説明

α−シヌクレイン毒性を阻害する化合物、組成物および方法

α-シヌクレイン毒性、α-シヌクレイン媒介疾患またはα-シヌクレイン原線維が疾患の症状または原因である疾患の1つまたは複数の症状を治療または寛解するための化合物または組成物を提供する。1つの態様では、組成物および方法において使用するための化合物はヘテロアリールアシルグアニジン、ヘテロアリールヒドラゾン、ジヒドロピロリドン、ヘテロアリールおよびアリールスチリルケトン、ならびにヘテロアリールピラゾールである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本明細書において提供される対象は、α-シヌクレイン毒性を阻害する化合物、組成物および方法に関する。1つの態様では、化合物はベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリルおよびベンズイミダゾリルグアニジン、ベンズイミダゾリルヒドラゾン、ベンゾジヒドロピリドン、ジヒドロピリドン、チエニルスチリルケトンおよびN-ベンズイミダゾリル-アミノピラゾールである。別の態様では、化合物は、α-シヌクレイン原線維媒介疾患、例えばパーキンソン病の治療法で使用される。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法§119(e)の下、参照により本明細書に全体が組み入れられる、2004年9月17日に出願された米国特許仮出願第60/610,796号について優先権を主張する。
【0003】
連邦政府支援の研究についての声明
本明細書で開示した研究のいくつかを支援するために使用した資金は、国立衛生研究所により与えられた助成金番号NIH NS 44829により提供された。政府は本発明において一定の権利を有する場合がある。
【背景技術】
【0004】
背景
パーキンソン病は、病理学的には細胞質内レビー小体の存在により特徴づけられる神経変性疾患であり(Lewy in Handbuch der Neurologie, M. Lewandowski, ed., Springer, Berlin, pp. 920-933, 1912; Pollanen et al., J. Neuropath. Exp. Neurol. 52: 183-191, 1993)、細胞質内レビー小体の主成分はα-シヌクレイン(Spillantini et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95: 6469-6473, 1998; Arai et al., Neurosci. Lett. 259: 83-86, 1999)、140-アミノ酸タンパク質(Ueda et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 11282-11286, 1993)からなるフィラメントである。家族性早期発症型パーキンソン病を引き起こすα-シヌクレインにおける2つの優性突然変異が記述されており、レビー小体がパーキンソン病および関連障害のニューロンの変性に機構的に関与することが示唆される(Polymeropoulos et al., Science 276: 2045-2047, 1997; Kruger et al., Nature Genet. 18: 106-108, 1998; Zarranz et al., Ann. Neurol. 55: 164-173, 2004)。α-シヌクレイン遺伝子の三重および二重変異が、パーキンソン病の早期発症に関連している(Singleton et al., Science 302: 841, 2003; Chartier-Harlin at al. Lancet 364: 1167-1169, 2004; Ibanez et al., Lancet 364: 1169-1171, 2004)。インビトロ研究により、組換えα-シヌクレインは実際にレビー小体様原線維を形成することができることが証明されている(Conway et al., Nature Med. 4: 1318-1320, 1998; Hashimoto et al., Brain Res. 799: 301-306, 1998; Nahri et al., J. Biol. Chem. 274: 9843-9846, 1999)。どちらのパーキンソン病関連α-シヌクレイン突然変異も、この凝集過程を促進し、そのようなインビトロ研究は、パーキンソン病原因に関連性がある可能性があることが証明される。α-シヌクレイン凝集および線維形成は、核生成依存重合過程の基準を満たす(Wood et al., J. Biol. Chem. 274: 19509-19512, 1999)。この点では、α-シヌクレイン線維形成は、アルツハイマーβ-アミロイドタンパク質(Aβ)原線維の形成と類似する。α-シヌクレイン組換えタンパク質、および非-Aβ成分(NACとして公知)、α-シヌクレインの35-アミノ酸ペプチド断片、はどちらも37℃でインキュベートすると原線維を形成することができ、コンゴ(Congo)レッド(偏光下で見ると赤/緑複屈折性を示す)およびチオフラビンS(陽性蛍光を示す)などのアミロイド染色で陽性である(Hashimoto et al., Brain Res. 799: 301-306, 1998; Ueda et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 11282-11286, 1993)。
【0005】
シヌクレインは、α-、β-、およびγ-シヌクレインからなる小さな、シナプス前神経タンパク質のファミリーであり、その中で、α-シヌクレイン凝集体のみがいくつかの神経変性疾患と関連している(Ian et al., Clinical Neurosc. Res. 1: 445-455, 2001; Trojanowski and Lee, Neurotoxicology 23: 457-460, 2002)。多くの神経変性および/またはアミロイド疾患の病因におけるシヌクレイン(および特に、α-シヌクレイン)の役割はいくつかの観察結果から明らかになっている。病理学的には、α-シヌクレインは、レビー小体、パーキンソン病の顕著な介在物の主成分として識別されており、その断片は異なる神経疾患、アルツハイマー病のアミロイド斑から単離された。生物化学的には、組換えα-シヌクレインは、レビー小体型認知症、パーキンソン病および多系統萎縮症の患者から単離したα-シヌクレインの超微細構造的特徴を再現するアミロイド様原線維を形成することが示されている。さらに、家族性パーキンソン病のまれな症例にもかかわらず、α-シヌクレイン遺伝子内の変異の識別により、シヌクレイン病態と神経変性疾患との間の明確な関係が証明された。パーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症およびアルツハイマー病のレビー小体変異体などの一連の疾患でのα-シヌクレインの共通の関与により、これらの疾患が「シヌクレイノパチー」という包括的用語で分類されている。
【0006】
α-シヌクレインの線維化および凝集が、PDにおける神経機能障害およびドーパミン作動性ニューロンの死において主要な役割を果たすと考えられる。α-シヌクレインにおける変異または野生型α-シヌクレインのゲノム三重化(その過発現に至る)により、あるまれな家族性パーキンソン病が引き起こされる。インビトロおよびインビボモデルから、野生型α-シヌクレインの過発現が神経細胞死を誘導することが示唆される。例えば、下記を参照されたい:Polymeropoulos, et al.(1997) Science 276(5321): 2045-7, Kruger, et al. (1998) Nat Genet. 18(2):106-8, Singleton, et al. (2003) Science 302(5646):841, Miller, et al. (2004) Neurology 62(10):1835-8, Hashimoto,et al. (2003) Ann N Y Acad Sci. 991:171-88, Lo Bianco, et al. (2002) Proc Natl Acad Sci USA. 99(16):10813-8、Lee, et al.(2002) Proc Natl Acad Sci U S A.99(13):8968-73, Masliah, et al.(2000) Science 287(5456):1265-9, Auluck, et al.(2002) Science 295 (5556):865-8, Oluwatosin-Chigbu et al.(2003) Biochem Biophys Res Commun 309(3):679-84, Klucken et al.(2004) J Biol Chem. 279(24):25497-502。ニューロンをα-シヌクレインの毒性効果から保護することは、パーキンソン病および他のシヌクレイノパチー、例えばレビー小体型認知症を治療するための有望な戦略である。
【0007】
このように、α-シヌクレイン毒性および/または凝集を阻止し、および/またはα-シヌクレイン原線維脱凝集を促進する化合物および組成物が必要である。そのような化合物および組成物は、パーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症およびアルツハイマー病のレビー小体変異体を含むがそれらに限定されない、α-シヌクレイン媒介疾患および障害、またはα-シヌクレイン線維形成が関与する疾患および障害の1つまたは複数の症状を治療または寛解するのに有用である。
【発明の開示】
【0008】
概要
本明細書では、α-シヌクレイン阻害剤としての化合物、化合物を含む組成物、および化合物の使用法を提供する。α-シヌクレイン毒性に関連する疾患および障害の1つまたは複数の症状を治療または寛解する方法もまた提供する。α-シヌクレイン線維形成に関連する疾患および障害の1つまたは複数の症状を治療または寛解する方法もまた提供する。そのような疾患および障害としては、パーキンソン病およびレビー小体型認知症が挙げられるが、それらに限定されない。別の疾患および障害としては、アルツハイマー病などの、しかしそれに限定されないタウオパチーが挙げられる。
【0009】
α-シヌクレイン毒性またはα-シヌクレイン線維形成に関連する疾患および障害の1つまたは複数の症状を治療または寛解するために、任意の記述した化合物を使用することも企図される。さらに、α-シヌクレイン毒性またはα-シヌクレイン線維形成に関連する疾患および障害を治療するための薬剤を製造するために、任意の記述した化合物を使用することも企図される。
【0010】
1つの態様では、本明細書で提供される組成物および方法において使用するための化合物は式Iを有し:

式中、
XはO、SまたはNRであり、ここでRは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールまたはアラルキルであり;
YはNRR'またはOHであり;ここでR'は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールまたはアラルキルであり;
Zは直接結合またはNRであり;
R1は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アラルケニル、ヘテロアラルキルまたはヘテロアラルケニルであり;
nは0〜4であり;
R2は下記の通り(i)または(ii)から選択され:
(i)水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリーリウム、シクロアルキル、ヘテロシクリル、C(A)R110、ハロ、擬ハロ、OR111、S(D)aR112、NR115R116もしくはN+R115R116R117;または
(ii)任意の2つのR2基、これらは環上の隣接原子を置換し、一緒にアルキレン、アルケニレン、アルキニレンまたはヘテロアルキレンを形成する;
AはO、SまたはNR125であり;
R110は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリーリウム、シクロアルキル、ヘテロシクリル、C(A)R126、ハロ擬ハロ、OR125、SR125、NR127R128およびSiR122R123R124であり;
R111は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリーリウム、シクロアルキル、ヘテロシクリル、C(A)R129、NR130R131およびSiR122R123R124であり;
DはOまたはNR125であり;
aは0、1または2であり;
aが1または2の場合、R112は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリーリウム、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ハロ、擬ハロ、OR125、SR125およびNR132R133から選択され;
aが0の場合、R112は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリーリウム、シクロアルキル、ヘテロシクリル、SR125およびC(A)R129から選択され;
R115、R116およびR117はそれぞれ独立して、下記の通り(a)および(b)から選択され:
(a)水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリーリウム、シクロアルキル、ヘテロシクリル、C(A)R129、OR125もしくはNR132R133;または
(b)R115、R116およびR117のうちの任意の2つが一緒に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレンを形成し、残りが(a)のように選択され;
R122、R123およびR124は下記の通り(i)または(ii)のように選択され:
(i)R122、R123およびR124はそれぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリーリウム、シクロアルキル、ヘテロシクリル、OR125もしくはNR132R133であり;または
(ii)R122、R123およびR124のうちの任意の2つが一緒に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレンを形成し;および残りが(i)のように選択され;
R125は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリーリウム、シクロアルキルまたはヘテロシクリルであり;
R126は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリーリウム、シクロアルキル、ヘテロシクリル、OR125またはNR134R135であり;ここで、R134およびR135はそれぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリーリウム、シクロアルキル、ヘテロシクリル、OR136もしくはNR132R133であり、またはR134およびR135は一緒にアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレンを形成し、ここで、R136は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリーリウム、シクロアルキルまたはヘテロシクリルであり;
R127およびR128は下記の通り(i)または(ii)のように選択され:
(i)R127およびR128はそれぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリーリウム、シクロアルキル、ヘテロシクリル、OR125、NR137R138またはC(A)R139であり、ここで、R137およびR138はそれぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリーリウム、シクロアルキルまたはヘテロシクリルであり、または一緒にアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレンを形成し;および、R139は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリーリウム、シクロアルキル、ヘテロシクリル、OR140またはNR132R133であり、ここでR140はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリーリウム、シクロアルキル、ヘテロシクリルであり;または
(ii)R127およびR128は一緒にアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレンを形成し;
R129は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリーリウム、シクロアルキル、ヘテロシクリル、OR140またはNR132R133であり;
R130およびR131はそれぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリーリウム、シクロアルキル、ヘテロシクリルまたはC(A)R141であり、ここで、R141はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリーリウム、シクロアルキル、ヘテロシクリル、OR125もしくはNR132R133であり;または、R130およびR131は一緒にアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレンを形成し;
R132およびR133はそれぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリーリウム、シクロアルキル、ヘテロシクリルであり、または、R132およびR133は一緒にアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレンを形成し;および
R3は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールであり;
ここで、X、Y、Z、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して、非置換であり、または1つもしくは複数の置換基、1つの態様では1、2または3つの置換基により置換され、置換基はそれぞれ独立してQ1から選択され、ここで、Q1は下記であり:ハロ、擬ハロ、ヒドロキシ、オキソ、チア、ニトリル、ニトロ、ホルミル、メルカプト、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシカルボニルアルケニル、アルキル、ハロアルキル、ポリハロアルキル、アミノアルキル、ジアミノアルキル、1〜2の二重結合を含むアルケニル、1〜2の三重結合を含むアルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、アルキルジアリールシリル、トリアリールシリル、アルキリデン、アリールアルキリデン、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アルコキシキサボニルアルコキシ、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルキル、アラルコキシカルボニル、アラルコキシカルボニルアルキル、アラルコキシカルボニルアルコキシ、アリールカルボニルアルキル、アミノカルボニル、アミノカルボニルアルキル、アミノカルボニルアルコキシ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルアミノカルボニルアルコキシ、ジアルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニルアルキル、ジアルキルアミノカルボニルアルコキシ、アリールアミノカルボニル、アリールアミノカルボニルアルキル、アリールアミノカルボニルアロコキシ、ジアリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニルアルキル、ジアリールアミノカルボニルアルコキシ、アリールアルキルアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニルアルキル、アリールアルキルアミノカルボニルアルコキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、シクロアルコキシ、パーフルオロアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アラルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アラルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アラルコキシカルボニルオキシ、アミノカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニルオキシ、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アルキルアリールアミノカルボニルオキシ、ジアリールアミノカルボニルオキシ、グアニジノ、イソチオウレイド、ウレイド、N-アルキルウレイド、N-アリールウレイド、N'-アルキルウレイド、N',N'-ジアルキルウレイド、N'-アルキル-N'-アリールウレイド、N',N'-ジアリールウレイド、N'-アリールウレイド、N,N'-ジアルキルウレイド、N-アルキル-N'-アリールウレイド、N-アリール-N'-アルキルウレイド、N,N'-ジアリールウレイド、N,N',N'-トリアルキルウレイド、N,N'-ジアルキル-N'-アリールウレイド、N-アルキル-N',N'-ジアリールウレイド、N-アリール-N',N'-ジアルキルウレイド、N,N'-ジアリール-N'-アルキルウレイド、N,N',N'-トリアリールウレイド、アミジノ、アルキルアミジノ、アリールアミジノ、アミノチオカルボニル、アルキルアミノチオカルボニル、アリールアミノチオカルボニル、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、ジアリールアミノアルキル、アルキルアリールアミノアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アラルコキシカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノアルキル、アリールオキシカルボニルアミノアルキル、アリールオキシアリールカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、ヘテロアリールスルホニルアミノ、ヘテロシクリルスルホニルアミノ、ヘテロアリールチオ、アジド、-N+R151R152R153、P(R150)2、P(=O)(R150)2、OP(=O)(R150)2、-NR160C(=O)R163、ジアルキルホスホニル、アルキルアリールホスホニル、ジアリールホスホニル、ヒドロキシホスホニル、アルキルチオ、アリールチオ、パーフルオロアルキルチオ、ヒドロキシカルボニルアルキルチオ、チオシアノ、イソチオシアノ、アルキルスルフィニルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルフィニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、ヒドロキシスルホニルオキシ、アルコキシスルホニルオキシ、アミノスルホニルオキシ、アルキルアミノスルホニルオキシ、ジアルキルアミノスルホニルオキシ、アリールアミノスルホニルオキシ、ジアリールアミノスルホニルオキシ、アルキルアリールアミノスルホニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、ヒドロキシスルホニル、アルコキシスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、ジアリールアミノスルホニル、またはアルキルアリールアミノスルホニル;アジド、テトラゾリルまたは2つのQ1基、これらは1,2または1,3配置の原子を置換し、一緒にアルキレンジオキシ(すなわち、-O-(CH2)y-O-)、チオアルキレンオキシ(すなわち、-S-(CH2)y-O-)またはアルキレンジチオキシ(すなわち、-S-(CH2)y-S-)を形成し、ここで、yは1または2である;または2つのQ1基、これらは同じ原子を置換し、一緒にアルキレンを形成する;および
各Q1は独立して、非置換であり、または1つもしくは複数の置換基、1つの態様では、1、2または3つの置換基により置換され、その置換基はそれぞれ、独立してQ2から選択され;
各Q2は独立して下記であり:ハロ、擬ハロ、ヒドロキシ、オキソ、チア、ニトリル、ニトロ、ホルミル、メルカプト、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルアルキル、ヒドロキシカルボニルアルケニル、アルキル、ハロアルキル、ポリハロアルキル、アミノアルキル、ジアミノアルキル、1〜2の二重結合を含むアルケニル、1〜2の三重結合を含むアルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、アルキルジアリールシリル、トリアリールシリル、アルキリデン、アリールアルキリデン、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルキル、アラルコキシカルボニル、アラルコキシカルボニルアルキル、アリールカルボニルアルキル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシ、ヘテロシクリルオキシ、シクロアルコキシ、パーフルオロアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アラルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アラルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アラルコキシカルボニルオキシ、アミノカルボニルオキシ、アルキルアミノカルボニルオキシ、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アルキルアリールアミノカルボニルオキシ、ジアリールアミノカルボニルオキシ、グアニジノ、イソチオウレイド、ウレイド、N-アルキルウレイド、N-アリールウレイド、N'-アルキルウレイド、N',N'-ジアルキルウレイド、N'-アルキル-N'-アリールウレイド、N',N'-ジアリールウレイド、N'-アリールウレイド、N,N'-ジアルキルウレイド、N-アルキル-N'-アリールウレイド、N-アリール-N'-アルキルウレイド、N,N'-ジアリールウレイド、N,N',N'-トリアルキルウレイド、N,N'-ジアルキル-N'-アリールウレイド、N-アルキル-N',N'-ジアリールウレイド、N-アリール-N',N'-ジアルキルウレイド、N,N'-ジアリール-N'-アルキルウレイド、N,N',N'-トリアリールウレイド、アミジノ、アルキルアミジノ、アリールアミジノ、アミノチオカルボニル、アルキルアミノチオカルボニル、アリールアミノチオカルボニル、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、ジアリールアミノアルキル、アルキルアリールアミノアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アラルコキシカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノアルキル、アリールオキシカルボニルアミノアルキル、アリールオキシアリールカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、ヘテロアリールスルホニルアミノ、ヘテロシクリルスルホニルアミノ、ヘテロアリールチオ、アジド、-N+R151R152R153、P(R150)2、P(=O)(R150)2、OP(=O)(R150)2、-NR160C(=O)R163、ジアルキルホスホニル、アルキルアリールホスホニル、ジアリールホスホニル、ヒドロキシホスホニル、アルキルチオ、アリールチオ、パーフルオロアルキルチオ、ヒドロキシカルボニルアルキルチオ、チオシアノ、イソチオシアノ、アルキルスルフィニルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルフィニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、ヒドロキシスルホニルオキシ、アルコキシスルホニルオキシ、アミノスルホニルオキシ、アルキルアミノスルホニルオキシ、ジアルキルアミノスルホニルオキシ、アリールアミノスルホニルオキシ、ジアリールアミノスルホニルオキシ、アルキルアリールアミノスルホニルオキシ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、ヒドロキシスルホニル、アルコキシスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、ジアリールアミノスルホニル、またはアルキルアリールアミノスルホニル;または2つのQ2基、これらは1,2または1,3配置の原子を置換し、一緒にアルキレンジオキシ(すなわち、-O-(CH2)y-O-)、チオアルキレンオキシ(すなわち、-S-(CH2)y-O-)またはアルキレンジチオキシ(すなわち、-S-(CH2)y-S-)を形成し、ここで、yは1または2である;または2つのQ2基、これらは同じ原子を置換し、一緒にアルキレンを形成する;
R150はヒドロキシ、アルコキシ、アラルコキシ、アルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリールまたは-NR170R171であり、ここで、R170およびR171はそれぞれ独立して水素、アルキル、アラルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルもしくはヘテロシクリルであり、またはR170およびR171は一緒にアルキレン、アザアルキレン、オキサアルキレンまたはチアアルキレンを形成し;
R151、R152およびR153はそれぞれ独立して、水素、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキルであり;
R160は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキルであり;および
R163はアルコキシ、アラルコキシ、アルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリールまたは-NR170R171である。
【0011】
1つの態様では、R1は、アリールオキシ、アリール、ヘテロアリール、ハロ、擬ハロ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アルコキシカルボニル、ヒドロキシカルボニル、アルキルアミノ、およびジアルキルアミノから独立して選択される1つまたは複数の置換基により置換される。
【0012】
当業者が認識するように、式Iは構造的に、その中に含まれる化合物の1つの互変異性体を示し;そのような互変異性体は全て本明細書で企図される。
【0013】
別の態様では、本明細書で提供される組成物および方法において使用するための化合物は式IIを有し:

式中、
X1はO、SおよびNRであり;
Arはアリールまたはヘテロアリールであり;
R4は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールであり;
R5はR2に関して選択され;
mは0〜4であり;および
R6は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールであり;
ここで、X1、Ar、R4、R5およびR6はそれぞれ独立して非置換であり、または、それぞれ独立してQ1から選択される、1つまたは複数の、1つの態様では1、2または3つの置換基により置換される。
【0014】
別の態様では、本明細書で提供される組成物および方法において使用するための化合物は式IIIを有し:

式中、
Ar1はアリール、ヘテロアリールまたはシクロアルキルであり;
R7は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールまたはNRRであり、ここでRは水素またはアルキルであり;
R8およびR9はそれぞれ独立してR2に関して選択され;および
R10は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールであり;
ここで、Ar1、R7、R8、R9およびR10はそれぞれ独立して非置換であり、または、それぞれ独立してQ1から選択される、1つまたは複数の、1つの態様では1、2または3つの置換基により置換される。
【0015】
いくつかの態様では、Ar1はアリール、ヘテロアリールまたはシクロアルキルであり、および、非置換であり、またはアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、擬ハロ、ジアルキルアミノ、アリールオキシ、アラルコキシ、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、シクロアルキル、ヘテロアリール、もしくはCOORにより置換され、ここで、Rは水素またはアルキルである。
【0016】
いくつかの態様では、R8およびR9はそれぞれ独立して、下記の通り(i)および(ii)から選択され:
(i)R8およびR9はそれらが結合している原子と一緒に、縮合フェニル環を形成し;および
(ii)R8はCNまたはCOOR200であり、ここで、R200は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールであり;およびR9は水素、アルキルまたはアルキルチオであり;および
R10は水素である。
【0017】
上記(i)の1つの態様では、R8およびR9はそれらが結合している原子と一緒に、縮合フェニル環を形成し、縮合フェニル環は非置換であり、またはハロ、擬ハロ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、縮合シクロアルキル、縮合ヘテロシクリル、縮合ヘテロアリール、アリール(例えば、フェニル)、および縮合アリール(例えば、縮合フェニル環)により置換され、これらは非置換であり、またはハロ、擬ハロ、アルキル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、縮合アリール、縮合ヘテロシクリル、および縮合シクロアルキルにより置換される。
【0018】
別の態様では、Ar1はフェニル、ナフチル、ピリジル、フリルまたはチエニルであり、および、非置換であり、またはアルキル、アルケニル、ハロ、擬ハロ、ジアルキルアミノ、アリールオキシ、ハロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、縮合ヘテロシクリル、アリール、縮合アリール、ヘテロアリール、縮合ヘテロアリール、またはCOORにより置換され、ここでRは水素またはアルキルである。
【0019】
別の態様では、本明細書で提供される組成物および方法において使用するための化合物は式IVを有し:

式中、
Ar2はアリールまたはヘテロアリールであり;および
R11、R12、R13、R14、R15、R16およびR17はそれぞれ独立して、R2に関して選択され;
ここで、Ar2、R11、R12、R13、R14、R15、R16およびR17はそれぞれ独立して非置換であり、または、それぞれ独立してQ1から選択される、1つまたは複数の置換基、1つの態様では1、2または3つの置換基により置換される。
【0020】
別の態様では、本明細書で提供される組成物および方法において使用するための化合物は式Vを有し:

式中、
X2はNまたはCRであり;
Ar3はアリール、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アルケニル、アルキニルまたはCOO-アルキルであり;
R18、R20およびR21はそれぞれ独立してR2に関して選択され;
qは0〜4であり;および
R19およびR22はそれぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールであり;
ここで、X2、Ar2、R18、R20、R21、R19およびR22はそれぞれ独立して非置換であり、または、それぞれ独立してQ1から選択される、1つまたは複数の置換基、1つの態様では1、2または3つの置換基により置換される。
【0021】
別の態様では、本明細書で提供される組成物および方法において使用するための化合物は式VIを有し:

式中、
X、R2、R3およびnは本明細書の他の箇所で規定した通りであり;
R25およびR26は、それらが結合している原子と一緒に、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成し;
N-R26結合が単結合である場合bは1であり;
N-R26結合が二重結合である場合bは0であり;および
R27は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールであり;
ここで、X、R2、R3、R25、R26およびR27はそれぞれ独立して非置換であり、または、それぞれ独立してQ1から選択される、1つまたは複数の置換基、1つの態様では1、2または3つの置換基により置換される。
【0022】
別の態様では、本明細書で提供される組成物および方法において使用するための化合物は式VIIを有し:

式中、
XはO、SまたはNRであり、ここでRは水素またはアルキルであり;
YはNRRまたはOHであり;
Zは直接結合またはNRであり;
R1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、またはアラルケニルであり;
R2は、ハロ、擬ハロ、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アリール、アラルコキシ、ヘテロアリール、アラルキル、またはヘテロアラルキルであり;
nは0、1または2であり;
R3は水素またはアルキルであり;および
ここで、X、Y、Z、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して非置換であり、または、それぞれ独立してQ1から選択される、1つまたは複数の置換基、1つの態様では1、2または3つの置換基により置換される。当業者が認識するように、式VIIは構造的に、化合物の属の1つの互変異性体を示し;そのような互変異性体は全て本明細書で企図される。
【0023】
本明細書で記述した化合物の塩、エステル、エノールエーテル、エノールエステル、溶媒和物、水和物およびプロドラッグを含む薬学的に許容される誘導体もまた提供される。薬学的に許容される塩としては、下記が挙げられるが、それらに限定されない:アミン塩、例えば、限定されないが、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、アンモニア、ジエタノールアミンおよび他のヒドロキシアルキルアミン、エチレンジアミン、N-メチルグルカミン、プロカイン、N-ベンジルフェネチルアミン、1-パラ-クロロベンジル-2-ピロリジン-1'-イルメチルベンズイミダゾール、ジエチルアミンおよび他のアルキルアミン、ピペラジンおよびトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン;アルカリ金属塩、例えば、限定されないが、リチウム、カリウムおよびナトリウム;アルカリ土類金属塩、例えば、限定されないが、バリウム、カルシウムおよびマグネシウム;遷移金属塩、例えば、限定されないが、亜鉛、アルミニウムおよび他の金属塩、例えば、限定されないが、リン酸水素ナトリウムおよびジソディウムフォスフェート;ならびに、下記塩が挙げられるが、それらに限定されない:無機酸の塩、例えば、限定されないが、塩酸塩および硫酸塩;および有機酸の塩、例えば、限定されないが、酢酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、酪酸塩、吉草酸塩およびフマル酸塩。
【0024】
さらに、本明細書で提供される化合物および薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物が提供される。1つの態様では、薬学的組成物は単回投与用に製剤化される。
【0025】
α-シヌクレイン媒介疾患または障害の1つまたは複数の症状を治療または寛解する方法もまた提供される。そのような疾患および障害としては、パーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症およびアルツハイマー病のレビー小体変異体が挙げられるが、それらに限定されない。
【0026】
α-シヌクレイン毒性に関連する1つまたは複数の症状を治療または寛解する方法が提供される。α-シヌクレイン線維形成の阻止方法が提供される。α-シヌクレイン原線維の破壊または脱凝集方法が提供される。別の態様では、小胞輸送を回復させるおよび/または脂質代謝における変化を逆行させる方法が提供される。別の態様では、神経変性を遅延させるまたは逆行させるまたは寛解させる方法が提供される。
【0027】
方法を実施する場合、有効量の化合物または治療的有効濃度の化合物を含む組成物を投与する。
【0028】
パッケージ材料、α-シヌクレイン媒介疾患または障害の1つまたは複数の症状を治療または寛解するのに有用な本明細書で提供される化合物または組成物、および、化合物または組成物がα-シヌクレイン媒介疾患または障害の1つまたは複数の症状を治療または寛解するのに有用であることを示すラベルを含む製品が提供される。
【0029】
詳細な説明
A.定義
特に記載がなければ、本明細書で使用した全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する当技術分野の当業者が一般に理解する意味と同じ意味を有する。全ての特許、出願、公開された出願および他の出版物は、参照によりその全体が組み入れられる。本明細の用語に対し複数の定義が存在する場合、特に記載がなければ、このセクションの定義が優先する。
【0030】
本明細書で使用されるように、α-シヌクレインは、中枢神経系で顕著に発現される構造的に関連するタンパク質のファミリーの1つを示す。凝集したα-シヌクレインタンパク質は脳病変を形成し、これはいくつかの神経変性疾患(シヌクレイノパチー)の特徴となる。α-シヌクレインに対する遺伝子は、SNCAと呼ばれ、染色体4q21上に存在する。遺伝性パーキンソン病の1つの形態は、SNCAの突然変異による。遺伝性パーキンソン病の別の形態はSNCAの三重化(triplication)による。
【0031】
本明細書で使用されるように、化合物の薬学的に許容される誘導体としては、その塩、エステル、エノールエーテル、エノールエステル、アセタール、ケタール、オルトエステル、ヘミアセタール、ヘミケタール、酸、塩基、溶媒和物、水和物またはプロドラッグが挙げられる。そのような誘導体は、当業者により、そのような誘導のための公知の方法を用いて容易に調製されうる。製造された化合物は、実質的な毒性効果なしに動物またはヒトに投与してもよく、薬学的活性であるか、またはプロドラッグであるかのいずれかである。薬学的に許容される塩としては、下記が挙げられるが、それらに限定されない:アミン塩、例えば、限定されないが、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、アンモニア、ジエタノールアミンおよび他のヒドロキシアルキルアミン、エチレンジアミン、N-メチルグルカミン、プロカイン、N-ベンジルフェネチルアミン、1-パラ-クロロベンジル-2-ピロリジン-1'-イルメチルベンズイミダゾール、ジエチルアミンおよび他のアルキルアミン、ピペラジンおよびトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン;アルカリ金属塩、例えば、限定されないが、リチウム、カリウムおよびナトリウム;アルカリ土類金属塩、例えば、限定されないが、バリウム、カルシウムおよびマグネシウム;遷移金属塩、例えば、限定されないが、亜鉛、および他の金属塩、例えば、限定されないが、リン酸水素ナトリウムおよびジソディウムフォスフェート;ならびに、下記が挙げられるが、それらに限定されない:ナイトレート、ボレート、メタンスルホネート、ベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、無機酸の塩、例えば、限定されないが、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩および硫酸塩;ならびに有機酸の塩、例えば、限定されないが、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、酪酸塩、吉草酸塩およびフマル酸塩。薬学的に許容されるエステルとしては、カルボン酸、リン酸、ホスフィン酸、スルホン酸、スルフィン酸およびボロン酸を含むが、それらに限定されない酸性基のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シクロアルキルおよびヘテロシクリルエステルが挙げられるが、それらに限定されない。薬学的に許容されるエノールエーテルとしては、式C=C(OR)の誘導体が挙げられるが、それに限定されず、ここで、Rは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルである。薬学的に許容されるエノールエステルとしては、式C=C(OC(O)R)の誘導体が挙げられるが、それらに限定されず、ここで、Rは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクリルである。薬学的に許容される溶媒和物および水和物は、1つまたは複数の溶媒もしくは水分子、または1〜約100、または1〜約10、または1〜約2、3もしくは4の溶媒もしくは水分子との化合物の錯体である。
【0032】
本明細書で使用されるように、治療は疾患または障害の症状の1つまたは複数が寛解される、またはそうでなければ有利に変化する任意の方法を意味する。治療はまた、本明細書の組成物の任意の薬学的使用、例えば、α-シヌクレイン線維形成が関与する疾患または障害を治療するための使用を含む。
【0033】
本明細書で使用されるように、特定の化合物または薬学的組成物の投与による特定の障害の症状の寛解は、任意の減少を示し、それが永久的であるか一時的なものであるか、持続するか過渡的であるかは組成物の投与に起因するかまたは関連することができる。
【0034】
本明細書で使用されるように、IC50は、応答を測定するアッセイ法において、最大応答、例えばα-シヌクレイン線維形成の調節の50%阻害を達成する特定の試験化合物の量、濃度または用量を示す。
【0035】
本明細書で使用されるように、EC50は、特定の試験化合物により誘導、誘発され、または増強される特定の応答の最大発現の50%で用量依存応答を引き出す特定の試験化合物の用量、濃度または量を示す。
【0036】
本明細書で使用されるように、プロドラッグは、インビボ投与時に、1つまたは複数の段階または過程により代謝され、またはそうでなければ、化合物の生物学的、薬学的または治療的に活性な形態に変換される化合物である。プロドラッグを生産するためには、薬学的に活性な化合物を、活性化合物が代謝過程により再生されるように修飾する。プロドラッグは、薬剤の代謝安定性または輸送特性を変更する、副作用または毒性を隠す、薬剤の香味を改善する、または薬剤の他の特徴もしくは特性を変更するように設計してもよい。薬力学的過程およびインビボ薬剤代謝の知識により、当業者であれば、薬学的に活性な化合物が公知となればすぐに、化合物のプロドラッグを設計することができる(例えば、Nogrady(1985)Medicinal Chemistry A Biochemical Approach, Oxford University Press, New York, pages 388-392を参照されたい)。
【0037】
本明細書で提供される化合物は不斉中心を含んでもよいことを理解すべきである。そのような不斉中心は、(R)または(S)立体配置のいずれかであってもよく、またはそれらの混合物であってもよい。このように、本明細書で提供される化合物は鏡像異性的に純粋であってもよく、または立体異性もしくはジアステレオマー混合物であってもよい。アミノ酸残基の場合、そのような残基はL-またはD-型のいずれかでありうる。天然由来のアミノ酸残基に対する立体配置は一般にLである。特に記載がなければ、残基はL型である。本明細書で使用されるように、「アミノ酸」という用語は、ラセミ体、またはD-もしくはL-立体配置のいずれかであるα-アミノ酸を示す。アミノ酸記号表示(例えば、dAla、dSer、dVal、など)の前にある記号表示「d」はアミノ酸のD-異性体を示す。アミノ酸記号表示(例えば、dlPip)の前にある記号表示「dl」はアミノ酸のL-およびD-異性体の混合物を示す。本明細書で提供される化合物の不斉中心はインビボでエピマー化を受けてもよいことを理解すべきである。そのようなものとして、当業者であれば、その(R)形態の化合物の投与は、インビボでエピマー化を受ける化合物では、その(S)形態の化合物の投与と等価であることは理解されると考えられる。
【0038】
本明細書で使用されるように、実質的に純粋とは、純度を評価するために当業者により使用される標準の分析法、例えば薄層クロマトグラフィー(TLC)、ゲル電気泳動、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)および質量分析(MS)により決定されるような容易に検出可能な不純物がないほど十分に均質であること、またはさらに精製しても、物質の物理および化学特性、例えば酵素および生物活性が検出可能なほど変化しないように十分純粋であることを意味する。実質的に化学的に純粋な化合物を生成するための化合物の精製法は当業者には公知である。しかしながら、実質的に化学的に純粋な化合物は、立体異性体の混合物であってもよい。そのような場合、さらに精製すると、化合物の比活性が増加する。
【0039】
本明細書で使用されるように、「アルキル」、「アルケニル」および「アルキニル」炭素鎖は、明記されていなければ、1〜20の炭素、または1もしくは2〜16の炭素を含み、直鎖または分枝鎖である。2〜20の炭素のアルケニル炭素鎖は、ある態様では、1〜8の二重結合を含み、2〜16の炭素のアルケニル炭素鎖は、ある態様では、1〜5の二重結合を含む。2〜20の炭素のアルキニル炭素鎖は、ある態様では、1〜8の三重結合を含み、2〜16の炭素のアルキニル炭素は、ある態様では、1〜5の三重結合を含む。本明細書における例示的なアルキル、アルケニルおよびアルキニル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、イソヘキシル、アリル(プロペニル)およびプロパルギル(プロピニル)が挙げられるが、それらに限定されない。本明細書で使用されるように、低級アルキル、低級アルケニル、および低級アルキニルは約1または約2の炭素から約6までの炭素を有する炭素鎖を示す。本明細書で使用されるように、「アルク(エン)(イル)イル(alk(en)(yn)yl)」は少なくとも1つの二重結合および少なくとも1つの三重結合を含むアルキル基を示す。
【0040】
本明細書で使用されるように、「シクロアルキル」は、ある態様では3〜10の炭素原子、別の態様では3〜6の炭素原子を有する飽和単環または多環構造を示し;シクロアルケニルおよびシクロアルキニルは、それぞれ、少なくとも1つの二重結合および少なくとも1つの三重結合を含む単環または多環構造を示す。シクロアルケニルおよびシクロアルキニル基は、ある態様では、3〜10の炭素原子を含んでもよく、さらなる態様では、シクロアルケニル基は4〜7の炭素原子を含み、シクロアルキニル基は、さらなる態様では、8〜10の炭素原子を含む。シクロアルキル、シクロアルケニルおよびシクロアルキル基の環構造は、1つの環または、縮合、架橋またはスピロ結合様式で一緒になってもよい2もしくはそれ以上の環から構成されてもよい。「シクロアルク(エン)(イン)イル(Cycloalk(en)(yn)(yl)」は少なくとも1つの二重結合および少なくとも1つの三重結合を含むシクロアルキル基を示す。
【0041】
本明細書で使用されるように、「アリール」は6〜19の炭素原子を含む芳香族単環または多環基を示す。アリール基としては、非置換または置換フルオレニル、非置換または置換フェニル、および非置換または置換ナフチルなどの基が挙げられるが、それらに限定されない。
【0042】
本明細書で使用されるように、「ヘテロアリール」は、ある態様では、約5〜約15員の単環または多環芳香族環構造を示し、ここで、環構造の原子の1つまたは複数、1つの態様では1〜3の原子がヘテロ原子、すなわち、窒素、酸素または硫黄を含むがそれらに限定されない炭素以外の元素である。ヘテロアリール基は任意でベンゼン環に縮合されてもよい。ヘテロアリール基としては、フリル、イミダゾリル、ピリミジニル、テトラゾリル、チエニル、ピリジル、ピロリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、トリアゾリル、キノリニルおよびイソキノリニルが挙げられるが、それらに限定されない。
【0043】
本明細書で使用されるように、「ヘテロアリーリウム」基は、1つまたは複数のヘテロ原子上で正に荷電したヘテロアリール基である。
【0044】
本明細書で使用されるように、「ヘテロシクリル」は、1つの態様では3〜10員、別の態様では4〜7員、さらなる態様では5〜6員の単環または多環非芳香族環構造を示し、ここで、環構造の原子の1つまたは複数、1つの態様では1〜3がヘテロ原子、すなわち、窒素、酸素または硫黄を含むがそれらに限定されない炭素以外の元素である。ヘテロ原子が窒素である態様では、窒素はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリルアルキル、アシル、グアニジノにより置換されていてもよく、または窒素は四級化され、置換基が上記のように選択されるアンモニウム基を形成してもよい。
【0045】
本明細書で使用されるように、「アラルキル」は、アルキルの水素原子の1つがアリール基で置換されたアルキル基を示す。
【0046】
本明細書で使用されるように、「ヘテロアラルキル」は、アルキルの水素原子の1つがヘテロアリール基で置換されたアルキル基を示す。
【0047】
本明細書で使用されるように、「ハロ」、「ハロゲン」または「ハロゲン化物」はF、Cl、BrまたはIを示す。
【0048】
本明細書で使用されるように、擬ハロゲン化物または擬ハロ基は、ハロゲン化物と実質的に同様に挙動する基である。そのような化合物は、ハロゲン化物と同様に使用され、処理することができる。擬ハロゲン化物としては、シアン化合物、シアネート、チオシアネート、セレノシアネート、トリフルオロメトキシ、およびアジドが挙げられるが、それらに限定されない。
【0049】
本明細書で使用されるように、「ハロアルキル」は、水素原子の1つまたは複数がハロゲンにより置換されたアルキル基を示す。そのような基としては、クロロメチル、トリフルオロメチルおよび1-クロロ-2-フルオロエチルが挙げられるが、それらに限定されない。
【0050】
本明細書で使用されるように、「ハロアルコキシ」は、Rがハロアルキル基であるRO-を示す。
【0051】
本明細書で使用されるように、「スルフィニル」または「チオニル」は-S(O)-を示す。本明細書で使用されるように、「スルホニル」または「スルフィニル」は-S(O)2-を示す。本明細書で使用されるように、「スルホ」は-S(O)2O-を示す。
【0052】
本明細書で使用されるように、「カルボキシ」は二価ラジカル、-C(O)O-を示す。
【0053】
本明細書で使用されるように、「アミノカルボニル」は-C(O)NH2を示す。
【0054】
本明細書で使用されるように、「アルキルアミノカルボニル」は、Rが低級アルキルを含むアルキルである、-C(O)NHRを示す。本明細書で使用されるように、「ジアルキルアミノカルボニル」は、R'およびRが独立して、低級アルキルを含むアルキルである、-C(O)NR'Rを示し;「カルボキサミド」はR'およびRが独立して、低級アルキルを含むアルキルである、式-NR'CORの群を示す。
【0055】
本明細書で使用されるように、「ジアリールアミノカルボニル」は、RおよびR'が独立して、フェニルなどの低級アリールを含む、アリールから選択される-C(O)NRR'を示す。
【0056】
本明細書で使用されるように、「アリールアルキルアミノカルボニル」は、RおよびR'のうちの1つが、フェニルなどの低級アリールを含むアリールであり、RおよびR'のうちのもう1つが、低級アルキルを含むアルキルである-C(O)NRR'を示す。
【0057】
本明細書で使用されるように、「アリールアミノカルボニル」は、Rがフェニルなどの低級アリールを含む、アリールである、-C(O)NHRを示す。
【0058】
本明細書で使用されるように、「ヒドロキシカルボニル」は-COOHを示す。
【0059】
本明細書で使用されるように、「アルコキシカルボニル」は、Rが低級アルキルを含むアルキルである、-C(O)ORを示す。
【0060】
本明細書で使用されるように、「アリールオキシカルボニル」は、Rがフェニルなどの低級アリールを含む、アリールである、-C(O)ORを示す。
【0061】
本明細書で使用されるように、「アルコキシ」および「アルキルチオ」は、Rが低級アルキルを含むアルキルである、RO-およびRS-を示す。
【0062】
本明細書で使用されるように、「アリールオキシ」および「アリールチオ」は、Rがフェニルなどの低級アリールを含むアリールである、RO-およびRS-を示す。
【0063】
本明細書で使用されるように、「アルキレン」は、1つの態様では1〜20の炭素原子、別の態様では1〜12の炭素原子を有する、直鎖、分枝または環状の、ある態様では直鎖または分枝の、二価脂肪族炭化水素基を示す。別の態様では、アルキレンは低級アルキレンを含む。任意で、アルキレン基に沿って、S(=O)およびS(=O)2基を含む1つまたは複数の酸素、硫黄が挿入されてもよく、または、-NR-および-N+RR-基を含む置換もしくは非置換窒素原子が挿入されてもよく、ここで、窒素置換基はアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたはCOR'であり、ここで、R'はアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、-OYまたは-NYYであり、ここで、Yは水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクリルである。アルキレン基としては、メチレン(-CH2-)、エチレン(-CH2CH2-)、プロピレン(-(CH2)3-)、メチレンジオキシ(-O-CH2-O-)およびエチレンジオキシ(-O-(CH2)2-O-)が挙げられるが、それらに限定されない。「低級アルキレン」という用語は、1〜6の炭素を有するアルキレン基を示す。ある態様では、アルキレン基は、1〜3の炭素原子のアルキレンを含む低級アルキレンである。
【0064】
本明細書で使用されるように、「アザアルキレン」は、-(CRR)n-NR-(CRR)m-を示し、ここで、nおよびmはそれぞれ独立して、0〜4の整数である。本明細書で使用されるように、「オキサアルキレン」は-(CRR)n-O-(CRR)m-を示し、ここで、nおよびmはそれぞれ独立して、0〜4の整数である。本明細書で使用されるように、「チアアルキレン」は-(CRR)n-S-(CRR)m-、-(CRR)n-S(=O)-(CRR)m-および-(CRR)n-S(=O)2-(CRR)m-を示し、ここで、nおよびmはそれぞれ独立して、0〜4の整数である。
【0065】
本明細書で使用されるように、「アルケニレン」は、直鎖、分枝または環状の、1つの態様では直鎖または分枝の、ある態様では2〜約20の炭素原子および少なくとも1つの二重結合、別の態様では1〜12の炭素を有する、二価脂肪族炭化水素基を示す。さらなる態様では、アルケニレン基は低級アルケニレンを含む。任意で、アルケニレン基に沿って、1つまたは複数の酸素、硫黄または置換もしくは非置換窒素原子が挿入されてもよく、ここで、窒素置換基はアルキルである。アルケニレン基としては、-CH=CH-CH=CH-および-CH=CH-CH2-が挙げられるが、それらに限定されない。「低級アルケニレン」という用語は、2〜6の炭素を有するアルケニレン基を示す。ある態様では、アルケニレン基は、3〜4の炭素原子を有するアルケニレンを含む低級アルケニレンである。
【0066】
本明細書で使用されるように、「アルキニレン」は、直鎖、分枝または環状の、ある態様では直鎖または分枝の、1つの態様では2〜約20の炭素原子および少なくとも1つの三重結合、別の態様では1〜12の炭素を有する、二価脂肪族炭化水素基を示す。別の態様では、アルキニレンは低級アルキニレンを含む。任意で、アルキニレン基に沿って、1つまたは複数の酸素、硫黄または置換もしくは非置換窒素原子が挿入されてもよく、ここで、窒素置換基はアルキルである。アルキニレン基としては、-C≡C-C≡C-、-C≡C-および-C≡C-CH2-が挙げられるが、それらに限定されない。「低級アルキニレン」という用語は、2〜6の炭素を有するアルキニレン基を示す。ある態様では、アルキニレン基は、3〜4の炭素原子を有するアルキニレンを含む低級アルキニレンである。
【0067】
本明細書で使用されるように、「アルク(エン)(イン)イレン(alk(en)(yn)ylene)」は、直鎖、分枝または環状の、ある態様では直鎖または分枝の、1つの態様では2〜約20の炭素原子および少なくとも1つの三重結合、および少なくとも1つの二重結合;別の態様では1〜12の炭素を有する、二価脂肪族炭化水素基を示す。別の態様では、アルク(エン)(イン)イレンは低級アルク(エン)(イン)イレンを含む。任意で、アルキニレン基に沿って、1つまたは複数の酸素、硫黄または置換もしくは非置換窒素原子が挿入されてもよく、ここで、窒素置換基はアルキルである。アルク(エン)(イン)イレン基としては、-C=C-(CH2)n-C≡C-が挙げられるが、それらに限定されず、ここでnは1または2である。「低級アルク(エン)(イン)イレン」という用語は、6までの炭素を有するアルク(エン)(イン)イレン基を示す。ある態様では、アルク(エン)(イン)イレン基は、約4の炭素原子を有する。
【0068】
本明細書で使用されるように、「シクロアルキレン」は、ある態様では3〜10の炭素原子、別の態様では3〜6の炭素原子の二価飽和単環または多環構造を示し;シクロアルケニレンおよびシクロアルキニレンは、それぞれ、少なくとも1つの二重結合および少なくとも1つの三重結合を含む二価単環または多環構造を示す。シクロアルケニレンおよびシクロアルキニレン基は、ある態様では、3〜10の炭素原子を含んでもよく、ある態様では、シクロアルケニレン基は4〜7の炭素原子を含み、ある態様では、シクロアルキニレン基は8〜10の炭素原子を含む。シクロアルキレン、シクロアルケニレンおよびシクロアルキニレン基の環構造は、1つの環または、縮合、架橋またはスピロ結合様式で一緒になってもよい2つもしくはそれ以上の環から構成されてもよい。「シクロアルク(エン)(イン)イレン(Cycloalk(en)(yn)ylene)」は少なくとも1つの二重結合および少なくとも1つの三重結合を含むシクロアルキレン基を示す。
【0069】
本明細書で使用されるように、「アリーレン」は、単環式または多環式、ある態様では単環式の、1つの態様では5〜約20の炭素原子および少なくとも1つの芳香族環を有する、別の態様では5〜約12の炭素を有する二価芳香族基を示す。別の態様では、アリーレンは低級アリーレンを含む。アリーレン基としては、1,2-、1,3-および1,4-フェニレンが挙げられるが、それらに限定されない。「低級アリーレン」という用語は、6個の炭素を有するアリーレン基を示す。
【0070】
本明細書で使用されるように、「ヘテロアリーレン」は、1つの態様では環内に約5〜約15の原子を有する、二価単環または多環芳香族環構造を示し、ここで、環構造内の原子の1つまたは複数、ある態様では1〜3がヘテロ原子、すなわち、窒素、酸素または硫黄を含むがそれらに限定されない、炭素以外の元素である。「低級ヘテロアリーレン」という用語は、環中に5または6個の原子を有するヘテロアリーレン基を示す。
【0071】
本明細書で使用されるように、「ヘテロシクリレン」は、ある態様では3〜10員の、1つの態様では4〜7員の、別の態様では5または6員の二価単環または多環非芳香族環構造を示し、ここで、環構造内の原子の、1〜3を含む1つまたは複数がヘテロ原子、すなわち、窒素、酸素または硫黄を含むがそれらに限定されない、炭素以外の元素である。
【0072】
本明細書で使用されるように、「置換アルキル」、「置換アルケニル」、「置換アルキニル」、「置換シクロアルキル」、「置換シクロアルケニル」、「置換シクロアルキニル」、「置換アリール」、「置換ヘテロアリール」、「置換ヘテロシクリル」、「置換アルキレン」、「置換アルケニレン」、「置換アルキニレン」、「置換シクロアルキレン」、「置換シクロアルケニレン」、「置換シクロアルキニレン」、「置換アリーレン」、「置換ヘテロアリーレン」および「置換ヘテロシクリレン」は、それぞれ、1つまたは複数の置換基、ある態様では1、2、3または4個の置換基で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、シクロアルキレン、シクロアルケニレン、シクロアルキニレン、アリーレン、ヘテロアリーレンおよびヘテロシクリレン基を示し、ここで、置換基は本明細書で規定した通りであり、1つの態様ではQ1から選択される。
【0073】
本明細書で使用されるように、「アルキレデン」は、別の基の1つの原子に結合し、二重結合を形成する、=CR'R''などの二価基を示す。アルキリデン基としては、メチリデン(=CH2)およびエチリデン(=CHCH3)が挙げられるが、それらに限定されない。本明細書で使用されるように、「アリールアルキリデン」は、R'またはR''のいずれかがアリール基であるアルキリデン基を示す。「シクロアルキリデン」基は、R'およびR''が結合し炭素環を形成するものである。「ヘテロシクリリド-エン」基は、R'およびR''の少なくとも1つが鎖中にヘテロ原子を含み、R'およびR''が結合し複素環を形成するものである。
【0074】
本明細書で使用されるように、「アミド」は二価基-C(O)NH-を示す。「チオアミド」は二価基-C(S)NH-を示す。「オキシアミド」は二価基-OC(O)NH-を示す。「チアアミド」は二価基-SC(O)NH-を示す。「ジチアアミド」は二価基-SC(S)NH-を示す。「ウレイド」は二価基-HNC(O)NH-を示す。「チオウレイド」は二価基-HNC(S)NH-を示す。
【0075】
本明細書で使用されるように、「セミカルバジド」は-NHC(O)NHNH-を示す。「カルバゼート」は二価基-OC(O)NHNH-を示す。「イソチオカルバゼート」は二価基-SC(O)NHNH-を示す。「チオカルバゼート」は二価基-OC(S)NHNH-を示す。「スルホニルヒドラジド」は二価基-SO2NHNH-を示す。「ヒドラジド」は二価基-C(O)NHNH-を示す。「アゾ」は二価基-N=N-を示す。「ヒドラジニル」は二価基-NH-NH-を示す。
【0076】
任意の与えられた置換基の数が特定されていない場合(例えば、ハロアルキル)、1つまたは複数の置換基が存在してもよい。例えば、「ハロアルキル」は1つまたは複数の同じもしくは異なるハロゲンを含んでもよい。
【0077】
本明細書で使用されるように、特に記載がなければ、任意の保護基、アミノ酸および他の化合物に対する略語は、それらの一般的な用法、広く認められている略語、またはIUPAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclature((1972)Biochem. 11:942-944を参照されたい)と一致する。
【0078】
B.化合物
本明細書で提供される組成物および方法で使用するための、本明細書で提供される化合物はα-シヌクレイン媒介疾患および障害に対するインビトロおよびインビボ活性を示す。1つの態様では、化合物はα-シヌクレイン毒性に関連する1つまたは複数の症状を治療または寛解する。1つの態様では、化合物はα-シヌクレインまたはその断片の凝集に影響する。別の態様では、化合物は凝集には影響しないが、それでもα-シヌクレイン毒性に対し治療的効果を及ぼす。
【0079】
1つの態様では、本明細書で提供される組成物および方法において使用するための化合物は、式Iを有し:

式中、
XはO、SまたはNRであり、ここでRは水素またはアルキルであり;
YはNRR'またはOHであり、ここでR'は水素またはアルキルであり;
Zは直接結合またはNRであり;
R1はアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アラルキル、アラルケニル、ヘテロアラルキルまたはヘテロアラルケニルであり;
R2はハロ、擬ハロ、アルコキシまたはアルキルであり;
nは0または1であり;
R3は水素またはアルキルであり;
ここで、X、Y、Z、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して非置換であり、または、それぞれ独立してQ1から選択される、1つまたは複数の置換基、1つの態様では1、2または3つの置換基により置換される。
【0080】
1つの態様では、R1は、アリールオキシ、アリール、ヘテロアリール、ハロ、擬ハロ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アルコキシカルボニル、ヒドロキシカルボニル、アルキルアミノ、およびジアルキルアミノから独立して選択される1つまたは複数の置換基により置換される。
【0081】
別の態様では、化合物は式Iを有し、ここでRが水素である。
【0082】
別の態様では、化合物は式Iを有し、ここでnが0または1である。
【0083】
別の態様では、化合物は式Iを有し、ここでXがS、OまたはNHである。
【0084】
別の態様では、化合物は式Iを有し、ここでYがNH2である。
【0085】
別の態様では、化合物は式Iを有し、ここでZが直接結合またはNHである。
【0086】
別の態様では、化合物は式Iを有し、ここで、R1がエチル、2-(2-フリル)エテニル、フェニル、メチル、2-ナフチルオキシメチル、ベンジル、3-クロロ-2-ベンゾチエニル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、イソブチル、4-tert-ブチルフェニル、4-ビフェニル、tert-ブチル、3-クロロフェニル、2-フリル、2,4-ジクロロフェニル、3,4-ジメトキシフェニル、2-(4-メトキシフェニル)エテニル、4-メトキシフェノキシメチル、イソペンチル、イソプロピル、2-シクロペンチルエチル、シクロペンチルメチル、2-フェニルプロピル、2-フェニルエチル、1-メチル-2-フェニルエチル、1-メチル-2-フェニルエテニル、2-ベンジルエチル、2-フェニルエテニル、5-ヘキシニル、3-ブチニル、4-ペンチニル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、t-ブトキシメチル、t-ブチルメチル、1-エチルペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロブチル、2-シクロペンチルエチル、シクロペンチルメチル、2-フルオロシクロプロピル、2-メチルシクロプロピル、2-フェニルシクロプロピル、2,2-ジメチルエテニル、1,2-プロペニル、2-(3-トリフルオロメチルフェニル)エテニル、3,4-ブテニル、2-(2-フリル)エチル、2-クロロエテニル、2-(2-クロロフェニル)エテニル、1-メチル-2,2-ジクロロシクロプロピル、2,2-ジフルオロシクロプロピル、メチルプロピオネート、プロピオン酸、メチルブチラート、酪酸、ペンタン酸、メチル-t-ブチルエーテル、ジメチルアミノメチル、2-(2-テトラヒドロフリル)-エチル、または2-(2-テトラヒドロフリル)-メチルである。
【0087】
別の態様では、R2がハロまたはアルキルである。別の態様では、R2がクロロまたはメチルである。
【0088】
別の態様では、R3が水素である。
【0089】
別の態様では、式Iの化合物は下記を含む:





【0090】
別の態様では、式Iの化合物は、図1で示した構造を有することができる。
【0091】
別の態様では、本明細書で提供される組成物および方法において使用するための化合物は式IIを有し:

式中、
X1はOまたはNRであり、ここでRはHまたはアルキルであり;
Arはアリールまたはヘテロアリールであり、ならびに非置換であり、またはアルコキシ、アルキル、ヒドロキシ、アルケニレンジオキシ、ジアルキルアミノ、ヘテロシクリルもしくはカルボキシにより置換され;
R4はアルキルまたは水素であり;
R5はハロまたは擬ハロであり;
mは0または1であり;
R6は水素またはアルキルであり;
ここで、X1、Ar、R4、R5およびR6はそれぞれ独立して非置換であり、または、それぞれ独立してQ1から選択される、1つまたは複数の置換基、1つの態様では1、2または3つの置換基により置換される。
【0092】
別の態様では、化合物は式IIを有し、ここでX1がOまたはNHである。
【0093】
別の態様では、化合物は式IIを有し、ここでArがフェニル、ナフチル、インドリル、ピリジル、チエニルまたはフリルであり、および非置換であり、またはアルコキシ、アルキル、ヒドロキシ、アルケニレンジオキシ、ジアルキルアミノ、ヘテロシクリルもしくはカルボキシにより置換される。別の態様では、化合物は式IIを有し、ここでArがフェニル、ナフチル、インドリル、ピリジル、チエニルまたはフリルであり、および非置換であり、またはメトキシ、tert-ブチル、ヒドロキシ、メチレンジオキシ、メチル、ジメチルアミノ、モルホリニルもしくはカルボキシにより置換される。別の態様では、化合物は式IIを有し、ここでArが4,8-ジメトキシ-1-ナフチル、3-インドリル、フェニル、3-ピリジル、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル、2,3-ジメトキシフェニル、3,4-メチレンジオキシフェニル、2-チエニル、3,4-ジメトキシフェニル、5-メチル-2-フリル、4-ジメチルアミノフェニル、4-(4-モルホリニル)フェニル、3-メトキシフェニル、2-ナフチル、2-ピリジル、5-(4-カルボキシフェニル)-2-フリルまたは4-メトキシフェニルである。
【0094】
別の態様では、化合物は式IIを有し、ここでR4がHである。
【0095】
別の態様では、化合物は式IIを有し、ここでR5がClである。
【0096】
別の態様では、化合物は式IIを有し、ここでmが0または1である。
【0097】
別の態様では、化合物は式IIを有し、ここでR6がHである。
【0098】
別の態様では、式IIの化合物は下記を含む:




【0099】
別の態様では、本明細書で提供される組成物および方法において使用するための化合物は式IIIを有し:

式中、
Ar1はアリールまたはヘテロアリールであり、および非置換であり、またはアルキル、アルケニル、ハロ、擬ハロ、ジアルキルアミノ、アリールオキシ、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロアリール、もしくはCOORにより置換され、ここでRは水素またはアルキルであり;
R7は水素またはNRRであり、ここでRは水素またはアルキルであり;
R8およびR9はそれぞれ独立して下記の通り(i)および(ii)から選択され:
(i)R8およびR9はそれらが結合している原子と一緒に縮合フェニル環を形成し;および
(ii)R8はCNまたはCOOR200であり、ここで、R200は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールであり;およびR9は水素、アルキルまたはアルキルチオであり;および
R10は水素であり;
ここで、Ar1、R7、R8、R9およびR10はそれぞれ独立して非置換であり、または、それぞれ独立してQ1から選択される、1つまたは複数の、1つの態様では1、2または3つの置換基により置換される。
【0100】
上記(i)の1つの態様では、R8およびR9はそれらが結合している原子と一緒に縮合フェニル環を形成し、これは非置換であり、またはハロ、擬ハロ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、縮合シクロアルキル、縮合複素環、縮合ヘテロアリール、アリール(例えば、フェニル)、および縮合アリール(例えば、縮合フェニル環)により置換され、これは非置換であり、またはハロ、擬ハロ、アルキル、アルコキシ、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、縮合アリール、縮合ヘテロシクリル、および縮合シクロアルキルにより置換される。
【0101】
別の態様では、Ar1はフェニル、ナフチル、ピリジル、フリル、またはチエニルであり、および非置換であり、またはアルキル、アルケニル、ハロ、擬ハロ、ジアルキルアミノ、アリールオキシ、ハロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、縮合ヘテロシクリル、アリール、縮合アリール、ヘテロアリール、縮合ヘテロアリール、またはCOORにより置換され、ここでRは水素またはアルキルである。
【0102】
別の態様では、Ar1はメチル、フルオロ、ブロモ、クロロ、ヨード、ジメチルアミノ、フェノキシ、トリフルオロメチルまたはメトキシカルボニルにより置換される。
【0103】
別の態様では、Ar1はフェニル、2-チエニル、3-チエニル、2-フリル、3-フリル、5-クロロ-2-チエニル、5-ブロモ-2-チエニル、3-メチル-2-チエニル、5-メチル-2-チエニル、5-エチル-2-チエニル、2-メチルフェニル、3-メチルフェニル、3-トリフルオロメチル、3-ブロモフェニル、4-フルオロ-3-ブロモフェニル、2-フルオロフェニル、3,4-ジフルオロフェニル、2-クロロフェニル、3-クロロフェニル、3,4-ジクロロフェニル、3,4,5-メトキシフェニル、2,4-メトキシフェニル、2-フルオロ-5-ブロモフェニル、4-ジメチルアミノフェニル、2-トリフルオロメチル-4-フルオロフェニル、3-トリフルオロメチル-4-フルオロフェニル、2-フルオロ-3-クロロフェニル、3-ブロモ-4-フルオロフェニル、パーフルオロフェニル、3-ピリジル、4-ピリジル、4-ブロモフェニル、4-クロロフェニル、3-フェノキシフェニル、2,4-ジクロロフェニル、2,3-ジフルオロフェニル、2-クロロフェニル、2-フルオロ-6-クロロフェニル、1-ナフチル、4-トリフルオロメチルフェニル、2-トリフルオロメチルフェニル、4-トリフルオロメトキシフェニル、または4-メトキシカルボニルフェニルである。
【0104】
別の態様では、R7は水素またはジアルキルアミノである。別の態様では、R7は水素またはジエチルアミノである。
【0105】
別の態様では、R8およびR9はそれぞれ独立して下記の通り(i)および(ii)から選択される:
(i)R8およびR9はそれらが結合している原子と一緒に縮合フェニル環を形成し、これは非置換であり、またはメチル、クロロ、メトキシもしくは別の縮合フェニル環により置換され、これは非置換であり、またはブロモにより置換され;および
(ii)R8はCNまたはCOOR200であり、ここで、R200はメチル、ベンジル、エチル、4-メトキシベンジルまたは2-フェニルエチルであり;およびR9はメチル、メチルチオまたはフェニルアミノカルボニルメチルチオである。
【0106】
別の態様では、式IIIの化合物は下記を含む:




【0107】
別の態様では、式IIIの化合物は図3で示した構造を有することができる。
【0108】
別の態様では、本明細書で提供される組成物および方法において使用するための化合物は式IVを有し:

式中、
Ar2はヘテロアリールであり;および
R11、R12、R13、R14およびR15はそれぞれ独立して、水素、ハロ、擬ハロ、ニトロ、アルコキシ、ジアルキルアミノまたはアラルコキシであり;および
R16およびR17はそれぞれ水素である。
【0109】
別の態様では、化合物は式IVを有し、ここで、Ar2がチエニルである。別の態様では、化合物は式IVを有し、ここで、Ar2が2-チエニルである。
【0110】
別の態様では、化合物は式IVを有し、ここで、R11、R12、R13、R14およびR15がそれぞれ独立して、水素、クロロ、ニトロ、メトキシ、ジメチルアミノ、ベンジルオキシ、エトキシまたはシアノである。
【0111】
別の態様では、式IVの化合物は下記である:



【0112】
別の態様では、本明細書で提供される組成物および方法において使用するための化合物は式Vを有し:

式中、
X2はNであり;
Ar3はアリール、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアリールまたはCOO-アルキルであり、およびハロ、擬ハロ、アルキルまたはアルコキシにより置換されていてもよく;
qは0であり;
R20はアルキルであり;
R21およびR22は水素であり;および
R19は水素、アルキルまたはアラルキルであり、ハロまたは擬ハロにより置換されていてもよい。
【0113】
別の態様では、化合物は式Vを有し、ここで、Ar3はフェニル、メチル、チエニル、シクロプロピルまたはCOOEtであり、およびフルオロ、クロロ、tert-ブチルまたはメトキシにより置換されていてもよい。別の態様では、化合物は式Vを有し、ここで、Ar3は4-フルオロフェニル、メチル、2-チエニル、シクロプロピル、COOEt、4-クロロフェニル、4-tert-ブチルフェニルまたは4-メトキシフェニルである。
【0114】
別の態様では、化合物は式Vを有し、ここで、R20はメチルである。
【0115】
別の態様では、化合物は式Vを有し、ここで、R19は水素、メチルまたは2-フルオロベンジルである。
【0116】
別の態様では、式Vの化合物は下記である:



【0117】
別の態様では、本明細書で提供される組成物および方法において使用するための化合物は式VIを有し:

式中、
XはOまたはSであり;
R2はアルキルであり;
nは0または1であり;
R3は水素であり;
R25およびR26は、それらが結合している原子と一緒にヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成し;
N-R26結合が単結合である場合bは1であり;
N-R26結合が二重結合である場合bは0であり;および
R27は水素またはアルキルであり;
ここで、X、R2、R3、R25、R26およびR27はそれぞれ独立して非置換であり、または、それぞれ独立してQ1から選択される、1つまたは複数の置換基、1つの態様では1、2または3つの置換基により置換される。
【0118】
別の態様では、化合物は式VIを有し、ここで、R2がメチルである。
【0119】
別の態様では、化合物は式VIを有し、ここで、R25およびR26が、それらが結合している原子と一緒に、イミダゾリジノン、ピリミジン、ピリミジノンまたはトリアジン環構造を形成し、任意でアリールまたはシクロアルキル環に縮合され、およびアルキル、アルコキシカルボニルアルキリデン、ヒドロキシカルボニルアルキル、アルコキシアルキル、アラルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニルアルキル、アリールアミノカルボニルまたはヘテロシクリルアルキルにより置換されていてもよい。別の態様では、化合物は式VIを有し、ここで、R25およびR26が、それらが結合している原子と一緒に、下記環構造の1つを形成する:



【0120】
別の態様では、化合物は式VIを有し、ここで、R27が水素またはメチルである。
【0121】
別の態様では、式VIの化合物は下記である:



【0122】
別の局面では、明細書で提供される組成物および方法において使用するために、式VII

の化合物が提供され、
式中、
XはO、SまたはNRであり、ここでRは水素またはアルキルであり;
YはNRRまたはOHであり;
Zは直接結合またはNRであり;
R1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、またはアラルケニルであり;
R2は、ハロ、擬ハロ、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アリール、アラルコキシ、ヘテロアリール、アラルキル、またはアラルケニルであり;
nは0、1または2であり;
R3は水素またはアルキルであり;および
ここで、X、Y、Z、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して非置換であり、または、それぞれ独立してQ1から選択される、1つまたは複数の置換基、1つの態様では1、2または3つの置換基により置換される。
【0123】
1つの態様では、Zは直接結合である。
【0124】
別の態様では、YはNH2である。
【0125】
1つの態様では、R3はHである。
【0126】
1つの態様では、R1はアリールオキシ、アリール、ヘテロアリール、ハロ、擬ハロ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アルコキシカルボニル、およびヒドロキシカルボニルから独立して選択される1つまたは複数の置換基により置換される。
【0127】
別の態様では、化合物は式VIIを有し、ここでRが水素である。
【0128】
別の態様では、化合物は式VIIを有し、ここでnが0または1である。
【0129】
別の態様では、化合物は式VIIを有し、ここでXがS、OまたはNHである。
【0130】
別の態様では、化合物は式VIIを有し、ここでZが直接結合またはNHである。
【0131】
別の態様では、n=2であり、R2基が隣接炭素原子を置換する場合、R2基は、それらが置換したC原子と一緒に縮合シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル基)を形成することができる。
【0132】
別の態様では、化合物は式VIIを有し、ここでR1がエチル、シクロプロピルまたは2-(2-フリル)-エテニルである。
【0133】
別の態様では、R2はフェニルである。
【0134】
別の態様では、n=2であり、R2基が隣接炭素原子を置換する場合、R2基は両方ともフェニルである。
【0135】
式VIIによる特定の化合物をまた、図2に示す。
【0136】
C.化合物の調製
本明細書で提供される組成物および方法において使用するための化合物は、商業的供給元(例えば、Aldrich Chemical Co., Milwaukee, WI)から入手してもよく、当業者に周知の方法により調製してもよく、または本明細書で示した方法により調製してもよい。当業者であれば、これらの方法を日常的に変更し、適当な開始材料を使用することにより、本明細書で使用するための全ての化合物を調製することができると考えられる。
【0137】
本明細書で提供されるある一定の化合物は、下記で示した合成経路により製造してもよい。簡単に言うと、アリールアミンまたはヘテロアリールアミンを、対応するニトリルを用いて1に変換する。化合物1はまた、ハロゲン化アリールまたはハロゲン化ヘテロアリールから、対応するグアニジウム塩を用いることを含む他の方法で合成することができる。化合物1をハロゲン化アシルまたは無水物で処理して対応するアシル化化合物2を製造し、これを、アンモニアとの反応により対応するアミド3に変換することができる。化合物1を、試薬10および適した塩基、例えば、ジクロロメタンに溶解したピリジンまたはジメチルアミノピリジンにより、5員複素環化合物4に変換する。化合物1を、試薬11または試薬12および適した塩基により、6員複素環化合物5に変換する。化合物1を、試薬13および塩基により6員複素環化合物6に変換する。化合物1を、試薬14により、適した塩基および溶媒を用いて、6員複素環化合物7に変換する。
【0138】
アリールアミンまたはヘテロアリールアミンを、試薬14により、適した塩基および溶媒を用いて化合物8に変換する。化合物8をさらに、アンモニアで処理して対応するイミンを製造することができ、これをアシル化すると、化合物9が得られる。

【0139】
本明細書で提供される別の化合物は、下記スキームにより調製することができる。簡単に言うと、ヘテロアリール15を、適した溶媒中、ヒドラジンおよび塩基で処理すると、ヒドラジン誘導体16が合成される。カルボニル化合物18で処理することにより16をイミン17に変換する。
【0140】
本明細書で提供される別の化合物は、下記実施例で示した一般スキームを用いて調製してもよい。例えば、実施例2で示した方法1〜4を使用して、化合物1の様々な例を調製することができ、これらを、方法Lにおいて示した方法を用いて、本明細書で提供されるある一定の化合物(例えば、式Iによる)に変換することができる。同様に、実施例2で示した方法5および6を使用して、式VIIによる化合物を調製することができる。

【0141】
本明細書で提供されるさらなる化合物は、下記スキームにより調製してもよい。簡単に言うと、アミン19を、無水酢酸および塩基で処理することによりアシル化する。このアシル中間生成物をその後、適したアルデヒドおよびルイスまたはプロトン酸で処理し、ラクタム20を合成する。ラクタム20の窒素は保護することができ、カルボニルに隣接する炭素は標準置換反応により官能化させることができる。

【0142】
本明細書で提供される別の化合物は、下記スキームに従い合成してもよい。簡単に言うと、アルデヒド21および酢酸メチルは縮合反応を受け、不飽和エステルが得られ、これを適した塩基により加水分解させると対応する酸が得られる。その後、酸を、プロトン酸で処理することにより、直接不飽和カルボニル23に変換することができる。酸はまた、塩化チオニルで処理することにより対応する酸塩化物22に変換することができ、酸塩化物22は24によりフリーデル・クラフツアシル化を受けることができ、不飽和カルボニル23が形成される。

【0143】
本明細書で提供される別の化合物は、下記スキームに従い合成してもよい。簡単に言うと、ヒドラジン24を、アミド28および塩基で処理することにより、アミン25に変換させる。アミン25は29でアシル化することができ、26が得られる。ヒドラジン24を、ジカルボニル化合物30で処理することによりピロール27に変換する。

【0144】
D.薬学的組成物の製剤化
本明細書で提供される薬学的組成物は、α-シヌクレイン毒性、α-シヌクレイン線維形成と関連する、またはα-シヌクレイン線維形成が関与する疾患または障害の1つまたは複数の症状を治療または寛解するのに有用な、本明細書で提供される、治療的有効量の1つまたは複数の化合物、および薬学的に許容される担体を含む。α-シヌクレイン毒性および/またはα-シヌクレイン線維形成と関連する疾患または障害としては、パーキンソン病およびレビー小体型認知症が挙げられるが、それらに限定されない。本明細書で提供される化合物の投与に適した薬学的担体としては、特定の投与様式に適していることが当業者に公知の任意のそのような担体が挙げられる。
【0145】
さらに、化合物は組成物中の単独の薬学的に活性な成分として製剤化してもよく、または他の活性成分と組み合わせてもよい。
【0146】
組成物は本明細書で提供される1つまたは複数の化合物を含む。化合物は、1つの態様では、適した薬学的調製物、例えば、経口投与のための溶液、懸濁液、錠剤、分散性錠剤、ピル、カプセル、粉末、持続放出製剤またはエリキシル、または非経口投与のための滅菌溶液もしくは懸濁液、ならびに経皮パッチ調製物および乾燥粉末吸入剤に製剤化される。1つの態様では、上記化合物は、当技術分野で周知の技術および手順を用いて薬学的組成物に製剤化される(例えば、Ansel Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms, Fourth Edition 1985, 126を参照されたい)。
【0147】
組成物中では、有効濃度の1つもしくは複数の化合物または薬学的に許容されるそれらの誘導体が適した薬学的担体と混合される。化合物は、上記のように、製剤化前に、対応する塩、エステル、エノールエステルもしくはエステル、アセタール、ケタール、オルトエステル、ヘミアセタール、ヘミケタール、酸、塩基、溶媒和物、水和物またはプロドラッグとして誘導体化させてもよい。組成物中の化合物の濃度は、投与すると、α-シヌクレイン毒性、α-シヌクレイン線維形成と関連する、またはα-シヌクレイン毒性および/もしくは線維形成が関与する疾患または障害の1つまたは複数の症状を治療または寛解する量の送達に有効である。
【0148】
1つの態様では、組成物は単回用量投与のために製剤化される。組成物を製剤化するために、化合物の重量分率を、選択した担体中に、治療状態が軽減し、または1つもしくは複数の症状が寛解するような有効量で溶解し、懸濁させ、分散させ、またはそうでなければ混合する。
【0149】
活性化合物は、治療を受ける患者に対して、望ましくない副作用なしで治療的に有用な効果を発揮する十分な量で、薬学的に許容される担体中に含まれる。治療的に有効な濃度は、化合物を、本明細書(例えば、実施例1を参照されたい)ならびに2004年4月16日に出願された米国特許出願第10/826,157号、および米国特許出願公開番号第2003/0073610号で記述されているインビトロおよびインビボ系で試験することにより経験的に決定してもよく、その後、そこからヒト用の投与のために推定してもよい。
【0150】
薬学的組成物中の活性化合物の濃度は、活性化合物の吸収、不活性化および排出速度、化合物の物理化学特性、投与計画、および投与量、ならびに当業者に公知の他の因子に依存する。例えば、送達される量は、本明細書で記述されるように、α-シヌクレイン線維形成に関連する、またはα-シヌクレイン線維形成が関与する疾患または障害の1つもしくは複数の症状を寛解するのに十分である。
【0151】
1つの態様では、治療的有効用量は、約0.1ng/ml〜約50〜100μg/mlの活性成分の血清濃度を作り出すべきである。別の態様では、薬学的組成物は、1日当たり体重1キログラム当たり約0.001mg〜約2000mgの化合物の用量を提供すべきである。薬学的用量単位形態は、用量単位形態当たり約0.01mg、0.1mgまたは1mg〜約500mg、1000mgまたは2000mg、1つの態様では約10mg〜約500mgの活性成分または必須成分の組み合わせを提供するように調製される。
【0152】
活性成分は、1度で投与されてもよく、または時間間隔を空けて投与されるより少量の用量の複数回に分割してもよい。正確な用量および治療期間は治療される疾患の関数であり、公知の試験プロトコルを使用して、またはインビボもしくはインビトロ試験データからの外挿により経験的に決定してもよいことは、理解される。濃度および用量値はまた、軽減させる状態の重篤度によっても変動する場合があることに注意すべきである。さらに、任意の特定の被験者に対し、規定の投与計画を、個人の要求および組成物を投与するもしくは投与を監督する人間の専門的な判断に従い、時間に対し調節すべきであること、ならびに本明細書で示した濃度範囲は例示的なものにすぎず、主張した組成物の範囲および実行を制限するものではないことは理解される。
【0153】
化合物が不十分な溶解度を示す場合、化合物を可溶化するための方法を使用してもよい。そのような方法は当業者には公知であり、共溶媒、例えばジメチルスルホキシド(DMSO)を使用すること、界面活性剤、例えばTWEEN(登録商標)を使用すること、または重炭酸ナトリウム水溶液への溶解が含まれるがそれらに限定されない。化合物の誘導体、例えば化合物のプロドラッグも、有効な薬学的組成物を製剤化する際に使用してもよい。
【0154】
化合物を混合または添加すると、得られた混合物は溶液、懸濁液、エマルジョンなどであってもよい。得られた混合物の形態は、対象の投与様式および選択した担体または溶媒中での化合物の溶解度を含む多くの因子に依存する。有効濃度は、治療される疾患、障害または状態を寛解するのに十分であり、経験的に決定してもよい。
【0155】
薬学的組成物は、ヒトおよび動物に投与するために、単位剤形(unit dosage form)、例えば錠剤、カプセル、ピル、粉末、顆粒、滅菌非経口溶液または懸濁液、および経口用溶液または懸濁液、および適した量の化合物または薬学的に許容されるそれらの誘導体を含む油-水エマルジョンで、提供される。薬学的に治療的に活性な化合物およびそれらの誘導体は、1つの態様では、単位剤形または多回剤形(multiple-dosage form)で製剤化され、投与される。本明細書で使用されるように単位剤形は、ヒトおよび動物被験体に適した、当技術分野で公知のように個々にパッケージされた、物理的に別個の単位を示す。各単位用量は、必要とされる薬学的担体、溶媒または希釈剤と共同して、所望の治療効果を生成するのに十分な、予め決められた量の治療的に活性な化合物を含む。単位用量形態(unit-dose form)の例としては、アンプルおよびシリンジならびに個々にパッケージされた錠剤またはカプセルが挙げられる。単位用量形態は、その分数または倍数で投与してもよい。多回用量形態(multiple-dose form)は、分離された単位用量形態で投与されるべき単一容器中にパッケージされた複数の同一の単位剤形である。多回用量形態の例としては、バイアル、錠剤もしくはカプセルのボトルまたはパイントもしくはガロンのボトルが挙げられる。ここで、多回用量形態は、パッケージング内で分離されていない単位用量の倍数である。
【0156】
液体の薬学的に投与可能な組成物は、例えば、上記で規定したような活性化合物および任意で薬学的アジュバントを、担体、例えば、水、生理食塩水、デキストロース水溶液、グリセロール、グリコール、エタノールなど中に溶解、分散、またはそうでなければ混合し、これにより溶液または懸濁液を形成させることにより調製することができる。所望であれば、投与すべき薬学的組成物はまた、少量の非毒性補助物質、例えば湿潤剤、乳化剤、可溶化剤、pH緩衝剤など、例えばアセテート、クエン酸ナトリウム、シクロデキストリン誘導体、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミン酢酸ナトリウム、トリエタノールアミンオレアート、および他のそのような薬剤を含んでもよい。
【0157】
そのような剤形を調製する実際の方法は公知であり、または当業者には明らかであり;例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Easton, Pa., 15th Edition, 1975を参照されたい。
【0158】
0.005%〜100%の範囲の活性成分を含み、非毒性担体で均衡がとられた剤形または組成物を調製してもよい。これらの組成物を調製するための方法は当業者に公知である。企図した組成物は、0.001%〜100%の活性成分、1つの態様では0.1〜95%、別の態様では75〜85%を含んでもよい。
【0159】
1. 経口投与のための組成物
経口薬学的剤形は固体、ゲルまたは液体のいずれかである。固体剤形は錠剤、カプセル、顆粒および原薬粉末である。経口錠剤の型は圧縮した、チュアブルロゼンジおよび錠剤を含み、これらは腸溶性コートがされ、糖でコートされ、またはフィルムコートされてもよい。カプセルはハードまたはソフトゼラチンカプセルでもよく、顆粒および粉末は、当業者に公知の他の成分と組み合わせて非発泡または発泡形態で提供してもよい。
【0160】
a. 経口投与用固体組成物
ある態様では、製剤は固体剤形、1つの態様では、カプセルまたは錠剤である。錠剤、ピル、カプセル、トローチなどは、1つまたは複数の下記成分、または同様の性質の化合物を含むことができる:結合剤;潤滑剤;希釈剤;流動促進剤;崩壊剤;着色剤;甘味剤;香味剤;湿潤剤;催吐コーティング;およびフィルムコーティング。結合剤の例としては、微結晶セルロース、トラガカントゴム、グルコース溶液、アラビアゴム粘液、ゼラチン溶液、モラセス、ポリビニルピロリドン、ポビドン、クロスポビドン、スクロースおよびデンプンペーストが挙げられる。潤滑剤としては、タルク、デンプン、ステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸カルシウム、石松子およびステアリン酸が挙げられる。希釈剤としては、例えば、ラクトース、スクロース、デンプン、カオリン、塩、マンニトールおよびリン酸二カルシウムが挙げられる。流動促進剤としては、コロイド状二酸化ケイ素が挙げられるが、それに限定されない。崩壊剤としては、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、ベントナイト、メチルセルロース、寒天およびカルボキシメチルセルロースが挙げられる。着色剤としては、例えば、任意の認可された認証水溶性FDおよびC染料、それらの混合物;ならびに、アルミナ水和物上に懸濁させた水不溶性FDおよびC染料が挙げられる。甘味剤としてはスクロース、ラクトース、マンニトールおよび人工甘味剤、例えばサッカリン、ならびに多数の噴霧乾燥フレーバーが挙げられる。香味剤としては、果物などの植物から抽出した天然フレーバーおよび、気持ちのいい感覚を生み出す化合物の合成ブレンド、例えば、限定されないが、ペパーミントおよびサリチル酸メチルが挙げられる。湿潤剤としては、プロピレングリコールモノステアレート、ソルビタンモノオレアート、ジエチレングリコールモノラウレートおよびポリオキシエチレンラウラルエーテルが挙げられる。催吐コーティングとしては脂肪酸、脂肪、蝋、シェラック、アンモニア化シェラックおよびセルロースアセテートフタレートが挙げられる。フィルムコーティングとしては、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000およびセルロースアセテートフタレートが挙げられる。
【0161】
化合物または薬学的に許容されるその誘導体は、それを胃の酸性環境から保護する組成物で提供することができる。例えば、組成物は、胃でその完全性を維持し、腸で活性化合物を放出する腸溶コーティング内で製剤化することができる。組成物はまた、制酸剤または他のそのような成分と組み合わせて製剤化してもよい。
【0162】
用量単位形態がカプセルである場合、上記型の材料の他に、脂肪油などの液体担体を含むことができる。さらに、用量単位形態は、用量単位の物理形態を修飾する様々な他の材料、例えば、糖および他の腸溶剤のコーティングを含むことができる。化合物はまた、エリキシル、懸濁液、シロップ、ウエハ、スプリンクル、チューイングガムなどの成分として投与することができる。シロップは、活性成分の他に、甘味剤としてスクロースおよびある保存剤、染料および着色剤、ならびに香味剤を含んでもよい。
【0163】
活性材料はまた、所望の作用を妨害しない他の活性材料、または所望の作用を補足する材料、例えば制酸剤、H2遮断薬、および利尿剤と混合することができる。活性成分は、本明細書で記述されるように化合物または薬学的に許容されるその誘導体である。より高い濃度、約98重量%までの活性成分を含有させてもよい。
【0164】
全ての態様において、錠剤およびカプセル製剤を、活性成分の溶解を変更または持続させるために、当業者に公知のようにコートしてもよい。このように、例えば、錠剤およびカプセルを従来の腸で消化可能なコーティング、例えば、フェニルサリチレート、蝋およびセルロースアセテートフタレートでコートしてもよい。
【0165】
b. 経口投与用液体組成物
液体経口剤形は、水溶液、エマルジョン、懸濁液、溶液および/または非発泡顆粒から再構成させた懸濁液および発泡顆粒から再構成させた発泡調製物を含む。水溶液としては、例えば、エリキシルおよびシロップが挙げられる。エマルジョンは水中油型または油中水型のいずれかである。
【0166】
エリキシルは透明な、甘くした、水性アルコール調製物である。エリキシルにおいて使用される薬学的に許容される担体として溶媒が挙げられる。シロップは糖、例えば、スクロースの濃水溶液であり、保存剤を含んでもよい。エマルジョンは1つの液体が別の液体全体に小球の形態で分散された2相系である。エマルジョンで使用される薬学的に許容される担体は、非水性液体、乳化剤および保存剤である。懸濁液は薬学的に許容される懸濁剤および保存剤を使用する。再構成され液体経口剤形とされる非発泡顆粒において使用される薬学的に許容される物質としては、希釈剤、甘味剤および湿潤剤が挙げられる。再構成され液体経口剤形とされる発泡顆粒において使用される薬学的に許容される物質としては、有機酸および二酸化炭素源が挙げられる。着色および香味剤を上記剤形の全てにおいて使用する。
【0167】
溶媒としてはグリセリン、ソルビトール、エチルアルコールおよびシロップが挙げられる。保存剤の例としては、グリセリン、メチルおよびプロピルパラベン、安息香酸、安息香酸ナトリウムならびにアルコールが挙げられる。エマルジョンにおいて使用される非水性液体の例としては鉱油および綿実油が挙げられる。乳化剤の例としては、ゼラチン、アラビアゴム、トラガカントゴム、ベントナイト、およびポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートなどの界面活性剤が挙げられる。懸濁剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ペクチン、トラガカントゴム、Veegumおよびアラビアゴムが挙げられる。甘味剤としてはスクロース、シロップ、グリセリンおよびサッカリンなどの人工甘味剤が挙げられる。湿潤剤としてはプロピレングリコールモノステアレート、ソルビタンモノオレアート、ジエチレングリコールモノラウレートおよびポリオキシエチレンラウリルエーテルが挙げられる。有機酸としてはクエン酸および酒石酸が挙げられる。二酸化炭素源としては、重炭酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムが挙げられる。着色剤としては、任意の認可された認証水溶性FDおよびC染料、ならびにそれらの混合物が挙げられる。香味剤としては果物などの植物から抽出した天然フレーバーおよび、気持ちのいい感覚を生み出す化合物の合成ブレンドが挙げられる。
【0168】
固体剤形では、溶液または懸濁液は、たとえば、炭酸プロピレン、植物油またはトリグリセリド中で、1つの態様ではゼラチンカプセル中に封入される。そのような溶液、ならびにその調製および封入は米国特許第4,328,245号、同第4,409,239号、および同4,410,545において開示されている。液体剤形では、溶液は、例えば、ポリエチレングリコール中で、十分な量の薬学的に許容される液体担体、例えば、水で希釈してもよく、投与のために容易に測定される。
【0169】
また、液体または半固体経口製剤は、活性化合物または塩を植物油、グリコール、トリグリセリド、プロピレングリコールエステル(例えば、炭酸プロピレン)および別のそのような担体に溶解または分散させ、これらの溶液または懸濁液をハードまたはソフトゼラチンカプセルシェル内に封入することにより調製してもよい。他の有用な製剤としては、米国特許第RE28,819号および同4,358,603号において記述されているものが挙げられる。簡単に言うと、そのような製剤としては、本明細書で提供される化合物、1,2-ジメトキシメタン、ジグリム、トリグリム、テトラグリム、ポリエチレングリコール-350-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-550-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-750-ジメチルエーテル、ここで、350、550および750はポリエチレングリコールの概算平均分子量を示す、を含むがそれらに限定されないジアルキル化モノ-またはポリ-アルキレングリコールおよび1つまたは複数の抗酸化剤、例えばブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、ビタミンE、ヒドロキノン、ヒドロキシクマリン、エタノールアミン、レシチン、セファリン、アスコルビン酸、リンゴ酸、ソルビトール、リン酸、チオジプロピオン酸およびそのエステル、ならびにジチオカルバメート、を含むものが挙げられるが、それらに限定されない。
【0170】
別の製剤としては、薬学的に許容されるアセタールを含む水性アルコール溶液が挙げられるが、それらに限定されない。これらの製剤で使用されるアルコールは1つまたは複数のヒドロキシル基を有する任意の薬学的に許容される水混和性溶媒であり、プロピレングリコールおよびエタノールが挙げられるが、それらに限定されない。アセタールとしては、低級アルキルアルデヒドのジ(低級アルキル)アセタール、例えばアセトアルデヒドジエチルアセタールが挙げられるが、それに限定されない。
【0171】
2. 注射剤、溶液およびエマルジョン
1つの態様では、皮下、筋肉内または静脈内のいずれかでの注射により特徴づけられる非経口投与もまた本明細書で企図される。注射剤は、従来の形態、液体溶液または懸濁液のいずれか、注射前の液体中の溶液または懸濁液に適した固体形態、またはエマルジョンで調製することができる。注射剤、溶液およびエマルジョンはまた1つまたは複数の賦形剤を含む。適した賦形剤は、例えば、水、生理食塩水、デキストロース、グリセロールまたはエタノールである。さらに、所望であれば、投与すべき薬学的組成物はまた、少量の非毒性補助物質、例えば湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤、安定化剤、溶解度増強剤、および他のそのような薬剤、例えば、酢酸ナトリウム、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミンオレアートおよびシクロデキストリンを含んでもよい。
【0172】
一定レベルの用量が維持される徐放性または持続放出系の移植(例えば、米国特許第3,710,795号を参照されたい)もまた本明細書で企図される。簡単に言うと、本明細書で提供される化合物を例えば、下記固体内部マトリクスに分散させる:ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、可塑化または非可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカーボネートコポリマー、親水性ポリマー、例えばアクリル酸およびメタクリル酸のエステルのヒドロゲル、コラーゲン、架橋ポリビニルアルコールおよび架橋部分加水分解ポリ酢酸ビニル、これは例えば下記の外側のポリマー膜により取り囲まれている:ポリエレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/エチルアクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、エチレンおよびプロピレンとの塩化ビニルコポリマー、イオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴムエピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー、ならびにエチレン/ビニルオキシエタノールコポリマー、これは体液中で不溶である。化合物は放出律速段階で、外側のポリマー膜を通して拡散する。そのような非経口組成物中に含まれている活性成分の割合は、その特異的な性質、ならびに化合物の活性および被験者の要求に著しく依存する。
【0173】
組成物の非経口投与は、静脈内、皮下および筋肉内投与を含む。非経口投与のための調製物は、注射可能な滅菌溶液、使用直前に溶媒と混合することができる、皮下注射錠剤を含む凍結乾燥粉末のような滅菌乾燥溶解性生成物、注射可能な滅菌懸濁液、使用直前に溶媒と混合することができる滅菌乾燥不溶性生成物、および滅菌エマルジョンが挙げられる。溶液は水性または非水性のいずれかでもよい。
【0174】
静脈内投与される場合、適した担体としては、生理食塩水またはリン酸緩衝食塩水(PBS)、ならびに増粘剤および可溶化剤、例えばグルコース、ポリエチレングリコール、ならびにポリプロピレングリコールおよびそれらの混合物を含む溶液が挙げられる。
【0175】
非経口調製物において使用される薬学的に許容される担体としては水性溶媒、非水性溶媒、抗菌剤、等張剤、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔薬、懸濁剤および分散剤、乳化剤、金属イオン封鎖剤またはキレート化剤ならびに他の薬学的に許容される物質が挙げられる。
【0176】
水性溶媒の例としては、塩化ナトリウム注射剤、リンガー注射剤、等張デキストロース注射剤、滅菌水注射剤、デキストロースおよび乳酸加リンガー注射剤が挙げられる。非水性非経口溶媒としては、植物性不揮発性油、綿実油、トウモロコシ油、ゴマ油およびピーナツ油が挙げられる。フェノールまたはクレゾール、水銀剤、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチルおよびプロピルp-ヒドロキシ安息香酸エステル、チメロサール、ベンズアルコニウムクロリドおよびベンゼトニウムクロリドを含む、多回投与容器中にパッケージされた非経口調製物に静菌性または静真菌性濃度の抗菌剤を添加しなければならない。等張剤としては塩化ナトリウムおよびデキストロースが挙げられる。緩衝液としてはフォスフェートおよびシトレートが挙げられる。抗酸化剤としては重硫酸ナトリウムが挙げられる。局所麻酔薬としてはプロカインハイドロクロライドが挙げられる。懸濁剤および分散剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリビニルピロリドンが挙げられる。乳化剤としてはポリソルベート80(TWEEN(登録商標))80)が挙げられる。金属イオン封鎖剤またはキレート化剤としてはEDTAが挙げられる。薬学的担体としてはまた、水混和性溶媒のためのエチルアルコール、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコール;ならびにpH調節のための水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸または乳酸が挙げられる。
【0177】
薬学的に活性な化合物の濃度は、注射により、所望の薬理学的効果が生み出される有効量が得られるように調整される。正確な用量は、当業者に公知なように患者または動物の年齢、体重および状態に依存する。
【0178】
単位用量非経口調製物はアンプル、バイアルまたは針のついたシリンジ内にパッケージされる。非経口投与用の調製物は全て、当技術分野で公知で、実施されているように無菌でなければならない。
【0179】
説明的には、活性化合物を含む滅菌水溶液の静脈内または動脈内注入は有効な投与様式である。別の態様は、所望の薬理学的効果を生じさせるために必要な、注射された活性材料を含む滅菌水性もしくは油性溶液または懸濁液である。
【0180】
注射剤は局所および全身投与のために設計される。1つの態様では、治療的有効量は、治療組織に対し、少なくとも約0.1%w/w〜約90%w/wまたはそれ以上、ある態様では1%w/wを超える濃度の活性化合物を含むように製剤化される。
【0181】
化合物は、微粉化形態または他の適した形態で懸濁させてもよく、またはより溶解度の高い活性生成物を生じさせる、もしくはプロドラッグを生じさせるように誘導体化させてもよい。得られた混合物の形態は、対象の投与様式および選択した担体もしくは溶媒中での化合物の溶解度を含む多くの因子に依存する。有効濃度は、状態の症状を寛解するのに十分なものであり、経験的に決定されてもよい。
【0182】
3. 凍結乾燥粉末
本明細書では凍結乾燥粉末も対象となっており、これは投与のために溶液、エマルジョンおよび他の混合物として再構成させることができる。これらはまた、固体またはゲルとして再構成および製剤化してもよい。
【0183】
滅菌凍結乾燥粉末は、本明細書で提供される化合物または薬学的に許容されるその誘導体を、適した溶媒に溶解することにより調製する。溶媒は、粉末または粉末から調製した再構成溶液の安定性または他の薬理学的要素を改善する賦形剤を含んでもよい。使用してもよい賦形剤としては、デキストロース、ソルビタール、フルクトース、コーンシロップ、キシリトール、グリセリン、グルコース、スクロースまたは他の適した薬剤が挙げられるが、それらに限定されない。溶媒はまた、緩衝剤、例えばシトレート、リン酸ナトリウムもしくはカリウムまたは当業者に公知の他のそのような緩衝剤、1つの態様では、約中性pHを含んでもよい。その後溶液を滅菌濾過し、続いて当業者に公知の標準状態下で凍結乾燥させると所望の製剤が得られる。1つの態様では、得られた溶液を凍結乾燥のためにバイアルに分配する。各バイアルは単回用量または多回用量の化合物を含む。凍結乾燥粉末は適当な条件下、例えば約4℃〜室温で保存することができる。
【0184】
注射するためにこの凍結乾燥粉末を水で再構成すると、非経口投与における使用のための製剤が提供される。再構成のために、凍結乾燥粉末を滅菌水または他の適した担体に添加する。正確な量は、選択した化合物に依存する。そのような量は経験的に決定することができる。
【0185】
4. 局所投与
局所用混合物を、局所および全身投与のために記述したように調製する。得られた混合物は溶液、懸濁液、エマルジョンなどであってもよく、クリーム、ゲル、軟膏、エマルジョン、溶液、エリキシル、ローション、懸濁液、チンキ剤、ペースト、泡沫、エアロゾル、灌注、スプレー、坐薬、包帯、皮膚パッチまたは局所投与用に適した任意の他の製剤として製剤化される。
【0186】
化合物または薬学的に許容されるそれらの誘導体はまた、局所適用用、例えば吸入による、エアロゾルとして製剤化してもよい(例えば、米国特許第4,044,126号、同第4,414,209号および同第4,364,923号を参照されたい、これらは炎症性疾患、特に喘息の治療に有用なステロイドの送達のためのエアロゾルを記述している)。気道への投与用のこれらの製剤は、噴霧器用のエアロゾルまたは溶液の形態で、または吸入のためのミクロファインパウダー(microfine powder)として、単独で、またはラクトースなどの不活性担体と組み合わせることができる。そのような場合、製剤の粒子は、1つの態様では、50μm未満、1つの態様では10μm未満の直径を有する。
【0187】
化合物は、局所または局部適用用、例えば、皮膚および目の中などの粘膜への局部適用用に、ゲル、クリーム、およびローションの形態で、ならびに目に適用するためにまたは嚢内もしくは髄腔内に適用するために製剤化してもよい。局所投与は、経皮送達のために、および目または粘膜への投与のためにも、または吸入治療のために企図される。活性化合物単独の、または他の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせた点鼻薬も投与することができる。
【0188】
これらの溶液、特に眼科使用が意図されるものは、適当な塩を用いて、0.01%〜10%等張液、pH約5〜7として製剤化してもよい。
【0189】
5. 別の投与経路のための組成物
別の投与経路、例えば、イオン泳動および電気泳動装置を含む、経皮パッチおよび直腸投与もまた、本明細書で企図される。
【0190】
イオン泳動および電気泳動装置を含む経皮パッチは当業者に周知である。例えば、そのようなパッチは米国特許第6,267,983号、同第6,261,595号、同第6,256,533号、同第6,167,301号、同第6,024,975号、同第6,010715号、同第5,985,317号、同第5,983,134号、同第5,948,433号、および同第5,860,957号で開示されている。
【0191】
例えば、直腸投与のための薬学的剤形は全身効果用の直腸坐薬、カプセルおよび錠剤である。本明細書で使用される直腸坐薬は、直腸に挿入するための固形物を意味し、これは体温で融解または軟化し、1つまたは複数の薬理学的または治療的に活性な成分が放出される。直腸坐薬において使用される薬学的に許容される物質は、ベースまたは溶媒および融点を上昇させる薬剤である。ベースの例としては、ココアバター(カカオ油)、グリセリン-ゼラチン、カルボワックス(ポリオキシエチレングリコール)ならびに脂肪酸のモノ-、ジ-およびトリグリセリドの適当な混合物が挙げられる。様々なベースの組み合わせを使用してもよい。坐薬の融点を上昇させる薬剤としては、鯨ろうおよび蝋が挙げられる。直腸坐薬は圧縮法または成形のいずれかにより調製してもよい。直腸坐薬の重量は、1つの態様では、約2〜3gmである。
【0192】
直腸投与のための錠剤およびカプセルは、経口投与用の製剤に関して、同じ薬学的に許容される物質を用いて、同じ方法により製造する。
【0193】
6. 標的製剤
本明細書で提供される化合物またはそれらの薬学的に許容される誘導体はまた、特定の組織、受容体または治療を受ける被験者の身体の他の領域を標的とするように製剤化してもよい。多くのそのような標的法は、当業者に周知である。全てのそのような標的法は、即時組成物において使用するために、本明細書で企図される。標的法の非制限的な例のために、例えば、米国特許第6,316,652号、同第6,274,552号、同第6,271,359号、同第6,253,872号、同第6,139,865号、同第6,131,570号、同第6,120,751号、同第6,071,495号、同第6,060,082号、同第6,048,736号、同第6,039,975号、同第6,004,534号、同第5,985,307号、同第5,972,366号、同第5,900,252号、同第5,840,674号、同第5,759,542号、および同第5,709,874号を参照されたい。
【0194】
1つの態様では、組織標的リポソーム、例えば腫瘍標的リポソームを含むリポソーム懸濁液もまた、薬学的に許容される担体として適している場合がある。これらは、当業者に公知の方法により調製されてもよい。例えば、リポソーム製剤は、米国特許第4,522,811号において記述されるように調製されてもよい。簡単に言うと、多重膜小胞(MLV)などのリポソームを、フラスコの内側で、卵ホスファチジルコリンおよび脳ホスファチジルセリン(7:3モル比)を乾燥させることにより形成させてもよい。二価カチオン欠乏リン酸緩衝食塩水(PBS)に溶解した本明細書で提供される化合物の溶液を添加し、脂質膜が分散されるまでフラスコを振盪させる。得られた小胞を洗浄し、封入されていない化合物を除去し、遠心分離によりペレット化し、その後PBS中に再懸濁させる。
【0195】
7. 製品
化合物または薬学的に許容される誘導体は、パッケージ材料、パッケージ材料内の、α-シヌクレイン線維形成を調節する、またはα-シヌクレイン線維形成が関与する疾患または障害の1つもしくは複数の症状を治療または寛解するのに効果的である、本明細書で提供される化合物または薬学的に許容されるその誘導体、ならびに、α-シヌクレイン線維形成を調節する、またはα-シヌクレイン線維形成が関与する疾患または障害の1つもしくは複数の症状を治療または寛解するための、化合物または組成物、または薬学的に許容されるその誘導体を使用することを示すラベルを含む製品として、パッケージしてもよい。
【0196】
本明細書で提供される製品はパッケージ材料を含む。パッケージ薬学製品において使用するためのパッケージ材料は当業者に周知である。例えば、米国特許第5,323,907号、同第5,052,558号および同第5,033,252号を参照されたい。薬学的パッケージ材料の例としては、ブリスターパック、ボトル、チューブ、吸入器、ポンプ、バッグ、バイアル、容器、シリンジ、ボトル、ならびに選択した製剤および対象の投与および治療様式に適した任意のパッケージ材料が挙げられるが、それらに限定されない。本明細書で提供される化合物および組成物の多様な製剤が、α-シヌクレイン線維形成が症状または原因のメディエータまたは一因として関与する任意の疾患または障害に対する様々な治療として企図される。
【0197】
8. 持続放出製剤
高い循環レベル(10-9と10-4Mの間)で化合物を所望の標的(すなわち、脳または全身の器官)に送達させる持続放出製剤もまた提供する。アルツハイマー病またはパーキンソン病の治療のためのある態様では、化合物の循環レベルは10-7Mまでに維持される。レベルは、患者において全身的に循環し、または1つの態様では、脳組織に存在し、別の態様では、脳または他の組織中のアミロイドまたはα-シヌクレイン原線維沈着物に局在する。
【0198】
化合物レベルは、所望のようにある期間にわたり維持され、当業者により容易に決定することができることは理解される。1つの態様では、持続放出製剤を投与し、治療化合物を、血清中、10-8と10-6Mの間で、48〜96時間の間一定レベルに維持させるように作用させる。
【0199】
そのような持続放出および/または徐放製剤は、当業者に周知の送達装置の持続放出手段、例えば、開示内容がそれぞれ参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第3,845,770号;同第3,916,899号;同第3,536,809号;同第3,598,123号;同第4,008,719号;同第4,710,384号;同第5,674,533号;同第5,059,595号;同第5,591,767号;同第5,120,548号;同第5,073,543号;同第5,639,476号;同第5,354,556号;および同第5,733,566号に記述されているものにより製造してもよい。これらの薬学的組成物を使用すると、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリクス、ゲル、透過膜、浸透圧系、多層コーティング、微粒子、リポソーム、ミクロスフェアなどを使用して、1つまたは複数の活性化合物の徐放または持続放出を提供することができる。本明細書で記述されているものを含む、当業者に公知の適した持続放出製剤は、本明細書で提供される薬学的組成物と共に使用するために容易に選択されうる。このように、持続放出用に適合された、経口投与用に適した単回単位用量剤形、例えば、限定されないが、錠剤、カプセル、ゲルカップ、カプレット、粉末などは本明細書で企図される。
【0200】
1つの態様では、持続放出製剤は、活性化合物、例えば、限定されないが、微結晶セルロース、マルトデキストリン、エチルセルロース、およびステアリン酸マグネシウムを含む。上記のように、開示した化合物の性質と適合する封入のための公知の方法は全て本明細書で企図される。持続放出製剤は、本明細書で提供される薬学的組成物の粒子または顆粒を様々な厚さの徐々に溶解するポリマーでコートすることにより、またはマイクロカプセル化により封入される。1つの態様では、持続放出製剤は、哺乳動物に投与後、約48時間〜約72時間で、薬学的組成物の溶解が可能となる様々な厚さ(例えば、約1μm〜約200μm)のコーティング材料で封入される。別の態様では、コーティング材料は食品認可添加物である。
【0201】
別の態様では、持続放出製剤は、薬剤を徐々に溶解するポリマー担体と圧縮して錠剤とすることにより調製した、マトリクス溶解装置である。1つの態様では、コート粒子は参照により全体が本明細書に組み入れられる、米国特許第4,710,384号および同第5,354,556号に開示されているように、約0.1〜約300μmの間のサイズ範囲を有する。各々の粒子はミクロマトリクスの形態であり、活性成分がポリマー全体に均一に分配されている。
【0202】
参照により全体が本明細書に組み入れられる米国特許第4,710,384号において記述されているものなどの、コーティング中に比較的高い割合の可塑剤を有し、圧縮中の実質的な破損が阻止される十分な可撓性が得られる持続放出製剤を開示する。特定の量の可塑剤は、コーティングの性質および使用した特定の可塑剤によって変動する。量は、形成させた錠剤の放出特性を試験することにより経験的に容易に決定されうる。薬剤の放出が速すぎる場合、より多くの可塑剤が使用される。放出特性はまた、コーティングの厚さの関数である。相当量の可塑剤を使用する場合、コーティングの持続放出能力は減少する。このように、コーティングの厚さは、可塑剤の量の増加を埋め合わせるために、わずかに増加させてもよい。一般に、そのような態様の可塑剤は、コーティング中の持続放出材料の約15〜30%の量、1つの態様では20〜25%の量で存在し、コーティングの量は活性材料の重量の10〜25%、別の態様では、活性材料の重量の15〜20%である。任意の従来の薬学的に許容される可塑剤をコーティング中に組み入れてもよい。
【0203】
本明細書で提供される化合物は、持続放出および/または徐放製剤として製剤化することができる。持続放出薬学製品は全て、それらの非持続放出対応物により達成されるものよりも薬物療法を改善するという共通の目標を有する。理想的には、薬物療法における最適に設計した持続放出調製物の使用は、状態を治癒または制御するために使用される薬物の量が最小であることにより特徴づけられる。持続放出製剤の利点としては下記が挙げられる:1)組成物の活性の延長、2)投与頻度の減少、および3)患者の服薬率の増加。さらに、持続放出製剤を使用して、作用開始時間または他の特性、例えば、組成物の血液レベルに影響を与えることができ、このように、副作用の発症に影響を与えることができる。
【0204】
本明細書で提供される持続放出製剤は、即座に所望の治療効果を生じさせる治療組成物の量を最初に放出し、徐々に、および連続して別の量の組成物を放出し、長期間にわたりこの治療効果レベルを維持するように設計される。体内でこの一定レベルを維持するために、治療組成物は剤形から、代謝され身体から排出される組成物にとって代わる速度で、放出されなければならない。
【0205】
活性成分の持続放出は、様々な誘導因子、例えばpH、温度、酵素、水、または他の生理学的状態もしくは化合物により刺激されてもよい。
【0206】
経口投与のための調製物は、活性化合物の制御放出を提供するように適当に製剤化してもよい。1つの態様では、化合物は、容易に液体形態で製剤化することができる別個の微粒子の制御放出粉末として製剤化される。持続放出粉末は、活性成分および任意で、少なくとも1つの非毒性ポリマーを有する賦形剤を含む粒子を含む。
【0207】
粉末は、液体溶媒中に分散または懸濁させることができ、有用な時間の間、持続放出特性を維持する。これらの分散物または懸濁液は、化学的安定性および溶解速度の観点から見た安定性の両方を有する。粉末は、ポリマーを含む賦形剤を含んでもよく、それらは可溶性、不溶性、透過性、不透過性、または生物分解性であってもよい。ポリマーはポリマーまたはコポリマーであってもよい。ポリマーは天然または合成ポリマーであってもよい。天然ポリマーとしては、ポリペプチド(例えば、ゼイン)、多糖(例えば、セルロース)、およびアルギン酸が挙げられる。代表的な合成ポリマーとしては、参照により全体が本明細書に組み入れられる米国特許第5,354,556号の3列目、33〜45行目に記述されているものが挙げられるが、それらに限定されない。特に適したポリマーとしては、参照により全体が本明細書に組み入れられる米国特許第5,354,556号の3列目46行目〜4列目8行目に記述されているものが挙げられるが、それらに限定されない。
【0208】
本明細書で提供される持続放出組成物は、非経口投与、例えば、筋肉注射または皮下組織および様々な体腔のためのインプラント、および経皮装置による投与のために製剤化してもよい。1つの態様では、筋肉注射は、水性または油性懸濁液として製剤化される。水性懸濁液の場合、持続放出効果は、一部には、複合体形成時に活性化合物の溶解度が減少すること、または溶解速度の減少による。油性懸濁液および溶液では、同様のアプローチがとられる。この場合、活性化合物の放出速度は、活性化合物の油から周囲の水性媒質への分配により決定される。油溶性で、所望の分配特性を有する活性化合物のみが適している。筋肉注射のために使用してもよい油としては、ゴマ油、オリーブ油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、アーモンド油、大豆油、綿実油およびヒマシ油が挙げられるが、それらに限定されない。
【0209】
数日〜数年の範囲の期間にわたり持続放出を提供する薬物送達の高度に発達した形態は、薬物運搬ポリマー装置を皮下または様々な体腔に移植するものである。インプラントで使用されるポリマー材料は、生体適合性で非毒性でなければならず、ヒドロゲル、シリコーン、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、または生物分解性ポリマーが挙げられるが、それらに限定されない。
【0210】
E. 化合物の活性の評価
α-シヌクレイン毒性のモジュレータとして本明細書で提供される化合物の活性は、標準アッセイ法で測定してもよい(例えば、2004年4月16日に出願された米国特許出願第10/826,157号;米国特許出願公開番号第2003/0073610号;および本明細書の実施例1を参照されたい)。活性は、384-ウエルスクリーニングプロトコルおよび光学密度測定を用いる全酵母細胞アッセイ法において測定してもよい。酵母におけるヒトα-シヌクレインの発現は、コピー数依存様式で増殖を阻害する(例えば、Outeiro, et al., (2003) Science 302(5651):1772-5を参照されたい)。α-syn::GFPの1コピーの発現は増殖に何の影響も与えないが、2コピーで完全な阻害となる。増殖の休止は、α-syn::GFP局在化の変化を伴う。1コピーを有する細胞では、α-syn::GFPは高い選択様式で、原形質膜と結合する。発現が2倍になると、α-シヌクレインは細胞質に移動し、そこで、患部ニューロンで見られるレビー小体と同様の大きな封入体を形成する。
【0211】
本明細書で提供される化合物を、このアッセイ法でα-シヌクレイン毒性レスキュー(α-synuclein toxicity rescue)に対しスクリーニングした。簡単に言うと、ヒト化株を、384-ウエルプレート中、α-シヌクレイン発現を誘発する条件下で、化合物に暴露させる。48時間インキュベートした後、増殖を測定する。毒性を阻害する化合物は増殖を回復させ、濁度の増加として検出される(OD600)。
【0212】
F. 化合物および組成物の使用法
本明細書では、α-シヌクレイン毒性および/または線維形成を阻害または阻止する方法、α-シヌクレイン原線維成長を阻害または阻止する方法、ならびにα-シヌクレイン原線維およびα-シヌクレイン関連タンパク質沈着物の分解、破壊、および/または脱凝集を引き起こす方法を提供する。
【0213】
ある態様では、治療される、またはその症状が本明細書で提供される化合物および組成物により寛解されるシヌクレイン疾患またはシヌクレイノパチーとしては、α-シヌクレイン原線維を含むシヌクレイン原線維の形成、沈着、蓄積、または残存と関連する疾患が挙げられるが、それらに限定されない。ある態様では、そのような疾患として、パーキンソン病、家族性パーキンソン病、レビー小体病、アルツハイマー病のレビー小体変異体、レビー小体型認知症、多系統萎縮症、およびグアム島のパーキンソン認知症(Parkinsonism-dementia complex of Guam)が挙げられる。
【0214】
方法を実施する際には、本明細書で提供される化合物および組成物を有効量投与する。そのような量は、インビボで、化合物または組成物の活性成分の治療的有効濃度が達成されるのに十分な量である。
【0215】
G. 併用療法
本明細書で提供される化合物および組成物はまた、他の活性成分と組み合わせて使用してもよい。別の態様では、化合物は、別の治療薬と組み合わせて、または連続して投与してもよい。そのような別の治療薬としては、α-シヌクレイン疾患の1つまたは複数の症状を治療または寛解するのに公知のものが挙げられる。そのような治療薬としては、塩酸ドネペジル(Aracept)、酒石酸リバスチグミン(Exelon)、塩酸タクリン(Cognex)および臭化水素酸ガランタミン(Reminyl)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0216】
下記実施例は、例示目的のみのために提供され、本発明の範囲を限定するものではない。
【0217】
実施例1
α-シヌクレイン(aS)スクリーニング
酵母株
親W303:MAT a/α ade2-1/ade2-1 his3-11,15/his3-11,15 leu2-3,112/leu2-3,112
trp1-1/trp1-1 ura3-1/ura3-1 can1-100/can1-100
表現型:増殖のためにアデニン、ヒスチジン、ロイシン、トリプトファンおよびウラシルを必要とする。カナバニン耐性。
FX-109:MAT a/α ade2-1/ade2-1 his3-11,15/his3-11,15 leu2-3,112/leu2-3,112
trp1-1/trp1-1 GALp-aS-GFP::TRP1/GALp-aS-GFP::TRP1 ura3-1/ura3-1
GALp-aS-GFP::URA3/GALp-aS-GFP::URA3 can1-100/can1-100 pdr1::KanMX/pdr1::KanMX erg6::KanMX/erg6::KanMX
表現型:aSの発現によりガラクトース上では増殖できない。増殖のためにヒスチジン、ロイシン、およびアデニンを必要とする。カナバニンおよびカナマイシン耐性。薬剤に過敏。
【0218】
培地および試薬
試験する株の遺伝子型に基づき、合成培地のための適当な補充を選択する。完全なコンストラクト(例えば、aS)を含む株は、コンストラクトに対する選択を維持する培地で増殖させるべきである(下記を参照されたい)。CSM(Qbiogene)は出芽酵母(Saccharomyces serevisiae)を増殖させるための市販のアミノ酸混合物である。必要に応じ、1つまたは複数のアミノ酸を欠如させることができる。aSおよび対照株では、トリプトファンおよびウラシル(-Trp-Ura)が欠如した培地を使用すべきである(Qbiogene,Inc., Carlsbad, CAから入手可能)。
【0219】
液体合成培地を作製するために、表1に列挙した成分を混合する。成分が溶解した後、濾過により滅菌し(Millipore Stericup Cat#SCGPU11RE)滅菌ボトルに入れる。
【0220】
(表1)合成完全培地

【0221】
(表2)炭素源

【0222】
(表3)CSM

【0223】
光学密度を用いた384-ウエルスクリーニングプロトコル
1日
適当な量のSラフィノース-Trp-Ura培地にFx-109株を播種する。
【0224】
振盪させながら、30℃で一晩中、細胞が対数期または中対数期に到達するまでインキュベートする(OD6000.5-1.0;0.1 OD600は〜1.75X10E6細胞に対応する)。
【0225】
2日
室温で細胞を遠沈させ、培地を除去し、等量のSガラクトース-Trp-Ura培地に再懸濁させる。OD600を測定し、細胞を0.001まで希釈する。自動装置で、30μlの細胞懸濁液(MicroFill, Biotek)を384-ウエルプレート(NUNC 242757)の各ウエルに移す。
【0226】
DMSOに溶解した薬剤100nl(Cybio)を、各ウエルに添加する(最終濃度、17μg/ml薬剤および0.333% DMSO)。
【0227】
陽性対照のために、グルコースを0.1%および1%の最終濃度まで添加する(注:Biochem J. 368:131-6,2002に基づき、ダウノルビシンを追加の対照としてもよいが、本発明者らはその試験をしていない)。
【0228】
プレートを30℃で、振盪させずに、加湿チャンバ内で48時間インキュベートさせる。
【0229】
4日
OD650を読み取り(Envision, Perkin Elmer)、酵母培養物の増殖のためのウエルを視覚的に点検する。
【0230】
結果
本明細書で提供される化合物を上記のようにアッセイすると、約300μM未満MRC(最小レスキュー濃度)を示した。
【0231】
実施例2
式I〜IXによるある化合物は、下記のように調製することができる。
【0232】
グアニジンの調製
方法1

N,N-ジイソプロピルエチルアミン(45ml、259mmol)およびDMF(100ml)の溶液に溶解した、炭酸グアニジン(22g、120mmol)および2-クロロベンゾキサゾール(7ml、60mmol)の混合物を60℃で一晩中加熱した。これを蒸発させ、水(100ml)で処理した。pptを収集し、エーテルで洗浄し、乾燥させた。収率:9.3g(88%)の所望の中間体生成物、オフホワイト固体。純度:95%。
【0233】
方法2

2-アミノベンゾチアゾール1(1当量)および2-メチル-2-チオ擬尿素スルフェート(1当量)をバイアル中で混合し、油浴で混合物の融点を超える温度(140〜220℃)で2時間、撹拌しながら加熱した。混合物を冷却し、熱MeOHで完全に倍散させ、濾過し、MeOHで洗浄した。得られた灰色固体生成物(一見、S-メチル-2-チオ擬尿素形態を有する混合スルフェート中)は、有機溶媒に不溶性であり、これを飽和Na2CO3水溶液およびEtOAcと混合し、水相をEtOAcで抽出し、有機抽出物を合わせ、MgSO4で乾燥させ、濃縮した。得られた粗生成物をエーテル-ヘキサンまたはEtOAc-ヘキサンからの再結晶により精製した。
%収率、25〜60
【0234】
方法3

参考文献:Krommer, Prietzel, Weiss. 2-Benzothiazolylguanidine. Ger. Offen. (1975), 9pp. DE2418913 19751030 CAN 84:31048。
【0235】
2-アミノチオフェノール12.5g(0.10mol)および水30mlを、効率のよい撹拌機を備えた0.25L丸底フラスコに入れた。濃HCl水溶液20ml(0.22mol)を徐々に(〜1〜2分で)撹拌しながら添加した。黄色アミノチオフェノールを溶解させると、この塩の白色沈殿物が形成した。混合物を70℃まで加熱し、ジシアンジアミド8.4g(0.10mol)を少量ずつ(〜10分)撹拌しながら添加した。
【0236】
得られた懸濁液を20〜30分間還流させ(油浴 温度〜120-130℃)、その後、熱を除去し、混合物を〜60-80℃まで冷却させ、水中に溶解したNaOH8.4g(0.21mol)の溶液8.4mlをピペットにより徐々に添加した(わずかな加熱が観察された)。
【0237】
混合物を冷却させ、濾過し、水で洗浄し(4×20ml)、油ポンプ真空下、2日間乾燥させた(固体はほとんど等しい量の水を保持し、非常にゆっくり乾燥する)。2-ベンゾチアゾリルグアニジン18.1g(94%)の乾燥した淡灰色固体はHPLCおよびNMRにより純粋であった。
【0238】
方法4
段階1

4-フェニル-2-アミノフェノール11.4mmol(2.10g)をエタノール30mlに溶解し、キサントゲン酸エチルカリウム11.4mmol(1.82g)を添加した。反応混合物を一晩中還流させ、冷却し、過剰のエタノールを蒸留して除去し、その後、反応混合物をクラッシュアイス中に注ぎ入れた。酢酸を添加することによりpHを5に調節した。形成した白色沈殿を濾過し、乾燥させると粗5-フェニルベンゾ[d]オキサゾール-2-チオール2.32g(90%)が得られ、これを直接次の工程でさらに精製せずに使用した。
【0239】
段階2

5-フェニルベンゾ[d}オキサゾール-2-チオール2、10mmol(2.32g)を乾燥アセトン40mlに溶解し、無水炭酸カリウム12mml(1.68g)を添加した。この反応混合物に、ヨウ化メチル12mmol(1.7ml)を添加し、混合物を70℃の浴中で一晩中還流させた。反応物を冷却し;過剰のアセトンを蒸留し、残渣を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、水、続いて塩類溶液水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させると粗生成物が得られた。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより60〜120メッシュシリカを用い、石油エーテル:酢酸エチル(96:4)で溶離して精製すると、化合物3、2.15g(87%)がオフホワイト固体として得られた。
【0240】
段階3

アセトニトリル20mlに溶解した2-(メチルチオ)-5-フェニルベンゾ[d]オキサゾール3、9mmol(2.15g)の溶液に、炭酸グアニジン18mmol(2.11g)およびトリエチルアミン36mmol(3.60g)を添加した。反応混合物を油浴上で48時間還流させた。反応混合物を冷却し、過剰のアセトニトリルを蒸留して除去した。冷水を添加し、内容物を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。有機層を合わせ、水、続いて塩類溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。酢酸エチルを蒸発させると、粗生成物が得られた。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、溶離剤として石油エーテル:酢酸エチル[50:50]を用いて精製すると、0.630g(28%)の生成物が白色固体として得られた。
【0241】
方法5

2-クロロケトン1(1当量)、2-イミノ-4-チオビウレト2(1当量)をメタノールまたはエタノールに溶解し、生成物が沈殿するまで、または反応が完了するまで、還流させた。混合物を冷却し、濾過または濃縮により得られた生成物を、必要ならば、メタノールからの再結晶または溶離剤EtOAc-ヘキサンを用いるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。
%収率、20〜80
【0242】
方法6

1,1-ジブロモピナコロン10mmol(2.58g)および2-イミノ-4-チオビウレト10mmol(1.18g)を、メタノール20mlと混合し、一晩中還流させた。形成した白色沈殿を濾過し;濾液を濃縮すると、0.773g(39%)の3がクリーム色の固体として得られた。
【0243】
アシルグアニジンの調製
方法H

THF(10ml)に溶解した開始材料1(1mmol)の溶液を-10℃まで冷却する。これに、NaH(60%、5mmol)を添加する。20分撹拌した後、THF(3ml)に溶解した酸塩化物2(1.2mmol)の溶液を徐々に滴下する。反応混合物を-10℃で1時間撹拌し、蒸発乾燥させる。残渣に水(10ml)を添加する。混合物をしばらく振盪させる。不溶性固体を収集し、水およびエーテルで洗浄し、乾燥させる。粗生成物は〜50%の生成物3、40%の開始材料2および無有意の形成したジアミドを含む。生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより、20%の酢酸エチルを含むヘキサンを用いて単離する。第1のバンドを収集し、蒸発させ乾燥すると、所望の生成物3が得られる。
%収率、5〜67
【0244】
方法I:

方法Hと同様、収率8%
【0245】
方法J

1置換グアニジン1(1当量)、酸2(1当量)、HBTU(1当量)(またはEDCl.HCl(N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N'-エチルカルボジイミド塩酸塩)(1当量)およびHOAt(1当量))をDMFに溶解し、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミン(5当量)を添加し、混合物を室温で15〜48時間撹拌した。過剰なアミンを蒸発させ、混合物を分取HPLC、溶離剤H2O-CH3CN-TFA、95:5:0.05〜5:95:0.05により精製した。必要であれば、二次分取-HPLC精製またはエーテル/ヘキサンからの再結晶化により、分析的に純粋な試料を得た。
%収率、0.4〜81
【0246】
方法K

グアニジン(2当量)をTHFに溶解し、0℃まで冷却し、その後、酸塩化物(1当量)を〜10分、撹拌しながら、Ar雰囲気下で滴下した。撹拌を0℃で1時間、その後室温で一晩中続けた。形成した白色固体を濾過して除去し;濾液を真空下で濃縮し、MeOHまたはエーテル/ヘキサンから再結晶化した。
%収率、10〜30
【0247】
方法L

アミノベンゾチアゾール1(1当量)およびイソシアネートまたはイソチオシアネート2(1当量)をアセトン中で一晩中還流させた。生成物をシリカゲルクロマトグラフィー、溶離剤ヘキサン-EtOAc(100:0〜0:100)により、続いて分取HPLC、溶離剤H2O-CH3CN-TFA(95:5:0.05〜5:95:0.05)により精製した。
%収率、2〜13
【0248】
方法T

方法は方法J(上記)と同じであるが、アミン1から開始する。
【0249】
方法U

アセトン-水(3:1)に溶解したイミダゾール1(1当量)およびK2CO3(100当量)の撹拌懸濁液に、ジメチルスルフェート(7当量)を添加し、混合物を一晩中撹拌し、分取HPLCにより精製した。
%収率、20
【0250】
実施例3
式IIIによる化合物は、下記で示すように調製することができる。
【0251】
方法D
一般手順:

化合物1および化合物2(1当量)を無水トルエン中で混合し、100℃で0.5時間加熱した。Meldrum酸(2,2-ジメチル-[1,3]ジオキサン-4,6-ジオン)(1当量)を徐々に添加し、溶液を100℃で2〜12時間加熱した。冷却すると、生成物が沈殿し、これを濾過により分離した。生成物(3)をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤、ヘキサン:酢酸エチル、20〜50%)により精製した。
%収率、30〜80
【0252】
方法M
段階1

化合物1をトルエンに溶解し、ピリジン(1.2当量)を添加した。溶液を0℃で撹拌し、トルエンに溶解した化合物2を徐々に添加した。溶液を周囲温度で12時間撹拌した。沈殿した塩を濾過により分離し、濾液を水と酢酸エチルとの間で分配させた。有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液、10%クエン酸および水で洗浄した。溶媒を蒸発させると生成物が得られ、これをエーテルまたはヘキサン-酢酸エチルからの結晶化により精製した。
%収率、70〜95
【0253】
段階2

化合物3をポリリン酸と混合し、120℃で0.5時間加熱した。温溶液を氷水上に注ぎ、沈殿を濾過により分離した。生成物(4)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤、ヘキサン:酢酸エチル、20〜50%)により精製した。
%収率、5〜10
【0254】
方法N
3-(2-オキソ-2,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[g]キノリン-4-イル)-ベンゾニトリルの調製
N,N'-ジメチルプロピレン尿素に溶解した4-(3-ブロモ-フェニル)-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-シクロペンタ[g]キノリン-2-オン(160mg、0.47mmol)およびシアン化銅(50.3mg、0.56mmol)の混合物を195℃で14時間、アルゴン雰囲気下で加熱した。水を添加し、生成物を酢酸エチルで抽出した。生成物(12mg)をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤、ヘキサン:酢酸エチル、8:2、7:3、6:4)、続いて逆相HPLC(水-アセトニトリルグラジエント、0.05%のトリフルオロ酢酸、70:30〜10:90、20分、直線グラジエント;流速、15ml/分;カラム、Phenomenex Luna 5μ C18、100×21.2mm;UV 254および218nm)により精製した。
【0255】
方法O
4-(3-アミノ-フェニル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[h]キノリン-2-オンの調製
エタノール(50ml)に懸濁させた4-(3-ニトロ-フェニル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[h]キノリン-2-オン(1.0g、3.14mmol)および10% Pd/C(0.10g)の撹拌懸濁液に、水和ヒドラジン(0.40g、12.6mmol)を徐々に添加した。溶液を2時間還流させ、触媒を濾過により分離した。濾液を真空で濃縮し20mlとし、溶液を冷蔵庫で一晩中保存した。沈殿を濾過により分離し、少量のエタノールで洗浄し、真空乾燥させると、生成物が得られた(0.77g、2.67mmol)。
【0256】
方法P
4-[3-(1H-テトラゾール-5-イル)-フェニル]-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[h]キノリン-2-オンの調製
ジメチルホルムアミド(3.5ml)に溶解した3-(2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-ベンゾ[h]キノリン-4-イル)-ベンゾニトリル(0.50g、1.68mmol)、アジ化ナトリウム(0.13g、2.0mmol)および塩化アンモニウム(0.11g、2.01mmol)の混合物を撹拌しながら130℃で18時間加熱した。溶媒を真空で除去し、水を添加した。溶液を希塩酸で酸性化すると沈殿が得られ、これを濾過により分離した。メタノールからの結晶化により標題化合物が得られた(0.23g、0.67mmol)。
【0257】
方法Q
4-(3-アジド-フェニル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[h]キノリン-2-オンの調製
4-(3-アミノ-フェニル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[h]キノリン-2-オン(0.29g、1mmol)を濃硫酸(2.5ml)、水(2.5ml)およびメタノール(2.5ml)の混合物に溶解した。溶液を0℃で撹拌し、水(1ml)に溶解した亜硝酸ナトリウム(0.83g、1.2mmol)の溶液を徐々に添加した。溶液を0℃で0.5時間撹拌し、水(1ml)に溶解したアジ化ナトリウム(0.13g、2mmol)の溶液を添加した。混合物を0℃で0.5時間撹拌し、続いて一晩中周囲温度で撹拌した。水を添加し、沈殿を濾過により分離した。生成物を逆相HPLCにより精製した(0.05g、0.15mmol)(水-アセトニトリルグラジエント、0.05%ギ酸、90:10〜10:90、20分、直線グラジエント;流速、15ml/分;カラム、Phenomenex Luna 5μ C18、100×21.2mm;UV 254および218nm)。
【0258】
方法R
N-[3-(2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-ベンゾ[h]キノリン-4-イル)-フェニル]-アセトアミドの調製
4-(3-アミノ-フェニル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[h]キノリン-2-オン(0.25g、0.87mmol)、無水酢酸(1ml)および無水ピリジン(1ml)の混合物を周囲温度で一晩中撹拌した。水を添加し沈殿を濾過により分離した。メタノール-アセトニトリルからの結晶化により標題化合物が得られた(0.06g、0.18mmol)。
【0259】
方法S
4-フェニル-1H-ベンゾ[h]キノリン-2-オンの調製
4-フェニル-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[h]キノリン-2-オン(0.55g、2.0mmol)および硫黄(0.06g、2mmol)の混合物を205℃で0.5時間、窒素雰囲気下で撹拌した。第2バッチの硫黄(0.06g、2mmol)を添加し、溶液を12時間205℃で撹拌した。生成物を熱酢酸に溶解し、濾過した。透明な濾液を冷却すると、結晶が堆積し、これを濾過により分離し、酢酸および水により洗浄し、真空乾燥させると、標題化合物が得られた(0.08g、0.30mmol)。
【0260】
当業者には改変は明らかであるので、本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0261】
【図1】本明細書で記述した式Iによる特定の化合物に対する構造を示す図である。
【図2】本明細書で記述した式VIIによる特定の化合物に対する構造を示す図である。
【図3】本明細書で記述した式IIIによる特定の化合物に対する構造を示す図である。
【図1−1】

【図1−2】

【図1−3】

【図1−4】

【図1−5】

【図1−6】

【図1−7】

【図1−8】

【図1−9】

【図1−10】

【図1−11】

【図1−12】

【図2−1】

【図2−2】

【図2−3】

【図3−1】

【図3−2】

【図3−3】

【図3−4】

【図3−5】

【図3−6】

【図3−7】

【図3−8】

【図3−9】

【図3−10】

【図3−11】

【図3−12】

【図3−13】

【図3−14】

【図3−15】

【図3−16】

【図3−17】

【図3−18】

【図3−19】



Notice: Undefined index: CLJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 301

【公表番号】特表2008−513471(P2008−513471A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−532478(P2007−532478)
【出願日】平成17年9月16日(2005.9.16)
【国際出願番号】PCT/US2005/033050
【国際公開番号】WO2006/034003
【国際公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(506188769)ホワイトヘッド インスティテュート フォー バイオメディカル リサーチ (5)
【出願人】(507088185)フォールドアールエックス ファーマシューティカルズ インコーポレーティッド (5)
【Fターム(参考)】