説明

ひずみ及び温度の測定装置

【課題】ひずみゲージに接続したリード線で熱電対を形成し、測定対象物もしくはひずみゲージ式変換器の起歪体のひずみと温度とを同時に測定することができ、ひいては、測定中に温度が変化する場合でも測定対象物のひずみ、もしくはひずみゲージ式変換器の起歪体のひずみを生ぜしめる物理量を容易に精度良く求めることができる測定装置を提供する。
【解決手段】ひずみゲージ1を有するブリッジ回路7を1ゲージ3線法に従って形成し、ひずみゲージ1に接続される3本のリード線2a〜2cのうち2本を相互に異種材とすることでひずみゲージ1の近傍に熱電対の接点を形成する。ブリッジ回路7の電源である交流電源9を備え、ブリッジ回路7の出力電圧信号の交流成分から測定対象物のひずみに応じた信号を出力し、ブリッジ回路7の出力電圧信号の直流成分から測定対象物の温度に応じた信号を出力する。ブリッジ回路7の構成手法は2ゲージ法、4ゲージ法でもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は機械、建築、土木等の分野で各種材料や構造物の強度、挙動、安全性等を調べるために、該各種材料又は該構造物の温度を測定すると共に、該各種材料又は該構造物のひずみ、変位、荷重、圧力、トルク等の物理量を測定する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物体に生じるひずみを抵抗式ひずみゲージ(ひずみに応じて抵抗値が変化するひずみゲージ)を用いて測定する場合、物体に貼着するひずみゲージの微小な抵抗値変化を検出するために、通常、そのひずみゲージを含むブリッジ回路(詳しくはホイートストンブリッジ回路)が用いられる。そして、前記ブリッジ回路に電源電圧を印加しつつ、ひずみゲージの抵抗値変化に応じた電圧信号をブリッジ回路から出力させ、該電圧信号(該電圧信号を増幅してなる電圧信号)に基づいてひずみ測定を行うようにしている。このようなひずみ測定では、ひずみゲージは通常、ブリッジ回路にリード線等の接続線を介して組み込まれ、ブリッジ回路は、該ブリッジ回路に電源電圧を印加したり、該ブリッジ回路の出力電圧信号を処理する測定器にリード線等の接続線を介して接続される。
【0003】
このようなひずみ測定において、測定環境や測定時の測定対象物の変形等の影響により、測定対象物が温度変化を伴い、ひずみゲージの温度も変化する場合がある。この場合、ひずみゲージには測定対象物のひずみに起因した抵抗値変化に加え、温度変化に起因した抵抗値変化が生じる。このため、ブリッジ回路の出力電圧から測定対象物のひずみを求めるときに無視できない程度の誤差が含まれることがある。
【0004】
そこで、ひずみゲージの温度特性を予め調べておき、測定対象物の近傍にひずみゲージとは別に温度センサ(熱電対)を設置して温度を測定し、該温度特性により生じる誤差を補正する測定方法が知られている。しかし、この測定方法においては、ひずみゲージ用のリード線に加えて熱電対用のリード線を別途に測定対象物の近傍まで延長する必要がある。このため、設置作業に手間が掛かったり、コストが嵩んだりし、また、熱電対接点をひずみゲージ近傍に設置できない場合には測定精度が低下する恐れがあるといった問題がある。
【0005】
このような問題を解決するために、ひずみゲージに接続したリード線で熱電対を形成し、測定対象物のひずみと共に温度を測定する方法が本願出願人により提案されている(例えば特許文献1)。この特許文献1のひずみ測定方法では、測定対象物に貼着されるひずみゲージを1ゲージ3線法、2ゲージ法、4ゲージ法のいずれかの結線方法を用いて結線して形成されたブリッジ回路を用い、それらのリード線のうち2本を相互に異種材とすることで該ひずみゲージの近傍に熱電対の接点を形成する。そして、ブリッジ電源電圧(直流電圧)の印加時の前記ブリッジ回路の出力電圧と、ブリッジ電源電圧の無印加時の前記熱電対の出力電圧とを用いて、ひずみと温度とを求めている。なお、4ゲージ法は通常、測定対象物のひずみを直接測定する以外に、測定対象物の変位、荷重、圧力等の物理量を測定するためのひずみゲージ式変換器を形成する際に用いられる。ひずみゲージ式変換器は、ブリッジ回路を形成する4枚のひずみゲージを起歪体に貼着して形成されるものであり、測定対象物の物理量に応じて該起歪体がひずみを生じるように設置され、該起歪体のひずみから測定対象物の物理量を測定する。
【0006】
しかしながら、特許文献1の測定方法では、ブリッジ電源電圧の印加時にひずみを測定し、ブリッジ電源電圧の無印加時に温度を測定するため、ひずみと温度とは同時に測定することができない。このため、ひずみ測定中に温度が変化する場合には、ひずみゲージの温度特性により生じる誤差を適切に補正してひずみを求めることができないという不都合があった。特に、動的に変化する(時間的に変化する)ひずみ、もしくは、ひずみゲージ式変換器の起歪体のひずみを生ぜしめる物理量を測定する場合に、上記の不都合が顕著になる。
【特許文献1】特開2000−009552号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる不都合を解消して、ひずみゲージに接続したリード線で熱電対を形成し、測定対象物もしくはひずみゲージ式変換器の起歪体のひずみと温度とを同時に測定することができ、ひいては、測定中に温度が変化する場合でも測定対象物のひずみ、もしくは、ひずみゲージ式変換器の起歪体のひずみを生ぜしめる物理量を容易に精度良く求めることができる測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための本発明の第1態様のひずみ及び温度の測定装置は、測定対象物に貼着される1枚のひずみゲージを有するブリッジ回路を1ゲージ3線法に従って形成し、該1枚のひずみゲージに接続される3本のリード線のうち2本のリード線を相互に異種材とすることで該ひずみゲージの近傍に熱電対の接点を形成し、該ブリッジ回路の出力電圧信号から該測定対象物のひずみ及び温度を求める測定装置であって、前記ブリッジ回路の電源である交流電源と、該交流電源から電源電圧を印加した該ブリッジ回路の出力電圧信号のうちの交流電圧成分を検出し、該検出した交流電圧成分から前記測定対象物のひずみに応じた信号を出力するひずみ信号出力手段と、該ブリッジ回路の出力電圧信号のうちの直流電圧成分を検出し、該検出した直流電圧成分から該測定対象物の温度に応じた信号を出力する温度信号出力手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
前記第1態様のひずみ及び温度の測定装置によれば、測定対象物に貼着される1枚のひずみゲージを有するブリッジ回路を1ゲージ3線法に従って形成する。すなわち、前記1枚のひずみゲージを1辺に有し、他の3辺にそれぞれ固定抵抗値の抵抗体を有するブリッジ回路が形成される。前記1枚のひずみゲージには、該1枚のひずみゲージと他の抵抗体とを接続してブリッジ回路を形成するための2本のリード線と、ブリッジ回路の出力電圧を取り出すためのリード線との、合計3本のリード線が接続される。このとき、前記ひずみゲージに接続される3本のリード線のうち2本のリード線を相互に異種材とすることで該ひずみゲージの近傍(より詳しくは、異種材とした2本のリード線の、ひずみゲージ側の端部。ただし、前記2本のリード線の端部の間に含まれるひずみゲージ及び配線も含まれる)に熱電対の接点を形成する。
【0010】
そして、前記第1態様のひずみ及び温度の測定装置によれば、測定対象物のひずみに応じてひずみゲージの抵抗値が変化し、該抵抗値の変化に応じてブリッジ回路の出力する電圧信号が変化する。また、測定対象物の温度に応じて、ひずみゲージの近傍に接点を形成した熱電対により熱起電力が生じ、該熱起電力に応じてブリッジ回路の出力する電圧信号が変化する。このとき、前記ブリッジ回路の電源として交流電源を用いているので、前記ひずみに応じた電圧信号の変化は、前記出力電圧信号のうちの交流成分(詳しくは該交流電源の電源電圧と同位相の交流成分)の振幅の変化として現れる。また、前記温度に応じた電圧信号の変化は、前記出力電圧信号のうちの直流成分の大きさの変化として現れる。換言すれば、前記交流電源から電源電圧を印加した前記ブリッジ回路の出力電圧信号は、これらの交流成分と直流成分とを合成したものとなる。よって、前記ひずみ信号出力手段によって、前記出力電圧信号のうちの交流成分を検出することで、ひずみゲージの抵抗値変化に応じた測定値信号を得ることができ、これにより、測定対象物のひずみを求めることができる。また、前記温度信号出力手段によって、前記出力電圧信号のうちの直流成分を検出することで、測定対象物の温度変化に応じた測定値信号を得ることができ、これにより、測定対象物の温度を求めることができる。従って、ひずみゲージに接続したリード線で熱電対を形成し、測定対象物のひずみと温度とを同時に測定することができ、ひいては、測定中に温度が変化する場合でも測定対象物のひずみを容易に精度良く求めることができる。
【0011】
また、前記課題を解決するための本発明の第2態様のひずみ及び温度の測定装置は、少なくとも一方が測定対象物に貼着される、直列接続された2枚のひずみゲージを有するブリッジ回路を2ゲージ法に従って形成し、該2枚のひずみゲージの直列回路に接続される3本のリード線のうち2本のリード線を相互に異種材とすることで該ひずみゲージの近傍に熱電対の接点を形成し、該ブリッジ回路の出力電圧信号から該測定対象物のひずみ及び温度を求める測定装置であって、前記ブリッジ回路の電源である交流電源と、該交流電源から電源電圧を印加した該ブリッジ回路の出力電圧信号のうちの交流電圧成分を検出し、該検出した交流電圧成分から前記測定対象物のひずみに応じた信号を出力するひずみ信号出力手段と、該ブリッジ回路の出力電圧信号のうちの直流電圧成分を検出し、該検出した直流電圧成分から該測定対象物の温度に応じた信号を出力する温度信号出力手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
前記第2態様のひずみ及び温度の測定装置によれば、少なくとも一方が測定対象物に貼着される、直列接続された2枚のひずみゲージを有するブリッジ回路を2ゲージ法に従って形成する。すなわち、該2枚のひずみゲージを隣接した2辺に有し、他の2辺にそれぞれ固定抵抗値の抵抗体を有するブリッジ回路が形成される。該2枚のひずみゲージの直列回路には、該2枚のひずみゲージと他の抵抗体とを接続してブリッジ回路を形成するための2本のリード線と、該2枚のひずみゲージを直列接続する接続部からブリッジ回路の出力電圧を取り出すためのリード線との、合計3本のリード線が接続される。このとき、該2枚のひずみゲージの直列回路に接続される3本のリード線のうち2本のリード線を相互に異種材とすることで該2枚のひずみゲージの近傍(より詳しくは、異種材とした2本のリード線の、ひずみゲージ側の端部。ただし、前記2本のリード線の端部の間に含まれるひずみゲージ及び配線も含まれる)に熱電対の接点を形成する。
【0013】
そして、前記第2態様のひずみ及び温度の測定装置によれば、前記第1態様と同様に、測定対象物のひずみに応じてひずみゲージの抵抗値が変化し、該抵抗値の変化に応じてブリッジ回路の出力する電圧信号が変化する。また、測定対象物の温度に応じて、ひずみゲージの近傍に接点を形成した熱電対により熱起電力が生じ、該熱起電力に応じてブリッジ回路の出力する電圧信号が変化する。このとき、前記ブリッジ回路の電源として交流電源を用いているので、前記ひずみに応じた電圧信号の変化は、前記出力電圧信号のうちの交流成分(詳しくは該交流電源の電源電圧と同位相の交流成分)の振幅の変化として現れる。また、前記温度に応じた電圧信号の変化は、前記出力電圧信号のうちの直流成分の大きさの変化として現れる。換言すれば、前記交流電源から電源電圧を印加した前記ブリッジ回路の出力電圧信号は、これらの交流成分と直流成分とを合成したものとなる。よって、前記ひずみ信号出力手段によって、前記出力電圧信号のうちの交流成分を検出することで、ひずみゲージの抵抗値変化に応じた測定値信号を得ることができ、これにより、測定対象物のひずみを求めることができる。また、前記温度信号出力手段によって、前記出力電圧信号のうちの直流成分を検出することで、測定対象物の温度変化に応じた測定値信号を得ることができ、これにより、測定対象物の温度を求めることができる。従って、ひずみゲージに接続したリード線で熱電対を形成し、測定対象物のひずみと温度とを同時に測定することができ、ひいては、測定中に温度が変化する場合でも測定対象物のひずみを容易に精度良く求めることができる。
【0014】
また、前記課題を解決するための本発明の第3態様のひずみ及び温度の測定装置は、測定対象物に貼着される4枚のひずみゲージを各辺に有するブリッジ回路を4ゲージ法に従って形成し、該ブリッジ回路に接続される4本のリード線のうち、該ブリッジ回路からの出力電圧信号を取り出すための2本のリード線を相互に異種材とすることで該4枚のひずみゲージの近傍に熱電対の接点を形成し、該ブリッジ回路の出力電圧信号から該測定対象物のひずみ及び温度を求める測定装置であって、前記ブリッジ回路の電源である交流電源と、該交流電源から電源電圧を印加した該ブリッジ回路の出力電圧信号のうちの交流電圧成分を検出し、該検出した交流電圧成分から前記測定対象物のひずみに応じた信号を出力するひずみ信号出力手段と、該ブリッジ回路の出力電圧信号のうちの直流電圧成分を検出し、該検出した直流電圧成分から該測定対象物の温度に応じた信号を出力する温度信号出力手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
前記第3態様のひずみ及び温度の測定装置によれば、測定対象物に貼着される4枚のひずみゲージを各辺に有するブリッジ回路を4ゲージ法に従って形成する。すなわち、該4枚のひずみゲージを各辺に有するブリッジ回路が形成され、該ブリッジ回路には、該ブリッジ回路に電源電圧を印加するための2本のリード線と、該ブリッジ回路から出力電圧を取り出すための2本のリード線との、合計4本のリード線が接続される。このとき、該ブリッジ回路からの出力電圧を取り出すための2本のリード線を相互に異種材とすることで該4枚のひずみゲージの近傍(より詳しくは、異種材とした2本のリード線の、ひずみゲージ側の端部。ただし、前記2本のリード線の端部の間に含まれるひずみゲージ及び配線も含まれる)に熱電対の接点を形成する。
【0016】
そして、前記第第3態様のひずみ及び温度の測定装置によれば、前記第1及び第2態様と同様に、測定対象物のひずみに応じてひずみゲージの抵抗値が変化し、該抵抗値の変化に応じてブリッジ回路の出力する電圧信号が変化する。また、測定対象物の温度に応じて、ひずみゲージの近傍に接点を形成した熱電対により熱起電力が生じ、該熱起電力に応じてブリッジ回路の出力する電圧信号が変化する。このとき、前記ブリッジ回路の電源として交流電源を用いているので、前記ひずみに応じた電圧信号の変化は、前記出力電圧信号のうちの交流成分(詳しくは該交流電源の電源電圧と同位相の交流成分)の振幅の変化として現れる。また、前記温度に応じた電圧信号の変化は、前記出力電圧信号のうちの直流成分の大きさの変化として現れる。換言すれば、前記交流電源から電源電圧を印加した前記ブリッジ回路の出力電圧信号は、これらの交流成分と直流成分とを合成したものとなる。よって、前記ひずみ信号出力手段によって、前記出力電圧信号のうちの交流成分を検出することで、ひずみゲージの抵抗値変化に応じた測定値信号を得ることができ、これにより、測定対象物のひずみを求めることができる。また、前記温度信号出力手段によって、前記出力電圧信号のうちの直流成分を検出することで、測定対象物の温度変化に応じた測定値信号を得ることができ、これにより、測定対象物の温度を求めることができる。従って、ひずみゲージに接続したリード線で熱電対を形成し、測定対象物のひずみと温度とを同時に測定することができ、ひいては、測定中に温度が変化する場合でも測定対象物のひずみを容易に精度良く求めることができる。
【0017】
また、前記課題を解決するための本発明の物理量及び温度の測定装置は、測定対象物の物理量に応じたひずみを生じる起歪体に貼着される4枚のひずみゲージを各辺に有し4ゲージ法に従って形成されたブリッジ回路を備えたひずみゲージ式変換器を形成し、該ひずみゲージ式変換器に接続される4本のリード線のうち、該ブリッジ回路からの出力電圧信号を取り出すための2本のリード線を相互に異種材とすることで該ひずみゲージ式変換器の近傍に熱電対の接点を形成し、該ブリッジ回路の出力電圧信号から該測定対象物の物理量及び温度を求める測定装置であって、前記ブリッジ回路の電源である交流電源と、該交流電源から電源電圧を印加した該ブリッジ回路の出力電圧信号のうちの交流電圧成分を検出し、該検出した交流電圧成分から前記起歪体のひずみに応じた信号を出力するひずみ信号出力手段と、該ブリッジ回路の出力電圧信号のうちの直流電圧成分を検出し、該検出した直流電圧成分から前記測定対象物の温度に応じた信号を出力する温度信号出力手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
前記物理量及び温度の測定装置によれば、測定対象物の物理量に応じたひずみを生じる起歪体に貼着される4枚のひずみゲージを各辺に有し4ゲージ法に従って形成されたブリッジ回路を備えたひずみゲージ式変換器を形成する。すなわち、前記第3態様と同様に、該4枚のひずみゲージを各辺に有するブリッジ回路が形成され、該ブリッジ回路には、該ブリッジ回路に電源電圧を印加するための2本のリード線と、該ブリッジ回路から出力電圧を取り出すための2本のリード線との、合計4本のリード線が接続される。このとき、該ブリッジ回路からの出力電圧を取り出すための2本のリード線を相互に異種材とすることで該ひずみゲージ式変換器の近傍(より詳しくは、異種材とした2本のリード線の、ひずみゲージ側の端部。ただし、前記2本のリード線の端部の間に含まれるひずみゲージ及び配線も含まれる)に熱電対の接点を形成する。
【0019】
また、前記物理量及び温度の測定装置によれば、測定対象物の物理量に応じてひずみゲージ式変換器の起歪体にひずみが生じ、該ひずみに応じてひずみゲージの抵抗値が変化し、該抵抗値の変化に応じてブリッジ回路の出力する電圧信号が変化する。また、測定対象物の温度に応じて、ひずみゲージの近傍に接点を形成した熱電対により熱起電力が生じ、該熱起電力に応じてブリッジ回路の出力する電圧信号が変化する。このとき、前記ブリッジ回路の電源として交流電源を用いているので、前記ひずみに応じた電圧信号の変化は、前記出力電圧信号のうちの交流成分(詳しくは該交流電源の電源電圧と同位相の交流成分)の振幅の変化として現れる。また、前記温度に応じた電圧信号の変化は、前記出力電圧信号のうちの直流成分の大きさの変化として現れる。換言すれば、前記交流電源から電源電圧を印加した前記ブリッジ回路の出力電圧信号は、これらの交流成分と直流成分とを合成したものとなる。よって、前記ひずみ信号出力手段によって、前記出力電圧信号のうちの交流成分を検出することで、ひずみゲージの抵抗値変化に応じた測定値信号を得ることができ、これにより、ひずみゲージ式変換器の起歪体のひずみを生ぜしめる測定対象物の物理量を求めることができる。また、前記温度信号出力手段によって、前記出力電圧信号のうちの直流成分を検出することで、測定対象物の温度変化に応じた測定値信号を得ることができ、これにより、測定対象物の温度を求めることができる。従って、ひずみゲージに接続したリード線で熱電対を形成し、ひずみゲージ式変換器の起歪体のひずみと温度を同時に測定することができ、ひいては、測定中に温度が変化する場合でも、ひずみゲージ式変換器の起歪体のひずみを生ぜしめる測定対象物の物理量を容易に精度良く求めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の一実施形態を添付の図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、本発明のひずみ及び温度の測定装置の第1実施形態についての全体構成を示すブロック図であり、図2は、図1の第1実施形態の変形例についての全体構成を示すブロック図である。また、図3は、本発明のひずみ及び温度の測定装置の第2実施形態についての全体構成を示すブロック図であり、図4は、図3の第2実施形態の変形例についての全体構成を示すブロック図である。また、図5は、本発明のひずみ及び温度の測定装置の第3実施形態についての全体構成を示すブロック図である。また、図6は、本発明の物理量及び温度の測定装置の実施形態についての全体構成を示すブロック図である。また、図7は、図1〜図6の測定装置の作動を説明するためのグラフである。
【0022】
まず、本発明の第1実施形態を図1を参照して説明する。本実施形態のひずみ及び温度の測定装置は、本発明の第1態様に係る測定装置であり、本実施形態では、1枚のひずみゲージを有するブリッジ回路が、いわゆる1ゲージ3線法に従って形成されている。
【0023】
図1を参照して、本実施形態のひずみ及び温度の測定装置は、ひずみに応じた抵抗値変化を生じる1枚の抵抗式ひずみゲージ1と、ひずみゲージ1を3本のリード線2a〜2cを介して接続するブリッジボックス3と、ブリッジボックス3内に収容された回路との間で電源電圧や電気信号の送受を行う測定器4とを備えている。なお、ブリッジボックス3と測定器4とは、一体に構成されていてもよい。
【0024】
ひずみゲージ1は、測定対象物(図示せず)に貼着されており、その一端の接続部1aを介してリード線2aに接続され、他端の接続部1bを介してリード線2b,2cに接続されている。リード線2a及び2bは銅線よりなり、リード線2cは例えばコンスタンタン線よりなり、リード線2a,2cの組及びリード線2b,2cの組は熱電対を形成する。なお、リード線2a及び2bをコンスタンタン線とし、リード線2cを銅線として熱電対を形成してもよい。または、リード線2a,2bのいずれか一方を銅線、他方をコンスタンタン線とし、リード線2cを銅線又はコンスタンタン線として熱電対を形成してもよい。ただし、ひずみ測定期間中にリード線2a及び2bの温度変化がある場合には、リード線2a及び2bの抵抗が変化するため、ひずみを精度よく測定するためには、リード線2aとリード線2bとを同種材とした方が望ましい。
【0025】
ブリッジボックス3には、ひずみゲージ1とブリッジボックス3とを1ゲージ3線法に従って接続するための接続端子3a〜3cが設けられており、3本のリード線2a〜2cは、接続端子3a〜3cにそれぞれ接続されている。また、ブリッジボックス3には、固定抵抗値の3つの抵抗体5,5,5を直列に接続してなる抵抗回路が収容されており、この抵抗回路にひずみゲージ1をリード線2a,2bを介して接続することで、ひずみゲージ1を一辺に含むブリッジ回路7を構成するようにしている。この場合、抵抗体5の抵抗値はひずみゲージ1の公称抵抗値(ひずみを生じていない状態での抵抗値)と同一の抵抗値とされている。
【0026】
また、ブリッジボックス3には、ブリッジ回路7へ電源電圧を外部(測定器4)から印加するための一対の電源入力端子6a,6bと、ブリッジ回路7の出力電圧信号を外部(測定器4)に出力するための一対の出力端子6c,6dとが設けられている。電源入力端子6a,6bはブリッジ回路7の一対の入力部7a,7bにそれぞれ接続されている。また、出力端子6cは、ブリッジ回路7の出力部7cに接続されており、出力端子6dは、ブリッジボックス3の接続端子3cに接続されている。補足すると、1ゲージ3線法では、出力部7cとひずみゲージ1の接続部1bとが、ブリッジ回路7の一対の出力部となっている。
【0027】
測定器4には、ブリッジ回路7へ電源電圧を印加するための出力端子4a,4bと、ブリッジ回路7の出力電圧信号を入力するための入力端子4c,4dとが設けられている。出力端子4a,4bは、ブリッジボックス3の電源入力端子6a,6bにそれぞれ接続されており、入力端子4c,4dは、ブリッジボックス3の出力端子6c,6dにそれぞれ接続されている。また、入力端子4c,4dは、リード線2a,2cの組及びリード線2b,2cの組により形成された熱電対の温度の基準となる接点(基準接点)であり、ほぼ同一の温度となるように設けられている。このリード線2a,2cの組及びリード線2b,2cの組により形成された熱電対によって、測定対象物の温度(基準接点の温度に対する相対温度)が、熱起電力として検出される。
【0028】
このとき、ブリッジボックス3内の回路に組み込まれる接続線及び、ブリッジボックス3と測定器4とを接続する接続線について、接続端子3cから測定器4の入力端子4dまでの接続線は、リード線2cと同種材の接続線とし、他の接続線はリード線2a及び2bと同種材の接続線とすることが望ましい。ただし、ブリッジボックス3内の温度及び、ブリッジボックス3と測定器4との間の温度が均一である場合には、必ずしも、接続端子3cから測定器4の入力端子4dまでの接続線を、リード線2cと同種材の接続線とし、他の接続線をリード線2a及び2bと同種材の接続線としなくともよい。
【0029】
また、測定器4には、ブリッジ回路7に交流の電源電圧を印加する交流電源9(以下、交流ブリッジ電源という)と、ブリッジ回路7の出力電圧信号のうちの交流成分を増幅する交流増幅回路10と、交流増幅回路10の出力からひずみゲージ1の抵抗値に応じた信号成分を検波する位相検波回路11と、位相検波回路11の出力信号を平滑化する平滑回路12とが設けられている。また、測定器4には、ブリッジ回路7の出力電圧信号のうちの直流成分を増幅する直流増幅回路13と、直流増幅回路13の出力信号を平滑化する平滑回路14とが設けられている。また、測定器4には、入力端子4c,4dの近傍に取り付けられた温度センサ15と、温度センサ15の出力に基づいて熱電対の温度の基準となる接点(基準接点)の温度を検知する接点温度検知部16と、接点温度検知部16の出力を用いて、平滑回路14の出力信号を零接点補償して測定対象物の温度(実温度)に応じたレベルの信号にする補正回路17とが設けられている。
【0030】
交流ブリッジ電源9は、その出力側が測定器4の一対の出力端子4a,4bに接続されており、ブリッジ回路7の一対の入力部7a,7b間へブリッジ回路7の電源電圧を印加する。
【0031】
交流増幅回路10は、その入力側が測定器4の一対の入力端子4c,4dに接続されており、ブリッジ回路7の出力電圧信号が入力される。交流増幅回路10は、ブリッジ回路7の出力電圧信号のうちの交流成分を抽出して増幅し、位相検波回路11に出力する。また、位相検波回路11は、交流増幅回路10の出力電圧信号から、ひずみゲージ1の抵抗値に応じた信号成分(ブリッジ回路7への電源電圧と同位相の交流成分)を検波し、それを全波整流して平滑回路12に出力する。ブリッジ回路7の出力電圧信号には、一般に、ひずみゲージ1の抵抗値に応じた信号成分以外に、ブリッジ回路7のリード線の容量等の影響による信号成分(容量成分)が含まれる。この容量成分は、ブリッジ回路7への電源電圧と位相の異なる成分となるため、ブリッジ回路7への電源電圧と同位相の交流成分を検波することにより、容量成分を除去して、ひずみゲージ1の抵抗値に応じた信号成分を得ることができる。また、平滑回路12は、位相検波回路11の出力(脈流)を平滑化して(位相検波回路11の出力(脈流)をその平均レベルに応じたレベルの信号に変換する)、その平滑化した信号を、ひずみゲージ1のひずみ値(ひずみゲージ1を貼着する測定対象物のひずみ値)を示すひずみ測定信号として出力する。
【0032】
直流増幅回路13は、交流増幅回路10と同様に、その入力側が測定器4の入力端子4c,4dに接続されており、ブリッジ回路7の出力電圧信号が入力される。直流増幅回路13は、ブリッジ回路7の出力電圧信号のうちの直流成分を抽出して増幅し、平滑回路14に出力する。また、平滑回路14は、直流増幅回路13の出力を平滑化して(直流増幅回路13の出力をその平均レベルに応じたレベルの信号に変換する)、測定対象物の温度(基準接点の温度に対する相対温度)に応じた信号として出力する。
【0033】
なお、本実施形態の交流増幅回路10、位相検波回路11、平滑回路12を合わせたものが、本発明のひずみ信号出力手段に相当し、直流増幅回路13、平滑回路14を合わせたものが、本発明の温度信号出力手段に相当する。
【0034】
次に、本実施形態のひずみ及び温度の測定装置の作動について、図7(a)〜(f)に示したグラフを参照して説明する。図7(a)はブリッジ回路7への電源電圧、図7(b)はブリッジ回路7の出力電圧、図7(c)は交流増幅回路10の出力電圧、図7(d)は位相検波回路11の出力電圧、図7(e)は平滑回路12の出力電圧(ひずみ測定信号)、図7(f)は平滑回路14の出力電圧(測定対象物の温度に応じた信号)の信号波形を示すグラフであり、横軸は時間を、縦軸は電圧を示す。
【0035】
まず、交流ブリッジ電源9からブリッジ回路7に電源電圧が印加される。前記ブリッジ回路7への電源電圧は、図7(a)のグラフで例示されような正弦波である。
【0036】
次に、ブリッジ回路7の出力電圧信号が、ブリッジボックス3の接続端子3cと、ブリッジ回路7の出力部7cとから取り出され、交流増幅回路10と直流増幅回路13とに入力される。ブリッジ回路7の出力電圧の信号波形は、図7(b)のグラフで例示されるようなものになる。
【0037】
このとき、測定対象物にひずみが生じている場合、測定対象物のひずみに応じてひずみゲージ1の抵抗値が変化し、該抵抗値の変化に応じてブリッジ回路7の出力電圧信号が変化する。このひずみに応じた電圧信号の変化は、ブリッジ回路7の出力電圧信号のうちの交流成分(詳しくはブリッジ回路7への電源電圧と同位相の交流成分)の振幅の変化として現れる。また、測定対象物の温度に応じて、ひずみゲージ1の近傍に接点を形成した熱電対により、熱起電力が生じ、該熱起電力に応じて、ブリッジ回路7の出力電圧信号が変化する。この熱起電力による電圧信号の変化は、ブリッジ回路7の出力電圧信号のうちの直流成分の大きさの変化として現れる。よって、ブリッジ回路7の出力電圧信号は、ひずみゲージ1のひずみによる出力電圧(図7(b)のグラフ中のVε)と、ひずみゲージ1の温度(ひずみゲージ1を貼着する測定対象物の温度)による熱電対2a,2cの熱起電力(図7(b)のグラフ中のVt)との和を含むものとなる。
【0038】
次に、交流増幅回路10は、ブリッジ回路7の出力電圧信号のうちの交流成分を増幅して出力する。交流増幅回路10から出力される信号は、図7(c)のグラフで例示されるようなものである。
【0039】
次に、位相検波回路11は、交流増幅回路10から出力される信号から、ひずみゲージ1の抵抗値に応じた信号成分(ブリッジ回路7への電源電圧と同位相の交流成分)を検波し、それを全波整流して平滑回路12に出力する。位相検波回路11から出力される信号は、図7(d)のグラフで例示されるようなものである。なお、図7(d)のグラフの例では、理解の便宜上、前述した容量成分はないものとしている。
【0040】
次に、平滑回路12は、位相検波回路11の出力(脈流)を平滑化して(位相検波回路11の出力(脈流)をその平均レベルに応じたレベルの信号に変換する)、ひずみゲージ1のひずみ値(ひずみゲージ1を貼着する測定対象物のひずみ値)を示すひずみ測定信号として出力する。平滑回路12から出力される信号は、図7(e)の実線のグラフで例示されるようなものであり、そのレベル(電圧値)が測定対象物のひずみ値に応じたものとなる。なお、図7(e)の破線のグラフは、位相検波回路11の出力を示している。
【0041】
次に、直流増幅回路13は、ブリッジ回路7の出力電圧信号のうちの直流成分を増幅して出力する。次に、平滑回路14は、直流増幅回路13の出力を平滑化し(直流増幅回路13の出力をその平均レベルに応じたレベルの信号に変換する)、その平滑化した信号を、測定対象物の温度(基準接点の温度に対する相対温度)に応じた信号として出力する。平滑回路14から出力される信号は、図7(f)の実線のグラフで例示されるようなものになり、そのレベル(電圧値)が測定対象物の温度に応じたものとなる。なお、図7(f)の破線のグラフは、ブリッジ回路7の出力電圧信号を示している。
【0042】
次に、接点温度検知部16は、温度センサ15からの出力を用いて、端子4c,4d近傍の温度を、熱電対の温度の基準となる接点(基準接点)の温度として検知する。次に、補正回路17は、平滑回路14から出力される測定対象物の温度(基準接点の温度に対する相対温度)に応じた信号を、接点温度検知部16で検出された基準接点の温度を用いて補正する(零接点補償)。これにより、測定対象物の実温度に応じたレベルの信号を出力する。
【0043】
以上の処理により、平滑回路12の出力(ひずみ測定信号)から、測定対象物のひずみを検出することができる。また、補正回路17の出力(測定対象物の実温度に応じたレベルの信号)から、測定対象物の温度を検出することができる。よって、本実施形態のひずみ及び温度の測定装置は、測定対象物のひずみと温度とを同時に測定することができる。
【0044】
さらに、検出した測定対象物の温度と、予め求められた補正曲線とを用いて、見掛けひずみ(測定対象物のひずみ以外の原因(測定対象物の温度)に応じたひずみゲージ1の抵抗値変化に相当するひずみ)を求め、この見掛けひずみ分だけ検出したひずみを補正することができる。これにより、本実施形態のひずみ及び温度の測定装置を用いて、測定中に温度が変化する場合でも、ひずみを容易に精度良く求めることができる。
【0045】
次に、本発明の第1実施形態の変形例を、図2を参照して説明する。本変形例は、3本のリード線2a〜2cのうちの2本のリード線を相互に異種材として形成した熱電対の温度の基準となる接点、及び温度センサ15を設けている箇所のみが、図1の第1実施形態と相違するものであるので、図1の第1実施形態と同一部分については説明を省略する。
【0046】
図2を参照して、本変形例のひずみ及び温度の測定装置は、前記熱電対の温度の基準となる接点を、ブリッジボックス3の接続端子3a,3b,3cをほぼ同一の温度となるように設けて構成する。特に、リード線2aとリード線2bとを異種材として熱電対を形成した場合には、該熱電対の温度の基準となる接点は、このように構成することが望ましい。なお、このように熱電対の温度の基準となる接点を構成したときには、ブリッジボックス3内の回路に組み込まれる接続線及び、ブリッジボックス3と測定器4とを接続する接続線は、全て銅線としてよい。また、温度センサ15は、接続端子3a,3b,3cの近傍に取り付けられ、接点温度検知部16は、該温度センサ15の出力に基づいて熱電対の温度の基準となる接点(基準接点)の温度を検知する。これ以外は、図1の第1実施形態と同じである。
【0047】
従って、図1の第1実施形態と同様に、ブリッジ回路7の出力電圧信号のうちの交流成分を取り出して、測定対象物のひずみを求めることができる。また、ブリッジ回路7の出力電圧信号のうちの直流成分を取り出して、測定対象物の温度を求めることができる。これにより、測定対象物のひずみと温度とを同時に測定することができ、ひいては、測定中に温度が変化する場合でも、ひずみを容易に精度良く求めることができる。
【0048】
なお、本実施形態の参考例として、ひずみゲージ1を有するブリッジ回路を、いわゆる1ゲージ2線法に従って形成し、ひずみゲージ1をブリッジボックス3に接続する2本のリード線を相互に異種材として熱電対を形成してもよい。この場合には、リード線2c及びブリッジボックス3の接続端子3cを備えず、ブリッジボックス3の出力端子6dが、ブリッジボックス3の抵抗5のひずみゲージ1側の端点に接続される。これ以外は、図1又は図2の第1実施形態と同じである。従って、図1又は図2の第1実施形態と同様に、ブリッジ回路7の出力電圧信号のうちの交流成分を取り出して、測定対象物のひずみを求めることができる。また、ブリッジ回路7の出力電圧信号のうちの直流成分を取り出して、測定対象物の温度を求めることができる。これにより、測定対象物のひずみと温度とを同時に測定することができ、ひいては、測定中に温度が変化する場合でも、ひずみを容易に精度良く求めることができる。
【0049】
次に、本発明の第2実施形態を図3を参照して説明する。本実施形態のひずみ及び温度の測定装置は、本発明の第2態様に係る測定装置であり、本実施形態では、2枚のひずみゲージを有するブリッジ回路が、いわゆる2ゲージ法に従って形成されている。なお、本実施形態は、ひずみゲージのブリッジ回路への組み込み構成のみが前記第1実施形態と相違するものであるので、第1実施形態と同一部分については、第1実施形態と同一の参照符号を用いて説明を省略する。
【0050】
図3を参照して、本実施形態のひずみ及び温度の測定装置は、ひずみに応じた抵抗値変化を生じる、直列に接続された2枚の抵抗式ひずみゲージ20,21と、ひずみゲージ20,21の直列回路を3本のリード線22a〜22cにより接続するブリッジボックス3と、ブリッジボックス3内に収容された回路との間で電源電圧や電気信号の送受を行う測定器4とを備えている。なお、ブリッジボックス3と測定器4とは、一体に構成されていてもよい。
【0051】
2枚のひずみゲージ20,21は、同じゲージ率及び公称抵抗値を有し、2アクティブ法を適用して、測定対象物(図示せず)の表面と裏面とにそれぞれ貼着されている。リード線22aはひずみゲージ20の接続部20a(ひずみゲージ20,21の直列回路の一端)に接続され、リード線22bはひずみゲージ21の接続部21b(ひずみゲージ20,21の直列回路の他端)に接続され、リード線22cはひずみゲージ20の接続部20b及びひずみゲージ21の接続部21a(より詳しくは、ひずみゲージ20,21の直列回路の中点)に接続されている。リード線22a及び22bは銅線よりなり、リード線22cは例えばコンスタンタン線よりなり、リード線22a,22cの組及びリード線22b,22cの組は熱電対を形成する。
【0052】
なお、リード線22a及び22bをコンスタンタン線とし、リード線22cを銅線として熱電対を形成してもよい。または、リード線22a,22bのいずれか一方を銅線、他方をコンスタンタン線とし、リード線22cを銅線又はコンスタンタン線として熱電対を形成してもよい。ただし、ひずみ測定期間中にリード線22a及び22bの温度変化がある場合には、リード線22a及び22bの抵抗が変化するため、ひずみを精度よく測定するためには、リード線22aとリード線22bとを同種材とした方が望ましい。
【0053】
ブリッジボックス3には、2枚のひずみゲージ20,21とブリッジボックス3とを2ゲージ法に従って接続するための接続端子3a〜3cが設けられており、3本のリード線22a〜22cは、接続端子3a〜3cにそれぞれ接続されている。また、ブリッジボックス3には、ひずみゲージ20,21の公称抵抗値と同一の固定抵抗値の2つの抵抗体5,5を直列に接続してなる抵抗回路が収容されており、この抵抗回路にひずみゲージ20,21をリード線22a,22bを介して接続することで、ひずみゲージ20,21を隣接した2辺に含むブリッジ回路7を構成するようにしている。
【0054】
また、ブリッジボックス3には、ブリッジ回路7の電源電圧を外部(測定器4)から印加するための一対の電源入力端子6a,6bと、ブリッジ回路7の出力電圧信号を外部(測定器4)に出力するための一対の出力端子6c,6dとが設けられている。電源入力端子6a,6bはブリッジ回路7の一対の入力部7a,7bにそれぞれ接続されている。また、出力端子6cは、ブリッジ回路7の出力部7cに接続されており、出力端子6dは、ブリッジボックス3の接続端子3cに接続されている。ブリッジボックス3と測定器4との接続、及び測定器4の構成は第1実施形態と同じである。ここで、測定器4の入力端子4c,4dは、リード線22a,22cの組及びリード線22b,22cの組により形成された熱電対の温度の基準となる接点(基準接点)であり、ほぼ同一の温度となるように設けられている。このリード線22a,22cの組及びリード線22b,22cの組により形成された熱電対によって、測定対象物の温度(基準接点の温度に対する相対温度)が、熱起電力として検出される。
【0055】
このとき、ブリッジボックス3内の回路に組み込まれる接続線及び、ブリッジボックス3と測定器4とを接続する接続線について、接続端子3cから測定器4の入力端子4dまでの接続線は、リード線22cと同種材の接続線とし、他の接続線はリード線22a及び22bと同種材の接続線とすることが望ましい。ただし、ブリッジボックス3内の温度及び、ブリッジボックス3と測定器4との間の温度が均一である場合には、必ずしも、接続端子3cから測定器4の入力端子4dまでの接続線を、リード線22cと同種材の接続線とし、他の接続線をリード線22a及び22bと同種材の接続線としなくともよい。
【0056】
本実施形態では、測定対象物のひずみに応じて、ひずみゲージ20,21の抵抗値が変化し、該抵抗値の変化に応じて、ブリッジ回路7の出力電圧信号のうちの交流成分の振幅が変化する。また、測定対象物の温度に応じて、リード線22a,22cの組及びリード線22b,22cの組により形成された熱電対により熱起電力が生じ、該熱起電力に応じて、ブリッジ回路7の出力電圧信号のうちの直流成分の大きさが変化する。よって、ブリッジ回路7の出力電圧信号は、これらの交流成分と直流成分とを合成したものであり、図7(b)のグラフに例示されるようなものになる。従って、第1実施形態と同様に、ブリッジ回路7の出力電圧信号のうちの交流成分を取り出して、測定対象物のひずみを求めることができる。また、ブリッジ回路7の出力電圧信号のうちの直流成分を取り出して、測定対象物の温度を求めることができる。これにより、測定対象物のひずみと温度とを同時に測定することができ、ひいては、測定中に温度が変化する場合でも、ひずみを容易に精度良く求めることができる。
【0057】
次に、本発明の第2実施形態の変形例を、図4を参照して説明する。本変形例は、3本のリード線22a〜22cのうちの2本のリード線を相互に異種材として形成した熱電対の温度の基準となる接点、及び温度センサ15を設けている箇所のみが、図3の第2実施形態と相違するものであるので、図3の第2実施形態と同一部分については説明を省略する。
【0058】
図4を参照して、本変形例のひずみ及び温度の測定装置は、前記熱電対の温度の基準となる接点を、ブリッジボックス3の接続端子3a,3b,3cをほぼ同一の温度となるように設けて構成する。特に、リード線22aとリード線22bとを異種材として熱電対を形成した場合には、該熱電対の温度の基準となる接点は、このように構成することが望ましい。なお、このように熱電対の温度の基準となる接点を構成したときには、ブリッジボックス3内の回路に組み込まれる接続線及び、ブリッジボックス3と測定器4とを接続する接続線は、全て銅線としてよい。また、温度センサ15は接続端子3a,3b,3cの近傍に取り付けられ、接点温度検知部16は、該温度センサ15の出力に基づいて熱電対の温度の基準となる接点(基準接点)の温度を検知する。これ以外は、図3の第2実施形態と同じである。
【0059】
従って、図3の第2実施形態と同様に、ブリッジ回路7の出力電圧信号のうちの交流成分を取り出して、測定対象物のひずみを求めることができる。また、ブリッジ回路7の出力電圧信号のうちの直流成分を取り出して、測定対象物の温度を求めることができる。これにより、測定対象物のひずみと温度とを同時に測定することができ、ひいては、測定中に温度が変化する場合でも、ひずみを容易に精度良く求めることができる。
【0060】
なお、図3又は図4の第2実施形態の他の実施形態として、アクティブ・ダミー法を適用し、ひずみゲージ20のみを測定対象物に貼着し、ひずみゲージ21を該測定対象物と同じ環境温度下でひずみを生じないように設置してもよい。これによれば、測定対象物のひずみに応じてひずみゲージ20の抵抗値のみが変化する以外は、図3又は図4の第2実施形態と同じである。従って、図3又は図4の第2実施形態と同様に、ブリッジ回路7の出力電圧信号のうちの交流成分を取り出して、測定対象物のひずみを求めることができる。また、ブリッジ回路7の出力電圧信号のうちの直流成分を取り出して、測定対象物の温度を求めることができる。これにより、測定対象物のひずみと温度とを同時に測定することができ、ひいては、測定中に温度が変化する場合でも、ひずみを容易に精度良く求めることができる。
【0061】
次に、本発明の第3実施形態を図5を参照して説明する。本実施形態のひずみ及び温度の測定装置は、本発明の第3態様に係る測定装置であり、本実施形態では、4枚のひずみゲージを有するブリッジ回路が、いわゆる4ゲージ法に従って形成されている。なお、本実施形態は、ひずみゲージのブリッジ回路への組み込み構成及び測定器への組み込みのみが前記第1実施形態と相違するものであるので、第1実施形態と同一部分については、第1実施形態と同一の参照符号を用いて説明を省略する。
【0062】
図5を参照して、本実施形態のひずみ及び温度の測定装置は、ひずみに応じた抵抗値変化を生じる4枚の抵抗式ひずみゲージ23〜26と、ひずみゲージ23〜26により形成されるブリッジ回路7との間で4本のリード線27a〜27dを介して電源電圧や電気信号の送受を行う測定器4とを備えている。前記第1および第2実施形態と異なり、ブリッジボックス3は介在しない。
【0063】
ひずみゲージ23〜26は、同じゲージ率及び公称抵抗値を有し、それぞれ抵抗体としてブリッジ回路7を形成し、測定対象物(図示せず)に貼着されている。ブリッジ回路7は、4本のリード線27a〜27dにより測定器4の1対の出力端子4a,4b、1対の入力端子4c,4dにそれぞれ接続されている。リード線27a〜27dはブリッジ回路7の一対の入力部7a,7b、一対の出力部7c,7dにそれぞれ接続されている。リード線27a〜27cは銅線よりなり、リード線27dは例えばコンスタンタン線よりなり、リード線27c,27dは熱電対を形成する。なお、リード線27dを銅線とし、リード線27cをコンスタンタン線として熱電対を形成してもよい。また、測定器4の構成は第1実施形態と同じである。
【0064】
本実施形態では、測定対象物のひずみに応じてひずみゲージ23〜26の抵抗値が変化し、該抵抗値の変化に応じて、ブリッジ回路7の出力電圧信号のうちの交流成分の振幅が変化する。また、測定対象物の温度に応じて、リード線27c(銅線),27d(コンスタンタン線)から形成される熱電対により熱起電力が生じ、該熱起電力に応じて、ブリッジ回路7の出力電圧信号のうちの直流成分の大きさが変化する。よって、ブリッジ回路7の出力電圧信号は、これらの交流成分と直流成分とを合成したものであり、図7(b)のグラフに例示されるようなものになる。よって、第1および第2実施形態と同様に、ブリッジ回路7の出力電圧信号のうちの交流成分を取り出して、測定対象物のひずみを求めることができる。また、ブリッジ回路7の出力電圧信号のうちの直流電圧成分を取り出して、測定対象物の温度を求めることができる。これにより、測定対象物のひずみと温度とを同時に測定することができ、ひいては、測定中に温度が変化する場合でも、ひずみを容易に精度良く求めることができる。
【0065】
次に、本発明の物理量及び温度の測定装置の実施形態を図4を参照して説明する。本実施形態では、前記第3実施形態と同様に、4枚のひずみゲージを有するブリッジ回路が、いわゆる4ゲージ法に従って形成されている。なお、本実施形態は、ひずみゲージがひずみゲージ式変換器を形成していることのみが前記第3実施形態と相違するものであるので、第3実施形態と同一部分については、第3実施形態と同一の参照符号を用いて説明を省略する。
【0066】
図6を参照して、本実施形態のひずみ及び温度の測定装置は、ひずみに応じた抵抗値変化を生じる4枚の抵抗式ひずみゲージ23〜26と、ひずみゲージ23〜26が貼着される起歪体28と、ひずみゲージ23〜26により形成されるブリッジ回路7との間で4本のリード線27a〜27dを介して電源電圧や電気信号の送受を行う測定器4とを備えている。第3実施形態と同様、ブリッジボックス3は介在しない。
【0067】
4枚のひずみゲージ23〜26は、ブリッジ回路7を形成し、起歪体28に貼着されてひずみゲージ式変換器29を形成している。測定に際して、このひずみゲージ式変換器29は筐体(図示せず)に内蔵され、起歪体28が測定対象物(図示せず)の測定しようとする物理量(例えば、荷重、加速度、圧力等)に応じたひずみを生じるように設置されている。ブリッジ回路7は、第3実施形態と同様、4本のリード線27a〜27dにより測定器4の1対の出力端子4a,4b、1対の入力端子4c,4dにそれぞれ接続されている。測定器4の構成は、前記第1〜3実施形態と同じである。
【0068】
本実施形態では、測定対象物の物理量に応じた起歪体28のひずみが生じて、ひずみゲージ23〜26の抵抗値が変化し、該抵抗値の変化に応じて、ブリッジ回路7の出力電圧信号のうちの交流成分の振幅が変化する。また、測定対象物の温度に応じて、リード線27c(銅線)、27d(コンスタンタン線)から形成される熱電対により熱起電力が生じ、該熱起電力に応じて、ブリッジ回路7の出力電圧信号のうちの直流成分の大きさが変化する。よって、ブリッジ回路7の出力電圧信号は、これらの交流成分と直流成分とを合成したものであり、図7(b)のグラフに例示されるようなものになる。従って、第1〜第3実施形態と同様に、ひずみゲージ式変換器29のブリッジ回路7の出力電圧信号のうちの交流成分を取り出して、ひずみゲージ式変換器29の起歪体28のひずみを生ぜしめる測定対象物の物理量を求めることができる。また、ゲージ式変換器29のブリッジ回路7の出力電圧信号のうちの直流成分を取り出して、測定対象物の温度を求めることができる。これにより、ひずみゲージ式変換器29の起歪体28のひずみを生ぜしめる物理量と測定対象物の温度とを同時に測定することができ、ひいては、測定中に温度が変化する場合でも、起歪体28のひずみを生ぜしめる測定対象物の物理量を容易に精度良く求めることができる。
【0069】
なお、本発明のひずみ及び温度の測定装置の第1〜第3実施形態と、本発明の物理量及び温度の測定装置の実施形態とは、ひずみ測定信号と温度に応じたレベルの信号を出力するものとなっているが、A/D変換器やCPUを搭載して、それらの出力信号から測定対象物のひずみ、もしくは物理量、温度のデジタル値を求めて出力するようにしてもよい。
【0070】
さらに、本発明のひずみ及び温度の測定装置の第1〜第3実施形態と、本発明の物理量及び温度の測定装置の実施形態とは、表示手段を備え、ひずみ測定信号、温度に応じたレベルの信号のレベル値や、それらの信号から算出される測定対象物のひずみ、もしくは物理量、温度の値を表示するようにしてもよい。また、記録手段を備え、ひずみ測定信号、温度に応じたレベルの信号のレベル値や、それらの信号から算出される測定対象物のひずみ、もしくは物理量、温度の値を記録するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の第1実施形態におけるひずみ及び温度の測定装置の全体構成を示すブロック図。
【図2】図1の第1実施形態の変形例についての全体構成を示すブロック図。
【図3】本発明の第2実施形態におけるひずみ及び温度の測定装置の全体構成を示すブロック図。
【図4】図3の第2実施形態の変形例についての全体構成を示すブロック図。
【図5】本発明の第3実施形態におけるひずみ及び温度の測定装置の全体構成を示すブロック図。
【図6】本発明の物理量及び温度の測定装置の全体構成を示すブロック図。
【図7】図1〜図6の測定装置の作動を説明するためのグラフ。
【符号の説明】
【0072】
1…1枚のひずみゲージ、2a〜2c…3本のリード線、7…ブリッジ回路、9…交流ブリッジ電源(交流電源)、10…交流増幅回路、11…位相検波回路、12…平滑回路、13…直流増幅回路、14…平滑回路、20,21…2枚のひずみゲージ、22a〜22c…3本のリード線、23〜26…4枚のひずみゲージ、27a〜27d…4本のリード線、28…起歪体、29…ひずみゲージ式変換器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象物に貼着される1枚のひずみゲージを有するブリッジ回路を1ゲージ3線法に従って形成し、該1枚のひずみゲージに接続される3本のリード線のうち2本のリード線を相互に異種材とすることで該ひずみゲージの近傍に熱電対の接点を形成し、該ブリッジ回路の出力電圧信号から該測定対象物のひずみ及び温度を求める測定装置であって、
前記ブリッジ回路の電源である交流電源と、該交流電源から電源電圧を印加した該ブリッジ回路の出力電圧信号のうちの交流電圧成分を検出し、該検出した交流電圧成分から前記測定対象物のひずみに応じた信号を出力するひずみ信号出力手段と、該ブリッジ回路の出力電圧信号のうちの直流電圧成分を検出し、該検出した直流電圧成分から該測定対象物の温度に応じた信号を出力する温度信号出力手段とを備えることを特徴とするひずみ及び温度の測定装置。
【請求項2】
少なくとも一方が測定対象物に貼着される、直列接続された2枚のひずみゲージを有するブリッジ回路を2ゲージ法に従って形成し、該2枚のひずみゲージの直列回路に接続される3本のリード線のうち2本のリード線を相互に異種材とすることで該ひずみゲージの近傍に熱電対の接点を形成し、該ブリッジ回路の出力電圧信号から該測定対象物のひずみ及び温度を求める測定装置であって、
前記ブリッジ回路の電源である交流電源と、該交流電源から電源電圧を印加した該ブリッジ回路の出力電圧信号のうちの交流電圧成分を検出し、該検出した交流電圧成分から前記測定対象物のひずみに応じた信号を出力するひずみ信号出力手段と、該ブリッジ回路の出力電圧信号のうちの直流電圧成分を検出し、該検出した直流電圧成分から該測定対象物の温度に応じた信号を出力する温度信号出力手段とを備えることを特徴とするひずみ及び温度の測定装置。
【請求項3】
測定対象物に貼着される4枚のひずみゲージを各辺に有するブリッジ回路を4ゲージ法に従って形成し、該ブリッジ回路に接続される4本のリード線のうち、該ブリッジ回路からの出力電圧信号を取り出すための2本のリード線を相互に異種材とすることで該4枚のひずみゲージの近傍に熱電対の接点を形成し、該ブリッジ回路の出力電圧信号から該測定対象物のひずみ及び温度を求める測定装置であって、
前記ブリッジ回路の電源である交流電源と、該交流電源から電源電圧を印加した該ブリッジ回路の出力電圧信号のうちの交流電圧成分を検出し、該検出した交流電圧成分から前記測定対象物のひずみに応じた信号を出力するひずみ信号出力手段と、該ブリッジ回路の出力電圧信号のうちの直流電圧成分を検出し、該検出した直流電圧成分から該測定対象物の温度に応じた信号を出力する温度信号出力手段とを備えることを特徴とするひずみ及び温度の測定装置。
【請求項4】
測定対象物の物理量に応じたひずみを生じる起歪体に貼着される4枚のひずみゲージを各辺に有し4ゲージ法に従って形成されたブリッジ回路を備えたひずみゲージ式変換器を形成し、該ひずみゲージ式変換器に接続される4本のリード線のうち、該ブリッジ回路からの出力電圧信号を取り出すための2本のリード線を相互に異種材とすることで該ひずみゲージ式変換器の近傍に熱電対の接点を形成し、該ブリッジ回路の出力電圧信号から該測定対象物の物理量及び温度を求める測定装置であって、
前記ブリッジ回路の電源である交流電源と、該交流電源から電源電圧を印加した該ブリッジ回路の出力電圧信号のうちの交流電圧成分を検出し、該検出した交流電圧成分から前記起歪体のひずみに応じた信号を出力するひずみ信号出力手段と、該ブリッジ回路の出力電圧信号のうちの直流電圧成分を検出し、該検出した直流電圧成分から前記測定対象物の温度に応じた信号を出力する温度信号出力手段とを備えることを特徴とする物理量及び温度の測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−300637(P2006−300637A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−120864(P2005−120864)
【出願日】平成17年4月19日(2005.4.19)
【出願人】(000151520)株式会社東京測器研究所 (29)
【Fターム(参考)】