説明

アングル弁

【課題】弁軸の軸方向への熱膨張が、電動モータ側の作動軸に伝達されにくいようにする。
【解決手段】弁箱5内に、弁孔3を挟んで一次側弁室11と二次側弁室12とが設けられ、前記弁箱5に支持された弁軸4と弁体6とが備えられており、前記弁体6は、前記弁軸4の軸方向一方への移動により前記弁孔3を閉鎖し、他方への移動により開放するアングル弁において、前記弁軸4は、電動モータMの駆動力によって軸方向に進退する作動軸24と同軸上に配置され、前記作動軸24と前記弁軸4との間に、前記作動軸24に対して前記弁軸4を軸方向一方へ付勢する弾性部材21が配置され、前記弁軸4が軸方向へ熱膨張した際に、その熱膨張によって前記弁軸4が前記作動軸24を押さないように、前記作動軸24と前記弁軸4との間に、前記作動軸24に対する前記弁軸4の軸方向一方への相対移動を許容するための隙間wを設けた構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、高温ガス等の高温流体が流れる流路等に設けられるアングル弁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高炉など高温流体を扱う各種施設において、その高温流体が流れる流路を開閉するために、アングル弁が設けられる箇所がある。
【0003】
この種のアングル弁として、例えば、図5に示すものがある。このアングル弁10は、弁箱5内の流路の途中に弁孔3が設けられており、その弁孔3を挟んで一次側弁室11と二次側弁室12とが備えてられている。
【0004】
一次側弁室11には流入部1が設けられている。この流入部1に上流側の流路が接続されるようになっている。
【0005】
また、二次側弁室12は、前記弁孔3から上方に向って延びて、又はその弁孔3のすぐ上の位置から直角に曲がって横方向に延びて、その末端が流出部2に通じている。この流出部2には、下流側の流路が接続されるようになっている。
【0006】
弁孔3の周囲には弁座7が形成されている。なお、この弁座7は、図5に示すように、二次側弁室12側に設けられる場合もあるし、他の構成としては、弁座7が一次側弁室11側に設けられる場合もある。
【0007】
この弁座7に接離する弁体6は、弁箱5の内外を貫通して設けられた弁軸4と一体に移動可能に設けられる。弁軸4は、弁箱5外に設けた図示しない駆動手段によって、弁箱5に対して、その軸方向に進退する。その進退によって、前記弁体6が弁座7に接離し、アングル弁10の弁孔3が開閉する。
【0008】
このアングル弁10の弁軸4を進退させる駆動手段として、通常は、例えば、空気圧などにより動作するシリンダ装置が用いられる。
【0009】
このように駆動手段としてシリンダ装置を用いるのは、流路内を高温の流体が通過することによって弁軸4が軸方向に熱膨張するため、その膨張をシリンダ装置のロッドの伸縮(進退)によって吸収し、常に、弁体6と弁座7との一定の接触圧を確保するためである。すなわち、シリンダストロークに余裕を持たせることによって、弁軸の熱膨張代を吸収できるようにし、常に、適正な閉弁状態を維持できるようにしたものである(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0010】
なお、弁軸が弁座に対して位置ずれを起こすことによる弁体と弁座との接触圧不足を防止するため、弁軸の下端と弁体の上面との間にバネを介在させた技術が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【0011】
また、駆動手段として電動モータを使用したものもある。例えば、図6(a)に示すように、2つの弁孔3a,3bを有する弁箱5内に、その両弁孔3a,3bを選択的に開閉する弁体6が設けられている。
その弁体6を支える弁軸4が弁箱5外へ延びて、その上部に駆動手段としての電動モータと、その電動モータによって往復回転する回転体の回転往復動作を上下往復動作に変換させるカム機構部Cとが設けられている。また、そのカム機構部Cと弁軸4との間には、バネ機構部Sが備えられている。
【0012】
カム機構部Cの作用により、バネ機構部Sを介して弁軸4が上方へ移動して、弁体6が上方に位置する弁孔3aを閉鎖する際に、バネ機構部Sが弁軸4を上向きに付勢して、弁体6によるその弁孔3aの閉鎖状態が保持されるようになっている。また、カム機構部Cの作用により、バネ機構部Sを介して弁軸4が下方へ移動して、弁体6が下方に位置する弁孔3bを閉鎖する際には、バネ機構部Sが弁軸4を下向きに付勢して、弁体6によるその弁孔3bの閉鎖状態が保持されるようになっている(例えば、特許文献4参照)。
【0013】
【特許文献1】特開平9−303574号公報(第2頁段落0007)
【特許文献2】特開2005−321060号公報(第4頁段落0022)
【特許文献3】特開2005−321061号公報(第7頁第6図)
【特許文献4】特開2002−098252号公報(第9頁第3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
駆動手段としてシリンダ装置を用いたアングル弁によれば、例えば、そのロッドの進退を弁軸に伝えるためのリンク機構など、大がかりな装置が必要となる。このため、アングル弁の全体が大型化する傾向がある。装置は、できる限りコンパクトであることが望ましい。
【0015】
また、シリンダ装置は、動作に流体を用いる関係で初期設備設置の負担が大きく、メンテナンスが煩雑であるから、電動モータを用いたいという要請がある。特に、高温の流体を扱うアングル弁では、エアシリンダ装置に熱が伝導することは好ましくないから、電動モータが有利である。
【0016】
しかし、駆動手段として電動モータを採用した図6(a)に示すアングル弁を、高温の流体が流れる流路に設置すると、弁軸4の熱膨張により、図6(b)に矢印で示すように、カム機構部Cの作動軸14を押し上げる方向へ押圧してしまう。
【0017】
これは、例えば、弁体6が弁座に押圧されていない中立状態(図6(a)に示す状態)、あるいは、弁体6が弁座に押し付けられた閉弁状態において、バネ機構部Sを構成するバネ13の上下端に宛がわれた押圧板15a,15bが、それぞれ、弁軸4と一体の外筒16の上向き段部16a、及び作動軸14の外周に形成された下向き段部14aに係合しているため、弁軸4が軸方向に膨張すると、その段部16a,14a間でバネ13が突っ張りながら、そのバネ13を介して、作動軸14を押し上げるからである。
【0018】
弁軸4の軸方向への熱膨張が、駆動手段である電動モータ側の作動軸14に伝達されることは好ましくない。作動軸14に外力が加わることにより、電動モータに対して負荷を生じ故障の原因になるとともに、弁体が閉弁状態にある場合には、その弁体の弁座への押圧力に変動を生じてしまうからである。
【0019】
そこで、この発明は、弁軸の軸方向への熱膨張が、駆動手段である電動モータ側の作動軸に伝達されにくいようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記の課題を解決するために、この発明は、弁箱内に、弁孔を挟んで一次側弁室と二次側弁室とが設けられ、前記弁箱の内外に貫通しその軸方向へ進退可能に支持された弁軸と、その弁軸と一体に進退可能な弁体が備えられており、前記弁体は、前記弁箱に対する前記弁軸の軸方向一方への移動により前記弁孔を閉鎖し、軸方向他方への移動により前記弁孔を開放するアングル弁において、前記弁軸は、電動モータの駆動力によって前記弁箱に対して軸方向に進退する作動軸と同方向に配置され、前記作動軸と前記弁軸との間に、前記作動軸に対して前記弁軸を軸方向一方へ付勢する弾性部材が配置されており、前記弁軸が軸方向へ熱膨張した際に、その熱膨張によって前記弁軸が前記作動軸を押さないように、前記作動軸と前記弁軸との間に、前記作動軸に対する前記弁軸の軸方向一方への相対移動を許容するための隙間を設けた構成とした。
【0021】
作動軸と弁軸との間に弾性部材を配置するとともに、その作動軸に対する弁軸の軸方向一方への相対移動を許容するための隙間を設けたので、弁箱内を通る流体の熱によって弁軸が熱膨張した際に、その隙間を埋める(隙間を減らす)ように弁軸が熱膨張する。すなわち、この弁軸の熱膨張によって弾性部材は押されないから、その弾性部材による作動軸に対する付勢力は増加しない。また、その隙間が介在する限り、熱膨張によって弁軸が作動軸に直接触れることにより、その作動軸を押すこともない。
このため、弁軸の軸方向への熱膨張が、駆動手段である電動モータ側の作動軸に伝達されることを抑制することができる。
【0022】
なお、前記隙間の大きさを、例えば、弁軸に生じ得る軸方向への熱膨張量未満に設定することも可能ではあるが、その隙間は、弁箱内を所定温度の流体が通った際に、その所定温度の流体の熱によって前記弁軸に生じ得る軸方向への熱膨張量以上に設定することが望ましい。隙間の寸法が、予想される熱膨張量以上に設定されていれば、弁軸の熱膨張が電動モータ側の作動軸に与える影響を皆無とすることができるからである。
【0023】
また、前記弁軸又は前記作動軸の一方、あるいはそれと一体に移動する部材が、他方に設けた支持板に形成された軸方向孔に挿入されてその挿入された部材にねじ込まれたナットで前記支持板に係止されており、前記弾性部材は、前記支持板とナットとの間に設けられる構成を採用することができる。このようにすれば、弾性部材を簡単に介在させることができ、また、付勢力の異なる弾性部材に取替える作業が容易となる。
なお、支持板の軸方向孔に挿通される部材は、前記弁軸又は前記作動軸の端部であってもよいし、その弁軸又は作動軸と一体に軸方向に移動するように設けられた部材であってもよい。
【0024】
この弾性部材としては、前記弁軸又は前記作動軸、あるいはそれと一体に移動する部材の外周に嵌る皿バネ又はコイルバネとすることができる。この皿バネ、コイルバネは、軸方向に複数連ねて使用することもできる。
【発明の効果】
【0025】
この発明は、弁軸の軸方向への熱膨張が、駆動手段である電動モータ側の作動軸に伝達されにくいようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
この発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。この実施形態のアングル弁は、高炉内のガスを排出する管の途中に設けられるブローオフ弁である。通常の設備稼働時は、全閉状態で使用され、設備の改修時や緊急時には全開状態に切り換えられて、高温流体を大気へ逃がすようになっている。
【0027】
弁箱5の基本構成は従来例と同様であり、図1(a)(b)に示すように、弁箱5内の流路の途中に弁孔3が設けられており、その弁孔3を挟んで一次側弁室11と二次側弁室12とが備えてられている。また、一次側弁室11には流入部1が設けられて、この流入部1に上流側の流路が接続されるようになっている。
【0028】
また、二次側弁室12は、前記弁孔3のすぐ上の位置から直角に曲がって横方向に延びて、その末端が流出部2に通じている。この流出部2には、下流側の流路が接続されるようになっている。
【0029】
弁孔3の周囲には、全周に亘る弁座7が形成されている。この弁座7に接離する弁体6は、二次側弁室12側に伸びて弁箱5の内外を貫通するように設けられた弁軸4と一体に移動可能に設けられている。その弁軸4は、弁箱5の上部に設けられた支持部5aによって、弁箱5に対して軸方向進退自在に支持されている。
【0030】
弁箱5外には、駆動手段としての電動モータMが設けられている。その電動モータMの駆動力は、駆動力伝達機構30を通じて弁軸4に伝達されるようになっている。この駆動力伝達機構30としては、例えば、従来例の図6に示すカム機構の他、ウォーム機構、リンク機構など周知の構成を採用することができる。
【0031】
また、その駆動力伝達機構30は、図1に示すように、上下方向に向く作動軸24を備えている。その作動軸24が、電動モータMの駆動力によって、軸方向に進退する。前記弁軸4は、この作動軸24と同軸上に配置されて、バネ機構部20を介して接続されている。
【0032】
バネ機構部20の構成を説明すると、図4(a)に示すように、弁軸4の上端に中空の筒状部26が設けられ、その筒状部26の上端に支持板22が設けられている。
【0033】
前記作動軸24の下端は、前記支持板22に形成された軸方向の孔23に挿入されている。また、その挿入された作動軸24の下端には、皿バネ(弾性部材)21を介在してナット25がねじ込まれている。皿バネ21は作動軸24の外周に嵌り、その状態で、前記ナット25によって作動軸24から脱落しないように係止されている。
【0034】
このように、皿バネ21は、前記支持板22と前記ナット25との間に設けられるので、その皿バネ21は、前記作動軸24に対して前記弁軸4を閉弁方向(軸方向一方)へ付勢する。この付勢によって、弁体6が弁座7に隙間なくしっかりと当接し、閉弁状態を確実に維持することができる。
なお、その付勢力は、ナット25の締付け度合いによって調整することができる。また、皿バネの数を増減させることによっても、付勢力の調整が可能である。
【0035】
弁の開閉動作について説明すると、図3に鎖線で示す開弁状態において、電動モータMが作動して作動軸24が上昇すると、皿バネ21及びナット25で接続された弁軸4も上昇する。弁軸4の上昇により弁体6は弁座7に接し、同図に実線で示すように、前記弁孔3を閉鎖する。
【0036】
逆に、図3に実線で示す閉弁状態において、電動モータMが作動して作動軸24が下降すると、弁軸4が下降して弁体6は弁座7から離れ、前記弁孔3を開放する。
【0037】
この弁箱5内を通る流体は高温であるので、その流体の熱が弁箱5や弁軸4等に熱伝導により伝わっていく。弁軸4は通常は金属製であるから、その熱伝導により弁軸4の温度は上昇し、弁軸4には、常温の状態と比較して熱膨張を生じる。
【0038】
このとき、前記弁軸4が軸方向へその全長が伸びるように熱膨張した際に、その熱膨張によって前記作動軸24に対する前記弾性部材21による負荷が増加しないように、前記作動軸24と前記弁軸4との間に、前記作動軸24に対する前記弁軸4の上方への相対移動を許容するための隙間wが設けられている。
【0039】
この隙間wは、図4(a)に示すように、支持板22の上面22aと作動軸24に設けた下向きの段部24aとの間に設けられている。
【0040】
弁軸4が熱膨張した際に、その隙間wの幅は徐々に減少する。その間、支持板22の上昇に伴って、皿バネ21は徐々にその全長vが伸びていく(ただし、皿バネの自然長を上限とする)。電動モータMが動作していなければ、作動軸24及びナット25の位置は不変であるのに対し、支持板22の位置が上昇するからである。
【0041】
つまり、この弁軸4の熱膨張によって皿バネ21は上方に押されないから、その弾性部材21による作動軸24に対する付勢力は増加しない。また、その隙間wが無くなってしまわない限り、熱膨張によって弁軸4の支持板22の上面22aが、作動軸24の段部24aに直接触れることもないから、その作動軸24が上方に押されることはない。
【0042】
このため、弁軸4の軸方向への熱膨張が、駆動手段である電動モータM側の作動軸24に伝達されることを抑制することができる。
【0043】
なお、前記隙間wは、前記弁箱5内を所定温度の流体が通った際に、その所定温度の流体の熱によって前記弁軸4に生じ得る軸方向への熱膨張量以上に設定されている。すなわち、稼働中に隙間wが縮小することはあっても、図4(b)に示すように、その隙間wがゼロにはならないように配慮されているから、熱膨張による作動軸24への影響を皆無としている。
【0044】
また、ナット25の締付け度合いを変えることによって、支持板22の押し上げ力が変化するから、それによって隙間wの量を増減させることができる。このため、アングル弁10の使用場所や用途によって、弁体6の弁座7への密着度合いを調整できるとともに、同時に、弁箱5内を通過する流体の種別や温度によって、その隙間wを適宜設定することができる。すなわち、アングル弁10の汎用性を高めることができる。
なお、設計上、許容される限度において、隙間wを弁軸4の熱膨張量以下に設定して、弁軸4の熱膨張による作動軸24への影響を若干許容するようにした構成も考えられる。
【0045】
この実施形態では、作動軸24と弁軸4とは同軸上に配置した構成としたが、両者が同軸上にない形態であってもよい。例えば、作動軸24と弁軸4とを並行に配置した構成が考えられる。このとき、例えば、作動軸24と一体に移動する部材が、弁軸4側の支持板22に形成された軸方向の孔23に挿入される構成とすることができる。
【0046】
また、バネ機構部20の構成は、これらの実施形態に限定されず、例えば、皿バネに代えてコイルバネや板バネなど他の弾性部材21を採用した構成も考えられる。また、支持板22に孔23を設けることなく、例えば、支持板22の下面22bと、作動軸24と一体に移動する部材の上面とが向かい合うようにした構成において、その対向面間に、適宜の弾性部材21を配置した構成も考えられる。
【0047】
さらに、バネ機構部20を上下逆に配置することにより、作動軸24側に支持板22を設けた構成とすることもできる。
このとき、例えば、図4(c)に示すように、弁軸4又はその弁軸4と一体に移動する部材が、作動軸24に設けられた支持板22の孔23に挿入されて、弾性部材21を介在してナット止めされる構成、あるいは、支持板22に孔23を設けることなく、例えば、支持板22の上面と、弁軸4と一体に移動する部材の下面とが向かい合うように構成し、その対向面間に、適宜の弾性部材21を配置した構成等を採用することもできる。
【0048】
また、皿バネ等からなる弾性部材21によって、弁軸4が下方に向かって(弁箱5側に向かって)付勢される構成とすることもできる。この場合、弁座7は、二次側弁室12側に設けられて、弁体6は、その二次側弁室12側に向く弁座7に接離自在である構成において採用可能な形態となる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】一実施形態を示し、(a)は正面図、(b)は側面図
【図2】同実施形態の平面図
【図3】図1(b)の弁座周辺を示す要部拡大図
【図4】(a)(b)は、図1(b)のバネ機構部周辺を示す要部拡大図、(c)は、他の実施形態を示す同要部拡大図
【図5】従来例の断面図
【図6】従来例の断面図
【符号の説明】
【0050】
1 流入部
2 流出部
3 弁孔
4 弁軸
5 弁箱
6 弁体
7 弁座
10 アングル弁
11 一次側弁室
12 二次側弁室
13 バネ
14,24 作動軸
14a,16a 段部
15a,15b 押圧板
16 外筒
20 バネ機構部
21 弾性部材(皿バネ)
22 支持板
23 孔
25 ナット
26 筒状部
30 駆動力伝達機構
C カム機構部
M 電動モータ
S バネ機構部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁箱(5)内に、弁孔(3)を挟んで一次側弁室(11)と二次側弁室(12)とが設けられ、前記弁箱(5)の内外に貫通しその軸方向へ進退可能に支持された弁軸(4)と、その弁軸(4)と一体に進退可能な弁体(6)が備えられており、前記弁体(6)は、前記弁箱(5)に対する前記弁軸(4)の軸方向一方への移動により前記弁孔(3)を閉鎖し、軸方向他方への移動により前記弁孔(3)を開放するアングル弁において、
前記弁軸(4)は、電動モータの駆動力によって前記弁箱(5)に対して軸方向に進退する作動軸(24)と同方向に配置され、前記作動軸(24)と前記弁軸(4)との間に、前記作動軸(24)に対して前記弁軸(4)を軸方向一方へ付勢する弾性部材(21)が配置されており、
前記弁軸(4)が軸方向へ熱膨張した際に、その熱膨張によって前記弁軸(4)が前記作動軸(24)を押さないように、前記作動軸(24)と前記弁軸(4)との間に、前記作動軸(24)に対する前記弁軸(4)の軸方向一方への相対移動を許容するための隙間(w)を設けたことを特徴とするアングル弁。
【請求項2】
前記隙間(w)は、前記弁箱(5)内を所定温度の流体が通った際に、その所定温度の流体の熱によって前記弁軸(4)に生じ得る軸方向への熱膨張量以上に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のアングル弁。
【請求項3】
前記弁軸(4)又は前記作動軸(24)の一方、あるいはそれと一体に移動する部材が、他方に設けた支持板(22)に形成された軸方向孔(23)に挿入されてその挿入された部材にねじ込まれたナット(25)で前記支持板(22)に係止されており、前記弾性部材(21)は、前記支持板(22)とナット(25)との間に設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載のアングル弁。
【請求項4】
前記弾性部材(21)は、前記弁軸(4)又は前記作動軸(24)の外周に嵌る皿バネ又はコイルバネであることを特徴とする請求項3に記載のアングル弁。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−138993(P2010−138993A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−315634(P2008−315634)
【出願日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(000142595)株式会社栗本鐵工所 (566)
【Fターム(参考)】