説明

アルカリ蓄電池

【課題】コスト低減効果と高率放電特性効果が両立したアルカリ蓄電池を提供する。
【解決手段】本発明のアルカリ蓄電池は、ペースト式カドミウム負極とニッケル正極とセパレータとからなる電極群100aを外装缶内に備えるとともに、外装缶の開口部が封口体50により密封されている。カドミウム負極は活物質の充填密度が2.8g/cm3以下であり、電極群100aの上端部に突出して一方の電極の芯体が露出しており、これに上部集電体22が溶接され、上部集電体22より延出して形成された集電タブ部22bと封口体50とが溶接されている。電極群100aの最外周の電極20と上部集電体22との溶接点M1と、集電タブ部22bと封口体50との溶接点M2との間の集電タブ部22bに沿った最短距離Lが9mm以下となされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はニッケル正極とカドミウム負極とセパレータとからなる渦巻状電極群を外装缶内に備えるとともに、この外装缶の開口部が封口体により密封されたアルカリ蓄電池に関する。
【背景技術】
【0002】
アルカリ蓄電池においては、一般的に、セパレータを間にして正極と負極とが積層された電極群を渦巻状に巻回して形成された渦巻状電極群が外装缶内に収容されている。また、この渦巻状電極群の上端部に一方の電極の芯体が、下端部に他方の電極の芯体がそれぞれ突出して形成されている。さらに、電池内部で発生した電気エネルギーを効率的に外部に取り出すため、通常、一方の電極の芯体に上部集電体が溶接され、他方の電極の芯体に底部集電体が溶接されているのが一般的である。そして、例えば、上部集電体は当該集電体より延出して形成された集電タブ部の端部が一方の外部端子(通常は正極端子となる)を兼ねる封口体の下端面に溶接され、底部集電体は他方の外部端子(通常は負極端子となる)を兼ねる外装缶の内底面に溶接されて、集電経路が形成されるようになされている。
【0003】
ところで、アルカリ蓄電池に用いられるカドミウム負極には焼結式負極と非焼結式負極(ペースト式負極)とがある。焼結式負極はニッケル粉末を焼結して形成したニッケル焼結基板に水酸化カドミウムを主体とするカドミウム活物質を含浸して作製されるものである。一方、非焼結式負極(ペースト式負極)は導電性芯体(電極基板)に主活物質である酸化カドミウムを主体とする活物質ペーストを塗着して作製されるものである。このうち、非焼結式負極(ペースト式負極)は製造工程が比較的簡単で、かつ製造コストが焼結式負極より安価であることから広く用いられるようになった。
【0004】
一方、大電流放電(高率放電)特性を向上させるためには電池の内部抵抗を低減させる必要がある。そこで、電池の内部抵抗を低減させることを目的とした集電リード板と封口体との溶接方法が、例えば、特許文献1(特開平10−261397号公報)にて提案されている。この特許文献1にて提案された電池の内部抵抗の低減化手法においては、焼結式の正・負極板を用いた電極群の上に上部集電体を溶接した後、この上部集電体の上に配置した集電リード板と封口体とを電池構成後に溶接するようにしている。これにより、集電リード板が短くても容易に外装缶の開口部に封口体を装着することが可能となるので、上部集電体と封口体との集電距離を短くでき、電池の内部抵抗を低減することが可能になるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−261397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、非焼結式負極(ペースト式負極)は大電流放電(高率放電)特性が劣るという問題があった。このため、特許文献1にて開示された電池の内部抵抗低減化手法を非焼結式負極(ペースト式負極)を用いたアルカリ蓄電池に適用したとしても、大電流放電(高率放電)特性の向上効果を発揮させることは不十分である。この結果、コスト低減効果と大電流放電(高率放電)特性効果の両方を成立させることは困難なことであった。
そこで、本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、コスト低減効果と大電流放電(高率放電)特性効果の両方を成立させることを可能としたアルカリ蓄電池を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のアルカリ蓄電池は、ニッケル正極とペースト式カドミウム負極とセパレータとからなる渦巻状電極群を外装缶内に備えるとともに、この外装缶の開口部が封口体により密封されている。そして、上記目的を達成するため、ペースト式カドミウム負極はカドミウム活物質の充填密度が2.8g/cm3以下であり、渦巻状電極群の上端部に突出して一方の電極の芯体が露出しており、この露出した芯体に上部集電体が溶接されているとともに、当該上部集電体より延出して形成された集電タブ部の端部と封口体とが溶接されており、渦巻状電極群の最外周の一方の電極と上部集電体との溶接点と、集電タブ部と封口体との溶接点との間の当該集電タブ部に沿った最短距離が9mm以下になされている。
【0008】
これにより、ペースト式カドミウム負極板の活物質充填密度を2.8g/cm3以下に緩和することによる反応性の向上効果と、渦巻状電極群の最外周の一方の電極と上部集電体との溶接点と、集電タブ部と封口体との溶接点との間の集電タブ部に沿った最短距離を9mm以下にすることによる集電抵抗の低減効果とが相乗されることとなる。この結果、放電末期の緩やかな電圧低下部分が引き上げられるようになって、終止電圧まで継続するようになり、大電流放電(高率放電)時の放電容量が大きく増加したアルカリ蓄電池が得られるようになる。
【発明の効果】
【0009】
本発明においては、ペースト式カドミウム負極板の活物質充填密度を2.8g/cm3以下に制限し、渦巻状電極群の最外周の一方の電極と上部集電体との溶接点と、集電タブ部と封口体との溶接点との間の集電タブ部に沿った最短距離が9mm以下に制限することで、低コストで大電流放電(高率放電)特性を向上させたアルカリ蓄電池が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の上部集電体と、この上部集電体を電極群より突出した芯体および封口体に溶接された状態を展開して模式的に示す図であり、図1(a)は、上部集電体を模式的に示す平面図であり、図1(b)は、図1(a)に示す上部集電体を電極群より突出した芯体および封口体に溶接された状態を展開して模式的に示す平面図である。
【図2】図1(a)に示す上部集電体を備えたアルカリ蓄電池を模式的に示す断面図である。
【図3】40A放電時の放電曲線(放電時間と放電電圧との関係)を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明をニッケル−カドミウム蓄電池に適用した場合の一実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものでなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
【0012】
1.ニッケル−カドミウム蓄電池
(1)カドミウム負極
ペースト式カドミウム負極10は、パンチングメタルよりなる極板芯体(電極基板)11の両面に活物質ペーストが塗着されて形成されている。この場合、活物質ペーストは、主活物質である酸化カドミウム80質量部に、予備充電活物質である金属カドミウム20質量部と有機高分子糊剤1質量部とナイロン繊維1質量部と水30質量部からなるカドミウム糊料を添加、混練して調製されたものである。そして、このように調製された活物質ペーストをパンチングメタルよりなる極板芯体(電極基板)11の両面に塗布し、乾燥させた後、所定の厚み(例えば、0.6mm)になるまで圧延してペースト塗着極板を作製する。この後、得られたペースト塗着極板を所定の寸法(例えば、長さが200mmで、幅が33mm)に切断してペースト式カドミウム負極10となされている。
【0013】
ここで、上述した主活物質である酸化カドミウムと予備充電活物質である金属カドミウムとからなるカドミウム活物質の活物質量と圧延量を調整することにより、充填密度が3.0g/cm3となるようにペースト式カドミウム負極10を作製し、これをカドミウム負極xとした。同様に、カドミウム活物質の充填密度が2.8g/cm3となるように作製してカドミウム負極yとし、カドミウム活物質の充填密度が2.7g/cm3となるように作製してカドミウム負極zとした。なお、作製後のカドミウム負極10の下端部には極板芯体11が露出していて、後に、この露出した極板芯体11に底部集電体(負極集電体)12が溶接されることとなる。
【0014】
(2)ニッケル正極
ニッケル正極20は、ニッケル焼結基板の空孔内に所定量のニッケル活物質(水酸化ニッケルを主体とする正極活物質)が充填されて形成されている。この場合、ニッケル焼結基板(例えば、多孔度が80%で厚みが0.56mmのもの)を硝酸ニッケルを主成分とする含浸液に浸漬し、乾燥した後、水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して水和後、水洗して、硝酸ニッケルを水酸化ニッケルに活物質化させる。このような化学含浸法を所定回数(例えば8回)繰り返して、ニッケル焼結基板の空孔内に所定量のニッケル活物質(水酸化ニッケルを主体とする正極活物質)が充填されたニッケル正極20を作製する。
この後、これを所定の寸法(この場合、長さは200mmで、幅は34mmとした)に切断して、ニッケル正極20となされている。なお、作製後のニッケル正極20の上端部にはニッケル焼結基板の芯体21が露出していて、後に、この露出した芯体21に上部集電体(正極集電体)22の本体部22aが溶接されることとなる。
【0015】
(3)渦巻状電極群
これらのカドミウム負極10とニッケル正極20との間に、ポリプロピレン製不織布からなるセパレータ(例えば、幅が34mmのもの)30を介在させて重ね合わせ、渦巻状に巻回することにより渦巻状電極群100aとなされている。この場合、図2に示すように、カドミウム負極10の露出した極板芯体11がセパレータ30の下端部より突出し、ニッケル正極20の露出した芯体21がセパレータ30の上端部より突出するように積層して配置した後、渦巻状に巻回するようになされている。なお、渦巻状電極群100aの中心部には、巻芯軸が除去されて形成された空間部60を備えている。
【0016】
(4)底部集電体(負極集電体)
底部集電体(負極集電体)12は、平面形状が円形状(例えば、厚みが0.2mmで、直径が20mm)となるように、ニッケル鍍金鋼板をプレス機での打ち抜き成型により作製されている。
【0017】
(5)上部集電体(正極集電体)
上部集電体(正極集電体)22は、ニッケル鍍金鋼板(例えば、厚みが0.2mmのもの)をプレス機での打ち抜き成型により作製されており、図1に示すように、平面形状が略円形状(例えば、直径が17.5mm)の本体部22aと、この本体部22aから延出して形成された平面形状が略長方形状の集電タブ部22bを備えている。そして、本体部22aの中心部には中心開口(例えば、直径は5mm)22cが形成されている。
【0018】
ついで、上述のような構成となる渦巻状電極群100aと、底部集電体(負極集電体)12と、上部集電体(正極集電体)22とを用いて電極体100bを作製する例について、以下に詳述する。この場合、渦巻状電極群100aのカドミウム負極10の露出した極板芯体11の下端面に底部集電体(負極集電体)12を配置する。ついで、底部集電体(負極集電体)12に一対の溶接電極を当接させた後、一対の溶接電極間に溶接電源(60Hzの交流電源)から溶接電流(例えば、3.0kAあるいは3.6kAで1サイクル)を印加してカドミウム負極10の露出した極板芯体11と底部集電体(負極集電体)12との接触部を抵抗溶接する。
【0019】
一方、渦巻状電極群100aのニッケル正極20の露出した芯体21の上端面に上部集電体(正極集電体)22の本体部22aを配置する。この場合、渦巻状電極群の中心部に形成された空間部60と、上部集電体(正極集電体)22の本体部22aの中心部に形成された中心開口22cとが一致するように配置する。ついで、上部集電体(正極集電体)22の本体部22aの上に一対の溶接電極を載置した後、一対の溶接電極間に溶接電源(60Hzの交流電源)から溶接電流(例えば、3.0kAで2サイクル)を印加する。
【0020】
これにより、ニッケル正極20の露出した芯体21と上部集電体(正極集電体)22の本体部22aとが抵抗溶接され、渦巻状電極群100aの上端面に上部集電体(正極集電体)22が溶接された電極体100bが作製されることとなる。この場合、渦巻状電極群100aの上端面に上部集電体(正極集電体)22が溶接された際に、図1(b)に示すように、上部集電体(正極集電体)22とニッケル正極板20の露出した芯体21との接触部に多数の溶接点が形成されることとなるが、最外周の溶接点で集電タブ部22bに最短となる溶接点を溶接点M1とした。
【0021】
ついで、鉄にニッケルメッキを施した有底円筒形の金属外装缶40内に渦巻状電極体100bを挿入した後、負極集電体12と金属外装缶40の底部をスポット溶接する。一方、蓋体51と正極キャップ52とからなる封口体50を用意し、上部集電体(正極集電体)22に設けられた集電タブ部22bを蓋体51の底部に接触させて、蓋体51と集電タブ部22bとを溶接する。この場合、図1(b)に示すように、封口体50の蓋体51の底部に集電タブ部22bが溶接されて溶接点M2が形成されることとなる。そして、上述した溶接点M1から溶接点M2までの集電タブ部22bに沿う最短距離Lが12mmとなるものと、9mmとなるものを作製した。
【0022】
この後、渦巻状電極体の上端面に防振リング44を挿入し、外装缶40の上部外周面に溝入れ加工を施して、防振リング44の上端部に環状溝部41を形成する。この後、金属製外装缶40内に電解液(濃度が30質量%の水酸化カリウム(KOH)水溶液)を注液し、封口体50を封口ガスケット43を介して外装缶40の環状溝部41に載置するとともに、外装缶40の先端部42を封口体50側にカシメて封口して、公称容量が1700mAhのニッケル−カドミウム電池100(A,B,C,D,E)をそれぞれ作製した。
【0023】
ここで、活物質充填密度が3.0g/cm3のカドミウム負極板xを用い、溶接点M1から溶接点M2までの集電タブ部22bに沿う最短距離Lが12mmとなるものを電池Aとした。また、活物質充填密度が2.8g/cm3のカドミウム負極板yを用い、溶接点M1から溶接点M2までの集電タブ部22bに沿う最短距離Lが12mmとなるものを電池Bとした。また、活物質充填密度が3.0g/cm3のカドミウム負極板xを用い、溶接点M1から溶接点M2までの集電タブ部22bに沿う最短距離Lが9mmとなるものを電池Cとした。また、活物質充填密度が2.8g/cm3のカドミウム負極板yを用い、溶接点M1から溶接点M2までの集電タブ部22bに沿う最短距離Lが9mmとなるものを電池Dとした。さらに、活物質充填密度が2.7g/cm3のカドミウム負極板zを用い、溶接点M1から溶接点M2までの集電タブ部22bに沿う最短距離Lが9mmとなるものを電池Eとした。
【0024】
2.電池特性試験
ついで、以上のようにして作製された各ニッケル−カドミウム電池A〜Eを用いて、まず、それぞれの電池A〜Eを25℃の温度雰囲気下で、0.1It(170mA)の充電電流で16時間充電を行った。この後、1時間放置し、0.2It(340mA)の放電電流で各電池A〜Eの電圧が1.0Vになるまで放電を行い、活性化処理を行った。
【0025】
上述のように活性化処理を行った後、以下のようにして40A放電時の放電容量を測定した。この場合、25℃の温度雰囲気下で、2Aの充電電流で充電し、ピーク電圧を越えた後に電池電圧が10mV低下した時点で充電を停止(−ΔV方式)した。ついで、1時間充電を休止した後、40Aの放電電流で電池電圧が0.8Vになるまで放電させて、放電時間から40A放電時の放電容量を求めると、下記の表1に示すような結果が得られた。この時、40A放電時の放電曲線(放電時間に対応する放電電圧の曲線)を求めると、図3に示すような結果となった。
なお、表1においては、電池Aの40A放電時の放電容量を100とし、他の電池B,C,D,Eの40A放電時の放電容量をそれとの比(放電容量比)で示している。
【表1】

【0026】
上記表1および図3の結果から明らかなように、電池Bにおいては、電池Aに比べて、活物質充填密度が2.8g/cm3のカドミウム負極yの充填密度の緩和による反応性の向上で、放電末期の電圧の落ち込みが緩やかになっていることが分かる。ところが、作動電圧と終止電圧が近いため、電池Aに較べ、電圧の落ち込みが緩やかになった放電末期部分がほとんど放電に利用できずに終止電圧に到達していることが分かる。このため、40A放電時の放電容量は、電池Aに対して7%の増加という結果になった。
【0027】
また、電池Cにおいては、溶接点M1から溶接点M2までの集電タブ部22bに沿う最短距離Lが9mmと電池Aの12mmより短くなつて、集電抵抗が低減されたことにより、電池Aに比べて作動電圧が向上していることが分かる。ところが、活物質充填密度が3.0g/cm3のカドミウム負極xを用いているため、反応性が向上せず、放電末期の電圧の落ち込みが激しいことが分かる。このため、40A放電時の放電容量は、電池Aに対して9%の増加という結果になった。
【0028】
これらに対して、電池Dにおいては、活物質充填密度が2.8g/cm3のカドミウム負極yの充填密度の緩和による反応性の向上効果と、溶接点M1から溶接点M2までの集電タブ部22bに沿う最短距離Lが9mmと短くなったことによる集電抵抗の低減による作動電圧の引き上げ効果により、放電末期の緩やかな電圧低下部分が終止電圧まで現れていることが分かる。このため、40A放電時の放電容量は、電池Aに対して31%もの大幅の増加という結果になった。
【0029】
また、電池Eも電池Dと同様に、活物質充填密度が2.7g/cm3のカドミウム負極zの充填密度の緩和による反応性の向上効果と、溶接点M1から溶接点M2までの集電タブ部22bに沿う最短距離Lが9mmと短くなったことによる集電抵抗の低減による作動電圧の引き上げ効果により、放電末期の緩やかな電圧低下部分が終止電圧まで現れていることが分かる。このため、40A放電時の放電容量は、電池Aに対して33%もの大幅の増加という結果になった。
【産業上の利用可能性】
【0030】
なお、上述した実施の形態においては、本発明を焼結式ニッケル正極を用いたニッケル−カドミウム蓄電池に適用する例について説明したが、本発明は非焼結式ニッケル正極を用いたニッケル−カドミウム蓄電池に適用しても同様の効果が得られることは明らかである。
【符号の説明】
【0031】
10…カドミウム負極、11…極板芯体、12…底部集電体(負極集電体)、20…ニッケル正極、21…芯体、22…上部集電体(正極集電体)、22a…円形状の本体部、22b…集電タブ部、22c…中心開口、30…セパレータ、40…外装缶、41…環状溝部、42…先端部、43…封口ガスケット、44…リング状のスペーサ、50…封口体、51…正極蓋、52…正極キャップ、53…弁体、54…スプリング、60…空間部、100…アルカリ蓄電池

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニッケル正極とペースト式カドミウム負極とセパレータとからなる渦巻状電極群を外装缶内に備えるとともに、該外装缶の開口部が封口体により密封されたアルカリ蓄電池であって、
前記ペースト式カドミウム負極はカドミウム活物質の充填密度が2.8g/cm3以下であり、
前記渦巻状電極群の上端部に突出して一方の電極の芯体が露出しており、該露出した芯体に上部集電体が溶接されているとともに、当該上部集電体より延出して形成された集電タブ部の端部と前記封口体とが溶接されており、
前記渦巻状電極群の最外周の一方の電極と前記上部集電体との溶接点と、前記集電タブ部と前記封口体との溶接点との間の当該集電タブ部に沿った最短距離が9mm以下であることを特徴とするアルカリ蓄電池。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2010−225519(P2010−225519A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−73616(P2009−73616)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】