説明

アミノイミダゾロン類、および、認知機能障害、アルツハイマー病、神経変性および認知症を治療するための医薬品としてのそれらの使用

本発明は、以下の構造式Iを有する新規の化合物、ならびに、それらの製薬上許容できる塩、組成物、および、使用方法に関する。これらの新規の化合物は、認知機能障害、アルツハイマー病、神経変性、および、認知症の治療または予防を提供する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規の化合物、それらの医薬組成物に関する。加えて、本発明は、Aβ関連の病状、例えばダウン症候群、および、β−アミロイド血管症、例えば、これらに限定されないが、脳アミロイド血管症、遺伝性脳内出血、認知機能障害に関連する障害、例えば、これらに限定されないが、MCI(「軽度認知機能障害」)、アルツハイマー病、記憶障害、アルツハイマー病に関連する注意欠陥障害の症状、アルツハイマー病または認知症のような病気に関連する神経変性、例えば混合性血管性変性性認知症、初老性認知症、老人性認知症、および、パーキンソン病に関連する認知症、進行性核上麻痺、または、皮質基底変性症を治療および/または予防するための治療方法に関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかのグループが、β−セクレターゼ活性を有するアスパルテートプロテイナーゼを同定し単離している(Hussain等,1999;Lin等,2000;Yan等,1999;Sinha等,1999、および、Vassar等,1999)。またβ−セクレターゼは、文献ではAsp2(Yan等,1999)、ベータ部位APP切断酵素(BACE)(Vassar等,1999)、または、メマプシン−2(Lin等,2000)としても知られている。BACEは、ESTデータベース解析(Hussain等1999);発現クローニング(Vassar等1999);推定C.elegansタンパク質の公開データベースからのヒトホモログの同定(Yan等1999)のような多数の実験的アプローチを用いて、そして最終的には、ヒト脳由来のタンパク質を精製するための阻害剤を利用することによって(Sinha等1999)同定された。従って、3種の異なる実験的アプローチを用いた5つのグループが同酵素を同定するに至り、これによりBACEがβ−セクレターゼであることが確実視されるようになった。以下の特許文献でも言及されている:WO96/40885、EP871720、米国特許第5,942,400号および5,744,346号、EP855444、US6,319,689、WO99/64587、WO99/31236、EP1037977、WO00/17369、WO01/23533、WO0047618、WO00/58479、WO00/69262、WO01/00663、WO01/00665、US6,313,268。
【0003】
BACEは、ペプシン様アスパラギン酸プロテイナーゼであり、その成熟酵素はN末端触媒ドメイン、膜貫通ドメイン、および、小細胞質ドメインからなることが見出されている。BACEは、pH4.0〜5.0で至適な活性を有し(Vassar等,1999)、ペプスタチンのような標準的なペプシン阻害剤によって弱く阻害される。膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを除いた触媒ドメインは、基質ペプチドに対して活性を有することが示されている(Lin等,2000)。BACEは、部分的に活性なプロ酵素として合成される膜結合型1型のタンパク質であり、脳組織で豊富に発現される。これは、主要なβ−セクレターゼ活性を示すと考えられており、アミロイド−β−タンパク質(Aβ)生産における律速段階とみなされている。従って、これは、アルツハイマー病の病理学、および、アルツハイマー病治療薬の開発において特に注目されている。
【0004】
Aβまたはアミロイド−β−タンパク質は、アルツハイマー病に特徴的な脳プラークの主成分である(De Strooper等,1999)。Aβは、APPまたはアミロイド前駆タンパク質と呼ばれるクラスI膜貫通タンパク質の特異的な切断によって形成された39〜42残基のペプチドである。Aβ−セクレターゼ活性は、このタンパク質を、残基Met671とAsp672(APPの770アミノ酸アイソフォームの番号付け)との間で切断し、これによりAβのN末端が形成される。このペプチドの第二の切断は、γ
−セクレターゼに関連しており、それによりAβペプチドのC末端が形成される。
【0005】
アルツハイマー病(AD)は、世界的に2000万人を超える人々を苦しめていると推定されており、認知症の最も一般的な形態と考えられている。アルツハイマー病は進行性認知症であって、凝集タンパク質の大量の沈着によって生成物が破壊され、アミロイドプラークおよび神経原線維濃縮体が脳内に蓄積する。アミロイドプラークは、アルツハイマー患者で観察される精神的退化に関与すると考えられる。
【0006】
アルツハイマー病を発症する見込みは年齢とともに増加するが、先進国における老年人口の増加により、この病気はますます大きな問題になりつつある。それに加えて、アルツハイマー病は家族歴と関連し、その結果として、スウェーデン型変異として知られているAPPの二重突然変異を有する個体(突然変異したAPPは、BACEにとって非常に好都合な基質である)は、AD発症の危険がかなり高くなり、さらには若年齢でADを発症する危険も高くなる(スウェーデン型APPを含むトランスジェニック齧歯類に関するUS6,245,964およびUS5,877,399も参照)。その結果として、これらの個体に対して予防的に用いることができる化合物の開発に対しても強い要望がある。
【0007】
APPをコードする遺伝子は第21染色体に見出されており、これは、ダウン症候群における余分なコピーとして見出された染色体でもある。ダウン症候群の患者は、若年齢でアルツハイマー病に罹る傾向があり、40歳以上の患者のほとんど全てがアルツハイマー型の病状を示す(Oyama等,1994)。これは、これらの患者で見出されるAPP遺伝子の余分なコピーによるものと考えられ、このような余分なコピーは、APPの過剰発現、従って高レベルのAPPβをもたらし、このような個体群で観察されるアルツハイマー病の高発生率の原因となる。従って、BACE阻害剤は、ダウン症候群の患者においてアルツハイマー型の病状を減少させることにおいて有用な可能性がある。
【0008】
従って、BACE活性を減少させたり、または、ブロックする薬物は、脳内、または、Aβまたはそれらのフラグメントが沈着するその他の場所でAβレベルおよびAβフラグメントのレベルを減少させ、アミロイドプラークの形成、および、ADまたはAβもしくはそれらのフラグメントの堆積が関与するその他の病気の進行を遅くすると考えられる(Yankner,1996;De StrooperおよびKonig,1999)。従って、BACEは、Aβ関連の病状、例えばダウン症候群、および、β−アミロイド血管症、例えば、これらに限定されないが、脳アミロイド血管症、遺伝性脳内出血、認知機能障害に関連する障害、例えば、これらに限定されないが、MCI(「軽度認知機能障害」)、アルツハイマー病、記憶障害、アルツハイマー病に関連する注意欠陥障害の症状、アルツハイマー病または認知症のような病気に関連する神経変性、例えば混合性血管性変性性認知症、初老性認知症、老人性認知症、および、パーキンソン病に関連する認知症、進行性核上麻痺、または、皮質基底変性症の治療剤および/または予防剤としての薬物を開発するための重要な候補物質である。
【0009】
従って、本明細書で示された化合物のような阻害剤を介してBACEを阻害することによってAβおよびそれらの一部の堆積を阻害することは有用であると考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
Aβの堆積を阻害するという治療上の可能性は、多くのグループらに、セクレターゼ酵素の単離および特徴付け、さらにそれらの見込みのある阻害剤の同定を促した。(例えば、WO01/23533A2、EP0855444、WO00/17369、WO00/58479、WO00/47618、WO00/77030、WO01/00665、WO01/00663、WO01/29563、WO02/25276、US5,942,400、US6,245,884、US6,221,667、US6,211,235、WO02/02505、WO02/02506、WO02/02512、WO02/02518、WO02/02520、WO02/14264、WO05/058311、WO05/097767、WO06/041404、WO06/041405、WO06/0065204、WO06/0065277、US2006287294、WO06/138265、US20050282826、US20050282825、US20060281729、WO06/138217、WO06/138230、WO06/138264、WO06/138265、WO06/138266、WO06/099379、WO06/076284、US20070004786、US20070004730、WO07/011833、WO07/011810、US20070099875、US20070099898、WO07/049532を参照)。
【0011】
本発明の化合物は、例えば改善されたhERG選択性のような、当業界既知の見込みのある阻害剤と比較して有益な特性を示す。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明において、遊離塩基、または、製薬上許容できる塩、溶媒化合物もしくはそれらの塩の溶媒化合物としての、構造式I:
【化1】

で示される新規の化合物を開示し、
式中、
Aは、独立して、5、6または7員環の複素環(任意に1個またはそれ以上のR1で置換されていてもよい)から選択され;
Bは、独立して、5または6員環のヘテロ芳香環(任意に1個またはそれ以上のR2で置換されていてもよい)から選択され;
Cは、独立して、フェニルまたは5もしくは6員環のヘテロ芳香環(任意に1個またはそれ以上のR3で置換されていてもよい)から選択され;
1は、独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、OR6、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキニル、C0-6アルキルC3-6ヘテロシクリル、NR67、CONR67、NR6(CO)R7、O(CO)R6、CO26、COR6、(SO2)NR67、NR6(SO2)R7、SOR6、SO26、OSO26、および、SO36から選択され、ここにおいて前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキニル、および、C0-6アルキルC3-6ヘテロシクリルは、任意に1個またはそれ以上のDで置換されていてもよく;または、
2個のR1置換基は、それらが結合している原子と一緒になって、環または複素環(任意に1個またはそれ以上のDで置換されていてもよい)を形成していてもよく;
【0013】
2、R3およびR4は、独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、OR6、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C
0-6アルキルC3-6シクロアルキニル、C0-6アルキルC3-6ヘテロシクリル、NR67、CONR67、NR6(CO)R7、O(CO)R6、CO26、COR6、(SO2)NR67、NR6(SO2)R7、SO26、SOR6、OSO26、および、SO36から選択され、ここにおいて前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキニル、および、C0-6アルキルC3-6ヘテロシクリルは、任意に1個またはそれ以上のDで置換されていてもよく;または、
2個のR2、R3またはR4置換基は、それらが結合している原子と一緒になって、環または複素環(任意に1個またはそれ以上のDで置換されていてもよい)を形成していてもよく;
【0014】
5は、独立して、水素、シアノ、OR6、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキニル、C0-6アルキルC3-6ヘテロシクリル、CONR67、CO26、COR6、SO26、および、SO36から選択され、ここにおいて前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキニル、C0-6アルキルC3-6ヘテロシクリルは、任意に1個またはそれ以上のDで置換されていてもよく;
Dは、独立して、ハロゲン、ニトロ、CN、OR6、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキニル、C0-6アルキルヘテロシクリル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、NR67、CONR67、NR6(CO)R7、O(CO)R6、CO26、COR6、(SO2)NR67、NR6SO27、SO26、SOR6、OSO26、および、SO36から選択され、ここにおいて前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキニル、または、C0-6アルキルヘテロシクリルは、任意に、独立してハロ、ニトロ、シアノ、OR6、C1-6アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、および、トリフルオロメトキシから選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されていてもよく;
【0015】
6およびR7は、独立して、水素、C1-6アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルC36シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキニル、C0-6アルキルヘテロシクリルから選択され;または、
6およびR7は、一緒になって、N、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含む5または6員環の複素環を形成していてもよく;
mは、0、1、2または3であり;
nは、0、1、2または3であり;
pは、0、1、2または3であり;
qは、0、1、2または3である。
【0016】
本発明はさらに、製薬上許容できる賦形剤、キャリアーまたは希釈剤と共に、活性成分として治療上有効な量の式Iで示される化合物を含む医薬組成物を提供する。
本発明はさらに、BACE酵素と式Iで示される化合物とを接触させることを含む、BACE活性を調節する方法を提供する。
本発明はさらに、患者に、治療上有効な量の式Iで示される化合物を投与することを含む、患者におけるAβ関連の病状の治療または予防方法を提供する。
【0017】
本発明はさらに、医薬品として使用するための本明細書で説明される化合物を提供する。
本発明のその他の形態において、式Iで示され、式中Aは、6員環の複素環(任意に1個またはそれ以上のR1で置換されていてもよい)である化合物が提供される。
本発明のその他の形態において、式Iで示され、式中Bは、6員環のヘテロ芳香環である化合物が提供される。
【0018】
本発明のその他の形態において、式Iで示され、式中Bは、ピリジルである化合物が提供される。
本発明のその他の形態において、式Iで示され、式中Bは、5員環のヘテロ芳香環である化合物が提供される。
本発明のその他の形態において、式Iで示され、式中Bは、フリル、チエニル、および、チアゾリルから選択される化合物が提供される。
【0019】
本発明のその他の形態において、式Iで示され、式中R5は、水素である化合物が提供される。
本発明のその他の形態において、式Iで示され、式中mは、0である化合物が提供される。
本発明のその他の形態において、式Iで示され、式中mは、2である化合物が提供される。
【0020】
本発明のその他の形態において、式Iで示され、式中R1は、ハロゲンである化合物が提供される。
本発明のその他の形態において、式Iで示され、式中nは、0である化合物が提供される。
本発明のその他の形態において、式Iで示され、式中qは、0である化合物が提供される。
本発明のその他の形態において、式Iで示され、式中Cは、1個またはそれ以上のR3で置換されたフェニルである化合物が提供される。
【0021】
本発明のその他の形態において、式Iで示され、式中R3は、独立して、ハロゲン、シアノ、OR6、C1-6アルキル、および、OSO26から選択され、ここにおいて前記C1-6アルキルは、1個またはそれ以上のDで置換されており;Dは、ハロゲンであり、R6は、C1-6アルキルである化合物が提供される。
【0022】
本発明のその他の形態において、式Iで示され、式中Cは、ピリミジルである化合物が提供される。
本発明のその他の形態において、式Iで示され、式中Cは、1個またはそれ以上のR3で置換されたピリジルである化合物が提供される。
本発明のその他の形態において、式Iで示され、式中R3は、独立して、ハロゲン、シアノ、および、OR6から選択され、R6は、C16アルキルである化合物が提供される。
【0023】
本発明のその他の形態において、式Iで示され、式中、
Aは、6員環の複素環であり;
Bは、5または6員環のヘテロ芳香環(任意に1個またはそれ以上のR2で置換されて
いてもよい)であり;
Cは、独立して、フェニルまたは5もしくは6員環のヘテロ芳香環(任意に1個またはそれ以上のR3で置換されていてもよい)から選択され;
3は、独立して、ハロゲン、シアノ、OR6、C1-6アルキル、および、OSO26から選択され、ここにおいて前記C1-6アルキルは、1個またはそれ以上のDで置換されており;
5は、水素であり;
Dは、ハロゲンであり;
6は、C1-6アルキルであり;
mは、0であり;
nは、0であり;
pは、0、1または2であり;
qは、0である化合物が提供される。
【0024】
本発明のその他の形態において、式Iで示され、式中、
Aは、1個またはそれ以上のR1で置換された6員環の複素環であり;
Bは、6員環のヘテロ芳香環であり;
Cは、フェニルまたは1個またはそれ以上のR3で置換された6員環のヘテロ芳香環であり;
1は、ハロゲンであり;
3は、ハロゲン、および、OR6から選択され;
5は、水素であり;
6は、C1-6アルキルであり;
mは、2であり;
nは、0であり;
pは、1または2であり;
qは、0である化合物が提供される。
【0025】
本発明のその他の形態において、式Iで示され、式中、
Aは、1個またはそれ以上のR1で置換された6員環の複素環であり;
Bは、6員環のヘテロ芳香環である(任意に1個のR2で置換されていてもよい);
Cは、フェニルまたは6員環のヘテロ芳香環(任意に1個またはそれ以上のR3で置換されていてもよい)であり;
1は、ハロゲンであり;
2は、ハロゲンであり;
3は、ハロゲン、および、OR6から選択され;
4は、ハロゲンであり;
5は、水素であり;
6は、C1-6アルキルであり;
mは、2であり;
nは、0または1であり;
pは、0、1または2であり;
qは、0または1である化合物が提供される。
【0026】
本発明のその他の形態において、遊離塩基、または、製薬上許容できる塩、溶媒化合物もしくはそれらの塩の溶媒化合物としての、式Iで示される化合物が提供され、本化合物は、以下の通りである:
3'−(6−アミノ−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピリミジン−8−イル)−ビフェニル−3−カルボニトリル塩酸塩;
8−(3'−メトキシビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢酸塩;
8−[3−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢酸塩;
8−(3'−クロロビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢酸塩;
8−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.5酢酸塩;
8−(2'−フルオロ−3'−メトキシビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢酸塩;
8−(2'−フルオロ−5'−メトキシビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢酸塩;
3'−(6−アミノ−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−8−イル)−6−フルオロビフェニル−3−カルボニトリル0.25酢酸塩;
3'−(6−アミノ−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−8−イル)−5−クロロビフェニル−3−イルメタンスルホナート0.5酢酸塩;
3'−(6−アミノ−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−8−イル)−4−フルオロビフェニル−3−カルボニトリル0.25酢酸塩;
8−(3'−クロロ−2'−フルオロビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢酸塩;
8−ピリジン−4−イル−8−[3'−(トリフルオロメチル)ビフェニル−3−イル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢酸塩;
8−[3'−(メチルスルホニル)ビフェニル−3−イル]−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢酸塩;
8−(3',5'−ジクロロビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢酸塩;
8−(3'−クロロ−5'−メトキシビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢酸塩;
【0027】
8−(2',3'−ジクロロビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢酸塩;
8−[3−(5−クロロ−2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢酸塩;
8−(3'−エトキシビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.5酢酸塩;
8−(5'−クロロ−2'−フルオロビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25
酢酸塩;
8−(4'−フルオロ−3'−メトキシビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イ
ル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢酸塩;
8−ピリジン−4−イル−8−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢酸塩;
8−[3−(5−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢
酸塩;
3'−(6−アミノ−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−8−イル)−5−メトキシビフェニル−3−イルメタンスルホナート0.25酢酸塩;
8−(2',5'−ジクロロビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢酸塩;
8−(3'−クロロ−4'−フルオロビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢酸塩;
【0028】
8−(3',5'−ジクロロビフェニル−3−イル)−8−(3−フリル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩;
8−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−(3−フリル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩;
8−(3',5'−ジクロロビフェニル−3−イル)−8−(2−フリル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩;
8−(2−フリル)−8−(3'−メトキシビフェニル−3−イル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩;
8−(3',5'−ジクロロビフェニル−3−イル)−8−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩;
8−(3',5'−ジクロロビフェニル−3−イル)−8−(3−チエニル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩;
8−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−(3−チエニル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩;
3,3−ジフルオロ−8−[3−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩;
3,3−ジフルオロ−8−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.75酢酸塩;
3,3−ジフルオロ−8−(2'−フルオロ−5'−メトキシビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢酸塩;
3,3−ジフルオロ−8−(2'−フルオロ−3'−メトキシビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.75酢酸塩;
3,3−ジフルオロ−8−[3−(5−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩;および、
3,3−ジフルオロ−8−(3'−メトキシビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン1.25酢酸塩。
【0029】
本発明のその他の形態において、遊離塩基、または、製薬上許容できる塩、溶媒化合物もしくはそれらの塩の溶媒化合物としての、式Iで示される化合物が提供され、本化合物は、以下の通りである:
3,3−ジフルオロ−8−[3−(5−クロロ−2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩;
3,3−ジフルオロ−8−ピリジン−4−イル−8−(3−ピリミジン−5−イルフェ
ニル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩;
3,3−ジフルオロ−8−[4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩;
3,3−ジフルオロ−8−(2',6−ジフルオロ−3'−メトキシビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩;
3,3−ジフルオロ−8−[4−フルオロ−3−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.5酢酸塩;
3,3−ジフルオロ−8−(3−フルオロピリジン−4−イル)−8−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;
3,3−ジフルオロ−8−(3−フルオロピリジン−4−イル)−8−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;および、
3,3−ジフルオロ−8−[3−(6−メトキシピラジン−2−イル)フェニル]−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩。
【0030】
いくつかの式Iで示される化合物は、不斉炭素原子および/または幾何異性中心を有していてもよく(E−およびZ−異性体)、当然のことながら本発明は、このような全ての光学異性体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、アトロプ異性体、および、幾何異性体を包含する。
【0031】
本発明は、上記で定義された式Iで示される化合物、加えてそれらの塩の使用に関する。医薬組成物に使用するための塩は、製薬上許容できる塩と予想されるが、その他の塩も、式Iで示される化合物の生産において有用であり得る。
【0032】
当然のことながら、本発明は、式Iで示される化合物の多種多様な互変異性型に関する。
【0033】
本発明の化合物は、医薬品として用いることができる。いくつかの実施態様において、本発明は、医薬品として使用するための、式Iで示される化合物、または、それらの製薬上許容できる塩、互変異性体、または、インビボで加水分解性の前駆体を提供する。いくつかの実施態様において、本発明は、Aβ関連の病状を治療または予防するための医薬品として使用するための、本明細書で説明される化合物を提供する。いくつかのさらなる実施態様において、Aβ関連の病状は、ダウン症候群、β−アミロイド血管症、脳アミロイド血管症、遺伝性脳内出血、認知機能障害に関連する障害、MCI(「軽度認知機能障害」)、アルツハイマー病、記憶障害、アルツハイマー病に関連する注意欠陥障害の症状、アルツハイマー病に関連する神経変性、混合性血管性認知症、変性性認知症、初老性
認知症、老人性認知症、パーキンソン病に関連する認知症、進行性核上麻痺、または、皮
質基底変性症である。
【0034】
いくつかの実施態様において、本発明は、Aβ関連の病状の治療または予防のための医薬品の製造における、式Iで示される化合物、または、それらの製薬上許容できる塩、互変異性体、もしくはインビボで加水分解性の前駆体の使用を提供する。いくつかのさらなる実施態様において、Aβ関連の病状としては、例えば、ダウン症候群、および、β−アミロイド血管症、例えば、これらに限定されないが、脳アミロイド血管症、遺伝性脳内出血、認知機能障害に関連する障害、例えば、これらに限定されないが、MCI(「軽度認知機能障害」)、アルツハイマー病、記憶障害、アルツハイマー病に関連する注意欠陥障害の症状、アルツハイマー病または認知症のような病気に関連する神経変性、例えば混合性血管性変性性認知症、初老性認知症、老人性認知症、および、パーキンソン病に関連する認知症、進行性核上麻痺、または、皮質基底変性症が挙げられる。
【0035】
いくつかの実施態様において、本発明は、BACEと本発明の化合物とを接触させることを含む、BACE活性の阻害方法を提供する。BACEは、主要なβ−セクレターゼ活性を示すと考えられており、アミロイド−β−タンパク質(Aβ)生産における律速段階とみなされている。従って、本明細書で示された化合物のような阻害剤を介してBACEを阻害することは、Aβおよびそれらの一部の堆積を阻害するのに有用であると予想される。このようなAβおよびそれらの一部の堆積は、アルツハイマー病のような病気と関連があるため、BACEは、Aβ関連の病状、例えばダウン症候群、および、β−アミロイド血管症、例えば、これらに限定されないが、脳アミロイド血管症、遺伝性脳内出血、認知機能障害に関連する障害、例えば、これらに限定されないが、MCI(「軽度認知機能障害」)、アルツハイマー病、記憶障害、アルツハイマー病に関連する注意欠陥障害の症状、アルツハイマー病または認知症のような病気に関連する神経変性、例えば混合性血管性変性性認知症、初老性認知症、老人性認知症、および、パーキンソン病に関連する認知症、進行性核上麻痺、または、皮質基底変性症の治療剤および/または予防剤としての薬物を開発するための重要な候補物質である。
【0036】
いくつかの実施態様において、本発明は、哺乳動物(例えばヒト)に、治療上有効な量の式Iで示される化合物、または、それらの製薬上許容できる塩、互変異性体、もしくはインビボで加水分解性の前駆体を投与することを含む、Aβ関連の病状、例えばダウン症候群、および、β−アミロイド血管症、例えば、これらに限定されないが、脳アミロイド血管症、遺伝性脳内出血、認知機能障害に関連する障害、例えば、これらに限定されないが、MCI(「軽度認知機能障害」)、アルツハイマー病、記憶障害、アルツハイマー病に関連する注意欠陥障害の症状、アルツハイマー病または認知症のような病気に関連する神経変性、例えば混合性血管性変性性認知症、初老性認知症、老人性認知症、および、パーキンソン病に関連する認知症、進行性核上麻痺、または、皮質基底変性症の治療方法を提供する。
【0037】
いくつかの実施態様において、本発明は、哺乳動物(例えばヒト)に、治療上有効な量の式Iで示される化合物、または、製薬上許容できる塩、互変異性体、または、インビボで加水分解性の前駆体を投与することを含む、Aβ関連の病状、例えばダウン症候群、および、β−アミロイド血管症、例えば、これらに限定されないが、脳アミロイド血管症、遺伝性脳内出血、認知機能障害に関連する障害、例えば、これらに限定されないが、MCI(「軽度認知機能障害」)、アルツハイマー病、記憶障害、アルツハイマー病に関連する注意欠陥障害の症状、アルツハイマー病または認知症のような病気に関連する神経変性、例えば混合性血管性変性性認知症、初老性認知症、老人性認知症、および、パーキンソン病に関連する認知症、進行性核上麻痺、または、皮質基底変性症の予防方法を提供する。
【0038】
いくつかの実施態様において、本発明は、哺乳動物(例えばヒト)に、式Iで示される化合物、または、製薬上許容できる塩、互変異性体、または、インビボで加水分解性の前駆体、ならびに向知性薬および/または記憶促進剤を投与することによる、Aβ関連の病状、例えばダウン症候群、および、β−アミロイド血管症、例えば、これらに限定されないが、脳アミロイド血管症、遺伝性脳内出血、認知機能障害に関連する障害、例えば、これらに限定されないが、MCI(「軽度認知機能障害」)、アルツハイマー病、記憶障害、アルツハイマー病に関連する注意欠陥障害の症状、アルツハイマー病または認知症のような病気に関連する神経変性、例えば混合性血管性変性性認知症、初老性認知症、老人性認知症、および、パーキンソン病に関連する認知症、進行性核上麻痺、または、皮質基底変性症の治療または予防方法を提供する。向知性薬、記憶促進剤、および、コリンエステラーゼ阻害剤としては、これらに限定されないが、オネペジル(onepezil)(アリセプト)、ガランタミン(レミニール、または、ラザダイン)、リバスチグミン(エクセロン)、タクリン(コグネックス)、および、メマンティン(ナメンダ、アクスラ、または、エビクサ)が挙げられる。
【0039】
いくつかの実施態様において、本発明は、哺乳動物(例えばヒト)に、式Iで示される化合物、または、それらの製薬上許容できる塩、互変異性体、もしくはインビボで加水分解性の前駆体(ここにおいて各構成要素が提供される)、ならびにコリンエステラーゼ阻害剤または抗炎症薬を投与することによる、Aβ関連の病状、例えばダウン症候群、および、β−アミロイド血管症、例えば、これらに限定されないが、脳アミロイド血管症、遺伝性脳内出血、認知機能障害に関連する障害、例えば、これらに限定されないが、MCI(「軽度認知機能障害」)、アルツハイマー病、記憶障害、アルツハイマー病に関連する注意欠陥障害の症状、アルツハイマー病または認知症のような病気に関連する神経変性、例えば混合性血管性変性性認知症、初老性認知症、老人性認知症、および、パーキンソン病に関連する認知症、進行性核上麻痺、または、皮質基底変性症の治療または予防方法を提供する。
【0040】
いくつかの実施態様において、本発明は、哺乳動物(例えばヒト)に、本発明の化合物、および非定型抗精神病薬を投与することによる、Aβ関連の病状、例えばダウン症候群、および、β−アミロイド血管症、例えば、これらに限定されないが、脳アミロイド血管症、遺伝性脳内出血、認知機能障害に関連する障害、例えば、これらに限定されないが、MCI(「軽度認知機能障害」)、アルツハイマー病、記憶障害、アルツハイマー病に関連する注意欠陥障害の症状、アルツハイマー病または認知症のような病気に関連する神経変性、例えば混合性血管性変性性認知症、初老性認知症、老人性認知症、および、パーキンソン病に関連する認知症、進行性核上麻痺、もしくは、皮質基底変性症、または、本明細書において説明されているその他のあらゆる病気、障害または状態の治療または予防方法を提供する。非定型抗精神病薬としては、これらに限定されないが、オランザピン(ジプレキサとして販売されている)、アリピプラゾール(エビリファイとして販売されている)、リスペリドン(リスパダールとして販売されている)、クエチアピン(セロクエルとして販売されている)、クロザピン(クロザリルとして販売されている)、ジプラシドン(ジオドンとして販売されている)、および、オランザピン/フルオキセチン(シンビアックスとして販売されている)が挙げられる。
【0041】
いくつかの実施態様において、本発明の化合物で治療される哺乳動物またはヒトは、本明細書において説明したような特定の病気または障害を有することがすでに診断されている。これらのケースにおいて、治療される哺乳動物またはヒトは、このような治療が必要である。しかしながら、診断が事前に行われる必要はない。
【0042】
本発明はまた、少なくとも1種の製薬上許容できるキャリアー、希釈剤または賦形剤と共に、活性成分として1種またはそれ以上の本発明の化合物を含む医薬組成物も含む。
【0043】
本願に記載の定義は、本願中にわたって用いられる用語を明確にすることを目的とする。用語「本明細書において」は、本願全体を意味する。
【0044】
本発明における様々な化合物は、特定の幾何異性体または立体異性体の形態で存在する可能性もある。本発明では、シスおよびトランス異性体、R−およびS−エナンチオマー、ジアステレオ異性体、(D)−異性体、(L)−異性体、それらのラセミ混合物、および、それらのその他の混合物を含む全てのこのような化合物を、本発明の範囲に含まれるものとして扱う。アルキル基のような置換基中に、追加の不斉炭素原子が存在していてもよい。このようなあらゆる異性体、加えてそれらの混合物は、本発明に含まれることとする。本明細書において説明される化合物は、不斉中心を有していてもよい。非対称的に置換された原子を含む本発明の化合物は、光学的に活性な形態またはラセミ体で単離することもできる。光学的に活性な形態の製造方法は当業界公知であり、例えば、ラセミ体の分割、光学的に活性な出発原料からの合成、または、光学的に活性な試薬を用いた合成によって製造される。必要に応じて、ラセミ混合物の分離は、当業界既知の方法によって行うことができる。また、多くのオレフィンの幾何異性体、C=N二重結合なども、本明細書で説明される化合物に存在していてもよく、このようなあらゆる安定な異性体も本発明において考慮される。本発明の化合物のシスおよびトランス幾何異性体が記載されており、これらは、異性体の混合物として単離することもできるし、または、個別の異性体の形態として単離することもできる。特定の立体化学または異性体の形態が特別に指定されない限り、あらゆるキラル体、ジアステレオ異性体、ラセミ体、および、あらゆる幾何異性体の形態の構造が考慮される。
【0045】
置換基への結合が、環中の2個の原子を連結する結合と交差させて示されている場合、このような置換基は、環中のどの原子に結合していてもよい。置換基がその置換基と所定の式で示される化合物の残部との結合を仲介している原子を示さずに表示されている場合、このような置換基は、その置換基中のどの原子を介して結合していてもよい。置換基、置換基の位置および/または変数の組み合わせは、このような組み合わせが安定な化合物を生じる場合にのみ許容される。
【0046】
本願で用いられる用語「任意に置換されていてもよい」は、置換が任意であることを意味しており、従って、指示された原子または部分は置換されていなくてもよい。置換が望ましい状況において、このような置換は、指示された原子または部分におけるいくつかの水素が、指示された原子または部分の通常の原子価を超過せず、さらにこのような置換が、安定な化合物を形成する限り、指定された群から選択された基で置換されることを意味する。例えば置換基がメチル(すなわちCH3)である場合、炭素原子における3個の水素が置換可能である。このような置換基の例としては、これらに限定されないが、以下が挙げられる:ハロゲン、CN、NH2、OH、SO、SO2、COOH、OC1-6アルキル、CH2OH、SO2H、C1-6アルキル、OC1-6アルキル、C(=O)C1-6アルキル、C(=O)OC1-6アルキル、C(=O)NH2、C(=O)NHC1-6アルキル、C(=O)N(C1-6アルキル)2、SO21-6アルキル、SO2NHC1-6アルキル、SO2N(C1-6アルキル)2、NH(C1-6アルキル)、N(C1-6アルキル)2、NHC(=O)C1-6アルキル、NC(=O)(C1-6アルキル)2、C5-6アリール、OC5-6アリール、C(=O)C5-6アリール、C(=O)OC5-6アリール、C(=O)NHC5-6アリール、C(=O)N(C5-6アリール)2、SO25-6アリール、SO2NHC5-6アリール、SO2N(C5-6アリール)2、NH(C5-6アリール)、N(C5-6アリール)2、NC(=O)C5-6アリール、NC(=O)(C56アリール)2、C5-6ヘテロシクリル、OC5-6ヘテロシクリル、C(=O)C5-6ヘテロシクリル、C(=O)OC5-6ヘテロシクリル、C(=O)NHC5-6ヘテロシクリル、C(=O)N(C5-6ヘテロシクリル)2、SO25-6ヘテロシクリル、SO2NHC5-6ヘテロシクリル、SO2N(C5-6ヘテロシクリル)2
NH(C5-6ヘテロシクリル)、N(C5-6ヘテロシクリル)2、NC(=O)C5-6ヘテロシクリル、NC(=O)(C5-6ヘテロシクリル)2
【0047】
本明細書で用いられる「アルキル」は、単独で、または、接尾辞または接頭辞として用いられ、1〜12個の炭素原子を有する分枝状および直鎖状の両方の飽和脂肪族炭化水素基を含むか、または、特定の炭素原子数が示されている場合、その特定の数を含むものを意味することとする。例えば「C0-6アルキル」は、0、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキルを意味する。アルキルの例としては、これらに限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、および、ヘキシルが挙げられる。下付き数字が整数0(ゼロ)であるような場合、その下付き数字がかかる基が存在していなくてもよいことを示しており、すなわち基と基との間が直接結合であることを示す。
【0048】
本明細書で用いられる「アルケニル」は、単独で、または、接尾辞または接頭辞として用いられ、2〜12個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基を含む分枝状および直鎖状の両方のアルケンまたはオレフィンを含むか、または、特定の炭素原子数が示されている場合、その特定の数を含むものを意味することとする。例えば「C2-6アルケニル」は、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルケニルを意味する。アルケニルの例としては、これらに限定されないが、ビニル、アリル、1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−メチルブタ−2−エニル、3−メチルブタ−1−エニル、1−ペンテニル、3−ペンテニル、および、4−ヘキセニルが挙げられる。
【0049】
本明細書で用いられる「アルキニル」は、単独で、または、接尾辞または接頭辞として用いられ、2〜12個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基を含む分枝状および直鎖状の両方のアルキンを含むか、または、特定の炭素原子数が示されている場合、その特定の数を含むものを意味することとする。例えば「C2-6アルキニル」は、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキニルを意味する。アルキニルの例としては、これらに限定されないが、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、3−ブチニル、−ペンチニル、ヘキシニル、および、1−メチルペンタ−2−イニルが挙げられる。
【0050】
本明細書で用いられる「芳香族」は、芳香族の特徴(例えば、4n+2個の非局在化電子)を有し、約14個以下の炭素原子を含む1個またはそれ以上の不飽和炭素環を有するヒドロカルボニル基を意味する。加えて「ヘテロ芳香族」は、炭素、および、1個またはそれ以上のヘテロ原子(例えば窒素、酸素または硫黄)を含み、芳香族の特徴(例えば、4n+2個の非局在化電子)を有する1個またはそれ以上の不飽和環を有する基を意味する。
【0051】
本明細書で用いられる用語「アリール」は、5〜14個の炭素原子で構成される芳香環構造を意味する。5、6、7および8個の炭素原子を含む環構造は、単環式の環芳香族基と予想され、例えばフェニルである。8、9、10、11、12、13または14個を含む環構造は、多環式と予想され、例えばナフチルである。このような芳香環は、1個またはそれ以上の環の位置で、上述したような置換基で置換されていてもよい。用語「アリール」はまた、2つの隣接する環が2個またはそれ以上の炭素を共有する、2個またはそれ以上の環式環を有する多環式の環系(このような環は、「縮合環」である)も含み、ここにおいて、上記環のうち少なくとも1種は芳香族であり、その他の環式環は、例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、および/または、ヘテロシクリルであってもよい。オルト、メタおよびパラという用語は、それぞれ1,2位、1,3位および1,4位で二置換されたベンゼンに適用される。例えば、1,2−ジメチルベンゼンと、オルト−ジメチルベンゼンという名称は、同義語である。
【0052】
本明細書で用いられる用語「シクロアルキル」は、特定の炭素原子数を有する飽和環基を含むこととする。これらは、縮合した、または、架橋した多環式系を含む場合もある。好ましいシクロアルキルは、それらの環構造中に3〜10個の炭素原子を有し、より好ましくは、環構造中に3、4、5および6個の炭素を有する。例えば、「C3-6シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、または、シクロヘキシルのような基を意味する。
【0053】
本明細書で用いられる「シクロアルケニル」は、環中に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有し、4〜12個の炭素原子を有する環含有ヒドロカルビル基を意味する。
【0054】
本明細書で用いられる「シクロアルキニル」は、環中に少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有し、7〜12個の炭素原子を有する環含有ヒドロカルビル基を意味する。
【0055】
本明細書で用いられる「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、および、ヨードを意味する。「対イオン」は、塩化物、臭化物、水酸化物、酢酸塩、硫酸塩、トシル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩などのような小さい負電荷を有する種を示すために用いられる。
【0056】
本明細書で用いられる用語「ヘテロシクリル」または「複素環式の」または「複素環」は、(特に他の指定がない限り)3〜20個の原子を含み、そのうち1、2、3、4または5個の環原子が、窒素、硫黄または酸素から選択される飽和、不飽和または部分的に飽和した、単環式、二環式または三環式の環を意味し、ここにおいて上記環原子は、特に他の規定がない限り、炭素または窒素が連結したものであってもよく、ここにおいて−CH2−基は、任意に−C(O)−で置換されていてもよく;および、ここにおいて、それとは反対の規定がない限り、環の窒素または硫黄原子は、任意に酸化されて、N−酸化物またはS−酸化物を形成していてもよいし、または、環の窒素は、任意に四級化されていてもよく;ここにおいて、環−NHは、任意にアセチル、ホルミル、メチル、または、メシルで置換されていてもよく;および、環は、任意に1個またはそれ以上のハロで置換されていてもよい。当然ながら、ヘテロシクリル中のSおよびO原子の総数が1を超える場合、これらのヘテロ原子は、互いに隣接していない。前記ヘテロシクリル基が二または三環式である場合、環の少なくとも1つは、任意にヘテロ芳香族または芳香環であってもよいが、環の少なくとも1つは、ヘテロ芳香族以外のものである。前記ヘテロシクリル基が単環式である場合、これは、芳香族であってはならない。ヘテロシクリルの例としては、これらに限定されないが、ピペリジニル、N−アセチルピペリジニル、N−メチルピペリジニル、N−ホルミルピペラジニル、N−メシルピペラジニル、ホモピペラジニル、ピペラジニル、アゼチジニル、オキセタニル、モルホリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、インドリニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロ−2H−ピラニル、テトラヒドロフラニル、および、2,5−ジオキソイミダゾリジニルが挙げられる。
【0057】
本明細書で用いられる「ヘテロアリール」または「ヘテロ芳香族」は、少なくとも1種のヘテロ原子(例えば硫黄、酸素、または、窒素)の環の構成要素を有する芳香族複素環を意味する。ヘテロアリール基は、単環式、および、多環式の(例えば、2、3または4個の縮合環を有する)系を含む。ヘテロアリール基の例としては、これらに限定されないが、ピリジル(すなわち、ピリジニル)、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、フリル(すなわち、フラニル)、キノリル、イソキノリル、チエニル、イミダゾリル、チアゾリル、インドリル、ピリル、オキサゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンズチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、インダゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、ベンゾチエニル、プリニル、カルバゾリル、フルオレノニル、ベンズイミダゾリル、インドリニルなどが挙げられる。いくつかの実施態様において、ヘテロアリール基は、1〜約20個の炭素原子を有し、さらなる実施態様において、約3〜約20個の炭素原子を有する。いくつかの実施態様において、ヘテロアリール基は、3〜約14、4〜約14、3〜約7または5〜6個の環を形成する原子を含む。いくつかの実施態様において、ヘテロアリールまたはヘテロ芳香族基は、1〜約4個、1〜約3個または1〜2個のヘテロ原子を有する。いくつかの実施態様において、ヘテロアリールまたはヘテロ芳香族基は、1個のヘテロ原子を有する。
【0058】
本明細書で用いられるように、「保護基」という成句は、もしかすると反応するかもしれない官能基を望ましくない化学転換から保護する一時的な置換基を意味する。このような保護基の例としては、カルボン酸のエステル、アルコールおよびアセタールに対するシリルエーテル、ならびに、アルデヒドおよびケトンそれぞれに対するケタールが挙げられる。保護基化学の分野は、総論されている(Greene,T.W.;Wuts,P.G.M.Protective Groups in Organic Synthesis,第3版;ワイリー(Wiley):ニューヨーク,1999)。
【0059】
本明細書で用いられる「製薬上許容できる」は、本明細書において、妥当な医療的判断の範囲内で、適度なベネフィット・リスク比に相応する、過剰な毒性、炎症、アレルギー性応答もしくはその他の問題、または合併症を起こさずに、ヒトおよび動物の組織に接触させて使用するのに適した化合物、材料、組成物および/または投薬形態を意味するものとして用いられる。
【0060】
本明細書で用いられる「製薬上許容できる塩」は、開示された化合物の誘導体を意味し、ここにおいて親化合物は、それらの酸または塩基塩を形成することによって改変される。製薬上許容できる塩の例としては、これらに限定されないが、塩基性残基(例えばアミン)の無機または有機酸塩;酸性残基(例えばカルボン酸)のアルカリまたは有機塩;などが挙げられる。製薬上許容できる塩としては、例えば非毒性の無機酸または有機酸から形成された、親化合物の一般的な非毒性の塩、または、第四アンモニウム塩が挙げられる。例えば、このような一般的な非毒性の塩としては、塩酸のような無機酸から誘導されたものが挙げられる。
【0061】
本発明の製薬上許容できる塩は、一般的な化学的な方法によって、塩基性または酸性部分を含む親化合物から合成することができる。一般的に、このような塩は、これらの化合物の遊離の酸または塩基の形態と、理論量の適切な塩基または酸とを、水または有機溶媒中で、または、これら2種の混合物中で反応させることによって製造することができ;一般的に、ジエチルエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルのような非水性媒体が用いられる。
【0062】
本明細書で用いられる「互変異性体」は、水素原子の移動によって生じた平衡状態で存在する他方の構造異性体を意味する。例えば、ケト−エノールの互変異性の場合、得られた化合物は、ケトンと不飽和アルコールの両方の特性を有する。
【0063】
本明細書で用いられる「安定な化合物」および「安定な構造」は、反応混合物および調合物から有用な純度になるまで単離しても有効な治療剤として存在し続けることができる程度に十分に強い化合物を示すものとする。
【0064】
本発明の化合物はさらに、水和物、および、溶媒化合物も含む。
本発明はさらに、同位体で標識された本発明の化合物も含む。「同位体で標識された」または「放射標識された」化合物とは、1個またはそれ以上の原子が、自然状態で通常見出される(すなわち、天然に存在する)原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子で置き換えられているか、または、置換されている本発明の化合物である。本発明の化合物に包含させてもよい適切な放射性核種としては、これらに限定されないが、2H(また、重水素としてDとも記載される)、3H(また、トリチウムとしてTとも記載される)、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、18F、35S、36Cl、82Br、75Br、76Br、77Br、123I、124I、125I、および、131Iが挙げられる。本発明の放射標識された化合物に包含される放射性核種は、その放射標識された化合物の具体的な用途に依存すると予想される。例えば、インビトロでの受容体の標識付け、および、競合分析のためには、一般的に、3H、14C、82Br、125I、131I、35Sを包含する化合物が、最も有用であると予想される。放射イメージング用途の場合、一般的に、11C、18F、125I、123I、124I、131I、75Br、76Brまたは77Brが、最も有用であると予想される。
【0065】
当然ながら、「放射標識された化合物」は、少なくとも1種の放射性核種を含む化合物である。いくつかの実施態様において、放射性核種は、3H、14C、125I、35S、および、82Brからなる群より選択される。
【0066】
本明細書において定義される抗認知症の治療は、単独療法適用してもよいし、または、本発明の化合物に加えて、従来の化学療法を併用してもよい。このような化学療法は、1種またはそれ以上の以下のカテゴリーの物質:アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、抗炎症薬、向知性薬および/または記憶促進剤、または、非定型抗精神病薬を含んでいてもよい。
【0067】
このような併用治療は、個々の治療の成分を、同時、連続的または別々に投与することによって達成することもできる。このような組み合わせ製品に、本発明の化合物が用いられる。
【0068】
本発明の化合物は、経口、非経口、口腔内、膣、直腸、吸入法、通気法、舌下、筋肉内、皮下、外用、鼻腔内、腹腔内、胸腔内、静脈内、硬膜外、クモ膜下、脳室内、および、関節への注射によって投与することができる。
【0069】
投与量は、投与経路、病気の重症度、患者の年齢および体重、ならびにその他の要因に依存すると予想され、これらは通常、担当医によって考察され、それぞれの患者に最も適するように個々の処方計画および投与量レベルが決定される。
【0070】
認知症の治療に使用するための本発明の化合物の有効量は、症状の面で、温血動物(具体的にはヒト)における、認知症の症状を軽減する、認知症の進行を遅らせる、または、認知症の症状を有する患者における悪化の危険を減少させるのに十分な量である。
【0071】
本発明の化合物から医薬組成物を製造するために、不活性の製薬上許容できるキャリアーは、固体または液体のいずれであってもよい。固形製剤としては、粉末、錠剤、分散性の顆粒、カプセル、カシェ剤、および、坐剤が挙げられる。
【0072】
固形キャリアーは、希釈剤、矯味矯臭薬剤、可溶化剤、潤滑剤、懸濁化剤、結合剤、または、錠剤崩壊剤として作用し得る1種またはそれ以上の物質であり得る;これはまた、カプセル封入のための材料であってもよい。
【0073】
粉末の場合、キャリアーは微粉化した固体であり、これは、微粉化した活性成分を含む混合物の形態である。錠剤の場合、活性成分を必要な結合特性を有するキャリアーと適切な比率で混合し、望ましい形状およびサイズに圧縮する。
【0074】
坐剤組成物を製造するためには、まず、脂肪酸グリセリドおよびカカオバターの混合物のような低融点ワックスを融解させ、例えば撹拌することによって活性成分をそこに分散させる。次にこの溶融した均一な混合物を手ごろなサイズの型に注入し、冷却して、凝固させる。
【0075】
適切なキャリアーとしては、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ラクトース、糖、ペクチン、デキストリン、スターチ、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、カカオバターなどが挙げられる。
【0076】
いくつかの実施態様において、本発明は、哺乳動物(例えばヒト)の治療的処置(予防的治療も含む)のための式Iで示される化合物、または、それらの製薬上許容できる塩を提供するものであり、これらは、標準的な製薬上の実施に従って、医薬組成物として製剤化されるのが一般的である。
【0077】
本発明の化合物に加えて、本発明の医薬組成物はまた、本明細書で述べられた1種またはそれ以上の病気の状態の治療において有用な1種またはそれ以上の薬理作用のある物質を含んでいてもよいし、または、それらを(同時に、または、連続的に)共投与してもよい。
【0078】
組成物という用語は、製薬上許容できるキャリアーを含む活性成分または製薬上許容できる塩の調合物を含むこととする。例えば本発明は、当業界既知の手段によって、例えば、錠剤、カプセル、水性、または、油性溶液、懸濁液、エマルジョン、クリーム、軟膏、ゲル、鼻内噴霧、坐剤、微粉化した粉末、または、吸入法のためのエアロゾルもしくはネブライザー、加えて、非経口での使用(例えば、静脈内、筋肉内、または、輸液)のための、滅菌水溶液もしくは油性溶液または懸濁液、または、滅菌エマルジョンの形態に製剤化することができる。
【0079】
液状組成物としては、溶液、懸濁液、および、エマルジョンが挙げられる。非経口投与に適した液状製剤の一例として、活性な化合物の滅菌水または水−プロピレングリコール溶液が挙げられる。また液状組成物は、ポリエチレングリコール水溶液に溶解させて製剤化することもできる。経口投与のための水溶液は、活性成分を水に溶解させ、必要に応じて適切な着色剤、矯味矯臭薬剤、安定剤および増粘剤を添加することによって製造することができる。経口で使用するための水性懸濁液は、微粉化した活性成分を、合成天然ゴム類、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムのような粘性物質、ならびに、医薬製剤分野において既知のその他の懸濁化剤と共に水に分散することによって作製することができる。
【0080】
本医薬組成物は、1回投与量の形態であってもよい。このような形態において、本組成物は、適切な量の活性成分を含む単位用量に分割される。1回投与量は、パッケージ化された製剤であってもよく、このようなパッケージは、個別になった一定量の製剤を含み、例えば、バイアルまたはアンプル中に包装された錠剤、カプセルおよび粉末を含む。また1回投与量は、カプセル、カシェ剤、または、錠剤そのものであってもよいし、または、適切な数のこれらのパッケージ化された形態のいずれかであってもよい。
【0081】
組成物は、あらゆる適切な投与経路および手段に応じて製剤化することができる。製薬上許容できるキャリアーまたは希釈剤としては、経口、直腸、鼻、外用(例えば、口腔内および舌下)、膣、または、非経口(例えば、皮下、筋肉内、静脈内、皮内、髄腔内、および、硬膜外)投与に適した製剤で用いられるものが挙げられる。このような製剤は、1回投与量を供給するものが都合がいい場合があり、薬学分野で公知の方法のいずれかによって製造することができる。
【0082】
固形組成物の場合、一般的な非毒性の固形キャリアー、例えば、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、セルロース、セルロース誘導体、スターチ、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルカム、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウムなどが使用可能である。製薬的に投与可能な液状組成物は、例えば、上記で定義された活性な化合物、および、任意の製薬用アジュバントを、キャリアー(例えば水、生理食塩水、デキストロース水溶液、グリセロール、エタノールなど)に溶解、分散すること等によって、溶液または懸濁液を作製することによって製造することができる。必要に応じて、投与しようとする医薬組成物はさらに、少量の非毒性の補助剤、例えば湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤など、例えば酢酸ナトリウム、モノラウリン酸ソルビタン、酢酸トリエタノールアミンナトリウム、モノラウリン酸ソルビタン、オレイン酸トリエタノールアミンなどを含んでいてもよい。このような投薬形態の実際の製造方法は既知であるか、または、当業者には明白であると予想される;例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,マック・パブリッシング社(Mack Publishing Company),イーストン,ペンシルベニア州,第15版,1975を参照。
【0083】
本発明の化合物は、様々な方法で誘導体化することができる。本明細書で用いられる本化合物の「誘導体」は、塩(例えば、製薬上許容できる塩)、あらゆる複合体(例えば、シクロデキストリンのような化合物との包接錯体もしくはクラスレート、または、Mn2+およびZn2+のような金属イオンとの配位錯体)、遊離酸もしくは塩基、本化合物の多形体、溶媒化合物(例えば、水和物)、プロドラッグ、または、脂質、カップリングパートナー、および、保護基を含む。「プロドラッグ」は、例えば、インビボで生物学的に活性な化合物に変換されるあらゆる化合物を意味する。
【0084】
本発明の化合物の塩は、生理学的に十分な耐性を有し、非毒性であるものが好ましい。塩の多くの例が、当業者に既知である。このような全ての塩は本発明の範囲内であり、化合物について述べるときは、その化合物の塩の形態も含む。
【0085】
化合物がアミン官能基を含む場合、これらは、例えば当業者に公知の方法に従ってアルキル化剤と反応させることによって第四アンモニウム塩を形成する可能性がある。このような第四級アンモニウム化合物は、本発明の範囲内である。
【0086】
また、アミン官能基を含む化合物は、N−酸化物を形成する可能性もある。従って、本明細書においてアミン官能基を含む化合物について述べるときはN−酸化物も含む。
【0087】
化合物が数個のアミン官能基を含む場合、1個または1個より多くの窒素原子が酸化されて、N−酸化物を形成する可能性がある。N−酸化物の具体的な例は、第三アミン、または、窒素を含む複素環の窒素原子のN−酸化物である。
【0088】
N−酸化物は、それに対応するアミンを、過酸化水素または過酸(例えば、ペルオキシカルボン酸)のような酸化剤で処理することによって形成することができ、例えば、Jerry MarchによるAdvanced Organic Chemistry(第4版,ワイリー・インターサイエンス(Wiley Interscience),頁)を参照すること。より具体的には、N−酸化物は、L.W.Deady(Syn.Comm.1977,7,509〜514)の手順によって作製することができ、この場合、アミン化合物は、m−クロロペルオキシ安息香酸(MCPBA)と、例えばジクロロメタンのような不活性溶媒中で反応する。
【0089】
化合物がキラル中心を含む場合、エナンチオマー、エピマーおよびジアステレオ異性体
などのあらゆる光学的な形態、加えて本化合物のラセミ混合物はそれぞれ、本発明の範囲内である。
【0090】
化合物は、多数の様々な幾何異性および互変異性型で存在する可能性があり、従って、化合物について述べるときは、このような全ての形態も含む。誤解を避けるために言えば、化合物が、数種の幾何異性体または互変異性型のいずれか1種の型で存在する可能性があり、1種の型しか具体的に説明されていないか、または示されていない場合でも、それ以外の全てのものも本発明の範囲に包含される。
【0091】
投与される化合物の量は、治療を受ける患者に応じて様々であると予想され、1日あたり約100ng/kg体重〜100mg/kg体重の範囲で様々であると予想され、好ましくは、1日あたり10pg/kg〜10mg/kgと予想される。例えば、投与量は、当業者であればこの開示と当業界におけるから容易に確認することができる。従って、当業者であれば、組成物中の、および本発明の方法で投与される化合物、ならびに任意の添加剤、基剤および/またはキャリアーの量を容易に決定することができる。
【0092】
本発明の化合物は、インビトロでベータセクレターゼ(例えばBACE)活性を阻害することが示されている。ベータセクレターゼの阻害剤は、Aβペプチドの形成または凝集をブロックすることにおいて有用であることが示されており、従って、アルツハイマー病、および、高レベルのAβペプチドおよび/またはそれらの堆積に関連するその他の神経変性疾患の治療において有益な作用を有する。それゆえに、本発明の化合物は、アルツハイマー病、および、認知症に関連する病気の治療に使用できると考えられる。従って、本発明の化合物およびそれらの塩は、アルツハイマーのような加齢性疾患、加えて、その他のAβ関連の病状、例えばダウン症候群、および、β−アミロイド血管症に対して活性であると期待される。本発明の化合物は、単一の薬剤として用いられる可能性が最も高いと予想されるが、広範囲の認知欠陥の改善薬と併用することもあり得る。
【0093】
製造方法
本発明はまた、遊離塩基または製薬上許容できる塩としての、式(I)で示される化合物の製造方法に関する。以下に記載されたこのような方法の説明を通じて、当然ながら、必要に応じて、適切な保護基が、有機合成の当業者によって容易に理解されると予想される方式で様々な反応物および中間体に付加され、その後それらから除去されるものと予想される。従来のこのような保護基を用いた手法、加えて適切な保護基の例は、例えば、T.W.Greene,P.G.M Wutz著のProtective Groups in Organic Synthesis,第3版,ワイリー−インターサイエンス(Wiley−Interscience),ニューヨーク,1999で説明されている。当然ながら、反応混合物の加熱にはマイクロ波を用いてもよい。
【0094】
中間体の製造
本方法は、以下を含む(ここにおいてA、B、C、D、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は、特に他の規定がない限り上記で定義された通りである):
(i)式IIで示される化合物をジアゾ化して、式IIIで示される化合物(式中ハロは、臭素または塩素を示す)を得ること。
【0095】
【化2】

【0096】
この反応は、適切なアミンを亜硝酸で処理し、続いて形成されたジアゾニウム塩を、臭化銅(I)もしくは塩化銅(I)のような適切なハロゲン化第一銅で処理するか、または、銅、および、臭化水素酸もしくは塩酸で処理することによって行ってもよい。この反応は、水のような適切な溶媒中、−20℃〜還流温度で予備的に行ってもよい。
【0097】
(ii)式IIIで示される化合物をホウ素化して(ここにおいてハロは、ハロゲン、例えば臭素または塩素を示す)、式IVで示される化合物(式中R8は、水素、アルキル、アリールを示すか、または、2個のR8は、環状のホウ素エステルを形成していてもよい)を得ること。
【0098】
【化3】

【0099】
この反応は、以下のように行ってもよい:
a)アルキルリチウム(例えばブチルリチウム)、または、マグネシウム、および、適切なホウ素化合物(例えばホウ酸トリメチル、または、ホウ酸トリイソプロピル)。この反応は、テトラヒドロフラン、ヘキサンまたはジクロロメタンのような適切な溶媒中、−78℃〜+20℃の温度範囲で行ってもよく;
または、
b)適切なホウ素種、例えば4,4,4',4',5,5,5',5'−オクタメチル−2,2'−ビ−1,3,2−ジオキサボロラン、ビスカテコラートジボロン、または、ピナコールボランを、適切なパラジウム触媒の存在下で、例えばトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、[1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)塩化物、パラジウム(0)テトラキストリフェニルホスフィン、パラジウムジフェニルホスフィンフェロセン二塩化物、または、酢酸パラジウムの存在下で、適切なリガンド、例えばトリシクロヘキシルホスフィン、または、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、および、適切な塩基、例えば第三アミン、例えばトリエチルアミン、または、ジイソプロピルエチルアミン、または、酢酸カリウムと共に、または、それらなしで用いてもよい。この反応は、ジオキサン、トルエン、アセトニトリル、水、エタノール、または、1,2−ジメトキシエタン、または、それらの混合物のような溶媒中、20℃〜+160℃の温度で行ってもよい。
【0100】
(iii)式Vで示される化合物(式中ハロは、ハロゲン、例えば臭化物を示し、R9は、アリールまたはヘテロアリールである)、および、式VIで示される化合物(式中R10は、アリールまたはヘテロアリールである)を反応させて、式VIIで示される化合物を得ること。
【0101】
【化4】

【0102】
この反応は、式Vで示される化合物を、アルキルリチウム(例えばブチルリチウム)またはマグネシウムで処理し、続いて式VIで示される化合物を添加することによって行ってもよい。この反応は、適切なジエチルエーテルまたはテトラヒドロフランのような溶媒中、−78℃〜還流温度で予備的に行ってもよい。
【0103】
(iv)式VIIで示される化合物を反応させて、式VIIIで示される化合物を得ること。
【化5】

【0104】
この反応は、水素化ホウ素ナトリウム、シアノボロハイドライド、または、水素化アルミニウムリチウムのような適切な還元剤を用いた還元によって行ってもよい。この反応は、メタノール、エタノール、ジエチルエーテルまたはテトラヒドロフランのような適切な溶媒中、−78℃〜還流温度で予備的に行ってもよい。
【0105】
(v)式VIIIで示される化合物を反応させて、式IXで示される化合物を得ること。
【化6】

【0106】
この反応は、式VIIIで示される化合物を、O,O−ジピリジン−2−イルチオカルボナート、または、チオホスゲンのような適切なチオカルボニル導入試薬で処理することによって行ってもよく、これは、炭酸水素ナトリウムのような適切な塩基を共に用いてもよいし、または、それらを用いなくてもよい。この反応は、ジクロロメタンまたはクロロホルムのような適切な溶媒中、−78℃〜還流温度で予備的に行ってもよい。
【0107】
(vi)式IXで示される化合物を反応させて、式Xで示される化合物を得ること。
【化7】

【0108】
この反応は、適切なイソチオシアネートおよび二硫化炭素を、カリウムtert−ブトキシドのような適切な塩基で、テトラヒドロフランまたはジエチルエーテルのような適切な溶媒中、−78℃〜還流温度で処理することによって行ってもよい。
【0109】
(vii)式Xで示される化合物を反応させて、式XIで示される化合物を得ること。
【化8】

【0110】
この反応は、式Xで示される化合物を、適切なジアミン、例えば1,3−ジアミノプロパン、エチレンジアミン、または、ジアミン、例えばTetrahedron 1994,50(29),8617および1995,51(10),2875で説明されているジアミンで処理することによって行ってもよい。この反応は、エタノールまたはメタノールのような適切な溶媒中、0℃〜還流温度で予備的に行ってもよい。
【0111】
(viii)式XIで示される化合物を反応させて、式XIIで示される化合物を得ること。
【化9】

【0112】
この反応は、式XIで示される化合物のような適切なチオンを、tert−ブチルヒドロ過酸化物、および、アンモニア水溶液のような適切な酸化剤で処理することによって行ってもよい。この反応は、メタノールのような適切な溶媒中、0℃〜還流温度で行ってもよい。
【0113】
(ix)式XIIIで示される化合物(式中Eは、式Iにおける環B、Cまたはフェニルである)の、式XIVで示される化合物への反応。
【化10】

【0114】
この反応は、メチルエーテルを、三臭化ホウ素のような適切なルイス酸で、ジクロロメタンのような適切な溶媒中、−78℃〜還流温度で処理することによって行ってもよい。
【0115】
(x)式XIVで示される化合物(式中Eは、式Iにおける環B、Cまたはフェニルである)から式XVで示される化合物(式中R11は、アルキルである)への反応。
【化11】

【0116】
この反応は、適切なアルコールを、トリエチルアミンのような適切な塩基の存在下、適切な塩化スルホニルまたは無水物、例えば塩化メタンスルホニル、1−プロパンスルホニルクロリド、塩化シクロプロパンスルホニル、または、メタンスルホン酸無水物で処理することによって行ってもよい。この反応は、ジクロロメタンのような適切な溶媒中、0℃〜還流温度で行ってもよい。
【0117】
最終産物の製造方法
本発明のその他の目的は、一般式(I)で示される化合物(式中A、B、C、D、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は特に他の規定がない限り上記で定義した通りである)およびそれらの塩を製造するための工程aである。酸性塩を得ることが望ましい場合、遊離塩基は、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、メタノール、エタノール、クロロホルムもしくはジクロロメタン、またはそれらの混合物のような適切な溶媒中、ハロゲン化水素(例えば塩化水素)のような酸で処理してもよく、この反応は、−30℃〜+50℃で行ってもよい。
【0118】
(a)式XIVで示される化合物(式中ハロは、臭素のようなハロゲンを示す)を反応させて、式Iで示される化合物を得ること。
【化12】

【0119】
工程(a)に記載の反応は、式XVIで示される化合物のような適切な化合物と、適切なアリールボロン酸、または、式IVで示されるエステルとのカップリングによって行ってもよい(ここにおいてR8は、水素、アルキル、アリールを示すか、または、2個のR8は、環状のホウ素エステルを形成していてもよい)。この反応は、[1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)塩化物、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、パラジウムジフェニルホスフィンフェロセン二塩化物、パラジウム(II)酢酸塩、または、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)のような適切なパラジウム触媒を用いて、トリフェニルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、または、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニルのような適切なリガンドと共に、または、それらを用いないで、または、活性炭に担持させたニッケルのようなニッケル触媒、または、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンニッケル二塩化物(亜鉛と共に)、および、ナトリウムトリフェニルホスフィントリメタスルホナートを用いて行ってもよい。この反応において、適切な塩基、例えばフッ化セシウム、アルキルアミン、例えばトリエチルアミン、または、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の炭酸塩、または、水酸化物、例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウムまたは水酸化ナトリウムを用いてもよく、この反応はトルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、水、エタノール、または、N,N−ジメチルホルムアミド、または、それらの混合物のような適切な溶媒中、+20℃〜+160℃の温度範囲で行ってもよい。
【0120】
一般的な方法
用いられた出発原料は、商業的な供給源より入手可能であるか、または、文献の手法に
従って製造された。
【0121】
1HNMRスペクトルは、指定された重水素化溶媒中で、Z−勾配を有する4核のプローブヘッドを備えたブルカー(Bruker)DPX400NMRスペクトロメーター(1Hの場合400MHzで稼働させた)、または、3mmのフローインジェクション、Z−勾配を有するSEI1H/D−13Cプローブヘッドを備えたブルカーav400NMRスペクトロメーター(1Hの場合400MHzで稼働させた)を用いて、サンプルインジェクション用のBEST215リキッドハンドラーを用いて記録した。化学シフトは、ppmで示される。共鳴の多重度は、一重項、二重項、三重項、四重項、多重項および幅広に対して、それぞれs、d、t、q、mおよびbrで示される。
【0122】
LC−MS解析を、ウォーターズ・アライアンス(Waters アライアンス)2795HPLC、ウォーターズPDA2996ダイオードアレイ検出器、セデックス(Sedex)75ELS検出器、および、ZMDシングル四重極型質量分析計からなるLC−MSシステムで行った。マススペクトロメーターに、ポジティブまたはネガティブイオンモードで操作されるエレクトロスプレーイオン源(ES)を備え付けた。キャピラリーの電圧を3.2kVに、コーンの電圧を30Vにそれぞれ設定した。マススペクトロメーターは、m/z100〜600の範囲で、0.7秒のスキャン時間でスキャンした。ダイオードアレイ検出器を200〜400nmでスキャンした。ELS検出器の温度を40℃に調節し、圧力を1.9barに設定した。分離のために、直線状の勾配を、100%A(A:5%アセトニトリル中の10mMの酢酸アンモニウム)から開始して、100%B(B:アセトニトリル)までで適用した。用いられたカラムは、X−テラ(X−Terra)MSC8、3.0mm×50mm、3.5μm(ウォーターズ(Waters))であった、これを、1.0mL/分の流速で泳動した。カラムのオーブン温度を40℃に設定した。あるいは、
【0123】
LC−MS解析を、ウォーターズ・アライアンス2795HPLC、ウォーターズPDA2996ダイオードアレイ検出器、セデックス75ELS検出器、および、ZQシングル四重極型質量分析計からなるLC−MSシステムで行った。マススペクトロメーターに、ポジティブまたはネガティブイオンモードで操作されるエレクトロスプレーイオン源(ES)を備え付けた。キャピラリーの電圧を3.2kVに、コーンの電圧を30Vにそれぞれ設定した。マススペクトロメーターは、m/z100〜700の範囲で、0.3秒のスキャン時間でスキャンした。ダイオードアレイ検出器は、200〜400nmでスキャンした。ELS検出器の温度を40℃に調節し、圧力を1.9barに設定した。分離は、X−テラMSC8、3.0mm×50mm、3.5μm(ウォーターズ)で行い、これを、1mL/分の流速で泳動した。直線状の勾配を、100%A(A:5%アセトニトリル中の10mMの酢酸アンモニウム、または、5%アセトニトリル中の8mMのギ酸)から開始して、100%B(B:アセトニトリル)までで適用した。カラムのオーブン温度を40℃に設定した。あるいは、
【0124】
LC−MS解析を、ウォーターズ・アライアンス2795HPLC、ウォーターズPDA2996ダイオードアレイ検出器、セデックス85ELS検出器、および、ZQシングル四重極型質量分析計からなるLC−MSシステムで行った。マススペクトロメーターに、ポジティブまたはネガティブイオンモードで操作されるエレクトロスプレーイオン源(ES)を備え付けた。キャピラリーの電圧を3.2kVに、コーンの電圧を30Vにそれぞれ設定した。マススペクトロメーターを、m/z100〜700の範囲で、0.3秒のスキャン時間でスキャンした。ダイオードアレイ検出器は、200〜400nmでスキャンした。ELS検出器の温度を40℃に調節し、圧力を1.9barに設定した。分離は、X−テラMSC8、3.0mm×50mm、3.5μm(ウォーターズ)で行い、これを、1mL/分の流速で泳動した。直線状の勾配を、100%A(A:5%アセトニトリル中の10mMの酢酸アンモニウム、または、5%アセトニトリル中の8mMのギ酸)から開始して、100%B(B:アセトニトリル)までで適用した。カラムのオーブン温度を40℃に設定した。あるいは、
【0125】
LC−MS解析を、PDA(ウォーターズ2996)、および、ウォーターズZQマススペクトロメーターを備えたウォーター・アクイティー(Water Acquity)システムで予備的に行った。カラム;アクイティUPLCTM BEH C8 1.7μm,2.1×50mm。カラム温度を、65℃に設定した。直線状の2分間の100%A(A:95%のミリQ(MilliQ)水中の0.01M酢酸アンモニウム、および、5%アセトニトリル)から100%B(5%のミリQ水中の0.01M酢酸アンモニウム、および、95%アセトニトリル)への勾配を、LC分離に適用した(流速1.2mL/分)。PDAを210〜350nmでスキャンし、254nmで純度測定値を得た。ZQマススペクトロメーターを、ESでポジ/ネガ切り換えモードで泳動した。キャピラリーの電圧は3kVであり、コーンの電圧は30Vであった。あるいは、
【0126】
LC−MS解析を、ウォーターズサンプルマネージャー2777C、ウォーターズ1525μバイナリポンプ、ウォーターズ1500カラムオーブン、ウォーターズZQシングル四重極型質量分析計、ウォーターズPDA2996ダイオードアレイ検出器、および、セデックス85ELS検出器からなるLC−MSで行った。マススペクトロメーターに、ポジティブまたはネガティブイオンモードで操作されるエレクトロスプレーイオン源(ES)を備え付けた。マススペクトロメーターを、m/z100〜700の範囲で、0.3秒のスキャン時間でスキャンした。キャピラリーの電圧を3.4kVに設定し、コーンの電圧を30Vにそれぞれ設定した。ダイオードアレイ検出器は、200〜400nmでスキャンした。ELS検出器の温度を40℃に調節し、圧力を1.9barに設定した。分離のために、直線状の勾配を、100%A(A:5%アセトニトリル中の10mMの酢酸アンモニウム、または、5%アセトニトリル中の8mMの酢酸)から開始して、100%B(B:アセトニトリル)までで適用した。用いられたカラムは、ジェミニ(Gemini)C18、3.0mm×50mm、3μm(フェノメネックス(Phenomenex))であり、これを、1ml/分の流速で泳動した。カラムのオーブン温度を40℃に設定した。あるいは、
【0127】
LC−MS解析を、ウォーターズサンプルマネージャー2777C、ウォーターズ1525μバイナリポンプ、ウォーターズ1500カラムオーブン、ウォーターズZQシングル四重極型質量分析計、ウォーターズPDA2996ダイオードアレイ検出器、および、セデックス85ELS検出器からなるLC−MSで行った。マススペクトロメーターを、大気圧化学イオン化(APCI)のイオン源を用いて設計し、これにさらに、大気圧光イオン化(APPI)装置を備え付けた。マススペクトロメーターは、APCIとAPPIモードとで切り換えてポジティブモードでスキャンした。質量の範囲を、m/z120〜800に設定し、0.3秒のスキャン時間を用いた。APPIリペラーおよびAPCIコロナを、それぞれ0.86kVおよび0.80μAに設定した。加えて、脱溶媒温度(300℃)、脱溶媒ガス(400L/Hr)、および、コーンガス(5L/Hr)をAPCIおよびAPPIモードの両方において一定に保った。分離は、ジェミニ(Gemini)カラムC18、3.0mm×50mm、3μm(フェノメネックス(Phenomenex))を用いて行い、これを、1ml/分の流速で泳動した。100%A(A:5%メタノール中の10mMの酢酸アンモニウム)から開始して、100%B(メタノール)までの直線状の勾配を用いた。カラムのオーブン温度を40℃に設定した。あるいは、
LC−MS解析を、アライアンス2690分離モジュール、ウォーターズ2487デュアル1吸光度検出器(220および254nm)、および、ウォーターズZQシングル四重極型質量分析計からなるウォーターズLC−MSで行った。マススペクトロメーターに、ポジティブまたはネガティブイオンモードで操作されるエレクトロスプレーイオン源(ESI)を備え付けた。キャピラリーの電圧は3kVであり、コーンの電圧は30Vであった。マススペクトロメーターは、m/z97〜800の範囲で、0.3または0.8秒のスキャン時間でスキャンした。分離を、クロモリス・パフォーマンス(Chromolith Performance)RP−18e(100×4.6mm)で行った。直線状の勾配を、5分間で、95%A(A:0.1%ギ酸水溶液)から開始して、100%B(アセトニトリル)までで適用した。流速:2.0mL/分。
【0128】
GC−MS:化合物の同定は、アジレント・テクノロジーズ(Agilent Technologies)から提供されたGC−MSシステム(GC6890,5973N MSD)で行った。用いられたカラムは、VF−5MS、直径0.25mm×15m、0.25μm(バリアン社(Varian Inc.))であった。直線状の温度勾配を、25℃/分で、40℃(1分間保持)から開始して、300℃(1分間保持)まで適用した。マススペクトロメーターに、化学イオン化(CI)イオン源を備え付け、反応物ガスをメタンとした。マススペクトロメーターに、電子衝撃(EI)イオン源を備え付け、電子電圧を70eVに設定した。マススペクトロメーターを、m/z50〜500の範囲でスキャンし、スキャン速度を3.25スキャン/秒に設定した。あるいは、
【0129】
化合物の同定は、アジレント・テクノロジーズ(Agilent Technologies)から提供されたGC−MSシステム(GC6890,5973N MSD)で行った。マススペクトロメーターに、SIM GmbH製の直接導入プローブ(DIP)のインターフェースを備え付けた。マススペクトロメーターを、化学イオン化(CI)イオン源を用いて設計し、反応物ガスをメタンとした。マススペクトロメーターに、電子衝撃(EI)イオン源を備え付け、電子電圧を70eVに設定した。マススペクトロメーターを、m/z50〜500の範囲でスキャンし、スキャン速度を3.25スキャン/秒に設定した。直線状の温度勾配を、25℃/分で、40℃(1分間保持)から開始して、300℃(1分間保持)まで適用した。用いられたカラムは、VF−5MS、直径0.25mm×30m、0.25μm(バリアン社(Varian Inc.))であった。
【0130】
分取用HPLC:分取用クロマトグラフィーを、ダイオードアレイ検出器を備えたウォーターズ自動精製HPLCで泳動した。カラム:XテラMSC8、19×300mm、10μm。アセトニトリル/ミリQ水中の5%アセトニトリル(0.1M酢酸アンモニウムを含む)を用いた勾配を適用した。流速:20mL/分。
あるいは、精製は、ウォーターズのシンメトリー(Symmetry(R))カラム(C18,5μm,100mm×19mm)を備えた島津(Shimadzu)SPD−10AUV−vis.−検出器を備えた半分取用島津LC−8AHPLCで行った。アセトニトリル/ミリQ水中の0.1%トリフルオロ酢酸を用いた勾配を適用した。流速:10mL/分。
あるいは、それ以外のカラムを用いた;アトランティス(Atlantis)C18,19×100mm、5μmのカラム。アセトニトリル/ミリQ水中の5%アセトニトリル(0.1M酢酸アンモニウムを含む)を用いた勾配を適用した。流速:15mL/分。あるいは、
【0131】
分取用HPLCを、オートサンプラーが連結された自動分画コレクター(ウォーターズ2767)、グラジエントポンプ(ウォーターズ2525)、再生ポンプ(ウォーターズ600)、メイクアップポンプ(ウォーターズ515)、ウォーターズアクティブスプリッター、カラムスイッチ(ウォーターズCFO)、PDA(ウォーターズ2996)、および、ウォーターズZQマススペクトロメーターを備えたウォーターズフラクションリンクス(FractionLynx)システムで泳動した。カラム;XBridgeTMプレップC8、5μm、OBDTM、19×100mm(ガード付き)、カラム;Xテラ(R)プレップMSC8、10μm、19×10mmカートリッジ。100%A(95%のミリQ水中の0.1M酢酸アンモニウム、および、5%アセトニトリル)から100%B(100%アセトニトリル)への勾配を、LC分離に適用した(流速25mL/分)。PDAを210〜350nmでスキャンした。ZQマススペクトロメーターを、ESでポジティブモードで泳動した。キャピラリーの電圧は3kVであり、コーンの電圧は30Vであった。混合型のトリガリング、UVおよびMSシグナルによって、分画の回収を決定した。
【0132】
マイクロ波での加熱は、クリエーター(Creator)、または、イニシエーター(Initiator)または、2450MHzで連続的な放射線照射を生じるスミス(Smith)製シンセサイザーのシングルモードのマイクロ波空洞で行われた。
【0133】
薄層クロマトグラフィー(TLC)をメルク(Merch)TLC−プレート(シリカゲル60F254)で行い、UVでスポットを可視化した。カラムクロマトグラフィーを、レディセップ(RediSepTM)順相フラッシュカラムを用いた、または、メルク社製シリカゲル60(0.040〜0.063mm)を用いたコンビフラッシュ(Combi Flash(R))コンパニオン(CompanionTM)で行った。
【0134】
化合物を、アドバンスト・ケミストリー・デベロップメント社(Advanced Chemistry Development,Inc.,ACD/Labs,カナダオンタリオ州トロント,www.acdlabs.com,2004)製のACD/Nameバージョン8.0または9.0ソフトウェアを用いて命名した。
【実施例】
【0135】
以下に、本発明の化合物の非限定的な例を示す。
【0136】
実施例1
4−ブロモ−1−フルオロ−2−メトキシベンゼン
【化13】

臭化水素酸水溶液(48%,2.41mL)を、水(10mL)中の4−フルオロ−3−メトキシアニリン(1.0g,7.1mmol)に添加し、得られた混合物を、氷槽中で0℃に冷却した。水(5mL)中の亜硝酸ナトリウムの溶液(538mg,7.8mmol)を、0〜5℃の温度を維持しながら15分間かけて一滴ずつ添加した。得られたジアゾニウム塩溶液を、水(5mL)中の臭化銅(I)(1.12g,7.8mmol)の懸濁液に添加し、これを75℃に予備加熱した。この混合物を徹底的に振盪し、臭化水素酸水溶液(48%,12.07mL)を添加し、この溶液を周囲温度で16時間撹拌した。過量の水を添加し、生成物をジエチルエーテルで抽出し、合わせた有機抽出物を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、溶媒を真空中で蒸発させ、1.02g(70%収率)の表題の化合物を得た: 1H-NMR (DMSO-d6):δ 7.36 (dd, J = 7.78, 2.26 Hz, 1 H), 7.23-7.17 (m, 1 H), 7.14-7.09 (m, 1 H), 3.86 (s, 3 H); MS (EI) m/z 204, 206 [M+●]。
【0137】
実施例2
2−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン
【化14】

無水1,2−ジメトキシエタン(12mL)を、4−ブロモ−1−フルオロ−2−メトキシベンゼン(1.02g,5.0mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(228mg,0.25mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(209mg,0.75mmol)、酢酸カリウム(732mg,7.5mmol)、および、4,4,4',4',5,5,5',5'−オクタメチル−2,2'−ビ−1,3,2−ジオキサボロラン(1.14g,4.5mmol)に添加し、得られた混合物に150℃で1時間マイクロ波照射した。周囲温度に冷却したら、この混合物をろ過し、溶媒を真空中で蒸発させ、粗生成物を得た:MS(EI)m/z 252 [M+●]。
【0138】
実施例3
3−メトキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノール
【化15】

表題の化合物を、実施例2に関して説明されているようにして3−クロロ−5−メトキシフェノールから開始して合成した(48%収率)。溶出液としてジクロロメタン/アセトニトリル(100/0〜90/10)の勾配を用いてカラムクロマトグラフィーで精製した:1H-NMR (DMSO-d6):δ 9.36 (s, 1 H), 6.69 (d, J = 2.3 Hz, 1 H), 6.61 (d, J =
2.0 Hz, 1 H), 6.41 (t, J = 2.4 Hz, 1 H), 3.69 (s, 3 H), 1.27 (s, 12 H); MS (ES)
m/z 251 [M+1]+
【0139】
実施例4
3−メトキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニルメタンスルホン酸塩
【化16】

ジクロロメタン中の(3ml)3−メトキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノール(0.12g,0.48mmol)の撹拌溶液に、トリエチルアミン(0.058g,0.58mmol)、続いて塩化メタンスルホニル(0.071g,0.62mmol)を、0℃で、アルゴン雰囲気下で添加した。この反応混合物をそのままにして周囲温度にし、18時間撹拌し、得られた混合物を乾燥するまで真空中で濃縮した。溶出液としてジクロロメタン/アセトニトリル(100/0〜90/10)の勾配を用いてカラムクロマトグラフィーで精製し、0.050g(32%収率)の表題の化合物を得た:1H-NMR (CDCl3):δ 7.30 (d, J = 2.3 Hz, 1 H), 7.28 (d, J = 2.0 Hz, 1 H), 6.96 (t, J = 2.4 Hz, 1 H), 3.86 (s, 3 H), 3.16 (s, 3 H), 1.35 (s, 12 H); MS (ES) m/z 329 [M+1]+
【0140】
実施例5
3−クロロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノール
【化17】

3−ブロモ−5−クロロフェノール(5g,19.9mmol,Maleczka R.E等.J.Am.Chem.Soc.2003,125,7792−7793)で説明されている通り)、4,4,4',4',5,5,5',5'−オクタメチル−2,2'−ビ−1,3,2−ジオキサボロラン(6.06g,23.9mmol)、[1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)塩化物のジクロロメタン付加物(487mg,0.6mmol)、酢酸カリウム(5.86g,59.7mmol)、1,2−ジメトキシエタン(60mL)、および、水(4mL)を4個のマイクロ波用バイアルに分割し、150℃でそれぞれ15分間マイクロ波照射した。周囲温度に冷却したら、この混合物をプールし、ブラインで希釈し、ジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。溶出液としてジクロロメタン中の0〜5%アセトニトリルでの勾配を用いてカラムクロマトグラフィーで精製し、1.43g(28%収率)の表題の化合物を得た:1H NMR (DMSO-d6) δ 9.89 (s, 1 H), 7.02 (s, 2 H), 6.91 (s, 1 H), 1.28 (s, 12 H); MS (ES) m/z 253 [M-H]-
【0141】
実施例6
3−クロロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニルメタンスルホン酸塩
【化18】

塩化メタンスルホニル(122μL,0.79mmol)を、乾燥ジクロロメタン(1.5mL)中の3−クロロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノール(200mg,0.79mmol)、および、トリエチルアミン(0.4mL,3.14mmol)の混合物に0℃で一滴ずつ添加した。この反応混合物を周囲温度で1時間撹拌し、ジクロロメタン(10mL)で希釈し、水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮し、0.200g(86%収率)の未精製の表題の化合物を得た:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.75 (d, J = 1.52 Hz, 2 H), 7.57 (d, J = 1.77 Hz, 2 H), 7.41 (t, J = 2.15 Hz, 1 H), 3.18 (s, 3 H), 1.35 (s, 12 H); MS (EI) m/z 332 [M+●]。
【0142】
実施例7
2−(3−クロロ−5−メトキシフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン
【化19】

テトラヒドロフラン(乾燥,1.5mL)中の3−クロロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノール(200mg,0.79mmol)を、テトラヒドロフラン(乾燥,0.5mL)中の水素化ナトリウムのスラリーに一滴ずつ添加した。この混合物を10分間撹拌し、ヨードメタン(147μL,2.36mmol)を添加した。得られた混合物を一晩撹拌した。塩化アンモニウムの飽和水溶液(1mL)を添加し、生成物をジクロロメタン(20mL)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮し、0.170g(90%収率)の未精製の表題の化合物を得た:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.38 (d, J = 1.26 Hz, 1 H), 7.20 (d, J = 2.02 Hz, 1 H), 7.02-6.98 (m, 1 H), 3.83 (s, 3 H), 1.35 (s, 12 H); MS (EI) m/z 268 [M+●]
【0143】
実施例8
1−(3−ブロモフェニル)−1−ピリジン−4−イルメタンアミン
【化20】

ブチルリチウム(ヘキサン中の2.5M,10.20mL,25.40mmol)を、乾燥ジエチルエーテル(60mL)中の1,3−ジブロモ−ベンゼン(6g,25.40mmol)の冷却した(−78℃)溶液にアルゴン雰囲気下で添加した。得られた混合物を−78℃で1時間撹拌した。乾燥ジエチルエーテル(45mL)中の4−シアノピリジン(2.64g,25.40mmol)を添加し、−78℃で20分間撹拌を続けた。この反応混合物を周囲温度になるまでそのままにし、乾燥メタノール(30mL)を添加し、得られた混合物をさらに45分間撹拌した。この溶液を0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(1.3g,34.0mmol)を添加し、この反応液を周囲温度で一晩撹拌した。塩化アンモニウムの飽和水溶液(40mL)を慎重に添加し、この混合物を濃縮した。水相をジクロロメタン(40mL)で2回抽出した、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮し、溶出液としてクロロホルム:メタノールの0〜10%の勾配を用いて生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し、4.22g(63%収率)の表題の化合物を得た:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.56 (add, J = 4.55, 1.52 Hz, 2 H), 7.54 (t, J = 1.77 Hz, 1 H), 7.40 (dt, J = 7.83, 1.52 Hz, 1 H), 7.33-7.24 (m, 3 H), 7.20 (t, J = 7.83 Hz, 1 H), 5.15 (s, 1 H), 1.78 (br s, 2 H); MS (ES) m/z 264, 266 [M+1]+
【0144】
実施例9
4−[(3−ブロモフェニル)(イソチオシアナト)メチル]ピリジン
【化21】

O,O−ジピリジン−2−イルチオカーボネート(183mg,0.79mmol;Kim S.等.Tetrahedron Lett.1985,26(13),1661〜1664で説明されているもの)を、ジクロロメタン(2mL)中の1−(3−ブロモフェニル)−1−ピリジン−4−イルメタンアミン(100mg,0.38mmol)の溶液に一部ずつ添加した。この混合物を30分間撹拌し、続いてジクロロメタン(15mL)で希釈し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮し、0.100g(86%収率)の粗生成物を得た:MS (ES) m/z 305,307 [M+1]+
【0145】
実施例10
4−(3−ブロモ−フェニル)−4−ピリジン−4−イル−チアゾリジン−2,5−ジチオン
【化22】

乾燥テトラヒドロフラン(30mL)中の4−[(3−ブロモフェニル)(イソチオシアナト)メチル]ピリジン(4.63g,15.19mmol)、および、二硫化炭素(1.82mL,30.38mmol)を、乾燥テトラヒドロフラン(60mL)中のカリウムt−ブトキシド(2.56g,22.79mmol)の撹拌溶液に−78℃で一滴ずつ添加した。この混合物を一晩撹拌しながら周囲温度になるまでそのままにした。溶媒を蒸発させ、残留物を酢酸エチル(100mL)に溶解させ、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。溶出液としてクロロホルム:メタノールの0〜10%の勾配を用いたカラムクロマトグラフィーでの精製によって、4.95g(85%収率)の表題の化合物を得た:MS (ES) m/z 382, 383 [M+1]+
【0146】
実施例11
8−(3−ブロモフェニル)−8−ピリジン−4−イル−3,4,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6(2H)−チオン
【化23】

エタノール(40mL)中の4−(3−ブロモ−フェニル)−4−ピリジン−4−イル−チアゾリジン−2,5−ジチオン(1.99g,5.22mmol)、および、1,3−ジアミノプロパン(1.31mL,15.66mmol)の混合物を70℃で一晩加熱した。この混合物を周囲温度に冷却し、真空中で濃縮した。残留物をジクロロメタン(40mL)に溶解させ、水とブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。溶出液としてクロロホルム:メタノールの0〜10%の勾配を用いたカラムクロマトグラフィーでの精製によって、1.59g(79%収率)の表題の化合物を得た:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.89 (s, 1 H), 8.64 (dd, J = 4.55, 1.77 Hz, 2 H), 7.58-7.50 (m, 2 H), 7.38-7.31 (m, 3 H), 7.29-7.25 (m, 1 H), 3.92 (t, J = 6.06 Hz, 2 H), 3.65 (q, J = 5.64 Hz, 2 H), 2.01-1.90 (m, 2 H); MS (ES) m/z 387, 389 [M+1]+
【0147】
実施例12
8−(3−ブロモ−フェニル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−イルアミン
【化24】

8−(3−ブロモフェニル)−8−ピリジン−4−イル−3,4,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6(2H)−チオン(2.60g,6.7mmol)をメタノール(90mL)に溶解させた。tert−ブチルヒドロ過酸化物水溶液(70%,15mL,100.50mmol)、および、アンモニア水溶液(30%,30mL)を添加し、得られた混合物を周囲温度で一晩撹拌した。この混合物を濃縮し、残留物をジクロロメタン(90mL)に溶解させ、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。溶出液としてクロロホルム(メタノール中0.5%の7Mのアンモニア溶液):メタノールの0〜10%の勾配を用いたカラムクロマトグラフィーでの精製によって、1.97g(80%収率)の表題の化合物を得た:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.52 (d, J = 6.06 Hz, 2 H), 7.66 (t, J = 1.77 Hz, 1 H), 7.46-7.36 (m, 4 H), 7.16 (t, J = 7.96 Hz, 1 H), 3.72 (t, J = 5.94 Hz, 2 H), 3.61 (ddd, J = 5.43, 2.65, 2.53 Hz, 2 H), 1.92-1.82 (m, 2 H); MS (ES) m/z 370, 372 [M+1]+
【0148】
実施例13
3'−(6−アミノ−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−8−イル)−ビフェニル−3−カルボニトリル塩酸塩
【化25】

1,2−ジメトキシエタン:水:エタノール(6:3:1、3mL)中の8−(3−ブロモ−フェニル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−イルアミン(50mg,135μmol)、(3−シアノフェニル)ボロン酸(26mg,176μmol)、[1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)塩化物のジクロロメタン付加物(11mg,14μmol)、および、炭酸セシウム(132mg,370μmol)の混合物に130℃で15分間マイクロ波照射した。周囲温度に冷却したら、この混合物を水(3mL)で希釈し、ジクロロメタン(20mL)で抽出した。有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮し、分取用HPLCによって精製し、表題の化合物を酢酸塩として得て、これを乾燥メタノールに溶解させ、塩酸(1mL,1Mのジエチルエーテル溶液)で処理した。溶媒を真空中で蒸発させ、25.6mg(45%収率)の表題の化合物を得た:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.51 (dd, J = 4.55, 1.52 Hz, 2 H), 7.87-7.67 (m, 1 H), 7.61-7.55 (m, 2 H), 7.51-7.40 (m, 7 H), 3.65-3.57 (m, 4 H), 1.92-1.83 (m, 2 H); MS (ES) m/z 393 [M+1]+
【0149】
方法A
1,2−ジメトキシエタン:水:エタノール(6:3:1、3mL)中の8−(3−ブ
ロモ−フェニル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−イルアミン(50mg,135μmol)、各ボロン酸またはボロン酸エステル(176μmol)、[1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)塩化物のジクロロメタン付加物(11mg,14μmol)、および、炭酸セシウム(132mg,370μmol)の混合物に130℃で15分間マイクロ波照射した。周囲温度に冷却したら、この混合物をろ過し、この溶媒を真空中で除去した。残留物をジメチルスルホキシド(800μL)に溶解させ、分取用HPLCを用いて生成物を精製した。
【0150】
方法B
テトラヒドロフラン(乾燥,6mL)中の、8−(3−ブロモ−フェニル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−イルアミン(100mg,280μmol)、それぞれのボロン酸エステル(352μmol)、[1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)塩化物のジクロロメタン付加物(22mg,28μmol)、および、炭酸カリウム(224mg,1.62mmol)の混合物に130℃で2時間マイクロ波照射した。周囲温度に冷却したら、ジメチルスルホキシド(1mL)を添加した。この溶液を真空中で濃縮してテトラヒドロフランを除去し、分取用HPLCを用いて生成物を精製した。
【0151】
実施例14〜37
以下の表に示した通りに、方法Aまたは方法Bに関して説明されているようにして実施例14〜37を同様の収率で合成した。
【0152】
【表1】

【0153】
【表2】

【0154】
【表3】

【0155】
【表4】

【0156】
【表5】

【0157】
実施例38
1−(3−ブロモフェニル)−1−(3−フリル)メタンアミン
【化26】

1,3−ジブロモベンゼン(1.314mL,10.86mmol)を、乾燥ジエチルエーテル(25mL)に溶解させ、−78℃に冷却した。n−ブチルリチウム(4.53mL,10.86mmol,2.5Mのヘキサン溶液)を一滴ずつ添加し、この混合物を30分間撹拌した。乾燥ジエチルエーテル(10mL)中の3−フルオロニトリル(1.0g,10.86mmol)を添加し、この混合物を2時間かけてゆっくり0℃に温めた。乾燥メタノール(30mL)を添加し、0℃で30分間後、水素化ホウ素ナトリウム(0.83g,21.7mmol)を添加した。この混合物を室温で一晩撹拌した。塩化アンモニウムの飽和水溶液を添加し、この混合物をジクロロメタンで抽出した。有機相をプールし、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮した。カラムクロマトグラフィーで、ジクロロメタンから99:1のジクロロメタン:メタノールへの勾配で溶出させて、0.55g(20%収率)の表題の化合物を得た:1H NMR (DMSO-d6) δ 7.59 (t, J = 1.76 Hz, 1 H), 7.53 (t, J = 1.76 Hz, 1 H), 7.48-7.46 (m, 1 H), 7.40-7.36 (m, 2 H), 7.26 (t, J = 7.78 Hz, 1 H), 6.37-6.36 (m, 1 H), 4.95 (s, 1 H), 2.24 (br s, 2 H)。
【0158】
実施例39
3−[(3−ブロモフェニル)(イソチオシアナト)メチル]フラン
【化27】

チオホスゲン(0.20mL,2.6mmol)を、ジクロロメタン(20mL)中の1−(3−ブロモフェニル)−1−(3−フリル)メタンアミン(0.55g,2.18mmol)、および、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(20mL)の撹拌溶液に一部ずつ0℃で添加した。この混合物を0℃で1時間撹拌し、続いて室温で30分間撹拌し、有機相を回収した。水相をジクロロメタンで抽出し、有機相をプールし、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、濃縮して、0.65g(定量可能な収率)の表題の化合物を得た:1H NMR (DMSO-d6) δ 7.74-7.72 (m, 1 H), 7.69 (t, J = 1.76 Hz, 1 H), 7.61-7.56 (m, 2 H), 7.45-7.40 (m, 2 H), 6.53-6.52 (m, 1 H), 6.45 (s, 1 H)。
【0159】
実施例40
4−(3−ブロモフェニル)−4−(3−フリル)−1,3−チアゾリジン−2,5−ジチオン
【化28】

乾燥テトラヒドロフラン(15mL)中の3−[(3−ブロモフェニル)(イソチオシアナト)メチル]フラン(0.64g,2.18mmol)、および、二硫化炭素(0.26mL,4.36mmol)を、乾燥テトラヒドロフラン(8mL)中のカリウムtert−ブトキシド(0.42g,3.7mmol)の撹拌混合物に−78℃で一滴ずつ添加した。添加後、この混合物を一晩そのままにして室温にした。水、ブラインおよび酢酸エチルを添加し、有機相を回収した。水相を酢酸エチルで抽出し、有機抽出物をプールし、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させ、0.74g(91%)の表題の化合物を得た:1H NMR (DMSO-d6) δ 7.75-7.71 (m, 1 H), 7.69-7.64 (m, 1 H), 7.59-7.54 (m, 1 H), 7.40-7.30 (m, 3 H), 6.50-6.47 (m, 1 H)。
【0160】
実施例41
8−(3−ブロモフェニル)−8−(3−フリル)−3,4,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6(2H)−チオン
【化29】

4−(3−ブロモフェニル)−4−(3−フリル)−1,3−チアゾリジン−2,5−ジチオン(0.81g,2.18mmol)、および、1,3−ジアミノプロパン(0.50g,6.54mmol)を、エタノール(20mL)中で1.5時間、70℃に加熱した。この混合物を室温に冷却し、濃縮し、残留物を酢酸エチルで希釈し、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液とブラインで洗浄した。有機抽出物をプールし、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させた。n−ヘプタン中の0〜35%の酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーによって、0.50g(61%収率)の表題の化合物を得た:1H NMR (DMSO-d6) δ 10.75 (s, 1 H), 7.67 (t, J = 1.76 Hz, 1 H), 7.63-7.61 (m, 1 H), 7.55-7.52 (m, 2 H), 7.44-7.41 (m, 1 H), 7.38-7.34 (m, 1 H), 6.45-6.43 (m, 1 H), 3.74-3.66 (m, 2 H), 3.50-3.37 (m, 2 H), 1.82-1.69 (m, 2 H); MS (ES) m/z 376, 378 [M+1]+
【0161】
実施例42
8−(3−ブロモフェニル)−8−(3−フリル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン
【化30】

8−(3−ブロモフェニル)−8−(3−フリル)−3,4,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6(2H)−チオン(0.50g,1.33mmol)をメタノール(12mL)とアンモニア水溶液(25%,4mL)に溶解させた。tert−ブチルヒドロ過酸化物(2.7mL,70%水溶液,20mmol)を添加し、この混合物を30℃で一晩加熱した。ほとんどのメタノールを蒸発させ、水を添加し、この混合物を酢酸エチルで抽出した。有機抽出物をプールし、水とブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させた。粗生成物を、ジクロロメタン0〜6%を含むメタノール中のアンモニア(7N)を用いたカラムクロマトグラフィーで精製し、0.38g(79%)の表題の生成物を得た:1H NMR (DMSO-d6) δ 7.68 (t, J = 1.88 Hz, 1 H), 7.57-7.54 (m, 1 H), 7.51 (t, J = 1.76 Hz, 1 H), 7.46-7.44 (m, 1 H), 7.39-7.36 (m, 1 H), 7.25-7.21 (m, 1 H), 6.34-6.33 (m, 1 H), 6.26 (br s, 2 H), 3.53-3.48 (m, 2 H), 3.38-3.35 (m, 2 H), 1.71-1.61 (m, 2 H); MS (ES) m/z 359, 361 [M+1]+
【0162】
実施例43
8−(3',5'−ジクロロビフェニル−3−イル)−8−(3−フリル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩
【化31】

8−(3−ブロモフェニル)−8−(3−フリル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン(70mg,0.19mmol)、[1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)塩化物のジクロロメタン付加物(8mg,0.01mmol)、炭酸セシウム(186mg,0.57mmol)、および、(3,5−ジクロロフェニル)ボロン酸(42mg,0.22mmol)をジメトキシエタン:エタノール:水(6:3:1)に溶解させた(4mL)、マイクロ波中で130℃で20分間加熱した。周囲温度に冷却したら、この混合物をろ過し、分取用HPLCによって精製し、28mg(30%収率)の表題の化合物を得た:1H NMR (DMSO-d6) δ 7.82 (t, J = 1.76 Hz, 1 H), 7.68-7.65 (m, 1 H), 7.61-7.59 (m, 1 H), 7.58-7.54
(m, 3 H), 7.52-7.50 (m, 1 H), 7.49-7.48 (m, 1 H), 7.41-7.37 (m, 1 H), 6.40-6.38
(m, 1 H), 3.55-3.50 (m, 4 H), 1.89 (s, 3 H), 1.71-1.62 (m, 2 H); MS (ES) m/z 423, 425 [M-1]-
【0163】
実施例44
8−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−(3−フリル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩
【化32】

実施例43に関して説明されているようにして、表題の化合物を、8−(3−ブロモフェニル)−8−(3−フリル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン、および、(2−フルオロピリジン−3−イル)ボロン酸から開始して合成した(71%収率):1H NMR (DMSO-d6) δ 8.25-8.22 (m, 1 H), 8.04-7.98 (m, 1 H), 7.79-7.76 (m, 1 H), 7.66-7.61 (m, 1 H), 7.52 (t, J = 1.76 Hz, 1 H), 7.49-7.39 (m, 4 H), 6.42-6.39 (m, 1 H), 3.54-3.52 (m, 4 H), 1.89 (s, 3 H), 1.72-1.63 (m, 2 H); MS (ESI) m/z 374 [M-1]-
【0164】
実施例45
1−(3−ブロモフェニル)−1−(2−フリル)メタンアミン
【化33】

実施例38に関して説明されているようにして、表題の化合物を、2−フルオロニトリルから開始して合成した(47%収率):
1H NMR (DMSO-d6) δ 7.57 (t, J = 1.76 Hz, 1 H), 7.52-7.50 (m, 1 H), 7.44-7.40 (m, 1 H), 7.37-7.33 (m, 1 H), 7.29-7.25 (m, 1 H), 6.38-6.35 (m, 1 H), 6.23-6.21 (m, 1 H), 5.04 (s, 1 H), 2.34 (br s, 2 H)。
【0165】
実施例46
2−[(3−ブロモフェニル)(イソチオシアナト)メチル]フラン
【化34】

実施例39に関して説明されているようにして、表題の化合物を、1−(3−ブロモフェニル)−1−(2−フリル)メタンアミンから開始して定量可能な収率で合成した:1H NMR (DMSO-d6) δ 7.89 (t, J = 1.63 Hz, 1 H), 7.75-7.74 (m, 1 H), 7.46-7.44 (m, 2 H), 7.30-7.26 (m, 2 H), 6.63 (s, 1 H), 6.50-6.48 (m, 1 H)。
【0166】
実施例47
4−(3−ブロモフェニル)−4−(2−フリル)−1,3−チアゾリジン−2,5−ジチオン
【化35】

実施例40に関して説明されているようにして、表題の化合物を、2−[(3−ブロモフェニル)(イソチオシアナト)メチル]フランから開始して定量可能な収率で合成した:1H NMR (DMSO-d6) δ 7.76-7.70 (m, 1 H), 7.62-7.57 (m, 1 H), 7.51-7.49 (m, 1 H), 7.43-7.35 (m, 2 H), 6.51-6.46 (m, 1 H), 6.37-6.29 (m, 1 H)。
【0167】
実施例48
8−(3−ブロモフェニル)−8−(2−フリル)−3,4,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6(2H)−チオン
【化36】

実施例41に関して説明されているようにして、表題の化合物を、4−(3−ブロモフェニル)−4−(2−フリル)−1,3−チアゾリジン−2,5−ジチオンから開始して合成した(68%収率)。粗生成物を、n−ヘプタン中の0〜45%の酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーで精製した:1H NMR (DMSO-d6) δ 10.84 (s, 1 H), 7.71-7.69 (m, 1 H), 7.67 (t, J = 1.76 Hz, 1 H), 7.61-7.58 (m, 1 H), 7.56-7.53 (m, 1 H), 7.42-7.38 (m, 1 H), 6.44 (dd, J = 3.39, 1.88 Hz, 1 H), 6.19-6.17 (m, 1 H), 3.79-3.64 (m, 2 H), 3.49-3.37 (m, 2 H), 1.80-1.72 (m, 2 H); MS (ESI) m/z 376, 378 [M+1]+
【0168】
実施例49
8−(3−ブロモフェニル)−8−(2−フリル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン
【化37】

実施例42に関して説明されているようにして、表題の化合物を、8−(3−ブロモフェニル)−8−(2−フリル)−3,4,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6(2H)−チオンから開始して合成した(78%収率)。粗生成物を、ジクロロメタン中の0〜6%のメタノール中のアンモニア(7N)を用いたシリカクロマトグラフィーで精製した:1H NMR (DMSO-d6) δ 7.76 (t, J = 1.76 Hz, 1 H), 7.64-7.60 (m, 1 H), 7.51-7.48 (m, 1 H), 7.45-7.41 (m, 1 H), 7.28-7.24 (m, 1 H), 6.32-6.29 (m, 1 H), 6.03-6.00 (m, 1 H), 3.58-3.45 (m, 2 H), 3.41-3.35 (m, 2 H), 1.70-1.62 (m, 2 H); MS (ESI) m/z 359, 361 [M+1]+
【0169】
実施例50
8−(3',5'−ジクロロビフェニル−3−イル)−8−(2−フリル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩
【化38】

実施例43に関して説明されているようにして、表題の化合物を、8−(3−ブロモフェニル)−8−(2−フリル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミンから開始して合成した(52%収率):1H NMR (DMSO-d6) δ 7.89 (t, J = 1.76 Hz, 1 H), 7.74-7.70 (m, 1 H), 7.63-7.60 (m, 2 H), 7.58-7.57 (m, 2 H), 7.51-7.50 (m, 1 H), 7.44-7.40 (m, 1 H), 6.32-6.30 (m, 1 H), 6.05-6.03 (m, 1 H), 3.59-3.49 (m, 4 H), 1.90 (s, 3 H), 1.70-1.63 (m, 2 H); MS (ES) m/z 425, 427 [M+1]+
【0170】
実施例51
8−(2−フリル)−8−(3'−メトキシビフェニル−3−イル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩
【化39】

実施例43に関して説明されているようにして、表題の化合物を、8−(3−ブロモフェニル)−8−(2−フリル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン、および、(3−メトキシフェニル)ボロン酸から開始して合成した(55%収率):1H NMR (DMSO-d6) δ 7.86 (t, J = 1.76 Hz, 1 H), 7.62-7.59 (m, 1 H), 7.55-7.51 (m, 2 H), 7.40-7.35 (m, 2 H), 7.14-7.10 (m, 1 H), 7.08-7.06 (m, 1 H), 6.96-6.92 (m, 1 H), 6.33-6.31 (m, 1 H), 6.07-6.05 (m, 1 H), 3.81 (s, 3 H), 3.57-3.53 (m, 4 H), 1.89 (s, 3 H), 1.71-1.63 (m, 2 H); MS (ES) m/z 387 [M+1]+
【0171】
実施例52
1−(3−ブロモフェニル)−1−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メタンアミン
【化40】

実施例38に関して説明されているようにして、表題の化合物を、2−メチルチアゾール−4−カルボニトリルから開始して合成した(5%収率):1H NMR (DMSO-d6) δ 7.57
(t, J = 1.88 Hz, 1 H), 7.40-7.34 (m, 2 H), 7.27-7.23 (m, 2 H), 5.10 (s, 1 H), 2.57 (s, 3 H); MS (ESI) m/z 266, 268 [M+1]+
【0172】
実施例53
4−[(3−ブロモフェニル)(イソチオシアナト)メチル]−2−メチル−1,3−チアゾール
【化41】

O,O−ジピリジン−2−イルチオカーボネート(270ng、1.16mmol)を、ジクロロメタン(5mL)中の1−(3−ブロモフェニル)−1−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メタンアミン(165mg,0.58mmol)の撹拌溶液に添加した。この混合物を30分間撹拌し、ジクロロメタンで希釈し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮し、0.19g(定量可能な収率)の表題の化合物を得て、これをそれ以上精製しないで用いた:1H NMR (DMSO-d6) δ 7.52-7.38 (m, 5 H), 6.52 (s, 1 H), 2.63 (s, 3 H)。
【0173】
実施例54
4−(3−ブロモフェニル)−4−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)−
1,3−チアゾリジン−2,5−ジチオン
【化42】

実施例40に関して説明されているようにして、表題の化合物を、4−[(3−ブロモフェニル)(イソチオシアナト)メチル]−2−メチル−1,3−チアゾールから開始して定量可能な収率で合成し、粗生成物をそれ以上精製しないで用いた:1H NMR (DMSO-d6)
δ 7.50-7.46 (m, 1 H), 7.43-7.37 (m, 2 H), 7.36-7.32 (m, 2 H), 2.63 (s, 3 H)。
【0174】
実施例55
8−(3−ブロモフェニル)−8−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)−3,4,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6(2H)−チオン
【化43】

実施例41に関して説明されているようにして、表題の化合物を、4−(3−ブロモフェニル)−4−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)−1,3−チアゾリジン−2,5−ジチオンから開始して合成した(42%収率)。粗生成物を、n−ヘプタン中の0〜40%の酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーで精製した:1H NMR (DMSO-d6) δ 10.75 (s, 1 H), 7.71 (t, J = 1.88 Hz, 1 H), 7.58-7.56 (m, 1 H), 7.56-7.54 (m, 1 H), 7.40-7.35 (m, 1 H), 7.17-7.16 (m, 1 H), 3.78-3.63 (m, 2 H), 3.47-3.39 (m, 2 H), 2.62 (s, 3 H), 1.79-1.71 (m, 2 H); MS (ESI) m/z 405, 407 [M-1]-
【0175】
実施例56
8−(3−ブロモフェニル)−8−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン
【化44】

実施例42に関して説明されているようにして、表題の化合物を、8−(3−ブロモフェニル)−8−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)−3,4,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6(2H)−チオンから開始して合成した(57%収率)。粗生成物を、ジクロロメタン0〜10%を含むメタノール中のアンモニア(7N)を用いたカラムクロマトグラフィーで精製した:1H NMR (DMSO-d6) δ 7.80 (br s, 1 H), 7.67-7.61 (m, 1 H), 7.43-7.39 (m, 1 H), 7.27-7.22 (m, 1 H), 6.96 (br s, 1 H), 6.23 (br s, 2 H), 3.58-3.45 (m, 2 H), 3.43-3.35 (m, 2 H), 2.55 (s, 3 H), 1.72-1.61 (m, 2 H); MS (ESI) m/z 390, 392 [M+1]+
【0176】
実施例57
8−(3',5'−ジクロロビフェニル−3−イル)−8−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩
【化45】

実施例43に関して説明されているようにして、表題の化合物を、8−(3−ブロモフェニル)−8−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミンから開始して合成した(42%収率):1H NMR (DMSO-d6) δ 7.96 (t, J = 1.76 Hz, 1 H), 7.76-7.72 (m, 1 H), 7.62-7.59 (m, 4 H), 7.43-7.39 (m, 1 H), 6.99 (s, 1 H), 3.60-3.55 (m, 4 H), 2.56 (s, 3 H), 1.88 (s, 3 H), 1.72-1.62 (m, 2 H); MS (ESI) m/z 456, 458 [M+1]+
【0177】
実施例58
1−(3−ブロモフェニル)−1−(3−チエニル)メタンアミン
【化46】

実施例38に関して説明されているようにして、表題の化合物を、3−シアノチオフェンから開始して合成した(12%収率):1H NMR (DMSO-d6) δ 7.60 (t, J = 1.76 Hz, 1 H), 7.43-7.40 (m, 1 H), 7.39-7.36 (m, 2 H), 7.31-7.29 (m, 1 H), 7.27-7.23 (m, 1 H), 7.02 (dd, J = 5.02, 1.25 Hz, 1 H), 5.11 (s, 1 H); MS (ES) m/z 251, 253 [M+1]+
【0178】
実施例59
3−[(3−ブロモフェニル)(イソチオシアナト)メチル]チオフェン
【化47】

実施例53に関して説明されているようにして、表題の化合物を、1−(3−ブロモフェニル)−1−(3−チエニル)メタンアミンから開始して定量可能な収率で合成した:MS (ES) m/z 308,310 [M-1]-
【0179】
実施例60
4−(3−ブロモフェニル)−4−(3−チエニル)−1,3−チアゾリジン−2,5−
ジチオン
【化48】

実施例40に関して説明されているようにして、表題の化合物を、3−[(3−ブロモフェニル)(イソチオシアナト)メチル]チオフェンから開始して定量可能な収率で合成した:1H NMR (DMSO-d6) δ 7.58-7.38 (m, 3 H), 7.37-7.24 (m, 3 H), 6.19-6.08 (m, 1 H)。
【0180】
実施例61
8−(3−ブロモフェニル)−8−(3−チエニル)−3,4,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6(2H)−チオン
【化49】

実施例41に関して説明されているようにして、表題の化合物を、4−(3−ブロモフェニル)−4−(3−チエニル)−1,3−チアゾリジン−2,5−ジチオンから開始して合成した(44%収率)。粗生成物を、n−ヘプタン中の0〜25%酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーで精製した:1H NMR (DMSO-d6) δ 7.58-7.55 (m, 1 H), 7.55-7.48 (m, 3 H), 7.42-7.38 (m, 1 H), 7.38-7.33 (m, 1 H), 7.06 (dd, J = 5.14, 1.38 Hz, 1 H), 3.74-3.69 (m, 2 H), 3.49-3.42 (m, 2 H), 1.80-1.73 (m, 2 H); MS (ES) m/z 390, 392 [M-1]-
【0181】
実施例62
8−(3−ブロモフェニル)−8−(3−チエニル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン
【化50】

実施例42に関して説明されているようにして、表題の化合物を、8−(3−ブロモフェニル)−8−(3−チエニル)−3,4,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6(2H)−チオンから開始して合成した(80%収率)。粗生成物を、ジクロロメタン0〜8%を含むメタノール中のアンモニア(7N)を用いたカラムクロマトグラフィーで精製した:1H NMR (DMSO-d6) δ 7.68 (t, J = 1.76 Hz, 1 H), 7.57-7.54 (m, 1 H), 7.39-7.35 (m, 3 H), 7.25-7.20 (m, 1 H), 7.03-7.01 (m, 1 H), 3.54-3.50 (m, 2 H), 3.39-3.36 (m, 2 H), 1.70-1.64 (m, 2 H); MS (ESI) m/z 373, 375 [M-1]-
【0182】
実施例63
8−(3',5'−ジクロロビフェニル−3−イル)−8−(3−チエニル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩
【化51】

実施例43に関して説明されているようにして、表題の化合物を、8−(3−ブロモフェニル)−8−(3−チエニル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミンから開始して合成した(38%収率):1H NMR (DMSO-d6) δ 7.84-7.82 (m, 1 H), 7.68-7.64 (m, 1 H), 7.61-7.59 (m, 1 H), 7.58-7.53 (m, 3 H), 7.41-7.36 (m, 3 H), 7.08-7.06 (m, 1 H), 3.56-3.52 (m, 4 H), 1.89 (s, 3 H), 1.73-1.64 (m, 2 H); MS (ES) m/z 439, 441 [M-1]-
【0183】
実施例64
8−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−(3−チエニル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩
【化52】

実施例43に関して説明されているようにして、表題の化合物を、8−(3−ブロモフェニル)−8−(3−チエニル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン(2−フルオロピリジン−3−イル)ボロン酸から開始して合成した(59%収率):1H NMR (DMSO-d6) δ 8.24-8.21 (m, 1 H), 8.02-7.97 (m, 1 H), 7.80-7.77 (m, 1 H), 7.63-7.60 (m, 1 H), 7.48-7.37 (m, 5 H), 7.09 (dd, J = 5.02, 1.25 Hz, 1 H), 3.55-3.52 (m, 4 H), 1.89 (s, 3 H), 1.73-1.65 (m, 2 H); MS (ESI) m/z 390 [M-1]-
【0184】
実施例65
8−(3−ブロモフェニル)−3,3−ジフルオロ−8−ピリジン−4−イル−3,4,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6(2H)−チオン
【化53】

4−(3−ブロモ−フェニル)−4−ピリジン−4−イル−チアゾリジン−2,5−ジチオン(1.76g,4.61mmol)、および、2,2−ジフルオロプロパン−1,3−
ジアミン二塩化水素化物(4.75g,6.84mmol,Nanjappan,P.等.Tetrahedron,1994,50(29),8617〜8632で説明されているもの)を、エタノール(55mL)に分散した。トリエチルアミン(15.5mL)を一部ずつ添加した。この反応混合物を、オイルバスで70℃に加熱し、16時間撹拌し、室温まで冷却し、溶媒を蒸発させた。残留物を酢酸エチルと水に再溶解させ、相を分離した。有機相を、水で洗浄した。合わせた水層を酢酸エチルで抽出し、有機分画を合わせて、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で蒸発させた。残留物を酢酸エチルに再溶解させ、25gのシリカ上で真空中で蒸発させ、続いて、溶出液としてヘプタン中の酢酸エチル(0〜33%)を用いてカラムクロマトグラフィーで精製した。純粋な分画を真空中で濃縮し、1.43g(73%収率)の表題の化合物を得た。MS (ES) m/z 423, 425 [M+1]+
【0185】
実施例66
8−(3−ブロモフェニル)−3,3−ジフルオロ−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン
【化54】

tert−ブチルヒドロ過酸化物水溶液(70%,5mL)を、8−(3−ブロモフェニル)−3,3−ジフルオロ−8−ピリジン−4−イル−3,4,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6(2H)−チオン(1.41g,3.33mmole)、メタノール(20mL)、および、アンモニア水溶液(25%,10mL)の混合物に添加した。この反応液を室温で21時間撹拌し、次に真空中で蒸発させた。残留物をジクロロメタンに再溶解させ、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で蒸発させた。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーで、ジクロロメタン/メタノール/メタノール中の6Mアンモニウム(2000:0:1〜2000:400:1)の勾配を用いて精製した。純粋な分画を真空中で濃縮し、0.41g(30%収率)の表題の化合物を得た。MS(ES)m/z 406,408 [M+1]+
【0186】
実施例67
3,3−ジフルオロ−8−[3−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩
【化55】

1,2−ジメトキシエタン:水:エタノール(6:3:1、3mL)中の8−(3−ブ
ロモフェニル)−3,3−ジフルオロ−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン(64mg,165μmol)、5−メトキシピリジン−3−ボロン酸(51mg,330μmol)、[1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)塩化物のジクロロメタン付加物(15mg,16.5μmol)、および、炭酸セシウム(162mg,495μmol)の混合物をマイクロ波で130℃で15分間加熱した。周囲温度に冷却したら、この混合物を水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮し、生成物を分取用HPLCで精製し、28mgの(39%収率)の表題の化合物を得た。1H NMR (DMSO-d6) δ 8.49 (dd, J = 4.60, 1.46 Hz, 2 H), 8.34 (d, J = 1.69 Hz, 1 H), 8.30 (d, J = 2.68 Hz, 1 H), 7.83 (t, J = 1.53 Hz, 1 H), 7.65-7.57 (m, 1 H), 7.56-7.39 (m, 5 H), 4.01 (t, J = 12.37 Hz, 2 H), 3.89 (s, 3 H), 3.85 (t, J = 12.95 Hz, 2 H), 1.90 (s, 3 H); MS (ES) m/z 435 [M+1]+
【0187】
実施例68
3,3−ジフルオロ−8−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.75酢酸塩
【化56】

実施例67で説明されているようにして、(2−フルオロピリジン−3−イル)ボロン酸から開始して表題の化合物を合成した(89%収率)。1H NMR (DMSO-d6) δ 8.48 (d,
J = 5.02 Hz, 2 H), 8.23 (d, J = 4.52 Hz, 1 H), 8.00 (t, J = 9.03 Hz, 1 H), 7.78
(s, 1 H), 7.58 (d, J = 7.28 Hz, 1 H), 7.52-7.39 (m, 5 H), 3.99 (t, J = 12.30 Hz, 2 H), 3.83 (t, J=12.67 Hz, 2 H), 1.90 (s, 2 H); MS (ES) m/z 423 [M+1]+
【0188】
実施例69
3,3−ジフルオロ−8−(2'−フルオロ−5'−メトキシビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢酸塩
【化57】

実施例67で説明されているようにして、(2−フルオロ−5−メトキシフェニル)ボ
ロン酸から開始して表題の化合物を合成した(72%収率)。1H NMR (DMSO-d6) δ 8.49
(br s, 2 H), 7.73 (s, 1 H), 7.55-7.47 (m, 3 H), 7.43-7.38 (m, 2 H), 7.21 (dd, J
= 10.23, 9.00 Hz, 1 H), 6.97-6.89 (m, 2 H), 3.99 (t, J = 12.29 Hz, 2 H), 3.82 (t, J = 13.33 Hz, 2 H), 3.77 (s, 3 H), 1.90 (br s, 1 H); MS (ES) m/z 452 [M+1]+
【0189】
実施例70
3,3−ジフルオロ−8−(2'−フルオロ−3'−メトキシビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.75酢酸塩
【化58】

実施例67で説明されているようにして、(2−フルオロ−3−メトキシフェニル)ボロン酸から開始して表題の化合物を合成した(70%収率)。1H NMR (DMSO-d6) δ 8.48
(d, J = 5.74 Hz, 2 H), 7.70 (s, 1 H), 7.59-7.46 (m, 3 H), 7.42-7.37 (m, 2 H), 7.27-7.09 (m, 2 H), 7.00-6.86 (m, 1 H), 3.99 (t, J = 12.18 Hz, 2 H), 3.86 (s, 3 H), 3.85-3.78 (m, 2 H), 1.89 (s, 2 H); MS (ESI) m/z 452 [M+1]+
【0190】
実施例71
3,3−ジフルオロ−8−[3−(5−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩
【化59】

実施例67で説明されているようにして、(5−フルオロピリジン−3−イル)ボロン酸から開始して表題の化合物を合成した(69%収率)。1H NMR (DMSO-d6) δ 8.65 (s,
1 H), 8.58 (d, J = 2.60 Hz, 1 H), 8.49 (d, J = 6.05 Hz, 2 H), 7.93-7.86 (m, 2 H), 7.68-7.55 (m, 2 H), 7.50 (dd, J = 4.63, 1.42 Hz, 2 H), 7.45 (t, J = 7.77 Hz, 1 H), 4.01 (t, J = 12.33 Hz, 2 H), 3.85 (t, J = 12.83 Hz, 2 H), 1.89 (s, 3 H); MS (ESI) m/z 423 [M+1]+
【0191】
実施例72
3,3−ジフルオロ−8−(3'−メトキシビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン1.25酢酸塩
【化60】

[1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(23mg,27.1μmol)を、撹拌して窒素でフラシングした、1,2−ジメトキシエタン(6mL)、水(3mL)、および、エタノール(1mL)中の(3−メトキシフェニル)ボロン酸(57mg,373μmol)、8−(3−ブロモ−フェニル)−3,3−ジフルオロ−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−イルアミン(110mg,271μmol)、および、炭酸セシウム(263mg,0.807mmole)の懸濁液に添加した。反応容器を密封し、65℃に加熱し、48時間撹拌した。この反応混合物を水(4mL)とジクロロメタン(25mL)で希釈し、相を分離した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、真空中で蒸発させ、続いて分取用HPLCで精製し、26.7mgの(23%収率)を得た。1H NMR (DMSO-d6) δ 8.48 (d, J = 4.29 Hz, 2 H), 7.78 (br s, 1 H), 7.59-7.43 (m, 5 H), 7.37 (t, J = 7.81 Hz, 1 H), 7.16-7.00 (m, 2 H), 6.93 (d, J = 8.27 Hz, 1 H), 4.01 (t, J = 12.41 Hz, 2 H), 3.89-3.77 (m, 5 H), 1.90 (s, 4 H); MS (ESI) m/z 434 [M+1]+
【0192】
実施例73
3,3−ジフルオロ−8−[3−(5−クロロ−2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩
【化61】

実施例67で説明されているようにして、2−フルオロピリジン−5−クロロ−3−ボロン酸から開始して表題の化合物を合成した(収率73%)。1H NMR (DMSO-d6) δ8.49 (br.s., 2 H), 8.35-8.27 (m, 1 H), 8.17 (dd, J=8.53, 2.51 Hz, 1 H), 7.81 (d, J=1.51 Hz, 1 H), 7.62 (d, J=7.78 Hz, 1 H), 7.54-7.43 (m, 4 H), 4.00 (t, J=12.42 Hz, 2 H), 3.83 (t, J=12.55 Hz, 2 H), 1.91 (br.s., 3 H)。MS (ESI) m/z 457 [M+1]+
【0193】
実施例74
3,3−ジフルオロ−8−ピリジン−4−イル−8−(3−ピリミジン−5−イルフェ
ニル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩
【化62】

実施例67で説明されているようにして、ピリミジン−5−ボロン酸から開始して表題の化合物を合成した(収率87%)。1H NMR (DMSO-d6) δ8.97 (s, 1 H), 8.78 (s, 2 H), 8.26 (d, J=5.52 Hz, 2 H), 7.65 (s, 1 H), 7.44 (d, J=7.66 Hz, 1 H), 7.36 (d, J=8.27 Hz, 1 H), 7.31-7.19 (m, 3 H), 3.78 (t, J=12.56 Hz, 2 H), 3.71-3.56 (m, 2 H), 1.67 (s, 3 H)。 MS (ESI) m/z 406 [M+1]+
【0194】
実施例75
N−tert−ブタンスルフィニル3−ブロモ−4−フルオロフェニル−アルジミン
【化63】

テトラヒドロフラン(10mL)中の3−ブロモ−4−フルオロフェニル−ベンズアルデヒド(2.2g,11mmol)、N−tert−ブタンスルフィンアミド(2.4g,20mmol)、および、チタンテトラエトキシド(9.1g,40mmol)の混合物を65℃で12時間加熱した。シリカゲル上で溶媒を蒸発させ、クロマトグラフィーで溶出液としてヘプタン中の酢酸エチルの勾配(0〜100%)を用いて精製し、3.3g(
96%)の表題の化合物を得た。MS m/z (ES) 308 [M+1]+
【0195】
実施例76
1−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−1−ピリジン−4−イルメタンアミン
【化64】

tert−ブチルリチウム(1.5Mのペンタン溶液,5mL,7.45mmol)を、−105℃で、アルゴン雰囲気下で、THF(25mL)に添加した。4−ヨードピリジン(0.84g,4.09mmol)を10分間かけて添加した。THF(20mL)中のN−tert−ブタンスルフィニル3−ブロモ−4−フルオロフェニル−アルジミン(1.14g,3.72mmol)の溶液を添加し、この反応混合物を−100℃で1時間撹拌し、続いて水(20mL)を添加することによってクエンチした。この混合物を水と酢酸エチルとの間で分配し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残留物をメタノール(25mL)に再溶解させ、塩酸(1Mのジエチルエーテル溶液,3.8mL)を添加し、この混合物を一晩撹拌した。この混合物を、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液とジクロロメタンとの間で分配した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーによる精製で、ジクロロメタン(0〜10%)中のメタノール(0.1%の7Nアンモニア)の勾配で溶出させて、0.321g(31%収率)の表題の化合物を得た。MS (ESI) m/z 282 [M+1]+
【0196】
実施例77
4−[(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)(イソチオシアナト)メチル]ピリジン
【化65】

O,O−ジピリジン−2−イルチオカーボネート(0.285g,1.23mmol)を、ジクロロメタン(18mL)中の1−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−1−ピリジン−4−イルメタンアミン(0.230g,0.818mmol)の溶液に添加した。この混合物を室温で1時間撹拌し、続いてジクロロメタン(20mL)で希釈した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮し、0.252g(95%収率)の表題の化合物を得た。MS (ESI) m/z 324 [M+1]+
【0197】
実施例78
1,3−チアゾリジン−2,5−ジチオン−4−(3−ブロモ−4−フルオロベンジル)ピリジン
【化66】

乾燥テトラヒドロフラン(6.1mL)中の4−[(3−ブロモ−4−フルオロフェニ
ル)(イソチオシアナト)メチル]ピリジン(0.252g,0.77mmol)、および、二硫化炭素(0.1mL,1.64mmol)の混合物を、−78℃で、乾燥テトラヒドロフラン(6mL)中のカリウムtert−ブトキシド(0.138g,1.23mmol)の撹拌溶液に一滴ずつ添加した。この混合物を一晩撹拌しながら周囲温度になるまでそのままにした。溶媒を蒸発させ、残留物をクロロホルム−酢酸エチル(1:1,30mL)に溶解させ、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。クロロホルム中のメタノール(0〜10%)を用いたカラムクロマトグラフィーでの精製によって、0.230g(70%収率)の表題の化合物を得た。MS(ES)m/z 400 [M+1]+
【0198】
実施例79
3,3−ジフルオロ−3,4,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6(2H)−チオン−4−(3−ブロモ−4−フルオロベンジル)ピリジン
【化67】

1,3−チアゾリジン−2,5−ジチオン−4−(3−ブロモ−4−フルオロベンジル)ピリジン(0.230g,0.58mmol)、未精製の2,2−ジフルオロプロパン−1,3−ジアミン二塩化水素化物(0.63mmol,Nanjappan,P.等.Tetrahedron,1994,50(29),8617〜8632で説明されているもの)、および、ジイソプロピルエチルアミン(0.84mL,4.9mmol)をエタノール(10mL)に溶解させた。この反応混合物を70℃で一晩撹拌した。周囲温度に冷却した後、この混合物を濃縮し、ジクロロメタン(30mL)に再溶解させ、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。ヘプタン中の酢酸エチル(0〜100%)を用いたカラムクロマトグラフィーでの精製によって、0.167g(65%収率)の表題の化合物を得た。MS(ES)m/z 442 [M+1]+
【0199】
実施例80
3,3−ジフルオロ−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン−4−(3−ブロモ−4−フルオロベンジル)ピリジン
【化68】

tert−ブチルヒドロ過酸化物(70%水溶液、0.9mL,5.6mmol)を、メタノール(10mL)中の3,3−ジフルオロ−3,4,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6(2H)−チオン−4−(3−ブロモ−4−フルオロベンジル)ピリジン(0.167g,0.38mmol)、および、アンモニア(30%水溶液,1.7mL)の溶液に添加した。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。続いてこの混合物を濃縮し、残留物ジクロロメタン(30mL)に再溶解させ、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。ジクロロメタン中の(0〜10%)メタノール(0.1%の7Nアンモニア)を用いたカラムクロマトグラフィーでの精製によって、0.086g(54%)の表題の化合物を得た。MS(ES)m/z 425 [M+1]+
【0200】
実施例81
3,3−ジフルオロ−8−[4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩
【化69】

1,2−ジメトキシエタン:水:エタノール(6:3:1、1.5mL)中の3,3−ジフルオロ−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン−4−(3−ブロモ−4−フルオロベンジル)ピリジン(0.020g,0.047mmol)、2−フルオロピリジン−3−ボロン酸(0.009g,0.061mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)塩化物のジクロロメタン付加物(0.004g,0.005mmol)、および、炭酸セシウム(0.046g,0.141mmol)の混合物をマイクロ波で130℃で15分間加熱した。周囲温度に冷却した後、この混合物を濃縮し、ジクロロメタン(10mL)に溶解させ、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。分取用HPLCによる精製によって、0.017g(82%)の表題の化合物を得た。1H NMR (DMSO-d6) δ8.49 (dd, J=4.52, 1.51 Hz, 2 H), 8.31 (d, J=4.27 Hz, 1 H), 7.99 (s, 1 H), 7.72-7.61 (m, 2 H), 7.51-7.45 (m, 3 H), 7.32 (t, J=9.41 Hz, 1 H), 3.99 (t, J=12.42 Hz, 2 H), 3.82 (t, J=13.05 Hz, 2 H), 1.90 (s, 3 H); MS (ES) m/z 441 [M+1]+
【0201】
実施例82
3,3−ジフルオロ−8−(2',6−ジフルオロ−3'−メトキシビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩
【化70】

実施例81で説明されているようにして、2−フルオロ−3−メトキシ−ベンゼンボロン酸から開始して表題の化合物を合成した(収率86%)。1H NMR (DMSO-d6) δ8.50 (d, J=6.02 Hz, 2 H), 7.69-7.56 (m, 2 H), 7.48 (d, J=6.02 Hz, 2 H), 7.31-7.21 (m, 3 H), 6.95-6.80 (m, 1 H), 4.01 (t, J=12.30 Hz, 2 H), 3.88 (s, 3 H), 3.83 (t, J=13.05 Hz, 2 H), 1.90 (s, 3 H); MS (ES) m/z 470 [M+1]+
【0202】
実施例83
3,3−ジフルオロ−8−[4−フルオロ−3−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.5酢酸塩
【化71】

実施例81で説明されているようにして、5−メトキシピリジン−3−ボロン酸から開始して表題の化合物を合成した(収率79%)。1H NMR (DMSO-d6) δ ppm 8.49 (d, J=4.90 Hz, 2 H), 8.34 (d, J=2.45 Hz, 1 H), 8.24 (s, 1 H), 7.76-7.68 (m, 1 H), 7.63-7.53 (m, 1 H), 7.48 (d, J=5.21 Hz, 2 H), 7.43 (br. s., 1 H), 7.30 (t, J=9.50 Hz, 1 H), 4.00 (t, J=12.10 Hz, 2 H), 3.72-3.91 (m, 5 H), 1.88 (s, 2 H); MS (ES) m/z 453 [M+1]+
【0203】
実施例84
N−tert−ブタンスルフィニル3−ブロモフェニル−アルジミン
【化72】

テトラヒドロフラン(10mL)中の3−ブロモ−ベンズアルデヒド(3.7g,20mmol)、N−tert−ブタンスルフィンアミド(2.4g,20mmol)、および、チタンテトラエトキシド(9.1g,40mmol)の混合物を65℃で12時間加熱した。シリカゲル上で溶媒を蒸発させ、クロマトグラフィーで溶出液としてヘプタン中の酢酸エチルの勾配(0〜100%)を用いて精製し、4.9g(84%)の表題の化合物を得た。MS m/z (ES) 290 [M+1]+
【0204】
実施例85
1−(3−ブロモフェニル)−1−(3−フルオロピリジン−4−イル)メタンアミン
【化73】

リチウムジイソプロピルアミド(2Mのテトラヒドロフラン溶液,2.5mL,5.0mmol)を、乾燥テトラヒドロフラン(10mL)で希釈し、窒素雰囲気下で−78℃に冷却した。乾燥テトラヒドロフラン(1mL)中の3−フルオロピリジン(0.43mL,5.0mmol)を一滴ずつ添加し、この溶液を−78℃で30分間撹拌し、その後、乾燥テトラヒドロフラン(1mL)中のN−tert−ブタンスルフィニル3−ブロモフェニル−アルジミン(0.91g,3.1mmol)を添加した。5分後、この反応を塩化アンモニウム水溶液の添加によってクエンチした。水でワークアップし、酢酸エチルで抽出し、続いてシリカでのクロマトグラフィーで、溶出液として酢酸エチル/ヘプタン(1:1)を用いて精製し、中間体のスルフィンアミド(0.9g,2.33mmol)を得た。メタノール/ジエチルエーテル(5mL)中の塩酸(1Mのジエチルエーテル溶液,3当量)で10分間処理して、真空中で濃縮し、酢酸エチルと炭酸カリウム水溶液との間で抽出し、炭酸カリウム上で乾燥させ、真空中で蒸発させ、0.60g(43%)の表題の化合物を得た。MS m/z (APCI) 282 [M+1]+
【0205】
実施例86
4−[(3−ブロモフェニル)(イソチオシアナト)メチル]−3−フルオロピリジン
【化74】

チオカルボニルジイミダゾール(0.37g,2.1mmol)を、ジクロロメタン中の1−(3−ブロモフェニル)−1−(3−フルオロピリジン−4−イル)メタンアミン(0.60g,2.1mmol)の撹拌溶液に25℃で一部ずつ添加した。2時間撹拌した後、この溶液をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させ、0.70gの表題の化合物を定量可能な収率で得た。MS m/z (APCI) 324 [M+1]+
【0206】
実施例87
4−(3−ブロモフェニル)−4−(3−フルオロピリジン−4−イル)−1,3−チアゾリジン−2,5−ジチオン
【化75】

乾燥テトラヒドロフラン(5mL)中の4−[(3−ブロモフェニル)(イソチオシアナト)メチル]−3−フルオロピリジン(0.70g,2.1mmol)、および、二硫化炭素(0.27mL,4.4mmol)の混合物を、乾燥テトラヒドロフラン(25mL)中のカリウムtert−ブトキシド(0.33g,2.9mmol)の撹拌溶液に−78℃で一滴ずつ添加した。この混合物を室温になるまで30分間そのままにした。真空中で濃縮し、酢酸エチルとブラインとの間で抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で蒸発させ、0.80g(95%)の表題の化合物を得た。MS m/z (APCI) 400 [M+1]+
【0207】
実施例88
8−(3−ブロモフェニル)−3,3−ジフルオロ−8−(3−フルオロピリジン−4−イル)−3,4,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6(2H)−チオン
【化76】

エタノール(10mL)中の4−(3−ブロモフェニル)−4−(3−フルオロピリジン−4−イル)−1,3−チアゾリジン−2,5−ジチオン(0.80g,2.0mmol)、2,2'−ジフルオロ−1,3−ジアミノプロパン塩酸塩(0.38g,2.1mmol)、および、トリエチルアミン(0.73mL,5.2mmol)を混合した、および、70℃で12時間加熱した。この混合物を真空中で濃縮し、残留物を酢酸エチルで希釈し、まず炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、続いてブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を蒸発させた。シリカでのクロマトグラフィーで、ヘプタン中の酢酸エチル(0〜100%)を用いて精製し、0.50g(56%)の表題の化合物を得た。MS m/z (APCI) 443 [M+1]+
【0208】
実施例89
8−(3−ブロモフェニル)−3,3−ジフルオロ−8−(3−フルオロピリジン−4−イル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン
【化77】

8−(3−ブロモフェニル)−3,3−ジフルオロ−8−(3−フルオロピリジン−4
−イル)−3,4,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6(2H)−チオン(0.50g,1.1mmol)をメタノール(10mL)に溶解させ、水酸化アンモニウム(30%水溶液,5mL)、および、tert−ブチルヒドロ過酸化物(70%水溶液溶液,3.1mL,23mmol)を添加した。この反応液を40℃で12時間加熱した。真空中で濃縮し、酢酸エチルと水との間で抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を真空中で蒸発させ、0.45g(93%)の表題の化合物を得た。MS m/z (APCI) 426 [M+1]+
【0209】
実施例90
3,3−ジフルオロ−8−(3−フルオロピリジン−4−イル)−8−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン
【化78】

8−(3−ブロモフェニル)−3,3−ジフルオロ−8−(3−フルオロピリジン−4−イル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン(0.10g,0.24mmol)を、1,2−ジメトキシエタン:水:エタノール(6:3:1,3mL)に溶解させ、2−フルオロ−3−ピリジルボロン酸(0.067g,0.48mmol)、および、炭酸セシウム(0.23g,0.71mmol)を添加した。この溶液中で窒素を5分間泡立たせた。[1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)塩化物(0.020g,0.02mmol)を添加し、この反応液を、窒素雰囲気下で、高周波レンジ中で130℃で1時間加熱した。真空中で濃縮し、酢酸エチルおよび水を用いて水でワークアップし、溶媒を真空中で蒸発させ、続いて分取用HPLCで精製し、0.009g(9%)の表題の化合物を得た。1H NMR (CD3OD) δ 8.43 (d, J = 3 Hz, 1 H), 8.34 (d, J = 5 Hz, 1 H), 8.18 (m, 1 H), 8.04 (m, 1 H), 7.79 (m, 1 H), 7.62 (m, 2 H), 7.53 (m, 1 H), 7.41 (m, 1 H), 7.20 (m, 1 H), 4.13-3.95 (m, 2 H), 3.91-3.69 (m, 2 H)。 MS m/z (APCI) 441 [M+1]+
【0210】
実施例91
3,3−ジフルオロ−8−(3−フルオロピリジン−4−イル)−8−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン
【化79】

実施例90で説明されているようにして、ピリミジン−5−ボロン酸から開始して表題の化合物を合成した(収率6%)(ただし、反応時間が30分間であった)。1H NMR (CD3OD) δ 9.16 (s, 1 H), 9.07 (s, 2 H), 8.42 (m, 2 H), 7.89 (s, 1 H), 7.77 (d, 1 H), 7.70 (d, 1 H), 7.61 (m, 1 H), 7.24 (m, 1 H), 4.16-3.97 (m, 2 H), 3.95-3.74 (m, 2 H); MS m/z (APCI) 424 [M+1]+
【0211】
実施例92
2−メトキシ−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピラジン
【化80】

1,2−ジメトキシエタン(10mL)中の、2−クロロ−6−メトキシピラジン(0.50g,3.46mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(0.966g,3.80mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.095g,0.10mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(0.116g,0.42mmol)、および、酢酸カリウム(0.509g,5.19mmol)の混合物を、高周波レンジ中で、アルゴン雰囲気下で、150℃で3時間処理した。この反応混合物を水とジエチルエーテルとの間で分配し、有機相をプールし、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、濃縮して、1.15g(定量可能な収率)の未精製の表題の化合物を得て、これをそれ以上精製しないで次の反応工程に用いた。MS(CI)m/z 237。
【0212】
実施例93
3,3−ジフルオロ−8−[3−(6−メトキシピラジン−2−イル)フェニル]−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩
【化81】

実施例67で説明されているようにして、2−メトキシ−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピラジンから開始して表題の化合物を合成した(収率78%)。1HNMR (DMSO-d6) δ 8.68 (s, 1 H), 8.49 (d, J=5.02 Hz, 2 H), 8.27 (d, J=14.05 Hz, 2 H), 7.97 (d, J=7.53 Hz, 1 H), 7.59-7.49 (m, 3 H), 7.44 (t, J=7.65 Hz, 1 H), 4.10-3.93 (m, 5 H), 3.84 (t, J=12.67 Hz, 2 H), 1.89 (s, 2 H); MS (ES) m/z 436 [M+H]+
【0213】
分析
以下の分析のうち少なくとも1つを用いて化合物を試験した:
β−セクレターゼ酵素
以下、アイジェン(IGEN)による切断、蛍光、TR−FRETおよびビアコア(BIAcore)分析で用いられる酵素を説明する:
ヒトβ−セクレターゼの可溶性部分(AA1−AA460)を、ASP2−Fc10−1−IRES−GFP−neoK哺乳動物発現ベクターにクローニングした。この遺伝子をIgG1のFcドメイン(親和性タグ)に融合させ、HEK293細胞に安定的にクローニングした。精製したsBACE−Fcをトリス緩衝液(pH9.2)中で保存した(これは95%の純度を有していた)。
【0214】
アイジェン(IGEN)切断分析
酵素を、40mMのMES(pH5.0)で43μg/mlに希釈した。アイジェン(IGEN)基質を、40mMのMES(pH5.0)で12μMに希釈した。化合物を、ジメチルスルホキシドで望ましい濃度に希釈した(分析中の最終的なジメチルスルホキシド濃度は、5%である)。この分析は、グライナー(Greiner)製の96ウェルのPCRプレート(番号650201)で行われた。このプレートに、ジメチルスルホキシド(3μL)中の化合物および酵素(27μL)を添加し、10分間プレインキュベートした。基質(30μL)を用いて反応を開始させた。酵素の最終的な希釈濃度は20μg/mlであり、基質の最終濃度は6μMであった。室温で反応させて20分後に、反応混合物10μLを取り出し、それを0.2Mのトリズマ−HCl(pH8.0)で1:25に希釈することによって反応を止めた。ネオエピトープ抗体の1:5000希釈液50μLを、反応混合物の1:25希釈液50μLに添加することによって生成物を定量した(全ての抗体およびストレプトアビジン被覆ビーズは、0.5%BSAおよび0.5%トゥイーン(Tween)20を含むPBSで希釈した)。続いて、0.2mg/mLのストレプトアビジン被覆ビーズ(ダイナビーズ(Dynabeads)M−280)100μL、および、ルテニル化ヤギ抗ウサギ(Ru−GαR)抗体の1:5000希釈液を添加した。室温で振盪しながら2時間インキュベートした後に、この混合物を、バイオベリス(BioVeris)M8解析器で電気化学発光に関して測定した。100%の活性レベルは、ジメチルスルホキシドコントロールによって定義し、0%の活性は、酵素を除去することによって定義した(代わりに、40mMのMES(pH5.0)緩衝液を用いた)。
【0215】
蛍光分析
酵素を、40mMのMES(pH5.0)で52μg/mlに希釈した。基質(ダブシル−エダンス(Dabcyl−Edans))を、40mMのMES(pH5.0)で30μMに希釈した。化合物を、ジメチルスルホキシドで望ましい濃度に希釈した(分析中の最終的なジメチルスルホキシド濃度は、5%である)。この分析は、コーニング(Corning)製の、384ウェル、丸底、低容量の非結合表面プレート(コーニング番号3676)で行われた。このプレートに、ジメチルスルホキシド中の化合物1μLと共に酵素(9μL)を添加し、10分間プレインキュベートした。基質(10μL)を添加し、暗所で、室温で25分間反応を進行させた。酵素の最終的な希釈濃度は23μg/mlであり、基質の最終濃度は、15μM(25μMのKm)であった。ビクター(Victor)IIプレートリーダーで、標識されたエダンスペプチドに関するプロトコールを用いて、360nmの励起波長、および、485nmの発光波長で生成物の蛍光を測定した。100%の活性レベルは、ジメチルスルホキシドコントロールによって定義し、0%の活性は、酵素を除去することによって定義した(代わりに、40mMのMES(pH5.0)緩衝液を用いた)。
【0216】
TR−FRET分析
反応緩衝液(酢酸ナトリウム,chaps,トリトン(Triton)X−100,EDTA,pH4.5)で、酵素を6μg/mLに希釈し、基質(ユーロピウム)のCEVNLDAEFK(Qsy7)を200nMに希釈した。化合物を、ジメチルスルホキシドで望ましい濃度に希釈した(分析中の最終的なジメチルスルホキシド濃度は、5%である)。この分析は、コースター(Costar)製の384ウェル、丸底、低容量の非結合表面プレート(コーニング番号3676)で行われた。このプレートに、酵素(9μL)およびジメチルスルホキシド中の化合物1μLを添加し、混合し、10分間プレインキュベートした。基質(10μL)を添加し、暗所で、室温で15分間反応を進行させた。酢酸ナトリウム(pH9)7μLの添加によって反応を止めた。ビクターIIプレートリーダーを用いて、340nmの励起波長、および、615nmの発光波長で生成物の蛍光を測定した。酵素の最終濃度は2.7μg/mlであり、基質の最終濃度は100nM(290nMのKm)であった。100%の活性レベルは、ジメチルスルホキシドコントロールによって定義し、0%の活性は、酵素を除去することによって定義した(代わりに反応緩衝液を用いた)。
【0217】
BACEビアコアセンサーチップの製造
BACEは、ビアコア3000装置で、ペプチド性の遷移状態等価体(transition state isostere;TSI)、または、ペプチド性のTSIのスクランブル化したタイプのいずれかを、ビアコアCM5センサーチップの表面に結合させることによって分析した。CM5センサーチップの表面は、このようなペプチドをカップリングさせるのに用いることができる4個の別個のチャンネルを有する。チャンネル1に、スクランブル化したペプチドのKFES−スタチン−ETIAEVENVをカップリングし、同じチップのチャンネル2に、TSI阻害剤のKTEEISEVN−スタチン−VAEFをカップリングした。2種のペプチドを、20mMの酢酸ナトリウム(pH4.5)に0.2mg/mLで溶解させ、続いてこの溶液を14000rpmで遠心分離して全ての微粒子を除去した。デキストラン層上のカルボキシル基を、0.5MのN−エチル−N'(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド、および、0.5MのN−ヒドロキシスクシンイミドの一対一の混合物を5μL/分で7分間注入することによって活性化した。続いてチャンネル1に、コントロールペプチドのストック溶液を5μL/分で7分間注入し、続いて1Mのエタノールアミンを5μL/分で7分間注入することによって、残存する活性化されたカルボキシル基をブロックした。
【0218】
BACEビアコア分析プロトコール
BACEをpH4.5の酢酸ナトリウム緩衝液(泳動用緩衝液からジメチルスルホキシドを除いたもの)で0.5μMに希釈することによって、BACEビアコア分析を行った。希釈したBACEを最終濃度が5%ジメチルスルホキシドのジメチルスルホキシドまたはジメチルスルホキシドに希釈した化合物と混合した。BACE/阻害剤混合物を室温で30分間インキュベートし、その後それらをCM5ビアコアチップのチャンネル1および2上に20μL/分の速度で注入した。BACEがチップに結合したら、シグナルを反応単位(RU)で測定した。チャンネル2でBACEがTSI阻害剤に結合すると、所定のシグナルが得られた。BACE阻害剤が存在すると、それらがBACEに結合して、チップ上でのペプチドのTSIとの相互作用を阻害することによってシグナルが減少した。チャンネル1への全ての結合は非特異的であり、チャンネル2での応答からそれらを差し引いた。100%は、ジメチルスルホキシドコントロールによって定義し、化合物の作用は、ジメチルスルホキシドコントロールの阻害(%)として報告した。
【0219】
ベータ-セクレターゼ全細胞分析
HEK293−APP695の生成
ヒト全長APP695のcDNAをコードするpcDNA3.1プラスミドを、製造元(インビトロジェン(Invitrogen))のプロトコールに従ってリポフェクトアミントランスフェクション試薬を用いて、HEK−293細胞に安定的にトランスフェクションさせた。0.1〜0.5mg/mLのゼオシンを用いてコロニーを選択した。限界希釈法によるクローニングを行い、均一な細胞系を作製した。クローンは、社内で開発されたELISA分析を用いて、APP発現および条件培地中に分泌されたAβのレベルによって特徴付けた。
【0220】
HEK293−APP695の細胞培養
安定してヒト野生型APPを発現するHEK293細胞(HEK293−APP695)を、10%のFBS、1%の非必須アミノ酸、および、0.1mg/mLの選択抗生物質であるゼオシンが添加された、4500g/Lグルコース、グルタマックス(GlutaMAX)、および、ピルビン酸ナトリウムを含むDMEM中で、37℃、5%CO2で増殖させた。
【0221】
Aβ40放出分析
HEK293−APP695細胞を80〜90%の密集度で回収し、黒色の透明な底の96−ウェルポリ−D−リシン被覆プレート上に、0.2×106細胞/mLの濃度、細胞懸濁液100mL/ウェルでシーディングした。37℃、5%CO2で一晩インキュベートした後、細胞培地を、最終的なジメチルスルホキシド濃度が1%で、試験化合物を含むペニシリンおよびストレプトマイシン(それぞれ100U/mL、100μg/mL)を含む細胞培地で置き換えた。37℃、5%CO2で、細胞を試験化合物に24時間晒した。放出されたAβの量を定量するために、細胞培地100μLを、丸底のポリプロピレン製の96ウェルプレート(分析プレート)に移した。この細胞プレートを、以下で説明した通りにしてATP分析のために保存した。分析プレートに、0.5%BSAおよび0.5%トゥイーン−20を含むDPBS中の、0.5μg/mLのウサギ抗Aβ40抗体、および、0.5μg/mLのビオチン化したモノクローナルマウス6E10抗体を含む一次検出溶液50μLをウェルごとに添加し、4℃で一晩インキュベートした。続いて、0.5μg/mLのルテニル化ヤギ抗ウサギ抗体、および、0.2mg/mLのストレプトアビジン被覆ビーズ(ダイナビーズM−280)を含む二次検出溶液50μLをウェルごとに添加した。室温で1〜2時間プレートを激しく振盪した。続いてバイオベリスM8解析器でプレートを電気化学発光に関して測定した。
【0222】
SH−SY5Yの細胞培養
SH−SY5Y細胞を、1mMのHEPES、10%FBS、および、1%非必須アミノ酸が添加された、グルタマックスを含むDMEM/F−12 1:1中で、37℃、5%CO2で増殖させた。
【0223】
sAPPβ放出分析
SH−SY5Y細胞を80〜90%の密集度で回収し、黒色の透明な平底の96−ウェルの組織培養プレート上に、1.5×106細胞/mLの濃度となるよう細胞懸濁液100mL/ウェルでシーディングした。37℃、5%CO2で7時間インキュベートした後、細胞培地を、最終的なジメチルスルホキシド濃度が1%で、試験化合物を含むペニシリンおよびストレプトマイシン(それぞれ100U/mL、100μg/mL)を含む細胞培養培地90μlで置き換えた。細胞を、試験化合物に、37℃、5%CO2で18時間晒した。細胞培地へのsAPPβ放出を測定するために、メソ・スケール・ディスカバリー(Meso Scale Discovery;MSD)製のsAPPβマイクロプレートを用い、この分析は、製造元のプロトコールに従って行われた。簡単に説明すると、細胞培地25μLを、予めブロックしたMSDのsAPPβマイクロプレートに移した。この細胞プレートを、以下で説明する通りにしてATP分析のために保存した。室温で1時間振盪する間に、マイクロプレートのウェル中にスポットした抗体によってsAPPβを捕捉した。複数回洗浄した後、分析プレートにSULFO−タグで標識した検出抗体を添加し(25μL/ウェル,最終濃度1nM)、プレートを、室温で1時間振盪しながらインキュベートした。複数回洗浄した後、プレートに、150μl/ウェルの読み取り用緩衝液Tを添加した。室温で10分後、電気化学発光用のSECTORTMイメージャーで、プレートを読み取った。
【0224】
ATP分析
上記で示したように、Aβ40またはsAPPβの解析のために細胞プレートから培地を移した後、このプレートを用いて、キャンブレックス・バイオサイエンス(Cambrex BioScience)製の総細胞ATPを測定するViaLightTMプラス細胞増殖/細胞毒性キットを用いて細胞毒性を解析した。この分析は、製造元のプロトコールに従って行われた。簡単に説明すると、ウェルあたり50μLの細胞溶解物試薬を添加した。このプレートを室温で10分間インキュベートした。再溶解したViaLight
TMプラスATP試薬100μLを添加して2分後に、発光を、ワラック(Wallac)のビクター2(Victor2)1420マルチラベルカウンターで測定した。
【0225】
hERG分析
細胞培養
hERGを発現するチャイニーズハムスター卵巣K1(CHO)細胞(Persson,Carlsson,DukerおよびJacobson,2005で説明されているもの)を、37℃で、加湿した環境(5%CO2)で、L−グルタミン、10%ウシ胎児血清(FCS)、および、0.6mg/mlハイグロマイシン(全てシグマ−アルドリッチ(Sigma−Aldrich))を含むF−12Ham培地中で半密集状態に増殖させた。使用前に、予め温めた(37℃)バーセン(Versene)1:5,000(インビトロジェン)のアリコート3mlを用いて単層を洗浄した。この溶液を吸引した後、インキュベーター中で、さらにバーセン(1:5,000)2mlを用いて、フラスコを37℃で6分間インキュベートした。次に、フラスコを穏やかに軽く叩いて細胞を底部から取り外し、続いてフラスコに、カルシウム(0.9mM)、および、マグネシウム(0.5mM)を含むダルベッコリン酸緩衝食塩水(PBS;インビトロジェン)10mlを添加し、遠心分離(50g,4分間)の前に15mlの遠心管に吸引した。得られた上清を捨て、ペレットをPBS3mlに穏やかに再懸濁した。0.5mlの細胞懸濁液のアリコートを取り出し、自動読取装置(セデックス(Cedex);イノバティス(Innovatis))で生存可能な細胞の数(トリパンブルー排除法に基づいて)を決定し、望ましい最終的な細胞濃度を得るために細胞の再懸濁液の体積をPBSで調節した。このパラメーターが言及される場合に用いられるのは、分析のこの時点での細胞濃度である。イオンワークス(IonWorksTM)HTで電圧のオフセットを調節するために用いられたCHO−Kv1.5細胞を維持し、同じ方法で使用するために調整した。
【0226】
電気生理学
この装置の原理および操作は、Schroeder,Neagle,TreziseおよびWorley,2003で説明されている。簡単に説明すると、この技術は、384ウェルプレート(パッチプレート(PatchPlateTM))において、2つの別個の流体チャンバーを分離する小さいホールに細胞を吸引により配置および保存することによって、ウェルごとに記録が試みられることに基づく。一度密封されると、パッチプレートTM裏面の溶液がアンホテリシンBを含む溶液に交換される。それにより、各ウェル中のホールを覆う細胞膜のパッチが透過性になり、実質的に穴の開いた状態になり、全細胞パッチクランプの記録が作製される。
【0227】
エッセン・インスツルメント(Essen Instrument)製のβ−試験用イオンワークスTMHTを用いた。この装置に溶液を温める機能はないため、以下のようにこれを室温で(〜21℃)で操作した。「緩衝液」の位置の貯蔵容器に4mlのPBSをローディングし、「細胞」の位置の貯蔵容器に上述のCHO−hERG細胞懸濁液をローディングした。「プレート1」の位置に、試験される化合物(それらの最終的な試験濃度の3倍)を含む96ウェルプレート(V型の底部,グライナー・バイオ・ワン(Greiner Bio−one))を置き、パッチプレートTMステーションにパッチプレートTMを固定した。10個の8ポイントの濃度−作用曲線が構築できるように、各化合物プレートを12個のカラムに配置させた;プレート上の残りの2個のカラムを媒体(最終濃度0.33%のDMSO)で処理して分析の基準線を定義し、さらに、最大ブロック濃度超のシサプリド(最終濃度10μM)で処理して100%の阻害レベルを定義した。続いて、イオンワークスTMHTのフルイディクス−ヘッド(F−ヘッド)で、パッチプレートTMの各ウェルに3.5μlのPBSを添加し、その裏面を、以下の組成:K−グルコン酸塩を100mM、KClを40mM、MgCl2を3.2mM、EGTAを3mM、および、HEPESを5mM(全てシグマ−アルドリッチ;10MのKOHを用いてpH7.25〜7.30にした)を有する「内部」溶液で覆った。プライミングして気泡を除去した後、エレクトロニクス−ヘッド(E−ヘッド)をパッチプレートTMの周りを旋回させるように動かし、ホールの試験を行った(すなわち、電圧のパルスを適用して、各ウェル中のホールが開いているかどうかを決定した)。続いてF−ヘッドで、パッチプレートTMの各ウェルに上述の細胞懸濁液3.5μlを分配し、細胞が各ウェル中のホールに到達して、それらが密封されるように200秒適用した。その後、E−ヘッドを、パッチプレートTMの周りを旋回させるように動かし、各ウェルで得られた密封の抵抗を測定した。次に、パッチプレートTM裏面上の溶液を、以下の組成:KClを140mM、EGTAを1mM、MgCl2を1mM、および、HEPESを20mM(10MのKOHを用いてpH7.25〜7.30にした)、加えて、100μg/mlのアンホテリシンB(シグマ−アルドリッチ)を有する「アクセス」溶液で交換した。パッチの穴あきが起こるように9分間そのままにした後に、E−ヘッドをパッチプレートTMの48ウェルの周りを一度に旋回させるように動かし、化合物添加前のhERG電流の測定値を得た。続いてF−ヘッドで、化合物プレートの各ウェルからの3.5μlの溶液を、パッチプレートTM上の4ウェルに添加した(最終的なDMSO濃度は、ウェルごとに0.33%になった)。これを、何らかの化合物が持ち越される影響を最小化するために、化合物プレートの最も薄い濃度から最も濃い濃度のウェルに移動させることによって達成した。約3.5分間インキュベートした後、E−ヘッドを、パッチプレートTMの384−ウェル全ての周りを旋回させるように動かして、化合物添加後のhERG電流測定値を得た。この方法で、非累積的な濃度−作用曲線を形成することができ、それにより、十分な割合のウェルで合格基準が得られ(以下を参照)、ここで試験化合物の各濃度の作用は、1〜4セルの記録に基づいていた。
【0228】
化合物添加前および添加後のhERG電流を、20秒の−70mVでの保持、160ミリ秒の−60mVへの工程(漏電の推定値を得るため)、100ミリ秒の−70mVに戻す工程、1秒の+40mVへの工程、2秒の−30mVへの工程、および、最終的に500ミリ秒の−70mVへの工程からなる1回の電圧パルスによって誘発した。化合物添加前の電圧パルスと、添加後の電圧パルスとの間に、膜電位のクランピングはなかった。電圧パルスプロトコール開始時の+10mVの工程中に誘発された電流の推定値に基づいて、電流から漏電を差し引いた。イオンワークスTMHTにおける全ての電圧のオフセットを2つの方法のうち一方で調節した。化合物の効力を決定する際に、脱分極性の電圧ランプをCHO−Kv1.5細胞に適用し、そこで記録された電圧が、電流トレースにおける屈曲点であった(すなわち、ランプ法でチャンネルの活性化が観察されたポイント)。これが発生した電圧を、通常の電気生理学で同じ電圧コマンドを用いて予め測定したところ、−15mVであることがわかった(データ示さず);従って、この値を基準点として用いて、オフセット電位を、イオンワークスTMHTソフトウェアに入力することができた。hERGの基本的な電気生理学的な特性を決定する際、イオンワークスTMHTにおけるhERGのテール電流の逆転電位を決定し、それを、通常の電気生理学法で見出された電位(−82mV)と比較し、続いてイオンワークスTMHTソフトウェアで必要なオフセットの調整を行うことによって、全てのオフセットを調節した。電流信号を2.5kHzでサンプリングした。
【0229】
スキャン前後のhERG電流の規模を、イオンワークスTMHTソフトウェアで、−70mV(基準電流)における最初の保持期間の間の電流の40ミリ秒の平均をとり、それをテール電流応答のピークから差し引くことによって漏電を差し引いたトレースから自動測定した。各ウェルで誘発された電流の合格基準は、以下の通りであった:スキャン前の密封の抵抗>60MΩ、スキャン前のhERGテール電流振幅>150pA;スキャン後の密封の抵抗>60MΩ。スキャン後のhERG電流を各ウェルそれぞれのスキャン前のhERG電流で割ることによって、hERG電流阻害の程度を評価した。
【0230】
結果
本発明の化合物の典型的なIC50値は、約1〜約10,000nMの範囲であった。例示された最終的な化合物の生物学的なデータは、以下の表1で示す通りである。
【0231】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊離塩基、または、製薬上許容できる塩、溶媒化合物もしくはそれらの塩の溶媒化合物としての、式I:
【化1】

で示される化合物。
式中、
Aは、独立して、5、6または7員環の複素環(任意に1個またはそれ以上のR1で置換されていてもよい)から選択され;
Bは、独立して、5または6員環のヘテロ芳香環(任意に1個またはそれ以上のR2で置換されていてもよい)から選択され;
Cは、独立して、フェニルまたは5もしくは6員環のヘテロ芳香環(任意に1個またはそれ以上のR3で置換されていてもよい)から選択され;
1は、独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、OR6、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキニル、C0-6アルキルC3-6ヘテロシクリル、NR67、CONR67、NR6(CO)R7、O(CO)R6、CO26、COR6、(SO2)NR67、NR6(SO2)R7、SOR6、SO26、OSO26、および、SO36から選択され、ここにおいて該C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキニル、および、C0-6アルキルC3-6ヘテロシクリルは、任意に1個またはそれ以上のDで置換されていてもよく;または、
2個のR1置換基は、それらが結合している原子と一緒になって、環または複素環(任意に1個またはそれ以上のDで置換されていてもよい)を形成していてもよく;
2、R3およびR4は、独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、OR6、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキニル、C0-6アルキルC3-6ヘテロシクリル、NR67、CONR67、NR6(CO)R7、O(CO)R6、CO26、COR6、(SO2)NR67、NR6(SO2)R7、SO26、SOR6、OSO26、および、SO36から選択され、ここにおいて該C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキニル、および、C0-6アルキルC3-6ヘテロシクリルは、任意に1個またはそれ以上のDで置換されていてもよく;または、
2個のR2、R3またはR4置換基は、それらが結合している原子と一緒になって、環または複素環(任意に1個またはそれ以上のDで置換されていてもよい)を形成していてもよく;
5は、独立して、水素、シアノ、OR6、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキニル、C0-6アルキルC3-6ヘテロシクリル、CONR67、CO26、COR6、SO2
6、および、SO36から選択され、ここにおいて該C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキニル、C0-6アルキルC3-6ヘテロシクリルは、任意に1個またはそれ以上のDで置換されていてもよく;
Dは、独立して、ハロゲン、ニトロ、CN、OR6、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキニル、C0-6アルキルヘテロシクリル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、NR67、CONR67、NR6(CO)R7、O(CO)R6、CO26、COR6、(SO2)NR67、NR6SO27、SO26、SOR6、OSO26、および、SO36から選択され、ここにおいて該C16アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキニル、または、C0-6アルキルヘテロシクリルは、任意に、独立してハロ、ニトロ、シアノ、OR6、C1-6アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、および、トリフルオロメトキシから選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されていてもよく;
6およびR7は、独立して、水素、C1-6アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリール、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルC3-6シクロアルケニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキニル、C0-6アルキルヘテロシクリルから選択され;または、
6およびR7は、一緒になって、N、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含む5または6員環の複素環を形成していてもよく;
mは、0、1、2または3であり;
nは、0、1、2または3であり;
pは、0、1、2または3であり;
qは、0、1、2または3である。
【請求項2】
Aは、6員環の複素環(任意に1個またはそれ以上のR1で置換されていてもよい)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Bは、6員環のヘテロ芳香環である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
Bは、ピリジルである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
Bは、5員環のヘテロ芳香環である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項6】
Bは、フリル、チエニル、および、チアゾリルから選択される、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
5は、水素である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
mは、0である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
mは、2である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
1は、ハロゲンである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
nは、0である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
qは、0である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
Cは、1個またはそれ以上のR3で置換されたフェニルである、請求項1〜11のいず
れか一項に記載の化合物。
【請求項14】
3は、独立して、ハロゲン、シアノ、OR6、C16アルキル、および、OSO26から選択され、ここにおいて該C1-6アルキルは、1個またはそれ以上のDで置換されており;Dは、ハロゲンであり、R6は、C1-6アルキルである、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
Cは、ピリミジルである、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
Cは、1個またはそれ以上のR3で置換されたピリジルである、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
3は、独立して、ハロゲン、シアノ、および、OR6から選択され、R6は、C1-6アルキルである、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
Aは、6員環の複素環であり;
Bは、5または6員環のヘテロ芳香環(任意に1個またはそれ以上のR2で置換されていてもよい)であり;
Cは、独立して、フェニルまたは5もしくは6員環のヘテロ芳香環(任意に1個またはそれ以上のR3で置換されていてもよい)から選択され;
3は、独立して、ハロゲン、シアノ、OR6、C1-6アルキル、および、OSO26から選択され、ここにおいて該C1-6アルキルは、1個またはそれ以上のDで置換されており;
5は、水素であり;
Dは、ハロゲンであり;
6は、C1-6アルキルであり;
mは、0であり;
nは、0であり;
pは、0、1または2であり;
qは、0である、
請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
Aは、1個またはそれ以上のR1で置換された6員環の複素環であり;
Bは、6員環のヘテロ芳香環であり;
Cは、フェニルまたは1個またはそれ以上のR3で置換された6員環のヘテロ芳香環であり;
1は、ハロゲンであり;
3は、ハロゲン、および、OR6から選択され;
5は、水素であり;
6は、C1-6アルキルであり;
mは、2であり;
nは、0であり;
pは、1または2であり;
qは、0である、
請求項1に記載の化合物。
【請求項20】
Aは、1個またはそれ以上のR1で置換された6員環の複素環であり;
Bは、6員環のヘテロ芳香環(任意に1個のR2で置換されていてもよい)であり;
Cは、フェニルまたは6員環のヘテロ芳香環(任意に1個またはそれ以上のR3で置換されていてもよい)であり;
1は、ハロゲンであり;
2は、ハロゲンであり;
3は、ハロゲン、および、OR6から選択され;
4は、ハロゲンであり;
5は、水素であり;
6は、C1-6アルキルであり;
mは、2であり;
nは、0または1であり;
pは、0、1または2であり;
qは、0または1である、
請求項1に記載の化合物。
【請求項21】
遊離塩基、または、製薬上許容できる塩、溶媒化合物もしくはそれらの塩の溶媒化合物としての、以下から選択される化合物:
3'−(6−アミノ−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピリミジン−8−イル)−ビフェニル−3−カルボニトリル塩酸塩;
8−(3'−メトキシビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢酸塩;
8−[3−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢酸塩;
8−(3'−クロロビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢酸塩;
8−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.5酢酸塩;
8−(2'−フルオロ−3'−メトキシビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢酸塩;
8−(2'−フルオロ−5'−メトキシビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢酸塩;
3'−(6−アミノ−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−8−イル)−6−フルオロビフェニル−3−カルボニトリル0.25酢酸塩;
3'−(6−アミノ−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−8−イル)−5−クロロビフェニル−3−イルメタンスルホナート0.5酢酸塩;
3'−(6−アミノ−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−8−イル)−4−フルオロビフェニル−3−カルボニトリル0.25酢酸塩;
8−(3'−クロロ−2'−フルオロビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢酸塩;
8−ピリジン−4−イル−8−[3'−(トリフルオロメチル)ビフェニル−3−イル
]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢酸塩;
8−[3'−(メチルスルホニル)ビフェニル−3−イル]−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢酸塩;
8−(3',5'−ジクロロビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢酸塩;
8−(3'−クロロ−5'−メトキシビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢酸塩;
8−(2',3'−ジクロロビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢酸塩;
8−[3−(5−クロロ−2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢酸塩;
8−(3'−エトキシビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.5酢酸塩;
8−(5'−クロロ−2'−フルオロビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢酸塩;
8−(4'−フルオロ−3'−メトキシビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢酸塩;
8−ピリジン−4−イル−8−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢酸塩;
8−[3−(5−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢酸塩;
3'−(6−アミノ−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−8−イル)−5−メトキシビフェニル−3−イルメタンスルホナート0.25酢酸塩;
8−(2',5'−ジクロロビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢酸塩;
8−(3'−クロロ−4'−フルオロビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢酸塩;
8−(3',5'−ジクロロビフェニル−3−イル)−8−(3−フリル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩;
8−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−(3−フリル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩;
8−(3',5'−ジクロロビフェニル−3−イル)−8−(2−フリル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩;
8−(2−フリル)−8−(3'−メトキシビフェニル−3−イル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩;
8−(3',5'−ジクロロビフェニル−3−イル)−8−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩;
8−(3',5'−ジクロロビフェニル−3−イル)−8−(3−チエニル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩;
8−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−(3−チエニル)−
2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩;
3,3−ジフルオロ−8−[3−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩;
3,3−ジフルオロ−8−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.75酢酸塩;
3,3−ジフルオロ−8−(2'−フルオロ−5−メトキシビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.25酢酸塩;
3,3−ジフルオロ−8−(2'−フルオロ−3'−メトキシビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.75酢酸塩;
3,3−ジフルオロ−8−[3−(5−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩、および
3,3−ジフルオロ−8−(3'−メトキシビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン1.25酢酸塩。
【請求項22】
遊離塩基、または、製薬上許容できる塩、溶媒化合物もしくはそれらの塩の溶媒化合物としての、以下から選択される化合物:
3,3−ジフルオロ−8−[3−(5−クロロ−2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩;
3,3−ジフルオロ−8−ピリジン−4−イル−8−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩;
3,3−ジフルオロ−8−[4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩;
3,3−ジフルオロ−8−(2',6−ジフルオロ−3'−メトキシビフェニル−3−イル)−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩;
3,3−ジフルオロ−8−[4−フルオロ−3−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン0.5酢酸塩;
3,3−ジフルオロ−8−(3−フルオロピリジン−4−イル)−8−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;
3,3−ジフルオロ−8−(3−フルオロピリジン−4−イル)−8−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン;および、
3,3−ジフルオロ−8−[3−(6−メトキシピラジン−2−イル)フェニル]−8−ピリジン−4−イル−2,3,4,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン酢酸塩。
【請求項23】
活性成分として、製薬上許容できる賦形剤、キャリアーまたは希釈剤と共に、治療上有効な量の請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項24】
医薬品として使用するための、請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物、または、それらの製薬上許容できる塩。
【請求項25】
Aβ関連の病状を治療または予防するための医薬品としての、請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項26】
Aβ関連の病状を治療または予防するための医薬品としての、請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物の使用であって、ここにおいて該Aβ関連の病状は、ダウン症候群、β−アミロイド血管症、脳アミロイド血管症、遺伝性脳内出血、認知機能障害に関連する障害、MCI(「軽度認知機能障害」)、アルツハイマー病、記憶障害、アルツハイマー病に関連する注意欠陥障害の症状、アルツハイマー病に関連する神経変性、混合性血管性認知症、変性性認知症、初老性認知症、老人性認知症、パーキンソン病に関連する認知症、進行性核上麻痺、または、皮質基底変性症である、上記使用。
【請求項27】
Aβ関連の病状を治療または予防するための医薬品の製造における、請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項28】
Aβ関連の病状を治療または予防するための医薬品の製造における、請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物の使用であって、ここにおいて該Aβ関連の病状は、ダウン症候群、β−アミロイド血管症、脳アミロイド血管症、遺伝性脳内出血、認知機能障害に関連する障害、MCI(「軽度認知機能障害」)、アルツハイマー病、記憶障害、アルツハイマー病に関連する注意欠陥障害の症状、アルツハイマー病に関連する神経変性、混合性血管性認知症、変性性認知症、初老性認知症、老人性認知症、パーキンソン病に関連する認知症、進行性核上麻痺、または、皮質基底変性症である、上記使用。
【請求項29】
BACEと、請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物とを接触させることを含む、BACE活性の阻害方法。
【請求項30】
哺乳動物におけるAβ関連の病状の治療または予防方法であって、患者に、治療上有効な量の請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物を投与することを含む、上記方法。
【請求項31】
Aβ関連の病状は、ダウン症候群、β−アミロイド血管症、脳アミロイド血管症、遺伝性脳内出血、認知機能障害に関連する障害、MCI(「軽度認知機能障害」)、アルツハイマー病、記憶障害、アルツハイマー病に関連する注意欠陥障害の症状、アルツハイマー病に関連する神経変性、混合性血管性認知症、変性性認知症、初老性認知症、老人性認知症、パーキンソン病に関連する認知症、進行性核上麻痺、または、皮質基底変性症である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
哺乳動物は、ヒトである、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
哺乳動物におけるAβ関連の病状の治療または予防方法であって、前記患者に、治療上有効な量の請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物、および、少なくとも1種の向知性薬、記憶促進剤、または、コリンエステラーゼ阻害剤を投与することを含む、上記方法。
【請求項34】
Aβ関連の病状は、ダウン症候群、β−アミロイド血管症、脳アミロイド血管症、遺伝性脳内出血、認知機能障害に関連する障害、MCI(「軽度認知機能障害」)、アルツハイマー病、記憶障害、アルツハイマー病に関連する注意欠陥障害の症状、アルツハイマー病に関連する神経変性、混合性血管性認知症、変性性認知症、初老性認知症、老人性認知症、パーキンソン病に関連する認知症、進行性核上麻痺、または、皮質基底変性症である
、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
哺乳動物は、ヒトである、請求項33に記載の方法。

【公表番号】特表2009−539975(P2009−539975A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−515346(P2009−515346)
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【国際出願番号】PCT/SE2007/000573
【国際公開番号】WO2007/145570
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【出願人】(506025512)アステックス・セラピューティクス・リミテッド (42)
【氏名又は名称原語表記】ASTEX THERAPEUTICS LIMITED
【Fターム(参考)】