説明

アルカリ石鹸組成物

【課題】遊離のアルカリによる肌荒れを防止するアルカリ石鹸を低コストで提供する。
【解決手段】(イ)アルカリ石鹸、(ロ)スピルリナプラテンシス又はスピルリナマキシマの噴霧乾燥物の水抽出物に含有される水不溶物を遠心分離機で分離し、次に、前記水不溶物を遠心分離機で分離した水抽出物に含有されるスピルリナ色素成分を限外濾過膜で分離して得た廃スピルリナ水抽出物、及び/又は、2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシド、並びに、(ハ)水、を含有するアルカリ石鹸組成物とする。前記アルカリ石鹸は、例えば、脂肪酸ナトリウム塩又は脂肪酸カリウム塩である。前記廃スピルリナ水抽出物は、前記スピルリナ色素成分を限外濾過膜で分離した水抽出物とトレハロースとを混合してこれらを噴霧乾燥することにより得たものであってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肌荒れの少ないアルカリ石鹸組成物に関するものであり、さらに、詳しくは、アルカリ石鹸に含まれている遊離のアルカリによるpHの上昇を抑えて肌荒れを防止したアルカリ石鹸組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アルカリ石鹸は、脂肪酸のアルカリ中和物であって、その代表的なものは、脂肪酸塩となっているものであるが、一般的には、このような脂肪酸塩は、それ以外の合成された界面活性剤に比べると化学的に不安定な要素を含んでいるので、アルカリ石鹸を製造する際には、前記脂肪酸塩に、過剰のアルカリが添加されている。このようなアルカリ石鹸では、アルカリ過剰となり、当然のことながら、遊離アルカリが存在することとなるので、そのpHが13程度に高くなり、そのために、前記遊離アルカリが皮膚に接触した際に皮膚の蛋白質と結合して皮膚の蛋白質が炎症を起こすことになり、よって、遊離アルカリによる肌荒れが生じる、という問題があった。また、細かい泡が立ちにくい、という問題もあった。
【0003】
このような問題を解決するために、従来においては、アルカリ石鹸にひまし油、ロジン、グリセリン、砂糖等の物質を配合したものがあるが、これらの物質は、前記遊離アルカリによるpHの上昇を低下させるものではなく、しかも、アルカリ石鹸自体によって乳化され除去されて皮膚の表面に残留されるものではないので、前記物質によって十分な肌の保護効果を得ることは困難であった。
【0004】
また、スキンケアの面からは、アルカリ性を示さない酸性石鹸が好ましいが、酸性石鹸は、水に難溶性であるので、石鹸成分が水に懸濁してしまい、そのために、洗浄効果が十分に発揮できないという問題があった。
【0005】
そこで、カルボン酸により変性されたキトサンに加水分解コラーゲンを作用せしめて得た、皮膚に吸着被覆性を有する、平滑性保湿剤をアルカリ石鹸に練り込んだスキンケア石鹸が提案されている(特許文献1を参照を参照。)。
【0006】
このスキンケア石鹸によれば、『キトサンをカルボン酸によってキトサン塩として水可溶性に変性したキトサンに、加水分解コラーゲンを作用させることにより、皮膚に吸着性を有する平滑性、造膜性の被覆が得られ、この被覆は保湿性が高くその保湿力と被覆効果により苛酷な条件においても角質の水分を維持する効果がある。この保湿剤は皮膚に吸着性を有するので石鹸に配合しても、使用時に除去されることがなく、しかも肌を被覆しているので洗浄後にも有効である。また、キトサンのカルボン酸塩では一部のカルボキシル基が石鹸の溶解時のアルカリ性を中和するためにpHを8〜6に保つことができ、皮膚をアルカリから保護することができる。』という効果を奏する。
【0007】
しかしながら、前記特許文献1に記載された技術よれば、キトサンのカルボン酸塩では、その一部のカルボキシル基がスキンケア石鹸の溶解時の遊離のアルカリによるアルカリ性を中和するためにpHを8〜6に保つことができるが、前記キトサンのカルボン酸塩は、高価な薬剤であるので、スキンケア石鹸の製造コストが上がるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−13093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。
【0010】
即ち、本発明は、遊離のアルカリによる肌荒れを防止するアルカリ石鹸を低コストで提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載された発明は、上記目的を達成するために、(イ)アルカリ石鹸、(ロ)スピルリナプラテンシス又はスピルリナマキシマの噴霧乾燥物の水抽出物に含有される水不溶物を遠心分離機で分離し、次に、前記水不溶物を遠心分離機で分離した水抽出物に含有されるスピルリナ色素成分を限外濾過膜で分離して得た廃スピルリナ水抽出物、及び/又は、2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシド、並びに、(ハ)水、を含有していることを特徴とするアルカリ石鹸組成物である。
【0012】
請求項2に記載された発明は、(イ)アルカリ石鹸、(ロ)スピルリナプラテンシス若しくはスピルリナマキシマの噴霧乾燥物の水抽出物に含有される水不溶物を遠心分離機で分離し、前記水不溶物を遠心分離機で分離した水抽出物に含有されるスピルリナ色素成分を限外濾過膜で分離し、次に、前記スピルリナ色素成分を限外濾過膜で分離した水抽出物とトレハロースとを混合してこれらを噴霧乾燥することにより得た廃スピルリナ水抽出物、及び/又は、2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシド、並びに、(ハ)水、を含有していることを特徴とするアルカリ石鹸組成物である。
【0013】
請求項3に記載された発明は、請求項1又は2に記載された発明において、前記廃スピルリナ水抽出物の含有量が、0.1〜10.0重量%とされていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項4に記載された発明は、請求項1〜3のいづれか1項に記載された発明において、前記2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシドの含有量が、0.001〜50.0重量%とされていることを特徴とすものである。
【0015】
請求項5に記載された発明は、請求項1〜4のいづれか1項に記載された発明において、前記水の含有量が、1〜30重量%とされていることを特徴とするものである。
【0016】
請求項6に記載された発明は、請求項1〜5のいづれか1項に記載された発明において、前記アルカリ石鹸が、脂肪酸ナトリウム塩又は脂肪酸カリウム塩であることを特徴とするものである。
【0017】
請求項7に記載された発明は、請求項1〜6のいづれか1項に記載された発明において、前記水が、イオン交換樹脂純水製造装置、又は、蒸留水製造装置(多重効用缶式蒸留水製造装置)によって製造されたpH6.5〜5.9、及び、25℃における電気伝導率0.08μS/cm 以下の高純度の蒸留水とされていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
請求項1,6に記載された発明によれば、(イ)アルカリ石鹸、(ロ)スピルリナプラテンシス又はスピルリナマキシマの噴霧乾燥物の水抽出物に含有される水不溶物を遠心分離機で分離し、次に、前記水不溶物を遠心分離機で分離した水抽出物に含有されるスピルリナ色素成分を限外濾過膜で分離して得た廃スピルリナ水抽出物、及び/又は、2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシド、並びに、(ハ)水、をアルカリ石鹸組成物に含有しているので、アルカリ石鹸組成物の使用時において、前記(ロ)の廃スピルリナ水抽出物に含有されている18種類のアミノ酸がアルカリ石鹸に含有されていた遊離アルカリ及び/又はアルカリ石鹸の分解によって生成された遊離アルカリと反応してより中性に近いアミノ酸石鹸を皮膚上に存在することとなって、皮膚上における石鹸液のpHが中性に近いものに保たれることとなり、さらに、2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシドがアルカリ石鹸に含有されている遊離アルカリ及び/又はアルカリ石鹸の分解によって生成された遊離アルカリと反応して、皮膚上における石鹸液のpHが中性に近いものに保たれることとなり、よって、遊離のアルカリによる肌荒れを防止するアルカリ石鹸を低コストで提供することができる。
【0019】
しかも、請求項1,6に記載された発明によれば、前記アルカリ石鹸組成物に含有されている廃スピルリナ水抽出物に18種類のアミノ酸が含有されているので、前記18種類のアミノ酸によって細かい泡立ちを生じさせると共に肌に潤いを与えることができ、また、前記アルカリ石鹸組成物に2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシドが含有されているので、前記2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシドによって、日焼け又は加齢に伴う皮膚の染みを除去し、皮膚の美白を回復させることができ、また、「スピルリナプラテンシス又はスピルリナマキシマの噴霧乾燥物の水抽出物に含有される水不溶物を遠心分離機で分離し、次に、前記水不溶物を遠心分離機で分離した水抽出物に含有されるスピルリナ色素成分を限外濾過膜で分離して得た廃スピルリナ水抽出物」と「2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシド」とを併用することによって、皮膚上における石鹸液のpHを中性に近いものにいっそう顕著に保つことができる。
【0020】
請求項2,6に記載された発明によれば、(イ)アルカリ石鹸、(ロ)スピルリナプラテンシス若しくはスピルリナマキシマの噴霧乾燥物の水抽出物に含有される水不溶物を遠心分離機で分離し、前記水不溶物を遠心分離機で分離した水抽出物に含有されるスピルリナ色素成分を限外濾過膜で分離し、次に、前記スピルリナ色素成分を限外濾過膜で分離した水抽出物とトレハロースとを混合してこれらを噴霧乾燥することにより得た廃スピルリナ水抽出物、及び/又は、2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシド、並びに、(ハ)水、を含有しているので、アルカリ石鹸組成物の使用時において、前記(ロ)の廃スピルリナ水抽出物に含有されている18種類のアミノ酸がアルカリ石鹸に含有されていた遊離アルカリ及び/又はアルカリ石鹸の分解によって生成された遊離アルカリと反応してより中性に近いアミノ酸石鹸を皮膚上に存在することとなって、皮膚上における石鹸液のpHが中性に近いものに保たれることとなり、さらに、2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシドがアルカリ石鹸に含有されている遊離アルカリ及び/又はアルカリ石鹸の分解によって生成された遊離アルカリと反応して、皮膚上における石鹸液のpHが中性に近いものに保たれることとなり、よって、遊離のアルカリによる肌荒れを防止するアルカリ石鹸を低コストで提供することができる。
【0021】
しかも、請求項2,6に記載された発明によれば、前記アルカリ石鹸組成物に含有されている廃スピルリナ水抽出物に18種類のアミノ酸が含有されているので、前記18種類のアミノ酸によって細かい泡立ちを生じさせると共に肌に潤いを与えることがき、また、前記アルカリ石鹸組成物に2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシドが含有されているので、前記2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシドによって、日焼け又は加齢に伴う皮膚の染みを除去し、皮膚の美白を回復させることができ、また、「スピルリナプラテンシス又はスピルリナマキシマの噴霧乾燥物の水抽出物に含有される水不溶物を遠心分離機で分離し、次に、前記水不溶物を遠心分離機で分離した水抽出物に含有されるスピルリナ色素成分を限外濾過膜で分離して得た廃スピルリナ水抽出物」と「2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシド」とを併用することによって、皮膚上における石鹸液のpHを中性に近いものにいっそう顕著に保つことができ、また、前記廃スピルリナ水抽出物が前記スピルリナ色素成分を限外濾過膜で分離した水抽出物とトレハロースとを混合してこれらを噴霧乾燥することにより得たものであるので、前記アルカリ石鹸組成物の製造における前記廃スピルリナ水抽出物の取り扱いをいっそう容易におこなうことができる。
【0022】
請求項3に記載された発明によれば、前記廃スピルリナ水抽出物の含有量が0.1〜10.0重量%とされているので、皮膚上における石鹸液が中性に近いpHに確実に保たれることとなり、そのために、遊離のアルカリによる肌荒れを確実に防止するアルカリ石鹸組成物を低コストで提供することができる。
【0023】
請求項4に記載された発明によれば、請求項9に記載された発明によれば、前記2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシドの含有量が、0.001〜50.0重量%とされているので、皮膚上における石鹸液が中性に近いpHに確実に保たれることとなり、そのために、遊離のアルカリによる肌荒れを確実に防止するアルカリ石鹸組成物を低コストで提供することができる。
【0024】
請求項5に記載された発明によれば、前記水の含有量が1〜30重量%とされているので、アルカリ石鹸液の泡立ちを極めて細かく保ち、泡の保持力を一定にすることができる。
【0025】
請求項7に記載された発明によれば、前記水が、イオン交換樹脂純水製造装置、又は、蒸留水製造装置(多重効用缶式蒸留水製造装置)によって製造されたpH6.5〜5.9、及び、25℃における電気伝導率0.08μS/cm 以下の高純度の蒸留水とされているので、前記廃スピルリナ水抽出物、或いは、前記廃スピルリナ水抽出物及び後述する2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシド以外の物質を一切含有しない純ナトリウム石鹸及び/又は純カリウム石鹸を含有するアルカリ石鹸組成物とすることができ、そのために、泡立ちのいっそう良好なアルカリ石鹸組成物とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施の形態を示すアルカリ石鹸組成物に含有される「廃スピルリナ水抽出物」の成分表である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
従来、スピルリナ色素成分は、スピルリナプラテンシス又はスピルリナマキシマの噴霧乾燥物の水抽出物に含有される水不溶物を遠心分離機で分離し、次に、前記水不溶物を遠心分離機で分離した水抽出物に含有されるスピルリナ色素成分を限外濾過膜で分離して得ているが、前記スピルリナ色素成分を限外濾過膜で分離した後には、廃スピルリナ水抽出物が残留する。前記廃スピルリナ水抽出物は、前記スピルリナ色素成分を限外濾過膜する際に、分子量分画された分子量15000以下の水溶性物質である。本明細書においては、かかる廃スピルリナ水抽出物を「廃スピルリナ水抽出物」という。この廃スピルリナ水抽出物は、その有用な用途がないために、産業廃棄物として処理されている。そこで、本発明者は、前記廃スピルリナ水抽出物の有用な用途を見出すべく探求しているうちに、前記廃スピルリナ水抽出物を遊離のアルカリが問題とされるアルカリ石鹸組成物に含有させたところ、遊離のアルカリによる肌荒れを防止することができることができることを見出して本発明を完成するに至った。また、2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシドを遊離のアルカリが問題とされるアルカリ石鹸組成物に含有させたところ、同様に、遊離のアルカリによる肌荒れを防止することができることができることを見出して本発明を完成するに至った。
【0028】
そこで、本発明者は、前記廃スピルリナ水抽出物を分析したところ、図1に示される栄養成分表に記載される分析結果を得た。この分析結果によれば、前記廃スピルリナ水抽出物には、18種類のアミノ酸(アルギニン、アラニン、アスパラギン酸、イソロイシン、グリシン、グルタミン酸、シスチン、スレオニン、セリン、チロシントリプトファン、バリン、ヒスチジン、メチオニン、フェニルアラニン、プリン、リジン及びロイシン)8重量%が含有されていることがわかった。そして、前記18種類のアミノ酸がアルカリ石鹸組成物に含有さているアルカリと反応して中性に近いアミノ酸石鹸を生成すること、及び、2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシドおけるカルボン酸がアルカリ石鹸組成物に含有されているアルカリと反応してエステルを生成することにより、皮膚上における石鹸液が中性に近いpHに保たれることとなり、そのために、遊離のアルカリによる肌荒れを防止することができることもわかった。さらに、前記18種類のアミノ酸によって細かい泡立ちを生じさせると共に肌に潤いを与えることができ、また、前記アルカリ石鹸組成物に2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシドが含有されているので、前記2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシドによって、日焼け又は加齢に伴う皮膚の染みを除去し、皮膚の美白を回復させることができることもわかった。
【0029】
本発明の一実施の形態を示すアルカリ石鹸組成物は、(イ)アルカリ石鹸、(ロ)スピルリナプラテンシス又はスピルリナマキシマの噴霧乾燥物の水抽出物に含有される水不溶物を遠心分離機で分離し、次に、前記水不溶物を遠心分離機で分離した水抽出物に含有されるスピルリナ色素成分を限外濾過膜で分離して得た廃スピルリナ水抽出物、及び/又は、2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシド、並びに、(ハ)水、を含有している。
【0030】
このように、(イ)アルカリ石鹸、(ロ)スピルリナプラテンシス又はスピルリナマキシマの噴霧乾燥物の水抽出物に含有される水不溶物を遠心分離機で分離し、次に、前記水不溶物を遠心分離機で分離した水抽出物に含有されるスピルリナ色素成分を限外濾過膜で分離して得た廃スピルリナ水抽出物、及び/又は、2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシド、並びに、(ハ)水、を含有していると、アルカリ石鹸組成物の使用時において、前記(ロ)の廃スピルリナ水抽出物に含有されている18種類のアミノ酸がアルカリ石鹸に含有されていた遊離アルカリ及び/又はアルカリ石鹸の分解によって生成された遊離アルカリと反応してより中性に近いアミノ酸石鹸を皮膚上に存在することとなって、皮膚上における石鹸液のpHが中性に近いものに保たれることとなり、さらに、2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシドがアルカリ石鹸に含有されている遊離アルカリ及び/又はアルカリ石鹸の分解によって生成された遊離アルカリと反応して、皮膚上における石鹸液のpHが中性に近いものに保たれることとなり、よって、遊離のアルカリによる肌荒れを防止するアルカリ石鹸を低コストで提供することができる。
【0031】
しかも、請求項1,6に記載された発明によれば、前記アルカリ石鹸組成物に含有されている廃スピルリナ水抽出物に18種類のアミノ酸が含有されていると、前記18種類のアミノ酸によって細かい泡立ちを生じさせると共に肌に潤いを与えることができ、
また、前記アルカリ石鹸組成物に2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシドが含有されているので、前記2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシドによって、日焼け又は加齢に伴う皮膚の染みを除去し、皮膚の美白を回復させることができ、
また、「スピルリナプラテンシス又はスピルリナマキシマの噴霧乾燥物の水抽出物に含有される水不溶物を遠心分離機で分離し、次に、前記水不溶物を遠心分離機で分離した水抽出物に含有されるスピルリナ色素成分を限外濾過膜で分離して得た廃スピルリナ水抽出物」と「2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシド」とを併用することによって、皮膚上における石鹸液のpHを中性に近いものにいっそう顕著に保つことができる。
【0032】
また、本発明の他の一実施の形態を示すアルカリ石鹸組成物は、(イ)アルカリ石鹸、(ロ)スピルリナプラテンシス若しくはスピルリナマキシマの噴霧乾燥物の水抽出物に含有される水不溶物を遠心分離機で分離し、前記水不溶物を遠心分離機で分離した水抽出物に含有されるスピルリナ色素成分を限外濾過膜で分離し、次に、前記スピルリナ色素成分を限外濾過膜で分離した水抽出物とトレハロースとを混合してこれらを噴霧乾燥することにより得た廃スピルリナ水抽出物、及び/又は、2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシド、並びに、(ハ)水、を含有している。
【0033】
このように、(イ)アルカリ石鹸、(ロ)スピルリナプラテンシス若しくはスピルリナマキシマの噴霧乾燥物の水抽出物に含有される水不溶物を遠心分離機で分離し、前記水不溶物を遠心分離機で分離した水抽出物に含有されるスピルリナ色素成分を限外濾過膜で分離し、次に、前記スピルリナ色素成分を限外濾過膜で分離した水抽出物とトレハロースとを混合してこれらを噴霧乾燥することにより得た廃スピルリナ水抽出物、及び/又は、2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシド、並びに、(ハ)水、を含有していると、アルカリ石鹸組成物の使用時において、前記(ロ)の廃スピルリナ水抽出物に含有されている18種類のアミノ酸がアルカリ石鹸に含有されていた遊離アルカリ及び/又はアルカリ石鹸の分解によって生成された遊離アルカリと反応してより中性に近いアミノ酸石鹸を皮膚上に存在することとなって、皮膚上における石鹸液のpHが中性に近いものに保たれることとなり、さらに、2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシドがアルカリ石鹸に含有されている遊離アルカリ及び/又はアルカリ石鹸の分解によって生成された遊離アルカリと反応して、皮膚上における石鹸液のpHが中性に近いものに保たれることとなり、よって、遊離のアルカリによる肌荒れを防止するアルカリ石鹸を低コストで提供することができる。
【0034】
しかも、前記アルカリ石鹸組成物に含有されている廃スピルリナ水抽出物に18種類のアミノ酸が含有されていると、前記18種類のアミノ酸によって細かい泡立ちを生じさせると共に肌に潤いを与えることができ、また、前記アルカリ石鹸組成物に2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシドが含有されているので、前記2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシドによって、日焼け又は加齢に伴う皮膚の染みを除去し、皮膚の美白を回復させることができ、また、「スピルリナプラテンシス又はスピルリナマキシマの噴霧乾燥物の水抽出物に含有される水不溶物を遠心分離機で分離し、次に、前記水不溶物を遠心分離機で分離した水抽出物に含有されるスピルリナ色素成分を限外濾過膜で分離して得た廃スピルリナ水抽出物」と「2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシド」とを併用することによって、皮膚上における石鹸液のpHを中性に近いものにいっそう顕著に保つことができ、また、前記廃スピルリナ水抽出物が前記スピルリナ色素成分を限外濾過膜で分離した水抽出物とトレハロースとを混合してこれらを噴霧乾燥することにより得たものであるので、前記アルカリ石鹸組成物の製造における前記廃スピルリナ水抽出物の取り扱いをいっそう容易におこなうことができる。
【0035】
前記廃スピルリナ水抽出物の含有量は、好ましくは、0.1〜10.0重量%とされ、さらに、好ましくは0.5〜10.0重量%とされる。前記廃スピルリナ水抽出物の含有量が0.1重量%未満であると、遊離のアルカリによる肌荒れを防止する機能か低下し、そして、前記廃スピルリナ水抽出物の含有量が10.0重量%を越えると、pHを安定に中性に保つことが困難となる。したがって、前記廃スピルリナ水抽出物の含有量が0.1〜10.0重量%とされていると、皮膚上における石鹸液が中性に近いpHに保たれることとなり、そのために、遊離のアルカリによる肌荒れを防止するアルカリ石鹸を低コストで提供することができる。
【0036】
前記2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシドの含有量は、好ましくは、0.001〜50.0重量%とされ、さらに好ましくは、0.05〜25.0とされている。前記2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシドの含有量が0.1重量%未満であると、皮膚の染みの除去効果及ぶ美白の回復効果が不安定となり、そして、前記2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシドの含有量が50.0重量%を越えると、水溶液中で不安定となり、その一部が析出することとなる。したがって、前記2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシドの含有量が、0.001〜50.0重量%とされていると、2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシドおけるカルボン酸がアルカリ石鹸組成物に含有されているアルカリと反応してエステルを生成することにより、皮膚上における石鹸液が中性に近いpHに保たれることとなり、そのために、遊離のアルカリによる肌荒れを防止することができる。
【0037】
本発明においては、前記アルカリ石鹸は、好ましくは、脂肪酸ナトリウム塩又は脂肪酸カリウム塩であるが、本発明の目的に反しない限り、これら以外のアルカリ石鹸であってもかまわない。
【0038】
本発明の石鹸組成物は、主として、化粧石鹸として使用される。前記化粧石鹸において、固形石鹸及び粉石鹸には、ナトリウム石鹸(脂肪酸ナトリウム)が用いられ、そして、液体石鹸、シャンプー及びボディソープには、水に対する溶解度の大きいカリウム石鹸(脂肪酸カリウム)が用いられる。また、用途によっては、ナトリウム石鹸、カリウム石鹸を混合して用いられる場合もある。これらの化粧石鹸は「薬事法」では「化粧品」として扱われている。本発明の石鹸組成物は、界面活性剤中の純石鹸分の割合が100%のものであって、主な洗浄作用が純石鹸分の界面活性作用によるものであるので、純石鹸分以外の界面活性剤を含まないものである。従って、「家庭用品品質表示法」に於ける品名表示は「石鹸」となる。
【0039】
本発明においては、前記水の含有量が1〜30重量%とされている。このように、前記水の含有量が1〜30重量%とされていると、アルカリ石鹸液の泡立ちを極めて細かく保ち、泡の保持力を一定にすることができる。
【0040】
また、本発明においては、前記水は、好ましくは、イオン交換樹脂純水製造装置、又は、蒸留水製造装置(多重効用缶式蒸留水製造装置)によって製造されたpH6.5〜5.9、及び、25℃における電気伝導率0.08μS/cm 以下の高純度の蒸留水とされている。このように、前記水が、イオン交換樹脂純水製造装置、又は、蒸留水製造装置(多重効用缶式蒸留水製造装置)によって製造されたpH6.5〜5.9、及び、25℃における電気伝導率0.08μS/cm 以下の高純度の蒸留水とされているので、前記廃スピルリナ水抽出物、或いは、前記廃スピルリナ水抽出物及び後述する有機ゲルマニウム(2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシド)以外の物質を一切含有しない純ナトリウム石鹸及び/又は純カリウム石鹸を含有するアルカリ石鹸組成物とすることができ、そのために、泡立ちのいっそう良好なアルカリ石鹸組成物とすることができる。
【実施例】
【0041】
(実施例1)
炭素数12〜18(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸)の脂肪酸と水酸化ナトリウムと反応させてナトリウム石鹸100gを製造し、次いで、前記ナトリウム石鹸100gに廃スピルリナ水抽出物1gと2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキサイド0.1gとを添加した後、高純度の蒸留水を10g添加して混合することによりアルカリ石鹸組成物を得た。
【0042】
(実施例2)
炭素数12〜18(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸)の脂肪酸と水酸化カリウムと反応させてカリウム石鹸100gを製造し、次いで、前記カリウム石鹸100gに廃スピルリナ水抽出物1gと2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキサイド0.1gとを添加した後、高純度の蒸留水を10g添加して混合することによりアルカリ石鹸組成物を得た。
【0043】
(実施例3)
炭素数12〜18(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸)の脂肪酸と水酸化ナトリウムと反応させてナトリウム石鹸100gを製造し、次いで、前記ナトリウム石鹸100gに廃スピルリナ水抽出物1gと2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキサイド0.5gとを添加した後、高純度の蒸留水を10g添加して混合することによりアルカリ石鹸組成物を得た。
【0044】
(実施例4)
炭素数12〜18(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸)の脂肪酸と水酸化カリウムと反応させてカリウム石鹸100gを製造し、次いで、前記カリウム石鹸100gに廃スピルリナ水抽出物1gと2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキサイド0.5gとを添加した後、高純度の蒸留水を10g添加して混合することによりアルカリ石鹸組成物を得た。
【0045】
(実施例5)
炭素数12〜18(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸)の脂肪酸と水酸化ナトリウムと反応させてナトリウム石鹸100gを製造し、次いで、前記ナトリウム石鹸100gに廃スピルリナ水抽出物1gと2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキサイド1gとを添加した後、高純度の蒸留水を10g添加して混合することによりアルカリ石鹸組成物を得た。
【0046】
(実施例6)
炭素数12〜18(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸)の脂肪酸と水酸化カリウムと反応させてカリウム石鹸100gを製造し、次いで、前記カリウム石鹸100gに廃スピルリナ水抽出物1gと2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキサイド1gとを添加した後、高純度の蒸留水を10g添加して混合することによりアルカリ石鹸組成物を得た。
【0047】
(実施例7)
炭素数12〜18(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸)の脂肪酸と水酸化ナトリウムと反応させてナトリウム石鹸100gを製造し、次いで、前記ナトリウム石鹸100gに廃スピルリナ水抽出物2.5gと2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキサイド0.5gとを添加した後、高純度の蒸留水を10g添加して混合することによりアルカリ石鹸組成物を得た。
【0048】
(実施例8)
炭素数12〜18(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸)の脂肪酸と水酸化カリウムと反応させてカリウム石鹸100gを製造し、次いで、前記カリウム石鹸100gに廃スピルリナ水抽出物2.5gと2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキサイド0.5gとを添加した後、高純度の蒸留水を10g添加して混合することによりアルカリ石鹸組成物を得た。
【0049】
(実施例9)
炭素数12〜18(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸)の脂肪酸と水酸化ナトリウムと反応させてナトリウム石鹸100gを製造し、次いで、前記ナトリウム石鹸100gに廃スピルリナ水抽出物5gと2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキサイド0.5gとを添加した後、高純度の蒸留水を10g添加して混合することによりアルカリ石鹸組成物を得た。
成物を得た。
【0050】
(実施例10)
炭素数12〜18(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸)の脂肪酸と水酸化カリウムと反応させてカリウム石鹸100gを製造し、次いで、前記カリウム石鹸100gに廃スピルリナ水抽出物5gと2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキサイド0.5gとを添加した後、高純度の蒸留水を10g添加して混合することによりアルカリ石鹸組成物を得た。
【0051】
(実施例11)
炭素数12〜18(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸)の脂肪酸と水酸化ナトリウムと反応させてナトリウム石鹸100gを製造し、次いで、前記ナトリウム石鹸100gに廃スピルリナ水抽出物1gと2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキサイド0.5gとを添加した後、高純度の蒸留水を15g添加して混合することによりアルカリ石鹸組成物を得た。
【0052】
(実施例12)
炭素数12〜18(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸)の脂肪酸と水酸化カリウムと反応させてカリウム石鹸100gを製造し、次いで、前記カリウム石鹸100gに廃スピルリナ水抽出物1gと2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキサイド0.5gとを添加した後、高純度の蒸留水を15g添加して混合することによりアルカリ石鹸組成物を得た。
【0053】
(実施例13)
炭素数12〜18(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸)の脂肪酸と水酸化ナトリウムと反応させてナトリウム石鹸100gを製造し、次いで、前記カリウム石鹸100gに2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキサイド0.1gを添加した後、高純度の蒸留水を10g添加して混合することによりアルカリ石鹸組成物を得た。
【0054】
(実施例14)
炭素数12〜18(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸)の脂肪酸と水酸化カリウムと反応させてカリウム石鹸100gを製造し、次いで、前記カリウム石鹸100gに2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキサイド0.1gを添加した後、高純度の蒸留水を10g添加して混合することによりアルカリ石鹸組成物を得た。
【0055】
(実施例15)
炭素数12〜18(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸)の脂肪酸と水酸化ナトリウムと反応させてナトリウム石鹸100gを製造し、次いで、前記カリウム石鹸100gに2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキサイド0.5gを添加した後、高純度の蒸留水を10g添加して混合することによりアルカリ石鹸組成物を得た。
【0056】
(実施例16)
炭素数12〜18(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸)の脂肪酸と水酸化カリウムと反応させてカリウム石鹸100gを製造し、次いで、前記カリウム石鹸100gに2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキサイド0.5gを添加した後、高純度の蒸留水を10g添加して混合することによりアルカリ石鹸組成物を得た。
【0057】
(実施例17)
炭素数12〜18(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸)の脂肪酸と水酸化ナトリウムと反応させてナトリウム石鹸100gを製造し、次いで、前記カリウム石鹸100gに2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキサイド1gを添加した後、高純度の蒸留水を10g添加して混合することによりアルカリ石鹸組成物を得た。
【0058】
(実施例18)
炭素数12〜18(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸)の脂肪酸と水酸化カリウムと反応させてカリウム石鹸100gを製造し、次いで、前記カリウム石鹸100gに2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキサイド1gを添加した後、高純度の蒸留水を10g添加して混合することによりアルカリ石鹸組成物を得た。
【0059】
(実施例19)
炭素数12〜18(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸)の脂肪酸と水酸化ナトリウムと反応させてナトリウム石鹸100gを製造し、次いで、前記ナトリウム石鹸100gに廃スピルリナ水抽出物1gを添加した後、高純度の蒸留水を10g添加して混合することによりアルカリ石鹸組成物を得た。
【0060】
(実施例20)
炭素数12〜18(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸)の脂肪酸とカリウムと反応させてカリウム石鹸100gを製造し、次いで、前記カリウム石鹸100gに廃スピルリナ水抽出物1gを添加した後、高純度の蒸留水を10g添加して混合することによりアルカリ石鹸組成物を得た。
【0061】
(実施例21)
炭素数12〜18(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸)の脂肪酸と水酸化ナトリウムと反応させてナトリウム石鹸100gを製造し、次いで、前記ナトリウム石鹸100gに廃スピルリナ水抽出物2.5gを添加した後、高純度の蒸留水を10g添加して混合することによりアルカリ石鹸組成物を得た。
【0062】
(実施例22)
炭素数12〜18(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸)の脂肪酸とカリウムと反応させてカリウム石鹸100gを製造し、次いで、前記カリウム石鹸100gに廃スピルリナ水抽出物2.5gを添加した後、高純度の蒸留水を10g添加して混合することによりアルカリ石鹸組成物を得た。
【0063】
(実施例23)
炭素数12〜18(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸)の脂肪酸と水酸化ナトリウムと反応させてナトリウム石鹸100gを製造し、次いで、前記ナトリウム石鹸100gに廃スピルリナ水抽出物5gを添加した後、高純度の蒸留水を10g添加して混合することによりアルカリ石鹸組成物を得た。
【0064】
(実施例24)
炭素数12〜18(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸)の脂肪酸とカリウムと反応させてカリウム石鹸100gを製造し、次いで、前記カリウム石鹸100gに廃スピルリナ水抽出物5gを添加した後、高純度の蒸留水を10g添加して混合することによりアルカリ石鹸組成物を得た。
【0065】
(比較例1)
炭素数12〜18(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸)の脂肪酸と水酸化ナトリウムと反応させてナトリウム石鹸100gを製造してアルカリ石鹸組成物を得た。
【0066】
(比較例2)
炭素数12〜18(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸)の脂肪酸と水酸化カリウムと反応させてカリウム石鹸100gを製造してアルカリ石鹸組成物を得た。
【0067】
以上、実施例1〜24及び比較例1〜2で得たアルカリ石鹸組成物を25〜30℃のぬるま湯を用いて泡立て器で細かい泡を立て、この泡で顔をパックして、そのまま3分間保持してから、前記泡をぬるま湯で洗浄した直後における顔の皮膚のpH:B)を測定した。また、予め、前記泡で顔をパックする前における顔の皮膚のpH:A)を測定しておいた。また、前記泡をぬるま湯で洗浄した直後における顔の皮膚のpHが、前記泡で顔をパックする前における顔の皮膚のpHに戻る時間:C)を測定した。これらの測定結果は、次の表1に示される。
【0068】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(イ)アルカリ石鹸、(ロ)スピルリナプラテンシス若しくはスピルリナマキシマの噴霧乾燥物の水抽出物に含有される水不溶物を遠心分離機で分離し、次に、前記水不溶物を遠心分離機で分離した水抽出物に含有されるスピルリナ色素成分を限外濾過膜で分離して得た廃スピルリナ水抽出物、及び/又は、2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシド、並びに、(ハ)水、を含有していることを特徴とするアルカリ石鹸組成物。
【請求項2】
(イ)アルカリ石鹸、(ロ)スピルリナプラテンシス若しくはスピルリナマキシマの噴霧乾燥物の水抽出物に含有される水不溶物を遠心分離機で分離し、前記水不溶物を遠心分離機で分離した水抽出物に含有されるスピルリナ色素成分を限外濾過膜で分離し、次に、前記スピルリナ色素成分を限外濾過膜で分離した水抽出物とトレハロースとを混合してこれらを噴霧乾燥することにより得た廃スピルリナ水抽出物、及び/又は、2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシド、並びに、(ハ)水、を含有していることを特徴とするアルカリ石鹸組成物。
【請求項3】
前記廃スピルリナ水抽出物の含有量が、0.1〜10.0重量%とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載のアルカリ石鹸組成物。
【請求項4】
前記2−カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキシドの含有量が、0.001〜50.0重量%とされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルカリ石鹸組成物。
【請求項5】
前記水の含有量が、1〜30重量%とされていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルカリ石鹸組成物。
【請求項6】
前記アルカリ石鹸が、脂肪酸ナトリウム塩又は脂肪酸カリウム塩であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のアルカリ石鹸組成物。
【請求項7】
前記水が、イオン交換樹脂純水製造装置、又は、蒸留水製造装置(多重効用缶式蒸留水製造装置)によって製造されたpH6.5〜5.9、及び、25℃における電気伝導率0.08μS/cm 以下の高純度の蒸留水とされていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のアルカリ石鹸組成物。

【図1】
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【公開番号】特開2011−1316(P2011−1316A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−146744(P2009−146744)
【出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【出願人】(591050420)ジャパン・アルジェ株式会社 (6)
【Fターム(参考)】