説明

アミノ−5−(6員)ヘテロアリールイミダゾロン化合物およびβ−セレクターゼ調節のためのその使用

本発明は、式Iの2−アミノ−5−ヘテロアリール−5−フェニルイミダゾロン化合物を提供する。本発明はまた、β−セレクターゼ(BACE)を阻害し、そしてβ−アミロイド沈着および神経原線維変化を処置するために、その使用のための方法を提供する。本発明はまた、β−アミロイド沈着および神経原線維変化の処置のための式Iのヘテロアリールイミダゾロン化合物の使用に関する。本発明の化合物は、特に、アルツハイマー病、認知障害、ダウン症候群、HCHWA−D、認知低下、老年痴呆、脳アミロイド血管症、変性痴呆、または他の神経変性障害を処置するために有用である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、2−アミノ−5−ヘテロアリール−5−フェニルイミダゾロン化合物およびβ−セレクターゼ(BACE)を調節(そして好ましくは、阻害)するため、そしてβ−アミロイド沈着および神経原線維変化を処置するためにそれらを使用するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
β−アミロイド沈着および神経原線維変化は、アルツハイマー病(AD)に関連した2つの主要な病理学的特徴である。臨床的に、ADは、記憶、認識、理論、判断および見当識の喪失によって特徴付けられる。この疾患が進行するにつれて、複数の認識機能の全般的な障害が起こるまで、運動能力、知覚能力、および言語能力もまた影響される。これらの認識の喪失は徐々に生じるが、代表的には4〜12年の間に深刻な障害が起こり結果として死に至る。
【0003】
アミロイド生成(amyloidogenic)斑および脈管アミロイド脈管障害はまた、21トリソミー(ダウン症候群)、オランダ型のアミロイドーシスによる遺伝性脳出血(HCHWA−D)、および他の神経変性障害を有する患者の脳を特徴付ける。神経原線維変化は、他の痴呆を誘導する障害においても生じる。神経原線維変化は、他の痴呆を誘導する障害を含む他の神経変性障害においても生じる(非特許文献1)。
【0004】
β−アミロイド沈着は、主に、Aβペプチド(換言するとアミロイド前駆体タンパク質(APP)のタンパク質分解である)の凝集である。より具体的には、Aβペプチドは、1つ以上のβ−セレクターゼによるC末端におけるAPPの切断、およびβ−セレクターゼ酵素(BACE)によるN末端におけるAPPの切断から生じ、そのβ−セレクターゼはまた、β−アミロイド生成経路の一部としてのアスパルチルプロテアーゼとして公知である。
【0005】
BACE活性は、APPからのAβペプチドの産生に直接的に相関し(非特許文献2)、そして研究は、ますます、BACEの阻害がAβペプチドの産生を阻害することを示す(非特許文献3)。
【非特許文献1】Varghese,J.ら、Journal of Medicinal Chemistry、2003年、第46巻、p.4625−4630
【非特許文献2】Sinhaら、Nature、1999年、第402巻、p.537−540
【非特許文献3】Roberds,S.L.ら、Human Molecular Genetics、2001年、第10巻、p.1317−1324
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、β−セレクターゼのインヒビターであり、そして患者における高いβ−アミロイド沈着またはβ−アミロイドレベルによって特徴付けられる疾患または障害の処置、予防または改善において治療剤として有用である化合物を提供することが、本発明の目的である。
【0007】
患者における高いβ−アミロイド沈着またはβ−アミロイドレベルによって特徴付けられる疾患または障害の処置、予防または改善に有用な治療方法および薬学的組成物を提供することが、本発明の別の目的である。
【0008】
提供される化合物がまた、β−セレクターゼ酵素をさらに研究し、そしてそれを解明するのに有用であり得ることは、本発明の特徴である。
【0009】
本発明のこれらの目的および他の目的は、以下に示される詳細な説明によってさらに明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の要旨)
本発明は、式I:
【0011】
【化2】

の化合物、あるいはその互変異性体、その立体異性体またはその薬学的に受容可能な塩であって、
Wは、CO、CSまたはCHであり;
Xは、N、NOまたはCRであり;
Yは、N、NOまたはCR10であり;
Zは、N、NOまたはCR11であるが、但し、X、YまたはZのうちの少なくとも1つは、NまたはNOでなければならず;
およびRは、各々独立して、H、COR34、CO12または必要に応じて置換されているC〜Cアルキル基であり;
は、H、OR13または各々必要に応じて置換されたC〜Cアルキル基、C〜Cハロアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基、C〜Cシクロアルキル基もしくはアリール(C〜C)アルキル基であり;
およびRは、各々独立して、H、ハロゲン、NO、CN、OR14、CO15、COR16、NR1718、SONR1920または各々必要に応じて置換されたC〜Cアルキル基、C〜Cハロアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基もしくはC〜Cシクロアルキル基であり;
は、H、ハロゲン、NO、CN、OR21、NR2223または各々必要に応じて置換されたC〜Cアルキル基、C〜Cハロアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基もしくはC〜Cシクロアルキル基であり;
は、H、ハロゲン、NO、CN、OR24、NR2526または各々必要に応じて置換されたC〜Cアルキル基、C〜Cハロアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基、C〜Cシクロアルキル基、アリール基もしくはヘテロアリール基であり;
R、R、RおよびR10は、各々独立して、H、ハロゲン、NO、CN、OR27、CO28、COR29、NR3031、SONR3233または各々必要に応じて置換されたC〜Cアルキル基、C〜Cハロアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基もしくはC〜Cシクロアルキル基であり;
11、R12、R13、R14、R15、R16、R21、R24、R27、R28およびR29は、各々独立して、Hまたは各々必要に応じて置換されたC〜Cアルキル基、C〜Cハロアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基、C〜Cシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル(cycloheteroalkyl)基またはアリール基であり;
17、R18、R19、R20、R22、R23、R25、R26、R30、R31、R32およびR33は、各々独立して、H、COR34、SO35または各々必要に応じて置換されたC〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基、C〜Cシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基もしくはヘテロアリール基であるか、あるいはR17、R18;またはR19、R20;またはR22、R23;またはR25、R26;またはR30、R31;またはR32、R33は、それらが結合されている原子と一緒になって、O、NまたはSから選択されるさらなるヘテロ原子を必要に応じて含む必要に応じて置換されている5員〜7員の環を形成し得;
34は、H、または各々必要に応じて置換されたC〜Cアルキル基、C〜Cハロアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基、C〜Cシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基もしくはヘテロアリール基であり;そして
35は、各々必要に応じて置換されたC〜Cアルキル基、C〜Cハロアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基、C〜Cシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基である;
化合物を提供する。
【0012】
本発明はまた、β−アミロイド沈着および神経原線維変化の処置のための式Iのヘテロアリールイミダゾロン化合物の使用に関する。本発明の化合物は、特に、アルツハイマー病、認知障害、ダウン症候群、HCHWA−D、認知低下、老年痴呆、脳アミロイド血管症、変性痴呆、または他の神経変性障害を処置するために有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(発明の詳細な説明)
アルツハイマー病(AD)は、脳の重大な変性疾患であり、これは、臨床的に、記憶、認知、推理、判断および情動安定性の進行的な喪失を示し、徐々に、深い痴呆および死に至る。ADの正確な原因は知られていないが、この疾患の病因において、アミロイドベータペプチド(A−ベータ)が中心的な役割を果たすという証拠が増えている(D.B.Schenk;R.E.Rydelら、Journal of Medicinal Chemistry,1995,21,4141およびD.J.Selkoe,Physiology Review,2001,81,741)。ADに罹患した患者は、特徴的な神経病理学的マーカー(例えば、神経突起プラーク)(およびβ−アミロイド血管症においては、脳血管における沈着)だけでなく、解剖において脳で検出される神経原線維のもつれを示す。A−ベータは、ADの脳における神経突起プラークの主成分である。それに加えて、β−アミロイド沈着および血管β−アミロイド血管症はまた、ダウン症候群、オランダ型のアミロイド症を伴う遺伝性脳出血、ならびに他の神経変性および痴呆誘発障害に罹患した患者の特徴である。アミロイド前駆体タンパク質(APP)の過剰発現、APPのA−ベータへの変化した開裂または患者の脳からのA−ベータのクリアランスの減少は、脳における可溶形状または繊維形状のA−ベータのレベルを高め得る。β−部位APP開裂酵素BACE1(これはまた、メマプシン−2またはAsp−2とも呼ばれる)は、1999に確認された(R.Vassar,B.D.Bennettら、Nature,1999,402,537)。BACE1は、膜結合アスパラギン酸プロテアーゼであり、これは、β−セクレターゼの全ての公知の特性および特徴を備えている。BACE1と平行して、BACE2と命名された第二の相同アスパルチルプロテアーゼは、インビトロで、β−セクレターゼ活性を有することが発見された。BACE1またはβ−セクレターゼの低分子量である非ペプチドの非基質関連インヒビターは、β−セクレターゼ酵素の研究を助けるものおよび潜在的な治療剤の両方として、熱心に探求されている。
【0014】
驚くべきことに、現在、式Iのアミノ−5−ヘテロアリールイミダゾロン化合物がβ−セレクターゼの阻害およびBACE1の選択的阻害を示すことが見出された。有利なことに、上記ヘテロアリールイミダゾロン化合物は、患者における高いβ−アミロイド沈着またはβ−アミロイドレベルに特徴がある疾患または障害を処置、予防または改善するのに有効な治療剤として、使用され得る。従って、本発明は、式I:
【0015】
【化3】

のアミノ−5−ヘテロ−アリールイミダゾロン化合物あるいはその互変異性体、その立体異性体またはその薬学的に受容可能な塩であって、
Wは、CO、CSまたはCHであり;
Xは、N、NOまたはCRであり;
Yは、N、NOまたはCR10であり;
Zは、N、NOまたはCR11であるが、但し、X、YまたはZのうちの少なくとも1つは、NまたはNOでなければならず;
およびRは、各々独立して、H、COR34、CO12または必要に応じて置換されているC〜Cアルキル基であり;
は、H、OR13または各々必要に応じて置換されたC〜Cアルキル基、C〜Cハロアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基、C〜Cシクロアルキル基もしくはアリール(C〜C)アルキル基であり;
およびRは、各々独立して、H、ハロゲン、NO、CN、OR14、CO15、COR16、NR1718、SONR1920または各々必要に応じて置換されたC〜Cアルキル基、C〜Cハロアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基もしくはC〜Cシクロアルキル基であり;
は、H、ハロゲン、NO、CN、OR21、NR2223または各々必要に応じて置換されたC〜Cアルキル基、C〜Cハロアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基もしくはC〜Cシクロアルキル基であり;
は、H、ハロゲン、NO、CN、OR24、NR2526または各々必要に応じて置換されたC〜Cアルキル基、C〜Cハロアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基、C〜Cシクロアルキル基、アリール基もしくはヘテロアリール基であり;
R、R、RおよびR10は、各々独立して、H、ハロゲン、NO、CN、OR27、CO28、COR29、NR3031、SONR3233または各々必要に応じて置換されたC〜Cアルキル基、C〜Cハロアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基もしくはC〜Cシクロアルキル基であり;
11、R12、R13、R14、R15、R16、R21、R24、R27、R28およびR29は、各々独立して、Hまたは各々必要に応じて置換されたC〜Cアルキル基、C〜Cハロアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基、C〜Cシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基もしくはアリール基であり;
17、R18、R19、R20、R22、R23、R25、R26、R30、R31、R32およびR33は、各々独立して、H、COR34、SO35または各々必要に応じて置換されたC〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基、C〜Cシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基もしくはヘテロアリール基であるか、R17、R18;またはR19、R20;またはR22、R23;またはR25、R26;またはR30、R31;またはR32、R33は、それらが結合されている原子と一緒になって、O、NまたはSから選択されるさらなるヘテロ原子を必要に応じて含む必要に応じて置換されている5員〜7員の環を形成し得;
34は、H、または各々必要に応じて置換されたC〜Cアルキル基、C〜Cハロアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基、C〜Cシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基もしくはヘテロアリール基であり;そして
35は、各々必要に応じて置換されたC〜Cアルキル基、C〜Cハロアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基、C〜Cシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基である;
化合物を提供する。
【0016】
特許請求の範囲は全ての可能な立体異性体およびプロドラッグを包含することが、理解される。さらに、特にに示されない限り、それぞれのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基は、必要に応じて置換されていることが企図される。
【0017】
必要に応じて置換されている部分は、1種以上の置換基によって置換され得る。必要に応じて存在する置換基は、それらの構造/活性、存続、吸収、安定性または他の有利な特性に影響を及ぼすために、薬学的化合物の開発またはこのような化合物の改変において通例使用される1種以上の置換基であり得る。このような置換基の具体的な例としては、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、チオシアナト基、シアナト基、ヒドロキシル基、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ホルミル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アルカノイル基、アルキルチオ基、アルキルスルフィニル(suphinyl)基、アルキルスルホニル基、カルバモイル基、アルキルアミド基、フェニル基、フェノキシ基、ベンジル基、ベンジルオキシ基、ヘテロシクリル(例えば、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリール)基またはシクロアルキル基が挙げられ、それは、好ましくは、ハロゲン原子または低級アルキル基または低級アルコキシ基である。特に指定されない限り、代表的に、0〜4個の置換基が、存在し得る。1個より多くの置換基が存在する場合、それらの置換基は、同じであっても異なっていてもよい。任意の上述の置換基がアルキル置換基を示すかまたは含む場合、これは、直鎖状であっても分枝状であってもよく、そして12個までの炭素原子、好ましくは6個までの炭素原子、より好ましくは4個までの炭素原子を含み得る。
【0018】
本明細書中で使用される場合、用語「アルキル」は、(C〜C10)直鎖である一価の飽和した炭化水素部分および(C〜C12)分枝鎖(特に規定されない限り)である一価の飽和した炭化水素部分の両方を含む。飽和した炭化水素アルキル部分の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、イソブチル、sec−ブチル;高級ホモログ(例えば、n−ペンチル、n−ヘキシル)などのような化学基が挙げられるがこれらに限定されない。特に、必要に応じて置換されているアルキル基は、「アルキル」の定義内に含まれる。適切なアルキル置換としては、CN、OH、ハロゲン、フェニル、カルバモイル、カルボニル、アルコキシまたはアリールオキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0019】
本明細書中で使用される場合、用語「ハロアルキル」は、同じであっても異なっていてもよい1個〜2n+1個のハロゲン原子を有するC2n+1基を示す。ハロアルキル基の例としては、CF、CHCl、CBrCl、Cなどが挙げられる。
【0020】
本明細書中で使用される場合、用語「アルケニル」とは、少なくとも1つの二重結合を含む(C〜C)直鎖または(C〜C10)分枝鎖のいずれかである一価の炭化水素部分をいう。このような炭化水素アルケニル部分は、一不飽和であっても多価不飽和であってもよく、そしてE立体配置またはZ立体配置に存在し得る。本発明の化合物は、全ての可能なE立体配置およびZ立体配置を含むことが意味される。一不飽和炭化水素アルケニル部分または多価不飽和炭化水素アルケニル部分の例としては、ビニル、2−プロペニル、イソプロペニル、クロチル、2−イソペンテニル、ブタジエニル、2−(ブタジエニル)、2,4−ペンタジエニル、3−(1,4−ペンタジエニル)のような化学基、および高級ホモログ、異性体などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0021】
本明細書中で使用される場合、用語「アルキニル」とは、少なくとも1つの三重結合を含む(C〜C)直鎖または(C〜C10)分枝鎖である一価の炭化水素部分をいう。アルキニル部分は、一不飽和であっても多価不飽和であってもよい。例としては、エチニルが挙げられる。
【0022】
本明細書中で使用される場合、用語「シクロアルキル」とは、特に指定されない限り、3個〜10個の炭素原子の単環、二環、三環、縮合、架橋、またはスピロの一価飽和炭化水素部分をいい、その炭素原子は、その環系の内部または外部に位置する。シクロアルキル部分の任意の適切な環位置は、規定された化学構造に共有結合され得る。シクロアルキル部分の例としては、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、シクロヘプチル、ノルボルニル、アダマンチル、スピロ[4.5]デカニルのような化学基、およびホモログ、異性体などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
本明細書中で使用される場合、用語「アリール(C〜C)アルキル」とは、下で定義されるような少なくとも1つのアリール部分によって置換された上に定義されるような(C〜C)アルキル基をいう。
【0024】
本明細書中で使用される場合、用語「ヘテロシクロアルキル」は、N、OまたはSから選択される同じであっても異なっていてもよい1個、2個または3個のヘテロ原子を含み、そして必要に応じて、1つの二重結合を含む5員〜7員の環系をいう。本明細書中で指定される用語に含まれる例示のヘテロシクロアルキル環系は、以下の環であり、Xは、NR’、OまたはSであり、そしてRは、Hまたは本明細書中で以下に定義されるような任意の置換基である。
【0025】
【化4】

本明細書中で使用される場合、用語「アリール」とは、20個までの炭素原子(例えば、6個〜20個の炭素原子)の芳香族炭素環式部分をいい、それは、単一の環(単環式)であっても、一緒に縮合されているかまたは共有結合されている複数の環(二環式、3個までの環)であってもよい。アリール部分の任意の適切な環位置は、規定された化学構造に共有結合され得る。アリール部分の例としては、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ジヒドロナフチル、テトラヒドロナフチル、ビフェニル、アントリル、フェナントリル、フルオレニル、インダニル、ビフェニレニル、アセナフテニル、アセナフチレニルなどのような化学基が挙げられるが、これらに限定されない。用語「アリール」は、未置換の炭素環式基および1〜5個の置換を含む炭素環式基の両方をさらに含む。
【0026】
本明細書中で使用される場合、用語「ヘテロアリール」は、芳香族複素環式環系を意味し、それは、それは、単一の環(単環式)であっても、一緒に縮合されているかまたは共有結合されている複数の環(二環式、3個までの環)であってもよい。好ましくは、ヘテロアリールは、5員〜6員の環である。その環は、窒素、酸素、または硫黄から選択される1個から4個のヘテロ原子を含み得、その窒素原子または硫黄原子は、必要に応じて酸化されるか、または窒素原子は、必要に応じて四級化される。ヘテロアリール部分の任意の適切な環位置は、規定された化学構造に共有結合され得る。ヘテロアリール部分の例としては、フラン、チオフェン、ピロール、N−メチルピロール、ピラゾール、N−メチルピラゾール、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、オキサゾール、イソキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、1H−テトラゾール、1−メチルテトラゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1H−1,2,4−トリアゾール、1−メチル−1,2,4−トリアゾール 1,3,4−トリアゾール、1−メチル−1,3,4−トリアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、ベンゾキサゾール、ベンズイソキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、チアントレン、ジベンゾ[b,d]フラン、ジベンゾ[b,d]チオフェン、ベンズイミダゾール、N−メチルベンズイミダゾール、インドール、インダゾール、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、キノキサリン、プリン、プテリジン、9H−カルバゾール、α−カルボリンなどのような複素環が挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
本明細書中で使用される場合、用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素を示す。
【0028】
本発明の化合物は、当該分野で認識された手順を使用して塩(特に、薬学的に受容可能な塩)に変換され得る。塩基を用いた適切な塩は、例えば、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩などの金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩またはマグネシウム塩)、またはアンモニアもしくは有機アミン(例えば、モルホリン、チオモルホリン、ピペリジン、ピロリジン、モノ−、ジ−またはトリ−低級アルキルアミン(例えば、エチル−tert−ブチル−、ジエチル−、ジイソプロピル−、トリエチル−、トリブチル−またはジメチルプロピルアミン)、あるいはモノ−、ジ−、またはトリヒドロキシ低級アルキルアミン(例えば、モノ−、ジ−またはトリエタノールアミン))を用いた塩であり、低級は、1個〜6個の炭素原子を示す。内部塩(internal salt)が、さらに形成され得る。薬学的使用に不適切であるが、使用(例えば、遊離の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩の単離または精製のため)され得る塩も、含まれる。本明細書中で使用される場合、用語「薬学的に受容可能な塩」とは、本発明の化合物が塩基性部分を含むとき、無機酸および有機酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、マンデル酸、リンゴ酸、フタル酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸(camphorsulfonic acid))から誘導される塩、ならびに類似の公知の受容可能な塩をいう。塩はまた、本発明の化合物がカルボン酸部分またはフェノール部分を含む場合有機塩基および無機塩基から形成され得る(好ましくは、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム、リチウム、またはカリウム))か、あるいは塩基付加塩を形成し得る類似の部分から形成され得る。
【0029】
本発明の化合物は、1種以上の互変異性体として存在し得る。当業者は、式Iの化合物もまた下に示されるような互変異性体として存在し得ることを認識する。
【0030】
【化5】

互変異性体は、しばしば、互いに平衡で存在する。これらの互変異性体は環境条件下および生理学的条件下で相互変換するので、それらは、同じ有用な生物学的効果を提供する。本発明は、このような互変異性体の混合物、ならびに式Iおよび式Itの個々の互変異性体を含む。
【0031】
本発明の化合物は、不斉炭素原子を含み得、そして本発明の化合物のいくつかは、1つ以上の不斉中心を含み得、したがって光学異性体およびジアステレオマーを生じ得る。式Iにおいて立体化学を考慮しないで示される一方で、本発明は、このような光学異性体およびジアステレオマー;ならびにラセミ体ならびに分離された、鏡像異性的に純粋なR立体異性体およびS立体異性体;ならびにR立体異性体とS立体異性体との他の混合物およびにそれらの薬学的に受容可能な塩を含む。立体異性体が好ましい場合、それは、いくつかの実施形態において、対応する鏡像異性体を実質的に含まずに提供され得る。したがって、対応する鏡像異性体を実質的に含まない鏡像異性体とは、分離技術によって単離または分離されるか、あるいは対応する鏡像異性体を含まずに調製される化合物をいう。本明細書中で使用される場合、「実質的に含まない」は、化合物が著しく大きい割合(好ましくは、約50%未満、より好ましくは、約75%未満、およびさらにより好ましくは、約90%未満)の1つの立体異性体から構成されることを意味する。
【0032】
式Iの好ましい化合物は、WがCOであり;XがNであり;YがCR10であり、そしてZがCR11である化合物である。好ましい化合物の別の群は、WがCOであり、そしてRがフェニルまたはヘテロアリールである式Iの化合物である。WがCOであり;RおよびRがHであり、そしてRがC〜Cアルキルである式Iの化合物もまた、好ましい。
【0033】
の例は、本明細書中に定義されるような、必要に応じて置換されているフェニル基およびヘテロアリール基であり、それとしては、ピリミジニル(例えば、ピリミジン−5−イル)およびピリジル(例えば、ピリジン−3−イル)が挙げられる。
【0034】
本発明のより好ましい化合物は、WがCOであり;XがNであり;YがCR10であり;ZがCR11であり;そしてRがフェニルまたはヘテロアリールである式Iの化合物である。本発明のより好ましい化合物の別の群は、WがCOであり;XがNであり;YがCR10であり;ZがCR11であり;Rがフェニルまたはヘテロアリールであり;そしてRおよびRがHである式Iの化合物である。本発明のより好ましい化合物のさらなる群は、WがCOであり;XがNであり;YがCR10であり;ZがCR11であり;Rがフェニルまたはヘテロアリールであり;RおよびRがHであり;そしてRがメチルである式Iの化合物である。
【0035】
本発明の好ましい化合物としては、以下が挙げられる:
(5S)−2−アミノ−5−[4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−3−メチル−5−フェニル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(3−ブロモフェニル)−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(3−メトキシフェニル)−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(1,1’−ビフェニル−3−イル)−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(1,1’−ビフェニル−3−イル)−3−メチル−5−ピリジン−3−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−3−メチル−5−フェニル−5−ピリジン−3−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(3−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(3’−フルオロ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(3’,5’−ジフルオロ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2’,5’−ジフルオロ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−5−[3’−(トリフルオロメチル)−1,1’−ビフェニル−3−イル]−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−5−[3’−(トリフルオロメトキシ)−1,1’−ビフェニル−3−イル]−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
3’−(2−アミノ−1−メチル−5−オキソ−4−ピリジン−4−イル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)−1,1’−ビフェニル−3−カルボニトリル;
2−アミノ−3−メチル−5−(3−ピラジン−2−イルフェニル)−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(3’−メトキシ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(3’−ヒドロキシ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(1,1’−ビフェニル−3−イル)−3−メチル−5−(2−メチルピリジン−4−イル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2’,5’−ジフルオロ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−3−メチル−5−(2−メチルピリジン−4−イル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2’,5’−ジフルオロ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−5−(2−エチルピリジン−4−イル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2’,5’−ジフルオロ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−3−メチル−5−(2−プロピルピリジン−4−イル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2’,5’−ジフルオロ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−5−(2−イソプロピルピリジン−4−イル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2’,5’−ジフルオロ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−5−(2−フルオロピリジン−4−イル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2’,5’−ジフルオロ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−5−(3−フルオロピリジン−4−イル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−5−(3−チエン−2−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−5−(3−チエン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−[3−(2−フリル)フェニル]−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−[3−(3−フリル)フェニル]−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−3−メチル−5−(3−プロポキシフェニル)−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(3−イソブトキシフェニル)−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−[3−(ブチ−3−イニルオキシ)フェニル]−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
N−[3−(2−アミノ−1−メチル−5−オキソ−4−ピリジン−4−イル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−2−メトキシアセトアミド;
N−[3−(2−アミノ−1−メチル−5−オキソ−4−ピリジン−4−イル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−2−フルアミド;
3−(2−アミノ−1−メチル−5−オキソ−4−ピリジン−4−イル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)−N−プロピルベンズアミド;
2−アミノ−5−(3−ブロモフェニル)−3−メチル−5−(2−メチルピリジン−4−イル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−3−メチル−5−(2−メチルピリジン−4−イル)−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−3−メチル−5−(2−メチルピリジン−4−イル)−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2’,5’−ジフルオロ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−3−メチル−5−(2−メチルピリジン−4−イル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2−エチルピリジン−4−イル)−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2−エチルピリジン−4−イル)−3−メチル−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2’,5’−ジフルオロ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−5−(2−エチルピリジン−4−イル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−3−メチル−5−(2−メチルピリジン−4−イル)−5−(3−ピラジン−2−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2−エチルピリジン−4−イル)−3−メチル−5−(3−ピラジン−2−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2,6−ジメチルピリジン−4−イル)−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2,6−ジメチルピリジン−4−イル)−3−メチル−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2’,5’−ジフルオロ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−5−(2,6−ジメチルピリジン−4−イル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2,6−ジメチルピリジン−4−イル)−3−メチル−5−(3−ピラジン−2−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2,6−ジエチルピリジン−4−イル)−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
あるいはその互変異性体、その立体異性体またはその薬学的に受容可能な塩。
【0036】
本発明の化合物は、容易に入手可能な試薬および出発物質を利用する従来の方法を使用して調製され得る。本発明の化合物の調製に使用される試薬は、商業的に得られ得るか、または文献に記載される標準的な手順によって調製され得るかのいずれかである。本発明の代表的な化合物は、以下の合成スキームを使用して調製され得る。当業者は、それ自体が当該分野において周知であるこれらの反応順序の改変を使用する方法を理解する。例えば、WがCOである式Iの化合物(Ia)は、所望の式Iaの化合物を与える塩基(例えば、金属炭酸塩)の存在下で式IIのジケトンと式IIIのアミノグアニジン誘導体とを反応させることによって調製され得る。その反応は、流れ図Iに示される。
【0037】
(流れ図I)
【0038】
【化6】

式IIのジケトン化合物は、式IVのアルキンと、Pd(II)Cl/DMSO、N−ブロモスクシニミド/DMSO、オゾン、ルテニウム(IV)オキシド水和物を含む過ヨウ素酸ナトリウム、三酸化硫黄、KMnO、I/DMSO、またはそれらの組み合せ(好ましくは、KMnOおよびI/DMSO)などの酸化剤とを反応させることによって調製され得る。その反応は、流れ図IIに示される。
【0039】
(流れ図II)
【0040】
【化7】

式IVのアルキン化合物は、式Vのアリール化合物(Lは、Br、Iまたはトリフルオロメタンスルホン酸などの脱離基である)と、式VIの保護されたアセチレン化合物(Pは、式VIIの保護されたアリールアルキンを与えるトリアリール(アルキル)シリルまたはヒドロキシジアルキル(アリール)シリルなどの保護基である)とを反応させ;金属フッ化物またはフッ化アンモニウム、金属炭酸塩(例えば、炭酸セシウムまたは炭酸カリウム)あるいは金属水酸化物などの脱保護試薬を使用して式VIIIの化合物を与えるために式VII化合物を脱保護し;そして式VIIIアルキンと式IX(Lは、所望の式IVのアルキン化合物を与えるために本明細書中で上に記載されるような脱離基を示す)のヘテロアリール化合物とを反応させることによって調製され得る。同様に、式IVの化合物は、アリール基およびヘテロアリール基のカップリングの順序を逆転させることによって調製され得る。その反応は、流れ図IIIに示される。
【0041】
(流れ図III)
【0042】
【化8】

あるいは、式Iの化合物(Ib)(Rは、アリールまたはヘテロアリールである)は、所望の式Ibの化合物を与える、式Xの適切なヒダントイン化合物と、式XIのアリールボロン酸またはヘテロアリールボロン酸とをカップリングすることによるヒダントイン環の形成後に調製され得る。その反応は、流れ図IVに示され、Lは、本明細書中で上に記載されるような脱離基を示す。
【0043】
(流れ図IV)
【0044】
【化9】

式Iの化合物(Ic)(Wは、CSである)は、所望の式Icの化合物を得るために溶媒の存在下で式Iの化合物とCSとを反応させることのような従来の手順を使用して容易に調製され得る。同様に、式Iの化合物(Wは、CH(Id)である)は、所望の式Idの化合物を得るために式Iaの化合物と適切な還元剤(例えば、SnCl)とを反応させることによって調製され得る。その反応は、流れ図Vに示される。
【0045】
(流れ図V)
【0046】
【化10】

有利には、式Iの化合物は、アルツハイマー病、21トミソリー(ダウン症候群)、オランダ型のアミロイドーシスによる遺伝性脳出血(HCHWA−D)、および他の神経変性障害などの疾患に関連したβ−アミロイド沈着および神経原線維変化の処置のためにBACEインヒビターとして作用する。したがって、本発明は、BACEを調節するための方法ならびにアルツハイマー病、21トミソリー(ダウン症候群)、オランダ型のアミロイドーシスによる遺伝性脳出血(HCHWA−D)、および他の神経変性障害などの疾患および障害に関連したβ−アミロイド沈着および神経原線維変化を処置、予防、または改善するための方法を提供する。このような方法は、一般に、上記疾患または障害に罹患していると推定されるかあるいは上記疾患または障害に陥り易い患者に、有効量の式Iの化合物を投与することを包含する。また、本発明に従って、ヒトまたは他の哺乳動物においてアルツハイマー病および関連する老年痴呆を処置する方法が、提供され、その方法は、ヒトまたは他の哺乳動物に有効量の本発明の化合物を投与することを包含する。
【0047】
本発明はまた、過剰なBACE活性に関連した障害の処置が必要な患者において過剰なBACE活性に関連した障害を処置するための方法を提供し、その方法は、その患者に治療有効量の少なくとも1種の式Iの化合物を提供すること包含する。代表的な障害としては、アルツハイマー病、認知障害、ダウン症候群、HCHWA−D、認知低下、老年痴呆、脳アミロイド血管症、変性痴呆、または他の神経変性障害が挙げられる。特定のこれらの障害は、β−アミロイド沈着または神経原線維変化の産生によって特徴付けられる。
【0048】
本発明はまた、BACEの活性を調節する(および、好ましくは、阻害する)ための方法を提供し、この方法は、患者に有効量の式Iの少なくとも1種の化合物を投与することおよび/またはそのレセプターと有効量の式Iの少なくとも1種の化合物とを接触させることを包含する。特定の方法は、上記接触させる工程の前または後のいずれかに、BACE活性を決定することをさらに包含する。
【0049】
本発明はまた、哺乳動物においてβ−アミロイド沈着を改善する方法を提供し、その方法は、その哺乳動物に有効量の式Iの少なくとも1種の化合物を投与することを包含する。さらなる方法は、哺乳動物において神経原線維変化を改善し、そしてその方法は、その哺乳動物に有効量の式Iの少なくとも1種の化合物を投与することを包含する。
【0050】
また、哺乳動物においてアルツハイマー病、認知障害、ダウン症候群、HCHWA−D、認知低下、老年痴呆、脳アミロイド血管症、変性痴呆、または他の神経変性障害の症状を改善する方法を提供し、その哺乳動物に有効量の少なくとも1種の式Iの化合物を投与することを包含する。
【0051】
さらなる方法は、このような疾患に罹患していることが分かっているか、またはこのような疾患に罹患する危険性があると推定される哺乳動物において、アルツハイマー病、認知障害、ダウン症候群、HCHWA−D、認知低下、老年痴呆、脳アミロイド血管症、変性痴呆、または他の神経変性障害を予防する。これらの方法は、その哺乳動物に、このような疾患を予防するのに有効な量の少なくとも1種の式Iの化合物を投与することを包含する。
【0052】
本発明に従って使用される場合、本発明によって網羅される化合物または物質の提供に関して、用語「提供すること」は、このような化合物または物質を直接投与すること、あるいは身体内で有効量の化合物もしくは物質を形成するプロドラッグ、誘導体、またはアナログを投与することのいずれかを意味する。本発明はまた、本明細書中に開示された疾患状態を処置するために本発明の化合物を提供すること網羅し、その化合物は、処置するために有用である。
【0053】
本明細書中で使用される場合、用語「患者」とは、哺乳動物(好ましくは、ヒト)をいう。
【0054】
本明細書中で使用される場合、用語「投与する」、「投与すること」、または「投与」とは、患者に化合物または組成物を直接投与すること、あるいは患者の身体内で対応量の活性化合物または活性物質を形成するその化合物のプロドラッグ誘導体またはアナログを投与することのいずれかをいう。
【0055】
本明細書中で使用される場合、用語「有効量」、「治療有効量」および「有効投薬量」は、患者に投与される場合に、患者が罹患していると推定される状態を少なくとも部分的に改善(および、好ましい実施形態において、治癒)するのに有効である、化合物の量をいう。
【0056】
本発明の活性化合物の有効投薬量は利用される特定の化合物、投与様式、処置される状態の状態およびその重篤度、ならびに処置される個体に関連した種々の身体的因子に依存して変動し得ることが、理解される。アルツハイマー病および他の関連する老年痴呆を処置するために、一般に、満足な結果は、本発明の化合物が体重1kgあたり約0.1mg〜約1mgの日用量で必要がある個体に投与される(好ましくは、1日あたり2回〜6回の分割用量または徐放形態で投与される)場合に得られ得る。ほとんどの大型哺乳動物に対して、総日用量は、約3.5mg〜約140mg、好ましくは、約3.5mg〜約5mgである。70kgのヒト成人の場合において、総日用量は、一般に、約7mg〜約70mgであり、そして最適な治療結果を提供するように調整され得る。このレジメンは、最適な治療応答を提供するように調整され得る。
【0057】
1つの局面において、本発明は、1種以上の式Iの化合物と1種以上の薬学的に受容可能なキャリアとを含む組成物に関する。
【0058】
本発明はまた、上記の式Iの化合物と薬学的に受容可能なキャリアとを含む薬学的組成物を含む。
【0059】
本明細書中で使用される場合、用語「キャリア」は、キャリア、賦形剤、および希釈剤を包含する。キャリアの例は、当業者に周知であり、そして例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第17版、Alfonoso R.Gennaro編、Mack Publishing Company、Easton、PA(1985)(それは、その全体が本明細書中に参考として援用される)に記載されるもののような受容可能な薬学的手順に従って調製される。薬学的に受容可能なキャリアは、処方中の他の成分と適合性であり、そして生物学的に受容可能であるキャリアである。
【0060】
本発明の化合物は、従来の薬学的キャリアを含まない(neat)かまたは従来の薬学的キャリアと組み合せて、経口的または非経口的に投与され得る。受容可能な固体キャリアは、1種以上の物質を含み得、その物質はまた、香料、滑沢剤、可溶化剤、懸濁剤、フィラー(filler)、流動促進剤(glidant)、圧縮助剤(compression aid)、結合剤または錠剤崩壊剤、あるいは封入材料(encapsulating material)として作用し得る。それらは、従来の様式(例えば、公知の抗高血圧剤、利尿剤およびβ遮断剤のために使用されるものと同様の様式)で処方される。本発明の活性化合物を含む経口処方物は、任意の便宜的に使用される経口形態を含み得、その経口形態としては、錠剤、カプセル剤、口腔粘膜(buccal)形態、トローチ剤、ロゼンジおよび経口用の液剤、懸濁液または溶液が挙げられる。散剤において、キャリアは、微細に分割された活性成分との混合物である微細に分割された固体である。錠剤において、活性成分は、必要な圧縮特性を有するキャリアと適切な比率で混合され、そして所望の形状およびサイズに圧縮される。散剤および錠剤は、好ましくは、99%までの活性成分を含む。
【0061】
カプセル剤は、活性化合物と、薬学的に受容可能なデンプン(例えば、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン)、糖、人工甘味料、粉末セルロース(例えば、結晶セルロースおよび微結晶性セルロース)、小麦粉、ゼラチン、ゴムなどのような不活性なフィラーおよび/または希釈剤との混合物を含み得る。
【0062】
有用な錠剤処方物は、従来の圧縮法、湿式造粒法または乾式造粒法によって作製され得、そして薬学的に受容可能な希釈剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、表面改変剤(界面活性剤を含む)、懸濁剤または安定化剤を利用し、それらとしては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、糖、ラクトース、デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ポリビニルピロリジン、アルギン酸、アカシアゴム、キサンタンゴム、クエン酸ナトリウム、複合ケイ酸塩(complex silicate)、炭酸カルシウム、グリシン、スクロース、ソルビトール、リン酸水素カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、低融点ワックスおよびイオン交換樹脂が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい表面改変剤としては、非イオン性表面改変剤およびアニオン性表面改変剤が挙げられる。表面改変剤の代表例としては、ポロキサマー188、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール乳化ワックス、ソルビタンエステル、コロイド状二酸化ケイ素、ホスフェート、ドデシル硫酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、およびトリエタノールアミンが挙げられるが、これらに限定されない。経口処方物は、本明細書中で、活性化合物の吸収を変化させるために、標準的な遅延処方物または時間放出処方物を利用し得る。経口処方物はまた、適切な可溶化剤または必要な場合に乳化剤を含む水または果汁中の活性成分を投与することからなり得る。
【0063】
液体キャリアは、溶液、懸濁液、乳剤、シロップおよびエリキシルを調製するのに使用され得る。本発明の活性成分は、薬学的に受容可能な液体キャリア(例えば、水、有機溶媒、その両方の混合物、あるいは薬学的に受容可能な油または脂肪の混合物)に溶解または懸濁され得る。液体キャリアは、他の適切な薬学的添加剤(例えば、可溶化剤、乳化剤、緩衝剤、保存剤、甘味料、香料、懸濁剤、増粘剤、着色剤、粘度調整剤、安定化剤または浸透圧調整剤)を含み得る。経口投与および非経口投与のための液体キャリアの適切な例としては、水(特に、上記のような添加剤(例えば、セルロース誘導体(好ましくは、カルボキシメチルセルロースナトリウム溶液))を含む)、アルコール(一価アルコールおよび多価アルコール(例えば、グリコール)を含む)およびそれらの誘導体、ならびに油(例えば、ヤシ油および落花生油)が挙げられる。非経口投与ために、キャリアはまた、油性エステル(例えば、オレイン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピル)であり得る。無菌の液体キャリアは、非経口投与のための無菌の液体形態組成物において使用される。加圧した組成物のための液体キャリアは、ハロゲン化炭化水素または他の薬学的に受容可能な噴霧剤であり得る。
【0064】
無菌の溶液または懸濁液である液体薬学的組成物は、例えば、筋肉内注射、腹腔内注射または皮下注射によって利用され得る。無菌の溶液はまた、静脈内に投与され得る。経口投与のための組成物は、液体形態または固体形態のいずれかにあり得る。
【0065】
好ましくは、上記薬学的組成物は、単位投薬形態(例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、溶液、懸濁液、乳剤、顆粒剤、または坐剤)にある。このような形態において、その組成物は、適切な量の活性成分を含む単位用量に細分され;その単位投薬形態は、パッケージ化された組成物(例えば、パケット単位に区切られた(packeted)散剤、バイアル、アンプル、予め充填された注射器または液体を含む小袋)であり得る。上記単位投薬形態は、例えば、カプセルまたは錠剤自体であり得るか、あるいはそれは、パッケージ形態にある適切な数の任意のこのような組成物であり得る。このような単位投薬形態は、約1mg/kg〜約250mg/kgを含み得、そして単一用量または2つ以上の分割用量で与えられ得る。このような用量は、本明細書中の活性化合物をレシピエントの血流に導くのに有用な任意の様式で投与され得、その様式としては、経口、移植物によるもの、非経口(静脈内注射、腹腔内注射および皮下注射を含む)、直腸、膣、および経皮が挙げられる。このような投与は、ローション、クリーム、フォーム、パッチ、懸濁液、溶液、および坐剤(直腸および膣)において、本発明の化合物またはその薬学的に受容可能な塩を使用して行われ得る。
【0066】
特定の疾患状態または障害の処置または阻害のために投与される場合、有効投薬量は利用される特定の化合物、投与様式、処置される状態の状態およびその重篤度、ならびに処置される個体に関連した種々の身体的因子に依存して変動し得ることが、理解される。治療用途において、本発明の化合物は、既に疾患に罹患している患者に、疾患の症状およびその合併症を治癒するかあるいは少なくとも部分的に改善するのに十分な量で提供される。これを達成するのに適切な量は、「治療有効量」として定義される。特定の症例の処置において使用される投薬量は、担当医によって主観的に決定されなければならない。関与する変数としては、特定の状態ならびに患者のサイズ、年齢、および応答パターンが挙げられる。
【0067】
いくつかの場合において、上記化合物をエーロゾルの形態で気道に直接投与することが、望まれ得る。鼻腔内噴霧または気管支内噴霧による投与のために、本発明の化合物は、水性かまたは部分的に水性の溶液中に処方され得る。
【0068】
本発明の化合物は、非経口的か、または腹腔内に投与され得る。遊離塩基または薬学的に受容可能な塩としてのこれらの活性化合物の溶液または懸濁液は、界面活性剤(たとえば、ヒドロキシル−プロピルセルロース)と適切に混合された水において調製され得る。分散物もまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコールおよび油中のそれらの混合物において調製され得る。保存および使用の通常条件下において、これらの調製物は、微生物の増殖を阻害するために、保存剤を含む。
【0069】
注射用途に適した薬学的形態としては、無菌の溶液または分散物および無菌の注射可能な溶液または分散物の即時調製のための無菌の粉末が挙げられる。全ての場合において、上記形態は、無菌でなければならず、そして容易な注入可能性(syringability)が存在する程度まで流動性であるべきである。それは、製造および保存の条件下で安定でなければならず、そして微生物(例えば、細菌および真菌)の汚染作用に対して保存されなければならない。キャリアは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール)、それらの適切な混合物、および植物油を含む溶媒または分散媒であり得る。
【0070】
本発明の化合物は、経皮パッチの使用によって経皮的に投与され得る。この開示の目的のために、経皮投与は、上皮組織および粘膜組織を含む身体の表面および身体的通路の内層を横切る全ての投与を含むと理解される。このような投与は、ローション、クリーム、フォーム、パッチ、懸濁液、溶液、および坐剤(直腸および膣)において、本発明の化合物またはその薬学的に受容可能な塩を使用して行われ得る。
【0071】
経皮投与は、活性化合物および活性化合物に対して不活性であり、皮膚に対して無毒であり、そして皮膚を介した血流中への全身吸収のための薬剤の送達を可能にするキャリアを含む経皮パッチの使用によって達成され得る。そのキャリアは、クリームおよび軟膏、ペースト、ゲルならびに密封デバイス(occlusive device)などの多数の形態をとり得る。クリームおよび軟膏は、水中油型または油中水型のいずれかである粘性の液体または半固体の乳剤であり得る。活性成分を含む鉱油または親水性の鉱油に分散した吸収性の粉末から構成されるペーストもまた、適切であり得る。種々の密封デバイス(例えば、キャリアを伴うかまたはキャリアを伴わずに活性成分を含むレザバを覆う半透膜、あるいは活性成分を含むマトリックス)は、血流中に活性成分を放出するために使用され得る。他の密封デバイスは、文献において公知である。
【0072】
本発明の化合物は、従来の坐剤の形態で、直腸または膣に投与され得る。坐剤処方物は、伝統的な材料から作製され得、その材料としては、カカオ脂(坐剤の融点を変えるためのワックスの添加を伴うかまたは伴わない)、およびグリセリンが挙げられる。水溶性の坐薬基剤(例えば、種々の分子量のポリエチレングリコール)もまた、使用され得る。
【0073】
特定の実施形態において、本発明は、プロドラッグに関する。プロドラッグの種々の形態は、例えば、Bundgaard(編)、Design of Prodrugs、Elsevier(1985);Widderら(編)、Methods in Enzymology、第4巻、Academic Press(1985);Krogsgaard−Larsenら(編)、「Design and Application of Prodrugs」、Textbook of Drug Design and Development、第5章、113−191(1991)、Bundgaardら、Journal of Drug Deliver reviews、8:1−38(1992)、Bundgaard,J.、Pharmaceutical Sciences、77:285以下参照(1988);ならびにHiguchiおよびStella(編)Prodrugs as Novel Drug Delivery Systems、American Chemical Society(1975)(これらの各々は、その全体が参考として援用される)において考察されるように、当該分野において公知である。
【0074】
これらの化合物の投薬量、レジメンおよび投与様式は、処置される疾病および個体に従って変動し、そして関与する医師の判断に従うことが、理解される。本明細書中の化合物の1種以上の投与は、低用量で始まり、そして所望の効果が達成されるまで増加されることが、好ましい。
【0075】
より明確な理解のため、そして本発明をより明確に例示するために、その特定の実施例が、本明細書中で以下に示される。以下の実施例は、単なる例示であり、そして決して本発明の範囲および基本原理を限定するものとして理解されるべきではない。
【0076】
特に明記されない限り、全ての部は、重量部である。用語「NMR」は、核磁気共鳴を示す。用語「TEA」、「DMSO」および「DMF」は、それぞれ、トリエチルアミン、ジメチルスルホキシドおよびN,N−ジメチルホルムアミドを示す。用語「DME」および「TBAF」は、それぞれ、エチレングリコールジメチルエーテルおよびフッ化テトラブチルアンモニウムを示す。用語「TLC」は、薄層クロマトグラフィーを示す。用語「NMR」は、プロトン核磁気共鳴を示し、そして用語「MS」は、一般にはM+1(またはM+H)吸収(M=分子量である)を与えるポジティブモードに関する(+)を伴う質量分析を示す。全ての化合物は、少なくともMSおよびNMRによって分析される。
【0077】
プロトン核磁気共鳴スペクトルは、Bruker AVANCE 300分光計で300MHzにおいてか、またはVARIAN 400分光計で400MHzにおいて得られた。スペクトルは、ppm(δ)で与えられ、そして結合定数(J値)は、ヘルツで報告される。テトラメチルシランは、内部参照基準として使用された。赤外スペクトルは、Nicolet Nexus 470(ATR)分光計において得られた。質量スペクトルは、Perkin Elmer Sciex 100において得られた。
【実施例】
【0078】
(実施例1)
(トリメチルシリル−4−アルキニルピリジンの調製)
【0079】
【化11】

DMF(80mL)中の塩酸4−ブロモピリジン(5.0g、20.9mmol)の溶液に、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.44g、0.63mmol)、ヨウ化銅(0.097g、0.43mmol)、TEA(14.60mL、104.5mL)およびエチニル(トリメチル)シラン(4.43mL、31.35mmol)を添加する。その反応混合物を、65Cで3時間にわたって加熱し、冷却し、そしてHO(200mL)によってクエンチする。その水溶液を、EtOAc(3×70mL)によって抽出する。合わせた有機抽出物を、ブライン(80mL)によって洗浄し、乾燥(MgSO)し、そして濃縮する。その粗物質を、クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン:15/85)によって精製して、表題化合物(3.24g、89%)を油状物として得る。MS(+)ES:176(M+H)
【0080】
(実施例2)
(4−エチニルピリジンの調製)
【0081】
【化12】

MeOH(80mL)中のトリメチルシリル−4−アルキニルピリジン(6.00g、34.0mmol)の溶液に、室温にて固体KCO(4.7g、34.0mmol)を添加する。2時間にわたって撹拌した後、その反応混合物を、EtOによって希釈する。不溶性物質を、濾過(シリカゲルの薄層を通して)によって除去し、そしてEtOによって洗浄する。その濾液を、乾燥状態まで濃縮して、表題化合物(2.56g、73%)を固体として得る。融点:110〜112℃;MS(+)EI:130 M
【0082】
(実施例3)
(1,1’−ビフェニル−3−イルエチニル)(トリメチル)シランの調製
【0083】
【化13】

TEA(20mL)中の3−ブロモ−1,1’−ビフェニル(5.06g、21.76mmol)の溶液に、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.47g、0.65mmol)、ヨウ化銅(0.08g、0.44mmol)およびエチニル(トリメチル)シラン(4.62mL、32.64mmol)を添加する。反応混合物は、3時間にわたって還流して、そして室温まで冷却する。溶媒のエバポレーション後、その粗物質を、クロマトグラフィー(シリカゲル、100%ヘキサン)によって精製して、表題化合物(4.81g、88%)を油状物として得る。MS(+)EI:250 M
【0084】
(実施例4)
(3−エチニル−1,1’−ビフェニルの調製)
【0085】
【化14】

1/1 EtOH/CHCl(60mL)中の(1,1’−ビフェニル−3−イルエチニル)(トリメチル)シラン(4.74g、18.96)の溶液に、CsCO(6.78g、20.85mmol)を室温にて添加する。1時間撹拌した後、不溶性物質を、濾取し、そして濾液を、濃縮する。その粗物質を、クロマトグラフィー(シリカゲル、100%ヘキサン)によって精製して、表題化合物(3.07g、91%)油状物として得る。MS(+)EI:178 M
【0086】
(実施例5)
(4−ブロモ−2−メチルピリジンの調製)
【0087】
【化15】

無水THF(90mL)中の塩酸4−ブロモピリジン(5.0g、25.7mmol)の冷却(−78℃)した懸濁液に、MeMgClの溶液(THF中に3.0M、21mL、63.0mmol)を滴下した。添加後、反応混合物を、−78℃にて15分間にわたって撹拌した。THF(10mL)中のクロロ蟻酸フェニル(3.8mL、30mmol)を、ゆっくりと添加し、そしてその混合物を、放置して室温まで温めた。その反応を、飽和NHClによって0℃にてクエンチし、そしてEtOによって抽出した。合わせた有機抽出物を、HO、1N HCl水溶液およびHOによって連続して洗浄し、乾燥し(MgSO)、そして濃縮した。残留物を、無水トルエン(100mL)に溶解し、そして氷酢酸(60mL)中のo−クロラニル(7.8g、32mmol)の溶液を、滴下し、そしてその混合物を、22時間にわたって撹拌した。赤色の懸濁液を、形成し、そして黒色のエマルションが得られるまで10% NaOHを使用して塩基性にした。その混合物を、セライトを通して濾過し、そしてHOによって洗浄した。有機層を、1N HCl水溶液によって3回抽出した。水層を、50% NaOH水溶液によって塩基性化し、そしてCHClによって抽出した。合わせた有機抽出物を、乾燥し(MgSO)、そしてその溶媒を、真空下で除去して、表題化合物(2.35g、53%)を油状物として得た。MS(+)EI:171 M
【0088】
(実施例6)
(4−(フェニルエチニル)ピリジンの調製)
【0089】
【化16】

乾燥DMF(150mL)中の、塩酸4−ブロモピリジン(3.9g、20mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.32g、2.0mmol)とトリエチルアミン(16.8mL、120mmol)との懸濁液に、フェニルアセチレン(4.2mL、40mmol)を室温にて添加する。3時間にわたって80℃にて撹拌した後、その反応混合物は、濃縮する。残留物を、CHCl(100mL)に溶解し、HO、ブライン(50mL)によって洗浄し、乾燥し(MgSO)、濃縮する。その粗物質を、クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン:10/90)によって精製して、表題化合物を固体として得る(3.25g、91%)。融点51〜53℃。MS(+)ES:180(M+H)
【0090】
(実施例7)
(3−(フェニルエチニル)ピリジンの調製)
【0091】
【化17】

表題化合物を、本質的に実施例6と同一の手順を使用して調製して、固体を得る(95%)。融点:42〜43℃。MS(+)ES:180(M+H)
【0092】
(実施例8)
(4−[(3−ブロモフェニル)エチニル]ピリジンの調製)
【0093】
【化18】

表題化合物を、本質的に実施例1と同一の手順を使用して調製して、固体を得る(87%)。融点:140〜142℃。MS(+)ES:257(M+H)
【0094】
(実施例9)
(4−[(3−メトキシフェニル)エチニル]ピリジンの調製)
【0095】
【化19】

表題化合物を、本質的に実施例1と同一の手順を使用して調製して、固体を得る(87%)。融点:33〜35℃。MS(+)ES:220(M+H)
【0096】
(実施例10)
(4−(1,1’−ビフェニル−3−イルエチニル)ピリジンの調製)
【0097】
【化20】

DMF(30mL)中の4−エチニル−1,1’−ビフェニル(3.4g、19.1mmol)の溶液に、塩酸4−ブロモピリジン(3.63g、18.73mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.65g、0.56mmol)、ヨウ化銅(0.07g、0.37mmol)およびTEA(10mL)室温にて添加する。3時間にわたって65℃にて撹拌した後、その反応混合物を、室温まで冷却し、そして不溶性物質を、濾取する。濾液に、水を添加する。その水溶液を、EtO(2×150mL)によって抽出する。合わせた有機抽出物を、水、10% LiCl水溶液(50mL)、ブラインによって洗浄し、乾燥し(MgSO)、そしてロータリーエバポレーターで濃縮する。その粗物質を、クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン:20/80)によって精製して、表題化合物(4.2g、88%)を油状物として得る。MS(+)ES:279(M+Na)
【0098】
(実施例11)
(4−(1,1’−ビフェニル−3−イルエチニル)−2−メチルピリジンの調製)
【0099】
【化21】

表題化合物を、本質的に実施例10と同一の手順を使用して調製して、固体を得る(59%)。融点:56〜58℃。MS(+)ES:270(M+H)
【0100】
(実施例12)
(3−(1,1’−ビフェニル−3−イルエチニル)ピリジンの調製)
【0101】
【化22】

表題化合物を、本質的に実施例10と同一の手順を使用して調製して、油状物を得る(41%)。MS(+)ES:256(M+H)
【0102】
(実施例13)
(4−[(3’−フルオロ−1,1’−ビフェニル−3−イル)エチニル]ピリジンの調製)
【0103】
【化23】

DME中の4−[(3−ブロモフェニル)エチニル]ピリジン(220mg、0.85mmol)の溶液に、3−フルオロフェニルボロン酸(237mg、1.70mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(98mg、0.085mmol)および2.0M炭酸ナトリウム水溶液(1.70mL、3.40mmol)を室温にて添加する。3時間にわたって還流した後、その反応混合物を、冷却し、飽和炭酸ナトリウム(10mL)によってクエンチし、EtOAc(30mL)によって希釈する。2つの層を、分離し、そして水層を、EtOAc(20mL)によって抽出する。合わせた有機抽出物を、ブライン(20mL)によって洗浄し、乾燥し(MgSO4)、そしてロータリーエバポレーターで濃縮する。その粗混合物を、クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン:30/70)によって精製して、表題化合物(141mg、61%)を油状物として得る。MS(+)ES:274(M+H)
【0104】
(実施例14〜15)
(4−{[3’−置換−1,1’−ビフェニル−3−イル]エチニル}ピリジンの調製)
【0105】
【化24】

本質的に実施例13に記載した同一の手順を用い、そして適切なボロン酸を使用して、表Iに示した化合物が、得られ、そしてNMR分析および質量スペクトル分析によって同定される。
【0106】
【表1】

(実施例16)
(2−[3−(ピリジン−4−イルエチニル)フェニル]ピラジンの調製)
【0107】
【化25】

トルエン(10mL)中の4−[(3−ブロモフェニル)エチニル]ピリジン(387mg、1.50mmol)の溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(87mg、0.075mmol)および2−(トリブチルスタンニル)ピラジン(1.45g、3.75mmol)を室温にて添加する。24時間にわたって還流した後、その反応混合物を、冷却し、そしてEtOAc(100mL)によって希釈し、飽和NaHCO(2×30mL)、ブライン(30mL)によって洗浄し、MgSOで乾燥し、そしてロータリーエバポレーターで濃縮する。その粗物質は、クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン:40/60)によって精製して、表題化合物(153mg、40%)を固体として得る。融点:94〜95℃。MS(+)ES:258(M+H)
【0108】
(実施例17)
(1−フェニル−2−ピリジン−4−イルエタン−1,2−ジオンの調製)
【0109】
【化26】

DMSO(30mL)中の4−(フェニルエチニル)ピリジン(2.25g、12.6mmol)と粉末ヨウ素(1.60g、6.3mmol)との溶液を、155℃にて4時間にわたって加熱する。その反応混合物を、冷却し、そしてHO(100mL)に注ぐ。その水溶液を、pH約12まで粉末NaCOによって中和し、EtOAc(2×100mL)によって抽出する。合わせた有機抽出物を、HO(60mL)およびブライン(60mL)によって連続して洗浄し、次いで乾燥し、そして濃縮する。その粗物質を、クロマトグラフィー(シリカゲル:EtOAc/ヘキサン:20/80)によって精製して、表題化合物(0.81g、30%)を油状物として得る。MS(+)ES:212(M+H)
【0110】
(実施例18)
(1−(3−ブロモフェニル)−2−ピリジン−4−イルエタン−1,2−ジオンの調製)
【0111】
【化27】

アセトン(63mL)中の4−[(3−ブロモフェニル)エチニル]ピリジン(1.81g、7.0mmol)の溶液に、HO(63mL)中のNaHCO(0.35g、4.20mmol)とMgSO(1.26g、10.50mmol)との温溶液(約40℃)を添加し、次いで固体の過マンガン酸カリウム(2.43g、15.40mmol)を少しずつ添加する。室温にて4分間にわたって撹拌した後、その反応混合物を、1/1 EtO/ヘキサンによって抽出する。その抽出物を、合わせ、MgSOで乾燥し、そして乾燥状態まで濃縮して、表題化合物(1.52g、75%)を固体として得る。融点:88〜90℃。MS(+)ES:289(M+H)
【0112】
(実施例19〜22)
(1−(3−ブロモフェニル)−2−ピリジン−4−イルエタン−1,2−ジオンの調製)
【0113】
【化28】

本質的に実施例17および18に記載した同一の手順を用い、そして適切なアルキン基質を使用して、表IIに示した化合物が、得られ、そしてNMR分析および質量スペクトル分析によって同定される。
【0114】
【表2】

(実施例23)
(2−アミノ−3−メチル−5−フェニル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0115】
【化29】

EtOH(25mL)およびHO(5mL)中の、1−フェニル−2−ピリジン−4−イルエタン−1,2−ジオン(0.81g、3.8mmol)と塩酸N−メチルグアニジン(1.92g、17.5mmol)とNaCO(3.71g、35mmol)との懸濁液を、18時間にわたって還流する。その反応混合物を、冷却し、そして水に注ぐ。沈殿物を、濾過によって回収し、水によって洗浄し、そして風乾して、表題化合物(0.62g、62%)を固体として得る。融点154〜155℃。MS(+)ES:267(M+H)
【0116】
(実施例24〜29)
(2−アミノ−5−(置換−フェニル)−3−メチル−5−ピリジニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン化合物の調製)
【0117】
【化30】

本質的に実施例23に記載した同一の手順を用い、そして適切なジケトンを使用して、表IIIに示した化合物が、得られ、そしてNMR分析および質量スペクトル分析によって同定された。
【0118】
【表3】

(実施例30)
(2−アミノ−5−(2’,5’−ジフルオロ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0119】
【化31】

DME(5mL)中の2−アミノ−5−(3−ブロモフェニル)−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン(104mg、0.3mmol)の溶液に、2,5−ジフルオロフェニルボロン酸(96mg、0.6mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(35mg、0.03 mmo)および2.0M炭酸ナトリウム水溶液(0.6mL、1.2mmol)を室温にて添加する。その反応混合物を、1時間にわたって還流し、そして冷却する。溶媒のエバポレーション後、その粗混合物を、クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/2MメタノールNH溶液:92/8)によって精製して、表題化合物(95mg、84%)を固体として得る。融点:200〜202℃;MS(+)ES:379(M+H)
【0120】
(実施例31〜50)
(2−アミノ−5−(3−置換フェニル)−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン化合物の調製)
【0121】
【化32】

本質的に実施例30に記載した同一の手順を用い、そして適切なボロン酸およびアミノヒダントイン出発物質を使用して、表IVに示した化合物が、得られ、そしてNMR分析および質量スペクトル分析によって同定された。
【0122】
【表4】

(実施例51)
(2−アミノ−5−(3−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0123】
【化33】

CHCl(7.5mL)中の2−アミノ−5−(3−メトキシフェニル)−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン(0.75g、2.5mmol)の懸濁液に、BBr(CHCl中に1.0M、15mL、15mmol)を−78℃にて添加する。添加後、その反応混合物を、室温まで温め、そして3時間にわたって撹拌する。その反応混合物を、氷水(50mL)に注ぎ、そして2つの層を、分離する。その水溶液を、pH約7まで50%NaOH水溶液によって中和し、そして4/1 CHCl/2−PrOH(3×100mL)によって抽出する。合わせた有機抽出物を、ブライン(150mL)によって洗浄し、乾燥し(NaSO)、そして濃縮する。得られた残留物を、クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/2MメタノールNH溶液:95/5)によって精製して、表題化合物(0.58g、79%)を固体として得る。融点:245〜247℃;MS(+)ES:283(M+H)
【0124】
(実施例52)
(2−アミノ−3−メチル−5−(3−プロポキシフェニル)−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0125】
【化34】

アセトン(20mL)およびDMF(1mL)中の2−アミノ−5−(3−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン(0.13g、0.46mmol)の撹拌溶液に、1−ヨードプロパン(0.07mL、0.69mmol)およびCsCO(1.50g、4.60mmol)を添加する。1時間にわたって還流した後、溶媒を、エバポレートし、そしてその粗物質を、クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/2MメタノールNH溶液:97/3)によって精製して、表題化合物(0.145g、97%)を固体として得た。融点:173〜175℃;MS(+)ES:325(M+H)
【0126】
(実施例53〜67)
(2−アミノ−5−(置換−フェニル)−3−メチル−5−ピリジニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン化合物の調製)
【0127】
【化35】

本質的に実施例23に記載した同一の手順を用い、そして適切なジケトンを使用して、表Vに示した化合物が、得られ、そしてNMR分析および質量スペクトル分析によって同定された。
【0128】
【表5−1】

【0129】
【表5−2】

(実施例68)
(1−(シクロプロピルメトキシ)−3−エチニルベンゼンの調製)
【0130】
【化36】

アセトン(30mL)中の3−エチニルフェノール(1.18g、10.0mmol)の溶液に、(ブロモメチル)シクロプロパン(1.02mL、10.0mmol)、ヨウ化ナトリウム(0.75g、5.0mmol)およびCsCO(6.52g、20.0mmol)を室温にて添加する。一晩還流した後、その反応混合物を、冷却し、EtO(300mL)によって希釈し、そしてシリカゲルの薄層に通す。その溶液を、濃縮する。得られた残留物を、クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン:1/99)によって精製して、表題化合物(1.45g、84%)を油状物として得る。MS(+)APPI:173(M+H)
【0131】
(実施例69)
(N−(3−エチニルフェニル)−2−メトキシアセトアミドの調製)
【0132】
【化37】

塩化メチレン中の3−エチニルフェニルアミン(7.02g、60mmol)の冷溶液に、塩化メチレン(10mL)中の塩化メトキシアセチル(7.8g、72mmol)を30分間の間にわたって0℃にて滴下する。添加後、その反応混合物を、放置して室温まで温め、そして一晩撹拌する。溶媒を、エバポレートし、そして残留物を、水と酢酸エチルとの間に分配する。有機相を、飽和NaHCO、HOによって洗浄し、乾燥し(MgSO)、そして濃縮して、表題化合物を10.2g(90%)の無色の油状物として得る。HNMR(CDCl3):δ(ppm)3.04(s,1H,),3.48(s,3H),3.98(s,2H),7.24(m,2H),7.61(d,1H),7.66(s,1H),8.21(s,b,1H)。
【0133】
(実施例70〜82)
(2−アミノ−5−(置換−フェニル)−3−メチル−5−ピリジニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン化合物の調製)
【0134】
【化38】

本質的に実施例23に記載した同一の手順を用い、そして適切なジケトンを使用して、表VIに示した化合物が、得られ、そしてNMR分析および質量スペクトル分析によって同定された。
【0135】
【表6】

(実施例83〜95)
(2−アミノ−5−(置換−フェニル)−3−メチル−5−(置換−ピリジニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン化合物の調製)
【0136】
【化39】

本質的に実施例30に記載した同一の手順を用い、そして適切なボロン酸および適した5−(3−ブロモフェニル)イミダゾロン基質を使用して、表VIIに示した化合物が、得られ、そしてNMR分析および質量スペクトル分析によって同定された。表VIIにおいて、用語「i−Pr」は、イソプロピルを示す。
【0137】
【表7】

(実施例97〜100)
(2−アミノ−5−(置換−フェニル)−3−メチル−5−(置換−ピリジニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン化合物の調製)
【0138】
【化40】

本質的に実施例6、17および30に記載した同一の手順を用い、そして適切なボロン酸および適した5−(3−ブロモフェニル)−イミダゾロン基質を使用して、表VIIIに示した化合物が、得られ、そしてNMR分析および質量スペクトル分析によって同定された。
【0139】
【表8】

(実施例101)
(2−アミノ−5−(2,6−ジメチルピリジン−4−イル))−3−メチル−5−(3−ピラジン−2−イルフェニル))−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0140】
【化41】

無水ジメチルスルホキシド(1.0mL)中の、2−アミノ−5−(3−ブロモフェニル)−5−(2,6−ジメチルピリジン−4−イル))−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン(0.176g、0.472mmol)とビス(ピナコラト)ジボロン(0.134g、0.528mmol)とビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−塩化パラジウム(II)(0.0135g、0.0165mmol)とジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.009g、0.017mmol)と酢酸カリウム(0.138g、1.41mmol)との混合物を、80℃にて17時間にわたって加熱した。その混合物を、室温まで冷却し、そして酢酸エチル(50mL)およびブライン(50mL)によって希釈した。その層を、分離し、そして水層を、酢酸エチル(2×25mL)によって抽出した。合わせた有機抽出物を、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過しそして濃縮して、ボロン酸エステル中間体(0.311g粗製、>定量的)を淡黄色の固体として得た。窒素下における上記ボロン酸エステル(0.31g、約0.47mmol)とビス(ジフェニルホスフィノ)−塩化フェロセンパラジウム(II)(0.019g、0.0234mmol)と炭酸ナトリウム(0.160g、1.5mmol)とDMF(8mL)と水(0.8mL)との混合物を、2−クロロピラジン(0.0538g、0.47mmol)によって処理し、そして80℃にて2.5時間にわたって加熱した。その混合物を室温まで冷却し、酢酸エチル(100mL)および水(100mL)を添加し、そしてその層を分離した。水層を、酢酸エチルによって抽出し、そして合わせた有機層を、2%塩化リチウム水溶液によって洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、95:5:0.5 塩化メチレン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)によって得られた残留物を精製し、その残留物を、分取HPLCによってさらに精製して、表題生成物(6.9mg、4%)をくすんだ白色の固体として得た:H NMR(300MHz,CDCl)δ9.00(d,J=1.4Hz,1H),8.62(dd,J=2.4,1.6Hz,1H),8.51(d,J=2.5Hz,1H),8.16(d,J=1.5Hz,1H),7.93(dd,J=7.8,1.2Hz,1H),7.64(d,J=8.0Hz,1H),7.49(t,J=7.8Hz,1H),7.12(s,2H),3.14(s,3H),2.49(s,6H);ESI MS m/z 373[C2120O+H]
【0141】
(実施例102)
(2−アミノ−3−メチル−5−(2−メチル−1−オキシドピリジン−4−イル)−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル))−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0142】
【化42】

ジクロロエタン(2.0mL)中の2−アミノ−3−メチル−5−(2−メチルピリジン−4−イル)−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル))−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン(0.101g、0.282mmol)の混合物を、m−CPBA(0.057g、0.330mmol)によって処理し、そして50℃にて窒素下で45分間にわたって加熱した。次いで、さらなるm−CPBA(0.10g、0.579mmol)を、添加し、そしてその混合物を、50℃にてさらに30分間にわたって撹拌した。室温まで冷却した後、その混合物を、ジクロロメタン(60mL)および1N NaOH(60mL)によって希釈した。その層を、分離し、そして水層を、ジクロロメタンによって抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインによって洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、93:7:0.5〜90:10:0.5 塩化メチレン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)によって残留物を精製して、表題生成物(0.014g、13%)を白色の固体として得た、融点181〜186℃;H NMR(300MHz,CDCl)δ 9.21(s,1H),8.92(s,2H),8.19(d,J=6.8Hz,1H),7.74(s,1H),7.63(m,1H),7.53−7.48(m,3H),7.41(dd,J=6.8,2.5Hz,1H),4.80(brs,2H),3.16(s,3H),2.49(s,3H);ESI MS m/z 375[C2018+H]
【0143】
(実施例103)
((5R)−2−アミノ−5−(2,6ジエチルピリジン−4−イル)−3−メチル−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル))−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン[A]および(5S)−2−アミノ−5−(2,6ジエチルピリジン−4−イル)−3−メチル−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル))−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン[B]の調製)
【0144】
【化43】

2−アミノ−5−(2,6ジエチルピリジン−4−イル)−3−メチル−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル))−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンのラセミ混合物を、キラルHPLCによって分離して、表題の鏡像異性生成物を得た:
A:(5R)−2−アミノ−5−(2,6ジエチルピリジン−4−イル)−3−メチル−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル))−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン,H NMR(DMSOd 300MHz)δ 1.15(t,6H),2.63(q,4H),2.95(s,3H),6.72(brs,2H),7.15(s,2H),7.45(t,1H),7.5(d 1H),7.62(d,1H),7.75(m 1H),8.95(s,2H),9.15(s,1H);MS m/e(M+H)401;[α]25=+0.039(c=CHOH中に1%);および
B:(5S)−2−アミノ−5−(2,6ジエチルピリジン−4−イル)−3−メチル−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル))−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン,H NMR(DMSOd 300MHz)δ 1.15(t,6H),2.63(q,4H),2.95(s,3H),6.72(brs,2H),7.15(s,2H),7.45(t,1H),7.5(d1H),7.62(d,1H),7.75(m 1H),8.95(s,2H),9.15(s,1H);MS m/e(M+H)401。
【0145】
(実施例104)
(2−アミノ−5−(2,6−ジエチル−ピリジン−4−イル)−5−[4−フルオロ−3−(5−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−イミダゾール−4−オンの調製)
【0146】
【化44】

DMF(5mL)中の、2−アミノ−5−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル]−5−(2,6−ジエチル−ピリジン−4−イル)−−3−メチル−3,5−ジヒドロ−イミダゾール−4−オン(0.12g、0.286mmol)と5−フルオロピリジン−3−イル(トリブチル)錫(0.166g、0.43mmol)とビス(トリフェニルホスフィノ)塩化パラジウム(II)(0.016g、0.023mmol)との混合物を、脱気し、そして150℃にて0.5時間にわたって加熱した。その混合物を、室温まで冷却し、そして酢酸エチル(50mL)および2%塩化リチウム水溶液(20mL)によって希釈した。有機層を、分離し、2%塩化リチウム水溶液によって洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、97:3:0.25 塩化メチレン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)によって精製して、表題生成物(0.085g、68%)を白色の固体として得た、融点155〜157℃;H NMR(300MHz,CDOD)8.55(d,J=1.5Hz,1H),8.49(d,J=2.7Hz,1H),7.82(d,J=9.6Hz,1H),7.60−7.57(m,2H),7.27(dd,J=10.2,8.7Hz,1H),7.15(s,2H),3.13(s,3H),2.74(q,J=7.5Hz,4H),1.23(t,J=7.5Hz,6H);IR(ATR)3064,2969,2935,1733,1670,1597,1459,1412,1328,1228,989,881,783,702cm−1;ESI MS m/z 436[C2423H]。C2423Oについての分析計算値:C,66.19;H,5.32;N,16.08。実測値:C,65.87;H,4.73;N,15.28。
【0147】
(実施例105)
(2−アミノ−5−(2,6−ジエチル−ピリジン−4−イル)−5−[4−フルオロ−3−(4−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−イミダゾール−4−オンの調製)
【0148】
【化45】

DMF(5mL)中の、2−アミノ−5−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−(2,6−ジエチル−ピリジン−4−イル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−イミダゾール−4−オン(0.170g、0.405)と4−フルオロピリジン−3−イル(トリブチル)錫(0.235g、0.608mmol)とビス(トリフェニルホスフィノ)塩化パラジウム(II)(0.023g、0.032mmol)との混合物を、脱気し、そして150℃にて1時間にわたって加熱した。その混合物を、室温まで冷却し、そして 酢酸エチル(50mL)および2%塩化リチウム水溶液(20mL)によって希釈した。有機層を、分離し、2%塩化リチウム水溶液によって洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、95:5:0.25 塩化メチレン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)によって精製して、表題生成物(0.017g、10%)を白色の固体として得た、融点92〜100℃;H NMR(300MHz,CDOD)δ 8.55−8.45(m,2H),7.56−7.19(m,4H),7.09(s,2H),3.10(s,3H),2.68(q,J=7.5Hz,4H),1.15(t,J=7.5Hz,6H);ESI MS m/z 436[C2423H]
【0149】
(実施例106)
((5R)−2−アミノ−5−(2−エチルピリジン−4−イル)−3−メチル−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル))−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン[A]および(5S)−2−アミノ−5−(2−エチルピリジン−4−イル)−3−メチル−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル))−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン[B]の調製)
【0150】
【化46】

2−アミノ−5−(2−エチルピリジン−4−イル)−3−メチル−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル))−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンのラセミ混合物を、キラルHPLCによって分離して、表題の鏡像異性生成物を得た:
A:(5R)−2−アミノ−5−(2−エチルピリジン−4−イル)−3−メチル−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル))−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン,H NMR(DMSOd 300MHz)δ 1.18(t,3H),2.7(t,2H),3.0(s,3H),6.8(brs,2H),7.32,1H),7.38(s,1H),7.5(t,1H),7.6(d,1H),7.7(d,1H),7.8(s,1H),8.4(d,1H),9.03(s,2H),9.2(s,1H);MS m/e(M+H)373;および
B:(5S)−2−アミノ−5−(2−エチルピリジン−4−イル)−3−メチル−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル))−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン,H NMR(DMSOd 300MHz)δ 1.18(t,3H),2.7(t,2H),3.0(s,3H),6.8(brs,2H),7.32,1H),7.38(s,1H),7.5(t,1H),7.6(d,1H),7.7(d,1H),7.8(s,1H),8.4(d,1H),9.03(s,2H),9.2(s,1H);MS m/e(M+H)373;[α]25=+0.031(c=CHOH中に1%)。
【0151】
(実施例107)
((5R)−2−アミノ−5−(2,6−ジエチルピリジン−4−イル)−5−[(3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン[A]および(5S)−2−アミノ−5−(2,6−ジエチルピリジン−4−イル)−5−[(3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン[B]の調製)
【0152】
【化47】

2−アミノ−5−(2,6−ジエチルピリジン−4−イル)−5−[(3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンのラセミ混合物を、キラルHPLCによって分離して、表題の鏡像異性生成物を得た:
A:(5R)−2−アミノ−5−(2,6−ジエチルピリジン−4−イル)−5−[(3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン,H NMR(DMSOd 300MHz)δ 1.2(t,6H),2.6(q,4H),2.95(s,3H),6.72(brs,2H),7.1(s,1H),7.35−7.45(m,3H),7.5(m,1H),7.7(m,1H),8.0(m,2H),8.4(dd,1H);MS m/e(M+H)418;[α]25=+0.041(c=CHOH中に1%);および
B:(5S)−2−アミノ−5−(2,6−ジエチルピリジン−4−イル)−5−[(3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン,H NMR(DMSOd 300MHz)δ 1.2(t,6H),2.6(q,4H),2.95(s,3H),6.72(brs,2H),7.1(s,1H),7.35−7.45(m,3H),7.5(m,1H),7.7(m,1H),8.0(m,2H),8.4(dd,1H);MS m/e(M+H)418;[α]25=−0.02(c=CHOH中に1%)。
【0153】
(実施例108)
((5R)−2−アミノ−5−(2,6−ジエチルピリジン−4−イル)−5−[3−(6−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン[A]および(5S)−2−アミノ−5−(2,6−ジエチルピリジン−4−イル)−5−[3−(6−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン[B]の調製)
【0154】
【化48】

2−アミノ−5−(2,6−ジエチルピリジン−4−イル)−5−[3−(6−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンのラセミ混合物を、キラルHPLCによって分離して、表題の鏡像異性生成物を得た:
A:(5R)−2−アミノ−5−(2,6−ジエチルピリジン−4−イル)−5−[3−(6−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン,H NMR(DMSOd 300MHz)δ 1.15(t,6H),2.6(q,4H),2.95(s,3H),6.72(brs,2H),7.15(s,1H),7.25(dd,1H),7.4(t,1H),7.48(d 1H),7.55(d,1H),7.7(m,1H),8.12(m,2H),8.38(m,1H);MS m/e(M+H)418;[α]25=+0.008(c=CHOH中に1%);および
B:(5S)−2−アミノ−5−(2,6−ジエチルピリジン−4−イル)−5−[3−(6−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン,H NMR(DMSOd 300MHz)δ 1.15(t,6H),2.6(q,4H),2.95(s,3H),6.72(brs,2H),7.15(s,1H),7.25(dd,1H),7.4(t,1H),7.48(d 1H),7.55(d,1H),7.7(m,1H),8.12(m,2H),8.38(m,1H);MS m/e(M+H)418;[α]25=−0.002(c=CHOH中に1%)。
【0155】
(実施例109)
(2−アミノ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−5−(2−フェニル−ピリジン−4−イル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0156】
【化49】

工程a)[(4−メトキシ−3−メチルフェニル)エチニル](トリメチル)シラン
トルエン中の4−ブロモ−1−メトキシ−2−メチルベンゼン(6.702g)の溶液を、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.15g)によって処理し、次いでジイソプロピルアミン(23mL)、トリメチルシリルアセチレン(4.7mL)およびヨウ化銅(I)(0.127g)によって処理した。その反応物を、窒素雰囲気において45℃にて一晩加熱し、そして乾燥状態までエバポレートした。得られた残留物を、大きいシリカパッドに適用し、そしてヘキサン:酢酸エチル(2:1)によって溶出させた。溶出液を、乾燥状態までエバポレートして、シラン中間体を茶色の油状物(7.167g)として得た。その化合物を、LCMS分析によって特徴付けた。LCMS条件:HP 1100 HPLCシステム;Waters Xterra MS C18、2mm(i.d.)×50mm(長さ)、3.5umカラム、50℃における設定;流速1.0mL/分;溶媒A:水中の0.02% NHOH;溶媒B ACN中の0.02% NHOH;勾配:時間O:10% B;2.5分間 90% B;3分間 90% B;サンプル濃度:約2.0mM;注入容量:5uL;検出:220nm、254nm DAD。
【0157】
工程b)4−エチニル−1−メトキシ−2−メチルベンゼン
[(4−メトキシ−3−メチルフェニル)エチニル](トリメチル)シラン(7.167g)テトラヒドロフランの溶液を、TBAF(30mL、テトラヒドロフラン中の1.0M溶液)によって処理し、1時間にわたって撹拌し、そして乾燥状態までエバポレートした。残留物を、ジエチルエーテルに溶解し、水によって洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、そしてエバポレートした。この残留物を、シリカのパッドに適用し、そしてヘキサン:酢酸エチル(4:1)によって溶出させた。溶出液を、乾燥状態までエバポレートして、アルキン中間体を茶色の固体(4.77g)として得た。その化合物を、LCMS分析によって特徴付けた。LCMS条件:HP 1100 HPLCシステム;Waters Xterra MS C18、2mm(i.d.)×50mm(長さ)、3.5umカラム、50℃における設定;流速1.0mL/分;溶媒A:水中の0.02% NHOH;溶媒B ACN中の0.02% NHOH;勾配:時間O:10% B;2.5分間 90% B;3分間 90% B;サンプル濃度:約2.0mM;注入容量:5uL;検出:220nm、254nm DAD。
【0158】
工程c)4−[(4−メトキシ−3−メチルフェニル)エチニル]−2−フェニルピリジン
トルエン中の4−ブロモ−2−フェニルピリジン(0.4g;文献の手順:Wolf,C.;Ghebremariam,B.Synthesis 2002、749によって調製した)の溶液を、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.059g)によって処理し、次いで、ジイソプロピルアミン(5mL)、4−エチニル−1−メトキシ−2−メチルベンゼン(1.25g)およびヨウ化銅(I)(0.006g)によって処理する。その反応を、窒素雰囲気において65oCにて一晩加熱し、そして真空中で濃縮して、フェニルエチニルピリジン中間体を茶色の油状物(2.0g)として得る。その化合物を、LCMS分析によって特徴付けた。 LCMS条件:HP 1100 HPLCシステム;Waters Xterra MS C18、2mm(i.d.)×50mm(長さ)、3.5 umカラム、50℃における設定;流速1.0mL/分;溶媒A:水中の0.02% NHOH;溶媒B ACN中の0.02% NHOH;勾配:時間O:10% B;2.5分間 90% B;3分間 90% B;サンプル濃度:約2.0mM;注入容量:5uL;検出:220nm、254nm DAD。
【0159】
工程d)1−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−2−(2−フェニルピリジン−4−イル)エタン−1,2−ジオン
アセトン中の4−[(4−メトキシ−3−メチルフェニル)エチニル]−2−フェニルピリジン(2.0g)の溶液を、水中の硫酸マグネシウム(0.52g)と炭酸水素ナトリウム(0.177g)との溶液によって処理し、次いで、過マンガン酸カリウム(0.780g)によって処理し、2時間にわたって撹拌し、そしてセライトパッドを通して濾過する。フィルターケークを、アセトンによって洗浄した。濾液を、合わせ、そしてエバポレートした。得られた残留物を、ジエチルエーテルに溶解し、水および飽和炭酸水素ナトリウムによって連続して洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして真空中で濃縮して、油状物を得た。その油状物を、フラッシュクロマトグラフィー ヘキサン:酢酸エチル(9:1)によって精製して、ジケトン中間体を鮮黄色の油状物(0.322g)として得て、それを、LCMS分析によって特徴付けた。LCMS条件:HP 1100 HPLCシステム;Waters Xterra MS C18、2mm(i.d.)×50mm(長さ)、3.5umカラム、50℃における設定;流速1.0mL/分;溶媒A:水中の0.02% NHOH;溶媒B ACN中の0.02% NHOH;勾配:時間O:10% B;2.5分間 90% B;3分間 90% B;サンプル濃度:約2.0mM;注入容量:5uL;検出:220nm、254nm DAD。
【0160】
工程e)2−アミノ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−5−(2−フェニルピリジン−4−イル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン
エタノール中の、1−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−2−(2−フェニルピリジン−4−イル)エタン−1,2−ジオン(0.331g、0.5mmol)と塩酸1−メチルグアニジン(0.110g、1.0mmol)との混合物を、水(2mL)中の炭酸ナトリウム(0.318g、1.5mmol)によって処理し、70℃にて一晩加熱し、そして濾過した。濾液を、乾燥状態までエバポレートして、残留物を与え、その残留物を、Gilson分取用逆相HPLCシステムによって精製した。HPLC条件:YMC Pro C18、20mm×50mm ID、5uMカラム;2mL注入;溶媒A:0.02% NHOH/水;溶媒B:0.02% NHOH/アセトニトリル;勾配:時間0:95% A;2分間:95% A;14分間:10% A、15分間:10% A、16分間:95% A;流速22.5mL/分;検出:254 nm DAD。表題生成物を白色の非晶質固体として与える化合物7(0.110g)を、LCMS分析によって特徴付けた。LCMS条件:HP 1100 HPLCシステム;Waters Xterra MS C18、2mm(i.d.)×50mm(長さ)、3.5 umカラム、50℃における設定;流速1.0mL/分;溶媒A:水中の0.02% NHOH;溶媒B ACN中の0.02% NHOH;勾配:時間O:10% B;2.5分間 90% B;3分間 90% B;サンプル濃度:約2.0mM;注入容量:5uL;検出:220nm、254nm DAD、(保持時間:2.41分間、[M−H]385、[M+H]387)。
【0161】
(実施例110)
(1−(ジフルオロメトキシ)−4−エチニルベンゼンの調製)
【0162】
【化50】

トリエチルアミン中の1−(ジフルオロメトキシ)−4−ヨードベンゼン(12.7g、50mmol)の溶液を、アセトニトリル中のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(4.0g、3.5mmol)、ヨウ化銅(925mg、4.85mmol)、およびエチニル(トリメチル)シラン(6.9mL、50mmol)の溶液によって室温にて処理し、60℃にて1時間にわたって撹拌し、そして真空中で濃縮した。得られた残留物を、EtOに溶解し、そして濾過した。濾液を、濃縮し、そして濃縮物を、クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン:5/95)によって精製して、{[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]エチニル}(トリメチル)シラン(11.5g、96%)を油状物として得た。
【0163】
MeOH/CHCl(1/1)中の{[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]エチニル}(トリメチル)シラン(10.0g、41.7mmol)の溶液を、炭酸セシウム(16.3g、50mmol)によって室温にて処理し、1.5時間にわたって撹拌し、CHClによって希釈し、そしてシリカゲルのパッドを通して濾過した。濾液を、乾燥状態まで濃縮して、表題化合物(6.8g、97%)を油状物として得た。MS(+)EI:168。
【0164】
(実施例111)
(2−アミノ−5−[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−3−メチル−5−ピリジン−3−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0165】
【化51】

トリエチルアミン中の3−ヨードピリジン(205mg、1.0mg)の溶液を、アセトニトリル中のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(80mg、0.069mmol)、ヨウ化銅(18mg、0.097mmol)および1−(ジフルオロメトキシ)−4−エチニルベンゼン(168mg、1.0mmol)の溶液によって室温にて処理し、60℃にて1時間にわたって加熱し、冷却し、そして乾燥状態まで濃縮して、3−{[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]エチニル}ピリジンを残留物として得た。残留物(240mg)を、アセトンに溶解し、HO中のNaHCO(50mg)とMgSO(180mg)との溶液およびKMnO(327mg)によって連続して処理し、室温にて10分間にわたって撹拌し、そして1/1 EtO/ヘキサンによって抽出した。合わせた抽出物を、乾燥状態まで濃縮して、1−[4−(ジフルオロメトキシ)−フェニル]−2−ピリジン−3−イルエタン−1,2−ジオンを得た。エタノール中の、1−[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−2−ピリジン−3−イルエタン−1,2−ジオン(230mg)と塩酸N−メチルグアニジン(155mg)とNaCO(240mg)との混合物を、還流温度にて1.5時間にわたって加熱し、そして真空中で濃縮した。得られた残留物を、クロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/EtOH中の2.0M NH:97/3)によって精製して、表題化合物(130mg)を固体として得た、融点:173〜175℃(NMR分析および質量スペクトル分析によって同定した)。MS(+)APPI:333(M+H)
【0166】
(実施例112)
(2−アミノ−5−[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0167】
【化52】

本質的に実施例111に記載した同一の手順を用い、そして4−ヨードピリジンを使用して、表題化合物を、を固体として得た、融点:193〜195℃(NMR分析および質量スペクトル分析によって同定した)。MS(+)APPI:333(M+H)
【0168】
(実施例113)
((5R)−2−アミノ−5−[4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン[A]および(5S)−2−アミノ−5−[4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン[B]の調製)
【0169】
【化53】

2−アミノ−5−[4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンのラセミ混合物を、キラルHPLCによって分離して、表題の鏡像異性生成物を得た:
A:(5R)−2−アミノ−5−[4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン、MS m/e(M+H)380;[α]25=+13.6(c=DMSO中に1%);および
B:(5S)−2−アミノ−5−[4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン、MS m/e(M+H)380;[α]25=−13.6(c=DMSO中に1%)。
【0170】
(実施例114)
(試験化合物のBACE−1結合親和性の評価)
(蛍光動力学的アッセイ)
最終的なアッセイ条件:10nMヒトBACE1(または10nMマウスBACE1、1.5nMヒトBACE2)、25μM基質(WABC−6、MW 1549.6、AnaSpec製)、緩衝液:50mM酢酸Na(pH4.5)、0.05% CHAPS、25% PBS、室温。酢酸Naは、Aldrich製、カタログ番号24,124−5であり、CHAPSは、Research Organics製、カタログ番号1304C 1Xであり、PBSは、Mediatech(Cellgro)製、カタログ番号21−031−CVであり、ペプチド基質AbzSEVNLDAEFRDpaは、AnaSpec製、ペプチド名:WABC−6であった。
【0171】
ストック基質(AbzSEVNLDAEFRDpa)濃度の決定:約25mMストック溶液を、ペプチドの重量およびMWを使用してDMSOにおいて調製し、そして1×PBSにおいて約25μM(1:1000)に希釈する。濃度を、18172M−1cm−1の吸光係数εを使用して354nmにおける吸光度によって決定し、ストック基質の濃度を、補正し、そして基質ストックを、−80℃において少量のアリコートで保存した。
[基質ストック]=ABS354nm * 10/18172(mMにおいて)
吸光係数ε354nmを、同じ消光剤−フルオロフォア対を有するTACEペプチド基質から適合した。
【0172】
ストック酵素濃度の決定:各酵素のストック濃度を、6M塩酸グアニジン(Research Organics製、カタログ番号5134G−2)(pH約6)において、hBACE1およびMuBACE1については64150M−1cm−1、hBACE2については62870M−1cm−1のεを使用して280nmにおける吸光度によって決定した。各酵素についての吸光係数ε280nmを、公知のアミノ酸組成ならびにTrp(5.69M−1cm−1)残基およびTyr(1.28M−1cm−1)残基(Anal.Biochem.182、319−326)についての公開された吸光係数に基づいて算出した。
【0173】
希釈工程および混合工程:総反応容量:100μL
緩衝液A(66.7mM酢酸Na、pH4.5、0.0667% CHAPS)中の2×インヒビター希釈物を調製し、
緩衝液A(66.7mM酢酸Na、pH4.5、0.0667% CHAPS)中の4×酵素希釈物を調製し、
1×PBS中の100μM基質希釈物を調製し、そして
50μLの2×インヒビター、25μLの100μM基質を、96ウェルプレート(DYNEX Technologies製、VWR #:11311−046)の各ウェルに添加し、その直後に、25μLの4×酵素を添加し(インヒビターと基質との混合物に添加した)、そして蛍光の読み取りを、開始する。
【0174】
蛍光の読み取り:λex 320nmおよびλem 420nmにおける読み取りを、30分間にわたって室温にて40秒毎に行い、そして基質切断速度(v)についての線形の勾配を決定した。
【0175】
%阻害の算出:
%阻害=100*(1−v/v
:インヒビターの存在下における基質切断速度
:インヒビターの非存在下における基質切断速度
IC50の決定:
%阻害=((B*IC50)+(100*I))/(IC50+I
(ExcelにおけるLSW Tool BarからのModel # 39(Bは、酵素コントロール由来の%阻害であり、それは、0に接近するべきである))。%阻害は、対インヒビター濃度(I)でプロットされ、そしてデータは、各化合物についてのIC50値およびHill数(n)を得るために上記方程式に適合する。少なくとも10種の異なるインヒビター濃度を試験することが、好ましい。得られたデータを、以下で、表IXにおいて示す。
【0176】
(表IXについて)
A=0.01μM〜0.10μM
B=0.11μM〜1.00μM
C=>1.00μM
【0177】
【表9−1】

【0178】
【表9−2】

【0179】
【表9−3】

【0180】
【表9−4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

の化合物、あるいはその互変異性体、その立体異性体またはその薬学的に受容可能な塩であって、
Wは、CO、CSまたはCHであり;
Xは、N、NOまたはCRであり;
Yは、N、NOまたはCR10であり;
Zは、N、NOまたはCR11であるが、但し、X、YまたはZのうちの少なくとも1つは、NまたはNOでなければならず;
およびRは、各々独立して、H、COR34、CO12または必要に応じて置換されているC〜Cアルキル基であり;
は、H、OR13または各々必要に応じて置換されたC〜Cアルキル基、C〜Cハロアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基、C〜Cシクロアルキル基もしくはアリール(C〜C)アルキル基であり;
およびRは、各々独立して、H、ハロゲン、NO、CN、OR14、CO15、COR16、NR1718、SONR1920または各々必要に応じて置換されたC〜Cアルキル基、C〜Cハロアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基もしくはC〜Cシクロアルキル基であり;
は、H、ハロゲン、NO、CN、OR21、NR2223または各々必要に応じて置換されたC〜Cアルキル基、C〜Cハロアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基もしくはC〜Cシクロアルキル基であり;
は、H、ハロゲン、NO、CN、OR24、NR2526または各々必要に応じて置換されたC〜Cアルキル基、C〜Cハロアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基、C〜Cシクロアルキル基、アリール基もしくはヘテロアリール基であり;
R、R、RおよびR10は、各々独立して、H、ハロゲン、NO、CN、OR27、CO28、COR29、NR3031、SONR3233または各々必要に応じて置換されたC〜Cアルキル基、C〜Cハロアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基もしくはC〜Cシクロアルキル基であり;
11、R12、R13、R14、R15、R16、R21、R24、R27、R28およびR29は、各々独立して、Hまたは各々必要に応じて置換されたC〜Cアルキル基、C〜Cハロアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基、C〜Cシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基もしくはアリール基であり;
17、R18、R19、R20、R22、R23、R25、R26、R30、R31、R32およびR33は、各々独立して、H、COR34、SO35または各々必要に応じて置換されたC〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基、C〜Cシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基もしくはヘテロアリール基であるか、あるいはR17、R18;またはR19、R20;またはR22、R23;またはR25、R26;またはR30、R31;またはR32、R33は、それらが結合されている原子と一緒になって、O、NまたはSから選択されるさらなるヘテロ原子を必要に応じて含む必要に応じて置換されている5員〜7員の環を形成し得;
34は、H、または各々必要に応じて置換されたC〜Cアルキル基、C〜Cハロアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基、C〜Cシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基もしくはヘテロアリール基であり;そして
35は、各々必要に応じて置換されたC〜Cアルキル基、C〜Cハロアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cアルキニル基、C〜Cシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基である;
化合物。
【請求項2】
Wは、COであり;Xは、Nであり;Yは、CR10であり、そしてZは、CR11である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
は、必要に応じて置換されているフェニルまたは必要に応じて置換されているヘテロアリールである、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
およびRは、Hである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
は、HまたはC〜Cアルキルである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
は、メチルである、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
10およびR11は、Hである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
は、必要に応じて置換されているピリジニル基である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
以下:
(5S)−2−アミノ−5−[4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−3−メチル−5−フェニル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(3−ブロモフェニル)−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(3−メトキシフェニル)−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(1,1’−ビフェニル−3−イル)−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(1,1’−ビフェニル−3−イル)−3−メチル−5−ピリジン−3−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−3−メチル−5−フェニル−5−ピリジン−3−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(3−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(3’−フルオロ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(3’,5’−ジフルオロ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2’,5’−ジフルオロ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−5−[3’−(トリフルオロメチル)−1,1’−ビフェニル−3−イル]−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−5−[3’−(トリフルオロメトキシ)−1,1’−ビフェニル−3−イル]−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
3’−(2−アミノ−1−メチル−5−オキソ−4−ピリジン−4−イル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)−1,1’−ビフェニル−3−カルボニトリル;
2−アミノ−3−メチル−5−(3−ピラジン−2−イルフェニル)−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(3’−メトキシ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(3’−ヒドロキシ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(1,1’−ビフェニル−3−イル)−3−メチル−5−(2−メチルピリジン−4−イル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2’,5’−ジフルオロ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−3−メチル−5−(2−メチルピリジン−4−イル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2’,5’−ジフルオロ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−5−(2−エチルピリジン−4−イル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2’,5’−ジフルオロ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−3−メチル−5−(2−プロピルピリジン−4−イル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2’,5’−ジフルオロ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−5−(2−イソプロピルピリジン−4−イル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2’,5’−ジフルオロ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−5−(2−フルオロピリジン−4−イル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2’,5’−ジフルオロ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−5−(3−フルオロピリジン−4−イル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−5−(3−チエン−2−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−5−(3−チエン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−[3−(2−フリル)フェニル]−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−[3−(3−フリル)フェニル]−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−3−メチル−5−(3−プロポキシフェニル)−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(3−イソブトキシフェニル)−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−[3−(ブチ−3−イニルオキシ)フェニル]−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
N−[3−(2−アミノ−1−メチル−5−オキソ−4−ピリジン−4−イル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−2−メトキシアセトアミド;
N−[3−(2−アミノ−1−メチル−5−オキソ−4−ピリジン−4−イル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−2−フルアミド;
3−(2−アミノ−1−メチル−5−オキソ−4−ピリジン−4−イル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル)−N−プロピルベンズアミド;
2−アミノ−5−(3−ブロモフェニル)−3−メチル−5−(2−メチルピリジン−4−イル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−3−メチル−5−(2−メチルピリジン−4−イル)−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−3−メチル−5−(2−メチルピリジン−4−イル)−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2’,5’−ジフルオロ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−3−メチル−5−(2−メチルピリジン−4−イル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2−エチルピリジン−4−イル)−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2−エチルピリジン−4−イル)−3−メチル−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2’,5’−ジフルオロ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−5−(2−エチルピリジン−4−イル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−3−メチル−5−(2−メチルピリジン−4−イル)−5−(3−ピラジン−2−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2−エチルピリジン−4−イル)−3−メチル−5−(3−ピラジン−2−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2,6−ジメチルピリジン−4−イル)−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2,6−ジメチルピリジン−4−イル)−3−メチル−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2’,5’−ジフルオロ−1,1’−ビフェニル−3−イル)−5−(2,6−ジメチルピリジン−4−イル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2,6−ジメチルピリジン−4−イル)−3−メチル−5−(3−ピラジン−2−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2,6−ジエチルピリジン−4−イル)−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−3−メチル−5−ピリジン−4−イル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
それらの互変異性体;
それらの立体異性体;および
それらの薬学的に受容可能な塩;
から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
過剰なBACE活性に関連した疾患または障害の処置が必要な患者において、過剰なBACE活性に関連した疾患または障害を処置するための方法であって、該患者に、治療有効量の請求項1〜9のいずれか1項に記載の式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩を提供する工程を包含する、方法。
【請求項11】
前記疾患または障害は、アルツハイマー病;認知障害;ダウン症候群;HCHWA−D;認知低下;老年痴呆;脳アミロイド血管症;および神経変性障害からなる群より選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記疾患または障害は、β−アミロイド沈着または神経原線維変化の産生によって特徴付けられる、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
BACEの活性を調節するための方法であって、BACEのレセプターと、有効量の請求項1〜9のいずれか1項に記載の請求項1の化合物またはその薬学的に受容可能な塩とを接触させる工程を包含する、方法。
【請求項14】
アルツハイマー病の処置が必要な患者においてアルツハイマー病を処置するための方法であって、該患者に、有効量の請求項1に記載の化合物を提供する工程を包含する、方法。
【請求項15】
薬学的に受容可能なキャリアと、有効量の請求項1〜9のいずれか1項に記載の式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩とを含む、薬学的組成物。

【公表番号】特表2009−500329(P2009−500329A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519470(P2008−519470)
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/024912
【国際公開番号】WO2007/005404
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(591011502)ワイス (573)
【氏名又は名称原語表記】Wyeth
【Fターム(参考)】