説明

アクチュエータ

本発明は、アクチュエータに関し、特にロボットアームの制御に用いられる直動式アクチュエータおよび回転式アクチュエータに関する。本発明は、実質的にバックラッシュの無い回転運動および/または直線運動を達成する比較的に低コストの手段を提供するものである。本発明で提供するアクチュエータ(10)は、第一の駆動プーリ(28)と、第二の駆動プーリ(29)と、第一の被駆動プーリ(52、70)と、第二の被駆動プーリ(53、72)と、第一の駆動プーリ、第二の駆動プーリ、第一の被駆動プーリおよび第二の被駆動プーリと係合する無端駆動ベルト(40)と、第一の駆動プーリおよび第二の駆動プーリを駆動して無端状駆動ベルトを回転および駆動させるために連結されているモータ(19)と、被駆動プーリのうちの少なくとも一つを支持している被駆動部材(50、88、71、73)とを備えており、第一の駆動プーリおよび第二の駆動プーリが、一緒に回転するように相互に接続され、回転時には、第一の駆動プーリの周速度が第二の駆動プーリの周速度と異なるように配設され、無端ベルトが、第一の駆動プーリの周速度と第二の駆動プーリの周速度との間の差が被駆動部材に動きを生じさせるように、駆動プーリおよび被駆動プーリのまわりに巻き付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータに関するものであり、特にロボットアームの制御に用いられる直動式アクチュエータおよび回転式アクチュエータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
製造工程においてならびに一般的検査および保守機能の目的でロボットアームの使用が増えるため、各アームに関連する制御機能の数が増加しており、高度に複雑で多機能型のアームに30以上の別個の制御要素が求められることも稀ではない。これらの要素の各々は別個のアクチュエータにより個別に制御される必要がある。
【0003】
したがって、比較的小さな空間に数多くの制御機能を集中させることが必要となる。多くのロボットアームは制御ワイヤにより制御または操作されている。これらのアームがより高度になり小型化することによりさらに複雑な作業を行なうことが可能となるにつれて、これらの同一の複雑な作業が、ますます、より多くの制御機能を要求するようになり、より小さな空間により多くの制御機能を求めるようになる。
【0004】
従来、ロボットアームの制御ワイヤ用のアクチュエータはキャプスタン方式であった。これらのアクチュエータは、制御ワイヤを巻き取る巻上キャプスタンを駆動するモータを備えている。モータの動作により、キャプスタンを駆動し、これに応じてワイヤを移動させるかまたはそれを可能とするようになっている。これらのキャプスタン駆動装置は、比較的かさばっており、その上、キャプスタンまわりにおいてワイヤを引き伸ばしたり滑らしたりする傾向があるため、正確な制御をより困難なものとしている。この問題を解決するために、各制御のための制御機構およびモータドライブは、ロボットアームの基盤または基部から間隔をおいて設けられ、その結果、ロボットアームの制御組立体が比較的に大きくかさばるものになってしまっている場合が多い。
【0005】
この問題を克服するために、制御ワイヤが装着される可動キャリッジを有する直動式アクチュエータが製作されており、その全体をネジまたはウォーム上に取り付けて、ネジまたはウォームを回転させると、キャリッジが動くようになっている。このような構成の欠点としては、組立体の相対的な重さや、ウォーム装置またはネジ装置において避けることができないバックラッシュが挙げられる。さらに、このような構成は、比較的大きな摩擦力を生ずる傾向があり、機械的な利点として、ネジのピッチにより形成される傾斜面によるものが効果的に達成可能であることが挙げられる。
【0006】
他の実施形態は、ボールネジ装置を使用することであり、これによりバックラッシュを最小限に抑えることができる場合がある。しかしながら、このような装置は、高価であり、また、短ストローク用の装置にしか適さない。なぜなら、ネジは長さが増すとともに重量が増し、ストロークの長いボールネジは、その慣性力を許容することができないことが一般的であるためである。さらに、制御ワイヤをボールネジ装置に実際に接続することは一般的に困難なことである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、ロボットアームなどの制御のために比較的に小さな空間に多くを集合させることができるように、制御ワイヤに対して低い摩擦損失で高い荷重を加えることができるとともに構造が小さい直動式アクチュエータの必要性がある。
【0008】
一般的な位置決めを行うために産業界において用いられているアクチュエータの多くは(ワイヤを引っ張るために用いられるアクチュエータと比較して)、電気駆動式であり、いくつかの速度区分およびいくつかの精度区分に分類され得る。速度区分は、低速(たとえば毎秒0〜25mm)、中速(たとえば毎秒25〜500mm)、および、高速(>毎秒500mm)である。精度区分は、ゼロ精度(絶対的な位置決めが不必要であり、バックラッシュが重要でない)、低精度(低精度の位置決めが必要であり、たとえば0.25〜3mmのバックラッシュは許容される)、および、高精度(正確な位置決めと、バックラッシュがゼロ/少しであることが必要、たとえば0.001〜0.25mm)によって定義され得る。このようなアクチュエータは多くの場合回転式電動モータによって駆動される。ダイレクトドライブの直動式アクチュエータが利用可能であるものの、製造と制御の費用が効果である。直動式アクチュエータが回転式電動モータにより駆動される場合、直線運動を生成するための複数の種類の設計が選択可能である。これらには、ベルトドライブ機構、リードネジ機構、ボールネジ機構およびラック・ピニオン機構が含まれる。低速用途および中速用途の多くの場合、モータの速度(通常3000〜6000rpm)を必要なプーリ/ピニオン/ボールネジ速度に一致させるために、モータと線形運動コンバータとの間にギアボックスが必要となる。ギアボックスは特にゼロ/少しのバックラッシュ環境における場合のように高精度を必要とする場合、コストを大幅に引き上げることとなる。これは、ギアボックスが、モータおよび線形運動コンバータと少なくとも同程度の精度を有していなければならないからである。
【0009】
本発明はハーモニック方式を用いて運動を生じさせるための駆動ベルトを有するアクチュエータに関するものであり、このハーモニック方式により、低速用途および中速用途の場合におけるモータと駆動プーリとの間のギアボックスの必要性を削減または排除すものである。さらなる利点として、このような駆動装置にはバックラッシュが実質的に存在しないため、比較的に低コストで高精度の駆動装置が可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明により提供されるアクチュエータは、
第一の駆動プーリと、
第二の駆動プーリと、
第一の被駆動プーリと、
第二の被駆動プーリと、
第一の駆動プーリおよび第二の駆動プーリと第一の被駆動プーリおよび第二の被駆動プーリとを係合している無端駆動ベルトと、
第一の駆動プーリと第二の駆動プーリを回転させ、無端状駆動ベルトを駆動するために連結されているモータと、
被駆動プーリのうちの少なくとも一つを支持している被駆動部材とを備えており、
第一の駆動プーリと第二の駆動プーリが一緒に回転するように相互に連結されており、
第一の駆動プーリおよび第二の駆動プーリが、回転時の第一の駆動プーリの周速度が第二の駆動プーリの周速度と異なるように配設されており、無端駆動ベルトが、第一の駆動プーリの周速度と第二の駆動プーリの周速度との間の差により被駆動部材に動きを生じさせるように、駆動プーリおよび被駆動プーリをまわるループが形成されている。
【0011】
以下で具体的に記載される実施形態では、駆動ベルトが用いられている。また、用語「駆動ベルト」は請求項および序文において用いられている。特に他の指定がないかぎり、用語「ベルト」は、チェーン、ケーブル、ワイヤなどの如きいかなる適切な連続したまたは無端状の駆動部材を包含するものとして理解されるべきである。また、同様に、通常駆動ベルトとともにプーリが用いられることが一般的であるため、用語「プーリ」が以下の具体的な説明全般にわたり用いられている。特に他の指定がないかぎり、用語「プーリ」は、歯付きまたは歯無しの車輪、ローラなどに加えてギアおよびスプロケットを包含するものとして理解されるべきである。
【0012】
周速度は、駆動プーリが異なる円周長さを有しているので、異なる回転速度を有しているので、または、これらの両方を有しているので異なり得る。
【0013】
駆動ベルトは歯付きであっても良く、このような実施形態では、少なくとも駆動プーリは、駆動ベルトに係合するために歯付きであることが好ましい。
【0014】
アクチュエータは、2つの被駆動部材を好ましくは有している回転式アクチュエータであっても良い。これらの2つの被駆動部材が、第二の駆動ベルトにより一緒に相互に連結され、この第二の駆動ベルトが(制御された)回転運動のために取り付けられているプーリと係合するようになっている。これに代えて、アクチュエータは、直線移動のために取り付けられているキャリッジを好ましくは有している直動式アクチュエータであっても良い。
【0015】
また、直動式アクチュエータおよび回転式アクチュエータのある実施形態では、無端駆動ベルトによりさらに係合されている一または複数のガイドプーリが設けられている。これらのガイドプーリは、駆動プーリと被駆動プーリとの間で駆動ベルトを案内および/または方向転換させる機能を有している。これに代えて、第一の駆動プーリおよび第二の駆動プーリを反対方向に回転するように相互に連結することによって、ガイドプーリの必要性を排除することができる。
【0016】
制御配線を被駆動部材に接続することができ、この被駆動部材の移動により制御配線に対して対応する運動を生じさせるようになっている。この制御配線は、たとえばロッボトアームに接続することができる。
【0017】
モータは電動モータであっても良い。本発明のある実施形態では、電動モータは、ウォームホイール組立体を通じて駆動プーリを駆動することで、さらなる機械的な利点を提供しうる。これらの実施形態において、ウォームとホイールが、バックドライブを防止するように選択されたピッチを有していることが好ましい場合がある。このことは、ブレーキ機構が必要でなくなるという利点を有している。
【0018】
駆動ベルトがさまざまなプーリをまわって常に一方の方向、すなわち歯付きベルトの実施形態ではその歯の方向に向かって曲げられるように配置されることが好ましい。これに代えて、駆動ベルトは、さまざまなプーリのまわりを通過するときに、両方向に、すなわち歯に向かう方向と歯から離れる方向との両方向に曲げられても良く、こうすることにより、ベルトの歯が一部のプーリのまわりを通過するときに外方向を向くようになる。ベルトを両方向に曲げることを、本明細書では反曲ドライブ(contraflexture drive)として記載しており、この反曲ドライブは、直動式アクチュエータと回転式アクチュエータとの両方に用いられ得る。
【0019】
駆動ベルトが特に用いられる(すなわち、チェーンやケーブルなどではなく)本発明のすべての実施形態においては、駆動プーリ、被駆動プーリおよびガイドプーリ(存在する場合には)の間にある駆動ベルトの経路は、それぞれ、角度付きプーリ手段によって方向付けされる。駆動ベルト繊維の中心軸が個々のプーリ間で略同軸となるようにプーリのサイズと角度が選択される。これは、駆動ベルトが並進方向にまたは横方向にほとんどまたは全く移動することなくこの軸に沿って捩れることを意味し、このようにして、ベルト繊維全域にわたる圧力変動を最小限に抑えるようになっている。
【0020】
本発明にかかる直動式アクチュエータは、国際出願第WO2002/016995号に記載されているタイプのロボットアームの制御において特に有用であることが見出されており、その開示内容は本明細書において参照することにより援用するものとする。
【0021】
本発明によるアクチュエータの複数の具体的実施形態を、添付図面を参照しながら以下に説明する。
【0022】
添付の図面を参照して、本発明にかかるアクチュエータのさまざまな例示の実施形態を以下に説明する。
【0023】
以下の説明では、さまざまな実施形態における同様の構成要素に対して同様の参照番号が用いられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
ここで、図1を参照すると、包括的に参照番号10で示されているアクチュエータは、第一の端部12において包括的に参照番号14で示されているモータおよび制御組立体を有し、第二の端部13において制御ワイヤガイド15(図7参照)を有している細長いチャンネル形状のハウジング11を備えている。
【0025】
モータおよび制御組立体14は、ウォームブロック16を有し、このウォームブロック16の基部17は、第一の端部12においてチャンネル形状のハウジング11の基部に固定されている。ウォームブロック16の後面9には電動モータ19が装着されており、この電動モータ19は、連結器7(図5)を通じて駆動シャフト20を回転させるようになっている。駆動シャフト20は、後面9を貫通して、駆動ウォーム21(図5および図10参照)において終端している。ウォームブロック16の前面は、前面開口部31(図10)を設けるために一部が切り取られている。
【0026】
ウォームブロック16の各側壁23は横孔24を設けるための円形状の開口部を備えており、各開口部は対応するベアリング25を収容している。各ベアリング25はその内部に軸棒26を回転可能に収容するように構成されており、この軸棒26は、その上に、ウォームホイール27と、第一の駆動プーリ28と、第二の駆動プーリ29とを一緒に回転可能なように備えている。本実施形態では、ウォームホイール27、第一の駆動プーリ28および第二の駆動プーリ29は一体的に形成されている。いうまでもなく、第一の駆動プーリ28および第二の駆動プーリ29は、独立した構成要素として形成され、当該技術分野において公知となっている手段により一緒に回転可能なようにウォームホイール27にキーを用いて固定されても良いしまたは本実施形態で示されているようにピン8を用いて結合されても良い。ウォームホイールおよびプーリ組立体には、ウォームホイール27およびそれに関連する第一の駆動プーリ28および第二の駆動プーリ29を前面開口部31に対して適切な位置に配置するためのシムおよびワッシャー34が設けられている。
【0027】
第一の駆動プーリ28および第二の駆動プーリ29の各々には、歯32が設けられている。この実施形態では、第二の駆動プーリ29の半径、すなわち円周長が第一の駆動プーリ29の円周長よりも長くなっており、したがって、第二の駆動プーリ29には第一の駆動プーリ28よりも歯が一つ多く設けられている(他の実施形態では、駆動プーリの円周長の差は歯一つよりも多い場合もある)。駆動プーリ28、29の各々は、無端駆動ベルト40による巻き付けを受けられるように構成されている。
【0028】
駆動ベルト40は、端部のないまたは連続したベルトであって、本実施形態では、その内面上に歯を有し、断面が略長方形状になっている。各歯は、プーリ28、29上のそれぞれ対応する歯32と係合するように構成されている。
【0029】
また、ウォームブロック16の固定部材は、後方延長部材35をハウジング11に固定するようになっている。この延長部材35は、プリント回路基板36を支持し、プリント回路基板36を通じて電動モータ19が制御される。
【0030】
また、ハウジング11の第二の端部13も、包括的に参照番号45で示されているプーリ組立体(図3参照)備えている。プーリ組立体45は、包括的に参照番号15で示されている制御ワイヤガイド(図7参照)と関連づけされている。プーリ組立体45はハウジング11内のスロット46(図1)により支持され、これらのスロットは横軸棒47(図1および図7)を支持し、次いで、この軸が、その上に、ガイドプーリ48、49を回転可能に支持するようになっている。ガイドプーリ48、49の各々はベルト40の巻き付けを受けるように構成されているとともに、横軸棒47上で別々に回転可能となっている。横軸棒47の位置は駆動ベルト40の張力によってスロット46内に維持されている。駆動ベルトの張力は、傾斜板6がハウジング11内のベアリング25(図4参照)に作用するによって組立中にセットされる。他の実施形態では、軸棒47の支持部材が、駆動ベルト40に張力を与える目的のために前記の支持部材をモータおよび制御組立体14の反対側の方向に付勢するために設けられた手段およびハウジングに解除可能に固定されても良い。
【0031】
被駆動部材またはキャリッジ50は、一対の被駆動プーリ52、53が長手方向に間隔をおいて配置されている細長部材51を備えている。被駆動プーリ52、53は、細長部材51に対して回転可能となっている。細長部材51の前方延長部54は、制御ワイヤ55を螺旋59のまわりに巻き付けクランプ60で固定することによって制御ワイヤ55をキャリッジに接続する一般的によく知られた接続手段を支持している(図9参照)。この具体的な実施形態では、制御ワイヤ55は、キャリッジ50から延出し、軸棒47の円柱状の面に設けられた案内孔56を通り、遊動輪57を回り、開口部58を利用してハウジング11から出ていくようになっている。この構成は、ハウジング11の長手方向の軸におおむね沿ったキャリッジ50の移動が制御ワイヤ55に対応する移動を起こさせるような構成となっている。
【0032】
駆動ベルト40は、図10および図11に示されているように一般的に配置されている。駆動ベルトは、第一の駆動プーリ28から第一の被駆動プーリ52へ渡り、第一の被駆動プーリ52から第二の駆動プーリ29へ渡り、第二の駆動プーリ29から第一のガイドプーリ48へ渡り、第一のガイドプーリ48から第二の被駆動プーリ53へ渡り、第二の被駆動プーリ53から第二のガイドプーリ49へ渡り、そして第二のガイドプーリ49から第一の駆動プーリ28へと戻る。駆動ベルト40は第一の被駆動プーリ52ならびに駆動プーリ28、29との間に第一のループを形成し、第二の被駆動プーリ53とガイドプーリ48、49との間に第二のループを形成し、駆動プーリ28、29が第一の方向へ回転すると第一のループの長さが増大し、第二のループの長さがそれに応じて減少するようになっている。
【0033】
図2にさらに分かり易く示されているように、第一の被駆動プーリ52の回転軸は、駆動プーリ28、29の(共通の)回転軸に対してある角度をなしている。これにより、駆動ベルト40の経路は、ベルトの横方向の移動または変形を起こすことなく、駆動プーリ28および駆動プーリ29と一直線上に揃えられることが可能となる。
【0034】
また、図2から分かるように、被駆動プーリ52は、駆動ベルトと被駆動プーリ52とが交わるおよび離れる地点における駆動ベルト40の中心軸90、すなわち駆動ベルトの長手方向の繊維の中心軸が、駆動ベルトと駆動プーリ28、29とが交わりおよび離れる地点における駆動ベルトの中心軸90に対して一直線に正確に揃えられるように位置づけされるとともに、そのようなサイズに形成されている。いうまでもなく、ベルト40は、駆動プーリ28、29と被駆動プーリ52との間を移動するに従って捩れが生じるが、この捩れは、ベルトの繊維の中心軸90のまわりで生じる。いうまでもなく、このタイプの駆動ベルトは、その中心軸のまわりで捩られた場合は、他の軸のわりで捩られる場合および/または横方向への移動もしくは変形が必要とされる場合よりも損傷または劣化を受けにくい。
【0035】
被駆動プーリは、駆動ベルトの経路を駆動プーリに一直線に並べる必要もないし、駆動ベルトが被駆動プーリと離れるまたは交わるときの駆動ベルトの中心軸が、駆動ベルトが駆動プーリと交わるまたは離れるときのベルトの中心軸と一直線に正確に並べられる必要もないということは明らかである。しかし、ズレが大きければ大きいほど、ベルトの損傷および劣化の可能性がより高くなるため、実質的に一直線に並べることが望ましく、正確に一直線に並べることが理想的である。
【0036】
被駆動プーリ53とガイドプーリ48、49との間の関係は図2に示されている関係と同様なので、全移動経路において、駆動ベルト40は、キャリッジ50の位置に関わらずその中心軸のまわりのみで捩れ運動を受ける。プーリ間の理想的な関係が、図1〜図11の実施形態について特に記載されているが、図に示されているその他の実施形態におけるプーリ間の関係も同様に理想的である。ただし、これらの実施形態においても、これらのプーリは、所望ならば、正確に一直線に並べる代わりに実質的に一直線に並べても良い。
【0037】
駆動ベルト40の代わりにチェーンまたはケーブルなどを用いる実施形態では、プーリを実質的または正確に一直線に並べることを維持することができるものの、チェーンまたはケーブルなどが理想的に捩れる軸の位置は構成要素の構造によって異なる。
【0038】
いうまでもなく、駆動ベルト40に張力を与えることによって、キャリッジ50はプーリ組立体45とモータおよび制御組立体14との間で効率的に停止可能である。このことは、アクチュエータ内の摩擦力を削減するという利点を有している。アクチュエータ内の摩擦力の削減は、キャリッジをトラック(track)に沿って移動させるこという他の方法により達成されうる。連続的な駆動手段の張力を維持することができないまたはベルトの振動を制御する必要がある本発明にかかる他の実施形態では、キャリッジを案内および/または支持するためのトラック手段が設けられても良い。
【0039】
モータ19の動作により駆動ウォームギア21の回転が引き起こされる。駆動ウォームギア21は、ウォームホイール27に係合し、駆動プーリ28、29の各々に回転運動を伝達するようになっている。駆動プーリ29には、駆動プーリ28よりも歯が1つ多く設けられているので、各プーリが1回の完全な回転運動を行なうと、駆動ベルト40のうちのプーリ29に巻着されている部分が、駆動ベルト40のうちのプーリ28に巻着されている部分よりも歯1つ分のピッチだけさらに前進することができる。このことにより、ベルトの第一のループの長さ(駆動プーリと被駆動プーリ52との間)が歯のピッチ分だけ増大し、これに応じて、駆動プーリ28、29とキャリッジ50との間の距離が歯のピッチの半分だけ増大する。これに相応して、ガイドプーリ48からの駆動ベルト40の送出しは駆動プーリ29の巻き取りによってさらに迅速に前進し、その結果、この分だけ、第二のループの長さ(ガイドプーリ48、49と被駆動プーリ53との間)が減少し、その結果、キャリッジ50がハウジング11の第二の端部13の方向に向かって引っ張られ、よって、ハウジング11の外側の制御ワイヤ5の長さが効果的に延ばされることとなる。
【0040】
モータ19の動作方向を逆転させると、上述の2つのループのサイズに対する影響が逆になり、その結果、キャリッジがハウジングに沿ってモータ19に向かって移動し、それと同時に、制御ワイヤ55に対して張力が与えられおよび/または制御ワイヤ55がハウジング内に引き込まれることになる。
【0041】
たとえば5mmピッチの歯を有するベルトおよび20枚の歯付き駆動プーリを用いる従来のベルト駆動アクチュエータにおいては、毎秒250mmのキャリッジ線速度を達成するためには、駆動プーリの回転速度が150rpmであることが必要となる。モータを一般的な速度である6000rpmで動作させてこの回転速度を達成するためには、40:1のギアボックスが必要となる。このギアボックスに1°のバックラッシュがある場合、0.28mmの直線のバックラッシュによる直線の空転が引き起こされることになる。さらに、プーリの歯と駆動ベルトとの間に少しでも隙間があると、これも、駆動反転における線形バックラッシュとして現れる。
【0042】
上述の本発明にかかる実施形態では、第一の駆動プーリ28が19の数の歯を有し、第二の駆動プーリ29が20の数の歯を有し、これらの歯が5mmのピッチを有している場合、共通の軸棒26の1回転あたりのキャリッジ50の直線の変位は2.5mmとなる。必要な線速度が毎秒250mmである場合、これは、毎秒100回転または6000rpmで動作するモータから軸棒26への直結駆動によって(すなわち、ウォームギア21による減速を必要とせずに)達成されうる。
【0043】
いうまでもなく、駆動ベルト40および被駆動プーリ52、53の接続形態により、張力は、キャリッジ50のすべての位置に対して維持される。市販の駆動ベルトおよびプーリに性能が与えられると想定すると、本発明にかかるアクチュエータを、実質的にバックラッシュの無いものとして経済的に生産することができる。
【0044】
図12に示されている他の反曲ドライブの実施形態では、駆動プーリ28、29(歯1枚の差を有する)は、入力駆動シャフト26と一緒に回転するように固定されている。これらのプーリ28、29および駆動シャフト26は、被駆動プーリ52、53、84、85と一緒にキャリッジ88に取り付けられており、これらの被駆動プーリ52、53、84、85のうちのすべてが、対応するベアリング上で回転しうる。駆動ベルト40は、第一の駆動プーリ28から第一の被駆動プーリ52へ渡り、第一の被駆動プーリ52から第一のガイドプーリ48へ渡り、第一のガイドプーリ48から第三の被駆動プーリ84へ渡り、第三の被駆動プーリから第二のプーリ29へ渡り、第二のプーリから第四の被駆動プーリ85へ渡り、第四の被駆動プーリ85から第二のガイドプーリ49へ渡り、第二のガイドプーリ49から第二の被駆動プーリ53へ渡り、そして、第二の被駆動プーリ53から第一の駆動プーリ28へと戻るようになっている。
【0045】
キャリッジ88は、ベアリングブロック87により支持されており、このベアリングブロック87は、トラック86に取り付けられて、トラック86に沿った直線運動を可能としている。図13には、駆動ベルト40が、第一の駆動ガイドプーリ48と第一の被駆動プーリ52および第三の被駆動プーリ84との間に第一のループを形成し、第二のガイドプーリ49と第二の被駆動プーリ53および第四の被駆動プーリ85との間に第二のループを形成している駆動ベルトの配置が示されている。駆動シャフト26およびプーリ28、29が第一の方向へ回転すると、第一のループの長さが増大し、この分だけ、第二のループの長さが減少し、キャリッジ88がトラック86に沿って移動することになる。駆動シャフト26の回転を逆転させると移動方向が逆転する。
【0046】
この実施形態は、直動式アクチュエータの第一の実施形態に較べて、一定の駆動ベルトの長さに対して移動距離がより長く、その結果、よりしっかりとしているという利点を有している。
【0047】
この実施形態では、駆動モータ(図示せず)がキャリッジ88に取り付けられる必要があるが、このことも、一部の用途において利点となる。
【0048】
図12〜図17の実施形態では、本発明が、キャリッジ88上の力の方向がいずれの方向であっても良く、また、バックラッシュが実質的に無くなるようにキャリッジの位置を制御可能である直動式アクチュエータに用いるのに適していることが明らかにされている。
【0049】
図18〜図20に示されている他の実施形態では、駆動プーリ28、29は、それに対応する軸棒61および軸棒62上で別個に回転可能となっているとともに、同一の数の歯を有している。(他の実施形態では、これらのプーリは歯が一または複数の数違いうる)。軸棒61および軸棒62の各々は、それぞれ対応してギアホイール63およびギアホイール64を支持している。この構成は、ギアホイール63およびギアホイール64の各々の歯の数が1つの差があるようになっている(他の実施形態では、これらのギアホイールは、同一の数の歯を有していても良いし、または、歯が複数の数違っていても良い)。これらのギアは互いに嵌合さっているので、軸棒61の回転は対向側にある軸棒62に伝達されるようになっている。このことにより、駆動ベルト40は駆動ベルトの経路の方向を反転または転向するためのガイドプーリを必要とすることなく、駆動プーリおよび被駆動プーリのまわりに巻き付けられることが可能となっている。
【0050】
駆動ベルト40は、第一の駆動プーリ28から第一の被駆動プーリ70へ渡り、第一の被駆動プーリ70から第二の駆動プーリ29へ渡り、第二の駆動プーリ29から第二の被駆動プーリ72へ渡り、そして、第二の被駆動プーリ72から第一の駆動プーリ29へと戻っている。駆動ベルト40は、第一の被駆動プーリ70と駆動プーリ28、29との間に第一のループを形成し、第二の被駆動プーリ72と駆動プーリ28、29との間に第二のループを形成し、これらの駆動プーリが第一の方向へ回転すると、第一のループの長さが増大し、これに応じて、第二のループの長さが減少するようになっている。
【0051】
先に記載された実施形態とは異なり、プーリ28およびプーリ29の円周の長さ(したがって、これらのプーリが歯付きの場合には歯の数)は同一である。しかしながら、ギア63およびギア64のギア歯数が異なるため、これに応じて、プーリ28およびプーリ29の相対的な回転速度に差が生じ、プーリ28およびプーリ29に対して異なる周速度を発生させ、よって、先の実施形態と同様の結果となる。
【0052】
いうまでもなく、シャフト61のある入力速度に対してプーリ28、29の間の周速度を異ならせること、すなわち被駆動部材またはU字形部材71、73の間の線速度を異ならせることは、ギア63およびギア64の歯数の差を変更することによって、プーリ28およびプーリ29の歯数を変更することによって、または、その両方の方法によって達成されうる。
【0053】
シャフト61の1回転あたりのU字形部材73の変位は、(t1/t2*T2/T1)/2に等しく、この式で、t1 およびt2はそれぞれ対応してギア63およびギア64の歯数であり、T1およびT2 はプーリ28 およびプーリ29の歯数である。
【0054】
U字形部材71、73は二次ベルトループ74の手段により相互に連結されており、このループはプーリ81のまわりを通っている。本実施形態の動作原理は先に記載の実施形態と同様であるが、本実施形態の場合、被駆動部材は第一のU字形部材71およびU字形部材73である。この構成の二次的な利点は、これら2つの被駆動部材が、異なるが関連のある2つの機能に対して別々の制御手段を提供していることである。というのは、各被駆動部材71、73が駆動シャフト61の適切な運動に応じて反対方向に移動するからである。いうまでもなく、本実施形態を、プーリ81および二次ベルトループ74の正確な回転運動を生じさせるために用いても良い。
【0055】
屈曲部を制御するために制御ワイヤまたは制御ケーブルが用いられているワイヤ駆動式またはケーブル駆動式のロボットアームの場合、組立体に必要な張力を与えるために二次ベルトループ74および関連するプーリを取り外し二次ベルトループ74に代えて制御ワイヤを用いることによって、2つの反対方向のケーブルに対して単一のアクチュエータを用いることができる。
【0056】
したがって、図18〜図21で示されている駆動プーリおよび被駆動プーリの構成は、(プーリ81の回転運動を制御するために、)回転式アクチュエータに用いられても良いし、または(被駆動部材71、73または制御ワイヤ55a、55bに接続されている部材の移動を制御するために、)直線式アクチュエータに用いられても良い。
【0057】
図22〜図26に示されている実施形態は、図18〜図21に記載されている実施形態の変型例であり、中央駆動シャフト80が第一の駆動プーリ28および第二の駆動プーリ29(本実施形態において、歯数の差は1つ)を駆動するように構成されている。駆動ベルト40は、第一の駆動プーリ28から第一のガイドプーリ48へ渡り、第一のガイドプーリ48から第一の被駆動プーリ70へ渡り、第一の被駆動プーリ70から第二の駆動プーリ29へ渡り、第二の駆動プーリ29から第二の被駆動プーリ72へ渡り、第二の被駆動プーリ72から第二のガイドプーリ49へ渡り、そして、第二のガイドプーリ49から第一の駆動プーリ28へと戻るようになっている。
【0058】
駆動ベルト40は、第一の被駆動プーリ70と第二の駆動プーリ29、48との間に第一のループを形成し、第二の被駆動プーリ72と第二の駆動プーリ29、49との間に第二のループを形成し、駆動プーリ28、29が第一の方向へ回転すると、第一のループの長さが増大し、これに応じて、第二のループの長さが減少する。
【0059】
被駆動部材またはU字形部材71、73は、プーリ81の回転の制御を達成できるように、プーリ81のまわりに張力を与えるために張力付与装置82、83を通じてベルト74に接続されている。本実施形態は、ベルトの捩れを最小限に抑えられることおよび薄型であるという利点を有している。
【0060】
図18〜図20および図22〜図26の実施形態では、本発明が、プーリ81上のトルクの方向がいずれの方向であっても良く、また、このプーリの角度位置を実質的にバックラッシュ無しで制御可能である回転式アクチュエータに用いるのに適していることが明らかにされている。
【0061】
さらに、上述のアクチュエータは、比較的小さな動力のモータを用いて、制御ワイヤ55またはキャリッジ88に対して極めて大きな力を与える可能性を提示し、または、プーリ81に対して大きなトルクを与える可能性を提示している。好適な本実施形態では、参照番号21の如きウォームギアを用いると、駆動ウォーム21およびウォームホイール27の機械的利点は着目に値する程度のものである。本発明にかかるプーリの配列の機械的な利点は、ウォームホイール27が完全に1回転するとキャリッジが歯1つのピッチの半分だけ移動するという効果にある。この場合も先と同様に、機械的利点は着目に値する程度のものである。
【0062】
当業者にとって明らかなように、この機械的利点は、駆動ベルト40および駆動プーリ28、29の歯のピッチを変えることによって変更しうるし、および/または、他の例としては、単に駆動プーリの歯数の差を変えることによって変更しても良い。また、モータ19と出力シャフト20との間のドライブトレイン内に追加のギアボックスを設けることによって、さらに変更することができるが、上述のように、このことは、コストを増すこととなり、一般に好ましくない。
【0063】
いうまでもなく、上述の実施形態のうちの一部においては、駆動ベルト40は、駆動プーリ、被駆動プーリおよびガイドプーリ(存在する場合)のまわりにおいて同一の方向、すなわち、ベルトの歯の方向に向かってに曲がっている。当業者とって明らかなように、このことにより(適用可能な実施形態において)、反曲ドライブを備えた実施形態に比べてプーリのサイズを減少させることが可能となる。
【0064】
本出願人は、上述の種類のアクチュエータを用いることによって、たとえば国際特許出願WO2002/016995およびWO202/100608に記載のタイプのセグメント化されたロボットアームの制御が良好となることを見出した。これらのアクチュエータは、比較的低出力のモータの使用によってこのようなロボットアームの制御ワイヤに極めて大きな力を加えることを可能とし、また、これらのアクチュエータは比較的小型であるため、制御ワイヤ55に殆ど付加的配線を設けることなくアクチュエータ群をロボットアームに並置して取り付けることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明にかかる直動式アクチュエータの第一の実施形態を示す斜視図である。
【図2】駆動プーリに対して被駆動プーリがどのように位置付けされるかを示す、端面の概略図である。
【図3】図1のアクチュエータの平面図である。
【図4】図1のアクチュエータの切り取り側面図である。
【図5】図3の線B−Bに沿った断面図である。
【図6】図3のキャリッジの線E−Eに沿った部分断面図である。
【図7】図4の線C−Cに沿った部分断面図である。
【図8】図4の線A−A に沿った被駆動プーリの断面図である。
【図9】図4でDと表示されている部分の詳細図である。
【図10】図1のアクチュエータの駆動装置組立体の分解図である。
【図11】ハウジングを取り外した状態にある、図1のアクチュエータを示す斜視図である。
【図12】キャリッジの一部を取り外した状態にある、本発明にかかる直動式アクチュエータの第二の実施形態を示す斜視図である。
【図13】図12のアクチュエータの駆動ベルトの配置を示す斜視図である。
【図14】図15の線G−Gに沿った断面図である。
【図15】キャリッジが完了した状態にある、図12のアクチュエータを示す平面図である。
【図16】図15のアクチュエータを示す側面図である。
【図17】図15の線F−Fに沿った断面図である。
【図18】本発明にかかる直動式アクチュエータおよび/または回転式アクチュエータの第一の実施形態を示す図である。
【図19】本発明にかかる直動式アクチュエータおよび/または回転式アクチュエータの第一の実施形態を示す図である。
【図20】本発明にかかる直動式アクチュエータおよび/または回転式アクチュエータの第一の実施形態を示す図である。
【図21】図18〜図20の実施形態の変型例である。
【図22】本発明にかかる回転式アクチュエータの実施形態を示す斜視図である。
【図23】図25の線H−Hに沿った断面図である。
【図24】図22の実施形態の駆動ベルトの配置を示す斜視図である。
【図25】図22のアクチュエータの平面図である。
【図26】図25の線L−Lに沿った断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータ(10)であって、
第一の駆動プーリ(28)と、
第二の駆動プーリ(29)と、
第一の被駆動プーリ(52、70)と、
第二の被駆動プーリ(53、72)と、
前記第一の駆動プーリ、第二の駆動プーリ、前記第一の被駆動プーリおよび第二の被駆動プーリに係合している無端駆動ベルト(40)と、
前記第一の駆動プーリおよび第二の駆動プーリを回転させ、前記無端駆動ベルトを駆動するために接続されているモータ(19)と、
前記被駆動プーリのうちの少なくとも一つを支持している被駆動部材(50、88、71、73)とを備えており、
前記第一の駆動プーリおよび前記第二の駆動プーリが一緒に回転するように相互に接続され、
前記第一の駆動プーリおよび前記第二の駆動プーリが、回転すると、前記第一の駆動プーリの周速度が前記第二の駆動プーリの周速度と異なるように配設され、
前記無端ベルトが、前記第一の駆動プーリの周速度と前記第二の駆動プーリの周速度との差が前記被駆動部材に動きを生じさせるように、前記駆動プーリおよび前記被駆動プーリのまわりに巻き付けられてなる、アクチュエータ。
【請求項2】
前記第一の駆動プーリおよび前記第二の駆動プーリは、
{i}前記第一の駆動プーリが前記第二の駆動プーリとは異なる円周長を有しているため、
{ii}前記第一の駆動プーリが前記第二の駆動プーリとは異なる回転速度を有しているため、
{iii}前記第一の駆動プーリが、前記第二の駆動プーリとは異なる円周長を有しかつ前記第二の駆動プーリとは異なる回転速度を有しているため
回転すると、周速度が異なるように配設されている、請求項1記載のアクチュエータ。
【請求項3】
二つの被駆動部材(71、73)が存在し、該被駆動部材が第二の駆動ベルト(74)により一緒に相互に接続され、該第二の駆動ベルトがプーリ(81)に回転可能に係合してなる、請求項1記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記被駆動部材が、直線運動可能に取り付けられているキャリッジ(50、88)である、請求項1記載のアクチュエータ。
【請求項5】
前記第一の被駆動プーリおよび前記第二の被駆動プーリが前記キャリッジ(50、88)上に取り付けられ、前記アクチュエータが、
第一のガイドプーリ(48)と、
第二のガイドプーリ(49)とをさらに備え、
前記無端駆動ベルトが前記第一のガイドプーリおよび前記第二のガイドプーリに係合してなる、請求項4記載のアクチュエータ。
【請求項6】
前記被駆動プーリ(52、53)が、前記駆動プーリ(28、29)と前記ガイドプーリ(48、49)との間の位置に設けられてなる、請求項5記載のアクチュエータ。
【請求項7】
前記無端駆動ベルトが、前記第一の駆動プーリ(28)から前記第一の被駆動プーリ(52)へ渡り、前記第一の被駆動プーリから前記第二の駆動プーリへ渡り、前記第二の駆動プーリから前記第一のガイドプーリ(48)へ渡り、前記第一のガイドプーリから前記第二の被駆動プーリ(53)へ渡り、前記第二の被駆動プーリから前記第二のガイドプーリ(49)へ渡り、そして、前記第二のガイドプーリから前記第一の駆動プーリへと戻り、前記無端駆動ベルトが、前記第一の被駆動プーリと前記駆動プーリとの間に第一のループを形成し、前記第二の被駆動プーリと前記ガイドプーリとの間に第二のループを形成し、前記駆動プーリが第一の方向へ回転すると、前記第一のループの長さが増大し、これに応じて、前記第二のループの長さが減少するように構成されてなる、請求項6記載のアクチュエータ。
【請求項8】
第三の被駆動プーリ(84)と第四の被駆動プーリ(85)とをさらに備えており、前記駆動プーリ(28、29)と前記被駆動プーリ(52,53、84、85)のうちの4つすべてとが前記被駆動部材(88)上に取り付けられており、前記無端駆動ベルトが、前記第一の駆動プーリ(28)から前記第一の被駆動プーリ(52)へ渡り、前記第一の被駆動プーリから前記第一のガイドプーリ(48)へ渡り、前記第一のガイドプーリから前記第三の被駆動プーリ(84)へ渡り、前記第三の被駆動プーリから前記第二の駆動プーリ(29)へ渡り、前記第二の駆動プーリから前記第四の被駆動プーリ(85)へ渡り、前記第四の被駆動プーリから前記第二のガイドプーリ(49)へ渡り、前記第二のガイドプーリから前記第二の被駆動プーリ(53)へ渡り、そして、前記第二の被駆動プーリから前記第一の駆動プーリへと戻るように構成され、前記無端状駆動ベルトが、前記第一のガイドプーリと前記第一の被駆動プーリおよび該第三の被駆動プーリとの間に第一のループを形成し、前記第二のガイドプーリと前記第二の被駆動プーリおよび該第四の被駆動プーリとの間に第二のループを形成し、前記駆動プーリが第一の方向へ回転すると、前記第一のループの長さが増大し、これに応じて、前記第二のループの長さが減少するように構成されてなる、請求項6記載のアクチュエータ。
【請求項9】
2つの被駆動部材(71、73)を備えており、各被駆動部材がそれぞれ対応する被駆動プーリ(70、72)を装着しており、前記無端駆動ベルトが、前記第一の駆動プーリ(28)から前記第一の被駆動プーリ(70)へ渡り、前記第一の被駆動プーリから前記第二の駆動プーリ(29)へ渡り、前記第二の駆動プーリから前記第二の被駆動プーリ(72)へ渡り、そして、前記第二の被駆動プーリから前記第一の駆動プーリへと戻るように構成され、前記無端駆動ベルトが、前記第一の被駆動プーリと前記駆動プーリとの間に第一のループを形成し、前記第二の被駆動プーリと前記駆動プーリとの間に第二のループを形成し、前記駆動プーリが第一の方向へ回転すると、前記第一のループの長さが増大し、これに応じて、前記第二のループの長さが減少するように構成されてなる、請求項1記載のアクチュエータ。
【請求項10】
2つの被駆動部材(71、73)を備えており、各被駆動部材が、それぞれ対応する被駆動プーリ(70、72)、第一のガイドプーリ(48)および第二のガイドプーリ(49)を装着しており、前記無端駆動ベルトが、前記第一の駆動プーリ(28)から前記第一のガイドプーリ(48)へ渡り、前記第一のガイドプーリから前記第一の被駆動プーリ(70)へ渡り、前記第一の被駆動プーリから前記第二の駆動プーリ(29)へ渡り、前記第二の駆動プーリから前記第二の被駆動プーリ(72)へ渡り、前記第二の被駆動プーリから前記第二のガイドプーリ(49)へ渡り、そして、前記第二のガイドプーリから前記第一の駆動プーリへと戻るように構成され、前記無端状駆動ベルトが、前記第一の被駆動プーリと前記第二の駆動プーリおよび前記第一のガイドプーリとの間に第一のループを形成し、前記第二の被駆動プーリと前記第二の駆動プーリおよび前記第二のガイドプーリとの間に第二のループを形成し、前記駆動プーリが第一の方向へ回転すると、前記第一のループの長さが増大し、これに応じて、前記第二のループの長さが減少するように構成されてなる、請求項1記載のアクチュエータ。
【請求項11】
制御線(55:55a、55b)が前記被駆動部材に接続され、前記被駆動部材の移動により前記制御線に対応する運動が生じるように構成されてなる、請求項1記載のアクチュエータ。
【請求項12】
前記第一の駆動プーリ(28)および前記第二の駆動プーリ(29)が、反対方向に回転するように相互に接続されてなる、請求項1記載のアクチュエータ。
【請求項13】
前記第一の駆動プーリおよび前記第二の駆動プーリがそれぞれ回転軸を有し、前記第一の駆動プーリの前記回転軸が前記第二の駆動プーリの前記回転軸に対して平行になっており、前記第一の被駆動プーリおよび前記第二の被駆動プーリもそれぞれ回転軸を有し、前記第一の被駆動プーリの前記回転軸および前記第二の被駆動プーリの前記回転軸が、前記第一の駆動プーリの前記回転軸および前記第二の駆動プーリの前記回転軸に対して非平行になっている、請求項1記載のアクチュエータ。
【請求項14】
前記駆動プーリおよび前記被駆動プーリは、前記駆動ベルトがこれらのプーリの間の経路上で捩れを受けるものの、横方向の移動を実質的に受けないように、配置されてなる、請求項13記載のアクチュエータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公表番号】特表2008−506546(P2008−506546A)
【公表日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−522015(P2007−522015)
【出願日】平成17年7月18日(2005.7.18)
【国際出願番号】PCT/GB2005/002834
【国際公開番号】WO2006/008515
【国際公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(507020174)
【Fターム(参考)】