説明

アルコール成分検出装置

【課題】検出を行う際に被測定者が煩わしさを感じる事なく、車輌に搭載して常時又は定期的に運転者のアルコール摂取の検出を行うなどの目的に容易に使用できるアルコール成分検出装置を提供する。
【解決手段】アルコール成分に吸収される波長のアルコール吸収光成分を含む光を光源20から運転者100の目を含む領域101へ照射する。アルコール吸収光成分を透過する光学フィルタ31を搭載したカメラ30を用いて運転者100の撮像を行って、得られた画像を基に運転者の目の涙によるアルコール吸収光成分の吸収量を算出することによって、運転者100がアルコールを摂取したか否かを検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輌などの運転者による酒気帯び運転又は飲酒運転等を防止するため、運転者のアルコールの影響を測定することができるアルコール成分検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車輌などの酒気帯び運転又は飲酒運転等は非常に危険であり、法律で禁止されている。しかしながら、近年においても酒気帯び運転又は飲酒運転に伴う事故は後を絶たず、社会問題化している。このため、運転者のアルコールの影響を測定する装置を用いて、運転者からアルコールが検出された場合には車輌の走行を禁止する機能を車輌に搭載することが求められている。
【0003】
例えば、運転者の呼気に含まれるアルコールを検出して走行を禁止する機能を有する車輌が既に実用化されている。運転者の呼気からアルコールを検出する場合、運転者は筒状の吹込口を口にくわえて呼気を吹き込む必要がある。しかし、車輌に常設する装置としては洗浄を行うことが容易ではないため、衛生面で問題がある。また、筒状の吹込口を運転者が口にくわえることなく、運転者が息を吹きかけて検出を行う構成とすることもできるが、呼気の量が正確でないため、アルコール検出の精度が低下するという問題がある。
【0004】
特許文献1においては、被測定者の目を包囲するアイピースを利用して目の上に空間を形成し、エタノール蒸気センサをこの空間内に配置し、目から滲み出た涙の中のエタノール蒸気の濃度を測定するアルコールレベルの検出方法が提案されている。この検出方法により、高精度にアルコールの検出を行うことができると共に、車輌に適用した場合には上述の衛生面での問題を解決することができる。
【特許文献1】特開昭64−76832号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のように、アルコールを摂取した被測定者の涙にはアルコール成分が含まれるため、これを利用してアルコールの検出を行うことは可能である。しかしながら、特許文献1に記載の検出方法を車輌の飲酒運転防止に適用した場合、運転者は検出を行うためにアイピースを装着して目を覆う必要があり、頻繁に使用するには不便で煩わしいという問題がある。また、アイピースを装着した状態で運転を行うことはできないため、車輌の走行中に常時又は定期的にアルコールの検出を行うなどの目的に使用することは困難であるという問題がある。
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、アルコール成分に吸収される波長のアルコール吸収光成分を含む光を被測定者の目に照射し、アルコール吸収光成分を透過するアルコール用光学フィルタを通して被測定者の目を撮像し、撮像により取得した画像を基に被測定者の目におけるアルコール吸収光成分の吸収量を算出してアルコール成分の検出を行う構成とすることにより、アルコール検出に伴う被測定者の煩わしさを解消でき、車輌に搭載して走行中に常時又は定期的にアルコールの検出を行うなどの目的に容易に使用できるアルコール成分検出装置を提供することにある。
【0007】
また本発明の他の目的とするところは、アルコール成分以外の参照成分に吸収される波長の参照吸収光成分を含む光を被測定者の目に照射して、アルコール成分の場合と同様に参照吸収光成分の吸収量を算出し、アルコール吸収光成分の吸収量と参照吸収光成分の吸収量とを基にアルコール成分の検出を行う構成とすることにより、より精度よくアルコール成分の検出を行うことができるアルコール成分検出装置を提供することにある。
【0008】
また本発明の他の目的とするところは、アルコール吸収光成分及び参照吸収光成分を含む光を被測定者の目に照射し、アルコール用光学フィルタ及び参照用光学フィルタをそれぞれ通して撮像を行い、撮像により取得した画像を基にアルコール吸収光成分の吸収量及び参照吸収光成分の吸収量を算出し、アルコール吸収光成分の吸収量と参照吸収光成分の吸収量とを基にアルコール成分の検出を行う構成とすることにより、より精度よくアルコール成分の検出を行うことができるアルコール成分検出装置を提供することにある。
【0009】
また本発明の他の目的とするところは、入射光をアルコール用光学フィルタ及び参照用光学フィルタへ分配する手段を備えて、アルコール用光学フィルタを通した撮像と参照用光学フィルタを通した撮像とを同時的に行う構成とすることにより、アルコール成分の検出をより速く行うことができるアルコール成分検出装置を提供することにある。
【0010】
また本発明の他の目的とするところは、参照成分を水成分とし、アルコール成分による吸収量と水成分による吸収量とを比較して、被測定者に対するアルコール成分の検出を行う構成とすることにより、簡単に且つ確実に高精度なアルコール成分の検出を行うことができるアルコール成分検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1発明に係るアルコール成分検出装置は、被測定者の目を含む照射領域へ、アルコール成分に吸収される波長のアルコール吸収光成分を含む光を照射するアルコール用光源と、前記アルコール吸収光成分を透過するアルコール用光学フィルタと、該アルコール用光学フィルタを通して前記被測定者の目を含む撮像領域を撮像する撮像手段と、該撮像手段が撮像して取得した画像を基に、前記被測定者の目による前記アルコール吸収光成分の吸収量を算出する算出手段と、該算出手段の算出結果に応じてアルコール成分の検出を行う検出手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明においては、アルコール成分に吸収される波長のアルコール吸収光成分を含む光を被測定者の目を含む照射領域へ照射する。被測定者がアルコールを摂取している場合には、目を覆う涙にアルコール成分が含まれるため、照射した光のアルコール吸収光成分は吸収される。被測定者がアルコールを摂取していない場合には、アルコール吸収光成分は吸収されずに反射される。そこで、アルコール吸収光成分を透過するアルコール用光学フィルタを通して撮像を行うことによって、撮像した画像を基に被測定者の目の涙によるアルコール吸収光成分の吸収量を算出することができ、この吸収量を基に被測定者がアルコールを摂取しているか否かを検出することができる。被測定者が測定のための機器を装着する必要がないため、車輌の走行中に常時又は定期的にアルコール成分の検出を行うことが容易にできる。更には、被測定者の虹彩認証の機能と組み合わせることにより、被測定者を識別してアルコールの検出を行うことも可能である。
【0013】
また、第2発明に係るアルコール成分検出装置は、前記照射領域へ、アルコール成分以外の参照成分に吸収される波長の参照吸収光成分を含む光を照射する参照用光源を備え、前記アルコール用光学フィルタは、前記参照吸収光成分を透過するようにしてあり、前記撮像手段は、前記アルコール用光源による光を照射した第1の場合及び前記参照用光源による光を照射した第2の場合のそれぞれについて撮像を行うようにしてあり、前記算出手段は、前記第1の場合に前記撮像手段が撮像して取得した画像を基に前記アルコール吸収光成分の吸収量を算出すると共に、前記第2の場合に前記撮像手段が撮像して取得した画像を基に前記参照吸収成分の吸収量を算出するようにしてあり、前記検出手段は、前記算出手段の2つの算出結果に応じてアルコール成分の検出を行うようにしてあることを特徴とする。
【0014】
本発明においては、被測定者の涙に含まれるアルコール成分以外の成分を参照成分とし、この参照成分に吸収される波長の参照吸収光成分を含む光を被測定者の目を含む照射領域へ照射し、アルコール成分の場合と同様に撮像を行って画像を取得する。アルコール吸収光成分を含む光の照射と参照吸収光成分を含む光の照射とは例えば交互に行えばよく、アルコール吸収光成分及び参照吸収光成分を透過する光学フィルタを用いてそれぞれ撮像を行う。撮像して取得した2つの画像を基に、アルコール吸収光成分の吸収量及び参照吸収成分の吸収量を算出して比較することにより、被測定者の涙に含まれるアルコール成分の濃度を精度よく検出することが可能となる。
【0015】
また、第3発明に係るアルコール成分検出装置は、アルコール成分以外の参照成分に吸収される波長の参照吸収光成分を透過する参照用光学フィルタを備え、前記アルコール用光源は、前記アルコール吸収光成分及び前記参照吸収光成分を含む光を照射するようにしてあり、前記撮像手段は、前記アルコール用光学フィルタを通した前記撮像領域と前記参照用光学フィルタを通した前記撮像領域とをそれぞれ撮像するようにしてあり、前記算出手段は、前記アルコール用光学フィルタを通して撮像して取得した画像を基に前記アルコール吸収光成分の吸収量を算出すると共に、前記参照用光学フィルタを通して撮像して取得した画像を基に前記参照吸収成分の吸収量を算出するようにしてあり、前記検出手段は、前記算出手段の2つの算出結果に応じてアルコール成分の検出を行うようにしてあることを特徴とする。
【0016】
本発明においては、アルコール吸収光成分及び参照吸収光成分を含む光を被測定者の目を含む照射領域へ照射する。アルコール吸収光成分を透過するアルコール用光学フィルタを通して被測定者の撮像を行うと共に、参照吸収光成分を透過する参照用光学フィルタを通して被測定者の撮像を行う。各撮像は、光学フィルタを変更して交互に行ってもよく、2つの撮像手段により同時的に行ってもよく、また、後述のように1つの撮像手段により同時的に行ってもよい。撮像して取得した画像を基に、アルコール吸収光成分の吸収量及び参照吸収成分の吸収量を算出して比較することにより、被測定者の涙に含まれるアルコール成分の濃度を精度よく検出することが可能となる。
【0017】
また、第4発明に係るアルコール成分検出装置は、入射光を前記アルコール用光学フィルタ及び前記参照用光学フィルタへそれぞれ分配する分配手段を備え、前記撮像手段は、前記アルコール用光学フィルタを通した前記撮像領域と前記参照用光学フィルタを通した前記撮像領域とを同時的に撮像するようにしてあることを特徴とする。
【0018】
本発明においては、入射光をアルコール用光学フィルタ及び参照用光学フィルタへ分配するプリズムなどによる分配手段を備える。また、一の撮像手段が、アルコール用光学フィルタを通した撮像と、参照用光学フィルタを通した撮像とを同時的に行う。例えば、撮像手段が有する撮像素子の受光領域を二分し、一方にアルコール用光学フィルタを透過した光を集光し、他方に参照用光学フィルタを透過した光を集光することによって、実現することができる。撮像手段による撮像を一度行うのみで、得られた画像からアルコール吸収光成分の吸収量及び参照吸収成分の吸収量を算出することができる。
【0019】
また、第5発明に係るアルコール成分検出装置は、前記参照成分は水成分であることを特徴とする。
【0020】
本発明においては、アルコール成分に対する参照成分として、水成分を用いる。被測定者の涙には水成分が含まれているため、水成分による光の吸収量とアルコール成分による光の吸収量とを比較することにより、被測定者のアルコール濃度を算出できる。目を覆う涙の量には個人差があるが、水成分の場合との比較を行うことによって、涙の量が少ない場合であってもアルコール成分の検出を精度よく行うことが可能となる。また、水成分による光の吸収が全くないか又は極端に少ない場合には、アルコール成分の検出の信頼性が低いため、検出を再度行うと判断することもできる。
【発明の効果】
【0021】
第1発明による場合は、アルコール吸収光成分を含む光を被測定者の目に照射し、アルコール吸収光成分を透過するアルコール用光学フィルタを通して被測定者の目を撮像し、撮像により取得した画像を基に被測定者の目におけるアルコール吸収光成分の吸収量を算出してアルコール成分の検出を行う構成とすることにより、被測定者が測定のための機器を装着することなくアルコール成分の検出を行うことができるため、アルコール成分の検出に伴う被測定者の煩わしさを解消でき、アルコール成分検出装置の利便性を高めることができる。また、アルコール成分検出装置を車輌に搭載した場合に、車輌の走行中に常時又は定期的にアルコール成分の検出を行うことができるため、アルコール成分の検出をより確実に行うことができ、酒気帯び運転又は飲酒運転の防止に確実に貢献することができる。
【0022】
また、第2発明による場合は、アルコール成分以外の参照成分に吸収される波長の参照吸収光成分を含む光を被測定者の目に照射し、アルコール成分の場合と同様に撮像を行って参照吸収光成分の吸収量を算出し、アルコール吸収光成分の吸収量と参照吸収光成分の吸収量とを基にアルコール成分の検出を行う構成とすることにより、被測定者の涙に含まれるアルコール成分の濃度を精度よく検出することができる。よって、アルコール成分検出装置による検出結果の信頼性を高めることができ、より確実に酒気帯び運転又は飲酒運転の防止に貢献することができる。
【0023】
また、第3発明による場合は、アルコール吸収光成分及び参照吸収光成分を含む光を被測定者の目に照射し、アルコール用光学フィルタ及び参照用光学フィルタをそれぞれ通して撮像を行い、撮像により取得した画像を基にアルコール吸収光成分の吸収量及び参照吸収光成分の吸収量を算出し、アルコール吸収光成分の吸収量と参照吸収光成分の吸収量とを基にアルコール成分の検出を行う構成とすることにより、被測定者の涙に含まれるアルコール成分の濃度を精度よく検出することができる。よって、アルコール成分検出装置による検出結果の信頼性を高めることができ、より確実に酒気帯び運転又は飲酒運転の防止に貢献することができる。
【0024】
また、第4発明による場合は、入射光をアルコール用光学フィルタ及び参照用光学フィルタへ分配する手段を備えて、アルコール用光学フィルタを通した撮像と参照用光学フィルタを通した撮像とを同時的に行う構成とすることにより、撮像手段による撮像を一度行うのみでアルコール吸収光成分の吸収量及び参照吸収成分の吸収量を算出することができるため、アルコール成分の検出をより速く行うことができ、アルコール成分検出装置の利便性をより高めることができる。
【0025】
また、第5発明による場合は、アルコール成分に対する参照成分として水成分を用いる構成とすることにより、例えば被測定者の涙の量が少ない場合などであっても、被測定者のアルコール濃度を簡単に且つ確実に検出することができる。よって、アルコール成分検出装置による検出結果の信頼性をより高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
(実施の形態1)
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係るアルコール成分検出装置の構成を示す模式図である。また、図2は、本発明の実施の形態1に係るアルコール成分検出装置の構成を示すブロック図である。図において10はECU(Electronic Control Unit)であり、光源20及びカメラ30等が接続されてこれらの動作を制御すると共に、光源20からの光を照射された運転者(被測定者)100をカメラ30が撮像して、取得した画像を基にアルコール成分の検出を行うようにしてある。
【0027】
光源20及びカメラ30は、図示しない車輌の運転席近傍で運転の妨げとならない場所に配設してある。また、光源20は、車輌の運転席に座った運転者100の目及びその周辺(図1において破線で示す領域101)に光を照射することができるように配設位置が調整してある。同様に、カメラ30は、車輌の運転席に座った運転者100の目及びその周辺を撮像することができるように配設位置が調整してある。ただし、光源20が光を照射する範囲とカメラ30が撮像する範囲とは一致する必要はなく、少なくとも光源20が運転者100の目に光を照射し、カメラ30が運転者100の目を撮像することができればよい。
【0028】
ECU10は、接続ケーブルを接続するための接続部16、17と、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、表示部14、音声出力部15及びエンジンロック制御部18と、これらの各部を制御する制御部11とを備えている。接続部16は接続ケーブルを介して光源20に接続され、これにより制御部11が光源20の点灯及び消灯を制御することができるようにしてある。また、接続部17は接続ケーブルを介してカメラ30に接続され、制御部11がカメラ30の撮像を制御することができると共に、カメラ30が撮像した画像を接続ケーブルを介して取得し、種々の画像処理を行うことができるようにしてある。
【0029】
制御部11は、具体的にはCPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)等により構成してあり、ROM12に予め記憶されたプログラム及びデータを読み出して実行することにより、種々の制御処理及び演算処理等を行うようにしてある。ROM12は、マスクROM、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)又はフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ素子により構成してあり、ECU10の動作に必要な種々のソフトウェアプログラムがあらかじめ記憶してある。RAM13は、制御部11が制御処理又は演算処理等を行う際に発生する一時的なデータを記憶するものであり、SRAM(Static RAM)又はDRAM(Dynamic RAM)等の書き換え可能なメモリ素子により構成してある。また、RAM13にはカメラ30が撮像した画像を記憶しておくこともできる。
【0030】
表示部14は、液晶ディスプレイなどにより構成されるものであり、車輌にカーナビゲーション又はバックモニタ等の装置が搭載されている場合には、これらの装置のための液晶ディスプレイと共用であってもよい。音声出力部15は、スピーカなどにより構成されるものであり、ユーザへの警告音又はメッセージ等を出力することができるようにしてある。車輌にオーディオ又はカーナビゲーション等の装置が搭載されている場合には、これらの装置のためのスピーカと共用であってもよい。
【0031】
エンジンロック制御部18は、車輌に搭載されたエンジン50(ただし、エンジン50を動作させるための種々の駆動装置を含む)に制御命令を与えて、エンジン50を始動不可能な状態にする(即ち、ロックする)ことができるようにしてある。ECU10の制御部11は、カメラ30が撮像した運転者100の画像を基にアルコール成分の検出を行って、アルコール成分が検出された場合にはエンジンロック制御部18によりエンジン50をロックし、車輌の走行を禁止することができるようにしてある。
【0032】
光源20は、特定範囲の波長の光成分のみを含む光を照射するようにしてある。図3は、光源20が照射する光の波長を説明するための模式図であり、横軸に光の波長を示し、縦軸にアルコール成分に吸収される光の吸収量を示したグラフである。図示のように、アルコール成分は波長λaの光成分を吸収する性質を有している。よって、光源20は波長λaを含む所定の波長範囲Aの光成分のみを含む光を照射するようにしてあり、運転者100の目を覆う涙にアルコール成分が含まれている場合には光源20からの光を吸収し、アルコール成分が含まれていない場合には光を反射する。
【0033】
カメラ30は、光学フィルタ31、レンズ32及び撮像素子33等を備えている。光学フィルタ31は、上述の波長範囲Aに含まれる光成分のみを透過し、波長範囲A以外の光成分を透過させない性質を有している。光学フィルタ31を透過した光成分は、カメラ30のレンズ32にて撮像素子33へ集光されるようにしてある。撮像素子33は、少なくとも波長範囲Aの光成分を受光して電気信号を発生することができる複数の受光素子がマトリクス状に並設されたものであり、光学フィルタ31を通した撮像を行って取得した画像をECU10へ与えるようにしてある。
【0034】
図4は、本発明の実施の形態1に係るアルコール成分検出装置によるアルコール成分の検出方法を説明するための模式図であり、カメラ30にて撮像された画像の一例を示してある。また、(a)がアルコール成分が検出されない場合であり、(b)がアルコール成分が検出された場合である。カメラ30は、運転者100の目及びその周辺を撮像して画像を取得する。運転者100がアルコールを摂取している場合には、運転者100の目を覆う涙にアルコール成分が含まれるため、光源20から運転者100へ照射された光は運転者100の目の部分にて吸収される。このため、カメラ30から与えられた画像中では、運転者100の目の部分が暗く撮像される(図4(b)参照)。
【0035】
これに対して、運転者100がアルコールを摂取していない場合には、光源20から運転者100へ照射された光は反射されてカメラ30へ入射し、光学フィルタ31を透過して撮像素子33にて受光される。よって、カメラ30から与えられた画像中では、運転者100の目の部分が明るく撮像される(図4(a)参照)。
【0036】
よって、カメラ30から画像を与えられた制御部11は、画像から運転者100の目に相当する領域を抽出し、この領域中の輝度値を調べることによって、光源20により照射された光の吸収量を算出することができる。画像から目の領域を抽出する方法については、既知の技術であるため詳細な説明は省略する。ただし、カメラ30による画像全体に対して運転者の目の領域が十分に大きな割合で撮像される場合には、画像から目の領域を抽出する処理を行わず、画像全体の輝度値から吸収量を算出することも可能である。
【0037】
図5は、本発明の実施の形態1に係るアルコール成分検出装置が行う検出処理の手順を示すフローチャートである。ECU10の制御部11は、光源20を点灯して運転者100へ光を照射し(ステップS1)、カメラ30による撮像を行う(ステップS2)。撮像により得られた画像から運転者100の目の領域を抽出し(ステップS3)、この領域の輝度を基に光の吸収量を算出する(ステップS4)。
【0038】
次いで、算出した吸収量が予め定められた閾値を超えたか否かを調べ(ステップS5)、吸収量が閾値を超えていない場合には(S5:NO)、検出結果としてアルコール成分なしとし(ステップS6)、処理を終了する。吸収量が閾値を超えた場合(S5:YES)、検出結果としてアルコール成分ありとし(ステップS7)、表示部14又は音声出力部15にて警告メッセージを出力すると共に(ステップS8)、エンジンロック制御部18によりエンジン50を始動不可能な状態にロックして(ステップS9)、処理を終了する。
【0039】
以上の構成のアルコール成分検出装置においては、アルコール成分に吸収される光成分を含む光を光源20から運転者100へ照射し、この反射光を光学フィルタ31を設けたカメラ30にて撮像してアルコール成分の検出を行う構成とすることにより、運転者100は検出のための機器を装着する必要はなく、簡単にアルコール成分の検出を行うことができる。よって、このアルコール成分検出装置による検出は車輌の停車時のみでなく走行時にも常時又は定期的に行うことが可能である。ただし、走行時に検出を行う場合には、アルコール成分を検出した場合であってもエンジン50をロックすることは危険であるため、表示部14又は音声出力部15にて警告メッセージを出力するのみとする。また、本発明に係るアルコール成分検出装置は、運転者100の目をカメラ30にて撮像するため、虹彩認証を行う機能を更に搭載することも可能である。これにより、運転者100以外の他者がアルコールの検出を行ってエンジン50を始動し、その後に運転者100が運転するなどの行為を防止することができる。
【0040】
なお、本実施の形態においては、アルコール成分検出装置はアルコール成分を検出した場合に車輌のエンジン50をロックする構成としたが、これに限るものではなく、車輌のシフトレバーを「D(ドライブ)」に変更不可能となるようにロックする、又はブレーキを解除不可能にロックする等の他の方法でロックを行う構成としてもよい。また、ロックは行わずに表示部14又は音声出力部15による警告メッセージの出力のみを行う構成としてもよい。また、アルコール成分検出装置を車輌に搭載する構成としたが、これに限るものではなく、自動二輪車、船舶又は航空機等に搭載する構成としてもよく、車輌などに搭載するのではなく可搬型の装置としてもよい。
【0041】
(実施の形態2)
実施の形態1に係るアルコール成分検出装置はアルコール成分に吸収される光成分を含む光のみを光源20が照射する構成である。しかし、運転者100の涙の量には個人差があるため、涙の量が多い運転者100は涙の量が少ない運転者100よりアルコール成分が検出されやすい。そこで、実施の形態2に係るアルコール成分検出装置は参照成分として水成分に吸収される光成分を照射する別の光源を更に備えることにより、検出精度を高めた構成である。図6は、本発明の実施の形態2に係るアルコール成分検出装置の構成を示す模式図である。実施の形態2に係るアルコール成分検出装置は、アルコール成分に吸収される光成分を照射する第1光源220と共に、水成分に吸収される光成分を照射する第2光源225を備えており、第1光源220及び第2光源225はECU210に接続されて点灯及び消灯を制御されている。
【0042】
図7は、第1光源220及び第2光源225が照射する光の波長を説明するための模式図であり、アルコール成分による光の吸収量を実線で示し、水成分による光の吸収量を破線で示してある。図示のように、アルコール成分は波長λaの光成分を吸収する性質を有しており、水成分は波長λb(λb<λa)の光成分を吸収する性質を有している。よって、第1光源220は、波長λaを含む所定の波長範囲Aの光成分のみを含む光を照射するようにしてある(即ち、第1光源220は実施の形態1の光源20と同じである)。また、第2光源225は、波長λbを含む所定の波長範囲Bの光成分のみを含む光を照射するようにしてある。また、実施の形態2に係るアルコール成分検出装置のカメラ230は、上述の波長範囲A及びBに含まれる光成分を透過する光学フィルタ231を備えている。
【0043】
ECU210は、まず、第1光源220を点灯すると共に第2光源225を消灯し、第1光源220からの光を運転者100に照射してカメラ230による撮像を行う。これにより、撮像して得られた画像からアルコール成分に吸収される光成分の吸収量を算出することができる。次いで、ECU210は、第2光源225を点灯すると共に第1光源220を消灯し、第2光源225からの光を運転者100に照射してカメラ230による撮像を行う。これにより、撮像して得られた画像から水成分に吸収される光成分の吸収量を算出することができる。よって、算出した2つの吸収量を基にECU210は水成分に対するアルコール成分の割合、即ちアルコール濃度を算出することができるため、アルコール濃度が所定の閾値を超えた場合にエンジン50をロックするようにしてある。
【0044】
図8は、本発明の実施の形態1に係るアルコール成分検出装置によるアルコール成分の検出方法を説明するための模式図であり、カメラ230にて撮像された画像の一例を示してある。図中の(a1)及び(a2)がアルコール成分が検出されない場合であり、(b1)及び(b2)がアルコール成分が検出された場合である。また、(a1)及び(b1)が第1光源220による光を照射して撮像した場合であり、(a2)及び(b2)が第2光源225による光を照射して撮像した場合である。
【0045】
運転者100がアルコールを摂取していない場合には、第1光源220から運転者100へ照射された光は反射されてカメラ230へ入射し、光学フィルタ231を透過して撮像素子33にて受光される。よって、第1光源220の光を照射して撮像した画像中では、運転者100の目の部分が明るく撮像される(図8(a1)参照)。また、第2光源225から運転者100へ照射された光は、運転者100の目を覆う涙の水成分により吸収される。このため、第2光源225の光を照射して撮像した画像中では、運転者100の目の部分が暗く撮像される(図8(a2)参照)。
【0046】
これに対して、運転者100がアルコールを摂取している場合には、運転者100の目を覆う涙にアルコール成分が含まれるため、第1光源220から運転者へ照射された光は運転者100の目の部分にて吸収される。このため、第1光源220の光を照射して撮像した画像中では、運転者100の目の部分が暗く撮像される(図8(b1)参照)。また、第2光源225から運転者100へ照射された光は、運転者100の目を覆う涙の水成分により吸収されるため、第2光源225の光を照射して撮像した画像中では、運転者100の目の部分が暗く撮像される(図8(b2)参照)。
【0047】
よって、カメラ230から画像を与えられたECU210にて、画像から運転者100の目に相当する領域を抽出し、この領域中の輝度値を調べることによって、第1光源220により照射された光の吸収量と、第2光源225により照射された光の吸収量とを算出することができ、更に、水成分に対するアルコール濃度を算出することができる。
【0048】
図9は、本発明の実施の形態2に係るアルコール成分検出装置が行う検出処理の手順を示すフローチャートである。ECU210の制御部11は、第1光源220又は第2光源225のうちのいずれか一方の光源を点灯して運転者100へ光を照射し(ステップS21)、カメラ230による撮像を行う(ステップS22)。撮像により得られた画像から運転者100の目の領域を抽出し(ステップS23)、この領域の輝度を基にステップS1にて点灯した光源に係る光の吸収量を算出する(ステップS24)。
【0049】
次いで、第1光源220を用いた撮像及び第2光源225を用いた撮像の両撮像を完了したか否かを調べ(ステップS25)、完了していない場合(S25:NO)、即ちいずれか一方の光源による撮像のみを終了している場合には、ステップS21で点灯した一方の光源を消灯して他方の光源を点灯し、即ち光源の切り替えを行って(ステップS26)、ステップS22へ戻り、撮像及び光の吸収量の算出等の処理を行う。
【0050】
両撮像が完了した場合には(S25:YES)、算出した2つの吸収量を基にアルコール濃度を算出して(ステップS27)、算出したアルコール濃度が予め定められた閾値を超えるか否かを判定する(ステップS28)。アルコール濃度が閾値を超えていない場合には(S28:NO)、検出結果としてアルコール成分なしとし(ステップS29)、処理を終了する。アルコール濃度が閾値を超えた場合(S28:YES)、検出結果としてアルコール成分ありとし(ステップS30)、表示部14又は音声出力部15にて警告メッセージを出力すると共に(ステップS31)、エンジンロック制御部18によりエンジン50を始動不可能な状態にロックして(ステップS32)、処理を終了する。
【0051】
以上の構成の実施の形態2に係るアルコール成分検出装置においては、第2光源225を更に備えて、水成分により吸収される光成分を照射する構成とすることにより、運転者100の目を覆う涙の量に関係なく、水成分に対するアルコール成分の濃度を算出することができるため、アルコール成分の検出精度を高めることができる。また、第2光源225により光を照射して撮像を行った際に、光の吸収量が少ない場合(閾値との判定により判断することができる)には、検出が正確に行えていない可能性があるため、表示部14又は音声出力部15にて再検出を要請するメッセージを出力する構成とすることもできる。
【0052】
なお、実施の形態2においては、参照成分を水成分とし、水成分に対するアルコール成分の濃度を算出する構成としたが、これに限るものではなく、運転者100の目を覆う涙に含まれる他の成分、例えば脂質成分又はタンパク質成分等を参照成分としてもよい。
【0053】
実施の形態2に係るアルコール成分検出装置のその他の構成は、実施の形態1に係るアルコール成分検出装置の構成と同様であるため、同様の箇所には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0054】
(実施の形態3)
実施の形態2に係るアルコール成分検出装置は、第2光源225を設けることによって水成分に対するアルコール成分の濃度を算出構成であるが、第1光源220及び第2光源225を切り替えて撮像を2度行う必要があるため、アルコール成分の検出に時間を要する。そこで、実施の形態に係るアルコール成分検出装置は、光源の切り替えを行うことなく1度の撮像でアルコール成分の検出を行うことができる構成である。
【0055】
図10は、本発明の実施の形態3に係るアルコール成分検出装置の構成を示す模式図である。実施の形態3に係るアルコール成分検出装置は1つの光源320を備えており、光源320はECU310に接続されて点灯及び消灯を制御されている。ただし、光源320は、図7における光の波長範囲A及びBの両範囲の光成分を含む光を運転者100へ照射するようにしてある。即ち、光源320が照射する光には、アルコール成分に吸収される光成分と、水成分に吸収される光成分とが含まれている。
【0056】
また、実施の形態3に係るアルコール成分検出装置が備えるカメラ330は、第1光学フィルタ331a及び第2光学フィルタ331bの2つの光学フィルタと、入射した光を第1光学フィルタ331a及び第2光学フィルタ331bへ分配するプリズム334とを有している。第1光学フィルタ331aは図7における波長範囲Aの光成分を透過させる性質を有しており、第2光学フィルタ331bは波長範囲Bの光成分を透過させる性質を有している。カメラ330の撮像素子33は、略半分を第1光学フィルタ331aを通過した光による撮像に用いられ、もう半分を第2光学フィルタ331bを透過した光による撮像に用いられる。また、第1光学フィルタ331a及び第2光学フィルタ331bにはプリズム334にて分配された光が通過するため、カメラ330では運転者100の略同じ部分を撮像素子33の略半分の領域で一度にそれぞれ撮像することとなる。
【0057】
図11は、本発明の実施の形態2に係るアルコール成分検出装置によるアルコール成分の検出方法を説明するための模式図であり、カメラ330にて撮像された画像の一例を示してある。図中の(a)がアルコール成分が検出されない場合であり、(b)がアルコール成分が検出された場合である。カメラ330にて撮像された画像は、例えば上半分に第1光学フィルタ331aを通して撮像された画像であり、下半分が第2光学フィルタ331bを通して撮像された画像である。
【0058】
運転者100がアルコールを摂取していない場合、光源320から運転者100へ照射された光のうち、アルコール成分に吸収される光成分については、反射されたカメラ330へ入射し、第1光学フィルタ331aを透過して撮像素子33にて受光される。水成分に吸収される光成分については、運転者100の目を覆う涙の水成分により吸収される。よって、カメラ330にて撮像した画像では、上半分にて運転者100の目の部分が明るく撮像され、下半分にて運転者100の目の部分が暗く撮像される(図11(a)参照)。
【0059】
これに対して、運転者100がアルコールを摂取している場合には、光源320から運転者100へ照射された光は、いずれの光成分についても、運転者100の目を覆う涙の水成分により吸収される。よって、カメラ330にて撮像した画像では、上下ともに運転者100の目の部分が暗く撮像される(図11(b)参照)。
【0060】
よって、カメラ330から画像を与えられたECU310にて、画像の上下からそれぞれ運転者100の目に相当する領域を抽出し、この領域中の輝度値を調べることによって、アルコール成分に吸収される光成分の吸収量と、水成分に吸収される光成分の吸収量とを算出することができ、更に、水成分に対するアルコール濃度を算出することができる。
【0061】
図12は、本発明の実施の形態3に係るアルコール成分検出装置が行う検出処理の手順を示すフローチャートである。ECU310の制御部11は、光源320を点灯して運転者100へ光を照射し(ステップS41)、カメラ330による撮像を行う(ステップS42)。撮像により得られた画像の上側から運転者100の目の領域を抽出して(ステップS43)、この領域の輝度を基に第1光学フィルタ331aを透過する光成分の吸収量を算出する(ステップS44)。更に、撮像により得られた画像の下側から運転者100の目の領域を抽出して(ステップS45)、この領域の輝度を基に第2光学フィルタ331bを透過する光成分の吸収量を算出する(ステップS46)。
【0062】
次いで、ステップS44及びS46にてそれぞれ算出した2つの吸収量を基に、アルコール濃度を算出して(ステップS47)、算出したアルコール濃度が予め定められた閾値を超えるか否かを判定する(ステップS48)。アルコール濃度が閾値を超えていない場合には(S48:NO)、検出結果としてアルコール成分なしとし(ステップS49)、処理を終了する。アルコール濃度が閾値を超えた場合(S48:YES)、検出結果としてアルコール成分ありとし(ステップS50)、表示部14又は音声出力部15にて警告メッセージを出力すると共に(ステップS51)、エンジンロック制御部18によりエンジン50を始動不可能な状態にロックして(ステップS52)、処理を終了する。
【0063】
以上の構成の実施の形態3に係るアルコール成分検出装置においては、アルコール成分に吸収される光成分及び水成分に吸収される光成分を含む光を光源320が照射し、アルコール成分に吸収される光成分を透過する第1光学フィルタ331aと水成分に吸収される光成分を透過する第2光学フィルタ331bとをカメラ330に設けてプリズム334により分配された光をそれぞれ透過させ、第1光学フィルタ331a及び第2光学フィルタ331bを透過した光により撮像素子33が1度に撮像を行う構成とすることにより、光源の切り替えを行う必要がなく、また、運転者100の目を覆う涙に含まれる水成分に対するアルコール成分の濃度を1度の撮像で検出することができる。
【0064】
なお、実施の形態3においては、光源320が図7における波長範囲A及びBの両範囲の光成分を含む光を照射する構成としたが、これに限るものではなく、実施の形態2のアルコール成分検出装置が備える第1光源220及び第2光源225の2つの光源を用い、2つの光源を同時に点灯して両波長範囲の光成分を運転者100に照射する構成としてもよい。また、カメラ320に入射する光の分配手段はプリズム334に限らず、その他の光学部材を用いる構成であってもよい。
【0065】
実施の形態3に係るアルコール成分検出装置のその他の構成は、実施の形態1に係るアルコール成分検出装置の構成と同様であるため、同様の箇所には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施の形態1に係るアルコール成分検出装置の構成を示す模式図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るアルコール成分検出装置の構成を示すブロック図である。
【図3】光源が照射する光の波長を説明するための模式図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係るアルコール成分検出装置によるアルコール成分の検出方法を説明するための模式図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係るアルコール成分検出装置が行う検出処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態2に係るアルコール成分検出装置の構成を示す模式図である。
【図7】第1光源及び第2光源が照射する光の波長を説明するための模式図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係るアルコール成分検出装置によるアルコール成分の検出方法を説明するための模式図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係るアルコール成分検出装置が行う検出処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態3に係るアルコール成分検出装置の構成を示す模式図である。
【図11】本発明の実施の形態2に係るアルコール成分検出装置によるアルコール成分の検出方法を説明するための模式図である。
【図12】本発明の実施の形態3に係るアルコール成分検出装置が行う検出処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0067】
10 ECU(算出手段、検出手段)
11 制御部
14 表示部
15 音声出力部
18 エンジンロック制御部
20 光源(アルコール用光源)
30 カメラ(撮像手段)
31 光学フィルタ(アルコール用光学フィルタ)
32 レンズ
33 撮像素子
100 運転者(被測定者)
101 領域(照射領域、撮像領域)
210 ECU(算出手段、検出手段)
220 第1光源(アルコール用光源)
225 第2光源(参照用光源)
230 カメラ(撮像手段)
231 光学フィルタ(アルコール用光学フィルタ)
310 ECU(算出手段、検出手段)
320 光源(アルコール用光源)
330 カメラ(撮像手段)
331a 第1光学フィルタ
331b 第2光学フィルタ(参照用光学フィルタ)
334 プリズム(分配手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定者の目を含む照射領域へ、アルコール成分に吸収される波長のアルコール吸収光成分を含む光を照射するアルコール用光源と、
前記アルコール吸収光成分を透過するアルコール用光学フィルタと、
該アルコール用光学フィルタを通して前記被測定者の目を含む撮像領域を撮像する撮像手段と、
該撮像手段が撮像して取得した画像を基に、前記被測定者の目による前記アルコール吸収光成分の吸収量を算出する算出手段と、
該算出手段の算出結果に応じてアルコール成分の検出を行う検出手段と
を備えることを特徴とするアルコール成分検出装置。
【請求項2】
前記照射領域へ、アルコール成分以外の参照成分に吸収される波長の参照吸収光成分を含む光を照射する参照用光源を備え、
前記アルコール用光学フィルタは、前記参照吸収光成分を透過するようにしてあり、
前記撮像手段は、前記アルコール用光源による光を照射した第1の場合及び前記参照用光源による光を照射した第2の場合のそれぞれについて撮像を行うようにしてあり、
前記算出手段は、前記第1の場合に前記撮像手段が撮像して取得した画像を基に前記アルコール吸収光成分の吸収量を算出すると共に、前記第2の場合に前記撮像手段が撮像して取得した画像を基に前記参照吸収成分の吸収量を算出するようにしてあり、
前記検出手段は、前記算出手段の2つの算出結果に応じてアルコール成分の検出を行うようにしてあること
を特徴とする請求項1に記載のアルコール成分検出装置。
【請求項3】
アルコール成分以外の参照成分に吸収される波長の参照吸収光成分を透過する参照用光学フィルタを備え、
前記アルコール用光源は、前記アルコール吸収光成分及び前記参照吸収光成分を含む光を照射するようにしてあり、
前記撮像手段は、前記アルコール用光学フィルタを通した前記撮像領域と前記参照用光学フィルタを通した前記撮像領域とをそれぞれ撮像するようにしてあり、
前記算出手段は、前記アルコール用光学フィルタを通して撮像して取得した画像を基に前記アルコール吸収光成分の吸収量を算出すると共に、前記参照用光学フィルタを通して撮像して取得した画像を基に前記参照吸収成分の吸収量を算出するようにしてあり、
前記検出手段は、前記算出手段の2つの算出結果に応じてアルコール成分の検出を行うようにしてあること
を特徴とする請求項1に記載のアルコール成分検出装置。
【請求項4】
入射光を前記アルコール用光学フィルタ及び前記参照用光学フィルタへそれぞれ分配する分配手段を備え、
前記撮像手段は、前記アルコール用光学フィルタを通した前記撮像領域と前記参照用光学フィルタを通した前記撮像領域とを同時的に撮像するようにしてあること
を特徴とする請求項3に記載のアルコール成分検出装置。
【請求項5】
前記参照成分は水成分であること
を特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか1つに記載のアルコール成分検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−264081(P2008−264081A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−108550(P2007−108550)
【出願日】平成19年4月17日(2007.4.17)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】