のぞき窓を備える医薬品包装
本発明は、提供時に医薬品の視覚的な検査を実現し同時に医薬品(および場合によっては添付材料)の取違え提供を防止するのぞき窓(S)ならびに医薬品包装の意図的なまたは不意の開封を表示する安全印を備える医薬品包装に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、提供時に医薬品の視覚的な検査を実現し同時に医薬品(および場合によっては添付物品)の誤った提供を防止するのぞき窓ならびに医薬品包装の意図的なまたは不意の開封を表示する安全印を備える医薬品包装に関する。
【0002】
背景技術および従来技術
医薬品包装は、通常、一次容器例えばチューブまたはブリスターパックから成る。このような一次容器は、通常、二次容器例えば厚紙内で包装される。二次容器は、複数の目的を満たす。その目的として、破損および/または汚れに対する一次容器の保護、重ね置きの可能性、補足的な情報を印刷する可能性、ならびに補足的な物品を添付する可能性、例えば使用情報を含む添付の使用説明書および/または追加的な物品例えば1つまたは複数のアプリケータを添付する可能性が挙げられる。アプリケータを添付する場合、二次容器による医薬品外装は、特別な方法で衛生状態を保つ働きも有する。
【0003】
医薬品をエンドユーザーに提供する際に、日本では、多くの場合、引き渡される医薬品特に一次容器を目視により検査する必要がある。日本では、提供する薬剤師がそのような検査を行う必要がある。その際、提供すべき医薬品が必要性(例えば処方箋)と一致しているか否か、また提供される容器に破損があるか否かチェックされる。そのために従来の医薬品包装では、検査を行うために、医薬品容器(例えば医薬品チューブ)を外装(例えば厚紙)から取り出す必要がある。先ずこれにはある程度の時間が掛かる。さらに包装された医薬品を二次包装から分離することにより、提供を間違える恐れがある。例えば一次容器(たとえばチューブ)が取り違えられること、または開封後に破損されること、添付の使用説明書が取り違えられることまたは添付され忘れること、もしくは一次容器に任意の追加物品(例えばあらゆる種類のアプリケータ)が添付されないことまたは誤って添付されることが考えられる。
【0004】
日本では、一次容器を厚紙から取り出して、厚紙を除いて提供するのが通常の業務である。このような業務は、とりわけ外装が日本の規定に従って、もしくは目視による検査を行うための慣用の手順に従って開封したことを証明することには役立つが、前述の問題が生じる。
【0005】
前述の欠点および原価の抑制に基づいて、前述の欠点を克服する新たな包装に対する要求が存在する。
【0006】
発明の説明
後述の実施の態様および特許請求の範囲に記載するようなのぞき窓を有する医薬品包装が前述の問題を解決することが判った。この医薬品包装は、目視により検査を行うためにできるだけ大きな開口を備え、しかも同時にもはや一次容器を二次包装から取り出す必要がなく、したがって破損から保護された状態で維持されるよう保証する、のぞき窓を有する医薬品包装である。このようにして取り違えが起こることも防止される。さらにまた、アプリケータまたは別の添付物品が医薬品容器から分離される、ということも防止される。
【0007】
本発明による医薬品包装は、略直方体状に形成されている。直方体の少なくとも1つの面は、1つののぞき窓(S)を備えて形成されている。最も簡単な場合、窓は、1つの直方体面の長方形の打抜き部である。好適な態様では、図面に例示するように、打抜き部の1つまたは複数の辺は、カーブしていてもよい。専門家にとって明らかなように、打抜き部は、のぞき窓の上側および下側に、依然として保持ストリップ(So,Su)として二次包装のストリップが残るように形成されている。
【0008】
包装の大きさは、第1に内容物例えば医薬品チューブの大きさに応じて調整される。包装の長さ(l)は、一次容器の長さ(例えばチューブ長さ)の最大110%である。従って10cmのチューブ長さの場合、包装は、11cmよりも長くない。好適には、包装の長さは、チューブ長さの105%よりも長くなく、特に好適にはチューブ長さの103%よりも長くない。
【0009】
直方体の高さ(h)は、通常、一次容器例えばチューブの最大高さの110%を超えない。例:20mmの最大チューブ高さの場合、医薬品包装高さは、22mmを超えない。本発明の好適な態様では、最大包装高さは、一次包装の高さの105%である。特に好適な態様では、一次容器の103%を超えない。
【0010】
直方体の幅(b)は、通常、一次容器例えばチューブの最大幅の125%を超えない。例:20mmの最大チューブ幅の場合、医薬品包装高さは、25mmを超えない。本発明の好適な態様では、最大包装幅は、一次包装の幅の110%である。特に好適な態様では、一次包装の107.5%を超えない。
【0011】
本発明の特に好適な態様によれば、本発明による包装は、追加的に、追加物品例えばアプリケータを収容するためのスペース(ZK)を備える。この場合、医薬品包装の全幅は、一次製品(例えばチューブ)用の収容スペースの幅(収容スペースの幅は上述のように特定される)と、アプリケータ用のスペースの幅(bZK)との合計である。この場合、アプリケータ(SZK)用の別ののぞき窓を設けてもよい。
【0012】
のぞき窓(S)の大きさは、一次容器の最大限可能な目視による点検を実現するために最大の開口部が得られるように、また同時に一次容器が外装を破損せずには落下せず、かつ取り出すことができないように設定されている。このような特徴により、一次製品の取り違えが生じることがないように保証される。そのためにのぞき窓は、のぞき窓(hS)の最大高さが一次容器の長さの最大70%であるように、設定されている。好適な態様では、のぞき窓の高さは、一次容器の長さ(例えばチューブ長さ)の60%である。最小30%の本発明による包装によるチューブの残りの部分をカバーする領域(ストリップSoおよびSuとして構成された)は、通常、チューブの上側および下側で略同じ部分に設けられる。10.5cmの包装長さの場合、例えばチューブの両端部は約2.0cm厚紙で覆われている(SoおよびSuはそれぞれ2.0cmである)。もちろんのぞき窓は、これとは別の形で構成してもよく、その際、一次容器の落下または取出しを確実に防止するために、必ず一次容器の長さの約10%を下回って覆うことがないように構成することが重要である。
【0013】
別の寸法設定の詳細は、発明に携わる必要がなくても、包装用品分野の当業者により、一般的なパラメータ例えば物品厚さを考慮して容易に決定することができる。
【0014】
本発明による包装の最も重要な特徴は、外装を破損せずには一次容器を取り出すことができない、ということにある。先ずそのために端部舌片(EL)の接着が役立つ。接着により、舌片を開くことにより包装を開封することが防止される。さらに本発明による外装は、包装の少なくとも1つの側面(SF)にミシン目(P)を備える。ミシン目(P)は、一次容器(例えばチューブ)を取り出すために医薬品外装に引張り力が加えられる場合に、目標破断箇所として働く。これにより、引張り力を外装に加えることにより一次容器を取り出そうとする試みによりミシン目(P)が破断され、ひいてはそのような取出しの試みが行われたことが明示される。したがって薬剤師やエンドユーザーは、提供時に、提供される医薬品が依然として元来の包装の形で包装されているか否か簡単にチェックすることができる。もちろん、必須ではないが、のぞき窓の両側に相応のミシン目を設けてもよい。
【0015】
同様に、包装の複数の面にのぞき窓を設けることもできる。安定性の理由から、通常、3つ以上ののぞき窓が設けられることはない。
【0016】
場合によっては添付されるアプリケータ自体は、追加スペースに設けることができる。追加スペースのために、サイズ比を別の形で構成してもよい。この場合でも、医薬品外装を破損せずに追加物品(例えばアプリケータ)を取り出すことができない、ということが重要である。このことは、10cmの長さを有するアプリケータの場合、2.5cmの長さを有する別のぞき窓(SZK)により確保される。このようにして、包装にアプリケータが添付され、同時にこれが落下または取出し不能である、ということが視覚的に確認される。一般的に、追加スペース(SZK)ののぞき開口の高さは、添付された物品(たとえばアプリケータ)の長さの20%〜60%であってよい。
【0017】
使用
本発明による包装は、好適には、前述のように医薬品分野で用いられる。さらに一次包装の目視による検査が所望される別の分野例えば食品分野で用いることも考えられる。
【0018】
製造
本発明による包装の製造は、厚紙または段ボールまたは類似の材料(例えば複合材料)から、専門家にとって周知の方法で行われる。そのために任意の材料(例えば厚紙、段ボールまたは複合材料)のシートが打ち抜かれる。考えられる打抜き形状は、図3および図4に例示している。シートは、一般的な方法で機械式に折り畳まれ、舌片で持続的に固定され、例えば接着されるかまたは貼り合わされる。包装の背面(ミシン目の間ののぞき窓に対して反対側)では、好適には1つの条溝(R)が押込み加工される。条溝は、ミシン目開封後の厚紙の折りを容易にする。条溝は、ミシン目の他に、包装の1つの端部を僅かに引張るだけでミシン目が開封され、厚紙が背面で相応に折られるために働くので、したがって、条溝は、ミシン目に対して補足的に安全印として働く。所望の場合、本発明による包装は、追加的にセロハンフィルムまたは同等の透明フィルムで包むことができる。選択的に、のぞき窓(S)だけを透明フィルムで覆ってもよい。この場合、フィルムは、好適には包装の内側に取り付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明による医薬品外装の打抜きシートを示す図である(符号なし)。
【図2】本発明による医薬品外装の打抜きシートを示す図である(符号付き)。
【図3】追加スペースを有する特に好適な本発明による医薬品外装の打抜きシートを示す図である(符号なし)。
【図4】追加スペースを有する特に好適な本発明による医薬品外装の打抜きシートを示す図である(符号付き)。
【図5a】ミシン目が破られた状態で追加スペース(内容物:アプリケータ)を有する特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を示す図である。
【図5b】ミシン目が破られた状態で追加スペース(内容物:アプリケータ)を有する特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を示す図である。
【図6a】ミシン目が破られた状態で追加スペース(内容物:アプリケータ)を有する特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を示す図である。
【図6b】ミシン目が破られた状態で追加スペース(内容物:アプリケータ)を有する特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を示す図である。
【図7a】ミシン目が破られた状態で追加スペース(内容物:アプリケータ)を有する特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を示す図である。
【図7b】ミシン目が破られた状態で追加スペース(内容物:アプリケータ)を有する特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を示す図である。
【図8a】ミシン目が破損されていない状態で追加スペース(内容物:アプリケータ)を有する特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を正面側から示す図である。
【図8b】ミシン目が破損されていない状態で追加スペース(内容物:アプリケータ)を有する特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を正面側から示す図である。
【図9a】ミシン目が破損されていない状態で追加スペース(内容物:アプリケータ)を有する特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を背面側から示す図である。
【図9b】ミシン目が破損されていない状態で追加スペース(内容物:アプリケータ)を有する特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を背面側から示す図である。
【図10a】ミシン目が破損されていない状態で追加スペース(内容物:アプリケータ)を有する特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を上側から示す図である。
【図10b】ミシン目が破損されていない状態で追加スペース(内容物:アプリケータ)を有する特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を上側から示す図である。
【図11a】ミシン目が破損されていない状態で追加スペース(内容物:アプリケータ)を有する特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を下側から示す図である。
【図11b】ミシン目が破損されていない状態で追加スペース(内容物:アプリケータ)を有する特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を下側から示す図である。
【図12a】ミシン目が破損されていない状態で追加スペース(内容物:アプリケータ)を有する特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を右側から示す図である。
【図12b】ミシン目が破損されていない状態で追加スペース(内容物:アプリケータ)を有する特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を右側から示す図である。
【図13a】ミシン目が破損されていない状態で追加スペース(内容物:アプリケータ)を有する特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を左側から示す図である。
【図13b】ミシン目が破損されていない状態で追加スペース(内容物:アプリケータ)を有する特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を左側から示す図である。
【図14a】ミシン目が破損されていない状態で特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を正面側から示す図である。
【図14b】ミシン目が破損されていない状態で特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を正面側から示す図である。
【図15a】ミシン目が破損されていない状態で特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を背面側から示す図である。
【図15b】ミシン目が破損されていない状態で特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を背面側から示す図である。
【図16a】ミシン目が破損されていない状態で特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を右側から示す図である。
【図16b】ミシン目が破損されていない状態で特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を右側から示す図である。
【図17a】ミシン目が破損されていない状態で特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を左側から示す図である。
【図17b】ミシン目が破損されていない状態で特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を左側から示す図である。
【図18a】ミシン目が破損されていない状態で特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を下側から示す図である。
【図18b】ミシン目が破損されていない状態で特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を下側から示す図である。
【図19a】ミシン目が破損されていない状態で特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を上側から示す図である。
【図19b】ミシン目が破損されていない状態で特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を上側から示す図である。
【符号の説明】
【0020】
b 本発明による包装の幅
bZK 追加スペースの幅
EL 差込み舌片
h 本発明による包装の高さ
hS のぞき窓の高さ
l 本発明による包装の長さ
P ミシン目
R 条溝
RF 背面
S のぞき窓
SF 側面
So のぞき窓の上側の保持ストリップ
Su のぞき窓の下側の保持ストリップ
SZK 追加スペースののぞき窓
ZK 追加スペース
【技術分野】
【0001】
本発明は、提供時に医薬品の視覚的な検査を実現し同時に医薬品(および場合によっては添付物品)の誤った提供を防止するのぞき窓ならびに医薬品包装の意図的なまたは不意の開封を表示する安全印を備える医薬品包装に関する。
【0002】
背景技術および従来技術
医薬品包装は、通常、一次容器例えばチューブまたはブリスターパックから成る。このような一次容器は、通常、二次容器例えば厚紙内で包装される。二次容器は、複数の目的を満たす。その目的として、破損および/または汚れに対する一次容器の保護、重ね置きの可能性、補足的な情報を印刷する可能性、ならびに補足的な物品を添付する可能性、例えば使用情報を含む添付の使用説明書および/または追加的な物品例えば1つまたは複数のアプリケータを添付する可能性が挙げられる。アプリケータを添付する場合、二次容器による医薬品外装は、特別な方法で衛生状態を保つ働きも有する。
【0003】
医薬品をエンドユーザーに提供する際に、日本では、多くの場合、引き渡される医薬品特に一次容器を目視により検査する必要がある。日本では、提供する薬剤師がそのような検査を行う必要がある。その際、提供すべき医薬品が必要性(例えば処方箋)と一致しているか否か、また提供される容器に破損があるか否かチェックされる。そのために従来の医薬品包装では、検査を行うために、医薬品容器(例えば医薬品チューブ)を外装(例えば厚紙)から取り出す必要がある。先ずこれにはある程度の時間が掛かる。さらに包装された医薬品を二次包装から分離することにより、提供を間違える恐れがある。例えば一次容器(たとえばチューブ)が取り違えられること、または開封後に破損されること、添付の使用説明書が取り違えられることまたは添付され忘れること、もしくは一次容器に任意の追加物品(例えばあらゆる種類のアプリケータ)が添付されないことまたは誤って添付されることが考えられる。
【0004】
日本では、一次容器を厚紙から取り出して、厚紙を除いて提供するのが通常の業務である。このような業務は、とりわけ外装が日本の規定に従って、もしくは目視による検査を行うための慣用の手順に従って開封したことを証明することには役立つが、前述の問題が生じる。
【0005】
前述の欠点および原価の抑制に基づいて、前述の欠点を克服する新たな包装に対する要求が存在する。
【0006】
発明の説明
後述の実施の態様および特許請求の範囲に記載するようなのぞき窓を有する医薬品包装が前述の問題を解決することが判った。この医薬品包装は、目視により検査を行うためにできるだけ大きな開口を備え、しかも同時にもはや一次容器を二次包装から取り出す必要がなく、したがって破損から保護された状態で維持されるよう保証する、のぞき窓を有する医薬品包装である。このようにして取り違えが起こることも防止される。さらにまた、アプリケータまたは別の添付物品が医薬品容器から分離される、ということも防止される。
【0007】
本発明による医薬品包装は、略直方体状に形成されている。直方体の少なくとも1つの面は、1つののぞき窓(S)を備えて形成されている。最も簡単な場合、窓は、1つの直方体面の長方形の打抜き部である。好適な態様では、図面に例示するように、打抜き部の1つまたは複数の辺は、カーブしていてもよい。専門家にとって明らかなように、打抜き部は、のぞき窓の上側および下側に、依然として保持ストリップ(So,Su)として二次包装のストリップが残るように形成されている。
【0008】
包装の大きさは、第1に内容物例えば医薬品チューブの大きさに応じて調整される。包装の長さ(l)は、一次容器の長さ(例えばチューブ長さ)の最大110%である。従って10cmのチューブ長さの場合、包装は、11cmよりも長くない。好適には、包装の長さは、チューブ長さの105%よりも長くなく、特に好適にはチューブ長さの103%よりも長くない。
【0009】
直方体の高さ(h)は、通常、一次容器例えばチューブの最大高さの110%を超えない。例:20mmの最大チューブ高さの場合、医薬品包装高さは、22mmを超えない。本発明の好適な態様では、最大包装高さは、一次包装の高さの105%である。特に好適な態様では、一次容器の103%を超えない。
【0010】
直方体の幅(b)は、通常、一次容器例えばチューブの最大幅の125%を超えない。例:20mmの最大チューブ幅の場合、医薬品包装高さは、25mmを超えない。本発明の好適な態様では、最大包装幅は、一次包装の幅の110%である。特に好適な態様では、一次包装の107.5%を超えない。
【0011】
本発明の特に好適な態様によれば、本発明による包装は、追加的に、追加物品例えばアプリケータを収容するためのスペース(ZK)を備える。この場合、医薬品包装の全幅は、一次製品(例えばチューブ)用の収容スペースの幅(収容スペースの幅は上述のように特定される)と、アプリケータ用のスペースの幅(bZK)との合計である。この場合、アプリケータ(SZK)用の別ののぞき窓を設けてもよい。
【0012】
のぞき窓(S)の大きさは、一次容器の最大限可能な目視による点検を実現するために最大の開口部が得られるように、また同時に一次容器が外装を破損せずには落下せず、かつ取り出すことができないように設定されている。このような特徴により、一次製品の取り違えが生じることがないように保証される。そのためにのぞき窓は、のぞき窓(hS)の最大高さが一次容器の長さの最大70%であるように、設定されている。好適な態様では、のぞき窓の高さは、一次容器の長さ(例えばチューブ長さ)の60%である。最小30%の本発明による包装によるチューブの残りの部分をカバーする領域(ストリップSoおよびSuとして構成された)は、通常、チューブの上側および下側で略同じ部分に設けられる。10.5cmの包装長さの場合、例えばチューブの両端部は約2.0cm厚紙で覆われている(SoおよびSuはそれぞれ2.0cmである)。もちろんのぞき窓は、これとは別の形で構成してもよく、その際、一次容器の落下または取出しを確実に防止するために、必ず一次容器の長さの約10%を下回って覆うことがないように構成することが重要である。
【0013】
別の寸法設定の詳細は、発明に携わる必要がなくても、包装用品分野の当業者により、一般的なパラメータ例えば物品厚さを考慮して容易に決定することができる。
【0014】
本発明による包装の最も重要な特徴は、外装を破損せずには一次容器を取り出すことができない、ということにある。先ずそのために端部舌片(EL)の接着が役立つ。接着により、舌片を開くことにより包装を開封することが防止される。さらに本発明による外装は、包装の少なくとも1つの側面(SF)にミシン目(P)を備える。ミシン目(P)は、一次容器(例えばチューブ)を取り出すために医薬品外装に引張り力が加えられる場合に、目標破断箇所として働く。これにより、引張り力を外装に加えることにより一次容器を取り出そうとする試みによりミシン目(P)が破断され、ひいてはそのような取出しの試みが行われたことが明示される。したがって薬剤師やエンドユーザーは、提供時に、提供される医薬品が依然として元来の包装の形で包装されているか否か簡単にチェックすることができる。もちろん、必須ではないが、のぞき窓の両側に相応のミシン目を設けてもよい。
【0015】
同様に、包装の複数の面にのぞき窓を設けることもできる。安定性の理由から、通常、3つ以上ののぞき窓が設けられることはない。
【0016】
場合によっては添付されるアプリケータ自体は、追加スペースに設けることができる。追加スペースのために、サイズ比を別の形で構成してもよい。この場合でも、医薬品外装を破損せずに追加物品(例えばアプリケータ)を取り出すことができない、ということが重要である。このことは、10cmの長さを有するアプリケータの場合、2.5cmの長さを有する別のぞき窓(SZK)により確保される。このようにして、包装にアプリケータが添付され、同時にこれが落下または取出し不能である、ということが視覚的に確認される。一般的に、追加スペース(SZK)ののぞき開口の高さは、添付された物品(たとえばアプリケータ)の長さの20%〜60%であってよい。
【0017】
使用
本発明による包装は、好適には、前述のように医薬品分野で用いられる。さらに一次包装の目視による検査が所望される別の分野例えば食品分野で用いることも考えられる。
【0018】
製造
本発明による包装の製造は、厚紙または段ボールまたは類似の材料(例えば複合材料)から、専門家にとって周知の方法で行われる。そのために任意の材料(例えば厚紙、段ボールまたは複合材料)のシートが打ち抜かれる。考えられる打抜き形状は、図3および図4に例示している。シートは、一般的な方法で機械式に折り畳まれ、舌片で持続的に固定され、例えば接着されるかまたは貼り合わされる。包装の背面(ミシン目の間ののぞき窓に対して反対側)では、好適には1つの条溝(R)が押込み加工される。条溝は、ミシン目開封後の厚紙の折りを容易にする。条溝は、ミシン目の他に、包装の1つの端部を僅かに引張るだけでミシン目が開封され、厚紙が背面で相応に折られるために働くので、したがって、条溝は、ミシン目に対して補足的に安全印として働く。所望の場合、本発明による包装は、追加的にセロハンフィルムまたは同等の透明フィルムで包むことができる。選択的に、のぞき窓(S)だけを透明フィルムで覆ってもよい。この場合、フィルムは、好適には包装の内側に取り付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明による医薬品外装の打抜きシートを示す図である(符号なし)。
【図2】本発明による医薬品外装の打抜きシートを示す図である(符号付き)。
【図3】追加スペースを有する特に好適な本発明による医薬品外装の打抜きシートを示す図である(符号なし)。
【図4】追加スペースを有する特に好適な本発明による医薬品外装の打抜きシートを示す図である(符号付き)。
【図5a】ミシン目が破られた状態で追加スペース(内容物:アプリケータ)を有する特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を示す図である。
【図5b】ミシン目が破られた状態で追加スペース(内容物:アプリケータ)を有する特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を示す図である。
【図6a】ミシン目が破られた状態で追加スペース(内容物:アプリケータ)を有する特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を示す図である。
【図6b】ミシン目が破られた状態で追加スペース(内容物:アプリケータ)を有する特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を示す図である。
【図7a】ミシン目が破られた状態で追加スペース(内容物:アプリケータ)を有する特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を示す図である。
【図7b】ミシン目が破られた状態で追加スペース(内容物:アプリケータ)を有する特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を示す図である。
【図8a】ミシン目が破損されていない状態で追加スペース(内容物:アプリケータ)を有する特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を正面側から示す図である。
【図8b】ミシン目が破損されていない状態で追加スペース(内容物:アプリケータ)を有する特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を正面側から示す図である。
【図9a】ミシン目が破損されていない状態で追加スペース(内容物:アプリケータ)を有する特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を背面側から示す図である。
【図9b】ミシン目が破損されていない状態で追加スペース(内容物:アプリケータ)を有する特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を背面側から示す図である。
【図10a】ミシン目が破損されていない状態で追加スペース(内容物:アプリケータ)を有する特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を上側から示す図である。
【図10b】ミシン目が破損されていない状態で追加スペース(内容物:アプリケータ)を有する特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を上側から示す図である。
【図11a】ミシン目が破損されていない状態で追加スペース(内容物:アプリケータ)を有する特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を下側から示す図である。
【図11b】ミシン目が破損されていない状態で追加スペース(内容物:アプリケータ)を有する特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を下側から示す図である。
【図12a】ミシン目が破損されていない状態で追加スペース(内容物:アプリケータ)を有する特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を右側から示す図である。
【図12b】ミシン目が破損されていない状態で追加スペース(内容物:アプリケータ)を有する特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を右側から示す図である。
【図13a】ミシン目が破損されていない状態で追加スペース(内容物:アプリケータ)を有する特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を左側から示す図である。
【図13b】ミシン目が破損されていない状態で追加スペース(内容物:アプリケータ)を有する特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を左側から示す図である。
【図14a】ミシン目が破損されていない状態で特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を正面側から示す図である。
【図14b】ミシン目が破損されていない状態で特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を正面側から示す図である。
【図15a】ミシン目が破損されていない状態で特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を背面側から示す図である。
【図15b】ミシン目が破損されていない状態で特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を背面側から示す図である。
【図16a】ミシン目が破損されていない状態で特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を右側から示す図である。
【図16b】ミシン目が破損されていない状態で特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を右側から示す図である。
【図17a】ミシン目が破損されていない状態で特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を左側から示す図である。
【図17b】ミシン目が破損されていない状態で特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を左側から示す図である。
【図18a】ミシン目が破損されていない状態で特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を下側から示す図である。
【図18b】ミシン目が破損されていない状態で特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を下側から示す図である。
【図19a】ミシン目が破損されていない状態で特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を上側から示す図である。
【図19b】ミシン目が破損されていない状態で特に好適な本発明による医薬品外装(内容物:チューブ)を上側から示す図である。
【符号の説明】
【0020】
b 本発明による包装の幅
bZK 追加スペースの幅
EL 差込み舌片
h 本発明による包装の高さ
hS のぞき窓の高さ
l 本発明による包装の長さ
P ミシン目
R 条溝
RF 背面
S のぞき窓
SF 側面
So のぞき窓の上側の保持ストリップ
Su のぞき窓の下側の保持ストリップ
SZK 追加スペースののぞき窓
ZK 追加スペース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
のぞき窓(S)を備える直方体状の二次包装手段であって、
一次製品の長さの最大110%である長さlを有し、
一次製品の高さの最大110%である高さhを有し、
一次製品の幅の最大125%である幅bを有し、
二次包装手段の正面側に少なくとも1つののぞき窓(S)を備え、前記のぞき窓の高さ(hS)は、二次包装手段の高さの最大70%であり、前記のぞき窓の上側および下側に、一次製品を保持するそれぞれ1つの保持ストリップ(So,Su)を備え、前記保持ストリップ(So,Su)の幅の合計は、一次製品の高さの30〜40%であり、両方の前記保持ストリップ(So,Su)は、略同一の幅を有し、
二次包装手段の少なくとも1つの側面(SF)にミシン目(P)を備え、
接着された端部舌片(EL)を備える、
ことを特徴とする、のぞき窓(S)を備える直方体状の二次包装手段。
【請求項2】
のぞき窓(SZK)を有する追加スペース(ZK)を備え、前記のぞき窓は、前記のぞき窓(SZK)の高さの20〜60%の高さを有する、請求項1記載の直方体状の二次包装手段。
【請求項3】
前記ミシン目(P)の高さで背面(RF)に条溝(R)を備える、請求項1記載の直方体状の二次包装手段。
【請求項4】
前記のぞき窓に透明フィルムが取り付けられている、請求項1から3のいずれか1項記載の直方体状の二次包装手段。
【請求項5】
医薬品ブリスタまたは医薬品チューブを包装するための、請求項1から4のいずれか1項記載ののぞき窓(S)を備える直方体状の二次包装手段の使用。
【請求項1】
のぞき窓(S)を備える直方体状の二次包装手段であって、
一次製品の長さの最大110%である長さlを有し、
一次製品の高さの最大110%である高さhを有し、
一次製品の幅の最大125%である幅bを有し、
二次包装手段の正面側に少なくとも1つののぞき窓(S)を備え、前記のぞき窓の高さ(hS)は、二次包装手段の高さの最大70%であり、前記のぞき窓の上側および下側に、一次製品を保持するそれぞれ1つの保持ストリップ(So,Su)を備え、前記保持ストリップ(So,Su)の幅の合計は、一次製品の高さの30〜40%であり、両方の前記保持ストリップ(So,Su)は、略同一の幅を有し、
二次包装手段の少なくとも1つの側面(SF)にミシン目(P)を備え、
接着された端部舌片(EL)を備える、
ことを特徴とする、のぞき窓(S)を備える直方体状の二次包装手段。
【請求項2】
のぞき窓(SZK)を有する追加スペース(ZK)を備え、前記のぞき窓は、前記のぞき窓(SZK)の高さの20〜60%の高さを有する、請求項1記載の直方体状の二次包装手段。
【請求項3】
前記ミシン目(P)の高さで背面(RF)に条溝(R)を備える、請求項1記載の直方体状の二次包装手段。
【請求項4】
前記のぞき窓に透明フィルムが取り付けられている、請求項1から3のいずれか1項記載の直方体状の二次包装手段。
【請求項5】
医薬品ブリスタまたは医薬品チューブを包装するための、請求項1から4のいずれか1項記載ののぞき窓(S)を備える直方体状の二次包装手段の使用。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【図10a】
【図10b】
【図11a】
【図11b】
【図12a】
【図12b】
【図13a】
【図13b】
【図14a】
【図14b】
【図15a】
【図15b】
【図16a】
【図16b】
【図17a】
【図17b】
【図18a】
【図18b】
【図19a】
【図19b】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【図10a】
【図10b】
【図11a】
【図11b】
【図12a】
【図12b】
【図13a】
【図13b】
【図14a】
【図14b】
【図15a】
【図15b】
【図16a】
【図16b】
【図17a】
【図17b】
【図18a】
【図18b】
【図19a】
【図19b】
【公表番号】特表2013−520375(P2013−520375A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−554369(P2012−554369)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【国際出願番号】PCT/EP2011/052927
【国際公開番号】WO2011/104385
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(512279589)イントラサーヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (1)
【氏名又は名称原語表記】Intraserv GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Lilienthalstrasse 4, D−12529 Schoenfeld OT Waltersdorf, Germany
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【国際出願番号】PCT/EP2011/052927
【国際公開番号】WO2011/104385
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(512279589)イントラサーヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (1)
【氏名又は名称原語表記】Intraserv GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Lilienthalstrasse 4, D−12529 Schoenfeld OT Waltersdorf, Germany
【Fターム(参考)】
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