説明

アドレスゲーム

【課題】
現在の携帯電話の電子ゲームは家庭用ゲームの移植に過ぎず、携帯電話の本来の機能であるコミュニケーション機能を活かしたゲームが提供されていない、という課題がある。また、現在の電子ゲーム内における広告はあくまで従来の四大広告媒体の代わりの媒体であり、従来の広告と同様の課題がやはり存在する。
【解決手段】
以上の課題解決のため、人とコミュニケーションを取るために送信又は受信したメールのアドレスなどの宛先又は発信元識別情報を数値に変換し、その数値を利用して電子ゲームを行うための携帯電話を提供する。また、アドレス情報をゲーム数値に変換し携帯電話に送信するサーバにおいて、例えばある特定のアドレスに関しては特定のゲーム数値に変換すると言うルールを設けたサーバ装置も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話などの携帯情報通信端末において電子ゲームを実行するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
本来コミュニケーションツールである携帯電話やPHSなどは、機器の高性能化、高機能化が進み、上記コミュニケーションのための機能のほかに、Webブラウジング機能、撮像機能、TV・ラジオ視聴機能、あるいは音楽再生機能、などさまざまな機能を備える機器となった。例えば特許文献1では、携帯電話に簡易にカメラ機能を付加するための方法が開示されている。
【0003】
そして上記機能のほかに、現在、携帯電話は電子ゲーム機能を備えているものも多い。このような携帯電話の電子ゲームは、いつでも場所を問わず手軽にできることから普及が進んでいる。
【0004】
また、近年の電子ゲーム市場の拡大にともなって、電子ゲームを新たな広告媒体としてとらえ活用する技術が広く実用化されている。特許文献2では、例えばレースゲームでレースコース内にリアルの広告と同様の広告看板が表示される、と言う技術が開示されている。
【特許文献1】特開2002−077701号公報
【特許文献2】特開2005−111106号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、現在の携帯電話の電子ゲームは、家庭用ゲーム機用の電子ゲームの単なる移植が多く、携帯電話ならではの電子ゲームが提供されていない、と言う課題がある。すなわち、上記携帯電話の本来の機能であるコミュニケーション機能を活かしたゲームが提供されていない、ということである。
【0006】
また、現在の電子ゲーム内における広告は、あくまで従来の四大広告媒体の代わりの媒体として、それら広告媒体と同様に、顧客への広告接触のみを目的としている。したがって、従来の広告と同様の課題、すなわち顧客の購買行動に直結しにくいことや、広告効果を測定することが困難であること、といった課題がやはり存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するために、本発明は、人とコミュニケーションを取るために送信又は受信したメールのアドレスや、通話した相手の電話番号などの宛先、あるいは発信元識別情報を数値に変換し、その数値を利用して電子ゲームを行うための携帯電話を提供する。なお、「数値を利用した電子ゲーム」とは、例えば数値をそのままゲームキャラクターやアイテムなどのゲーム部品のパラメータとしたり、その数値で識別される迷宮のパーツが組み合わされて冒険の舞台が提供されたりする、という具合の利用が挙げられる。
【0008】
具体的には、本発明はゲーム数値を利用してゲームを実行するためのゲーム実行部と、所定の人とコミュニケーションを取ったり所定のサイトにアクセスしたりするための送受信部と、を備えた携帯電話である。そしてこの携帯電話は、送受信部にて発信される情報の宛先識別情報を取得する宛先識別情報取得部と、前記取得した宛先識別情報を所定のルールで一又は二以上のゲーム数値に変換した結果を取得する発信ゲーム数値取得手段を有するゲーム数値取得部と、前記取得したゲーム数値を前記ゲーム実行部に利用可能に転送する転送部と、を有する携帯電話である。
【0009】
このように、宛先識別情報から所定のルールで変換されたゲーム数値を取得し、ゲームを実行するという構成をとることで、ゲームに利用するためにさまざまなゲーム数値を得ようと思う場合、さまざまな人と例えばメールで連絡を取り合う必要が生じる。すなわち、多くの人に連絡を取りコミュニケーションを行うインセンティブがユーザーに発生することになる。また、上記に加えて発信元識別情報も宛先識別情報と同様にゲーム数値に変換してゲームを実行する携帯電話も提供する。
【0010】
また、宛先識別情報や発信元識別情報をゲーム数値に変換し、変換したゲーム数値を上記携帯電話に送信する機能を備えたサーバ装置も提供する。また、例えばある特定のアドレスに関しては特定のゲーム数値に変換する、と言うルールを設けたサーバ装置も提供する。具体的には、サーバ装置のルール保持部に保持されているルールをサーバ取得部が取得した識別情報に応じて前記ゲーム数値算出部がゲーム数値を算出するために配分する識別情報依存ルール配分部を有するサーバ装置である。
【0011】
それにより、例えばA社のサイト(のURL)ではレアなゲーム数値によるレアアイテムの入手が可能、といった構成を取ることができ、したがって直接A社のサイトに誘導することができると言う高い広告効果をもつ広告方法を提供することができる。また、ゲームごとにユーザーのアクセス率を集計するなどその広告効果の測定も容易となる。
【発明の効果】
【0012】
以上のような構成をとる本発明によって、ゲームに利用するためにさまざまな数値データを得ようと、さまざまな人と例えばメールで連絡を取り合うことになり、結果的に多くの人とコミュニケーションを行うインセンティブがユーザーに発生することになる。
【0013】
また、ゲーム数値への変換に際して、特定のアドレスに関しては特定のゲーム数値に変換すると言うルールを設けることにより、ユーザーを直接その特定サイトに誘導することが可能な高い広告効果をもつ広告方法を提供することができる。また、ゲームごとにユーザーのアクセス率を集計するなどその広告効果の測定も容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。なお、実施例1は、主に請求項1,5について説明する。また、実施例2は、主に請求項2,6について説明する。また、実施例3では、主に請求項3,7について説明する。また、実施例4は、主に請求項4,8について説明する。
【0015】
≪実施例1≫
【0016】
<概要>
【0017】
図1に示すのは、本実施例の携帯電話を利用したゲームの概要の一例を説明するための図である。この図にあるように、ユーザーは携帯電話のメール送受信機能を利用してメールアドレス「a@××.jp」宛にメールを送信した(1)。すると、そのメールの宛先アドレスが変換され、この携帯電話のゲームで使える「攻撃力10の大きな剣」というデータが生成され、本実施例の携帯電話に取得された(2)。このようにしてユーザーは、本実施例の携帯電話のメールで友人とコミュニケーションをとることで、その携帯電話のゲームで利用できるアイテムを入手することができた。
【0018】
また、このユーザーは、今度は別の友人A,B,C,Dの4人に対し、メールの送信や通話機能での通話により連絡を取った(3)。すると、それらのメールの宛先アドレスや通話先電話番号から、それぞれ「仲間(キャラクター)」、「アイテム」、「迷宮(マップ)」、「モンスター」のデータを取得することができ(4)、さらに携帯電話のゲームを楽しむことができた。
【0019】
このように本実施例の携帯電話によって、さまざまな宛先識別情報に応じてさまざまなゲーム用のデータを取得することができる。このようにさまざまなコミュニケーションによってさまざまなゲーム部品が手に入る、という偶発性に起因するゲーム性の向上が期待でき、それにより、さらにさまざまな人にコミュニケーションをとろうというインセンティブが生まれる効果も期待できる。
【0020】
<構成>
【0021】
図2に示すのは、本実施例の携帯電話における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「携帯電話」(0200)は、「ゲーム実行部」(0201)と、「送受信部」(0202)と、「宛先識別情報取得部」(0203)と、「ゲーム数値取得部」(0204)と、「発信ゲーム数値取得手段」(0205)と、「転送部」(0206)と、を有する。
【0022】
なお、本発明における「携帯電話」とは、通常の携帯電話のほかに、PHSや通信機能付きのPDAなど携帯情報通信端末全般を含む概念である。
【0023】
また、以下に記載する本機器の機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの両方として実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPUやバッファメモリ、バス、ハードディスクや不揮発性メモリなどの記憶装置、CD−ROMやDVD−ROMなどの記憶メディア、それらメディアの読取ドライブ、各種通信や印刷機器用の送受信ポート、その他の周辺装置などのハードウェア構成部や、それらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラム、情報入力に利用されるインターフェースなどが挙げられる。
【0024】
これらハードウェアやソフトウェアは、メモリ上に展開したプログラムをCPUで順次演算処理したり、メモリやハードディスク上に保持されているデータや、インターフェースを介して入力されたデータなどを加工、蓄積、出力処理したり、あるいは各ハードウェア構成部の制御を行ったりするために利用される。
【0025】
また、この発明はシステムとして実現できるのみでなく、方法としても実現可能である。また、このような発明の一部をソフトウェアとして構成することができることもできる。さらに、そのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるソフトウェア製品、及び同製品を計算機に読み取り可能に固定した記録媒体も、当然にこの発明の技術的な範囲に含まれる(本明細書の全体を通じて同様である)。
【0026】
「ゲーム実行部」(0201)は、ゲーム数値を利用してゲームを実行するための機能を有する。「ゲーム数値を利用したゲーム」とは、ゲーム内の各種パラメータやデータの識別情報などとしてゲーム数値を利用するゲームをいう。
【0027】
図3に示すのは、このゲーム数値のゲームでの利用の一例について説明するための図である。なお、ゲーム数値は、詳しくは後述するように携帯電話で送受信したメールのアドレスや通話先や発信元電話番号、アクセス先WebページのURLなどの宛先識別情報や発信元識別情報を所定のルールに基づいて数値変換され算出されたものである。
【0028】
この図にあるように、例えば携帯電話で送信したメールの宛先アドレス「a@××.jp」からゲーム数値として「攻撃力:10」や「アイテムの種類:2」が算出される。そしてそのゲーム数値によって、ユーザーはキャラクター装備用アイテムである攻撃力10の大きな剣をこのゲームで使うことができるようになる。
【0029】
あるいは、同様にメールの送信先アドレス「b@○○.com」からゲーム数値として「力:10」、「知:6」、「敏:14」、「職業:1(戦士)」という数値が算出される。そしてそのゲーム数値によって、ユーザーはキャラクター「戦士A」を新たな仲間に加えることができるようになる。
【0030】
あるいは、携帯電話で通話した通話先の電話番号「000−111」からゲーム数値として「マップ属性:2(迷宮)」、「パーツ:a1」、「パーツ:d2」、「パーツ:c4」、「パーツ:a2」、という数値が算出される。そこからこのゲーム数値で識別される迷宮のパーツが組み合わされて、ユーザーは新たな迷宮に挑戦することができるようになる、と言った具合である。
【0031】
このようにコミュニケーションの相手先の違いによってさまざまなゲーム数値が算出され、その取得アイテムや舞台などのゲーム内容がランダムに変化していく。つまりユーザーは偶発性によるさまざまなゲーム展開を楽しむことができ、またその偶発性を積極的に生じさせるため、さまざまな相手とコミュニケーションを取ろうとするインセンティブが生まれることにもなる。
【0032】
なお携帯電話のゲームは、上記のようないわゆるロールプレイングゲーム以外であっても良い。例えば育成ゲームであって、育成キャラクターのパラメータや成長タイプ、育成用アイテム、衣装などがゲーム数値によって規定されても良い。またそのようにして育成されたキャラクターが例えば携帯電話の操作のインターフェースとなったり、メールの送信先にメールと一緒に送信され、その送信先アドレスに基づくゲーム数値によって進化して戻ってきたりするなどの構成としても良い。
【0033】
あるいは、シミュレーションゲームやアクションゲーム、レーシングゲームであって、そのマップ形状や操作するキャラクターのパラメータ、難易度などがゲーム数値によって規定されても良いし、アドベンチャーゲームであって、そのストーリー展開などがゲーム数値によって規定されても良い。また、リズムゲームであって、ゲーム数値によって新たなリズム曲が追加されても良いし、マージャンや将棋などのテーブルゲームであって、ゲーム数値によって初期配牌の操作や持ち駒、持ち時間の増加などが規定されても良い。
【0034】
「送受信部」(0200)は、無線によって携帯電話の外部にある通信網、機器(0210)と情報の送受信を行う機能を有する。例えばメールやショートメッセージサービスによる情報の送受信、通話による情報の送受信、Webサイトにアクセスすることによる情報の送受信、あるいは赤外線やIEEE802規格などによる短距離無線通信による情報の送受信などが挙げられる。
【0035】
この送受信部において上記のような手段によって情報の送受信を行うためには、その情報の送信先や発信元を特定する必要がある。そして、本発明では、その送信先などを識別する情報をゲーム数値に変換することで、情報の送受信のインセンティブの向上を図ることができる。
【0036】
「宛先識別情報取得部」(0203)は、送受信部(0202)にて発信される情報の宛先識別情報を取得する機能を有する。「宛先識別情報」とは、例えばメールであればメールアドレス、通話であれば電話番号、Webアクセスや短距離無線通信であればサーバや相手先のIPアドレス、あるいはURLなどが挙げられる。なおWebアクセスの場合、Webサイト閲覧のためのダウンロード要求情報の送信先を識別する情報を宛先識別情報としても良い。
【0037】
このように本実施例では、情報を発信した相手の宛先識別情報を取得し、後述するようにそれをゲーム数値に変換する。なお、逆に携帯電話で情報を受信した場合、すなわち相手の発信元識別情報をゲーム数値に変換する実施例については、次の実施例2において説明する。
【0038】
なお、この宛先識別情報取得部では、例えば所定の条件に合致した宛先識別情報は取得しない、などの構成をとっても良い。これは、例えばメールアドレスが変更されていて届かなかったことを示す情報を取得した場合には、該当する宛先識別情報は取得しない、という具合である。
【0039】
「ゲーム数値取得部」(0204)はゲーム数値を取得する機能を有する。そして本実施例のおいては「発信ゲーム数値取得手段」(0205)によって、ゲーム数値を取得する機能を実現する。
【0040】
「発信ゲーム数値取得手段」(0205)は、宛先識別情報取得部(0203)にて取得した宛先識別情報を所定のルールで一又は二以上のゲーム数値に変換した結果を取得する機能を有する。なお、このゲーム数値の所定のルールによる変換結果の取得は携帯電話内部の演算処理部によって実行されたものを取得しても良い。あるいは図に示すような外部のサーバ装置(0220)に必要な情報を送信し、そのサーバ装置にてゲーム数値への変換処理が実行され、その結果が携帯電話に返信されることでその変換結果を取得しても良い。
【0041】
図4に示すのは、この発信ゲーム数値取得手段で取得されるゲーム数値の変換結果の一例について説明するための図である。この図にあるように、例えば、宛先識別情報がメールアドレスであれば、その組織種別名「.com」や国・地域別コード「.jp」によって、アイテムやキャラクター、迷宮のパーツなど変換されるゲーム部品が決定される。またそのアカウント「a」やメールサーバ名やプロバイダ、組織名「××」という文字列を、所定値に変換したり所定の関数への代入したりすることでゲーム数値が算出される。そしてそのゲーム数値から、例えばアイテムであればアイテムの種別やそのパラメータが、キャラクターであればそのキャラクターの種別やパラメータが決定される、という具合である。
【0042】
もちろん上記例は一例であり、例えばアカウントのみをゲーム数値化しても良いし、組織種別名や国・地域別コードもすべて含めた文字列を所定のルールに従いゲーム数値化しても良い。
【0043】
図5に示すのは、上記の「パラメータ」のように数値がそのまま数値として利用されない場合、すなわちゲーム数値を迷宮などマップ構成やストーリー展開などに利用する場合、などに発信ゲーム数値取得手段で取得されるゲーム数値の変換結果の一例について説明するための図である。このような場合、この図にあるように、例えばゲーム数値とマップの一部やストーリーの分岐先などを関連付けたデータベースを用意しておくと良い。そしてこのようなデータベースを利用して、算出したゲーム数値から該当する迷宮のパーツ「A−1」、「A−2」や、冒険の目的「ドラゴン退治」やストーリー分岐「王国崩壊」が取得され組み合わされる、と言う具合である。
【0044】
図6に示すのは、上記の宛先識別情報のゲーム数値への変換処理の具体的な一例を説明するための図である。まず、携帯電話から、例えばメールが送信されたことを検知すると、この図にあるようにそのメールアドレス「test_01@××.ne.jp」が取得される(1)。そして、メモリの記憶領域1に「t」、領域2に「e」、領域3に「s」、・・・と言う具合に、アカウントを示す文字列が、一文字ずつメモリの所定領域に格納される。また、この文字列をゲーム数値へ変換処理するためのプログラムが、ハードディスクドライブなどの記憶装置からメモリのワーク領域に展開され、CPUにて実行される。
【0045】
そしてこの変換処理用プログラムに含まれる命令により、ハードディスクなどに記憶されている図に示すようなアドレスの文字列を数値に変換するためのデータベースが、メモリのまた別の所定の記憶領域10に格納される(2)。そして、上記所定領域10に格納されているデータベースの情報に従ってメモリのそれぞれの領域に格納されている文字が、記憶領域1の文字は「20」、領域2の文字は「5」、領域3の文字は「19」、・・・と言う具合に数値に置き換えられ再格納される。
【0046】
つづいてCPUの演算処理により、各記憶領域に格納されている数値が合計され(3)、その合計数値「162」が、また別のメモリの所定領域30に格納される。また、メモリの別の所定領域40に、ハードディスクに記憶されていたゲーム数値を算出するための関数f(x)が格納され、また別の所定領域50,51、・・・にこの関数f(x)に利用される所定の係数を示す数値が格納される。そして、プログラムに含まれる計算命令がCPUに実行され、記憶領域30に格納されている「162」という数値が関数f(x)のxの値に代入され、また、領域50,51、・・・に格納されているその他の係数も関数f(x)に代入される。そして、その関数f(x)の計算で余の数値「20」がゲーム数値として算出され(4)、メモリのまた別の記憶領域60に格納される、という具合である。
【0047】
なお、上記関数の所定の係数は、例えば「週替係数」など時間経過で変化する数値や、所定期間ごと数値が変更される数値であっても良い。このように変化する係数を関数中に含むことで、同一人物に送ったメールのメールアドレスから毎回違ったゲーム数値が算出される。したがってゲームで利用するアイテムなどの内容やパラメータが毎回異なるようになるのでランダム性が増すことになり、ユーザーはよりゲームを楽しめるようになる。また、そのためより頻繁に相手とメールなどでの連絡を取ろうというインセンティブが生ずる。
【0048】
また、その他の係数として親友指定したアカウントなどに関して個別に係数を設定する方法なども挙げられる。
【0049】
そして、このように算出されたゲーム数値「20」が、図6の5に示すようなデータベースを参照することにより、ゲーム内で使用可能な「りんご」と言うアイテムデータとして取得され利用される。
【0050】
なお、ゲーム数値取得部は算出されたゲーム数値の取得がその主な機能であるが、取得されるデータは算出された数値データそのものであっても、そのゲーム数値から取得された例えば上記アイテムデータであっても構わない。ただし、数値データそのものである場合、そのゲーム数値は、次に説明する転送部に関連してアイテムなどへの変換、取得処理が行われることになる。
【0051】
また、上記ゲーム数値の算出はあくまで一例であり、本発明のゲーム数値の算出処理は上記例には限定されるものではない。
【0052】
「転送部」(0206)は、ゲーム数値取得部(0204)にて取得したゲーム数値をゲーム実行部(0201)に利用可能に転送する機能を有する。「利用可能に転送」とは、上記のようにゲーム数値取得部で取得されたゲーム数値の態様によって、適切な変換処理を施して転送する、と言うことである。取得されたゲーム数値が数値データそのものであれば、ゲームに利用可能な例えばアイテムデータなどに変更する処理がおこなわれたうえで転送する。あるいは数値データそのままでもゲームに利用可能である場合や、ゲーム数値としてすでにアイテムデータなどを取得していた場合は、そのまま転送する、と言う具合である。
【0053】
そして、このようにして転送されたゲーム数値に基づくゲームパーツを利用して、ユーザーはゲーム実行部にてゲームを楽しむことができる。
【0054】
<処理の流れ>
【0055】
図7に示すのは、本実施例におけるゲーム実行のための、処理の流れの一例を表すフローチャートである。この図にあるように、まず、携帯電話から情報を発信する(ステップS0701)。続いて、前記ステップS0701にて発信した情報の宛先識別情報を取得する(ステップS0702)。ここで、宛先識別情報をゲーム数値に変換する処理をネットワーク上のサーバにて行う場合、図示していないがその宛先識別情報を該サーバ装置に送信する処理が行われる。また、携帯電話内部の処理で行う場合は、前記送信処理は行わない。
【0056】
次に、前記宛先識別情報を、予め保持されている所定のルールで、一または二以上のゲーム数値に変更し(ステップS0703)、前記ステップS0703にて変換された結果を取得する(ステップS0704)。なお、このステップS0704での取得は、サーバにおいてゲーム数値への変換処理が行われた場合は、サーバから携帯電話への送信処理をもって行われる。
【0057】
続いて、前記ステップS0704で取得したゲーム数値をゲームに利用可能に転送し(ステップS0705)、転送されたゲーム数値を利用して、携帯電話にてゲームを実行する(ステップS0706)。
【0058】
<効果の簡単な説明>
【0059】
以上のように本実施例の携帯電話によって、さまざまな宛先識別情報に応じてさまざまなゲーム用のデータを取得することができる。したがって誰宛のコミュニケーションによって何が手に入るか分からない、という偶発性に起因するゲーム性の向上が期待でき、それにより、さらにさまざまな人にコミュニケーションをとろうというインセンティブが生まれる効果も期待できる。
【0060】
≪実施例2≫
【0061】
<概要>
【0062】
本実施例は、実施例1の携帯電話を基本として、送信先のメールアドレスや電話番号のみならず、自分宛のメールの相手アドレスや自分宛の通話の相手電話番号、あるいはWebアクセスによる情報の送信元であるWebサイトのURLなどに基づいてゲーム数値を算出しゲームに利用することを特徴とする携帯電話である。
【0063】
このように送信のみならず受信によってもゲーム数値が算出され、ゲーム部品の取得が可能になる。したがってコミュニケーション相手の返事に対する期待感も増大し、また適度な返事の催促のインセンティブにもなりうるので、より活発なコミュニケーションを促進する効果も期待することができる。
【0064】
また、アクセス先のWebサイトのURLなどでもゲーム数値が算出されゲーム部品が取得されるので、ユーザーのWebサイトアクセスのインセンティブにもなりうる。したがって、Webサイトのアクセスも増えるので、Webサイトを運営する企業はサイトに広告を掲載したり商品販売ページを設けたりすることで、高い広告効果を期待することができ、またユーザーの消費行動に直結させることができる。
【0065】
<構成>
【0066】
図8に示すのは、本実施例の携帯電話における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「携帯電話」(0800)は、実施例1を基本として、「ゲーム実行部」(0801)と、「送受信部」(0802)と、「宛先識別情報取得部」(0803)と、「ゲーム数値取得部」(0804)と、「発信ゲーム数値取得手段」(0805)と、「転送部」(0806)と、を有する。なお、これら「ゲーム実行部」と、「送受信部」と、「宛先識別情報取得部」と、「ゲーム数値取得部」と、「発信ゲーム数値取得手段」と、「転送部」は、前記実施例1にて記載済みであるのでその詳細な説明は省略する。
【0067】
そして、本実施例の特徴点は、「発信元識別情報取得部」(0807)をさらに有し、またゲーム数値取得部が「受信ゲーム数値取得手段」(0808)をさらに備える点である。
【0068】
「発信元識別情報取得部」(0807)は、送受信部(0802)にて受信される情報の発信元識別情報を取得する機能を有する。「発信元識別情報」は、図に示すような閲覧したWebページ(0810)のURLのほかに、そのWebサーバのIPアドレス、受信したメールの発信元のメールアドレス、着信した相手の電話番号、短距離無線通信により接続を確立した相手機器のIPアドレス、TV放送波の受信部で受信したTV番組のチャンネル情報や番組情報、などが挙げられる。
【0069】
「受信ゲーム数値取得部」(0808)は、発信元識別情報取得部(0807)にて取得された発信元識別情報を所定のルールで一又は二以上のゲーム数値に変換した結果を取得する機能を有する。この受信ゲーム数値取得手段でのゲーム数値の変換結果の取得は、「発信ゲーム数値取得手段」(0805)と同様に、携帯電話内部の演算処理部によって実行されたものを取得しても良いし、外部のサーバ装置(0820)に必要な情報を送信し、そのサーバ装置での変換処理結果の返信によって取得しても良い。
【0070】
また、発信元識別情報のゲーム数値への変換処理と、実施例1で説明した宛先識別情報のゲーム数値への変換処理とを比較すると、その差は変換の元となる識別情報が送信先であるか発信元であるかの差のみである。したがってその基本的な処理は同じであり、詳細な説明については省略する。
【0071】
このように、ゲーム数値の変換の元になる情報として発信元識別情報を利用することで、例えば大量に届く可能性のある、いわゆるスパムメールに関しては、最弱のナイフなどあまり良いゲーム部品にならないゲーム数値に変換されるようにする、といった構成を取ることもできる。あるいは、上記のようにWebページの閲覧では良いゲーム部品になるゲーム数値に変換されるように所定のルールを設定することで、Webページ閲覧のインセンティブを高め、広告効果を高める効果も期待できる。なお、本発明の携帯電話の電子ゲームを利用したWebページの広告効果を増大させる具体的な技術に関しては、詳しくは実施例4にて説明する。
【0072】
<処理の流れの一例>
【0073】
図9に示すのは、本実施例におけるゲーム実行のための、処理の流れの一例を表すフローチャートである。この図にあるように、まず、携帯電話にて情報を受信する(ステップS0901)。続いて、前記ステップS0901にて受信した情報の発信元識別情報を取得する(ステップS0902)。ここで、発信元識別情報をゲーム数値に変換する処理をネットワーク上のサーバにて行う場合、図示していないがその発信元識別情報を該サーバ装置に送信する処理が行われる。また、携帯電話内部の処理で行う場合は、前記送信処理は行わない。
【0074】
次に、前記発信元識別情報を、予め保持されている所定のルールで、一または二以上のゲーム数値に変更し(ステップS0903)、前記ステップS0903にて変換された結果を取得する(ステップS0904)。なお、このステップS0904での取得は、サーバにおいてゲーム数値への変換処理が行われた場合は、サーバから携帯電話への送信処理をもって行われる。
【0075】
続いて、前記ステップS0904で取得したゲーム数値をゲームに利用可能に転送し(ステップS0905)、転送されたゲーム数値を利用して、携帯電話にてゲームを実行する(ステップS0906)。
【0076】
<効果の簡単な説明>
【0077】
以上のように本実施例の携帯電話によって、コミュニケーション相手の返事に対する期待感も増大し、また適度な返事の催促のインセンティブにもなりうるので、より活発なコミュニケーションを推進することができる。
【0078】
また、アクセス先のWebサイトのURLなどでもゲーム数値が算出されゲーム部品が取得されるので、ユーザーのWebサイトアクセスのインセンティブにもなりうる。したがって、Webサイトのアクセスも増えるので、そのWebサイトを運営する企業はサイトに広告を掲載したり商品販売ページを設けたりすることで、高い広告効果を期待することができ、またユーザーの消費行動に直結させることができる。
【0079】
≪実施例3≫
【0080】
<概要>
【0081】
本実施例は、ネットワーク上に配されたサーバ装置に関する実施例である。本実施例のサーバ装置は、実施例1や2で説明した携帯電話で行うゲームで利用されるゲーム数値を算出し、携帯電話にそのゲーム数値を返信する機能を有するサーバ装置である。
【0082】
このように携帯電話ではなく、ネットワーク上のサーバ装置においてゲーム数値を算出することで、例えば携帯電話内部のゲーム数値算出プログラムを改変される、といった事態を防ぐことができるのでゲーム数値の改竄の可能性を抑えることができる。また、データ保持量が少ない携帯電話にとっては、必要データを外部のサーバに置くことが可能になるので保持データ量を抑えることができるという効果もある。
【0083】
<構成>
【0084】
図10に示すのは、本実施例のサーバ装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「サーバ装置」(1000)は、「サーバ取得部」(1001)と、「ルール保持部」(1002)と、「ゲーム数値算出部」(1003)と、「返信部」(1004)と、を有する。
【0085】
「サーバ取得部」(1001)は、宛先識別情報取得部又は発信元識別情報取得部が取得した識別情報を前記携帯電話から取得する機能を有する。この識別情報の取得は、ネットワークを介して行われる。なお、宛先識別情報取得部や発信元識別情報取得部、またそこで取得される識別情報については実施例1や2で記載済みであるので説明は省略する。
【0086】
「ルール保持部」(1002)は、所定のルールを保持する機能を有する。「所定のルール」とは、例えば実施例1で説明したようにメールアドレスのアカウントや組織種別名などを構成する文字列を数値に変換するためのルールなどが挙げられる。
【0087】
「ゲーム数値算出部」(1204)は、サーバ取得部(1203)にて取得した識別情報をルール保持部に保持されている所定のルールに基づいて計算してゲーム数値を算出する機能を有する。例えばメールアドレス「test_01@××.ne.jp」から、ゲーム数値「20」が算出される、という具合である。なお、このゲーム数値の具体的な算出例については実施例1などですでに記載済みであるので、その詳細な説明は省略する。
【0088】
「返信部」(1204)は、ゲーム数値算出部(1203)にて算出されたゲーム数値をその識別情報を送信してきた携帯電話に対して返信する機能を有する。このゲーム数値の送信はネットワークを介して行われる。
【0089】
このようにサーバ装置において算出され返信されたゲーム数値が携帯電話に受信されることで、携帯電話はそのゲーム数値を利用したゲームを実行することができる。
【0090】
この、サーバ装置におけるゲーム数値の変換処理は、例えば実施例1で図6を用いて説明したものと同様の処理にして実行されると良い。すなわち、携帯電話から、その宛先または発信元のメールアドレスが取得される。そして、サーバ装置を構成するメモリのそれぞれの記憶領域に、このアカウントを示す文字列が一文字ずつ格納される。また、この文字列をゲーム数値へ変換処理するためのプログラムが、ハードディスクドライブなどの記憶装置からメモリのワーク領域に展開され、CPUにて実行され、メモリのそれぞれの領域に格納されている文字が数値に置き換えられ再格納される。
【0091】
つづいてCPUの演算処理により、各記憶領域に格納されている数値が合計され、またゲーム数値を算出するための関数f(x)などが利用されてゲーム数値が算出される。そして、そのゲーム数値がまた別のメモリの所定領域に格納される、という具合である。
【0092】
<処理の流れ>
【0093】
図11に示すのは、本実施例におけるゲーム数値算出処理の流れの一例を表すフローチャートである。この図にあるように、まず、携帯電話の情報の送受信に基づいて携帯電話にて取得した宛先または発信元の識別情報をサーバ装置にて取得する(ステップS1101)。また、予め保持するために記録された(ステップS1102)所定のルールに基づいて、前記ステップS1101で取得した識別情報を計算し、ゲーム数値を算出する(S1103)。そして、前記ステップS1103で算出したゲーム数値を、その識別情報を送信してきた携帯電話に対して返信する(ステップS1104)。
【0094】
<効果の簡単な説明>
【0095】
以上のように、本実施例のサーバ装置によって、携帯電話内部のゲーム数値算出プログラムが改変される、といった事態を防ぐことができるのでゲーム数値の改竄の可能性を抑えることができる。また、データ保持量が少ない携帯電話にとっては、必要データを外部のサーバに置くことが可能になるので保持データ量を抑えることができるという効果もある。
【0096】
≪実施例4≫
【0097】
<概要>
【0098】
本実施例のサーバ装置は、特定の識別情報には特定のルールを適用し変換を行う、という具合に、識別情報に応じて所定のルールを配分しゲーム数値への変換を行う機能を備えていることを特徴としている。
【0099】
図12に示すのは、この所定のルールを配分することでゲーム数値を算出する一例を説明するための図である。この図にあるように、携帯電話で一般のWebページを閲覧し、そのWebページのURL「http://××.co.jp/top.html」がサーバ装置に取得される。本実施例のサーバ装置では、このような通常のURLの場合、通常の所定のルールが配分される。そしてその所定のルールに基づいてゲーム数値への変換が行われ、ゲームでは攻撃力10の大きな剣のデータを入手できる。
【0100】
一方、ある特定のWebサイト、例えばA社のWebページのURL「http://A−company.co.jp/top.html」では、本実施例のサーバ装置は、ゲーム内で使用可能な武器「村正」に変換するための特別な所定のルールが配分される。これにより、A社のWebサイトを訪問したユーザーは、攻撃力100の村正のデータをゲーム内で入手することができる。
【0101】
このように識別情報に基づいて所定のルールを配分することで、例えば上記のように特定のWebページアドレスでユーザーに強力な武器の入手などの特典を与えることができる。そのためユーザーがそのWebページを訪問するインセンティブが生じることになるので、そのWebページで宣伝広告活動を行えば高い広告効果を期待することができる。また、サーバ装置の運営やゲーム数値を利用したゲームの提供を行う者にとっては、その広告の代価を受け取り、広告料を支払ったものの識別情報には特別なルールを配分するよう設定するという新たなビジネスモデルを構築することもできる。
【0102】
<構成>
【0103】
図13に示すのは、本実施例のサーバ装置における機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「サーバ装置」(1300)は、実施例1を基本として、「サーバ取得部」(1301)と、「ルール保持部」(1302)と、「ゲーム数値算出部」(1303)と、「返信部」(1304)と、を有する。なお、これら「サーバ取得部」と、「ルール保持部」と、「ゲーム数値算出部」と、「返信部」と、は実施例3ですでに記載済みであるのでその説明は省略する。
【0104】
そして、本実施例のサーバ装置の特徴点は、さらに「識別情報依存ルール配分部」を有する点である。
【0105】
「識別情報依存ルール配分部」(1305)は、ルール保持部(1302)に保持されているルールを、サーバ取得部(1301)が取得した識別情報に応じて前記ゲーム数値算出部(1303)がゲーム数値を算出するために配分する機能を有する。図14に示すのは、この識別情報に応じたルールの配分の一例について説明するための図である。この図にあるように、この配分は例えばテーブルを利用して行う方法が挙げられる。例えば識別情報に「A−company.co.jp」を含んでいれば「所定のルールA」(例えば武器「村正」のゲーム数値を算出するためのルール)が配分される。また、例えば識別情報に「B−medical.co.jp」を含んでいれば「所定のルールB」(例えばダンジョン「宝物島」のゲーム数値を算出するためのルール)が配分される、という具合である。
【0106】
また、識別情報として、A社のWebページのうち、トップページ(http://A−company.co.jp/top.html)他では通常の所定のルールが配分され、例えば商品紹介用ページ(http://A−company.co.jp/catalog.html)のみ特別なルールを配分するようにしても良い。このような構成とし、「A社のどこかのWebページにアクセスすると伝説の武器が手に入る」という情報をユーザーに与えることで、このA社のWebページを訪れたものは宝探し感覚でA社のさまざまなWebページをクリックすることになり、さらに広告効果を高める効果が期待できる。
【0107】
このように識別情報に応じて所定のルールを配分することで、例えば上記のように特定のWebページアドレスでユーザーに強力な武器の入手などの特典を与えることができる。
【0108】
もちろん、「.jp」や「.com」という識別情報の違いに応じて、「.jp」では一般アイテム用のゲーム数値算出ルールαを配分し、「.com」では一般キャラクター用ゲーム数値算出ルールβを配分する、としても良い。
【0109】
この識別情報に応じたルールの配分は、例えば以下のようにして処理される。すなわち複数の所定のルールが、サーバ装置を構成するハードディスクドライブなどの記憶装置の所定記憶領域にそれぞれ記憶されている。また、記憶装置の別の記憶領域に、図14で示すようなテーブルのデータも記憶されている。
【0110】
ここで、まず、識別情報に応じて所定のルールを配分しゲーム数値を算出するためのプログラムがメモリのワーク領域に展開され、CPUによって実行される。このプログラムの処理により、まず、取得した識別情報がメモリの所定領域に格納される。また、記憶装置に記憶されている前記テーブルデータもメモリのまた別の所定領域に格納される。そしてCPUの演算処理で格納されている識別情報に該当する所定のルールを識別する情報がテーブルデータから取得される。そしてそのルールを識別する情報に基づいてCPUが、該当する所定のルールを記憶装置からメモリの所定領域に取得するための命令が生成され、それにより該当する所定のルールがメモリの所定領域に格納される、という具合である。その後は、実施例1で説明したように、例えば識別情報の文字列を前記メモリに格納された所定のルールに従ってCPUの演算処理によりゲーム数値への変換が行われても良い。あるいは、所定のルールが文字列に依存せず「ゲーム数値『255』に変換する」というルールであれば、それに従い識別情報の文字列に依存せずゲーム数値への変換が行われても良い。
【0111】
なお、所定のルールの配分処理は上記のような識別情報と所定のルールの対応テーブルを利用した配分には限られない。例えば識別情報に応じて複数の保持されている所定のルール中からランダムで一つを選び出し配分する、という構成で配分処理が行われても構わない。
【0112】
<処理の流れ>
【0113】
図15に示すのは、本実施例における処理の流れの一例を表すフローチャートである。この図にあるように、本実施例は、まず、携帯電話の情報の送受信に基づいて携帯電話にて取得した宛先または発信元の識別情報をサーバ装置にて取得する(ステップS1501)。また、予め保持するために記録された(ステップS1502)所定のルールを、前記取得した識別情報に応じて配分し(ステップS1503)、その配分された所定のルールに基づいて識別情報からゲーム数値を算出する(S1504)。そして、前記ステップS1504で算出したゲーム数値を、その識別情報を送信してきた携帯電話に対して返信する(ステップS1505)。
【0114】
<効果の簡単な説明>
【0115】
以上のように、本実施例のサーバ装置によって、例えば特定のWebページアドレスによって、レアなアイテム、キャラクター、冒険場所などのゲームデータを取得することができる、などの特典を与えることができる。そのためユーザーがそのWebページを訪問するインセンティブが生じることになるので、そのWebページで宣伝広告活動を行えば高い広告効果を期待することができる。また、サーバ装置の運営やゲーム数値を利用したゲームの提供を行う者にとっては、その広告の代価を受け取ることによるビジネスモデルを構築することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】実施例1の携帯電話を利用したゲームの概要の一例を説明するための図
【図2】実施例1の携帯電話における機能ブロックの一例を表す図
【図3】実施例1の携帯電話におけるゲーム数値のゲームでの利用の一例について説明するための図
【図4】実施例1の携帯電話の発信ゲーム数値取得手段で取得されるゲーム数値の変換結果の一例について説明するための図
【図5】実施例1の携帯電話の発信ゲーム数値取得手段で取得されるゲーム数値の変換結果の、別の一例について説明するための図
【図6】実施例1の携帯電話における宛先識別情報のゲーム数値への変換処理の具体的な一例を説明するための図
【図7】実施例1における処理の流れの一例を表すフローチャート
【図8】実施例2の携帯電話における機能ブロックの一例を表す図
【図9】実施例2における処理の流れの一例を表すフローチャート
【図10】実施例3のサーバ装置における機能ブロックの一例を表す図
【図11】実施例3における処理の流れの一例を表すフローチャート
【図12】実施例3のサーバ装置における所定のルールを配分することでゲーム数値を算出する一例を説明するための図
【図13】実施例4のサーバ装置における機能ブロックの一例を表す図
【図14】実施例4のサーバ装置における識別情報に応じたルールの配分の一例について説明するための図
【図15】実施例4における処理の流れの一例を表すフローチャート
【符号の説明】
【0117】
0200 携帯電話
0201 ゲーム実行部
0202 送受信部
0203 宛先識別情報取得部
0204 ゲーム数値取得部
0205 発信ゲーム数値取得手段
0206 転送部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム数値を利用してゲームを実行するためのゲーム実行部と、
送受信部と、
送受信部にて発信される情報の宛先識別情報を取得する宛先識別情報取得部と、
前記宛先識別情報取得部にて取得した宛先識別情報を所定のルールで一又は二以上のゲーム数値に変換した結果を取得する発信ゲーム数値取得手段を有するゲーム数値取得部と、
ゲーム数値取得部にて取得したゲーム数値を前記ゲーム実行部に利用可能に転送する転送部と、
を有する携帯電話。
【請求項2】
送受信部にて受信される情報の発信元識別情報を取得する発信元識別情報取得部を有し、
前記ゲーム数値取得部は、
発信元識別情報取得部にて取得された発信元識別情報を所定のルールで一又は二以上のゲーム数値に変換した結果を取得する受信ゲーム数値取得手段をさらに有する請求項1に記載の携帯電話。
【請求項3】
宛先識別情報取得部又は発信元識別情報取得部が取得した識別情報を前記携帯電話から取得するサーバ取得部と、
ルール保持部と、
前記サーバ取得部にて取得した識別情報をルール保持部に保持されている所定のルールに基づいて計算してゲーム数値を算出するゲーム数値算出部と、
ゲーム数値算出部にて算出されたゲーム数値をその識別情報を送信してきた携帯電話に対して返信する返信部と、
を有するサーバ装置。
【請求項4】
前記ルール保持部に保持されているルールをサーバ取得部が取得した識別情報に応じて前記ゲーム数値算出部がゲーム数値を算出するために配分する識別情報依存ルール配分部をさらに有する請求項3に記載のサーバ装置。
【請求項5】
携帯電話から情報を発信するステップと、
前記ステップにて発信した情報の宛先識別情報を取得するステップと、
前記ステップにて取得した宛先識別情報を、予め保持されている所定のルールで一又は二以上のゲーム数値に変換するステップと、
前記ステップにて変換された結果を取得するステップと、
前記ステップにて取得したゲーム数値をゲームに利用可能に転送するステップと
前記転送されたゲーム数値を利用して携帯電話にてゲームを実行するステップと、
を有するゲーム実行方法。
【請求項6】
携帯電話にて情報を受信するステップと、
前記ステップにて受信される情報の発信元識別情報を取得するステップと、
前記ステップにて取得した発信元識別情報を所定のルールで一又は二以上のゲーム数値に変換するステップと、
前記ステップにて変換された結果を取得するステップと、
をさらに有する請求項5に記載のゲーム実行方法。
【請求項7】
携帯電話の情報の送受信に基づいて携帯電話にて取得した宛先識別情報または発信元識別情報をサーバ装置にて取得するステップと、
所定のルールを保持するために記録するステップと、
前記ステップにて取得した識別情報を、前記保持されている所定のルールに基づいて計算してゲーム数値を算出するステップと、
前記ステップにて算出されたゲーム数値をその識別情報を送信してきた携帯電話に対して返信するステップと、
を有するゲーム実行方法。
【請求項8】
前記ステップにて記録され保持されている所定のルールを、前記ステップにて取得した識別情報に応じてゲーム数値を算出するために配分するステップをさらに有する請求項7に記載のゲーム実行方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−7233(P2007−7233A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−193359(P2005−193359)
【出願日】平成17年7月1日(2005.7.1)
【出願人】(505250513)株式会社モブキャスト (2)
【出願人】(505250384)株式会社ゲームリパブリック (1)
【Fターム(参考)】