説明

むずむず脚症候群および睡眠障害の治療

睡眠時周期性四肢運動(PLMS)および周期性四肢運動障害(PLMD)などの障害を含めたむずむず脚症候群(RLS)およびその関連障害の少なくとも1つの症状を予防および/または治療する方法を開示する。この方法は、むずむず脚症候群(RLS)およびその関連障害に苦しむ宿主を同定すること、ならびに、宿主に薬学的に有効な量の4−ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ阻害剤を投与することを含む。睡眠障害を治療/予防するための方法および組成物、ならびに、睡眠の量および十分性を改善するための方法および組成物も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、むずむず脚症候群(RLS)および関連障害並びに望まない下肢運動の発生を治療または予防するため新規の方法に関する。例示的な実施形態では、本発明は、RLSおよび/または関連障害を治療または予防するための、4−ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)阻害剤の使用に、また、例示的な実施形態では2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンの使用に関する。例示的な実施形態では、本発明は、HPPD阻害剤を対象に投与することにより、睡眠障害を治療または予防し睡眠の量および十分性を改善するための方法および組成物も提供する。
【背景技術】
【0002】
[0002] むずむず脚症候群(RLS)は、RLSに罹患している個体が休息時(または不活動中)に脚に不快な感覚を有する感覚運動障害であり、体を動かしたい(それにより通常その不快感は緩和される)という抵抗出来ない欲求と説明されることが多い状態が生じる。加えて、RLSに苦しむ個体は、脚にむずむずする感覚があり、この感覚は、夜に生じることが多く、脚を動かすことによってのみ解放される。RLSは、1945年に初めて報告され、有病率は5%と推定された。より最近の試験により、有病率は3%〜15%の間であることが示唆されているが、有病率は、ある患者群においては24%もの高さである場合もある。RLSの診断のための標準化された基準(2003年改訂)が導入されることにより状況は改善されているものの、多くの罹患者は診断未確定で未治療のままである。
【0003】
[0003] 国際むずむず脚症候群研究グループ(International Restless Leg Syndrome Study Group)により承認されている臨床的な診断基準としては、睡眠障害(sleep disturbance)、睡眠または覚醒時の不随意運動、通常の神経学的検査、長期の臨床経過、および、いくつかの症例では家族歴陽性が挙げられる。臨床的には、以下の4つの最低診断基準を満たす場合にRLSの存在が示される:(1)四肢を動かしたいという欲求。知覚異常/感覚異常を伴う場合が多い;(2)感覚を低下させるための運動性不穏状態;(3)休息時または不活動中の症状の悪化。活動により少なくとも一時的に解放される;および(4)夕方または夜に症状が悪化。関連障害は、これらの特徴のいくつかを共有する。
【0004】
[0004] RLSは、原発性(突発性)および続発性のRLSに細分できる。続発性RLSは、普通、結果として鉄欠乏性貧血症に至る代謝障害または代謝状態に伴うものであり、鉄補充療法により治療できる。原発性RLSは、複数の潜在的原因を有する異質性疾患であるが、最近の試験から、大部分の型の原発性RLSについてはドパミン作動性機能の根本的な欠損が共通していると考えられることが示唆されている。とりわけ、RLS患者の線条体においてはドパミンD2受容体の数または親和性が低下していることが実証されている。RLSおよびその関連障害の根本的な原因ははっきりわかっていないが、発生頻度は年齢と共に増加が見られる。RLSを有する大部分の個体においては、全血球数、ならびに鉄、フェリチン、葉酸およびビタミンB12のレベルの診断結果は、RLSを有しない個体と比較した場合、血液学的または化学的な異常を示さない。ある薬物の有効性の評価から、ドパミン作動系、アドレナリン作動系およびオピエート系はRLSの病因に影響を及ぼすことが明らかになった。
【0005】
[0005] 現在のRLS治療は限られており、FDA認可を受けている4つの医薬品のみが入手できる(ドパミン作動薬のロピニロール、プラミペキソール、ペルゴリドおよびカルビドパ/レボドパ)。通常用いられる治療の選択肢としては、ベンゾジアゼピン(例えばクロナゼパム)、麻薬、ドパミン作動薬、クロニジン、ガバペンチンおよびマグネシウムの使用が挙げられる。しかし、これらの治療薬は、望ましくない副作用、顕著な反動(医薬品の消失に伴う症状の再発)および増大(療法開始後の症状の悪化)を有する。反動は、血漿半減期の短い医薬品(例えばレボドパ)に伴う特定の問題であり、35%超の患者において起きる可能性がある。増大は、より重篤な副作用であり、レボドパ投与を受けている患者の50〜85%、ドパミン作動薬を使用している患者の30〜32%において生じると推定されている。ベンゾジアゼピン、オピエートおよび抗痙攣薬は、ドパミン剤と同様には有効でなく、耐性、依存性および胃腸障害など望ましくない副作用を有する。普及している別の治療剤プラミペキソールは、不眠症、眩暈、便秘、無力症および幻覚など大きな副作用を引き起こすと報告されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[0006] したがって、RLSおよび/またはその関連障害に苦しむ個体のための有効な代替治療および関連治療の方法の選択肢が必要である。より特定すれば、むずむず脚症候群(RLS)および関連障害のための現代の治療薬において観察される不必要な効果を誘導しない治療が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007] 多様な実施形態では、本発明は、睡眠時周期性四肢運動(PLMS)および周期性四肢運動障害(PLMD)などの障害を含めたむずむず脚症候群(RLS)などの疾患を、そのような疾患を有する対象において4−ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)を部分的または完全に阻害することにより治療または予防するための組成物および方法を提供する。例示的な実施形態では、本発明は、治療上有効量のHPPD阻害剤を対象に投与することによる、睡眠の量および十分性を改善し睡眠障害を治療するための組成物および方法も提供する。
【0008】
[0008] 本発明は、HPPDの阻害により軽快する障害および状態を治療および予防する方法であって、そのような治療または予防を必要とする患者に治療上または予防上有効量のHPPD阻害剤を投与することを含む方法を包含する。例示的なHPPD阻害剤は、2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンである。本発明の特定の方法では、HPPD阻害剤は、任意選択により、追加的な薬理学的に活性のある化合物と組み合わせて投与される。
【0009】
[0009] 本発明は、例えば、本明細書中で開示する方法において使用できる医薬組成物および剤形をさらに包含する。例示的な本発明の医薬組成物は、治療上または予防上有効量のHPPD阻害剤と、任意選択により、追加的な薬理学的に活性のある化合物とを含む。
【0010】
[0010] 本発明の多様な態様は、以下の詳細な説明を参照すれば明らかとなろう。加えて、本明細書中には一定の手順または組成物をより詳細に説明する多様な参考文献を記載してあり、したがって、そのような文献は、参照によりその全体が組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】睡眠パラメーターのグラフ表示であり、HPPD阻害剤を投与するとこれらのパラメーターが改善されることを示している。
【図2】HPPD阻害剤を投与すると睡眠量および睡眠十分性が改善されることを示すグラフ表示である。
【図3】2mg(1日1回)投薬対2mg(2日に1回)投薬後の定常状態での例示的なHPPD阻害剤の平均血漿レベルを、血漿チロシンと比較したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
I.定義
[0011] 特に明記しない限り、本明細書および特許請求の範囲を含め本出願において使用する以下の用語は、下記の定義を有する。本明細書および添付の特許請求の範囲において使用する場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈によりそうでないことが明確に述べられていない限り複数の指示物を包含することに注意しなければならない。標準的な化学用語の定義は、CareyおよびSundberg、(1992)、「Advanced Organic Chemistry 第3版」、Vol.AおよびB、Plenum Press、New Yorkなどの参考文献中に見出すことができる。本発明の実施には、特に指示しない限り、質量分析、タンパク質化学、生化学、組換えDNA法および薬理学の従来の方法が当技術分野の技能の範囲内で用いられることになろう。
【0013】
[0012] 用語「作動薬」は、別の分子の活性を強化する化合物または4−ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)と結合する化合物(例えば、薬物、酵素活性剤またはホルモン)などの分子を意味する。
【0014】
[0013] 用語「拮抗薬」は、別の分子の作用を減少させもしくは防止する化合物またはHPPDと結合する化合物(例えば、薬物、酵素阻害剤またはホルモン)などの分子を意味する。
【0015】
[0014] 「酵素阻害剤」にあるような用語「阻害剤」は、酵素の活性を失活、低下または他の形で変質させる、酵素上の部位と結合する化合物を指す。本発明において使用する例示的な酵素阻害剤は、HPPDも作動させないHPPD阻害剤である。本発明において使用する別の例示的な酵素阻害剤は、HPPDと拮抗しないHPPD阻害剤である。本発明において使用する例示的な酵素阻害剤は、高度に特異的かつ強力なHPPD阻害剤である。
【0016】
[0015] 用語「有効量」または「薬学的に有効な量」は、無毒であるが所望の生物学的な結果をもたらすのに十分な薬剤量を指し、この量は、許容できない有害作用(例えば毒性)を対象(例えばヒト)に引き起こす恐れのある用量/量に関し臨床的に許容される安全域を有する。この生物学的な結果は、疾患の徴候、症状もしくは原因が減少および/または緩和すること、または、生物系が何らかの他の望ましい変化を遂げることであってもよい。例えば、治療上の使用にとっての「有効量」は、睡眠時周期性四肢運動(PLMS)および周期性四肢運動障害(PLMD)などの障害を含めたRLSを臨床的に顕著に減少させるのに必要な、本明細書中で開示するHPPD阻害剤を含む組成物の量である。任意の個体の症例における適切な「有効」量は、慣例的な実験法を用いて当業者により決定できる。
【0017】
[0016] 本明細書中で使用する場合、用語「治療する」または「治療」は、互換的に使用され、RLSの発症の延期、および/または、発症すると考えられもしくは予想される当該症状の重症性の低下を示すことを意図している。さらに、睡眠障害または睡眠異常の治療または予防および睡眠の量または十分性の改善も包含される。この用語は、さらに以下を包含する:RLSの既存の症状を軽快させること、さらなる症状を予防すること、睡眠障害の症状(例えば睡眠障害(sleep disturbance))を緩和または予防すること、RLSおよび睡眠障害の症状の根本的な代謝性の原因を軽快させるまたは予防すること。さらに、その必要がある対象に治療上有効量のHPPD阻害剤を投与することにより睡眠の量および/または十分性を改善するための方法も包含される。
【0018】
[0017] 語句「睡眠障害」、「睡眠異常」、「睡眠量」および「睡眠十分性」は、本明細書中で使用する場合、当技術分野において通常考える意味を有する。これらのパラメーターは、当技術分野で認知されている手段、例えばMOS睡眠尺度により、測定および定量化できる。「睡眠障害」または「睡眠異常」の例としては、以下が挙げられる:原発性不眠症;続発性不眠症;状況性不眠症;一過性不眠症;短期不眠症;慢性不眠症;急性不眠症;入眠までの長時間の睡眠潜時;入眠困難;睡眠持続困難;睡眠維持困難(限定するものではないが、頻回な覚醒、最初に入眠した後の覚醒に費やされる時間(入眠後の覚醒時間、すなわちWASO(wake time after sleep onset))の増加、睡眠断片化、一過性の微小覚醒および気分のすっきりしない睡眠など);睡眠期間中の覚醒時間の増加;早すぎる起床;ならびに合計睡眠時間の減少。
【0019】
[0018] 「薬学的に許容される」または「薬理学的に許容される」とは、生物学的または他の形で望ましくないものでない材料を意図したものであり、すなわち、その材料は、いかなる望ましくない生物学的効果も引き起こすことなく、または、それが含有される組成物の構成成分のいかなるものとも有害な様式で相互作用することなく、個体に投与できる。
【0020】
[0019] 「生理的pH」または「生理学的に許容される範囲のpH」とは、およそ7.2〜8.0(8.0を含む)の範囲、より典型的にはおよそ7.2〜7.6(7.6を含む)の範囲のpHを意図したものである。
【0021】
[0020] 本明細書中で使用する場合、用語「対象」は、哺乳動物および非哺乳動物を包含する。哺乳動物の例としては、哺乳類の任意のメンバー:ヒト、チンパンジーおよび他の類人猿およびサル種などの非ヒト霊長動物;ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタなどの家畜;ウサギ、イヌおよびネコなどの飼い馴らされた動物;ラット、マウスおよびモルモットなどの齧歯動物を含む実験動物などが挙げられるが、これらに限定されない。非哺乳動物の例としては、鳥、魚などが挙げられるが、これらに限定されない。この用語は、特定の年齢または性別を表さない。RLSまたは睡眠障害を治療もしくは予防するために、または睡眠の量もしくは十分性を改善するために本発明の組成物および方法を使用する場合、例示的な対象は、HPPD阻害剤での治療を他の形では必要としていない。本発明の組成物および/または方法で治療される例示的な対象は、2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンでの治療を他の形で必要としていない対象である。本発明の組成物/方法で治療される例示的な対象は、チロシン血症(例えば遺伝性チロシン血症)を有さない対象である。この組成物/方法で治療されるさらなる例示的な対象は、例えば、HPPD阻害剤の投与により治療される神経変性疾患を他の形で(例えばパーキンソン病)有さない対象である。
【0022】
[0021] ある化合物の「薬学的に許容される塩」という用語は、薬学的に許容され、親化合物の望ましい薬理学的活性を有する塩を意味する。そのような塩としては、例えば以下が挙げられる:
(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸で形成されるか;または酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−メチルビシクロ−[2.2.2]オクト−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、4,4'−メチレンビス−(3−ヒドロキシ−2−エン−1−カルボン酸)、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第3級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などの有機酸で形成される酸付加塩;
(2)親化合物中に存在する酸性のプロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオンもしくはアルミニウムイオンで置換されるか、または有機塩基と配位結合するか、そのいずれかの際に形成される塩。許容される有機塩基としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミンなどが挙げられる。許容される無機塩基としては、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどが挙げられる。薬学的に許容される塩に言及した場合には、その溶媒付加体または結晶体、とりわけ溶媒和物または多形が包含されることは理解されるべきである。溶媒和物は、化学量論的または非化学量論的いずれかの量の溶媒を含有し、結晶化の過程中に形成される場合が多い。水和物は、溶媒が水である場合に形成され、または、アルコレートは、溶媒がアルコールである場合に形成される。多形は、化合物の同じ元素組成の、異なる結晶充填配置を含む。多形は、通常は、異なるX線回折パターン、赤外線スペクトル、融点、密度、硬度、結晶形状、光学的および電気的な特性、安定性ならびに溶解性を有する。再結晶溶媒、結晶化速度および保管温度などの多様な因子が原因で、単一の結晶体が優勢になることがある。
【0023】
[0022] 用語「任意選択的な」または「任意選択により」は、次いで記載される事象または状況が生じても生じなくてもよいこと、また、そうした記載が、当該事象または状況が生じる場合および生じない場合を包含することを意味する。例えば、語句「任意選択により、追加的な薬理学的に活性のある化合物」は、患者は、HPPD阻害剤以外の薬物を投与されてもされなくてもよいことを意味する。
【0024】
[0023] 「追加的な薬理学的に活性のある化合物」は、本明細書中で使用する場合、例えば、麻薬、ドパミン作動薬、ベンゾジアジピン(例えばクロナゼパム)、クロニジン、ガベペンチン、マグネシウム、鉄、ならびにビタミンB12などのビタミンなど、所望の局所的または全身的な効果を誘導する、哺乳動物、好ましくはヒトへの投与に適した任意の化学材料または化合物を意図している。一般には、これには以下が包含される:食欲抑制薬;多くのペニシリンおよびセファロスポリンを含め、抗生物質および抗ウイルス剤などの抗感染薬;鎮痛薬および鎮痛薬の組合せ;抗不整脈薬;抗関節炎薬;抗喘息剤;抗コリン作用薬;抗痙攣薬;抗糖尿病剤;止瀉薬;抗寄生虫薬;抗ヒスタミン薬;抗炎症剤;抗偏頭痛調製物;抗嘔吐薬;抗新生物薬;抗パーキンソン病薬;抗掻痒薬;抗精神病薬;解熱薬;アンチセンス剤;鎮痙薬;カルシウムチャネル遮断薬、およびピンドロールなどのβ遮断薬を含め心血管系用の調製物;抗高血圧薬;中枢神経系刺激薬;うつ血除去薬を含め咳および風邪用の調製物;利尿薬;H−受容体拮抗薬を含め胃腸薬;交感神経模倣薬;エストラジオールおよび他のステロイド(コルチコステロイドを含む)などのホルモン;催眠薬;免疫抑制薬;筋弛緩薬;副交感神経遮断薬;精神刺激薬;鎮静薬;トランキライザー;血栓溶解薬;神経保護薬;ラジカル捕捉剤ならびに血管拡張薬。
【0025】
[0024] 本明細書中で使用する場合、用語「むずむず脚症候群」は、睡眠中もしくは休息中、または睡眠もしくは休息の直前、または不活動期間に典型的に生じ、脚における不快な感覚を特徴とする障害を包含する。脚における不快な感覚の例としては以下が挙げられるが、これらに限定されない:引っ張られる感覚、線を描かれる感覚、むずむずする感覚、虫がはうような感覚、孔をあけられるような感覚、疼くような感覚、ピンおよび針の感覚、チクチクする感覚、また、時には痛い感覚で、通常は、脚を動かしたいという抗し難い衝動を伴う。本明細書中で使用する場合、用語「むずむず脚症候群」は、エクボム症候群、ウィットマーク−エクボム症候群、遺伝性肢端疼痛症、四肢動揺性不安症、睡眠時周期性四肢運動(PLMS)および周期性四肢運動障害(PLMD)も包含する。
【0026】
[0025] 「本質的に安定な血漿チロシンレベル」は、測定可能かつ検出可能であり、その測定期間中に約40%超、約30%超、約20%超、約10%超または約5%超増減しない高い血漿チロシンレベルを指す。食事の変化から、ベースライン濃度の最大100%の血漿チロシン濃度の変動が予測されることがあるが、これらは安定な高い血漿チロシンレベルにそれほど影響はない。
【0027】
[0026] 本発明において使用する化合物は、HPPD活性を阻害または低下させるために使用できる。この場合におけるHPPDの阻害および低下は、測定された活性レベルが、酵素または細胞または動物を試験化合物で処置しない対照実験と比較して低いことを指す。特定の実施形態では、測定された活性の阻害または低下は、少なくとも10%の低下または阻害である。当業者には、特定の用途にとっては、測定された活性が少なくとも20%、50%、75%、90%または100%低下しまたは阻害されていることが好ましいと考えられることは理解されよう。
【0028】
II.概要
[0027] 本発明は、むずむず脚症候群(RLS)の治療または予防のための組成物および方法を開示する。本発明の組成物は、4−ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)を阻害できる化合物を含む。本発明の方法は、RLSまたはその症状もしくは原因を治療または予防するために、そのような治療または予防を必要とする患者に治療上有効量のHPPD阻害剤を投与することを含む。
【0029】
[0028] 本発明の一態様では、むずむず脚症候群を治療または予防する方法であって、そのような治療または予防を必要とする対象に治療上または予防上有効量の2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンまたは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物、包接化合物もしくはプロドラッグを投与することを含む方法が提供される。本発明の別の態様では、この方法は、そのような治療または予防を必要とする対象に、治療上または予防上有効量のHPPD阻害剤(例えば、2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン)を、抗不安薬、催眠薬または鎮静薬の分類(複数可)に属する少なくとも1つの化合物と組み合わせて投与することを含む。多様な実施形態では、本発明の方法は、HPPD阻害剤(例えば、2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン)を、ベンゾジアゼピン(例えば、クロナゼパム、カルバマゼピン)、ペルゴリド、カルビドパ、レボドパ、オキシコドン、カルバマゼピン、ガバペンチン、マグネシウム、鉄、ビタミン、または薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、プロドラッグ、光学的および薬理学的に活性のある立体異性体と組み合わせて含む組成物を投与することを包含する。本発明は、そのような組成物も提供する。
【0030】
[0029] 本発明は、夜(睡眠中または睡眠前)および日中、例えば、日中の休息時、または不活動期間中にRLSを治療または予防する方法を提供する。この方法は、RLSを有する対象に治療上有効量のHPPD阻害剤を投与することを包含する。
【0031】
[0030] 本発明は、睡眠障害および睡眠異常を軽快させる、治療するまたは予防するための、および/または、睡眠の量または十分性を改善するための、組成物および方法も提供する。本発明の方法は、そのような治療、予防または改善を必要とする対象にHPPD阻害剤(例えば、2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン)を治療上有効量で投与することを包含する。多様な実施形態では、この方法は、鎮静を誘導せず、または必要としない。例示的な一実施形態では、本発明は、入眠および睡眠継続の改善をもたらす方法を提供する。多様な実施形態では、本発明の方法は、本明細書中で記載のもの以外のいかなるCNS効果も誘導しない。
【0032】
[0031] 本発明の例示的な方法は、睡眠障害もしくは睡眠異常の当該治療または予防、または、睡眠の量もしくは十分性の改善を必要とする対象に、治療上または予防上有効量のHPPD阻害剤(例えば、2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン)を、抗不安薬、催眠薬または鎮静薬の分類(複数可)に属する少なくとも1つの化合物と組み合わせて投与することを含む。多様な実施形態では、本発明の方法は、HPPD阻害剤(例えば、2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン)を、ベンゾジアゼピン(例えば、クロナゼパム、カルバマゼピン)、ペルゴリド、カルビドパ、レボドパ、オキシコドン、カルバマゼピン、ガバペンチン、マグネシウム、鉄、ビタミン、または薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、プロドラッグ、光学的および薬理学的に活性のある立体異性体と組み合わせて含む組成物を投与することを包含する。
【0033】
III.化合物
[0032] 本発明の一態様では、RLSの治療用に、4−ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)の阻害に使用するための組成物および方法が提供される。HPPD阻害剤は、HPPDを阻害することが公知である任意の化合物であってもよい。
【0034】
[0033] 本発明によれば、2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン(化合物1):
【0035】
【化1】


または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物、包接化合物またはプロドラッグの、RLS、睡眠障害もしくは睡眠異常の治療もしくは予防、または睡眠の量もしくは十分性の改善において使用するための医薬の製造における使用が提供される。2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンは、ケト−エノール互変異性により容易に相互変換可能な1つまたは複数の互変異性体で存在できる。本発明には、そのような互変異性体のいずれかでの、またはそれらの混合物としての2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンの使用が包含されることは理解されたい。
【0036】
[0034] 2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンは、酸性であり、多種多様な塩基と共に薬学的に許容される塩を形成できる。
【0037】
[0035] 本発明による医薬組成物中の活性成分としての使用に適した2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンの例示的な塩としては、例えば、薬学的に許容される塩基付加塩、例えば、アルカリ金属(カリウムまたはナトリウムなど)、アルカリ土類金属(カルシウムまたはマグネシウムなど)およびアンモニウム塩、ならびに、生理学的に許容される陽イオンを与える有機塩基との塩(メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ピペリジンおよびモルホリンとの塩など)が挙げられる。
【0038】
[0036] 2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンは、構造的に類似した材料の生成用として既に公知の有機化学の従来の手順により合成できる。典型的には、2−ニトロ−4−トリフルオロメチル安息香酸を、例えば、Haupsteinら、J.Am.Chem.Soc.、(1954)、76、1051により説明されている要領で、または当業者に周知の一般的な方法の1つにより、得ることができる。
【0039】
[0037] したがって、例えば、2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンは、アセトンシアノヒドリン、および、トリエチルアミンなどの適当な塩基の存在下で2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイルクロリドをシクロヘキサン−1,3−ジオンと反応させることにより合成できる。
【0040】
[0038] 出発材料の2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイルクロリド自体は、対応する安息香酸から、例えば、Reagents for Organic Synthesis、(J Wiley and Sons、1967、Fieser L.F.およびFieser M編、第1巻、767〜769ページ)に記載の要領で、塩化チオニルまたは塩化オキサリルとの反応により得ることができ、通常は、特別な精製を行わずに使用される。
【0041】
IV.投薬量
[0039] 2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンなどのHPPD阻害剤(1つまたは複数の添加剤と組み合わせて単一剤形を作製してもよい)の量は、対象および特定の投与経路により変えてもよい。
【0042】
[0040] 本発明の例示的な一実施形態では、HPPD阻害剤は、安定な血漿チロシンレベルをもたらす投薬量で投与される。例示的な投薬量は、安定な血漿チロシンレベルを達成するために必要な最低投薬量である。多様な実施形態では、対象にはこの阻害剤を、第1の投薬期間にわたり誘導/負荷投薬量で投薬する。第1の投薬期間に次いで、対象には、第2の投薬期間にわたり誘導/負荷投薬量より低い投薬量を投与する。例示的な実施形態では、血漿チロシンレベルは、第2の投薬期間中に、約40%超、約30%超、約20%超、約10%超または約5%超増減しない。多様な実施形態では、この阻害剤は、2日に1回、3日に1回、4日に1回またはさらにはより低頻度で投与される。例示的な一実施形態では、この間欠的な投薬レジメン下では、血漿チロシンレベルは、ある投薬量のHPPD阻害剤の投与間で、約40%超、約30%超、約20超、約10%超または約5%超増減しない。
【0043】
[0041] 図3は、本質的に同一でHPPD阻害剤の投与が1日1回または2日に1回のいずれであるかが独立である血漿チロシンレベルの例を示すものである。この図は、1日1回2mg、2日に1回2mg投薬される例示的なHPPD阻害剤(2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン)の投与後の定常状態の血漿チロシンレベルを示すものである。(2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン)の血漿レベルは2日に1回のレジメンにおける方が低いが、1日1回および2日に1回のレジメンにおけるチロシンレベルは実質的に同様である。
【0044】
[0042] 例示的な一実施形態では、本発明は、対象において本質的に安定な血漿チロシンレベルを達成する方法を提供する。この方法は、ある量のHPPD阻害剤を、本質的に安定な血漿チロシンレベルをもたらすのに十分な投薬頻度で対象に投与することを包含する。例示的な一実施形態では、HPPD阻害剤は2日に1回以下投与され、血漿チロシンレベルは、投与間の期間にわたって本質的に安定である。
【0045】
[0043] 一般に、ヒトへの経口投与を意図した製剤は、一般的には、例えば、約0.01mg〜約100mgの活性剤(例えばHPPD阻害剤)、好ましくは1用量当たり約0.05mg〜約5mgの活性剤を、適切な量の添加剤(複数可)と組み合わせて含有することになる。しかし、例示的な単位剤形は、一般的に、約0.1mg〜約500mg、約0.3mg〜約300mg、約0.5mg〜約150mg、約1mg〜約100mg、約2mg〜約50mg、約3mg〜約25mgおよび約4mg〜約10mgの活性成分を含有する。
【0046】
[0044] 多様な実施形態では、本発明は、約0.01mg〜約10mgの活性剤(例えばHPPD阻害剤)、例えば約0.05mg〜約5mgを有する、ヒトに投与するための経口製剤を提供し、この活性剤は、任意選択により、適切な量の添加剤(複数可)と組み合わされる。
【0047】
[0045] 多様な実施形態では、本発明は、約1mg〜約2mgの活性剤(例えばHPPD阻害剤)を有する、ヒトに投与するための経口の単位用量製剤を提供する。この単位剤形は、毎日投与型の剤形であってもよく、または、毎日に満たない頻度で(例えば1日おきに1回)投与してもよい。
【0048】
[0046] より具体的には、2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンを含む、例えばヒトへの経口投与を意図した製剤は、一般的に、例えば約0.01mg〜約500mgの活性剤を、適切な量の添加剤(複数可)と組み合わせて、より好ましくは、約0.1mg〜約500mg、約0.3mg〜約300mg、約0.5mg〜約150mg、約1mg〜約100mg、約2mg〜約50mg、約3mg〜約25mgおよび約4mg〜約10mgの2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンを含有することになろう。
【0049】
[0047] しかし、治療、何らかの併用療法下での状態または疾患の性質および重症性を、また、治療を受けている患者の年齢、体重、遺伝子型および性別を考慮するために、投与される活性成分の用量を周知の医療行為により変化させることが必要な場合があることは容易に理解されよう。
【0050】
[0048] 一般的に、治療上の使用において、本発明による組成物は、ある用量のHPPD阻害剤(または当量の薬学的に許容されるその塩)が受けられるように投与され、この用量は、一般的に、約0.01mg〜約500mg/日、約0.1mg〜約100mg/日、約0.5mg〜約10mg/日および約1mg〜約5mg/日の活性剤の範囲で必要に応じ分割用量で毎日投与されることを想定している。
【0051】
[0049] より具体的には、2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンを含む組成物の場合、治療上の使用において、本発明による組成物は、ある用量のHPPD阻害剤(または当量の薬学的に許容されるその塩)が受けられるように投与され、この用量は、一般的に0.01mg〜100mg/日の範囲である。より具体的には、0.05mg〜10mg/日から0.1mg〜5mg/日までの間、または0.01mg〜1mgの2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンが、必要に応じ分割用量で毎日投与される。
【0052】
[0050] より具体的には、2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンを含む組成物の場合、治療上の使用において、本発明による組成物は、ある用量のHPPD阻害剤(または当量の薬学的に許容されるその塩)が受けられるように1日おき、週2回または週1回のレジメンで間欠的に投与することができ、この用量は、一般的に0.01mg〜100mg/週の範囲であることを想定している。より具体的には、0.05mg〜20mg/週から0.1mg〜5mg/日までの間の2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン。最適なレジメンであれば、正常範囲を5〜10倍超える範囲で血漿チロシンの持続的な上昇を達成する最低有効濃度のHPPD阻害剤を供給し、ひいては脳チロシン濃度の上昇をもたらす連続的なチロシン源を供給することになろう。
【0053】
[0051] 患者の全体的な状態の評価に加え、その患者のHPPD阻害剤投与効果を、標準的な臨床化学アッセイおよび血液アッセイにより、または、脳チロシン、肝機能検査および活性剤濃度の代わりとして血漿チロシンをモニターすることによりモニターしてもよい。
【0054】
[0052] 本発明のまたさらなる一態様では、薬学的に有効な量のHPPD阻害剤を患者に投与することを含む、RLSを治療および/または予防する方法が提供される。
【0055】
[0053] 本発明の特定の一実施形態では、前記疾患を治療する。本発明のまたさらなる一実施形態では、患者はヒトである。本発明のまたさらなる一実施形態では、疾患は、RLS、エクボム症候群、ウィットマーク−エクボム症候群、遺伝性肢端疼痛症、脛骨筋不安、睡眠時周期性四肢運動(PLMS)および周期性四肢運動障害(PLMD)であってもよい。本発明のまたさらなる一実施形態では、前記HPPD阻害剤は、前述のとおりである。特定の一実施形態では、前記阻害剤は、2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物、包接化合物もしくはプロドラッグを含む。
【0056】
[0054] 本発明の化合物は、単独で使用した場合でも優れた効果を有するが、その効果は、化合物を他の医薬調製物および治療薬と組み合わせて用いることによりさらに促進させることができる。組み合わせることになる調製物および治療薬の例としては、ベンゾジアジピン(例えば、クロナゼパム、カルバマゼピン)、ペルゴリド、カルビドパ、レボドパ、オキシコドン、ガバペンチン、マグネシウム、鉄、ビタミン、麻薬、ドパミン作動薬、または薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、プロドラッグ、光学的および薬理的に活性のある立体異性体が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、この組合せは、相乗効果を有する。
【0057】
[0055] 当業者には認識されるであろうが、HPPD阻害剤を含有する投与量を投与するタイミングは変えることができる。本発明の一態様では、HPPD阻害剤は、RLSの症状の同定後に投与される。HPPD阻害剤の投与は、症状の発生後に開始できる。本発明の別の態様では、HPPD阻害剤は、別の薬理学的に活性のある化合物と共に患者に投与される。好ましくは、HPPD阻害剤は、回復を容易にするために約1カ月〜約3カ月間投与される。好ましくは、この化合物およびこの化合物を含む組成物は、最大約12カ月以上投与されるか、または、さらにより好ましくは継続的に投与される。
【0058】
[0056] 本発明の別の態様では、HPPD阻害剤は、RLSへの素因を有する患者に予防的に投与される。HPPD阻害剤の投与は、症状の発生前に開始できる。本発明の別の態様では、HPPD阻害剤は、別の薬理学的に活性のある化合物と共に患者に投与される。好ましくは、HPPD阻害剤は、回復を容易にするために約1カ月〜約3カ月間投与される。好ましくは、この化合物およびこの化合物を含む組成物は、最大約12カ月以上投与されるか、または、さらにより好ましくは継続的に投与される。
【0059】
V.医薬製剤および投与様式
[0057] 本明細書に記載の方法は、前述のHPPD阻害剤を含む医薬組成物であって、好ましくは、2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンを、任意選択により、この物質が相乗効果を有する別の化合物と組み合わせて、1つまたは複数の薬学的に許容される添加剤またはビヒクル、および任意選択により他の治療的および/または予防的な原料と共に含む組成物を使用する。そのような添加剤としては、水、生理食塩水、グリセロール、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸、エタノールなどの液体が挙げられる。非液体製剤に適した添加剤も、当業者には公知である。薬学的に許容される塩を本発明の組成物中で使用でき、このような塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩などの鉱酸塩;および、酢酸塩、プロピオン酸塩、マロン酸塩、安息香酸塩などの有機酸塩が挙げられる。薬学的に許容される添加剤および塩の徹底的な考察は、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第18版(Easton、Pennsylvania、Mack Publishing Company、1990)中で入手できる。
【0060】
[0058] 加えて、湿潤剤または乳化剤、生物学的な緩衝物質、界面活性剤などの補助物質がそのようなビヒクル中に存在してもよい。生物学的な緩衝液は、実質的には、薬理学的に許容され、製剤に所望のpH、すなわち生理学的に許容される範囲のpHをもたらす任意の溶液であってもよい。緩衝液の例としては、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、トリス緩衝生理食塩水、ハンクス緩衝生理食塩水などが挙げられる。
【0061】
[0059] 意図する投与様式により、この医薬組成物は、例えば、錠剤、坐剤、丸剤、カプセル剤、散剤、液体剤、懸濁剤、クリーム剤、軟膏剤、ローション剤など固形、半固形または液体の剤形の形態、好ましくは、正確な投薬量の単回の投与に適した単位剤形であってもよい。この組成物は、有効量の選択薬物を、薬学的に許容される担体と組み合わせて含むことになり、加えて、他の医薬剤、アジュバント、賦形剤、緩衝液などを含んでもよい。
【0062】
[0060] 本発明は、異性体、異性体のラセミ混合物もしくは非ラセミ混合物、または薬学的に許容されるその塩または溶媒和物を、1つまたは複数の薬学的に許容される担体、および任意選択により他の治療的および/または予防的な原料と共に有する本発明の化合物を含む医薬組成物を包含する。
【0063】
[0061] 一般には、本発明の化合物は、許容される投与様式のいずれかにより治療上有効量で投与される。適当な投薬量の範囲は、治療することになる疾患の重症性、対象の年齢および相対的な健康、使用する化合物の効力、投与の経路および形態、投与の対象となる適応症、ならびに担当する医療専門家の好みおよび経験など多数の因子によって決まる。そのような疾患を治療する当業者であれば、過度の実験を行うことなく、個人的な知識および本出願の開示を頼りに、所与の疾患のために本発明の化合物の治療上有効量を確認することができよう。
【0064】
[0062] 本発明の医薬組成物および剤形は、本明細書に記載の方法においてとりわけ有用であり、経口投与、経粘膜(例えば、経鼻、舌下、口腔内、経直腸および経膣)投与、非経口(例えば、静脈内、筋肉内もしくは皮下)投与または経皮投与に適していると考えられる。
【0065】
[0063] 好ましい医薬組成物および剤形は、2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンまたは別のHPPD阻害剤、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物、包接化合物もしくはプロドラッグを、約0.1mg〜約500mg、好ましくは約1mg〜約100mg、より好ましくは約2mg〜約25mgの量で含む。本発明の医薬組成物および剤形は、典型的には、1つまたは複数の薬学的に許容される添加剤または賦形剤も含む。
【0066】
[0064] 本発明の単回用の単位剤形は、患者への経口投与、経粘膜(例えば、経鼻、舌下、経膣、口腔内または経直腸)投与、非経口(例えば、皮下、静脈内、ボーラス注射、筋肉内または動脈内)投与または経皮投与に適している。剤形の例としては以下が挙げられるが、これらに限定されない:錠剤;カプレット剤;軟らかく弾力性のあるゼラチンカプセル剤などのカプセル剤;カシェ剤;トローチ剤;ロゼンジ剤;分散剤;坐剤;軟膏剤;パップ剤(湿布剤);ペースト剤;散剤;包帯剤;クリーム剤;プラスター剤;溶液剤;パッチ剤;エアゾール剤(例えば、鼻スプレーまたは吸入器);ゲル剤;懸濁剤(例えば、水性または非水性の液体懸濁剤、水中油乳剤または油中水液体乳剤)、溶液剤およびエリキシル剤など患者への経口または経粘膜投与に適した液体剤形;患者への非経口投与に適した液体剤形;および、再構成して患者への非経口投与に適した液体剤形を得ることができる滅菌済の固形物(例えば、結晶性または非晶質性の固形物)。
【0067】
[0065] 例えば、錠剤などの経口剤形は、非経口剤形における使用に適さない添加剤を含有してもよい。経口投与に適している本発明の医薬組成物は、錠剤(例えばチュアブル錠)、カプレット剤、カプセル剤、および液体剤(例えば風味の付いたシロップ剤)などではあるがこれらに限定されない個別的な剤形として提供してもよい。そのような剤形は、所定量の活性成分を含有し、当業者に周知の製剤法により調製してもよい。
【0068】
[0066] 本発明の典型的な経口剤形は、混合物中の2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンを、従来の医薬配合法により少なくとも1つの添加剤と組み合わせることにより調製される。添加剤は、投与に望ましい調製形態により、多種多様な形態を取ることができる。例えば、経口用の液体剤またはエアゾール剤の剤形における使用に適した添加剤としては、水、グリコール、油、アルコール、香味剤、保存剤および着色剤が挙げられるが、これらに限定されない。固形経口剤形(例えば、散剤、錠剤、カプセル剤およびカプレット剤)における使用に適した添加剤の例としては、デンプン、糖、結晶セルロース、賦形剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、充填剤および崩壊剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0069】
[0067] 錠剤は、圧縮または成型により調製できる。圧縮錠は、粉末または顆粒などの自由に流動する形態の2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンを適当な機械で圧縮し、任意選択により添加剤と混合することにより調製できる。成型錠は、不活性な液体賦形剤で湿らせた粉末化合物の混合物を適当な機械で成型することにより作製できる。
【0070】
[0068] 医薬組成物および剤形における使用に適した結合剤としては以下が挙げられるが、これらに限定されない:トウモロコシデンプン、バレイショデンプンまたは他のデンプン、ゼラチン、天然および合成のガム(アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギン酸塩、トラガント末、グアーガムなど)、セルロースおよびその誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、(例えば、2208番、2906番、2910番)、結晶セルロースおよびそれらの混合物。
【0071】
[0069] 適当な形態の結晶セルロースとしては以下が挙げられるが、これらに限定されない:AVICEL−PH−101(商標)、AVICEL−PH−103(商標)、AVICEL RC−581(商標)、AVICEL−PH−105(商標)として販売されている材料(FMC Corporation、American Viscose Division、Avicel Sales、Marcus Hook、Pa.から入手可能)、およびそれらの混合物。具体的な結合剤は、AVICEL RC−581(商標)として販売されている結晶セルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウムとの混合物である。適当な無水または低水分の添加剤または添加物としては、AVICEL−PH−103(商標)およびStarch 1500LMが挙げられる。
【0072】
[0070] 本明細書中で開示する医薬組成物および剤形における使用に適した充填剤の例としては以下が挙げられるが、これらに限定されない:タルク、炭酸カルシウム(例えば、顆粒または粉末)、結晶セルロース、粉末セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプンおよびそれらの混合物。本発明の医薬組成物中の結合剤または充填剤は、典型的には、医薬組成物または剤形の約50〜約99重量パーセントで存在する。
【0073】
[0071] 崩壊剤は、本発明の組成物中では、水性環境にさらされると崩壊する錠剤を供給するために使用する。あまりに多くの崩壊剤を含有する錠剤は保管中に崩壊する可能性があるが、あまりに少なく含有するものは所望の速度または所望の条件下で崩壊しない可能性がある。したがって、本発明の固形経口剤形を形成するためには、多すぎも少なすぎもしないことから活性成分の放出を有害に変化させない十分な量の崩壊剤を使用すべきである。使用する崩壊剤の量は、製剤の種類に基づいて変動し、当業者には容易に認識できる。典型的な医薬組成物は、約0.5〜約15重量パーセントの崩壊剤、好ましくは約1〜約5重量パーセントの崩壊剤を含む。
【0074】
[0072] 本発明の医薬組成物および剤形中で使用できる崩壊剤としては以下が挙げられるが、これらに限定されない:寒天−寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、バレイショまたはタピオカのデンプン、他のデンプン、アルファ化デンプン、他のデンプン、クレイ、他のアルギン、他のセルロース、ガムおよびそれらの混合物。
【0075】
[0073] 本発明の医薬組成物および剤形中で使用できる滑沢剤としては以下が挙げられるが、これらに限定されない:ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽鉱油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、水素化植物油(例えば、ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびダイズ油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、寒天およびそれらの混合物。追加的な滑沢剤としては、例えば、サイロイドシリカゲル(AEROSIL200(商標)、Baltimore、Md.のW.R.Grace Co.により製造されている)、合成シリカの凝固エアゾール剤(Plano、Tex.のDegussa Co.により販売されている)、CAB−O−SIL(商標)(Boston、Mass.のCabot Co.により販売されている発熱性の二酸化ケイ素製品)およびそれらの混合物が挙げられる。仮に使用する場合、滑沢剤は、典型的には、それを組み込む医薬組成物または剤形の約1重量パーセント未満の量で使用する。
【0076】
[0074] RLS障害または状態の短時間または長期間の管理における予防上または治療上の用量の活性成分の規模は、治療することになる障害または状態の重症性および投与経路に伴い変動するであろう。
【0077】
[0075] 例示的な一実施形態では、本発明は、RLSおよび/またはその症状を治療または予防するのに、または、当技術分野において認知されている尺度、例えばMOS睡眠尺度により睡眠障害を治療または予防するのに、および/または、睡眠の量および/または十分性を改善するのに治療上有効な量のHPPD阻害剤を有する単位投薬量製剤を提供する。この単位投薬量製剤は、任意選択により、HPPD阻害剤が治療することを意図されている疾患または状態の治療または予防に有効な、または、任意選択により、HPPD阻害剤が治療することを意図されている疾患または状態と共存する疾患または状態を治療するために使用される、別の薬理学的に活性のある化合物を含む。
【0078】
キット
[0076] 本発明は、医療の専門家が使用すると患者への適切な量の活性成分の投与を単純化できるキットをさらに含む。
【0079】
[0077] 本発明の典型的なキットは、2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンなどの本発明のHPPD阻害剤、または薬学的に許容されるそのプロドラッグ、塩、溶媒和物、水和物または包接化合物の単位剤形、および、追加的な薬理学的に活性のある化合物の単位剤形を含む。追加的な薬理学的に活性のある化合物の例は本明細書中で開示してある。
【0080】
[0078] 本発明のキットは、活性成分を投与するために使用する用具をさらに含むことができる。そのような用具の例としては、注射器、ドリップバッグ、パッチおよび吸入器が挙げられるが、これらに限定されない。
【0081】
[0079] 本発明のキットは、1つまたは複数の活性成分を投与するために使用できる薬学的に許容されるビヒクルをさらに含むことができる。例えば、活性成分が、非経口投与用に再構成しなければならない固形形態で供給されていれば、キットは、中で活性成分が溶解されて非経口投与に適した微粒子不含の滅菌済溶液を形成できる適当なビヒクルの密封容器を備えていてもよい。薬学的に許容されるビヒクルの例としては以下が挙げられるが、これらに限定されない:注射用水USP;塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、デキストロース注射液、デキストロースおよび塩化ナトリウム注射液ならびに乳酸化リンゲル注射液などではあるがこれらに限定されない水性ビヒクル;エチルアルコール、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールなどではあるがこれらに限定されない水混和性ビヒクル;ならびに、トウモロコシ油、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピルおよび安息香酸ベンジルなどではあるがこれらに限定されない非水性ビヒクル。
【0082】
[0080] まとめると、本発明は、以下を提供する:
【0083】
[0081] むずむず脚症候群を治療または予防する方法であって、そのような治療もしくは予防を必要とする患者に治療上もしくは予防上有効量のHPPD阻害剤、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、包接化合物もしくはプロドラッグを投与することを含む方法。本発明は、例えば、日中(例えば、休息時または不活動中)または夜(例えば、睡眠中または睡眠前)のRLSの治療を包含する。
【0084】
[0082] 睡眠障害を治療または予防する方法であって、そのような治療もしくは予防を必要とする患者に治療上もしくは予防上有効量のHPPD阻害剤、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、包接化合物もしくはプロドラッグを投与することを含む方法。
【0085】
[0083] 睡眠量または睡眠十分性を改善する方法であって、そのような治療もしくは予防を必要とする患者に治療上もしくは予防上有効量のHPPD阻害剤、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、包接化合物もしくはプロドラッグを投与することを含む方法。
【0086】
[0084] HPPD阻害剤が2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンである、いずれかの先行段落に記載の方法。
【0087】
[0085] 別の薬学的に活性のある化合物、例えば、ペルゴリド、カルビドパ、レボドパ、オキシコドン、カルバマゼピンもしくはガバペンチン、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、プロドラッグ、光学的および薬理学的に活性のある立体異性体もしくは薬理学的活性のある代謝産物を投与することをさらに含む、いずれかの先行段落に記載の方法。
【0088】
[0086] 2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物、包接化合物もしくはプロドラッグを含む医薬組成物。
【0089】
[0087] 2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンが光学的に純粋である、いずれかの先行段落に記載の医薬組成物。
【0090】
[0088] 2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンが約0.1mg〜約60mgの量である、いずれかの先行段落に記載の医薬組成物。
【0091】
[0089] 2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンが約2mg〜約30mgの量である、いずれかの先行段落に記載の医薬組成物。
【0092】
[0090] 2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンが約5mg〜約15mgの量である、いずれかの先行段落に記載の医薬組成物。
【0093】
[0091] 経口、経粘膜、経直腸、非経口、経皮または皮下での投与用に構成される、いずれかの先行段落に記載の医薬組成物。
【0094】
[0092] 2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンまたは薬理学的に許容されるその塩および医薬添加剤を含む、むずむず脚症候群を治療または予防するための、いずれかの先行段落に記載の医薬組成物。
【0095】
[0093] 2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンまたは薬理学的に許容されるその塩が約0.01mg〜約50.0mgの濃度で存在する、いずれかの先行段落に記載の医薬組成物。
【0096】
[0094] いずれかの先行段落に記載の方法において使用される、いずれかの先行段落に記載の医薬組成物。
【0097】
[0095] 本発明を以下の実施例により例証するが、本発明は、この実施例の範囲により限定されない。
【実施例】
【0098】
(実施例1)
試験デザイン
[0096] 試験は、経口のHPPD阻害剤(2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン)およびプラセボの2治療群を用いた多施設、ランダム化、二重盲検、並行群間、プラセボ対照試験。対象を、HPPD阻害剤またはプラセボでの治療のいずれかに2:1の比率でランダム化した。対象には、1日目には4mg、2〜14日目には2mg/日を投薬した。各対象についての試験薬での治療の合計継続期間は連続14日であり、最終的な睡眠研究室評価の日(14日目)に終了し、ベースライン後に追跡検査を29日行った。
【0099】
[0097] この探索的試験の目的は、中等度から重度の突発性RLS対象において、例示的なHPPD阻害剤を用いた療法の概念の検証を示すことであった。2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン療法下でのRLSの運動症状および主観的な重症性評点がプラセボとの比較で低下することを実証できるかどうかを評価した。
【0100】
[0098] ベースラインと治療終了時との間では、周期性四肢運動(PLM)および睡眠効率の客観的測定、ならびに、RLS症状の重症性の調査者評価、ならびにRLS症状の重症性、睡眠障害(sleep disturbance)およびうつ感覚についての対象の報告において、有効性パラメーターを変えた。測定したパラメーターには、以下が含まれた:
・周期性四肢運動(PLM)指標。就床時間(time-in-bed、TIB)中に生じるPLM事象の回数と定義する(PLMI/h TIB)
・睡眠中周期性四肢運動指標。合計睡眠時間(total sleep time、TST)1時間当たりのPLMの回数と定義する(PLMSI/h TST)
・PLM覚醒指標。合計睡眠時間1時間当たりの、覚醒を伴うPLMの回数と定義する(PLMSAI/h TST)
・覚醒中周期性四肢運動指標。就床時間内の覚醒中に生じる1時間当たりのPLMの回数と定義する(PLMWI/h TIB)
・睡眠効率(Sleep Efficiency、SE)。合計睡眠時間(TST)の合計就床時間(TIB)に対する比率(%)として表す
・合計睡眠時間(TST)
・TST当たりの覚醒の合計回数
・睡眠潜時
・下肢静止不能尺度−6項目(RLS-6)(Kohnenら、2004)
・治療開始時から終了時へのIRLS合計スコアの変化
・救済投薬が必要になるまでの時間(耐えられないRLS症状のための救済投薬が必要になったために脱落するまでの時間と定義する)
・医師の全般印象。臨床全般印象尺度(Clinical Global Impressions、CGI):重症性、変化および治療効果により評点付けする
・CGI応答者。CGI項目の「変化」について「大きく」または「非常に大きく」改善した対象の割合と定義する
・患者の全般印象(Patients' Global Impression、PGI)尺度 項目1(有効性)
・メディカルアウトカムスタディー(Medical Outcomes Study、MOS)の睡眠尺度
・ベックうつ病評価尺度(Beck Depression Inventory、BDI)
・加えて、8日目〜15日目の間、患者日誌を記入させた
・ベースライン時点、治療終了時点および追跡時点でのHPPD阻害剤血漿濃度
・ベースライン時点、治療終了時点および追跡時点での血漿チロシン濃度。
【0101】
結果
[0099] RLS症状の重症性、睡眠障害および気分についての医師および患者による評点、ならびにベースラインからの変化についての調査者および患者による全般評価は、2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンの方がプラセボより良かった。PSG測定値についての対数変換値から観察されるように、PLM指標値により、例示的なHPPD阻害剤の2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン投与下では、プラセボと比較して改善がわずかに大きいことが示された。
【0102】
[00100] IRLS尺度の結果から、2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン投与下の対象(M-ITT)は、プラセボと比較して、EoT時点で軽度または中等度のRLS症状のみを報告した者が多かったことが示された(対象9名[64.3%]対2名[28.6%])。IRLS合計スコアおよびIRLS重症性スコアの分析(IRLS印象スコアの分析を除く)から、ベースラインとEoTとの間には数的な差があり、2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン治療の方が良いことが示され、特に重症性スコアの結果は注目すべきものであった:2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン−プラセボの差[M−ITT]:LS平均:−3.46;95%−CI:−9.75;2.84;p=0.2636。
【0103】
[00101] RLS−6の下位尺度全てにおけるベースラインとEoT来院との間の中央値(平均)の差から、2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンで治療された対象はプラセボ治療を受けた者より多くの利益を経験したことが示された。最も注目すべきは、RLS症状が、入眠時(2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン−プラセボの差[M−ITT]:LS平均:−2.62;95%−CI:−5.24;−0.01;p=0.0494[両側、ANCOVAから])または夜間(2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン−プラセボの差[M−ITT]:LS平均:−1.77;95%−CI:−4.52;0.97;p=0.1910[両側、ANCOVAから])に減少したことである。
【0104】
[00102] 2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンの方がプラセボより良いという結果が、いくつかのMOS下位尺度において見られた。本明細書中の以下の実施例2を参照されたい。
【0105】
[00103] ベースラインとEoT来院との間の平均の差から、2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン群においてはプラセボと比較してうつ症状がより大きく低下していることが示された。
【0106】
[00104] CGI重症性項目の結果から、2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンの方がプラセボ治療より改善が大きいことが示された。両群において、EoT時点で中等度から重度の病状を有する対象がいた(対象7名[50.0%]対5名[71.4%])が、2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン群においてのみ、3名(21.4%)の対象は全く病気でないか、または病気との境界状態であるにすぎなかった(M-ITT)。状態の変化に関しては、2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン群の7名(50.0%)の対象については非常に大きくまたは大きく改善していた(応答者分析)が、プラセボ対象においては2名(28.6%)のみであった(M-ITT)。治療効果は、8名(57.1%)の2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン治療対象および3名(42.9%)のプラセボ治療対象において、非常に良好または中程度として評点付けされた。PGIの結果から、2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン群の対象の方がプラセボ群と比較してより多く(7名[50.0%]対2名[28.6%])、自身が受けた療法を有効なものと評価したことが示された。
【0107】
[00105] RLS−6尺度において観察された傾向を、患者日誌データ中のさらに強いシグナルにより並行化した。治療効果は、特に、日中(2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン−プラセボの差[M−ITT]:LS平均:−2.57;95%−CI:4.87;−0.27;p=0.0304[両側、ANCOVAから])、入眠時(2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン−プラセボの差[M−ITT]:LS平均:−2.64;95%−CI:−5.15;−0.13;p=0.0402[両側、ANCOVAから])および日中活動時(2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン−プラセボの差[M−ITT]:LS平均:−1.28;95%−CI:−2.52;−0.04;p=0.0437[両側、ANCOVAから])におけるRLS症状の改善について観察された。夜間および日中の休息時、または不活動中にRLS症状が改善される傾向が見出された。
【0108】
(実施例2)
睡眠パラメーターの改善
[00106] RLSを有する対象は、プラセボ(対象7名)またはHPPD阻害剤(対象13名)のいずれかの投与を、治験1日目に4mg、次いで2〜14日目にわたり1日当たり2mgとして受けた。治療期間にわたり、RLSに関連する多様なパラメーターを、とりわけ、標準的な評価尺度(メディカルアウトカムズスタディー(MOS)の睡眠尺度)を用いて対象の睡眠パターンの質をモニターした。個々に対し、添付の文書に従って記録される多様なパラメーターを用いて、治験開始(ベースライン)時点および治療終了(EoT)時点で再度、自身の「通常の」睡眠経験の標準的な評価を記入するように依頼した。測定したパラメーター全てにおいて正の効果への傾向が見られ、「睡眠十分性」パラメーターについては統計的有意性に達した。
【0109】
MOS睡眠尺度
[00107] MOS睡眠尺度は、12項目から成る、対象が記入するタイプの包括的な睡眠質問票である(HaysおよびStewart、1992; Haysら、2005)。各項目は、睡眠の独特な側面または特徴を測定するものである。全体としては、MOS睡眠尺度は以下を測定するものである:
1.入眠までの時間
2.合計睡眠時間(単位:時間)
3.睡眠時の不穏状態
4.休息したと感じる十分な睡眠
5.息苦しさまたは頭痛を伴う睡眠中の覚醒
6.日中の気だるいまたは眠い感覚
7.入眠困難
8.睡眠時間中の覚醒と、それに伴う再入眠困難
9.覚醒持続困難
10.睡眠中のいびき
11.うたた寝
12.必要な睡眠量
全ての項目(項目2を除く)を「0〜100」の尺度に変換した。
【0110】
[00108] MOS睡眠尺度の分析用に、以下の下位尺度を関連項目の平均として定量した(一部、評点を「0〜100」の尺度に転換した後、項目を並べた中で(R)により表す):
・睡眠障害(sleep disturbance)(項目1、3(R)、7(R)、8(R))
・いびき(10(R))
・息苦しさまたは頭痛を伴う睡眠(5(R))
・睡眠十分性(4(R)、12(R))
・睡眠傾眠(6(R)、9(R)、11(R))
・睡眠困難指標I(4、5(R)、7(R)、8(R)、9(R)、12)
・睡眠困難指標II(1、3(R)、4、5(R)、6(R)、7(R)、8(R)、9(R)、12)
【0111】
[00109] 加えて、睡眠の質を、睡眠の継続時間:
・睡眠量(項目2、生スコア)、
および睡眠の最適性(一方、最適な睡眠を7〜8時間の睡眠と定義した):
・最適な睡眠(項目2、「はい」(7〜8時間)/「いいえ」(それ以外))
として評価した。
これらの下位スコアを、この治験における有効性の変数として分析することとした。
【0112】
[00110] 対象は、自身の来院より前の週について各項目に回答しなければならない。最後の来院以降の期間が1週間未満である場合(例えば、途中で中止する場合)、対象は、自身の最後の来院以降の日について各下位尺度に回答しなければならない。
【0113】
[00111] 対象は、毎晩、入眠にかかった時間の長さおよび平均睡眠時間の数字を自己報告した。他の全ての項目についてのスコアは、1(常に)〜6(全くない)の範囲である。
【0114】
[00112] 各項目は対象が記録した。対象が項目の理解または適切なスコアの位置決めに困難を有する場合には、治験責任医師または臨床従事者が対象を補助することがあった。
【0115】
[00113] MOS睡眠尺度は、ベースライン(来院2)時点および最終検査(来院3)時点で記入させた。
【0116】
MOS睡眠尺度
[00114] MOS睡眠尺度のベースライン値は両治療群で匹敵していた。全てのMOS下位尺度の、ベースライン時点およびEoT時点での絶対値ならびにベースラインからEoT来院(来院3)までの間の変化を、PPSについて1に示す。
【0117】
【表1】


【表2】

【0118】
[00115] HPPD阻害剤の使用についての好ましい結果は、いくつかのMOS下位尺度において、特に、以前行われたロピニロール治療による睡眠改善についてのRLS治験においてRLS症状に非常に感受性が高いことが証明されている睡眠十分性(Allenら、2004)(HPPD阻害剤−プラセボの差[M−ITT]:LS平均:26.97;95%−CI:1.30;52.64;p=0.0405[両側、ANCOVAから]、d=0.50)について見出すことができ、さらには、睡眠障害(sleep disturbance)および睡眠困難両指標の低下についても見出すことができた。
【0119】
[00116] 後の3つの尺度については、HPPD阻害剤での治療の方がプラセボより良いという統計学的傾向が見出された(睡眠障害(sleep disturbance):HPPD阻害剤−プラセボの差[M−ITT]:LS平均:−17.30;95%−CI:−35.53;0.93;p=0.0616[両側、ANCOVAから];d=0.55;睡眠困難指標I:HPPD阻害剤−プラセボの差[M−ITT]:LS平均:−18.75;95%−CI:−37.80;0.31;p=0.0534[両側、ANCOVAから]、d=0.54;睡眠困難指標II:HPPD阻害剤−プラセボの差[M−ITT]:LS平均:−16.78;95%−CI:−36.18;2.61;p=0.0857[両側、ANCOVAから]、d=0.41)。
【0120】
[00117] 加えて、対象が、自身が必要とした睡眠(最適な睡眠)の量を得たと報告したかどうか、MOS睡眠尺度を用いて評価した。ベースライン時点では、2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンにランダム割付された1名の患者のみが睡眠を最適であると報告した。EoT来院時点では、2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン治療を受けたM−ITTの患者5名(35.7%)(4名はPPS)が、睡眠は最適であると報告したが、プラセボ患者のうち睡眠継続時間は最適であると報告した者はいなかった(添付文書16.4、一覧7.4.2を参照のこと)。
【0121】
[00118] 好ましい実施形態および多様な代替的な実施形態を参照して本発明を具体的に示し、説明してきたが、当業者には、その中で、本発明の精神および範囲から逸脱せずに形態および詳細の多様な変更を行うことができることは理解されよう。本出願において言及している特許印刷物および刊行物は全て、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
むずむず脚症候群を治療または予防する方法であって、前記治療もしくは予防を必要とする患者に治療上もしくは予防上有効量のHPPD阻害剤、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、包接化合物もしくはプロドラッグを投与することを含む方法。
【請求項2】
前記HPPD阻害剤が2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ペルゴリド、カルビドパ、レボドパ、オキシコドン、カルバマゼピンもしくはガバペンチン、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物、包接化合物、プロドラッグ、光学的および薬理学的に活性のある立体異性体もしくは薬理学的活性のある代謝産物を投与することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオン、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、水和物、包接化合物もしくはプロドラッグを含む医薬組成物。
【請求項5】
前記2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンが光学的に純粋である、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンが約0.1mg〜約60mgの量である、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンが約2mg〜約30mgの量である、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンが約5mg〜約15mgの量である、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
経口、経粘膜、経直腸、非経口、経皮または皮下での投与用に構成される、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項10】
2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンまたは薬理学的に許容されるその塩および医薬添加剤を含む、むずむず脚症候群を治療または予防するための医薬組成物。
【請求項11】
前記2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンまたは前記薬理学的に許容されるその塩が約0.01mg〜約50.0mgの濃度で存在する、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
睡眠障害を治療または予防する方法であって、前記治療もしくは予防を必要とする患者に治療上もしくは予防上有効量のHPPD阻害剤、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、包接化合物もしくはプロドラッグを投与することを含む方法。
【請求項13】
前記HPPD阻害剤が、2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンまたは薬理学的に許容されるその塩である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
睡眠量または睡眠十分性を改善する方法であって、前記治療もしくは予防を必要とする患者に治療上もしくは予防上有効量のHPPD阻害剤、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、包接化合物もしくはプロドラッグを投与することを含む方法。
【請求項15】
前記HPPD阻害剤が、2−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチルベンゾイル)−1,3−シクロヘキサンジオンまたは薬理学的に許容されるその塩である、請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−508186(P2012−508186A)
【公表日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−534935(P2011−534935)
【出願日】平成21年11月6日(2009.11.6)
【国際出願番号】PCT/US2009/063656
【国際公開番号】WO2010/054273
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(511109489)バイオティ セラピーズ,インク. (1)
【出願人】(511109504)バイオティ セラピーズ アーゲー (1)
【Fターム(参考)】