説明

アセチレン系ピペラジン化合物、および、代謝型グルタミン酸受容体アンタゴニストとしてのそれらの使用

本発明は、式Iで示される新規のアセチレン系ピペラジン化合物、それらの製薬上許容できる塩または水和物に関する:式(I)において、R、R、R、R、Mおよびnは、詳細な説明で定義された通りである。本発明はまた、本化合物の製造方法、および、製造に用いられる新規の中間体、本化合物を含む医薬組成物、および、治療における本化合物の使用にも関する。


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の背景
本発明は、新規のアセチレン系ピペラジン化合物の一種、前記化合物を含む医薬組成物、および、前記化合物の治療での使用に関する。本発明はさらに、前記化合物の製造方法、および、それらの製造で用いられる新規の中間体に関する。
【0002】
グルタメートは、哺乳動物の中枢神経系(CNS)における主要な興奮性の神経伝達物質である。グルタメートは、細胞表面の受容体に結合し、それらを活性化することによって、その中枢ニューロンに対する作用を発生させる。これらの受容体は、受容体タンパク質の構造的特徴、受容体がシグナルを細胞に形質導入する手段、および、薬理学的なプロファイルに基づき、2つの主要なクラス(イオンチャンネル型および代謝型グルタミン酸受容体)に分類されている。
【0003】
代謝型グルタミン酸受容体(mGluR)は、多種多様な細胞内の第2メッセンジャー系、それに続くグルタメートの結合を活性化するGタンパク質共役受容体である。無傷の哺乳動物のニューロンにおけるmGluRの活性化は、1またはそれ以上の以下の応答を惹起する:ホスホリパーゼCの活性化;ホスホイノシチド(PI)の加水分解の増加;細胞内でのカルシウム放出;ホスホリパーゼDの活性化;アデニルシクラーゼの活性化または阻害;環状アデノシン一リン酸(cAMP)形成の増加または減少;グアニリルシクラーゼの活性化;環状グアノシン一リン酸(cGMP)の形成の増加;ホスホリパーゼA2の活性化;アラキドン酸放出の増加;および、電位およびリガンド依存性イオンチャンネルの活性の増加または減少。Schoepp等,Trends Pharmacol.Sci.14:13(1993年),Schoepp,Neurochem.Int.24:439(1994年),Pin等,Neuropharmacology 34:1(1995年),BordiおよびUgolini,Prog.Neurobiol.59:55(1999年)。分子クローニングによって、8種の別個のmGluRサブタイプ(mGluR1〜mGluR8という)が同定されている。Nakanishi,Neuron 73:1031(1994年),Pin等,Neuropharmacology 34:1(1995年),Knopfel等,J.Med.Chem.85:1417(1995年)。さらなる受容体の種類が、所定のmGluRサブタイプのオルタナティブスプライシングされた形態の発現を介して生じる。Pin等,PNAS 89:10331(1992年),Minakami等,BBRC 199:1136(1994年),Joly等,J.Neurosci.15:3970(1995年)。
【0004】
代謝型グルタミン酸受容体のサブタイプは、アミノ酸配列の相同性、上記受容体が利用する第2メッセンジャー系、および、それらの薬理学的特徴に基づき、3つのグループ、すなわちグループI、グループII、および、グループIIIのmGluRにさらに細かく分類することもできる。グループIのmGluRは、mGluR1、mGluR5、および、それらのオルタナティブスプライシングされた変異体を含む。これらの受容体へアゴニストが結合すると、ホスホリパーゼCの活性化、それに続く細胞内カルシウム動員が起こる。
【0005】
神経障害、精神障害および疼痛性障害
グループIのmGluRの生理学的な役割を解明する試みによれば、これらの受容体の活性化は神経的興奮を惹起することが示唆されている。
様々な研究により、グループIのmGluRアゴニストは、海馬、大脳皮質、小脳および視床、同様に、その他のCNS領域におけるニューロンに適用されると、シナプス後の励起を発生させることができることが実証されてきた。証拠によれば、この励起は、シナプス後mGluRの直接の活性化によることが示されるが、シナプス前mGluRの活性化が起こり、神経伝達物質放出の増加が起こることも示されている。Baskys,Trends Pharmacol,Sci.15:92(1992年),Schoepp,Neurochem.Int.24:439(1994年),Pin等,Neuropharmacology 34:1(1995年),Watkins等,Trends Pharmacol Sci.15:33(1994年)。
【0006】
代謝型グルタミン酸受容体は、哺乳動物のCNSにおける多数の正常なプロセスに関与している。mGluRの活性化は、海馬の長期増強と長期抑圧の誘導に必要であることが示されている。Bashir等,Nature 363:347(1993年),Bortolotto等,Nature 368:740(1994年),Aiba等,Cell 79:365(1994年),Aiba等,Cell 79:377(1994年)。痛覚および無痛覚におけるmGluRを活性化する役割もまた、実証されている[Meller等,Neuroreport 4:879(1993年),BordiおよびUgolini,Brain Res.871:223(1999年)]。加えて、mGluR活性化は、シナプス伝達、ニューロンの発達、アポトーシスにおけるニューロンの死、シナプス可塑性、空間学習、嗅覚記憶、心臓活動の中枢での制御、覚醒、運動の制御、および、前庭動眼反射の制御などの多種多様なその他の正常なプロセスにおいて、調節的な役割を果たすことが示されてきた。Nakanishi,Neuron 13:1031(1994年),Pin等,Neuropharmacology 34:1,Knopfel等,J.Med.Chem.38:1417(1995年)。
【0007】
さらに、グループI代謝型グルタミン酸受容体、具体的にはmGluR5は、CNSに影響を与える多種多様な病態生理学的なプロセスおよび障害において役割を果たすことが示されてきた。これらの例としては、卒中、頭部外傷、無酸素性および虚血性の傷害、低血糖症、てんかん、神経変性障害、例えばアルツハイマー病、精神障害、および、疼痛が挙げられる。Schoepp等,Trends Pharmacol.Sci.14:13(1993年),Cunningham等,Life Sci.54:135(1994年),Hollman等,Ann.Rev.Neurosci.17:31(1994年),Pin等,Neuropharmacology 34:1(1995年),Knopfel等,J.Med.Chem.38:1417(1995年),Spooren等,Trends Pharmacol.Sci.22:331(2001年),Gasparini等.Curr.Opin.Pharmacol.2:43(2002年),Neugebauer Pain 98:1(2002年)。これらの状態における病理学の多くは、過剰なグルタメートによって誘導されたCNSニューロンの励起によるものと考えられる。グループIのmGluRは、シナプス後のメカニズムを介してグルタメートが介在する神経的興奮を増加させ、シナプス前のグルタメート放出を強化するようであるため、それらの活性化は恐らく病理学に役に立つだろう。従って、グループIのmGluR受容体の選択的アンタゴニストは、具体的には神経保護薬、鎮痛薬または抗痙攣薬として治療上有益であり得る。
【0008】
代謝型グルタミン酸受容体全般、特にグループIの神経生理学的な役割の解明における近年の進歩により、これらの受容体が、急性および慢性神経障害および精神障害、ならびに、慢性および急性疼痛障害の治療における有望な薬剤標的として確立されてきた。それらの生理学的および病態生理学的な重要性のために、mGluRサブタイプ、特にグループI受容体サブタイプ、最も具体的にはmGluR5サブタイプに対する高い選択性を示す新規の有力なmGluRアゴニストおよびアンタゴニストが必要である。
【0009】
胃腸の障害
下部食道括約筋(LES)は、断続的に弛緩しやすい傾向がある。その結果として、このような時期に機械的な障壁が一時的に失われるため、胃からの流体が、食道に向かって通過することができ、これは、下記で「胃小腸反射」と称される現象である。
【0010】
逆流性食道炎(GERD)は、最も普及している上部消化管の病気である。現在の薬物療法は、胃酸分泌の減少、または、食道中の酸の中和を目的としている。胃小腸反射を助ける主要なメカニズムは、下部食道括約筋の緊張低下に依存するとみなされてきた。しかしながら、例えばHollowayおよびDent(1990年)Gastroenterol.Clin.N.Amer.19,517〜535頁では、多くの還流現象の発症は、一過性下部食道括約筋弛緩(TLESR)、すなわち嚥下によって発生するものではない弛緩の最中に起こることを示している。また、胃酸分泌は通常、GERDに罹った患者においては一般的なことであることも示されている。
【0011】
本発明に係る新規の化合物は、一過性下部食道括約筋弛緩(TLESR)の阻害、従って逆流性食道炎(GERD)の治療に有用であると考えられる。
本明細書における表現「TLESR」、すなわち一過性下部食道括約筋弛緩は、Mittal,R.K.,Holloway,R.H.,Penagini,R.,Blackshaw,L.A.,Dent,J.,1995年;Transient lower esophageal sphincter relaxation.Gastroenterology 109,601〜610頁に従って定義されている。
【0012】
本明細書における表現「胃小腸反射」は、上記のような時期に機械的な障壁が一時的に失われるために食道に向かって通過することができる胃からの流体と定義される。
本明細書における表現「GERD」、すなわち逆流性食道炎は、van Heerwarden,M.A.,Smout A.J.P.M.,2000年;Diagnosis of reflux disease.Bailliere’s Clin.Gastroenterol.14,759〜774頁に従って定義されている。
【0013】
それらの生理学的および病態生理学的な重要性のために、mGluRサブタイプ、特にグループI受容体サブタイプに対する高い選択性を示す新規の有力なmGluRアゴニストおよびアンタゴニストが必要である。
【0014】
本発明の目的は、代謝型グルタミン酸受容体(mGluR)、特にmGluR5受容体で活性を示す化合物を提供することである。
発明の要約
本発明の一形態において、式Iで示される化合物、または、それらの製薬上許容できる塩または水和物が提供される:
【0015】
【化1】

【0016】
式中、Rは、ヒドロキシ、ハロ、ニトロ、C1〜6アルキルハロ、OC1〜6アルキルハロ、C1〜6アルキル、OC1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、OC2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、OC2〜6アルキニル、C0〜6アルキルC3〜6シクロアルキル、OC0〜6アルキルC3〜6シクロアルキル、C0〜6アルキルアリール、OC0〜6アルキルアリール、CHO、(CO)R、O(CO)R、O(CO)OR、O(CN)OR、C1〜6アルキルOR、OC2〜6アルキルOR、C1〜6アルキル(CO)R、OC1〜6アルキル(CO)R、C0〜6アルキルCO、OC1〜6アルキルCO、C0〜6アルキルシアノ、OC2〜6アルキルシアノ、C0〜6アルキルNR、OC2〜6アルキルNR、C1〜6アルキル(CO)NR、OC1〜6アルキル(CO)NR、C0〜6アルキルNR(CO)R、OC2〜6アルキルNR(CO)R、C0〜6アルキルNR(CO)NR、C0〜6アルキルSR、OC2〜6アルキルSR、C0〜6アルキル(SO)R、OC2〜6アルキル(SO)R、C0〜6アルキルSO、OC2〜6アルキルSO、C0〜6アルキル(SO)NR、OC2〜6アルキル(SO)NR、C0〜6アルキルNR(SO)R、OC2〜6アルキルNR(SO)R、C0〜6アルキルNR(SO)NR、OC2〜6アルキルNR(SO)NR、(CO)NR、O(CO)NR、NROR、C0〜6アルキルNR(CO)OR、OC2〜6アルキルNR(CO)OR、SO、および、独立してC、N、OおよびSからなる群より選択される原子を含む5または6員環からなる群より選択される。
【0017】
は、水素、ヒドロキシ、ハロ、ニトロ、C1〜6アルキルハロ、OC1〜6アルキルハロ、C1〜6アルキル、OC1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、OC2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、OC2〜6アルキニル、C0〜6アルキルC3〜6シクロアルキル、OC0〜6アルキルC3〜6シクロアルキル、C0〜6アルキルアリール、OC0〜6アルキルアリール、CHO、(CO)R、O(CO)R、O(CO)OR、O(CN)OR、C1〜6アルキルOR、OC2〜6アルキルOR、C1〜6アルキル(CO)R、OC1〜6アルキル(CO)R、C0〜6アルキルCO、OC1〜6アルキルCO、C0〜6アルキルシアノ、OC2〜6アルキルシアノ、C0〜6アルキルNR、OC2〜6アルキルNR、C1〜6アルキル(CO)NR、OC1〜6アルキル(CO)NR、C0〜6アルキルNR(CO)R、OC2〜6アルキルNR(CO)R、C0〜6アルキルNR(CO)NR、C0〜6アルキルSR、OC2〜6アルキルSR、C0〜6アルキル(SO)R、OC2〜6アルキル(SO)R、C0〜6アルキルSO、OC2〜6アルキルSO、C0〜6アルキル(SO)NR、OC2〜6アルキル(SO)NR、C0〜6アルキルNR(SO)R、OC2〜6アルキルNR(SO)R、C0〜6アルキルNR(SO)NR、OC2〜6アルキルNR(SO)NR、(CO)NR、O(CO)NR、NROR、C0〜6アルキルNR(CO)OR、OC2〜6アルキルNR(CO)OR、SO、および、独立してC、N、OおよびSからなる群より選択される原子を含む5または6員環からなる群より選択される。
【0018】
は、H、C(O)OC1〜6アルキルハロ、C(O)OC1〜6アルキル、C(O)OC2〜6アルケニル、C(O)OC2〜6アルキニル、C(O)OC0〜6アルキルC3〜6シクロアルキル、C(O)OC0〜6アルキルアリール、C(O)OC1〜6アルキルOR、C(O)OC1〜6アルキル(CO)R、C(O)OC1〜6アルキルCO、C(O)OC1〜6アルキルシアノ、C(O)OC0〜6アルキルNR、C(O)OC1〜6アルキル(CO)NR、C(O)OC2〜6アルキルNR(CO)R、C(O)C1〜6アルキルNR(CO)NR、C(O)OC2〜6アルキルSR、C(O)OC1〜6アルキル(SO)R、C(O)OC1〜6アルキルSO、C(O)OC1〜6アルキル(SO)NR、C(O)OC1〜6アルキルNR(SO)R、C(O)OC2〜6アルキルNR(SO)NR、(CO)NR、C(O)OC1〜6アルキルNR(CO)OR、C(S)OC1〜6アルキルハロ、C(S)OC1〜6アルキル、C(S)OC2〜6アルケニル、C(S)OC2〜6アルキニル、C(S)OC0〜6アルキルC3〜6シクロアルキル、C(S)OC0〜6アルキルアリール、C(S)OC1〜6アルキルOR、C(S)OC1〜6アルキル(CO)R、C(S)OC1〜6アルキルCO、C(S)OC1〜6アルキルシアノ、C(S)OC0〜6アルキルNR、C(S)OC1〜6アルキル(CO)NR、C(S)OC2〜6アルキルNR(CO)R、C(S)C1〜6アルキルNR(CO)NR、C(S)OC2〜6アルキルSR、C(S)OC1〜6アルキル(SO)R、C(S)OC1〜6アルキルSO、C(S)OC1〜6アルキル(SO)NR、C(S)OC1〜6アルキルNR(SO)R、C(S)OC2〜6アルキルNR(SO)NR、(CO)NR、C(S)OC1〜6アルキルNR(CO)OR、および、独立して1またはそれ以上のC、N、OおよびSからなる群より選択される原子を含む5または6員環からなる群より選択され;
は、ヒドロキシ、ハロ、ニトロ、C1〜6アルキルハロ、OC1〜6アルキルハロ、C1〜6アルキル、OC1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、OC2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、OC2〜6アルキニル、C0〜6アルキルC3〜6シクロアルキル、OC0〜6アルキルC3〜6シクロアルキル、C0〜6アルキルアリール、OC0〜6アルキルアリール、CHO、(CO)R、O(CO)R、O(CO)OR、O(CN)OR、C1〜6アルキルOR、OC2〜6アルキルOR、C1〜6アルキル(CO)R、OC1〜6アルキル(CO)R、C0〜6アルキルCO、OC1〜6アルキルCO、C0〜6アルキルシアノ、OC2〜6アルキルシアノ、C0〜6アルキルNR、OC2〜6アルキルNR、C1〜6アルキル(CO)NR、OC1〜6アルキル(CO)NR、C0〜6アルキルNR(CO)R、OC2〜6アルキルNR(CO)R、C0〜6アルキルNR(CO)NR、C0〜6アルキルSR、OC2〜6アルキルSR、C0〜6アルキル(SO)R、OC2〜6アルキル(SO)R、C0〜6アルキルSO、OC2〜6アルキルSO、C0〜6アルキル(SO)NR、OC2〜6アルキル(SO)NR、C0〜6アルキルNR(SO)R、OC2〜6アルキルNR(SO)R、C0〜6アルキルNR(SO)NR、OC2〜6アルキルNR(SO)NR、(CO)NR、O(CO)NR、NROR、C0〜6アルキルNR(CO)OR、OC2〜6アルキルNR(CO)OR、NR、=NOR、=O、=S、SO、SO、および、独立してC、N、OおよびSからなる群より選択される原子を含む5または6員環からなる群より選択される。
【0019】
Mは、=O、(CR、および、(CRC(O)からなる群より選択される。
およびRは、独立して、水素、C1〜6アルキル、OC1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、OC3〜7シクロアルキル、C1〜6アルキルアリール、OC1〜6アルキルアリール、アリール、および、ヘテロアリールからなる群より選択される。
【0020】
、R、R、R、RおよびRで定義されたC1〜6アルキル、アリールまたはヘテロアリールはいずれもは、1またはそれ以上のAで置換されていてもよく、ここで、Aは、水素、ヒドロキシ、ハロ、ニトロ、オキソ、C0〜6アルキルシアノ、C0〜4アルキルC3〜6シクロアルキル、C1〜6アルキル、C1〜6アルキルハロ、OC1〜6アルキルハロ、C2〜6アルケニル、C0〜3アルキルアリール、C0〜6アルキルOR、OC2〜6アルキルOR、C1〜6アルキルSR、OC2〜6アルキルSR、(CO)R、O(CO)R、OC2〜6アルキルシアノ、OC1〜6アルキルCO、O(CO)OR、OC1〜6アルキル(CO)R、C1〜6アルキル(CO)R、NROR、C1〜6アルキルNR、OC2〜6アルキルNR、C0〜6アルキル(CO)NR、OC1〜6アルキル(CO)NR、OC2〜6アルキルNR(CO)R、C0〜6アルキルNR(CO)R、C0〜6アルキルNR(CO)NR、O(CO)NR、C0〜6アルキル(SO)NR、OC2〜6アルキル(SO)NR、C0〜6アルキルNR(SO)R、OC2〜6アルキルNR(SO)R、SO、C1〜6アルキルNR(SO)NR、OC2〜6アルキル(SO)R、C0〜6アルキル(SO)R、C0〜6アルキル(SO)R、OC2〜6アルキル(SO)R、および、独立してC、N、OおよびSからなる群より選択される1またはそれ以上の原子を含む5または6員環からなる群より選択される。
【0021】
可変値のmは0、1、2または3であり、一方、nは、0〜8の整数である(0および8も含める)。
本発明のさらなる形態において、治療上有効な量の式Iで示される化合物、および、製薬上許容できる希釈剤、賦形剤および/または不活性キャリアーを含む医薬組成物が提供される。
【0022】
本発明のさらにその他の形態において、mGluR5受容体が関与する障害の治療に使用するための、および、神経疾患、精神障害、胃腸障害および疼痛障害の治療に使用するための、式Iで示される化合物を含む医薬組成物が提供される。
【0023】
本発明のさらにその他の形態において、治療で使用するための、特に、mGluR5受容体が関与する障害の治療、ならびに、神経疾患、精神障害、胃腸障害および疼痛障害の治療で使用するための、式Iで示される化合物が提供される。
【0024】
本発明のさらなる形態は、肥満症および肥満症に関連する状態を治療または予防するための医薬品、同様に、過剰な食物摂取の阻害による摂食障害、ならびに、その結果発症した肥満症、および、それに関連する合併症を治療するための医薬品の製造のための、式Iで示される化合物の使用である。
【0025】
本発明のその他の形態において、式Iで示される化合物、および、それらの製造で用いられる中間体の製造方法が提供される。
本発明のこれらのおよびその他の形態を以下でより詳細に説明する。
【0026】
発明の詳細な記述
本発明の目的は、代謝型グルタミン酸受容体(mGluR)、特にmGluR5受容体で活性を示す化合物を提供することである。
【0027】
本発明を説明するために本明細書および請求項で用いられる様々な用語の定義を以下に列挙する。
誤解を避けるために言えば、当然ながら、本明細書において、基が、「上記で定義された」、「上記で定義された」または「上記で定義された」によって限定される場合、前記基は、最初に記載された広義の定義、同様に、その群に関するその他の定義のそれぞれ、および、全部を包含する。
【0028】
誤解を避けるために言えば、当然ながら、本明細書において「C1〜6」は、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有する炭素の基を意味する。同様に「C1〜3」は、1、2、または、3個の炭素原子を有する炭素の基を意味する。
【0029】
下付き数字が整数0(ゼロ)である場合、その下付き数字が付された基が存在しないことを意味する。
本明細書において、特に他の指定がない限り、用語「アルキル」は、直鎖アルキル基と、分岐鎖アルキル基との両方を含み、例えば、これらに限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、t−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、または、i−ヘキシル、t−ヘキシルが挙げられる。用語C1〜3アルキルは、1〜3個の炭素原子を有し、メチル、エチル、n−プロピル、または、i−プロピルであり得る。
【0030】
本明細書において、特に他の指定がない限り、用語「シクロアルキル」は、場合により置換された、飽和環状炭化水素の環系を意味する。用語「C3〜7シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、または、シクロヘプチルであり得る。
【0031】
本明細書において、特に他の指定がない限り、用語「アルコキシ」は、直鎖または分岐鎖アルコキシ基の両方を含む。C1〜3アルコキシとしては、これらに限定されないが、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、または、i−プロポキシが挙げられる。
【0032】
本明細書において、特に他の指定がない限り、用語「結合」は、飽和結合または不飽和結合であり得る。
本明細書において、特に他の指定がない限り、用語「ハロ」および「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、または、ヨードであり得る。
【0033】
本明細書において、特に他の指定がない限り、用語「アルキルハロ」は、上述のようなハロで置換された、上記で定義されたようなアルキル基を意味する。用語「C1〜6アルキルハロ」としては、これらに限定されないが、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロエチル、ジフルオロエチル、または、ブロモプロピルが挙げられる。用語「OC1〜6アルキルハロ」としては、これらに限定されないが、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、フルオロエトキシ、または、ジフルオロエトキシが挙げられる。
【0034】
本明細書において、特に他の指定がない限り、用語「アルケニル」は、直鎖アルケニル基と、分岐鎖アルケニル基との両方を含む。用語「C2〜6アルケニル」は、2〜6個の炭素原子、および、1または2個の二重結合を有するアルケニル基を意味し、例えば、これらに限定されないが、ビニル、アリル、プロペニル、i−プロペニル、ブテニル、i−ブテニル、クロチル、ペンテニル、i−ペンテニル、および、ヘキセニルが挙げられる。
【0035】
本明細書において、特に他の指定がない限り、用語「アルキニル」は、直鎖アルキニル基と、分岐鎖アルキニル基との両方を含む。用語C2〜6アルキニルは、2〜6個の炭素原子、および、1または2個の三重結合を有するものであり、例えば、これらに限定されないが、エチニル、プロパルギル、ブチニル、i−ブチニル、ペンチニル、i−ペンチニル、および、ヘキシニルが挙げられる。
【0036】
本明細書において、特に他の指定がない限り、用語「アリール」は、少なくとも1つの不飽和芳香環を含む、場合により置換された単環式または二環式の炭化水素の環系を意味する。用語「アリール」の例と適切な値は、フェニル、ナフチル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、インジル(indyl)、および、インデニルである。
【0037】
本明細書において、特に他の指定がない限り、用語「ヘテロアリール」は、独立してN、OまたはSから選択された少なくとも1個のヘテロ原子を含む、場合により置換された単環式または二環式の不飽和の環系を意味する。「ヘテロアリール」の例としては、これらに限定されないが、チオフェン、チエニル、ピリジル、チアゾリル、フリル、ピロリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾロニル(imidazolonyl)、オキサゾロニル(oxazolonyl)、チアゾロニル(thiazolonyl)、テトラゾリル、および、チアジアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、テトラヒドロトリアゾロピリジル、テトラヒドロトリアゾロピリミジニル、ベンゾフリル、インドリル、イソインドリル、ピリドニル(pyridonyl)、ピリダジニル、ピリミジニル、イミダゾピリジル、オキサゾロピリジル、チアゾロピリジル、ピリジル、イミダゾピリダジニル、オキサゾロピリダジニル、チアゾロピリダジニル、および、プリニルが挙げられる。
【0038】
本明細書において、特に他の指定がない限り、用語「アルキルアリール」、「アルキルヘテロアリール」および「アルキルシクロアルキル」は、このアルキル基を介して、アリール、ヘテロアリールおよびシクロアルキル基に結合している置換基を意味する。
【0039】
本明細書において、特に他の指定がない限り、用語「ヘテロシクロアルキル」は、1個またはそれ以上の炭素原子がヘテロ原子で置換された、場合により置換された飽和環状炭化水素の環系を意味する。用語「ヘテロシクロアルキル」としては、これらに限定されないが、ピロリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピランが挙げられる。
【0040】
本明細書において、特に他の指定がない限り、用語「独立してC、N、OまたはSから選択される原子を含む5または6員環」は、芳香族環およびヘテロ芳香環、同様に、炭素環および複素環を含み、これらは、飽和していてもよいし、部分的に飽和していてもよいし、または、不飽和でもよい。このような環の例としては、これらに限定されないが、フリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジル、ピロリル、チアゾリル、チエニル、イミダゾリル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、トリアゾリル、モルホリニル、ピペラジニル、ピペリジル、ピペリドニル(piperidonyl)、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピロリジニル、ピロリニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、フェニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、および、シクロヘキセニルが挙げられる。
【0041】
本明細書において、特に他の指定がない限り、用語「=NR」および「=NOR」は、R置換基を有するイミノ基およびオキシモ(oximo)基を含み、イミノアルキル、イミノヒドロキシ、イミノアルコキシ、アミジン、ヒドロキシアミジン、および、アルコキシアミジンのような基(ただしこれらに限定されない)であってもよいし、または、それらの一部であってもよい。
【0042】
下付き数字が整数0(ゼロ)である場合、その下付き数字が付された基が存在しない、 すなわち基と基の間の直接の結合が存在することが示される。本明細書において、特に他の指定がない限り、用語「融合した環」は、2個の共通の原子を共有する2個の環を意味する。
【0043】
本明細書において、特に他の指定がない限り、用語「架橋」は、環中の2個の離れた原子を連結する1個またはそれ以上の原子または結合を含む分子フラグメントを意味し、それによって、二環式または三環式系のいずれかが形成される。
【0044】
本発明の一実施形態は、式Iで示される化合物に関する:
【0045】
【化2】

【0046】
式中、Rは、ヒドロキシ、ハロ、ニトロ、C1〜6アルキルハロ、OC1〜6アルキルハロ、C1〜6アルキル、OC1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、OC2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、OC2〜6アルキニル、C0〜6アルキルC3〜6シクロアルキル、OC0〜6アルキルC3〜6シクロアルキル、C0〜6アルキルアリール、OC0〜6アルキルアリール、CHO、(CO)R、O(CO)R、O(CO)OR、O(CN)OR、C1〜6アルキルOR、OC2〜6アルキルOR、C1〜6アルキル(CO)R、OC1〜6アルキル(CO)R、C0〜6アルキルCO、OC1〜6アルキルCO、C0〜6アルキルシアノ、OC2〜6アルキルシアノ、C0〜6アルキルNR、OC2〜6アルキルNR、C1〜6アルキル(CO)NR、OC1〜6アルキル(CO)NR、C0〜6アルキルNR(CO)R、OC2〜6アルキルNR(CO)R、C0〜6アルキルNR(CO)NR、C0〜6アルキルSR、OC2〜6アルキルSR、C0〜6アルキル(SO)R、OC2〜6アルキル(SO)R、C0〜6アルキルSO、OC2〜6アルキルSO、C0〜6アルキル(SO)NR、OC2〜6アルキル(SO)NR、C0〜6アルキルNR(SO)R、OC2〜6アルキルNR(SO)R、C0〜6アルキルNR(SO)NR、OC2〜6アルキルNR(SO)NR、(CO)NR、O(CO)NR、NROR、C0〜6アルキルNR(CO)OR、OC2〜6アルキルNR(CO)OR、SO、および、独立してC、N、OおよびSからなる群より選択される原子を含む5または6員環からなる群より選択される。
【0047】
は、水素、ヒドロキシ、ハロ、ニトロ、C1〜6アルキルハロ、OC1〜6アルキルハロ、C1〜6アルキル、OC1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、OC2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、OC2〜6アルキニル、C0〜6アルキルC3〜6シクロアルキル、OC0〜6アルキルC3〜6シクロアルキル、C0〜6アルキルアリール、OC0〜6アルキルアリール、CHO、(CO)R、O(CO)R、O(CO)OR、O(CN)OR、C1〜6アルキルOR、OC2〜6アルキルOR、C1〜6アルキル(CO)R、OC1〜6アルキル(CO)R、C0〜6アルキルCO、OC1〜6アルキルCO、C0〜6アルキルシアノ、OC2〜6アルキルシアノ、C0〜6アルキルNR、OC2〜6アルキルNR、C1〜6アルキル(CO)NR、OC1〜6アルキル(CO)NR、C0〜6アルキルNR(CO)R、OC2〜6アルキルNR(CO)R、C0〜6アルキルNR(CO)NR、C0〜6アルキルSR、OC2〜6アルキルSR、C0〜6アルキル(SO)R、OC2〜6アルキル(SO)R、C0〜6アルキルSO、OC2〜6アルキルSO、C0〜6アルキル(SO)NR、OC2〜6アルキル(SO)NR、C0〜6アルキルNR(SO)R、OC2〜6アルキルNR(SO)R、C0〜6アルキルNR(SO)NR、OC2〜6アルキルNR(SO)NR、(CO)NR、O(CO)NR、NROR、C0〜6アルキルNR(CO)OR、OC2〜6アルキルNR(CO)OR、SO、および、独立してC、N、OおよびSからなる群より選択される原子を含む5または6員環からなる群より選択される。
【0048】
は、H、C(O)OC1〜6アルキルハロ、C(O)OC1〜6アルキル、C(O)OC2〜6アルケニル、C(O)OC2〜6アルキニル、C(O)OC0〜6アルキルC3〜6シクロアルキル、C(O)OC0〜6アルキルアリール、C(O)OC1〜6アルキルOR、C(O)OC1〜6アルキル(CO)R、C(O)OC1〜6アルキルCO、C(O)OC1〜6アルキルシアノ、C(O)OC0〜6アルキルNR、C(O)OC1〜6アルキル(CO)NR、C(O)OC2〜6アルキルNR(CO)R、C(O)C1〜6アルキルNR(CO)NR、C(O)OC2〜6アルキルSR、C(O)OC1〜6アルキル(SO)R、C(O)OC1〜6アルキルSO、C(O)OC1〜6アルキル(SO)NR、C(O)OC1〜6アルキルNR(SO)R、C(O)OC2〜6アルキルNR(SO)NR、(CO)NR、C(O)OC1〜6アルキルNR(CO)OR、C(S)OC1〜6アルキルハロ、C(S)OC1〜6アルキル、C(S)OC2〜6アルケニル、C(S)OC2〜6アルキニル、C(S)OC0〜6アルキルC3〜6シクロアルキル、C(S)OC0〜6アルキルアリール、C(S)OC1〜6アルキルOR、C(S)OC1〜6アルキル(CO)R、C(S)OC1〜6アルキルCO、C(S)OC1〜6アルキルシアノ、C(S)OC0〜6アルキルNR、C(S)OC1〜6アルキル(CO)NR、C(S)OC2〜6アルキルNR(CO)R、C(S)C1〜6アルキルNR(CO)NR、C(S)OC2〜6アルキルSR、C(S)OC1〜6アルキル(SO)R、C(S)OC1〜6アルキルSO、C(S)OC1〜6アルキル(SO)NR、C(S)OC1〜6アルキルNR(SO)R、C(S)OC2〜6アルキルNR(SO)NR、(CO)NR、C(S)OC1〜6アルキルNR(CO)OR、および、独立して1またはそれ以上のC、N、OおよびSからなる群より選択される原子を含む5または6員環からなる群より選択される;
は、ヒドロキシ、ハロ、ニトロ、C1〜6アルキルハロ、OC1〜6アルキルハロ、C1〜6アルキル、OC1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、OC2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、OC2〜6アルキニル、C0〜6アルキルC3〜6シクロアルキル、OC0〜6アルキルC3〜6シクロアルキル、C0〜6アルキルアリール、OC0〜6アルキルアリール、CHO、(CO)R、O(CO)R、O(CO)OR、O(CN)OR、C1〜6アルキルOR、OC2〜6アルキルOR、C1〜6アルキル(CO)R、OC1〜6アルキル(CO)R、C0〜6アルキルCO、OC1〜6アルキルCO、C0〜6アルキルシアノ、OC2〜6アルキルシアノ、C0〜6アルキルNR、OC2〜6アルキルNR、C1〜6アルキル(CO)NR、OC1〜6アルキル(CO)NR、C0〜6アルキルNR(CO)R、OC2〜6アルキルNR(CO)R、C0〜6アルキルNR(CO)NR、C0〜6アルキルSR、OC2〜6アルキルSR、C0〜6アルキル(SO)R、OC2〜6アルキル(SO)R、C0〜6アルキルSO、OC2〜6アルキルSO、C0〜6アルキル(SO)NR、OC2〜6アルキル(SO)NR、C0〜6アルキルNR(SO)R、OC2〜6アルキルNR(SO)R、C0〜6アルキルNR(SO)NR、OC2〜6アルキルNR(SO)NR、(CO)NR、O(CO)NR、NROR、C0〜6アルキルNR(CO)OR、OC2〜6アルキルNR(CO)OR、NR、=NOR、=O、=S、SO、SO、および、独立してC、N、OおよびSからなる群より選択される原子を含む5または6員環からなる群より選択される。
【0049】
Mは、=O、(CR、および、(CRC(O)からなる群より選択される。
およびRは、独立して、水素、C1〜6アルキル、OC1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、OC3〜7シクロアルキル、C1〜6アルキルアリール、OC1〜6アルキルアリール、アリール、および、ヘテロアリールからなる群より選択される。
【0050】
、R、R、R、RおよびRで定義されたC1〜6アルキル、アリールまたはヘテロアリールはいずれもは、1またはそれ以上のAで置換されていてもよく、ここで、Aは、水素、ヒドロキシ、ハロ、ニトロ、オキソ、C0〜6アルキルシアノ、C0〜4アルキルC3〜6シクロアルキル、C1〜6アルキル、C1〜6アルキルハロ、OC1〜6アルキルハロ、C2〜6アルケニル、C0〜3アルキルアリール、C0〜6アルキルOR、OC2〜6アルキルOR、C1〜6アルキルSR、OC2〜6アルキルSR、(CO)R、O(CO)R、OC2〜6アルキルシアノ、OC1〜6アルキルCO、O(CO)OR、OC1〜6アルキル(CO)R、C1〜6アルキル(CO)R、NROR、C1〜6アルキルNR、OC2〜6アルキルNR、C0〜6アルキル(CO)NR、OC1〜6アルキル(CO)NR、OC2〜6アルキルNR(CO)R、C0〜6アルキルNR(CO)R、C0〜6アルキルNR(CO)NR、O(CO)NR、C0〜6アルキル(SO)NR、OC2〜6アルキル(SO)NR、C0〜6アルキルNR(SO)R、OC2〜6アルキルNR(SO)R、SO、C1〜6アルキルNR(SO)NR、OC2〜6アルキル(SO)R、C0〜6アルキル(SO)R、C0〜6アルキル(SO)R、OC2〜6アルキル(SO)R、および、独立してC、N、OおよびSからなる群より選択される1またはそれ以上の原子を含む5または6員環からなる群より選択される。
【0051】
可変値のmは0、1、2または3であり、一方、nは、0〜8の整数である(0および8も含める)。
式Iで示される化合物の好ましい部分集合は、nが0のものである。この場合、Rは、好ましくは、C(O)OC1〜6アルキルハロ、C(O)OC1〜6アルキル、C(O)OC2〜6アルケニル、C(O)OC2〜6アルキニル、C(O)OC0〜6アルキルC3〜6シクロアルキル、C(O)OC0〜6アルキルアリール、C(O)OC1〜6アルキルOR、C(O)OC1〜6アルキル(CO)R、C(O)OC1〜6アルキルCO、C(O)OC1〜6アルキルシアノ、C(O)OC0〜6アルキルNR、C(O)OC1〜6アルキル(CO)NR、C(O)OC2〜6アルキルNR(CO)R、C(O)C1〜6アルキルNR(CO)NR、C(O)OC2〜6アルキルSR、C(O)OC1〜6アルキル(SO)R、C(O)OC1〜6アルキルSO、C(O)OC1〜6アルキル(SO)NR、C(O)OC1〜6アルキルNR(SO)R、C(O)OC2〜6アルキルNR(SO)NR、(CO)NR、C(O)OC1〜6アルキルNR(CO)OR、および、独立して1またはそれ以上のC、N、OおよびSからなる群より選択される原子を含む5または6員環からなる群より選択される。
【0052】
より好ましくは、Rは、C(O)OC1〜6アルキル、C(O)OC0〜6アルキルアリール、C(O)OC1〜6アルキルOR、および、(CO)NRである。
本発明のその他の実施形態において、Rは、水素またはフルオロである。好ましくは、Mは、CRである。この場合、Rは、好ましくはHであり、同時に、Rは、好ましくは、水素、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6アルキルアリール、アリール、または、ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Rは、C1〜6アルキルアリールである。その他の実施形態において、RはC3〜7シクロアルキルである。さらにその他の実施形態において、Rはヘテロアリールである。この場合の好ましいヘテロアリール基としては、これらに限定されないが、2−、3−、および、4−ピリジル;2−および3−チエニル;および、2−および3−フラニルが挙げられる。さらにその他の実施形態において、Rはアリールであり、フェニルがもっとも好ましい。
【0053】
本発明のその他の実施形態は、以下の代表的な式Iで示される化合物に関する:
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−(3−フェニル−プロパ−2−イニル)−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−シアノ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−(3−m−トリル−プロパ−2−イニル)−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−メトキシ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(5−シアノ−2−フルオロ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(5−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−メチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−イソプロピル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[1−tert−ブチル−3−(3−クロロ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−フェニル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[1−(3−クロロ−フェニルエチニル)−ブチル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[1−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−メチル−ブチル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[1−ベンジルオキシメチル−3−(3−クロロ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−シクロプロピル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[1−(3−クロロ−フェニルエチニル)−ペンチル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−チオフェン−2−イル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−チオフェン−3−イル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−フラン−2−イル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、
1−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸プロピルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸イソブチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸ブチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸2,2−ジメチル−プロピルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸ペンチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸2−メトキシ−エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸フェニルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸ベンジルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−ピリジン−3−イル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−(2−メトキシ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−(2−クロロ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−o−トリル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−m−トリル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、および、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−(2−クロロ−ピリジン−3−イル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
エチル4−[3−(5−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−エチルプロパ−2−イン−1−イル]ピペラジン−1−カルボキシラート、
エチル4−[3−(3−クロロフェニル)−1−(5−メチル−2−フリル)プロパ−2−イン−1−イル]ピペラジン−1−カルボキシラート、
エチル4−{3−(3−クロロフェニル)−1−[5−(メトキシカルボニル)−2−フリル]プロパ−2−イン−1−イル}ピペラジン−1−カルボキシラート、
2,2,2−トリフルオロエチル4−[3−(3−クロロフェニル)−1−(2−フリル)プロパ−2−イン−1−イル]ピペラジン−1−カルボキシラート、
エチル4−{3−(3−クロロフェニル)−1−[5−(ヒドロキシメチル)−2−フリル]プロパ−2−イン−1−イル}ピペラジン−1−カルボキシラート、
エチル(3S)−4−[(1R)−3−(3−クロロフェニル)−1−(2−フリル)プロパ−2−イン−1−イル]−3−メチルピペラジン−1−カルボキシラート、
エチル(3S)−4−[(1S)−3−(3−クロロフェニル)−1−(2−フリル)プロパ−2−イン−1−イル]−3−メチルピペラジン−1−カルボキシラート、
エチル(3R)−4−[(1S)−3−(3−クロロフェニル)−1−エチルプロパ−2−イン−1−イル]−3−メチルピペラジン−1−カルボキシラート、
エチル(3R)−4−[(1R)−3−(3−クロロフェニル)−1−(2−フリル)プロパ−2−イン−1−イル]−3−メチルピペラジン−1−カルボキシラート、
エチル(3R)−4−[(1R)−3−(3−クロロフェニル)−1−エチルプロパ−2−イン−1−イル]−3−メチルピペラジン−1−カルボキシラート、
エチル(3S)−4−[(1S)−3−(3−クロロフェニル)−1−エチルプロパ−2−イン−1−イル]−3−メチルピペラジン−1−カルボキシラート、
エチル(3S)−4−[(1R)−3−(3−クロロフェニル)−1−メチルプロパ−2−イン−1−イル]−3−メチルピペラジン−1−カルボキシラート、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、
4−[1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−3−(3−クロロ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−トリイソプロピルシリルオキシメチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
エチル4−[3−(3−クロロフェニル)−1−(エトキシメチル)プロパ−2−イン−1−イル]ピペラジン−1−カルボキシラート、
4−[1−アミノメチル)−3−(3−クロロ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−ヒドロキシメチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−メトキシメチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−(3−フェニル−プロピノイル)−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
エチル4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1,1−ジメチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸メチルエステル、および、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸2−メトキシ−エチルエステル。
【0054】
本発明の実施形態は、式Iで示される化合物の塩の形態を含む。医薬組成物に使用するための塩は、製薬上許容できる塩と予想されるが、その他の塩も、式Iで示される化合物の生産において有用である可能性もある。本発明の化合物の適切な製薬上許容できる塩は、例えば、酸付加塩であり、例えば無機、または、有機酸である。加えて、本発明の化合物の適切な製薬上許容できる塩は、アルカリ金属塩、アルカリ土類、金属塩、または、有機塩基との塩である。
【0055】
その他の製薬上許容できる塩、および、これらの塩を製造する方法は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(第18版,マック・パブリッシング社(Mack Publishing Co.))1990年に見出すことができる。
【0056】
いくつかの式Iで示される化合物は、キラル中心、および/または、幾何異性体の中心(EおよびZ異性体)を有する可能性があり、当然ながら、本発明は、全てのこのような光学異性体、ジアステレオ異性体および幾何異性体を包含する。
【0057】
本発明はまた、式Iで示される化合物のあらゆる全ての互変異性型に関する。
本発明はさらに、式Iで示される化合物の水和物、および、溶媒化合物の形態に関する。
【0058】
医薬組成物
本発明の一形態によれば、1種またはそれ以上の製薬上許容できる希釈剤、賦形剤および/または不活性なキャリアーと共に、治療上有効な量の式Iで示される化合物、または、それらの塩、溶媒化合物もしくは溶媒和塩を活性成分として含む医薬組成物が提供される。
【0059】
本組成物は、経口投与に適した形態、例えば錠剤、丸剤、シロップ、粉末、顆粒またはカプセル、滅菌溶液、懸濁液または乳濁液として、非経口の注射に適した形態(例えば、静脈内、皮下、筋肉内、血管内、または、輸液)、局所投与に適した形態、例えば軟膏、パッチ、または、クリーム、または、直腸内投与に適した形態、例えば坐剤が可能である。
【0060】
一般的に、上記の組成物は、従来の方式で、1またはそれ以上の従来の賦形剤、製薬上許容できる希釈剤、および/または、不活性なキャリアーを用いて製造することもできる。
【0061】
式Iで示される化合物の、哺乳動物(ヒトなど)の治療において適切な1日用量は、1回の経口投与あたり約0.01〜250mg/kg体重であり、1回の非経口投与あたり約0.001〜250mg/kg体重である。
【0062】
上記活性成分の典型的な1日用量は、広範囲の範囲内で様々であり、適切な指標、 治療しようとする病気の重症度、投与経路、 患者の年齢、体重および性別、ならびに、使用される具体的な化合物のような様々な要因に依存すると予想され、医師によって決定してもよい。
【0063】
医学的用途
本発明に係る化合物は、個々の代謝型グルタミン酸受容体(mGluR)サブタイプに対して高度な効力と選択性を示すことが発見された。従って、本発明の化合物は、mGluR5の興奮性の活性化に関連する状態の治療、および、mGluR5の興奮性の活性化によって引き起こされるニューロンのダメージの阻害において有であることが予想される。本化合物は、哺乳動物(ヒトなど)におけるmGluR5の阻害作用を生産するのに用いることもできる。
【0064】
mGluR5などのmGluRグループI受容体は、中枢および末梢神経系、ならびにその他の組織で高度に発現される。従って、本発明の化合物は、mGluR5が関与する障害、例えば急性および慢性神経障害および精神障害、胃腸障害、および、慢性および急性疼痛障害の治療によく適していることが予想される。
【0065】
本発明は、治療で使用するための、上記で定義されたような式Iで示される化合物に関する。
本発明は、mGluR5が関与する障害の治療に使用するための上記で定義されたような式Iで示される化合物に関する。
【0066】
本発明は、アルツハイマー型の老人性痴呆、AIDSによって誘導された痴呆、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン舞踏病、片頭痛、てんかん、統合失調症、うつ、不安、急性不安、眼科的な障害、例えば網膜症、糖尿病性網膜症、緑内障、聴覚の神経障害性疾患、例えば耳鳴り、化学療法によって誘導された神経障害、ヘルペス後神経痛および三叉神経痛、耐性、依存性、脆弱X、自閉症、知的障害、統合失調症、ならびに、ダウン症候群の治療に使用するための上記で定義されたような式Iで示される化合物に関する。
【0067】
本発明は、片頭痛に関連する疼痛、炎症性の疼痛、神経障害性の疼痛障害、例えば糖尿病性神経障害、関節炎およびリウマチ様疾患、腰痛、術後疼痛、および、口峡炎などの様々な状態に関連する疼痛、腎疝痛または胆石仙痛、月経、片頭痛、および、痛風の治療に使用するための上記で定義されたような式Iで示される化合物に関する。
【0068】
本発明は、卒中、頭部外傷、無酸素性および虚血性の傷害、低血糖症、心臓血管疾患、および、てんかんの治療に使用するための上記で定義されたような式Iで示される化合物に関する。
【0069】
本発明はまた、mGluRグループI受容体が関与する障害、および、上記で列挙したあらゆる障害を治療するための医薬品の製造における、上記で定義されたような式Iで示される化合物の使用にも関する。
【0070】
本発明の一実施形態は、胃腸障害の治療における、式Iで示される化合物の使用に関する。
その他の本発明の実施形態は、一過性下部食道括約筋弛緩の阻害に関する医薬品を製造するための、GERDの治療のための、胃小腸反射の予防のための、逆流の治療、喘息の治療、喉頭炎の治療、肺疾患の治療のための、および、成長障害の管理のための、式Iで示される化合物の使用に関する。
【0071】
本発明のさらなる実施形態は、胃腸機能障害、例えば機能性消化不良(FD)を治療または予防するための医薬品の製造のための式Iで示される化合物の使用に関する。本発明のさらにその他の形態は、過敏性腸症候群(IBS)、例えば便秘型IBS、下痢型IBS、または、交代性の排便型IBS(alternating bowel movement predominant IBS)を治療または予防するための医薬品の製造のための式Iで示される化合物の使用である。
【0072】
本発明のさらなる形態は、肥満症および肥満症に関連する状態を治療または予防するための医薬品、同様に、過剰な食物摂取の阻害による摂食障害、ならびに、その結果発症した肥満症、および、それに関連する合併症を治療するための医薬品の製造のための、式Xで示される化合物の使用である。
【0073】
本発明はまた、前記状態に罹った患者、または、その危険性がある患者における、mGluR5が関与する障害、および、上記で列挙したあらゆる障害の治療方法を提供し、本方法は、上記で定義されたような式Iで示される化合物の有効量を上記患者に投与することを含む。
【0074】
特定の障害の治療的処置または予防的処置に必要な用量は、必然的に、治療された宿主、投与経路、および、治療しようとする病気の重症度に応じて様々であると予想される。
本明細書に関して、用語「治療(therapy)」および「処置(treatment)」は、それとは異なる具体的な指示がない限り、予防(prevention)または予防(prophylaxis)を含む。用語「治療的な」および「治療上」は、それに従って解釈されるものとする。
【0075】
本明細書において、特に他の指定がない限り、用語「アンタゴニスト」および「阻害剤」は、あらゆる手段によって、上記リガンドによる応答の生産をもたらす伝達経路を部分的に、または完全にブロックする化合物を意味するものとする。
【0076】
用語「障害」は、特に他の指定がない限り、代謝型グルタミン酸受容体活性に関連するあらゆる状態および病気を意味する。
非医学的用途
治療薬におけるそれらの使用に加えて、式Iで示される化合物、それらの塩または水和物はまた、新規の治療物質検索の一環として、ネコ、イヌ、ウサギ、サル、ラットおよびマウスのような実験動物におけるmGluR関連活性の阻害剤の作用の評価のための、インビトロおよびインビボの試験系の開発および標準化における薬理学的なツールとしても有用である。
【0077】
製造方法
その他の本発明の形態は、式Iで示される化合物、または、それらの塩または水和物の製造方法を提供する。本発明における化合物の製造方法は、本明細書で説明される。
【0078】
以下のこのようなプロセスの説明にわたり、当然ながら、有機合成の当業者であれば容易に理解されると思われる手法で、必要に応じて、適切な保護基は、様々な反応物および中間体に付加され、その後、それから除去されるものとする。このような保護基を用いる従来の手法、同様に、適切な保護基の例は、例えば、“Protective Groups in Organic Synthesis”,T.W.Green,P.G.M.Wuts,Wiley−Interscience,New York,(1999年)に説明されている。また当然ながら、化学的操作による基または置換基のその他の基または置換基への転換は、最終産物への合成経路にあるあらゆる中間体または最終産物に対して行うことができ、その場合の転換の可能なタイプは、その段階で分子が保持する、転換に用いられる条件または試薬に対するその他の官能基固有の不相容性によってのみ限定される。
【0079】
このような本来の不相容性、および、適切な転換を行なうことによってそれらを回避する方法、および、適切な順序での合成工程は、有機合成の当業者には容易に理解されると思われる。転換の例を以下に示すが、当然ながら、説明されている転換は、転換が例示されている総称的な基または置換基のみに限定されない。その他の適切な転換に関する参考文献と説明は、“Comprehensive Organic Transformations−A Guide to Functional Group Preparations” R.C.Larock,VHCパブリッシャーズ社(VHC Publishers,Inc.)(1989年)。
その他の適切な反応の参考文献と説明は、有機化学の教本で説明されており、例えば、“Advanced Organic Chemistry”,March,第4版.マグローヒル(McGraw Hill)(1992年)、または、“Organic Synthesis”,Smith,マグローヒル,(1994年)で示される。
【0080】
中間体および最終産物の精製技術としては、例えば、カラムを用いた順相および逆相クロマトグラフィー、または、回転プレート、再結晶、蒸留、および、液体−液体または固体−液体抽出が挙げられ、これらは、当業者に容易に理解されると思われる。置換基および基の定義は、異なって定義されている場合を除き、式Iに示す通りである。用語「室温」および「周囲温度」は、特に他の規定がない限り、16〜25℃の温度を意味するものとする。
【0081】
用語「還流」は、特に他の指定がない限り、用いられる溶媒に関して、指定された溶媒の沸点の温度、またはそれを超える温度を意味するものとする。
略語
aq.水性
atm 雰囲気
BINAP 2,2’ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル
Boc,BOC tert−ブトキシカルボニル
CDI N,N’−カルボニルジイミダゾール
dba ジベンジリデンアセトン
DCC N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド
DCM ジクロロメタン
DEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DIBAL−H ジイソブチルアルミニウムヒドリド
DIC N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド
DMAP N,N−ジメチル−4−アミノピリジン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DPPF 1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
EAまたはEtOAc 酢酸エチル
EDC,EDCl N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩
Et エチル
EtO ジエチルエーテル
EtI ヨードエタン
EtOH エタノール
EtN トリエチルアミン
Fmoc,FMOC 9−フルオレニルメトキシカルボニル
h 時間
HBTU O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HetAr ヘテロアリール
HOBt N−ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC,LC 高速液体クロマトグラフィー
LCMS HPLC質量分析
MCPBA m−クロロ安息香酸
Me メチル
MeCN アセトニトリル
MeI ヨードメタン
MeMgCl 塩化メチルマグネシウム
MeOH メタノール
min 分
MS 質量分析
NaOAc 酢酸ナトリウム
nBu ノルマルブチル
nBuLi,n−BuLi 1−ブチルリチウム
NCS N−クロロスクシンイミド
NMR 核磁気共鳴
o.n.一晩
OAc アセタート
OMs メシラート、または、メタンスルホン酸エステル
OTs トシラート、トルエンスルホナートまたは4−メチルベンゼンスルホン酸エステル
PPTS ピリジニウムp−トルエンスルホナート
pTsOH p−トルエンスルホン酸
RT,rt,r.t.室温
s 秒
sat.飽和
SPE 固相抽出
TBAF フッ化テトラブチルアンモニウム
tBu,t−Bu tert−ブチル
tBuOH,t−BUOH tert−ブタノール
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TMS テトラメチルシラン。
【0082】
式Aで示される化合物(式中、RおよびRは式Iと同様に定義される)は、スキーム1で示されるようにして製造することができる。まず、ピペラジン中間体 IIをハロゲン化プロパルギルでN−アルキル化して、中間体IIIを得てもよく、続いて、様々なアリール(ハロゲン化アリール)を用いて薗頭(Sonogashira)カップリングを行い(Miki,Y.,Momotake,A.,Arai,T.:Org.Biomol.Chem.,2003年,1,2655〜2660を参照)、生成物Aを得てもよい。
【0083】
【化3】

【0084】
また、この反応は、シングルポットで、アミン、ヨウ化アリールおよびアセチレンを混合し(固形のピペラジンの可溶化を補助するために少量のDCMを用いる)、必要なパラジウムおよび銅触媒の存在下で60〜100℃のような温度で加熱することによって達成してもよい。このピペラジンはそれ自身アミン塩基として作用する場合もあり、そのため、追加の塩基(例えばトリエチルアミン)の必要性をなくすことができる。
【0085】
あるいは、式Aで示される化合物は、式IIで示されるアミンと、適切な式IVで示されるハロゲン化プロパルギル(スキーム1b)との反応によって製造することができる。このプロパルギルハロゲン化物の中間体IV(X=Cl、BrまたはI)は、当業界で確立されているプロセスを利用して対応するプロパルギルアルコール誘導体から製造することができる(例えば、PBr,CBr,NBS,NCS)。様々なプロパルギルアルコール誘導体が、芳香族ハロゲン化物とプロパ−2−イン−1−オールとの薗頭カップリングから順に得ることができる。
【0086】
【化4】

【0087】
式Bで示される化合物(式中、R、RおよびRは式Iと同様に定義される)は、近年公開された、水中、触媒条件下でのアルデヒド、アルキンおよびピペラジン(アミン)の3成分カップリング(スキーム2a)を用いて製造することができる。上記カップリングに作用可能な触媒としては、例えば、AuBrs、AuCl、Aul、Agl、および、AgBrが挙げられる(Wei,C.Li,C−J.:J.Am.Chem.Soc.2003,125,9584〜9585;Wei,C.,Zigang,L.,Li,C−J.:Org.Lett 2003,5,4473〜4475を参照)。
【0088】
【化5】

【0089】
また、スキーム2aは、銅塩を用いて高周波レンジで行われてもよい;これは、金または銀塩を用いるアプローチよりも費用効率が高いという利点がある(Shi,L.;Tu,Y.−Q.;Wang,M.;Zhang,F.−M.;Fan,C.−H.Organic Letters 2004,6,1001〜1003を参照)。
【0090】
あるいは、式Bで示される化合物(式中、RはCOOR)はまた、中間体Vから得ることもでき、この中間体Vは、上述の3成分カップリング条件下で堆積させることによって、または、スキーム1(式中、R:=H)と同様にハロゲン化プロパルギルを排出することによって、適切に保護された前駆体(例えばBocで保護されたピペラジン)を用いて誘導することができる。その後、得られたピペラジン中間体Vを、適切な溶媒中で、塩基の存在下で、多種多様なクロロギ酸で処理し、最終的な化合物Bを得てもよい(スキーム2b)。
【0091】
【化6】

【0092】
以下のスキーム3で示されるようにマスキング基Gがアセチレンに結合している状況において、マスクされたアセチレンは、適切なR基を含むピペラジン誘導体にカップリングさせてもよく、アセチレンがマスクされた中間体VIIを得ることができる。それに続くG基の除去、続いて異なるハロゲン化アリールとの薗頭カップリングにより、一般式 Bで示される化合物が生成する。
【0093】
【化7】

【0094】
化合物Bへの合成アプローチにおける変形法では、保護されたピペラジンを用いて開始し、続いて即座に脱保護し、多能な中間体ピペラジンVIを得ることができる。式Bで示される化合物(式中、RはCOOR)は、クロロギ酸を介したCOORの導入によって形成することができ、それにより、中間体VIIを提供することができ、これを次に、アセチレンの脱マスキング、それに続く薗頭カップリングによって様々なアリール基を導入するのに用いることができる。スキーム3で概説したスキーム3で概説したアプローチにおいて、Gは、一時的なマスキング基(例えば、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル)であり、これらはMeOH中のフッ化テトラブチルアンモニウムまたはKCOで除去することができる。
【0095】
式Iで示される化合物(式中、M=CO)は、触媒(例えばDMAP)の存在下で、極性非プロトン性溶媒(例えばDMF)中で、カップリング試薬(例えばEDCI)を用いて、アリールプロピオル酸と適切なピペラジンとをカップリングすることによって製造してもよい。
【0096】
【化8】

【0097】
式Iで示される化合物(式中、M=CMe)は、適切なピペラジンを用いて第三プロパルギル塩化物を銅触媒によりアルキル化し、それにより転位させることなくプロパルギルピペラジンを形成し(Zaragoza,F.;Stephensen,H.;Knudsen,S.M.;Pridal,L.;Wulff,B.S.;Rimvall,K.J Med.Chem.2004,47,2833〜2838を参照)、それに続いて、パラジウム触媒(例えばビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)塩化物)を用いて、銅塩(例えばヨウ化銅(I))、および、アミン塩基(例えばトリエチルアミン)の存在下で、臭化またはヨウ化アリールににカップリングすることによって製造してもよい。
【0098】
【化9】

【0099】
ここで、以下の非限定的な実施例によって本発明を説明する。
一般的な方法
全ての出発原料は、市販のものか、または、以前に文献で説明されているものである。Hおよび13CNMRスペクトルは、ブルカー(Bruker)300、ブルカーDPX400、または、バリアン(Varian)+400スペクトロメーターのいずれかで、H NMRに関してそれぞれ300、400および400MHzで運転して、特に他の指定がない限り、溶媒として重水素化クロロホルム中で、参照としてTMSまたは残留溶媒シグナルを用いて記録した。報告された全ての化学シフトは、記録にみられるような、デルタスケールのppm、シグナルの微細なストリッピング(s:一重項、br s:幅広の一重項、d:二重項、t:三重項、q:四重項、m:多重項)で示される。分析インライン液体クロマトグラフィー分離、それに続くマススペクトル検出を、アライアンス(Alliance)2795(LC)、および、ZQシングル四重極マススペクトロメーターで構成されるウォーターズ(Waters)LCMSで記録した。このマススペクトロメーターに、陽および/または陰イオンモードで稼動するエレクトロスプレーイオン源を備え付けた。イオンスプレー電圧を±3kVとし、上記マススペクトロメーターを、スキャン時間0.8秒でm/z100〜700からスキャンした。カラムのX−テラMS(X−Terra MS)(ウォーターズ,C8,2.1×50mm,3.5mm)に、10mM酢酸アンモニウム(水溶液)、または、0.1%TFA(水溶液)中の、5%〜100%アセトニトリルの直線状勾配をアプライした。
【0100】
分取用逆相クロマトグラフィーを、カラムとしてX−テラMS(C8,19×300mm,7mm)を用いて、ダイオードアレイ検出器を備えたギルソン(Gilson)自動分取用HPLCで行った。
【0101】
クロマトトロンによる精製を、TCリサーチ(research)7924Tクロマトトロンを用いて、回転するシリカゲル/石膏(メルク(Merck),60PF−254,硫酸カルシウムを使用)でコーティングした板ガラス(1、2または4mmのコーティング層を有する)上で行った。また、フラッシュクロマトグラフィーによって、シリカ充填ガラス製カラム、または、バリアン(Varian)製のシリカゲル(Mega BE−SI 5G、または、10G)が予め充填されたSPEカートリッジ中で生成物の精製も行なった。
【0102】
マイクロ波による加熱を、2450MHzでの連続照射を生産するスミス(Smith)シンセサイザーのシングルモードマイクロ波キャビティーで行った(パーソナル・ケミストリー社(Personal Chemistry AB),ウプサラ,スウェーデン)。
【0103】
以下の化合物をスキーム1に従って合成した。
実施例1:4−プロパ−2−イニル−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
CO(11.6g,84.0mmol)の0℃に冷却したアセトニトリル中の撹拌懸濁液に、ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル(31.0ml,210mmol)、それに続いて、臭化プロパルギル(3.75mL,34mmol)を添加した。この反応液を1.5時間撹拌させた。反応混合物をCHClで希釈し、水、続いてブラインで洗浄し、それに続いて、硫酸ナトリウム(無水)上で乾燥させた。未精製の有機生成物を真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、定量的な収率の生成物を黄色の油状物質として得た。1H NMR (CDCl3) δ(ppm): 4.14 (q, 2H), 3.51(t, 4H), 3.33 (d, 2H), 2.53 (t, 4H), 2.28 (t, 1H) 1.27 (t, 3H)。
【0104】
実施例2:4−[3−(3−クロロ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
Miki,Y.,Momotake,A.,Aral,T.:Org.Biomol Chem.,2003,1,2655〜2660を参照。トリエチルアミン(5mL)中の4−プロパ−2−イニル−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル(0.10g,0.55mmol)、メタクロロヨードベンゼン(0.089mL,0.72mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)塩化物(19mg,0.03mmol)、および、ヨウ化銅(11mg,0.06mmol)の混合物を40℃で19時間撹拌した。反応混合物を水に注入し、EtOAcで抽出した。有機層を、飽和NHCl溶液、続いてブラインで洗浄し、続いて乾燥させ(NaSO)、ろ過し、シリカゲル上で濃縮した。クロマトグラフィー(SPE)には、溶出液として1:1のEtOAc/CHClを用いた。H NMRによれば、トリエチルアミンが残存していることが示された。粗生成物をヘキサンで2回粉砕し、高真空下で濃縮し、続いて第二の抽出を行った(EtOAcおよびNHCl)。再度、クロマトグラフィー(SPE)で、30%EtOAc/ヘキサン、続いて100%EtOAcで溶出させ、32mg(19%)の望ましい化合物を黄色の油状物質として得た。1H NMR (CDCl3) δ(ppm): 7.43 (td, 1H), 7.25-7.33 (m, 3H), 4.16 (q, 2H), 3.55-3.58 (m, 6H), 2.60 (t, 4H), 1.28 (t, 3H)。
【0105】
実施例3:4−(3−フェニル−プロパ−2−イニル)−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
トリエチルアミン(5mL)中の4−プロパ−2−イニル−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル(0.10g,0.55mmol)、ヨードベンゼン(0.064mL,0.57mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)塩化物(15mg,0.02mmol)、および、ヨウ化銅(8mg,0.04mmol)の混合物を40℃で19時間撹拌した。反応混合物を水に注入し(20mL)、EtOAc(50mL)で抽出した。有機層を、飽和NHCl溶液(4×20mL)、続いてブライン(20mL)で洗浄し、続いて乾燥させ(NaSO)、ろ過し、シリカゲル上で濃縮した。溶出液として40〜70%EtOAc/ヘキサンを用いたクロマトグラフィー(SPE)により、75mg(63%)の望ましい化合物を黄色の油状物質として得た。1H NMR(CDCl3) δ(ppm): 7.42-7.46 (m, 2H), 7.30-7.33 (m, 3H), 4.16 (q, 2H), 3.53-3.60 (m, 6H), 2.61 (t, 4H), 1.28 (t, 3H)。
【0106】
実施例4:4−[3−(3−シアノ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
トリエチルアミン(5mL)中の4−プロパ−2−イニル−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル(0.10g,0.55mmol)、3−ヨード−ベンゾニトリル(benonitrile)(0.16g,0.70mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)塩化物(19mg,0.03mmol)、および、ヨウ化銅(11mg,0.06mmol)の混合物を40℃で19時間撹拌した。反応混合物を水に注入し(25mL)、EtOAc(50mL)で抽出した。有機層を、飽和NHCl溶液(4×15mL)、続いてブライン(20mL)で洗浄し、続いて乾燥させ(NaSO)、ろ過し、シリカゲル上で濃縮した。30〜70〜100%EtOAc/ヘキサンで溶出させたクロマトグラフィー(SPE)により、75mg(46%)の望ましい化合物を黄色の油状物質として得た。1H NMR (CDCl3) δ(ppm): 7.70-7.73 (m, 1H), 7.65 (dt, 1H), 7.60 (dt, 1H), 7.44 (td, 1H), 4.16 (q, 2H), 3.51-3.60 (m, 6H), 2.60 (t, 4H), 1.28 (t, 3H)。
【0107】
実施例5:4−(3−m−トリル−プロパ−2−イニル)−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
トリエチルアミン(5mL)中の4−プロパ−2−イニル−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル(0.10g,0.55mmol)、1−ヨード−3−メチルベンゼン(0.150mL,1.17mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)塩化物(19mg,0.03mmol)、および、ヨウ化銅(11mg,0.06mmol)の混合物を40℃で19時間撹拌した。反応混合物を水に注入し(25mL)、EtOAc(50mL)で抽出した。有機層を、飽和NHCl溶液(4×15mL)、続いてブライン(20mL)で洗浄し、続いて乾燥させ(NaSO)、ろ過し、シリカゲル上で濃縮した。30〜100%EtOAc/ヘキサンで溶出させたクロマトグラフィー(SPE)により、97mg(62%)の望ましい化合物を黄色の油状物質として得た。1H NMR (CDCl3) δ(ppm): 7.11-7.29(m, 4H), 4.16(q, 2H), 3.52-3.60(m, 6H), 2.61(t, 4H), 2.34(s, 3H), 1.28(t, 3H)。
【0108】
実施例6:4−[3−(3−メトキシ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
トリエチルアミン(5mL)中の4−プロパ−2−イニル−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル(0.10g,0.55mmol)、1−ヨード−3−メトキシ−ベンゼン(0.100mL,0.84mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)塩化物(19mg,0.03mmol)、および、ヨウ化銅(11mg,0.06mmol)の混合物を40℃で19時間撹拌した。反応混合物を水に注入し(25mL)、EtOAc(50mL)で抽出した。有機層を、飽和NHCl溶液(4×15mL)、続いてブライン(20mL)で洗浄し、続いて乾燥させ(NaSO)、ろ過し、シリカゲル上で濃縮した。30〜100%EtOAc/ヘキサンで溶出させたクロマトグラフィー(SPE)により、84mg(51%)の望ましい化合物を黄色の油状物質として得た。1H NMR (CDCl3) δ(ppm): 7.23(t, J=8Hz, 1H), 7.04(dt,J=8, 1Hz, 1H), 6.98(dd,J=3, 2Hz, 1H), 6.89(ddd, J=8, 3, 1Hz, 1H), 4.16(q, J=7Hz, 2H), 4.16(q, J=7Hz, 2H), 3.82(s, 3H), 3.52-3.60(m, 6H), 2.61(t, J=5Hz, 4H), 1.28(t, J=7Hz, 3H)。
【0109】
実施例7:4−[3−(5−シアノ−2−フルオロ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
Hundertmark,T.,Littke,A.F.,Buchwald,S.L,Fu,G.C.:Org.Lett. 2000,2,12,1729〜1731を参照。4−プロパ−2−イニル−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル(0.22g,0.96mmol)、3−ブロモ−4−フルオロベンゾニトリル(0.23g,1.2mmol)、および、ジイソプロピルアミン(0.17mL,1.2mmol)をジオキサン(1mL)に溶解させ、この溶液をアルゴンで〜10分間脱気した。ビス(シアン酸メチル)パラジウム(II)塩化物(12mg,0.05mmol)、ヨウ化銅(4mg,0.02mmol)、および、トリ−tert−ブチルホスフィン(0.014mL,0.06mmol)を添加し、この反応液を密封し、16時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(5mL)で希釈し、EtOAcを用いてセライトを通過させてろ過した。有機層をNHCl溶液(4×10mL)で洗浄し、続いて乾燥させ(NaSO)、ろ過し、シリカゲル上で濃縮した。30〜50%EtOAc/ヘキサンで溶出させたクロマトグラフィー(SPE)により、137mg(45%)の表題の化合物を黄色の油状物質として得た。1H NMR (CDCl3) δ(ppm): 7.75(dd, 1H), 7.2(ddd, 1H), 7.21(t, 1H), 4.16(q, 2H), 3.62(s, 2H), 3.57(t, 4H), 2.61(t, 4H), 1.28(t, 3H)。
【0110】
実施例8:4−[3−(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
4−プロパ−2−イニル−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル(0.22g,0.96mmol)、3−ブロモ−4−フルオロトルエン(0.14mL,1.2mmol)、および、ジイソプロピルアミン(0.17mL,1.2mmol)を、ジオキサン(1mL)に溶解させ、この溶液をアルゴンで〜10分間脱気した。ビス(シアン酸メチル)パラジウム(II)塩化物(12mg,0.05mmol)、ヨウ化銅(4mg,0.02mmol)、および、トリ−tert−ブチルホスフィン(0.014mL,0.06mmol)を添加し、この反応液を密封し、16時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(5mL)で希釈し、EtOAcを用いてセライトを通過させてろ過した。有機層を、NHCl溶液(4×10mL)で洗浄し、続いて乾燥させ(NaSO)、ろ過し、シリカゲル上で濃縮した。30〜50%EtOAc/ヘキサンで溶出させたクロマトグラフィー(SPE)により、44mg(15%)の表題の化合物を黄色の油状物質として得た。1H NMR (CDCl3) δ(ppm): 7.23(dd, 1H), 7.05-7.12(m, 1H), 6.95(t, 1H), 4.16(q, 2 H), 3.60(s, 2H), 3.57(t, 4H), 2.62(t, 4H), 2.30(s, 3H), 1.28(t, 3 H)。
【0111】
実施例9:4−[3−(5−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
4−プロパ−2−イニル−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル(0.22g,0.96mmol)、2−ブロモ−1−クロロ−1−フルオロベンゼン(0.14mL,1.2mmol)、および、ジイソプロピルアミン(0.17mL,1.2mmol)を、ジオキサン(1mL)に溶解させ、この溶液をアルゴンで〜10分間脱気した。ビス(シアン酸メチル)パラジウム(II)塩化物(12mg,0.05mmol)、ヨウ化銅(4mg,0.02mmol)、および、トリ−tert−ブチルホスフィン(0.014mL,0.06mmol)を添加し、この反応液を密封し、16時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(5mL)で希釈し、EtOAcを用いてセライトを通過させてろ過した。有機層を、NHCl溶液(4×10mL)で洗浄し、続いて乾燥させ(NaSO)、ろ過し、シリカゲル上で濃縮した。30〜50%EtOAc/ヘキサンで溶出させたクロマトグラフィー(SPE)により、113mg(36%)の表題の化合物を黄色の油状物質として得た。1H NMR (CDCl3) δ(ppm): 7.41(dd, 1H), 7.26(ddd, 1H), 7.02(t, 1H), 4.16(q, 2H), 3.60(s, 2 H), 3.56(t, 4H), 2.61(t, 4H), 1.28(t, 3H)。
【0112】
以下の化合物をスキーム2に従って合成した。
実施例10:4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−メチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
加圧フラスコ中で、水(2.5mL)をアルゴンで10分間脱酸素した。3−クロロ−1−エチニル−ベンゼン(1.0g,3.7mmol)、エチル−1−ピペリジンカルボキシラート(0.4mL,2.7mmol)、臭化金(III)(触媒性)、および、アセトアルデヒド(0.14mL,2.4mmol)を添加し、この反応液を100℃に加熱し、密封し、16時間撹拌した。反応混合物を、EtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、続いて乾燥させ(NaSO)、ろ過し、シリカゲル上で濃縮した。30%EtOAc/ヘキサンで溶出させたクロマトグラフィー(シリカゲル〜30g)により、51mg(6.6%)の表題の化合物を茶色の油状物質として得た。1H NMR (CDCl3) δ(ppm): 7.42(m, 1H), 7.21=7.34(m, 3H), 4.16(q, 2H), 3.74(q, 1H), 3.45-3.64(m, 4H), 2.67-2.77(m, 2H), 2.46-2.58(m, 2H), 1.45(d, 3 H), 1.28(t, 3 H)。
【0113】
実施例11:4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
バイアル中で水(2.5mL)をアルゴンで1分間脱酸素した。3−クロロ−1−エチニル−ベンゼン(1.0g,7.3mmol)、エチル−1−ピペリジンカルボキシラート(0.4mL,2.7mmol)、臭化金(III)(30mg,0.03mmol)、および、プロピオンアルデヒド(0.26mL,3.7mmol)を添加し、この反応液を100℃に加熱し、密封し、69時間撹拌した。反応混合物を、EtOAc(40mL)で抽出し、ブラインで洗浄し(10mL)、続いて乾燥させ(NaSO)、ろ過し、シリカゲル上で濃縮した。0〜30%EtOAc/ヘキサンで溶出させたクロマトグラフィー(SPE)により、0.31g(34%)の表題の化合物を茶色の油状物質として得た。1H NMR(CDCl3) δ(ppm): 7.42(td, 1H), 7.21-7.34(m, 3H), 4.16(q, 2H), 3.42-3.62(m, 5H), 2.64-2.75(m, 2H), 2.45-2.55(m, 2H), 1.76(m, 2H), 1.28(t, 3H), 1.08(t, 3H)。
【0114】
実施例12:4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−イソプロピル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
バイアル中で水(2.5mL)をアルゴンで1分間脱酸素した。3−クロロ−1−エチニル−ベンゼン(1.0g,7.3mmol)、エチル−1−ピペリジンカルボキシラート(0.4mL,2.7mmol)、臭化金(III)(30mg,0.03mmol)、および、2−メチルプロピオンアルデヒド(0.33mL,3.7mmol)を添加し、この反応液を100℃に加熱し、密封し、69時間撹拌した。反応混合物を、EtOAc(40mL)で抽出し、ブラインで洗浄し(10mL)、次に、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、シリカゲル上で濃縮した。0〜30%EtOAc/ヘキサンで溶出させたクロマトグラフィー(SPE)により、0.63g(66%)の表題の化合物を茶色の油状物質として得た。1H NMR(CDCl3) δ(ppm): 7.42(t, 1H), 7.21-7.34(m, 3H), 4.16(q, 2H), 3.43-3.61(m, 4H), 2.60-2.71(m, 2H), 2.40-2.51(m, 2H), 1.84-1.98(m, 1H), 1.28(t, 3H), 1.12(d, 3H), 1.04(d, 3 H)。
【0115】
実施例13:4−[1−tert−ブチル−3−(3−クロロ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
バイアル中で水(2.5mL)をアルゴンで1分間脱酸素した。3−クロロ−1−エチニル−ベンゼン(1.0g,7.3mmol)、エチル−1−ピペリジンカルボキシラート(0.4mL,2.7mmol)、臭化金(III)(30mg,0.03mmol)、および、2,2−ジメチルプロピオンアルデヒド(0.40mL,3.7mmol)を添加し、この反応液を100℃に加熱し、密封し、69時間撹拌した。反応混合物を、EtOAc(40mL)で抽出し、ブラインで洗浄し(10mL)、続いて乾燥させ(NaSO)、ろ過し、シリカゲル上で濃縮した。5〜30%EtOAc/ヘキサンで溶出させたクロマトグラフィー(SPE)により、0.19g(19%)の表題の化合物を黄色の油状物質として得た。1H NMR(CDCl3) δ(ppm): 7.42(td, 3=2, 0.5Hz, 1H), 7.21-7.34(m, 3H), 4.15(q,J=7Hz, 2H), 3.42-3.58(m, 4H), 3.16(s, 1H), 2.70-2.80(m, 2H), 2.48-2.58(m, 2H), 1.28(t, J=7Hz, 3 H), 1.05(s, 9H)。
【0116】
実施例14:4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−フェニル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
バイアル中で水(2.5mL)をアルゴンで1分間脱酸素した。3−クロロ−1−エチニル−ベンゼン(1.0g,7.3mmol)、エチル−1−ピペリジンカルボキシラート(0.4mL,2.7mmol)、臭化金(III)(30mg,0.03mmol)、および、ベンズアルデヒド(0.37mL,3.7mmol)を添加し、この反応液を100℃に加熱し、密封し、69時間撹拌した。反応混合物を、EtOAc(40mL)で抽出し、ブラインで洗浄し(10mL)、続いて乾燥させ(NaSO)、ろ過し、シリカゲル上で濃縮した。5〜30%EtOAc/ヘキサンで溶出させたクロマトグラフィー(SPE)により、0.72g(69%)の表題の化合物を茶色の油状物質として得た。1H NMR(CDCl3) δ(ppm): 7.62(m, 2H), 7.51(td, 1H), 7.25-7.44(m, 6H), 4.87(s, 1H), 4.15(q, 2H), 3.44-3.59(m, 4H), 2.59(t, 4H), 1.28(t, 3H)。
【0117】
実施例15:4−[1−(3−クロロ−フェニルエチニル)−ブチル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
バイアル中で水(0.5mL)をアルゴンで1分間脱酸素した。3−クロロ−1−エチニル−ベンゼン(0.18mL,1.5mmol)、エチル−1−ピペリジンカルボキシラート(0.16mL,1.1mmol)、臭化金(III)(6mg,0.03mmol)、および、ブチルアルデヒド(0.13mL,1.5mmol)を添加し、この反応液を100℃に加熱し、密封し、16時間撹拌した。反応混合物を、EtOAc(40mL)で抽出し、ブラインで洗浄し(10mL)、続いて乾燥させ(NaSO)、ろ過し、シリカゲル上で濃縮した。20%EtOAc/ヘキサンで溶出させたクロマトグラフィー(SPE)により、0.14g(38%)の表題の化合物を茶色の油状物質として得た。1H NMR(CDCl3) δ(ppm): 7.42(td, 1H), 7.21-7.33(m, 3H), 4.16(q, 2H), 3.46-3.61(m, 5H), 2.64-2.74(m, 2H), 2.45-2.55(m, 2H), 1.40-1.78(m, 4 H), 1.28(t, 3H), 0.98(t, 3H)。
【0118】
実施例16:4−[1−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−メチル−ブチル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
バイアル中で水(0.5mL)をアルゴンで1分間脱酸素した。3−クロロ−1−エチニル−ベンゼン(0.18mL,1.5mmol)、エチル−1−ピペリジンカルボキシラート(0.16mL,1.1mmol)、臭化金(III)(6mg,0.03mmol)、および、イソバレルアルデヒド(0.16mL,1.5mmol)を添加し、この反応液を100℃に加熱し、密封し、16時間撹拌した。反応混合物を、EtOAc(40mL)で抽出し、ブラインで洗浄し(10mL)、続いて乾燥させ(NaSO)、ろ過し、シリカゲル上で濃縮した。20%EtOAc/ヘキサンで溶出させたクロマトグラフィー(SPE)により、92mg(23%)の表題の化合物を茶色の油状物質として得た。1H NMR (CDCl3) δ(ppm): 7.41(m, 1H), 7.21-7.33(m, 3H), 4.16(q, 2H), 3.45-3.68(m, 5H), 2.64-2.74(m, 2H), 2.45-2.55(m, 2H), 1.89(m, 1H), 1.51-1.72(m, 2H), 1.28(t, 3 H), 0.98(t, 6H)。
【0119】
実施例17:4−[1−ベンジルオキシメチル−3−(3−クロロ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
バイアル中で水(0.5mL)をアルゴンで1分間脱酸素した。3−クロロ−1−エチニル−ベンゼン(0.18mL,1.5mmol)、エチル−1−ピペリジンカルボキシラート(0.16mL,1.1mmol)、臭化金(III)(6mg,0.03mmol)、および、ベンジルオキシアセトアルデヒド(0.20mL,1.5mmol)を添加し、この反応液を100℃に加熱し、密封し、16時間撹拌した。反応混合物を、EtOAc(40mL)で抽出し、ブラインで洗浄し(10mL)、続いて乾燥させ(NaSO)、ろ過し、シリカゲル上で濃縮した。20%EtOAc/ヘキサンで溶出させたクロマトグラフィー(SPE)により、56mg(12%)の表題の化合物を茶色の油状物質として得た。1H NMR (CDCl3) δ(ppm): 7.21-7.42(m, 9H), 4.65(d, 2H), 4.16(q, 2H), 3.92(dd, 1H), 3.48-3.76(m, 4H), 2.63-2.72(m, 2H), 2.51-2.60(m, 2H), 1.28(t, 3H)。
【0120】
実施例18:4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−シクロプロピル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
バイアル中で水(1mL)をアルゴンで1分間脱酸素した。3−クロロ−1−エチニル−ベンゼン(0.166g,1.2mmol)、エチル−1−ピペリジンカルボキシラート(0.226g,1.4mmol)、臭化金(III)(30mg,0.17mmol)、および、シクロプロパンカルボキシアルデヒド(0.100mL,1.4mmol)を添加し、この反応液を100℃に加熱し、密封し、16時間撹拌した。反応混合物を、EtOAc(40mL)で抽出し、ブラインで洗浄し(10mL)、続いて乾燥させ(NaSO)、ろ過し、シリカゲル上で濃縮した。10%EtOAc/ヘキサンで溶出させたクロマトグラフィー(SPE)により、0.344g(83%)の表題の化合物を茶色の油状物質として得た。1H NMR (CDCl3) δ(ppm): 7.40(dd, 1 H), 7.27(m, 3 H), 4.15(q, 2H), 3.62(d, 1H), 3.54(m, 4H), 3.99(m, 2H), 2.80(m, 2H), 2.56(m, 2H), 1.28(d, 3H), 1.11(m, 1H), 0.57(m, 3H), 0.42(m, 1H)。
【0121】
実施例19:4−[1−(3−クロロ−フェニルエチニル)−ペンチル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
バイアル中で水(0.5mL)をアルゴンで1分間脱酸素した。3−クロロ−1−エチニル−ベンゼン(0.18mL,1.5mmol)、エチル−1−ピペリジンカルボキシラート(0.16mL,1.1mmol)、臭化金(III)(6mg,0.03mmol)、および、バレルアルデヒド(0.16mL,1.5mmol)を添加し、この反応液を100℃に加熱し、密封し、16時間撹拌した。反応混合物を、EtOAc(40mL)で抽出し、ブラインで洗浄し(10mL)、続いて乾燥させ(NaSO)、ろ過し、シリカゲル上で濃縮した。10%EtOAc/ヘキサンで溶出させたクロマトグラフィー(SPE)により、0.22g(55%)の表題の化合物を茶色の油状物質として得た。1H NMR (CDCl3) δ(ppm): 7.42(td, 1H), 7.21-7.33(m, 3H), 4.16(q, 2H), 3.45-3.62(m, 5H), 2.64-2.74(m, 2H), 2.45-2.56(m, 2H), 1.68-1.78(rn, 2 H), 1.32-1.58(m, 4H), 1.28(t, 3 H), 0.95(t, 3H)。
【0122】
実施例20:4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−チオフェン−2−イル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
バイアル中で水(0.5mL)をアルゴンで1分間脱酸素した。3−クロロ−1−エチニル−ベンゼン(0.18mL,1.5mmol)、エチル−1−ピペリジンカルボキシラート(0.16mL,1.1mmol)、臭化金(III)(6mg,0.03mmol)、および、チオフェン2−カルバルデヒド(0.14mL,1.5mmol)を添加し、この反応液を100℃に加熱し、密封し、16時間撹拌した。反応混合物を、EtOAc(40mL)で抽出し、ブラインで洗浄し(10mL)、続いて乾燥させ(NaSO)、ろ過し、シリカゲル上で濃縮した。10%EtOAc/ヘキサンで溶出させたクロマトグラフィー(SPE)により、83mg(20%)の表題の化合物を茶色の油状物質として得た。1H NMR (CDCl3) δ(ppm): 7.40(td, 1H), 7.26-7.34(m, 3H), 7.23(dt, 1H), 7.00(dd, 1H), 5.06(d, 1 H), 4.16(q, 2H), 3.54(m, 4H), 2.64(m, 4H), 1.28(t, 3H)。
【0123】
実施例21:4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−チオフェン−3−イル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
バイアル中で水(0.5mL)をアルゴンで1分間脱酸素した。3−クロロ−1−エチニル−ベンゼン(0.18mL,1.5mmol)、エチル−1−ピペリジンカルボキシラート(0.16mL,1.1mmol)、臭化金(III)(6mg,0.03mmol)、および、チオフェン3−カルバルデヒド(0.14mL,1.5mmol)を添加し、この反応液を100℃に加熱し、密封し、16時間撹拌した。反応混合物を、EtOAc(40mL)で抽出し、ブラインで洗浄し(10mL)、続いて乾燥させ(NaSO)、ろ過し、シリカゲル上で濃縮した。10%EtOAc/ヘキサンで溶出させたクロマトグラフィー(SPE)により、93mg(22%)の表題の化合物を茶色の油状物質として得た。1H NMR (CDCl3) δ(ppm): 7.49(td, 1H), 7.43(dt, 1H), 7.25-7.36(m, 3H), 7.24(dd, 1H), 4.89(d, 1H), 4.15(q, 2H), 3.52(m, 4H), 2.59(t, 4H), 1.27(t, 3H)。
【0124】
実施例22:4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−フラン−2−イル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
バイアル中で水(0.5mL)をアルゴンで1分間脱酸素した。3−クロロ−1−エチニル−ベンゼン(0.18mL,1.5mmol)、エチル−1−ピペリジンカルボキシラート(0.16mL,1.1mmol)、臭化金(III)(6mg,0.03mmol)、および、チオフェン3−カルバルデヒド(0.14mL,1.5mmol)を添加し、この反応液を100℃に加熱し、密封し、16時間撹拌した。反応混合物を、EtOAc(40mL)で抽出し、ブラインで洗浄し(10mL)、続いて乾燥させ(NaSO)、ろ過し、シリカゲル上で濃縮した。10%EtOAc/ヘキサンで溶出させたクロマトグラフィー(SPE)により、0.12g(29%)の表題の化合物を茶色の油状物質として得た。1H NMR (CDCl3) δ(ppm): 7.49(td, 1H), 7.46(dd, 1H), 7.25-7.40(m, 3H), 6.51(dt, 1H), 6.39(dd, 1H), 4.15(q, 2H), 4.94(s, 1H), 3.56(m, 4H), 2.62(m, 4H), 1.27(t, 3H)。
【0125】
実施例23:4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
バイアル中で水(0.5mL)をアルゴンで1分間脱酸素した。3−クロロ−1−エチニル−ベンゼン(0.18mL,1.5mmol)、ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.20g,1.1mmol)、臭化金(III)(6mg,0.03mmol)、および、プロピオンアルデヒド(0.10mL,1.5mmol)を添加し、この反応液を100℃に加熱し、密封し、16時間撹拌した。反応混合物を、EtOAc(40mL)で抽出し、ブラインで洗浄し(10mL)、次に、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、シリケート上で濃縮した。30%EtOAc/ヘキサンで溶出させたクロマトグラフィー(SPE)により、11mg(3%)の表題の化合物を茶色の油状物質としてを得た。1H NMR (CDCl3) δ(ppm): 7.42(m, 1H), 7.21-7.35(m, 3H), 3.40-3.56(m, 5H), 2.62-2.73(m, 2H), 2.37-2.55(m, 2H), 1.76(m, 2H), 1.48(s, 9H), 1.08(t, 3H)。
【0126】
実施例24:1−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.29g,0.78mmol)を、CHCl(1mL)に溶解させ、0℃に冷却した。TFA(1mL,13.5mmol)をゆっくり添加し、この反応液を室温に温めながら45分間撹拌した。反応混合物を、飽和NaHCO溶液(30mL)に注入し、CHCl(2×40mL)で抽出し、続いて乾燥させ(NaSO)、ろ過し、シリカゲル上で濃縮した。80%EtOAc/ヘキサン、続いてMeOH/EtOAc中の15〜20%2.0MのNHで溶出させたクロマトグラフィー(SPE)により、0.17g(83%)の表題の化合物を黄色の油状物質として得た。1H NMR (CDCl3) δ(ppm): 7.44(td, 1H), 7.34(dt, 1H), 7.21-7.29(m, 2H), 4.48(bs, 1H), 3.43(t, 1H), 3.00-3.16(m, 4H), 2.76-2.87(m, 2H), 2.55-2.70(m, 2H), 1.74(m, 2H), 1.07(t, 3H)。
【0127】
実施例25:4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル
1−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン(40mg,0.15mmol)、および、トリエチルアミン(0.064mL,0.46mmol)を、CHCl(〜2mL)に溶解させ、室温で撹拌した。イソプロピルクロロホルメート(1.0M溶液,0.23mL,0.23mmol)を添加し、この反応液を室温で3時間撹拌した。過量のトリエチルアミン/CHClを蒸発させ、残留物を、EtOAc(15mL)に溶解させ、水(3×10mL)、および、ブライン(10mL)で洗浄した。30%EtOAc/ヘキサンで溶出させたクロマトグラフィー(SPE)により、19mg(36%)の表題の化合物を黄色の油状物質として得た。1H NMR (CDCl3) δ(ppm): 7.42(td, 1H), 7.21-7.33(m, 3H), 4.94(7, 1H), 3.42-3.60(m, 5H), 2.64-2.74(m, 2H), 2.47-2.56(m, 2H), 1.76(m, 2H), 1.26(d, 6H), 1.08(t, 3H)。
【0128】
実施例26:4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸プロピルエステル
1−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン(40mg,0.15mmol)、および、トリエチルアミン(0.064mL,0.46mmol)を、CHCl(〜2mL)に溶解させ、室温で撹拌した。N−プロピルクロロホルメート(0.027mL,0.23mmol)を添加し、この反応液を室温で3時間撹拌した。過量のトリエチルアミン/CHClを蒸発させ、残留物を、EtOAc(15mL)に溶解させ、水(3×10mL)、および、ブライン(10mL)で洗浄した。30%EtOAc/ヘキサンで溶出させたクロマトグラフィー(SPE)により、11mg(20%)の表題の化合物を黄色の油状物質として得た。1H NMR (CDCl3) δ(ppm): 7.42(td, 1H), 7.21-7.33(m, 3H), 3.88(d, 2H), 3.43-3.62(m, 5H), 2.64-2.74(m, 2H), 2.46-2.55(m, 2H), 2.46-2.55(m, 2H), 1.61-1.82(m, 4H), 0.96(t, 3H)。
【0129】
実施例27:4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸イソブチルエステル
1−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン(40mg,0.15mmol)、および、トリエチルアミン(0.064mL,0.46mmol)を、CHCl(〜2mL)に溶解させ、室温で撹拌した。イソブチルクロロホルメート(0.030mL,0.23mmol)を添加し、この反応液を室温で3時間撹拌した。過量のトリエチルアミン/CHClを蒸発させ、残留物を、EtOAc(15mL)に溶解させ、水(3×10mL)、および、ブライン(10mL)で洗浄した。30%EtOAc/ヘキサンで溶出させたクロマトグラフィー(SPE)により、24mg(44%)の表題の化合物を黄色の油状物質として得た。1H NMR (CDCl3) δ(ppm): 7.42(td, 1H), 7.21-7.33(m, 3H), 3.88(d, 2H), 3.43-3.62 m, 5H), 2.65-2.74(m, 2H), 2.46-2.56(m, 2H), 1.95(m, 1H), 1.76(m, 2H), 1.08(t, 3H), 0.95(d,.6H)。
【0130】
実施例29:4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸ブチルエステル
1−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン(40mg,0.15mmol)、および、トリエチルアミン(0.064mL,0.46mmol)を、CHCl(〜2mL)に溶解させ、室温で撹拌した。N−ブチルクロロホルメート(0.029mL,0.23mmol)を添加し、この反応液を室温で3時間撹拌した。過量のトリエチルアミン/CHClを蒸発させ、残留物を、EtOAc(15mL)に溶解させ、水(3×10mL)、および、ブライン(10mL)で洗浄した。30%EtOAc/ヘキサンで溶出させたクロマトグラフィー(SPE)により、20mg(37%)の表題の化合物を黄色の油状物質として得た。1H NMR (CDCl3) δ(ppm): 7.42(m, 1H), 7.21-7.33(m, 3H), 4.10(t, 2H), 3.42-3.61(m, 5H),2.64-2.75(m, 2H), 2.46-2.56(m, 2H), 1.58-1.81(m, 4H), 1.32-1.47(m, 2H), 1.08(t, 3H), 0.95(t, 3H)。
【0131】
実施例30:4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸2,2−ジメチル−プロピルエステル
1−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン(40mg,0.15mmol)、および、トリエチルアミン(0.064mL,0.46mmol)を、CHCl(〜2mL)に溶解させ、室温で撹拌した。ネオペンチルクロロホルメート(0.034mL,0.23mmol)を添加し、この反応液を室温で3時間撹拌した。過量のトリエチルアミン/CHClを蒸発させ、残留物を、EtOAc(15mL)に溶解させ、水(3×10mL)、および、ブライン(10mL)で洗浄した。30%EtOAc/ヘキサンで溶出させたクロマトグラフィー(SPE)により、26mg(46%)の表題の化合物を黄色の油状物質として得た。1H NMR (CDCl3) δ(ppm): 7.42(m, 1H), 7.21-7.33(m, 3H), 3.81(s, 2H), 3.43-3.62(m, 5 H), 2.64-2.75(m, 2H), 2.45-2.58(m, 2H), 1.76(m, 2H), 1.08(t, 3H), 0.96(s, 9H)。
【0132】
実施例31:4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸ペンチルエステル
1−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン(40mg,0.15mmol)、および、トリエチルアミン(0.064mL,0.46mmol)を、CHCl(〜2mL)に溶解させ、室温で撹拌した。N−ペンチルクロロホルメート(0.033mL,0.23mmol)を添加し、この反応液を室温で3時間撹拌した。過量のトリエチルアミン/CHClを蒸発させ、残留物を、EtOAc(15mL)に溶解させ、水(3×10mL)、および、ブライン(10mL)で洗浄した。30%EtOAc/ヘキサンで溶出させたクロマトグラフィー(SPE)により、26mg(45%)の表題の化合物を黄色の油状物質として得た。1H NMR (CDCl3) δ(ppm): 7.42(m, 1H), 7.21-7.33(m, 3H), 4.09(t, J=7Hz, 2H), 3.42-3.61(m, 5H),2.64-2.74(m, 2H), 2.45-2.55(m, 2H), 1.57-1.81(m, 4H), 1.24-1.38(m, 4H), 1.08(t, J=7Hz, 3H), 0.84-0.96(m, 3H)。
【0133】
実施例32:4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸2−メトキシ−エチルエステル
1−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン(40mg,0.15mmol)、および、トリエチルアミン(0.064mL,0.46mmol)を、CHClに溶解させた(〜2mL)、室温で撹拌した。クロロギ酸 2−メトキシエチルエステル(0.027mL,0.23mmol)を添加し、この反応液を室温で3時間撹拌した。過量のトリエチルアミン/CHClを蒸発させ、残留物を、EtOAc(15mL)に溶解させ、水(3×10mL)、および、ブライン(10mL)で洗浄した。70%EtOAc/ヘキサンで溶出させたクロマトグラフィー(SPE)により、15mg(27%)の表題の化合物を無色の油状物質として得た。1H NMR (CDCl3) δ(ppm): 7.42(td, 1H), 7.21-7.33(m, 3H), 4.26(m, 2H), 3.42-3.64(m, 7H), 3.40(s, 3H), 2.64-2.74(m, 2H), 2.46-2.56(m, 2H), 1.76(m, 2H), 1.08(t, 3H)。
【0134】
実施例33:4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸フェニルエステル
1−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン(40mg,0.15mmol)、および、トリエチルアミン(0.064mL,0.46mmol)を、CHCl(〜2mL)に溶解させ、室温で撹拌した。フェニルクロロホルメート(0.029mL,0.23mmol)を添加し、この反応液を室温で3時間撹拌した。過量のトリエチルアミン/CHClを蒸発させ、残留物を、EtOAc(15mL)に溶解させ、水(3×10mL)、および、ブライン(10mL)で洗浄した。30%EtOAc/ヘキサンで溶出させたクロマトグラフィー(SPE)により、18mg(30%)の表題の化合物を黄色の油状物質として得た。1H NMR (CDCl3) δ(ppm): 7.45(m, 1H), 7.11-7.41(r, 8H), 3.58-3.79(m, 4H), 3.46(t, 1H), 7.74-2.83(m, 2H), 2.56-2.64(m, 2H), 1.79(m, 2H), 1.10(t, 3H)。
【0135】
実施例34:4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
1−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン(40mg,0.15mmol)、および、トリエチルアミン(0.064mL,0.46mmol)を、CHClに溶解させた(〜2mL)、室温で撹拌した。ベンジルクロロホルメート(0.033mL,0.23mmol)を添加し、この反応液を室温で3時間撹拌した。過量のトリエチルアミン/CHClを蒸発させ、残留物を、EtOAc(15mL)に溶解させ、水(3×10mL)、および、ブライン(10mL)で洗浄した。30%EtOAc/ヘキサンで溶出させたクロマトグラフィー(SPE)により、26mg(43%)の表題の化合物を黄色の油状物質として得た。1H NMR (CDCl3) δ(ppm): 7.21-7.43(m, 9H), 5.16(s, 2H), 3.50-3.65(m, 4H), 3.46(t, 1H), 2.64-2.76(m, 2H), 2.46-2.58(m, 2H), 1.75(m, 2H), 1.08(t, 3H)。
【0136】
実施例35:4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−ピリジン−3−イル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
3−クロロ−1−エチニル−ベンゼン(0.345mL,2.80mmol)、エチル−1−ピペリジンカルボキシラート(0.301mL,2.05mmol)、臭化金(III)(8.2mg,0.018mmol)、ピリジン−3−カルバルデヒド(0.176mL,1.87mmol)、および、脱酸素水(1.9mL)をバイアルに添加し、密封し、100℃で一晩撹拌した。この反応混合物を冷却し、続いてジクロロメタンで抽出し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、シリカゲル上で濃縮した。ヘキサン中の5〜50%酢酸エチルを用いた精製クロマトグラフィー(SPE)により、表題の化合物を得た(101.8mg,14%,黄色の油状物質)。1H NMR (CDCl3) δ(ppm): 8.87(m, 1H), 8.59(m, 1H), 7.92(m, 1H), 7.50(m, 4H), 7.34(m, 1H), 4.91(s, 1H), 4.14(q, 2H), 3.54(m, 4H), 2.58(m, 4H), 1.27(t, 3H)。
【0137】
実施例36:4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
3−クロロ−1−エチニル−ベンゼン(0.136mL,1.10mmol)、エチル−1−ピペリジンカルボキシラート(0.119mL,0.81mmol)、臭化金(III)(3.2mg,0.0074mmol)、2,4−ジフルオロ−ベンズアルデヒド(0.081mL,0.74mmol)、および、脱酸素水(0.8mL)をバイアルに添加し、密封し、100℃で一晩撹拌した。この反応混合物を冷却し、続いてジクロロメタンで抽出し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、シリカゲル上で濃縮した。ヘキサン中の4〜10%酢酸エチルを用いた精製クロマトグラフィー(SPE)により、表題の化合物を得た(107.2mg,35%,黄色の油状物質)。1H NMR (CDCl3) δ(ppm): 7.62(m, 1H), 7.48(m, 1H), 7.33(m, 3H), 6.89(m, 2H), 5.09(s, 1H), 4.14(q, 2H), 3.49(m, 4H), 2.59(m, 4H), 1.27(t, 3H)。
【0138】
実施例37:4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−(2−メトキシ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
3−クロロ−1−エチニル−ベンゼン(0.136mL,1.10mmol)、エチル−1−ピペリジンカルボキシラート(0.119mL,0.81mmol)、臭化金(III)(3.2mg,0.0074mmol)、2−メトキシ−ベンズアルデヒド(0.090mL,0.74mmol)、および、脱酸素水(0.8mL)をバイアルに添加し、密封し、100℃で一晩撹拌した。この反応混合物を冷却し、続いてジクロロメタンで抽出し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、シリカゲル上で濃縮した。ヘキサン中の4〜10%酢酸エチルを用いた精製クロマトグラフィー(SPE)により、表題の化合物を得た(232.2mg,76%,黄色の油状物質)。1H NMR (CDCl3) δ(ppm): 7.60(m, 1H), 7.46(m, 1H), 7.31(m, 4H), 6.98(m, 2H), 5.26(s, 1H), 4.14(q, 2H), 3.89(s, 3H), 3.51(m, 4H), 2.63(m, 4H), 1.26(t, 3H)。
【0139】
実施例38:4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−(2−クロロ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
3−クロロ−1−エチニル−ベンゼン(0.136mL,1.10mmol)、エチル−1−ピペリジンカルボキシラート(0.119mL,0.81mmol)、臭化金(III)(3.2mg,0.0074mmol)、2−クロロ−ベンズアルデヒド(103.5mg,0.74mmol)、および、脱酸素水(0.8mL)をバイアルに添加し、密封し、100℃で一晩撹拌した。この反応混合物を冷却し、続いてジクロロメタンで抽出し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、シリカゲル上で濃縮した。ヘキサン中の4〜10%酢酸エチルを用いた精製クロマトグラフィー(SPE)により、表題の化合物を得た(202.3mg,66%,黄色の油状物質)。1H NMR (CDCl3) δ(ppm): 7.71(m, 1H), 7.49(m, 1H), 7.35(m, 6H), 5.12(s, 1H), 4.15(q, 2H), 3.47(m, 4H), 2.63(m, 4H), 1.27(t, 3H)。
【0140】
実施例39:4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−o−トリル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
3−クロロ−1−エチニル−ベンゼン(0.136mL,1.10mmol)、エチル−1−ピペリジンカルボキシラート(0.119mL,0.81mmol)、臭化金(III)(3.2mg,0.0074mmol)、2−メチル−ベンズアルデヒド(0.086mL,0.74mmol)、および、脱酸素水(0.8mL)をバイアルに添加し、密封し、100℃で一晩撹拌した。この反応混合物を冷却し、続いてジクロロメタンで抽出し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、シリカゲル上で濃縮した。ヘキサン中の2〜10%酢酸エチルを用いた精製クロマトグラフィー(SPE)により、表題の化合物を得た(151.1mg,51%,黄色の油状物質)。1H NMR (CDCl3) δ(ppm): 7.50(m, 1H), 7.39(m, 1H), 7.28(m, 6H), 4.93(s, 1H), 4.15(q, 2H), 3.46(m, 4H), 2.58(m, 4H), 2.48(s, 3H), 1.27(t, 3H)。
【0141】
実施例40:4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−m−トリル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
3−クロロ−1−エチニル−ベンゼン(0.136mL,1.10mmol)、エチル−1−ピペリジンカルボキシラート(0.119mL,0.81mmol)、臭化金(III)(3.2mg,0.0074mmol)、3−メチル−ベンズアルデヒド(0.087mL,0.74mmol)、および、脱酸素水(0.8mL)をバイアルに添加し、密封し、100℃で一晩撹拌した。この反応混合物を冷却し、続いてジクロロメタンで抽出し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、シリカゲル上で濃縮した。ヘキサン中の2〜10%酢酸エチルを用いた精製クロマトグラフィー(SPE)により、表題の化合物を得た(165mg,56%,黄色の油状物質)。1H NMR (CDCl3) δ(ppm): 7.51(m, 1H), 7.33(m, 6H), 7.15(m, 1H), 4.82(s, 1H), 4.15(q, 2H), 3.54(m, 4H), 2.59(m, 4H), 2.41(s, 3H), 1.27(t, 3H)。
【0142】
実施例41:4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
3−クロロ−1−エチニル−ベンゼン(0.136mL,1.10mmol)、エチル−1−ピペリジンカルボキシラート(0.119mL,0.81mmol)、臭化金(III)(3.2mg,0.0074mmol)、6−メトキシ−ピリジン−3−カルバルデヒド(101.5mg,0.74mmol)、および、脱酸素水(0.8mL)をバイアルに添加し、密封し、100℃で一晩撹拌した。この反応混合物を冷却し、続いてジクロロメタンで抽出し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、シリカゲル上で濃縮した。ヘキサン中の5〜20%酢酸エチルを用いた精製クロマトグラフィー(SPE)により、表題の化合物を得た(138.8mg,45%,黄色の油状物質)。1H NMR (CDCl3) δ(ppm): 8.40(m, 1H), 7.81(m, 1H), 7.50(m, 1H), 7.33(m, 3H), 6.78(m, 1H), 4.82(s, 1H), 4.15(q, 2H), 3.97(s, 3H), 3.52(m, 4H), 2.58(m, 4H), 1.27(t, 3H)。
【0143】
実施例42:4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−(2−クロロ−ピリジン−3−イル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
3−クロロ−1−エチニル−ベンゼン(0.136mL,1.10mmol)、エチル−1−ピペリジンカルボキシラート(0.119mL,0.81mmol)、臭化金(III)(3.2mg,0.0074mmol)、2−クロロ−ピリジン−3−カルバルデヒド(104.8mg,0.74mmol)、および、脱酸素水(0.8mL)をバイアルに添加し、密封し、100℃で一晩撹拌した。この反応混合物を冷却し、続いてジクロロメタンで抽出し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、シリカゲル上で濃縮した。ヘキサン中の5〜20%酢酸エチルを用いた精製クロマトグラフィー(SPE)により、表題の化合物を得た(169.7mg,55%,黄色の油状物質)。1H NMR (CDCl3) δ(ppm): 8.40(m, 1H), 8.04(m, 1H), 7.48(m, 1H), 7.34(m, 4H), 5.12(s, 1H), 4.15(q, 2H), 3.49(m, 4H), 2.61(m, 4H), 1.28(t, 3H)。
【0144】
実施例43:(S)−3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
(S)−2−メチル−ピペラジン(500mg,4.99mmol)をジクロロメタン(2.5mL)に撹拌しながら溶解させ、この溶液を0℃に冷却した。エチルクロロホルメート(239μL,2.49mmol)を、注射器によって滴下して添加した。この混合物を室温に温め、3時間撹拌した。TLC解析によりこの反応が完了したことが示されたら、この混合物をジクロロメタンで希釈し、水で洗浄した。有機相を乾燥させ(NaSO)、ろ過し、濃縮し、表題の化合物(黄色がかった液体)を得た(315.8mg,73%)。1H NMR (300MHz, CDCl3) δ=O.70(d, J=6.3Hz, 3H); 0.91(t, J=7Hz, 3H); 1.42(s, broad, 1H); 2.06(s,broad, 1H); 2.36(m, 3H); 2.61(m, 1H); 3.64(s, broad, 2H); 3.78(q, J=7Hz, 2H)。
【0145】
実施例44:(R)−3−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
表題の化合物を、上記の(S)−鏡像異性体と同様の方法で(R)−2−メチル−ピペラジンから製造した。
【0146】
実施例45:
一般的な方法:アミン、アルデヒドおよびアルキンの金で触媒したカップリング
ピペラジン(1mmol)、および、臭化金(III)(0.01mmol)をバイアルに量って入れた。アルキン(1.35mmol)、および、アルデヒド(1.35mmol)、続いて脱イオン水(1.35mL)を添加した。バイアルのキャップをしめ、この反応混合物を100℃で一晩撹拌した。次に、この反応混合物を脱イオン水で希釈し、有機生成物を、ジクロロメタンで3回抽出した。有機相を乾燥させ(NaSO)、ろ過し、シリカゲル上で濃縮した。クロマトグラフィー(ヘキサン中の20〜50%酢酸エチルを用いたSPEカラム)により、生成物を得た。
【0147】
以下の化合物をこの方法で製造した:
a)エチル4−[3−(5−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−エチルプロパ−2−イン−1−イル]ピペラジン−1−カルボキシラート;収率7%,黄色の油状物質;1H NMR (300MHz, CDCl3) δ: 1.08(t, J=7.5Hz, 3H); 1.28(t, 3.6Hz, 3H); 1.75(m, 2H); 2.51(m, 2H); 2.69(m, 2H); 3.54(m, 5H); 4.16(q, J=14.1, 6.9Hz, 2H); 7.02(t, J=8.7Hz, 1H); 7.24(m, 1H); 7.40(dd,J=6, 2.7Hz, 1H)。
【0148】
b)エチル4−[3−(3−クロロフェニル)−1−(5−メチル−2−フリル)プロパ−2−イン−1−イル]ピペラジン−1−カルボキシラート;1H NMR (300MHz, CDCl3) δ: 1.25(t, J=7Hz, 3H); 2.31(s, 3H); 2.60 m, 4H); 3.53(m, 4H); 4.13(q, J=7Hz, 2H); 4.85(s, 1H); 5.94(d, J=3Hz, 1H); 6.36(d, J=3Hz, 1H); 7.32(m, 3H); 7.46(s, 1H)。
【0149】
c)エチル4−{3−(3−クロロフェニル)−1−[5−(メトキシカルボニル)−2−フリル]プロパ−2−イン−1−イル}ピペラジン−1−カルボキシラート;1H NMR (300MHz, CDCl3) δ: 1.23(t, J=7Hz, 3H); 2.58(m, 4H); 3.49(m, 4H); 3.79(s, 3H);4.10(q, J=7Hz, 2H); 4.83(s, 1H); 6.70(s, 1H); 7.29(m, 4H); 7.44(m, 1H)。
【0150】
d)2,2,2−トリフルオロエチル4−[3−(3−クロロフェニル)−1−(2−フリル)プロパ−2−イン−1−イル]ピペラジン−1−カルボキシラート;1H NMR(300MHz, CDCl3) δ: 2.65(m, 4H); 3.60(m, 4H); 4.50(q, J=8.5Hz, 2H),4.95(s, 1H); 6.40(m, 1H); 6.51(m, 1H); 7.34(m, 3H); 7.48(m, 2H)。
【0151】
e)エチル4−{3−(3−クロロフェニル)−1−[5−(ヒドロキシメチル)−2−フリル]プロパ−2−イン−1−イル}ピペラジン−1−カルボキシラート;1H NMR (300MHz, CDCl3) δ: 1.26(t, J=7Hz, 3H); 2.61(m, 4H); 3.55(m, 4H); 4.13(q, J=7Hz, 2H); 4.62(s, 2H); 4.90(s, 1H); 6.28(d, J=3.3Hz, 1H); 6.45(d, J=3.3Hz, 1H); 7.32(m, 3H); 7.47(m, 1H)。
【0152】
f)エチル(3S)−4−[(1R)−3−(3−クロロフェニル)−1−(2−フリル)プロパ−2−イン−1−イル]−3−メチルピペラジン−1−カルボキシラート;収率3.7%の純粋な分画;1H NMR (300MHz, CDCl3) δ: 1.26(m, 6H); 2.33(m, 1H); 2.55(m, 1H); 2.89(m, 1H); 3.20(m, 2H); 3.91(m, 2H); 4.13(m, 2H); 5.28(s, 1H); 6.39(m, 1H); 6.41(m, 1H); 7.32(m, 3H); 7.43(m, 1H); 7.48(m, 1H)。
【0153】
g)エチル(3S)−4−[(1S)−3−(3−クロロフェニル)−1−(2−フリル)プロパ−2−イン−1−イル]−3−メチルピペラジン−1−カルボキシラート;収率15.3%の純粋な分画;1H NMR (300MHz, CDCl3) δ: 1.29(m, 6H); 2.45(m, 2H); 2.71(m, 1H); 2.81(m, 1H); 2.94(m, 1H); 3.99(m, 2H); 4.14(m, 2H); 5.34(s, 1H); 6.38(m, 1H); 6.54(m, 1H); 7.33(m, 3H); 7.46(m, 2H)。
【0154】
h)エチル(3R)−4−[(1S)−3−(3−クロロフェニル)−1−エチルプロパ−2−イン−1−イル]−3−メチルピペラジン−1−カルボキシラート;収率18.5%の純粋な分画;1H NMR (300MHz, CDCl3) δ: 1.06(t, J=7.2Hz, 3H); 1.10(d, J=6.0Hz, 3H); 1.27(t, J=7.1Hz, 3H); 1.73(m, 2H); 2.39(m, 1H); 2.60(m, 2H); 2.77(m, 1H); 2.90(m, 1H); 3.81(m, 1H); 3.95(m, 2H); 4.14(q, 7.2, 2H); 7.26(m, 3H); 7.40(s, 1H)。
【0155】
i)エチル(3R)−4−[(1R)−3−(3−クロロフェニル)−1−(2−フリル)プロパ−2−イン−1−イル]−3−メチルピペラジン−1−カルボキシラート,収率3.7%の純粋な分画;1H NMR (300MHz, CDCl3) δ: 1.29(m, 6H); 2.45(m, 2H); 2.71(m, 1H); 2.81(m, 1H); 2.94(m, 1H); 3.99(m, 2H); 4.14(m, 2H); 5.34(s, 1H); 6.38(m, 1H); 6.54(m, 1H); 7.33(m, 3H); 7.46(m, 2H)。
【0156】
j)エチル(3R)−4−[(1R)−3−(3−クロロフェニル)−1−エチルプロパ−2−イン−1−イル]−3−メチルピペラジン−1−カルボキシラート;収率5.5%の純粋な分画;1H NMR (300MHz, CDCl3) δ: 1.06(t, J=7.3Hz, 3H); 1.14(d, J=6.3Hz, 3H); 1.28(t, J=7.4Hz, 3H); 1.70(m, 2H); 2.58(m, 1H); 2.75(m, 1H); 3.08(m, 2H), 3.40(m, 1H); 3.66(m, 3H); 4.15(q, 7.4, 2H); 7.27(m, 3H); 7.42(s, 1H)。
【0157】
k)エチル(3S)−4−[(1S)−3−(3−クロロフェニル)−1−エチルプロパ−2−イン−1−イル]−3−メチルピペラジン−1−カルボキシラート;収率7.5%の純粋な分画;1H NMR (300MHz, CDCl3) δ: 1.06(t, J=7.3Hz, 3H); 1.14(d, J=6.3Hz, 3H); 1.28(t, J=7.4Hz, 3H); 1.70(m, 2H); 2.58(m, 1H); 2.75(m, 1H); 3.08(m, 2H), 3.40(m, 1H); 3.66(m, 3H); 4.15(q, 7.4, 2H); 7.27(m, 3H); 7.42(s, 1H)。
【0158】
l)エチル(3S)−4−[(1R)−3−(3−クロロフェニル)−1−メチルプロパ−2−イン−1−イル]−3−メチルピペラジン−1−カルボキシラート;収率30.5%の純粋な分画;1H NMR (300MHz, CDCl3) δ: 1.06(t, J=7.2Hz, 3H); 1.10(d, J=6.0Hz, 3H); 1.27(t, J=7.1Hz, 3H); 1.73(m, 2H); 2.39(m, 1H); 2.60(m, 2H); 2.77(m, 1H); 2.90(m, 1H); 3.81(m, 1H); 3.95(m, 2H); 4.14(q, 7.2, 2H); 7.26(m, 3H); 7.40(s, 1H)。
【0159】
実施例46:4−[3−(3−クロロ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
スクリューキャップバイアル中で、ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(500mg)を、1−クロロ−3−ヨード−ベンゼン(51.9μL、0.4184mmol)、3−ブロモ−プロピン(44.7μL、0.502mmol)、ヨウ化銅(I)(7.96mg,0.0209mmol)、および、ビス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(II) 二塩化物(14.68mg,0.04184mmol)の混合物に添加した。この反応混合物を60℃に加熱した。少量のジクロロメタンを添加して、ピペラジン溶媒を溶解/融解させた。TLC解析によりこの反応が完了したことが示されたら、この混合物をジクロロメタンで希釈し、水で洗浄した。水相を、ジクロロメタンで再抽出した。合わせた有機物を乾燥させ(NaSO)、ろ過し、ヘキサン中の30〜50%酢酸エチル中でクロマトグラフィーにかけ、表題の化合物を得た(106.6mg,76%)。1H NMR (300MHz, CDCl3) δ=1.47(s, 9H); 2.57(t, J=4.8Hz, 4H); 3.51(m, 6H); 7.27(m, 3H); 7.42(s, 1H)。
【0160】
実施例47:1−[3−(3−クロロ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(106mg)を、撹拌しながらジクロロメタン(1mL)に溶解させた。トリフルオロ酢酸(1mL)のジクロロメタン(1mL)溶液を添加し、この反応液を1時間撹拌した。TLC解析によりこの反応が完了したことが示されたら、この混合物をジクロロメタンで希釈した。少量の水を添加し、トリフルオロ酢酸を炭酸水素ナトリウムの固体で中和した。有機相を分離し、水相を、1MのNaOHの添加で塩基性にした後に再抽出した。合わせた有機物を乾燥させ(NaSO)、ろ過し、減圧下で濃縮し、TLCおよびNMRにより純粋な望ましい生成物を定量的な収率で得た。1H NMR (300MHz, CDCl3) δ=2.75(m, 4H); 3.12(m, 4H); 3.53(s, 2H); 6.71(b, 1H); 7.28(m, 3H); 7.42(m, 1H)。
【0161】
実施例48:エトキシ−アセトアルデヒド
冷却したジクロロメタン(20mL)中の塩化オキサリル(16.6mLの2M溶液,33.3mmol)の撹拌溶液に、ジメチルスルホキシド(3.7mL,52.6mmol)を滴下して添加した。この溶液を10分間撹拌した後、2−エトキシ−エタノール(1.075mL,11.1mmol,ジクロロメタン10mL中)を滴下して添加した。さらに30分間この溶液を撹拌した後、トリエチルアミン(13.45mL,96.5mmol)を添加した。この反応混合物を室温に温め、有機相を分離した。再び水相をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機物を乾燥させ(NaSO)、ろ過し、シリカゲル上で濃縮した。ヘキサン中の10%酢酸エチル中のシリカゲルを用いたクロマトグラフィーにより、生成物を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3) δ=1.37(t, J=7Hz, 3H); 3.85(q, J=7Hz, 2H); 5.04(d, J=2.7Hz, 1H); 5.17(d,J=2.7Hz, 1H); 9.25(s, 1H)。
【0162】
実施例49:
一般的な方法:アミン、アルデヒドおよびアルキンの銅で触媒したカップリング
アセチレン(1.35mmol)、アルデヒド(1.35mmol)、ピペラジン(1mmol)、および、ヨウ化銅(I)(0.15mmol)を、マイクロ波使用可能な反応容器に添加した。撹拌棒を用いて水(1.25mL)を添加し、この混合物を、マイクロ波反応装置中で170℃で加熱しながら5分間撹拌した。次に、この反応混合物をジクロロメタンで希釈し、水で洗浄した。有機相を乾燥させ(NaSO)、ろ過し、シリカゲル上で濃縮した。ヘキサン中の30〜60%酢酸エチルでのクロマトグラフィーにより、望ましい化合物を得た。
【0163】
以下の化合物 をこの方法で製造した:
a) 4−[1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−3−(3−クロロ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル;収率16%;1H NMR (300MHz, CDCl3): 1.27(t, J=7Hz, 3H); 1.48(s, 9H); 2.51(m, 2H); 2.68(m, 2H); 3.33(m, 1H); 3.52(m, 5H); 3.69(m, 1H); 4.15(q, J=7Hz, 2H); 5.31(s, broad, 1H); 7.27(m, 3H); 7.41(m, 1H)。
【0164】
b) 4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−トリイソプロピルシリルオキシメチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル;1H NMR (300MHz, CDCl3):1.O8(m, 21H); 1.27(t, J=7.1Hz, 3H); 2.61(m, 2H); 2.71(m, 2H); 3.52(m, 4H); 3.74(t,J=6.3Hz, 1H); 3.96(d, J=6.3Hz, 2H); 4.14(q, J=7.1Hz, 2H); 3.28(m, 3H); 7.41(m, 1H)。
【0165】
c) エチル4−[3−(3−クロロフェニル)−1−(エトキシメチル)プロパ−2−イン−1−イル]ピペラジン−1−カルボキシラート;1H NMR (300MHz, CDCl3): 1.25(t, J=7.5Hz, 3H); 1.28(t, J=7.4Hz, 3H); 2.60(m, 2H); 2.69(m, 2H); 3.55(m, 4H); 3.64(m, 3H); 3.71(m, 1H); 3.88(t, J=6.3Hz, 1H); 4.16(q, J=7.2Hz, 2H); 7.31(m, 3H); 7.43(m, 1H)。
【0166】
実施例50:4−[1−アミノメチル)−3−(3−クロロ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
トリフルオロ酢酸(1mL)のジクロロメタン(0.5mL)溶液を、ジクロロメタン(0.5mL)中の4−[1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−3−(3−クロロ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル(〜50mg)の撹拌溶液に添加した。この溶液を30分間撹拌した。TLC解析によりこの反応が完了したことが示されたら、この混合物をジクロロメタンで希釈し、少量の水で洗浄し、炭酸水素ナトリウムの固体で中和した。有機相を乾燥させ(NaSO)、ろ過し、濃縮し、望ましい化合物を得た(30.1mg,78%)。1H NMR(300MHz, CDCl3) δ=1.28(t, J=7Hz, 3H); 2.19(d, J=1Hz, 2H); 2.58(m, 2H); 2.73(m, 2H); 3.54(m, 5H); 4.16(q, J=7Hz, 2H); 7.27(m, 3H); 7.42(m, 1H)。
【0167】
実施例51:1,4−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−ブタ−2−エン
ブタ−2−エン−1,4−ジオール(0.934mL,11.4mmol)のDMF(15mL)溶液に、イミダゾール(1.93g,28.4mmol)、続いてクロロ−トリイソプロピル−シラン(6.07mL,28.4mmol)を添加した。この反応液を室温で一晩撹拌した。TLC解析によりこの反応が完了したことが示されたら、この混合物をジクロロメタンで希釈し、水で洗浄した。有機相を乾燥させ(NaSO)、ろ過し、シリカゲル上で濃縮し、次に、ヘキサン中の(0〜10%)酢酸エチル中でクロマトグラフィーにかけ、生成物を得た(3.51g,77%)。1H NMR (300MHz, CDCl3) δ=1.09(m, 42H); 4.32(dd, J=3.3,.6Hz, 4H); 5.60(t, J=O.6Hz, 2H)。
【0168】
実施例52:トリイソプロピルシリルオキシ−アセトアルデヒド
1,4−ビス−トリイソプロピルシリルオキシ−ブタ−2−エン(3g,7.48mmol)を、ジクロロメタン(6mL)に溶解させ、−78℃に冷却した。薄青色が観察されるまで、この溶液をオゾンによって泡立てた。この溶液を酸素で泡立て、硫化ジメチル(5mL)を添加した。次に、この反応液を室温に温めた。この混合物をジクロロメタンで希釈し、水で洗浄した。有機相を乾燥させ(NaSO)、ろ過し、シリカゲル上で濃縮した。ヘキサン中のクロマトグラフィーにより、生成物を得た(3.38g,61%)。1H NMR (300MHz, CDCl3) δ=1.08(m, 21H); 4.28(d, J=O.9Hz, 2H); 9.76(t, J=O.9Hz, 1H)。
【0169】
実施例53:4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−ヒドロキシメチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−トリイソプロピルシリルオキシメチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル(92.7mg,0.173mmol)を、THF(0.81mL)に溶解させた。この溶液に、フッ化テトラブチルアンモニウム(0.189mL,1MのTHF溶液、0.189mmol)を添加し、10分間撹拌した。TLC解析によりこの反応が完了したことが示されたら、この反応液を、ジクロロメタンで希釈し、水で洗浄した。有機相を乾燥させ(NaSO)、ろ過し、真空中で濃縮した。酢酸エチルを用いたクロマトグラフィーにより、生成物を得た(26.9mg)。1H NMR (300MHz, CDCl3) δ=1.28(t, J=7.1Hz, 3H); 2.55(m, 2H); 2.75(m, 2H); 3.55(m, 4H); 3.70(m, 2H); 3.78(m, 1H); 4.15(q, J=7.1 Hz); 7.29(m, 3H); 7.41(m, 1H)。
【0170】
実施例54:4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−メトキシメチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−ヒドロキシメチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル(20mg,0.0594mmol)をTHF(1mL)に溶解させ、THF(1mL)中の水素化ナトリウム(3.56mg,60%分散液,0.0891mmol)の混合物に添加した。この混合物を30分間撹拌し、続いてヨウ化メチル(3.88μL,0.0623mmol)を添加した。次に、この溶液をさらに60分間撹拌した。TLC解析によりこの反応が完了したことが示されたら、この溶液を、ジクロロメタンで希釈し、水で洗浄した。有機相を乾燥させ(NaSO)、ろ過し、減圧下で濃縮した。ヘキサン中の50%酢酸エチルにおけるクロマトグラフィーにより、生成物を得た(8.2mg)。1H NMR (300MHz,CDCl3) δ=1.27 (t,J=7.1Hz,3 H); 2.58 (m, 2H); 2.69 (m, 2H); 3.45 (s, 3H); 3.57 (m, 5H); 3.70 (m, 1H); 3.90 (m, 1H); 4.15 (q,J=7.1 Hz); 7.28 (m, 3H); 7.43 (m, 1H)。
【0171】
実施例55:4−(3−フェニル−プロピノイル)−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
フェニル−プロピン酸(50mg,0.342mmol)、EDCI(65.58mg,0.342mmol)、ジメチルアミノピリジン(2.78mg,0.023mmol)、および、ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル(36.73μL,0.251mmol)をスクリューキャップバイアル中で混合し、ジメチルホルムアミド(2mL)中に溶解させた。この反応液を室温で一晩撹拌した。次に、この溶液をジクロロメタンで希釈し、水で洗浄した。有機相を乾燥させ(NaSO)、ろ過し、真空中で濃縮した。ヘキサン中の0%から50%への酢酸エチルにおけるクロマトグラフィーにより、生成物を得た(67.6mg,94%)。1H NMR (300MHz,CDCl3) δ=1.29 (t,J=7.1Hz, 3H); 3.51 (m, 2H); 3.58 (m, 2H); 3.69 (m, 2H); 3.83 (m, 2H); 4.17 (q,J=7.1Hz, 2H); 7.41 (m, 3H); 7.55 (m, 2H)。
【0172】
実施例56:4−(1,1−ジメチル−プロパ−2−イニル)−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
3−クロロ−3−メチル−ブタ−1−イン(1.09mL,9.75mmol)、および、ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル(1.08mL,7.39mmol)を、THF(10mL)中のトリエチルアミン(1.38mL,9.89mmol)の溶液に添加した。この溶液に、銅(I)塩化物(58.5mg,0.59mmol)を添加しながら力強く撹拌した。添加直後に、発熱と大量の沈殿が観察された。この反応液を45分間撹拌し、その後、この反応液をジクロロメタンで希釈し、水で洗浄した。有機層を乾燥させ、ろ過し、濃縮し、次に、ジクロロメタン、続いて酢酸エチルを用いたクロマトグラフィーにかけ、望ましい生成物を得た(506.4mg,30%)。1H NMR(300MHz,CDCl3) δ=1.28 (t,J=7.2Hz, 3H); 1.41 (s, 6H); 2.31 (s, 1H); 2.61 (m, 4H); 3.52 (m, 4H); 4.15 (q,J=7.2Hz, 2H)。
【0173】
実施例57:エチル4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1,1−ジメチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル
1−クロロ−3−ヨード−ベンゼン(50.2μL,0.405mmol)、および、4−(1,1−ジメチル−プロパ−2−イニル)−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル(113.4mg,0.446mmol)を、トリエチルアミン(2mL)に撹拌しながら溶解させた。この反応混合物に、ヨウ化銅(I)(7.7mg,0.0405mmol)、および、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)塩化物(14.26mg,0.0203mmol)を同時に添加した。この反応液を室温で一晩撹拌した。この溶液を、ジクロロメタンで希釈し、水で洗浄した。有機相を乾燥させ、ろ過し、濃縮し、次に、クロマトグラフィー(ヘキサン中の50%酢酸エチル)により、生成物を得た(41mg,28%)。1H NMR (300MHz,CDCl3):1.26 (t,J=7.1Hz, 3H); 1.47 (s, 6H); 2.66 (m, 4H); 3.53 (m, 4H); 4.14 (q,J=7.1Hz, 2H); 7.25 (m, 3H); 7.39 (m, 1H)。
【0174】
実施例58:4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸メチルエステル
1−[3−(3−クロロフェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン(40mg,0.152mmol)を、ジクロロメタン(2mL)に溶解させ、トリエチルアミン(64μL)を撹拌しながら添加した。この反応混合物を0℃に維持しながら、メチルクロロホルメート(17.56μL,0.228mmol)をこの反応混合物に添加した。添加後、この反応液を室温に温めた。TLC解析によりこの反応が完了したことが示されたら、この反応混合物をジクロロメタンで希釈し、水で洗浄した。水相をジクロロメタンで再抽出し、合わせた有機物をブラインで洗浄し、続いてNaSO上で乾燥させ、濃縮した。クロマトグラフィー(酢酸エチル、シリカゲル)により、生成物を得た(40.3mg,82%)。1H NMR (300MHz,CDCl3) δ=1.08 (t,J=7.4Hz, 3H); 1.75 (m, 2H); 2.51 (m, 2H); 2.69 (m, 2H); 3.46 (t,J=7.5Hz, 1H); 3.54 (m, 4H); 3.72 (s, 3H); 7.29 (m, 4H)。
【0175】
実施例59:4−[3−(3−クロロ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸2−メトキシ−エチルエステル
1−[3−(3−クロロ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン(30mg,0.128mmol)を、ジクロロメタン(2mL)、およびトリエチルアミン(53.4μL,0.383mmol)に撹拌しながら溶解させた。(2−メトキシ−エチル)−クロロホルメート(22.1μL,0.1917mmol)を滴下して添加し、この反応混合物を1時間撹拌した。TLC解析によりこの反応が完了したことが示されたら、これをジクロロメタンで希釈し、水で洗浄した。有機相を乾燥させ(NaSO)、ろ過し、減圧下で濃縮し、オレンジ色の油状物質を得た。クロマトグラフィー(SPEカラム,ヘキサン中の50%酢酸エチル)により、生成物を得た(22.4mg,52%,黄色がかった油状物質)。1H NMR (300MHz,CDCl3) δ=2.61 (m, 4H); 3.40 (s, 3H); 3.55 (s, 2H); 3.61 (m, 6H); 4.26 (t,J=4.6, 2H); 7.29 (m, 3H); 7.43 (m, 1H)。
【0176】
薬学的実施例
グループI受容体アンタゴニスト活性のFLIPR分析
FLIPR解析のために、細胞を、黒い側面を有し底が透明な、コラーゲンでコーティングした96−ウェルプレート上にシーディングし、[Ca2+動員の解析を、シーディングの24時間後に行った。96−ウェルプレート中の細胞培養に、0.01%プルロニック(pluronic)中の蛍光カルシウムインジケーターであるフルオ−3(fluor−3,モレキュラープローブス(Molecular Probes),ユージーン,オレゴン州)のアセトキシメチルエステルの形態の4μM溶液をローディングした。全ての分析は、127mMのNaCl、5mMのKCl、2mMのMgCl、0.7mMのNaHPO、2mMのCaCl、0.422mg/mlのNaHCO、2.4mg/mlのHEPES、1.8mg/mlのグルコース、および、1mg/mlのBSAフラクションIV(pH7.4)を含む緩衝液中で行われた。
【0177】
FLIPR実験は、レーザー値0.800W、および、0.4秒のCCDカメラのシャッター速度を用いて、励起および発光波長をそれぞれ488nmおよび562nmで行われた。それぞれのFLIPR実験は、細胞プレートの各ウェル中に存在する160μlの緩衝液を用いて開始された。アンタゴニストプレートからの40μlの添加に続いて、アゴニストプレートからの50μL添加を行なった。それぞれの添加の後、蛍光シグナルを1秒間隔で50回サンプリングし、続いて5秒間隔で3回サンプリングした。応答を、サンプル期間内の応答のピーク高さとして測定した。
【0178】
EC50、および、IC50決定は、二連で行われた8カ所の濃度応答曲線(CRC)から得られたデータから作製された。アゴニストのCRCは、全ての応答を、プレートに関して観察された最大の応答に拡張することによって作製された。アゴニスト攻撃のアンタゴニストのブロックを、同じプレート上の14のコントロールウェルにおけるアゴニスト攻撃に対する応答の平均に標準化した。
【0179】
無傷の細胞全体におけるリン酸イノシトール(IP3)の転換の測定
安定してヒトmGluR5d受容体を発現するGHEKを、1μCi/ウェルの[3H]myo−イノシトールを含む培地中で、24ウェルのポリ−1−リシンでコーティングしたプレート上に、40×10細胞/ウェルでシーディングした。細胞を一晩(16時間)インキュベートし、次に、3回洗浄し、1ユニット/mlのグルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ、および、2mMピルビン酸塩が追加されたHEPES緩衝食塩水(146mMのNaCl、4.2mMのKCl、0.5mMのMgCl、0.1%グルコース、20mMのHEPES、pH7.4)中で、37℃で1時間インキュベートした。細胞をHEPES緩衝食塩水中で1回洗浄し、10mMのLiClを含むHEPES緩衝食塩水中で10分間プレインキュベートした。化合物(アゴニスト)を添加し、37℃で30分間インキュベートした。アンタゴニスト活性は、試験化合物を15分間プレインキュベートし、次に、グルタメート(80μM)またはDHPG(30μM)の存在下で30分間インキュベートすることによってによって決定された。この反応を、氷上で0.5mlの過塩素酸(5%)を添加し、4℃で少なくとも30分間インキュベートすることによって停止させた。サンプルを15mlのファルコンチューブ中に回収し、以下で説明した通りにダウエックス(Dowex)カラムを用いてイノシトールリン酸塩を分離した。
【0180】
重力供給式(Gravity−Fed)イオン交換カラムを用いたリン酸イノシトールの分析
イオン交換カラムの調製
イオン交換樹脂(ダウエックスAG1−X8ギ酸型,200〜400メッシュ,バイオ・ラッド(BIORAD))を蒸留水で3回洗浄し、4℃で保存した。1.6mlの樹脂を、各カラムに添加し、3mlの2.5mMHEPES、0.5mMEDTA、pH7.4で洗浄した。
【0181】
サンプルの処理
サンプルを15mlのファルコンチューブ中に回収し、0.375MのHEPES、0.75MのKOHで中和した。4mlのHEPES/EDTA(2.5/0.5mM,pH7.4)を添加し、過塩素酸カリウムを沈殿させた。上清を調製されたダウエックスカラムに添加した。
【0182】
リン酸イノシトールの分離
8mlの30mM蟻酸アンモニウムを用いてグリセロホスファチジルイノシトールを溶出させた。8mlの700mM蟻酸アンモニウム/100mMギ酸を用いて全てのリン酸イノシトールを溶出させ、シンチレーションバイアル中で溶出液を回収した。8mlのシンチラントと混合した溶出液をカウントした。
【0183】
tlesrに対して活性な化合物のスクリーニング
パブロフのスリング中に立っているように訓練を受けた雄雌両方のラブラドル・レトリーバー成犬を用いた。粘膜から皮膚への食道瘻造設術を施し、いずれかの実験がなされる前にイヌを完全に回復させた。
【0184】
運動性の測定
簡単に言えば、約17時間断食した後(水は自由に供給)、マルチルーメンスリーブ/サイドホールアセンブリ(デントスリーブ(Dentsleeve),アデレード,サウスオーストラリア)を食道瘻造設術によって導入し、胃、下部食道括約筋(LES)および食道の圧力を測定した。このアセンブリを、低コンプライアンスの圧力計での潅流ポンプ(デントスリーブ,アデレード,サウスオーストラリア)を用いて水で潅流した。空気潅流したチューブを、口腔に向かって通過させ、嚥下を測定し、さらに、アンチモン電極で、LESの上3cmのところのpHをモニターした。パーソナルコンピューターで、全てのシグナルを10Hzで増幅し、獲得した。
【0185】
断食した胃/LESのフェーズIIIの運動活性がない基準線の測定が得られた場合、プラセボ(0.9%NaCl)、または、試験化合物が前肢の静脈に静脈内投与された(i.v.,0.5ml/kg)。i.v.投与の10分後に、胃に、栄養のある餌(10%ペプトン,5%D−グルコース,5%イントラビッド,pH3.0)を、このアセンブリの中央の内腔を通じて、最終容量が30ml/kgになるまで100ml/分で注いだ。栄養のある餌の注入に続いて、胃内の圧力が10±1mmHgになるまで空気の注入を500ml/分の速度で行った。次に、さらに空気を注入するため、または、胃からの空気を抜くための注入ポンプを用いて、この圧力を実験を通してこのレベルで維持した。栄養素注入開始から通気を終わらせるまでの実験時間は45分間であった。この手順は、TLESRを誘発させる信頼できる手段として確認済みである。
【0186】
TLESRは、>1mmHg/秒の速度での下部食道括約筋の圧力の減少(胃内の圧力を基準にして)と定義される。弛緩が生じる前に咽頭のシグナル(<2秒)が弛緩を先行するべきではなく、そのような場合の弛緩は嚥下によって誘導されたものと分類される。
LESと胃との圧力差は、2mmHg未満と予想され、完全な弛緩の持続時間は、1秒より長いと予想される。
【0187】
略語
BSA ウシ血清アルブミン
CCD 電荷結合素子
CRC 濃度応答曲線
DHPG 3,5−ジヒドロキシフェニルグリシン;
EDTA エチレンジアミンテトラ酢酸
FLIPR 蛍光イメージングプレートリーダー
GHEK GLASTを含むヒト胎児腎臓
GLAST グルタミン酸/アスパラギン酸輸送体
HEPES 4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸(緩衝液)
IP イノシトール三リン酸塩。
【0188】
結果
上述の分析で測定された典型的なIC50値は、10μMまたはそれ未満である。本発明の一形態において、IC50は、2μM未満である。その他の本発明の形態において、IC50は、0.2μM未満である。本発明のさらなる形態において、IC50は、0.05μM未満である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

で示される化合物、または、それらの製薬上許容できる塩または水和物であって、式中、
は、ヒドロキシ、ハロ、ニトロ、C1〜6アルキルハロ、OC1〜6アルキルハロ、C1〜6アルキル、OC1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、OC2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、OC2〜6アルキニル、C0〜6アルキルC3〜6シクロアルキル、OC0〜6アルキルC3〜6シクロアルキル、C0〜6アルキルアリール、OC0〜6アルキルアリール、CHO、(CO)R、O(CO)R、O(CO)OR、O(CN)OR、C1〜6アルキルOR、OC2〜6アルキルOR、C1〜6アルキル(CO)R、OC1〜6アルキル(CO)R、C0〜6アルキルCO、OC1〜6アルキルCO、C0〜6アルキルシアノ、OC2〜6アルキルシアノ、C0〜6アルキルNR、OC2〜6アルキルNR、C1〜6アルキル(CO)NR、OC1〜6アルキル(CO)NR、C0〜6アルキルNR(CO)R、OC2〜6アルキルNR(CO)R、C0〜6アルキルNR(CO)NR、C0〜6アルキルSR、OC2〜6アルキルSR、C0〜6アルキル(SO)R、OC2〜6アルキル(SO)R、C0〜6アルキルSO、OC2〜6アルキルSO、C0〜6アルキル(SO)NR、OC2〜6アルキル(SO)NR、C0〜6アルキルNR(SO)R、OC2〜6アルキルNR(SO)R、C0〜6アルキルNR(SO)NR、OC2〜6アルキルNR(SO)NR、(CO)NR、O(CO)NR、NROR、C0〜6アルキルNR(CO)OR、OC2〜6アルキルNR(CO)OR、SO、および、独立してC、N、OおよびSからなる群より選択される原子を含む5または6員環からなる群より選択され;
は、水素、ヒドロキシ、ハロ、ニトロ、C1〜6アルキルハロ、OC1〜6アルキルハロ、C1〜6アルキル、OC1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、OC2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、OC2〜6アルキニル、C0〜6アルキルC3〜6シクロアルキル、OC0〜6アルキルC3〜6シクロアルキル、C0〜6アルキルアリール、OC0〜6アルキルアリール、CHO、(CO)R、O(CO)R、O(CO)OR、O(CN)OR、C1〜6アルキルOR、OC2〜6アルキルOR、C1〜6アルキル(CO)R、OC1〜6アルキル(CO)R、C0〜6アルキルCO、OC1〜6アルキルCO、C0〜6アルキルシアノ、OC2〜6アルキルシアノ、C0〜6アルキルNR、OC2〜6アルキルNR、C1〜6アルキル(CO)NR、OC1〜6アルキル(CO)NR、C0〜6アルキルNR(CO)R、OC2〜6アルキルNR(CO)R、C0〜6アルキルNR(CO)NR、C0〜6アルキルSR、OC2〜6アルキルSR、C0〜6アルキル(SO)R、OC2〜6アルキル(SO)R、C0〜6アルキルSO、OC2〜6アルキルSO、C0〜6アルキル(SO)NR、OC2〜6アルキル(SO)NR、C0〜6アルキルNR(SO)R、OC2〜6アルキルNR(SO)R、C0〜6アルキルNR(SO)NR、OC2〜6アルキルNR(SO)NR、(CO)NR、O(CO)NR、NROR、C0〜6アルキルNR(CO)OR、OC2〜6アルキルNR(CO)OR、SO、および、独立してC、N、OおよびSからなる群より選択される原子を含む5または6員環からなる群より選択され;
は、H、C(O)OC1〜6アルキルハロ、C(O)OC1〜6アルキル、C(O)OC2〜6アルケニル、C(O)OC2〜6アルキニル、C(O)OC0〜6アルキルC3〜6シクロアルキル、C(O)OC0〜6アルキルアリール、C(O)OC1〜6アルキルOR、C(O)OC1〜6アルキル(CO)R、C(O)OC1〜6アルキルCO、C(O)OC1〜6アルキルシアノ、C(O)OC0〜6アルキルNR、C(O)OC1〜6アルキル(CO)NR、C(O)OC2〜6アルキルNR(CO)R、C(O)C1〜6アルキルNR(CO)NR、C(O)OC2〜6アルキルSR、C(O)OC1〜6アルキル(SO)R、C(O)OC1〜6アルキルSO、C(O)OC1〜6アルキル(SO)NR、C(O)OC1〜6アルキルNR(SO)R、C(O)OC2〜6アルキルNR(SO)NR、(CO)NR、C(O)OC1〜6アルキルNR(CO)OR、C(S)OC1〜6アルキルハロ、C(S)OC1〜6アルキル、C(S)OC2〜6アルケニル、C(S)OC2〜6アルキニル、C(S)OC0〜6アルキルC3〜6シクロアルキル、C(S)OC0〜6アルキルアリール、C(S)OC1〜6アルキルOR、C(S)OC1〜6アルキル(CO)R、C(S)OC1〜6アルキルCO、C(S)OC1〜6アルキルシアノ、C(S)OC0〜6アルキルNR、C(S)OC1〜6アルキル(CO)NR、C(S)OC2〜6アルキルNR(CO)R、C(S)C1〜6アルキルNR(CO)NR、C(S)OC2〜6アルキルSR、C(S)OC1〜6アルキル(SO)R、C(S)OC1〜6アルキルSO、C(S)OC1〜6アルキル(SO)NR、C(S)OC1〜6アルキルNR(SO)R、C(S)OC2〜6アルキルNR(SO)NR、(CO)NR、および、C(S)OC1〜6アルキルNR(CO)ORからなる群より選択され;
は、ヒドロキシ、ハロ、ニトロ、C1〜6アルキルハロ、OC1〜6アルキルハロ、C1〜6アルキル、OC1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、OC2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、OC2〜6アルキニル、C0〜6アルキルC3〜6シクロアルキル、OC0〜6アルキルC3〜6シクロアルキル、C0〜6アルキルアリール、OC0〜6アルキルアリール、CHO、(CO)R、O(CO)R、O(CO)OR、O(CN)OR、C1〜6アルキルOR、OC2〜6アルキルOR、C1〜6アルキル(CO)R、OC1〜6アルキル(CO)R、C0〜6アルキルCO、OC1〜6アルキルCO、C0〜6アルキルシアノ、OC2〜6アルキルシアノ、C0〜6アルキルNR、OC2〜6アルキルNR、C1〜6アルキル(CO)NR、OC1〜6アルキル(CO)NR、C0〜6アルキルNR(CO)R、OC2〜6アルキルNR(CO)R、C0〜6アルキルNR(CO)NR、C0〜6アルキルSR、OC2〜6アルキルSR、C0〜6アルキル(SO)R、OC2〜6アルキル(SO)R、C0〜6アルキルSO、OC2〜6アルキルSO、C0〜6アルキル(SO)NR、OC2〜6アルキル(SO)NR、C0〜6アルキルNR(SO)R、OC2〜6アルキルNR(SO)R、C0〜6アルキルNR(SO)NR、OC2〜6アルキルNR(SO)NR、(CO)NR、O(CO)NR、NROR、C0〜6アルキルNR(CO)OR、OC2〜6アルキルNR(CO)OR、=NR、=NOR、=O、=S、SO、および、独立してC、N、OおよびSからなる群より選択される原子を含む5または6員環からなる群より選択され;
Mは、=O、(CR、および、(CRC(O)からなる群より選択され;
およびRは、独立して、水素、C1〜6アルキル、OC1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、OC3〜7シクロアルキル、C1〜6アルキルアリール、OC1〜6アルキルアリール、アリール、および、ヘテロアリールからなる群より選択され;
、R、R、R、RおよびRで定義されたC1〜6アルキル、アリールまたはヘテロアリールはいずれもは、1またはそれ以上のAで置換されていてもよく;
Aは、水素、ヒドロキシ、ハロ、ニトロ、オキソ、C0〜6アルキルシアノ、C0〜4アルキルC3〜6シクロアルキル、C1〜6アルキル、C1〜6アルキルハロ、OC1〜6アルキルハロ、C2〜6アルケニル、C0〜3アルキルアリール、C0〜6アルキルOR、OC2〜6アルキルOR、C1〜6アルキルSR、OC2〜6アルキルSR、(CO)R、O(CO)R、OC2〜6アルキルシアノ、OC1〜6アルキルCO、O(CO)OR、OC1〜6アルキル(CO)R、C1〜6アルキル(CO)R、NROR、C1〜6アルキルNR、OC2〜6アルキルNR、C0〜6アルキル(CO)NR、OC1〜6アルキル(CO)NR、OC2〜6アルキルNR(CO)R、C0〜6アルキルNR(CO)R、C0〜6アルキルNR(CO)NR、O(CO)NR、C0〜6アルキル(SO)NR、OC2〜6アルキル(SO)NR、C0〜6アルキルNR(SO)R、OC2〜6アルキルNR(SO)R、SO、C1〜6アルキルNR(SO)NR、OC2〜6アルキル(SO)R、C0〜6アルキル(SO)R、C0〜6アルキル(SO)R、OC2〜6アルキル(SO)R、および、独立して1またはそれ以上のC、N、OおよびSからなる群より選択される原子を含む5または6員環からなる群より選択され;
mは、1、2または3であり;
nは、0〜8の整数である(0および8も含める)、上記化合物、または、それらの製薬上許容できる塩または水和物。
【請求項2】
nは0である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
は、C(O)OC1〜6アルキルハロ、C(O)OC1〜6アルキル、C(O)OC2〜6アルケニル、C(O)OC2〜6アルキニル、C(O)OC0〜6アルキルC3〜6シクロアルキル、C(O)OC0〜6アルキルアリール、C(O)OC1〜6アルキルOR、C(O)OC1〜6アルキル(CO)R、C(O)OC1〜6アルキルCO、C(O)OC1〜6アルキルシアノ、C(O)OC0〜6アルキルNR、C(O)OC1〜6アルキル(CO)NR、C(O)OC2〜6アルキルNR(CO)R、C(O)C1〜6アルキルNR(CO)NR、C(O)OC2〜6アルキルSR、C(O)OC1〜6アルキル(SO)R、C(O)OC1〜6アルキルSO、C(O)OC1〜6アルキル(SO)NR、C(O)OC1〜6アルキルNR(SO)R、C(O)OC2〜6アルキルNR(SO)NR、(CO)NR、および、C(O)OC1〜6アルキルNR(CO)ORからなる群より選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
は、C(O)OC1〜6アルキル、C(O)OC0〜6アルキルアリール、C(O)OC1〜6アルキルOR、および、(CO)NRからなる群より選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
は、水素またはフルオロである、請求項2に記載の化合物。
【請求項6】
Mは、CRである、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
M中のRはHである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
M中のRは、水素、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C1〜6アルキルアリール、アリール、および、ヘテロアリールから選択される、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
はC1〜6アルキルである、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
はC3〜7シクロアルキルである、請求項8に記載の化合物。
【請求項11】
はヘテロアリールである、請求項8に記載の化合物。
【請求項12】
前記ヘテロアリールは、2−、3−および4−ピリジル;2−および3−チエニル;ならびに、2−および3−フラニルからなる群より選択される、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
はアリールである、請求項8に記載の化合物。
【請求項14】
アリールはフェニルである、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
以下からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物:
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−(3−フェニル−プロパ−2−イニル)−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−シアノ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−(3−m−トリル−プロパ−2−イニル)−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−メトキシ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(5−シアノ−2−フルオロ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(2−フルオロ−5−メチル−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(5−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−メチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−イソプロピル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[1−tert−ブチル−3−(3−クロロ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−フェニル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[1−(3−クロロ−フェニルエチニル)−ブチル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[1−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−メチル−ブチル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[1−ベンジルオキシメチル−3−(3−クロロ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−シクロプロピル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[1−(3−クロロ−フェニルエチニル)−ペンチル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−チオフェン−2−イル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−チオフェン−3−イル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−フラン−2−イル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、
1−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸プロピルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸イソブチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸ブチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸2,2−ジメチル−プロピルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸ペンチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸2−メトキシ−エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸フェニルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸ベンジルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−ピリジン−3−イル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−(2−メトキシ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−(2−クロロ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−o−トリル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−m−トリル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−(2−クロロ−ピリジン−3−イル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
エチル4−[3−(5−クロロ−2−フルオロフェニル)−1−エチルプロパ−2−イン−1−イル]ピペラジン−1−カルボキシラート、
エチル4−[3−(3−クロロフェニル)−1−(5−メチル−2−フリル)プロパ−2−イン−1−イル]ピペラジン−1−カルボキシラート、
エチル4−{3−(3−クロロフェニル)−1−[5−(メトキシカルボニル)−2−フリル]プロパ−2−イン−1−イル}ピペラジン−1−カルボキシラート、
2,2,2−トリフルオロエチル4−[3−(3−クロロフェニル)−1−(2−フリル)プロパ−2−イン−1−イル]ピペラジン−1−カルボキシラート、
エチル4−{3−(3−クロロフェニル)−1−[5−(ヒドロキシメチル)−2−フリル]プロパ−2−イン−1−イル}ピペラジン−1−カルボキシラート、
エチル(3S)−4−[(1R)−3−(3−クロロフェニル)−1−(2−フリル)プロパ−2−イン−1−イル]−3−メチルピペラジン−1−カルボキシラート、
エチル(3S)−4−[(1S)−3−(3−クロロフェニル)−1−(2−フリル)プロパ−2−イン−1−イル]−3−メチルピペラジン−1−カルボキシラート、
エチル(3R)−4−[(1S)−3−(3−クロロフェニル)−1−エチルプロパ−2−イン−1−イル]−3−メチルピペラジン−1−カルボキシラート、
エチル(3R)−4−[(1R)−3−(3−クロロフェニル)−1−(2−フリル)プロパ−2−イン−1−イル]−3−メチルピペラジン−1−カルボキシラート、
エチル(3R)−4−[(1R)−3−(3−クロロフェニル)−1−エチルプロパ−2−イン−1−イル]−3−メチルピペラジン−1−カルボキシラート、
エチル(3S)−4−[(1S)−3−(3−クロロフェニル)−1−エチルプロパ−2−イン−1−イル]−3−メチルピペラジン−1−カルボキシラート、
エチル(3S)−4−[(1R)−3−(3−クロロフェニル)−1−メチルプロパ−2−イン−1−イル]−3−メチルピペラジン−1−カルボキシラート、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、
4−[1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−3−(3−クロロ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−トリイソプロピルシリルオキシメチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
エチル4−[3−(3−クロロフェニル)−1−(エトキシメチル)プロパ−2−イン−1−イル]ピペラジン−1−カルボキシラート、
4−[1−アミノメチル)−3−(3−クロロ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−ヒドロキシメチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−メトキシメチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−(3−フェニル−プロピノイル)−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
エチル4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1,1−ジメチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−1−エチル−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸メチルエステル、
4−[3−(3−クロロ−フェニル)−プロパ−2−イニル]−ピペラジン−1−カルボン酸2−メトキシ−エチルエステル、および、
それらの製薬上許容できる塩または水和物。
【請求項16】
1またはそれ以上の製薬上許容できる希釈剤、賦形剤および/または不活性キャリアーと共に、活性成分として治療上有効な量の請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項17】
mGluR5が関与する障害の治療に使用するための、請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項18】
治療に使用するための、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項19】
mGluR5が関与する障害の治療に使用するための、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項20】
mGluR5が関与する障害を治療するための医薬品の製造における、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項21】
哺乳動物に、治療上有効な量の請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物を投与することを含む、mGluR5が関与する障害の治療方法。
【請求項22】
前記哺乳動物はヒトである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記障害は神経疾患である、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記障害は精神障害である、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記障害は慢性および急性の疼痛障害である、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記障害は胃腸障害である、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記受容体を含む細胞を有効量の請求項1に記載の化合物で処理することを含む、mGluR5受容体の活性化を阻害する方法。

【公表番号】特表2007−523179(P2007−523179A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−554232(P2006−554232)
【出願日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【国際出願番号】PCT/US2005/005201
【国際公開番号】WO2005/080363
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(300022641)アストラゼネカ アクチボラグ (581)
【出願人】(506138029)エヌピーエス・ファーマシウティカルズ・インコーポレイテッド (11)
【Fターム(参考)】