説明

アルコール再循環を用いた脂肪酸エステルの製造方法

【課題】 高圧高温でアルコールの助けで脂肪及び油のエステル交換により脂肪酸エステルを製造する方法を提供する。
【解決手段】 未反応アルコールは反応混合物からインラインで分離され、連続的にエステル交換工程中に再循環される。分離は反応混合物の蒸気相と高密度の相を得ることによりかつ蒸気相中のアルコールを濃縮することにより実施される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルコールの助けによる脂肪及び油のエステル交換によって脂肪酸エステルを製造するための方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
世界の増大するエネルギー需要及び化石燃料の限られた入手可能性のため、多くの研究は代替再生可能燃料の開発及び改良に向けられている。低分子量有機液体はバイオマスから製造されることができ、車のための燃料として使用されることができ、または車のための燃料として提案されている。
【0003】
植物油または動物脂肪は未使用または廃棄物のいずれでも代替燃料に転換する幾つかの方法がある。最も有望であるのはエステル交換であると考えられ、そこでは脂肪酸エステルがアルコールの助けにより脂肪及び油から製造される。一例として、「バイオディーゼル」として知られる植物油のメチルエステルは、通常のディーゼル燃料に非常に似ており、いかなる変性もなしに通常のディーゼル機関で使用されることができる。
【0004】
グリセロール及び脂肪酸メチルエステル(FAME)を形成するためにメタノールのような簡単なアルコールを用いた植物油中のトリグリセリドの塩基触媒または酸触媒によるエステル交換は長期間にわたり好適な方法であった(Swabら、1987)。しかしながら、エステルを形成するために酸性(1〜45時間)または塩基性(1〜8時間)触媒のいずれかを使用するとき、比較的長い反応時間が必要である(Saka及びKusdiana,2001)。加えて、アルカリ触媒によるエステル交換のためには、トリグリセリド及びアルコールは実質的に無水でなければならない。なぜなら水は石けんを作るけん化への部分的反応変化を起こすからである。石けんは触媒を消費し、触媒効率を低下し、かつ粘度の増加を起こし、それはグリセロールの分離を達成困難にする(Fukudaら、2001)。
【0005】
商業的に入手可能な粗脂肪及び油中に存在する遊離脂肪酸はまた、通常のエステル交換工程中にアルカリ性触媒と反応し、バイオディーゼル燃料製造のためのエステル交換時にけん化製品を形成することが知られている。これは、下流工程(すなわち、グリセロール及び脂肪酸メチルエステルからの触媒及びけん化製品の両者の除去及び分離)を極めて複雑にし、バイオディーゼルの製造を極めて高価にする。
【0006】
通常の酸触媒または塩基触媒法に関連した問題を克服するために、超臨界アルコールが触媒なしで代替反応媒体として使用されている。流体は、もしその物質がその臨界温度及び臨界圧力の両者の上にあるなら超臨界である。超臨界流体は、その液相の密度に近い密度、及びそのガス相の粘度に近い粘度を持つ。このため、超臨界状態の流体は非液体溶媒として機能し、エステル交換を容易にすることができる。
【0007】
ヨーロッパ特許EP0985654は、脂肪及び油並びにアルコールの少なくとも一方が触媒不存在の超臨界状態にあるような条件下で反応を実行することにより脂肪及び油とアルコールから脂肪酸エステルを製造するための方法に関する。製造された脂肪酸エステルはディーゼル燃料のような燃料、潤滑基材油または燃料添加物として有用である。
【0008】
特許出願EP1298192は、メタノールによる脂肪及び油のエステル交換によって脂肪酸エステルを製造するための方法を開示し、そこではメタノールは反応器に超臨界状態で供給される。反応器から排出された反応混合物は、完全に減圧され、アルコール分離塔に供給される。この塔では、未反応アルコールは分離され、アルコールを含まない反応混合物がドラム中に集められる。アルコールを含まない反応混合物は更に精製され、未反応及び/または中間生成物は反応器中に再循環される。
参考文献:
− Fukuda,H.,Kondo,A.and Noda,H.,J.Biosci.Bioeng.,92(2001),p.405.
− Saka,S.and Kusdiana,D.Fuel,80(2001),p.225.
− Swab,A.W.,Bagby,M.O.and Freedman,B.Fuel,66(1987),p.1372.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、高温及び高圧力でアルコールの助けによる脂肪及び油のエステル交換によって脂肪酸エステルを連続的に製造するための方法と装置を提供することを目的とし、それは従来技術のエステル交換方法及び装置に比べて工程のエネルギー効率を改善するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
従来技術の高温のエステル交換工程では、超臨界状態のアルコールが使用され、エステル交換反応から得られた反応混合物は減圧され、未反応アルコールは減圧蒸留のような蒸留、または抽出を用いて反応混合物から抽出され、アルコールを含まない生成物の流れをもたらす。反応混合物がかなりの圧力及び温度にあると、大量のエネルギーが浪費される。
【0011】
本発明は、反応混合物の最少の減圧及び/または冷却を行なうことによる連続アルコール再循環システムを使用することを提案する。その後、反応混合物は、少なくともアルコールに富んだ流れとアルコールの少ない生成物の流れを得るために、分離システムに供給される。アルコールに富んだ流れは10重量%未満の反応生成物、中間物及び未反応油を含む。アルコールに富んだ流れは、集められ、工程中にオンラインで再使用される。追加のエネルギー改善は、供給物と生成物流れの間の熱交換により実施されることができる。
【0012】
従って、本発明の方法及び装置では、未反応アルコールは、オンラインで分離され、エステル交換工程に連続的に再循環される。分離は、調整された工程条件を持つ分離システムで実施される。分離は、反応混合物から、蒸気相、及び蒸気相より高い密度を持つ一つ以上の相を含む多数の相が形成されるように、圧力の変化及び反応混合物の部分冷却に基づいている。高い密度を持つ一つ以上の相は液相であることができる。未反応アルコールは蒸気相内で濃縮され、反応生成物、中間物及び未反応油は高い密度を持つ一つ以上の相(液体相)中で濃縮される。
【0013】
本発明は、添付請求項に記載されたような脂肪及び/または油並びにアルコールのエステル交換による脂肪酸エステルを調製するための方法に関し、そこでは未反応アルコールはエステル交換工程に連続的に再循環される。
【0014】
本発明の一態様によれば、脂肪及び/または油並びにアルコールのエステル交換によって脂肪酸エステルを製造する方法が提供される。この方法は:
− 脂肪及び/または油並びにアルコールを反応器に供給する工程、
− 脂肪及び/または油をアルコールと240℃より高い温度及び0.5MPaより高い圧力で反応させ、未反応アルコールを含む反応混合物を得る工程、
− 反応混合物を分離し、大きな画分の未反応アルコールを含む第一流れと小さな画分の未反応アルコールを含む第二流れを得る工程及び
− 前記第一流れを反応器に連続的に再循環する工程、
を含む。
反応工程では、アルコールは超臨界であっても超臨界でなくてもよい。
【0015】
連続的に再循環される第一流れは、少なくとも90重量%の未反応アルコールを含む。第二流れ中の未反応アルコール画分は第一流れ中のものより少ない。
【0016】
好ましくは、分離工程は反応混合物を0.1MPaに等しいかまたはそれより高い圧力に減圧する工程を含む。より好ましくは、減圧工程は反応混合物を0.2MPa〜3MPaの範囲の圧力に減圧する。
【0017】
好ましくは、減圧工程では、反応混合物は0.1MPa〜3MPa、より好ましくは0.1MPa〜1.2MPaの範囲の圧力に減圧される。
【0018】
分離工程は減圧工程で得られた圧力で実施される。減圧工程は反応混合物の分離の前に実施される。
【0019】
本文献中の圧力は絶対圧力に関する。
【0020】
好ましくは、分離工程は反応混合物を60℃に等しいかまたはそれより高い温度に冷却する工程を含む。より好ましくは、冷却工程は反応混合物を60℃〜350℃の範囲の温度に冷却する。さらにより好ましくは、反応混合物は120℃〜300℃の範囲の温度に冷却される。
【0021】
分離工程では、反応混合物を冷却する工程は反応混合物を二つ以上の流れへ分離する前の冷却に関する。この冷却は好ましくは反応混合物を分離手段に供給する前に実施される。
【0022】
好ましくは、部分(または初期)冷却工程は減圧工程の前に実施される。部分冷却工程では、反応混合物は100℃〜300℃、好ましくは120℃〜300℃の範囲の温度に冷却されることができる。
【0023】
好ましくは、部分冷却工程では、反応混合物は200℃〜280℃の範囲の温度に冷却される。
【0024】
好ましくは、反応工程は、MgOを含む(またはMgOからなる)触媒の使用を含む。
【0025】
本発明の方法によれば、分離工程は好ましくは:
− 反応混合物を分離し、大きな画分の未反応アルコールを含む第三流れ及び小さな画分の未反応アルコールを含む第二流れを得る工程及び
− 第三流れを分離し、第三流れの未反応アルコールの画分より大きい未反応アルコールの画分を含む第一流れと第四流れを得る工程、
を含む。
従って、第一流れは反応混合物の一工程または多工程分離により得られることができる。多工程分離は幾つかの特別な反応混合物の流れのために好ましいかもしれない。
【0026】
好ましくは、第一流れは蒸気相である。より好ましくは、第三流れは蒸気相である。
【0027】
好適実施態様によれば、第一流れを反応器に連続的に再循環する工程は第一流れを凝縮する工程を含む。
【0028】
好ましくは、冷却工程は第三流れを60℃〜350℃の範囲の温度にもたらす工程を含む。より好ましくは、冷却工程は第一流れを40℃〜100℃の範囲の温度にもたらす工程を含む。
【0029】
本発明の方法では、全ての工程は好ましくは連続的に実施される。反応混合物は水を含むことができる。
【0030】
本発明の第二態様によれば、脂肪または油及びアルコールから脂肪酸エステルを製造するための装置が提供される。本発明の装置は:エステル交換により脂肪及び/または油をアルコールと反応させ、未反応アルコールを含む反応混合物を得るための反応器;反応混合物を部分的に減圧するための減圧器;反応混合物を大きな画分の未反応アルコールを含む第一流れと小さな画分の未反応アルコールを含む第二流れに分離するための手段、及び前記第一流れを前記反応器中に連続的に再循環するための手段を含む。
【0031】
好ましくは、この装置はさらに、反応混合物を部分的に冷却するための冷却器を含む。より好ましくは、連続的に再循環するための手段は凝縮器を含む。
【0032】
冷却器は好ましくは減圧器の上流に配置される。
【0033】
好ましくは、反応混合物を分離するための手段は、第一流れである蒸気相と第二流れを得るために配置される。第二流れは、蒸気相の密度より高い平均密度を持ち、蒸気相から分離する。
【0034】
好ましくは、反応混合物を分離するための手段は蒸留塔を含む。同じく好ましくは、反応混合物を分離するための手段はフラッシュ分離器を含む。
【0035】
好ましくは、反応混合物を分離するための手段は40℃〜350℃の範囲の温度で、より好ましくは60℃〜350℃の範囲の温度で、さらにより好ましくは120℃〜300℃の範囲の温度で操作されるように配置される。
【0036】
好ましくは、反応混合物を分離するための手段は0.1MPaより高い圧力で、より好ましくは0.2〜3MPaの範囲の圧力で操作されるように配置される。
【0037】
本発明の装置の好適実施態様によれば、反応混合物を分離するための手段は、第一流れを精製するための連続的に配置された多数の分離手段を含む。分離手段は、フラッシュ分離器もしくは蒸留塔、または両者の組合せであることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1は、未反応アルコールの連続的再循環による脂肪及び油のエステル交換のための装置の好適実施態様の構成を示す。
【図2】図2は、未反応アルコールの連続的再循環による脂肪及び油のエステル交換のための装置の好適実施態様の構成を示す。
【0039】
【図3】図3は、直列に配置された多数の分離器を持つ本発明による装置の構成を示す。
【0040】
【図4】図4は、一つの連続蒸留システムを使用する本発明による装置の構成を示す。
【図5】図5は、多数の連続蒸留システムを使用する本発明による装置の構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明の実施態様が、今や添付図面に関して詳細に説明されるであろう。本発明は、それらに限定されず請求項によってのみ限定される。記載された図面は、概略的なものにすぎず、非限定的である。図面において、要素の幾つかの寸法は、誇張されているかもしれず、例示的目的のために一定の尺度で画かれていない。寸法及び相対寸法は、本発明の実行のための実際の縮小に必ずしも対応しない。当業者は本発明の範囲に包含される本発明の多数の変形及び変更を認めることができる。従って、好適実施態様の説明は本発明の範囲を限定するものと見なすべきでない。
【0042】
さらに、明細書及び請求項における用語「第一、第二」等は、同様な要素間の区別のために使用され、連続的順序または時間順を必ずしも表さない。そのように使用された用語は適切な状況下に交換可能であること、及びここに述べられた本発明の実施態様はここに述べられたまたは例示された以外の順序で操作されることができることが理解されるべきである。
【0043】
さらに、明細書及び請求項における用語「上部、底部、左、右、上、下」等は説明的な目的のために使用され、必ずしも相対的位置を説明するためではない。そのように使用された用語は適切な状況下に交換可能であり、ここに述べられた本発明の実施態様はここに述べられたまたは例示された以外の方向で操作されることができる。例えば、要素の「左」と「右」はこの要素の反対側に位置していることを示す。
【0044】
請求項で使用された用語「含む」は後で掲げられた手段に限定されるものと解釈されるべきでないこと;他の要素または工程を排除しないことは注意されるべきである。従って、表現「手段A及びBを含む装置」の範囲は構成要素A及びBのみからなる装置に限定されるべきでない。本発明に関して、A及びBは装置の重要な構成要素であることを意味する。
【0045】
明解さの理由のため、用語「油」が使用されるときはいつでも、「油」、または「脂肪」、または「脂肪及び油」の意味を持つものとして理解されるべきである。油または脂肪は原料または廃棄物流れから生じることができる。以下に述べられる実施態様がたとえメタノールを記載したとしても、温度及び圧力が従来技術で知られた慣行に従って調整されるとすれば、同じ実施態様はいずれの他のアルコールでも、特にいずれの一価アルコールでも等しく同様に実行されることができる。
【0046】
脂肪及び油のエステル交換によって脂肪酸エステルを製造する本発明による方法の一実施態様が図1に関して述べられる。油の流れ101とアルコール(この特別な場合ではメタノール)の流れ102が混合タンク11で混合される。油とメタノールの流れのいずれか一方または両方が、混合タンク11に供給される前に予備加熱及び/または予備加圧されることができる。
【0047】
混合物103中のアルコールの量は油の全エステル交換のために必要な化学量論量を越えるべきである。反応の高収率を得るために、混合物103中の油に対するアルコールの比率は好ましくは油の各モル当り6モルのアルコールの量を越えるべきである。
【0048】
混合タンク11から排出される生じた混合物103は、予め決められた圧力と温度の混合物104が得られるまで、ポンプ12により加圧されかつヒーター13により加熱される。予め決められた圧力と温度は、反応混合物が240℃より高い温度で加熱され、好ましくは0.5MPa〜25MPaに加圧されるように選ばれる。
【0049】
その後、加熱かつ加圧された油とメタノールの混合物104は反応器14に供給され、そこでエステル交換反応が起こる。反応生成物の高収率を得るために、混合物の流れは反応器14中で予め決められた滞留時間を持つべきである。エステル交換反応は、反応器14中に存在する好適な触媒により触媒反応されることができる。
【0050】
反応器14中で起こる反応は反応混合物105を生成し、それは反応器14から排出される。冷却器15中での反応混合物の部分冷却の任意の工程を設けることができる。反応混合物105は次いで圧力調節器16により減圧され、反応混合物を二つ以上の流れに分離するための手段17(分離システムまたは分離器とも呼ばれる)に供給される。分離器17では、反応混合物から二つの流れが得られる。即ち、未反応メタノールを主に含む第一流れ106と反応生成物を主に含む第二流れ108である。第一流れ106は蒸気相であり、液体流れである第二流れ108から分離される。
【0051】
減圧のため、緊密に混合されている二つ以上の相を含む反応混合物が得られることができる。これらの相は後で分離器内で分離されることができる。分離器では、反応混合物はフラッシュ分離器中におけるように「静止」され、異なる相に分離可能である。
【0052】
反応混合物を部分(初期または予備)冷却する前記工程は有利には減圧工程の前に実施される。部分冷却工程は、特別な冷却工程に関し、減圧工程時の反応混合物の温度の降下を含まない。減圧時に、反応混合物の部分蒸発が起こることができ、それは反応混合物の追加の冷却を誘発する。
【0053】
減圧工程の前に部分冷却工程を実施することにより、反応混合物は、減圧後に比べてより高い密度を持つであろうから、より効率的な熱交換が達成されることができる。これはまた、部分冷却のための熱交換器の寸法を減らすことを可能にする。さらに、反応混合物から引き出される熱はより高い温度で利用可能であろうし、それはその熱を熱統合のためにより適したものにする。
【0054】
反応混合物をアルコールに富む相とアルコールの少ない相へ分離することは減圧工程により得られた圧力条件で実施されることが好ましい。これはアルコールのために高い沸点を維持することを可能にし、それはまた、より経済的な温度でアルコールを凝縮させることを可能にする。
【0055】
分離器17から排出された液体流れ108は、多数の液体相からなることができ、反応生成物を含む。反応生成物は、従来技術の方法に従って精製されることができ、またはエネルギー節約の最大化のために高温で精製されることができる。
【0056】
蒸気相106は、凝縮器18中で凝縮され、緩衝タンク19中で緩衝される。その後、それは、再循環流れ107として混合タンク11に供給されるための適切な温度と圧力を持たせるために加圧及び加熱されることができ、混合タンク11では、それは油101とメタノール102の「新鮮な」流れに合流する。
【0057】
上述の方法は、インライン分離及び高温でのメタノールの回収を持つ連続エステル交換法である。
【0058】
図2に描かれた代替実施態様では、油201、「新鮮な」メタノール202及び再循環メタノール207の種々の流れが、反応器24中でのエステル交換反応のために必要な温度と圧力に加熱及び加圧された後に混合される。従って、追加の加熱及び加圧は流れの混合とエステル交換反応との間で発生しない。
【0059】
別の代替実施態様では、「新鮮な」メタノール及び再循環メタノールの流れは、反応のために必要な工程条件にもたらされる前に混合され、一方、油の流れはメタノールと同じ圧力及び温度で反応器に直接供給される。
【0060】
脂肪及び油のエステル交換によって脂肪酸エステルを製造する本発明による方法の好適実施態様では、分離システムは蒸留塔を含む。図4を参照すると、反応器14から排出される反応混合物105は、圧力調節器16により減圧され、蒸留塔47に供給される。冷却器15での反応混合物の部分冷却の任意の工程が設けられることができる。蒸留塔では、反応混合物は実質的に未反応メタノールを含む蒸気相(上部流れ)406と実質的に反応生成物を含む液体相(底部流れ)408に分離される。
【0061】
蒸留塔47から排出された液体流れ408は、反応生成物を含み、多数の液体相からなることができる。反応生成物は、従来技術の方法に従って精製されることができ、またはエネルギー節約の最大化のために高温で精製されることができる。
【0062】
蒸気相406は、凝縮器18中で凝縮され、緩衝タンク19中で緩衝される。その後、それは、再循環流れ407として混合タンク11に供給されるための適切な温度と圧力を持たせるために予備加圧及び予熱されることができ、混合タンク11では、それは油101とメタノール102の「新鮮な」流れに合流する。
【0063】
上述の方法はまた、インライン分離及び高温でのメタノールの回収を持つ連続エステル交換法を提供する。
【0064】
図1は、本発明によるエステル交換反応を実施するための装置の一実施態様を描く。かかる装置は主要構成要素として:エステル交換反応が起こる反応器14、及び反応器14から排出された反応混合物から未反応アルコールの流れを分離するための分離器17を含む。
【0065】
この装置は、生じた混合物104を反応器へ供給する前に油とアルコールの種々の流れを混合するための混合タンク11を含むことができる。かかる混合タンクは、反応器14自体が油101及びアルコール102と107の種々の流入流れを混合するための手段を備えることができるので、存在させる必要はない。
【0066】
本発明の装置は、反応器14に供給される流れを加圧するための一つ以上のポンプ12、及び反応器14に供給される流れを加熱するための一つ以上の加熱器または熱交換器13を含む。かかるポンプ及び加熱器はまた、混合タンク11の上流に設けられることができ、各流れ101,102及び107のために個々に設けられることができる。各流れのためのポンプ及び加熱器の配列は図2に描かれている。図2を参照すると、ポンプ222と加熱器232は「新鮮な」アルコールの流れ202を必要な圧力、好ましくは0.5〜25MPaの圧力にかつ必要な温度、好ましくは240℃より高い温度にもたらす。同じことが再循環アルコールの流れ207に対しても起こり、それはポンプ223と加熱器233により必要な工程条件にもたらされる。その後、三つの流れは、反応器24に供給される前に混合タンク21中に集められる。
【0067】
図2の反応器24は図1の反応器14と同一である。それらは以下、数字14により共通して言及されるであろう。反応器14は、それが反応混合物を必要な工程条件に維持する構造を持つ限り、どのようなタイプのものであることもできる。好ましくは、反応器14は管状反応器である。反応器14への供給は連続的である。反応器14は、油及びアルコールに対して反応器中で予め決められた滞留時間が得られるような方法で考えられる。反応器14は、エステル交換反応を促進するための触媒を与えられることができる。反応器中の触媒は固定床または浮遊床の上に与えられることができる。
【0068】
反応器14は、エステル交換反応の反応生成物(例えばグリセロール、脂肪酸エステル)及び未反応アルコールを含む反応混合物105(図2の反応混合物205)を排出する。未反応アルコールは反応混合物105から分離されることが必要である。これは分離システム17(図2の分離システム27及び図4の47)中で実施され、そこで未反応アルコールは蒸気相中で濃縮し、反応生成物は幾つかの相からなることができる液体流れ中で濃縮する。最適な分離を得るために、本発明の装置は、反応混合物105を冷却するための冷却器または熱交換器15(図2の冷却器25)及び/または反応混合物105を減圧するための圧力調節弁16(図2の弁26)を含むことができる。
【0069】
本発明の装置の一実施態様では、分離システムは一つのフラッシュ分離器(図1の分離器17、図2の分離器27)または直列に配置された多数のフラッシュ分離器(図3の分離器371,372及び373)を含む。フラッシュ分離器では、供給温度または圧力は、供給物を希望する程度に蒸発するために調整される。生じた供給物は、蒸気を液体から分離させる離脱空間を提供する容器またはドラム中に集められる。フラッシュ分離器のより詳細な説明は、McGraw−Hillにより出版され、R.H.Perry及びD.W.Greenにより編集されたPerryの化学工学ハンドブックのような化学工学ハンドブック中に見出されることができる。本発明の装置では、温度及び/または圧力は、アルコールが蒸発されるが、他の物質(例えば初期、中間または最終生成物:油、グリセロール、メチルエステル、モノグリセリド、ジグリセリド)が実質的に液体状態に保たれるように選ばれる。本発明のフラッシュ分離器では、蒸気相及び液体流れが別々にかつ連続的に引き出される。
【0070】
代替実施態様では、分離システムは一つの(多段階の)蒸留塔(図4の塔47)または直列に配置された幾つかの(多段階の)蒸留塔(図5の塔571,572)を含む。蒸留塔は、蒸気相及び一つ以上の液体相を緊密な接触にもたらすためのランダムなまたは構造化された充填層またはトレーを含むことができる。他の分離システムもまた、使用されることができる。
【0071】
分離器17から排出された蒸気相106(分離器27から排出された相206)は、グリセロール、水、脂肪酸エステル及びモノ−、ジ−及びトリグリセリドのような他の生成物の痕跡を含むかもしれない。本発明の装置はさらに、凝縮器18(図2の凝縮器28)を含み、そこでは分離器17から排出された蒸気相106は、実質的に未反応アルコールを含む流れ107(図2の流れ207、図4の流れ407)に凝縮される。未反応アルコールの凝縮流れ107は工程中に再循環される。本発明の装置は、工程中に再循環される前に再循環アルコールの凝縮流れ107を貯蔵するための緩衝タンク19(図2のタンク29)を含むことができる。
【0072】
図3は、直列に配置された多数のフラッシュ分離器を持つ本発明による装置の構成を示す。これは、未反応アルコールのより高い濃度を持つ再循環流れ316を得ることを可能にする。従って、第一フラッシュ分離器371では、反応混合物105は第一蒸気相311と第一液体流れ310に分離される。第一蒸気相311は第二フラッシュ分離器372に供給される。第二分離器では、工程条件は、供給物311の一部が凝縮され、第二液体流れ312として排出されるようなものである。残りの蒸気相313は第三フラッシュ分離器373に供給される。第三分離器中で供給物313の一部が凝縮し、第三液体流れ314を形成する。残りの蒸気相315は、第三分離器373から抽出され、凝縮器18及び緩衝タンク19に連続的に供給される。
【0073】
同様に、図5は、直列に配置された多数の蒸留塔を持つ本発明による装置の構成を示す。第一蒸留塔571では、反応混合物105は第一蒸気相(第一上部流れ)511と第一液体流れ(第一底部流れ)510に分離される。第一蒸気相511は第二蒸留塔572に供給される。第二蒸留塔572では、供給物511の一部が凝縮され、第二液体流れ512(第二底部流れ)として排出される。供給物の残り513は第二上部流れ(第二蒸気相)513として集められる。第二上部流れ513は凝縮器18、続いて緩衝タンク19に供給される。第二上部流れは再循環流れ507を形成し、それは反応器に再循環されかつ実質的にメタノール(アルコール)を含む。
【0074】
全ての蒸留塔47,571及び572は、蒸留分離を駆動するためにリボイラー471及び凝縮器472を含む。
【0075】
本発明の方法のためには、反応混合物から最適な多量の未反応メタノールを回収するために分離システムの圧力と温度に対して好適な値を選ぶことが重要である。分離器の温度と圧力は、できるだけ多くのメタノールを蒸気相に転換するように選ばれるべきである。好ましくは、分離器中のメタノールの合計量に対する蒸気相中のメタノールの比は0.9に等しいかまたはそれより大きい。しかし、分離器の条件はまた、蒸気相中の他の反応混合物生成物の画分ができるだけ小さいようなものでなければならない。メタノールに加えて、蒸気相はまた、グリセロール、脂肪酸エステル、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド等の画分を含むかもしれない。蒸気相中に存在する他の生成物のこれらの残留画分のうち、グリセロール及び−もし存在するなら−グリセロール分解生成物は最も揮発性のものである。好ましくは、分離器中に存在するグリセロールの合計量に対する蒸気相中のグリセロールの比は0.1に等しいかまたはそれより小さい。
【0076】
唯一の分離器または蒸留塔を含む分離システムの温度は好ましくは60℃〜350℃の範囲内にある(図1と2参照)。分離システムは、図3に示されるように、1個より多い分離器(フラッシュ分離器または蒸留塔)を含むことができる。後者の場合、第一(すなわち最も上流の)フラッシュ分離器または蒸留塔の温度は好ましくは60℃〜350℃の範囲内にあり、一方、続く(下流の)フラッシュ分離器(単数または複数)または蒸留塔(単数または複数)の温度は好ましくは40℃〜100℃の範囲内にある。分離システムの圧力は好ましくは0.1MPaより高く、より好ましくは0.2MPa〜3MPaの範囲内にある。分離システムの温度と圧力に対する好適値は、主として、使用されるアルコールのタイプ及び過剰量に、水のような汚染物の存在に、及び反応器の工程パラメーターに依存する。
【0077】
本発明の方法において、エステル交換の圧力と温度は、アルコールが240℃より高い温度にあるように選ばれることが必要である。反応器の圧力は好ましくは0.5MPa〜25MPaにある。反応温度は好ましくは240℃〜450℃である。エステル交換反応は触媒有りまたは触媒なしで進行することができる。好適な触媒は酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化モリブデン、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、等である。酸化マグネシウムを含む触媒が好ましい。
【0078】
実施例1:触媒有り−超臨界メタノール
実施例1は図1による装置と方法に関連する。「新鮮な」メタノールが1.2MPaに加圧される(図示せず)。この「新鮮な」メタノールの流れ102が1.2g/分の割合で混合タンク11に供給される。油が1.2MPaに加圧される。この油の流れ101が8.1g/分の割合で混合タンク11に供給される。1.2MPaの圧力の再循環メタノールの流れ107が3.8g/分の割合で混合タンク11に供給される。混合物103は15MPaに加圧され、300℃に加熱される。その後、それは管状反応器14に供給される。大気圧条件下の密度から計算される反応器中の滞留時間は15分である。反応器はMgO触媒を与えられている。この工程後に、95%より多い油がバイオディーゼルに転換される。反応器から排出された反応混合物105は280℃に冷却され、1.2MPaに減圧される。その後、反応混合物はフラッシュ分離器17に供給される。分離器17は230℃の温度に保たれる。それらの条件下に、反応混合物中に存在する未反応メタノールの92%より多い量が蒸気相内にある。反応混合物中に存在する未反応メタノールの8%未満の量が液体相中に溶解する。分離器17中の蒸気相は回収され、凝縮され、緩衝タンク19に供給され、そこからそれは工程に再循環される。定常状態では、再循環流れは反応混合物流れ中に存在する合計メタノールの92%を含む。それは反応混合物流れ中に存在する合計グリセロールの8%未満及び残りの生成物(バイオディーゼル、モノ−、ジ−及びトリグリセリド)の合計量の5%未満を含む。分離器17の液体流れは、9.3g/分の割合で流れ108として排出され、かつモノ−、ジ−及びトリグリセリド及びメタノールの少ない残留画分と共に、本質的にバイオ燃料(すなわち脂肪酸エステル)及びグリセロールを含む。流れ108はその残留画分から精製される。
【0079】
実施例2:触媒有り−臨界未満メタノール
実施例2は図1による装置と方法に関連する。「新鮮な」メタノールが0.6MPaに加圧される(図示せず)。この「新鮮な」メタノールの流れ102が1.1g/分の割合で混合タンク11に供給される。油が0.6MPaに加圧される。この油の流れ101が8.1g/分の割合で混合タンク11に供給される。0.6MPaの再循環メタノールの流れ107が3.9g/分の割合で混合タンク11に供給される。混合物103は6MPaに加圧され、300℃に加熱される。その後、それは管状反応器14に供給される。大気圧条件下の密度から計算される反応器中の滞留時間は15分である。反応器はMgO触媒を与えられている。この工程後、油からバイオディーゼルへの転換効率は91%より高い。反応器から排出された反応混合物105は0.6MPaに減圧される。その後、反応混合物はフラッシュ分離器17に供給される。分離器17は200℃の温度に保たれる。それらの条件下に、反応混合物中に存在する未反応メタノールの94%より多い量が蒸気相内にある。反応混合物中に存在する未反応メタノールの6%未満の量が液体相中に溶解する。分離器17中の蒸気相は回収され、凝縮され、緩衝タンク19に供給され、そこからそれは工程に再循環される。定常状態では、再循環流れは反応混合物流れ中に存在する合計メタノールの94%を含む。それは反応混合物流れ中に存在する合計グリセロールの6%未満及び残りの生成物(バイオディーゼル、モノ−、ジ−及びトリグリセリド)の合計量の4%未満を含む。分離器17の液体流れは9.2g/分の割合で流れ108として排出され、かつモノ−、ジ−及びトリグリセリド及びメタノールの少ない残留画分と共に、本質的にバイオ燃料及びグリセロールを含む。流れ108はその残留画分から精製される。
【0080】
実施例3:触媒なし−超臨界メタノール
実施例3はまた、図1による装置と方法に関連する。「新鮮な」メタノールが0.5MPaに加圧される(図示せず)。この「新鮮な」メタノールの流れ102が0.84g/分の割合で混合タンク11に供給される。油が0.5MPaに加圧される。この油の流れ101が5g/分の割合で混合タンク11に供給される。再循環メタノールの流れ107が6.6g/分の割合で混合タンク11に供給される。混合物103は19MPaに加圧され、350℃に加熱される。その後、それは管状反応器14に供給される。大気圧条件下の密度に対して計算される反応器中の滞留時間は15分である。反応器は触媒を与えられていない。この工程後に、85%より多い油がバイオディーゼルに転換される。反応器から排出された反応混合物105は280℃に冷却され、0.5MPaに減圧される。その後、反応混合物はフラッシュ分離器17に供給される。分離器17は155℃の温度に保たれる。それらの条件下に、反応混合物中に存在する未反応メタノールの95%より多い量が蒸気相内にある。反応混合物中に存在する未反応メタノールの5%未満の量が液体相中に溶解する。分離器17中の蒸気相は回収され、凝縮され、緩衝タンク19に供給され、そこからそれは工程に再循環される。定常状態では、再循環流れは反応混合物流れ中に存在する合計メタノールの95%を含む。それは反応混合物流れ中に存在する合計グリセロールの5%未満及び残りの生成物(バイオディーゼル、モノ−、ジ−及びトリグリセリド)の合計量の2%未満を含む。再循環流れは97重量%のメタノールと3重量%の残留生成物(グリセロール、バイオディーゼル、モノ−、ジ−及びトリグリセリド)を含む。分離器17の液体相は流れ108として排出され、それはモノ−、ジ−及びトリグリセリド及びメタノールの少ない残留画分と共に、本質的にバイオ燃料及びグリセロールを含む。流れ108はその残留画分から精製される。
【0081】
実施例4:触媒有り−超臨界メタノール−水汚染
実施例4は図5による装置と方法に関連する。「新鮮な」メタノールが0.5MPaに加圧される(図示せず)。この「新鮮な」メタノールの流れ102が0.32g/分の割合で混合タンク11に供給される。10重量%の水を含む廃油が0.5MPaに加圧される。廃油と水は緊密に混合されている。この油の流れ101が2.55g/分の割合で混合タンク11に供給される。再循環メタノールの流れ507が1.26g/分の割合で混合タンク11に供給される。混合物103は15MPaに加圧され、300℃に加熱される。その後、それは管状反応器14に供給される。大気圧条件下の密度から計算される反応器中の滞留時間は15分である。反応器はMgO触媒を与えられている。この工程後に、95%より多い油がバイオディーゼルに転換される。反応器から排出された反応混合物105は200℃に冷却され、0.1MPaに減圧される。その後、反応混合物は3つの精留工程と3つのストリッピング工程(それぞれストリッパーまたは凝縮器及びリボイラーを含む)を含む第一蒸留塔571に供給される。リボイラーは273℃で操作され、凝縮器は65℃で操作される。液体流れ510(底部流れ)は99.99%より多いメチルエステルとグリセロールを含む。それは200ppm未満のメタノールを含む。97重量%のメタノールと3重量%の水からなる蒸気流れ511が第二蒸留塔572に供給される。この蒸留塔は14の工程を含む。リボイラーは82℃で操作され、凝縮器は55℃で操作される。上部生成物流れ513は反応混合物流れ105中に存在するメタノールの99%と水の10%未満を含む。凝縮された上部流れは収集容器19に供給され、そこからそれは工程で再使用される。底部流れ512は実質的に水を含む。
【0082】
上記の説明及び図面は本発明の好適実施態様を表すが、当業者には種々の変化及び変更が本発明の精神及び範囲から逸脱することなくそこでなされることができることは明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂肪及び/または油並びにアルコールのエステル交換により脂肪酸エステルを製造する方法において:
− 脂肪及び/または油並びにアルコールを反応器に供給する、
− 240℃〜450℃の範囲の温度でかつ0.5MPa〜25MPaの範囲の圧力で脂肪及び/または油をアルコールと反応させ、未反応アルコールを含む反応混合物を得る、
− 反応混合物を分離して第一流れと第二流れを得る、ここで第一流れは少なくとも90重量%の未反応アルコールを含み、第二流れは第一流れより少ない未反応アルコール画分を含む、及び
− 前記第一流れを反応器に連続的に再循環する、
工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
分離工程が反応混合物を0.1MPaに等しいかまたはそれより高い圧力に減圧する工程を含み、反応混合物の分離が減圧工程の圧力で実施されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
減圧工程において、反応混合物が0.1MPa〜1.2MPaの範囲の圧力に減圧されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記減圧工程において、反応混合物が0.2MPa〜3MPaの範囲の圧力に減圧されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
分離工程が反応混合物を120℃〜300℃の範囲の温度に冷却する工程を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
反応混合物を部分冷却する工程が減圧工程の前に実施されることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
部分冷却工程において、反応混合物が200℃〜280℃の範囲の温度に冷却されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
反応工程において、脂肪及び/または油がMgO触媒の存在下でアルコールと反応させられることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の方法。
【請求項9】
分離工程が反応混合物をフラッシュ分離により分離することを含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の方法。
【請求項10】
分離工程が反応混合物を蒸留により分離することを含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の方法。
【請求項11】
分離工程が次の工程:
− 反応混合物を分離して第三流れと第二流れを得る、ここで第三流れはより大きな画分の未反応アルコールを含む、及び
− 第三流れを分離して第一流れと第四流れを得る、ここで第一流れは第三流れの未反応アルコールの画分より大きい未反応アルコールの画分を含む、
を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の方法。
【請求項12】
反応混合物が水を含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一つに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−515799(P2010−515799A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545181(P2009−545181)
【出願日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際出願番号】PCT/EP2008/050259
【国際公開番号】WO2008/084084
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(502320688)ヴラームス インステリング ヴール テクノロギシュ オンデルゾーク (ヴイアイティーオー) (19)
【Fターム(参考)】