説明

ろ過、洗浄、殺菌、及び脱臭に用いる光触媒、エレクトレット、及び疎水性表面

【解決手段】 光触媒、エレクトレット、及び疎水表面が幾何学的に一体化されて、自己洗浄のエアーフィルタ、布、または表面が得られる。これらは表面及びアパレルに取り込まれて、吸収された化学物質、バクテリア、菌、ウイルス及び微粒子における光触媒、水、光の作用によって、これらの表面は、ウィッキング,殺菌,脱臭、洗浄される。前記光触媒は、電気的に接続される電気浸透圧コントロール及び電気エネルギーの出力を得ることができる。これにより、化学物質、バクテリア、菌、ウイルスからの保護、そして、そして、アパレル、構造、エアーフィルタ、そして特に保護めがねにおけるより大きな湿度調節と快適さに繋がる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
基礎出願
本出願は、2004年2月25日付け出願の米国仮出願第60/547,073号に優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
アパレルには、脱臭、殺菌、通気が必要である。アパレルとは、アイウェア、靴、靴下、手袋、ジャケット及び帽子などである。人体は、壊死した皮膚、油、バクテリア、ウイルス、血液、汗、及び水分を放出する。アパレルは一般に、水分を除去し、使用者を熱から防護し、且つ使用者を汚れ及び光から保護する。アパレルは周囲環境において、油、アンモニア、炭化水素、芳香族炭化水素、水、塩、土、バクテリア、ウイルス、及び菌等の幅広い汚れに晒される。アパレルを装着した人の暖かく湿った状態、例えば、人頭のゴーグルのフェースガスケット、空気入出口、ヘッドバンドは、バクテリア、菌コロニーの維持及び増殖、またウイルスの保存に理想的な場所となりえる。バクテリア及び菌コロニーの存在及び増殖は、アパレルにおいて臭気の発生になる可能性がある。バクテリア、菌、及びウイルスの存在により、着用者の体に感染が広がり、接触する他の人または動物に感染が広がる可能性がある。
【0003】
二酸化チタンのような光触媒は、3.2eV以上のエネルギーの青色光子と、酸素と水の存在下において、前記光触媒の表層に吸収された有機化合物を分解及び酸化可能であることが分かっている。これらの光触媒は、光触媒と接触するバクテリア、菌、及びウイルスも破壊する。光触媒反応及びその効率性は、前記光触媒の表面に水が存在する場合に大幅に向上する。二酸化チタンがこの作用をするためには、40%を超える相対湿度が必要とされる。前記光触媒表面の化学反応性により、これら表面は極めて親水性になる。光触媒を直射日光または青色光に頻繁に露出されるアパレルと組み合わせることによって、様々な自己洗浄及び殺菌特性が達成可能である。
【0004】
アパレルの表面を脱臭及び殺菌する従来の方法は、高温殺菌、石鹸、及び水による洗浄、塩、塩素またはオゾン等の反応性化学物質への液浸、ホルムアルデヒドなどの生物致死剤の緩徐放出、電子または荷電粒子、X線、及び紫外線の放射である。
【0005】
殺菌温度までアパレルを加熱することは、プラスチック要素を溶かしたり、材料を流出、劣化、または蒸発させて製品を破壊する可能性がある。
【0006】
衣類に生物致死剤のような殺菌技術を取込むことにより衣類から刺激臭が放出され、これは使用者に危険であり、また皮膚炎を起す可能性がある。アパレルに吸収された化学物質からの臭気が残留することにより、動物及び人間によって感知可能なアパレルを作ることになり、このことは特に軍事及び狩猟で重要な点である。
【0007】
定期的なクリーニングは多くのアパレル製品で通常行われることではあるが、不便であったり、過剰エネルギーの消耗にもなりえる。洗浄は、アパレルの使用を中断させ、接着を変化させたり、溶剤をアパレル中に残すことにより、アパレルの性能を損失させる可能性がある。水分除去において重要である疎水または親水性表面性質は、石鹸洗浄によって損失する可能性がある。水が表面中にまたは表面上に残される場合、熱及び電気絶縁の性質が劣化する可能性がある。洗浄過程は、接着剤が薄膜でコートされたり、必要な化学薬品の成分を溶かすことによって接着剤のような接合材質を損失させる可能性がある。
【0008】
曇り止めするコーティングのような成分の幾つかは、概して吸水性であるので、長時間水に浸けられると軟化し、レンズ表面への付着性を失う可能性がある。ゴーグルの二重レンズは、空気層を含んでおり、浸漬クリーニングの際に水及び化学物質が入り込む可能性がある。これは、二重レンズの透視度及び絶縁性質を破壊する。エレクトロニクス、電池、及び燃料電池のような器具がアパレルに組み込まれている場合、反応性の化学物質に水をかけることは、回路を短絡させて前記器具の性能を破壊したり、劣化させるので、洗浄は非実用的である。
【0009】
連続放射線照射または定期的な照射を取り入れることは、重量を増し、不都合で、費用がかかり、使用者へ有害となる可能性も有する。プラスチック及びゴムのような材料は、エネルギー性放射で分解する可能性がある。アパレルの機能は、使用者を紫外線及び放射線から保護するためのものであることがしばしばあるが、その場合、前記アパレルの内部表面は一般的な紫外線による殺菌から保護されているので、バクテリア、及び菌増殖に適している。
【0010】
高湿度、暖かさ、及びアイウェアと体が接触する状態は、バクテリア、菌及びウイルスの維持し養うのに理想的である。アイウェアに吸収された臭いは使用者の鼻の近くに位置するのでより顕著である。アイウェアが体と密着すること、また目、鼻及び口の近くに位置することにより、感染を広げまたは維持し、且つ使用者を刺激しやすいものである。
【0011】
これら表面を殺菌する従来の方法は、塩素処理水、次亜塩素酸ソーダ(漂白)、石鹸、及び/または水等の化学物質洗浄液にアパレルを浸漬する方法である。これは、刺激性の化学物質がアパレルに残留し、アパレルの変質、またはアパレルが洗浄水で湿ったままの状態になる可能性がある。光触媒が、脱臭及び殺菌する特性を持っていることは以前から周知のことである。湿潤及び水との相互作用の性質も実証されている。光触媒の他の効果は、光触媒の表面に活性化学物質を生成した後に表面自由エネルギーが高くなり、高付着(高表面自由エネルギー)を生じさせることである。光触媒表面は、親水性になることが予期される。水付着勾配は、表面上の水の操作を行うために利用されてきており、ウィッキングの単なる毛管作用を超えた液状水分を移動させるのに使用できる。
【0012】
水付着効果を高めるために高い表面積表面を形成する特質は、Cool Max(登録商標)(DuPont Corp.,1007 Market Street,Wilmington,DE,19898)のような製品で水の毛管作用チャネルを提供する成型ポリエステル繊維のような材料において利用されてきている。エレクトレット及び静電気的ろ過の性質は、エアーフィルターシステムにおいて利用されてきた。
【0013】
水付着勾配及び自己洗浄表面の例は、蓮の花、苺の葉などの特定の植物システムで観察され、疎水性表面毛のために高度の疎水性表面を有する。これらの表面は、水滴が表面を打つとき、水滴によって埃が移動することで、埃を取り除く効果を有する。
【0014】
従来の装置
米国特許第5,690,922号明細書のMotoya Mouriらの「Deoderizable Fiber and Method of Producing the Same」。この特許は、アパレルに殺菌及び脱臭特性を与えるために、二価金属三価金属水酸化物のリン酸塩を有する繊維の含浸と、繊維を有する光触媒とを開示している。この特許は、繊維に帯電防止剤を添加することに言及している。非布表面上での光触媒またはウィッキングの特性の使用には言及していない。これは、エレクトレット特性と関連して光触媒を使用することには言及していない。
【0015】
Hondaらの米国特許第6,592,858B1号明細書「Fiber Structure Having Deodorizing or Antibacterial Property」。この特許は、脱臭、抗細菌性、抗真菌性、及び抗汚れ特質を得るために、光触媒酸化物が塗布される複雑な繊維構造を記載している。この特許は、また、前記光触媒と一緒にシリコーン酸化物、及び前記光触媒と一緒にゼオライトの使用を利用している。光触媒酸化物は、アルキル・ケイ酸エステル樹脂、シリコーン樹脂、及びフッ素樹脂等の様々な樹脂を有する繊維に付着される。この特許は、接着剤の汗及び水の吸水性質に言及している。しかし、接着剤または光触媒の静電的性質には言及していない。
【0016】
George Bendaらの米国特許第6,685,891B2号明細書「Apparatus and Method for Purifying Air」。空気ろ過が、空気殺菌器及びフィルターを駆動するためのランプ照明触媒からの熱気流対流と共に記載される。バクテリアを殺すヒドロキシルイオンを生成するために、40%以上の相対湿度、及びドープした場合の30%の相対湿度が記載される。湿度を維持するために、小さな水の貯蔵器及び水のウィッキング、または他の加湿手段がオプションとして記載されている。より大きい微粒子を除去するための任意のフィルタについて言及される。この特許は、静電またはアパレルへの適用については言及していない。
【0017】
Brad Reisfeldらの米国特許出願第2003/0180200 Al号明細書「Combined Particle Filter and Purifier」。空気ろ過に関するこの特許は、空気調節及び暖房システム用の機械的濾過、脱臭、及びフィルターの定期的な洗浄と処分の組み合わせについて記載している。この特許は、親水性、または疎水性の特質、水のウィッキング、または静電について言及していない。
【0018】
Fuji Toishikaiの米国特許第6,620,385B2号明細書、「Method and Apparatus for Purifying a Gas Containing Contaminants」。この特許は、ガス状汚れ質を分解するための光触媒部と、浮遊媒塵を濾過するためにエレクトレットを使用するHEPAフィルターの、2つの個別の要素を使用する。Toishikaiは、適切な光触媒の範囲、変換可能な汚れ及び光触媒の毒物を記載する。静電帯電及び誘引、及び炭化水素粒子の捕集により微粒子が濾過されることが記載される。前記エレクトレットを有するHEPAフィルターは、前記システムの光触媒部と分離している。この特許は親水性または疎水性の性質、水のウィッキング、水を使った洗浄、または光触媒表面の強化については言及していない。
【0019】
Kohayaski Masakiらの米国の特許出願第US 2003/0179476 Al号明細書、「Anti−Fogging Element and Method for Forming the Same」。この特許は、光触媒の湿潤特性を利用するもので、光触媒及び固体のポリマー・ペイントを使用して防曇性表面を形成する。この特許は、200°Cで光触媒を有する防曇性コーティングを形成することを記載する。しかし、親水性勾配、抗菌性、または静電気的特質については記載していない。
【0020】
Hayakawa Makotoらの米国特許出願第US 2002/0016250 Al号明細書、「Method for Photocatalytically Rendering a Surface of a Substrate Super Hydrophilic, a Substrate With a Super Hydrophilic Photocatalytic Surface, and Method of Making Thereof」。この特許は、表面が降雨に晒されたときに自己洗浄する光触媒表面について記載する。この特許は、鏡レンズの曇り及び防曇剤としての湿潤フィルムの目的について言及する。数ナノメータ程度のコーティング厚さが表面の超親水性を提供するのに十分であることを発見している。この特許は、コーティングを使用して、熱交換表面の上で水を分散し、流体フロー熱交換の遮断による水の凝縮を防ぐ。この特許は、親水勾配、抗細菌性または帯電性の特質には言及していない。
【0021】
これらの引用文献において、アパレル中のエレクトレットと関連して光触媒を使用するいかなる説明または動機も記載されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明は、上述した欠点を鑑みて、長年の問題へのユニークな解決を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明は、いくつかの物理的機能を構成要素に組み合わせ且つ最適化させることによって、好ましい効果を達成するものである。本発明は、光触媒、水付着差表面、及びエレクトレットを組み入れて、アイウェア、エアークリーナ及びアパレル製品を強化し、ろ過し、水ウィッキングし、殺菌し、及び脱臭する。
【0024】
極めて疎水性の材料(ポリプロピレン及びケイ素ゴム)であることが多いエレクトレットについての我々の研究では、これらに引き寄せられた微粒子は水によって取り去られることが示されている。これは、水滴の直近の電界は、水の高比誘電率とは逆に低下し(25℃において、水の比誘電率は、空気の1に対して73である)、電界を低下させる。前記微粒子の表面エネルギーは、湿潤及び水滴への取込みによって低下し、前記微粒子は水滴に引き込まれる。一旦水及び微粒子が取り去られると、前記電界は回復する。
【0025】
本発明は独自に光触媒及びエレクトレット効果をユニークな方法で組み合わせて、アイウェア、エアークリーナ、及びアパレル製品中で使用されるシステムを有利に作成し、ガス交換、液状水分、微粒子を管理、脱臭、殺菌、及び使用者に所望される快適度を作るものである。
【0026】
我々の同時係属中の米国出願第10/317,065号明細書「Non−Fogging Goggles」(ここで言及することにより、全文が本明細書に組み込まれたものとする)は、水を引きつけて、ウィッキングを起すためにゴーグル表面を濡らすには、水吸収表面が必要であることを指摘している。この出願は、表面湿潤剤として固体高分子電解質を使用して説明している。この出願は、前記コーティングの光触媒特性、または前記コーティングを通じたイオン抗力については記載していない。
【0027】
我々の同時係属中の米国出願第60/416,271号明細書「Electrostatic Filtered Eyewear」(ここで言及することにより、本明細書に組み込まれたものをする)において、埃、バクテリア、ウイルス、及び菌をろ過し、収集するためにエレクトレット及び静電を使用している。我々は、エレクトレットとの関連で使用される光触媒については記載しなかった。
【0028】
酸化チタンのような光触媒は、ゴーグルなどのアパレル製品の表面に取り込まれて、前記光触媒表面上に吸収された化学物質を分解及び酸化するものであるが、これは、十分なエネルギーを有する光の吸収によって起こり、前記光触媒に電子正孔対を生成する。電子正孔対は、水と接触する表面の分解、及び前記光触媒表面上において後続の反応性化学物質を生じさせる。前記被覆表面は、エアーフィルター、通気孔、ウィッキング表面、防護カバー、基礎材料上の層として機能し、前記基礎材料と体用の紫外線保護フィルタとして機能可能である。
【0029】
前記光触媒は、親水性表面であって、疎水性層に取り込まれるか、または隣接して2つの表面間の水付着勾配による、水移動ルートとして機能可能である。前記光触媒表面は、また、エレクトレットまたは静電帯電システムに組み入れられ、埃、バクテリア、菌及びウイルスを引きつけて保持し、その後、水付着勾配上の水によって、高凝着を有する前記光触媒表面に移動され、光触媒プロセスによって破壊される。
【0030】
前記光触媒表面は、光触媒上の表面電荷及びその後の表面上の反応性化学物質の生成により、高水付着(表面自由エネルギー)を有する。通常、周囲表面を疎水性にする油沈着物は、光触媒プロセスにより表面から取り除かれるので、自然の表面親水性が維持される。この濡れ能力は、ゴーグルの通気孔の内部のような表面を濡らすために有利に用いられ、前記通気孔から凝結水がウィックキングされて、ゴーグルの周辺部に出ることを可能にする。
【0031】
アパレルにおいて光触媒を効果的にするには、汚れを捕らえ、光と湿気を取り入れることができる場所に配置する。ゴーグルでの適応において、光触媒コーティングは、通気孔の外側の縁に位置する。前記光触媒の沈着の形状及び適用は、ゴーグルまたはアパレル中の通気孔の疎水性及び静電性のエリアと調整して、濾過、水除去及び殺菌分解機能が達成可能である。
【0032】
光触媒微粒子またはコーティングはアパレルの表面、または有効な電子正孔対を生成する光子がアクセス可能な状態であれば、前記製品中の層内に埋め込むことが可能である。疎水、エレクトレット及び光触媒の領域を有する通気孔または多孔部等の単一の要素を塗布することにより自己洗浄効果を達成できる。前記光触媒は、水付着を変えて、その疎水性を低下させることが可能な汚れから疎水性表面を保護する。
【0033】
前記エレクトレットの表面は、エレクトレットの電界を完全に覆わないが、微粒子がエレクトレット表面に引き付けられるときに光触媒と効果的に接触するのに十分な近さになる、光触媒の微粒子の断続的な層によってコートすることが可能である。疎水及び親水層の溝削り、プリントされたストライプ、チャネル、光触媒繊維、エレクトレット繊維、及びウィッキング繊維の織布、及び/またはその類似品が、自己洗浄及び耐汚損効果を達成するために使用できる。
【0034】
含浸された布または膜の密着層が、前記効果を得るために使用されてもよい。ゴーグルガスケット、フィルタ、包帯などでの肌に接触する用途のための布の重層は、肌に、または肌の近辺に接触する疎水層を有すると同時に、エレクトレット層及び/または光触媒層を外側に有する。前記光触媒との接触から生じる皮層刺激を避け、且つ肌の表面から水を取り除くために、重層構造が使用され、前記肌と接触する表面は、最も疎水性でより少ない触媒作用の表面が使用され、前記光触媒は外側表面に配置される。
【0035】
包帯の場合、傷への付着を最小限に抑えることが所望されるので、疎水性の接触が重要になる。アパレルを洗浄し、前記エレクトレット及び前記光触媒上の微粒子の蓄積を取り除くために、前記エレクトレットと接触する、汗、凝結水、またはスプレー水、または液体水滴の流れが前記エレクトレットから前記微粒子を引き離すことができる。これは、水が25℃で1の比誘電率を有する空気と比較して78の比誘電率を有するので、水の接触により前記電界は78の因子で低下する。
【0036】
このように、前記電界は、本発明により大幅に低下し、前記微粒子は水付着により水の中に引き寄せされる。前記水は、アパレルの外側にウィッキングされ、前記微粒子と一緒に放出されることが可能である。これはアパレルが自己脱落及び耐汚れになることを意味し、これは、蓮華や苺の葉のように、雨水によって植物の表面が洗浄されるという植物で観察される現象に類似するものである。
【0037】
基礎回路を構築し、システムを通して電気を通すことにより、イオン浸透圧抗力を達成し、表面を通じまたは上で水を移動させることが可能である。光触媒微粒子間の結合剤は、電解質であることも可能である。
電圧を前記材料に印加して、イオン抗力によって能動的に水を動かすことができる。前記光触媒の電気化学的効果を、印加電圧によって起すか、または強化することが可能である。
【0038】
光触媒は半導体であるので、光起電力素子としてそれらを電気的に接続し、有用な電気を生成することが可能である。電解質が前記光起電力素子間に存在するか、または電極間に電極電流が存在する場合、イオン電流抗力によって水及び汗が移動可能である。収集された少量の電気エネルギーで、時計、ラジオ、液晶ディスプレイまたは光等を作動するために使用できる。
【0039】
アパレルの変色及び不透明度は、また、前記光触媒層に埋め込まれる光起電力によって駆動させることができる。内在の電極を有する前記光触媒層には、液晶材料が組み込まれ、光ろ過または有用なディスプレイに使用可能な光または発光素子の偏光に影響を与える。光触媒の印刷パターンは、所望の色及び外観効果を得るために使用することができる。
【0040】
前記構造には、活性炭またはゼオライトなどの化学物質吸収剤を組み入れて、前記光触媒が青色光に晒されて且つ汚れを分解するのに十分な湿気を有するまで汚れを保持することもできる。前記汚れの露出が、光触媒の処理率を超えるような場合に、前記化学吸収剤はバッファとして機能することができる。
【0041】
低湿度環境及び用途において、相対湿度が40%より低くなる場合、光触媒の性能は通常低下する。湿気源として、加熱水、スプレー水、水で濡らされたウイッキング材料、または液体または水蒸気を含む選択性透過膜も可能である。肌に近接するアパレル用途では、前記光触媒の表面上の空気の湿分は、通常、前記光触媒の表層上で40%を超える相対湿度を得るのに十分である。これに限定されるものではないが、例えばエアーフィルターでの適用では、前記光触媒の表面で加湿が必要である。ウレタン膜またはシリコーン膜のような選択性透過膜は、受動的且つ有効な方法で前記光触媒に十分な水蒸気を提供し、沸騰、スプレーまたは湿気のウィッキング供給によって生じる凝結生成の問題を回避することができる。この用途に有用な選択性透過膜は、液体水分は通さないが、水蒸気だけを通す膜である。幾つかの非限定例として、ウレタン膜、シリコーンゴム膜、多孔性のポリプロピレン膜、多孔性のセラミック膜及び多孔性のポリ四フッ化エチレン(PTFE)膜がある。
【0042】
この技術の他の適用には、布が使用され、前記光触媒を励起するのに十分な光に露出され、前記光触媒を活性化するために十分な湿度を有するもので、自己クリーニング、空気ろ過、清浄な空気の交換または脱臭の必要がある用途などである。例としては、テント、エアーフィルター、ネコ箱エアークリーナ、アイウェア、防護服、人工補装具、包帯、手袋、靴、衣類、家具、テント、人工植物、装飾物、窓カーテン、カーペット及び車室内ぎ装、壁表面、及び、掲示板がある。本発明のこれらの目的及び特徴、及び更なる、他の目的及び特徴は、上記及び下記の明細書、請求の範囲及び図面を含む本明細書の開示で明白である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
図1において、たとえば、ゴーグル、防護服または保護された空気取入口において使用されるV字形通気孔が示される。この通気孔1は、シリコーンゴム、ポリプロピレンまたはポリスチレン、または適切な材料(金属、金属繊維プラスチックまたはゴムの複合材料を含む)から成形されて作られる。前記シリコーンゴム、ポリプロピレン、ポリスチレン及び/または適切な材料は、エレクトレット4である。成形された形状1は、通常、直接入射をブロックし、高空気流速が可能なように形成される。
【0044】
前記構造1の内部において、前記エレクトレット4は荷電微粒子及び埃106を引きつけて、前記エレクトレット4の表面上に微粒子107を保持する。前記V字形チャネル3が金属から作られる場合は、シリコンゴム・コーティングを金属部材に塗布して、エレクトレット層4を前記金属に提供することができる。例えばポリ四フッ化エチレン(PTFE)のような疎水性コーティング2が、前記構造1の一方側にプラズマ処理によって沈積される。前記疎水性コーティング2は、前記V字型1のフローチャネル3に部分的に侵入するだけである。
【0045】
前記疎水フィルム2の反対側、及び、通常、前記通気孔1の外側に、二酸化チタン微粒子等のような光触媒5が、シリコーンゴムのようなバインダーと一緒にスプレー沈積されるか、または前記二酸化チタンはスパッタリング堆積される。特殊コーティングの1つの例は、二酸化チタンアナターゼ形の32ナノメートルの微粒子(Alfa Aesar, 26 Parkridge Road,Ward Hill,MA, 01935−6904)をNafion(登録商標)(Solution Technology, Inc.,PO Box 171,Mendenhall,PA,19357)と混ぜた混合物である。溶解剤は蒸発して、0.03〜5ミクロンの厚さのフッ素重合体(fluropolymer)電解質の薄膜に囲まれた触媒を残す。代わりの市販のスプレーコーティングは、TPXsol(Green Millennium, Inc.,20539 E.Walnut Dr.,Suite B,Diamond Bar,CA,91789)である。
【0046】
この堆積物は、前記V字型の前記フローチャネル3を部分的にのみコートする。前記通気孔構造1において、金、白金、パラジウム、酸化スズ、酸化亜鉛またはニッケルの電極111、112が前記通気孔の表面に形成するか、表面上にメッキする。これらの電極は光触媒コーティング5でコートされて、前記通気孔の表面にわたって、または通気孔1を通して、電気化学セルが作られる。外部回路113を前記電気化学セルに接続して、前記電極111、112間で電圧を生成するか、または前記電気化学セルからの電圧及び電流を利用することができる。前記通気孔中のこれらの前記電気化学セルは、化学または湿気診断手段としてエレクトロニクス113と一緒に構成されてもよい。
【0047】
操作の間、空気は前記V字型1を通って流れる(105、108、109)。通常、荷電された小さい埃及び微粒子106は、前記エレクトレット4の電界によって引きつけられて、前記エレクトレット表面4によって保持される。より大きい粒子107は、前記V字型構造1の曲がりによって捕まるか、偏向される。雪または雨は、前記フローチャネル3の側部にぶつかり、且つ付着する。スプレー、雨、雪からの水滴101、または前記V字型表面2、4、5上での凝結は、空気に対する水の高比誘電率のために、約1/80の係数によって前記エレクトレット4の電界を低下させる。前記水滴101は、前記エレクトレット4に付着した粒子性微粒子100を含むようになる。
【0048】
前記エレクトレット4の大部分は極めて疎水性であり、その結果、前記水滴103が表面上でしずくになり、前記フローチャネル3の一端にある疎水性コーティング2ともう一方の端にある前記親水性光触媒5によって形成される疎水親水勾配コーティングに沿って移動する傾向がある。前記光触媒5上で水付着特性が、徐々に低付着(疎水性、すなわち、低自由表面エネルギー)から高付着(親水性、すなわち、高自由表面エネルギー)へ移動するように前記コーティング2、4、5は堆積される。この処理は、捕獲された微粒子107を水滴104と一緒に前記エレクトレット4から外側の光触媒表面まで移動させる。
【0049】
前記外部表面上の水104を有する前記微粒子は、387nmより短い波長の青色光子110と一緒に、光触媒の3.2eVバンドギャップより上のエネルギーで、前記半導体二酸化チタンに吸収され、水反応性の水酸化イオンが前記光触媒表面5に生成される。これらは、埃粒子と反応し、様々な有機及び無機化合物を酸化する。この酸化により、前記光触媒表面5上のバクテリア、菌及びウイルスを殺すことができる。これは、また、芳香族炭化水素または臭気生成バクテリアまたは菌を直接酸化することにより脱臭に導く。
【0050】
図1に示される電極は、光触媒、または触媒的表面を有する。光115は、水素及び水酸化イオンが、前記通気孔の表面水104中、または前記通気孔の表面上の電解質光触媒フィルム5中の電極111、112の表面上に生成されるのを誘導する。
【0051】
この光触媒プロセスは、前記2つの電極111、112間での光起電力差、化学物質濃度差、湿気差のさまざまな効果で、前記2つの電極111、112間に電圧を生成する。十分な光と効率的な設計によって、これらの電圧は、電気電源または診断プローブとして使用可能であり、例として前記通気孔の相対湿度の測定、空気フロー中で見つかる化学物質の検知、及び露光量の検出が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0052】
電池などの電源113からの電圧は、前記2つの電極間で誘発され、前記電極間でのイオン114の移動の電気浸透圧ドライバーを作り、且つ、前記通気孔の中または外に水103、104を移動するために使用することが可能である。電圧を、定期的にパルスさせ、前記光触媒上で光によって生成されたものと類似する酸性の化学物質を生成して、電気化学的に前記通気孔1の表面を洗浄することができる。また、前記電極111、112間のフィルムで、熱、光、または液晶光偏光を生成することも可能である。
【0053】
図2Aにおいて、ゴーグルの内部図が示される。前記ゴーグルは、ウレタンまたはポリカーボネートのプラスチックレンズ13、シリコーンゴムのフレーム11、15、及びポリプロピレンのフェースガスケット12で形成される。これらの材料の多くは、シリコーンゴム、ポリカーボネートプラスチック及びポリプロピレンなどのエレクトレットである。屈折率変化を有する材料の薄層が通常、前記レンズ13の上にコートされ、反反射特性が与えられる。
【0054】
前記レンズの内外の表面は、前記レンズ13の中央部分で疎水性コーティングが施され、前記レンズの中央部分が更に疎水性にされる。顔接触ガスケット12は、その内部には疎水性コーティング、外部には親水性コーティングがコートされる。前記レンズ及びフェースガスケットの拡大図33が、図4に示される。図2Bにおいて、前記通気孔及びレンズの断面が示される前記ゴーグルの側面図が示される。内部レンズ18及び外部レンズ20を有するレンズ17は、二重レンズ17を形成する。ポリカーボネートプラスチックの二重レンズ17は、独立気泡ウレタン発泡体23、38によって、絶縁する空気ギャップ19をレンズ間に作るように分離配置され、ウレタンまたはシリコーンゴムのゴーグルフレーム16、22によって枠付けられる。下側の通気孔26は、断面図であるが、エレクトレットである、シリコーンゴムから成型されたV字型構造を有する。前記上部通気孔36は、前記フレーム16の上部に形成される。前記通気孔チャネル36は、プラズマ重合されたポリ四フッ化エチレン(PTFE)でコートされ、前記フレーム及び前記通気孔チャネル36の内部上で疎水性表面が得られ、また、前記通気孔チャネル入口及び前記通気孔26の外側上では二酸化チタンコーティングがある。前記フェースガスケット37、28が、前記通気孔チャネル36を覆っているのが図示される。前記通気孔横断面の拡大図が、図3に示される。
【0055】
図2Cは、前記ゴーグル通気孔入口31の底面図である。前記フレーム30は、光触媒で被覆され、入口チャネル31を有する。前記フェースガスケット32は、前記フレーム30の外部表面にある。
【0056】
図3において、前記ゴーグル通気孔とレンズの拡大断面側面図が示される。前記ゴーグルフレーム51、66は、スペーサ発泡体54、67で内側と外側のレンズを離して保持し、絶縁空気容積49を形成する。前記外側レンズ50は、図4に示す様式で疎水性及び親水性のコーティング52が施される。前記内側レンズは、図4に示すものに類似した、または同じ様式で、疎水性及び親水性のコーティング52が施される。前記フレーム中に形成されるか、ゴーグルまたはフェースガスケットのフレーム51、66へ挿入されるのが空気通気孔である。下側及び上側の空気通気孔が示される。
【0057】
使用中、気温が37°Cを下回ると、空気は、下側の通気孔チャネル46を通り、前記V字型55から移動した体熱で加熱される。前記V字型は、使用者と接触するフェースガスケット58、及び前記V字形通気孔構造55への熱伝導を通じて暖められる。加熱された空気は、その浮力のために内側レンズ48及び使用者の顔を通って上昇し、熱と水分を使用者の顔から移動させる。この熱及び水分の除去は、大部分の使用条件下で前記内側レンズ48が曇るのを防ぎ、使用者に快適さを提供する。
【0058】
内側または外側レンズ48、50、フレーム66、51、または通気孔55、68で凝結が起こると(ゴーグルが冷やされ、且つ、レンズ48、フレーム51、または通気孔55、68よりもずっと高い温度で、内部または外部の空気が湿気で飽和している場合、前記内部レンズ53、フレーム69、174,175,171,及び通気孔57,62上の光触媒コーティングは濡れて、図4及び図1で示される水付着勾配のために前記レンズ48、フレーム51、66、または通気孔55、68の周辺に水が移動される。
【0059】
暖かい湿った空気は、上部のV字型フローチャネル64を通って、前記ゴーグルの最上部から出る。上部V字形通気孔68は、エレクトレットのシリコーンゴムから形成される。前記内側レンズ48に隣接する前記通気孔68の内側で、前記通気孔は、プラズマ重合されたポリ四フッ化エチレン等の疎水性コーティング65を有する。前記内側レンズ48に隣接する上部フェースガスケット内部表面61、62は、プラズマ重合されたポリ四フッ化エチレンのような疎水性コーティングで被覆される。前記通気孔55、68の外部表面は、ポリシリコーンゴム結合剤コーティング57、59中に30ナノメートルの二酸化チタン微粒子が懸濁されたもので被覆される。
【0060】
前記V字形通気孔68、55は、直線入射のものを遮断するように設計されている。前記通気孔へ流れ入る空気流中のより小さい微粒子は前記エレクトレット・コーティング56、63の静電場によって前記V字型の壁に引きよされるか、前記V字型の材料55、68が前記微粒子を引き寄せ、保持する。上記の説明及び図1で図示されるプロセスにおいて、前記通気孔68、55は洗浄及び脱臭される。
【0061】
前記フレーム51、66、フェースガスケット58、62及び前記通気孔表面47、64のエレクトレット・シリコーンゴム内部表面は、プラズマ重合されたポリ四フッ化エチレン60、172、65、173によって被覆される。前記フレーム51、66、通気孔55、68及びガスケット58、62の外側の周囲表面は、30ナノメートルの酸化チタン微粒子及びポリシリコーン・ゴム結合剤、69、171、57、176、62、177によって被覆される。疎水性コーティング60、172、65、173の表面上及び内部表面上のエレクトレット56、63上の光触媒69、171、57、176、62、177の非連続的コーティングは、望ましい湿潤及び光触媒性質を有する。これらに限定されるわけではないが、無規則な繊維構造または開放気泡等の他の構造も、疎水性、エレクトレット、及び光触媒表面の隣接エリアを有する前記V字型構造の代替となりえる。
【0062】
図4は、前記内部レンズ及びフェースガスケットの拡大図である。
前記エレクトレット・レンズ89はポリカーボネート、または、ウレタンプラスチックで作られ、織布エレクトレットポリプロピレン87のフェースガスケットが示される。前記レンズ上の疎水性コーティングは、円90で示され、前記レンズ89の中央表面部分で空間的に高集中するようにコートされる。このコーティング90は、前記レンズの非反射コーティングの最後のコーティングに混合されるか、またはその上にコートされてもよく、または光学的効果が極めて小さく、付着を減少させる(疎水性)のに十分な原子的に薄いものであってもよい。
【0063】
たとえば、黒網点91として表される、二酸化チタンコーティングは、前記レンズ89の周辺部により高い空間的集中を有するものであるが、これは、ごくわずかな光学効果しか有しないが前記レンズ89の中央表面エリアに向かって付着(親水)が上がるのに十分な薄さになるように、最後の反射防止コーティングに混合するか、前回の疎水性コーティング90の上にコートされる。これらの疎水性及び親水性コーティング90、91は、前記レンズ89の内部エリア上の低付着(疎水性)から周辺部での高付着(親水性)の水付着勾配を作るように配置される。
【0064】
フェースガスケット87、94上では、絹またはCool Max(登録商標)(DuPont Corp.,1007 Market Street,Wilmington,DE,19898)の水ウィッキング布、または織布ポリプロピレンで、前記ゴーグル内部上の開放セル発泡体を通常覆っている。前記ゴーグル内部は、プラズマ重合されたポリ四フッ化エチレン(PTFE)(疎水性)またはシリコーンゴム(疎水性及びエレクトレット)等の低付着材料88、92でコートされる。前記ガスケットの外側周囲エリア上で、前記布87、94は、TPXsol(Green Millennium, Inc.,20539 E.Walnut Dr.,Suite B.Diamond Bar,CA,91789)のようなバインダによって保持される二酸化チタン微粒子86、93によってコートされる。
【0065】
前記疎水性コーティング88,92の表面の被覆率は、前記ガスケット87、94の周辺部に向かって徐々に減り、一方、前記親水性コーティング86、93の表面の被覆率は、前記ガスケット87、94の周辺部に向かって徐々に増える。これは、前記ガスケット86、94に渡って、水付着勾配を作るものであるが、すなわち、前記光触媒のバンドギャップより上の光(アナターゼ型二酸化チタンの3.2eV)によって照らされるときに、前記ガスケット87、94の周辺部で高付着及び内部で低付着を作る。凝結水は、前記低付着表面から前記高付着表面に移動することになる。前記レンズの中央エリアから前記ゴーグルの周辺部に凝結水を移動させることにより、前記レンズ89を通して、視感度が改良される。
【0066】
水移動の際、前記レンズ・エレクトレット89及びガスケット・エレクトレット87によって引き寄せられ、保持された微粒子も一緒に取り去られる。この例ではウレタン、またはポリカーボネートレンズ89及びポリプロピレン織物、またはシリコーンゴム被覆された絹またはCool Max(登録商標)94、87は、エレクトレットである。前記ガスケットの周辺部へ前記ガスケットの肌接触エリアから前記凝結水と汗を移動させることにより、空気が肌の表面にとどくようになり、使用者の快適さが改善される。前記ガスケット87、94の周辺部において、水は空気中に蒸発することができる。
【0067】
水と一緒に移動されたバクテリア、埃、ウイルス、菌及び体油のような汚れは、前記光触媒表面と接触する。前記光触媒が青色光で照らされたときに電子正孔対が生成される。自由電子は、前記光触媒の表面に移動して、白金または酸化チタンのような表面触媒と一緒に、電解水は、前記光触媒及び水の表面上にで水酸化イオンを生成する。前記水酸化イオンは、前記汚れを酸化し、その結果、前記レンズフェース89及び接触ガスケット87、94の周辺部を洗浄する。
チタン、二酸化チタン、酸化スズ、亜鉛華、Au、Pt、Pd、Ni等の材料の薄膜電極は、図4で示すレンズ89上に印刷することが可能である。これらの電極95、97、99は、光触媒活性または接触反応表面を有する。光誘導された水素及び水酸化イオンが、表面水または前記レンズ89の表面上の電解質光触媒フィルムの表面9l中の電極95、97、99の表面上に生成される。
【0068】
この光触媒プロセスは、様々な効果(例えば直接の光起電力電圧、電極間の化学物質濃度差または湿気差)から、前記中央の電極97及び周辺部電極95、99間の電圧を作る。十分な光及び効率的な設計によって、これらの電圧が、電力源または症候プローブとして、例えば、前記レンズ89上の相対湿度の測定、空気フローで遭遇する化学物質の検出、光露出の検出と反応のために使用可能である。
【0069】
多種多様な電極95、97、99及びパターンを、さまざまな機能のために前記レンズ90上に配置することができる。電池等の電源96、98からの電圧は、2つの電極間で維持され、前記電極間のイオン移動のエレクトロ浸透圧性ドライバーを生成し、前記レンズ89の中央領域から周辺部ウィッキングガスケット87、94に水を移動させることができる。
【0070】
前記電圧は、定期的に変調可能で、前記光触媒91上に光によって生成されるものと類似する酸性の化学物質を生成することにより、電気化学的に前記レンズ89の表面を洗浄する。また、水除去、画像表示、インジケータ、及び光ろ過のために、電気及びイオン電流によって前記電極95、97、99間の膜において、熱、光、反射率または光吸収の変化、液晶光分極などを生成することが可能である。
【0071】
図5は、布の繊維の横断面図である。前記繊維70は、前記布の内部にエレクトレットゾーン74、外部表面の一方上に親水ゾーン73、及びもう一方の外部表面上に疎水ゾーン72を有するように被覆する。前記エレクトレットゾーン74は、ポリプロピレン、ポリスチレンまたはポリフツ化ビニリデン(PVF2)等の繊維によって生成可能で、これらは荷電されたエレクトレットであるか、シリコーンゴムのようなエレクトレットで被覆されたものである。プラズマ重合されたポリ四フッ化エチレンのような膜によって前記布の1表面上をコートすることにより前記疎水層72が生成される。前記疎水性コーティング72の反対表面上に二酸化チタン微粒子(たとえば32nmの直径)のような光触媒が、ナフィオンのモノマーがアルコール溶媒(Solution Technology, Inc.,PO Box 171,Mendenhall,PA,19357) の中に溶かされた水溶液が前記繊維の表面上へスプレーされ、前記繊維70にコートされる73。
【0072】
この構造の他バリエーションでは、荷電されたエレクトレットであって、疎水性である、ポリプロピレンまたはポリフツ化ビニリデン(PVF2)等の繊維質または多孔性の膜材料70の使用を含むが、前記布または膜70の一方の表面はシリコーンゴムまたはフルオロカーボン・バインダと一緒に二酸化チタン微粒子で塗布される73。
【0073】
前記布70は、衣服の外側布などの様々な用途に使用可能であるが、これに限定されるものではない。前記布は、肌に接触してもよいし、Cool Max(登録商標)の布またはThinsulate(登録商標)(DuPont Corp.,1007 Market Street,Wilmington,DE,19898)のような断熱材の充填による層によって肌から離されてもよい。
【0074】
空気71は、前記布70を通して拡散し、水蒸気が使用者の皮膚表面から離れ、空気フローが前記衣服の内外に流れ、拡散するのを可能にする。この拡散は、前記衣類の着用者に衣類の快適さを維持させる。
【0075】
前記空気フロー71と一緒に、また表面で通常接触する、埃、微粒子、バクテリア、菌及びウイルス83が布に侵入する。それらは、前記エレクトレット表面74に引きつけられて、前記布70において保持される。外部温度が低く、使用者が高湿度割合で放出している場合、前記布シェル内部は露点に至り、水77、79、82が前記疎水性72、及びエレクトレット74の表面で凝結する可能性がある。雨及び雪から、水77、79、82が前記エレクトレット74及び疎水性表面72に跳ね入る、または吹き込むことがある。
【0076】
前記凝結水滴77、79、82は、前記エレクトレット74と疎水性表面72によって保持される埃、炭化水素及び微粒子75、76のような汚れ83をエレクトレット74が拾い上げる電界強度を低下させることになる。前記微粒子78、80を含んでいる水滴77、79は、水付着勾配によって、より高い付着の光触媒外側ゾーン73方向に動かされる。外部表面73上で、水82は蒸発し、汚れ81は光触媒73と接触して残されることができる。
【0077】
前記光触媒73のバンドギャップより上で吸収される太陽光線たは青色光により電子正孔対が、また表面触媒及び表面の接触水82による電気分解によって化学的活性表面水酸化物が生成される。これらの水酸化物は、光触媒表面上にある汚れを酸化させ、その結果、汚れ81を分解して、前記布シェルの表面70を殺菌及び洗浄する。
【0078】
図6において、エアークリーナ配置が、示される。この配置において、図5に記載される布122、123、124が、湿分送出源127、125、126、128上に置かれる。たとえば、布122、123、124は、3つの層、光触媒層122、エレクトレット層123及び疎水層l24、から形成される。疎水層l24は、湿分127の供与源の最も近くに配置される。前記光触媒層は、青色光133の供与源の近くに配置される。湿分供与源127は、膜、または水保持バリヤー125であり、前記バリヤー125の後ろに水貯蔵126、128を有する。適切な膜及び水バリヤー125は、例えば、プラスチック被覆されたガラス繊維でサポートされた約0.002インチの厚さのウレタン膜、または多孔性のアルミナ(alumna) チューブまたはプレート、毛管のシリコーンチュービング、または多孔性の素焼鉢の上の0.002インチの厚さのシリコーン膜である。
可能な代わりの配置では、3つの層(光触媒層122、エレクトレット層123及び疎水層124)の布を使用し、前記疎水層124と直接接触する水128を有する水バリヤー膜125を形成する。
【0079】
青色光源は、3.2eVを超える光子の光を生成するように設計された蛍光灯133、または3.2eV以上の光量子を生成する発光ダイオードである。前記光源133は、光触媒を照らすために前記布の光触媒層122上に配置される。反射材及び空気ダクト120が、前記光触媒122上の空気132、121を排出するために光源133の後ろに配置される。
【0080】
代替の配置では、湿分供与源125、126、128を有する2つの光触媒布122、123、124を有するものであり、これらは互いに平行に置かれ、その間に空気フローと光チャネルが形成される。空気132、121は、前記湿分供与源127を通りぬけ、前記布125、126、128を通って、チャネル121から外へ流れる。代わりに配置では、前記布でカバーされる、保持膜を有し、水で充満されたチューブまたは容器で、装飾的なエアークリーナを作るものである。太陽光線または人工光131は、前記布の光触媒122を照らすことができる。空気132、121は光触媒表面をわたって流れる。
【0081】
前記光触媒表面上の空気フローチャネルの幅及び長さは、特定の用途で空気フロー132、121を殺菌及び洗浄するために必要な拡散とろ過を最適化するものを選択できる。空気132、121は、前記光触媒を加熱する光131、及び煙突中の前記光触媒を通る空気フロー121からの熱対流、または、前記光触媒122の表面に渡る自由表面対流を使用して流れる。空気フロー132、121は、また前記光触媒表面122全体にまたは通じて圧入することができる。
【0082】
前記湿分供与源125、126、128は、拡散127によって、または低空気フロー速度121の場合は前記湿分供与源125、126、128から前記布を通って、前記光触媒122の表面に水蒸気を供給する。代替の湿分供与源は、圧電性電気のアトマイザのような入空気フロー132への湿分スプレー、及び前記光触媒表面122に流入するのでもよい。この湿分送出方式は、前記フィルタを洗浄するために、定期的に使用して、前記疎水性表面124及びフィルタのエレクトレット表面123上で水滴を作る。
【0083】
空気ろ過及び加湿が必要な場合は、散水システムを使用してもよい。前記散水は、前記光触媒122の最適湿度を維持するために相対湿度センサによって制御されてもよい。前記散水システムは、水源からの過剰な塩分、また除塵が主な目的でないシステムでは埃が蓄積される可能性がある。
【0084】
純水蒸気がポンプまたは制御なしの非能動的な操作と一緒に純水の蒸気が所望される場合は、水保持膜125の送出システムが使用できる。前記膜システムは、前記布疎水性表面124上で水を凝結させることによって定期的に洗浄が可能である。これは、定期的に露点に達するまで前記布の外部を冷却するか、外部冷却により空気フローを妨げるか、前記布122、123、124中の露点まで前記水貯蔵を加熱することによって達成できる。
【0085】
水保持膜方式は、また、より高い水利用効率を有するのが可能であるのは、湿分が前記光触媒の下で拡散し127、静電引力によって引き寄せられらた汚れ129と一緒に局部的な高湿度を作るからであるか、または前記布122、123、124の表面上の流体境界層に拡散するためである。このように、汚れ130を抽出して、前記光触媒122の表面上で最適な湿気を維持することを達成するために空気フロー全体を湿らす必要がない。
【0086】
作動中において、前記エアークリーナは光源133(発光ダイオード等)、熱対流空気フロー121、またはファン、及び水が充満された貯蔵128を有する。湿分は、前記液体保持膜を通って前記光触媒の表面に拡散する127。気流132中には、微粒子及び汚れ130(埃、バクテリア、菌、ウイルス、アンモニア、炭化水素、芳香族炭化水素及び油等)がある。これらの汚れ130は、前記布の表面を通って流れる。荷電微粒子129は、前記エレクトレット123の反対に荷電されたエリアに引きつけられる。
【0087】
平らなエレクトレット123は、正及び負の電荷の交互のエリアで荷電される。大部分がミクロン以下の直径の微粒子は、荷電されている。前記微粒子は、前記布のエレクトレットゾーン123に収容される。アンモニアのようなガス状汚れ130は、前記光触媒122の表面に吸収される。活性炭は、ガス状汚れ質を吸収するバッファとして、前記光触媒122に隣接させるか、これに混ぜて添付してもよく、前記光触媒122が長期にわたって汚れを安定して分解することを可能にする。
【0088】
前記光触媒122のバンドギャップより上で吸収される太陽光線または青色光131は、電子正孔対と、表面触媒と水に接触する表面による電解によって化学的活性の表面水酸化物とを生成する。これらの水酸化物は、前記光触媒表面に付着している汚れ130を酸化し、それにより、前記汚れを分解し、前記布122の表面を殺菌及び洗浄する。
【0089】
定期的に液状の水が、エレクトレット表面123上に凝結されるか、押しつけられるかし、これにより前記微粒子129が、前記親水光触媒表面122に運ばれる。前記微粒子130の一部はガス(炭酸ガス及び水等)に分解されるが、残留する固形はかたまりになるか、前記光触媒122の表面を離れて落ちるか、または機械的に取り除かれる。このエアークリーナは、多種多様な用途に使用可能であるが、例えば、建物空気ろ過、動物かご空気脱臭、猫用のトイレの空気脱臭及び装飾物(人工植物、美術品及び噴水)などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0090】
図7において、図5に示される布が、人用のアパレルにおいて使用可能である。図7において、ジャケット143、146の布の外側シェルは、疎水性、エレクトレット、及び光触媒の層から作られる。前記光触媒は、UVフィルタとして作用して、下にある布及びヒトを保護する。前記ジャケット146ののフード140及び呼吸フィルタ141もこの布を使用することができる。前記呼吸フィルタ141において、人は前記フィルタを通して呼吸でき、前記エレクトレットは小さい埃粒子を捕らえる。
【0091】
人からの空気が前記疎水性表面及びエレクトレット表面上で凝結すると、微粒子は布の外部へ運ばれる。使用中、及び使用後に、太陽光線または青色光によって前記布の外部表面が殺菌され、洗浄される。疎水性、エレクトレット及び光触媒の層化された布を絆創膏144において使用することができる。
【0092】
活性炭付きの光触媒布を、臭気を吸収して、衣類146、143を脱臭するために、腕の下のエリア142等の特定の場所において使用することができる。前記アパレルの特定エリア146、143、147、148、145、141、140で更に高い空気フローが必要な場合、布の代わりに、図1に示される、防弾服などにある通気孔構造が使用可能である。前記光触媒布の水移動機能は、一般に、衣服全体において能率的に皮膚表面から湿気を移動できる。
【0093】
手袋145または靴下では、光触媒布の外部シェルを有して、脱臭、水蒸気及び汗が手から除去されることを可能にし、手を乾燥させ、前記手袋145を殺菌することができる。前記手袋145の外側に水と汚れを移動させる、水付着勾配プロセスによって、使用者の快適度を向上させ、細菌の及び菌食の栄養源を繁殖場所である手袋内部の表面上から減らす。
【0094】
アパレルのズボン147は、前記光触媒布の外側の布シェルを有することができる。特に使用者が水に足を踏み込むか、またはズボンに排尿したときに、水移動行作用は使用者の快適度を向上させる。液体は、外側表面に移動され、徐々に蒸発し、青色光への露出により殺菌される。靴148の呼吸部分は、水移動機能を有することができ、着用する間は、前記靴148を脱臭及び殺菌するために光触媒効果を使用し、また着用されていない間は青色光への露出を使用する。
【0095】
図8は、図5に示される布を使用して作成され、図7の人に使用された絆創膏が示される。図8において、粘着性のコーティング160が、布161の疎水性側上のエリアに適用される。粘着剤の選択には、粘着剤160が前記疎水性表面160に接着して、更に前記人のためにいかなるバクテリア、微粒子、菌及びウイルスに対し周辺部を接着及び密封すると同時に、前記肌への損害を最低限にし、且つ前記肌が湿気、二酸化炭素を放出し、酸素を得ることを可能にするものであることが必要とされる。これらの接着剤の例は、例えばカラヤゴム、ガムアカディア 、ローカストビーンガム、多糖ガム、改質多糖またはポリアクリルアミドを含む親水性ポリマーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0096】
粘着性の周辺部160を有する疎水表面161が、使用者の肌または創傷に置かれる。最も光触媒性の表面164は、外側にある。前記光触媒164は、また、前記肌または創傷に対するWブロッキング保護体として作用することができる。絆創膏164、163、162、160の外側は濡らして、水に浸しても、水は前記絆創膏に浸透しない。前記絆創膏164、163、162、160の下の液状血液および体液は、疎水親水勾配によって前記布の外側に引き寄せられる。
【0097】
前記絆創膏の外側表面164上では、綿ガーゼのような従来布吸収材を使って前記流体を吸収する。前記絆創膏164、163、162、160の目的は、非可逆的な方法で前記創傷から余分な液体を排出し、汚れた液体が前記創傷に戻らないようにすることである。前記光触媒コーティングは、前記表面の殺菌を達成するのに十分な程度に、前記絆創膏164、163、162、160の全体に薄く拡散されるが、また、外側に向かって前記の光触媒コーティング勾配を有して液状流体の選択的な移動を達成する。
【0098】
前記最も疎水表面161(ポリテトラフロロエチンまたはポリプロピレン)を前記創傷と接触させることにより、最も粘着係数の低い表面が創傷に触れることになる。このように、絆創膏が創傷に付着して、創傷の治ゆ過程を妨げることが最小限になる。前記絆創膏164、163、162、160は、最小限の抵抗で創傷から取り除かれる。埃、バクテリア、ビールスおよび菌は、前記絆創膏において使用される布のエレクトレット層163によってろ過され、青色光への露出効果によって殺菌される。前記布の孔サイズは、バクテリアおよび菌芽のものよりも小さくなるように設計し、これらが膜162、163、164を通り抜けないようにすることが可能である。
【0099】
分子的に選択性透過膜(分子に対し選択透過性を有する細孔寸法または材料の分子間スペース)、例えばケイ素ゴムまたはウレタンゴム膜があるが、大型分子、バクテリア、菌及びウイルスにバリヤを達成するためにこの布の疎水層162でも可能である。選択性透過膜162は、高拡散速度を得るために十分に薄いもので(典型的には50ミクロン未満)、前記布の残部は膜のために機械的支持体を提供する。
【0100】
布163、164の外層の自己クリーニング特性は、内膜162に対する保護バリヤーとして、また、前記選択性透過膜バリヤー162が破られる場合、二次的バリヤーとして有用である。光触媒は、青色光にそれを自動撮影によって殺菌するようにするために選択性透過膜162によって組み入れられることができる。これらの布162、163、164はまた、おしめにおいて使用可能である。
【0101】
本発明は特定の実施形態を参照して説明されるが、添付の発明の範囲で定義される本発明の趣旨から逸脱することなしに本発明を変形、変種することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】図1は、V字形ゴーグル通気孔、エレクトレット基板及び疎水ゾーンでの二酸化チタンのコーティングの横断面図である。
【図2A】図2Aは、レンズ及びフェースガスケット上の疎水、エレクトレット、及び光触媒ゾーンを有するゴーグルの内部の図であるを有する。
【図2B】図2Bは、疎水性及びエレクトレット・コーティングが施されたV字形通気孔を有するゴーグルの側面図及び断面図である。
【図2C】図2Cは、光触媒コーティングを有するV字形通気孔を示す、前記ゴーグルの下面図である。
【図3】図3は、前記V字形通気孔及びレンズ中の疎水性及びエレクトレット表面を示す前記V字形通気孔の拡大側面断面図である。
【図4】図4は、前記レンズ及びフェースガスケットの内部表面の拡大図である。
【図5】図5は、前記光触媒、エレクトレット及び疎水性エリアの被覆繊維構造の拡大された横断面図である。
【図6】図6は、人工の光源及び膜水蒸気供給システムを使用した空気及び脱臭ろ過システムの分解断面図である。
【図7】図7は、光触媒、エレクトレット、疎水性布または構造の利用エリアを示す、人が着用している衣類アパレルを示す。
【図8】図8は、光触媒、エレクトレット、疎水性布または構造を使用しているガーゼ付絆創膏を示す。
【符号の説明】
【0103】
1…通気孔構造
2…疎水性コーティング
3…空気フローチャネル
4…エレクトレット・コーティング
5…光触媒及び親水性コーティング
100…水滴内の微粒子
101…疎水性表面上に高接触角を有する水滴
102…光触媒外側表面上に沈積した微粒子
103…光触媒表面上の低水滴接触角
104…光触媒外側表面上の低水滴角
105…流入する空気フロー
106…空気中の微粒子
107…エレクトレット表面を引きつけられ、保持された微粒子
108…V字型フローチャネル内の空気フロー
ゴーグル内部の空気フロー
光触媒表面と相互作用する青色光子
111…負極
112…正極
113…電圧源
114…電解質中の水素
115…電極上の光触媒を励磁している光子
11…光触媒で被覆されたゴーグルのフレーム
12…光触媒で被覆された布製の顔接触ガスケット
13…疎水フィルム及び光触媒で被覆されたレンズ内部
15…光触媒で被覆されたゴーグルのフレーム
33…レンズ及びガスケットの内部の拡大図
16…光触媒が被覆されたゴーグルのフレーム
17…光触媒で被覆されたゴーグルの外側レンズ
18…内側レンズ
19…レンズ間の空気ギャップ
20…光触媒で被覆された外側レンズ
22…ゴーグルのフレーム
23…レンズを分離するスペーサ発泡体
26…V字形通気孔構造
28…フェースガスケット
光触媒で被覆されたフェースガスケット
V字形通気孔構造
光触媒で被覆されたフェースガスケット
レンズを分離するスペーサ発泡体
30…光触媒で被覆されたゴーグルのフレーム
31…光触媒で被覆されたフローチャネル入口
32…光触媒で被覆された内部フェースガスケット
34…断面の切断線
46…疎水フィルムで被覆された内部通気孔フローチャネル
47…空気フローチャネル
48…内部レンズ
49…レンズ間の空気量
50…外部レンズ
51…ゴーグルフレーム
52…レンズの外部上の光触媒コーティング
53…レンズの内部上の光触媒コーティング
54…内外レンズ間の発泡体スペーサ
55…V字型通気孔の構造
56…V字型フローチャネル上のエレクトレット・コーティング
57…V字型の外部上の光触媒コーティング
58…光触媒被覆フェースガスケット横断面
59…V字形通気孔の外部上の光触媒コーティング
60…疎水フィルム
61…フェースガスケット
62…光触媒が被覆されたフェースガスケット
63…V字型上のエレクトレット・コーティング
64…空気フローチャネル
65…V字形通気孔の内部上の親水性コーティング
66…ゴーグルフレーム
67…発泡体スペーサ
68…V字型の構造
69…フレーム上の光触媒コーティング
171…フレーム上の光触媒コーティング
172…フェースガスケット上の疎水性コーティング
173…フェースガスケット上の疎水性コーティング
174…内側のフレーム上の光触媒コーティング
175…内側のフレーム上の光触媒コーティング
176…フェースガスケット上の光触媒コーティング
177…フェースガスケット上の光触媒コーティング
86…光触媒微粒子
87…フェースガスケット・エレクトレット基板
88…疎水微粒子
89…レンズ・エレクトレット基板
90…疎水微粒子
91…光触媒微粒子コーティング、原子またはゾーン
92…疎水微粒子コーティング、原子またはゾーン
93…光触媒微粒子
フェースガスケットエレクトレット基板
電極
電圧源
電極
電圧源
電極
70…繊維基質
71…空気
72…疎水性コーティング
73…光触媒親水性コーティング
74…エレクトレット・コーティング
75…エレクトレットに引きつけられた微粒子
76…エレクトレットを引きつけられ、保持された微粒子
77…水滴
78…疎水性表面上の玉状水滴中の微粒子
79…水付着勾配に沿って移動する水滴
80…水滴に含まれる微粒子
81…光触媒表面上の水滴中の微粒子
82…光触媒表面上で低接触角を有する水滴
83…微粒子
120…光反射材
121…流出する空気フロー
122…布、または開放セル発泡体上の外側の光触媒被覆繊維
123…繊維布の静電層
124…布の多孔質表面またはフィルム膜の疎水層
125…水蒸気浸透膜
水貯蔵タンク
水蒸気拡散
128…タンク中の水
129…エレクトレット表面上に捕らえられた微粒子
130…光触媒表面上の微粒子
131…青色光子
132…微粒子及び臭気を有する流入空気フロー
133…青色光源
140…フード外側
141…フェース呼吸フィルタ
142…脇の下通気孔エリア
143…外側の布アームスリーブ
144…腕上の絆創膏
145…手袋外側
146…胴部外側布
147…ズボン外側布
148…ブーツ上面と側面
160…接着剤コーティング
161…疎水性被覆繊維
162…疎水層
163…エレクトレット層
164…光触媒層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体透過性の装置であって、
光触媒を有する少なくとも1つの表面と、エレクトレットを有する少なくとも他の1つの表面とを含む複数の表面と、
前記光触媒を有する前記少なくとも1つの表面を前記光触媒を活性化するために十分な光量子に晒すための少なくとも1つの光源と、
を含む構造を有し、
前記構造により、微粒子のろ過、液体のウィッキング、及び前記表面の殺菌と脱臭が可能になることを特徴とする気体透過性の装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、前記構造は気体に接触する隣接構造であり、前記光触媒と、表面自由エネルギー勾配と、前記エレクトレットとを有することにより、フィルタ微粒子をろ過し、液体をウィッキングし、光量子への露出により殺菌及び脱臭するものである。
【請求項3】
請求項1及び/または2記載の装置において、前記液体のウィッキングは、水または湿分を有するものである。
【請求項4】
前記の任意の請求項記載の装置において、この装置は、更に
前記光触媒上に水を有するものである。
【請求項5】
前記の任意の請求項記載の装置において、前記光量子に露出される光触媒は、前記水の存在下で活性化されるものである。
【請求項6】
前記の任意の請求項記載の装置において、この装置は、更に、
空間的に分離されるが近接して配置される前記表面の異なるエリア上に異なる特性を有するものである。
【請求項7】
前記の任意の請求項記載の装置において、この装置は、更に、
前記異なる特性を有する前記異なるエリアによって形成される構造の表面にわたって水付着勾配を更に有するものである。
【請求項8】
前記の任意の請求項記載の装置において、前記光触媒を有する少なくとも1つの表面は親水性領域である。
【請求項9】
前記の任意の請求項記載の装置において、前記エレクトレットを有する少なくとも他の1つの表面は疎水性領域である。
【請求項10】
前記の任意の請求項記載の装置において、前記親水性領域は前記疎水性領域に近接するものである。
【請求項11】
前記の任意の請求項記載の装置において、この装置は、更に、
微粒子と接触して、微粒子を取り除くための液体を有するものである。
【請求項12】
前記の任意の請求項記載の装置において、前記液体は前記エレクトレットに引きつけられた微粒子と接触して、これを取り除くための水である。
【請求項13】
前記の任意の請求項記載の装置において、前記構造は、微粒子をフィルターし、水をウィッキングし、殺菌及び脱臭するアパレルである。
【請求項14】
前記の任意の請求項記載の装置において、前記構造は、微粒子をフィルターし、水をウィッキングし、殺菌及び脱臭するアイウェアの部分である。
【請求項15】
前記の任意の請求項記載の装置において、前記構造はエアーフィルターである。
【請求項16】
前記の任意の請求項記載の装置において、前記エアーフィルターは定期的に液体で洗浄可能である。
【請求項17】
前記の任意の請求項記載の装置において、前記エアーフィルターは自己洗浄式である。
【請求項18】
前記の任意の請求項記載の装置において、前記液体は、水を有する液体である。
【請求項19】
前記の任意の請求項記載の装置において、少なくとも1つの前記表面は多孔性である。
【請求項20】
前記の任意の請求項記載の装置において、この装置は、更に、
前記多孔性表面に隣接する蒸気水源を有するものである。
【請求項21】
前記の任意の請求項記載の装置において、前記蒸気水源は前記多孔性表面に隣接する動物である。
【請求項22】
前記の任意の請求項記載の装置において、前記蒸気水源は前記多孔性表面に隣接する水吸収剤またはウィッキング剤である。
【請求項23】
前記の任意の請求項記載の装置において、前記蒸気水源は前記多孔性表面に隣接する湿分選択性透過膜である。
【請求項24】
前記の任意の請求項記載の装置において、この装置は、更に、
電気回路及び前記電気回路を有する電気カップリングを有し、前記光触媒は前記電気回路に電気的に接続されるものである。
【請求項25】
前記の任意の請求項記載の装置において、この装置は、更に、
前記構造表面のうちの1つの上に電解質を有するものである。
【請求項26】
前記の任意の請求項記載の装置において、電流がイオン抗力によって生成され、前記電解質を通過して、前記水を移動させる。
【請求項27】
前記の任意の請求項記載の装置において、電流は前記光触媒上の水を通過して流れ、前記水を移動するものである。
【請求項28】
前記の任意の請求項記載の装置において、この装置は、更に、
電極を有し、前記電極中の電流は化学物質を分解し、前記構造を脱臭及び殺菌するものである。
【請求項29】
前記の任意の請求項記載の装置において、前記電流は、加熱、光ろ過、発光、または光反射を行うものである。
【請求項30】
前記の任意の請求項記載の装置において、前記電流はイメージディスプレイを提供するか、または美的外観を作成するものである。
【請求項31】
前記の任意の請求項記載の装置において、前記電流は、化学物質、湿気、凝結、及び光を感知するものである。
【請求項32】
前記の任意の請求項記載の装置において、前記電流は、電気器具を作動するための十分なエネルギーを提供するものである。
【請求項33】
前記の任意の請求項記載の装置において、前記構造はアパレルである。
【請求項34】
前記の任意の請求項記載の装置において、前記アパレルは、ジャケット、帽子、包帯、ズボン、スエットバンド、腕時計、人工補装具、スキーマスク、靴下、ブーツ、手袋、呼吸フィルタ、呼吸装置、耳当て、防護服、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるものである。
【請求項35】
前記の任意の請求項記載の装置において、前記構造は機械、建物、及び車両の空気ろ過、脱臭、及び殺菌を可能にする。
【請求項36】
前記の任意の請求項記載の装置において、前記構造は、テント、窓カーテン、猫用のトイレ、家具、美術品、人工植物、壁装飾、掲示板及び車室内ぎ装の空気ろ過、脱臭、及び殺菌を可能にする。
【請求項37】
アイウェア装置であって、液体のウィッキングと前記アイウェアの殺菌と脱臭のために、前記光触媒と、水付着勾配表面と、前記光触媒を活性化するための十分な光量子に前記光触媒を晒すための少なくとも1つの光源とを含む構造を有する、アイウェア装置。
【請求項38】
請求項37記載の装置において、前記アイウェアは防護ゴーグルであり、前記構造の表面は防護ゴーグルの通気孔である。
【請求項39】
請求項37及び/または38記載の装置において、前記少なくとも一つの光源は、前記光触媒を活性化するための十分なエネルギーの光量子を有する太陽光線である。
【請求項40】
前記の任意の請求項記載の装置において、前記構造の表面はゴーグルのレンズである。
【請求項41】
前記の任意の請求項記載の装置において、前記構造の表面はゴーグルのフレームである。
【請求項42】
前記の任意の請求項記載の装置において、前記構造の表面は前記アイウェアのレンズ及びフレームである。
【請求項43】
前記の任意の請求項記載の装置において、前記水付着勾配表面は疎水性と親水性の表面を更に有し、前記表面間の差により前記アイウェアの内部から前記アイウェアの外部または周辺部に水を導き、移動させるものである。
【請求項44】
エアークリーナーであって、
多孔性の表面と、
水源と、
前記多孔性の表面の近傍に水蒸気を提供する選択性透過膜と、
前記膜上の光触媒と、
前記エアークリーナーを殺菌及び脱臭するために、前記光触媒を活性化するための十分な光量子に前記光触媒を晒すための少なくとも1つの光源と
を含む構造を有するエアークリーナー。
【請求項45】
請求項44記載の装置において、前記光源は、青色発光ダイオードまたは蛍光灯である。
【請求項46】
請求項44及び/または45記載の装置であって、前記光源は水を有するものである。
【請求項47】
前記の任意の請求項記載の装置において、この装置は、更に、
対流空気フロー、ポンプ、ファン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される空気フローを有するものである。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−517634(P2008−517634A)
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−500967(P2007−500967)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【国際出願番号】PCT/US2005/005885
【国際公開番号】WO2005/082491
【国際公開日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(504138780)エナジー リレーテッド デバイシーズ インク (2)
【Fターム(参考)】