説明

てんかん及び関連疾患の治療のための共治療法

本発明は、5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-プロリンアミド又は医薬として許容し得るその塩若しくは溶媒和物の治療上有効量、並びに1つ以上の抗痙攣剤及び/又は抗てんかん剤の治療上有効量をそれを必要とする被験体に共治療法で投与することを含む、てんかん及び関連疾患の治療のための共治療法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-プロリンアミドの治療上有効量、並びに1つ以上の抗痙攣剤及び/又は抗てんかん剤の治療上有効量をそれを必要とする被験体に共治療法で投与することを含む、てんかん及び関連疾患の治療のための共治療法に関する。
【背景技術】
【0002】
てんかんは、慢性的な内在プロセスに起因する反復発作を起こす病態と説明される。てんかんには多くの形態及び原因があるので、てんかんは単一の疾病単位ではなく臨床的現象を指す。2回以上の非誘発性発作をてんかんの定義として使用すると、てんかんの発生率は、1000人あたり5人〜10人と推定されるてんかんの有病率では、世界じゅうの異なる集団において約0.3〜0.5パーセントと推定される。てんかん患者の20〜30%は現在の治療法に対して難治性である。
【0003】
したがって、患者が単独療法に対して難治性である症例のてんかん及び関連疾患のための効果的な治療を提供する必要がある。
【0004】
近年、公開された特許出願WO2007/042239は、式(I)の化合物5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-プロリンアミド
【化1】

及び医薬として許容し得るその塩、溶媒和物又はプロドラッグを記述している。
【0005】
化合物(5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミド又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物若しくはプロドラッグは、てんかん及び関連疾患の治療に有用である。
【発明の概要】
【0006】
1つの態様において、本発明は、1つ以上の抗痙攣剤又は抗てんかん剤の治療上有効量、及び(5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミド又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物若しくはプロドラッグの治療上有効量をそれを必要とする被験体に共治療法で投与することを含む、てんかん及び関連疾患の治療のための方法に関する。
【0007】
本発明の1つの実施態様において、治療される被験体はヒトである。
【0008】
別の態様において、本発明は、てんかん及び関連疾患の治療における組合せ治療法で使用する、化合物(5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミド又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物若しくはプロドラッグ、並びに1つ以上の抗痙攣剤及び/又は抗てんかん剤を提供する。
【0009】
さらなる態様において、本発明は、組合せ治療法におけるてんかん及び関連疾患の治療ための、化合物(5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミド又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物若しくはプロドラッグ、並びに1つ以上の抗痙攣剤及び/又は抗てんかん剤の使用を提供する。
【0010】
本発明の1つの実施態様において、化合物は、(5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミド塩酸塩である。本発明の1つの実施態様において、化合物は、(5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミド塩酸塩である。
【0011】
(5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミドの医薬として許容し得る塩は、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸及びリン酸等の無機酸、カルボン酸、又は有機スルホン酸により形成される非毒性酸付加塩である。例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩又は、重硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩若しくはリン酸水素塩、酢酸塩、安息香酸塩、コハク酸塩、糖酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、グルコン酸塩、カンシル酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩及びパモ酸塩を含む。医薬に好適な塩に関する総説については、Bergeらの文献(J. Pharm, Sci., 66, 1-19, 1977);P L Gouldの文献(International Journal of Pharmaceutics, 33 (1986), 201-217);及びBighleyらの文献、製薬技術の百科事典(Encyclopedia of Pharmaceutical Technology)(Marcel Dekker社、New York、1996年、13巻、453-497ページ)を参照されたい。
【0012】
(5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミドの特定の保護誘導体は最終的な脱保護ステージの前に製造することができ、それゆえ薬理学的活性を保持しなくてもよいが、特定の事例において経口又は非経口で投与され、その後身体中で代謝されて、薬理学的に活性のある本発明の化合物を形成できることは、当業者によって認識される。それゆえ、かかる誘導体は「プロドラッグ」と記載することができる。本発明の化合物のかかるプロドラッグはすべて、本発明の範囲内に含まれる。本発明の化合物ための好適なプロドラッグの例は、今日の薬物(Drugs of Today)(19巻、9号、1983年、499-538ページ)及び化学におけるトピックス(Topics in Chemistry)(31章、306-316ページ)及びH.Bundgaardの文献「プロドラッグのデザイン(Design of Prodrugs)」(Elsevier、1985年、1章)中に記載されている(これらの文献中の開示内容は引用により本明細書中に組み込まれている)。かかる官能基が本発明の化合物内に存在する場合、「プロモイエティ」として当業者に公知であり、例えばH. Bundgaardの文献「プロドラッグのデザイン(Design of Prodrugs)」(本文献中の開示内容は引用により本明細書中に組み込まれている)中で記載されるような特定のモイエティを、適切な官能基上に置けることは、当業者によってさらに認識される。
【0013】
有機化学分野の当業者は、多くの有機化合物が、溶媒中で反応するか、又は溶媒から沈殿又は結晶化して、溶媒と複合体を形成できることを認識する。これらの複合体は「溶媒和物」として公知である。例えば、水との複合体は「水和物」として公知である。本発明の化合物の医薬として許容し得る溶媒和物は本発明の範囲内である。
【0014】
「てんかん及び関連疾患」又は「てんかん又は関連疾患」という用語は、本明細書において使用される時、特に断りのない限り、被験体(好ましくはヒトの成人、子供又は乳児)が1つ以上の発作及び/又は振戦を発症する任意の障害を意味する。好適な例は、てんかん(局在関連てんかん、全般てんかん、全般発作及び局所発作の両方をともなうてんかん、並びに同種のものを含むがこれらに限定されない)、レノックス・ガストー症候群と関係する発作、疾患又は病態の合併症としての発作(脳症、フェニルケトン尿症、若年性ゴーシェ病、ルントボルク進行性ミオクローヌスてんかん、脳卒中、頭部外傷、ストレス、ホルモン性変化、薬物の使用又は離脱、アルコールの摂取又は離脱、睡眠不足、熱、感染、及び同種のものと関係する発作等)、本態性振戦、むずむず脚症候群、部分発作及び全般発作(強直発作、間代発作、強直間代発作、無緊張発作、ミオクローヌス発作、欠神発作を含む)、二次性全般発作、側頭葉てんかん、欠神てんかん(若年性、小児期、ミオクローヌス、光及びパターン誘導性のものを含む)、重篤なてんかん性脳症(低酸素関連性のもの及びラスムッセン症候群)、発熱痙攣、持続性部分てんかん、進行性ミオクローヌスてんかん(ウンフェルリヒト-ルントボルク病及びラフォラ病を含む)、頭部傷害に関連するものを含む外傷後の発作/てんかん、単純反射性てんかん(光感受性、体感覚性、固有感覚性、聴原性及び前庭性のものを含む)、ピリドキシン依存性てんかん等のてんかんと一般に関係する代謝障害、メンケス縮れ毛病、クラッベ病、アルコール及び薬物乱用(例えばコカイン)に起因するてんかん、てんかんと関係する皮質奇形(例えば二重皮質症候群又は皮質下帯状異所性灰白質)、部分的モノソミー(15Q)/アンゲルマン症候群等の発作又はてんかんと関係する染色体異常、及び同種のものを含むが、これらに限定されない。
【0015】
1つの実施態様において、障害は、てんかん(タイプ、根本原因又は起源にかかわらず)、本態性振戦又はむずむず脚症候群から選択され、より好ましくは、障害は、てんかん(タイプ、根本原因又は起源にかかわらず)又は本態性振戦である。
【0016】
「被験体」という用語は、本明細書において使用される時、動物、好ましくは哺乳類、最も好ましくは治療、観察又は実験の対象である、ヒト成人、子供又は乳児を指す。
【0017】
「治療上有効量」という用語は、本明細書において使用される時、研究者、獣医師、医師又は他の臨床医によって探索されている、組織系、動物又はヒトにおける生物学的又は薬効的な応答(治療されている疾患若しくは障害の1つ以上の症状の緩和;及び/又は治療されている疾患若しくは障害の1つ以上の症状の重症度の減少を含む)を誘発する活性化合物又は医薬品の量を意味する。
【0018】
本発明が、1つ以上の式(I)の化合物及び1つ以上の抗痙攣剤又は抗てんかん剤の共治療法、補助治療法又は組合せ治療法含む投与に関する場合、治療上有効量とは、組合せ効果が所望の生物学的又は薬効的な応答を誘発するように一緒に服用する薬剤の組合せの量を意味する。例えば、(5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミド又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物若しくはプロドラッグ、及び少なくとも1つの好適な抗てんかん剤の投与を含む、共治療法の治療上有効量とは、一緒に又は連続して服用した場合、治療法上効果的な組合せ効果を有する、(5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミド又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物若しくはプロドラッグの量、及び好適な抗てんかん剤の量である。さらに、上記の例でのように治療上有効量による共治療法の事例における、(5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミド又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物若しくはプロドラッグの量、及び/又は好適な抗てんかん剤の量は、個々では、治療法上効果的であっても、又は効果的でなくてもよいことは、当業者によって認識される。
【0019】
「共治療法」、「補助治療法」及び「組合せ治療法」という用語は、本明細書において使用される時、1つ以上の抗痙攣剤及び/又は抗てんかん剤(複数可)、並びに(5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミド又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物若しくはプロドラッグの投与によってそれを必要とする被験体を治療することを意味し、そこでは(5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミド又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物若しくはプロドラッグ、並びに抗痙攣剤及び/又は抗てんかん剤(複数可)は、任意の好適な手段によって、同時に、連続して、個別に又は単一医薬製剤で投与される。(5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミド又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物若しくはプロドラッグ、並びに抗痙攣剤及び/又は抗てんかん剤(複数可)が、個別の投薬形態で投与される場合、各化合物について1日あたり投与する投薬数は同じであっても異なってもよい。(5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミド又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物若しくはプロドラッグ、並びに抗痙攣剤及び/又は抗てんかん剤(複数可)は、同じ又は異なる投与経路を介して投与することができる。好適な投与法の例は、経口、静脈内(iv)、筋肉内(im)、皮下(sc)、鼻腔内、経皮、及び直腸を含むが、これらに限定されない。化合物は、大脳内、脳室内、大脳室内、髄腔内、槽内、脊髄内及び/又は脊髄周囲の投与経路を含むが、これらに限定されない神経系に、頭蓋内針若しくは椎骨内針及び/又はポンプ機器を用いる若しくは用いないカテーテルを介する送達によって、直接投与することもできる。(5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミド又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物若しくはプロドラッグ、並びに抗痙攣剤及び/又は抗てんかん剤(複数可)は、同時レジメン又は交互レジメンに従って、治療法の経過の間に同一の時間又は異なる時間で、分割形態又は単一形態で併用して、投与することができる。
【0020】
「抗てんかん剤」及び略称「AED」という用語は、本明細書において使用される時、特に断りのない限り、「抗痙攣剤」という用語と互換的に使用され、本明細書において使用される時、薬剤が被験体又は患者に投与される場合に発作活性又は発作原性を治療、阻害又は予防する薬剤を指す。抗痙攣性剤及び/又は抗てんかん剤の好適な例は、以下を含むが、これらに限定されない。
(a) AMP-397、E-2007、NS-1209、タランパネル、及び同種のもの等のAMPAアンタゴニスト類;
(b) ジアゼパム、ロラゼパム、クロナゼパム、クロバザム及び同種のもの等のベンゾジアゼピン類;
(c) フェノバルビタール、アモバルビタール、メチルフェノバルビタール、プリミドン、及び同種のもの等のバルビツレート類;
(d) バルプロ酸、バルプロ酸セミナトリウム、バルプロミド、及び同種のもの等のバルプロエート類;
(e) ガバペンチン、プレガバリン、ビガバトリン、ロシガモン、レチガビン、ルフィナマイド、SPD-421(DP-VPA)、T-2000、XP-13512、及び同種のもの等のGABA薬剤;
(f)カルバマゼピン、オキサカルバゼピン、及び同種のもの等のイミノスチルベン類;
(g) フェニトインナトリウム、メフェニトイン、フォスフェニトインナトリウム、及び同種のもの等のヒダントイン類;
(h) ハルコセラミド(harkoseramide)、及び同種のもの等のNMDAアンタゴニスト;
(i) BIA-2093、CO-102862、ラモトロジン(lamotrogine)、及び同種のもの等のナトリウムチャネル遮断剤;
(j) メトスクシミド、エトスクシミド、及び同種のもの等のスクシンイミド類;
及び
(k) アセタゾラミド、エジシル酸クロメチアゾール、ゾニサミド、フェルバメート、トピラマート、チアガビン、レベチラセタム、ブリベラセタム(briveracetam)、GSK-3621 15、GSK-406725及びICA-69673 CBD大麻誘導体、イソバレルアミド(NPS-1776)、RWJ-333369、サフィナミド、セレトラセタム、ソレトリド、スチリペントール、バルロセミド、及び同種のもの等のAEDS。
【0021】
1つの実施態様において、抗痙攣剤及び/又は抗てんかん剤は、ブリバラセタム、カルバマゼピン、クロバザム、クロナゼパム、エトスクシミド、フェルバメート、ガバペンチン、ラコサミド、ラモトリジン、レベチラセタム、オキサカルバゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、プレガバリン、プリミドン、レチガビン、ルフィナマイド、サフィナミド、セレトラセタム、タランパネル、チアガビン、トピラマート、バルプロエート、ビガバトリン、ゾニサミド、ベンゾジアゼピン、バルビツレート及び催眠鎮静薬からなる群から選択される。別の実施態様において、抗痙攣剤及び/又は抗てんかん剤(複数可)は、カルバマゼピン、クロバザム、クロナゼパム、エトスクシミド、フェルバメート、ガバペンチン、ラモトリジン、レベチラセタム、オキサカルバゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、プレガバリン、プリミドン、レチガビン、ルフィナマイド、タランパネル、チアガビン、トピラマート、バルプロエート、ビガバトリン及びゾニサミドからなる群から選択される。
【0022】
別の実施態様において、抗痙攣剤及び/又は抗てんかん剤(複数可)は、カルバマゼピン、ラモトリジン、フェノバルビタール、フェニトイン、トピラマート、バルプロエート及びゾニサミドからなる群から選択される。
【0023】
さらなる実施態様において、抗痙攣剤及び/又は抗てんかん剤(複数可)は、カルバマゼピン、ガバペンチン、ラモトリジン、レベチラセタム、オキサカルバゼピン、フェニトイン、プレガバリン、バルプロエート及びトピラマートからなる群から選択される。
【0024】
なおさらなる実施態様において、抗痙攣剤及び/又は抗てんかん剤は、ガバペンチン、ラモトリジン、レベチラセタム、バルプロエート及びトピラマートからなる群から選択される。
【0025】
有利には、(5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミド又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物若しくはプロドラッグ、並びに1つ以上の抗痙攣剤及び/又は抗てんかん剤は、1回で1日の用量を投与しても、1日2、3又は4回の分割された用量で1日の全投薬量を投与してもよい。
【0026】
本発明は、1つ以上の抗痙攣剤又は抗てんかん剤の治療上有効量、及び(5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミド又は本明細書において記述されるような医薬として許容し得るその塩、溶媒和物若しくはプロドラッグの治療上有効量を、それを必要とする被験体に共治療法で投与することを含んで、根本原因及び発症のステージにかかわらずてんかん及び関連疾患を治療する方法を提供する。それゆえ、本発明の方法は、発作、痙攣又は類似した発作関連疾患の症状を抑制する能力を提供する。
【0027】
(5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミド又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物又はプロドラッグ、並びに1つ以上の抗痙攣剤及び/又は抗てんかん剤は、未加工の化学物質として投与できるが、好ましくは活性成分は医薬組成物として提供される。
【0028】
本明細書において使用される時、「組成物」という用語は、規定量における規定成分を含む生産物に加えて、規定量における規定成分の組合せから直接又は間接的に生じる任意の生産物を包含することを意図する。
【0029】
さらなる態様によれば、本発明は、(5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミド又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物若しくはプロドラッグ、並びに1つ以上の抗痙攣剤及び/又は抗てんかん剤共に医薬として許容し得る担体を含む医薬組成物を提供する。活性成分として(5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミド又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物若しくはプロドラッグ並びに1つ以上の抗痙攣剤及び/又は抗てんかん剤を含む医薬組成物は、化合物を慣習的な医薬調合技法に従って医薬担体と密に混合することによって調製することができる。これらの手順は、所望の調製に適切なように、成分を混合、造粒及び圧縮又は溶解することを含み得る。
【0030】
本発明の医薬組成物は任意の経路による投与のために製剤化することができ、ヒトを含む哺乳類に対する経口、局所又は非経口での投与に適合した形態におけるものを含む。
【0031】
組成物は、錠剤、カプセル剤、粉末剤、粒剤、ロゼンジ、クリーム剤、又は経口用若しくは滅菌した非経口用の溶液若しくは懸濁物等の液体調製物の形態であり得る。
【0032】
本発明の局所製剤は、例えば軟膏剤、クリーム剤又はローション剤、眼軟膏剤及び点眼剤又は点耳剤、含浸包帯並びにエアゾール剤として提供することができ、防腐剤、薬物浸透を支援する溶媒、並びに軟膏剤及びクリーム剤中の皮膚軟化剤等の適切な慣習的な添加物を含むことができる。
【0033】
製剤は、クリーム剤又は軟膏剤の基剤、及びローション剤のためのエタノール又はオレイルアルコール等の適合性のある慣習的な担体も含むことができる。かかる担体は、製剤の約1%〜最大約98%まで存在してもよい。通常には、それらは、製剤の最大約80%を形成する。
【0034】
経口投与のための錠剤及びカプセル剤は単位用量提示形態であり、結合剤(例えばシロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビトール、トラガント、ポリビニルピロリドン);充填剤(例えばラクトース、糖、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウム、ソルビトール、グリシン);錠剤化滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ);崩壊剤(例えばジャガイモデンプン);又はラウリル硫酸ナトリウム等の許容し得る湿潤剤等の慣習的な賦形剤を含むことができる。錠剤は通常の医薬業務で周知の方法に従ってコーティングすることができる。経口液体調製物は、例えば水性若しくは油性の懸濁物、溶液、乳化物、シロップ剤若しくはエリキシル剤の形態であってもよいし、又は使用前に再構成のための乾燥製品として水若しくは他の好適な媒質と共に提供されてもよい。かかる液体調製物は、懸濁化剤(例えばソルビトール、メチルセルロース、グルコースシロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲル、水素添加食用脂)、乳化剤(例えばレシチン、モノオレイン酸ソルビタン、アラビアゴム));非水性媒質(食用油を含み得る)(例えばアーモンドオイル、グリセリン等の油状エステル、プロピレングリコール、又はエチルアルコール);防腐剤(例えばp-オキシ安息香酸メチル、p-オキシ安息香酸プロピル、ソルビン酸)、及び所望されるならば慣習的な着香剤又は着色剤等の慣習的な添加物を含むことができる。
【0035】
坐剤は慣習的な坐剤基剤(例えばカカオバター又は他のグリセリド)を含む。
【0036】
非経口投与のために、液体単位投薬形態は化合物及び滅菌媒質(好ましくは水)を使用して調製される。化合物は、使用される媒質及び濃度に依存して、媒質中に懸濁又は溶解することができる。溶液の調製において、化合物は注射用水中に溶解し、濾過滅菌した後に、好適なバイアル又はアンプルの中へ充填及び密閉することができる。
【0037】
有利には、局部麻酔薬、防腐剤及び緩衝剤等の薬剤を媒質中に溶解することができる。安定性を促進するために、組成物は、バイアルの中へ充填し真空下で水を除去した後に、凍結することができる。次いで、乾燥した凍結乾燥粉末をバイアル中に密閉し、使用の前に液体を再構成するための注射用水の添付バイアルを供給することができる。化合物が媒質中に溶解される代わりに懸濁され、濾過により滅菌できない場合以外は、非経口懸濁物は実質的に同じ様式で調製される。化合物は、滅菌媒質中に懸濁する前にエチレンオキシドへの曝露によって滅菌できる。有利には、化合物の一様な分布を促進するために、界面活性剤又は湿潤剤が組成物中に含まれる。
【0038】
てんかん又は関連疾患の治療が必要とされる場合は常に、(5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミド又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物若しくはプロドラッグ、並びに1つ以上の抗痙攣剤及び/又は抗てんかん剤は、未加工の化学物質として、又は前述の組成物のいずれか中で投与することができる。
【0039】
組成物は、投与方法に依存して、0.1重量%から、例えば10〜60重量%の(5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミド又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物又はプロドラッグを含むことができる。組成物が投薬単位を含む場合、各単位は、例えば5〜1000mgの活性成分を含む。成体ヒト治療のために用いられるような投薬量は、投与の経路及び頻度に依存して、1日あたり10〜3000mgの範囲であり得る。経口投与については、典型的な用量は、1日あたり50〜1500mg、例えば1日あたり120〜800mgの範囲であり得る。
【0040】
本明細書において開示された抗痙攣剤及び抗てんかん剤のための治療法上効果的な投薬レベル及び投薬レジメンは、当業者によって容易に決定することができる。例えば、販売が承認された医薬薬剤のための治療用の投薬量及びレジメンは、例えば包装ラベル上にリストされるように、標準的な投薬ガイドラインにおいて、医師用卓上参考書(Physician's Desk Reference, Medical Economics社又はオンラインでhttp://vvwvv.pdrel.com)等の標準的な投薬参照文献で、及び他の出典で、公的に利用可能である。
【0041】
(5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミド又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物若しくはプロドラッグ、並びに1つ以上の抗痙攣剤及び/又は抗てんかん剤の個々の投薬の至適の量及び間隔は、治療されている病態の性質及び程度、投与の形態、経路及び部位、並びに治療されている特定の哺乳類によって決定され、かかる至適条件は慣習的な技法によって決定できることは、当業者によって認識される。加えて、患者の年齢、体重、食餌及び投与時間を含む、特定の治療されている患者と関係する因子は、投薬量を調節する必要性をもたらす。治療決定試験の慣習的な過程を使用して、当業者が治療の至適過程(すなわち定義された日数間の1日あたりの本発明の化合物の与えられた用量数)を確認できることも、当業者によって認識される。
【0042】
(実験)
本発明は下記に述べられた実施例によって示される。
【0043】
後続する手順において、典型的には、各出発物質の後に、記載又は実施例への数による参照が提供される。これは単に化学分野の当業者を支援するために提供されるにすぎない。出発物質は、必ずしも参照されたバッチから調製されなくてもよい。
【0044】
当業者によって認識されるように、「類似の」手順の使用が参照される場合、かかる手順はわずかな変化(例えば反応温度、試薬/溶媒量、反応時間、後処理条件、クロマトグラフィー精製条件)を含むことができる。以下に記載された実施例中で記載される化合物はすべて、立体化学的に純粋な(例えば99% ee)メチル5-オキソ-L-プロリナート又はエチル5-オキソ-D-プロリナートから第1の工程として調製される。記載及び実施例の化合物の立体化学は、5-オキソ-プロリナートの純粋な立体配置が任意の後続反応条件の全体にわたって維持されるという推定に基づいて帰属された。
【0045】
以下に示されるような2-位での立体中心の絶対立体配置は、5-位でのものに関してこの立体中心の相対的立体化学を決定することによって、NOE 1H NMR実験に基づいて帰属された。
【化2】

【0046】
化合物は、ACD/Name PRO 6.02化学命名ソフトウェア(Advanced Chemistry Development社、Toronto、Ontario、M5H2L3、カナダ)を使用して命名される。
【0047】
プロトン磁気共鳴(NMR)スペクトルは、典型的には、300、400又は500又は600MHzでVarian装置、又は300MHz及び400MHzでBruker装置にて記録される。化学シフトは内部標準として残留溶媒ラインを使用して、ppm(δ)で報告される。分裂パターンはs、一重線;d、二重線;t、三重線;q、四重線;m、多重線;b、広幅線として表記される。NMRスペクトルは25〜90℃まで範囲の温度で記録された。1つ以上の配座異性体が検出された場合、最も多いものについての化学シフトが報告される。
【0048】
Rt(HPLC):x分によって示されるHPLC分析は、Agilent 1100シリーズ装置にて、Luna 3u C18(2) 100A (50×2.0mm)カラムを使用して実行された(移動相:100%[水+0.05% TFA]〜95%[アセトニトリル+0.05% TFA]で8分、流出=1ml/分、検出波長220nm)。
【0049】
質量スペクトル(MS)は、典型的には、4 IIトリプル四重極質量分析計(Micromass、イギリス)、又はES(+)及びES(-)イオン化モードで操作するAgilent MSD 1100質量分析計、又はES(+)及びES(-)イオン化モードで操作するAgilent LC/MSD 1100質量分析計をHPLC装置Agilent 1100シリーズと連結させたもの[LC/MS - ES (+):分析はSupelcosil ABZ+Plus(33×4.6mm、3μm)にて実行した(移動相:100% [水+0.1% HCO2H]で1分間、次いで100% [水+0.1% HCO2H]〜5% [水+0.1% HCO2H]及び95% [CH3CN]で5分間、最終的にこれらの条件下で2分間;T=40℃;流出=1mL/分);LC/MS - ES (-):分析はSupelcosil ABZ+Plus(33×4.6mm、3μm)にて実行した(移動相:100% [水+0.05% NH3]で1分間、次いで100% [水+0.05% NH3]〜5% [水+0.05% NH3]及び95% [CH3CN]で5分間、最終的にこれらの条件下で2分間;T==40℃;流出=1mL/分)]で取得される。質量スペクトルでは、分子イオンクラスターにおける1つのピークだけを記録する。
【0050】
旋光度は、JASCO DIP-360デジタル偏光計で測定された(λ=589nm、T=20℃、MeOHにおいてc=1)。
【0051】
フラッシュシリカゲルクロマトグラフィーは、典型的には、シリカゲル230〜400メッシュ(Merck社、Darmstadt、ドイツによって供給される)、又はVarian Mega Be-Si前充填カートリッジ、又は前充填Biotageシリカカートリッジにて行なわれた。
【0052】
SPE-SCXカートリッジはVarianによって供給されたイオン交換固相抽出カラムである。SPE-SCXカートリッジで使用される溶出剤は、メタノール、続いてメタノール中2Nアンモニア溶液である。
【0053】
多数の調製において、精製は、Biotage手動式フラッシュクロマトグラフィー(Flash+)又は自動式フラッシュクロマトグラフィー(Horizon)システムのいずれかを使用して実行された。これらのすべての装置はBiotageシリカカートリッジにより動作する。
【0054】
SPE-SiカートリッジはVarianによって供給されるシリカ固相抽出カラムである。
【0055】
温度、濃度及び使用した装置類等の様々な因子に従ってスペクトル及び回折データがわずかに変動するであろうことが認識される。当業者は、XRPDピーク位置がサンプル高さにおける差によって影響されることを認識するだろう。本明細書において引用されたピーク位置は、したがって+/- 0.15度の2θの変動がある。
【0056】
X線粉末回折
X線粉末回折(XRPD)分析はSol-X検出器を使用して、Bruker D5005にて実行された。取得条件は、放射線:Cu Kα、発電機電圧:40 kV、発電機電流:50 mA、開始角度:2.0°2θ、終了角度:45.0°2θ、ステップサイズ:0.02°2θ、ステップあたりの時間:1秒であった。サンプルはゼロバックグラウンドサンプルホルダーで調製された。
【0057】
示差走査熱量測定法(DSC):測定されるような吸熱ピークは、使用した機械、加熱率、較正標準、湿度及び使用したサンプルの純度を含む、多数の因子に依存することが認識されるべきである。
【0058】
実験において報告された融点は、DSC分析の間の記録された吸熱ピークの開始に基づいて推定される。
【0059】
以下の表で、使用される略称をリストする。
【表1】

【0060】
(記載1:1-(1,1-ジメチルエチル)2-メチル(2S)-5-オキソ-1,2-ピロリジンジカルボキシラート(D1))
【化3】

DCM(200ml)中の市販のメチル5-オキソ-L-プロリナート(20g、140mmol)の溶液へ、トリエチルアミン(19.6ml、140mmol)、DMAP(17.2g、140mmol)を添加し、次いでDCM(100ml)中のBOC2O(61g、280mmol)の溶液を滴下した。結果として生じる赤色混合物を室温で2時間撹拌した。次いで減圧下で溶媒を除去し、シクロヘキサン/酢酸エチル(7:3〜4:6)でシリカゲルを溶出するクロマトグラフィーによって粗製物質を精製して、(ヘキサン/ジエチルエーテル1:1中での粉砕後に)白色の固体として表題化合物を得た(32.4g、96%)。Rf値(シクロヘキサン: 酢酸エチル=65:35):0.21。
【化4】

【0061】
(記載2:メチル(2S)-2-({[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)-5-オキソ-5-{4-[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}ペンタノアート(D2))
【化5】

ヘキサン(0.88ml、1.4mmol)中のn-ブチルリチウム1.6M溶液を、無水THF(2ml)中の市販の1-ブロモ-4-[(フェニルメチル)オキシ]ベンゼン(390mg、1.48mmol)の溶液へ、窒素雰囲気下-78℃で滴下して添加した。結果として生じる懸濁物を-78℃で40分間撹拌し、次いで、それを、-78℃に事前に冷却した無水THF(2.4ml)中の1-(1,1-ジメチルエチル)2-メチル(2S)-5-オキソ-1,2-ピロリジンジカルボキシラート(D1、300mg、1.23mmol)の溶液へ滴下して添加した。混合物を-78℃で40分間及び-40℃で1時間撹拌し、次いで塩化アンモニウム飽和水溶液で-40℃でクエンチした。混合物を水で希釈し、酢酸エチルにより抽出した。次いで有機相をブラインにより洗浄し、Na2SO4の上で乾燥し、減圧下で蒸発させ、得られた粗製物質をシクロヘキサン/酢酸エチル(95:5)でシリカゲルを溶出するクロマトグラフィーによって精製し、そして白色の固体として表題化合物を得た(170mg、32%)。Rf値(シクロヘキサン: 酢酸エチル=8:2):0.30。
【化6】

【0062】
(記載3:メチル(2S)-5-{4-[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}-3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-2-カルボキシラート(D3))
【化7】

0℃の無水DCM(4ml)中のメチル(2S)-2-({[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)-5-オキソ-5-{4-[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}ペンタノアート(D2、323mg、0.75mmol)の溶液へ、トリフルオロ酢酸(1ml)を窒素雰囲気下で滴下して添加した。結果として生じる薄桃色の溶液を1時間放置して室温まで温め、次いで減圧下で蒸発させ、緑がかった油として表題化合物を得た(D7、291mg、0.68mmol、91%)。これはさらなる精製なしに次の工程において使用することができる。Rt値(HPLC):3.69分;MS:(ES/+)m/z:310 [MH+]、C19H19NO3の理論値は309である。
【0063】
(記載4:メチル(5R)-5-{4-[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}-L-プロリナート(D4))
(記載5:メチル(5S)-5-{4-[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}-L-プロリナート(D5))
【化8】

MeOH (200ml)中のメチル(2S)-5-{4-[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}-3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-2-カルボキシラート(D3、13.7g、32.4mmol)の溶液へPtO2 (240mg)を添加し、混合物を水素雰囲気(2気圧)下で6時間撹拌した。次いで触媒を濾過により除き、溶媒を減圧下で除去し、得られた赤色の油を酢酸エチル中に溶解し、NaHCO3溶液で洗浄した。結果として生じる粗製物質をシクロヘキサン/酢酸エチル(9:1〜8:2)でシリカゲルを溶出するクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。D4、4.15g、13.3mmol、Y=41%。MS:(ES/+)m/z:312 [MH+]。C19H21NO3の理論値は311である。Rt値(HPLC):3.80分。Rf値(シクロヘキサン: 酢酸エチル=7:3):0.18。
【化9】

C2のプロトンとC5のプロトンとの間のNOEを観察できた。
D5、0.6g、1.9mmol、Y=6%。MS:(ES/+)m/z:312 [MH+]。C19H21NO3の理論値は311である。Rt値(HPLC):3.73分。Rf値(シクロヘキサン: 酢酸エチル=7:3):0.32。
【化10】

C2のプロトンとC5のプロトンとの間のNOEは観察されなかった。
【0064】
(記載6:(5R)-5-{4-[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}-L-プロリン(D6))
(記載7:(5R)-1-{[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}-5-{4-[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}-L-プロリン(D7))
【化11】

THF(2.3ml)中のメチル(5R)-5-{4-[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}-L-プロリナート(D4、120mg、0.38mmol)の溶液に、水(1.1ml)に溶解したLiOH一水和物(26mg、0.61mmol)、続いてメタノール(1.1ml)を添加した。結果として生じる溶液を室温で2.5時間撹拌し、次いで-18℃で一晩で放置した。次いで38℃で温度を維持しながら減圧下で有機溶媒を蒸発させ、酸中間体を含む水性残渣(D6、Rt(HPLC)=3.63分。MS(ES/+): m/z: 298の[MH+]。C18H19NO3の理論値は297である)を、THF(1.1ml)中に溶解したBOC2O(168mg、0.77mmol)で処理した。反応混合物を室温で3.5時間撹拌した。有機溶媒を蒸発させ、塩基性水溶液を0℃で1N HCl水溶液でpH=3に酸性化し、この酸性水溶液を酢酸エチルで抽出した(2×10ml)。有機相をNa2SO4の上で乾燥させ、減圧下で蒸発させ、得られた固体をn-ヘキサン中で粉砕し(3×6ml)、白色の粉体として表題化合物を得た(D7、137mg、2工程について90%)。Rt値(HPLC):5.81分;Rf値(シクロヘキサン: 酢酸エチル=1:1):0.34;MS:(ES/+)m/z:420 [M+Na+]。C23H27NO5の理論値は397である。MS:(ES/-)m/z:396 [M-H]。C23H27NO5の理論値は397である。
【化12】

【0065】
(記載8:1,1-ジメチルエチル(2S,5R)-2-(アミノカルボニル)-5-{4-[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}-1-ピロリジンカルボキシラート(D8))
【化13】

無水DMF(20ml)中の(5R)-1-{[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}-5-{4-[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}-L-プロリン(D7、1.44g、3.62mmol)の溶液に、DIPEA(1.26ml、7.24mmol)、次いでTBTU(1.23g、3.98mmol)を添加し、20分後に1,1,1,3,3,3-ヘキサメチルジシラザン(1.15ml、5.43mmol)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いで5%のNaHCO3水溶液(30ml)で処理し、さらに30分間撹拌した。結果として生じる混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。次いで有機相をブライン/氷で2回洗浄し、Na2SO4の上で乾燥し、蒸発させ、無色の油を得た。この粗製物質をシクロヘキサン/酢酸エチル(7:3〜5:5)でシリカゲルを溶出するクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物を得た(1.25g、87%)。Rt値(HPLC):5.51分;Rf値(シクロヘキサン: 酢酸エチル=1:1):0.29。MS:(ES/+)m/z:419 [M+Na+]。C23H28N2O4の理論値は396である。
【0066】
(記載9:1,1-ジメチルエチル(2S,5R)-2-(アミノカルボニル)-5-(4-ヒドロキシフェニル)-1-ピロリジンカルボキシラート(D9))
【化14】

メタノール(25ml)中の1,1-ジメチルエチル(2S,5R)-2-(アミノカルボニル)-5-{4-[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}-1-ピロリジンカルボキシラート(D8、1.2g、3.02mmol)の溶液へPd/C 10重量%(210mg)を添加し、混合物を水素(1気圧)下で6時間撹拌した。触媒を濾過により除き、溶媒を減圧下で除去し、白色の固体として表題化合物を得た(870mg、94%)。Rt値(HPLC):3.61分;Rf値(シクロヘキサン: 酢酸エチル=1:1):0.18;MS:(ES/+)m/z:329 [M+Na+]。C16H22N2O4の理論値は306である。
【化15】

【0067】
(記載10:1,1-ジメチルエチル(2S,5R)-2-(アミノカルボニル)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-1-ピロリジンカルボキシラート(D10))
【化16】

1-(ブロモメチル)-2-フルオロベンゼン(30μl、0.220mmol)を、アセトニトリル(2ml)中の1,1-ジメチルエチル(2S,5R)-2-(アミノカルボニル)-5-(4-ヒドロキシフェニル)-1-ピロリジンカルボキシラート(D9、45mg、0.146mmol)及び炭酸カリウム(30mg、0.217mmol)の溶液へ添加した。混合物を室温で一晩で撹拌した。TLCで示されるように反応が終了した後に、酢酸エチル及び水を添加した。次いで有機相をブラインで洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、蒸発させた。粗製物質をシクロヘキサン/酢酸エチル(7:3〜6:4)を使用するシリカゲルのクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た(51mg、85%)。Rt値(HPLC):5.56分;Rf値(シクロヘキサン: 酢酸エチル=1:1):0.28。
【化17】

【0068】
(記載11:1-[(4-ブロモフェノキシ)メチル]-2-フルオロベンゼン(D11))
【化18】

(手順1)アセトン(7322mL)中に溶解した4-ブロモフェノール(502.08g)の溶液に、K2CO3(570g)、次いで臭化ベンジル(523g)を添加した。混合物を還流下で2時間加熱した。次いで反応混合物を25℃に冷却し、濾過し、濾過ケーキをMTBE(1046mL)で洗浄した。合わせた濾液を1000mLに濃縮し、MTBE(4184mL)を添加した。混合物を1M NaOH水溶液(1464mL)、次いでブライン(1300mL)で洗浄し、有機相を濃縮乾固した。THF(1300mL)を添加し、減圧下で溶媒を除去して、表題化合物を得た(902.1g)。
【化19】

【0069】
D11は以下のようにしても得られた。
(手順2)アセトン(280ml)中の4-ブロモフェノール(19.22g、111mmol)、オルトフルオロベンジルブロミド(20g、105.8mmol)及び炭酸カリウム(21.9g、158.4mmol)の撹拌混合物を、還流で6時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、濾過し、固体をTBME(40ml)で洗浄した。合わせた濾液及び洗浄液を、真空下で約40mlの最終体積まで濃縮した。結果として生じる溶液をTBME(160ml)で希釈し、1M水酸化ナトリウム及びブラインで洗浄し、次いで真空下で油状に濃縮して徐々に凝固させ、表題化合物を得た(28.9g)。
【化20】

【0070】
(記載12:メチル(2S)-2-({[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-5-オキソペンタノアート(D12))
【化21】

(手順1)無水THF(600mL)中のマグネシウム金属(90g)の撹拌懸濁物へ、室温の窒素雰囲気下で、ヨウ素(0.3g)を添加した。混合物は64+/-2℃の内部温度まで加熱した。THF(1500mL)中の1-[(4-ブロモフェノキシ)メチル]-2-フルオロベンゼン(D11)(693g)の溶液を、2バッチで添加した。第1に45 mLを添加した。第2に残りの溶液(1455 mL)を滴下して添加した。添加後に、反応を還流で1時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却した。次いでこの反応混合物を、-60℃に冷却したTHF(1500mL)中の市販の1-tert-ブチル2-メチル(2S)-5-オキソピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(300g)の溶液へ徐々に添加し、-60℃より下の内部温度を維持した。添加は2時間で完了した。反応混合物を添加後さらに15分間撹拌した。次いでイソプロピルアルコール(300mL)を、-60℃より下の温度を維持しながら滴下して添加した。飽和塩化アンモニウム水溶液/飽和塩化ナトリウム水溶液(2/1; 900mL)の混合物を、-50℃で温度を維持しながら、添加した。水(600 mL)を添加して黄色の沈殿を溶解した。有機相を分離し、13% NaCl水溶液(600mL)で洗浄した。有機相を濃縮乾固した。次いでEtOAc(1500mL)を添加し、減圧下で溶液を蒸発させて水を除去した。シクロヘキサン/酢酸エチル(90:10〜8:2)でシリカゲルを溶出するクロマトグラフィーによって残渣を精製して、表題化合物を得た(287g)。
【化22】

【0071】
D12は以下のようにしても得られた。
(手順2)70〜75℃のTHF(86.ml)中の削り状マグネシウム(12.79g、533mol)、微量のヨウ素及び1,2-ジブロモエタンの混合物へ、THF(216.25ml)中の(4-ブロモフェニル(2-フルオロフェニル)メチルエーテル)(D11、100g、355.6mmol)の溶液を約2時間にわたって添加した。混合物を70〜75℃でさらに2時間加熱し、次いで室温まで冷却して、グリニャール試薬の溶液を得た。THF(216.25ml)中の1-(1,1-ジメチルエチル)2-メチル(2S)-5-オキソ-1,2-ピロリジンジカルボキシラート(43.25g、177.8mmol)の溶液を-60℃に冷却し、グリニャール試薬の溶液を1時間にわたって添加し、次いで混合物を-60℃で3時間撹拌した。イソプロパノール(43.25ml)を滴下して添加し、続いて飽和含水塩化アンモニウム(86.5ml)及びブライン(43.25ml)を添加し、次いで混合物を室温まで温めた。水(173ml)及び50%酢酸(50ml)でpH 6〜7にし、酢酸エチル(129.7ml)を追加した。層を分離し、水層を酢酸エチル(2×129.7ml)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、次いで真空下で濃縮した。残渣はヘキサン(216.2ml)と共に撹拌し、次いで固体を濾過し、ヘキサンで洗浄した。結果として生じる固体に、イソプロパノール(432.5ml)を添加し、混合物を45℃で15分間撹拌し、次いで5〜10℃に冷却し、2時間撹拌した。固体を濾過し、イソプロパノールで洗浄し、乾燥し、固体として表題化合物を得た。
【化23】

【0072】
(記載13:メチル(2S)-5-{4-[(2-フルオロベンジル)オキシ]フェニル}-3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-2-カルボキシラート(D13))
【化24】

(手順1)0℃の無水DCM(2430mL)中のメチル(2S)-2-({[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-5-オキソペンタノアート(D12)(243g)の溶液に、TFA(461mL)を滴下して添加した。混合物を放置して室温まで温め、3時間撹拌した。溶媒及び過剰のTFAを真空下で除去し、結果として生じる黒っぽい油をEtOAc(2×1215mL)で剥がし、高真空下で一晩放置した。赤色の油として表題化合物(392g)を得て、さらなる精製なしに次の工程で使用した。
【化25】

【0073】
D13は以下のようにしても得られた。
(手順2)DCM(437ml)中のメチル(2S)-2-({[(1,1-ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-5-オキソペンタノアート(D12、46g、103mmol)の溶液を、0〜5℃でトリフルオロ酢酸(87.4ml)により滴下して処理し、次いで室温まで温め、3時間撹拌した。溶液を0〜5℃に冷却し、約7の最終pHまで水酸化ナトリウム溶液を添加した。水層を分離し、DCM(13ml)で抽出し、次いで合わせた有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムの上で乾燥し、次いで真空下で濃縮し、固体として表題化合物を得た(33.3g)。
【化26】

【0074】
(記載14:メチル(5R)-5-{4-[(2-フルオロベンジル)オキシ]フェニル}-L-プロリナート(D14))
【化27】

(手順1)メチル(2S)-5-{4-[(2-フルオロベンジル)オキシ]フェニル}-3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-2-カルボキシラート(D13)(392g)を、水添反応装置中でEtOAc(3160mL)中に溶解した。5%炭素担持白金(Engelhard code 44379、水分含量約50%、15.8g)を添加し、反応器を2気圧の圧力に水素ガスで満たし、反応混合物を約1.5時間撹拌した。反応器を減圧し、セライトを介して使用済み触媒を濾過し、EtOAc(2×500mL、次いでさらに200mL)で洗浄した。飽和NaHCO3水溶液(600 mL)を濾液へ添加し、続いて13% w/w Na2CO3水溶液(pH=9まで、1000mL)を添加した。混合物を10分間撹拌し、次いで放置して相を分離させた。水相を除去し、次いで有機層をブライン(600mL)で1回洗浄した。結果として生じる溶液を濃縮乾固し、シクロヘキサン/酢酸エチル(1:1)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーによって残渣を精製して、表題化合物を得た(133g)。
【化28】

【0075】
D14は以下のようにしても調製された。
(手順2)酢酸エチル(272ml)中のメチル(2S)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-2-カルボキシラート(D13、34g、103.5mmol)の溶液をオートクレーブ中に置き、トリフルオロ酢酸(7.2ml)で処理した。5%炭素担持白金触媒(1.7g)を酢酸エチル(68ml)と共にスラリーとして移し、反応物を50psiの水素圧下で室温で5時間撹拌した。混合物はHyfloを介して濾過し、酢酸エチル(272ml)で洗浄し、次いで濾液を炭酸ナトリウム水溶液及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムの上で乾燥し、次いで真空下で濃縮し、残渣を乾燥させて、粗製油として表題化合物を得た(アンチ異性体の一部も含む)。
【化29】

【実施例】
【0076】
(実施例1:(5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミド(E1))
【化30】

(手順1)メタノール(65ml)中のメチル(5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリナート(D14、32.5g、98.6mmol)の溶液を0〜10℃に冷却した。メタノール中のアンモニア溶液(約11.2M)を11時間にわたって4つの小分けで添加し(175.4ml、43.8ml、43.8ml、43.8ml)、次いで反応物を15〜20℃で22時間撹拌した。アンモニア及びメタノールを真空下で除去し、次いでトルエン(65ml)を添加し、混合物を60〜65℃に加熱して、溶液を得、次いで真空下で濃縮し、残渣を60℃で乾燥した。トルエン(130ml)及びメタノール(0.32ml)を残渣へ添加し、混合物を70〜75℃に加熱する。次いで結果として生じる溶液を15〜20℃に冷却し、1時間撹拌した。固体を濾過し、トルエンで洗浄し、45〜50℃で乾燥して、固体として表題化合物(21.8g)を得た。
【化31】

【0077】
E1は以下のようにしても調製された。
(手順2)メチル(5R)-5-{4-[(2-フルオロベンジル)オキシ]フェニル}-L-プロリナート(D14)(127g)をMeOH(1016mL)中の7N NH3溶液中で溶解し、混合物を室温で24時間撹拌した。MeOH(63mL)中の7N NH3溶液をさらに添加し、混合物をさらに15時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、MeOH(635mL)を添加した。溶液を蒸発乾固し、得られた白色の固体を週末の間に高真空下で放置した。白色の固体を20℃でMTBE/トルエン1:1(254mL)の混合物中で懸濁し、1時間撹拌した。懸濁物を濾過し、固体をMTBE(254mL)で洗浄した。白色の固体を真空下で40℃で一晩乾燥し、122.4gの物質を得た。物質をMTBE/トルエン1:1(245mL)の混合物中で再懸濁し、1時間室温で撹拌した。混合物を濾過し、固体をMTBE(245mL)で洗浄した。得られた白色の固体を真空下で40℃で一晩乾燥して、表題化合物を得た(109g)。
【化32】

【0078】
(実施例2:(5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミド塩酸塩(E2))
【化33】

(手順1)酢酸エチル(0.9ml)及びメタノール(1ml)の混合物中の1,1-ジメチルエチル(2S,5R)-2-(アミノカルボニル)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-1-ピロリジンカルボキシラート(D10、51mg、0.123mmol)の溶液へ、塩化アセチル(28μl、2.5当量)を0℃で添加した。混合物を1.5時間振盪し、放置して室温まで徐々に温めた。溶媒の蒸発後に、残渣をジエチルエーテルで粉砕して、白色の固体として表題化合物を得た(42mg、量)。キラルHPLC:カラム:chiralcel OD 10 um、250×4.6mm;移動相:A:n-ヘキサン;B:エタノール;勾配:均一濃度で30% B;流速:0.8ml/分;UV波長領域:200〜400nm;分析時間:22分;保持時間:12.0分。[α]D=-30.5°。MS:(ES/+)m/z:315 [MH+]。C18H19FN2O2の理論値は314である。
【化34】

【0079】
実施例2は以下のようにしても調製された。
(手順2)((5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミド)(E1、109g)をDCM(654mL)中で溶解し、Et2O(654mL)を室温で添加した。Et2O中の1N HCl(380.4mL)を室温で滴下して添加した。懸濁物を0℃に冷却し、この温度で1時間撹拌した。固体を濾過し、Et2O(2×327mL)で洗浄し、真空下で40℃で一晩乾燥して、表題化合物のフォーム1の結晶を得た(121.24g)。
【化35】

【0080】
(手順3)((5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミド)(E1、10g、31.8mmol)をDCM(50ml)中に溶解し、活性炭(1g)と共に撹拌し、次いで濾過し、DCM(30ml)で洗浄した。残渣を真空下で濃縮し、約20mlのDCMを除去した。エーテル(60ml)、続いてエーテル中のHCl溶液(0.84N、40ml)を添加し、次いで混合物を20〜25℃で30分間撹拌し、次いで0〜5℃に冷却し、2時間撹拌した。固体を濾過し、エーテルで洗浄し、次いで室温で乾燥して、表題化合物のフォーム1の結晶を得た(10.25g)。
【化36】

【0081】
(手順4)丸底フラスコ中で、酢酸エチル(14ml)及びMeOH(2.5ml)中の((5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミド)(E1、1.4g、4.45mmol)の溶液を、ジエチルエーテル(1.1当量、4.89ml)中のHCl 1Mで0℃で処理した。非常に迅速に沈殿が起こり、混合物を0℃で1時間撹拌した。次いで混合物を無水ジエチルエーテル(10ml)で希釈し、次いでグーチ濾過器(孔隙率4、直径5cm)で濾過した。ケーキを無水ジエチルエーテル(2×20ml)で濾過器上で洗浄し、それにより得られた白色の固体を丸底フラスコの中へ移し、高真空下で40℃で2時間、次いで室温で18時間乾燥した。白色の固体が表題化合物のフォーム1の結晶として得られた(1.51g)。
【0082】
(手順5)((5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミド)(E1、25g、79.5mmol)を酢酸エチル(750ml)中で溶解し、活性炭(2.5g)と共に撹拌し、次いで濾過し、酢酸エチル(125ml)で洗浄した。濾液及び洗浄液へ、エーテル中のHClの溶液(1N、103ml)を20〜25℃で30分間添加し、次いで混合物を20〜25℃で30分間撹拌し、次いで0〜5℃に冷却し、2時間撹拌した。固体を濾過し、酢酸エチル(2×70ml)で洗浄し、次いで室温で乾燥して、表題化合物のフォーム1の結晶を得た(25.5g)。
【0083】
実施例2の表題化合物のフォーム1のユニークで区別できるピークが同定されており、以下の表中で示される。
【表2】

融点:230℃。
【0084】
(実施例4:(5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミドメタンスルホン酸塩(E4))
【化37】

EtOAc(6ml)を(5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミド(E1、300mg)へ添加し、これを60℃で1時間加熱して化合物を溶解した。次いでメタンスルホン酸(65μl、1.05当量)を溶液へ添加した。酸が添加されるとすぐに、溶液は曇った。次いでこれを温度サイクル(0〜40℃)で2日間放置した。化合物を白色の固体として濾過によって単離し、EtOAcで洗浄し、週末にわたって40℃で減圧下で乾燥して、335mgの表題化合物を得た。
融点:192℃。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の抗痙攣剤又は抗てんかん剤の治療上有効量、及び化合物(5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミド又は医薬として許容し得るその塩若しくは溶媒和物の治療上有効量をそれを必要とする被験体に共治療法で投与することを含む、てんかん及び関連疾患の治療のための方法。
【請求項2】
前記化合物が、(5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミド塩酸塩である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記被験体がヒトである、請求項1記載の方法。
【請求項4】
てんかん及び関連疾患の治療における組合せ治療法で使用する、化合物(5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミド又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物若しくはプロドラッグ、並びに1つ以上の抗痙攣剤及び/又は抗てんかん剤。
【請求項5】
てんかん及び関連疾患の治療における組合せ治療法で使用する、(5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミド塩酸塩、並びに1つ以上の抗痙攣剤及び/又は抗てんかん剤。
【請求項6】
組合せ治療法におけるてんかん及び関連疾患の治療のための、化合物(5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミド又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物若しくはプロドラッグ、並びに1つ以上の抗痙攣剤及び/又は抗てんかん剤の使用。
【請求項7】
前記化合物が、(5R)-5-(4-{[(2-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-L-プロリンアミド塩酸塩である、請求項6記載の使用。

【公表番号】特表2013−501026(P2013−501026A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−523303(P2012−523303)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【国際出願番号】PCT/EP2010/061157
【国際公開番号】WO2011/015537
【国際公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(511012868)クオンベルゲンセ プハルマセウトイカルス リミテッド (6)
【Fターム(参考)】