説明

めっき検査装置

【課題】めっき製造工程におけるめっき品質を傾向管理することによって、安定した検査を行うめっき検査装置を提供する。
【解決手段】板状金属製品に照明光を照射する照明手段と、板状金属製品を撮像して画像情報を得る撮像手段と、板状金属製品を一定速度で一方向へ移動する搬送手段と、搬送手段上に板状金属製品を1枚ずつ供給、排出する供給排出部と、めっき基準品の画像情報を処理して検査情報を得、検査情報と板状金属製品の画像情報を比較することによってめっき状態を判定して検査結果を得て、装置全体の動作制御を行う処理制御部と、板状金属製品の画像情報および検査結果と、めっき基準品の画像情報および検査情報とを記憶する記憶手段と、めっき基準品の画像情報を参照して、板状金属製品の検査結果および画像情報の傾向を比較するめっき状態管理手段と、を備えたことを特徴とするめっき検査装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、めっき製法に応じた最適な撮像手段によって得られる板状金属表面の画像データを用いた、めっき検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
板状金属製品の中には部分的にめっきの施されたもの、テーピングが施されたものなどがあり、例えば半導体パッケージの基材であるリードフレームがこれに該当する。以下、このリードフレームを例に挙げて説明することとする。現在、リードフレームを使用した半導体パッケージは用途拡大により、基材であるリードフレームに対しても厳しい品質保証が要求されている。一般にリードフレームの基材は鉄ニッケル合金(42材)及び銅合金等が用いられ、その製造方法には超精密金型を用いて機械的に金属を打ち抜くスタンピング方法と、化学的に金属を腐食してパターン形成を行うエッチング方法がある。
【0003】
近年の半導体技術分野におけるパッケージング技術は、半導体装置の高集積、高機能化に伴い狭ピッチ化が進んでおり、これらのパッケージに用いられるリードフレームも多ピン化、狭ピッチ化が進んでいる。また、半導体素子の高速化に伴い、高い電気伝導度を有する金属材料の使用も年々増加している。
【0004】
従来、リードフレームのインナーリードは、ダイパッドの中心を基準として放射線状に広がるようにして延びていくように設計されている。リードフレームを用いた半導体装置は、ICチップがダイパッドに固定され、ICチップの電極パッドとインナーリード先端部のボンディング部とがワイヤボンディング等により電気的に接続される。ICチップが多機能化するにつれ電極パッドの数が増え、また、ICチップの小型化によって、電極パッド間の間隔も狭いものになってきている。それに伴い、電極パッドとの接続が行われるリードフレームのリード部位も多ピン化し、各リードの本数が増え、リード間ピッチ、リード幅も多種多様なものとなっている。
【0005】
パターン形成されたリードフレームは、インナーリード先端部等の所定位置に銀めっきが施される。このめっき部がボンディング部として使用される。
リード間のピッチ、リード幅が狭くなったリードは強度が弱く、僅かな外力によってもリードの変形を生じる。このことから、インナーリード同士及びダイパッドを支える吊りリードとインナーリードとの接触、電気的短絡やインナーリード等の変形を防止するために、保護テープを貼ったリードフレームが製造されるようになった。
そして更にダウンプレス処理後、インナーリード先端をカットする先端カット処理が施されるものもある。
【0006】
図1にリードフレーム10の概要を示す。図1(a)は表面側から観察した時のリードフレーム10を、図1(b)は裏面側から観察した時のリードフレームを示す。
エッチング方法などにより製造されたリードフレーム10はダイパッド1、インナーリード2、アウターリード3、ダムバー4、フレーム部5を有し、配線パターンが形成されていない部分を空間部9とする。その後、インナーリード2に半導体素子とボンディング部の接続抵抗を低下させるためめっき6を施す。また、インナーリード同士及びダイパッドを支える吊りリードとインナーリードとの接触、電気的短絡やインナーリード等の変形を防止するために保護テープ7を貼り付ける。保護テープ7は絶縁体であることなどを考慮しポリイミドテープを使用している。さらに、ダウンプレスにより吊りリード8に段差を形成しダイパッド1への半導体素子積載を考慮し、インナーリード2先端の導通を取り除くためのインナーリード先端カットが行なわれ、リードフレームが完成する。尚、実製品のリードフレームは、前述のような配線パターンが多面付けされた状態となっている。
【0007】
以上により、リードフレーム最終検査における不良項目は、パターン不良(オープン系/ショート系/異物等)、リード変形、テープ不良(有無/位置ズレ/幅不良等)、めっき不良(有無/未着/付着/位置ズレ/幅不良等)、ダウンプレス有無等多岐に亘り、自動検査機を活用した製品弁別が欠かせない。しかし、全ての不良を1台の検査機で検査することは難しく、特に最近ではテープやめっきに関する検査要求がさらに高まっており、ICチップとの接続を行なうボンディング部に施される部分めっきの品位は特に重要で、CCDカメラ等でめっき部を撮像し、画像処理を用いてそのめっき状態を検査する方法として、例えば特許文献1が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−171402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1の技術によって確かに板状金属表面とめっき部とのコントラスト差を得ることはできるが、厳密には三次元的な形状を有した配線パターンの側面テーパー部も含めためっき状態の良し悪しを判断する検査方法が望ましく、かつ金属表面とめっき部とを明瞭にコントラスト分離できると共に、めっき部のみならず金属表面状態の良し悪しも同時に行える撮像、検査方法が望ましい。また、板状金属表面やめっき面をミクロ的に観察すると金属材料製法起因の圧延キズや凹凸が存在し、この凹凸による微小な明暗が画像上に生じてしまい画像処理における閾値設定によっては過検出要素となり、安定した自動判定が難しい。
【0010】
そこで、金属表面とめっき部とを明瞭にコントラスト分離できる方法として、撮像角度が0°〜10°で基板の表面を撮像する手段と、非めっき部の金属材料とめっき部のめっき材料との反射強度の差異が最大となる波長域の光源手段と、立体角2πの間接光を照射する照射手段による金属基板表面の検査方法を提案し、これにより一光学系においてめっき部と非めっき部との同時撮像及び検査が実行可能となり、めっき部と非めっき部との個別撮像及び検査に比べ安価な装置実現が可能となった。
【0011】
しかし、最近めっき部は製造条件の微少な変動などによって表面状態や組成が変化し、金属表面とのコントラスト分離による検査が安定化しないことが極稀に発生することが分かってきた。また、製法上の光沢材有無によって半光沢、無光沢などめっきの仕上がり状態の異なる品種も存在することも事実で、このような仕上がり状態を早期に数値データで傾向管理する必要性が生じてきた。
【0012】
そこで本発明は、上述の課題を解消し、めっき製造工程におけるめっき品質を傾向管理することによって、安定しためっき検査を行うめっき検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、板状金属製品のめっき品質の欠陥を検査する検査装置であって
前記板状金属製品に照明光を照射する照明手段と、
前記照明手段によって照明された板状金属製品を撮像して画像情報を得る撮像手段と、
前記板状金属製品を一定速度で一方向へ移動する搬送手段と、
前記搬送手段上に、前記板状金属製品を1枚ずつ供給、排出する供給排出部と、
板状金属製品のうちのめっき基準品の画像情報を処理して検査情報を得、前記検査情報
と前記板状金属製品の画像情報を比較することによって板状金属製品のめっき状態の良否を判定して検査結果を得て、かつ、装置全体の動作制御を行う処理制御部と、
前記板状金属製品の画像情報および検査結果と、めっき基準品の画像情報および検査情報と、を記憶する記憶手段と、
前記めっき基準品の画像情報を参照して、板状金属製品の検査結果および画像情報の傾向を比較するめっき状態管理手段と、
を備えたことを特徴とするめっき検査装置である。
【0014】
また、本発明の請求項2に記載の発明は、前記板状金属製品がリードフレームであることを特徴とする請求項1記載のめっき検査装置である。
【0015】
また、本発明の請求項3に記載の発明は、前記撮像手段は前記搬送手段と同期しながら、撮像手段の撮像位置に到達した板状金属製品を撮像することを特徴とする請求項1または2に記載のめっき検査装置である。
【0016】
また、本発明の請求項4に記載の発明は、めっき基準品との傾向比較によって得られる比較結果を製造工程へフィードバックすることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のめっき検査装置である。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るめっき検査装置は、めっき製法に応じた撮像手段によって得られる画像情報を用いて、めっき品質を検査する検査装置である。従来、めっき部の製造条件の微少な変動などによって表面状態や組成が変化し、金属表面とのコントラスト分離による検査が安定化しないことが極稀に発生していたが、本発明に係るめっき検査装置によれば安定しためっき検査を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】リードフレームの概要を示す図
【図2】本発明に係るめっき検査装置の一例を示す外観図
【図3】本発明に係るめっき検査装置の照明部を詳細に示した図
【図4】本発明に係るめっき検査装置によって検査されるリードフレームの一例を示す概要図
【図5】インナーリード、めっき部、空間部の概略を示した模式図
【図6】本発明に係るめっき検査装置の画像処理・欠陥判定処理の全体動作を示したフローチャート
【図7】(a)本発明に係るめっき検査装置の分割マッチング処理を示す(b)めっき付着の検出を示す図
【図8】(a)本発明に係るめっき検査装置によるエリアズレ検出を示す図(b)めっきがインナーリード途中に施されている場合のエリアズレ検出を示す図(c)更に別のエリアズレ検出を示す図
【図9】本発明に係るめっき検査装置による同品種の基準ワークと検査ワークからヒストグラムピーク平均輝度を求めた一例を示す図
【図10】本発明に係るめっき検査装置による検査結果表示例を示した図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明に係るめっき検査装置の一実施形態を説明する。
【0020】
図2は本発明に係るめっき検査装置の一例を示す外観図である。図2(a)は正面から見た図、図2(b)は側面から見た図である。本発明のめっき検査装置は、板状金属製品10を照明する照明手段である照明部30と、照明された板状金属製品10の表面を撮像
する撮像手段である撮像カメラ40と、板状金属製品10を一定速度で一定方向へ移動する搬送手段である搬送部20を備えている。撮像カメラ40は搬送部20と同期が取られ、検査位置に到達した板状金属製品の表面を撮像する。処理制御部60は、撮像カメラ40により板状金属表面を撮像して得られた画像情報を用いて板状金属表面に存在するめっき不良を検査して検査結果を得ると共に、めっきが施された領域における検査画像とめっき基準品の画像情報とのめっき状態の画像比較を行う。更に処理制御部60は照明部や撮像カメラや搬送部や供給、排出部の制御を行う。図示しないが搬送部上には前記板状金属製品を1枚ずつ供給、排出する供給排出部を備えている。21は搬送手段動作開始釦である。この実施の形態では搬送手段20へ板状金属製品(リードフレーム)10を供給及び排出する動作は手載せを想定したものを例示している。
【0021】
また、前記板状金属製品の画像情報および検査結果と、めっき基準品(後述する)の画像情報および検査情報(後述する)は、図示しない記憶手段である記憶部に記憶される。
【0022】
図3は、照明部30を詳細に示した図である。照明部30は、間接光照射するドーム照明42と直接光照射する直接照明41を共に具備している。ドーム照明42はめっき部表面の平坦性の高い状態、すなわち光沢、半光沢と表現できる表面状態のめっき検査に効果があり、使用する板状金属材料とめっき材料に応じて反射強度差異が最も大なる波長域400nm以上600nm以下を活用して板状金属材料とめっき材料との光学的分離を図ったものである。直接照明41は同波長域を使用し、めっき部表面の平坦性の低い状態、すなわち無光沢と表現できる状態のめっき検査に効果があり、照射範囲20〜60°の直接光を照射することで、めっき部を高コントラスト抽出する。尚、ドーム照明42と直接照明41を同時に使用することは無く、めっき製造条件によりユーザーが適宜選択することで求める画像を得る。撮像手段の仰角θは、板状金属製品の鉛直方向と光軸とのなす角度を指し、仰角θは好ましくは5°付近を採用する。尚、仰角θを0°としない理由は、撮像時に板状金属表面の圧延キズ等の細かな凹凸を軽減化させ、誤検出、過検出の防止を狙っているからである。そして、照明上部の撮像用開口部は、この仰角θに合わせた所定の位置に開口形成させる。撮像カメラはその用途に応じてラインカメラ、エリアカメラ、モノクロ、カラーの選択が可能であり、本例ではラインカメラを使用した場合の形態を例示している。
【0023】
図4は、本発明に係るめっき検査装置によって検査されるリードフレームの一例を示す概要図である。101はリードフレーム、11はダイパッド、12はインナーリード、13はアウターリード、14はダムバー、15はフレーム部、16はめっき、17は保護テープ、18はリード、19は空間部を示す。
【0024】
図5(a)はインナーリード12、めっき部16、空間部19の概略を示した模式図で、(b)は(a)図中のL1線上のプロファイルを示したものである。横軸は位置を示し、縦軸は反射光の濃度を階調値で示したものである。このようにインナーリード12、めっき16、空間部19それぞれにおいて濃度情報の分離がなされ、めっき部のみの抽出及び画像処理が容易に行うことができる。例えばリードフレームの裏面側にはめっき処理は施されないが、リードフレーム裏面側へのめっき回り込み(付着)が生じる可能性があるため、裏面側を検査したい場合には手動/自動を切り替えてリードフレームを表裏反転させることで同様の検査を行うことが可能である。
【0025】
処理制御部60では、照明部や撮像カメラや搬送部や供給、排出部の制御を行うと共に板状金属表面を撮像して得られた画像情報を用いて、板状金属表面に存在するめっき不良を抽出する。更にめっきが施された領域におけるめっき基準品とのめっき状態の画像比較を行う。図6は、この画像処理・欠陥判定処理の全体動作を示したフローチャートである。撮像部が撮像するタイミングは、板状金属製品を一定速度で一方向へ移動する搬送部の搬送速度と同期を取ることで撮像して画像情報を得る(ステップS1)。この画像情報は、処理制御部に送出され、この画像情報からめっき部の各部情報を抽出する(ステップS2)。更に、抽出された情報を用いて欠陥検出・判定処理が実行される(ステップS3)。この欠陥検出・判定処理は、板状金属製品に形成されている所定のめっき領域に対して実行され、この後全体動作は完了する(ステップS4のYESの場合)。ステップS4のNOの場合は更にステップS1に移行する。
【0026】
めっき検査に関してその処理を説明する。まず、リードフレームのうちの1枚をめっき基準品として、撮像手段でその画像情報を撮像して、めっき基準品の画像情報(マスター画像)を得る。このめっき基準品の画像情報に対してめっき部のみを抽出する2値化処理を行い、更に必要に応じてこの2値画像に対する膨張収縮処理等を必要回数(段数)分行うことでエッジ部分のがたつきを抑えた後、この画像を新たにめっき検査用の検査情報とする。そして、この検査情報と撮像画像との間で予め設定した基準位置を使用した位置補正処理を行った後、めっき部分でのマッチングエリア70を適正に設定した上で分割マッチング処理を行うことで、めっきカス・ブツ、めっき不着等のめっき不良を検出させる(図7(a))。逆にめっき付着は、本来付いてはいけない部位にめっきが付いてしまう不良を指し、この不良を検出するため被めっきエリアに対してめっき2値化レベル以上の輝度値部位が存在するか否かで判断が可能である(図7(b))。
【0027】
次に、めっきエリアズレ検出は次のように行う。マスター画像上の上下左右4方向におけるリードフレームアイランド1中心とめっき端間距離を予め求めておく。この距離を基準値とし、撮像した検査ワークの画像情報に対して同様の処理を毎回行い、得られたアイランド1中心とめっき端間距離とマスター画像の基準値と比較し、ある閾値以上であればめっきエリアズレが生じていると判断している(図8(a))。
【0028】
ところで、めっきは必ずインナーリード先端から施されているわけではなく、インナーリード途中に施されているものもある。その場合は、内側めっき端、外側めっき端とアイランド中心間距離を各々の方向において求め、基準値との比較により、めっきエリアズレを検出するようにしている(図8(b))。更に別の手法もある(図8(c))。アイランド側及びダムバー側のめっき端が交差範囲内に存在しているかを判定したい。そこで、Y方向において、アイランド側めっき端基準MIy=(MSy+MSy’)/2、ダムバー側めっき端基準MOy=(MEy+MEy’)/2を求める。X方向についても同様にめっき端基準MIx、MOxを算出する。そして、アイランド側及びダムバー側めっき端基準において、基準値と計測値との比較、|MI−MS|、|MI−MS’|、|MO−ME|、|MO−ME’|をXY2方向について行い、この値が設定公差以内であれば良品、公差外は不良と判断する。尚、公差(閾値)は8箇所共通でも良いし、個別でも構わない。
【0029】
めっき状態の管理は例えば次のように行う。めっき製法に応じた撮像手段によって、めっき基準品(上記検査情報を採取したワークと同物でも構わない)から画像情報を得て、めっきが施された部位にヒストグラム算出領域を設定し、この領域からピーク平均輝度値を求めておく。検査ワーク上でも同様にピーク平均輝度値を求め、この基準値との差異を算出することにより、この値が適正かどうかを管理する。また、この値に良品限度域を設定することで良否判別、傾向管理を行う。このような画像評価値と、めっき工程にて例えば光沢計などで数値管理されている測定値との間で相関関係(検量カーブ)を見出し、めっき状態の管理に活用しても良い。また、このようなめっき管理は板状金属製品の面内バラツキを求める場合にも使用でき、板状金属製品全域において均一なめっき状態管理にも繋がる。更に、画像上のRGB情報から色相、明度、彩度などの別の観点から必要な数値情報を得て、管理することも可能である。図9は同品種の基準ワーク(Base)と検査ワーク(Ins)からヒストグラムピーク平均輝度を求めた一例であり、両者のピーク平均輝度に差が見られ、同品種ではあるがロット間バラツキによる特異な例である。
【0030】
図10は検査結果表示例を示したもので、検査結果及び様々なトレンド情報を出力表示させることで必要な情報の入手を可能にしている。更に、このような数値データをネットワークを介し上位基幹システムへ伝達し、製造工程へ品質情報をフィードバックすることにより、良品率向上など工程改善に役立てることも可能である。
【0031】
本発明に係るめっき検査装置は、めっき製法に応じた撮像手段によって得られる画像情報を用いて、めっき品質を検査する検査装置であり、めっき基準品との傾向比較によって得られる比較結果を製造工程へフィードバックすることでめっき品質安定化へ寄与でき、版起因などの共通不良なども早期に見つけ出すことができる、不良検出感度の優れた検査装置の提供を可能としている。この結果、半導体装置の高密度、高機能化に伴う板状金属製品の微細化や量産化に対応できるものとしている。
【産業上の利用可能性】
【0032】
めっき品質を検査する検査装置として、めっき製法に応じた最適な撮像手段を使って板状金属表面の画像情報を得て、適切な画像処理を行うことで得られる検査情報を使い、めっき品質の維持、向上に寄与できる。
【符号の説明】
【0033】
1・・・アイランド又はダイパット
2・・・インナーリード
3・・・アウターリード
4・・・ダムバー
5・・・フレーム部
6・・・めっき
7・・・保護テープ
8・・・吊りリード
9・・・空間部
10・・・板状金属製品(リードフレーム)
11・・・ダイパッド
12・・・インナーリード
13・・・アウターリード
14・・・ダムバー
15・・・フレーム部
16・・・めっき
17・・・保護テープ
18・・・リード
19・・・空間部
20・・・搬送手段
21・・・搬送手段動作開始釦
30・・・撮像手段
40・・・照明手段
41・・・直射照明
42・・・間接照明
43・・・内壁
44・・・撮像用開口部
50・・・カメラ
60・・・処理制御部
70・・・分割マッチングエリア
101・・・リードフレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状金属製品のめっき品質の欠陥を検査する検査装置であって
前記板状金属製品に照明光を照射する照明手段と、
前記照明手段によって照明された板状金属製品を撮像して画像情報を得る撮像手段と、
前記板状金属製品を一定速度で一方向へ移動する搬送手段と、
前記搬送手段上に、前記板状金属製品を1枚ずつ供給、排出する供給排出部と、
板状金属製品のうちのめっき基準品の画像情報を処理して検査情報を得、前記検査情報と前記板状金属製品の画像情報を比較することによって板状金属製品のめっき状態の良否を判定して検査結果を得て、かつ、装置全体の動作制御を行う処理制御部と、
前記板状金属製品の画像情報および検査結果と、めっき基準品の画像情報および検査情報と、を記憶する記憶手段と、
前記めっき基準品の画像情報を参照して、板状金属製品の検査結果および画像情報の傾向を比較するめっき状態管理手段と、
を備えたことを特徴とするめっき検査装置。
【請求項2】
前記板状金属製品がリードフレームであることを特徴とする請求項1記載のめっき検査装置。
【請求項3】
前記撮像手段は前記搬送手段と同期しながら、撮像手段の撮像位置に到達した板状金属製品を撮像することを特徴とする請求項1または2に記載のめっき検査装置。
【請求項4】
めっき基準品との傾向比較によって得られる比較結果を製造工程へフィードバックすることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のめっき検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−214946(P2011−214946A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−82326(P2010−82326)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】