説明

アンテナ装置

【課題】 GPSアンテナ装置に用いるにはセラミックは高価であり、部品コストの削減を妨げることになってしまう。
【解決手段】 このGPSアンテナ装置は、ABS樹脂よりなるレドーム1内部に例えば一体成形によりループアンテナ3を封止している。ループアンテナ3の下側にはプリント回路基板4が接続され、このプリント基板4はシールドケース5によって覆われている。プリント回路基板4上の回路部から外部の例えばナビゲーション装置本体には同軸ケーブル6が延びている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グローバルポジショニングシステムを用いて進行方向を求めている、例えば車載用ナビゲーション装置に好適なアンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、グローバルポジショニングシステム(global positioning system、以下GPSと記す)を用いて現在の位置を確認するような測位装置が広く使われるようになった。GPSを用いることにより、複数の衛星からの電波を利用して移動体、又は所持者の位置を測位する。
【0003】このGPSにおいて、複数の衛星から電波を受信するためには、例えば車輌のような移動体に磁石等で簡単に備え付けられる平面型のGPSアンテナ装置が用いられる。
【0004】従来、このGPSアンテナ装置は、図2に示すように、レドーム31とボトムカバー32の内部に、マイクロストリップアンテナ33を有してなる。マイクロストリップアンテナ33は、誘電体であるセラミックスで形成された絶縁体34の上面に金属箔など導体箔によるパッチの輻射導体35を印刷パターンとして形成していた。マイクロストリップアンテナ33は絶縁体34の下側にプリント回路基板(prited circuit bord;PCB)36を設けており、さらに下側にシールドカバー37を設けている。
【0005】プリント回路基板36は下面に回路パターン等を形成しており、輻射導体35と接続されている。プリント回路基板36上の回路部から外部の例えばナビゲーション装置本体には同軸ケーブル38が延びている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記セラミックスのような絶縁体34は高価であり、マイクロストリップアンテナ33をGPSアンテナ装置に用いるのは、部品コストの削減を妨げることになってしまう。
【0007】また、上記セラミックスを用いたときには、太陽光等による熱の影響で、セラミックスの特性が変化してしまい、アンテナとしての特性に影響を与えてしまうことがあった。
【0008】本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、部品コストを大幅に削減し、かつ安定したアンテナ特性を得ることのできるアンテナ装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係るアンテナ装置は、上記課題を解決するために、グローバルポジショニングシステムで用いるアンテナ装置において、ループアンテナを封止している樹脂からなる上ケーシングと、上記ループアンテナに接続される回路基板と、上記回路基板を上記上ケーシングとの間で内包する下ケーシングとを備えることを特徴とする。なお、上記上ケーシングをABS樹脂とし、このABS樹脂で上記ループアンテナを封止する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。この実施の形態は、ナビゲーション装置に用いられて好適なGPSアンテナ装置であり、ABS樹脂よりなるレドーム1内部に例えば一体成形によりループアンテナ3を封止している。ループアンテナ3の下側にはプリント回路基板4が接続され、このプリント基板4はシールドケース5によって覆われている。プリント回路基板4上の回路部から外部の例えばナビゲーション装置本体には同軸ケーブル6が延びている。
【0011】通常、ループアンテナは空中線にて1/4λの共振器からなる。ABS樹脂よりなるレドーム1に封止することにより、樹脂が比誘電率を持っていることから、その分小型化が可能となる。
【0012】
【発明の効果】本発明に係るアンテナ装置によれば、アンテナエレメントのレドームとの一体成形化による構造の簡易化ができるので、生産コストを削減できる。また、セラミックを用いていないのでコスト削減も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態となるGPSアンテナ装置の要部の構成を示す斜視図である。
【図2】従来のアンテナ装置の側面図である。
【符号の説明】
1 レドーム
2 ボトムカバー
3 ループアンテナ
4 プリント基板
5 シールドケース

【特許請求の範囲】
【請求項1】 グローバルポジショニングシステムで用いるアンテナ装置において、ループアンテナを封止している樹脂からなる上ケーシングと、上記ループアンテナに接続される回路基板と、上記回路基板を上記上ケーシングとの間で内包する下ケーシングとを備えることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】 上記上ケーシングをABS樹脂とし、このABS樹脂で上記ループアンテナを封止することを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2001−24419(P2001−24419A)
【公開日】平成13年1月26日(2001.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−191377
【出願日】平成11年7月6日(1999.7.6)
【出願人】(000006220)ミツミ電機株式会社 (1,651)
【Fターム(参考)】