説明

アンテナ及びその製造方法並びに同アンテナを用いた携帯無線端末

【課題】安価且つ小型のマルチメディア無線端末を具現するための、特に3モード以上の多モードで動作する小型のアンテナ及びその製造方法並びに同アンテナを搭載する携帯無線端末を提供する。
【解決手段】接地電位を有する接地導体2と、接地導体2の一部を一端とする単一の給電点7と、給電点7に供給された高周波電力を入力してそれぞれが3モードの3周波数の電磁波を空間に放射する複数の伝送線路とを備える。これら伝送線路は、一端が給電点7に接続され、他端が分岐点31に接続された伝送線路41と、分岐点31,32間に接続された伝送線路42と、上記分岐点に接続された伝送線路51,61,62とからなり、給電点7において複数の周波数に対してインピーダンス整合が行なわれるように伝送線路のそれぞれの長さが設定される。アンテナ1は、一体金属板で形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチメディアサービスをユーザに提供する無線端末のアンテナに係り、特に複数のサービスを異なる周波数の電磁波を媒体とする情報伝送によって行なうマルチメディア無線端末に適用して好適なマルチモード対応のアンテナ及びその製造方法に関し、同アンテナを用いた携帯無線端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、種々の情報伝達、情報提供に関するサービスを無線を利用して提供するマルチメディアサービスが盛んになりつつあり、多数の無線端末が開発され実用に供されている。
これらサービスは、電話、テレビ、LAN(Local Area Network)等年々多様化しており、全てのサービスをユーザが享受するためには、個々のサービスに対応する無線端末を所持することになる。
【0003】
このようなサービスを享受するユーザの利便性向上に向けて、マルチメディアサービスを、いつでもどこでもメディアの存在を意識させずに、即ちユビキタスにユーザに提供しようとする動きが始まっており、一つの端末で複数の情報伝達サービスを実現する、いわゆるマルチモード端末が部分的ながら実現している。
【0004】
通常の無線によるユビキタスな情報伝送のサービスは電磁波を媒体とするので、同一のサービスエリアにおいては、一種類のサービスにつき一つの周波数を使用することにより、複数のサービスがユーザに提供される。従って、マルチメディア端末は、複数の周波数の電磁波を送受信する機能を有することとなる。
【0005】
従来のマルチメディア端末においては、例えば、一つの周波数に対応するシングルモードのアンテナを複数個用意し、それらを一つの無線端末に搭載する方法が採用される。この方法では、それぞれのシングルモードアンテナを独立に動作させるために波長程度の距離を離してこれらを搭載する必要があり、通常のユビキタスな情報伝送に関するサービスに用いられる電磁波の周波数が自由空間伝播特性の制限により数百MHzから数GHzに限定されるため、アンテナを隔てる距離が数十cmから数mとなり、従って、端末寸法が大きくなりユーザの持ち運びに関する利便性が満足されない。また、異なる周波数に感度を有するアンテナを距離を隔てて配置するため、アンテナに結合する高周波回路も該周波数毎に分離・設置する必要がある。
【0006】
そのため、半導体の集積回路技術を適用することが困難となり、端末寸法が増大するのみならず高周波回路のコスト高を招く問題がある。強いて集積回路技術を適用して回路全体を集積化しても高周波回路から個々の距離が離れたアンテナまで高周波ケーブルで結合する必要が生じる。ところで、ユーザが携帯可能な寸法の端末に適用可能な高周波ケーブルの軸径は、1mm内外の径を持つ。そのため、現状では同高周波ケーブルの伝送損失は、数dB/mに達する。このような高周波ケーブルの使用により、高周波回路が消費する電力が増加し、ユビキタス情報サービスを提供する端末の使用時間の著しい低下、或いは電池体積の増大による端末重量の著しい増加を引き起こし、端末を使用するユーザの利便性を著しく損なう問題がある。
【0007】
このような、複数の情報サービスをユーザに提供するマルチモード無線端末の諸課題を解決する重要な要素の一つが複数の周波数の電磁波に対して感度を有するマルチモードアンテナである。アンテナ構造が単一で且つ複数の周波数に対応する単一の給電点を有し、マルチモード端末の高周波回路部と電気的結合を行ない自由空間と該高周波回路部との間の通信信号の送受を可能とするマルチモードアンテナが既に幾つか提案されている。
【0008】
従来のマルチモードアンテナとして、例えば、特許文献1に開示された2モードアンテナがある。このアンテナは、導体平板の一部を削除してコの字スリットを形成し、同コの字スリット内にL字導体を追加する構造をなしている。コの字スリットが第一の周波数で動作し、主にL字導体が第二の周波数で動作する。各周波数領域における電磁波の放射機構は互いに直交するそれぞれの構造を含む放射素子によっている。
【0009】
従来の2モードアンテナの別の例として、特許文献2に、スリットを有する導体の内部に2つの対向する線状導体を形成したアンテナが述べられている。線状導体は、スリットの給電線路としても動作し、スリットと給電線路で異なる周波数の電磁波の送受信が行なわれる。その動作原理は上記特許文献1と同様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2003−101326号公報
【特許文献2】特開2003−152430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述の従来のマルチモードアンテナでは、異なる周波数で自由空間に電磁波を効率よく放射させるために、互いに干渉が少なくほぼ独立して動作する複数の放射導体が直交して配置される。そして、スリットと線状導体を別構造にし、異なる周波数で独立に動作するアンテナ構造を採用することが必要になる。そのため、放射すべき電磁波の周波数が増えるにつれ、独立の構造が増加し、全体としてマルチモードアンテナの寸法或いは体積を小さく抑えることが極めて困難になる。実際に、上記の特許文献1,2には、3モード以上のマルチモードアンテナについて示されていない。
【0012】
本発明の目的は、安価且つ小型のマルチメディア無線端末を具現するための小型のマルチモードアンテナ、特に2モードのみならず、3モード以上の多モードで動作するアンテナ及びその製造方法を提供し、同アンテナを搭載する携帯無線端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するための本発明のアンテナは、接地電位を有する接地導体と、接地導体の一部を一端とする単一の給電点と、給電点に供給された高周波電力を入力して複数の周波数の電磁波を空間に放射する複数の伝送線路とを具備し、複数の伝送線路は、複数の周波数の電磁波を共通して空間に放射する伝送線路を含み、給電点において複数の周波数に対してインピーダンス整合が行なわれることを特徴とする。
【0014】
上記目的を達成するための本発明のアンテナは、また、接地電位を有する接地導体と、同接地導体の一部を一端とする単一の給電点と、同給電点に供給された高周波電力を入力して複数の周波数の電磁波を空間に放射する複数の伝送線路とを備え、複数の伝送線路は、複数の周波数の電磁波を共通して空間に放射する伝送線路を含み、複数の周波数が2周波数の場合、上記複数の伝送線路は、一端が給電点に接続され、他端が分岐点に接続された伝送線路と、分岐点に接続された伝送線路とを含み、複数の周波数が3周波数以上の場合、上記複数の伝送線路は、一端が給電点に接続され、他端が分岐点に接続された伝送線路と、分岐点間に接続された伝送線路と、分岐点に接続された伝送線路とを含み、給電点において複数の周波数に対してインピーダンス整合が行なわれるように上記複数の伝送線路のそれぞれの長さが設定されることを特徴とする。
【0015】
構成要素である複数の伝送線路を備えた本発明のアンテナは、複数の周波数帯域で共通して電磁波を自由空間中に放射する伝送線路を含むとともに、これら複数の伝送線路が、単一の給電点に対して、マルチモードの各動作周波数でインピーダンス整合を実現する分布定数整合回路を形成する。
【0016】
該伝送線路から自由空間に放射される電磁波エネルギーを伝送線路からなる分布定数回路の失うエネルギーと考え、これを損失と考えることにより、通常の分布定数回路理論を拡張して、マルチモードアンテナの各動作周波数で単一の給電点に対するインピーダンス整合条件が設計可能となる。本発明のアンテナは、従来のアンテナのように小体積中に異なる周波数で動作する複数のアンテナ構造を埋め込むのではなく、複数の伝送線路で構成される構造全体から、動作すべき各周波数帯域で電磁波エネルギーを非局所的に放射する。そして、自由空間とアンテナ給電部に結合する高周波回路部とのインピーダンス整合が伝送線路のリアクタンス成分で実行される。
【0017】
異なる周波数で動作する複数のアンテナ構造を小体積に一体化した従来の構成では、各周波数に付き、電磁波を放射する主たる部分は局在化され、このために複数の電磁波を放射する複数の放射導体を小体積中に互いに干渉少なく配置することが必要になる。そのため、アンテナ全体として体積増加を避けることができない。
【0018】
一方、本発明のアンテナは、動作すべき各周波帯域で非局所的に電磁波をアンテナから自由空間に放射することが基本動作原理であるから、従来のように複数の放射導体を電磁波の放射現象によって互いに干渉しないように配置するといった配慮は不必要で、本発明からなるアンテナの要素である伝送線路を線状導体或いは狭幅ストリップ導体で構成し、これらを小体積中或いは小寸法中に単純に配置することが可能となる。
【0019】
本発明によるマルチモードアンテナでは、電磁波エネルギーは各周波数において複数の伝送線路より局在化せずに放射されるので、従来の上記特許文献2のような周波数毎に異なるモード(例えばダイポールモードとループモード)で共振する構造を持つアンテナと比べて、電磁波が放射される際に殆ど放射に寄与しないアンテナ構造の部分が少ないという特徴がある。
【0020】
アンテナの重要な特性の一つであるインピーダンス整合帯域は、長波長効果によってマルチモードアンテナの放射に寄与する導体部の電流パスの全長或いは寸法が短いほど広くなる。アンテナのインピーダンス整合は、伝送線路によって表現することが可能である。伝送線路の電気特性は、光速c、周波数f、線路長L及び伝播定数βを用いて式(1)に示す関数で記述することができる。
【0021】
【数1】

そして、その周波数依存性を示す伝送線路の電気特性の周波数微分は、式(2)のように表される。
【0022】
【数2】

式(2)で示されるように、伝送線路の電気特性の周波数微分は、線路長Lに比例する。
このため、線路長Lが大きいほどアンテナが共振する周波数帯でのインピーダンスの周波数に対する変化が急峻になり、結果として同周波数帯でのインピーダンス整合帯域が狭くなる。即ち、長波長効果によって整合帯域が狭くなる。
【0023】
本発明では、アンテナを構成する伝送線路から電磁波が各周波数で非局在化して放射されるので、従来技術のマルチモードアンテナとは異なり、特定の伝送線路が複数の周波数に対して共通して放射に寄与していることになり、この共通部分の存在がマルチモードアンテナの放射に寄与する導体部の電流パスの全長或いは寸法の低減に寄与している。従って、従来技術のマルチモードアンテナに比べて上記電流パスの全長或いは寸法が短いので、本発明のアンテナにおいて広帯域化が可能となる。
【0024】
本発明のマルチモードアンテナの動作原理は、図16を用いて以下のように説明される。マルチモードアンテナのモード数をnとし、使用する電磁波の波長を式(3)のように定義する。
【0025】
【数3】

アンテナの整合条件は、給電点においてサセプタンス成分が打ち消されることによって実現可能である。式(3)の複数の波長において,給電点でのサセプタンスを零にする設計を行なうために、図16のSi(i=1,2,…,n−1)を式(4)のように置く。
【0026】
【数4】

このようにすることによって、λiの波長における給電点のインピーダンス整合を設計するときに、LiとSiの交点の電位を零にすることができるために、Li+1〜Ln、Si+1〜Sn−1の伝送線路を考慮する必要がなくなる。
【0027】
λ1において給電点のサセプタンスを零にするためには、L1=S1とすれば良い。λ2において給電点のサセプタンスを零にするためのL2は式(5)によって求められる。但し、βi=2π/λiである。
【0028】
【数5】

式(4)及びL1=S1の条件から、式(5)の右辺は正であり、結果として式(6)が得られる。
【0029】
【数6】

λ3において給電点のサセプタンスを零にするためのL3は、式(7)によって求められる。
【0030】
【数7】

式(7)の右辺第1項の伝播定数に関する微分は、式(8)となるので、常に正である。
【0031】
【数8】

式(8)はβ3=0で零である。
【0032】
従って、式(7)の第1項は正、第2項も正なので式(9)を得る。
【0033】
【数9】

ここで、式(7)の右辺第1項を初項とする次の式(10)の漸化式を導入する。
【0034】
【数10】

式(10)の漸化式の微分は式(11)となる。
【0035】
【数11】

式(10)の初項を考慮すれば式(11)は常に正であることが解る。
【0036】
式(10)の漸化式を用いることにより、Liを決定する式(12)が得られる。
【0037】
【数12】

式(12)の右辺は常に正である。
【0038】
従って、式(13)が成り立ち、図16の本発明のマルチモードアンテナの全長Tは式(14)で表現することができる。
【0039】
【数13】

【0040】
【数14】

式(13)から解るように、本発明のマルチモードアンテナにおいては、マルチモード周波数の電磁波の最長波長の四分の一波長構造と他の波長の半波長構造が最大寸法を与える。
【0041】
従来のマルチモードアンテナでは、このような各周波数で共振長を呈する異なる構造をアンテナ構造内に実現する場合は、それら異なる構造を電磁結合しないように必要な距離だけ離す必要があるが、本発明ではそのような必要はなく、連続配置が可能である。そのため、本発明のアンテナは、従来のアンテナよりも寸法が小さくなり、従ってインピーダンス整合の周波数帯域が拡大される効果が生じる。式(13)は不等式であり、多くの場合、本発明のアンテナは、前述した最大寸法条件により、小さい寸法でマルチモードアンテナを実現可能で、寸法低減、整合帯域拡大の効果は更に大きくなる。
【0042】
前記説明は、図16のトポロジー(網構造)を基に行なわれている。ここで、図17A及び図17Bの2構造を採り上げると、そのサセブタンスYiは、それぞれ式(15)及び式(16)で表せる。
【0043】
【数15】

【0044】
【数16】

これから、サセブタンスを零にする条件は、図17A及び図17Bの2構造で同一である。
【0045】
従って、図16の構造に限らず、例えばSiに当たる部分に複数の先端開放伝送線路が結合するトポロジーでも、本発明は明らかに適用可能で有る。
【0046】
図18に示されるトポロジーは、図16の動作原理説明図に従って構成した3モードアンテナの例である。また、図19に示されるトポロジーは、図17A及び図17Bで示される原理を用いて図16の原理構造を修正した4モードアンテナの例である。
【0047】
アンテナが結合される高周波回路側から、アンテナの入力インピーダンスの実部に関する特別な要求(例えば、高周波基板に搭載されるフロントエンド部の半導体デバイスの特性インピーダンスが特に高いか或いは低いときに、同特性インピーダンスにアンテナの入力インピーダンスの実部を合せる等の要求)がある場合は、図20で示されるトポロジーのように、図18で示される3モード用のトポロジーに対するマルチモードの各周波数について給電点の実部を微調整する伝送線路を付加することが有効である。
【発明の効果】
【0048】
以上のように、本発明により、3モード以上の多モードで動作するアンテナを実現することができる。即ち、伝送線路として取り扱える、狭幅帯状導体、線状導体或いは狭幅ストリップ導体を用い、分布定数回路理論によって3モード以上のマルチモードアンテナを設計することが可能である。また、従来の複数アンテナ構造の一体化に見られたような放射導体の干渉低減の問題も生じないので、マルチモードアンテナを小型に実現すること及びアンテナの重要特性の一つである周波数帯域拡大に大きな効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係るアンテナの第1の実施形態を説明するための構造図である。
【図2】本発明の第2の実施形態を説明するための構造図である。
【図3】本発明の第3の実施形態を説明するための構造図である。
【図4】本発明の第4の実施形態を説明するための構造図である。
【図5A】本発明の第5の実施形態を説明するための構造図である。
【図5B】本発明の第5の実施形態を説明するための斜視図である。
【図6A】本発明の第6の実施形態を説明するための構造図である。
【図6B】本発明の第6の実施形態を説明するための斜視図である。
【図7A】本発明の第7の実施形態を説明するための構造図である。
【図7B】本発明の第7の実施形態を説明するための斜視図である。
【図8】本発明の第8の実施形態を説明するための構造図である。
【図9】本発明の第9の実施形態を説明するための構造図である。
【図10】本発明の第10の実施形態を説明するための構造図である。
【図11】本発明の第11の実施形態を説明するための構造図である。
【図12】本発明の第12の実施形態を説明するための構造図である。
【図13】第12の実施形態の製品構造を説明するための構造図である。
【図14A】本発明の第13の実施形態を説明するための正面図である。
【図14B】本発明の第13の実施形態を説明するための組立図である。
【図15A】本発明の第14の実施形態の第1の製造工程を説明するための構造図である。
【図15B】本発明の第14の実施形態の第2の製造工程を説明するための構造図である。
【図15C】本発明の第14の実施形態の第3の製造工程を説明するための構造図である。
【図16】本発明のアンテナの原理を説明するための構成図である。
【図17A】本発明のアンテナの部分を説明するための構成図である。
【図17B】本発明のアンテナの別の部分を説明するための構成図である。
【図18】本発明のアンテナのトポロジー(網構造)を説明するための構成図である。
【図19】本発明のアンテナの別のトポロジー(網構造)を説明するための構成図である。
【図20】本発明のアンテナの更に別のトポロジー(網構造)を説明するための構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、本発明に係るアンテナ及びその製造方法並びに同アンテナを用いた携帯無線端末を図面に示した幾つかの実施形態を参照して更に詳細に説明する。
【0051】
図1に本発明の第1の実施形態を示す。本実施形態は3モードアンテナを成す。アンテナ1は、接地導体(グランド部)2、分岐部31,32、伝送線路41,42,51,61,62のそれぞれを一体化した構造となっている。電力の供給を行なう給電点7が伝送線路41の一端と接地導体2の一部分との間に形成される。また、本実施形態のアンテナ1は、一体金属板で構成される。
【0052】
給電点7から接地導体2に垂直の方向に延ばした第一の伝送線路41に二分岐である第一の分岐部31が接続され、第一の分岐部31の一端に第一の先端開放伝送線路61が、別の一端に第二の伝送線路42が接地導体2と平行に配置して接続される。更に、この第一の分岐部31から延びた第二の伝送線路42の先に二分岐である第二の分岐部32が接続され、第二の分岐部32の一端と接地導体2との間に先端短絡伝送線路51が接続され、別の一端に接地導体2と平行に配置した第二の先端開放伝送線路62が接続される。
【0053】
本発明のアンテナ1を構成する伝送線路41,42、先端短絡伝送線路51、先端開放伝送線路61,62は、分布定数回路素子である。従って、本発明のアンテナ1は、分布定数回路で構成された分布定数回路網となる。
【0054】
本発明のアンテナ1は、この分布定数回路網において異なる3つの周波数帯で共振するように、伝送線路41,42、先端短絡伝送線路51、先端開放伝送線路61,62のそれぞれの寸法を定めることにより、3モード動作を実現している。
【0055】
本実施形態では、3つの周波数の例として、最小波長λ1=129.9mm、中間波長λ2=178.0mm、最長波長λ3=451.1mmが選ばれ、伝送線路41=20mm、伝送線路42=40mm、伝送線路51=40mm、伝送線路61=80mm、伝送線路62=80mmに設定される。伝送線路の全長は260mmとなり、これはλ1/2+λ2/2+λ3/4=266.8mmより小で、式(14)が満たされる。
【0056】
以上の伝送線路は、図1に示すように、狭幅の帯状導体で構成される。これらの伝送線路は、その他に、線状導体又は狭幅のストリップ線路で構成することが可能である。
【0057】
図2に本発明の第2の実施形態を示す。図2のアンテナ11は、図1のアンテナ1における先端開放伝送線路62を先端短絡伝送線路52とした構造の3モードアンテナである。この構造により、第1の実施形態に比べ、構造の機械強度を増す効果がある。
【0058】
本実施形態では、3つの周波数の例として、最小波長λ1=85.2mm、中間波長λ2=134.8mm、最長波長λ3=235.3mmが選ばれ、伝送線路41=10mm、伝送線路42=20mm、伝送線路51=20mm、伝送線路61=50mm、伝送線路62=50mmに設定される。伝送線路の全長は150mmとなり、これはλ1/2+λ2/2+λ3/4=168.8mmより小で、式(14)が満たされる。
【0059】
図3に本発明の第3の実施形態を示す。図3のアンテナ12は、図1のアンテナ1において二分岐である第一の分岐部31を三分岐である分岐部33に替え、この分岐部33に新たな先端開放伝送線路63を接続し、アンテナを構成する素子数を増やした構造の3モードアンテナである。
【0060】
この素子数を増やす構造により、分布定数回路網のパラメータを増やすことができ、これにより図1のアンテナ1の効果に加えて、給電点におけるアンテナ入力インピーダンスの実部を微調整することが可能となる。
【0061】
本実施形態では、3つの周波数の例として、最小波長λ1=104.7mm、中間波長λ2=219.8mm、最長波長λ3=322.6mmが選ばれ、伝送線路41=10mm、伝送線路42=20mm、伝送線路51=20mm、伝送線路61=40mm、伝送線路62=40mm、伝送線路63=70mmに設定される。伝送線路の全長は200mmとなり、これは、λ1/2+λ2/2+λ3/4=243mmより小で、式(14)が満たされる。
【0062】
図4に本発明の第4の実施形態を示す。図4のアンテナ13は、接地導体2の一部分に溝8を構成し、その溝8に先端開放伝送線路63を収納した構造の3モードアンテナである。
【0063】
図4において、給電点7から接地導体2に垂直な方向に延ばした第一の伝送線路41に二分岐である第一の分岐部31を接続し、この第一の分岐部31の一端と接地導体2との間に先端短絡伝送線路52を形成し別の一端に第二の伝送線路42を接地導体2と平行に接続する。更に、この第一の分岐部31から延びた第二の伝送線路42の先に二分岐である第二の分岐部32を接続し、この第二の分岐部の一端に接地導体2と平行に第一の先端開放伝送線路62を接続し、別の一端に接地導体に向けて垂直に延ばし且つ接地導体2の溝8に収納される第一の先端開放伝送線路62よりも寸法の長い第二の先端開放伝送線路63を接続している。
【0064】
本実施形態では、3つの周波数の例として、最小波長λ1=80.4mm、中間波長λ2=103.8mm、最長波長λ3=397.4mmが選ばれ、伝送線路41=10mm、伝送線路42=20mm、伝送線路52=30mm、伝送線路62=40mm、伝送線路63=60mmに設定される。伝送線路の全長は160mmとなり、これは、λ1/2+λ2/2+λ3/4=191.5mmより小で、式(14)が満たされる。
【0065】
この構造により、先端開放伝送線路63の寸法が長い場合、アンテナ全体を取り巻くように先端開放伝送線路63を配置するよりもアンテナ自体の機械強度を増す効果がある。
【0066】
なお、先端短絡伝送線路においても同様なことが起こる場合、本発明のアンテナ13の先端開放伝送線路63と同じように、該先端短絡伝送線路を接地導体の溝に収納するように接続しても同様な効果が得られる。
【0067】
図5A、図5Bに本発明の第5の実施形態を示す。図5A、図5Bの3アンテナ14は、一体金属板のアンテナ構造を誘電体層で支持し、同一体金属板の裏面部にストリップ導体パタン形成した構造の3モードアンテナである。図1のアンテナ1において二分岐である第一の分岐部31の一端に接続された第一の先端開放伝送線路61を該先端開放伝送線路61よりも寸法の長い先端開放伝送線路64に替えるため、誘電体層9に設けたスルーホール100を使用し、誘電体層9の一面と別の一面で先端開放伝送線路64を形成する構造である。
【0068】
この構造により、誘電体層の誘電率の波長短縮効果でアンテナサイズを縮小する効果がある。
【0069】
図6A、図6Bに本発明の第6の実施形態を示す。図6A、図6Bのアンテナ15は、3モードアンテナを成し、図4の本発明のアンテナ13を誘電体層9で支持し、さらにアンテナ13の接地導体2の端から誘電体層9を貫通しアンテナ13の裏面部に達する複数のスルーホール100を使用して、誘電体層9のもう一面に構成した第二の接地導体21とアンテナ13の接地導体2とを接続した構造である。
【0070】
この構造により、回路基板を構成する誘電体材質の誘電率の波長短縮効果でアンテナサイズを縮小すると共に、接地導体面積を増大させ、アンテナの動作を安定化させる効果がある。
【0071】
図7A、図7Bに本発明の第7の実施形態を示す。図7A、図7Bのアンテナ16は、誘電体層9の一面に構成した図4のアンテナ13の接地導体2と誘電体層9のもう一面に構成した接地導体21との接続に、誘電体層の側面に形成しためっき層72を用いる構造の3モードアンテナである。
【0072】
この構造により、第6の実施形態で採用したスルーホールを作製する手間を省き、第6の実施形態と同様な効果をより少ない製造コストで得られる効果がある。
【0073】
図8に本発明の第8の実施形態を示す。本実施形態は、図1のアンテナ1の構造全体に丸みを持たすように曲げた構造になっている。本実施形態の構造は、先ず図1のアンテナ構造を一体金属板で打ち抜きプレス加工にて製作し、次に、曲げプレス加工にて低コストに製作可能である。
【0074】
本実施形態のアンテナ構造は、アンテナを搭載する無線端末の筐体の内部形状が曲面である場合、実質的にアンテナが占有出来る該筐体内の体積を大きく取ることができるので、アンテナ設計の自由度が上がり、結果として設計工数の短縮を可能とする効果が生じる。
【0075】
図9に本発明の第9の実施形態を示す。本実施形態は、図9は、図1のアンテナ構造の伝送線路41が長くなる3モードアンテナである。伝送線路41の長さを確保する為に接地導体2の周囲に沿って同伝送線路が形成される。更に、先端開放伝送線路61,62が接地導体内に形成したメアンダ形状の溝81,82の中に設けられる。
【0076】
本実施形態の構成により、アンテナの構成要素である伝送線路の全長が長い場合に、これら伝送線路を小寸法内に実現することが可能となる。本技術の適用は先端短絡伝送線路の場合も当然可能である。
【0077】
図10に本発明の第10の実施形態を示す。図9の実施形態と異なる点は、先端開放伝送線路を接地導体内に実現する為の溝83,84の形状が角型スパイラル形状であることである。スパイラル形状にすることにより、インダクタンス成分が増加し、等価的に該先端開放伝送線路の物理長を低減することが可能となる。これにより、接地導体の面積が増加し、アンテナ動作の安定度を向上させることが可能となる。
【0078】
図11に本発明の第11の実施形態を示す。図10の実施形態と異なる点は、先端開放伝送線路を接地導体内に実現する為の溝85,86の形状が円形スパイラル形状であることである。角型スパイラル形状に比べて円形スパイラル形状は構造の不連続性が少ないので、同スパイラル形状の寸法精度に対する電気特性の変化を小さくすることができる。このため、製造歩留まりを向上させることができ、結果としてアンテナ製品の製造コストを引き下げる効果が生じる。
【0079】
図12に本発明の第12の実施形態を示す。本実施形態では、給電に同軸ケーブルが用いられる。図12に示すように、図1のアンテナ1の給電点7に同軸ケーブル71が接続され、同軸ケーブル71を介して電力の供給が行なわれる。
【0080】
同軸ケーブルは高周波帯での伝送損失が低い特性があるため、アンテナへの電力の供給を効率良く行なう効果がある。更に、同軸ケーブルの使用により、アンテナから離れた所にある通信モジュール等との接続が可能になり、アンテナの設置位置の自由度を広げる効果がある。
【0081】
図1のアンテナ1に同軸給電線71を設けた図12によるアンテナの製品構造の一例を図13に示す。図13のアンテナは、図12で示される同軸給電線を構成要素として含み、該同軸給電線とアンテナ給電部との結合部を除いて、薄い誘電体シート72によりアンテナ全体がラミネートされる。誘電体シートとしては、例えばポリイミド系の材料を用いることができる。同軸給電線とアンテナ給電部との結合部は、該同軸線路外導体とアンテナの接地導体部及び該同軸線路内導体とアンテナの給電点を含む伝送線路が後工程にて半田付け等の電気的接合が可能な程度に限り、アンテナを構成する導体を露出させ、アンテナの他の導体部は、外的要因による劣化を防ぐため、極力誘電体シートにて覆われることが望ましい。
【0082】
本実施形態は、図13に示す製品構造とすることにより、アンテナが無線端末筐体内で他の電子・電気部品と接触することを防ぐと共に、アンテナを構成する一体金属板の外的要因による腐食、劣化等を防ぎ、アンテナ特性の時間的安定度(経年変化)を向上させる効果がある。
【0083】
図14A、図14Bに本発明の第13の実施形態を示す。図14A、図14Bにおいて、130は、図1の本発明のマルチモードアンテナ1を内蔵した携帯電話(携帯無線端末)、142は携帯電話130のスピーカである。
【0084】
図14Bにおいて、携帯電話130の表面カバー131と裏面カバー132との間に配置される回路基板140が配置される。この回路基板140と裏面カバー132との間で本体のスピーカ142の後方、即ち本体上側の位置に本発明のマルチモードアンテナ1が設置される。回路基板140に高周波回路の給電部141が設置され、この給電部141と本発明のマルチモードアンテナ1の給電部7とが接続される。
【0085】
携帯電話を使用する際、使用者の手が携帯電話の本体上側の本体裏面側にまでかかることはほとんど無い。そのためアンテナを内蔵する位置を携帯電話の本体上側で本体裏面側にすることで、使用者の手によるアンテナの送受信感度の劣化を少なくする効果がある。
【0086】
現在、マルチメディア無線端末では、画像サービスが重要なアプリケーションとなってきている。画像サービスの進展に伴い、無線端末に使用される液晶等のディスプレイは大型化する傾向にある。特に、端末自体の体積が小さい携帯移動無線電話ではその傾向が著しい。小さい体積で大きな映像画面を実現する為に、マルチメディア端末では、折り畳み形状の筐体採用が進行しつつある。折り畳み形状では、実質的にアンテナを搭載する空間の厚さ方向が著しく制限されるので、薄板形状をなす本発明のマルチモードアンテナの適合性が極めて高い。本発明のマルチモードアンテナを採用することにより、大型表示部を備えたマルチメディア端末の折り畳み筐体において、その大型表示部の裏面部にアンテナを搭載することが可能となる。
【0087】
なお、本実施形態の携帯電話には図1の第1の実施形態のマルチモードアンテナ1を搭載したが、これに限らず、第2〜第12の実施形態のいずれのアンテナも搭載することが可能である。
【0088】
図15A〜図15Cに本発明の第14の実施形態を示す。同図において、本発明のマルチモードアンテナの製造方法の一実施形態が示される。本実施形態では、アンテナの構成要素である伝送線路が先端短絡伝送線路を含まない場合、また先端短絡伝送線路と接地導体間の接合の物理的強度が取れない場合の製造方法が取り上げられる。
【0089】
先ず、図15Aに示すように、一連・一体の伝送線路部と接地導体との接合の物理的強度を確保する為の支持導体部73と一体としてアンテナ構造全体を金属プレス打ち抜き工程によって作成する。
【0090】
次に、図15Bに示すように、薄い誘電体シート72を用いて、アンテナの給電部と該支持導体部を除く全体をラミネート加工工程にて覆う。
【0091】
続いて、図15Cに示すように、再び金属プレス打ち抜き工程によって、本質的にアンテナ動作に不要な支持導体部を切り落とす。最後に、同軸ケーブルを半田付け工程によりアセンブリし、製品としてのアンテナの製造完とする。
【0092】
本実施形態の技術を適用することにより、接地導体と伝送線路との相対的位置関係を精度良く製作することが可能となり、結果として製品歩留まりを向上させる効果が生じる。
【0093】
以上、本発明によれば、複数の周波数において、単一の給電部で、高周波回路部と自由空間の良好なインピーダンス整合が伝送線路を用いて可能となり、3モード以上の多モードで動作するアンテナを実現することができる。また、複数の周波数で伝送線路を共有する構造を実現できるため、マルチモードアンテナの小型化及びマルチモードアンテナの整合帯域拡大に大きな効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明に係るアンテナは、携帯型の無線通信装置に用いて好適であり、特に複数の周波数を用いてマルチメディアサービスを提供するシステムのマルチメディア無線端末に用いるのに適している。
【符号の説明】
【0095】
1…アンテナ、11…アンテナ、12…アンテナ、13…アンテナ、14…アンテナ、15…アンテナ、16…アンテナ、2…接地導体(グランド部)、21…第二の接地導体、31…第一の分岐部、32…第二の分岐部、33…分岐部、41…第一の伝送線路、42…第二の伝送線路、51…先端短絡伝送線路、52…先端短絡伝送線路、61…先端開放伝送線路、62…先端開放伝送線路、63…先端開放伝送線路、64…先端開放伝送線路、7…給電点、71…同軸ケーブル、72…めっき層、8…溝、81…メアンダ形状の溝、82…メアンダ形状の溝、9…誘電体層、100…スルーホール、130…携帯電話、131…表面カバー、132…裏面カバー、140…回路基板、141…給電部、142…スピーカ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接地電位を有する接地導体と、
上記接地導体の一部を一端とする単一の給電点と、
上記給電点に供給された高周波電力を入力して帯域の異なるn種(nは3以上の整数である)の周波数の電磁波を空間に放射する複数の伝送線路とを具備し、
上記複数の伝送線路は、上記n種の周波数の電磁波を共通して空間に放射する伝送線路を含み、かつ、上記給電点を起点とする分岐点を(n−1)個有する一体のトポロジー構造を成しており、
上記給電点において上記n種の周波数に対してインピーダンス整合が行なわれ、
上記接地導体、上記給電点及び上記複数の伝送線路が一体金属板によって形成され、
上記n種の周波数が3周波数の場合、上記複数の伝送線路の全長が第1の周波数の電磁波の四分の一波長と、上記第1の周波数より高い第2及び第3の周波数の電磁波の夫々二分の一波長との和より短く、
上記n種の周波数がn周波数(nは4以上の整数である)の場合、上記複数の伝送線路の全長が第1の周波数の電磁波の四分の一波長と、上記第1の周波数より高い第2、第3、第4、…及び第nの周波数の電磁波の各二分の一波長との和より短いことを特徴とするアンテナ。
【請求項2】
接地電位を有する接地導体と、
上記接地導体の一部を一端とする単一の給電点と、
上記給電点に供給された高周波電力を入力して帯域の異なるn種(nは3以上の整数である)の周波数の電磁波を空間に放射する複数の伝送線路とを具備し、
上記複数の伝送線路は、上記n種の周波数の電磁波を共通して空間に放射する伝送線路を含み、かつ、上記給電点を起点とする分岐点を(n−1)個有する一体のトポロジー構造を成しており、
上記給電点において上記n種の周波数に対してインピーダンス整合が行なわれ、
上記接地導体、上記給電点及び上記複数の伝送線路が一体金属板によって形成され、
上記n種の周波数が3周波数の場合、上記複数の伝送線路の全長が第1の周波数の電磁波の四分の一波長と、上記第1の周波数より高い第2及び第3の周波数の電磁波の夫々二分の一波長との和より短く、
上記複数の伝送線路の内のいずれかの伝送線路の片側に接地導体が位置することを特徴とするアンテナ。
【請求項3】
接地電位を有する接地導体と、
上記接地導体の一部を一端とする単一の給電点と、
上記給電点に供給された高周波電力を入力して帯域の異なる3通りの周波数の電磁波を空間に放射する複数の伝送線路とを具備し、
上記複数の伝送線路は、上記3通りの周波数の電磁波を共通しで空間に放射する伝送線路を含み、かつ、上記給電点を起点とする分岐点を2個有する一体のトポロジー構造を成し、
上記複数の伝送線路は、一端が上記給電点に接続された第1の伝送線路と、上記第1の伝送線路の他端に一端が接続された第2の伝送線路と、上記第2の伝送線路の他端に接続された第3の伝送線路とを含み、
上記接地導体、上記給電点及び上記複数の伝送線路が一体金属板によって形成され、
上記複数の伝送線路の全長が第1の周波数の電磁波の四分の一波長と、上記第1の周波数より高い第2及び第3の周波数の電磁波の夫々二分の一波長との和より短く、
上記給電点において上記3通りの周波数に対してインピーダンス整合が行なわれるように上記複数の伝送線路のそれぞれの長さが設定され、
上記接地導体、上記給電点及び上記複数の伝送線路が一体金属板によって形成されることを特徴とするアンテナ。
【請求項4】
上記複数の伝送線路の内のいずれかの伝送線路の片側に接地導体が位置することを特徴とする請求項3に記載のアンテナ。
【請求項5】
上記給電点又は上記第1の伝送線路の他端又は上記第2の伝送線路の他端の少なくともいずれかにインピーダンス調整用の伝送線路が更に接続されることを特徴とする請求項3に記載のアンテナ。
【請求項6】
請求項1に記載のアンテナの製造方法であって、
上記複数の伝送線路及び上記接地導体を金属板プレス加工によって形成する工程を含むことを特徴とするアンテナの製造方法。
【請求項7】
上記接地導体、上記給電点及び上記複数の伝送線路が一体金属板によって形成される請求項1に記載のアンテナを内部に搭載してなることを特徴とする携帯無線端末。
【請求項8】
請求項3に記載のアンテナの製造方法であって、
上記複数の伝送線路及び上記接地導体を金属板プレス加工によって形成する工程を含む
ことを特徴とするアンテナの製造方法。
【請求項9】
請求項3に記載のアンテナを内部に搭載してなることを特徴とする携帯無線端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−21716(P2013−21716A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−212012(P2012−212012)
【出願日】平成24年9月26日(2012.9.26)
【分割の表示】特願2005−515395(P2005−515395)の分割
【原出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】