説明

アカメガシワ抽出物を含有する抗菌剤

【課題】グラム陽性細菌に対して抗菌活性を有する抗菌剤を提供すること。
【解決手段】アカメガシワ抽出物を含有する抗菌剤、食品用日持向上剤、ならびに前記抗菌剤を含有する医薬品、化粧料および食品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アカメガシワ抽出物を含有する抗菌剤に関する。具体的には、本発明は、アカメガシワ抽出物を含有する医薬品、化粧料、及び食品用の抗菌剤に関する。
【背景技術】
【0002】
グラム陽性細菌を原因とする疾患に対して、β−ラクタム系抗菌剤、キノロン系抗菌剤、マクロライド系抗菌剤などの合成抗菌剤が多く用いられている。
しかしながら、これら合成抗菌剤は、生体にとって異物であるため、服用した際にアレルギー症状を発症させることがある。
特に、小児においては、合成抗菌剤を服用した場合、重篤な後遺症を起こすこともあることから、より安全性の高い抗菌剤が求められている。
【0003】
また、医薬品以外にも化粧料や食品の分野において、製品に混入した微生物、特にグラム陽性細菌が原因となって製品の品質の劣化を引き起こすことが知られている。
化粧料や食品についても、医薬品同様に、生体に摂取されるものであるため、より安全性の高い製品が求められている。
【0004】
安全性の高い天然素材の抗菌性物質として、例えば、子嚢菌又は担子菌の子実体の水及び/又は有機溶媒抽出物を有効成分とする抗菌剤(特許文献1)、イチゴ果由来化合物類を有効成分として含有する抗菌剤(特許文献2)、甘草または厚朴等の生薬を有効成分とする抗菌剤(特許文献3)、黄ゴン抽出物から分離精製したジメトキシテトラヒドロキシフラボンを主活性成分として含むことを特徴とする天然抗菌剤(特許文献4)、エビネ属に属する植物からの圧搾物及び/または抽出物を含むことを特徴とする抗フケ菌剤(特許文献5)等多数の報告がある。
【0005】
アカメガシワの樹皮は、従来から、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃酸過多症などに用いられる生薬として知られている。
そして、特許文献6及び7には、アカメガシワ樹皮の抽出物がグラム陰性菌であるヘリコバクター・ピロリに対して抗菌作用を有することが開示されている。
また、特許文献8には、アカメガシワの抽出物がピヒア ポリモルフィア等の酵母のガス発生を抑制することが開示されている。
さらに、特許文献9には、アカメガシワの抽出物が抗酸化剤であることが開示され、特許文献10には、アカメガシワの抽出物であるマロツシン酸とマロチン酸が抗酸化剤であることが開示されている。特許文献11には、アカメガシワ樹皮のエキスを有効成分として含有することを特徴とする肝機能改善剤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−001961号公報
【特許文献2】特開2006−089410号公報
【特許文献3】特開2005−132804号公報
【特許文献4】特開2004−059566号公報
【特許文献5】特開平11−29489号公報
【特許文献6】特開平7−196522号公報
【特許文献7】特開2003−342190号公報
【特許文献8】特開昭55−131373号公報
【特許文献9】特開平10−17435号公報
【特許文献10】特開2007−254427号公報
【特許文献11】特開平11−209297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の抗菌剤は、安全性の点でさらなる向上が求められており、また、抗菌剤は使用し続ける結果、耐性菌が生じてくるという問題点もあるため、安全性が高く、かつ新たな抗菌剤が求められている。
さらに、EBM(Evidence Based Medicine)といった考え方の元、特定の抗菌スペクトルを持つ抗菌剤も求められている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、天然素材由来であり、かつグラム陽性細菌に対して抗菌活性を有する新たな抗菌剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討を重ねた結果、アカメガシワ抽出物がグラム陽性細菌に対して抗菌作用を有することを見出し、本発明を完成した。
【0009】
本発明は、以下のとおりである。
[1]
アカメガシワ抽出物を含有するグラム陽性細菌に対する抗菌剤。
[2]
前記グラム陽性細菌がBacillus属細菌又はStaphyllococcus属細菌である、[1]に記載の抗菌剤。
[3]
前記アカメガシワ抽出物が水もしくは有機溶媒またはこれらの混合溶媒による抽出物である、[1]又は[2]に記載の抗菌剤。
[4]
前記アカメガシワ抽出物が酢酸エチル可溶成分である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の抗菌剤。
[5]
[1]〜[4]のいずれか一項に記載の抗菌剤を含有する医薬品。
[6]
食品の日持向上用である、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の抗菌剤。
[7]
アカメガシワ抽出物を含有する食品用日持向上剤。
[8]
[1]〜[4]及び[6]のいずれか一項に記載の抗菌剤を含有する食品用日持向上剤。
[9]
[7]又は[8]に記載の食品用日持向上剤を含有する食品。
[10]
[1]〜[4]及び[6]のいずれか一項に記載の抗菌剤を含有することによる、食品の日持ちを向上させる方法。
[11]
[1]〜[4]及び[6]のいずれか一項に記載の抗菌剤を含有することによる、食品中のグラム陽性細菌の増殖を抑制する方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、グラム陽性細菌に対して抗菌スペクトラムを有する新たな抗菌剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することがで
きる。
【0012】
本発明の抗菌剤は、アカメガシワ抽出物を含有するものであり、グラム陽性細菌に対する抗菌剤である。
本発明において用いられるアカメガシワ抽出物は、トウダイグサ科の落葉性のアカメガシワ(Mallotus japanicus)の抽出物であれば、特に限定されるものではないが、葉、根、茎、花、皮(樹皮)、果実等の植物体から抽出したものである。
アカメガシワ抽出物としては、生の植物体から直接抽出した抽出物であってもよく、一度乾燥させた植物体から抽出された抽出物や加熱焙煎した植物体から抽出された抽出物であってもよい。
アカメガシワ抽出物としては、樹皮からの抽出物(アカメガシワ樹皮抽出物)または葉からの抽出物(アカメガシワ葉抽出物)であることが好ましい。
【0013】
本発明においてアカメガシワの抽出物を得る方法としては、特に限定されず、公知の抽出方法により行うことができるが、アカメガシワの樹皮を例に説明すると、例えば、アカメガシワの樹皮を水もしくは有機溶媒またはこれらの混合溶媒に浸漬させて抽出することにより、アカメガシワ抽出物を得ることができる。
有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム等の溶媒が挙げられる。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、酢酸エチル等の極性基を有する極性溶媒が好ましい。これら有機溶媒は、1種で用いてもよく、2種以上を混合溶媒として用いてもよい。
アカメガシワを有機溶媒で抽出する際には、水を加えて二層系での抽出方法により行ってもよく、水と有機溶媒との混合溶媒による抽出方法により行ってもよい。
【0014】
アカメガシワの抽出方法としては、具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等の低級アルコール溶媒で抽出を行い、固形分をろ過後、ろ液中のアルコール溶媒を濃縮して得られたアカメガシワ抽出物を、前記有機溶媒を用いてさらに抽出を行い、有機溶媒を濃縮してアカメガシワの抽出物を得る方法が挙げられる。
【0015】
アカメガシワ抽出物としては、水もしくは有機溶媒またはこれらの混合溶媒に可溶な成分が挙げられる。
アカメガシワ抽出物である有機溶媒可溶成分としては、酢酸エチル可溶成分、エタノール可溶成分等が挙げられる。
アカメガシワ抽出物としては、2種以上の溶媒に可溶な成分であってもよい。
【0016】
本発明のアカメガシワ抽出物を含有する抗菌剤は、グラム陽性細菌に対する抗菌剤である。
グラム陽性細菌としては、Bacillus anthracis、Bacillus cereus、Bacillus coagulans、Bacillus larvae、Bacillus licheniformus、Basillus subtilis等のBacillus属細菌、Staphyllococcus aureus、Staphyllococcus hyicus、Staphyllococcus saprophyticus等のStaphyllococcus属細菌、Streptococcus pyogenes、Streptococcus agalactiae、Streptococcus pneumoniae、Streptococcus lactis等のStreptococcus属細菌、Enterococcus faecalis、Enterococcus faecium等のEnterococcus属細菌、Peptostreptococcus anaerobius、Peptostreptococcus asaccharolyticus等のPeptostreptococcus属細菌、Clostridium perfringens、Clostridium histlycum、Clostridium tetani、Clostridiun chauvoei、Clostridium botulinum等のClostridium属細菌、Micrococcus luteus、Micrococcus lylae、Micrococcus roseus、Micrococcus sedentarius、Micrococcus candidus等のMicrococcus属細菌、Leuconostoc mesenteroides、Leuconostoc cremoris、Leuconostoc dextranicum等のLeuconostoc属細菌、Listeria monocytogenes、Listeria ivanovii等のListeria属細菌、Erysipelothrix rhusiopathae、Erysipelothrix tonsillarum等のErysipelothrix属細菌、Renibacterium salmoninarum等のRenibacterium属細菌、Corynebacterium renale、Corynebacterium diphtheriae等のCorynebacterium属細菌、Mycobacterium tuberculosis、Mycobacterium kansasii、Mycobacterium leprae等のMycobacterium属細菌、Actinomyces israelii、Actinomyces pyogenes等のActinomyses属細菌、Dermatophilus congolensis等のDermatophilus属細菌、Rhodococcus erythropolis、Rhodococcus fascians等のRhodococcus属細菌等が挙げられる。
【0017】
本発明において、アカメガシワ抽出物を含有する抗菌剤は、医薬品又は化粧料として用いることができる。また、食品に添加して食品の日持向上用の抗菌剤として用いることもできる。
【0018】
本発明において前記抗菌剤を含有する医薬品としては、薬学的に許容可能な賦形剤を添加して、医薬製剤として用いることができる。
医薬製剤としては、粉末、顆粒、錠剤等の公知の剤型に製剤化して用いることができ、液体、ペースト等の液剤として用いることもできる。
本発明の前記抗菌剤は、天然素材を由来とする成分であるため、消毒等に用いる抗菌性スプレー用の液剤、ハンドクリームとすることも好適である。
液剤の溶媒としては、水、エタノールなどの公知の薬学的に許容可能な溶媒が用いられ、他の薬効成分、他の薬学的に許容可能な賦形剤を含有してもよい。
【0019】
医薬製剤としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、液剤、シロップ剤、チュアブル、トローチ等の経口剤、軟膏剤、ゲル剤、クリーム剤、貼付剤等の外用剤、注射剤、舌下剤、吸入剤、点眼剤、坐剤等の剤形として用いることができる。医薬製剤の剤形として、好ましくは、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、注射剤である。
【0020】
本発明における医薬品製剤中の前記抗菌剤の含有量としては、医薬製剤の全質量に対して、アカメガシワ抽出物を0.005〜1.0質量%で含有することが好ましく、0.01〜0.5質量%で含有することがより好ましく、0.05〜0.3質量%で含有することがさらに好ましい。
【0021】
医薬製剤は、第14改正日本薬局方解説書の製剤総則に記載されている方法等、公知の方法により製造できる。例えば、顆粒剤の場合には、アカメガシワ抽出物に、必要に応じて賦形剤、結合剤、崩壊剤、溶媒等を加えて攪拌造粒、押し出し造粒、転動造粒、流動床造粒、噴霧造粒等を行い製造することができる。また、精製白糖球状顆粒、乳糖・結晶セルロース球状顆粒、白糖・デンプン球状顆粒、粒状結晶セルロース等の芯物質に、水、又は白糖、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の結合剤溶液を噴霧しながら、アカメガシワ抽出物及びコーンスターチ、結晶セルロース、ヒド
ロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の添加剤を含む散布剤をコーティングしてもよい。さらに、必要に応じて整粒、粉砕を行ってもよい。
【0022】
このようにして製造した顆粒剤に、さらに必要に応じて、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、抗酸化剤、矯味剤、着色剤、香料等を加えて打錠して錠剤とすることもできる。また、原薬であるアカメガシワ抽出物に、必要な賦形剤を加えて直接打錠して錠剤としてもよい。また、アカメガシワ抽出物に、乳糖、白糖、ブドウ糖、デンプン、微結晶セルロース、カンゾウ末、マンニトール、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム等の賦形剤を添加・混合したものや、上記の顆粒剤をカプセルに充填することもできる。
【0023】
賦形剤の具体例としては、例えば、乳糖、白糖、ブドウ糖、果糖、デンプン、バレイショデンプン、コーンスターチ、コムギデンプン、コメデンプン、結晶セルロース、微結晶セルロース、カンゾウ末、マンニトール、エリスリトール、マルチトール、ソルビトール、トレハロース、無水ケイ酸、ケイ酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウム、無水リン酸カルシウム、硫酸カルシウム等を挙げることができる。
【0024】
結合剤の具体例としては、例えば、ゼラチン、デンプン、アラビアゴム、トラガント、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、部分α化デンプン、α化デンプン、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、プルラン、グリセリン等を挙げる
ことができる。
【0025】
崩壊剤の具体例としては、例えば、アミノ酸、デンプン、コーンスターチ、炭酸カルシウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、クロスポビドン等を挙げることができる。
【0026】
滑沢剤の具体例としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、マクロゴール等を挙げることができる。
【0027】
抗酸化剤の具体例としては、例えば、アスコルビン酸ナトリウム、L−システイン、亜硫酸ナトリウム、トコフェロール、大豆レシチン等を挙げることができる。
【0028】
矯味剤の具体例としては、例えば、クエン酸、アスコルビン酸、酒石酸、リンゴ酸、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ソーマチン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、グルタミン酸ナトリウム、5'−イノシン酸ナトリウム、5'−グアニル酸ナトリウム等を挙げることができる。
【0029】
着色剤の具体例としては、例えば、酸化チタン、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、コチニール、カルミン、リボフラビン、食用黄色5号、食用青色2号等を挙げることができる。
【0030】
香料の具体例としては、例えば、レモン油、オレンジ油、メントール、はっか油、ボルネオール、バニラフレーバー等を挙げることができる。
【0031】
液剤を製造する際にも、同様に公知の方法を使用すればよい。アカメガシワ抽出物を精製水やエタノール等の溶媒に溶解し、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤等を加えてもよい。
【0032】
界面活性剤の具体例としては、例えば、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン共重合物、ラウリル硫酸ナトリウム等を挙げることができる。
【0033】
消泡剤の具体例としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、トリオレイン酸ソルビタン等を挙げることができる。
【0034】
本発明の抗菌剤を含有する医薬製剤は、アカメガシワ抽出物がグラム陽性細菌に対する抗菌活性を有するため、グラム陽性細菌が関与する疾患である敗血症、炭疽、壊疽、破傷風、胃腸炎、皮膚炎、脳炎、神経炎、結核、腎炎、食中毒等の疾患の治療剤または予防剤として用いることができる。
【0035】
医薬製剤は、動物、特に哺乳類、より具体的には、ヒトにおいて、上記疾患の治療または予防に有用であり、哺乳類、特にヒトに投与することができる。
アカメガシワ抽出物の投与量は、個々の薬剤の活性、患者の症状、年齢、体重等の種々の条件により変化し得るが、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤またはシロップ剤等による経口投与の場合、0.1〜50mg/day、好ましくは1〜25mg/dayであり、坐剤による投与の場合、0.01〜10mg/day、好ましくは0.1〜5mg/dayであり、注射剤による投与の場合、0.01〜10mg/day、好ましくは0.1〜5mg/dayである。
投与回数は特に限定されないが、1日1〜3回程度が好ましい。
【0036】
本発明において前記抗菌剤を含有する化粧料としては、化粧料に添加する公知の賦形剤を添加して、軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、浴用等の化粧料として用いる
ことができる。
【0037】
本発明における化粧料中の前記抗菌剤の含有量としては、化粧料の全質量に対して、アカメガシワ抽出物を0.005〜1.0質量%で含有することが好ましく、0.01〜0.5質量%で含有することがより好ましく、0.05〜0.3質量%で含有することがさらに好ましい。
【0038】
本発明のアカメガシワ抽出物は、食品用日持向上剤抗菌剤として用いることができる。本発明のアカメガシワ抽出物を含有する食品用日持向上剤は、グラム陽性細菌に対する抗菌剤としての作用も有するため、食品に添加することにより、風味への悪影響を及ぼすことなく、また、品質を低下させることなく、食品の日持ちを、大幅に向上させることができる。
また、本発明の前記抗菌剤は、食品用の日持向上剤として用いることができる。
本発明の前記抗菌剤を食品用日持向上剤として、食品に添加することにより、風味への悪影響を及ぼすことなく、また、品質を低下させることなく、食品の日持ちを、大幅に向上させることができる。本発明は、前記抗菌剤を添加して、食品中に前記抗菌剤を含有することによる、食品の日持ちを向上させる方法にも関する。
【0039】
本発明の前記抗菌剤は、食品中に添加することにより、食品中のグラム陽性細菌の増殖を抑制することもできる。本発明は、前記抗菌剤を添加して、食品中に前記抗菌剤を含有することによる、食品中のグラム陽性細菌の増殖を抑制する方法にも関する。
【0040】
本発明のアカメガシワ抽出物を含有する抗菌剤は、食品の日持ちを向上させる場合には、加工食品の加熱過程に対する耐熱性を有する、Bacillus属細菌、Clostridium属細菌等の耐熱性グラム陽性細菌に対する抗菌剤であることが好ましい。また、食品の原料中に存在して、食品の腐食を促進させる起因菌である、枯草菌(Bacillus subtilis)等のBacillus属細菌、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)等のStaphylococcus属細菌に対する抗菌剤であることがより好ましい。
【0041】
本発明の食品用日持向上剤は、食品に添加する場合、食品は、例えば、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等の店内で陳列されて販売されるため、25〜30℃の温度条件下、2〜3日間、品質を安定に保って保存できることが好ましい。
【0042】
本発明において、食品用日持向上剤として、食品の日持ちを向上させて長期に保存することができるかどうかは、実施例において後述するように、バイオアナライザー(BTA)を用いて、微生物が増殖する際に発生する熱を測定することにより、微生物の増殖を検出することによって確認することができる。
【0043】
本発明の食品用日持向上剤としては、アカメガシワ抽出物を粉末状、顆粒状にして用いることができ、また、抽出に用いた溶媒を濃縮させることなく、又は濃縮途中の状態のものをアカメガシワから抽出した溶液として用いることもできる。
【0044】
本発明の食品は、アカメガシワ抽出物を含有する食品用日持向上剤を、含有するものである。また、本発明の食品は、アカメガシワ抽出物を含有する抗菌剤を日持向上剤として含有するものである。
アカメガシワ抽出物を日持向上剤として、食品に含有する場合には、食品の全質量に対して、アカメガシワ抽出物を0.01〜2.0質量%で添加することが好ましく、0.05〜1.0質量%で添加することがより好ましく、0.1〜0.7質量%で添加することがさらに好ましい。
アカメガシワ抽出物を0.01〜2.0質量%で食品用日持向上剤として含有することにより、食品の日持ちを向上させることができると共に、味に変化を与えることない食品を提供することができる。
【0045】
本発明の前記抗菌剤は、グラム陽性細菌の増殖を抑制することができるので、食品用日持向上剤である場合に加え、食品の殺菌剤、防腐剤、保存剤、保存料、腐敗防止剤としても用いることが好適である。
また、本発明の抗菌剤は、食品の日持を向上させるという性質を有するので、本発明は、アカメガシワ抽出物からなる食品用日持向上剤をも提供する。本発明は、アカメガシワ抽出物からなる食品用の殺菌剤、防腐剤、保存剤、保存料、腐敗防止剤をも提供する。
【0046】
本発明の食品は、前記食品用日持向上剤を含有する食品であって経口摂取可能な組成物であれば、特に制限されるものではない。
本発明の食品は、アカメガシワ抽出物がグラム陽性細菌に対して抗菌活性を有し、食品の日持ちを向上させることができるので、加工食品であることが好ましく、中でも、加熱調理された加工食品であることがより好ましい。
【0047】
食品としては、特に限定されるものではないが、食肉加工品、食肉惣菜、水産練製品、漬物、麺類、米飯類、カスタードクリーム、ソフトクリームなどの菓子類等が挙げられる。
【0048】
食肉惣菜としては、食肉を調理して得られる食品が挙げられ、特に限定されるものではないが、例えば、ハンバーグ、ミートボール、肉団子、メンチカツ、コロッケ、とんかつ、唐揚げ、フライドチキン、ナゲット、照り焼き、焼き鳥、シュウマイ、ギョウザ、肉まん、春巻き、ハム、ソーセージ、ベーコン等が挙げられる。
【0049】
水産練製品としては、特に限定されるものではないが、例えば、シュウマイ、かまぼこ、笹かまぼこ、揚げかまぼこ、すじ、つみれ、ちくわ、さつま揚げ、はんぺん、ちくわぶ、イカ巻き、魚肉ソーセージ等が挙げられる。
【0050】
菓子類としては、特に限定されるものではないが、例えば、生クリーム、プリン、ゼリー、ババロア、シュークリーム、カスタードクリーム等が挙げられる。
【0051】
本発明の食品には、公知の日持向上剤及び保存剤を添加してもよい。日持向上剤及び保存剤としては、例えば、グリシン、アラニン、ベタインなどのアミノ酸、酢酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸などの有機酸及びそれらに塩、リゾチーム、ポリリジン、プロタミン、ソルビン酸等を挙げることができる。
【0052】
本発明の食品には、他の公知の添加剤を添加してもよく、添加剤としては、甘味料、着色料、増粘安定剤、酸化防止剤、漂白剤、ガムベース、調味料、苦味料、酸味料、強化剤、乳化剤、香料、香辛料、凝固剤、消泡剤等を挙げることができる。
【0053】
本発明における食品の製造方法としては、特に制限されるものではなく、前記食品を製造する際の公知の方法を使用して製造する方法が挙げられる。
例えば、食品の材料となる食品素材を混合した後に、本発明の食品用日持向上剤を添加し、加熱調理して食品とすることができる。本発明の食品用日持向上剤は、加熱後であっても、食品の日持ちを向上させることができる。
【0054】
本発明における食品への前記食品用日持向上剤の添加方法としては、特に制限されるものではないが、調理中、又は調理後に、食品に対して、前記食品用日持向上剤を溶解、混和、練り込み、吹き付け、塗り付け、振りかけ、まぶす等することにより添加して行うことができる。
【実施例】
【0055】
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0056】
[製造例1]
(アカメガシワ抽出物)
110℃で50分間、加熱焙煎したアカメガシワ樹皮487gに含水80容量%エタノール5Lを加えて、液温を50℃に昇温して2時間抽出した。次いで、液温50℃の含水80容量%エタノール5Lで2時間抽出を行った。さらに、液温50℃の含水80容量%エタノール5Lで2時間抽出を行い、室温下、一晩浸漬抽出を行った。得られたエタノール抽出液を併せて、減圧下、60℃で濃縮乾固して、アカメガシワ抽出物(80%EtOH層)を77.5g得た。
【0057】
[実施例1]
(液体培地を用いた最小発育阻止濃度の測定)
(1)試料
製造例1で得られたアカメガシワ抽出物(80%EtOH層)をジメチルスルホキシド(DMSO、Wako)に20,000μg/mLとなるよう溶解し、試料溶液とした。試料溶液は使用溶媒(DMSO)を用いて2倍段階希釈し、実験に供した。
(2)供試菌株
Bacillus coagulans NBRC 12583T
Staphylococcus aureus subsp. aureus NBR
C 12732
Pseudomonas aeruginosa NBRC 13275
各細菌はMueller Hinton Agar(Difco)を用いて32.5℃で24時間増菌培養した。バクテリアカウンティングチャンバーで菌数確認をした後、ペプトン食塩緩衝液(日水製薬)を用いて2.0×106CFU/mLとなるよう調製し、実験に供した。
(3)微量液体希釈法による植物抽出物のMIC測定
96穴マイクロプレートを用いた微量液体希釈法によってMICを測定した。Mueller Hinton Agar(Difco)を170μL加えたウェルに、試料溶液を10μL添加し、終濃度がそれぞれ62.5、125、250、500、および1,000μg/mLとなるよう調製した。そこに菌液を20μL(終濃度2.0×105CFU/mL)添加し、32.5℃で3日間培養した。なお、試料溶液のみを培地に添加、菌液のみを培地に添加、試料溶液の溶媒(DMSO)のみを培地に添加した系についてもそれぞれ同様に培養を行った。
培養後、試料溶液および菌液を添加した系について目視にて微生物の発育が見られない、あるいは600nmにおける吸光度が試料溶液のみを添加した培地と同等となる最小濃度をMICとした。
(4)結果
アカメガシワ抽出物(80%EtOH層)はcoagulansに対して1,000μg/mL、aureusに対して500μg/mL、およびaeruginosaに対して>1,000μg/mLのMICを示した。
【0058】
[製造例2]
(アカメガシワ抽出物)
焙煎していないアカメガシワ葉305gに含水80容量%エタノール4Lを加え、液温50℃で2時間抽出し、ろ過した。次いで、含水80容量%エタノール3Lを加え、液温50℃、2時間で2回抽出、ろ過を行った。得られた抽出液は減圧下60℃で濃縮乾固し、抽出物43.2を得た。抽出物に水600mLを加え、ヘキサン600mLで3回、次いで、酢酸エチル600mLで3回、液々分配し、各層を減圧下60℃で濃縮乾固し、アカメガシワ抽出物(水層)29.4g、アカメガシワ抽出物(酢酸エチル層)6.61g、アカメガシワ抽出物(ヘキサン層)7.40gを得た。
【0059】
[実施例2]
(液体培地を用いた最小発育阻止濃度の測定)
実施例1と同様に行った、試験結果を表1に示す。
【0060】
【表1】

【0061】
[実施例3]
(寒天培地を用いた最小発育阻止濃度の測定)
(1)試料
以下の試料をジメチルスルホキシド(Wako)に20,000μg/mLとなるよう溶解し、試料溶液とした。試料溶液は使用溶媒(DMSO)を用いて2倍段階希釈し、実験に供した。
・製造例1で得られたアカメガシワ抽出物(80%EtOH層)
・ヘチマ抽出物(80%EtOH層)
ヘチマ抽出物(80%EtOH層)は、以下の製造方法により製造した。ヘチマ475gに含水80容量%エタノール11Lを加え、液温50℃に加温後、室温下3日間浸漬抽出した。次いで、含水80容量%エタノール10Lを加え、液温50℃に加温後、室温下、一晩浸漬抽出した。得られた抽出液は減圧下60℃で濃縮乾固し、抽出物8.75gを得た。
(2)供試菌株
Bacillus cereus NBRC 15305T
Escherichia coli NBRC 3972
各細菌はMueller Hinton Agar(Difco)を用いて32.5℃で24時間増菌培養した。バクテリアカウンティングチャンバーで菌数確認をした後、ペプトン食塩緩衝液(日水製薬)を用いて2.0×105CFU/mLとなるよう調製し、実験に供した。
(3)最小発育阻止濃度の測定
上記(1)で作製した試料溶液1mLとMueller Hinton Agar(Difco)19mLを混釈し、試料濃度が1,000μg/mLとなるよう平板を作製した。なお、試料溶液の代わりに溶媒(DMSO)のみを添加した培地も同様に作製した。培地の固化後、タイピングアパライザーを用いて供試菌株を各々の植物抽出物混合平板に接種した。32.5℃で3日間培養後、コロニー形成の有無により抗菌性を確認した。ただし、Escherichia coliは32.5℃で24時間培養した。コロニー形成が認められた場合は抗菌性無し、認められない場合を抗菌性有りと判定した。
(4)結果
アカメガシワ抽出物(80%EtOH層)はcereuscoagulansに対して1,000μg/mL、およびcoliに対して>1,000μg/mLのMICを示した。一方で、ヘチマ抽出物はいずれの細菌に対しても発育抑制能を示さなかった。
【0062】
[実施例4]
(食品系での抗菌性)
(1)試料
・製造例1で得られたアカメガシワ抽出物(80%EtOH層)
(2)供試菌株
Bacillus cereus NBRC 15305T
Bacillus subtilis NBRC 3134
Staphylococcus aureus subsp. aureus NBRC 12732
各細菌はMueller Hinton Agar(Difco)を用いて32.5℃で24時間増菌培養した。ただし、coagulansは36℃で24時間培養した。
(3)ハンバーグの製造方法
以下の処方により、製造例1のアカメガシワ抽出物(80%EtOH層)を含有するハンバーグを製造した。
ハンバーグの原料として、以下の処方の原料を用いた。
<ハンバーグの原料>
牛豚ひき肉 175.5g( 58.5質量%)
玉ねぎ(ソテー済) 60.0g( 20.0質量%)
パン粉 22.5g( 7.5質量%)
卵白 2.1g( 0.7質量%)
食塩 1.2g( 0.4質量%)
コショー 0.3g( 0.1質量%)
ナツメグ 0.3g( 0.1質量%)
グルタミン酸ナトリウム 0.3g( 0.1質量%)
水 37.8g( 12.6質量%)
合計 300.0g(100.0質量%)
処方に示す原料を、フードカッター(DLC−6PRO 株式会社クイジナートサンエイ)を用いて2分間、混合した。混合した原料の合計質量(300g)に対して、アカメガシワ抽出物(80%EtOH層)1.5g(0.5質量%)を添加して、2分間さらに混合した。得られた混合物を、1個あたり25g、直径4cmのハンバーグ型に成型し、オーブンで230℃、13分間焼成して、ハンバーグを製造した。
(4)バイオサーモアナライザー試験
上記(3)で製造したハンバーグ5gを取り、ハンバーグを検査瓶(PS−3K、第一硝子社製)に入れ、蓋を閉めた後に、バイオサーモアナライザー(H−201、日本医科器械製作所製)の高温槽内セルに設置した。高温槽内対照セルには、アカメガシワ抽出物を無添加のハンバーグをサンプルとして用いた。バイオサーモアナライザーの設定条件は、高温槽温度30℃、微小電圧計レンジ500μV、測定間隔15分として、72時間測定を行った。測定は、3回行い、ピーク発現時間の平均値を算出した。
また、ハンバーグ1gに対して、上記(2)の供試菌株を約500個となるように添加した。枯草菌を添加したハンバーグを同様にバイオサーモアナライザー試験に供した。
(5)結果
試験結果を表2に示す。表2の結果から、無添加の場合に比べ、アカメガシワ抽出物を添加した場合にピーク時間が遅延することにより、細菌の増殖が抑制されていることが示された。
【0063】
【表2】

【0064】
[製造例3]
(アカメガシワ抽出物)
110℃で50分間、加熱焙煎したアカメガシワ樹皮486gに含水80容量%エタノール5Lを加えて、室温下、一晩浸漬し、液温を50℃に昇温して2時間抽出した。次いで、液温50℃の含水80容量%エタノール5Lで2時間抽出を2回行った。得られたエタノール抽出液を、減圧下、60℃で濃縮乾固して、抽出物を63.8g得た。抽出物に水800mLを加え、酢酸エチル800mLで3回、液々分配を行った。酢酸エチル層及び水層をそれぞれ、濃縮乾固し、アカメガシワ酢酸エチル抽出物(酢酸エチル層)16.3g、アカメガシワ水抽出物(水層)46.3gを得た。
【0065】
[実施例5]
(寒天培地を用いた最小発育阻止濃度の測定)
(1)試料
以下の試料をDMSO(Wako)に20,000μg/mLとなるよう溶解し、試料溶液とした。試料溶液は使用溶媒(DMSO)を用いて2倍段階希釈し、実験に供した。
・アカメガシワ抽出物(酢酸エチル層)
・アカメガシワ抽出物(水層)
(2)供試菌株
Bacillus cereus NBRC 15305T
Bacillus coagulans NBRC 12583T
Bacillus subtilis NBRC 3134
Staphylococcus aureus subsp. aureus NBRC 12732
Salmonella enterica subsp. enterica NBRC 3313
各細菌はMueller Hinton Agar(Difco)を用いて32.5℃で24時間増菌培養した。ただし、coagulansは36℃で24時間培養した。バクテリアカウンティングチャンバーで菌数確認をした後、ペプトン食塩緩衝液(日水製薬)を用いて2.0×105CFU/mlとなるよう調製し、実験に供した。
(3)最小発育阻止濃度の測定
上記(1)の抽出物を溶解した試料溶液1mLとMueller Hinton Agar(Difco)19mLを混釈し、試料濃度が1,000μg/mLとなるよう平板を作製した。なお、試料溶液の代わりに溶媒(DMSO)のみを添加した培地も同様に作製した。培地の固化後、タイピングアパライザーを用いて供試菌株を各々の植物抽出物混合平板に接種した。32.5℃で3日間培養後、コロニー形成の有無により抗菌性を確認した。コロニー形成が認められた場合は抗菌性無し、認められない場合を抗菌性有りと判定した。
(4)結果
試験結果を表3に示す。本発明の抗菌剤は、グラム陽性細菌に対してマイルドな抗菌効果を示すことが明らかになった。
【0066】
【表3】

【0067】
[実施例6]
(食品系での抗菌性)
(1)試料
・製造例3で得られたアカメガシワ抽出物(酢酸エチル層)
・プロタミン
(2)供試菌株
Bacillus subtilis NBRC 3134
Staphylococcus aureus subsp. aureus NBRC 12732
各細菌はMueller Hinton Agar(Difco)を用いて32.5℃で24時間増菌培養した。ただし、coagulansは36℃で24時間培養した。
(3)ハンバーグの製造方法
アカメガシワ抽出物(80%EtOH層)に代えて上記(1)のアカメガシワ抽出物(酢酸エチル層)又はプロタミンを用いる以外は、実施例4と同様にハンバーグを製造した。
(4)バイオサーモアナライザー試験
実施例4と同様にして、上記(1)のアカメガシワ抽出物(酢酸エチル層)又はプロタミンを用いて製造したハンバーグのバイオサーモアナライザー試験を行った。
(5)結果
試験結果を表4に示す。アカメガシワ抽出物を添加した場合には、無添加またはプロタミン添加の場合よりも、ピークの発現時間が遅延し、細菌の増殖が抑制されたことが明らかになった。
【0068】
【表4】

【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明のアカメガシワ抽出物は、抗菌作用を有する。また、本発明のアカメガシワ抽出物は、食品用日持向上作用を有する。本発明のアカメガシワ抽出物は、医薬品、化粧料、及び食品用の抗菌剤および日持向上剤として産業上の利用可能性を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アカメガシワ抽出物を含有するグラム陽性細菌に対する抗菌剤。
【請求項2】
前記グラム陽性細菌がBacillus属細菌又はStaphyllococcus属細菌である、請求項1に記載の抗菌剤。
【請求項3】
前記アカメガシワ抽出物が水もしくは有機溶媒またはこれらの混合溶媒による抽出物である、請求項1又は2に記載の抗菌剤。
【請求項4】
前記アカメガシワ抽出物が酢酸エチル可溶成分である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の抗菌剤。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の抗菌剤を含有する医薬品。
【請求項6】
食品の日持向上用である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の抗菌剤。
【請求項7】
アカメガシワ抽出物を含有する食品用日持向上剤。
【請求項8】
請求項1〜4及び6のいずれか一項に記載の抗菌剤を含有する食品用日持向上剤。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の食品用日持向上剤を含有する食品。
【請求項10】
請求項1〜4及び6のいずれか一項に記載の抗菌剤を含有することによる、食品の日持ちを向上させる方法。
【請求項11】
請求項1〜4及び6のいずれか一項に記載の抗菌剤を含有することによる、食品中のグラム陽性細菌の増殖を抑制する方法。

【公開番号】特開2010−207208(P2010−207208A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−126307(P2009−126307)
【出願日】平成21年5月26日(2009.5.26)
【出願人】(505080585)エーザイフード・ケミカル株式会社 (10)
【出願人】(000108812)タマ生化学株式会社 (19)
【Fターム(参考)】