説明

アウターロータ型回転電機

【課題】冷却流体によって回転電機を冷却可能であり、且つ冷却流体がロータとステータの間のエアギャップに介在することを抑制することが可能なアウターロータ型回転電機を提供する。
【解決手段】アウターロータ型回転電機1は、ステータ2と、ステータ2の径方向外側に所定のエアギャップSを介して配置され、軸心O周りに回転可能なロータ10と、を備える。ロータ10は、径方向に磁化され且つ周方向で交互に磁化方向を反転させるように、周方向に所定の間隔で配置された複数の磁極部9と、磁極部9の径方向外側に配置された略円環状の外周部と、外周部の回転軸方向一端側に設けられ回転シャフト13に連結された軸連結部14bと、を備える。ロータ10は回転軸方向他端側が開口しており、外周部の径方向内側に対して少なくともロータ10を冷却するオイルが供給され、ロータ10の外周部の内周面は、回転軸方向に沿って一端側から他端側に向かうにしたがい、軸心Oとの間の径方向距離が長くなる拡径部31を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アウターロータ型回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アウターロータ型回転電機としては、複数の永久磁石をロータヨークの内周面に配置し、ロータの径方向内側に対向配置したステータのコイルに通電して、コイルが発生する回転磁界によってロータを回転させるように構成したものが知られている。ここで、回転電機の出力は回転電機の温度と相関があるため、出力向上のためにはロータ回転中の回転電機の温度を下げることが非常に重要な課題となっている。
【0003】
そこで、回転電機を冷却し、回転電機の出力を向上するために、特許文献1に記載されているような回転電機の冷却装置を用いることが考えられる。
【0004】
図7は、特許文献1に記載された回転電機の冷却装置の構成を説明するための断面図であり、この冷却装置100は、回転電機103を冷却するために用いられる。回転電機103は、クランクケース101に固定された発電機カバー104と、発電機カバー104の内面のステータボス114に固定され、コイル115を有するステータ113と、ステータ113の径方向外側においてステータ113と対向するようにクランク軸102のロータボス109に設けられたロータ108と、から構成される。
【0005】
また、冷却装置100は、主に、オイルポンプ119と、このオイルポンプ119に連通する油路118、油孔117、123、125によって構成される。具体的に説明すると、まず、クランク軸102の内部には、油孔117と、油孔117と連通しボルト111が螺合するネジ孔122と、が設けられている。そして、ボルト111の内部には、ネジ孔122と空間124とを連通する油孔123が設けられ、ロータボス109には、空間124から径方向外側に貫通する油孔125が形成されている。また、油孔117は、他の油路118を介してオイルポンプ119の吐出口に接続している。
【0006】
このように構成された回転電機の冷却装置100によれば、エンジンを駆動すると、エンジンの回転に伴ってオイルポンプ119が作動し、オイルポンプ119から吐出されたオイルは油路118、油孔117、123、125を順に通り、ステータ113に噴射され、ステータ113及びコイル115は冷却される。そして、オイルはその後、通路107を通ってクランクケース101内の油溜に向かう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実公昭60−3656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1によれば、オイルは、ステータ113に噴射された後、クランクケース101内の油溜に向かう途中、ロータ108とステータ113との間のエアギャップに介在することになり、ロータ108回転時に抵抗となる。その結果、ロータ108の回転トルクが減少してしまう虞れがあった。
【0009】
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷却流体によって回転電機を冷却可能であり、且つ冷却流体がロータとステータの間のエアギャップに介在することを抑制し、ロータ回転時の冷却流体による抵抗を低減することが可能なアウターロータ型回転電機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、
ステータ(例えば、後述する実施形態におけるステータ2)と、
前記ステータの径方向外側に所定のエアギャップ(例えば、後述する実施形態におけるエアギャップS)を介して配置され、軸心(例えば、後述する実施形態における軸心O)周りに回転可能なロータ(例えば、後述する実施形態におけるロータ10)と、
を備えたアウターロータ型回転電機(例えば、後述する実施形態におけるアウターロータ型回転電機1)において、
前記ロータは、径方向に磁化され且つ周方向で交互に磁化方向を反転させるように、周方向に所定の間隔で配置された複数の磁極部(例えば、後述する実施形態における磁極部9)と、該磁極部の径方向外側に配置された略円環状の外周部と、該外周部の回転軸方向一端側に設けられ回転シャフト(例えば、後述する実施形態における回転シャフト13)に連結された軸連結部(例えば、後述する実施形態における軸連結部14bと、を備え、
前記ロータは、回転軸方向他端側が開口しており、前記外周部の径方向内側に対して少なくとも該ロータを冷却する冷却流体が供給可能であって、
前記ロータの外周部の内周面は、回転軸方向に沿って一端側から他端側に向かうにしたがい、前記軸心との間の径方向距離が長くなる拡径部(例えば、後述する実施形態における拡径部31)を有する
ことを特徴とするアウターロータ型回転電機。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の構成に加えて、
前記磁極部は、少なくとも1つの磁石(例えば、後述する実施形態における磁石12)から構成され、
前記磁石は、前記外周部の内周面に固定されており、
前記拡径部は、周方向に隣り合う前記磁極部の間において、前記外周部の内周面に形成されている
ことを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の構成に加えて、
前記ロータは、
前記複数の磁極部と、
前記磁極部の径方向外側に設けられた略円環状の円環部(例えば、後述する実施形態における円環部14a)と、該円環部の回転軸方向一端側に設けられた前記軸連結部と、から構成される保持部材(例えば、後述する実施形態におけるロータカップ14)と、
前記円環部の内周面(例えば、後述する実施形態における内周面14c)に保持された略円環状のロータヨーク(例えば、後述する実施形態におけるロータヨーク11)と、
を備え、
前記外周部は、前記円環部と前記ロータヨークとから構成され、
前記磁石は、前記ロータヨークの内周面(例えば、後述する実施形態における内周面11b)に固定されており、
前記拡径部は、周方向に隣り合う前記磁極部の間において、前記ロータヨークの内周面に形成されている
ことを特徴とする。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載の構成に加えて、
前記外周部は、周方向に隣り合う前記磁極部の間において、その内周面から外周面に貫通する貫通孔(例えば、後述する実施形態における貫通孔32)を備える
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、ロータの外周部の内周面は、回転軸方向に沿って一端側から他端側に向かうにしたがい、軸心との間の径方向距離が長くなる拡径部を有するため、ロータ回転時に遠心力が冷却流体に作用したとき、冷却流体が拡径部においてロータの開口側に導かれ、ロータの外部に排出されやすくなる。したがって、冷却流体によって回転電機を冷却しつつ、冷却流体がエアギャップに留まることを抑制でき、ロータ回転時の冷却流体による抵抗が大きくなることを防止できる。
【0015】
請求項2の発明によれば、磁石とステータが対向するエアギャップの幅を均一に保ちつつ、拡径部を設けることができる。したがって、エアギャップの幅が不均一になることによるエアギャップにおける磁束の流れの変化を抑制しつつ、冷却流体がエアギャップに留まることを抑制でき、ロータ回転時の冷却流体による抵抗を低減することができる。
【0016】
請求項3の発明によれば、磁石はロータヨークの内周面に固定されるため、磁極部の外周面から発生して周方向に隣り合う磁極部の外周面に向かう磁束が飽和することを抑制でき、磁束飽和によるトルク低下を抑制することが可能となる。
また、拡径部は、ロータヨークの内周面に形成されているため、冷却流体がエアギャップに介在することを抑制でき、ロータ回転時の冷却流体による抵抗を低減することができるとともに、冷却流体が拡径部を通過する際にロータヨークを冷却することが可能となる。
【0017】
請求項4の発明によれば、ロータ回転時に作用する遠心力により、冷却流体を拡径部を介してロータの開口に導くとともに、貫通孔にも導くことができるため、冷却流体がロータの外部により排出されやすくなる。したがって、冷却流体がエアギャップに介在することをさらに抑制でき、冷却流体による抵抗を低減する効果をさらに高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態のアウターロータ型回転電機の断面図である。
【図2】図1のA−A線断面矢視図である。
【図3】図2のBで示した部分の拡大図である。
【図4】ロータの側面図である。
【図5】ロータの正面斜視図である。
【図6】図5のロータの変形例である。
【図7】特許文献1に記載の回転電機の冷却装置の構成を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。
【0020】
図1及び図2に示すように、本実施形態のアウターロータ型回転電機1は、軸心Oを中心として、モータハウジング21にボルト22により固定されたステータ2と、ステータ2の径方向外側に僅かなエアギャップSを介して対向配置され、軸心O周りに回転可能な円環状のロータ10とを備えて構成される。
【0021】
ステータ2は、ステータコア3と複数のコイル4とを備える。ステータコア3は、複数の電磁鋼板が軸方向(図1において紙面と垂直方向)に積層されて構成され、円環状の支持部3aから径方向外側に向かって放射状に突出形成された複数のティース3bを有する。支持部3aの内側には、ボルト穴3cをそれぞれ有する複数の凸部3dが設けられ、ボルト穴3cに挿通されるボルト22により、ステータコア3がモータハウジング21に固定されている。コイル4は、巻線6を、絶縁特性を有する合成樹脂などで形成されたインシュレータ7を介してステータコア3のティース3bの周囲に巻回することで形成される。
【0022】
ロータ10は、複数の磁極部9と、磁極部9の径方向外側に配置された略円環状の円環部14aと該円環部14aの回転軸方向一端側(図1において紙面奥側、図2において右側)に設けられ回転シャフト13に連結された軸連結部14bとから構成されるロータカップ14と、ロータカップ14の円環部14aの内周面14cに保持された略円環状のロータヨーク11と、を備えている。
【0023】
回転シャフト13は、玉軸受23により、モータハウジング21に対して回転自在に支承されており、ステータ2が発生する回転磁界によってロータ10が軸心O周りに回転駆動される。回転シャフト13とステータ2との間には、回転シャフト13の磁極位置を検出するレゾルバ24が配設されている。
【0024】
図4及び図5に示すように、ロータカップ14は、円環部14aと軸連結部14bとから構成され、回転軸方向一端側が塞がれた縁付円盤状となるように形成されている。したがって、ロータ10は、回転軸方向他端側が開口することとなる。
【0025】
複数の磁極部9は、径方向に磁化され且つ周方向で交互に磁化方向を反転させるように、周方向に所定の間隔で配置されており、略矩形状の一対の磁石12から構成されている。一対の磁石12は、ロータヨーク11の内周面11bに固定されている。具体的には、一対の磁石12がロータヨーク11の内周面11bに固定されて構成された磁極部9aにおいて、その径方向外側がN極とすると、所定の間隔を介して磁極部9aと隣り合う磁極部9bは、その径方向外側がS極となるように一対の磁石12がロータヨーク11の内周面11bに固定されて構成される。なお、磁極部9は必ずしも一対の磁石から構成される必要はなく、1つの磁石から構成されてもよい。
【0026】
ロータヨーク11は、複数の円環状の電磁鋼板を軸方向に積層することにより構成され、外周面11aが、ロータカップ14の円環部14aの内周面14cに保持される。そして、これらロータヨーク11と円環部14aとは、ロータ10の外周部を構成する。
【0027】
また、ロータヨーク11の内周面11bには、周方向に隣り合う磁極部9の間において、拡径部31がテーパー状に凹設されている。図5に示すように、拡径部31は、ロータヨーク11の回転軸方向一端側から他端側に向かって同一幅で形成されている。また、図3に示すように、拡径部31は、回転軸方向に沿って一端側から他端側に向かうにしたがい、軸心Oとの間の径方向距離が長くなるように、すなわち、軸心Oとの間の径方向距離がD1からD2に変化するように、断面略直線状に形成されている(D1<D2)。換言すれば、拡径部31は、回転軸方向に沿って一端側から他端側に向かうにしたがい、ロータ10の外周部の径方向幅が短くなるように、すなわち、拡径部31と円環部14aの外周面14dとの径方向距離がd1からd2に変化するように形成されている(d1>d2)。
【0028】
さらに、ロータヨーク11及びロータカップ14の円環部14aには、周方向に隣り合う磁極部9の間の拡径部31において、ロータヨーク11の内周面11bからロータカップ14の円環部14aの外周面14dに貫通する貫通孔32が形成されている。貫通孔32は、その周方向長さが拡径部31の周方向長さと略等しく、回転軸方向長さが拡径部31の回転軸方向長さより短くなるように設定される。
【0029】
このように構成されたアウターロータ型回転電機1では、図2に示すように、回転シャフト13とモータハウジング21との径方向における間には空間S1が画成されており、ステータ2とロータカップ14の軸連結部14bとの回転軸方向における間には他の空間S2が画成されている。
【0030】
また、回転シャフト13は、空間S1と連通するように径方向に延びた油孔13aを有しており、油孔13aから供給された冷却流体としてのオイルが、径方向内側から径方向外側に空間S1、玉軸受23、空間S2を通ってステータ2及びロータ10に噴射され、ステータ2及びロータ10は冷却される。このとき、ロータヨーク11の内周面11bは、回転軸方向に沿って一端側から他端側に向かうにしたがい、軸心Oとの間の径方向距離が長くなる拡径部31を備えるため、ロータ回転時に遠心力がオイルに作用し、オイルは拡径部31によってロータ10の開口に案内され、ロータ10の外部に排出され易くなる。したがって、オイルによって回転電機1を冷却しつつ、オイルがエアギャップSに留まることを抑制でき、ロータ回転時のオイルによる抵抗を低減することができる。さらに、拡径部31には貫通孔32が設けられているため、オイルが貫通孔32からも排出され、オイルがエアギャップSに介在することをさらに抑制できる。
【0031】
以上説明したように、本実施形態に係るアウターロータ型回転電機1によれば、ロータ10の外周部の内周面は、回転軸方向に沿って一端側から他端側に向かうにしたがい、軸心Oとの径方向距離が長くなる拡径部31を備えるため、ロータ回転時に遠心力がオイルに作用したとき、オイルが拡径部31においてロータ10の開口側に導かれ、ロータ10の外部に排出されやすくなる。したがって、オイルによって回転電機1を冷却しつつ、オイルがエアギャップSに留まることを抑制でき、ロータ回転時のオイルによる抵抗が大きくなることを防止できる。
【0032】
また、拡径部31は周方向に隣り合う磁極部9の間に形成されるので、拡径部31を設けることによって磁石12とステータ2とが対向するエアギャップSの径方向幅が不均一になることを防止できる。したがって、エアギャップSにおける磁束の流れが変化することを防止しつつ、オイルがエアギャップSに留まることを抑制でき、ロータ回転時のオイルによる抵抗を低減することが可能となる。
【0033】
また、磁石12はロータヨーク11の内周面11bに固定されるため、磁極部9の外周面から発生して周方向に隣り合う磁極部9の外周面に向かう磁束が飽和することを抑制でき、磁束飽和によるトルク低下を抑制することが可能となる。
また、拡径部31は、ロータヨーク11の内周面11bに形成されているため、オイルがエアギャップSに介在することを抑制でき、ロータ回転時のオイルによる抵抗を低減することができるとともに、オイルが拡径部31を通過する際にロータヨーク11を冷却することが可能となる。したがって、回転電機1の通電時に発熱するロータヨーク11を効果的に冷却することが出来る。
【0034】
さらに、ロータヨーク11及びロータカップ14の円環部14aは、周方向に隣り合う磁極部9の間の拡径部31において、ロータヨーク11の内周面11bからロータカップ14の円環部14aの外周面14dに貫通する貫通孔32を備えるため、ロータ回転時に作用する遠心力により、オイルを拡径部31を介してロータ10の開口に導くとともに、貫通孔32にも導くことができる。したがって、オイルがロータの外部に排出されやすくなり、オイルがエアギャップSに介在することをさらに抑制でき、オイルによる抵抗を低減する効果をさらに高めることが可能となる。
【0035】
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
本実施形態では、ロータ10は、周方向に隣り合う磁極部9の間の拡径部31において、貫通孔32を設ける構成としたが、必ずしもこれに限定されるわけではない。例えば、図6に示すように、ロータ10は、周方向に隣り合う磁極部9の間において、ロータヨーク11の内周面11bに、拡径部31のみを設けてもよい。この場合においても、オイルにはロータ回転時に遠心力が作用し、拡径部31を介してロータ10の開口に排出されるので、オイルによって回転電機1を冷却しつつ、オイルがエアギャップSに留まることを抑制でき、ロータ回転時のオイルによる抵抗が大きくなることを防止できる。
【0036】
また、本実施形態においては、ロータ10の外周部は、ロータカップ14の円環部14aとロータヨーク11とから構成されるとしたが、必ずしもロータヨーク11を備える必要はなく、円環部14aのみから構成されてもよい。この場合、磁極部9を構成する磁石12は、円環部14aの内周面14cに固定される。
【0037】
また、拡径部31は断面略直線状に形成されるとしたが、必ずしもこれに限定されず、回転軸方向に沿って一端側から他端側に向かうにしたがい、軸心Oとの間の径方向距離が長くなるような形状である限り、断面において複数の直線が接続された形状や、断面略曲線状、断面略階段状、又はこれらを組み合わせた形状などであってもよい。
【符号の説明】
【0038】
1 アウターロータ型回転電機
2 ステータ
9 磁極部
10 ロータ
11 ロータヨーク
11b 内周面
12 磁石
13 回転シャフト
14 ロータカップ(保持部材)
14a 円環部
14b 軸連結部
14c 内周面
31 拡径部
32 貫通孔
O 軸心
S エアギャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータと、
前記ステータの径方向外側に所定のエアギャップを介して配置され、軸心周りに回転可能なロータと、
を備えたアウターロータ型回転電機において、
前記ロータは、径方向に磁化され且つ周方向で交互に磁化方向を反転させるように、周方向に所定の間隔で配置された複数の磁極部と、該磁極部の径方向外側に配置された略円環状の外周部と、該外周部の回転軸方向一端側に設けられ回転シャフトに連結された軸連結部と、を備え、
前記ロータは、回転軸方向他端側が開口しており、前記外周部の径方向内側に対して少なくとも該ロータを冷却する冷却流体が供給可能であって、
前記ロータの外周部の内周面は、回転軸方向に沿って一端側から他端側に向かうにしたがい、前記軸心との間の径方向距離が長くなる拡径部を有する
ことを特徴とするアウターロータ型回転電機。
【請求項2】
前記磁極部は、少なくとも1つの磁石から構成され、
前記磁石は、前記外周部の内周面に固定されており、
前記拡径部は、周方向に隣り合う前記磁極部の間において、前記外周部の内周面に形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のアウターロータ型回転電機。
【請求項3】
前記ロータは、
前記複数の磁極部と、
前記磁極部の径方向外側に設けられた略円環状の円環部と、該円環部の回転軸方向一端側に設けられた前記軸連結部と、から構成される保持部材と、
前記円環部の内周面に保持された略円環状のロータヨークと、
を備え、
前記外周部は、前記円環部と前記ロータヨークとから構成され、
前記磁石は、前記ロータヨークの内周面に固定されており、
前記拡径部は、周方向に隣り合う前記磁極部の間において、前記ロータヨークの内周面に形成されている
ことを特徴とする請求項2に記載のアウターロータ型回転電機。
【請求項4】
前記外周部は、周方向に隣り合う前記磁極部の間において、その内周面から外周面に貫通する貫通孔を備える
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のアウターロータ型回転電機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−147601(P2012−147601A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−4956(P2011−4956)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】