説明

アラルキルピペリジン(又はピペラジン)誘導体及びその統合失調症治療のための使用

本発明はアラルキルピペリジン(又はピペラジン)誘導体並びにその統合失調症及び関連の神経精神系疾患治療薬物の調製における使用を開示する。本発明の誘導体は良好な抗統合失調症作用と低い毒性を有することが薬理試験により示されている。前記誘導体は以下の一般構造式を有する化合物の遊離塩基又は塩である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアラルキルピペリジン(又はピペラジン)誘導体並びにその製造方法及び使用に関する。
【背景技術】
【0002】
統合失調症はよく見られる重症精神疾患であり、全ての精神疾患の中で最も重く、危害が最も大きい疾患の一つであり、世界での羅患率は約1%である。社会環境の悪化や生活プレッシャーが日増しに増加するのに伴い、羅患率は明らかに上昇傾向にある。多くの統合失調症患者は治療の期間が長く、費用が高く、副作用が大きいことから治療を放棄し、往々にして更に厳しい社会的結果を招いてしまう。
【0003】
多くの研究により、脳内ドーパミン系統が人体の正常な精神活動と密接に関連していることが明らかになっている。ドーパミン系統の乱れが多くの神経精神系疾患、例えば統合失調症、神経痛、躁病、不安神経症、うつ病各種、パーキンソン病などを引き起こし、そして、これら多くの疾患の中で、統合失調症はドーパミン作動性系統との関係が最も密接である。
【0004】
現在、臨床で使用されている主な薬物は伝統的抗精神病薬(例えば、ドーパミンD2受容体拮抗薬)と非典型的抗精神病薬(例えば、D2/5-HT二重拮抗薬)であり、そのうち、伝統的抗精神病薬は錐体外路症状(EPS)を引き起こしやすいことから次第に淘汰され、非典型的抗精神病薬は種類が多いが、いずれも統合失調症の全体のスベクトルの改善に絶対的な優勢をもつというものではなく、多くは陽性又は陰性症状の中のある一つの症状が改善される、又は副作用が低くなるというものである。したがって、毒副作用が低く、効き目が早く、治療スベクトルが広い新型抗統合失調症薬を求めることはずっと世界製薬業界の研究焦点であった。
【0005】
近年、科学者により、ドーパミン受容体部分作動薬がドーパミン過剰活動時に完全遮断ではなくドーパミンの伝達を減らし、逆に、ドーパミン作動性活性低下時に刺激作用を起こし、精神病の陽性症状にも陰性症状にも顕著な治療効果を持ち、長期使用により統合失調症の再発率をも低下でき、情緒や認知機能障害を改善できることが発見された。そのEPS副作用及び血清プロラクチンレベルを高くする作用は伝統的抗精神病薬よりも非典型的抗精神病薬よりも小さいため、ドーパミンD2受容体部分作動作用を有する新型の抗精神病薬は現在の研究開発の重点及び主な発展方向となっている。
【0006】
本発明にかかる前記アラルキルピペリジン(又はピペラジン)誘導体は脳内ドーパミン作動性系統を安定させることができ、複数の神経精神系疾患に対して改善及び治療作用を持ち得、神経痛、躁病、統合失調症、不安神経症、うつ病各種、パーキンソン病、特に統合失調症の治療に用いることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題の一つ目は、従来薬物の錐体外路症状が顕著で、プロラクチンが高くなる等の副作用を有する欠陥を克服し、臨床課題を解決し、臨床用薬剤の要求を満足できるようなアラルキルピペリジン(又はピペラジン)誘導体を開示することである。
【0008】
本発明が解決しようとする課題の二つ目は、統合失調症及び関連の神経精神系疾患治療薬物の製造のための前記化合物の使用を開示することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に記載のアラルキルピペリジン(又はピペラジン)誘導体は一般構造式(1)で示す化合物又はその遊離塩基又は塩である:
【0010】
【化1】

【0011】
一般式(1)の化合物が遊離塩基の場合、これらはいずれも各種の無機酸及び有機酸とそれぞれ異なる塩を形成できる。
【0012】
前記塩は薬物的に許容され得るアニオンを含む塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩又は硫酸水素塩、リン酸塩又は酸性リン酸塩、アセテート、乳酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルカレート、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩であり、前記塩は0.5-3分子の結晶水を含むのが好ましく、前記塩は塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酒石酸塩又はメタンスルホン酸塩が好ましい。
【0013】
一般式(1)において、
A環はN原子を含む5-7員ヘテロ環であり、該ヘテロ環にはさらにO、S、Nから任意に選ばれるヘテロ原子が含まれる。一部のA環の構造は以下のとおり:
【0014】
【化2】

【0015】
X は酸素、アミノ基又は置換アミノ基であり、一部の
【0016】
【化3】

【0017】
の構造は以下のとおり:
【0018】
【化4】

【0019】
【化5】

【0020】
は単結合又は二重結合である。
【0021】
【化6】

【0022】
が単結合のとき、ZはCH又はN、
【0023】
【化7】

【0024】
が二重結合のとき、ZはCである。
【0025】
YはO、N、Sである。
【0026】
n は 1-5の整数である。
【0027】
R1は水素、C1−C4のアルキル基、C5又はC6の脂肪環、フェニル基、置換フェニル基又はヒドロキシ基を示す。
【0028】
R2は水素、C1−C4のアルキル基、C5又はC6の脂肪環、フェニル基及び置換フェニル基、ヒドロキシ基、アミノ基及び置換アミノ基、C1−C4のアルコキシ基、C1−C4のアシル基、ハロゲンを示す。但し、C1−C4のアルキル基、C1−C4のアルコキシ基、C1−C4のアシル基、C5又はC6の脂肪環におけるアルキル基部分は1-3個のフルオロ原子により任意に置換されてもよい。置換フェニル基はフェニル環上に1-4個の置換基を有し、その置換基はハロゲン、ヒドロキシ基、アルコキシ基又はアミノ基であり、下記置換フェニル基の意味もこれと同じである。
【0029】
R3は水素、ハロゲン、C1−C4のアルキル基、C1−C4のアルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基から選ばれ、C1−C4のアルキル基及びC1−C4のアルコキシ基にはN、S、O、F等の原子が含まれてもよい。前記置換アミノ基はアミノ基上にC1−C4のアルキル基、C5又はC6の脂肪環、フェニル基又は置換フェニル基を有し、下記置換アミノ基の意味はこれと同じである。
【0030】
R4は水素、C1−C4のアルキル基、C5又はC6の脂肪環、フェニル基及び置換フェニル基、ヒドロキシ基、アミノ基及び置換アミノ基、C1−C4のアルコキシ基、C1−C4のアシル基、ハロゲン、カルボン酸及びカルボン酸エステル等のうちの一種を示す。但し、C1−C4のアルキル基、C1−C4のアルコキシ基、C1−C4のアシル基、C5又はC6の脂肪環におけるアルキル基部分は1-3個のフルオロ原子により任意に置換されてもよい。
【0031】
R5、R6は水素、C1−C4のアルキル基、C5又はC6の脂肪環、5員又は6員の一個又は二個のN、O、Sヘテロ原子を含む飽和又は不飽和脂肪環、フェニル基及び置換フェニル基、ヒドロキシ基、C1−C4のアルコキシ基、C1−C4のアシル基、ハロゲン、カルボン酸及びカルボン酸エステル、アミノ基及び置換アミノ基、ニトロ基又はアセトニトリル等のうちの一種を示す。但し、C1−C4のアルキル基、C1−C4のアルコキシ基、C1−C4のアシル基、C5又はC6の脂肪環におけるアルキル基部分は1-3個のフルオロ原子により任意に置換されてもよい。
【0032】
本発明のその他の好ましい実施形態は、Xが酸素のとき、Zは CH、YはO、N、Sであることを特徴とする一般式(1)の化合物及びその薬物的に許容され得る塩に関する。
【0033】
本発明のその他の好ましい実施形態は、Xが酸素のとき、ZはC、
【0034】
【化8】

【0035】
は二重結合、YはO、N、Sであることを特徴とする一般式(1)の化合物及びその薬物的に許容され得る塩に関する。
【0036】
本発明のその他の好ましい実施形態は、Xが酸素のとき、ZはN、YはO、N、Sであることを特徴とする一般式(1)の化合物及びその薬物的に許容され得る塩に関する。
【0037】
本発明のその他の好ましい実施形態は、XがOのとき、R3はCl又は-OCH3であることを特徴とする一般式(1)の化合物及びその薬物的に許容され得る塩に関する。
本発明に係るアラルキルピペリジン(又はピペラジン)誘導体は構造中の不斉炭素がアキラル及びキラル炭素原子であることを特徴とする。
【0038】
本発明に係るアラルキルピペリジン(又はピペラジン)誘導体は前記塩が薬物的に許容され得るアニオンを含む塩であって、前記塩は塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、トリフルオロ酢酸塩又はメタンスルホン酸塩であり、前記塩は0.5-3分子の結晶水を含み、前記アラルキルピペリジン(又はピペラジン)誘導体は、
I-1 7-[4-(4-(3-(6-クロロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
I-2 7-[4-(4-(3-(5-クロロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
I-3 7-[4-(4-(3-(ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
I-4 7-[4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
I-5 7-[4-(4-(3-(6-トリフルオロメチル-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
I-6 7-[4-(4-(3-(6-メチル-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
I-7 7-[4-(4-(3-(5-メチル-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
I-8 7-[4-(4-(3-(6-ヒドロキシ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
I-9 7-[4-(4-(3-(5-メトキシ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
I-10 7-[4-(4-(3-(5-シアノ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
I-11 7-[4-(4-(3-(5-ブロモ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
I-12 7-[4-(4-(3-(7-ブロモ-6-メトキシ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
II-1 7-[4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
II-2 7-[3-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-n-プロポキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
II-3 7-[2-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-エトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
II-4 7-[2-(4-(3-ベンズイソオキサゾリル)-1-ピペリジニル)-エトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
II-5 7-[4-(4-(3-(6-クロロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
II-6 7-[4-(4-(3-(5-メトキシ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
II-7 7-[4-(4-(3-(5-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
II-8 7-[4-(4-(3-(5,6-ジメトキシ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
II-9 7-[4-(4-(3-(5-ヒドロキシ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
II-10 7-[4-(4-(3-(5,6-ジヒドロキシ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
II-11 E-7-[4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-2-ブテニルオキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
II-12 Z-7-[4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-2-ブテニルオキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
II-13 7-(((1R,2S)-2-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)メチル)シクロヘキシル)メトキシ)-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
II-14 7-(((1R,2R)-2-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)メチル)シクロヘキシル)メトキシ)-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
III-1 7-[4-(4-(3-(1,2-ベンズイソチアゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
III-2 7-[3-(4-(3-(1,2-ベンズイソチアゾリル))-1-ピペラジニル)-n-プロポキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
III-3 7-[2-(4-(3-(1,2-ベンズイソチアゾリル))-1-ピペラジニル)-エトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
III-4 7-[4-(4-(3-(6-メトキシ-1,2-ベンズイソチアゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
III-5 7-[4-(4-(3-(7-メトキシ-1,2-ベンズイソチアゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
III-6 7-[4-(4-(3-(5-メトキシ-1,2-ベンズイソチアゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
III-7 7-[4-(4-(3-(4-メトキシ-1,2-ベンズイソチアゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
IV-1 6-(4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ)-ジヒドロインドール-2-オン、
IV-2 5-(4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル)) -1-ピペリジニル)-n-ブトキシ) -2(3H)-ベンゾオキサゾロン、
IV-3 6-[4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-(1H)-インドール、
IV-4 6-[4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-(1H)-ベンゾイミダゾール、
IV-5 6-[4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-(1H)-インダゾール、
IV-6 6-[4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-(1H)-ベンゾ(1,2,3)トリアゾール、
IV-7 7-(4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ) -2(1H)-キノリノン、
IV-8 7-(4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ)-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン、
IV-9 7-(4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ) -3-メチル-2(1H)-キノリノン又は
IV-10 7-(4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ) -4-メチル-2(1H)-キノリノン
からなる群から選ばれることを特徴とする。
【0039】
本発明はさらに治療有効量の一般構造式(1)で示す化合物又は該化合物の遊離塩基又は塩、および医学的に許容され得る担体を含む統合失調症の治療のための組成物に関する。
【0040】
本発明はさらに統合失調症及びその他の神経精神疾患治療薬物の製造のための化合物又はその遊離塩基又は塩の使用に関する。前記神経精神疾患は神経痛、躁病、統合失調症、不安神経症、うつ病各種、パーキンソン病等を含む。
【0041】
具体的な構造式は表1に示すとおりである:
【0042】
【化9】

【0043】
【表1−1】

【0044】
【表1−2】

【0045】
【表1−3】

【0046】
【表1−4】

【0047】
但し、さらに好ましい化合物は、
II-1 7-[4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン又は
III-1 7-[4-(4-(3-(1,2-ベンズイソチアゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン
からなる群から選ばれる。
【0048】
一般式(1)の化合物はキラル中心を有することができ、キラル中心により生じる複数種の異性体は、例えば分割、分別結晶、キラル合成等、通常の方法で製造でき、これらの単一異性体はラセミ体よりもより良好な活性及びさらに小さい副作用を有する可能性がある。
【0049】
本発明の化合物は以下の方法で合成できる:
一般製法一:
【0050】
【化10】

【0051】
但し、D、Eはハロゲンを示し、A、X、Y、Z、n、R1、R2、R3、R4、R5、R6は上述のとおり、塩基はK2CO3、Et3N又はピリジン等の有機又は無機塩基をすることができる。
【0052】
化合物I (10mmol)、化合物II (20mmol)及び無水炭酸カリウム(30mmol)を30ml DMFに加え、60℃で12時間反応させ、反応を停止したら、反応液に水100mlを加え、エチルアセテートで50ml*3抽出し、抽出液を合併し、水100mlで逆洗し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発乾固させ、白色粉末を得て、白色粉末を30mlのヘキサンにサスペンションさせ、20分攪拌し、濾過し、化合物IIIを得る。
【0053】
化合物III(10mmol)、化合物IV(20mmol)及び無水炭酸カリウム(30mmol)を30ml DMFに加え、80℃で5時間反応させ、反応を停止したら、反応液に水100mlを加え、エチルアセテートで50ml*3抽出し、抽出液を合併し、水100mlで逆洗し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発乾固させ、オイル状物を得て、HClで塩にし、エタノール(又はメタノール)で再結晶し、生成物Vを得る。
【0054】
但し、化合物Iは市販のものを購入するか、又は文献J.Med.Chem. 1991,34,3316-3328及びPCT特許WO2005019215の関連方法で製造できる。
【0055】
化合物IIは市販のものを購入するか、又は以下の方法で合成できる:
【0056】
【化11】

【0057】
一部の化合物IIIは市販のものを購入できるが、容易に市販購入できない関連の中間体は汎用の合成方法で製造できる。
【0058】
化合物IVは汎用の合成方法で製造できる。
【0059】
本発明に関するヘテロ環置換ピペリジン(又はピペラジン)誘導体はドーパミンD2 受容体に対して比較的高い親和力を有し、これらの中の大多数の化合物が受容体に対して拮抗活性を示し、幾つかの化合物はD2 受容体に対して部分作動作用を示すことがin vitro受容体結合の試験により明らかになっている。
【0060】
この類の化合物はアポモルヒネモデルマウスの関連症状を改善できることが動物試験の結果により示されている。これらのin vitro作用ターゲット及びin vivo薬理モデルはドーパミン機能の乱れによる神経系統疾患、特に統合失調症と密接に関連することから、本発明に係る化合物は統合失調症に治療作用を有することを提示する。
【0061】
好ましい化合物II-1は顕著な抗統合失調症作用を有し、経口投与における吸収が比較的良好で、急性毒性(LD50>2000mg/Kg、マウスへ1回経口投与)がアリピプラゾール及びジプラシドンに相当し、リスペリドンよりもはるかに低く、Ames試験が陰性で、治療指数が比較的大きく、新型抗統合失調症薬として開発される潜在的価値を有することが動物モデルの研究結果により明らかになっている。
【0062】
本発明の誘導体は組成物の形式で、経口や注射等によりこのような治療を必要とする患者に投与することができ、具体的には患者の病状、年齢、性別により医師が決定できる。
【0063】
前記組成物は治療有効量の前記アラルキルピペリジン(又はピペラジン)誘導体及び医学的に許容され得る担体を含む。
【0064】
かかる担体とは薬学分野でよくみられる担体を指し、例えば、水のような希釈剤や賦形剤;セルロース誘導体、ゼラチン、ポリビニルピロリドン等のような粘着剤;でんぷん等のような充填剤;炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウムのような崩壊剤、ステアリン酸カルシウム又はステアリン酸マグネシウム等のような潤滑剤がある。また、組成物に香味剤や甘味料のような他の補助剤を加えることもできる。経口投与の場合、錠剤、粉剤又はカプセル等、一般的な固体製剤に製造することができる。注射投与の場合、注射液に製造することができる。
【0065】
本発明の組成物の各種剤形は医学分野での一般的な方法で調製でき、そのうち、活性成分の含有量は0.1%〜99.5%(重量比)である。
【0066】
以上を総じて、本発明のアラルキルピペリジン(又はピペラジン)誘導体はドーパミンD2受容体に対して比較的高い親和力を有し、比較的強い拮抗活性を有するだけでなく、ドーパミンD2受容体に対する部分作動作用も体現する。この類の化合物はアポモルヒネモデルマウスの関連症状を改善できることがin vivo試験により示されている。これらのin vitro作用ターゲット及びin vivo薬理モデルは統合失調症と密接に関連することから、本発明に係る化合物は統合失調症に治療作用を有することを提示する。そのうち、II-1は比較的強い抗統合失調症作用を有し、経口投与における吸収が比較的良好で、その急性毒性(LD50>2000mg/Kg、マウスへ1回経口投与)がアリピプラゾール及びジプラシドンに相当し、リスペリドンよりもはるかに低く、新型抗精神神経疾患薬として研究開発される潜在的価値を有する。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】ドーパミンD2受容体に対する陽性薬ハロペリドール(haloperidol)の親和力曲線を示す。
【図2】ドーパミンD2受容体に対する化合物II-1の親和力曲線を示す。
【図3】ドーパミンD2受容体に対する化合物III-1の親和力曲線を示す。
【図4】ドーパミンD2受容体に対する化合物II-1の部分作動活性曲線を示す。
【図5】アポモルヒネ誘発マウス統合失調症行為に対する化合物II-1の作用を示す。
【図6】アポモルヒネ誘発マウス統合失調症行為に対する化合物II-1の作用を示す。
【発明を実施するための形態】
【0068】
実施例1
I-1 7-[4-(4-(6-クロロ-ベンズイソオキサゾリル)-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンの塩酸塩
1)4-クロロ-サリチル酸メチルの調製
5mlの濃硫酸を100mlのメタノールにゆっくりと滴下し、溶液が冷却したら、4-クロロ-サリチル酸粉末(17.20g,0.1mol)を加え、24時間還流反応させ、冷却し、大量の沈殿物を析出させ、濾過し、少量のメタノールで洗浄し、無水エタノールで再結晶し、4-クロロ-サリチル酸メチル15.60gを得る。収率は83%。
【0069】
2) 4-クロロ-N,2-ジヒドロキシ-ベンズアミドの調製
塩酸ヒドロキシルアミン固体(5.25g,75mmol)をナス型フラスコに入れ、アイスバスで少量の水を滴下してそれを溶解し、その後、50%のNaOH溶液15mlを滴下し、5分攪拌し、N2保護下で溶液に4-クロロ-サリチル酸メチル(9.3g,50mmol)のジオキサン溶液50mlを滴下し、滴下終了後、室温で24時間反応し、紅褐色沈殿物を析出させ、濾過し、ナス型フラスコに入れ、10%の塩酸50mlを加え、0.5時間還流し、室温まで冷却し、黄色沈殿物を析出させ、濾過し、無水エタノールで再結晶し、4-クロロ-N,2-ジヒドロキシ-ベンズアミド8.25gを得る。収率は88%。
【0070】
3)3-ヒドロキシ-6-クロロ-ベンズイソオキサゾールの調製
N2保護下で4-クロロ-N,2-ジヒドロキシ-ベンズアミド(8g,42.7mmol)を10mlのテトラヒドロフランに加え、内温を30℃より低く保持し、10mlの SOCl2をゆっくり滴下し、滴下後に30分攪拌し、蒸発乾固し、無水ベンゼンで残りのSOCl2を共沸蒸留し、蒸発乾固し、黄色粉末を得る。得られた粉末を10mlのジオキサンで溶解し、内温を30℃より低く保持し、5mlのEt3Nをゆっくりと滴下し、30分攪拌し、その後、10%の塩酸をpH=2になるまで滴下し、攪拌し、大量の薄黄色沈殿物を析出させ、濾過し、メタノールで再結晶し、3-ヒドロキシ-6-クロロ-ベンズイソオキサゾール6.50gを得る。収率は89%。
【0071】
4)3,6-ジクロロベンズイソオキサゾールの調製
3-ヒドロキシ-6-クロロ-ベンズイソオキサゾール(6g,35mmol)、20mlの塩化ホスホリル、1mlのEt3Nをマイクロ波反応器に入れ、150℃で0.5時間反応し、塩化ホスホリルを留去し、残留物を20mlのジクロロメタンで希釈し、氷水混合物20gを加え、攪拌し、有機相を分離し、水相は引き続き20ml*2のジクロロメタンで抽出し、ジクロロメタン層を合併し、20mlの飽和食塩水で洗浄し、無水MgSO4で脱水し、蒸発乾固し、アルミナ(200-300メッシュ)カラムクロマトグラフィーで分離し、ジクロロメタン:メタノール=200:1で溶離し、3,6-ジクロロベンズイソオキサゾール5.2gを得る。収率は79%。
【0072】
5)6-クロロ-3-ピペラジニル-ベンズイソオキサゾールの調製
3,6-ジクロロベンズイソオキサゾール(5.2g,27.8mmol)、無水ピペラジン(24g,278mmol)をナス型フラスコに入れ、120℃で24時間反応し、反応終了後、52mlの氷水を加えてクエンチし、溶液に50%のNaOH溶液を15ml加え、5分攪拌し、ジクロロメタン30ml*3で抽出し、ジクロロメタン層を合併し、飽和食塩水20mlで洗浄し、無水MgSO4で脱水し、蒸発乾固し、アルミナ(200-300メッシュ)カラムクロマトグラフィーで分離し、ジクロロメタン:メタノール=100:1で溶離し、6-クロロ-3-ピペラジニル-ベンズイソオキサゾール4.7gを得る。収率は71%。
【0073】
6)7-(4-クロロブトキシ)-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンの調製
1-ブロモ-4-クロロ-ブタン(3.4g,20mmol)、無水炭酸カリウム粉末(4.14g,30mmol)及び7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン(1.63g,10mmol)を10mlのアセトンに加え、24時間還流し、反応液を蒸発乾燥し、ジクロロメタンと水20mlずつで分配し、有機層を順に水20ml*2、飽和食塩水20mlで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発乾固し、薄黄色粉末を得る。得られた粉末をn-ヘキサン20ml*3でスラリー洗浄し、濾過し、乾燥し、7-(4-クロロブトキシ)-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン1.98gを得る。収率は78%。
【0074】
7)7-[4-(4-(6-クロロ-ベンズイソオキサゾリル)-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンの塩酸塩の調製
7-(4-クロロブトキシ)-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン(278mg,1.1mmol)、6-クロロ-3-ピペラジニル-ベンズイソオキサゾール(237mg,1mmol)、無水炭酸カリウム粉末(414mg,3.3mmol)を10mlのDMFに加え、24時間還流反応し、反応液を蒸発乾燥し、ジクロロメタンと水を20mlずつ加え、有機層を順に水20ml*2、飽和食塩水20mlで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発乾固し、薄黄色粉末を得て、5mlのアセトンで溶解し、アイスバスにて攪拌し、白色固体を析出させ、濾過し、少量のアセトンで洗浄し、乾燥し、7-[4-(4-(6-クロロ-ベンズイソオキサゾリル)-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンを260mg得て、それを5mlの無水エタノールに溶かし、HCl/C2H5OH でpH=2に調節し、白色固体を析出させ、濾過し、無水エタノールで再結晶し、生成物200mgを得る。収率は38%。
【0075】
元素分析:C24H27ClN4O3×2HCl (理論値%:C 63.36, H 5.98, N 12.31; 実測値% C 63.11, H 5.89, N 12.01)
1HNMR(DMSO-d6): δ9.82(s,1H,CONH),7.94-6.48,(6H, 芳香環-H),4.09-4.10(2H,ピペラジン-H),3.83(t,J=6.4Hz,2H,O-CH2,) 3.56-3.60(2H,ピペラジン-H),3.21-3.48(m,6H),2.76(t,J=8Hz,2H) 2.55(t,J=8Hz,2H)1.60-1.93(m,4H)
MS : m/z 454
実施例2
I-2 7-[4-(4-(5-クロロ-ベンズイソオキサゾリル)-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンの塩酸塩
I-1の調製において、4-クロロ-サリチル酸に代えて、5-クロロ-サリチル酸を出発原料とし、実施例1の合成プロセスで目的とする化合物を得る。
【0076】
元素分析:C24H27ClN4O3×2HCl (理論値%:C 63.36,H 5.98, N 12.31; 実測値% C 63.32, H 5.92, N 12.24)
1HNMR(DMSO-d6): δ10.03(s,1H,CONH),7.99-6.46,(6H,芳香環-H),4.10-4.15(2H,ピペラジン-H),3.99(t,J=6.4Hz,2H,O-CH2,) 3.50-3.70(2H,ピペラジン-H),3.22-3.57(m,6H),2.75(t,J=8Hz,2H),2.45(t,J=8Hz,2H)1.71-1.98(m,4H)
MS : m/z 454
実施例3
I-3 7-[4-(4-(ベンズイソオキサゾリル)-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンの塩酸塩
I-1の調製において、4-クロロ-サリチル酸メチルに代えて、サリチル酸を出発原料とし、実施例1の合成プロセスで目的とする化合物を得る。
【0077】
元素分析:C24H28N4O3×2HCl (理論値%:C 68.55,H 6.71, N 13.32; 実測値% C 68.50, H 6.65, N 13.21)
1HNMR(DMSO-d6): δ10.00(s,1H,CONH), 7.96-6.48,(7H,芳香環-H),4.05-4.10(2H,ピペラジン-H),3.93(t,J=6.4Hz,2H,O-CH2,) 3.59-3.62(2H,ピペラジン-H),3.20-3.50(m,6H),2.78(t,J=8Hz,2H)2.41(t,J=8Hz,2H)1.73-1.93(m,4H)
MS : m/z 420
実施例4
I-4 7-[4-(4-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル)-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンの塩酸塩
I-1の調製において、4-クロロ-サリチル酸に代えて、4-フルオロ-サリチル酸を出発原料とし、実施例1の合成プロセスで目的とする化合物を得る。
【0078】
元素分析:C24H27FN4O3×2HCl (理論値%:C 56.36,H 5.72, N 10.96; 実測値% C 56.49, H 5.75, N 10.88)
1HNMR(DMSO-d6): δ10.08(s,1H,CONH),8.02-6.48,(6H,芳香環-H),4.01-4.11(2H,ピペラジン-H),3.97(t,J=6.4Hz,2H,O-CH2,) 3.57-3.64(2H,ピペラジン-H),3.22-3.48(m,6H),2.79(t,J=8Hz,2H),2.40(t,J=8Hz,2H)1.80-1.93(m,4H)
MS : m/z 438
実施例5
I-5 7-[4-(4-(6-トリフルオロメチル-ベンズイソオキサゾリル)-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンの塩酸塩
I-1の調製において、4-クロロ-サリチル酸に代えて、4-トリフルオロメチル-サリチル酸を出発原料とし、実施例1の合成プロセスで目的とする化合物を得る。
【0079】
元素分析:C25H27F3N4O3×2HCl (理論値%:C 53.48,H 5.21, N 9.98; 実測値% C 53.26, H 5.18, N 9.94)
1HNMR(DMSO-d6): δ9.93(s,1H,CONH),8.04-6.48,(6H,芳香環-H),4.03-4.09(2H,ピペラジン-H),3.98(t,J=6.4Hz,2H,O-CH2,) 3.55-3.60(2H,ピペラジン-H),3.21-3.49(m,6H),2.80(t,J=8Hz,2H),2.39(t,J=8Hz,2H)1.80-1.93(m,4H)
MS : m/z 488
実施例6
I-6 7-[4-(4-(6-メチル-ベンズイソオキサゾリル)-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンの塩酸塩
I-1の調製において、4-クロロ-サリチル酸に代えて、4-メチル-サリチル酸を出発原料とし、実施例1の合成プロセスで目的とする化合物を得る。
【0080】
元素分析:C25H30N4O3×2HCl (理論値%:C 59.17,H 6.36, N 11.04; 実測値% C 59.05, H 6.34, N 11.01)
1HNMR(DMSO-d6): δ9.89(s,1H,CONH),7.94-6.48,(6H,芳香環-H),4.03-4.09(2H,ピペラジン-H),3.87(t,J=6.4Hz,2H,O-CH2,) 3.57-3.60(2H,ピペラジン-H),3.21-3.51(m,6H),2.80(t,J=8Hz,2H),2.44(t,J=8Hz,2H),1.79-1.93(m,7H)
MS : m/z 434
実施例7
I-7 7-[4-(4-(5-メチル-ベンズイソオキサゾリル)-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンの塩酸塩
I-1の調製において、4-クロロ-サリチル酸に代えて、5-メチル-サリチル酸を出発原料とし、実施例1の合成プロセスで目的とする化合物を得る。
【0081】
元素分析:C25H30N4O3×2HCl (理論値%:C 59.17,H 6.36, N 11.04; 実測値% C 58.93, H 6.32, N 10.97)
1HNMR(DMSO-d6): δ9.90(s,1H,CONH),7.74-6.48,(6H,芳香環-H),4.09-4.18(2H,ピペラジン-H),3.88(t,J=6.4Hz,2H,O-CH2,) 3.57-3.63(2H,ピペラジン-H),3.20-3.57(m,6H),2.78(t,J=8Hz,2H),2.43(t,J=8Hz,2H)1.80-2.01(m,7H)
MS : m/z 434
実施例8
I-8 7-[4-(4-(6-ヒドロキシ-ベンズイソオキサゾリル)-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンの塩酸塩
I-1の調製において、4-クロロ-サリチル酸に代えて、4-ヒドロキシ-サリチル酸を出発原料とし、実施例1の合成プロセスで目的とする化合物を得る。
【0082】
元素分析:C25H28F3N4O3×2HCl (理論値%:C 53.48,H 5.21, N 9.98; 実測値% C 53.26, H 5.18, N 9.94)
1HNMR(DMSO-d6): δ9.87(s,1H,CONH),8.04-6.48,(6H,芳香環-H),5.12(b,1H,ヒドロキシ-H),4.10-4.15(2H,ピペラジン-H),3.85(,J=6.4Hz,2H,O-CH2,) 3.60-3.72(2H,ピペラジン-H),3.21-3.53(m,6H),2.84(t,J=8Hz,2H),2.39(t,J=8Hz,2H)1.83-2.01(m,4H)
MS : m/z 488
実施例9
I-9 7-[4-(4-(5-メトキシ-ベンズイソオキサゾリル)-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンの塩酸塩
I-1の調製において、4-クロロ-サリチル酸に代えて、5-メトキシ-サリチル酸を出発原料とし、実施例1の合成プロセスで目的とする化合物を得る。
【0083】
元素分析:C25H30N4O3×2HCl (理論値%:C 57.36,H 6.16, N 10.70; 実測値% C 57.13, H 6.13, N 10.65)
1HNMR(DMSO-d6): δ9.92(s,1H,CONH),8.04-6.48,(6H,芳香環-H), 4.05-4.10(2H,ピペラジン-H),3.80(b,5H,O-CH2,) 3.59-3.62(2H,ピペラジン-H),3.20-3.50(m,6H),2.78(t,J=8Hz,2H)2.41(t,J=8Hz,2H)1.73-1.93(m,4H)
MS : m/z 450
実施例10
I-10 7-[4-(4-(5-シアノ-ベンズイソオキサゾリル)-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンの塩酸塩
I-1の調製において、4-クロロ-サリチル酸に代えて、5-シアノ-サリチル酸を出発原料とし、実施例1の合成プロセスで目的とする化合物を得る。
【0084】
元素分析:C25H27N5O3×2HCl (理論値%:C 57.92,H 5.64, N 13.51; 実測値% C 57.80, H 5.62, N 13.48)
1HNMR(DMSO-d6): δ10.05(s,1H,CONH),7.94-6.48,(6H,芳香環-H),3.95-4.07(2H,ピペラジン-H),3.99(t,J=6.4Hz,2H,O-CH2,) 3.54-3.60(2H,ピペラジン-H),3.11-3.49(m,6H),2.67(t,J=8Hz,2H),2.39(t,J=8Hz,2H)1.81-1.98(m,4H)
MS : m/z 445
実施例11
I-11 7-[4-(4-(5-ブロモ-ベンズイソオキサゾリル)-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンの塩酸塩
I-1の調製において、4-クロロ-サリチル酸に代えて、5-ブロモ-サリチル酸を出発原料とし、実施例1の合成プロセスで目的とする化合物を得る。
【0085】
元素分析:C24H27BrN4O3×2HCl (理論値%:C 50.37,H 5.11, N 9.79; 実測値% C 50.16, H 5.08, N 9.75)
1HNMR(DMSO-d6): δ10.01(s,1H,CONH),8.01-6.48(6H,芳香環-H),4.12-4.23(2H,ピペラジン-H),3.89(t,J=6.4Hz,2H,O-CH2,) 3.50-3.54(2H,ピペラジン-H),3.11-3.51(m,6H),2.80(t,J=8Hz,2H),2.33(t,J=8Hz,2H)1.77-1.93(m,4H)
MS : m/z 498
実施例12
I-12 7-[4-(4-(7-ブロモ-6-メトキシ-ベンズイソオキサゾリル)-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンの塩酸塩
I-1の調製において、4-クロロ-サリチル酸に代えて、3-ブロモ-サリチル酸を出発原料とし、実施例1の合成プロセスで目的とする化合物を得る。
【0086】
元素分析:C25H29BrN4O4×2HCl (理論値%:C 49.85,H 5.19, N 9.30; 実測値% C 49.70, H 6.11, N 10.61)
1HNMR(DMSO-d6): δ9.93(s,1H,CONH),7.98-6.48,(5H,芳香環-H),4.05-4.10(2H,ピペラジン-H),3.95(m,J=6.4Hz,5H,O-CH2,) 3.59-3.62(2H,ピペラジン-H),3.20-3.50(m,6H),2.78(t,J=8Hz,2H)2.41(t,J=8Hz,2H)1.73-1.93(m,4H)
MS : m/z 528
実施例13
II-1 7-[4-(4-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル)-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンの塩酸塩
1)1-アセチル-4-(2,4-ジフルオロベンゾイル)ピペリジンの調製
1,3-ジフルオロベンゼン(6.7g,58.7mmol)と塩化アンモニウム (13.3g,250mmol)を15mlのジクロロメタンに加え、室温まで冷却する。その中に1-アセチル-4-ピペリジニルカルボン酸クロリド(9.8g,51.8mmol)を溶かしたジクロロメタン50 mlを滴下し、3 時間還流反応する。反応終了後、混合物を氷と塩酸の混合物に注ぎ、ジクロロメタン20ml*3で抽出し、有機相を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発乾固し、生成物5.01gを得る。収率は36%。
【0087】
2)2,4-ジフルオロフェニル基-(4-ピペリジニル)メタノン塩酸塩の調製
1-アセチル-4-(2,4-ジフルオロベンゾイル)ピペリジン(5.6g,20.9mmol)を19mlの 6N 塩酸に加え、5時間還流する。減圧で蒸発乾固し、残留物に 20 ml のイソプロパノールを加え、攪拌し、濾過し、乾燥し、生成物4.67gを得る。収率は85%。
【0088】
3)2,4-ジフルオロフェニル基-(4-ピペリジニル)メタノンオキシム塩酸塩の調製
2,4-ジフルオロフェニル基-(4-ピペリジニル)メタノン塩酸塩(3.0g,11.5mmol)と塩酸ヒドロキシルアミン(3.0g,42.8mmol)を5ml のエタノールに添加する。その中に3mlの N,N-ジメチルエタノールアミンを滴下し、室温で攪拌し、その後3時間還流する。反応終了後、室温まで冷却し、沈殿物を濾過し、乾燥し、生成物2.6g の目的化合物を得る。これは白色結晶体であり、収率は96%。
【0089】
4)4-(6-フルオロ-1,2-ベンズイソオキサゾリル)-ピペリジンの調製
2,4-ジフルオロフェニル-(4-ピペリジニル)-メタノンオキシム塩酸塩(5.52g,20mmol)を25 mlの 50%の水酸化カリウムに加え、4時間還流し、室温まで冷却し、トルエン25 ml *2で抽出し、有機相を合併し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧で蒸発乾固し、ジエチルエーテルで再結晶し、生成物3.3gを得る。収率は75%。
【0090】
5)7-(4-クロロブトキシ)-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンの調製
1-ブロモ-4-クロロ-ブタン(3.4g,20mmol)、無水炭酸カリウム粉末(4.14g,30mmol)及び7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン(1.63g,10mmol)を10mlのアセトンに加え、24時間還流し、反応液を蒸発乾燥し、ジクロロメタンと水20mlずつで分配し、有機層を順に水20ml*2、飽和食塩水20mlで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発乾固し、薄黄色粉末を得て、得られた粉末をn-ヘキサン20ml*3でスラリー洗浄し、濾過し、乾燥し、7-(4-クロロブトキシ)-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン1.98gを得る。収率は78%。
【0091】
6)7-[4-(4-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル)-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン塩酸塩の調製
7-(4-クロロブトキシ)-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン(297mg,1mmol)、4-(6-フルオロ-1,2-ベンズイソオキサゾリル)-ピペリジン(242mg,1.1mmol)、無水炭酸カリウム粉末(414mg,3.3mmol)を10mlに加え、24時間還流反応し、反応液を蒸発乾燥し、ジクロロメタンと水20mlずつで分配し、有機層を順に水20ml*2、飽和食塩水20mlで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発乾固し,薄黄色粉末を得て、5mlのアセトンで溶解し、アイスバスにて攪拌し、白色固体を析出させ、濾過し、少量のアセトンで洗浄し、乾燥し、白色粉末260mgを得て、それを無水エタノールに溶かし、pH=2になるまでHCl/EtOHを滴下し、白色沈殿物を析出させ、濾過し、無水エタノールで再結晶し、生成物200mgを得る。収率は42%。
【0092】
元素分析:C25H28FN3O3×HCl (理論値%:C 63.35,H 6.17, N 8.87; 実測値% C 63.22, H 6.11, N 8.80)
1HNMR(DMSO-d6): δ9.88(B,1H,CONH)8.00-6.38(6H,芳香環-H)3.94(t,J=6.4Hz,2H,O-CH2)3.20(m,2H,ピペリジン-H)1.51-3.02(17H,-CH2)
MS : m/z 437
実施例14
II-2 7-[3-(4-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル)-1-ピペリジニル)-n-プロポキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンの塩酸塩
II-1の調製において、1-ブロモ-4-クロロ-ブタンに代えて、1-ブロモ-3-クロロ-プロパンを出発原料とし、実施例13の合成プロセスで目的とする化合物を得る。
【0093】
元素分析:C24H26FN3O3×HCl (理論値%:C 62.67,H 5.92, N 9.14; 実測値% C 62.60, H 5.95, N 9.20)
1HNMR(DMSO-d6): δ9.88(B,1H,CONH)7.95-6.52(6H,芳香環-H)3.91(t,J=6.4Hz,2H,O-CH2)3.26(m,2H,ピペリジン-H)1.55-2.83(15H,-CH2)
MS : m/z 423
実施例15
II-3 7-[5-(4-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル)-1-ピペリジニル)-ペントキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンの塩酸塩
II-1の調製において、1-ブロモ-5-クロロ-ペンタンに代えて、1-ブロモ-3-クロロ-プロパンを出発原料とし、実施例13の合成プロセスで目的とする化合物を得る。
【0094】
元素分析:C26H30FN3O3×HCl (理論値%:C 63.99,H 6.40, N 8.61; 実測値% C 63.90, H 6.44, N 8.60)
1HNMR(DMSO-d6): δ10.02(B,1H,CONH)8.12-6.56,(6H,芳香環-H)3.81(t,J=6.4Hz,2H,O-CH2)3.20(m,2H,ピペリジン-H)1.46-2.91(19H,-CH2)
MS(APCI) : m/z 451[M+H]+
実施例16
II-4 7-[(4-ベンズイソオキサゾリル-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンの塩酸塩
1)4-(2-フルオロ-フェニル)-1-メチルピペリジンの調製
N2保護下で、Mg粉(55.7g,2.3mol)と少量のエチルブロマイドを加えたテトラヒドロフラン250mlに4-クロロ-N-メチルピペリジン(245g, 1.8mol)のTHF溶液800mlをゆっくり滴下し、滴下終了後、1時間還流反応し、反応液に2-フルオロベンゾニトリル(222g,1.8mol)のTHF溶液440mlを滴下し、滴下終了後、3時間還流し、室温で13時間反応し、反応液を700g のNH4Clを含む2.3Lの水に注ぎ、2時間還流し、冷却後にジエチルエーテルで抽出し、抽出液を合併し、蒸発乾固し、分留し、124℃での留分を収集し、生成物224gを得る。
【0095】
2)3-(1-メチル-4-ピペリジニル)-1,2-ベンゾイソチアゾール塩酸塩の調製
4-(2-フルオロ-フェニル)-1-メチルピペリジン塩酸塩(28.2g,0.13mmol)及び塩酸ヒドロキシルアミン(19.2g,0.28mol)のエチルグリコール(400ml)-水(200ml)溶液に85%のKOH(80.8g,1.2mol)水溶液200mlを加え、N2保護下で5時間還流反応し、反応終了後、1000mlの水の中に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出し、抽出液を合併し、乾燥し、少量のアセトンで溶解し、HCl/EtOHでpH=2に調節し、大量の白色沈殿物を析出させ、EtOH-H2Oで再結晶し、生成物15.4gを得る。
【0096】
3)3-(4-ピペリジニル)-1,2ベンゾイソチアゾール塩酸塩の調製
3-(1-メチル-4-ピペリジニル)-1,2-ベンゾイソチアゾール(12.3g)のトルエン溶液にフェノキシホルミルクロリド(8.8g,0.056mol)を加え、N2保護下で16時間反応し、冷却し、濾過し、濾液を濃縮してオイル状物を得て、それをジエチルエーテルに溶かし、石油エーテルを滴下し、白色固体を析出させ、白色固体5gをKOH溶液に溶かし、16時間還流し、エタノールを留去し、褐色のオイル状物を得て、それを少量のアセトンに溶かし、pH=2になるまでHCl/EtOHを滴下し、白色固体を析出させ、メタノール-水で再結晶し、生成物2.0gを得る。
【0097】
4)7-[4-(4-ベンズイソオキサゾリル-1-ピペリジニル)-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン塩酸塩の調製
7-(4-クロロブトキシ)-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン(297mg,1mmol)、3-(4-ピペリジニル)-1,2-ベンゾイソチアゾール(220mg,1mmol)、無水炭酸カリウム粉末(414mg,3.3mmol)を10mlに加え、24時間還流反応し、反応液を蒸発乾燥し、ジクロロメタンと水20mlずつで分配し、有機層を順に水20ml*2、飽和食塩水20mlで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発乾固し、薄黄色粉末を得て、5mlのアセトンで溶解し、アイスバスにて攪拌し、白色固体を析出させ、濾過し、少量のアセトンで洗浄し、乾燥し、白色粉末260mgを得て、それを無水エタノールに溶かし、pH=2になるまでHCl/EtOHを滴下し、白色沈殿物を析出させ、濾過し、無水エタノールで再結晶し、生成物200mgを得る。収率は44%。
【0098】
元素分析:C25H29N3O3×HCl (理論値%:C 65.85,H 6.63, N 9.22; 実測値% C65.82, H 6.60, N 9.25)
1HNMR(DMSO-d6): δ9.88(B,1H,CONH)7.91-6.38(6H,芳香環-H)3.87(t,J=6.4Hz,2H,O-CH2)3.22(m,2H,ピペリジン-H)1.58-2.99(18H,-CH2)
MS : m/z 419
実施例17
II-5 7-[4-(4-(6-クロロ-ベンズイソオキサゾリル)-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンの塩酸塩
II-1の調製において、1,3-ジフルオロベンゼンに代えて、1-クロロ-3-フルオロベンゼンを原料とし、実施例13の合成プロセスで目的とする化合物を得る。
【0099】
元素分析:C23H28ClN3O3×HCl (理論値%:C 61.23,H 5.96, N 8.57; 実測値% C 61.20, H 5.93, N 8.60)
1HNMR(DMSO-d6): δ9.88(B,1H,CONH)8.08-6.40(6H,芳香環-H)3.89(t,J=6.4Hz,2H,O-CH2)3.14(m,2H,ピペリジン-H)1.40-2.95(17H,-CH2)
MS : m/z 453
実施例18
II- 6 7-[4-(4-(5-メトキシ-ベンズイソオキサゾリル)-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンの塩酸塩
(4-(2-ヒドロキシ-5-メトキシフェニル)(1-アセチル-ピペリジニル)メタノンオキシム塩酸塩の調製
4-メトキシフェノールを原料とし、II-1を合成するステップ1、2及び3で(4-(2-ヒドロキシ-5-メトキシフェニル)(1-アセチル-ピペリジニル)メタノンオキシム塩酸塩を調製する。
【0100】
2)1-アセチル-4-(5-メトキシ-1,2-ベンズイソオキサゾリル)ピペリジンの調製
遊離した (4-(2-ヒドロキシ-5-メトキシフェニル)(1-アセチル-ピペリジニル)メタノンオキシム0.034mol及び4.5ml無水酢酸を60℃で1.5時間反応し、無水酢酸を留去し、アシル化された生成物を得て、それをNaH(1.1g,0.023mol)がサスペンドされたDMF 80mlに加え、室温で16時間反応し、300mlの水に注ぎ、エチルアセテートで抽出し、有機相を順に水、飽和食塩水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥し、オイル状物を得て、ジエチルエーテルで結晶化して3.7gの固体を得て、トルエン-シクロヘキサンで再結晶して1-アセチル-4-(5-メトキシ-1,2-ベンズイソオキサゾリル)ピペリジン2.1gを得る。
【0101】
3)4-(5-メトキシ-1,2-ベンズイソオキサゾリル)ピペリジン塩酸塩の調製
1-アセチル-4-(5-メトキシ-1,2-ベンズイソオキサゾリル)ピペリジン0.07mol及び110ml の6NのHClを6時間還流し、室温で放置し、大量の白色沈殿物を析出させ、エタノールで再結晶して4-(5-メトキシ-1,2-ベンズイソオキサゾリル)ピペリジン塩酸塩を得る。
【0102】
4)7-[4-(4-(5-メトキシ-ベンズイソオキサゾリル)-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン塩酸塩の調製
実施例13のステップ4で7-[4-(4-(5-メトキシ-ベンズイソオキサゾリル)-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン塩酸塩を得る。収率は52%。
【0103】
元素分析:C26H31N3O4×HCl (理論値%:C 64.25,H 6.64, N 8.15; 実測値% C 64.22, H 6.51, N 8.19)
1HNMR(DMSO-d6): δ9.88(B,1H,CONH)7.95-6.38(6H,芳香環-H)3.92(t,J=6.4Hz,2H,O-CH2)3.18(m,2H,ピペリジン-H)1.54-3.02(20H,-CH2)
MS : m/z 449
実施例19
II-7 7-[4-(4-(5-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル)-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンの塩酸塩
II-1の調製において、1,3-ジフルオロベンゼンに代えて、4-フルオロフェノールを原料とし、実施例13の合成プロセスで目的とする化合物を得る。
【0104】
元素分析:C25H28FN3O3×HCl (理論値%:C 63.35,H 6.17, N 8.87; 実測値% C 63.31, H 6.15, N 8.85)
1HNMR(DMSO-d6): δ9.88(B,1H,CONH)7.96-6.38(6H,芳香環-H) 3.95(t,J=6.4Hz,2H,O-CH2)3.27(m,2H,ピペリジン-H)1.56-2.83(18H,-CH2)
MS : m/z 437
実施例20
II-8 7-[4-(4-(5,6-ジメトキシ-ベンズイソオキサゾリル)-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンの塩酸塩
II-1の調製において、1,3-ジフルオロベンゼンに代えて、3,4-ジメトキシフェノールを原料とし、実施例13の合成プロセスで目的とする化合物を得る。
【0105】
元素分析:C27H34N3O5×HCl (理論値%:C 62.84,H 6.64, N 8.14; 実測値% C 62.82, H 6.62, N 8.16)
1HNMR(DMSO-d6): δ9.88(B,1H,CONH)8.08-6.40(5H,芳香環-H)3.89-3.35(m,8H,O-CH2)3.20(m,2H,ピペリジン-H)1.53-2.97(17H,-CH2)
MS : m/z 479
実施例21
II-9 7-[4-(5-ヒドロキシ-ベンズイソオキサゾリル)-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンの塩酸塩
実施例18で得られた1-アセチル-4-(5-メトキシ-1,2-ベンズイソオキサゾリル)ピペリジン2.1gと25mlの48%のHBr溶液を4時間還流し、室温で10時間反応し続け、白色沈殿物を析出させ、濾過し、メタノール-ジエチルエーテルで再結晶し、5-ヒドロキシ-3-(4-ピペリジニル)-1,2-ベンズイソオキサゾール臭化水素酸塩1.0gを得て、さらに実施例13のステップ4で7-[4-(4-(5-ヒドロキシ-ベンズイソオキサゾリル)-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン塩酸塩を得る。収率は49.3%。
【0106】
元素分析: C25H29N3O4×HCl (理論値%:C 63.62,H 6.41, N 8.90; 実測値% C 63.58, H 6.30, N 8.97)
1HNMR(DMSO-d6): δ9.88(B,1H,CONH)8.08-6.40(6H,芳香環-H)5.13(b,1H,ヒドロキシ-H)3.89(t,J=6.4Hz,2H,O-CH2)3.14(m,2H,ピペリジン-H)1.40-2.95(17H,-CH2)
MS : m/z 435
実施例22
II-10 7-[4-(5,6-ジヒドロキシ-ベンズイソオキサゾリル)-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンの塩酸塩
実施例20で得られた1-アセチル-4-(5,6-ジメトキシ-1,2-ベンズイソオキサゾリル)ピペリジン2.1gと25mlの48%のHBr溶液を4時間還流し、室温で10時間反応し続け、白色沈殿物を析出させ、濾過し、メタノール-ジエチルエーテルで再結晶し、5-ヒドロキシ-3-(4-ピペリジニル)-1,2-ベンズイソオキサゾール臭化水素酸塩1.0gを得て、さらに実施例13のステップ4で7-[4-(4-(5,6-ジヒドロキシベンズイソオキサゾリル)-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン塩酸塩を得る。収率は61%。
【0107】
元素分析: C25H29N3O5×HCl (理論値%:C 61.53,H 6.20, N 8.61; 実測値% C 61.43, H 6.30, N 8.71)
1HNMR(DMSO-d6): δ9.88(B,1H,CONH)8.08-6.40(5H,芳香環-H)5.20(b,2H,ヒドロキシ-H)3.80(t,J=6.4Hz,2H,O-CH2)3.21(m,2H,ピペリジン-H)1.50-2.93(17H,-CH2)
MS : m/z 451
実施例23
II-11 (E)-7-[4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-2-ブテニルオキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンの調製
(E)-1,4-ジクロロ-2-ブテン及び4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジンを原料とし、一般製法一のIIの調製方法で(E)-3-(1-4-(4-クロロ-2-ブテニル)ピペリジニル))-6-フルオロベンズイソオキサゾールを調製する。
【0108】
(E)-3-(1-4-(4-クロロ-2-ブテニル)ピペリジニル))-6-フルオロベンズイソオキサゾール及び7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンを原料とし、下記IV-1のステップ4で反応し、E-7-[4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-2-ブテニルオキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンを調製する。収率は52%。
【0109】
元素分析:C25H26FN3O3(理論値%:C 68.95,H 6.02, N 9.65; 実測値% C 68.99, H 6.07, N 9.61)
1HNMR(DMSO-d6): δ9.89(B,1H,CONH)8.08-6.40(5H,芳香環-H)5.20(b,2H,ヒドロキシ-H)3.80(t,J=6.4Hz,2H,O-CH2)3.21(m,2H,ピペリジン-H)1.50-2.93(17H,-CH2)
MS : m/z 435
実施例24
II-12 (Z)-7-[4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-2-ブテニルオキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンの調製
1,4-ジクロロ-2-ブテン及び4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジンを原料とし、一般製法一のIIの調製方法で(E)-3-(1-4-(4-クロロ-2-ブテニル)ピペリジニル))-6-フルオロベンズイソオキサゾールを調製する。
【0110】
(E)-3-(1-4-(4-クロロ-2-ブテニル)ピペリジニル))-6-フルオロベンズイソオキサゾール及び7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンを原料とし、下記IV-1のステップ4で反応し、E-7-[4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-2-ブテニルオキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンを調製する。収率は55%。
【0111】
元素分析:C25H26FN3O3(理論値%:C 68.95,H 6.02, N 9.65; 実測値% C 68.99, H 6.07, N 9.61)
1HNMR(DMSO-d6): δ9.91(B,1H,CONH)8.08-6.40(5H,芳香環-H)5.20(b,2H,ヒドロキシ-H)3.80(t,J=6.4Hz,2H,O-CH2)3.21(m,2H,ピペリジン-H)1.50-2.93(17H,-CH2)
MS : m/z 435
実施例25
II-13 7-(((1R,2S)-2-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)メチル)シクロヘキシル)メトキシ)-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン
1)1,2-ジクロロメチルシクロヘキサン及び4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジンを原料とし、一般製法一のIIIの調製方法で3-(4-(1-(((1R,2S)-2-(クロロメチル)シクロヘキシル)メチルピペリジニル))-6-フルオロ-ベンズイソオキサゾールを得る。
【0112】
2)3-(4-(1-(((1R,2S)-2-(クロロメチル)シクロヘキシル)メチルピペリジニル))-6-フルオロ-ベンズイソオキサゾール及び7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンを原料とし、下記IV-1のステップ4で反応し、7-(((1R,2S)-2-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)メチル)シクロヘキシル)メトキシ)-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンを得る。収率は65%。
【0113】
元素分析:C29H34FN3O3(理論値%:C 70.85,H 6.97, N 8.55; 実測値% C 70.81, H 6.90, N 8.61)
1HNMR(DMSO-d6): δ9.889(B,1H,CONH)8.08-6.40(5H,芳香環-H)5.20(b,2H,ヒドロキシ-H)3.80(t,J=6.4Hz,2H,O-CH2)3.21(m,2H,ピペリジン-H)1.50-2.93(17H,-CH2)
MS : m/z 491
実施例26
II-14 7-(((1R,2R)-2-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)メチル)シクロヘキシル)メトキシ)-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン
1)(1R,2R)-1,2-ジクロロメチルシクロヘキサン及び4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジンを原料とし、一般製法一のIIIの調製方法で3-(4-(1-(((1R,2R)-2-(クロロメチル)シクロヘキシル)メチルピペリジニル))-6-フルオロ-ベンズイソオキサゾールを得る。
【0114】
2)3-(4-(1-(((1R,2R)-2-(クロロメチル)シクロヘキシル)メチルピペリジニル))-6-フルオロ-ベンズイソオキサゾール及び7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンを原料とし、下記IV-1のステップ4で反応し、7-(((1R,2R)-2-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)メチル)シクロヘキシル)メトキシ)-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンを得る。収率は65%。
【0115】
元素分析:C29H34FN3O3(理論値%:C 70.85,H 6.97, N 8.55; 実測値% C 70.81, H 6.90, N 8.61)
1HNMR(DMSO-d6): δ9.889(B,1H,CONH)8.08-6.40(5H,芳香環-H)5.20(b,2H,ヒドロキシ-H)3.80(t,J=6.4Hz,2H,O-CH2)3.21(m,2H,ピペリジン-H)1.50-2.93(17H,-CH2)
MS : m/z 491
実施例27
III-1 7-[4-(1,2-ベンゾイソチアゾール-3-イル)-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンの塩酸塩
1)7-(4-クロロブトキシ)-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンの調製
1-ブロモ-4-クロロ-ブタン(3.4g,20mmol)、無水炭酸カリウム粉末(4.14g,30mmol)及び7-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン(1.63g,10mmol)を10mlのアセトンに加え、24時間還流し、反応液を蒸発乾燥し、ジクロロメタン及び水20mlずつで分配し、有機層を順に水20ml*2、飽和食塩水20mlで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発乾固し、薄黄色粉末を得て、得られた粉末をn-ヘキサン20ml*3でスラリー洗浄し、濾過し、乾燥し、7-(4-クロロブトキシ)-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン1.98gを得る。収率は78%。
【0116】
2)4-(1,2-ベンゾイソチアゾール-3-イル)-1-ピペラジンの調製
3-クロロ-(1,2-ベンゾイソチアゾール)(14g,200mmol)及び無水ピペラジン(6.8g,40mmol)をナス型フラスコに入れ、125℃で24時間加熱し、反応終了後、52mlの氷水を加えてクエンチし、さらに50%のNaOH溶液3.2gを加え、5分攪拌し、CH2Cl2 50ml*3で抽出し、有機層をそれぞれ氷水50ml*2、飽和食塩水50ml*2で洗浄し、無水MgSO4で乾燥し、4-(1,2-ベンゾイソチアゾール-3-イル)-1-ピペラジンを得る。
【0117】
3)7-[4-(1,2-ベンゾイソチアゾール-3-イル)-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンの塩酸塩の調製
7-(4-クロロブトキシ)-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン(297mg,1mmol)、4-(1,2-ベンゾイソチアゾール-3-イル)-1-ピペリジン(242mg,1.1mmol)、無水炭酸カリウム粉末(414mg,3.3mmol)を10mlに加え、24時間還流反応し、反応液を蒸発乾燥し、ジクロロメタンと水20mlずつで分配し、有機層を順に水20ml*2、飽和食塩水20mlで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発乾固し、薄黄色粉末を得て、5mlのアセトンで溶解し、アイスバスにて攪拌し、白色固体を析出させ、濾過し、少量のエタノールで溶解し、HCl/EtOHでpH=2に調節し、白色固体を析出させ、濾過し、生成物260mgを得る。収率は59%。
【0118】
元素分析:C24H28N4O2S×2HCl (理論値%:C 66.03,H 6.46, N 12.80; 実測値% C 66.10, H 6.40, N 12.70)
1HNMR(DMSO-d6): δ9.98(s,1H,CONH),8.13-6.45,(7H,芳香環-H),4.05-4.10(2H,ピペラジン-H),3.95(t,J=6.4Hz,2H,O-CH2,) 3.59-3.62(2H,ピペラジン-H),3.20-3.50(m,6H),2.78(t,J=8Hz,2H)2.41(t,J=8Hz,2H)1.73-1.93(m,4H)
MS : 437 [M+H]+
実施例28
III-2 7-[3-(1,2-ベンゾイソチアゾリル)-1-ピペラジニル)-n-プロポキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンの塩酸塩
1-ブロモ-3-クロロ-プロパンを原料とし、一般製法一の方法で目的とする生成物を調製する。
【0119】
元素分析:C23H26N4O2S×2HCl (理論値%:C 55.75,H 5.70, N 11.31; 実測値% C 55.69, H 5.81, N 11.30)
1HNMR(DMSO-d6): δ10.02(s,1H,CONH),8.05-6.50,(7H,芳香環-H),4.07-4.12(2H,ピペラジン-H),3.95(t,J=6.4Hz,2H,O-CH2,) 3.62-3.66(2H,ピペリジン-H),3.15-3.47(m,6H),2.80(t,J=8Hz,2H),2.47(t,J=8Hz,2H)1.89-2.15(m,2H)
MS: m/z 423 [M+H]+
実施例29
III-3 7-[2-(1,2-ベンゾイソチアゾリル)-1-ピペラジニル)-エトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンの塩酸塩
1-ブロモ-2-クロロ-エタンを原料とし、一般製法一の方法で目的とする生成物を得る。
【0120】
元素分析:C22H24N4O2S×2HCl (理論値%:C 54.88,H 5.44, N 11.64; 実測値% C 54.87, H 5.40, N 11.60)
1HNMR(DMSO-d6): δ10.02(s,1H,CONH),8.01-6.50,(7H,芳香環-H),4.12-4.18(2H,ピペラジン-H),3.99(t,J=6.4Hz,2H,O-CH2,) 3.69-3.78(2H,ピペリジン-H),3.25-3.57(m,6H),2.74(t,J=8Hz,2H),2.68(t,J=8Hz,2H)
MS: m/z 409 [M+H]+
実施例30
III-4 7-[4-(6-メトキシ-1,2-ベンゾイソチアゾリル)-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンの塩酸塩
1)6-メトキシ-(1,2-ベンゾイソチアゾリル)-1-ピペラジンの調製
J. Med. Chem. 1991.34. 3316-3328の方法を参照して調製する。収率は20%。
【0121】
2)7-[4-(6-メトキシ-1,2-ベンゾイソチアゾリル)-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン塩酸塩
実施例1のステップ7の操作で7-[4-(6-メトキシ-1,2-ベンゾイソチアゾリル)-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン塩酸塩を調製する。収率は40%。
【0122】
元素分析:C25H30N4O3S×2HCl (理論値%:C 55.65,H 5.98, N 10.38; 実測値% C 55.60, H 5.95, N 10.30)
1HNMR(DMSO-d6): δ10.01(s,1H,CONH),8.21-6.56,(6H,芳香環-H),4.08-4.15(2H,ピペラジン-H),3.79(m,5H,O-CH2,) 3.52-3.60(2H,ピペラジン-H),3.16-3.48(m,6H),2.79(t,J=8Hz,2H),2.47(t,J=8Hz,2H)1.82-2.01(m,4H)
MS : m/z 466
実施例31
III-5 7-[4-(7-メトキシ-1,2-ベンゾイソチアゾリル)-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンの塩酸塩
1)7-メトキシ-(1,2-ベンゾイソチアゾリル)-1-ピペラジンの調製
J. Med. Chem. 1991.34. 3316-3328の方法を参照して調製する。収率は35%。
【0123】
2)7-[4-(7-メトキシ-1,2-ベンゾイソチアゾリル)-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン塩酸塩
実施例1のステップ 7の操作で7-[4-(7-メトキシ-1,2-ベンゾイソチアゾリル)-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン塩酸塩を調製する。収率は40%。
【0124】
元素分析:C25H30N4O3S×2HCl (理論値%:C 55.65,H 5.98, N 10.38; 実測値% C 55.62, H 5.75, N 10.37)
1HNMR(DMSO-d6): δ10.05(s,1H,CONH),8.16-6.50,(6H,芳香環-H),4.10-4.18(2H,ピペラジン-H),3.89(m,5H,O-CH2) 3.51-3.60(2H,ピペラジン-H),3.22-3.48(m,6H),2.76(t,J=8Hz,2H),2.44(t,J=8Hz,2H)1.72-1.96(m,4H)
MS : m/z 466
実施例32
III-6 7-[4-(5-メトキシ-1,2-ベンゾイソチアゾリル)-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンの塩酸塩
1)5-メトキシ-(1,2-ベンゾイソチアゾリル)-1-ピペラジンの調製
J. Med. Chem. 1991.34. 3316-3328の方法を参照して調製する。収率は36%。
【0125】
2)7-[4-(5-メトキシ-1,2-ベンゾイソチアゾリル)-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン塩酸塩
実施例1のステップ7の操作で7-[4-(5-メトキシ-1,2-ベンゾイソチアゾリル)-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン塩酸塩を調製する。収率は39%。
【0126】
元素分析:C25H30N4O3S×2HCl (理論値%:C 55.65, H 5.98, N 10.38; 実測値% C 55.62, H 5.75, N 10.37)
1HNMR(DMSO-d6): δ10.00(s,1H,CONH),8.17-6.39(6H,芳香環-H),4.12-4.18(2H,ピペラジン-H),3.91(m,5H,O-CH2,) 3.54-3.60(2H,ピペラジン-H),3.18-3.47(m,6H),2.69(t,J=8Hz,2H),2.45(t,J=8Hz,2H)1.79-1.98(m,4H)
MS : m/z 466
実施例33
III-7 7-[4-(4-メトキシ-1,2-ベンゾイソチアゾリル)-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノンの塩酸塩
1)4-メトキシ-(1,2-ベンゾイソチアゾリル)-1-ピペラジンの調製
J. Med. Chem. 1991.34. 3316-3328の方法を参照して調製する。収率は41%。
【0127】
2)7-[4-(4-メトキシ-1,2-ベンゾイソチアゾリル)-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン塩酸塩の調製
実施例1のステップ7の操作で7-[4-(4-メトキシ-1,2-ベンゾイソチアゾリル)-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン塩酸塩を調製する。収率は39%。
【0128】
元素分析:C25H30N4O3S×2HCl (理論値%:C 55.65, H 5.98, N 10.38; 実測値% C 55.63, H 5.71, N 10.36)
1HNMR(DMSO-d6): δ10.02(s,1H,CONH),8.14-6.49,(6H,芳香環-H),4.10-4.16(2H,ピペラジン-H),3.87(m,5H,O-CH2,) 3.60-3.68(2H,ピペラジン-H),3.19-3.54(m,6H),2.75(t,J=8Hz,2H),2.42(t,J=8Hz,2H)1.71-1.80(m,4H)
MS : m/z 466
実施例34
IV-1 6-(4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ)-ジヒドロインドール-2-オン
1)3-メトキシアニリン(4.92g,40mmol)のジクロロメタン溶液30mlにピリジン2mlを加え、5分攪拌し、内温を0oCに保持しながら、その中にクロロアセチルクロリド(6.78g,60mmol)のジクロロメタン溶液20mlをゆっくりと滴下し、滴下終了後、室温で12時間反応し、反応を停止させ、反応液を順に5%のHCl 30ml*3、5%のNaOH 30ml*3、水30ml*3、飽和食塩水30mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濾液から溶剤を留去し、2-クロロ-N-(3-メトキシフェニル)アセトアミド6.43gを得る。収率は80.7%。
【0129】
2)2-クロロ-N-(3-メトキシフェニル)アセトアミド(3.1g,16mmol)及び無水AlCl3粉末(4.4g,32mmol)を120℃で10分加熱攪拌し、溶融状態を出現させ、40分をかけて温度を次第に240℃まで上げ、5分攪拌し、放冷し、褐色粉末を得て、その固体粉末を100gの砕氷及び50mlの濃塩酸の混合物に注ぎ、10分攪拌し、その後10分還流し、冷却し、薄黄色粉末を析出させ、濾過し、水で再結晶し、6-ヒドロキシ-インドリン-2-オン1.5gを得る。収率は62%。
【0130】
3)1-ブロモ-4-クロロ-ブタン(9.4g,60mmol)を50mlのDMFに溶かし、4-(6-フルオロ-1,2-ベンズイソオキサゾリル)-ピペリジン(4.4g,20mmol)及び無水炭酸カリウム粉末(8.2g,60mmol)を加え、室温で48時間攪拌し、反応を停止させ、反応液に水及びエチルアセテートをそれぞれ100ml加え、振蕩し、水層をエチルアセテート100mlで抽出し、エチルアセテート層を合併し、水200mlで逆洗し、無水硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濾液を50mlまで回収し、5%のHCl 30ml×3で抽出し、抽出液を合併し、5%のNaOHでpH値を7に調節し、さらにエチルアセテート30ml×3で抽出し、抽出液を合併し、脱水し、蒸発乾固し、3-(1-(4-クロロブチル)-4-ピペリジニル)-6-フルオロ-ベンズイソオキサゾール1.8gを得る。収率は30%。
【0131】
4)6-ヒドロキシ-インドリン-2-オン(0.75g,5mmol)、3-(1-(4-クロロブチル)-4-ピペリジニル)-6-フルオロ-ベンズイソオキサゾール(1.55g,5mmol)及び無水炭酸カリウム(1.38g,10mmol)を10mlのDMFに加え、60℃で12時間反応し、反応液に水20mlを加え、30分攪拌し、無水エタノール2mlを加え、5分超音波処理し、濾過し、6-(4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ)-ジヒドロインドール-2-オン500mgを得る。収率は32%。
【0132】
元素分析:C24H26FN3O3(理論値%:C 69.07,H 6.28, N 9.92; 実測値% C 69.12, H 6.38, N 9.95)
1HNMR(DMSO-d6): δ10.08(s,1H,CONH),8.23-6.65,(6H,芳香環-H),4.34-4.12(2H,ピペラジン-H),3.76(m,5H,O-CH2,) 3.45-3.78(2H,ピペラジン-H),3.21-3.77(m,6H),3.10(t,J=8Hz,2H),2.30(t,J=8Hz,2H)1.71-1.90(m,4H)
MS : m/z 423
実施例35
IV-2 5-(4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル)) -1-ピペリジニル)-n-ブトキシ)-2(3H)-ベンゾオキサゾロン
1)ベンゾオキサゾロン(2.0g,7.4mmol)のトリフルオロ酢酸(30ml)溶液に素早くトリフルオロアセトキシヨードベンゼン(7.64g,8.9mmol)のトリフルオロ酢酸溶液30mlを加え、加えた後、3分還流反応し、反応を停止させ、大部分のトリフルオロ酢酸を留去し、アイスバスにて5%のNaHCO3水溶液をp H=8まで滴下し、エチルアセテート20ml×3で抽出し、エチルアセテート層を合併し、飽和食塩水50mlで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濾液を蒸発乾固し、オイル状物を得て、中性アルミナ(200-300メッシュ)カラムクロマトグラフィーで分離し、CH2Cl2:MeOH=200:1〜CH2Cl2:MeOH=100:1で溶離し、溶離剤を合併し、蒸発乾固し、6-ヒドロキシベンズイソオキサゾール500mgを得る。収率は45%。
【0133】
2)6-ヒドロキシベンズイソオキサゾール及び3-(1-(4-クロロブチル)-4-ピペリジニル)-6-フルオロ-ベンズイソオキサゾールを原料とし、IV-1のステップ4で反応し、5-(4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル)) -1-ピペリジニル) -n-ブトキシ)-2(3H)-ベンゾオキサゾロンを得る。収率は56%。
【0134】
元素分析:C23H24FN3O3(理論値%:C 67.47,H5.91, N 10.26; 実測値% :C 67.30, H 5.99, N 10.34)
1HNMR(DMSO-d6): δ10.01(s,1H,CONH),8.18-6.77,(6H,芳香環-H),4.17-4.16(2H,ピペラジン-H),3.87(m,5H,O-CH2,) 3.60-3.78(2H,ピペラジン-H),3.20-3.58(m,6H),2.75(t,J=8Hz,2H),2.52(t,J=8Hz,2H)1.71-1.85(m,4H)
MS : m/z 409
実施例36
IV-3 6-[4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-(1H)-インドールの調製
6-ヒドロキシインドール及び3-(1-(4-クロロブチル)-4-ピペリジニル)-6-フルオロ-ベンズイソオキサゾールを原料とし、IV-1のステップ4で反応し、6-[4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-(1H)-インドールを得る。
【0135】
元素分析:C23H24FN3O2(理論値%:C 70.21,H 6.15, N 10.68; 実測値% :C 70.25, H 6.17, N 10.61)
1HNMR(DMSO-d6): 8.23-6.77,(6H,芳香環-H),4.15-4.19(2H,ピペラジン-H),3.87(m,5H,O-CH2,) 3.60-3.72(2H,ピペラジン-H),3.20-3.58(m,6H),2.75(t,J=8Hz,2H),2.52(t,J=8Hz,2H)1.71-1.85(m,4H)
MS : m/z 393
実施例37
IV-4 6-[4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-(1H)-ベンゾイミダゾールの調製
1)3-ヒドロキシ-o-フェニレンジアミン(1.24g,10mmol)を10mlのギ酸に加え、2時間還流反応した後、大部分のギ酸を留去し、飽和NaHCO3溶液でpH7に調節し、エチルアセテート30ml×3で抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濾液を蒸発乾固し、中性アルミナカラムクロマトグラフィーで精製し、6-ヒドロキシベンゾイミダゾール600mgを得る。
【0136】
6-ヒドロキシベンゾイミダゾール及び1-(4-クロロブチル)-4-ピペリジニル)-6-フルオロ-ベンズイソオキサゾールを原料とし、IV-1のステップ4で反応し、6-[4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-(1H)-ベンゾイミダゾールを得る。収率は75%。
【0137】
元素分析:C23H23FN4O2(理論値%:C 66.99,H 5.88, N 14.20; 実測値% C 66.73, H 5.83, N 13.99)
1HNMR(DMSO-d6): 8.17-6.49,(6H,芳香環-H),4.18-4.19(2H,ピペラジン-H),3.86(m,5H,O-CH2,) 3.66-3.68(2H,ピペラジン-H),3.25-3.54(m,6H),2.79(t,J=8Hz,2H),2.42(t,J=8Hz,2H)1.71-1.90(m,4H)
MS : m/z 394
実施例38
IV-5 6-[4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-(1H)-インダゾールの調製
6-アミノインダゾール(2.66g ,20mmol)を20%の希硫酸に加え、170℃でマイクロ波反応装置にて1時間反応し、マイクロ波出力は600W。反応を停止させ、冷却し、5%のNaOHでpH7に調節し、10分攪拌し、沈殿物を析出させ、水で再結晶し、6-ヒドロキシインダゾール1.5gを得る。収率は51%。
【0138】
6-ヒドロキシインダゾール及び3-(1-(4-クロロブチル)-4-ピペリジニル)-6-フルオロ-ベンズイソオキサゾールを原料とし、IV-1のステップ4で反応し、6-[4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-(1H)-インダゾールを得る。収率は62%。
【0139】
元素分析:C23H23FN4O2(理論値%:C 66.99,H 5.88, N 14.20; 実測値% C 66.71, H 5.80, N 13.89)
1HNMR(DMSO-d6): 8.21-6.49,(6H,芳香環-H),4.18-4.19(2H,ピペラジン-H),3.87(m,5H,O-CH2,) 3.66-3.75(2H,ピペラジン-H),3.25-3.54(m,6H),2.79(t,J=8Hz,2H),2.42(t,J=8Hz,2H)1.71-1.90(m,4H)
MS : m/z 394
実施例39
IV-6 6-[4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-(1H)-ベンゾ(1,2,3)トリアゾールの調製
1)3-ニトロ-4-アミノフェノール(4.6g,30mmol)のメタノール溶液にPd/C 500mgを加え、室温で2時間水素添加し、反応を停止させ、Pd/Cを濾過除去し、3-ヒドロキシ-o-フェニレンジアミン4.1gを得る。収率は95%。
【0140】
2)3-ヒドロキシ-o-フェニレンジアミン(1.0g,8mmol)を0.2NのHCl溶液に加え、ゆっくりNaNO2固体600mgを加え、加えた後、室温で1.5時間攪拌し、反応を停止させ、エチルアセテート30ml×2で抽出し、抽出液を15%のHCl 20ml×2で逆洗し、有機層を脱水し、濾過し、蒸発乾固し、6-ヒドロキシ-(1H)-ベンゾ(1,2,3)トリアゾールを得る。
【0141】
3)6-ヒドロキシ-(1H)-ベンゾ(1,2,3)トリアゾール及び3-(1-(4-クロロブチル)-4-ピペリジニル)-6-フルオロ-ベンズイソオキサゾールを原料とし、IV-1のステップ4で反応し、6-[4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-(1H)-ベンゾ(1,2,3)トリアゾールを得る。収率は70%。
【0142】
元素分析:C21H22FN5O2(理論値%:C 63.78,H 5.61, N 17.71; 実測値% C 64.01, H 5.63, N 17.78)
1HNMR(DMSO-d6): 8.21-6.49,(6H,芳香環-H),4.18-4.19(2H,ピペラジン-H),3.87(m,5H,O-CH2,) 3.66-3.75(2H,ピペラジン-H),3.25-3.54(m,6H),2.79(t,J=8Hz,2H),2.42(t,J=8Hz,2H)1.71-1.90(m,4H)
MS : m/z 395
実施例40
IV-7 7-(4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ)-2(1H)-キノリノンの調製
7-ヒドロキシ-2(1H)-キノリノン及び3-(1-(4-クロロブチル)-4-ピペリジニル)-6-フルオロ-ベンズイソオキサゾールを原料とし、IV-1のステップ4で反応し、7-(4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ)-2(1H)-キノリノンを得る。収率は52%。
【0143】
元素分析:C24H24FN3O3(理論値%:C 68.39,H5.74, N 9.97; 実測値% :C 68.35, H 5.95, N 10.02
1HNMR(DMSO-d6): δ10.03(s,1H,CONH),8.16-6.77,(6H,芳香環-H),4.11-4.16(2H,ピペラジン-H),3.81(m,5H,O-CH2,) 3.65-3.78(2H,ピペラジン-H),3.25-3.58(m,6H),2.75(t,J=8Hz,2H),2.52(t,J=8Hz,2H)1.71-1.85(m,4H)
MS : m/z 421
実施例41
IV-8 7-(4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ)-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-3(4H)-オンの調製
7-ヒドロキシ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン及び3-(1-(4-クロロブチル)-4-ピペリジニル)-6-フルオロ-ベンズイソオキサゾールを原料とし、IV-1のステップ4で反応し、7-(4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ)-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-3(4H)-オンを得る。収率は51%。
【0144】
元素分析:C23H24FN3O4(理論値%:C 64.93,H 5.69, N 9.88; 実測値% :C 64.91, H 5.66, N 9.81)
1HNMR(DMSO-d6): δ10.03(s,1H,CONH),8.16-6.77,(6H,芳香環-H),4.11-4.16(2H,ピペラジン-H),3.81(m,5H,O-CH2,) 3.65-3.78(2H,ピペラジン-H),3.25-3.58(m,6H),2.75(t,J=8Hz,2H),2.52(t,J=8Hz,2H)1.71-1.85(m,4H)
MS : m/z 425
実施例42
IV-9 7-(4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ)-3-メチル-2(1H)-キノリノンの調製
7-ヒドロキシ-3-メチル-2(1H)-キノリノン及び3-(1-(4-クロロブチル)-4-ピペリジニル)-6-フルオロ-ベンズイソオキサゾールを原料とし、IV-1のステップ4で反応し、7-(4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ)-3-メチル-2(1H)-キノリノンを得る。収率は73%。
【0145】
元素分析:C25H26FN3O3(理論値%:C 68.95,H 6.02, N 9.65; 実測値% :C 68.99, H 6.04, N 9.67)
1HNMR(DMSO-d6): δ10.08(s,1H,CONH),8.13-6.77,(6H,芳香環-H),4.25-4.16(2H,ピペラジン-H),3.77(m,5H,O-CH2,) 3.65-3.0(2H,ピペラジン-H),3.25-3.58(m,6H),2.75(t,J=8Hz,2H),2.52(t,J=8Hz,2H)1.71-1.85(m,7H)
MS : m/z 435
実施例43
IV-10 7-(4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ)-4-メチル-2(1H)-キノリノンの調製
7-ヒドロキシ-4-メチル-2(1H)-キノリノン及び3-(1-(4-クロロブチル)-4-ピペリジニル)-6-フルオロ-ベンズイソオキサゾールを原料とし、IV-1のステップ4で反応し、7-(4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ)-3-メチル-2(1H)-キノリノンを得る。収率は73%。
【0146】
元素分析:C25H26FN3O3(理論値%:C 68.95,H 6.02, N 9.65; 実測値% :C 68.90, H 6.01, N 9.60)
1HNMR(DMSO-d6): δ10.08(s,1H,CONH),8.11-6.77,(6H,芳香環-H),4.24-4.16(2H,ピペラジン-H),3.77(m,5H,O-CH2,) 3.64-3.0(2H,ピペラジン-H),3.21-3.58(m,6H),2.74(t,J=8Hz,2H),2.52(t,J=8Hz,2H)1.71-1.85(m,7H)
MS : m/z 435
実施例44
錠剤:本発明の誘導体 25mg
蔗糖 155mg
コーンスターチ 65mg
ステアリン酸マグネシウム 5mg
調製方法:活性成分と蔗糖、コーンスターチを混ぜ、水を加えて湿らせ、均一に攪拌し、乾燥し、粉砕して篩にかけ、ステアリン酸マグネシウムを加え、均一に混ぜ、打錠を行う。各錠の重さは250 mg、活性成分の含有量は25mg。
【0147】
実施例45
注射剤:本発明の誘導体 10mg
注射用水 90mg
調製方法:活性成分を注射用水に溶解し、均一に混ぜ、濾過し、得られた溶液を無菌条件でアンプルに分注する。各アンプルは10mgで、活性成分の含有量は1mg/1アンプル。
【0148】
実施例46
ドーパミンD2受容体結合試験
実験材料:
D2受容体アイソトープ結合リガンド[3H]スピペロン(Spiperone)(77.0Ci/mmol);(+)ブタクラモール(Butaclamol);GF/Cガラス繊維濾紙;脂溶性シンチレーション液;sf9細胞より発現されたD2受容体蛋白質。
【0149】
実験方法
100 mM NaCl、1mM MgC12 及び1% DMSOを含むPh=7.4の250μ1の50 mM Tris-HCl 緩衝液において[3H]スピペロンとCHO-hD2L細胞の膜製品の結合試験を行う。測定される化合物、0.4nM[3H]スピペロンと約 12ug タンパク質を含む二つのサンプルを室温で120 分保温する。減圧下で予め0.3% のポリエチレンイミン処理したWhatman GF/Bガラス繊維フィルターで速やかに濾過し、結合した放射性リガンドを分離し、液体シンチレーション分光法でフィルターに保留された放射性を測定する。上記試験により下記実施例の目的化合物を測定し、まず、ラフスクリーニングにより[3H]SpiperoneとD2受容体の結合に対する各化合物の10mmol/L濃度における競争的阻害率を測定する;阻害率が95%よりも高い化合物に対してさらに一連の濃度の受容体結合試験を行い、半数阻害濃度(IC50,[3H]SpiperoneとD2受容体の結合を50%阻害するために必要な化合物濃度)を確定する。各濃度において両管を測定し、各化合物を2回単独試験する。試験の結果、10mMにおいて、全ての化合物はD2受容体に対して95%以上の占有率を示し、全ての異なる化合物が示すIC50 値は500nMよりも以下である (下記表1参照)。本発明化合物の好適な実施形態の好ましく示したIC50値は100nM以下であり、より好ましくは50nM以下であり、さらに好ましくは25nM以下であり、最も好ましくは10nM以下である。
【0150】
【表2】

【0151】
実施例47
D2受容体拮抗作用試験
一.実験材料:
安定的にrD2Rを発現するCHO細胞;フォルスコリン(Forskolin)、IBMX、ドーパミン(Dopamine)、ハロペリドールはSigmaから購入;残りの試薬は中国医薬集団上海化学試剤公司から購入。
【0152】
二.実験方法:
CHO-rD2細胞は30,000個/孔で96孔プレートに播き、一晩培養する;各薬物は100μM IBMXを含む無血清F12培養液に溶解し、細胞に加えて37oCで30分プレインキュベイトする;10μM Forskolin 及び10μM Dopamineを含む無血清F12培養液を加えて8分反応させ、100μlの予め冷やした1M HClO4を加えて反応を終了し、氷に40分放置し、20μlの2M K2CO3を加えて反応液を中和し、3,000rpm、4oCで15分遠心し、KClO4沈殿物を捨て、一定量の上澄みを取って0.05M酢酸緩衝液に希釈し、放射免疫方法でcAMP生成量を測定する。[125I]cAMP放射免疫キットは上海中医薬大学核医学実験センターより購入、具体的なステップはその取り扱い説明書を参照できる。各化合物は各濃度において両管測定し、各化合物を少なくとも2回単独試験する。試験結果は図1〜図3参照。
【0153】
用量-効果曲線の縦座標は化合物のDA拮抗作用によるcAMP生成量低下百分数を示す。
【0154】
【表3】

【0155】
実施例48
D2に対する固有作動活性のための[3H]アデノジン取り込み試験
200μlの血清を含まない培養基で2回洗浄して細胞上の血清を除去し、血清を含まない培養基を各孔に90μlずつ加え、プレートを2-3 時間保温する。陽性対照としての10μlの血清を含む培養基、担体(血清を含まない培養基)、陰性対照(拮抗剤)又は血清を含まない培養基に溶かした測定化合物と標準品(最終濃度1μM の10μlの 10μM 溶液)を各孔に加え、プレートをインキュベータに戻す。18時間後、[3H]アデノジン(0.5μCi/孔)を含む10μlの無血清培養基を加え、プレートをインキュベータに戻す。4 時間後、トリプシン(0.25% ) ( 100μl/孔)を加える。再びプレートをインキュベータに戻す。1 時間後、 Whatman GF/Bガラス繊維フィルターで速やかに濾過して試験を終了する。例えば、Brandel MLR -96T細胞収集器を用いて、500 mlのpH7.0の50 mM Tris-HCl緩衝液でフィルターを洗浄する。例えば、Wallac 1205 Betaplate液体シンチレーションカウンターによりフィルターに保留されている放射性(50%有効量)を計測する。固有活性の定義として、総取り込み量(1μMキンピロール)から血清を含まない培養基でのを引き、測定化合物を100%固有活性に分類される1μMキンピロール(DA完全作動剤)と比較する。全ての試験は三重サンプルについて行い、各種薬物は各プレートにおいて完全な一列を占めるのが好ましい。本発明の化合物は好ましくは少なくとも 1%-90%の固有活性を示し、より好ましくは少なくとも10%-90%の活性を示し、更に好ましくは少なくとも10%-80%の活性を示し、更に好ましくは少なくとも20%-60%の固有活性を示し、更に好ましくは30%-50%の固有活性を示した。試験結果は図4参照。
【0156】
実施例49
化合物 II-1のin vivo抗統合失調症活性試験
一.試験材料
1. 試薬及び溶液の配合及び用量
アポモルフィン:アポモルフィンを0.1%の的アスコルビン酸に溶かし、10mg/kg用量の溶液を配合する。
【0157】
アリピプラゾールを生理塩水に溶かし、5mg/kg用量の溶液を配合し、超音波で溶解させる。
【0158】
リスペリドンを生理塩水に溶かし、0.25mg/kg用量の溶液を配合する。
【0159】
化合物 II-1、20 mg/kg、使用直前に配合する。
【0160】
2. 試験動物及び群分け
雌KMマウス、18-22g、実験の際にマウスをランダムに溶剤対照群、モデル対照群、陽性対照群、及び各測定試薬群に分ける。行為観察試験は各群5マウス。活動観察試験は各群4マウス。
【0161】
二.試験方法
1. マウスへの薬剤投与:各群のマウスにそれぞれ0.1ml/10gで各測定試薬を強制的に経口投与する。
【0162】
2.マウスモデリング
測定試薬を投与して30分後、濃度が10mg/kgのアポモルフィン溶液を用い、それぞれ0.1ml/10gマウス体重で腹腔内注射を行う。
【0163】
3. テスト
3.1常同行為学的な観察
マウスにアポモルフィンを与えた後、5、10、15、20、25、30分の時点で前30秒以内にマウスにしっぽを立てたる、嗅ぐ、噛む、跳ねる、壁を登る、頭を上げる等のような常同行為が現れるかそれぞれ観察記録し、以下の基準で採点する:0レベル、観察30秒以内に上記行為が現れない;1レベル、観察30秒以内に非連続的な中度の上記行為が現れる;2レベル、観察30秒以内に連続的な強い上記行為が現れる。
【0164】
3.2 マウス活動回数の観察
マウスにアポモルフィンを与えた後、すぐに自由な活動が許容されるボックス内に入れ、まず環境に5分適応させ、それから0-5、5-10、10-15、15-20、20-25、25-30分のときのマウスの活動回数を記録する。
【0165】
4. 試験結果の処理
4.1常同行為学的な観察試験
各群マウスの6つの時点での積算常同運動点数を統計し、各マウスの平均値を算出し、その結果をmean±SDで示す。
【0166】
4.2 マウス活動回数観察試験
各群マウスの各時間帯における全活動回数を統計し、各マウスの平均値を算出し、その結果をmean±SDで示す。
【0167】
5 統計方法
常同行為試験の結果はLSD法で統計する。マウスの活動回数観察は重複測定分散分析及びQ-testで統計する。
【0168】
三 実験結果
常同運動行為観察試験の結果:図5及び図6参照
本試験結果は以下を示す:
A陰性対照群マウスに比べ、アポモルフィンモデリング群の常同運動分数は明らかに増え、アポモルフィンはマウスの統合失調症を起こせることが説明される。
【0169】
b モデル群に比べ、リスペリドン、アリピプラゾール、化合物II-1は明らかにマウスの常同運動点数を減少させることができ、この化合物に一定の抗統合失調症作用があることが説明される。
【0170】
実施例50
II-1の急性毒性研究:
Bliss法で統計し、マウスに1回でII-1を強制的に経口投与する時のLD50は2000mg/kgより多く、急性毒性はリスペリドン(83.2mg/kg)よりはるかに低く、アリピプラゾール(1400mg/kg)とジプラシドン(1600mg/kg)に相当する。
【0171】
実施例51
II-1の細菌復帰突然変異試験
菌種:チフスサルモネラのヒスチジン栄養欠陥型突然変異株TA97、TA98、TA100及びTA102
結果:実験は-S9と+S9の2つの部分を含み、S9無しのテスト系におけるTA98とS9ありのテスト系におけるTA97に対して 5000mg/ディシュで抗菌作用を示す。その他の用量は全ての菌株に対して抗菌作用を持たず、成長背景が良好である。全てのテスト用量はS9無しの実験系でもS9有りの実験系でも細菌コロニーの復帰数に明らかな増加をもたらさず、Ames試験は陰性である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般構造式(1)で示す化合物又はその遊離塩基又は塩であるアラルキルピペリジン(又はピペラジン)誘導体:
【化1】

式(1)において、
A環はN原子を含む5-7員ヘテロ環であり、該ヘテロ環にはO、S、Nから任意に選ばれるヘテロ原子が含まれ、
X は酸素、アミノ基又は置換アミノ基であり、
【化2】

は単結合又は二重結合であり、
【化3】

が単結合のとき、ZはCH又はN、
【化4】

が二重結合のとき、ZはCであり、
YはO、N又はSであり、
n は 1-5の整数であり、
R1は水素、C1−C4のアルキル基、C5又はC6の脂肪環、フェニル基、置換フェニル基又はヒドロキシ基を示し、
R2は水素、C1−C4のアルキル基、C5又はC6の脂肪環、フェニル基、置換フェニル基、ヒドロキシ基、アミノ基、置換アミノ基、C1−C4のアルコキシ基、C1−C4のアシル基又はハロゲンを示し、
R3は水素、ハロゲン、C1−C4のアルキル基、C1−C4のアルコキシ基、アミノ基又は置換アミノ基を示し、
或いは、N、S、O又はF原子を含むCl−C4アルキル基を示し、
或いは、N、S、O又はF原子を含むCl−C4アルコキシ基を示し、
R4は水素、C1−C4のアルキル基、C5又はC6の脂肪環、フェニル基、置換フェニル基、ヒドロキシ基、アミノ基、置換アミノ基、C1−C4のアルコキシ基、C1−C4のアシル基、ハロゲン、カルボン酸又はカルボン酸エステルを示し、
R5、R6は水素、C1−C4のアルキル基、C5又はC6の脂肪環、5員又は6員の一個又は二個のN、O、Sヘテロ原子を含む飽和又は不飽和脂肪環、フェニル基、置換フェニル基、ヒドロキシ基、C1−C4のアルコキシ基、C1−C4のアシル基、ハロゲン、カルボン酸、カルボン酸エステル、アミノ基、置換アミノ基、ニトロ基又はアセトニトリルのうちの一種を示す。
【請求項2】
X が酸素であることを特徴とする請求項1に記載のアラルキルピペリジン(又はピペラジン)誘導体。
【請求項3】
Xが酸素のとき、Zは CH、YはO、N又はSであることを特徴とする請求項1に記載のアラルキルピペリジン(又はピペラジン)誘導体。
【請求項4】
Xが酸素のとき、ZはN、YはO、N又はSであることを特徴とする請求項1に記載のアラルキルピペリジン(又はピペラジン)誘導体。
【請求項5】
Xが酸素のとき、ZはC、
【化5】

は二重結合、YはO、N又はSであることを特徴とする請求項1に記載のアラルキルピペリジン(又はピペラジン)誘導体。
【請求項6】
前記置換アミノ基がアミノ基上にC1−C4のアルキル基、C5又はC6の脂肪環、フェニル基又は置換フェニル基を有することを特徴とする請求項1に記載のアラルキルピペリジン(又はピペラジン)誘導体。
【請求項7】
前記置換フェニル基がフェニル環上に1-4個の置換基を有し、その置換基がハロゲン、ヒドロキシ基、アルコキシ基又はアミノ基であることを特徴とする請求項1に記載のアラルキルピペリジン(又はピペラジン)誘導体。
【請求項8】
C1−C4のアルキル基、C1−C4のアルコキシ基、C1−C4のアシル基におけるアルキル基部分が1-3個のフルオロ原子により任意に置換されることを特徴とする請求項1に記載のアラルキルピペリジン(又はピペラジン)誘導体。
【請求項9】
構造中の不斉炭素がアキラル及びキラル炭素原子であることを特徴とする請求項1に記載のアラルキルピペリジン(又はピペラジン)誘導体。
【請求項10】
前記塩が薬物的に許容され得るアニオンを含む塩であることを特徴とする請求項1に記載のアラルキルピペリジン(又はピペラジン)誘導体。
【請求項11】
前記塩が塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、トリフルオロ酢酸塩又はメタンスルホン酸塩であることを特徴とする請求項1に記載のアラルキルピペリジン(又はピペラジン)誘導体。
【請求項12】
前記塩が0.5-3分子の結晶水を含むことを特徴とする請求項1に記載のアラルキルピペリジン(又はピペラジン)誘導体。
【請求項13】
I-1 7-[4-(4-(3-(6-クロロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
I-2 7-[4-(4-(3-(5-クロロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
I-3 7-[4-(4-(3-(ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
I-4 7-[4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
I-5 7-[4-(4-(3-(6-トリフルオロメチル-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
I-6 7-[4-(4-(3-(6-メチル-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
I-7 7-[4-(4-(3-(5-メチル-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
I-8 7-[4-(4-(3-(6-ヒドロキシ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
I-9 7-[4-(4-(3-(5-メトキシ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
I-10 7-[4-(4-(3-(5-シアノ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
I-11 7-[4-(4-(3-(5-ブロモ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
I-12 7-[4-(4-(3-(7-ブロモ-6-メトキシ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
II-1 7-[4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
II-2 7-[3-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-n-プロポキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
II-3 7-[2-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-エトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
II-4 7-[2-(4-(3-ベンズイソオキサゾリル)-1-ピペリジニル)-エトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
II-5 7-[4-(4-(3-(6-クロロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
II-6 7-[4-(4-(3-(5-メトキシ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
II-7 7-[4-(4-(3-(5-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
II-8 7-[4-(4-(3-(5,6-ジメトキシ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
II-9 7-[4-(4-(3-(5-ヒドロキシ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
II-10 7-[4-(4-(3-(5,6-ジヒドロキシ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
II-11 E-7-[4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-2-ブテニルオキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
II-12 Z-7-[4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-2-ブテニルオキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
II-13 7-(((1R,2S)-2-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)メチル)シクロヘキシル)メトキシ)-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
II-14 7-(((1R,2R)-2-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)メチル)シクロヘキシル)メトキシ)-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
III-1 7-[4-(4-(3-(1,2-ベンズイソチアゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
III-2 7-[3-(4-(3-(1,2-ベンズイソチアゾリル))-1-ピペラジニル)-n-プロポキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
III-3 7-[2-(4-(3-(1,2-ベンズイソチアゾリル))-1-ピペラジニル)-エトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
III-4 7-[4-(4-(3-(6-メトキシ-1,2-ベンズイソチアゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
III-5 7-[4-(4-(3-(7-メトキシ-1,2-ベンズイソチアゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
III-6 7-[4-(4-(3-(5-メトキシ-1,2-ベンズイソチアゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
III-7 7-[4-(4-(3-(4-メトキシ-1,2-ベンズイソチアゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-3,4-ジヒドロ-2(1H)-キノリノン、
IV-1 6-(4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ)-ジヒドロインドール-2-オン、
IV-2 5-(4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル)) -1-ピペリジニル)-n-ブトキシ) -2(3H)-ベンゾオキサゾロン、
IV-3 6-[4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-(1H)-インドール、
IV-4 6-[4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-(1H)-ベンゾイミダゾール、
IV-5 6-[4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-(1H)-インダゾール、
IV-6 6-[4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペラジニル)-n-ブトキシ]-(1H)-ベンゾ(1,2,3)トリアゾール、
IV-7 7-(4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ) -2(1H)-キノリノン、
IV-8 7-(4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ)-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン、
IV-9 7-(4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ) -3-メチル-2(1H)-キノリノン又は
IV-10 7-(4-(4-(3-(6-フルオロ-ベンズイソオキサゾリル))-1-ピペリジニル)-n-ブトキシ) -4-メチル-2(1H)-キノリノン
からなる群から選ばれることを特徴とする請求項1に記載のアラルキルピペリジン(又はピペラジン)誘導体。
【請求項14】
治療有効量の請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物又はその遊離塩基又は塩、および医学的に許容され得る担体を含む統合失調症の治療のための組成物。
【請求項15】
統合失調症治療薬物の調製のための請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物又はその遊離塩基又は塩の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−529090(P2011−529090A)
【公表日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−520299(P2011−520299)
【出願日】平成20年7月28日(2008.7.28)
【国際出願番号】PCT/CN2008/001385
【国際公開番号】WO2010/012121
【国際公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(510324919)江蘇国華投資有限公司 (3)
【出願人】(510027560)上海医薬工業研究院 (7)
【氏名又は名称原語表記】Shanghai Institute of Pharmaceutical Industry
【住所又は居所原語表記】No. 1320 West Beijing Road, 200040 Shanghai, China
【Fターム(参考)】