説明

β−セクレターゼのインヒビターとしてのジフェニルイミダゾピリミジンおよびイミダゾールアミン

本発明は、患者における高いβ−アミロイド沈着またはβ−アミロイドレベルに特徴がある疾患または障害を治療、予防または改善するための式Iの化合物およびそれらの使用を提供し、ここで、Xは、N、NOまたはCR19であり;Yは、N、NOまたはCR11であり;Zは、N、NOまたはCR20であるが、但し、X、YまたはZの2つより多くは、NまたはNOになり得ず;RおよびRは、それぞれ別個に、H、CNまたは必要に応じて置換したC〜Cアルキル基である。


【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(発明の背景)
アルツハイマー病(AD)は、主に加齢に関連する脳の進行性変性疾患であり、ヘルスケアの深刻な問題である。臨床的に、ADは、記憶、認識、理論、判断および見当識の喪失によって特徴付けられる。この疾患が進行するにつれて、複数の認識機能の全般的な障害が起こるまで、運動能力、知覚能力、および言語能力もまた影響される。これらの認識の喪失は徐々に生じるが、代表的には4〜12年の間に深刻な障害が起こり結果として死に至る。ADを有する患者は、脳および大脳の血管(β−アミロイド脈管障害)における特徴的なβ−アミロイド沈着、ならびに神経原線維変化を示す。アミロイド生成(amyloidogenic)斑および脈管アミロイド脈管障害はまた、21トリソミー(ダウン症候群)、オランダ型のアミロイドーシスによる遺伝性脳出血(HCHWA−D)、および他の神経変性障害を有する患者の脳を特徴付ける。神経原線維変化は、他の痴呆を誘導する障害においても生じる。
【0002】
β−アミロイドとして公知のタンパク質ファミリーは、アルツハイマー病の病理および引き続く認識低下の原因であると考えられる。アミロイド前駆体タンパク質(APP)のタンパク質分解プロセシングは、アミロイドβ(A−β)ペプチドを産生する;詳細には、A−βは、APPのβ−セクレターゼによるN末端での切断および1種以上のγ−セクレターゼによるC末端での切断によって生成される。アスパルチルプロテアーゼ酵素、またはβセクレターゼ酵素(BACE)の活性は、APPからのA−βペプチドの産生に直接的に相関する(非特許文献1)。ますます、研究によって、β−セクレターゼ酵素の阻害が、A−βペプチドの生成を阻害することが示されている。β−セクレターゼを阻害して、その結果A−βペプチドが低下すると、脳におけるβ−アミロイド沈着および大脳血管におけるβ−アミロイドレベルの低下をもたらし得、それによって引き起こされる疾患または障害の有効な処置をもたらし得る。
【0003】
従って、本発明の目的は、β−セクレターゼのインヒビターであって、患者においてβ−アミロイド沈着またはβ−アミロイドレベルが上昇することによって特徴付けられる疾患もしくは障害の処置、予防または改善において、治療剤として有用である化合物を提供することである。
【0004】
本発明の別の目的は、患者においてβ−アミロイド沈着またはβ−アミロイドレベルが上昇することによって特徴付けられる疾患もしくは障害の処置、予防または改善のために有用な治療方法および薬学的組成物を提供することである。
【0005】
提供された化合物がβ−セクレターゼ酵素をさらに研究し解明するためにも有用であり得ることは、本発明の特徴である。
【0006】
本発明のこれらの目的および特徴、ならびに他の目的および特徴は、以下に記載される詳細な説明によってより明らかになる。
【非特許文献1】Sinhaら,「Nature」1999年,第402号,537−540
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要旨)
本発明は、式Iのイミダゾピリミジンまたはイミダゾイミダゾールアミンを提供する:
【0008】
【化7−1】

ここで、Xは、N、NOまたはCR19である;
Yは、N、NOまたはCR11である;
Zは、N、NOまたはCR20であるが、但し、X、YまたはZの2つより多くは、NまたはNOになり得ない;
およびRは、それぞれ別個に、H、CNまたは必要に応じて置換したC〜Cアルキル基である;
およびRは、それぞれ別個に、H、または必要に応じて置換したC〜Cアルキル基であるか、あるいはRおよびRは、一緒になって、3員〜7員環を形成し得、該環は、必要に応じて、1個または2個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子は、O、NまたはSから選択されるか、あるいはRは、それが結合する原子および隣接炭素原子と一緒になって、二重結合を形成し得る;
およびRは、それぞれ別個に、H、ハロゲン、NO、CN、OR13、NR1415またはC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CアルキニルまたはC〜Cシクロアルキル基であり、各々は、必要に応じて、置換されているか、または隣接炭素原子と結合するとき、RおよびRは、それらが結合する原子と一緒になって、必要に応じて置換した5員〜7員環を形成し得、該環は、必要に応じて、1個または2個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子は、O、NまたはSから選択される;
、R、R、R10、R11、R19およびR20それぞれ別個に、H、ハロゲン、NO、CN、OR16、NR1718またはC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CアルキニルまたはC〜Cシクロアルキル基であり、各々は、必要に応じて、置換されている;
mは、0または1である;
nは、0、1、2または3である;
【0009】
【化7−2】

は、単結合または二重結合であるが、但し、mが0であるとき、
【0010】
【化7−3】

は、単結合でなければならない;
12、R13およびR16は、それぞれ別個に、H、またはC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキルまたはアリール基であり、各々は、必要に応じて、置換されている;そして
14、R15、R17およびR18は、それぞれ別個に、HまたはC〜Cアルキルである。
【0011】
本発明はまた、患者における増加したβ−アミロイド沈着または増加したβ−アミロイドレベルに特徴がある疾患または障害を治療、予防または改善する治療方法および医薬組成物を提供する。
【0012】
(発明の詳細な説明)
アルツハイマー病(AD)は、脳の重大な変性疾患であり、これは、臨床的に、記憶、認知、推理、判断および情動安定性の進行的な喪失を示し、徐々に、深い痴呆および死に至る。ADの正確な原因は知られていないが、この疾患の病因において、アミロイドベータペプチド(A−ベータ)が中心的な役割を果たすという証拠が増えている(D.B.Schenk;R.E.Rydelら、Journal of Medicinal Chemistry,1995,21,4141およびD.J.Selkoe,Physiology Review,2001,81,741)。ADに罹った患者は、特徴的な神経病理学的マーカー(例えば、神経突起プラーク)(およびβ−アミロイド血管症においては、脳血管における沈着)だけでなく、解剖において脳で検出される神経原線維のもつれを示す。A−ベータは、ADの脳における神経突起プラークの主成分である。それに加えて、β−アミロイド沈着および血管β−アミロイド血管症はまた、ダウン症候群、オランダ型のアミロイド症を伴う遺伝性脳出血、ならびに他の神経変性および痴呆誘発障害に罹った患者の特徴である。アミロイド前駆体タンパク質(APP)の過剰発現、APPのA−ベータへの変化した開裂または患者の脳からのA−ベータのクリアランスの減少は、脳における可溶形状または繊維形状のA−ベータのレベルを高め得る。β−部位APP開裂酵素BACE1(これはまた、メマプシン−2またはAsp−2とも呼ばれる)は、1999に確認された(R.Vassar,B.D.Bennettら、Nature,1999,402,537)。BACE1は、膜結合アスパラギン酸プロテアーゼであり、これは、β−セクレターゼの全ての公知の特性および特徴を備えている。BACE1と平行して、BACE2と命名された第二の相同アスパルチルプロテアーゼは、インビトロで、β−セクレターゼ活性を有することが発見された。BACE1またはβ−セクレターゼの低分子量の非ペプチド非基質関連インヒビターは、β−セクレターゼ酵素の研究を助けるものとして、また、潜在的な治療薬として、両方として、熱心に探求されている。
【0013】
驚くべきことに、現在、式Iのジフェニルイミダゾピリミジンアミンまたはジフェニルイミダゾイミダゾールアミン化合物は、β−セクレターゼの阻害およびBACE1の選択的な阻害を示すことが発見された。有利なことに、該ピリミジンアミンまたはイミダゾイミダゾールアミン化合物は、患者における高いβ−アミロイド沈着またはβ−アミロイドレベルに特徴がある疾患または障害を治療、予防または改善するのに有効な治療薬として、使用され得る。従って、本発明は、式Iのイミダゾピリミジンまたはイミダゾイミダゾールアミン化合物、あるいは、それらの互変異性体、それらの立体異性体、またはそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0014】
【化8−1】

ここで、Xは、N、NOまたはCR19である;
Yは、N、NOまたはCR11である;
Zは、N、NOまたはCR20であるが、但し、X、YまたはZの2つより多くは、NまたはNOになり得ない;
およびRは、それぞれ別個に、H、CNまたは必要に応じて置換したC〜Cアルキル基である;
およびRは、それぞれ別個に、H、または必要に応じて置換したC〜Cアルキル基であるか、あるいはRおよびRは、一緒になって、3員〜7員環を形成し得、該環は、必要に応じて、1個または2個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子は、O、NまたはSから選択されるか、あるいはRは、それが結合する原子および隣接炭素原子と一緒になって、二重結合を形成し得る;
およびRは、それぞれ別個に、H、ハロゲン、NO、CN、OR13、NR1415またはC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CアルキニルまたはC〜Cシクロアルキル基であり、各々は、必要に応じて、置換されているか、または隣接炭素原子と結合するとき、RおよびRは、それらが結合する原子と一緒になって、必要に応じて置換した5員〜7員環を形成し得、該環は、必要に応じて、1個または2個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子は、O、NまたはSから選択される;
、R、R、R10、R11、R19およびR20それぞれ別個に、H、ハロゲン、NO、CN、OR16、NR1718またはC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CアルキニルまたはC〜Cシクロアルキル基であり、各々は、必要に応じて、置換されている;
mは、0または1である;
nは、0、1、2または3である;
【0015】
【化8−2】

は、単結合または二重結合であるが、但し、mが0であるとき、
【0016】
【化8−3】

は、単結合でなければならない;
12、R13およびR16は、それぞれ別個に、H、またはC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキルまたはアリール基であり、各々は、必要に応じて、置換されている;そして
14、R15、R17およびR18は、それぞれ別個に、HまたはC〜Cアルキルである。
【0017】
Xは、N、NOまたはCR19である;好ましくは、NまたはCR19、さらに好ましくは、Nである。Yは、N、NOまたはCR11である;好ましくは、CR11である。Zは、N、NOまたはCR20である;好ましくは、CR20である。記号mは、0または1、好ましくは、1である。R、R、R、R10、R11、R19およびR20は、それぞれ別個に、H、ハロゲン、NO、CN、OR16、NR1718またはa C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CアルキニルまたはC〜Cシクロアルキル基であり、各々は、必要に応じて、置換されている;好ましくは、Hまたはハロゲンである。
【0018】
【化8−4】

は、単結合または二重結合、好ましくは、二重結合である。X、YおよびZを含む環は、好ましくは、その3位置で、このフェニル基を置換する。このフェニル基に連結されたX、YおよびZを含む環の環員は、好ましくは、YおよびZに連結された炭素原子である。
【0019】
およびRは、それぞれ別個に、H、−CNまたは必要に応じて置換したC〜Cアルキル基である;好ましくは、Hまたは必要に応じて置換したC〜Cアルキル基である;さらに好ましくは、H、C〜Cアルキル基または置換C〜Cアルキル基であり、該置換C〜Cアルキル基は、ハロゲンで置換されている;有利には、Hである。
【0020】
およびRは、それぞれ別個に、H、または必要に応じて置換したC〜Cアルキル基であるか、あるいはRおよびRは、一緒になって、3員〜7員環を形成し得、該環は、必要に応じて、1個または2個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子は、O、NまたはSから選択されるか、あるいはRは、それが結合する原子および隣接炭素原子と一緒になって、二重結合を形成し得る。好ましくは、RおよびRは、それぞれ別個に、HまたはC〜Cアルキル基であるか、あるいは、それらが結合する炭素原子と一緒になるとき、3員〜7員環(有利には、3員〜5員環)を形成し、該環は、必要に応じて、1個または2個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子は、O、NまたはSから選択される。さらに好ましくは、該環は、炭素環であるか、または1個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子は、O、NまたはS(有利には、O)から選択される。有利には、RおよびRは、それぞれ別個に、Hであるか、あるいは、それらが結合する炭素原子と一緒になるとき、前述の環を形成する。記号nは、0、1、2または3、好ましくは、0、1または2、有利には、1である。
【0021】
好ましくは、RおよびRは、それぞれ別個に、H、ハロゲン、CN、OR13、あるいはC〜Cアルキル、C〜CハロアルキルまたはC〜Cシクロアルキル基であり、各々は、必要に応じて、置換されているか、または隣接炭素原子と結合するとき、RおよびRは、該隣接炭素原子と一緒になって、必要に応じて置換した5員〜7員環を形成し得、該環は、必要に応じて、1個または2個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子は、O、NまたはSから選択され、該環は、好ましくは、ヘテロ原子として、2個の酸素原子を含有する。さらに好ましくは、RおよびRは、それぞれ別個に、H、ハロゲン、CN、OR13、あるいはC〜Cアルキル、C〜CハロアルキルまたはC〜Cシクロアルキル基であるか、または隣接炭素原子と結合するとき、RおよびRは、該隣接炭素原子と一緒になって、必要に応じて置換した5員〜7員環を形成し得、該環は、必要に応じて、1個または2個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子は、O、NまたはSから選択され、該環は、必要に応じて、1個、2個または3個のハロゲン原子で置換されている。有利には、RおよびRの少なくとも1個は、OR13であるか、またはRおよびRは、一緒になるとき、二価ラジカルを示し、これは、メチレンジオキシまたはエチレンジオキシラジカルであり、このラジカルは、必要に応じて、1個またはそれ以上のハロゲン原子で置換されている。R13は、HまたはC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキルまたはアリール基であり、各々は、必要に応じて、置換されている;好ましくは、ハロゲン原子、ニトロ、シアノ、チオシアナト、シアナト、ヒドロキシル、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ホルミル、アルコキシカルボニル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルカノイル、アルカノイルオキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、カルバモイル、アルキルアミド、フェニル、フェノキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、ヘテロシクリルおよびシクロアルキル基から別個に選択される0個、1個、2個または3個の置換基で置換されたC〜Cアルキルである。
【0022】
本明細書および請求の範囲で使用するハロゲンとの用語は、F、Cl、BrまたはIを示し、そしてシクロヘテロアルキルとの用語は、1個または2個のヘテロ原子および必要に応じて1個の二重結合を含有する5員〜7員シクロアルキル環系を示し、このヘテロ原子は、同一または異なり得、N、OまたはSから選択される。本明細書中で指定された用語に含まれるシクロヘテロアルキル環系の代表例は、以下の環であり、ここで、Xは、NR、OまたはSである;そしてRは、Hまたは以下で記述する任意の置換基である:
【0023】
【化9】

同様に、本明細書および請求の範囲で使用するヘテロアリールとの用語は、1個、2個または3個のヘテロ原子を含有する5員〜10員芳香環系を示し、このヘテロ原子は、同一または異なり得、N、OまたはSから選択される。このようなヘテロアリール環系には、ピロリル、アゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、フリル、チエニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソキサゾリルなどが挙げられる。アリールとの用語は、炭素環式芳香環系(例えば、フェニル、ナフチル、アントラセニルなど)を示す。アリール(C〜C)アルキルとの用語は、C〜Cアルキル基(これは、直鎖または分枝であり得る)に結合されたアリール基(これは、この上で定義された)を示す。該アリール(C〜C)アルキル基には、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチルなどが挙げられる。本明細書中で使用するハロアルキルとの用語は、1個〜2n+1個のハロゲン原子(これらは、同一または異なり得る)を有するC2n+1基を示し、そして本明細書中で使用するハロアルコキシとの用語は、1個〜2n+1個のハロゲン原子(これらは、同一または異なり得る)を有するOC2n+1基を示す。好ましくは、ハロアルキルとの用語は、CFを示し、そしてハロアルコキシとの用語は、OCFを示す。
【0024】
本明細書および請求の範囲において、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリール(C〜C)アルキルまたはヘテロアリールとの用語が必要に応じて置換したと示されるとき、また、RおよびRがRおよびRが結合する原子と一緒になって形成される5員〜7員環が必要に応じて置換したと示される場合、必要に応じて存在している置換基は、それらの構造/活性、持続性、吸収性、安定性または他の有益な特性に影響を与えるために、医薬化合物の開発またはこのような化合物の改良において通例使用されるものの1つまたはそれ以上であり得る。このような置換基の具体例には、ハロゲン原子、ニトロ、シアノ、チオシアナト、シアナト、ヒドロキシル、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ホルミル、アルコキシカルボニル、カルボキシル、アルカノイル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、カルバモイル、アルキルアミド、フェニル、フェノキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、ヘテロシクリルまたはシクロアルキル基、好ましくは、ハロゲン原子あるいは低級アルキルまたは低級アルコキシ基が挙げられる。典型的には、0個〜3個の置換基が存在し得る。前述の置換基のいずれかがアルキル置換基を表わすかそれを含むとき、これは、直鎖または分枝であり得、そして、12個まで、好ましくは、6個まで、さらに好ましくは、4個までの炭素原子を含有し得る。
【0025】
薬学的に受容可能な塩は、式Iの化合物と薬学的に受容可能な酸(例えば、リン酸、硫酸、塩酸、臭化水素酸、クエン酸、マレイン酸、マロン酸、マンデル酸、コハク酸、フマル酸、酢酸、乳酸、硝酸、スルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸など)とにより形成される任意の酸付加塩であり得る。
【0026】
本発明の化合物には、エステル、カーバメートまたは他の通常のプロドラッグ形態が挙げられ、これらは、一般に、本発明の化合物の機能性誘導体であり、そしてインビボで、本発明の活性部分に容易に変換される。それに対応して、本発明の方法は、この上で記述した種々の病態を、式Iの化合物、または具体的には開示されていないが投与するとインビボで式Iの化合物に変換する化合物で治療することを包含する。また、本発明の化合物の代謝物も含まれ、それらは、これらの化合物を生体系に導入するとすぐに産生される活性種として、定義される。
【0027】
本発明の化合物は、1種またはそれ以上の互変異性体として存在し得る。当業者は、式Iの化合物がまた以下で示すような互変異性体Itとして存在し得ることを認識する。
【0028】
【化10】

互変異性体は、しばしば、互いに平衡状態で存在している。これらの互変異性体は、環境および生理学的条件下にて相互変換するとき、同じ有用な生物学的効果を与える。本発明は、式Iおよび式Itの個々の互変異性体だけでなく、このような互変異性体の混合物を包含する。
【0029】
本発明の化合物は、1個またはそれ以上の非対称炭素原子または1個またはそれ以上の額使用(キラル)中心を含み得、それゆえ、光学異性体およびジアステレオマーを生じ得る。それゆえ、本発明は、このような光学異性体およびジアステレオマー;ならびにラセミおよび分割された鏡像異性体的に純粋な立体異性体;ならびにRおよびS立体異性体の他の混合物を包含する。当業者は、ある立体異性体が、他の立体異性体と比べて富ませたとき、または他の立体異性体から分離したとき、より活性であり得るか、または有益な効果を示し得ることを理解する。さらに、当業者は、該立体異性体をいかにして分離し、富ませ、または選択的に調製するかを知っている。従って、本発明は、式Iの化合物、それらの立体異性体、それらの互変異性体およびそれらの薬学的に受容可能な塩を包含する。本発明の化合物は、立体異性体の混合物として、個々の立体異性体として、あるいは光学活性または鏡像異性体的に純粋な形状として、存在し得る。
【0030】
本発明の立体異性体には、式Iが式IAである化合物および式Iが式IBである化合物が挙げられる。
【0031】
【化11】

本発明の好ましい化合物は、RおよびRがHである式Iの化合物である。本発明の好ましい化合物の他の群は、mおよびnが1である式Iの化合物である。XがNである式Iの化合物もまた、好ましい。本発明の好ましい化合物のさらに別の群は、窒素含有5員または6員ヘテロアリール環がフェニル環の3位置でフェニル環に結合された式Iの化合物である;この好ましい群の式Iの化合物は、本明細書および請求の範囲において、式Iaとして示されている。式Iaの化合物は、以下で示す。
【0032】
【化12】

本発明のさらに好ましい化合物は、窒素含有ヘテロアリール環が6員環であり、そして該ヘテロアリール環の3位置でフェニル環に結合された式Iaの化合物である;このさらに好ましい群の式Iの化合物は、本明細書および請求の範囲において、式Ibとして示されている。式Ibの化合物は、以下で示す。
【0033】
【化13】

本発明のさらに好ましい化合物の他の群は、RおよびRがHである式Ibの化合物である。本発明のさらに好ましい化合物のさらに別の群は、YがCR11であり、そしてRおよびRがHである式Ibの化合物である。
【0034】
式Iの好ましい化合物の例には、以下が挙げられる:
8−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;
7−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−7−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−7H−イミダゾ[1,5−a]イミダゾール−5−アミン;
8−[4−フルオロ−3−(4−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;
8−[3−(5−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;
8−[3−(5−クロロピリジン−3−イル)フェニル]−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;
(8S)−8−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;
(8R)−8−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;
(8R)−8−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;
(8S)−8−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;
8−[3−(4−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;
8−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−(4−メトキシフェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;
8−(4−メトキシフェニル)−8−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;
8−(4−フルオロ−3−ピリミジン−5−イルフェニル)−8−(4−メトキシフェニル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;
8−[4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−(4−メトキシフェニル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;
8−(4−フルオロ−3−ピリミジン−5−イルフェニル)−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;
8−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;
8−[4−フルオロ−3−(5−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;
8−[4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;
それらの互変異性体;それらの立体異性体;またはそれらの薬学的に受容可能な塩。
【0035】
有利には、本発明は、式Iの化合物を調製する方法を提供し、該方法は、パラジウム触媒および無機塩基の存在下にて、必要に応じて、溶媒の存在下にて、式II(ここで、Halは、ClまたはBrである)と式IIIの化合物(ここで、Wは、B(OH)、Sn(Bu)またはSn(CHである)とを反応させる工程を包含する。この方法は、流れ図Iで示されており、ここで、HalおよびWは、この上で定義したとおりである。
【0036】
(流れ図I)
【0037】
【化14】

本発明の方法で使用するのに適当なパラジウム触媒には、Pd(0)またはPd(II)触媒(例えば、ジクロロビス(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウム(II)、Pd(OCOCH/トリ−o−トリルホスフィン、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)トリフェニルホスフィンなど)が挙げられる。
【0038】
本発明の方法で使用するのに適当な無機塩基には、NaまたはKの水酸化物、炭酸塩または炭酸水素塩、好ましくは、NaCOまたはKCOが挙げられる。
【0039】
本発明の方法で適当な溶媒には、非極性有機溶媒(例えば、トルエン、ジエトキシエチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル)、あるいは式IIまたは式IIIの化合物を可溶化できる任意の非反応性有機溶媒が挙げられる。
【0040】
式IIの化合物は、通常の合成方法を使用し、もし必要なら、標準的な分離または単離技術を使用して、調製され得る。例えば、RおよびRがHである式IIの化合物(IIa)は、触媒(例えば、CuI)の存在下にて、式IVのケトンと式Vの臭化フェニルマグネシウムとを反応させて、式VIの1,1,1−三置換メタノール化合物を得ることにより;該式VIのメタノールと、塩化チオニルおよびアンモニアとを連続的に反応させて、式VIIの対応するメチルアミンを得ることにより;そしてアセトニトリルの存在下にて、該式VIIのアミンと臭化シアンとを反応させて、所望の式IIaの生成物を得ることにより、調製され得る。この反応は、流れ図IIで示されており、ここで、Halは、ClまたはBrである。
【0041】
(流れ図II)
【0042】
【化15】

式IVのケトンは、通常の技術を使用して、例えば、塩基(例えば、NaOH)の存在下にて、式VIIIのハロゲン化ベンゾイルと式IXのイミダゾールまたはテトラヒドロピリミジンとを反応させることにより、または式Xの適当なメタノール化合物を酸化剤(例えば、MnO2)で酸化することにより、調製され得る。この反応は、流れ図IIIで示されている。
【0043】
(流れ図III)
【0044】
【化16】

式Xの化合物は、式XIのベンズアルデヒドとNaHSOおよびNaCNとを反応させて、式XIIの対応するシアノメタノールを得ることにらより;該式XIIの化合物とエタノールおよびHClとを反応させて、式XIIIのイミデートを得ることにより;そして該式XIIIの化合物と式XIVのジアミンとを反応させて、式Xの所望のメタノール誘導体を得ることにより、調製され得る。この反応は、流れ図IVで示されており、ここで、Halは、ClまたはBrである。
【0045】
(流れ図IV)
【0046】
【化17】

式IIaの化合物は、流れ図Iでこの上で記述した手順を使用して、RおよびRがHである式Iの対応する化合物に変換され得る。
【0047】
およびRがH以外のものである式Iの化合物は、標準的なアルキル化技術を使用して、例えば、RおよびRがHである式Iの化合物とハロゲン化アルキルR−Halとを反応させて、RがHである式Iの化合物(Id)を得ることにより、そして、必要に応じて、該式Idの化合物と第二ハロゲン化アルキルR−Halとを反応させて、RおよびRがH以外のものである所望の式Iの化合物を得ることにより、調製され得る。
【0048】
有利には、本発明の化合物は、患者における高いβ−アミロイド沈着またはβ−アミロイドレベルに特徴がある疾患または障害を治療、予防または改善するのに有用であり、これらの疾患または障害には、アルツハイマー病、ダウン症候群、オランダ型のアミロイド症を伴う遺伝性脳出血または他の神経変性障害、あるいは変性誘発障害が挙げられる。従って、本発明は、患者における高いβ−アミロイド沈着またはβ−アミロイドレベルに特徴がある疾患または障害を治療、予防または改善する方法を提供し、該方法は、該患者に、この上で記述した式Iの化合物の治療有効量を供給する工程を包含する。この化合物は、経口または非経口投与により、あるいは治療薬の有効な投与であることが公知の任意の一般的な様式で、それを必要とする患者に供給され得る。
【0049】
本発明に包含される化合物または物質を供給することに関して、本明細書中で使用する「供給する」との用語は、このような化合物または物質を直接投与すること、または体内で同じ量の化合物または物質を形成するプロドラッグ、誘導体または類似物を投与することのいずれかを示す。
【0050】
特定のCNS障害の治療で供給される治療有効量は、治療する特定の病態、患者の体格、年齢および応答パターン、その障害の重症度、担当医の判断などに従って、変わり得る。一般に、毎日経口投与に有効な量は、約0.01〜1,000mg/kg、好ましくは、約0.5〜500mg/kgであり得、そして非経口投与に有効な量は、約0.1〜100mg/kg、好ましくは、約0.5〜50mg/kgであり得る。
【0051】
実際には、本発明の化合物は、この化合物またはそれらの前駆体を、固体または液体形状で、純粋状態で、あるいは1種またはそれ以上の通常の医薬キャリアまたは賦形剤と併用して、いずれかで、投与することにより、供給される。従って、本発明は、薬学的に受容可能なキャリアと、この上で記述した式Iの化合物の有効量とを含有する医薬組成物を提供する。
【0052】
本発明の組成物で使用するのに適当な固体キャリアには、香味料、潤滑剤、可溶化剤、懸濁剤、充填剤、グライダント(glidants)、圧縮助剤、結合剤、錠剤崩壊剤またはカプセル化物質としても作用し得る1種またはそれ以上の物質が挙げられる。粉末では、このキャリアは、細かく分割された固形物であり、これは、式Iの細かく分割された化合物と混合されている。錠剤では、式Iの化合物は、適当な割合で、必要な圧縮特性を有するキャリアと混合され得、そして所望の形状および大きさで緻密化され得る。該粉末および錠剤は、99重量%までの式Iの化合物を含有し得る。本発明の組成物で使用するのに適当な固体キャリアには、リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖類、ラクトース、デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、低融解ワックスおよびイオン交換樹脂が挙げられる。
【0053】
溶液、懸濁液、乳濁液、シロップおよびエリキシル剤を調製するのに適当な任意の薬学的に受容可能な液体キャリアは、本発明の組成物中で使用され得る。式Iの化合物は、薬学的に受容可能な液体キャリア(例えば、水、有機溶媒、または薬学的に受容可能な油脂)、またはそれらの混合物に溶解または懸濁され得る。該液状組成物は、他の適当な医薬添加剤(例えば、可溶化剤、乳化剤、緩衝液、防腐剤、甘味料、香味料、懸濁剤、増粘剤、着色剤、粘度調節剤、安定剤、浸透調節剤など)を含有し得る。経口投与および非経口投与に適当な液体キャリアの例には、水(これは、特に、上記のような添加剤(例えば、セルロース誘導体、好ましくは、カルボキシメチルセルロースナトリウム溶液)を含有する)、アルコール(これには、一価アルコールおよび多価アルコール(例えば、グリコール)が挙げられる)またはそれらの誘導体、あるいはオイル(例えば、分別したやし油および落花生油)が挙げられる。非経口投与には、このキャリアはまた、油性エステル(例えば、オレイン酸エチルまたはミリスチン酸イソプロピル)であり得る。
【0054】
無菌溶液または懸濁液である本発明の組成物は、筋肉内注射、腹腔内注射または皮下注射に適当である。無菌溶液はまた、静脈内に投与され得る。経口投与に適当な本発明の組成物は、液体または固体のいずれかの組成物形状であり得る。
【0055】
あるいは、毎日ベースで患者が医薬を取り混む必要性を回避するために、持続送達装置の使用もまた望まれ得る。「持続送達」とは、送達環境に配置した後まで、活性剤(すなわち、本発明の化合物)の放出を遅らせること、続いて、この薬剤を後で持続的に放出することとして、定義される。当業者は、適当な持続送達装置を知っている。適当な持続送達装置の例には、例えば、ヒドロゲル(例えば、米国特許第5,266,325号;第4,959,217号;および第5,292,515号を参照)、浸透圧ポンプ(例えば、とりわけ、Alza(米国特許第4,295,987号および第5,273,752号)またはMerck(ヨーロッパ特許第314,206号)で記載されたもの);疎水性膜材料(例えば、エチレンメタクリレート(EMA)およびエチレンビニルアセテート(EVA));生物再吸収可能ポリマー系(例えば,国際特許公報第WO 98/44964号、Bioxid and Cellomeda;米国特許第5,756,127号および第5,854,388号を参照)が挙げられる;他の生物再吸収可能移植装置は、例えば、ポリエステル、ポリ無水物、または乳酸/グリコール酸共重合体から構成されると記載されている(例えば,米国特許第5,817,343号(Alkermes Inc.)を参照)。このような持続送達装置で使用するために、本発明の化合物は、本明細書中で記述したように処方され得る。
【0056】
別の局面では、本発明は、製品を送達するための医薬キットを提供する。適切には、このキットは、所望の送達経路用に処方された化合物と共に、包装または容器を含む。例えば、もし、このキットが吸入投与用に設計されるなら、それは、吸入による所定用量のエアロゾルまたは噴霧送達のために処方された本発明の化合物を含有する懸濁液を含み得る。適切には、このキットは、投薬に関する取扱説明書、および活性剤に関する差し込みを含む。必要に応じて、このキットは、さらに、製品が循環しているレベルをモニターする取扱説明書、およびこのようなアッセイを実行する材料(これには、例えば、試薬、ウェルプレート、容器、マーカーまたはラベルなどが挙げられる)を含み得る。このようなキットは、所望の適応症を治療するのに適当な様式で、容易に包装される。例えば、このキットはまた、噴霧ポンプまたは他の送達装置を使用するための取扱説明書を含み得る。
【0057】
このようなキットの他の適当な部品は、所望の適応症および送達経路を考慮して、当業者に容易に明らかとなる。その投薬は、所定時間または規定されているように、毎日、毎週または毎月、繰り返され得る。
【0058】
さらに明白に理解するために、また、本発明をさらに明瞭に説明するために、それらの特定の実施例を以下に示す。以下の実施例は、単に例示であり、いずれの様式でも、本発明の範囲およびその基礎となる原理を限定するものと理解すべきではない。実際、本明細書中で示し記述したものに加えて、本発明の種々の改良は、以下で示した実施例および前述の記述から、当業者に明らかとなる。このような改良はまた、添付の請求の範囲の範囲内に入ると解釈される。
【0059】
特に明記しない限り、全ての部は、重量部である。NMRとの用語は、核磁気共鳴を示す。THFおよびDMFとの用語は、それぞれ、テトラヒドロフランおよびジメチルホルムアミドを示す。
【実施例】
【0060】
(実施例1)
(2−(3−ブロモベンゾイル)−1H−イミダゾールの調製)
【0061】
【化18】

イミダゾール(2.66g、39.1mmol)およびトリエチルアミン(EtN)8.03g、79.4mmol)のピリジン溶液を、0℃で、塩化3−ブロモベンゾイル(17.5g、79.9mmol)で処理し、5分間撹拌し、45分間にわたって、室温まで温め、水酸化ナトリウム水溶液(7.5N、20mL、150mmol)で処理し、還流温度で、2時間加熱し、室温まで冷却し、水で希釈し、さらに、氷浴で1時間冷却し、そして濾過する。その濾過ケーキを水で洗浄し、そして50℃で、一晩真空乾燥して、淡黄褐色固形物4.89g(収率50%)として、表題化合物を得、これを、NMRおよび質量スペクトル分析で同定する。
【0062】
【数1】

(実施例2)
(1−(3−ブロモフェニル)−1−(イミダゾール−2−イル)−1−[4−(トリフルオロメトキシ)−フェニル]メタノールの調製)
【0063】
【化19】

THF(13mL)中のマグネシウム(0.644g、87.7mmol)の混合物を、50℃で、5分間にわたって、1−ブロモ−4−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン(6.32g、26.2mmol)のTHF溶液で滴下処理し、50℃で、さらに1.5時間撹拌し、室温まで冷却し、ヨウ化銅(I)(0.041g、0.215mmol)、および2−(3−ブロモベンゾイル)−1H−イミダゾール(2.60g、10.4mmol)のTHF溶液で処理し、65℃で、一晩加熱し、室温まで冷却し、そして酢酸エチル、水および飽和塩化アンモニウム水溶液の1:1:1混合物で希釈する。相分離し、そして水相を酢酸エチルで抽出する。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮する。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、溶離液として85:15〜75:25のヘキサン/酢酸エチル)で精製して、黄色固形物3.47g(収率81%)として、表題生成物を得、これを、NMRおよび質量スペクトル分析で同定する。
【0064】
【数2】

(実施例3)
(1−(3−ブロモフェニル)−1−(イミダゾール−2−イル)−1−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチルアミンの調製)
【0065】
【化20】

ベンゼン中の1−(3−ブロモフェニル)−1−(イミダゾール−2−イル)−1−[4−(トリフルオロメトキシ)−フェニル]メタノール(1.89g、4.57mmol)および塩化チオニル(2.13g、17.9mmol)の混合物ほを、80℃で、3時間加熱し、室温まで冷却し、そして乾燥状態まで真空中で濃縮する。この橙色固形物残渣をイソプロパノールに分散し、氷浴温度で、その溶液が飽和するまで、アンモニアガスを泡立たせる。このアンモニア飽和溶液を、封管中にて、35℃で、一晩加熱し、室温まで冷却し、濃縮し、そしてクロロホルム(50mL)と1N HCl(50mL)の間で分配する。相分離し、そして有機相を追加1N HClで洗浄する。合わせたHCl洗浄液を0℃まで冷却し、固形水酸化ナトリウムを加えることにより>10のpHまで塩基化し、そしてクロロホルムで抽出する。合わせたクロロホルム抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮して、淡黄色固形物1.68g(収率89%)として、表題生成物を得、これを、NMRおよび質量スペクトル分析で同定する。
【0066】
【数3】

(実施例4)
(7−(3−(ブロモフェニル)−7−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−7H−イミダゾ[1,5−a]イミダゾール−5−イルアミンの調製)
【0067】
【化21】

アセトニトリル中の1−(3−ブロモフェニル)−1−(イミダゾール−2−イル)−1−[4−(トリフルオロメトキシ)−フェニル]メチルアミン(1.67g、4.05mmol)および臭化シアン(1.75g、16.5mmol)の混合物を、100℃で、封管中にて、一晩加熱し、室温まで冷却し、そして濃縮する。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、溶離液として96:4:0.5の塩化メチレン/メタノール/濃水酸化アンモニウムに次いで、85:15〜50:50のヘキサン/酢酸エチル)で2回精製して、黄色固形物0.671g(収率38%)として、表題生成物を得、これを、NMRおよび質量スペクトル分析で同定する。
【0068】
【数4】

(実施例5)
(7−[(3−(ピリミジン−5−イル)フェニル]−7−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−7H−イミダゾ[1,5−a]イミダゾール−5−イルアミンの調製)
【0069】
【化22】

5:1のジオキサン/水中の7−(3−(ブロモフェニル)−7−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−7H−イミダゾ[1,5−a]イミダゾール−5−イルアミン(0.201g、0.460mmol)、5−ピリミジンボロン酸(0.073g、0.587mmol)、塩化ビス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(II)(0.016g、0.0232mmol)、トリフェニルホスフィン(0.012g、0.047mmol)および炭酸カリウム(0.189g、1.37mmol)の混合物を、100℃で、3.5時間加熱し、室温まで冷却し、そして濃縮する。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、溶離液として96:4:0.5の塩化メチレン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)で精製して、灰白色固形物0.037g(収率19%、融点120〜130℃)として、表題生成物を得る;これを、NMRおよび質量スペクトル分析で同定する。
【0070】
【数5】

(実施例6)
(1−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−1−シアノメタノールの調製)
【0071】
【化23】

亜硫酸水素ナトリウム(28.3g、271mmol)の水溶液を、50℃で、3−ブロモ−4−フルオロベンズアルデヒド(45.8g、225mmol)で処理し、50℃で、2時間撹拌し、氷浴で冷却し、エーテルで希釈し、30分間にわたって、シアン化ナトリウムの水溶液(12.2g、248mmol)で滴下処理し、そして室温で、一晩撹拌する。その反応混合物を分離し、そして水相をエーテルで抽出する。抽出物を有機相と合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして乾燥状態まで濃縮して、透明油状物47.6g(収率92%)として、表題化合物を得、これを、NMR分析で同定する。
【0072】
【数6】

(実施例7)
(2−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエタンイミド酸エチル塩酸塩の調製)
【0073】
【化24】

1−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−1−シアノメタノール(47.5g、206mmol)およびエタノール(10.9g、237mmol)のエーテル溶液を氷浴で冷却し、40分間にわたって、HCl(1.0Mジエチルエーテル溶液258mL、258mmol)で滴下処理し、氷浴温度で、2時間撹拌し、0℃で、6日間保管し、室温まで温め、ヘキサンで希釈し、そして濾過する。その濾過ケーキを乾燥して、白色固形物39.8g(収率62%)として、表題生成物を得、これを、NMRおよび質量スペクトル分析で同定する。この表題化合物は、EおよびZ異性体の混合物である。
【0074】
【数7】

(実施例8)
(1−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−1−(2−テトラヒドロピリミジニル)メタノールの調製)
【0075】
【化25】

エタノール中の2−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシエタンイミド酸エチル塩酸塩(39.8g、127mmol)および1,3−ジアミノプロパン(9.43g、127mmol)の混合物を、120℃で、封管中にて、一晩加熱し、室温まで冷却し、濃縮して溶媒を除去し、水で希釈し、1時間激しく攪拌し、そして濾過する。その濾液を氷浴で冷却し、1N NaOHで強塩基性にし、氷浴中にて、1時間冷却し、そして濾過する。その濾過ケーキを乾燥して、白色固形物23.4g(収率64%)として、表題生成物を得、これを、NMRおよび質量スペクトル分析で同定する。
【0076】
【数8】

(実施例9)
(2−(3−ブロモ−4−フルオロベンゾイル)−2,3,4,5−テトラヒドロピリミジンの調製)
【0077】
【化26】

塩化メチレン中の1−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−1−(2−テトラヒドロピリミジニル)メタノール(23.4g、81.5mmol)および二酸化マンガン(70.8g、815mmol)の混合物を、室温で、3日間撹拌し、そしてケイソウ土で濾過する。その濾過ケーキをクロロホルムで洗浄する。その濾液を合わせ、そして乾燥状態まで濃縮して、黄緑色固形物18.9g(収率81%)として、表題生成物を得、これを、NMRおよび質量スペクトル分析で同定する。
【0078】
【数9】

(実施例10)
(1−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−1−(テトラヒドロピリミジン−2−イル)−1−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メタノールの調製)
【0079】
【化27】

THF中のマグネシウム(2.13g、87.7mmol)の混合物を、50℃で、20分間にわたって、1−ブロモ−4−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン(21.1g、87.7mmol)のTHF溶液で滴下処理し、50℃で、さらに1.5時間撹拌し、室温まで冷却し、ヨウ化銅(I)(0.13g、0.70mmol)、および2−(3−ブロモ−4−フルオロベンゾイル)−2,3,4,5−テトラヒドロピリミジン(10.0g、14.9mmol)のTHF溶液で処理し、65℃で、一晩加熱し、室温まで冷却し、そして酢酸エチル、水および飽和塩化アンモニウム水溶液で希釈する。相分離する。有機相を水およびブラインで連続的に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮して、18.5gの褐色油状物を得る。この油状物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、溶離液として90:10:0.5の塩化メチレン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)で精製して、黄色油状物10.0g(収率64%)として、表題生成物を得、これを、NMRおよび質量スペクトル分析で同定する。
【0080】
【数10】

(実施例11)
(1−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−1−(テトラヒドロピリミジン−2−イル)−1−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチルアミンの調製)
【0081】
【化28】

トルエン中の1−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−1−(テトラヒドロピリミジン−2−イル)−1−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メタノール(4.60g、10.3mmol)および塩化チオニル(12.2g、103mmol)の混合物を、110℃で、一晩加熱し、室温まで冷却し、そして乾燥状態まで濃縮して、黄褐色固形物残渣を得る。この残渣をイソプロパノールに分散し、そして混合物がアンモニアで飽和するまで、アンモニアガスを泡立たせる。飽和した混合物を、封管中にて、45℃で、一晩加熱し、室温まで冷却し、そして濃縮する。得られた残渣をクロロホルムと1N NaOHの間で分配する。水相を分離し、そしてクロロホルムで抽出する。抽出物を有機相と合わせ、炭酸カリウムで乾燥し、そして濃縮して、黒色油状物0.89g(>100%、純度約80%)として、表題生成物を得、これを、NMRおよび質量スペクトル分析で同定する。
【0082】
【数11】

(実施例12)
(8−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−イルアミンの調製)
【0083】
【化29】

アセトニトリル中の1−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−1−(テトラヒドロピリミジン−2−イル)−1−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチルアミン(0.85g、純度約80%、約1.52mmol)および臭化シアン(0.81g、7.62mmol)の混合物を、室温で、45分間撹拌し、100℃で、封管中にて、一晩加熱し、室温まで冷却し、そして濃縮する。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、溶離液として95:5:0.25の塩化メチレン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)で精製して、黄褐色固形物0.26g(収率36%)として、表題生成物を得、これを、NMRおよび質量スペクトル分析で同定する。
【0084】
【数12】

(実施例13)
(8−{[(4−フルオロ−3−ピリミジン−5−イル)フェニル]−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−イル}アミンの調製)
【0085】
【化30】

5:1のジオキサン/水中の8−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−イルアミン(0.26g、0.552mmol)、5−ピリミジンボロン酸(0.082g、0.662mmol)、テトラ(キストリフェニルホスフィノ)−パラジウム(0)(0.032g、0.0276mmol)および炭酸カリウム(0.23g、1.65mmol)の混合物を、100℃で、1時間加熱し、追加テトラ(キストリフェニルホスフィノ)パラジウム(0)(0.032g、0.0276mmol)で処理し、100℃で、3.5時間加熱し、室温まで冷却し、そして濃縮する。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、溶離液として95:5:0.25の塩化メチレン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)で精製して、灰白色固形物0.079g(収率30%、融点105〜115℃)として、表題生成物を得、これを、NMRおよび質量スペクトル分析で同定する。
【0086】
【数13】

(実施例14)
({8−[4−フルオロ−3−(5−フルオロピリミジン−3−イル)フェニル]−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−イル}アミンの調製)
【0087】
【化31】

DMF中の8−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−イルアミン(0.075g、0.159mmol)、3−フルオロ−5−(トリブチルスタニル)ピリジン(0.092g、0.239mmol)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.006g、0.008mmol)の混合物を脱気し、150℃で、封管中にて、1.5時間加熱し、室温まで冷却し、そして酢酸エチル(50mL)および5%LiCl水溶液で希釈する。その反応混合物を分離する。有機相を5%LiCl水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮する。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、溶離液として95:5:0.25の塩化メチレン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)で精製して、白色固形物0.043g(収率56%、融点94〜105℃)として、表題生成物を得る;これを、NMRおよび質量スペクトル分析で同定する。
【0088】
【数14】

(実施例15〜28)
(ジフェニルイミダゾピリミジニルアミン誘導体の調製)
【0089】
【化32】

実施例5、13および14で記述した手順とほぼ同じ手順を用い、そして適当なアザ環式試薬(ここで、Wは、B(OH)またはSn(n−Bu)である)を使用して、表Iの化合物を得、これを、NMRおよび質量スペクトル分析で同定した。
【0090】
【化33】

(実施例29)
(8−(3−ピリミジン−5−イル−フェニル)−8−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−2,3,4,8−テトラヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−イル−シアナミドの調製)
【0091】
【化34】

エチレングリコールジメチルエーテル、トリス(ジベンジリデンアセトン)−ジパラジウム(0)(0.014g、16.0μmol)、トリフェニルホスフィン(0.008g、32.0μmol)の混合物を、窒素雰囲気下にて、5分間撹拌し、2(0.153g、0.320mmol)、ピリミジン−5−ボロン酸(0.047g、0.380mmol)、炭酸ナトリウム(0.101g、0.96mmol)および水(2mL)で処理し、85℃で、1時間加熱し、室温まで冷却し、そして濃縮する。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、溶離液として97.5:2.5:0.5の塩化メチレン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)で精製して、白色固形物0.130g(収率85%、融点227〜231℃)として、表題化合物を得る;これを、NMRおよび質量スペクトル分析で同定する。
【0092】
【数15】

(実施例30)
((8R)−8−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン(A)および(8S)−8−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン(B)の調製)
【0093】
【化35】

8−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミンのラセミ混合物(0.740g、1.57mmol)を、Chiralpak AD(5×50cmのカラム)(溶離液として90:10:0.1のヘプタン/エタノール/ジエチルアミン)に入れる。第二溶出ピーク(t=26分間)を集め、そして淡黄色油状物に濃縮する。この油状残渣を最小量の塩化メチレンに再溶解し、ヘキサンで倍散し、そして濾過する。その濾過ケーキを24時間真空乾燥して、灰白色固形物(0.299g、融点126〜131℃)として、表題生成物Aを得る;[α]25:−11.6°(MeOH中のc=0.5);これを、NMR、赤外および質量スペクトル分析で同定する。
【0094】
【数16】

第一溶出ピーク(t=19分間)を集め、そして淡黄色油状物に濃縮する。この油状残渣を、最小量の塩化メチレンに再溶解し、ヘキサンで倍散し、そして濾過する。その濾過ケーキを24時間真空乾燥して、灰白色固形物(0.315g、融点124〜128℃)として、表題生成物Bを得る;[α]25:+12.6°(MeOH中のc=0.5);これを、NMR、赤外および質量スペクトル分析で同定する。
【0095】
【数17】

(実施例31)
((8R)−8−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン(A)および(8S)−8−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン(B)の調製)
【0096】
【化36】

8−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミンのラセミ混合物(2.0g、1.57mmol)を、Chiralpak AD(5×50cmのカラム)(溶離液として90:10:0.1のヘプタン/エタノール/ジエチルアミン)に入れる。第一溶出ピーク(t=34分間)を集め、そして濃縮して、淡黄色油状物を得る。この油状物を最小量の塩化メチレンに再溶解し、ヘキサンで倍散し、そして濾過する。その濾過ケーキを24時間真空乾燥して、灰白色固形物(0.815g、融点178〜186℃)として、表題化合物Aを得る;[α]25:14.7°(MeOH中のc=0.50);これを、NMR、赤外および質量スペクトル分析で同定する。
【0097】
【数18】

第二溶出ピーク(t=46分間)を集め、そして濃縮して、淡黄色油状物を得る。この油状物を、最小量の塩化メチレンに再溶解し、次いで、ヘキサンで倍散し、そして濾過する。その濾過ケーキを24時間真空乾燥して、灰白色固形物(0.798g、融点180〜186℃)として、表題化合物Bを得る;[α]25:+9.7°(MeOH中のc=c=0.51);これを、NMR、赤外および質量スペクトル分析で同定する。
【0098】
【数19】

(実施例32)
((8S)−8−[3−(5−クロロピリジン−3−イル)フェニル]−8−[4−(トリフルオロメトキシ)−フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン[A]および(8R)−8−[3−(5−クロロピリジン−3−イル)フェニル]−8−[4−(トリフルオロメトキシ)−フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン[B]の調製)
【0099】
【化37】

Chiralpak AD(5×50cmのカラム)(90:10:0.1のヘプタン/エタノール/ジエチルアミン)を使用して、8−[3−(5−クロロピリジン−3−イル)フェニル]−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミンのラセミ混合物(1.73g)を分離して、灰白色固形物(融点104〜116℃)として、表題S−異性体(A);[a]25:−8.6°(MeOH中のc=0.51%);
【0100】
【数20】

を得た。
【0101】
(実施例33)
((8S)−8−[3−(4−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−[4−(トリフルオロメトキシ)−フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン[A]および(8R)−8−[3−(4−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン[B]の調製)
【0102】
【化38】

Chiralpak AD(5×50cmのカラム)(93:7:0.1のヘプタン/エタノール/ジエチルアミン)を使用して、8−[3−(4−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミンのラセミ混合物(1.89g)を分離して、灰白色固形物(0.755g、融点171℃)として、表題S−異性体(A);[a]25:+10.6°(MeOH中のc=0.5%);
【0103】
【数21】

を得た。
【0104】
(実施例34)
(8−[3−(2−フルオロ−1−オキシ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−8−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−2,3,4,8−テトラヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−イルアミンの調製)
【0105】
【化39】

(工程a)
(化合物2の調製)
テトラヒドロフラン(15mL)中の1(0.580g、1.24mmol)、二炭酸ジ−第三級ブチル(0.670g、3.10mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(0.151g、1.24mmol)の混合物を、室温で、1時間撹拌した。次いで、この混合物を塩化メチレン(75mL)で希釈し、1Mクエン酸(25mL)、水(25mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮して、無色油状物として、2(0.74g、89%)を得た:
【0106】
【数22】

(工程b)
(化合物3の調製)
尿素−過酸化水素錯体(0.169g、1.80mmol)の塩化メチレン(15mL)撹拌懸濁液に、0℃で、無水トリフルオロ酢酸(0.365g、1.74mmol)を滴下した。その混合物を5分間撹拌し、次いで、2(0.200g、0.29mmol)の塩化メチレン(10mL)溶液を滴下した。その反応物を室温まで温め、次いで、40℃で、45分間加熱した。この時点の後、この反応物を室温まで冷却し、塩化メチレン(50mL)で希釈し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(2×20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、97.5:2.5〜95:5の塩化メチレン/メタノール)で精製すると、無色油状物として、3(0.086g、41%)が得られた:
【0107】
【数23】

(工程c)
(8−[3−(2−フルオロ−1−オキシ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−8−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−2,3,4,8−テトラヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−イルアミンの調製)
3(0.08g、0.11mmol)および4M HCl/ジオキサン(5mL)の混合物を、室温で、20時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、その残渣を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(15mL)および塩化メチレン(20mL)で希釈した。層分離し、有機層をブライン(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。粗生成物を分取HPLCで精製した。適当な画分を合わせ、濃縮し、次いで、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(10mL)で中和し、そして塩化メチレン(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。その残渣をアセトニトリル/水(8mL、1:1)から凍結乾燥して、白色固形物0.018g(収率32%)として、表題生成物を得た。
【0108】
【数24】

(実施例35)
(7−[3−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−7−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−2,7−ジヒドロ−3H−イミダゾ[1,5−a]イミダゾール−5−イルアミンの調製)
【0109】
【化40】

(工程a)
(化合物2の調製)
THF(6mL)中のマグネシウム(0.60g、24.7mmol)の混合物を50℃まで加熱し、そして10分間にわたって、1−ブロモ−4−(トリフルオロメトキシ)−ベンゼン(5.96g、24.7mmol)のTHF(18mL)溶液で滴下処理した。50℃で、さらに1.5時間撹拌した後、その混合物を室温まで冷却し、そして1(3.0g、16.5mmol)のTHF(12mL)溶液で処理した。次いで、この混合物を、1時間にわたって、65℃まで再加熱した。この時点の後、この反応混合物を室温まで冷却し、−15℃で、飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)および濃水酸化アンモニウム(20mL)の溶液に注ぎ、そして5分間撹拌した。次いで、この混合物を、エーテル(100mL)と共に、セライト521のパッドで濾過した。濾液中の有機層を分離し、ブライン(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮して、琥珀色油状物として、粗イミン(3.90g、68%)を得た。この粗イミン(3.90g、11.3mmol)のMeOH(20mL)溶液を氷浴で冷却し、そして水素化ホウ素ナトリウム(0.86g、22.7mmol)で処理した。冷却浴を取り除き、その混合物を、室温で、3時間撹拌した。この時点の後、この混合物を濃縮し、そして1N NaOH(100mL)と塩化メチレン(100mL)の間で分配した。有機層を分離し、ブライン(100mL)で洗浄し、炭酸カリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、1:4の酢酸エチル/ヘキサン)で精製すると、2(1.98g、2段階で34%)が得られた。
【0110】
【数25】

(工程b)
(化合物3の調製)
塩化メチレン(2mL)および炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(2mL)中の2(0.66g、1.91mmol)の混合物を氷浴で冷却し、チオホスゲン(0.24g、2.10mmol)で処理し、そして30分間激しく攪拌した。有機層を分離し、ブライン(2mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮して、黄色油状物として、3(0.74g、100%)を得た:
【0111】
【数26】

(工程c)
(化合物4の調製)
テトラヒドロフラン(2mL)中のカリウムt−ブトキシド(0.070g、0.623mmol)の混合物に、−78℃で、3(0.220g、0.567mmol)および二硫化炭素(0.065g、0.850mmol)のテトラヒドロフラン(3mL)溶液を滴下した。その反応物を、−78℃で、0.5時間撹拌し、次いで、室温まで温め、室温で、一晩ゆっくりと撹拌した。次いで、この反応物を酢酸エチル(50mL)および水(10mL)で希釈した。有機層を分離し、ブライン(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮して、透明油状物として、4(0.26g、99%)を得た:
【0112】
【数27】

(工程d)
(化合物5の調製)
4(0.850g、1.83mmol)およびエチレンジアミン(0.330g、5.49mmol)のエタノール(15mL)溶液を、70℃で、一晩加熱した。その反応物を室温まで冷却し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、1:4の酢酸エチル/ヘキサン)で精製すると、白色固形物として、5(0.45g、54%)が得られた:
【0113】
【数28】

(工程e)
(化合物6の調製)
メタノール(20mL)および濃水酸化アンモニウム水溶液(4mL)中の5(0.200g、0.438mmol)およびt−ブチルヒドロペルオキシド(70%水溶液0.79g、8.80mmol)の混合物を、室温で、一晩撹拌した。次いで、その反応物を濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、95:5:0.25の塩化メチレン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)で精製すると、白色固形物として、6(0.156g、81%)が得られた:
【0114】
【数29】

(工程f)
(7−[3−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−7−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−2,7−ジヒドロ−3H−イミダゾ[1,5−a]イミダゾール−5−イルアミンの調製)
エチレングリコールジメチルエーテル(6mL)および水(2mL)中の6(0.070g、0.159mmol)、トリフェニルホスフィン(0.004g、0.016mmol)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(0.007g、0.008mmol)、炭酸ナトリウム(0.051g、0.478mmol)および2−フルオロ−3−ボロン酸(0.040g、0.287mmol)の混合物を脱気し、そして80℃で、2.5時間加熱した。この混合物を室温まで冷却し、そして酢酸エチル(100mL)および水(50mL)で希釈した。有機層を分離し、ブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、93:7:0.25の塩化メチレン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)に次いで分取HPLCで精製すると、出発物質と生成物との混合物が得られた。エチレングリコールジメチルエーテル(6mL)および水(2mL)中のこの物質(0.032g、0.073mmol)、トリフェニルホスフィン(0.002g、0.007mmol)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(0.003g、0.004mmol)、炭酸ナトリウム(0.023g、0.220mmol)および2−フルオロ−3−ボロン酸(0.019g、0.131mmol)の混合物を脱気し、そして80℃で、一晩加熱した。有機層を分離し、ブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、95:5:0.25の塩化メチレン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)で精製すると、白色固形物0.030g(収率41%、融点95〜100℃)として、表題生成物が得られた;
【0115】
【数30】

(実施例36)
(9−[3−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−9−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−2、4、5,9−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[1,5−a][1,3]ジアゼピン−7−イルアミンの調製)
【0116】
【化41】

(工程a)
(化合物2の調製)
1(0.50g、1.08mmol)および1,4−ジアミノプロパン(0.28g、3.23mmol)のエタノール溶液を、70℃で、18時間加熱し、室温まで冷却し、そして真空中で濃縮した。濃縮物を酢酸エチルと水との間で分配した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、1:4の酢酸エチル/ヘキサン)で精製すると、白色発泡体として、2(0.22g、42%)が得られた:
【0117】
【数31】

(工程b)
(化合物3の調製)
メタノールおよび濃水酸化アンモニウム水溶液(4.4mL)中の2(0.22g、0.454mmol)およびt−ブチルヒドロペルオキシド(70%水溶液1.17g、9.08mmol)の混合物を、室温で、一晩撹拌し、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(30mL)で処理し、そして濃縮して、殆どのメタノールを除去した。残留している水性混合物を塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン抽出物を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、95:5:0.25の塩化メチレン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)で精製すると、白色発泡体として、3(0.136g、65%)が得られた:
【0118】
【数32】

(工程c)
(9−[3−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−9−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−2、4、5,9−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[1,5−a][1,3]ジアゼピン−7−イルアミンの調製)
3:1のDME/水中の3(0.065g、0.139mmol)、2−フルオロピリジン−3−ボロン酸(0.035g、0.250mmol)、塩化ビス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(II)(0.0049g、0.007mmol)、トリフェニルホスフィン(0.0036g、0.014mmol)および炭酸ナトリウム(0.044g、0.417mmol)の混合物を、還流温度で、1時間加熱し、室温まで冷却し、そして酢酸エチルおよび水で希釈した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、95:5:0.25の塩化メチレン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)で精製すると、0.049gの白色発泡体が得られた。この物質を2:1のアセトニトリル/水から凍結乾燥して、白色固形物0.041g(収率62%、融点88〜97℃)として、表題生成物を得た;
【0119】
【数33】

(実施例37)
(1−[3−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−2,3a,9−トリアザ−シクロペンタシクロオクテン−3−イルアミンの調製)
【0120】
【化42】

(工程a)
(化合物2の調製)
1(0.50g、1.08mmol)および1,5−ジアミノペンタン(0.33g、3.23mmol)のエタノール溶液を、70℃で、5時間、次いで、100℃で、17時間、最後に、120℃で、6時間加熱した。その反応物を室温まで冷却し、そして真空中で濃縮した。濃縮物を酢酸エチルと水との間で分配した。有機層を分離し、洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、1:4の酢酸エチル/ヘキサン)で精製すると、白色発泡体として、2(0.153g、28%)が得られた:
【0121】
【数34】

(工程b)
(化合物3の調製)
メタノールおよび濃水酸化アンモニウム水溶液(4.4mL)中の2(0.15g、0.301mmol)およびt−ブチルヒドロペルオキシド(70%水溶液0.77g、6.02mmol)の混合物を、室温で、一晩撹拌し、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(20mL)で処理し、そして濃縮して、殆どのメタノールを除去した。残留している水性混合物を塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン抽出物を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、95:5:0.25の塩化メチレン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)で精製すると、白色発泡体として、3(0.073g、52%)が得られた:
【0122】
【数35】

(工程c)
(1−[3−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−1−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−2,3a,9−トリアザ−シクロペンタシクロオクテン−3−イルアミンの調製)
3:1のDME/水(2.0mL)中の3(0.065g、0.135mmol)、2−フルオロピリジン−3−ボロン酸(0.034g、0.243mmol)、塩化ビス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(II)(0.0047g、0.0068mmol)、トリフェニルホスフィン(0.0035g、0.014mmol)および炭酸ナトリウム(0.043g、0.405mmol)の混合物を、還流温度で、1.5時間加熱し、室温まで冷却し、そして酢酸エチルおよび水で希釈した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、97:3:0.25の塩化メチレン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)で精製すると、0.041gの白色発泡体が得られた。この物質を2:1のアセトニトリル/水から凍結乾燥して、白色固形物0.033g(収率49%、融点95〜99℃)として、表題生成物を得た;
【0123】
【数36】

(実施例38)
(8−[3−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−8−(4−メトキシメトキシ−フェニル)−2,3,4,8−テトラヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−イルアミンの調製)
【0124】
【化43】

(工程a)
(化合物2の調製)
アセトニトリル(100mL)中の4−ブロモフェノール(4.00g、23.1mmol)の混合物を、0℃で、水素化ナトリウム(60%オイル分散液1.10g、27.7mmol)で少しずつ処理した。この混合物を5分間撹拌し、次いで、室温まで温め、さらに15分間撹拌した。クロロメチルメチルエーテル(2.23g、27.7mmol)を滴下し、その混合物を20分間撹拌した。溶媒を蒸発させ、その残渣を酢酸エチルと水との間で分配した。層分離し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮して、無色油状物として、2(5.30g、106%)を得た:
【0125】
【数37】

(工程b)
(化合物3の調製)
テトラヒドロフラン中のマグネシウム(0.197g、8.20mmol)の撹拌混合物に、ヨウ素の小結晶を加え、次いで、50℃まで加熱した。2(1.78g、8.20mmol)のテトラヒドロフラン溶液を滴下し、その混合物を45分間撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、そして3−ブロモベンゾニトリル(1.00g、5.49mmol)のテトラヒドロフラン溶液をゆっくりと加えた。次いで、その混合物を、65℃で、16時間加熱した。その反応物を室温まで冷却し、無水メタノールを加え、その混合物を45分間撹拌した。この混合物を0℃まで冷却し、そして水素化ホウ素ナトリウム(0.415g、10.98mmol)を少しずつ加えた。冷却浴を取り除き、この混合物を3時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム(10mL)を加え、そして減圧下にて、殆どのメタノールおよびTHFを除去した。残留している水性残渣を塩化メチレンで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、4:1〜1:1のヘキサン/酢酸エチル)で精製すると、無色油状物として、3(0.89g、50%)が得られた:
【0126】
【数38】

(工程c)
(化合物4の調製)
塩化メチレンおよび炭酸水素ナトリウム飽和水溶液中の3(0.89g、2.76mmol)の混合物を氷浴で冷却し、チオホスゲン(0.35g、3.03mmol)で処理し、そして40分間激しく攪拌した。相分離し、そして水相を塩化メチレンで抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮して、黄色油状物として、4(0.80g、80%)を得た:
【0127】
【数39】

(工程d)
(化合物5の調製)
テトラヒドロフラン中のカリウムt−ブトキシド(0.27g、2.41mmol)の混合物に、−78℃で、4(0.80g、0.2.19mmol)および二硫化炭素(0.25g、3.28mmol)のテトラヒドロフラン溶液を滴下した。その反応物を、−78℃で、0.5時間撹拌し、次いで、室温までゆっくりと温め、そして室温で、1.5時間撹拌した。この時点の後、TLC分析により、この反応が完結していないことが明らかとなり、そこで、この混合物を−78℃まで冷却し、そして二硫化炭素(0.06g、0.83mmol)を加え、続いて、カリウムt−ブトキシド(0.05g、0.44mmol)のテトラヒドロフランを加えた。その反応物を、−78℃で、30分間撹拌し、次いで、室温まで温め、そして45分間撹拌した。次いで、この反応物を酢酸エチル、水およびブラインで希釈した。有機層を分離し、そして水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮して、赤色半固形物として、5(1.1g、115%)を得た:
【0128】
【数40】

(工程e)
(化合物6の調製)
エタノール中の5(1.10g、2.18mmol)および1,3−ジアミノプロパン(0.484g、6.54mmol)の混合物を、70℃で、1時間加熱し、室温まで冷却し、そして真空中で濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルで希釈し、水およびブラインで連続的に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮した。この残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、4:1〜3:1のヘキサン/酢酸エチル)で精製すると、無色油状物として、6(0.70g、72%)が得られた:
【0129】
【数41】

(工程f)
(化合物7の調製)
メタノールおよび濃水酸化アンモニウム水溶液(18mL)中の6(0.630g、1.40mmol)およびt−ブチルヒドロペルオキシド(70%水溶液3.6g、28mmol)の混合物を、室温で、24時間撹拌し、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(10mL)で処理し、そして濃縮して、殆どのメタノールを除去した。残留している水性混合物を塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン抽出物を合わせ、水およびブラインで連続的に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮した。この残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、95:5:0.25の塩化メチレン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)で精製すると、灰白色固形物として、7(0.400g、67%)が得られた:
【0130】
【数42】

(工程g)
(8−[3−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−8−(4−メトキシ−メトキシフェニル)−2,3,4,8−テトラヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−イルアミンの調製)
3:1のDME/水(16mL)中の7(0.370g、0.860mmol)、2−フルオロピリジン−3−ボロン酸(0.243g、1.72mmol)、塩化ビス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(II)(0.030g、0.043mmol)、トリフェニルホスフィン(0.022g、0.086mmol)および炭酸ナトリウム(0.273g、2.58mmol)の混合物を、80℃で、1時間加熱し、室温まで冷却し、そして酢酸エチルおよび水で希釈した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、96:4:0.25の塩化メチレン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)で精製すると、淡黄色固形物0.300g(収率78%)が得られた。この固形物の0.030gの試料をアセトニトリルおよび水に溶解し、そして凍結乾燥して、灰白色固形物(0.023g、融点95〜105℃)として、表題生成物を得た;
【0131】
【数43】

(実施例39)
(8−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−8−[3−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−イルアミンの調製)
【0132】
【化44】

実施例38、工程a〜gで記述した手順とほぼ同じ手順を用い、そして出発物質として化合物1を使用して、灰白色固形物(融点125〜140℃)として、表題生成物を得た;
【0133】
【数44】

(実施例40)
(8−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−8−[3−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−イルアミンの調製)
【0134】
【化45】

実施例38、工程a〜gで記述した手順とほぼ同じ手順を用い、そして出発物質として化合物1を使用して、灰白色固形物(融点106〜119℃)として、表題生成物を得た;
【0135】
【数45】

(実施例41)
(8−(4−ジフルオロメトキシフェニル)−8−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−イルアミンの調製)
【0136】
【化46】

メタノール中の8−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−(4−メトキシメトキシフェニル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−イルアミン(1.10g、2.46mmol)および3N塩酸(60mL)の混合物を、室温で、16時間撹拌し、水酸化ナトリウム水溶液で中和し、そして真空中で濃縮した。得られた残渣をエタノールで倍散し、濾過により固形物を除去し、その濾液を濃縮した。濃縮物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、90:10の塩化メチレン/メタノール)で精製すると、白色固形物(0.70g、70%)が得られた。この固形物の0.040gの試料を、セミ分取(semi−preparative)液体クロマトグラフィーでさらに精製して、白色固形物(0.0073g、融点164〜181℃)として、4−{6−アミノ−8−[3−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピリミジン−8−イル}−フェノールを得た;
【0137】
【数46】

2−プロパノール中の4−{6−アミノ−8−[3−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピリミジン−8−イル}−フェノール(0.285g、0.710mmol)および水酸化カリウム(0.396g、7.10mmol)の混合物を、室温で、10分間撹拌し、−45℃まで冷却し、FREON 22(6.7g、77.0mmol)を泡立たせ、そして密封した。密封した反応混合物を室温まで温め、50℃まで徐々に温め、50℃で、90分間撹拌し、室温まで冷却し、密封を解き、そして反応混合物を水に慎重に加えることによりクエンチした。その水性混合物を塩化メチレンで希釈し、そして層分離した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮した。この残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、95:5:0.25の塩化メチレン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)で精製すると、灰白色固形物(0.055g、17%)が得られた。この固形物を、セミ分取LCでさらに精製して、白色固形物(0.033g、融点104〜114℃)として、表題生成物を得た;
【0138】
【数47】

(実施例42)
(7−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−2,2−ジメチル−7−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−2,7−ジヒドロ−3H−イミダゾ[1,5−a]イミダゾール−5−イルアミンの調製)
【0139】
【化47】

(工程a)
(化合物2の調製)
1(0.250g、0.54mmol)のエタノール溶液を、0℃で、2−メチルプロパン−1,2−ジアミン(0.144g、1.62mmol)で処理し、0℃で、3時間、次いで、室温で、45分間撹拌し、2時間にわたって、40℃まで加熱し、そして真空中で濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルと水との間で分配した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮した。この残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、100%ヘキサン〜1:9の酢酸エチル/ヘキサンの勾配)で精製して、白色固形物として、2を得た。
【0140】
【数48】

(工程b)
(化合物3の調製)
メタノールおよび濃水酸化アンモニウム水溶液(5mL)中の2(0.201g、0.42mmol)およびt−ブチルヒドロペルオキシド(70%水溶液0.75g、8.30mmol)の混合物を、室温で、一晩撹拌し、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(30mL)で処理し、そして濃縮して、殆どのメタノールを除去した。残留している水性混合物を塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン抽出物を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮した。その残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、97:2.5:0.5の塩化メチレン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)で精製すると、白色固形物として、3(0.134g、68%)が得られた:
【0141】
【数49】

(工程c)
(7−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−2,2−ジメチル−7−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−2,7−ジヒドロ−3H−イミダゾ[1,5−a]イミダゾール−5−イルアミンの調製)
3:1のDME/水(8.0mL)中の3(0.134g、0.29mmol)、2−フルオロピリジン−3−ボロン酸(0.081g、0.57mmol)、塩化ビス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(II)(0.010g、0.015mmol)、トリフェニルホスフィン(0.008g、0.029mmol)および炭酸ナトリウム(0.092g、0.87mmol)の混合物を、80℃で、5時間加熱し、室温まで冷却し、そして酢酸エチルおよび水で希釈した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、97:2.5:0.5の塩化メチレン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)で精製すると、0.020gの灰白色固形物が得られた。この物質を2:1のアセトニトリル/水(6mL)から凍結乾燥して、白色固形物0.0189g(収率14%、融点89〜97℃)として、表題生成物を得た;
【0142】
【数50】

(実施例43)
(8−(2,2−ジフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−8−[3−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−イルアミンの調製)
【0143】
【化48】

(工程a)
(化合物3の調製)
ジエチルエーテル(20mL)中のt−ブチルリチウム(1.7Mペンタン溶液4.96mL、8.44mmol)の混合物に、−78℃で、1(2.00g、8.44mmol)のジエチルエーテル(16mL)溶液を加え、この温度で、25分間撹拌した。これに、−78℃で、ジエチルエーテル(20mL)中の3−ブロモベンゾニトリル(0.731g、4.02mmol)を加え、その反応混合物を、−78℃で、さらに1.5時間撹拌した。次いで、この反応物を0℃まで温め、そしてメタノール(60mL)を加え、続いて、水素化ホウ素ナトリウム(0.319g、8.43mmol)を少しずつ加えた。冷却浴を取り除き、次いで、その混合物を、室温で、2時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)を加え、減圧下にて、殆どのメタノールおよびジエチルエーテルを除去し、得られた水性残渣を塩化メチレン(200mL)および炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(30mL)で希釈した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、9:1のヘキサン/酢酸エチル)で精製すると、無色シロップとして、3(0.237g、18%)が得られた:
【0144】
【数51】

(工程b)
(化合物4の調製)
塩化メチレンおよび炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(6mL)中の3(0.416g、1.22mmol)の混合物を氷浴で冷却し、チオホスゲン(0.154g、1.34mmol)で処理し、そして45分間激しく攪拌した。有機層を分離し、ブライン(15mL)で処理し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮して、黄色シロップとして、4(0.405g、87%)を得た:
【0145】
【数52】

(工程c)
(化合物5の調製)
テトラヒドロフラン中のカリウムt−ブトキシド(0.130g、1.16mmol)の混合物に、−78℃で、5分間にわたって、4(0.405g、1.05mmol)および二硫化炭素(0.120g、1.58mmol)のテトラヒドロフラン溶液を滴下した。その反応物を、−78℃で、0.5時間撹拌し、次いで、室温までゆっくりと温め、そして室温で、一晩撹拌した。次いで、この反応物を濃縮して、殆どのテトラヒドロフランを除去し、その残渣を酢酸エチル、水およびブラインで希釈した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、9:1のヘキサン/酢酸エチル)で精製すると、赤色シロップとして、5(0.323g、67%)が得られた:
【0146】
【数53】

(工程d)
(化合物6の調製)
エタノール中の5(0.323g、0.702mmol)および1,3−ジアミノプロパン(0.156g、2.11mmol)の混合物を、70℃で、1時間加熱し、次いで、室温まで冷却した。溶媒を蒸発させ、その残渣を酢酸エチルで希釈し、水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、4:1のヘキサン/酢酸エチル)で精製すると、白色発泡体として、6(0.303g、93%)が得られた:
【0147】
【数54】

(工程e)
(化合物7の調製)
メタノールおよび濃水酸化アンモニウム水溶液(6.0mL)中の6(0.303g、0.65mmol)およびt−ブチルヒドロペルオキシド(70%水溶液1.18g、12.9mmol)の混合物を、室温で、一晩撹拌した。この時点の後、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(40mL)を加えた;その混合物を濃縮して、殆どのメタノールを除去し、次いで、この水性混合物を塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン抽出物を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、97:2.5:0.5の塩化メチレン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)で精製すると、白色固形物として、7(0.208g、71%)が得られた:
【0148】
【数55】

(工程f)
(8−(2,2−ジフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−8−[3−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−イルアミンの調製)
3:1のDME/水中の7(0.208g、0.46mmol)、2−フルオロピリジン−3−ボロン酸(0.131g、0.93mmol)、塩化ビス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(II)(0.016g、0.023mmol)、トリフェニルホスフィン(0.012g、0.046mmol)および炭酸ナトリウム(0.146g、1.38mmol)の混合物を、80℃で、2時間加熱し、次いで、室温で、一晩撹拌した。この混合物を酢酸エチルおよび水で希釈した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、97:2.5:0.5の塩化メチレン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)で精製すると、無色油状物(0.180g(84%))が得られた。この油状物を、セミ分取LCでさらに精製して、灰白色固形物(0.045g、融点95〜99℃)として、表題生成物を得た;
【0149】
【数56】

(実施例44)
(8’−[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−8’−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−2’,8’−ジヒドロスピロ[シクロプロパン−1,3’−イミダゾ[1,5−a]ピリミジン]−6’−アミンの調製)
【0150】
【化49】

実施例42で記述した手順とほぼ同じ手順を用い、そして反応物として1,1−ジ(アミノメチル)プロパン(2)を使用して、黄褐色固形物(融点98〜108℃)として、表題生成物を得た;
【0151】
【数57】

(実施例45)
((8R)−8−(4−ジフルオロメトキシ−フェニル)−8−[3−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−イルアミン[A]および(8S)−8−(4−ジフルオロメトキシ−フェニル)−8−[3−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−イルアミン[B]の調製)
【0152】
【化50】

キラルパックAD(5×50cmのカラム)(90:10:0.1のヘプタン/エタノール/ジエチルアミン)を使用して、8−(4−ジフルオロメトキシ−フェニル)−8−[3−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−イルアミンのラセミ混合物(1.89g)をその鏡像異性体に分離して、白色固形物(融点97〜109℃)として、表題R−異性体(A);[a]25:+7.8°(MeOH中で0.48%);
【0153】
【数58】

を得た。
【0154】
(実施例46)
(8−[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−8−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−2,8−ジヒドロスピロ[イミダゾ[1,5−a]ピリミジン−3,3’−オキセタン]−6−アミンの調製)
【0155】
【化51】

(工程a)
(化合物2の調製)
エタノール(2mL)中の1(1.0g、5.22mmol)および水酸化カリウム(85%を0.345g、5.22mmol)の混合物を、還流状態で、3時間加熱した。その反応物を室温まで冷却し、酢酸エチル(10mL)で希釈し、形成された固形物を濾過により除いた。その濾液を濃縮して、無色液体として、2(0.65g、80%)を得た:
【0156】
【数59】

(工程b)
(化合物3)
DMSO中の2(0.63g、4.06mmol)およびアジ化ナトリウム(0.66g、10.2mmol)の混合物を、65℃で、一晩加熱した。その反応物を室温まで冷却し、水で希釈し、そして塩化メチレンに抽出した。合わせた塩化メチレン抽出物を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、室温で、2mLに容量まで濃縮し、そしてTHFで希釈した。次いで、この溶液をTHF中のトリフェニルホスフィン(2.56g、9.75mmol)で処理し、室温で、10分間撹拌し、水(0.29g、16.2mmol)で処理し、そして室温で、一晩撹拌した。次いで、その混合物を濃縮し、塩化メチレンで希釈し、そして10%HCl水溶液で抽出した。合わせた水性抽出物を塩化メチレンで洗浄し、そして濃縮して、白色固形物として、3(0.51g、66%)を得た:
【0157】
【数60】

(工程c)
(化合物5の調製)
エタノール中の4(0.50g、1.12mmol)、3(0.50g、2.64mmol)およびトリエチルアミン(0.57g、5.60mmol)の混合物を、70℃で、3時間加熱し、室温まで冷却し、濃縮し、そして酢酸エチルと水との間で分配した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、1:4の酢酸エチル/ヘキサン)で精製すると、白色発泡体として、5(0.389g、70%)が得られた:
【0158】
【数61】

(工程c)
(化合物6の調製)
メタノールおよび濃水酸化アンモニウム水溶液(5.0mL)中の5(0.389g、0.79mmol)およびt−ブチルヒドロペルオキシド(70%水溶液1.42g、15.8mmol)の混合物を、室温で、7時間撹拌し、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(30mL)で処理し、そして濃縮して、殆どのメタノールを除去した。得られた水性混合物を塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン抽出物を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。その残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、95:5:0.25の塩化メチレン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)で精製すると、白色発泡体として、6(0.179g、47%)が得られた:
【0159】
【数62】

(工程d)
(8−[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−8−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−2,8−ジヒドロスピロ[イミダゾ[1,5−a]ピリミジン−3,3’−オキセタン]−6−アミンの調製)
3:1のDME/水中の6(0.10g、0.21mmol)、2−フルオロピリジン−3−ボロン酸(0.035g、0.250mmol)、塩化ビス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(II)(0.0073g、0.11mmol)、トリフェニルホスフィン(0.0055g、0.021mmol)および炭酸ナトリウム(0.066g、0.63mmol)の混合物を、還流温度で、2時間加熱し、室温まで冷却し、そして酢酸エチルおよび水で希釈した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、97:2.5:0.5の塩化メチレン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)で精製すると、黄色発泡体(0.089g、85%)が得られた。この発泡体をセミ分取LCでさらに精製して、白色固形物として、表題生成物を得た;融点96〜107℃;
【0160】
【数63】

(実施例47)
(8’−[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−8’−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−2’,8’−ジヒドロスピロ[シクロブタン−1,3’−イミダゾ[1,5−a]ピリミジン]−6’−アミンの調製)
【0161】
【化52】

実施例44で記述した手順とほぼ同じ手順を用い、そして反応物として1,1−ジ(アミノメチル)シクロブタンを使用して、白色固形物(融点220〜226℃)として、表題生成物を得た;
【0162】
【数64】

(実施例48)
(試験化合物の酵素活性の評価、ならびに試験化合物によるhBACE1、MuBACE1およびhBACE2の阻害の評価)
(アッセイ条件)
10nMヒトBACE1(または10nMマウスBACE1、1.5nMヒトBACE2)25μM基質(WABC−6,MW 1549.6,AnaSpecから入手);最終緩衝液濃度:50mM Na−酢酸,pH4.5,0.05% CHAPS,25% PBS;温度:室温;試薬情報:Na−酢酸:Aldrich,カタログ番号24,124−5 CHAPS:Research Organics,カタログ番号1304C 1×PBS:Mediatech(Cellgro),カタログ番号21−031−CV;ペプチド基質AbzSEVNLDAEFRDpa:AnaSpec,ペプチドの名称:WABC−6;ストック基質の決定(AbzSEVNLDAEFRDpa)濃度:ジメチルスルホキシド(DMSO)中に25mMストック溶液を、ペプチドの重量およびMWを使用して調製し、25μMまで希釈する。この濃度を、18172M−1cm−1の消衰係数εを使用して354nmでの吸光度によって決定する。基質ストックを少量のアリコート中に−80℃で保存する。[基質ストック]=ABS354nm*10/18172(mM)である。
【0163】
(ストック酵素濃度の決定)
6M塩酸グアニジウム(Research Organicsから入手、カタログ番号5134G−2)(pH6)中、hBACE1およびMuBACE1についての64150M−1cm−1、hBACE2についての62870M−1cm−1のεを使用した280nmにおけるABSによって、各酵素のストック濃度を決定する。各酵素についての消衰係数ε280nmを、既知のアミノ酸組成物およびTrp残基(5.69M−1cm−1)およびTyr残基(1.28M−1cm−1)(Anal.Biochem.182,319−326)について公開された消衰係数に基づいて計算する。
【0164】
(希釈および混合の工程)
総反応容積:100μL
1.緩衝液A(66.7mM Na−酢酸,pH4.5,0.0667% CHAPS)中に2×インヒビター希釈液を調製する、
2.緩衝液A(66.7mM Na−酢酸,pH4.5,0.0667% CHAPS)中に4×酵素希釈液を調製する、
3.1×PBS中に100μM基質希釈液を調製する、
4.50μLの2×インヒビターおよび25μLの100μM基質を、96ウェルプレート(DYNEX Technologiesから入手,VWR #:11311−046)の各ウェルに添加し、即座に25μLの4×酵素をインヒビターおよび基質のミキサーに添加し、蛍光読み取りを開始する。
【0165】
(蛍光読み取り)
λex320nmおよびλem420nmでの読み取りを、室温で30分間40秒ごとに行い、基質の切断速度(v)についての線形勾配を決定する。
【0166】
(阻害%の計算)
阻害%=100(1−v/v
(v=インヒビターの存在下における基質切断速度、v=インヒビターの非存在下における基質切断速度)
IC50決定:阻害%=[(BIC50)+(100)]/(IC50+I)。
【0167】
(ヒト組換えBACE2についての蛍光反応速度アッセイ)
本アッセイを使用して、試験化合物を分析するための反応速度パラメーターおよび選択パラメーターが提供される。
【0168】
(材料および方法)
最終アッセイ濃度:10nMヒトBACE1(または10nMマウスBACE1,1.5nMヒトBACE2)25μM基質(WABC−6,MW 1549.6,AnaSpecから入手)。最終緩衝液濃度:50mM Na−酢酸,pH4.5,0.05% CHAPS,25% PBS。温度:室温。試薬情報:Na−酢酸:Aldrich,カタログ番号24,124−5 CHAPS:Research Organics,カタログ番号1304C 1×PBS:Mediatech(Cellgro),カタログ番号21−031−CV ペプチド基質AbzSEVNLDAEFRDpa:AnaSpec,ペプチドの名称:WABC−6。
【0169】
(ストック基質(AbzSEVNLDAEFRDpa)の決定)
濃度:DMSO中の25mMストック溶液を、ペプチドの重量およびMWを使用して調製し、25μMまで希釈する。この濃度を、18172M−1cm−1の消衰係数εを使用して354nmでの吸光度によって決定する。基質ストックを少量のアリコート中に−80℃で保存する。[基質ストック]=ABS354nm*10/18172(mM)である。
【0170】
(ストック酵素濃度の決定)
6M塩酸グアニジウム(Research Organicsから入手、カタログ番号5134G−2)(pH6)中、hBACE1およびMuBACE1についての64150M−1cm−1、hBACE2についての62870M−1cm−1のεを使用した280nmにおけるABSによって、各酵素のストック濃度を決定する。(各酵素についての消衰係数ε280nmを、既知のアミノ酸組成物およびTrp残基(5.69M−1cm−1)およびTyr残基(1.28M−1cm−1)(Anal.Biochem.182,319−326)について公開された消衰係数に基づいて計算する。)
(希釈および混合の工程)
総反応容積:100μL
1.緩衝液A(66.7mM Na−酢酸,pH4.5,0.0667% CHAPS)中に2×インヒビター希釈液を調製する、
2.緩衝液A(66.7mM Na−酢酸,pH4.5,0.0667% CHAPS)中に4×酵素希釈液を調製する、
3.1×PBS中の100μM基質希釈液、50μLの2×インヒビターおよび25μLの100μM基質を、96ウェルプレート(DYNEX Technologiesから入手,VWR #:11311−046)の各ウェルに添加し、次いで即座に25μLの4×酵素をインヒビターおよび基質のミキサーに添加し、蛍光読み取りを開始する。
【0171】
(蛍光読み取り)
λex320nmおよびλem420nmでの読み取りを、室温で30分間40秒ごとに行い、基質の切断速度(v)についての線形勾配を決定する。
【0172】
(阻害%の計算の分析)
阻害%=100(1−v/v
=インヒビターの存在下における基質切断速度、v=インヒビターの非存在下における基質切断速度
IC50決定:阻害%=((BIC50)+(100))/(IC50+I)。
【0173】
得たデータを、以下の表IIに示す。他に示されない限り、IC50値は、100%阻害において得られた値を表す。
【0174】
【化53】

【0175】
【化54】

【0176】
【化55】

(結果および考察)
上に記載した表IIに示されるデータから考慮され得るように、本発明の化合物は、BACE1の強力かつ選択的なインヒビターである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物、あるいは、それらの互変異性体、それらの立体異性体、またはそれらの薬学的に受容可能な塩:
【化1−1】

ここで、Xは、N、NOまたはCR19である;
Yは、N、NOまたはCR11である;
Zは、N、NOまたはCR20であるが、但し、X、YまたはZの2つより多くは、NまたはNOになり得ない;
およびRは、それぞれ別個に、H、CNまたは必要に応じて置換したC〜Cアルキル基である;
およびRは、それぞれ別個に、H、または必要に応じて置換したC〜Cアルキル基であるか、あるいはRおよびRは、一緒になって、3員〜7員環を形成し得、該環は、必要に応じて、1個または2個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子は、O、NまたはSから選択されるか、あるいはRは、それが結合する原子および隣接炭素原子と一緒になって、二重結合を形成し得る;
およびRは、それぞれ別個に、H、ハロゲン、NO、CN、OR13、NR1415またはC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CアルキニルまたはC〜Cシクロアルキル基であり、各々は、必要に応じて、置換されているか、または隣接炭素原子と結合するとき、RおよびRは、それらが結合する原子と一緒になって、必要に応じて置換した5員〜7員環を形成し得、該環は、必要に応じて、1個または2個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子は、O、NまたはSから選択される;
、R、R、R10、R11、R19およびR20それぞれ別個に、H、ハロゲン、NO、CN、OR16、NR1718またはC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CアルキニルまたはC〜Cシクロアルキル基であり、各々は、必要に応じて、置換されている;
mは、0または1である;
nは、0、1、2または3である;
【化1−2】

は、単結合または二重結合であるが、但し、mが0であるとき、
【化1−3】

は、単結合でなければならない;
12、R13およびR16は、それぞれ別個に、H、またはC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキルまたはアリール基であり、各々は、必要に応じて、置換されている;そして
14、R15、R17およびR18は、それぞれ別個に、HまたはC〜Cアルキルである、
化合物。
【請求項2】
およびRが、Hである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
mおよびnが、1である、請求項1および2のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項4】
式が、構造Iaを有する、請求項1、2および3のいずれか1項に記載の化合物:
【化2】

【請求項5】
式Iが、構造Ibを有する、請求項4に記載の化合物:
【化3】

【請求項6】
およびRが、Hである、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
Xが、Nである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
nが、1である、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
以下からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物:
8−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;
7−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−7−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−7H−イミダゾ[1,5−a]イミダゾール−5−アミン;
8−[4−フルオロ−3−(4−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;
8−[3−(5−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;
8−[3−(5−クロロピリジン−3−イル)フェニル]−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;
(8S)−8−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;
(8R)−8−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;
(8R)−8−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;
(8S)−8−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;
8−[3−(4−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;
8−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−(4−メトキシフェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;
8−(4−メトキシフェニル)−8−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;
8−(4−フルオロ−3−ピリミジン−5−イルフェニル)−8−(4−メトキシフェニル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;
8−[4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−(4−メトキシフェニル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;
8−(4−フルオロ−3−ピリミジン−5−イルフェニル)−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;
8−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;
8−[4−フルオロ−3−(5−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;
8−[4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;
それらの互変異性体;それらの立体異性体;およびそれらの薬学的に受容可能な塩。
【請求項10】
患者における高いβ−アミロイド沈着またはβ−アミロイドレベルに特徴がある疾患または障害を治療、予防または改善する方法であって、該患者に、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物の治療有効量を供給する工程を包含する、方法。
【請求項11】
前記疾患または障害が、アルツハイマー病;軽度認知障害;ダウン症候群;オランダ型のアミロイド症を伴う遺伝性脳出血;脳アミロイド血管症;および変性痴呆からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記疾患が、アルツハイマー病である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
薬学的に受容可能なキャリアと、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物の有効量とを含有する、医薬組成物。
【請求項14】
式Iの化合物を調製する方法:
【化4−1】

ここで、Xは、N、NOまたはCR19である;
Yは、N、NOまたはCR11である;
Zは、N、NOまたはCR20であるが、但し、X、YまたはZの2つより多くは、NまたはNOになり得ない;
およびRは、それぞれ別個に、Hまたは必要に応じて置換したC〜Cアルキル基である;
およびRは、それぞれ別個に、H、または必要に応じて置換したC〜Cアルキル基であるか、あるいはRおよびRは、一緒になって、3員〜7員環を形成し得、該環は、必要に応じて、1個または2個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子は、O、NまたはSから選択されるか、あるいはRは、それが結合する原子および隣接炭素原子と一緒になって、二重結合を形成し得る;
およびRは、それぞれ別個に、H、ハロゲン、NO、CN、OR13、NR1415またはC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CアルキニルまたはC〜Cシクロアルキル基であり、各々は、必要に応じて、置換されているか、または隣接炭素原子と結合するとき、RおよびRは、それらが結合する原子と一緒になって、必要に応じて置換した5員〜7員環を形成し得、該環は、必要に応じて、1個または2個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子は、O、NまたはSから選択される;
、R、R、R10、R11、R19およびR20それぞれ別個に、H、ハロゲン、NO、CN、OR16、NR1718またはC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CアルキニルまたはC〜Cシクロアルキル基であり、各々は、必要に応じて、置換されている;
mは、0または1である;
nは、0、1、2または3である;
【化4−2】

は、単結合または二重結合であるが、但し、mが0であるとき、
【化4−3】

は、単結合でなければならない;
12、R13およびR16は、それぞれ別個に、H、またはC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキルまたはアリール基であり、各々は、必要に応じて、置換されている;そして
14、R15、R17およびR18は、それぞれ別個に、HまたはC〜Cアルキルである;
該方法は、パラジウム触媒の存在下にて、必要に応じて、溶媒の存在下にて、式IIの化合物と式IIIの化合物とを反応させる工程を包含する:
【化5】

ここで、Halは、ClまたはBrであり、そしてR、R、R、R、R、R、R、Rおよびnは、式Iについてこの上で記述したとおりである:
【化6−1】

ここで、Wは、B(OH)、Sn(nBu)またはSn(CHであり、そしてX、Y、Z、R、R10、mおよび
【化6−2】

は、式Iについてこの上で記述したとおりである、
方法。
【請求項15】
患者における高いβ−アミロイド沈着またはβ−アミロイドレベルに特徴がある疾患または障害を治療、予防または改善する医薬を製造するための、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2008−503460(P2008−503460A)
【公表日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−516603(P2007−516603)
【出願日】平成17年6月14日(2005.6.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/020736
【国際公開番号】WO2006/009655
【国際公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(502161704)ワイス (51)
【Fターム(参考)】