説明

アミノ酸の二塩酸塩を製造するための方法

【課題】セフェピムは、広い作用スペクトルを有するセファロスポリンであり、滅菌二塩酸セフェピム一水和物へ直接変換する工業的方法の提供。
【解決手段】合成により生産された硫酸セフェピムを、pH7.0ないし8.0の水に0℃から+5℃の間の温度で溶解すること、15%から30%の間の濃度の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、次いで前記溶液を水混和性有機溶媒で希釈して、形成された硫酸ナトリウムを沈殿させること、前記沈殿を濾過し、次いで滅菌条件下で前記溶液を濾過すること並びに前記溶液を6NHClによりpH0.4ないし0.6に酸性化し、次いで二塩酸塩一水和物が完全に沈殿するまで同一のすでに使用された有機溶媒で希釈し、次いで沈殿を濾過し、アセトンで洗浄しおよび真空下で3.0%から4.5%の間のK.F.になるまで乾燥することを特徴とする、滅菌した二塩酸セフェピム一水和物を製造するための方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明が関連するアミノ酸は抗生物質、特にセファロスポリンであり、より具体的にはセフェピムとして知られているセファロスポリンである。
【背景技術】
【0002】
セフェピムは、広い作用スペクトルを有するセファロスポリンであり、米国特許第4406899号に記載されており、米国特許第4910301号に記載されている二塩酸塩一水和物として注射によって投与される。前記二塩酸塩一水和物の調製は、特定の特許、すなわち米国特許第4910301号、米国特許第49944451号、米国特許第5244891号、米国特許第5594129号に記載されている。調製は、合成により得られた硫酸塩がイオン交換樹脂で処理され、純粋な双性イオンが遊離され、それより望ましい二塩酸塩が調製されることを必須として行われる。米国特許第4910301号の実施例11に記載の方法によれば、理論値の88.6%に等しい収率が得られるが、前記操作はかなり冗長で複雑である。概念的に言えば、イオン交換樹脂による処理後に得られた、前記双性イオンを含有する水溶液は、溶媒で抽出後6NHClにより酸性化され、残余溶媒が留去され、脱色されおよび濾過される。アセトンが、このようにして得られた前記酸性水溶液へ前記二塩酸塩の沈殿が完了するまで滴下により添加される。一方、前記樹脂は別に再生される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本特許出願の目的は、上記米国特許第4910301号のすでに十分な方法よりも一層高い収率を有する、非常に単純で迅速な工業的方法を記述することである。
【0004】
この目的に関して、前記双性イオンを遊離させるための樹脂により処理は、手順を冗長にしおよび樹脂の再生用などの反応器、フィルター等を含むので、しかしながら前記合成から派生した硫酸セフェピムは、結晶化溶媒を除いて有機溶媒を使用せずに滅菌二塩酸セフェピム一水和物へ直接変換できるので、驚くべきことに不必要であることが明らかとなった。前記硫酸セフェピムは、実際、水へ供給され、水酸化ナトリウム水溶液を添加することにより対応する双性イオンへと変換され、このようにして得られた溶液は、脱色され、アセトンで希釈され、濾過されて沈殿した硫酸ナトリウムが除去される。それゆえ、前記二塩酸塩が6NHClの添加によってそれより簡単に結晶化される溶液が得られる。
【0005】
ここで、以下の実施例において、上述の方法が詳細に記載される。
【実施例1】
【0006】
80.65%の純度を有する硫酸セフェピム300gを、冷却され0℃/+5℃に維持された脱イオン水1300mlへと供給し、次にpHが7.7になるまで水酸化ナトリウム水溶液を滴下により添加する。
【0007】
前記水溶液をアセトン6lで希釈する。硫酸ナトリウムの沈殿を濾過し、アセトン及び脱イオン水の溶液で洗浄する。得られた溶液を滅菌ろ過し、滅菌水で洗浄する。
【0008】
前記溶液をアセトン1lで希釈し、6NHClを周囲温度でpH0.5になるまで滴下により添加する。次にアセトン10lを周囲温度で細い流れとして30分かけて添加し、周囲温度で結晶化を完了するまで撹拌し続ける。
【0009】
前記生成物を濾過し、アセトンで洗浄し、次いで真空下40℃で3.0%ないし4.5%のK.F.になるまで乾燥させる。
【0010】
収量: 84.63%の純度を有し、理論値の91%収率に等しい、二塩酸セフェピム一水和物260g。
【0011】
実施例1に記載された操作によって、75%ないし85%の純度を有する硫酸セフェピムを使用し、及び前記pHが7から8の間になるまで水酸化ナトリウム水溶液を添加することによって、同様の結果を得ることができる

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成により生産された硫酸セフェピムを、pH7.0ないし8.0の水に0℃から+5℃の間の温度で溶解すること、15%から30%の間の濃度の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、次いで前記溶液を水混和性有機溶媒で希釈して、形成された硫酸ナトリウムを沈殿させること、前記沈殿を濾過し、次いで滅菌条件下で前記溶液を濾過すること並びに前記溶液を6NHClによりpH0.4ないし0.6に酸性化し、次いで二塩酸塩一水和物が完全に沈殿するまで同一のすでに使用された有機溶媒で希釈し、次いで沈殿を濾過し、アセトンで洗浄しおよび真空下で3.0%から4.5%の間のK.F.になるまで乾燥すること
を特徴とする、滅菌した二塩酸セフェピム一水和物を製造するための方法。
【請求項2】
6NHClによる前記溶液の酸性化が、pHが0.5になるまで行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
硫酸セフェピムが75%から85%の間の純度を有することを特徴とする、請求項1及び請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記有機溶媒がアセトンであることを特徴とする、請求項1ないし3に記載の方法。

【公開番号】特開2007−77137(P2007−77137A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−214159(P2006−214159)
【出願日】平成18年8月7日(2006.8.7)
【出願人】(506269068)ハーベスト・ロツジ・リミテツド (2)
【Fターム(参考)】