説明

アクリル樹脂系フィルムの製造方法

【課題】光学用途の逐次二軸延伸フィルムの製造工程に関して、ロール縦延伸工程ではネックインによって、縦延伸フィルムの両端部の厚みは中央部よりも厚くなる。このような縦延伸フィルムに関して、特にアクリル系樹脂フィルムのような脆い樹脂フィルムでは、続く横延伸工程において、チャック部分からフィルムが破断しやすくなり、安定な生産が困難となる。以上の問題点を解決するために、縦延伸工程においてフィルム幅方向の厚みムラの発生を軽減し、且つ傷が無く外観美麗なフィルムを製造する方法を提供する。
【解決手段】未延伸の溶融押出アクリル系樹脂フィルムをロール縦延伸する工程において、フィルム挟持部間の距離を大きく設定し且つ、低周速ロールと高周速ロールの間において、搬送中の前記フィルム両端部の温度をTe、中央部の温度をTcとした際、Te>Tcとなるようにフィルム幅方向に温度勾配をつけながらロール縦延伸を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光学用フィルムの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ノート型パソコン、ワードプロセッサ、携帯電話、携帯情報端末等の小型化・薄型化・軽量化にともない、これらの電子機器に軽量・コンパクトという特長を生かした液晶表示装置が多く用いられるようになってきている。液晶表示装置には、その表示品位を保つために偏光フィルム等の各種フィルムが用いられている。また、携帯情報端末や携帯電話向けに液晶表示装置を更に軽量化するため、ガラス基板の代わりに樹脂フィルムを用いた液晶表示装置も実用化されている。
【0003】
液晶表示装置のように偏光を取り扱う装置に用いるプラスチックフィルムには、適切な機械的特性と、高度に制御されたフィルム面内およびフィルム厚み方向の複屈折とが要求される。上記のプラスチックフィルムの機械的特性を改善し、かつ、フィルム面内およびフィルム厚み方向の複屈折を高度に制御しつつ付与するためには、二軸延伸を必要とする。この場合の二軸延伸としては、縦横の逐次延伸からなる逐次二軸延伸が一般的である。ここで、逐次二軸延伸における一軸目の縦延伸の方法として、ゾーン縦延伸法やロール縦延伸法が用いられる。
【0004】
ゾーン縦延伸法とは、低周速ロールと高周速ロールの間に設けられた加熱ゾーンにおいてフィルムを搬送しながら延伸する方法である。この方法によれば、延伸ロールの間隔を十分に長く取れるため、フィルム幅方向の収縮を妨げる力を小さくし、フィルム幅方向の収縮率を十分に稼ぐことができる。これによって、光学的な均質性が得やすいが、設備の高コスト化、大面積化により生産速度の上昇も困難とされている。
【0005】
ロール縦延伸はフィルムを近接した低周速ロール及び高周速ロールによって所定の温度に加熱しながら進行方向に延伸する方法である。
【0006】
ロール縦延伸では、特許文献1に記載されているように、光学用フィルムの縦延伸方法として、フィルムに傷なく外観美麗なフィルムを容易に製造する方法が報告されている。
【0007】
しかし特許文献1では、縦延伸時にネックインが生じることで、縦延伸フィルムの両端部の厚みは中央部よりも厚くなってしまう。このような縦延伸フィルムに関して、特にアクリル系樹脂フィルムのような脆い樹脂フィルムでは、続く横延伸工程において、チャック部分からフィルムが破断しやすくなり安定な生産が困難となる。以上の理由からさらなる改善が必要である。
【0008】
一方、ロール縦延伸に関して、特許文献2に記載されているように、延伸ロール間に赤外線ヒーターを設置したフィルムの縦延伸の方法が報告されている。しかし、特許文献2では、未延伸フィルム幅方向の厚みバラツキに起因した延伸時のフィルム長手方向の厚み変動の改善を報告しているが、そもそも厚みバラツキの少ない未延伸フィルムを延伸する際には前記フィルム長手方向の厚みバラツキは発生しない。また特許文献2の縦延伸方法は磁気記録媒体等の用途の剛直なPET樹脂フィルム等の製造方法を対象としており、脆いアクリル系樹脂フィルムとは異なり、縦延伸フィルム幅方向のバラツキが横延伸工程の不安定性に繋がることは無い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−130884号公報
【特許文献2】特開2007−268971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記のような課題を解決すべく、縦延伸時に生じるフィルム幅方向の厚みムラを無くして、アクリル系樹脂フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
幅方向の厚みに関して最大厚みDmaxと最小厚みDminの割合がDmax/Dmin<1.20とバラツキが少ない、未延伸の溶融押出アクリル系樹脂フィルムを搬送すると共に、搬送中のフィルムを加熱した状態で進行方向にロール縦延伸する工程を含有するアクリル系樹脂フィルムの製造方法において、
フィルム挟持部間の距離をL、低周速ロール、高周速ロールの半径をそれぞれR1、R2とした際、フィルム挟持部間の距離Lに関して、L>(R1+R2)×1.1 を満たす距離に設定し、
低周速ロールと高周速ロールの間において、搬送中の前記フィルム両端部の温度をTe、中央部の温度をTcとした際、Te>Tcとなるようにフィルム幅方向に温度勾配をつけながらロール縦延伸することを特徴とするアクリル系樹脂フィルムの製造方法を提供する。即ち本発明は、以下に関する。
【0012】
(I)幅方向の厚みに関して最大厚みDmaxと最小厚みDminの割合がDmax/Dmin<1.20とバラツキが少ない、未延伸の溶融押出アクリル系樹脂フィルムを搬送すると共に、搬送中のフィルムを加熱した状態で進行方向にロール縦延伸する工程を含有するアクリル系樹脂フィルムの製造方法において、低周速ロール及び高周速ロールによるフィルム挟持部間において、フィルムは各ロールに接触することなく、フィルム挟持部間の距離をL、低周速ロール、高周速ロールの半径をそれぞれR1、R2とした際、
L>(R1+R2)×1.1
を満たし、低周速ロールと高周速ロールの間において、搬送中の前記フィルム両端部の温度をTe、中央部の温度をTcとした際、Te>Tcとなるようにフィルム幅方向に温度勾配をつけながらロール縦延伸することを特徴とするアクリル系樹脂フィルムの製造方法。
【0013】
(II)前記温度勾配は、前記フィルム両端部をさらに局部加熱することにより行われることを特徴とする(I)記載のアクリル系樹脂フィルムの製造方法。
【0014】
(III)前記フィルム両端部の局部加熱方法はフィルム幅方向両端部に設置されたヒーターにより、前記フィルム幅方向両端部を選択的に加熱することを特徴とする(II)記載のアクリル系樹脂フィルムの製造方法。
【0015】
(IV)前記フィルム幅方向両端部に設置されたヒーターによる加熱とは別に、前記フィルム幅方向全域に設置されたヒーターにより前記フィルム幅方向全域を加熱することを特徴とする(III)記載のアクリル系樹脂フィルムの製造方法。
【0016】
(V)前記低周速ロール及び前記高周速ロールの回転方向が、前記フィルムの搬送方向と同じであることを特徴とする、(I)〜(IV)に記載のアクリル系樹脂フィルムの製造方法。
【0017】
(VI)上記アクリル系樹脂は、グルタルイミド樹脂、グルタル酸無水物樹脂、または、ラクトン環構造を有する樹脂であることを特徴とする(I)〜(V)に記載のアクリル系樹脂フィルムの製造法。
【0018】
(VII)上記グルタルイミド樹脂は、下記一般式(1)
【0019】
【化1】

【0020】
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜8のアルキル基であり、R3は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、または炭素数5〜15の芳香環を含む置換基である。)
で表される単位と、下記一般式(2)
【0021】
【化2】

【0022】
(式中、R4およびR5は、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜8のアルキル基であり、R6は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、または炭素数5〜15の芳香環を含む置換基である。)で表される単位と、を含むことを特徴とする(I)〜(VI)に記載のアクリル系樹脂フィルムの製造法。
【0023】
(VIII)上記グルタルイミド樹脂は、下記一般式(3)
【0024】
【化3】

【0025】
(式中、R7は、水素または炭素数1〜8のアルキル基であり、R8は、炭素数6〜10のアリール基である。)
で表される単位をさらに含むことを特徴とする(I)〜(VII)に記載のアクリル系樹脂フィルムの製造方法。
【発明の効果】
【0026】
縦延伸フィルムの厚みバラツキが改善されることで、続く横延伸の安定生産が可能となり、また、フィルム幅方向の物性のバラツキも少なくなり、フィルム両端部スリット量を抑えることで、製品収率の増加に繋がる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】ロール縦延伸方法の一例を示す概略図である。
【図2】ロール縦延伸方法の一例を示す概略図である。
【図3】本発明の実施形態の一例を示すものであり、ロール縦延伸方法を示す概略図である。
【図4】本発明の実施形態の一例を示すものであり、フィルム幅方向からみたヒーターとフィルムの関係を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明のアクリル系樹脂フィルムの製造方法は、幅方向の厚みにおける最大厚みDmaxと最小厚みDminの割合がDmax/Dmin<1.20とバラツキが少ない、未延伸の溶融押出アクリル系樹脂フィルムを搬送すると共に、搬送中のフィルムを加熱した状態で進行方向にロール縦延伸する工程を含有するアクリル系樹脂フィルムの製造方法において、低周速ロール及び高周速ロールによるフィルム挟持部間において、フィルムは各ロールに接触することなく、フィルム挟持部間の距離をL、低周速ロール、高周速ロールの半径をそれぞれR1、R2とした際、フィルム挟持部間の距離Lに関して、L>(R1+R2)×1.1 を満たす距離に設定し、低周速ロールと高周速ロールの間において、搬送中の前記フィルム両端部の温度をTe、中央部の温度をTcとした際、Te>Tcとなるようにフィルム幅方向に温度勾配をつけながらロール縦延伸することを特徴とする。
【0029】
以下本発明について説明する。
【0030】
まず未延伸の溶融押出アクリル系樹脂フィルムについて説明する。アクリル系樹脂としては、特に制限されないが、グルタル酸無水物樹脂、ラクトン環構造を有する樹脂、グルタルイミド樹脂などを挙げることができる。グルタル酸無水物樹脂としては、特に制限されないが、特開2007−254703記載の方法などに従って製造することができる。ラクトン環構造を有する樹脂としては、特開2008−9378記載の方法などに従って製造することができる。
グルタルイミド樹脂については、以下に詳述する。グルタルイミド樹脂としては具体的には、例えば、下記一般式(1)
【0031】
【化4】

【0032】
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜8のアルキル基であり、R3は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、または炭素数5〜15の芳香環を含む置換基である。)
で表される単位(以下、「グルタルイミド単位」ともいう)と、
下記一般式(2)
【0033】
【化5】

【0034】
(式中、R4およびR5は、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜8のアルキル基であり、R6は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、または炭素数5〜15の芳香環を含む置換基である。)
で表される単位(以下、「(メタ)アクリル酸エステル単位」ともいう)とを含むグルタルイミド樹脂を好適に用いることができる。
【0035】
また、上記グルタルイミド樹脂は、必要に応じて、下記一般式(3)
【0036】
【化6】

【0037】
(式中、R7は、水素または炭素数1〜8のアルキル基であり、R8は、炭素数6〜10のアリール基である。)
で表される単位(以下、「芳香族ビニル単位」ともいう)をさらに含んでいてもよい。
【0038】
上記一般式(1)において、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素またはメチル基であり、R3は水素、メチル基、ブチル基、またはシクロヘキシル基であることが好ましく、R1はメチル基であり、R2は水素であり、R3はメチル基であることがより好ましい。
【0039】
上記グルタルイミド樹脂は、グルタルイミド単位として、単一の種類のみを含んでいてもよいし、上記一般式(1)におけるR1、R2、およびR3が異なる複数の種類を含んでいてもよい。
【0040】
グルタルイミド単位は、上記一般式(2)で表される(メタ)アクリル酸エステル単位をイミド化することにより、形成することができる。
【0041】
また、無水マレイン酸等の酸無水物、または、このような酸無水物と炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルコールとのハーフエステル;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、シトラコン酸等のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸等をイミド化することによっても、上記グルタルイミド単位を形成させることができる。
【0042】
上記一般式(2)において、R4およびR5は、それぞれ独立して、水素またはメチル基であり、R6は水素またはメチル基であることが好ましく、R4は水素であり、R5はメチル基であり、R6はメチル基であることがより好ましい。
【0043】
上記グルタルイミド樹脂は、(メタ)アクリル酸エステル単位として、単一の種類のみを含んでいてもよいし、上記一般式(2)におけるR4、R5、およびR6が異なる複数の種類を含んでいてもよい。
【0044】
上記グルタルイミド樹脂は、上記一般式(3)で表される芳香族ビニル構成単位として、スチレン、α−メチルスチレン等を含むことが好ましく、スチレンを含むことがより好ましい。
【0045】
また、上記グルタルイミド樹脂は、芳香族ビニル構成単位として、単一の種類のみを含んでいてもよいし、R7、およびR8が異なる複数の種類を含んでいてもよい。
【0046】
上記グルタルイミド樹脂において、一般式(1)で表されるグルタルイミド単位の含有量は、特に限定されるものではなく、例えば、R3の構造等に依存して変化させることが好ましい。
【0047】
一般的には、上記グルタルイミド単位の含有量は、グルタルイミド樹脂の1重量%以上とすることが好ましく、1重量%〜95重量%とすることがより好ましく、2重量%〜90重量%とすることがさらに好ましく、3重量%〜80重量%とすることが特に好ましい。
【0048】
グルタルイミド単位の含有量が上記範囲内であれば、得られるグルタルイミド樹脂の耐熱性および透明性が低下したり、成形加工性、およびフィルムに加工したときの機械的強度が低下したりすることがない。
【0049】
一方、グルタルイミド単位の含有量が上記範囲より少ないと、得られるグルタルイミド樹脂の耐熱性が不足したり、透明性が損なわれたりする傾向がある。また、上記範囲よりも多いと、不必要に耐熱性および溶融粘度が高くなり、成形加工性が悪くなったり、フィルム加工時の機械的強度が極端に脆くなったり、透明性が損なわれたりする傾向がある。
【0050】
上記グルタルイミド樹脂において、一般式(3)で表される芳香族ビニル単位の含有量は、特に限定されるものではなく、求められる物性に応じて適宜設定することが可能である。使用される用途によっては、一般式(3)で表される芳香族ビニル単位の含有量は0であってもよい。一般式(3)で表される芳香族ビニル単位を含む場合は、グルタルイミド樹脂の総繰り返し単位を基準として、10重量%以上とすることが好ましく、10重量%〜40重量%とすることがより好ましく、15重量%〜30重量%とすることがさらに好ましく、15重量%〜25重量%とすることが特に好ましい。
【0051】
芳香族ビニル単位の含有量が上記範囲内であれば、得られるグルタルイミド樹脂の耐熱性が不足したり、フィルム加工時の機械的強度が低下したりすることがない。
【0052】
一方、芳香族ビニル単位の含有量が上記範囲より多いと、得られるグルタルイミド樹脂の耐熱性が不足する傾向がある。
【0053】
上記グルタルイミド樹脂には、必要に応じ、グルタルイミド単位、(メタ)アクリル酸エステル単位、および芳香族ビニル単位以外のその他の単位がさらに共重合されていてもよい。
【0054】
その他の単位としては、例えば、アクリロニトリルやメタクリロニトリル等のニトリル系単量体、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量体を共重合してなる構成単位を挙げることができる。
【0055】
これらのその他の単位は、上記グルタルイミド樹脂中に、直接共重合していてもよいし、グラフト共重合していてもよい。
【0056】
上記グルタルイミド樹脂の重量平均分子量は特に限定されるものではないが、1×104〜5×105であることが好ましい。上記範囲内であれば、成形加工性が低下したり、フィルム加工時の機械的強度が不足したりすることがない。
【0057】
一方、重量平均分子量が上記範囲よりも小さいと、フィルムにした場合の機械的強度が不足する傾向がある。また、上記範囲よりも大きいと、溶融押出時の粘度が高く、成形加工性が低下し、成形品の生産性が低下する傾向がある。
【0058】
また、上記グルタルイミド樹脂のガラス転移温度は特に限定されるものではないが、110℃以上であることが好ましく、120℃以上であることがより好ましい。ガラス転移温度が上記範囲内であれば、得られる熱可塑性樹脂組成物の適用範囲を広げることができる。
【0059】
上記グルタルイミド樹脂の製造方法は特に制限されないが、例えば、特開2008−273140に記載されている方法などがあげられる。
【0060】
次に未延伸アクリル樹脂フィルムについて説明する。未延伸アクリル系樹脂フィルムの製造方法に関して、特に制限は無いが、特開2002−212312に記載する方法を用いることが好ましい。
【0061】
上記方法を用いることにいることにより、溶融押出によって、フィルム幅方向の厚みの最大値をDmax、最小値をDminとした時、Dmax/Dmin<1.20となるような厚みバラツキの小さい未延伸アクリル系樹脂フィルムを生産することが可能である。
【0062】
上記フィルム厚みの測定方法は特に限定されるものではないが、連続厚み計(アンリツ製KB601B)によって行われる。フィルムは長手方向に長さ50mm、幅方向にフィルム全幅の長さのサンプルを切り出し、1mmピッチでフィルム幅方向の厚みを測定し、上記厚みバラツキを算出できる。
【0063】
次にロール縦延伸について説明する。ロール縦延伸はフィルムを近接した低周速ロール及び高周速ロールによって所定の温度に加熱しながら進行方向に延伸する方法である。ロール縦延伸の方法としては、特に制限されないが、前記周速差の異なる一組のロールによって延伸を行う一段延伸と、二組以上の延伸ロールによって延伸を行う多段延伸などがあげられ、前者の一段延伸により延伸を行うことが好ましい。
【0064】
一段延伸には、例えば、図1のように、延伸ロール1、延伸ロール2とそれぞれ近接するニップロール3、ニップロール4によってフィルム5が挟持される部分を挟持部6、挟持部7とする時、この挟持部間においてフィルムが各ロールに接触するような方法と、図2のように前記挟持部間においてフィルムが各ロールに接触しないような方法があげられるが、本発明においては、後者に示すような挟持部間においてフィルムが各ロールに接触しないような方法、すなわち、低周速ロール及び前記高周速ロールによるフィルム挟持部間において、フィルムは各ロールに接触することなく縦延伸する方法を用いる。なかでも特許文献1において明記されているが、図3に示すように、延伸ロール1と延伸ロール2の回転軸を含む面とフィルムの搬送面が平行になるように且つ、延伸ロール1と延伸ロール2の回転方向が同一方向となるような延伸方法を用いることが好ましい。
【0065】
多段延伸であっても、一組の延伸ロールが上記のように挟持部間においてフィルムが各ロールに接触しないような構成であれば、本発明の範囲内である。
【0066】
特許文献1において明記されている方法を用いることにより、フィルムに傷なく外観美麗な縦延伸フィルムの生産が可能となる。
【0067】
延伸倍率は高周速ロールと低周速ロールの比によって表される。好ましい延伸倍率は延伸温度にも依存するが、約1.1倍以上約3.0倍以下の範囲で選択されることが好ましく、約1.3倍以上約2.5倍以下がより好ましく、約1.5倍以上約2.0倍以下が特に好ましい。例えば、延伸倍率が約1.1倍以下である場合、フィルムは延伸工程にて実質的に殆ど延伸されていないため、フィルムの機械的特性を充分に改善することができない。これにより、延伸後のフィルムは破断しやすくなる。また、延伸倍率が約3.0倍以上である場合は、延伸前のフィルムが厚くなりすぎてしまい、未延伸フィルム製造時に破断してしまう。
【0068】
次に挟持部間距離Lの定義について図3を用いて説明する。本発明では、一定間隔を置いて配置された両延伸ロールと両延伸ロールに個々近接したニップロールによってそれぞれフィルムを挟持することで、フィルムの搬送と縦延伸を行っている。このとき両挟持部間の距離をLとする。ここで、フィルムの搬送経路が両延伸ロールの回転軸を含む面と平行になるように延伸ロール及びニップロールを配置しているため、下記の関係が成り立つ。
(挟持部間距離)=(ロール延伸間距離)
すなわちロール間の距離を変化させることで挟持部間距離を直接変化させることができる。
【0069】
上記延伸ロール間の距離に関して、幅方向の収縮率を多く稼ぐことで厚みムラの改善が可能となるため、挟持部間距離Lを大きくすることが好ましい。
【0070】
延伸時にフィルムの加熱源がロールによる加熱のみである場合、挟持部間距離Lに関して、次式を満たす時、
L>1.1×(R1+R2)
(上記式において、R1及びR2はそれぞれ2つの延伸ロールの半径をあらわす。)すなわち、挟持部間距離Lに関して、上記式を満たす場合、フィルム幅方向の収縮を妨げる力を小さくし、フィルム幅方向の収縮率を十分に稼ぐことができるので好ましい。Lは
L>2.0×(R1+R2)
を満たすことがさらに好ましい。
【0071】
次に縦延伸時のフィルムの温度勾配について説明する。本発明においては、フィルム幅方向の温度に関して、両端部>中央部となるように温度勾配をかけながらロール縦延伸を行うことを特徴とする。フィルム両端部の温度Te、フィルム中央部の温度Tcの定義について図3、図4を用いて説明する。図3はフィルムを搬送方向に対して横から見た図であり、図4は図3における赤外線温度計、赤外線ヒーター及びフィルムの位置関係をフィルム幅方向から見た図である。フィルム両端部の温度Teはフィルム左端または右端から50mmの位置に設置された2つの温度計8によって測定された温度Te1、Te2の平均値として算出される温度である。フィルム中央部の温度Tcはフィルム幅方向の中央部に設置された温度計9によって測定された温度である。
【0072】
上記フィルム温度の測定方法は特に限定されないが、延伸ロール間に設置固定された赤外線温度計によって行われることが好ましい。
【0073】
上記赤外線温度計は、特に制限されないが、フィルム搬送面から100mm離れたフィルム上面、もしくはフィルム下面に設置することが好ましい。また、温度勾配をつけるために、フィルム面を外部から加熱する場合は、温度計は外部熱の影響を受けない位置に設置することが好ましく、外部加熱源とは反対の位置に設置することが特に好ましい。
【0074】
TeとTcの関係はTe>Tcであれば特に制限されないが、Te>Tc+5℃であることが好ましく、Te>Tc+10℃であることがさらに好ましく、Te>Tc+15℃であることが特に好ましい。Teが(Tc+5℃)以下であれば、厚みバラツキが大きくなる。Teの上限はフィルムのガラス転移温度にもよるが、Tc+50℃以下が好ましく、Te+30℃以下が特に好ましい。差が大きすぎるとフィルムがロールに貼り付くことから好ましくない。
【0075】
フィルム幅方向の温度勾配をつける方法として、フィルム両端部を局部加熱する方法があげられる。
【0076】
フィルム両端部の局部加熱によりフィルム両端部の温度を上げ、可塑性を増大させることで、延伸時の両端部の厚み増大を緩和させることができる。
【0077】
局部加熱の方法としては、外部からの非接触加熱やロールによる接触加熱等が挙げられ、特に制限されないが、赤外線ヒーターを用いた非接触加熱による方法が好ましい。
【0078】
上記フィルム両端部を加熱する赤外線ヒーターの設置場所に関して、図3・図4を用いて説明する。赤外線ヒーター10は、特に制限されないが、フィルム両端部(左端及び右端)から50mmの位置にそれぞれ1基ずつ設置されることが好ましい。
【0079】
上記赤外線ヒーター10の上下方向の設置場所に関しては、特に制限されないが、フィルム搬送面から10mm以上離れた位置が好ましく、さらに好ましくは10mm以上、80mm以内の位置であり、特に好ましくは40mm以上、60mm以内の位置である。10mm以下であると、搬送フィルムとの接触の可能性があることから好ましくない。また80mm以上であると温度勾配の制御が困難であるため好ましくない。
【0080】
フィルム両端部の局部加熱とは別に、延伸ロール間において、搬送中のフィルム幅方向全域の加熱を行うことで、延伸時にフィルムが冷めて破断することを防止できるため、好ましい。
【0081】
上記フィルム幅方向全域の加熱方法としては、外部からの非接触加熱やロールによる接触加熱等が挙げられ、特に制限されないが、赤外線ヒーターを用いた非接触加熱が好ましい。
【0082】
ロール間にて非接触加熱を行うことにより、フィルムの張り付きに伴うフィルムの破断も防止することが出来るためより好ましい。
【0083】
赤外線ヒーターの設置場所に関して図3、図4を用いて説明する。赤外線ヒーター11はフィルム中央部に設置されることが好ましい。
【0084】
上記赤外線ヒーターの上下方向の設置場所に関しては、特に制限されないが、フィルム搬送面から10mm以上離れた位置であり、950mm以内であることが好ましく40mm以上、200mm以内が特に好ましい。10mm以内であると、搬送フィルムとの接触の可能性があるため好ましくなく、950mm以上であると加熱長限界の観点から好ましくない。
【0085】
このようにして得られた縦延伸フィルムはフィルム幅方向の厚みバラツキが改善されることで、続く横延伸で破断が発生しにくくなり、安定生産が可能となる。また、フィルム幅方向の物性のバラツキも少なくなり、フィルム両端部スリット量を抑えることで、製品収率の増加に繋がる。
【実施例】
【0086】
以下、実施例にて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
(製造例1)
原料の樹脂としてメタクリル酸メチル−スチレン共重合体(スチレン量11モル%)、イミド化剤としてモノメチルアミンを用いて、イミド化樹脂を製造した。
【0087】
使用した押出機は口径15mmの噛合い型同方向回転式二軸押出機である。押出機の各温調ゾーンの設定温度を230〜250℃、スクリュー回転数は150rpmとした。メタクリル酸メチル−スチレン共重合体(以下、「MS樹脂」ともいう)を2kg/hrで供給し、ニーディングブロックによって樹脂を溶融、充満させた後、ノズルから樹脂に対して16重量部のモノメチルアミン(三菱ガス化学株式会社製)を注入した。反応ゾーンの末端にはリバースフライトを入れて樹脂を充満させた。反応後の副生成物および過剰のメチルアミンをベント口の圧力を−0.092MPaに減圧して除去した。押出機出口に設けられたダイスからストランドとして出てきた樹脂を、水槽で冷却した後、ペレタイザでペレット化することにより、イミド化MS樹脂(1)を得た。
【0088】
次いで、口径15mmの噛合い型同方向回転式二軸押出機にて、押出機各温調ゾーンの設定温度を230℃、スクリュー回転数150rpmとした。ホッパーから得られたイミド化MS樹脂(1)を1kg/hrで供給し、ニーディングブロックによって樹脂を溶融、充満させた後、ノズルから樹脂に対して0.8重量部の炭酸ジメチルと0.2重量部のトリエチルアミンの混合液を注入し樹脂中のカルボキシル基の低減を行った。反応ゾーンの末端にはリバースフライトを入れて樹脂を充満させた。反応後の副生成物および過剰の炭酸ジメチルをベント口の圧力を−0.092MPaに減圧して除去した。押出機出口に設けられたダイスからストランドとして出てきた樹脂を、水槽で冷却した後、ペレタイザでペレット化し、酸価を低減したイミド化MS樹脂(2)を得た。
【0089】
さらに、イミド化MS樹脂(2)を、口径15mmの噛合い型同方向回転式二軸押出機に、押出機各温調ゾーンの設定温度を230℃、スクリュー回転数150rpm、供給量1kg/hrの条件で投入した。ベント口の圧力を−0.095MPaに減圧して再び未反応の副原料などの揮発分を除去した。押出機出口に設けられたダイスからストランドとして出てきた脱揮したイミド樹脂を、水槽で冷却した後、ペレタイザでペレット化することにより、イミド化MS樹脂(3)を得た。
【0090】
なお、イミド化MS樹脂(3)は、上説の実施形態に記載した一般式(1)で表されるグルタミルイミド単位と、一般式(2)で表される(メタ)アクリル酸エステル単位と、一般式(3)で表される芳香族ビニル単位とが共重合したグルタルイミド樹脂に相当する。イミド化MS樹脂(3)中の一般式(1):一般式(2):一般式(3)の重量比は73:19:8であった。ガラス転移温度は140℃であった。得られたイミド化樹脂を押出機にてペレットにし、得られたペレットを100℃ で5時間乾燥した後、40mm単軸押出機と400mm幅のTダイとを用いて240℃で押出し、平均厚み130μm 、幅300mmの未延伸アクリル樹脂系フィルムを得た。この未延伸アクリル樹脂フィルムは、最大厚みDmax=134μm、最小厚みDmin=126μm、Dmax/Dmin=1.06となる幅方向に厚みバラツキの少ないフィルムである。未延伸フィルムは成形した後、必要に応じて一旦フィルムを保管もしくは移動して、その後にフィルムの延伸を行ってもよい。
(実施例1〜5)及び(比較例1)
得られたフィルムを本発明における縦延伸工程によって、フィルム幅方向に温度勾配をつけながら、ロール縦延伸を行った。本実施例における縦延伸工程における低周速ロールと高周速ロール及びニップロールは図3に記載された位置関係であった。フィルム幅は300mmである。延伸ロール1の半径R1及び延伸ロールの半径R2は供に70mmである。図3に記載するように、フィルムの搬送経路が両延伸ロールの回転軸を含む面と平行になるように、延伸ロール及び延伸ロールよりも半径の小さいニップロールを配置して両延伸ロールと両延伸ロールに個々近接したニップロールによってそれぞれフィルムを挟持することで、フィルムの搬送と縦延伸を行った。そして、両延伸ロールを、共にフィルムの搬送方向であり、互いに同方向に回転させた。また挟持部間隔Lを400mmとした。フィルム幅方向に温度勾配をつけるために、両端部を加熱する1組の赤外線ヒーターをフィルム上面であり且つ、フィルム両端部から中央部に向けて50mmの位置に設置した。また、フィルムが冷めて破断することを防ぐために、フィルム幅方向全域を加熱する赤外線ヒーターをフィルム上面であり且つ、フィルム中央部に設置した。フィルム幅方向の温度勾配を測定するためにフィルム下面の中央部、及び、両端部から中央部に向けて50mmの位置に赤外線温度計を合計3つ設置した。
【0091】
そして表1に示す表中の実施例1〜5の条件によって、製造例1で得られたフィルムを縦延伸し、縦延伸時のフィルム幅方向の温度分布、得られた縦延伸フィルムにおける幅方向の厚みバラツキの評価を行った。また、温度勾配をつけずに縦延伸を行った比較例1も上記の評価を行った。
【0092】
【表1】

【0093】
表1において、「延伸倍率」とは、低周速ロールと高周速ロールの両延伸ロールの周速度比により定義される。すなわち以下の式により定義される。
延伸倍率=(高周速ロールの周速度)/(低周速ロールの周速度)
表1において、フィルム温度「中央部」はフィルム中央部の1点の温度であり、フィルム温度「両端部」は両端部における2点の温度の平均値である。赤外線温度計の設置位置は、フィルム下面(フィルム面から105mm下)であり、両端部は両端部から中央部に向けて50mmの位置である。
【0094】
表1において、「温度勾配」とは、フィルム両端部の温度をTe、中央部の温度をTcとした時、(Te―Tc)により算出される数値である。
【0095】
表1において、「厚みバラツキ」とは連続厚み計(アンリツ製KB601B)によって行われる。長手方向に長さ50mm、幅方向にフィルム全幅(300mm)の長さのサンプルを切り出し、1mmピッチでフィルム幅方向の厚みを測定した。測定値の最大厚みをDmaxと最小厚みをDminとした時、Dmax/Dminにより表される数値である。
【0096】
表1より、実施例1〜5及び比較例1における評価結果の検証を行う。まず延伸倍率1.5倍の実施例1〜3では、ヒーターによる端部加熱を制御し、フィルム両端部の温度が高くすることで温度勾配を大きくするに従って、厚みバラツキが小さくなる様子が分かる。このことは端部加熱を行っていない比較例1と対比するとさらに顕著に分かる。すなわち温度勾配を大きくすることで縦延伸フィルムの幅方向の厚みムラの改善が可能であることが分かる。
【0097】
延伸倍率2.0倍の実施例4〜5においても、実施例1〜3と同様に温度勾配によって厚みバラツキが小さくなる様子が分かる。すなわち延伸倍率1.5倍〜2.0倍の範囲で温度勾配による縦延伸フィルムの幅方向の厚みムラの改善が可能であることが分かる。
【符号の説明】
【0098】
1.延伸ロール
2.延伸ロール
3.ニップロール
4.ニップロール
5.フィルム
6.挟持部
7.挟持部
8.赤外線温度計(両端部)
9.赤外線温度計(中央部)
10.赤外線ヒーター(両端部)
11.赤外線ヒーター(中央部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向の厚みに関して最大厚みDmaxと最小厚みDminの割合がDmax/Dmin<1.20とバラツキが少ない、未延伸の溶融押出アクリル系樹脂フィルムを搬送すると共に、搬送中のフィルムを加熱した状態で進行方向にロール縦延伸する工程を含有するアクリル系樹脂フィルムの製造方法において、低周速ロール及び高周速ロールによるフィルム挟持部間において、フィルムは各ロールに接触することなく、フィルム挟持部間の距離をL、低周速ロール、高周速ロールの半径をそれぞれR1、R2とした際、
L>(R1+R2)×1.1
を満たし、低周速ロールと高周速ロールの間において、搬送中の前記フィルム両端部の温度をTe、中央部の温度をTcとした際、Te>Tcとなるようにフィルム幅方向に温度勾配をつけながらロール縦延伸することを特徴とするアクリル系樹脂フィルムの製造方法。
【請求項2】
前記温度勾配は、前記フィルム両端部をさらに局部加熱することにより行われることを特徴とする請求項1記載のアクリル系樹脂フィルムの製造方法。
【請求項3】
前記フィルム両端部の局部加熱方法はフィルム幅方向両端部に設置されたヒーターにより、前記フィルム幅方向両端部を選択的に加熱することを特徴とする請求項2記載のアクリル系樹脂フィルムの製造方法。
【請求項4】
前記フィルム幅方向両端部に設置されたヒーターによる加熱とは別に、前記フィルム幅方向全域に設置されたヒーターにより前記フィルム幅方向全域を加熱することを特徴とする請求項3記載のアクリル系樹脂フィルムの製造方法。
【請求項5】
前記低周速ロール及び前記高周速ロールの回転方向が、前記フィルムの搬送方向と同じであることを特徴とする、請求項1〜4に記載のアクリル系樹脂フィルムの製造方法。
【請求項6】
上記アクリル系樹脂は、グルタルイミド樹脂、グルタル酸無水物樹脂、または、ラクトン環構造を有する樹脂であることを特徴とする請求項1〜5に記載のアクリル系樹脂フィルムの製造法。
【請求項7】
上記グルタルイミド樹脂は、下記一般式(1)
【化1】

(式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜8のアルキル基であり、R3は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、または炭素数5〜15の芳香環を含む置換基である。)
で表される単位と、下記一般式(2)
【化2】

(式中、R4およびR5は、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜8のアルキル基であり、R6は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、または炭素数5〜15の芳香環を含む置換基である。)で表される単位と、を含むことを特徴とする請求項1〜6に記載のアクリル系樹脂フィルムの製造法。
【請求項8】
上記グルタルイミド樹脂は、下記一般式(3)
【化3】

(式中、R7は、水素または炭素数1〜8のアルキル基であり、R8は、炭素数6〜10のアリール基である。)
で表される単位をさらに含むことを特徴とする請求項1〜7に記載のアクリル系樹脂フィルムの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−208078(P2010−208078A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−54947(P2009−54947)
【出願日】平成21年3月9日(2009.3.9)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】