティング機(ドリアコーター DRC−650、パウレック)にて糖衣液を噴霧しながら乾燥を行い、1錠当たり170mgの糖衣錠を得た。なお、コーティング作業に費やした時間は1時間であった。
【0048】
<比較例5>
製造例3で得たプロテクト掛錠4800gに、グラニュー糖1160g、タルク400g、沈降炭酸カルシウム400g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(TC−5R:信越化学工業)40g及び精製水2000gからなる懸濁した糖衣液を用い、コーティング機(ドリアコーター DRC−650、パウレック)にて糖衣液を噴霧しながら乾燥を行い、1錠当たり170mgの糖衣錠を得た。なお、コーティング作業に費やした時間は1時間であった。
【0049】
<比較例6>
製造例3で得たプロテクト掛錠4800gに、グラニュー糖660g、タルク1100g、沈降炭酸カルシウム1100g、アラビアゴム280g、ゼラチン60g及び精製水600gからなる懸濁した糖衣液を用い、コーティング機(ドリアコーター DRC−6
50、パウレック)にて糖衣液の噴霧、蒸らし、乾燥を別々に行う従来の糖衣コーティング方法により、1錠当たり200mgの糖衣錠を得た。なお、コーティング作業に費やした時間は3.5時間であった。
【0050】
<製造例4>
バルプロ酸ナトリウム3300g、軽質無水ケイ酸165g及びエチルセルロース303.6gを高速攪拌造粒機(VG−25:パウレック)に投入し、エタノールを加えることで造粒物を調製した。これを流動層乾燥機(FLO−5B:フロイント産業)にて乾燥をし、その後整粒機(パワーミル、昭和化学機械)にて乾燥物を整粒した。
得られた整粒物3426gにステアリン酸カルシウム24gを混合し、これをロータリー式打錠機(HP−AP18−SS:畑鐵工所)にて、1錠当たり230mgの素錠を製造した。
得られた素錠3220gに、エチルセルロース60g、メタクリル酸コポリマーL(EudragitL100:樋口商会)30g、クエン酸トリエチル22.5g及び軽質無水ケイ酸22.5gをエタノール1365gに溶解・分散した液を用い、コーティング機(ドリアコーター DRC−650、パウレック)にて素錠に放出制御層を施した後、さ
らに、エチルセルロース60g及び軽質無水ケイ酸30gをエタノール1410gに溶解・分散した液を用い、コーティング機(ドリアコーター DRC−650、パウレック)にて放出制御層を施し、1錠当たり245mgの放出制御錠を製造した。
【0051】
<実施例10>
製造例4で得た放出制御錠686gに、グラニュー糖93g、タルク3g、沈降炭酸カルシウム51g、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー30%分散液(オイドラギットNE30D:樋口商会)9.9g及び精製水135.6gからなる懸濁した糖衣液を用い、コーティング機(ハイコーター HCT−30N、フロイント産業)にて糖
衣液を噴霧しながら乾燥を行い、1錠当たり295mg(うち糖衣層の質量は50mg)の糖衣錠を得た。なお、コーティング作業に費やした時間は40分であった。
【0052】
<実施例11>
製造例4で得た放出制御錠686gに、グラニュー糖186g、タルク6g、沈降炭酸カルシウム102g、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー30%分散液(オイドラギットNE30D:樋口商会)20.1g及び精製水270.9gからなる懸濁した糖衣液を用い、コーティング機(ハイコーター HCT−30N、フロイント産業)にて糖衣液を噴霧しながら乾燥を行い、1錠当たり345mg(うち糖衣層の質量は100mg)の徐放性糖衣錠を得た。なお、コーティング作業に費やした時間は75分であった。
【0053】
<比較例7>
製造例4で得た放出制御錠686gに、グラニュー糖288.6g、タルク81.3g、沈降炭酸カルシウム122.7g、アラビアゴム9.6g、ゼラチン4.5g、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール3.3g及び精製水180gからなる懸濁した糖衣液を用い、小型糖衣機(菊水製作所製)にて糖衣液の噴霧、蒸らし、乾燥を別々に行う従来の糖衣コーティング方法により、1錠当たり415mgの下掛け錠を得た。なお、このコーティング作業に費やした時間は300分であった。さらに、グラニュー糖114g、酸化チタン6g及び精製水72gからなる懸濁した糖衣液を用い、小型糖衣機(菊水製作所製)にて糖衣液の噴霧、蒸らし、乾燥を別々に行う従来の糖衣コーティング方法により、1錠当たり455mgの色掛け錠を得た。なお、このコーティング作業に費やした時間は240分であった。最後に、グラニュー糖15g及び精製水9gからなる糖衣液を用い、小型糖衣機(菊水製作所製)にて糖衣液の噴霧、蒸らし、乾燥を別々に行う従来の糖衣コーティング方法により、1錠当たり460mg(うち糖衣層の質量は215mg)の糖衣錠を得た。なお、このコーティング作業に費やした時間は30分であり、すべてのコーティング作業に費やした合計時間は570分であった。
【0054】
上記の結果から、糖衣液を噴霧しながら乾燥を同時に行う本発明の製造方法を用いれば、従来のコーティング方法に比して作業時間を3分の1以下に短縮できることが分かった。また、糖衣錠における糖衣層の重量も2分の1〜4分の1程度にすることができることも分かった。
【0055】
<吸湿性の評価>
実施例1〜9、比較例1〜6で得た糖衣錠10錠を、25℃−84.3%の条件で1時間、2時間、3時間及び24時間静置した後の質量を測定し、開始時の質量と比較することで吸湿量を測定し、吸湿率(%)を算出した。また、実施例10〜11、比較例7で得た糖衣錠10錠を、40℃−75%の条件で3時間、1日、2日、3日、7日、10日、14日、21日、28日及び30日間静置した後の質量を測定し、上記と同様に吸湿率(%)を算出した。結果を図1〜4に示す。
吸湿率(%)=(各時間保管後の10錠の錠剤質量−開始時の10錠の錠剤質量)/開始時の10錠の錠剤質量×100
【0056】
図1より、実施例1〜3の糖衣製剤は、上記条件下に24時間静置した場合でも、吸湿率が0.1%と低かった。比較例1の糖衣製剤は、3時間静置した場合に、吸湿率が0.2%となり、24時間静置した場合には1.2%近くにまで増加した。また、比較例2の糖衣製剤は、24時間静置した場合に吸湿率が0.5%程度にまで増加した。
【0057】
図2より、実施例4〜6の糖衣製剤は、上記条件下に24時間静置した場合でも、吸湿率が0.1%と低かった。比較例3の糖衣製剤は、3時間静置した場合に、吸湿率が0.4%となり、24時間静置した場合には2.1%近くにまで増加した。また、比較例4の糖衣製剤は、24時間静置した場合に吸湿率が0.5%程度にまで増加した。
【0058】
図3より、実施例7〜9及び比較例6の糖衣製剤は、上記条件下に24時間静置した場合でも、吸湿率が0.5%以下と低かった。比較例5の糖衣製剤は、3時間静置した場合
に、吸湿率が1.3%近くにまで増加し、24時間静置した場合には5.6%近くにまで増加した。
【0059】
図4より、実施例10及び11の糖衣製剤は、糖衣層の質量が比較例7と比べそれぞれ約4分の1及び2分の1にもかかわらず、30日後の吸湿率がそれぞれ2.0%及び1.0%以下と極めて低かった。対して比較例7の糖衣製剤は、7日後の段階で吸湿率が4.0%近くなり、更に10日後では錠剤が破裂してしまった。錠剤の破裂はバルプロ酸ナトリウムの吸湿性によるものと推察される。
【0060】
以上より、本発明の糖衣液を用いれば、糖衣液を噴霧しながら乾燥を行うコーティング方法により糖衣製剤を製造した場合でも、従来の糖衣製剤に比して低吸湿性に優れる糖衣製剤を得ることが可能であることが分かった。
【0061】
<物性の評価>
実施例1〜9、比較例1〜6で得た糖衣錠の硬度及び崩壊度を測定した。硬度は、20錠をとり、1錠毎、錠剤硬度計(PHARMATEST社製PTB−311E)で錠剤硬度を測定し、平均値を算出した。崩壊度は、日本薬局方第15改正に記載されている崩壊試験法に従い、補助盤を用いて測定した(富山産業社製 崩壊試験器)。試験は6錠につ
いて行い、その平均値を算出した。結果を表1〜3に示す。
【0062】
【表1】

【0063】
実施例1〜3の糖衣製剤は、十分な硬度を有し、かつ崩壊性にも優れていた。一方、比較例1の糖衣製剤は硬度及び崩壊性共に不十分であった。比較例2の糖衣製剤は、高い硬度を有していたものの崩壊性が不十分であった。
【0064】
【表2】

【0065】
実施例4〜6の糖衣製剤は、十分な硬度を有し、かつ崩壊性にも優れていた。一方、比較例3の糖衣製剤は硬度及び崩壊性共に不十分であった。比較例4の糖衣製剤は、高い硬度を有していたものの崩壊性が不十分であった。
【0066】
【表3】

【0067】
実施例7〜9の糖衣製剤は、十分な硬度を有し、かつ崩壊性にも優れていた。一方、比較例5及び6の糖衣製剤は硬度または崩壊性が不十分であった。
【0068】
以上より、本発明の糖衣製剤は、十分な硬度を有し、かつ崩壊性にも優れていることが分かった。
【0069】
<臭いの評価>
実施例4〜9、比較例3〜6で得た糖衣錠の臭いについて評価した。得られた製剤を透明なガラス瓶に入れ密栓後、60℃の条件下で、3日、1週間及び2週間保存したときの臭いの発生について、0:薬物由来の不快臭を全く感じない、1:薬物由来の不快臭を殆ど感じない、2:薬物由来の不快臭を感じる、3:薬物由来の不快臭を強く感じる、の4段階で評価した。評価は5人で行い、平均値を算出した。結果を表4〜5に示す。
【0070】
【表4】

【0071】
実施例4〜6と比較例4の糖衣製剤は、2週間の保存期間を経ても、オキソアミヂン由来の不快臭を全く感じなかった。一方、比較例3の糖衣製剤はオキソアミヂン由来の不快臭を強く感じた。特に、保存が長期化するにつれて不快臭が強くなることが分かった。
【0072】
【表5】

【0073】
実施例7〜9と比較例6の糖衣製剤は、2週間の保存期間を経ても、MMSC由来の不快臭が殆ど感じられなかった。一方、比較例5の糖衣製剤は、3日後にはMMSC由来の不快臭が感じられ、1週間後には不快臭が強く感じられた。
【0074】
以上より、本発明の糖衣製剤は、従来の糖衣製剤と比べて、防臭性に優れることが分かった。
【0075】
<製造直後の水分値評価>
製造直後の実施例7〜9、比較例5〜6の糖衣錠を粉砕し、約5gを量り採り、反応試薬として水素化カルシウム用いて、ガス圧水分計により10分間測定して水分値(%)を算出した。結果を表6に示す。
【0076】
【表6】

【0077】
実施例7〜9及び比較例5の糖衣製剤の水分値(%)は、比較例6の糖衣製剤と比べて
低い数値であった。よって、連続コーティング法を用いると、従来のコーティング方法に比して、錠剤中の水分値を低くすることが可能であることが分かった。
【0078】
<溶出試験>
実施例11の糖衣錠の溶出試験を行った。試験は、日本薬局方溶出試験法第二法(パドル法)により、試験液として日局一般試験法崩壊試験法第2液500mLを用いて、毎分100rpmで行った。各時間毎にサンプリングを行い、サンプリング溶液中のバルプロ酸ナトリウムをHPLCにて定量し、パルブロ酸ナトリウムの溶出率(%)を算出した。結果を図5に示す。
【0079】
図5より、本願発明の糖衣製剤は、徐放性にも優れていることが判る。以上より本発明の糖衣液は、徐放性が求められる薬物の糖衣製剤化にも有用である。
【0080】
以上より、本発明の糖衣製剤は、連続コーティング法により製造された従来の糖衣製剤と比べて、十分な硬度を有し、かつ低吸湿性、防臭性に優れる製剤であり、糖衣コーティング法により製造された従来の糖衣製剤と比べて、短時間のコーティング作業で製造でき、製造直後の水分値が低く、崩壊性に優れる製剤であることが分かった。
すなわち、本発明の製造方法によれば、糖衣層が薄いにも関わらず十分な硬度を有し、かつ製造直後の低水分性、低吸湿性、崩壊性、防臭性に優れる糖衣製剤を短時間かつ簡易に製造することができる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明の糖衣液を用いれば、糖衣液の噴霧工程、及び乾燥工程を同時に行う連続コーティング法により糖衣製剤の製造を行うことが可能である。すなわち、煩雑な工程を必要とせずに短時間で、低酸素透過性、低吸湿性、防臭性、崩壊性に優れた糖衣製剤を製造することができる。また、本発明の製造方法は、薄い糖衣層を形成することが可能であることから、糖衣液の使用量の削減、製剤の小型化に大いに寄与する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
糖、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー及び溶剤を含む糖衣液であって、
前記アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマーの濃度が、全固形分に対して0.01〜10重量%であり、
実質的に薬物を含まない糖衣液。
【請求項2】
前記アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマーと前記糖の質量比が1:5〜1:500であることを特徴とする、請求項1に記載の糖衣液。
【請求項3】
薬物を含む芯材、並びに該芯材を被覆する糖衣層を有する糖衣製剤であって、
該糖衣層の少なくとも1つが、糖及びアクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー0.01〜10重量%を含み、
該糖衣層は実質的に薬物を含まないことを特徴とする、糖衣製剤。
【請求項4】
更に放出制御層を有することを特徴とする、請求項3に記載の糖衣製剤。
【請求項5】
前記芯材に含有される前記薬物が、不快な臭いを有する薬物、水分に不安定な薬物、又はウイスカーを発生する薬物であることを特徴とする、請求項3または4に記載の糖衣製剤。
【請求項6】
前記糖衣層における前記アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマーと前記糖の質量比が1:5〜1:500であることを特徴とする、請求項3〜5のいずれか一項に記載の糖衣製剤。
【請求項7】
請求項1または2に記載の糖衣液の噴霧工程、及び乾燥工程を同時に行うことを特徴とする、糖衣製剤の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−100365(P2013−100365A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−36718(P2013−36718)
【出願日】平成25年2月27日(2013.2.27)
【分割の表示】特願2008−526734(P2008−526734)の分割
【原出願日】平成19年7月18日(2007.7.18)
【出願人】(000163006)興和株式会社 (618)
【Fターム(参考)】